説明

画像処理装置及び画像処理方法

【課題】解像度を不必要に低下させずにモアレの発生を抑制する。
【解決手段】平均化処理部y71、m71、c71、k71は、スクリーンパターンと同一パターン形状の平均化パターンが設定されたn画素×n画素のマッチングテーブルを画像データの主走査方向及び副走査方向に走査させ、各主走査ラインにおいて、マッチングテーブルの平均化パターンの位置と一致する各画素の画素値を平均化する平均化処理をスクリーン処理と同一周期で行う。平均化処理時には、デコーダDにおいて解読された画像判別信号に基づいて文字や細線等の鮮鋭性が求められる特定領域を判別し、当該特定領域は平均化の対象から除外する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本発明は、画像データに対してスクリーン処理を行う画像処理装置及び画像処理方法に関する。詳細には、本発明は、スクリーン処理の前処理として平均化処理を行う画像処理装置及び画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
原稿画像の画像データをプリント出力する際に、中間調を表現するためにディザ処理等のスクリーン処理を施すと、原稿の網点構造による周期と、スクリーン処理で適用するパターンの周期との干渉により、出力画像にモアレと呼ばれる特有の繰り返しパターンが発生する場合がある。このモアレの発生を防ぐためには原稿側の周期構造を崩すことが有効であり、この周期構造を崩すことを目的として従来から平均化処理が行われていた(例えば特許文献1参照)。
【0003】
しかし、平均化処理は、原稿画像の周期構造とともに画像のディテール部分(細部)を平均化してしまうため、鮮鋭性が低下するという問題があった。そこで、解像度を保持しながらモアレの発生を防ぐために、階調に応じてディザパターンの最大値の示す位置を分散させることにより周期性を崩したり(例えば特許文献2参照)、鮮鋭性が必要なエッジ部分を検出してこのエッジ部分には他領域とは異なる条件で平均化処理を施す方法(例えば特許文献3参照)が提案されている。
【特許文献1】特開5−324826号公報
【特許文献2】特開平9−284553号公報
【特許文献3】特開2000−101845号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、スクリーンの周期構造に同期した従来の平均化処理は、原稿画像の主走査方向のみ、つまり1次元のみに対応可能なものであり、ドット形状の2次元的なスクリーンには対応することができなかった。その結果、ドット形状のスクリーンの場合にはやはりモアレが発生しやすく、これを除去するために例えば2次元空間フィルタ等を用いた移動平均化処理を行うと、出力画像の鮮鋭性が失われ、解像度の低下を招くこととなっていた。このような問題を解決するために、2次元に独立した周期構造を有するパターンを用いる手法も提案されているが、一般に複雑な画素位置の計算を行わなければならないととも大容量のメモリが必要となるので、実用化が困難であった。
【0005】
本発明の課題は、解像度を不必要に低下させずにモアレの発生を抑制する画像処理装置及び画像処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、画像処理装置において、
平均化対象の画像データに対し、平均化対象画素を指定する1次元又は2次元の平均化パターンの位置と一致する画素を対象にその画素値の平均値を算出し、当該平均化パターンの位置と一致する画素の画素値を当該平均値に置換する平均化処理を周期的に行う平均化処理部と、
前記平均化処理が施された画像データに対し、所定のスクリーンパターンを用いて、前記平均化処理と同一周期でスクリーン処理を施すスクリーン処理部と、
を備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像処理装置において、
前記平均化処理部は、画像データの各画素の属性を示す画像判別信号が入力されると、当該画像判別信号に基づいて、特定領域に属する画素を前記平均化処理の対象から除外することを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の画像処理装置
前記平均化パターン及び前記スクリーンパターンの形状は、設定変更可能であることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の画像処理装置において、
前記平均化パターン及び前記スクリーンパターンの形状は、画像データの出力に使用する色材毎に異なることを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の画像処理装置において、
前記平均化処理及び前記スクリーン処理の周期は、設定変更可能であることを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の何れか一項に記載の画像処理装置において、
前記平均化処理及び前記スクリーン処理の周期は、画像データの出力に使用する色材毎に異なることを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の何れか一項に記載の画像処理装置において、
前記平均化パターンは、全ての平均化対象画素に対して同じ重み付け係数が設定された2値パターンであることを特徴とする。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の画像処理装置において、
前記平均化処理部は、前記平均化パターンに設定された重み付け係数に基づいて、当該平均化パターンの位置に一致する画素の画素値を一律に平均した平均値を算出し、平均化パターンに一致する画素の画素値を当該算出された平均値に置換することを特徴とする。
【0014】
請求項9に記載の発明は、請求項1〜6の何れか一項に記載の画像処理装置において、
