画像形成システム
【課題】自動トレイ切り替え機能又は自動用紙選択機能を備える画像形成システムにおいて、使用可能な給紙トレイをジョブ毎に設定可能とすることにより、ユーザの負担を低減して、作業効率性を向上させる。
【解決手段】画像形成システム1において、操作表示制御部503は、自動トレイ切り替え処理又は自動用紙選択処理において切り替え可能な給紙トレイと、当該切り替え可能な給紙トレイへの切り替えの優先順位又は選択可能な給紙トレイの優先順位と、を示す第一トレイ設定情報を、ジョブ毎に設定し、制御部101は、画像形成部600による画像形成処理の実行中に、操作表示制御部503により設定された第一トレイ設定情報にしたがって、自動トレイ切り替え処理又は自動用紙選択処理を実行する。
【解決手段】画像形成システム1において、操作表示制御部503は、自動トレイ切り替え処理又は自動用紙選択処理において切り替え可能な給紙トレイと、当該切り替え可能な給紙トレイへの切り替えの優先順位又は選択可能な給紙トレイの優先順位と、を示す第一トレイ設定情報を、ジョブ毎に設定し、制御部101は、画像形成部600による画像形成処理の実行中に、操作表示制御部503により設定された第一トレイ設定情報にしたがって、自動トレイ切り替え処理又は自動用紙選択処理を実行する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動トレイ切り替え機能又は自動用紙選択機能を備える画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像形成の作業現場では、複数の給紙トレイを備える画像形成装置により、紙種や坪量等の異なる多種多様な用紙を使用して画像形成処理を行っている。特に、POD(Print On Demand)では、使用する用紙がジョブ毎に異なる場合も多い。
【0003】
ジョブ毎に異なる用紙を使用する場合には、各ジョブの実行開始前に、そのジョブで使用する用紙を給紙トレイに補充する作業を行う必要がある。ところが、ジョブが終了する度に、画像形成処理を一旦停止して用紙の補充を行っていたのでは作業効率性が著しく低下してしまう。そのため、ユーザは、前のジョブの実行中に次のジョブで使用する用紙を使用中でない給紙トレイに補充する等の工夫を行い、作業効率性の低下を防いでいる。
【0004】
ところで、従来、ATS(自動トレイ切替)機能、すなわち、画像形成処理の途中に用紙切れが発生した場合に給紙トレイを自動的に切り替える機能や、APS(自動用紙選択)機能、すなわち、原稿サイズに応じた用紙を自動的に選択する機能を有する画像形成装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
ATS機能によれば、使用中の給紙トレイ内に用紙が無くなった場合でも、用紙切れが発生した給紙トレイと同一サイズの用紙を格納する給紙トレイに自動的に切り替えられるため、用紙切れによって画像形成処理が停止することが無くなり、作業効率性に優れている。また、同様に、APS機能によっても、同一サイズの用紙を格納する給紙トレイに自動的に切り替えが行われ、適切な用紙の選択が行われることとなる。
【0005】
また、近年では、ATS機能やAPS機能として、用紙のサイズだけでなく、用紙の紙種、秤量、色等もトレイ切り替えの条件に加えられており、用紙のサイズ・紙種・坪量・色等の全ての条件が一致する用紙を収容するトレイに切り替えを行うという制御も実施されている。
【0006】
しかしながら、用紙のサイズや紙種、坪量、色等の全ての条件が一致しても、メーカーやざらつきの程度、光沢の程度、ロゴの有無等が異なる場合があるため、必ずしも同一の用紙であるとは限らない。したがって、用紙のサイズ・紙種・坪量・色が全て一致する用紙であったとしても、そのジョブに使用する用紙とは異なる場合があり、ATS機能による自動トレイ切り替え処理や、APS機能による自動用紙選択処理を実行すると、ユーザが意図しない用紙が使用されて、印刷ミスが発生してしまう恐れがあった。
【0007】
また、PODでは、ジョブ毎に、例えば、坪量72gの用紙と坪量91gの用紙を使い分ける場合がある。ところが、機械側では、坪量の設定に幅をもたせて、坪量72gの用紙と坪量91gの用紙を何れも坪量72〜91gの同一坪量の用紙として扱う場合がある。例えば、ユーザが秤量72gの用紙を使用したい場合であっても、機械側では72gと秤量91gが同一坪量として扱われ、ATS機能やAPS機能によって、ユーザが意図しない91gの用紙が使用されてしまう恐れがあった。
