画像処理装置および画像処理方法
【課題】 印刷される画像の光沢むらを低減することが可能な画像処理手法を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明に係る画像処理装置は、第一のドットと前記第一のドットよりドットサイズが大きい第二のドットとの色材を用いて印刷媒体上に画像を形成可能な画像形成装置に対して、前記第一のドットと前記第二のドットとに対応するドットデータを出力する画像処理装置であって、前記画像を表す画像データを入力する入力手段と、前記画像データの濃度を判別する判別手段と、前記画像データに基づき、前記判別手段により判別された前記濃度が中濃度の場合に、前記第一のドットを用いて前記画像を形成するためのドットデータを生成し、前記濃度が低濃度の場合に、前記第二のドットを用いて前記画像を形成するためのドットデータを生成する生成手段とを有することを特徴とする。
【解決手段】 本発明に係る画像処理装置は、第一のドットと前記第一のドットよりドットサイズが大きい第二のドットとの色材を用いて印刷媒体上に画像を形成可能な画像形成装置に対して、前記第一のドットと前記第二のドットとに対応するドットデータを出力する画像処理装置であって、前記画像を表す画像データを入力する入力手段と、前記画像データの濃度を判別する判別手段と、前記画像データに基づき、前記判別手段により判別された前記濃度が中濃度の場合に、前記第一のドットを用いて前記画像を形成するためのドットデータを生成し、前記濃度が低濃度の場合に、前記第二のドットを用いて前記画像を形成するためのドットデータを生成する生成手段とを有することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷される画像の光沢むらを低減する画像処理に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷された画像の光沢を向上させる技術としては、以下のものがある。色材に用いる顔料を樹脂でコーティングすることでマイクロカプセル化する技術(特許文献1)や、印刷された画像に透明インクでコーティングする技術(特許文献2)が知られている。また、インクの光沢特性に応じてインクの重ね順を変える技術(特許文献3)が知られている。
【特許文献1】特開2005−255755
【特許文献2】特開2005−230806
【特許文献3】特開2005−193463
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来技術において、特許文献1のマイクロカプセル化では、顔料に対する樹脂の量が圧倒的に多くなり、顔料の量が少なくなる。その結果、濃度が高くならず、印刷された画像において再現される色域が狭くなってしまう。次に、特許文献2の透明インクでは、新たに透明インク用にヘッドを増設せねばならず、開発コストやランニングコストが悪化してしまう。そして、特許文献3の光沢特性に応じてインクの重ね順を変える技術では、画像においてインクを重ねられない領域では光沢が低下するため、光沢むらが生じるという問題があった。
【0004】
そこで、本発明は上記課題を鑑み、印刷される画像の光沢むらを低減することが可能な画像処理手法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る画像処理装置は、第一のドットと前記第一のドットよりドットサイズが大きい第二のドットとの色材を用いて印刷媒体上に画像を形成可能な画像形成装置に対して、前記第一のドットと前記第二のドットとに対応するドットデータを出力する画像処理装置であって、前記画像を表す画像データを入力する入力手段と、前記画像データの濃度を判別する判別手段と、前記画像データに基づき、前記判別手段により判別された前記濃度が中濃度の場合に、前記第一のドットを用いて前記画像を形成するためのドットデータを生成し、前記濃度が低濃度の場合に、前記第二のドットを用いて前記画像を形成するためのドットデータを生成する生成手段とを有することを特徴とする。
【0006】
本発明に係る画像処理装置は、第一のドットと前記第一のドットよりドットサイズが大きい第二のドットとの色材を用いて印刷媒体上に画像を形成可能な画像形成装置に対して、前記第一のドットと前記第二のドットとに対応するドットデータを出力する画像処理装置であって、前記画像を表す画像データを入力する入力手段と、前記画像の光沢感の優先度を設定する設定手段と、前記画像データに基づき、前記設定手段により設定される優先度が高くなるにつれて、前記画像の所定濃度領域を形成する前記第二のドットの数が多くなるようにドットデータを生成する生成手段とを有することを特徴とする。
【0007】
本発明に係る画像処理方法は、第一のドットと前記第一のドットよりドットサイズが大きい第二のドットとの色材を用いて印刷媒体上に画像を形成可能な画像形成装置に対して、前記第一のドットと前記第二のドットとに対応するドットデータを出力する画像処理方法であって、前記画像を表す画像データを入力する入力工程と、前記画像データの濃度を判別する判別工程と、前記画像データに基づき、前記判別手段により判別された前記濃度が中濃度の場合に、前記第一のドットを用いて前記画像を形成するためのドットデータを生成し、前記濃度が低濃度の場合に、前記第二のドットを用いて前記画像を形成するためのドットデータを生成する生成工程とを有することを特徴とする。
【0008】
本発明に係る画像処理方法は、第一のドットと前記第一のドットよりドットサイズが大きい第二のドットとの色材を用いて印刷媒体上に画像を形成可能な画像形成装置に対して、前記第一のドットと前記第二のドットとに対応するドットデータを出力する画像処理方法であって、前記画像を表す画像データを入力する入力工程と、前記画像の光沢感の優先度を設定する設定工程と、前記画像データに基づき、前記設定手段により設定される優先度が高くなるにつれて、前記画像の所定濃度領域を形成する前記第二のドットの数が多くなるようにドットデータを生成する生成工程とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
上記構成により、印刷される画像の光沢むらを低減することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
<実施形態1>
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態を説明する。
【0011】
以下に説明する実施形態では、画像形成装置として、インクジェット記録方式を用いて印刷媒体上に画像を印刷するプリンタを例に挙げ説明する。なお、画像記録方式はインクジェット記録方式に限られるものではなく、その他、電子写真記録方式であっても良い。インクジェットプリンタではハーフトーン処理に従い、吐出量を変えて、例えば大中小のドットを打ち分けているが、電子写真記録方式のプリンタの場合も同様に、ハーフトーン処理に従い露光、現像、定着のプリントプロセスを行えば良い。また、熱プリンタ(いわゆる昇華型プリンタ)等に適用しても良い。
