説明

画像処理装置および画像処理方法

【課題】回路規模が増大することを抑制可能な画像処理装置および画像処理方法を提供する。
【解決手段】画像処理装置は、ディザデータを用いて、多値CMYK画像データのハーフトーン処理を行う階調処理装置113と、ディザデータが符号化されたディザ符号データを記憶するディザ符号データ記憶装置107と、ディザ符号データ記憶装置107に記憶されたディザ符号データをライン単位で読み出して復号する復号装置108と、復号装置108により復号されたライン単位のディザデータを記憶するラインメモリ109と、を備える。階調処理装置113は、ラインメモリ109に記憶されたライン単位のディザデータを用いて、多値CMYK画像データのハーフトーン処理をライン単位で行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置および画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プリンタでは、解像度の増加と処理の高速化の要求が高まっており、この要求に応えるために、CPUが行っていた処理の一部を別のハードウェアで行うという技術が知られている。例えば特許文献1には、プリンタエンジンと接続されたプリンタコントローラボードの内部に、PDLに基づいて描画された多値画像データの色変換処理とハーフトーン処理を実行するハードウェア(画像処理装置)が内蔵されたプリンタが開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、ハーフトーン処理に必要なディザデータ(マトリクスデータ)を記憶するためのメモリを、上述のハードウェアに搭載する必要があるので、ハードウェアの回路規模が増大するという問題がある。
【0004】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、回路規模が増大することを抑制可能な画像処理装置および画像処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の画像処理装置は、ディザデータを用いて、多値画像データのハーフトーン処理を行うハーフトーン処理部と、前記ディザデータが符号化されたディザ符号データを記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された前記ディザ符号データをライン単位で読み出して復号する復号部と、前記復号部により復号されたライン単位の前記ディザデータを記憶するラインメモリと、を備え、前記ハーフトーン処理部は、前記ラインメモリに記憶されたライン単位の前記ディザデータを用いて、前記多値画像データのハーフトーン処理をライン単位で行うことを特徴とする。また、本発明は、上記画像処理装置で実行される画像処理方法である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ハーフトーン処理を実行するハードウェア(画像処理装置)の回路規模が増大することを抑制できるという有利な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、本発明の実施形態の画像処理装置を適用可能な画像形成装置の機構部の構成例を示す略線図である。
【図2】図2は、画像形成装置における電装・制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図3】図3は、画像形成装置による処理の一例の概略を示すフローチャートである。
【図4】図4は、メインメモリの記憶領域の一例を示す図である。
【図5】図5は、符号フォーマットの例を示す図である。
【図6】図6は、画像処理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図7】図7は、メインメモリのディザ符号データ格納領域のフォーマットの一例を示す図である。
【図8】図8は、ラインメモリに記憶された1ライン分のディザデータの一例を示す図である。
【図9】図9は、本実施形態の画像処理装置が実行する一連の処理の具体的な内容の一例を示すフローチャートである。
【図10】図10は、復号装置および階調処理装置の詳細な構成の一例を示すブロック図である。
【図11】図11は、復号装置が実行する復号処理の一例を示すフローチャートである。
【図12】図12は、復号装置が実行するSlide追加処理の一例を示すフローチャートである。
【図13】図13は、Slide展開装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図14】図14は、階調処理装置が実行するハーフトーン処理の一例を示すフローチャートである。
【図15】図15は、色変換処理装置の詳細な構成の一例を示すブロック図である。
【図16】図16は、色変換処理装置が実行する色変換処理の一例を示すフローチャートである。
【図17】図17は、BG/UCR処理装置の詳細な構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る画像処理装置の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る画像処理装置を適用可能な画像形成装置(カラープリンタとする)の機構部の構成例を示す。この画像形成装置100において、像担持体であるベルト状の感光体1は、回転ローラ2,3により回動可能に支持され、その各回転ローラ2,3の駆動により矢示A方向に回動される。感光体1の外周部には、帯電手段である帯電装置4と、除電ランプLと、感光体1用のクリーニングブレード215Aとが配置されている。帯電装置4の下流位置には、光書込手段であるレーザ書き込みユニット5が配置される。
【0009】
レーザ書き込みユニット5の上部には、複数の現像ユニット(現像手段)が切り換え自在に支持された多色現像装置6が配置されている。多色現像装置6は、収容するトナーの色毎に、イエロー現像ユニット、マゼンタ現像ユニット、シアン現像ユニットを備えている。多色現像装置6の上部には、黒色トナーを収容したブラック現像ユニット7が備えられている。