前記平均化パターンは、各平均化対象画素に対して異なる重み付け係数が設定された多値パターンであることを特徴とする。
【0015】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の画像処理装置において、
前記平均化処理部は、前記平均化パターンの位置と一致する画素の画素値を平均化パターンに設定された重み付け係数により乗算した乗算値をそれぞれ算出して、各乗算値の総和を当該重み付け係数の総和により除算して得た平均値に置換することを特徴とする。
【0016】
請求項11に記載の発明は、請求項1〜10の何れか一項に記載の画像処理装置において、
前記スクリーン処理部は、ランダムな周期でスクリーン処理を行い、
前記平均化処理部は、前記スクリーン処理と同じランダムな周期で平均化処理を行うことを特徴とする。
【0017】
請求項12に記載の発明は、請求項1〜11の何れか一項に記載の画像処理装置において、
前記平均化処理部は、一定周期で平均化処理を行い、
前記スクリーン処理部は、前記平均化処理と同一の一定周期でスクリーン処理を行うことを特徴とする。
【0018】
請求項13に記載の発明は、請求項1〜12の何れか一項に記載の画像処理装置において、
前記スクリーンパターンは、前記平均化パターンと同一形状であることを特徴とする。
【0019】
請求項14に記載の発明は、画像処理方法において、
平均化対象の画像データに対し、平均化対象画素を指定する1次元又は2次元の平均化パターンの位置と一致する画素を対象にその画素値の平均値を算出し、当該平均化パターンの位置と一致する画素の画素値を当該平均値に置換する平均化処理を周期的に行う平均化処理工程と、
前記平均化処理が施された画像データに対し、所定のスクリーンパターンを用いて、前記平均化処理と同一周期でスクリーン処理を施すスクリーン処理工程と、
を含むことを特徴とする。
【0020】
請求項15に記載の発明は、請求項14に記載の画像処理方法において、
前記平均化処理工程では、画像データの各画素の属性を示す画像判別信号が入力されると、当該画像判別信号に基づいて、特定領域に属する画素を前記平均化処理の対象から除外することを特徴とする。
【0021】
請求項16に記載の発明は、請求項14又は15に記載の画像処理方法において、
前記平均化パターン及び前記スクリーンパターンの形状は、設定変更可能であることを特徴とする。
【0022】
請求項17に記載の発明は、請求項14〜16の何れか一項に記載の画像処理方法において、
前記平均化パターン及び前記スクリーンパターンの形状は、画像データの出力に使用する色材毎に異なることを特徴とする。
【0023】
請求項18に記載の発明は、請求項14〜17の何れか一項に記載の画像処理方法において、
前記平均化処理及び前記スクリーン処理の周期は、設定変更可能であることを特徴とする。
【0024】
請求項19に記載の発明は、請求項14〜18の何れか一項に記載の画像処理方法において、
前記平均化処理及び前記スクリーン処理の周期は、画像データの出力に使用する色材毎に異なることを特徴とする。
【0025】
請求項20に記載の発明は、請求項14〜19の何れか一項に記載の画像処理方法において、
前記平均化パターンは、全ての平均化対象画素に対して同じ重み付け係数が設定された2値パターンであることを特徴とする。
【0026】
請求項21に記載の発明は、請求項20に記載の画像処理方法において、
前記平均化処理工程では、前記平均化パターンに設定された重み付け係数に基づいて、当該平均化パターンの位置に一致する画素の画素値を一律に平均した平均値を算出し、平均化パターンに一致する画素の画素値を当該算出された平均値に置換することを特徴とする。
【0027】
請求項22に記載の発明は、請求項14〜19の何れか一項に記載の画像処理方法において、
前記平均化パターンは、各平均化対象画素に対して異なる重み付け係数が設定された多値パターンであることを特徴とする。
【0028】
請求項23に記載の発明は、請求項22に記載の画像処理方法において、
前記平均化処理工程では、前記平均化パターンの位置と一致する画素の画素値を平均化パターンに設定された重み付け係数により乗算した乗算値をそれぞれ算出して、各乗算値の総和を当該重み付け係数の総和により除算して得た平均値に置換することを特徴とする。
【0029】
請求項24に記載の発明は、請求項14〜23の何れか一項に記載の画像処理方法において、
前記平均化処理工程では、スクリーン処理と同じランダムな周期で平均化処理を行い、
前記スクリーン処理工程では、ランダムな周期でスクリーン処理を行うことを特徴とする。
【0030】
請求項25に記載の発明は、請求項14〜24の何れか一項に記載の画像処理方法において、
前記平均化処理工程では、一定周期で平均化処理を行い、
前記スクリーン処理工程では、前記平均化処理と同一の一定周期でスクリーン処理を行うことを特徴とする。
【0031】
請求項26に記載の発明は、請求項14〜25の何れか一項に記載の画像処理方法において、
前記スクリーンパターンは、前記平均化パターンと同一形状であることを特徴する。
【発明の効果】
【0032】
請求項1、14に記載の発明によれば、平均化パターンはスクリーンパターンと形状が同一であり、さらに平均化処理とスクリーン処理の周期が同一であるので、平均化処理とスクリーン処理の周期の不一致により生じやすいモアレを抑制するとともに、所定のスクリーンパターン、例えば平均化パターンと同一又は類似形状のスクリーンパターンにより平均化を行うことにより、スクリーンパターンと一致する、又はその近隣領域毎に平均化を行うことができ、解像度を不必要に低下させずにモアレ発生を抑制することができる。さらに、簡素な構成で容易に一次元又は二次元の平均化処理が可能となり、ドット形状等の様々なスクリーンパターンに対応して平均化を行うことができる。
【0033】