【0008】
そこで、近年では、ATS機能として、使用可能な給紙トレイやこれらの給紙トレイを使用する優先順位を、機械側に設定することができる画像形成装置が知られている。そして、用紙切れが発生した場合に、設定されている使用可能なトレイの中から優先順位に従って、ATS機能によるトレイ切り替えを行うことが可能となっている。したがって、予め、所望の用紙が収納されている給紙トレイを使用可能な給紙トレイとして設定しておけば、ユーザが意図しない用紙が使用されて、印刷ミスが発生することが無くなる。
また、同様に、APS機能であっても、使用可能な給紙トレイと優先順位を設定することが可能となっており、所望の用紙が収納されている給紙トレイを使用可能な給紙トレイとして設定しておけば、ユーザが意図しない用紙が使用されることを防止することができる。
【特許文献1】特開平10−240078号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上述の使用可能なトレイと優先順位は、ジョブによらず、各ジョブに一律に適用される機械設定であるため、使用するトレイと優先順位とがジョブ毎に異なる場合には、一つのジョブが終了する度に、設定を変更する作業を行わなければならず、作業が煩雑である。また、設定の変更を行っている間は画像形成処理が一時停止することとなるため、作業効率性が非常に悪いという問題があった。
【0010】
本発明の課題は、自動トレイ切り替え機能又は自動用紙選択機能を備える画像形成システムにおいて、使用可能な給紙トレイをジョブ毎に設定可能とすることにより、ユーザの負担を低減して、作業効率性を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、用紙を給紙するための複数の給紙トレイと、画像形成部による画像形成処理の実行中に使用している給紙トレイ内に用紙が無くなった場合に、自動的に給紙トレイを切り替える自動トレイ切り替え処理を行う制御部と、を備える画像形成システムにおいて、
前記自動トレイ切り替え処理において切り替え可能な給紙トレイと、当該切り替え可能な給紙トレイへの切り替えの優先順位と、を示すトレイ設定情報を、ジョブ毎に設定する設定部を備え、
前記制御部は、前記設定部により設定されたジョブ毎の前記トレイ設定情報にしたがって、前記自動トレイ切り替え処理を実行することを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成システムにおいて、前記自動トレイ切り替え処理において切り替え可能な給紙トレイと、当該切り替え可能な給紙トレイへの切り替えの優先順位と、を示す第二トレイ設定情報を、機械設定値として設定する機械設定部を備え、
前記制御部は、前記設定部により前記トレイ設定情報が設定されない場合に、前記機械設定部により設定された前記第二トレイ設定情報にしたがって、前記自動トレイ切り替え処理を実行することを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の発明は、用紙を給紙するための複数の給紙トレイと、原稿サイズに応じて自動的に用紙を選択する自動用紙選択処理を行う制御部と、を備える画像形成システムにおいて、
前記自動用紙選択処理において選択可能な給紙トレイと、当該選択可能な給紙トレイの優先順位と、を示すトレイ設定情報を、ジョブ毎に設定する設定部を備え、
前記制御部は、前記設定部により設定されたジョブ毎の前記トレイ設定情報にしたがって、前記自動用紙選択処理を実行することを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の画像形成システムにおいて、前記自動用紙選択処理において選択可能な給紙トレイと、当該選択可能な給紙トレイの優先順位と、を示す第二トレイ設定情報を、機械設定値として設定する機械設定部を備え、
前記制御部は、前記設定部により前記トレイ設定情報が設定されない場合に、前記機械設定部により設定された前記第二トレイ設定情報にしたがって、前記自動用紙選択処理を実行することを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の画像形成システムにおいて、前記設定部は、前記トレイ設定情報を名称とともに登録し、前記トレイ設定情報の設定に際して、登録されている前記トレイ設定情報の名称を含む情報を表示部に一覧表示し、当該一覧表示の中からユーザにより選択されたトレイ設定情報を設定することを特徴とする。