【0010】
これらの各現像ユニットのいずれか1つが、対応する色の現像タイミングに同期して現像可能な位置に移動する。多色現像装置6は、円周上120度の回転によっていずれかの現像ユニットを選択する機能を有している。そして、これらの現像ユニットが稼動するときには、ブラック現像ユニット7は感光体1より離間した位置に移動する。その移動は、カム245の回転により行なわれる。
【0011】
レーザ書き込みユニット5は、図示しないレーザ光源から複数色の画像形成信号(書き込み情報)に応じたレーザ光を順次発生させ、ポリゴンモータ5Aによって回転されるポリゴンミラー5Bを用いてそのレーザ光を周期的に偏向させ、fθレンズ5Cおよびミラー5Dなどを経て、帯電された感光体1の表面を走査してその表面に静電潜像を形成させる。
【0012】
感光体1の表面に形成される静電潜像は、対応する現像ユニットからのトナーによって現像され、トナー画像が形成されて保持される。中間転写ベルト210は、感光体1に隣接しており、回転ローラ211,212により矢示B方向に回動可能に支持されている。感光体1上のトナー画像は、中間転写ベルト210の裏側にある転写ブラシ(第1の転写手段)213により、その中間転写ベルト210の表面に転写される。
【0013】
感光体1の表面は1色毎にクリーニングブレード215Aによりクリーニングされ、その表面に所定色のトナー画像が形成される。そして、その都度中間転写ベルト210の1回動毎にその表面の同じ位置に感光体1上のトナー画像が転写されて、中間転写ベルト210上に複数色のトナー画像が重ね合わせられて保持される。その後、そのトナー画像は用紙やプラスチック等の記録媒体に転写される。
【0014】
用紙への転写に際しては、給紙装置(給紙カセット)17に収納されている用紙が給紙ローラ18によって繰り出されて搬送ローラ19により搬送され、レジストローラ対20に付き当てられた状態で一旦停止された後、トナー画像の転写位置が正規のものとなるようにタイミングがとられて中間転写ベルト210と転写ローラ(第2の転写手段)214のニップに再搬送される。
【0015】
そして、その用紙は転写ローラ14の作用により中間転写ベルト210上の複数色のトナー画像が一括転写された後、定着装置350に送られ、そこでトナー像が定着された後、排紙ローラ対51により本体フレーム9の上部の排紙スタック部52に排出される。
【0016】
中間転写ベルト210には、回転ロータ211の部位に中間転写ベルト210用のクリーニング装置216が設けられ、クリーニングブレード216Aがクリーニングブレード接離用アーム216Cを介して接離自在の構成となっている。このクリーニングブレード216Aは、感光体1からトナー画像を受け取る工程では、中間転写ベルト210から離れ、中間転写ベルト210より用紙にトナー画像が転写された後に接触するようになっていて、用紙にトナー画像が転写された後の残留トナーをかきとる。
【0017】
クリーニングブレードは、すでに記したように、感光体1用と中間転写ベルト210用がある。これらブレードがかきとった廃トナーは、回収容器215に収納する。その回収容器215は適宜交換される。中間転写ベルト210用のクリーニング装置216の内部に設けられたオーガ216Bが、クリーニングブレード216Aでかきとられた廃トナーを搬送し、図示しない搬送手段で回収容器215に送るようになっている。
【0018】
ユニット化されたプロセスカートリッジ31は、感光体1と、帯電装置4と、中間転写ベルト210と、クリーニング装置216と、用紙搬送路を形成する搬送ガイド30とを一体に組み込み、寿命到来時に交換できるように構成されている。プロセスカートリッジ31の交換のほかに、多色現像装置6、ブラック現像ユニット7なども寿命到来時に交換するが、その交換性やジャム紙の処理を容易にするため、本体の一部の前フレーム8は支軸9Aを中心に開閉可能に回動できる構造にしてある。
【0019】
図1の左側には、プリンタコントローラボード10が収納されている。その上方には、ファン58が備えられており、機内の温度過昇防止のために排風する。図の右側には、比較的小規模な別の給紙装置59が備えられている。なお、この実施形態では、中間転写体として中間転写ベルト210を使用したが、中間転写ドラムを使用することもできる。
【0020】
図2は、画像形成装置100の電装・制御部のハードウェア構成の例を示す図である。図2の電装・制御部は、プリンタコントローラボード10が、ネットワークを介してパーソナルコンピュータ(以下、「PC」という。)90とプリンタエンジン700に接続される。
【0021】
プリンタコントローラボード10は、メモリコントローラ内蔵CPU40と、ユニット250と、ユニット80とを有し、これらがバス91を介して接続されている。メモリコントローラ内蔵CPU40は、さらに、メインメモリ60およびROM70と接続されている。
【0022】
メモリコントローラ内蔵CPU40は、CPU41、CPU インタフェース(以下、「CPU I/F」という。)42、メモリアービタ43、通信コントローラ44、DMA45、メモリコントローラ46、および、バスコントローラ49を有する。
【0023】
CPU41は、画像形成装置100全体の制御を行う。CPU41は、また、PC90から伝送されるPDL(page description language)を解析し、描画コマンド、および、画像処理に必要な情報の生成等を行う。CPU I/F42は、CPU41のインタフェースであり、メモリアービタ43を介してメインメモリ60及び他のコントローラ等に接続されている。
【0024】
メモリアービタ43は、メモリコントローラ内蔵CPU40が有する各コントローラの、メインメモリ60に対するアクセスの調停を行う。メモリコントローラ46は、メインメモリ60の制御を行う。メモリコントローラ46は、メモリアービタ43を介して各コントローラと接続される。
【0025】