請求項2、15に記載の発明によれば、文字や線画等の鮮鋭性が求められる画像領域を特定領域とすることにより、平均化の処理対象から文字や線画等を除外することができる。従って、平均化により文字や線画の鮮鋭性が失われることを回避することができ、元の画像の画質を保持することができる。
【0034】
請求項3、16に記載の発明によれば、画像の出力環境や再現したい画質等に応じて適切な形状の平均化パターン及びスクリーンパターンを設定することができる。
【0035】
請求項4、17に記載の発明によれば、画像データの出力に使用する色材に応じて最適な形状の平均化パターン及びスクリーンパターンを設定することができる。
【0036】
請求項5、18に記載の発明によれば、平均化パターン及びスクリーンパターンの形状や再現したい画質等に応じて適切な周期に設定することができる。
【0037】
請求項6、19に記載の発明によれば、画像データの出力に使用する色材に応じて最適な周期に設定することができる。
【0038】
請求項7、8、20、21に記載の発明によれば、平均化パターンに一致する全ての画素値を一律に平均化するので、平均度が高くなり、より効果的にモアレを排除することができる。
【0039】
請求項9、10、22、23に記載の発明によれば、平均化パターンに一致する画素値を重み付けして平均化するので、平均化によりモアレを抑制することができるとともに、解像度を向上させることができる。
【0040】
請求項11、24に記載の発明によれば、ランダム周期で平均化処理及びスクリーン処理を行うので、周期性により発生するモアレをより効果的に抑制することができる。
【0041】
請求項12、25に記載の発明によれば、平均化処理とスクリーン処理の周期が同一であるので、平均化処理とスクリーン処理の周期の不一致により生じやすいモアレを抑制することができる。
【0042】
請求項13、26に記載の発明によれば、平均化パターンはスクリーンパターンと形状が同一であるので、スクリーンパターンと一致する領域毎に平均化を行うことができ、解像度を不必要に低下させずにモアレ発生を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
本実施の形態では、スクリーンパターンと同一パターン形状の平均化パターンが設定されたマッチングテーブルを画像データの主走査方向及び副走査方向に走査させ、各主走査ラインにおいて、マッチングテーブルの平均化パターンの位置と一致する各画素の画素値を平均化する平均化処理をスクリーン処理と同一周期で行う例を説明する。
【0044】
図1に、本実施の形態における画像処理装置1の内部構成を示す。
図1に示すように、画像処理装置1は、画像読取部10、操作部20、タッチパネル25、表示部30、本体部40、プリンタ部50から構成されている。また、本体部40は、制御部41、記憶部42、画像処理部43、DRAM(Dynamic Random Access Memory)制御部44、DRAM45、画像判別回路46から構成されている。図中、各部を接続する実線はシステムバスを示し、点線はシリアルバスを示す。
【0045】
画像読取部10は、光源、CCD(Charge Coupled Device)、A/D変換器等を備え
、光源から原稿へ照明走査した光の反射光を結像してCCDにより光電変換することにより原稿画像を読み取り、読み取った画像信号をA/D変換器によりデジタル画像データに変換する。ここで、画像は図形や写真等のイメージに限らず、文字や記号等のキャラクタイメージ等も含む。
【0046】
操作部20は、プリント開始を指示するためのスタートキーや数字キー等の各種機能キーを備え、これら機能キーやタッチパネル25が操作されると、対応する操作信号を制御部41に出力する。
【0047】
表示部30は、タッチパネル25と一体に形成されたLCD(Liquid Crystal Display)を備え、このLCD上にプリント操作するための各種操作画面を表示させる。
【0048】
次に、本体部40の各部について説明する。
制御部41は、記憶部42に記憶されているシステムプログラム、プリント処理プログラム等の各種制御プログラムに従って、画像処理装置1の各部の動作を集中制御する。
【0049】
記憶部42は、システムプログラム、プリント処理プログラム等の各種制御プログラムを記憶する。また、記憶部42は、画像処理部43において平均化処理時に用いられる平均化パターン、スクリーン処理時に用いられるスクリーンパターン、さらに処理周期情報を、画像処理装置1で出力可能なY(黄)、M(マジェンタ)、C(シアン)、K(黒)の色毎に記憶している。なお、処理周期情報とは、平均化処理、スクリーン処理時に用いられるスクリーンパターンを走査する際に参照されるシフト量の情報である。
【0050】
画像処理部43は、図2に示すように、シェーディング補正部r1、g1、b1、I−I´変換処理部r2、g2、b2、フィルタ処理部r3、g3、b3、変倍処理部r4、g4、b4、γ変換部r5、g6、b7、色変換処理部6、統合処理部7、デコーダDから構成され、R(赤)、G(緑)、B(青)の各色に分離されて入力された色毎の画像データに画像処理を施して、その処理画像データをプリンタ部50に出力する。
【0051】
シェーディング補正部r1、g1、b1は、画像読取部10により発生する輝度ムラを補正する。シェーディング補正部r1、g1、b1は、予め輝度ムラを補正するためのLUT(Look Up Table)をR、G、Bの色毎に備えており、このLUTにより入力された
画像データの輝度変換を行って、シェーディング補正を行う。シェーディング補正された各画像データはI−I´変換処理部r2、g2、b2にそれぞれ出力される。
【0052】
I−I´変換処理部r2、g2、b2は、画像読取部10のCCD特有の輝度特性を人の視覚特性に応じた最適な輝度特性に変換するためのLUTをR、G、Bの色毎に備え、このLUTにより入力された画像データの輝度変換を行う。輝度変換された各画像データはフィルタ処理部r3、g3、b3にそれぞれ出力される。
【0053】