【0012】
図1を用いて、本実施形態における画像処理装置の構成について説明する。画像処理装置11は、入力部111、色変換テーブル格納部112、ドットパターン選択部113、判別部114、色変換部115、量子化処理部116、出力部117とを有する。入力部111は、画像を示す画像データである、例えばRGBデータなどの画素毎の画像データを、図示しない外部より入力することで受け取る。なお、入力される画像データはカラー画像データに限らず、モノクロ画像データであっても良い。色変換テーブル格納部112は、入力部111で受け取った画像データを、インク色を表す例えばCMYKなどの出力信号に変換するための変換テーブルを格納する。ドットパターン選択部113は、格納された複数のドットパターン(インデックス)から1つを選択し、画像を形成するドットに対応するドットデータを生成する。判別部114は、画像データの濃度を判別する。色変換部115は、色変換テーブル格納部112に格納された色変換テーブルを用いて、画像データを出力信号に変換する。量子化処理部116は、色変換部115によって変換された出力信号を量子化する。出力部117は、ドットパターン選択部113により選択されたドットパターンを示すドットデータをカラープリンタ部12に出力する。
【0013】
図2を用いて、大ドットと小ドットをそれぞれ形成できるプリンタヘッドの構成を説明する。ノズル21は大ドットを形成するためのインクを吐出させる大ドット用ノズルであり、同様にノズル22は小ドットを形成するための小ドット用ノズルである。プリンタヘッドは、プリンタの色材色数分について大ドットと小ドットそれぞれのノズルを備える。なお、本実施形態では、ドットサイズは大小に限定されず、各々のサイズが相対的に異なる複数のドットが形成可能であれば、何段階であってもよい。また、ノズルの大きさによってドットサイズを変更することに限らず、例えばピエゾ方式のプリンタヘッドのように、一つのノズルでドットサイズを変更してもよい。
【0014】
次に、本実施形態における画像処理装置の動作について、図3のフロー図を用いて説明する。まず、ステップ101において、画像処理装置11に入力された画素毎の画像データは、入力部111に入力される。ステップ102において、入力部111に入力された画像データは、色変換部115により、いわゆるカラーマッチング処理および色分解処理が行われ、画像データの示す色(デバイス依存のRGB値)が、プリンタの色材の示す色(CMYK値)に色分解される。なお、色分解処理は、色相反転や明度反転のない滑らかな階調再現性を実現するため、インクと紙のそれぞれの物理特性を考慮して行われる。さらに、ステップ103において、判別部114により、入力部111に入力された画像データの画素毎の濃度を判別する。本実施形態においては、画像データの濃度を予め定められた2つの閾値との大小比較により低濃度・中濃度・高濃度に判別する。なお、判別方法の詳細については後述する。また、濃度の判別は、入力部111に入力された画像データの画素毎の濃度に限るものではなく、ステップ102におけるプリンタの色材の示す色に対して画素毎に濃度に対して判別しても良い。ステップ104またはステップ105において、量子化処理部116により、色変換部115において色分解された後の各色(CMYKの4プレーン)の画像データに対して、ステップ103で判別された濃度に従って、プレーン毎に量子化処理される。なお、量子化処理の詳細は後述する。ステップ106またはステップ107において、ドットパターン選択部113よって、量子化処理の結果に基づき、プレーン毎にドットパターンが選択され、ドットデータが生成される。なお、ドットパターン選択の詳細は後述する。ステップ108において、出力部117により、ステップ106またはステップ107において生成されたドットデータがカラープリンタ部20に出力される。
【0015】
前記ステップ104およびステップ105の量子化処理について詳述する。量子化処理部116は、判別部114により判別された判別結果に応じて、複数の量子化を切り替えることで量子化を行う。
【0016】
量子化の切り替えを説明する前に、ドットと光沢との関係について説明する。顔料インクは紙面上に定着して発色するため、紙面上に定着した顔料が凹凸(一般的には、50nmから200nm)を形成して、入射した光の一部を乱反射する。この乱反射が大きくなると、正反射光(45゜/45゜)の強度が低下して光沢度が低くなる。同一色調内において、ドットと紙面との光沢を比較した場合、一般的に紙面の光沢は低いので、紙面の占める割合が大きく濃度の低い低濃度領域では光沢が低下する。従って、ドットが占める割合が大きい濃度領域と小さい濃度領域との光沢差が、同一画像内において光沢のむらとなって生じることで、著しく画質を劣化させる。また、大きさの異なるドットを用いて同じ濃度を再現する場合、大ドットのほうが小ドットより少ないインクドット数で再現できる。つまり、大ドットを用いた場合、小ドットに比べてインクドット数が少ないことにより、紙面上でドット間における凹凸が減ることとなる。その結果、図11に示すように、大ドットを用いた場合、小ドットを用いた場合に比べて相対的に光沢が高くなる。ドットパターンによる濃度と光沢度との関係を図8に示す。図8は、低濃度領域から高濃度領域への濃度の変化を横軸とし、光沢度の大きさを縦軸とした場合の、ドットパターンによる濃度と光沢度との関係を示す図である。ドットパターンとして、小ドットのみを用いた場合、大ドットのみを用いた場合、小ドットと大ドットの組み合わせを用いた場合のそれぞれについて、濃度と光沢度との関係を示している。低濃度領域、中濃度領域、高濃度領域のそれぞれにおいて、小ドットのみを用いた場合に比べて、大ドットのみを用いた場合のほうが光沢度は高くなる。また、ドットパターンに依らず、最も光沢度が高い濃度領域は中濃度領域である。つまり、中濃度領域で大ドットのみを用いた場合に光沢度が最も高くなる。一方、光沢度が最も低いのは、低濃度領域で小ドットを用いた場合である。
【0017】
そこで、中濃度領域においては小ドットを優先的に用い、低濃度領域および濃度の高い高濃度領域においては大ドットを優先的に用いることで、光沢度の最も高い中濃度領域において光沢度を抑制し、低濃度領域および高濃度領域において光沢度を向上させることができる。その結果、異なる濃度領域における光沢差が小さくなることで光沢むらが低減される。このようなドットパターンを選択するために、判別された画像データの濃度に応じて量子化を切り替える。すなわち、中濃度領域においてはm値化し、低濃度領域および高濃度領域においてはn値化(m、nは2<=n<mを満たす整数)する。
【0018】
ここで、ステップ103における画像データの濃度の判別について説明する。まず、各色を大ドットおよび小ドットで形成できるプリンタヘッドを用いて図7に示すクロスパッチを印刷し、測定器を用いて光沢度の測定を行う。このクロスパッチは、左から右に向かって横方向に濃度が大きくなり、上から下に向かって縦方向に、全ドットに占める大ドットの比率が高くなるようパッチが配置される。クロスパッチの濃度と光沢度との関係から、濃度に対して光沢が大きく変動する点の濃度を前述した判別に用いる2つの閾値として取得する。この2つの閾値の間にある濃度が中濃度領域となる。