DMA45は、メモリコントローラ46とバス91に接続されたエンジンコントローラ59間のダイレクトメモリアクセスを行う。バスコントローラ49は、バス91に対してデータを入出力する各コントローラ及びバスの間の調停を行う。通信コントローラ44は、ネットワークに接続され、ネットワークを介して接続されたPC90等から送信される各データやコマンド等を受信する。通信コントローラ44は、また、メモリアービタ43を介して接続される各コントローラに対して受信したデータ等を出力し、各コントローラから入力されるデータ等を、PC90等に対して送信する。
【0026】
ROM70は、CPU41が実行するコンピュータプログラムや、文字のフォント情報等を格納する。メインメモリ60は、画像データ、および、CPU41が実行するコンピュータプログラム等が格納される。メインメモリ60が格納する画像データは、PDLを解析して得られる画像データ、および、その画像データに対して所定の画像処理が行われた画像処理後の画像データなどを含む。
【0027】
ユニット250は、ハードウェア回路で構成される画像処理装置50と、バスインタフェース(以下、「バスI/F」という。)58と、エンジンコントローラ59とを有する。画像処理装置50には、CPU41により生成された画像処理のパラメータが入力され、画像処理装置50は入力されたパラメータに従って画像処理を行う。画像処理装置50は、画像処理する画像データを、メインメモリ60から読み込み、また、画像処理された画像データを、メインメモリ60の所定の領域に格納させる。
【0028】
バスI/F58は、ユニット250がバス91に接続される際のインタフェースである。エンジンコントローラ59は、プリンタエンジン700の制御を行う。
【0029】
ユニット80は、パネル81に接続され、CPU41からの制御コマンド等に従い、パネル81の制御を行う。ユニット80は、パネルコントローラ89及びバスI/F88を有する。パネルコントローラ89は、パネル81に表示するデータの制御、及び、パネル81から入力される情報の取得等を行う。バスI/F88は、バス91に接続され、メモリコントローラ内蔵CPU40からのデータの入出力を行う。パネル81は、画像形成装置100の状態の表示を行い、また、画像形成装置100に対する操作者による指示を受け付ける。
【0030】
プリンタエンジン700は、エンジンコントローラ59の制御により、画像を媒体上に形成する。PC90は、プリンタエンジン700に出力させる画像のPDLを作成し、ネットワークを介してPDLを画像形成装置100に対して出力する。
【0031】
図3は、画像形成装置100における処理の一例の概略を示すフロー図である。PDL記憶ステップS1では、PC90から入力されるPDLが、メインメモリ60に記憶される。次のPDL解析ステップS2では、CPU41は、メインメモリ60に記憶されたPDLを読み出して解析する。次の描画ステップS3では、PDL解析ステップS2での解析結果に基づきRGBのバンド画像を描画する。次のRGBバンド画像記憶ステップS4では、描画ステップS3で描画されたRGB版毎のバンド画像が、メインメモリ60に記憶される。
【0032】
上述のRGBバンド画像記憶ステップS4の後、画像処理装置50は、画像処理ステップS5を実行する。図3に示すように、画像処理ステップS5は、画像読み出しステップS6と、色変換処理ステップS7と、ディザ符号データ読み出し処理ステップS8と、ディザデータ復号ステップS9と、ディザデータ記憶ステップS10と、ハーフトーン処理ステップS11とを有する。
【0033】
画像読み出し処理ステップS6では、画像処理装置50は、RGB版毎のバンド画像をメインメモリ60から読み出す。色変換処理ステップS7では、画像処理装置50は、画像読み出し処理ステップS6で読み出したRGBバンド画像に対して色変換処理を行い、CMYK色空間で表される画像データ(CMYK画像データと呼ぶ)を生成する。
【0034】
ディザ符号データ読み出し処理ステップS8では、画像処理装置50は、ハーフトーン処理に必要なディザデータが符号化されたディザ符号データを、メインメモリ60から読み出す。ディザデータは、複数のしきい値がマトリクス状に配列されたマトリクスデータであり、ディザ符号データもマトリクスデータとなる。ディザデータ復号ステップS9では、画像処理装置50は、ディザ符号データ読み出し処理ステップS8で読み出されたディザ符号データ(マトリクスデータ)のうち、後述のハーフトーン処理ステップS11で必要なラインのディザ符号データを復号する。ディザデータ記憶ステップS10では、画像処理装置50は、ディザデータ復号ステップS9で復号されたライン単位のディザデータ(1ライン分のしきい値の集合)を後述のラインメモリ109に記憶する。
【0035】
ハーフトーン処理ステップS11では、画像処理装置50は、上述のディザデータ記憶ステップS10でラインメモリ109(後述)に記憶されたライン単位のディザデータを読み出し、その読み出したライン単位のディザデータを用いて、上述の色変換処理ステップS7で生成されたCMYK画像データのハーフトーン処理をライン単位で実行する。以上の画像処理が行われた後の画像データ(画像処理後画像と呼ぶ)は、画像処理後画像記憶ステップS12でメインメモリ60に記憶される。画像処理後画像記憶ステップS12の後、プリンタエンジン700は、メインメモリ60から画像処理後画像を読み出し、印刷して出力する。
【0036】
図4は、メインメモリ60の記憶領域の一例を示す図である。メインメモリ60は、PDL格納メモリ領域、プログラム領域、RGBバンド画像格納メモリ領域、画像処理パラメータ領域、画像処理後ページメモリ格納領域、および、その他の領域を有する。PDL格納メモリ領域には、PC90から入力されるPDLが格納される。プログラム領域には、CPU41が動作するためのプログラムが格納される。RGBバンド画像格納メモリ領域には、上述の描画ステップS3で描画されたRGBバンド画像が格納される。画像処理後ページメモリ格納領域には、CMYK各版の1ページ分の画像処理後画像が格納される。その他の領域には、上述した以外のデータが格納される。
【0037】