フィルタ処理部r3、g3、b3は、MTF(Modulation Transfer Function)フィルタを用いて入力された画像データに鮮鋭化処理を施す。鮮鋭化処理された各画像データはそれぞれ変倍処理部r4、g4、b4に出力される。
【0054】
変倍処理部r4、g4、b4は、指定された出力サイズに応じて入力された画像データの拡大又は縮小を行い、倍率を変更するものである。拡大又は縮小処理された各画像データはγ変換部r5、g5、b5に出力される。
【0055】
γ変換部r5、g5、b5は、輝度リニアな入力値に対して濃度リニアな出力値が定められたLUTを用いて入力された画像データを変換し、輝度リニアな特性から濃度リニア特性に変換する(これをγ変換処理という)。γ変換処理が施された各画像データは色変換処理部6に出力される。
【0056】
色変換処理部6は、入力されたR、G、Bの各画像データに対して色補正を施した後、画像処理装置1で出力可能な色材Y、M、C、Kに応じた各画像データに変換する。色変換により生成されたY、M、C、Kの各画像データはDRAM45に一時記憶された後、統合処理部7に出力される。
【0057】
統合処理部7は、図3に示すように平均化処理部y71、m71、c71、k71、平均化処理部y72、m72、c72、k72、スクリーン処理部y73、m73、c73、k73から構成されている。
【0058】
平均化処理部y71、m71、c71、k71は、n画素×n画素のマッチングテーブルに設定された平均化パターンを用いて入力された画像データに対し、平均化処理を施す。平均化処理時には、画像判別回路46において生成された画像判別信号(文字領域、エッジ領域、線画や写真画の領域等、画像の属性を示す信号)がデコーダDにおいて解読されて入力されるので、当該入力された画像判別信号に基づいて文字や細線等の鮮鋭性が求められる特定領域を判別し、当該特定領域は平均化の対象から除外する。なお、画像判別信号は他の外部装置で生成されたものが入力されることとしてもよいし、出力対象の画像データとともに入力されることとしてもよく、その画像判別信号の生成及び入力経路は特に限定しない。
以下、具体的な平均化パターン例を示しながら、各平均化処理部y71、m71、c71、k71が行う平均化処理について説明する。
【0059】
平均化パターンは、色材Y、M、C、Kのそれぞれに応じて作成され、その処理周期情報とともに記憶部42に記憶されている。処理周期情報とは、平均化パターンを用いて平均化処理を行う際における、主走査方向又は副走査方向の走査周期や、シフト画素数、平均化処理を開始する開始位置等の各種パラメータ情報をいう。図4に、色材Mの平均化パターンとそのマッチングテーブル例を示す。図4に示すように、マッチングテーブルmtは6画素×6画素サイズのマトリクステーブルであり、各画素について平均化対象画素(図中、“1”で示される画素)、非平均化対象画素(図中、“0”で示される画素)が指定されている。この平均化対象画素からなる領域が平均化パターンPaである。また、平均化パターンPaの各平均化対象画素に設定されている数字は重み付け係数の値を示し、平均化パターンPaでは全ての平均対象画素に対して同じ重み付け係数“1”が設定されている。
【0060】
平均化パターンは、各色材に応じて設定可能である。
図5に、各色材Y、M、C、Kの平均化パターン例を示す。これら平均化パターンのパターン形状は、平均化処理の後に行われるスクリーン処理におけるスクリーンパターンの形状と同一である。一例を挙げると、スクリーン処理部m73ではスクリーン処理時に図6(a)に示すようなスクリーンパターンPsが適用される。このスクリーンパターンPsは、色材Mの平均化パターンPa(図5参照)と同一のパターン形状である。図6(b)は、このスクリーンパターンPsが画像データに対して適用されてスクリーン処理された例を示す図である。図6(b)に示すように、ドット形状のスクリーンパターンPsが斜めライン状に周期性を有していることが分かる。なお図中、各スクリーンパターンPsには斜線を付したものとそうでないものがあるが、これは隣接するスクリーンパターンPsを個々に区別しやすいように示したものであり、処理上違いがあるわけではない。
【0061】
次に、図7を参照して上記平均化パターンPaを用いて行われる平均化処理について説明する。
図7に示す平均化処理では、まずマッチングテーブルmtと平均化対象の画像データとがマッチングされる(ステップS1)。次いで、デコーダDから入力される画像判別信号に基づいて、マッチングされた画像データの画像領域に文字や細線等の鮮鋭性が求められる特定領域が含まれるか否か、その有無が判別される(ステップS2)。特定領域は無いと判別された場合(ステップS2;無)、ステップS3の処理に移行し、特定領域が有ると判別された場合(ステップS2;有)、ステップS5の処理に移行する。
【0062】
まず、特定領域が無いと判別された場合についてステップS3の処理から説明する。ここでは、図8に示す画像領域f1の平均化を行う場合を例に説明する。
ステップS3では、平均化パターンPaと対応する各画素(画像領域f1において斜線で示される画素)の画素値が抽出される。以下、画素値が抽出され、平均化が行われる画素を有効画素という。次いで、抽出された画素値からその平均値が算出される。平均値は、抽出された各画素値の総和を有効画素数で除算することにより求められる(ステップS4)。実際には、平均化対象画素に設定されている重み付け係数が各有効画素の画素値に乗算され、その各乗算値の総和を重み付け係数の総和で除算することにより平均値が得られるが、平均化パターンPaは2値パターンであり、平均化対象画素には同じ重み付け係数“1”が設定されているので、重み付け係数“1”が各有効画素に乗算されても、各有効画素の画素値は乗算前の画素値と同じである。よって、各画素値の総和を有効画素数により除算しても上記重み付け係数による場合と同じ平均値が得られるので、本実施形態では各画素値の総和を有効画素数により除算して得ることとする。
【0063】