【0019】
次に、ステップ104およびステップ105における各濃度領域に対する量子化について、5値化を例にして説明を行う。図4は、8ビットの入力値から5値の出力値への量子化を説明する図であり、横軸で入力値を、縦軸で出力値を表している。入力値に対する量子化の閾値を32、96、160、224とし、出力値を同順で0、1、2、3、4に量子化する。具体的には、まず、入力値(例として130)に対して、一番小さい閾値32と比較を行う。入力値が32以上であれば、次に大きい閾値96と比較を行い、閾値を下回るまで比較を行う。入力値が閾値より小さくなる出力値の0から4に量子化する。ステップ105における2値化についても5値化と同様に行う。なお、入力値は8ビットに限られるものではなく、他のビット数で表される入力値であっても良い。また、量子化は5値化および2値化に限られるものではなく、m値化とn値化(m、nは2<=n<mを満たす整数)
としても良い。
【0020】
次に、前記ステップ106およびステップ107のドットパターン選択処理について詳述する。ドットパターン選択部113は、予め格納している複数のドットパターンの中から、ステップ104およびステップ105における量子化処理の結果に基づいて、図5および図6に示すようにドットパターンを選択し、ドットデータを生成する。図5は2値で量子化される場合のドットパターン、図6は5値で量子化される場合のドットパターンの例を示す。図5では、画素毎の画像データ501をn値化した量子化結果502に対して、大ドットのドットパターン504を用いてドットデータ503が生成される。図6では、画素毎の画像データ601をm値化した量子化結果602に対して、大ドットのドットパターン604を用いてドットデータ603が生成される。つまり、画像データが5値で量子化された場合は、小ドットを用いたドットパターンが選択され、2値で量子化された場合は、大ドットを用いたドットパターンが選択される。
【0021】
以上により、本実施形態において、異なる濃度領域間の光沢差を小さくするドットパターンを選択することにより、光沢むらを低減することが可能となる。
【0022】
<実施形態2>
実施形態1では、光沢むらを考慮してドットパターンが選択された。しかしながら、シアン(C)やマゼンタ(M)、ブラック(K)のようにインクドットの濃度が高く、粒状性を加味しなければならないインクの場合、大ドットを多用すると粒状性が悪化してしまう。そのため本実施形態では、ユーザが任意に粒状性重視か光沢感重視かを選択できる実施形態について説明する。
【0023】
図9は、粒状性と光沢感のどちらを優先するかを設定するためのUI画面であり、図示しないモニタに表示される。粒状性と光沢感のどちらを優先するかの設定は、図中の光沢優先ボタン91、粒状性優先ボタン92により選択的に設定される。ユーザにより、光沢優先ボタン91が設定されると、ステップ106およびステップ107のドットパターン選択処理において、大ドットを多用するようドットパターンが選択される。すなわち、低濃度領域から高濃度領域への濃度(階調)変化において、光沢の変動が小さくなるようなドットパターンが選択される。同様に、粒状性優先ボタン92が設定されると、小ドットを多用するようドットパターンが選択される。なお、粒状性と光沢感のどちらを優先するかの設定は、低濃度領域、中濃度領域、高濃度領域のそれぞれについて設定することが可能である。
【0024】
また、マニュアル調整ボタン93が設定されると、図10に示す光沢マニュアル調整画面が図示しないモニタに表示される。ユーザは、図中のスライダー1001を図示しないマウス等で操作することにより、ドットパターン中の大小ドットの比率を任意に設定することで光沢感の優先度を調整可能となる。なお、所定濃度領域に対して、設定された大小ドットの比率を表すドットパターン、または設定された比率に最も近いドットパターンがステップ105のドットパターン選択処理において選択される。
【0025】
以上により、本実施形態において、粒状性を考慮しつつ、光沢むらを低減することが可能となる。
【0026】
<実施形態2の変形例>
実施形態2では、ユーザが任意に粒状性重視か光沢感重視かを選択でき、また、光沢感の優先度を調整できる実施形態について説明した。
【0027】
実施形態2の変形例として、粒状性重視か光沢感重視かの選択、および、光沢感の優先度の調整を、例えばプリンタで使用される色毎に設定しても良い。具体的には、図9のUI画面において、色毎にチェックボックス等を設け、ユーザが設定したい色を少なくとも1つ選択できるようにすれば良い。
【0028】
<その他の実施形態>
本発明は、前述した実施形態に限られるものではない。前述した実施形態の機能を実現するソフトウエアのプログラムコードであるコンピュータプログラムを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給しても良い。そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUまたはMPU)は、記録媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行する。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することとなり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0029】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。
【0030】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現される場合に限らない。そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOperating System(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現されても良い。
【0031】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現されても良い。この際、プログラムコードは、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書きこまれてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本実施形態に係る画像処理装置の構成を示す図である。
【図2】本実施形態に係るプリンタヘッドの構成を示す図である。
【図3】本実施形態に係る画像処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】本実施形態に係る量子化処理を説明する図である。
【図5】本実施形態に係る量子化処理(2値)とドットパターンを説明する図である。