画像処理パラメータ領域には、画像処理装置50が、上述の画像処理ステップS5で用いる各種のパラメータが格納される。画像処理パラメータ領域は、格子点データ格納領域と、ガンマデータ格納領域と、ディザ符号データ格納領域とを含む。格子点データ格納領域とガンマデータ格納領域は、上述の色変換処理ステップS7において色変換処理を行う際の情報(パラメータ)を格納する。
【0038】
ディザ符号データ格納領域は、複数のしきい値がマトリクス状に配列されたディザデータが圧縮符号化されたディザ符号データを格納する。本実施形態では、LZ77法を用いてディザデータの圧縮符号化を行っている。より具体的には、入力データを格納するスライド記憶部内で、順次に入力されるしきい値からなる入力データ列と一致する、過去の連続するしきい値からなるデータ列を探索し、その一致情報を符号化する。
【0039】
さらに詳述すれば以下のとおりである。まず、入力されたしきい値と、スライド記憶部内に既に記憶されている過去のしきい値のそれぞれとを比較し、入力されたしきい値と過去のしきい値とが一致していた場合は、スライド記憶部内で、順次に入力されるしきい値からなる入力データ列と一致する、過去の連続するしきい値からなるデータ列(リスト)を探索するリスト探索処理が行われる。そして、探索されたリストの長さを示すレングス情報、および、探索されたリストの位置を示すアドレス情報からSlide符号が生成される。一方、入力されたしきい値が、スライド記憶部に既に記憶されているしきい値と一致していなかった場合は、その入力されたしきい値をESC値としてESC符号が生成される。
【0040】
図5は、ディザ符号データの符号フォーマットを示す図である。図5に示すように、ESC符号は、データ長が1ビットで値が「0」のSlide_FLAGをヘッダとして、後に8ビットのデータ長を持つしきい値(ESC値)が接続されてなる。Slide符号は、データ長が2ビットで値が「10」のSlide_FLAGをヘッダとして、その後に、それぞれデータ長が8ビットのレングス情報およびアドレス情報が順次接続される。また、ライン終端符号は、ライン単位の終端を示す符号であり、データ長が3ビットで値が「110」のデータで構成される。さらに、全体終端符号は、ディザ符号データ(マトリクスデータ)の終端を示す符号であり、データ長が3ビットで値が「111」のデータで構成される。なお、この図5に例示される符号フォーマットは一例であって、これに限定されるものではない。
【0041】
図6は、本実施形態に係る画像処理装置50の構成の一例を示すブロック図である。この図において、バスアービターI/F101は、画像処理パラメータ読み込み装置102、RGBバンド画像読み込み装置110、および、画像処理後画像書き込み装置116のそれぞれのバスアービターへの要求調停を行う。画像処理パラメータ読み込み装置102は、バスアービターI/F101を介して、メインメモリ60から各種のパラメータを読み込み、DMAパラメータ記憶装置104、格子点データ記憶装置105、ガンマテーブル記憶装置106、および、ディザ符号データ記憶装置107の各々へ、対応するパラメータを転送する。パラメータアドレス生成装置103は、メインメモリ60から各種のパラメータを読み込むためのアドレスを生成する。DMAパラメータ記憶装置104は、画像処理パラメータ読み込み装置102から受け取った、多値RGBバンド画像の幅、多値RGBバンド画像の高さ、RGBバンド画像の先頭アドレス、画像処理後CMYKバンド画像の幅、画像処理後CMYKバンド画像の高さ、画像処理後CMYK画像の先頭アドレスなどを格納する。
【0042】
格子点データ記憶装置105は、色変換処理装置112に必要な格子点データなどを格納する。ガンマテーブル記憶装置106は、色変換処理装置112に必要なガンマデータなどを格納する。
【0043】
ディザ符号データ記憶装置107は、上述のディザ符号データを格納する。図7にメインメモリ60のディザ符号データ格納領域のフォーマットの一例を示す。ここでは、詳細な図示は省略するが、メインメモリ60のディザ符号データ格納領域には、CMYKの色版ごとのディザ符号データが格納される。図7に示すように、ディザ符号データは、ディザデータがライン単位に符号化されている。そして、ライン単位のディザ符号データの切れ目を判り易くするために、各ラインのライン終端符号から当該ラインの終端までの間にNOPが挿入され、次のラインのディザ符号データは、NOPの次のワードから始まる。
【0044】
再び図6に戻って説明を続ける。復号装置108は、ディザ符号データ記憶装置107に記憶されたディザ符号データ(マトリクスデータ)のうち、階調処理装置113が実行するライン単位のハーフトーン処理に必要なラインのディザ符号データを順次に読み出して復号する。復号装置108は、復号したライン単位のディザデータをラインメモリ109へ順次に転送する。本実施形態では、ラインメモリ109は、1ライン分のディザデータを記憶可能である。ラインメモリ109に記憶されたディザデータは、階調処理装置113によって順次に読み出される。図8にラインメモリ109に記憶されたディザデータの一例を示す。
【0045】
図6に示すRGBバンド画像読み込み装置110は、バスアービターI/F101を介して、メインメモリ60のRGBバンド画像格納メモリ領域から水平ライン単位でRGBバンド画像を順次に読み込み、色変換処理装置112へ順次に転送する。バンド画像アドレス生成装置111は、メインメモリ60のRGBバンド画像格納メモリ領域から水平ライン単位にRGBバンド画像を読み込むためのアドレスを生成する。
【0046】
色変換処理装置112は、RGBバンド画像読み込み装置110からRGBバンド画像を受け取り、水平ライン単位にRGB→CMYの色変換処理とBG/UCR処理を順次に行い、生成した多値CMYK画像データを後段の階調処理装置113へ順次に転送する。
【0047】
階調処理装置113は、ラインメモリ109に記憶されたライン単位のディザデータを読み出し、その読み出したディザデータを用いて、色変換処理装置112から転送される多値CMYK画像データのハーフトーン処理をライン単位で実行する。階調処理装置113は、ハーフトーン処理後のデータを、メインメモリ60のワード単位で画像処理後画像バッファ装置114へ転送する。