図8に示す例では、画像領域f1における有効画素の各画素値の総和は“479”であり、有効画素数は“10”であるので、平均値は“47(47.9の小数点以下を切り捨て)”である。次いで、有効画素に算出された平均値が入力され、元の画素値と平均値とが置換される(ステップS7)。このようにして、平均化パターンPaに一致する画素のみが一律に平均化された画像領域f2が得られると、本処理を終了する。
【0064】
次に、特定領域が有ると判別された場合についてステップS5の処理から説明する。ここでは、図9に示す画像領域f3の平均化を行う場合を例に説明する。
ステップS5では、平均化パターンPaと対応し、かつ特定領域に属さない各画素(画像領域f3において斜線で示される画素)の画素値が抽出される。図9に示す例では、画像領域f3において特定領域に属していない4つの有効画素「51」、「40」、「45」、「48」の各画素値が抽出される。次いで、抽出された画素値からその平均値が算出される。平均値は、抽出された各画素値の総和を有効画素数(つまり、平均化対象画素数から特定領域に属する平均化対象画素数を引いた差)で除算することにより求められる(ステップS6)。図9に示す例では、画像領域f3における有効画素の各画素値の総和は“184”であり、有効画素数は“4”であるので、平均値は“46”である。次いで、有効画素に算出された平均値が入力され、元の画素値と平均値とが置換される(ステップS7)。このようにして、特定領域を除いて平均化パターンPaに一致する画素のみが一律に平均化された画像領域f4が得られると、本処理を終了する。
【0065】
以上、有効画素の画素値を一律に平均化する平均化パターンPaを用いた平均化処理の例を説明したが、図10(a)に示すような平均化パターンPbを用いて有効画素の画素値を重み付けて平均化することとしてもよい。平均化パターンPaのように全ての平均対象画素に対して同じ重み付け係数が設定されているパターンを2値パターンといい、平均化パターンPbのように各平均対象画素に対して異なる重み付け係数が設定されているパターンを多値パターンという。このように重み付けて平均化することにより解像度を向上させることができる。
【0066】
図10(a)に示すように、平均化パターンPbでは、平均化対象画素(図中、“0”以外の数字で示される画素。各画素に設定された数字はその画素に設定された重み付け係数を示す。)、非平均化対象画素(図中、“0”で示される画素)が指定されている。
【0067】
この平均化パターンPbを用いた平均化処理について図10(b)を参照して説明する。 例えば、図10(b)に示す6画素×6画素の画像領域f5の平均化を行う場合、画像領域f5において、平均化パターンPbと対応する各画素(画像領域f5において斜線で示される画素)の画素値が抽出される。次いで、有効画素から抽出された各画素値に対し、前記平均化パターンPbの平均化対象画素に設定されている重み付け係数が乗算され、画像領域f6が得られる。そして、その乗算後の各乗算値の総和を各重み付け係数の総和で除算することにより平均値が算出される。図10(b)に示す例では、各画素値の総和が“1462”であり、重み付け係数の総和が“30”であるので、平均値は“48(48.733を切り捨て)”である。そして、算出された平均値がそれぞれに対応する有効画素に入力され、元の画素値と乗算値とが置換される。これにより、平均化パターンPbに一致する画素のみが重み付けて平均化された画像領域f7が得られる。
【0068】
平均化処理部y71、m71、c71、k71は、上述した平均化処理を、平均化パターンPa、Pbが設定されたマッチングテーブルmtを主走査方向及び副走査方向に走査させながら、画像データ全体に対して行う。この画像データ全体を走査しながら平均化を行う走査処理について図11及び図12を参照して説明する。図11は走査処理を説明するフローチャートであり、図12はマッチングテーブルmtを画像データ上を走査させる様子を示した概念図である。以下の説明では、色材Mの画像データが入力され、平均化処理部m71において平均化パターンPaを用いる場合を説明するが、他の平均化処理部y71、c71、k71においても同様の処理が行われる。また、平均化パターンPbを用いる場合も同様の処理が行われる。
【0069】
平均化対象の画像データは、平均化処理部y71、m71、c71、k71内のラインバッファ(図示せず)に1画素分づつ順次蓄積される。予め1ページ分の画像データにおいて平均化処理を開始する画素の位置(以下、開始位置という)が定められており、この開始位置に指定された画素の画像データが入力されると、マッチングパターンmtの走査が開始される。同様に、平均化パターンPaにおいても平均化処理を実行する画素の位置(これを実施位置という)が定められており、この実施位置に指定された画素の画像データが入力されると、平均化処理が実行される。本実施形態では平均化パターンPaの6画素×6画素からなるテーブルの右下に位置する画素を実施位置とする。
【0070】
図11に示す走査処理では、平均化処理に使用する平均化パターンPa及びその処理周期情報が、処理対象の画像データの色材に応じて記憶部42から読み出される。そして、DRAM45から1ページ分の平均化対象の画像データの入力が始まると、まず開始位置の画素の画像データが入力されたか否かが判別され(ステップS101)、開始位置の画素の画像データが入力されると(ステップS101;Y)、図12に示すように開始位置とマッチングテーブルmtの実施位置とが一致するように平均化パターンPaが画像データにマッチングされる(ステップS102)。次いで、マッチングされた画像データの画像領域内で平均化処理(図7参照)が行われる(ステップS103)。
【0071】