【図6】本実施形態に係る量子化処理(5値)とドットパターンを説明する図である。
【図7】本実施形態に係るクロスパッチの構成を示す図である。
【図8】本実施形態に係るドットパターンによる濃度と光沢との関係を説明する図である。
【図9】本実施形態に係る光沢の優先度を設定するUI画面を示す図である。
【図10】本実施形態に係る光沢のマニュアル調整のためのスライダーを示す図である。
【図11】本実施形態に係る光沢とドットパターンとの関係を示す図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷される画像の光沢むらを低減する画像処理に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷された画像の光沢を向上させる技術としては、以下のものがある。色材に用いる顔料を樹脂でコーティングすることでマイクロカプセル化する技術(特許文献1)や、印刷された画像に透明インクでコーティングする技術(特許文献2)が知られている。また、インクの光沢特性に応じてインクの重ね順を変える技術(特許文献3)が知られている。
【特許文献1】特開2005−255755
【特許文献2】特開2005−230806
【特許文献3】特開2005−193463
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来技術において、特許文献1のマイクロカプセル化では、顔料に対する樹脂の量が圧倒的に多くなり、顔料の量が少なくなる。その結果、濃度が高くならず、印刷された画像において再現される色域が狭くなってしまう。次に、特許文献2の透明インクでは、新たに透明インク用にヘッドを増設せねばならず、開発コストやランニングコストが悪化してしまう。そして、特許文献3の光沢特性に応じてインクの重ね順を変える技術では、画像においてインクを重ねられない領域では光沢が低下するため、光沢むらが生じるという問題があった。
【0004】
そこで、本発明は上記課題を鑑み、印刷される画像の光沢むらを低減することが可能な画像処理手法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る画像処理装置は、第一のドットと前記第一のドットよりドットサイズが大きい第二のドットとの色材を用いて印刷媒体上に画像を形成可能な画像形成装置に対して、前記第一のドットと前記第二のドットとに対応するドットデータを出力する画像処理装置であって、前記画像を表す画像データを入力する入力手段と、前記画像データの濃度を判別する判別手段と、前記画像データに基づき、前記判別手段により判別された前記濃度が中濃度の場合に、前記第一のドットを用いて前記画像を形成するためのドットデータを生成し、前記濃度が低濃度の場合に、前記第二のドットを用いて前記画像を形成するためのドットデータを生成する生成手段とを有することを特徴とする。
【0006】
本発明に係る画像処理装置は、第一のドットと前記第一のドットよりドットサイズが大きい第二のドットとの色材を用いて印刷媒体上に画像を形成可能な画像形成装置に対して、前記第一のドットと前記第二のドットとに対応するドットデータを出力する画像処理装置であって、前記画像を表す画像データを入力する入力手段と、前記画像の光沢感の優先度を設定する設定手段と、前記画像データに基づき、前記設定手段により設定される優先度が高くなるにつれて、前記画像の所定濃度領域を形成する前記第二のドットの数が多くなるようにドットデータを生成する生成手段とを有することを特徴とする。
【0007】
本発明に係る画像処理方法は、第一のドットと前記第一のドットよりドットサイズが大きい第二のドットとの色材を用いて印刷媒体上に画像を形成可能な画像形成装置に対して、前記第一のドットと前記第二のドットとに対応するドットデータを出力する画像処理方法であって、前記画像を表す画像データを入力する入力工程と、前記画像データの濃度を判別する判別工程と、前記画像データに基づき、前記判別手段により判別された前記濃度が中濃度の場合に、前記第一のドットを用いて前記画像を形成するためのドットデータを生成し、前記濃度が低濃度の場合に、前記第二のドットを用いて前記画像を形成するためのドットデータを生成する生成工程とを有することを特徴とする。
【0008】
本発明に係る画像処理方法は、第一のドットと前記第一のドットよりドットサイズが大きい第二のドットとの色材を用いて印刷媒体上に画像を形成可能な画像形成装置に対して、前記第一のドットと前記第二のドットとに対応するドットデータを出力する画像処理方法であって、前記画像を表す画像データを入力する入力工程と、前記画像の光沢感の優先度を設定する設定工程と、前記画像データに基づき、前記設定手段により設定される優先度が高くなるにつれて、前記画像の所定濃度領域を形成する前記第二のドットの数が多くなるようにドットデータを生成する生成工程とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
上記構成により、印刷される画像の光沢むらを低減することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
<実施形態1>
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態を説明する。
【0011】
以下に説明する実施形態では、画像形成装置として、インクジェット記録方式を用いて印刷媒体上に画像を印刷するプリンタを例に挙げ説明する。なお、画像記録方式はインクジェット記録方式に限られるものではなく、その他、電子写真記録方式であっても良い。インクジェットプリンタではハーフトーン処理に従い、吐出量を変えて、例えば大中小のドットを打ち分けているが、電子写真記録方式のプリンタの場合も同様に、ハーフトーン処理に従い露光、現像、定着のプリントプロセスを行えば良い。また、熱プリンタ(いわゆる昇華型プリンタ)等に適用しても良い。
【0012】
図1を用いて、本実施形態における画像処理装置の構成について説明する。画像処理装置11は、入力部111、色変換テーブル格納部112、ドットパターン選択部113、判別部114、色変換部115、量子化処理部116、出力部117とを有する。入力部111は、画像を示す画像データである、例えばRGBデータなどの画素毎の画像データを、図示しない外部より入力することで受け取る。なお、入力される画像データはカラー画像データに限らず、モノクロ画像データであっても良い。色変換テーブル格納部112は、入力部111で受け取った画像データを、インク色を表す例えばCMYKなどの出力信号に変換するための変換テーブルを格納する。ドットパターン選択部113は、格納された複数のドットパターン(インデックス)から1つを選択し、画像を形成するドットに対応するドットデータを生成する。判別部114は、画像データの濃度を判別する。色変換部115は、色変換テーブル格納部112に格納された色変換テーブルを用いて、画像データを出力信号に変換する。量子化処理部116は、色変換部115によって変換された出力信号を量子化する。出力部117は、ドットパターン選択部113により選択されたドットパターンを示すドットデータをカラープリンタ部12に出力する。