【0048】
画像処理後画像バッファ装置114は、階調処理装置113から転送された画像データを、バス91(図2参照)を用いて複数の効率のよいバースト転送をするために複数のワードデータを一時格納する。
【0049】
画像処理後画像書き込み装置116は、バスアービターI/F101を介して、格納された複数ワードの画像データをメインメモリ60の画像処理後画像格納メモリ領域へ書き込む。画像処理後画像アドレス生成装置115は、メインメモリ60の画像処理後画像格納メモリ領域のアドレス演算を行う。このとき、RGBバンド画像を水平ライン単位で読み込むために画像処理後画像も水平ライン単位でアドレスを生成する。
【0050】
図9は、本実施形態の画像処理装置50が実行する一連の処理の一例を示すフローチャートである。最初のステップS20で、復号装置108は、ディザ符号データ記憶装置107に記憶されたディザ符号データのうちの復号するラインを示すしきい値垂直カウンタを初期化する。次のステップS21で、復号装置108は、ディザ符号データ記憶装置107からディザ符号データを読み込むためのアドレスを初期化する。より具体的には、復号装置108は、ディザ符号データ記憶装置107に記憶されたディザ符号データのうち、ステップS20で初期化したしきい値垂直カウンタが示すラインのディザ符号データを読み込むためのアドレスを生成する。
【0051】
次のステップS22で、復号装置108は、しきい値垂直カウンタが示すラインのディザ符号データをディザ符号データ記憶装置107から読み出して復号する。復号装置108は、復号した1ライン分のディザデータをラインメモリ109へ転送する。
【0052】
次のステップS23で、色変換処理装置112は、RGBバンド画像読み込み装置110から転送される1ライン分のRGBバンド画像に対して色変換処理を行い、CMYK画像データを生成する。色変換処理装置112は、色変換処理を行って生成した1ライン分のCMYK画像データを階調処理装置113へ転送する。
【0053】
次のステップS24で、階調処理装置113は、ラインメモリ109から1ライン分のディザデータを読み出し、その読み出した1ライン分のディザデータを用いて、色変換処理装置112から転送された1ライン分のCMYK画像データのハーフトーン処理を実行する。
【0054】
次のステップS25で、復号装置108は、しきい値垂直カウンタの値がしきい値垂直サイズを超えているか否かを判定する。しきい値垂直カウンタの値がしきい値垂直サイズを超えていないと判定した場合は、処理はステップS26に移行する。ステップS26では、復号装置108は、しきい値垂直カウンタの値を「1」だけカウントアップする。そして、処理はステップS29へ移行する。
【0055】
一方、しきい値カウンタの値がしきい値垂直サイズを超えていると判断した場合は、処理はステップS27へ移行する。ステップS27で、復号装置108は、しきい値カウンタの値を初期化する。次のステップS28で、復号装置108は、ディザ符号データ記憶装置107からディザ符号データを読み込むためのアドレスを初期化する。そして、処理はステップS29へ移行する。
【0056】
ステップS29で、復号装置108は、バンド高さ分のラインを処理したか否かを判定し、未処理のラインがある場合は、処理は上述のステップS22に戻される。一方、バンド高さ分のラインの処理が完了した場合は、一連の処理が終了する。
【0057】
図10は、復号装置108および階調処理装置113の詳細な構成の一例を示す図である。図10に示すように、復号装置108は、符号読み込み装置122と、符号アドレス生成装置123と、符号フォーマット解析装置124と、Slide展開装置125と、ラインメモリアドレス生成装置126と、復号制御装置127とを有する。符号読み込み装置122は、ディザ符号データ記憶装置107に記憶されたディザ符号データをライン単位で読み込む。符号読み込み装置122で読み込まれたライン単位のディザ符号データは符号フォーマット解析装置124へ供給される。符号アドレス生成装置123は、ディザ符号データ記憶装置107からライン単位のディザ符号データを読み込むためのアドレスを生成して符号読み込み装置122へ供給する。
【0058】
符号フォーマット解析装置124は、図5を用いて説明した符号フォーマットに従い、供給されたディザ符号データを解析して、Slide_FLAG、レングス情報、アドレス情報、ESC値、ライン終端符号などを取り出してSlide展開装置125へ転送する。Slide展開装置125は、直列に接続された複数のレジスタがFIFOとして構成されるスライド記憶部を有する。各レジスタはスライドと呼ばれ、それぞれ1単位(例えば1バイト)のデータ(しきい値)を格納可能である。Slide展開装置125は、符号フォーマット解析装置124から供給された情報と、スライド記憶部に記憶されたデータとから、しきい値を求めてラインメモリ109へ転送する。ラインメモリアドレス生成装置126は、Slide展開装置125が、ラインメモリ109へしきい値を書き込むためのアドレスを生成する。
【0059】
また、符号フォーマット解析装置124によって取り出されたライン終端符号は、復号制御装置127へ供給される。復号制御装置127は、符号フォーマット解析装置124からライン終端符号を受信したときに、1ライン分の復号が終了したことを示す復号終了信号を階調処理装置113へ供給するとともに、Slide展開装置125が、ラインメモリ109へしきい値を書き込むためのアドレスを初期化するためのアドレス初期化信号を、ラインメモリアドレス生成装置126へ供給する。
【0060】
図10に示すように、階調処理装置113は、ラインメモリアドレス生成装置130と、比較部131と、固定長データ生成装置132と、階調制御装置133とを有する。ラインメモリアドレス生成装置130は、ラインメモリ109に記憶された1ライン分のディザデータ(1ライン分のしきい値の集合)のうちの所定のしきい値を読み込むためのアドレスを生成して比較部131へ供給する。
【0061】