1周期分の平均化処理が終了すると、主走査方向に1ライン分の走査が終了したか否かが判別され(ステップS104)、1ライン分の走査が終了していない場合(ステップS104;N)、図12に示すように平均化パターンPaの実施位置がCx画素分だけ主走査方向にシフトされ(ステップS105)、ステップS103の処理に戻ってそのシフト先で平均化処理が行われる。すなわち、1ライン分の主走査が終了するまでCx画素毎の一定周期で平均化処理が繰り返される。このシフト画素数Cxをスクリーン処理を行う間隔画素数(周期)と同一とすることにより、平均化処理とスクリーン処理を同期させることができ、平均化処理とスクリーン処理の周期の相違によるモアレの発生を防止することができる。
【0072】
そして、1ライン分の主走査が終了すると(ステップS104;Y)、平均化パターンPaの実施位置がそのラインにおいて最初に平均化処理が行われた実施位置(これを初期位置という)に戻され(ステップS106)、その初期位置から主走査方向にSx画素分、副走査方向にSy画素分だけシフトされる(ステップS107)。このとき、常に初期位置からSx、Sy画素分シフトすることとすると、主走査方向の終端側(図12では右側)に偏ってしまうので、そのシフト位置からCx画素分の移動内で可能なだけ主走査の始端側(図12では左側)に戻るようにシフトされる(ステップS108)。すなわち、Cx画素分の移動内で始端側に戻れる場合はSxとCxの差の画素分だけ始端側にシフトされる。そして、そのシフト位置で平均化パターンPaと画像データとがマッチングされて平均化処理が行われ(ステップS109)、次の主走査ラインにおける走査が開始される。
【0073】
次いで、1ライン分の主走査が終了したか否かが判別され(ステップS110)、1ライン分の走査が終了していない場合は(ステップS110;N)、図12に示すように平均化パターンPaの実施位置がCx画素分だけ主走査方向にシフトされ(ステップS111)、ステップS109の処理に戻ってそのシフト先で平均化処理が行われる。すなわち、1ラインの走査が終了するまでCx画素毎の一定周期で平均化処理が繰り返される。
【0074】
そして、1ライン分の主走査が終了した場合(ステップS110;Y)、1ページ分の画像データについて主走査及び副走査が終了したか否かが判別される(ステップS112)。1ページ分の主走査及び副走査が終了していない場合(ステップS112;N)、マッチングテーブルmtの実施位置がそのラインの初期位置に戻される(ステップS113)。そして、ステップS107の処理に戻り、副走査方向にシフトして次の1ラインの主走査が繰り返される。すなわち、1ページ分の画像データに対する平均化処理が終了するまで、主走査及び副走査が繰り返される。そして、1ページ分の主走査及び副走査を終え、画像データ全体に対する平均化処理が終了すると(ステップS112;Y)、本処理を終了する。次の1ページ分の画像データが入力された場合は、再度ステップS101から走査処理が行われる。
【0075】
図13に上記走査処理の具体例を示す。
図13は、Sx=7、Sy=1、Cx=10の走査条件で、画像データ上に図4に示したマトリックステーブルmtを走査させ、平均化パターンPaにより平均化を行った例を示す図である。図13に示すように、平均化パターンPaはスクリーンパターンと同一パターンであり、かつ平均化処理とスクリーン処理の周期が同一であるので、平均化された領域単位がスクリーンパターンと同期している。このように、スクリーンパターンに合わせて平均化パターンのパターン形状、Sx、Sy、Cxの走査条件を調整することによりスクリーン処理と同期して平均化処理を行うことができる。
以上のようにして、平均化が行われた各画像データは、γ補正処理部y72、m72、c72、k72に出力される。
【0076】
γ補正処理部y72、m72、c72、k72は、予めγ補正用に準備されたLUTを用いて入力された画像データの階調変換を行ってγ補正処理を施す。γ補正処理が施された各色材の画像データはそれぞれスクリーン処理部y73、m73、c73、k73に出力される。
【0077】
スクリーン処理部y73、m73、c73、k73は、入力された画像データに対して組織的ディザ法等の手法によりスクリーン処理を施すものである。スクリーン処理時には、予めマトリックス状に複数の閾値が設定されたスクリーンパターンを記憶部42から読み出して、当該スクリーンパターンと画像データとをマッチングし、各画素位置に対応するスクリーンパターンの閾値と比較して各画素の出力値を多値化する(複数レベルで表現する)。なお、多値化の手法としては公知公用の手法を適用可能である。
【0078】
DRAM制御部44は、DRAM45に記憶された画像データの入出力を制御する。
DRAM45は、画像データを記憶する画像メモリである。
【0079】
画像判別回路46は、画像読取部10において読取入力された画像データのデータ解析を行って文字領域を特定領域として判別し、画像判別信号を生成する、或いは画像データに対してエッジ検出を行い、検出されたエッジ領域を特定領域として判別し、画像判別信号を生成する等して、出力対象の画像データに対する画像判別信号を生成し、画像処理部43に出力する。
【0080】
プリンタ部50は、電子写真方式でY、M、C、Kのカラープリント出力を行う。プリンタ部50は、LD(Laser Device)ドライバ、レーザ光源等を備えて感光ドラム上に潜像を形成する露光部、感光ドラムにトナーを吹き付けて画像を形成する現像部、画像形成された感光ドラム上のトナーをプリント用紙上に転写させる転写ベルト等から構成される。なお、プリント方式は他の方式を適用することとしてもよい。
【0081】
プリンタ部50は、画像処理部43から各色材の画像データが入力されると、周波数変調/PWM(Pulse Width Modulation)変換処理部y51、m51、c51、k51により周波数変調、PWM変換を行い、その変調信号をLDドライバに入力する。LDドライバは入力された変調信号に基づいてレーザ光源を駆動し、レーザ光源から照射される露光量を制御する。
【0082】