【0013】
図2を用いて、大ドットと小ドットをそれぞれ形成できるプリンタヘッドの構成を説明する。ノズル21は大ドットを形成するためのインクを吐出させる大ドット用ノズルであり、同様にノズル22は小ドットを形成するための小ドット用ノズルである。プリンタヘッドは、プリンタの色材色数分について大ドットと小ドットそれぞれのノズルを備える。なお、本実施形態では、ドットサイズは大小に限定されず、各々のサイズが相対的に異なる複数のドットが形成可能であれば、何段階であってもよい。また、ノズルの大きさによってドットサイズを変更することに限らず、例えばピエゾ方式のプリンタヘッドのように、一つのノズルでドットサイズを変更してもよい。
【0014】
次に、本実施形態における画像処理装置の動作について、図3のフロー図を用いて説明する。まず、ステップ101において、画像処理装置11に入力された画素毎の画像データは、入力部111に入力される。ステップ102において、入力部111に入力された画像データは、色変換部115により、いわゆるカラーマッチング処理および色分解処理が行われ、画像データの示す色(デバイス依存のRGB値)が、プリンタの色材の示す色(CMYK値)に色分解される。なお、色分解処理は、色相反転や明度反転のない滑らかな階調再現性を実現するため、インクと紙のそれぞれの物理特性を考慮して行われる。さらに、ステップ103において、判別部114により、入力部111に入力された画像データの画素毎の濃度を判別する。本実施形態においては、画像データの濃度を予め定められた2つの閾値との大小比較により低濃度・中濃度・高濃度に判別する。なお、判別方法の詳細については後述する。また、濃度の判別は、入力部111に入力された画像データの画素毎の濃度に限るものではなく、ステップ102におけるプリンタの色材の示す色に対して画素毎に濃度に対して判別しても良い。ステップ104またはステップ105において、量子化処理部116により、色変換部115において色分解された後の各色(CMYKの4プレーン)の画像データに対して、ステップ103で判別された濃度に従って、プレーン毎に量子化処理される。なお、量子化処理の詳細は後述する。ステップ106またはステップ107において、ドットパターン選択部113よって、量子化処理の結果に基づき、プレーン毎にドットパターンが選択され、ドットデータが生成される。なお、ドットパターン選択の詳細は後述する。ステップ108において、出力部117により、ステップ106またはステップ107において生成されたドットデータがカラープリンタ部20に出力される。
【0015】
前記ステップ104およびステップ105の量子化処理について詳述する。量子化処理部116は、判別部114により判別された判別結果に応じて、複数の量子化を切り替えることで量子化を行う。
【0016】
量子化の切り替えを説明する前に、ドットと光沢との関係について説明する。顔料インクは紙面上に定着して発色するため、紙面上に定着した顔料が凹凸(一般的には、50nmから200nm)を形成して、入射した光の一部を乱反射する。この乱反射が大きくなると、正反射光(45゜/45゜)の強度が低下して光沢度が低くなる。同一色調内において、ドットと紙面との光沢を比較した場合、一般的に紙面の光沢は低いので、紙面の占める割合が大きく濃度の低い低濃度領域では光沢が低下する。従って、ドットが占める割合が大きい濃度領域と小さい濃度領域との光沢差が、同一画像内において光沢のむらとなって生じることで、著しく画質を劣化させる。また、大きさの異なるドットを用いて同じ濃度を再現する場合、大ドットのほうが小ドットより少ないインクドット数で再現できる。つまり、大ドットを用いた場合、小ドットに比べてインクドット数が少ないことにより、紙面上でドット間における凹凸が減ることとなる。その結果、図11に示すように、大ドットを用いた場合、小ドットを用いた場合に比べて相対的に光沢が高くなる。ドットパターンによる濃度と光沢度との関係を図8に示す。図8は、低濃度領域から高濃度領域への濃度の変化を横軸とし、光沢度の大きさを縦軸とした場合の、ドットパターンによる濃度と光沢度との関係を示す図である。ドットパターンとして、小ドットのみを用いた場合、大ドットのみを用いた場合、小ドットと大ドットの組み合わせを用いた場合のそれぞれについて、濃度と光沢度との関係を示している。低濃度領域、中濃度領域、高濃度領域のそれぞれにおいて、小ドットのみを用いた場合に比べて、大ドットのみを用いた場合のほうが光沢度は高くなる。また、ドットパターンに依らず、最も光沢度が高い濃度領域は中濃度領域である。つまり、中濃度領域で大ドットのみを用いた場合に光沢度が最も高くなる。一方、光沢度が最も低いのは、低濃度領域で小ドットを用いた場合である。
【0017】
そこで、中濃度領域においては小ドットを優先的に用い、低濃度領域および濃度の高い高濃度領域においては大ドットを優先的に用いることで、光沢度の最も高い中濃度領域において光沢度を抑制し、低濃度領域および高濃度領域において光沢度を向上させることができる。その結果、異なる濃度領域における光沢差が小さくなることで光沢むらが低減される。このようなドットパターンを選択するために、判別された画像データの濃度に応じて量子化を切り替える。すなわち、中濃度領域においてはm値化し、低濃度領域および高濃度領域においてはn値化(m、nは2<=n<mを満たす整数)する。
【0018】
ここで、ステップ103における画像データの濃度の判別について説明する。まず、各色を大ドットおよび小ドットで形成できるプリンタヘッドを用いて図7に示すクロスパッチを印刷し、測定器を用いて光沢度の測定を行う。このクロスパッチは、左から右に向かって横方向に濃度が大きくなり、上から下に向かって縦方向に、全ドットに占める大ドットの比率が高くなるようパッチが配置される。クロスパッチの濃度と光沢度との関係から、濃度に対して光沢が大きく変動する点の濃度を前述した判別に用いる2つの閾値として取得する。この2つの閾値の間にある濃度が中濃度領域となる。
【0019】
次に、ステップ104およびステップ105における各濃度領域に対する量子化について、5値化を例にして説明を行う。図4は、8ビットの入力値から5値の出力値への量子化を説明する図であり、横軸で入力値を、縦軸で出力値を表している。入力値に対する量子化の閾値を32、96、160、224とし、出力値を同順で0、1、2、3、4に量子化する。具体的には、まず、入力値(例として130)に対して、一番小さい閾値32と比較を行う。入力値が32以上であれば、次に大きい閾値96と比較を行い、閾値を下回るまで比較を行う。入力値が閾値より小さくなる出力値の0から4に量子化する。ステップ105における2値化についても5値化と同様に行う。なお、入力値は8ビットに限られるものではなく、他のビット数で表される入力値であっても良い。また、量子化は5値化および2値化に限られるものではなく、m値化とn値化(m、nは2<=n<mを満たす整数)