比較部131は、ラインメモリ109に記憶された1ライン分のディザデータのうち、ラインメモリアドレス生成装置130で生成されたアドレスで特定されるしきい値を読み出し、その読み出したしきい値と、色変換処理装置112からの色変換後の画素データとを比較して、当該画素データを2値化する(ハーフトーン処理)。2値化後の画素データは固定長データ生成装置132に供給される。
【0062】
固定長データ生成装置132は、比較部131から順次に供給される2値化後の画素データから、メインメモリ60の1ワード分のビット長の固定長データ(ハーフトーン処理後のワードデータ)を生成して出力する。
【0063】
階調制御装置133は、上述の復号制御装置127から復号終了信号を受信したときに、ハーフトーン処理(階調処理)を開始する。階調制御装置133は、一連のハーフトーン処理が終了すると、階調処理終了信号を復号制御装置127へ供給する。
【0064】
図11は、図9のステップS22で実行される復号処理の詳細な内容の一例を示すフローチャートである。なお、符号読み込み装置122により、ディザ符号データ記憶装置107から予め1ライン分のディザ符号データが読み込まれているものとする。まず、ステップS31で、符号フォーマット解析装置124は、符号読み込み装置122によって読み込まれた1ライン分のディザ符号データのうちの先頭のヘッダを読み込み、ESC符号であるか否かを判定する(ステップS32)。
【0065】
ESC符号であると判定された場合は、処理がステップS33に移行する。ステップS33で、符号フォーマット解析装置124は、ヘッダに続く所定長のビット(ここでは8ビット)をESC値として読み込む。次のステップS34で、符号フォーマット解析装置124は、ステップS33で読み込んだESC値をしきい値としてラインメモリ109へ出力する。次のステップS35で、符号フォーマット解析装置124は、ステップS33で読み込んだしきい値をスライド記憶部に追加するSlide追加処理を実行する。このSlide追加処理の詳細な内容については後述する。ステップS35の後、処理は上述のステップS31に戻され、符号フォーマット解析装置124は、次のヘッダを読み込む。
【0066】
上述のステップS32で、ESC符号ではないと判定された場合は、処理がステップS36に移行する。ステップS36で、符号フォーマット解析装置124は、Slide符号であるか否かを判定する。Slide符号であると判定された場合は、処理はステップS37に移行する。ステップS37で、符号フォーマット解析装置124は、ヘッダに続く所定長のビットをレングス情報およびアドレス情報として読み込む。読み込まれたレングス情報およびアドレス情報は、ヘッダであるSlide_FLAGとともにSlide展開装置125に供給される。
【0067】
次のステップS38で、Slide展開装置125は、スライド記憶部内のスライドのうち、アドレス情報で特定されるスライドに格納されるデータ(しきい値)を読み込む。次のステップS39で、Slide展開装置125は、ステップS38で読み込んだしきい値をラインメモリ109へ出力する。次のステップS40で、Slide展開装置125は、ステップS38で読み込んだしきい値をスライド記憶部に追加するSlide追加処理を実行する。このSlide追加処理の詳細な内容については後述する。
【0068】
処理は、ステップS41に移行し、Slide展開装置125は、レングス情報が「0」より大きいか否かを判定する。レングス情報が「0」以下であると判定された場合は、処理は上述のステップS31に戻され、符号フォーマット解析装置124は、次のヘッダを読み込む。一方、レングス情報が「0」より大きいと判定された場合は、処理はステップS42に移行する。ステップS42で、Slide展開装置125は、現在のレングス情報から1を減じた値を新たなレングス情報として設定する。そして、ステップS38からの処理が繰り返される。
【0069】
上述のステップS36で、Slide符号ではないと判定された場合は、ライン終端符号(または全体終端符号)であると判定され、処理が終了する。
【0070】
図12は、図11のステップS35およびステップS40の各々で実行されるSlide追加処理の詳細な内容の一例を示すフローチャートである。先ず、ステップS51で、Slide展開装置125は、スライド数から1を減じた値を変数IWとして設定する。次のステップS52で、Slide展開装置125は、第IW-1番目のスライド[IW−1]に、第IW番目のスライド[IW]の値を格納する。次のステップS53で、Slide展開装置125は、変数IWが「0」を超えるか否かを判定する。変数IWが「0」を超えると判定した場合は、処理はステップS54に移行し、Slide展開装置125は、変数IWから「1」を減じた値を新たな変数IWとして設定する。そして、処理はステップS52に戻される。一方、ステップS53で、変数IWが「0」以下であると判定した場合は、処理はステップS55に移行する。ステップS55で、Slide展開装置125は、第0番目のスライド[0]に対して、読み込んだしきい値を格納する。
【0071】
図13は、Slide展開装置125のハードウェア構成の一例を示す図である。図13に示すように、Slide展開装置125は、スライド記憶部500と、マルチプレックス510および520と、制御装置530とを有する。
【0072】
スライド記憶部500は、各々がレジスタからなり、それぞれ1単位のデータ(しきい値)が格納される256個のSlide0〜Slide255が直列に接続されて構成されるFIFOと、マルチプレックス540とを有する。
【0073】
各スライドSlide0〜Slide255の出力は、マルチプレックス510に供給される。また、マルチプレックス510には、符号フォーマット解析装置124からのアドレス情報が供給される。マルチプレックス510は、当該アドレス情報で特定されるSlideの出力を選択して、後段のマルチプレックス520の一方の入力端子に供給する。
【0074】