以上のように、本実施形態によれば、マッチングテーブルを主走査方向及び副走査方向に走査させ、マッチングテーブルに設定された平均化パターンと一致する画像領域の各画素の画素値を平均し、その画素値を平均値に置換する平均化処理を一定周期で行うことにより、簡素な構成で容易に1次元又は2次元の平均化処理が可能となる。さらに、平均化パターンはスクリーンパターンと同一であり、かつ平均化処理はスクリーン処理と同一周期で行うので、スクリーンパターンと一致する領域毎に平均化を行うことができるとともに平均化が必要な部分のみ平均化することができ、さらには平均化処理とスクリーン処理の周期性の不一致を解消することができる。従って、解像度を不必要に低下させることなく、周期性の不一致により生じやすいモアレの発生を抑制することができる。
【0083】
また、画像データとともに入力される画像判別信号をデコーダDにより解読し、解読された画像判別信号に基づいて鮮鋭性を保持すべき特定領域を判別し、当該特定領域は平均化処理の対象から除外するので、文字や細線、エッジ領域等の特定領域の鮮鋭性を保持することができる。
【0084】
また、平均化パターン及びスクリーンパターンの形状や、平均化処理又はスクリーン処理の周期は適宜設定可能であり、出力時の色材に応じて平均化パターンを変更する、周期を変更する等、色材の特性に応じて最適な条件を選択することができる。さらに、平均化パターンのパターン形状や走査条件等を操作するだけで、スクリーン線数やパターン形状が異なる多様なスクリーンパターンに容易に対応することができる。
【0085】
なお、本実施形態における記述内容は、本発明を適用した画像処理装置1の好適な一例であり、これに限定されるものではない。
【0086】
例えば、図1に示す画像読取部30を設けずに、外部のコンピュータとデータ通信を行う通信手段を設けて当該コンピュータから送信される出力対象の画像データに対して画像処理を施すようなプリントシステムにおいても本発明を適用可能である。
【0087】
また、上述した説明では、平均化処理及びスクリーン処理は、同じCx画素毎の一定周期で行うこととしたが、ランダムな周期で行うこととしてもよい。ここで、ランダム周期とは、シフト画素数Cxが一定値nではなく、p、q、rのように異なる値が繰り返し採用されるような周期性をいう。この場合、制御部41において乱数発生された数値をシフト画素数Cxとして、平均化処理及びスクリーン処理を行う。なお、周期はランダムであるが、平均化処理とスクリーン処理の周期は同一であり、各処理の周期のランダムの程度を同じくするものである。一定周期では多少のモアレが発生する場合もあり、このようにランダムな周期とすることにより、より効果的なモアレの低減を図ることができる。
【0088】
さらに、上述の説明では、平均化パターンとスクリーンパターンとは形状が同一であるが、例えば平均化パターンがスクリーンパターンより大きいサイズとなるように設計して、両者の形状は異なるものとしてもよい。
【0089】
その他、本実施形態における画像処理装置1の細部構成および細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本実施の形態における画像処理装置1の内部構成を示す図である。
【図2】画像処理部43の内部構成を示す図である。
【図3】統合処理部7の内部構成を示す図である。
【図4】平均化パターン及びマッチングテーブルの一例を示す図である。
【図5】色材毎に異なる平均化パターンの例を示す図である。
【図6】スクリーンパターンとその適用例を示す図である。
【図7】平均化処理部y71、m71、c71、k71において実行される平均化処理を説明するフローチャートである。
【図8】2値パターンである平均化パターンPaを用いた平均化を示す図である。
【図9】平均化対象の画像領域に特定領域が含まれる場合の平均化を示す図である。
【図10】多値パターンである平均化パターンPbを用いた平均化を示す図である。
【図11】平均化処理部y71、m71、c71、k71により実行される走査処理を説明するフローチャートを示す図である。
【図12】画像データ上をマッチングテーブルmtが走査する様子を示す概念図である。
【図13】走査処理の具体例を示す図である。
【符号の説明】
【0091】
1 画像処理装置
10 画像読取部
20 操作部
25 タッチパネル
30 表示部
40 本体部
41 制御部
42 記憶部
43 画像処理部
D デコーダ
7 統合処理部
y71、m71、c71、k71 平均化処理部
y72、m72、c72、k72 γ補正処理部
y73、m73、c73、k73 スクリーン処理部
44 DRAM制御部
45 DRAM
46 画像判別回路
50 プリンタ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平均化対象の画像データに対し、平均化対象画素を指定する1次元又は2次元の平均化パターンの位置と一致する画素を対象にその画素値の平均値を算出し、当該平均化パターンの位置と一致する画素の画素値を当該平均値に置換する平均化処理を周期的に行う平均化処理部と、
前記平均化処理が施された画像データに対し、所定のスクリーンパターンを用いて、前記平均化処理と同一周期でスクリーン処理を施すスクリーン処理部と、