としても良い。
【0020】
次に、前記ステップ106およびステップ107のドットパターン選択処理について詳述する。ドットパターン選択部113は、予め格納している複数のドットパターンの中から、ステップ104およびステップ105における量子化処理の結果に基づいて、図5および図6に示すようにドットパターンを選択し、ドットデータを生成する。図5は2値で量子化される場合のドットパターン、図6は5値で量子化される場合のドットパターンの例を示す。図5では、画素毎の画像データ501をn値化した量子化結果502に対して、大ドットのドットパターン504を用いてドットデータ503が生成される。図6では、画素毎の画像データ601をm値化した量子化結果602に対して、大ドットのドットパターン604を用いてドットデータ603が生成される。つまり、画像データが5値で量子化された場合は、小ドットを用いたドットパターンが選択され、2値で量子化された場合は、大ドットを用いたドットパターンが選択される。
【0021】
以上により、本実施形態において、異なる濃度領域間の光沢差を小さくするドットパターンを選択することにより、光沢むらを低減することが可能となる。
【0022】
<実施形態2>
実施形態1では、光沢むらを考慮してドットパターンが選択された。しかしながら、シアン(C)やマゼンタ(M)、ブラック(K)のようにインクドットの濃度が高く、粒状性を加味しなければならないインクの場合、大ドットを多用すると粒状性が悪化してしまう。そのため本実施形態では、ユーザが任意に粒状性重視か光沢感重視かを選択できる実施形態について説明する。
【0023】
図9は、粒状性と光沢感のどちらを優先するかを設定するためのUI画面であり、図示しないモニタに表示される。粒状性と光沢感のどちらを優先するかの設定は、図中の光沢優先ボタン91、粒状性優先ボタン92により選択的に設定される。ユーザにより、光沢優先ボタン91が設定されると、ステップ106およびステップ107のドットパターン選択処理において、大ドットを多用するようドットパターンが選択される。すなわち、低濃度領域から高濃度領域への濃度(階調)変化において、光沢の変動が小さくなるようなドットパターンが選択される。同様に、粒状性優先ボタン92が設定されると、小ドットを多用するようドットパターンが選択される。なお、粒状性と光沢感のどちらを優先するかの設定は、低濃度領域、中濃度領域、高濃度領域のそれぞれについて設定することが可能である。
【0024】
また、マニュアル調整ボタン93が設定されると、図10に示す光沢マニュアル調整画面が図示しないモニタに表示される。ユーザは、図中のスライダー1001を図示しないマウス等で操作することにより、ドットパターン中の大小ドットの比率を任意に設定することで光沢感の優先度を調整可能となる。なお、所定濃度領域に対して、設定された大小ドットの比率を表すドットパターン、または設定された比率に最も近いドットパターンがステップ105のドットパターン選択処理において選択される。
【0025】
以上により、本実施形態において、粒状性を考慮しつつ、光沢むらを低減することが可能となる。
【0026】
<実施形態2の変形例>
実施形態2では、ユーザが任意に粒状性重視か光沢感重視かを選択でき、また、光沢感の優先度を調整できる実施形態について説明した。
【0027】
実施形態2の変形例として、粒状性重視か光沢感重視かの選択、および、光沢感の優先度の調整を、例えばプリンタで使用される色毎に設定しても良い。具体的には、図9のUI画面において、色毎にチェックボックス等を設け、ユーザが設定したい色を少なくとも1つ選択できるようにすれば良い。
【0028】
<その他の実施形態>
本発明は、前述した実施形態に限られるものではない。前述した実施形態の機能を実現するソフトウエアのプログラムコードであるコンピュータプログラムを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給しても良い。そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUまたはMPU)は、記録媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行する。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することとなり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0029】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。
【0030】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現される場合に限らない。そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOperating System(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現されても良い。
【0031】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現されても良い。この際、プログラムコードは、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書きこまれてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本実施形態に係る画像処理装置の構成を示す図である。
【図2】本実施形態に係るプリンタヘッドの構成を示す図である。
【図3】本実施形態に係る画像処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】本実施形態に係る量子化処理を説明する図である。
【図5】本実施形態に係る量子化処理(2値)とドットパターンを説明する図である。
【図6】本実施形態に係る量子化処理(5値)とドットパターンを説明する図である。
【図7】本実施形態に係るクロスパッチの構成を示す図である。
【図8】本実施形態に係るドットパターンによる濃度と光沢との関係を説明する図である。
【図9】本実施形態に係る光沢の優先度を設定するUI画面を示す図である。
【図10】本実施形態に係る光沢のマニュアル調整のためのスライダーを示す図である。
【図11】本実施形態に係る光沢とドットパターンとの関係を示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一のドットと前記第一のドットよりドットサイズが大きい第二のドットとの色材を用いて印刷媒体上に画像を形成可能な画像形成装置に対して、前記第一のドットと前記第二のドットとに対応するドットデータを出力する画像処理装置であって、
前記画像を表す画像データを入力する入力手段と、
前記画像データの濃度を判別する判別手段と、