マルチプレックス520の他方の端子には、符号フォーマット解析装置124からESC値が供給される。また、マルチプレックス520には、符号フォーマット解析装置124からSlide_FLAGが供給され、Slide_FLAGがSlide符号を示す場合は、一方の入力端子に供給されるデータが出力される一方、Slide_FLAGがESC符号を示す場合は、他方の入力端子に供給されるデータが出力される。マルチプレックス520の出力は、しきい値としてラインメモリ109に供給されるとともに、マルチプレックス540の一方の入力端子に供給される。
【0075】
マルチプレックス540の他方の端子には、符号フォーマット解析装置124からESC値が供給される。また、マルチプレックス540には、符号フォーマット解析装置124からSlide_FLAGが供給され、Slide_FLAGがSlide符号を示す場合は、一方の入力端子に供給されるデータが出力される一方、Slide_FLAGがESC符号を示す場合は、他方の入力端子に供給されるデータが出力される。マルチプレックス540の出力は、第0番目のSlide0に供給される。
【0076】
制御装置530には、レングス情報が供給される。また、制御装置530は、各スライドSlide0〜Slide255に対して、シフト信号を供給する。制御装置530は、図12に示すSlide追加処理時に、シフト信号をアクティブレベルに設定する。これにより、各Slideの記憶内容が左へ1つずつシフトするとともに、マルチプレックス540の出力が第0番目のSlide0に格納される。
【0077】
図14は、図9のステップS24で階調処理装置113が実行するハーフトーン処理の詳細な内容の一例を示すフローチャートである。先ず、ステップS61で、ラインメモリアドレス生成装置130は、ラインメモリ109の水平方向の位置を示すしきい値水平カウンタを初期化する。次のステップS62で、比較部131は、ラインメモリ109のうち、しきい値水平カウンタが示す位置に格納されたしきい値を読み出す。次のステップS63で、比較部131は、色変換処理装置112から色変換後の画素データを受け取る。
【0078】
次のステップS64で、比較部131は、ステップS62で読み出したしきい値と、ステップS63で受け取った画素データとを比較する。画素データがしきい値よりも小さい場合、比較部131は画素値を「0」に設定する(ステップS65)。一方、画素データがしきい値よりも大きい場合、比較部131は画素値を「1」に設定する(ステップS66)。以上のハーフトーン処理後の画素値は、固定長データ生成装置132に供給される。
【0079】
次に、処理はステップS67に移行する。固定長データ生成装置132は、ハーフトーン処理後の画素値を固定長データ化してメインメモリ60に書き込む。次のステップS68で、ラインメモリアドレス生成装置130は、しきい値水平カウンタの値がしきい値水平サイズを超えているか否かを判定する。しきい値水平カウンタの値がしきい値水平サイズを超えていないと判定した場合は、処理はステップS69に移行する。ステップS69では、ラインメモリアドレス生成装置130は、しきい値水平カウンタの値を「1」だけカウントアップする。そして、処理はステップS71へ移行する。
【0080】
一方、しきい値水平カウンタの値がしきい値水平サイズを超えていると判断した場合は、処理はステップS70へ移行する。ステップS70で、ラインメモリアドレス生成装置130は、しきい値水平カウンタの値を初期化する。そして、処理はステップS71へ移行する。
【0081】
ステップS71で、色変換処理装置112から供給された1ライン分のCMYK画像データのハーフトーン処理が終了したか否かが判定される。1ライン分のハーフトーン処理が終了していないと判定された場合は、処理はステップS62に戻される。1ライン分のハーフトーン処理が終了したと判定された場合は、処理が終了する。
【0082】
図15は、図6に示す色変換処理装置112の詳細な構成の一例を示すブロック図である。この図において、格子点選択装置140は、RGBバンド画像読み込み装置110からRGBバンド画像を受け取り、各RGB成分を上位NBIT、下位8−NBITに分割し、それぞれをHR,G,B,DR,G,Bとし、8個の格子点からなる立方体の6個の四面体のどの四面体に相当するかを判断してTYPEとし、HR,G,Bを格子点アドレス生成装置141へ、DR,G,Bを格子点補間処理装置142へ転送する。格子点アドレス生成装置141は、格子点選択装置140からのHR,G,B,HRU,GU,BU,TYPEを受け取り、これらに基づいて格子点アドレスを求める。データ切り出し装置143は、読み込んだ格子点データを格子点補間処理装置142で補間するための4つのパラメータを切り出す。格子点補間処理装置142は、データ切り出し装置143からの補間する四面体の4点の格子点のCMY値と、格子点選択装置140のDR,G,Bとから補間処理を行い、CMYデータを求める。BG/UCR処理装置144は、格子点補間処理装置142からの補間されたCMYデータからK版を生成し、CMYの値を減じる。ガンマ処理装置145は、BG/UCR処理装置144により生成されたCMYKデータから図6のガンマテーブル記憶装置106のガンマテーブルへアクセスすることにより、非線形の補間を行い、図6の階調処理装置113へ転送する。
【0083】
図16は、色変換処理装置112の処理動作を示すフローチャートである。まず、RGBバンド画像の上位NBITをHG,G,Bへ、下位(8−N)をDR,DG,DBへ変換する(ステップS80)。続いて、HR,G,Bから、8個の格子点に構成される6個の四面体のうち、どの四面体に属するかを求め、TYPEとする(ステップS81)。さらに、HR,G,BとHRU,GU,BUとTYPE値データから色変換テーブルデータフォーマットのアドレスを求める(ステップS82)。続いて、メインメモリ60をアクセスし、データを読み込み(ステップS83)、DR,G,Bデータと格子点データから補間処理を行ない、C,M,Y,Kデータを求める(ステップS84)。
【0084】