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記平均化処理部は、画像データの各画素の属性を示す画像判別信号が入力されると、当該画像判別信号に基づいて、特定領域に属する画素を前記平均化処理の対象から除外することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記平均化パターン及び前記スクリーンパターンの形状は、設定変更可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記平均化パターン及び前記スクリーンパターンの形状は、画像データの出力に使用する色材毎に異なることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記平均化処理及び前記スクリーン処理の周期は、設定変更可能であることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記平均化処理及び前記スクリーン処理の周期は、画像データの出力に使用する色材毎に異なることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記平均化パターンは、全ての平均化対象画素に対して同じ重み付け係数が設定された2値パターンであることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記平均化処理部は、前記平均化パターンに設定された重み付け係数に基づいて、当該平均化パターンの位置に一致する画素の画素値を一律に平均した平均値を算出し、平均化パターンに一致する画素の画素値を当該算出された平均値に置換することを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記平均化パターンは、各平均化対象画素に対して異なる重み付け係数が設定された多値パターンであることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記平均化処理部は、前記平均化パターンの位置と一致する画素の画素値を平均化パターンに設定された重み付け係数により乗算した乗算値をそれぞれ算出して、各乗算値の総和を当該重み付け係数の総和により除算して得た平均値に置換することを特徴とする請求項9に記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記スクリーン処理部は、ランダムな周期でスクリーン処理を行い、
前記平均化処理部は、前記スクリーン処理と同じランダムな周期で平均化処理を行うことを特徴とする請求項1〜10の何れか一項に記載の画像処理装置。
【請求項12】
前記平均化処理部は、一定周期で平均化処理を行い、
前記スクリーン処理部は、前記平均化処理と同一の一定周期でスクリーン処理を行うことを特徴とする請求項1〜11の何れか一項に記載の画像処理装置。
【請求項13】
前記スクリーンパターンは、前記平均化パターンと同一形状であることを特徴とする請求項1〜12の何れか一項に記載の画像処理装置。
【請求項14】
平均化対象の画像データに対し、平均化対象画素を指定する1次元又は2次元の平均化パターンの位置と一致する画素を対象にその画素値の平均値を算出し、当該平均化パターンの位置と一致する画素の画素値を当該平均値に置換する平均化処理を周期的に行う平均化処理工程と、
前記平均化処理が施された画像データに対し、所定のスクリーンパターンを用いて、前記平均化処理と同一周期でスクリーン処理を施すスクリーン処理工程と、
を含むことを特徴とする画像処理方法。
【請求項15】
前記平均化処理工程では、画像データの各画素の属性を示す画像判別信号が入力されると、当該画像判別信号に基づいて、特定領域に属する画素を前記平均化処理の対象から除外することを特徴とする請求項14に記載の画像処理方法。
【請求項16】
前記平均化パターン及び前記スクリーンパターンの形状は、設定変更可能であることを特徴とする請求項14又は15に記載の画像処理方法。
【請求項17】
前記平均化パターン及び前記スクリーンパターンの形状は、画像データの出力に使用する色材毎に異なることを特徴とする請求項14〜16の何れか一項に記載の画像処理方法。
【請求項18】
前記平均化処理及び前記スクリーン処理の周期は、設定変更可能であることを特徴とする請求項14〜17の何れか一項に記載の画像処理方法。
【請求項19】
前記平均化処理及び前記スクリーン処理の周期は、画像データの出力に使用する色材毎に異なることを特徴とする請求項14〜18の何れか一項に記載の画像処理方法。
【請求項20】
前記平均化パターンは、全ての平均化対象画素に対して同じ重み付け係数が設定された2値パターンであることを特徴とする請求項14〜19の何れか一項に記載の画像処理方法。
【請求項21】
前記平均化処理工程では、前記平均化パターンに設定された重み付け係数に基づいて、当該平均化パターンの位置に一致する画素の画素値を一律に平均した平均値を算出し、平均化パターンに一致する画素の画素値を当該算出された平均値に置換することを特徴とする請求項20に記載の画像処理方法。
【請求項22】
前記平均化パターンは、各平均化対象画素に対して異なる重み付け係数が設定された多値パターンであることを特徴とする請求項14〜19の何れか一項に記載の画像処理方法。
【請求項23】
前記平均化処理工程では、前記平均化パターンの位置と一致する画素の画素値を平均化パターンに設定された重み付け係数により乗算した乗算値をそれぞれ算出して、各乗算値の総和を当該重み付け係数の総和により除算して得た平均値に置換することを特徴とする請求項22に記載の画像処理方法。
【請求項24】
前記平均化処理工程では、スクリーン処理と同じランダムな周期で平均化処理を行い、
前記スクリーン処理工程では、ランダムな周期でスクリーン処理を行うことを特徴とする請求項14〜23の何れか一項に記載の画像処理方法。
【請求項25】
前記平均化処理工程では、一定周期で平均化処理を行い、
前記スクリーン処理工程では、前記平均化処理と同一の一定周期でスクリーン処理を行うことを特徴とする請求項14〜24の何れか一項に記載の画像処理方法。
【請求項26】
前記スクリーンパターンは、前記平均化パターンと同一形状であることを特徴する請求項14〜25の何れか一項に記載の画像処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−14262(P2006−14262A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−311089(P2004−311089)
【出願日】平成16年10月26日(2004.10.26)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】