【0016】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の画像形成システムにおいて、前記設定部は、ユーザ毎に、一又は複数の前記トレイ設定情報を登録可能であることを特徴とする。
【0017】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の何れか一項に記載の画像形成システムにおいて、全給紙トレイのうち、前記設定部により設定された給紙トレイと他の給紙トレイとを、表示部において識別可能に表示する表示制御部を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に記載の発明によれば、使用する給紙トレイがジョブ毎に異なる場合であっても、ジョブ毎に、切り替え可能な給紙トレイと優先順位とを設定し直す作業が必要無いこととなり、ユーザの負担を低減して、作業効率性を高めることができる。
【0019】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果が得られるのは無論のこと、トレイ設定情報が設定されないジョブについては、第二トレイ設定情報にしたがって自動トレイ切り替え処理が実行されることとなって、ユーザにとって使い勝手の良いものとなる。
【0020】
請求項3に記載の発明によれば、使用する給紙トレイがジョブ毎に異なる場合であっても、ジョブ毎に、切り替え可能な給紙トレイと優先順位とを設定し直す作業が必要無いこととなり、ユーザの負担を低減して、作業効率性を高めることができる。
【0021】
請求項4に記載の発明によれば、請求項3に記載の発明の効果が得られるのは無論こと、トレイ設定情報が設定されないジョブについては、第二トレイ設定情報にしたがって自動用紙選択処理が実行されることとなって、ユーザにとって使い勝手が良いものとなる。
【0022】
請求項5に記載の発明によれば、請求項1〜4の何れか一項に記載の発明の効果が得られるのは無論のこと、トレイ設定情報の設定に際して、ユーザは、事前に登録したトレイ設定情報の中から設定できることとなって、トレイ設定情報の設定の容易化を図ることができる。
【0023】
請求項6に記載の発明によれば、請求項5に記載の発明の効果が得られるのは無論のこと、トレイ設定情報の設定に際して、ユーザは、事前に登録した複数のトレイ設定情報の中から、設定するトレイ設定情報を選択できることとなって、トレイ設定情報の設定の更なる容易化を図ることができる。
【0024】
請求項7に記載の発明によれば、請求項1〜6の何れか一項に記載の発明の効果が得られるのは無論のこと、ジョブ毎に、使用可能な給紙トレイと使用不可能な給紙トレイとが視覚的に容易に把握できることとなって、使い勝手の良いものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明に係る画像形成システムの一実施形態について、図面を参照して説明する。ただし、発明の範囲は図示例に限定されない。
【0026】
図1は、本実施形態の画像形成システム1の概略構成を示す正面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る画像形成システム1は、本体部10と、これにオプション接続された大容量トレイユニット20及び後処理部30と、を備えて構成される。
【0027】
本体部10は、印字用の用紙を収容する3つの給紙トレイFT1〜FT3、スキャナ部200、自動原稿給紙部(ADF:Auto Document Feeder)300、操作表示部500、画像形成部600、を備える。すなわち、本実施形態に係る画像形成システム1は、スキャナ機能、コピー機能、プリンタ機能を備えた、いわゆるディジタル複合機である。
【0028】
大容量トレイユニット20は、例えば、印字用の用紙を収容する5つの給紙トレイFT4〜FT8を備えており、本体部10に用紙を給紙する。
【0029】
後処理部30は、本体部10から搬送された用紙に各種後処理を行う、いわゆるフィニッシャーであり、例えば、本体部10から搬送された用紙のソート処理を行うソートユニット、パンチ処理を行うパンチユニット、折り処理を行う折ユニット、断裁処理を行う断裁ユニット等を備える。後処理部30の左側には、搬送された用紙が排紙される排紙トレイET1、ET2が設けられており、搬送された用紙が排紙される。