図17は、図15の色変換処理装置112におけるBG/UCR処理装置144の詳細な構成の一例を示すブロック図である。このBG/UCR処理装置144は、BG/UCR処理を行う。図17において、MIN生成装置150は、格子点補間処理装置142で生成されたC,M,Y値を受け取り、C,M,Y値のMIN値を演算する。減算器151,152,153は、MIN生成装置150で演算されたMIN値を減算する。レジスタ154,155,156,157は、生成されたC,M,Y,K値を一時保持する。
【0085】
<作用・効果>
以上に説明したように、本実施形態の画像処理装置50は、しきい値がマトリクス状に配列されたディザデータが圧縮符号化されたディザ符号データと、復号された1ライン分のディザデータとを保持するだけで済むので、画像処理装置50に搭載されるメモリの容量を従来に比べて低減できる。したがって、本実施形態によれば、画像処理装置50の回路規模が増大することを抑制できるという有利な効果を奏する。
【0086】
<変形例>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。例えば上述の実施形態では、ディザ符号データ記憶装置107(メインメモリ60)には、CMYKの色版ごとに、対応するディザ符号データが格納されているが、これに限らず、例えば、CMYKの色版ごとに、写真用、グラフィックス用、文字用などの各属性に対応するディザデータが圧縮符号化されて、ディザ符号データ記憶装置107(メインメモリ60)に格納されていてもよい。
【0087】
また、本実施形態の画像処理装置50で実行される前述の各種の処理を実現するプログラムは、ROM等に予め組み込んで提供するように構成されるが、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)、各種メモリカード等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供することもできる。
【0088】
また、本実施形態の画像処理装置50で実行される上記プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0089】
10 プリンタコントローラボード
41 CPU
50 画像処理装置
60 メインメモリ
90 PC
100 画像形成装置
103 パラメータアドレス生成装置
104 DMAパラメータ記憶装置
105 格子点データ記憶装置
106 ガンマテーブル記憶装置
107 ディザ符号データ記憶装置
108 復号装置
109 ラインメモリ
110 RGBバンド画像読み込み装置
111 バンド画像アドレス生成装置
112 色変換処理装置
113 階調処理装置
114 画像処理後画像バッファ装置
115 画像処理後画像アドレス生成装置
116 画像処理後画像書き込み装置
122 符号読み込み装置
123 符号アドレス生成装置
124 符号フォーマット解析装置
125 Slide展開装置
126 ラインメモリアドレス生成装置
127 復号制御装置
130 ラインメモリアドレス生成装置
131 比較部
132 固定長データ生成装置
133 階調制御装置
140 格子点選択装置
141 格子点アドレス生成装置
142 格子点補間処理装置
143 データ切り出し装置
144 BG/UCR処理装置
145 ガンマ処理装置
150 MIN生成装置
500 スライド記憶部
510 マルチプレックス
520 マルチプレックス
530 制御装置
540 マルチプレックス
700 プリンタエンジン
【先行技術文献】
【特許文献】
【0090】
【特許文献1】特開2008−23959号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディザデータを用いて、多値画像データのハーフトーン処理を行うハーフトーン処理部と、
前記ディザデータが符号化されたディザ符号データを記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記ディザ符号データをライン単位で読み出して復号する復号部と、
前記復号部により復号されたライン単位の前記ディザデータを記憶するラインメモリと、を備え、
前記ハーフトーン処理部は、前記ラインメモリに記憶されたライン単位の前記ディザデータを用いて、前記多値画像データのハーフトーン処理をライン単位で行う、
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記ラインメモリは、1ライン分の前記ディザデータを記憶する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記ディザ符号データは、各ラインの終端符号を有する、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記ディザ符号データは、LZ系の圧縮符号化方式によって前記ディザデータが符号化されたデータである、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のうちの何れか1つに記載の画像処理装置。
【請求項5】
ディザデータを用いて、多値画像データのハーフトーン処理を行う画像処理方法であって、
前記ディザデータが符号化されたディザ符号データをライン単位で復号する復号ステップと、
前記復号ステップにより復号された前記ディザデータが記憶されるラインメモリから、ライン単位の前記ディザデータを読み出し、その読み出したライン単位の前記ディザデータを用いて、多値画像データのハーフトーン処理をライン単位で行うハーフトーン処理ステップと、を備える、
ことを特徴とする画像処理方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2012−161949(P2012−161949A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−22644(P2011−22644)
【出願日】平成23年2月4日(2011.2.4)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】