前記画像データに基づき、前記判別手段により判別された前記濃度が中濃度の場合に、前記第一のドットを用いて前記画像を形成するためのドットデータを生成し、前記濃度が低濃度の場合に、前記第二のドットを用いて前記画像を形成するためのドットデータを生成する生成手段と
を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記生成手段は、前記判別手段により判別された前記濃度が高濃度の場合、前記第二のドットを用いて前記画像を形成するためのドットデータを生成することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記濃度は、前記画像データの画素毎の濃度であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記画像は、カラー画像であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記画像形成装置は、前記生成手段により生成されるドットデータに応じて、前記第一のドットを大ドット用ノズルを用いて、前記第二のドットを小ドット用ノズルを用いて前記画像を形成する形成手段を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記判別手段により判別された前記濃度が中濃度の場合に、前記画像データをm値化し、前記判別手段により判別された前記濃度が低濃度の場合に、前記画像データをn(m、nは2=<n<mを満たす整数)値化する量子化手段と
を更に有し、
前記生成手段は、前記m値化された画像データに基づき、前記第一のドットを用いて前記画像を形成するためのドットデータを生成し、前記n値化された画像データに基づき、前記第二のドットを用いて前記画像を形成するためのドットデータを生成することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
さらに、前記画像の光沢感の優先度を、前記判別手段により判別された各濃度に対して設定する設定手段と
を有し、
前記生成手段は、前記画像データに基づき、前記設定手段により設定される優先度が高くなるにつれて、前記画像の所定濃度領域を形成する前記第二のドットの数が多くなるようにドットデータを生成することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項8】
第一のドットと前記第一のドットよりドットサイズが大きい第二のドットとの色材を用いて印刷媒体上に画像を形成可能な画像形成装置に対して、前記第一のドットと前記第二のドットとに対応するドットデータを出力する画像処理装置であって、
前記画像を表す画像データを入力する入力手段と、
前記画像の光沢感の優先度を設定する設定手段と、
前記画像データに基づき、前記設定手段により設定される優先度が高くなるにつれて、前記画像の所定濃度領域を形成する前記第二のドットの数が多くなるようにドットデータを生成する生成手段と
を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項9】
前記画像データは、画素毎のデータであることを特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記画像は、カラー画像であることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記設定手段は、前記画像形成装置で使用される色材の少なくとも1つに対して前記優先度を設定することを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項12】
前記設定手段は、前記光沢感に対して前記画像の粒状性を優先させる場合と、前記粒状性に対して前記光沢感を優先させる場合とを選択的に設定することを特徴とする請求項8乃至11のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項13】
前記優先度が高い場合に、前記画像データをm値化し、前記優先度が低い場合に、前記画像データをn(m、nは2=<n<mを満たす整数)値化する量子化手段と
を更に有し、
前記生成手段は、前記m値化された画像データに基づき、前記第一のドットを用いて前記画像を形成するためのドットデータを生成し、前記n値化された画像データに基づき、前記第二のドットを用いて前記画像を形成するためのドットデータを生成することを特徴とする請求項8乃至12のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項14】
第一のドットと前記第一のドットよりドットサイズが大きい第二のドットとの色材を用いて画像を形成可能な画像形成装置に対して、前記第一のドットと前記第二のドットとに対応するドットデータを出力する画像処理方法であって、
前記画像を表す画像データを入力する入力工程と、
判別手段により、前記画像データの濃度を判別する判別工程と、
前記画像データに基づき、前記判別手段により判別された前記濃度が中濃度の場合に、前記第一のドットを用いて前記画像を形成するためのドットデータを生成し、前記濃度が低濃度の場合に、前記第一のドットを用いて前記画像を形成するためのドットデータを生成する生成工程と
を有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項15】
第一のドットと前記第一のドットよりドットサイズが大きい第二のドットとの色材を用いて画像を形成可能な画像形成装置に対して、前記第一のドットと前記第二のドットとに対応するドットデータを出力する画像処理方法であって、
前記画像を表す画像データを入力する入力工程と、
前記画像の光沢感の優先度を設定する設定工程と、
前記画像データに基づき、前記設定手段により設定される優先度が高くなるにつれて、前記画像の所定濃度領域を形成する前記第二のドットの数が多くなるようにドットデータを生成する生成工程と
を有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項16】
コンピュータで実行されることで、該コンピュータに請求項13に記載の画像処理方法を実現させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項17】
コンピュータで実行されることで、該コンピュータに請求項14に記載の画像処理方法を実現させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項1】
第一のドットと前記第一のドットよりドットサイズが大きい第二のドットとの色材を用いて印刷媒体上に画像を形成可能な画像形成装置に対して、前記第一のドットと前記第二のドットとに対応するドットデータを出力する画像処理装置であって、
前記画像を表す画像データを入力する入力手段と、
前記画像データの濃度を判別する判別手段と、
前記画像データに基づき、前記判別手段により判別された前記濃度が中濃度の場合に、前記第一のドットを用いて前記画像を形成するためのドットデータを生成し、前記濃度が低濃度の場合に、前記第二のドットを用いて前記画像を形成するためのドットデータを生成する生成手段と