【0030】
画像形成処理において、例えば、ADF部300の原稿トレイT1に載置された原稿は、スキャナ部200の読取箇所であるコンタクトガラスに搬送され、スキャナ部200の光学系により原稿の画像が読み取られる。ここで、画像とは、図形や写真等のイメージデータに限らず、文字や記号等のテキストデータ等も含む。
スキャナ部200により読み取られた画像(アナログ画像信号)は、後述する状態管理部100に出力され、状態管理部100においてA/D変換され、各種画像処理が施された後、画像形成部600に出力される。そして、画像形成部600において、本体部10又は大容量トレイユニット20に備わる何れかの給紙トレイFT1〜FT8から給紙された用紙上に、ディジタル画像データに基づく画像が形成される。
画像形成された用紙は、画像形成部600内の搬送部610により後処理部30に搬送され、後処理部30の後処理機構により所定の後処理を施された後、排紙トレイET1、ET2の何れかに排紙される。
なお、給紙トレイFT1〜FT8や排紙トレイET1、ET2の形態は、図1に例示したものに限定されず、例えば、その数は図示したものより多くても少なくてもよい。
【0031】
また、本実施形態の画像形成システム1は、画像形成処理の実行中に用紙切れが発生した場合に、自動的に給紙トレイを切り替える自動トレイ切り替え機能(ATS機能)と、原稿サイズに応じた用紙を自動的に選択する自動用紙選択機能(APS機能)とを備えている。そして、画像形成部600による画像形成処理の実行中に、後述する第一トレイ設定情報にしたがって、自動トレイ切り替え処理又は自動用紙選択処理を実行する。
【0032】
自動トレイ切り替え機能では、あるジョブに応じた画像形成部600による画像形成処理の実行中に、使用中の給紙トレイFT内の用紙が無くなると、操作表示制御部503により設定されたそのジョブに関する第一トレイ設定情報にしたがってトレイ切り替え処理を実行し、これにより、第一トレイ設定情報において切り替え可能な給紙トレイFTとして設定された一の給紙トレイFTにトレイ切り替えが行われる。
一方、自動用紙選択機能では、あるジョブに応じた画像形成部600による画像形成処理の実行に際して、操作表示制御部503により設定されたそのジョブに関する第一トレイ設定情報にしたがって用紙選択処理を実行し、これにより、第一トレイ設定情報において切り替え可能な給紙トレイFTとして設定された一の給紙トレイFT内の用紙が選択されて、トレイ切り替えが行われる。
本実施形態では、まず初めに、自動トレイ切り替え処理が行われる場合について説明する。
【0033】
図2は、画像形成システム1の機能的構成を示すブロック図である。
本体部10は、状態管理部100と、スキャナ部200と、ADF部300と、プリンタコントローラ400と、給紙トレイFT1〜FT3と、操作表示部500と、画像形成部600と、を備えて構成される。
【0034】
状態管理部100は、例えば、制御部101、プログラムメモリ(ROM:Read Only Memory)102、システムメモリ(RAM:Random Access Memory)103、不揮発メモリ104、読み取り処理部105、書き込み処理部106、DRAM(Dynamic Random Access Memory)制御IC107、圧縮・伸長IC108及び画像メモリ109を備えて構成される。
【0035】
制御部101は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等により構成され、ROM102に記憶されているシステムプログラムや画像形成処理プログラム、後処理処理プログラム等の各種処理プログラムを読み出してRAM103に展開し、展開したプログラムに従って画像形成システム1の各部の動作を集中制御する。
【0036】
具体的には、制御部101は、操作表示部500における操作により入力されたジョブの設定情報や、本体部10に接続された外部装置から送信されたジョブの設定情報を、不揮発メモリ104に格納する。ジョブの設定情報には、後述するように、自動トレイ切り替え処理において切り替え可能な給紙トレイFTを示す使用トレイ情報と、使用トレイ情報における切り替え可能な給紙トレイFTへの切り替えの優先順位を示す優先順位情報と、から成る第一トレイ設定情報が含まれている。
【0037】
そして、制御部101は、第一トレイ設定情報に基づく画像形成処理の実行に際し、第一トレイ設定情報において切り替え可能な給紙トレイFTとして設定された給紙トレイに、設定された優先順位の順にトレイ切り替えを行う。すなわち、制御部101は、まず初めに、第一トレイ設定情報における切り替えの優先順位が1番の給紙トレイFTから給紙を行う。そして、画像形成処理の実行中に、使用中の優先順位1番の給紙トレイ内の用紙が無くなった場合には、第一トレイ設定情報における切り替えの優先順位が2番の給紙トレイFTにトレイ切り替え処理を行う。さらに、使用中の優先順位2番の給紙トレイFT内の用紙が無くなった場合には、第一トレイ設定情報における切り替えの優先順位が3番の給紙トレイFTにトレイ切り替え処理を行う。このように、制御部101は、使用中の給紙トレイFTが用紙切れとなる度に、第一トレイ設定情報において切り替え可能な給紙トレイFTとして設定された給紙トレイに、設定された優先順位の順でトレイ切り替え処理を実行する。
【0038】
また、制御部101は、実行するジョブの設定情報に、第一トレイ設定情報が含まれていない場合には、後述する機械設定部により設定された第二トレイ設定情報としての第二トレイ設定情報にしたがって自動トレイ切り替え処理を実行する。第二トレイ設定情報は、自動トレイ切り替え処理において切り替え可能な給紙トレイFTと、切り替え可能な給紙トレイFTへの切り替えの優先順位と、を示す情報である。この第二トレイ設定情報は、第一トレイ設定情報のようにジョブの設定情報の一部としてジョブ毎に設定される情報ではなく、本体部10の不揮発メモリ104内に設定して、第一トレイ設定情報が設定されていない各ジョブに対し、一律に適用される機械設定データである。
そして、制御部101は、第二トレイ設定情報に基づく画像形成処理の実行において、第二トレイ設定情報において切り替え可能な給紙トレイFTとして設定された給紙トレイに、設定された優先順位の順にトレイ切り替えを行う。
【0039】
ここで、ジョブとは、画像形成に関する一連の動作を指し、例えば、複数枚の原稿をコピーする場合には、複数枚の原稿のコピーに関する一連の動作が1ジョブである。また、複数部数のコピーを行う場合は、複数部数分のコピーに関する一連の動作が1ジョブである。
【0040】
ROM102は、例えば、半導体等の不揮発メモリ等により構成され、画像形成システム1に対応するシステムプログラム及び該システムプログラム上で実行可能な画像形成処理プログラム、後処理プログラム等の各種処理プログラム等を記憶する。これらのプログラムは、コンピュータが読み取り可能なプログラムコードの形態で格納され、制御部101は、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。
【0041】
RAM103は、制御部101により実行される各種プログラム及びこれらプログラムに係るデータを一時的に記憶するワークエリアを形成し、実行中のジョブの設定情報等を記憶する。
【0042】
不揮発メモリ104は、画像形成システム1に係る各種設定データ等を記憶する。
具体的には、不揮発メモリ104は、予約されたジョブに関するジョブの設定情報と、機械設定値として設定された第二トレイ設定情報とを記憶する。
【0043】
読み取り処理部105は、スキャナ部200から入力されたアナログ画像信号に、アナログ信号処理、A/D変換処理、シェーディング処理等の各種処理を施し、ディジタル画像データを生成し、DRAM制御IC107へ出力する。
書き込み処理部106は、圧縮・伸長IC108から入力される画像データに基づくPWM(Pulse Width Modulation)信号を生成し、画像形成部600へ出力する。
【0044】
DRAM制御IC107は、制御部101からの制御に基づいて、圧縮・伸長IC108の圧縮・伸長処理を制御するとともに、画像メモリ109における画像データの入出力制御を行う。
具体的には、読み取り処理部105から入力されたディジタル画像データ、又はプリンタコントローラ400から入力された画像データを圧縮・伸長IC108により圧縮させ、圧縮された画像データを画像メモリ109の圧縮メモリ109aに書き込んで一時的に記憶させる。また、画像メモリ109に記憶されている画像データを圧縮・伸長IC108により伸長させ、書き込み処理部106に出力する。この際、制御部101から合成処理を施す旨の制御信号が出力された場合には、DRAM制御IC107は、画像データを圧縮・伸長IC108により伸長させてから、不揮発メモリ104内の固有の画像データを重ね書きして、書き込み処理部106に出力する。