を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記生成手段は、前記判別手段により判別された前記濃度が高濃度の場合、前記第二のドットを用いて前記画像を形成するためのドットデータを生成することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記濃度は、前記画像データの画素毎の濃度であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記画像は、カラー画像であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記画像形成装置は、前記生成手段により生成されるドットデータに応じて、前記第一のドットを大ドット用ノズルを用いて、前記第二のドットを小ドット用ノズルを用いて前記画像を形成する形成手段を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記判別手段により判別された前記濃度が中濃度の場合に、前記画像データをm値化し、前記判別手段により判別された前記濃度が低濃度の場合に、前記画像データをn(m、nは2=<n<mを満たす整数)値化する量子化手段と
を更に有し、
前記生成手段は、前記m値化された画像データに基づき、前記第一のドットを用いて前記画像を形成するためのドットデータを生成し、前記n値化された画像データに基づき、前記第二のドットを用いて前記画像を形成するためのドットデータを生成することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
さらに、前記画像の光沢感の優先度を、前記判別手段により判別された各濃度に対して設定する設定手段と
を有し、
前記生成手段は、前記画像データに基づき、前記設定手段により設定される優先度が高くなるにつれて、前記画像の所定濃度領域を形成する前記第二のドットの数が多くなるようにドットデータを生成することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項8】
第一のドットと前記第一のドットよりドットサイズが大きい第二のドットとの色材を用いて印刷媒体上に画像を形成可能な画像形成装置に対して、前記第一のドットと前記第二のドットとに対応するドットデータを出力する画像処理装置であって、
前記画像を表す画像データを入力する入力手段と、
前記画像の光沢感の優先度を設定する設定手段と、
前記画像データに基づき、前記設定手段により設定される優先度が高くなるにつれて、前記画像の所定濃度領域を形成する前記第二のドットの数が多くなるようにドットデータを生成する生成手段と
を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項9】
前記画像データは、画素毎のデータであることを特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記画像は、カラー画像であることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記設定手段は、前記画像形成装置で使用される色材の少なくとも1つに対して前記優先度を設定することを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項12】
前記設定手段は、前記光沢感に対して前記画像の粒状性を優先させる場合と、前記粒状性に対して前記光沢感を優先させる場合とを選択的に設定することを特徴とする請求項8乃至11のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項13】
前記優先度が高い場合に、前記画像データをm値化し、前記優先度が低い場合に、前記画像データをn(m、nは2=<n<mを満たす整数)値化する量子化手段と
を更に有し、
前記生成手段は、前記m値化された画像データに基づき、前記第一のドットを用いて前記画像を形成するためのドットデータを生成し、前記n値化された画像データに基づき、前記第二のドットを用いて前記画像を形成するためのドットデータを生成することを特徴とする請求項8乃至12のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項14】
第一のドットと前記第一のドットよりドットサイズが大きい第二のドットとの色材を用いて画像を形成可能な画像形成装置に対して、前記第一のドットと前記第二のドットとに対応するドットデータを出力する画像処理方法であって、
前記画像を表す画像データを入力する入力工程と、
判別手段により、前記画像データの濃度を判別する判別工程と、
前記画像データに基づき、前記判別手段により判別された前記濃度が中濃度の場合に、前記第一のドットを用いて前記画像を形成するためのドットデータを生成し、前記濃度が低濃度の場合に、前記第一のドットを用いて前記画像を形成するためのドットデータを生成する生成工程と
を有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項15】
第一のドットと前記第一のドットよりドットサイズが大きい第二のドットとの色材を用いて画像を形成可能な画像形成装置に対して、前記第一のドットと前記第二のドットとに対応するドットデータを出力する画像処理方法であって、
前記画像を表す画像データを入力する入力工程と、
前記画像の光沢感の優先度を設定する設定工程と、
前記画像データに基づき、前記設定手段により設定される優先度が高くなるにつれて、前記画像の所定濃度領域を形成する前記第二のドットの数が多くなるようにドットデータを生成する生成工程と
を有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項16】
コンピュータで実行されることで、該コンピュータに請求項13に記載の画像処理方法を実現させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項17】
コンピュータで実行されることで、該コンピュータに請求項14に記載の画像処理方法を実現させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−141485(P2009−141485A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−313575(P2007−313575)
【出願日】平成19年12月4日(2007.12.4)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月4日(2007.12.4)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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