また、DRAM制御IC107は、プリンタコントローラ400から入力された制御データを制御部101に出力する。
【0045】
圧縮・伸長IC108は、DRAM制御IC107の制御により画像データの圧縮処理、伸長処理を行う。
画像メモリ109は、例えば、DRAMで構成される圧縮メモリ109a、ページメモリ109bを有する。圧縮メモリ109aは、例えば、DRAM制御IC107から入力される制御信号に従って、圧縮・伸長IC108で圧縮されたジョブファイルを一時的に記憶する。ページメモリ109bは、例えば、印刷出力前にプリント出力対象の非圧縮のジョブファイルを一時的に記憶する。
【0046】
スキャナ部200は、例えば、CCD201等のイメージセンサと、スキャナ制御部202と、を備えて構成される。スキャナ制御部202は、制御部101からの制御信号に基づいて、スキャナ部200の各部を駆動制御する。具体的には、コンタクトガラスに載置された原稿面の露光走査を実行させ、反射光をCCD201において結像させて画像を読み取る。そして、この結像された光信号を光電変換してアナログ画像信号を生成させ、読み取り処理部105へ出力する。
【0047】
ADF部300は、制御部101からの制御信号に基づいて、ADF部300の制御を行うADF制御部301を備え、原稿トレイT1に載置された原稿をスキャナ部200のコンタクトガラス上に1枚ずつ自動給送する。
【0048】
プリンタコントローラ400は、コントローラ制御部401、DRAM制御IC402、画像メモリ403、LANIF404等を備えて構成され、画像形成システム1をネットワークプリンタとして使用する場合に、ネットワークに接続される外部装置から画像形成システム1に入力されるジョブの管理及び制御を行うものである。
ここで、外部装置には、ジョブ毎に第一トレイ設定情報を設定するための設定部が備わり、設定部において設定された第一トレイ設定情報は、ジョブの設定情報の一部として本体部10のプリンタコントローラ400に送信される。プリンタコントローラ400は、外部装置から第一トレイ設定情報を含むジョブの設定情報を受信すると、当該データを状態管理部100に送信する。プリンタコントローラ400から状態管理部100に送信されたジョブの設定情報は、不揮発メモリ104に格納されることとなる。
【0049】
コントローラ制御部401は、プリンタコントローラ400の各部の動作を統括的に制御する。また、コントローラ制御部401は、LANIF404を介して外部装置から入力される印刷データを所定のページ記述言語によって画像形成システム1で印刷可能なデータ形式の画像データに変換し、外部装置から入力されるジョブの設定情報とともにDRAM制御IC402に出力する。
【0050】
DRAM制御IC402は、LANIF404により受信されたジョブの設定情報及び印刷データをコントローラ制御部401に出力するとともに、コントローラ制御部401からの指示に従って、コントローラ制御部401から入力されたジョブの設定情報及び画像データを画像メモリ403へ一時的に格納する制御を行う。また、DRAM制御IC402は、制御部101のDRAM制御IC107とPCI(Peripheral Components Interconnect)バスで接続されており、コントローラ制御部401からの指示に従って、画像メモリ403からジョブの設定情報や画像データを読み出してDRAM制御IC107に出力する。
【0051】
画像メモリ403は、例えば、DRAMから構成され、入力されたデータを一時的に格納する。
【0052】
LANIF404は、例えば、NIC(Network Interface Card)等により構成され、通信ネットワークNに接続された外部装置とジョブの設定情報、印刷データ、FAXの画像データを始めとするデータ送受信を行う。外部装置から受信されたジョブの設定情報、印刷データ、画像データは、DRAM制御IC402に出力される。
【0053】
操作表示部500は、表示部501、表示部501に一体的に備わるタッチパネル502、操作表示制御部503、図示しないその他の操作キー群を備えて構成される。
【0054】
表示部501は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)により構成され、操作表示制御部503からの表示制御信号に従って、画面上に各種設定画面や画像の状態表示、各機能の動作状況等の表示を行う。
また、表示部501の画面上には、透明電極を格子状に配置した感圧式(抵抗膜圧式)のタッチパネル502が構成されており、手指やタッチペン等で操作された力点のXY座標を電圧値で検出し、検出された位置信号を操作信号として操作表示制御部503に出力する。
【0055】
操作表示制御部503は、制御部101からの制御信号に基づいて、表示部501における表示制御を行って、各種設定画面や、各種処理結果等を表示部501に表示する。また、操作表示制御部503は、表示部501上のタッチパネル502又は操作キー群から入力された操作信号を制御部101に出力する。
【0056】
具体的には、操作表示制御部503は、設定部として、トレイ設定情報としての第一トレイ設定情報を設定する制御を行う。
【0057】
図3に示すように、ジョブの予約時に表示部501に表示されるジョブ予約画面には、トレイ設定画面の表示を要求するための操作釦B1が表示されており、タッチパネル502において、この操作釦B1が操作されてトレイ設定画面の表示要求が行われると、操作表示制御部503は、この操作に基づく操作信号を制御部101に出力し、この操作信号を受けた制御部101は、図4に例示するトレイ設定画面を表示部501に表示する。
【0058】
トレイ設定画面の画面左側には、図4に示すように、各給紙トレイFT1〜FT8について、そのジョブにおいて切り替え可能な給紙トレイFTとするか、或いは、切り替え不可能な給紙トレイFTとするかを設定するための釦B2〜B9が表示されている。ユーザは、タッチパネル502上で、これらの釦B2〜B9を操作してオン状態又はオフ状態とすることにより、オン状態とされた給紙トレイFTを、そのジョブで切り替え可能な給紙トレイFTとして設定し、一方、オフ状態とされた給紙トレイFTを、そのジョブで切り替え不可能な給紙トレイFTとして設定することができる。
【0059】
給紙トレイFT1〜FT8の各々は、予めユーザにより設定されたサイズ・紙種・坪量・色の用紙を収容するようになっており、各給紙FT1〜FT8に収容されている用紙のサイズ等が、図3のジョブ予約画面上に表示されている。
例えば、給紙トレイFT1には「A4・普通紙・50−61g・白」の用紙が収容されている。また、給紙トレイFT2には「A4・普通紙・50−61g・白」の用紙が収容されている。給紙トレイFT3には「A3・上質紙・72−91g」の用紙が収容されている。また、給紙トレイFT4には、「A3・上質紙・72−91g」の用紙が収容されている。また、給紙トレイFT5には「A4・普通紙・50−61g・白」の用紙が収容されている。また、給紙トレイFT6には、「A4・塗工紙・62−71g・白」の用紙が収容されている。また、給紙トレイFT7には「A4・普通紙・50−61g・白」の用紙が収容されている。また、給紙トレイFT8には「A4・普通紙・50−61g・白」が収容されている。
なお、図4のトレイ設定画面中に、各給紙トレイFTに収容されている用紙に関する情報を表示させても良い。また、給紙トレイFT1〜FT8に収容される用紙は、上記に例示した用紙に限られず、例えば、不定形の用紙が収容されていても良い。
【0060】
例えば、ユーザが、ジョブにおいて、給紙トレイFT1、FT2、FT5を使用する場合、図4に示すように、給紙トレイFT1に対応する釦B2、給紙トレイFT2に対応する釦B3、給紙トレイFT5に対応する釦B6をオン状態に操作する。すると、そのジョブでは、3つの給紙トレイFT1、FT2、FT5が、切り替え可能な給紙トレイFTとして設定されることとなる。
【0061】
また、図4に例示するトレイ設定画面の画面左側において、そのジョブで切り替え可能な給紙トレイFTが選択されると、同画面の画面右側において、切り替え可能な各給紙トレイFTの切り替えの優先順位を設定することができるようになっている。
図4のトレイ設定画面の画面右側には、切り替え可能な給紙トレイFTとして設定された給紙トレイFT1、FT2、FT5を示す釦B10〜B12が、優先順位の順で上から並べられて表示されている。そして、図4のトレイ設定画面の画面右側に表示されたこれらの釦B10〜B12のうち一つを選択した状態で、優先順位を繰り上げるための釦B13又は優先順位を繰り下げるための釦B14を操作すると、選択中の給紙トレイFTの優先順位が、上または下に位置している給紙トレイFTの優先順位と入れ替わり、所望の優先順位を設定することができる。
【0062】
例えば、ユーザが、切り替え可能な給紙トレイFTとして設定した3つの給紙トレイFT1、FT2、FT5を、給紙トレイFT1、給紙トレイFT5、給紙トレイFT2の順番で使用したい場合、図4に示すように、給紙トレイFT1、FT2、FT5を、上から給紙トレイFT1、給紙トレイFT5、給紙トレイFT2の順に並べる。すると、そのジョブでは、給紙トレイFT1が優先順位1番の給紙トレイ、給紙トレイFT5が優先順位2番の給紙トレイ、給紙トレイFT2が優先順位3番の給紙トレイとして設定されることとなる。
【0063】
そして、図4のトレイ設定画面において設定された切り替え可能な給紙トレイFTと、切り替え可能な給紙トレイFTへの切り替えの優先順位とは、第一トレイ設定情報として、モード、ユーザ名、ファイル名、後処理モード、排紙トレイET等のその他の情報とともに、そのジョブの設定情報に含まれて、操作表示制御部503を介して制御部101に出力され、不揮発メモリ104に格納される。
【0064】
ここで、図5を参照しながら、トレイ設定画面において設定された第一トレイ設定情報のデータ構造について説明する。
第一トレイ設定情報は、トレイ設定画面において設定された切り替え可能な給紙トレイFTを示す使用トレイ情報と、切り替え可能な給紙トレイFTへの切り替えの優先順位を示す優先順位情報とから成る情報である。第一トレイ設定情報は、各ジョブに対して設定され、それぞれのジョブの設定情報内に含まれる。例えば、図5に示すように、予約されたジョブ1〜10のそれぞれが、ジョブの設定情報の一部として、第一トレイ設定情報を有している。
【0065】
使用トレイ情報は、本画像形成システム1に備わる全給紙トレイFT1〜8のそれぞれが、切り替え不可能な給紙トレイFTであるか、又は、切り替え可能な給紙トレイFTであるかを示す情報であり、図5に示すように、全給紙トレイFT1〜FT8のそれぞれに対応して、その給紙トレイFTが切り替え不可能な給紙トレイであることを示す「0」、又は、その給紙トレイFTが切り替え可能な給紙トレイFTであることを示す「1」が付されている。
例えば、図4のトレイ設定画面において、3つの給紙トレイFT1、FT2、FT5を切り替え可能な給紙トレイFTと設定した場合、使用トレイ情報では、給紙トレイFT1、FT2、FT5に対して「1」が付され、それ以外の給紙トレイである給紙トレイFT3、FT4、FT6、FT7、FT8に対して「0」が付されることとなる。
【0066】
優先順位情報は、各優先順位に対して、全給紙トレイFT1〜FT8のうち何れの給紙トレイFTが設定されているかを示す情報であり、図5に示すように、優先順位1番〜8番のそれぞれに対応して、該当する給紙トレイが無いことを示す「0」、給紙トレイFT1を示す「1」、給紙トレイFT2を示す「2」、給紙トレイFT3を示す「3」、給紙トレイFT4を示す「4」、給紙トレイFT5を示す「5」、給紙トレイFT6を示す「6」、給紙トレイFT7を示す「7」、給紙トレイFT8を示す「8」の何れかが付されている。
例えば、図4のトレイ設定画面において、切り替え可能な給紙として設定された3つの給紙トレイFT1、FT2、FT5のうち、給紙トレイFT1の切り替えの優先順位を1番、給紙トレイFT2の切り替えの優先順位を3番、給紙トレイFT5の切り替えの優先順位を2番と設定した場合、優先順位情報では、優先順位1番に対して給紙トレイFT1を示す「1」が付され、優先順位2番に対して給紙トレイFT5を示す「5」が付され、優先順位3番に対して給紙トレイFT2を示す「2」が付され、4番以降の優先順位のそれぞれに対して、該当する給紙トレイが無いことを示す「0」が付されることとなる。
【0067】
これらの第一トレイ設定情報は、前述したように、ジョブ毎に設定され、ジョブの設定情報として不揮発メモリ104に格納される。制御部101は、ジョブに応じた画像形成処理の実行に際して、不揮発メモリ104からそのジョブの設定情報を読み出し、読み出したジョブの設定情報に基づいて画像形成部600による画像形成処理を実行する。
【0068】
また、操作表示制御部503は、機械設定部として、第二トレイ設定情報を設定する制御を行う。操作表示制御部503の制御により設定された第二トレイ設定情報は、操作表示制御部503を介して制御部101に出力され、不揮発メモリ104に格納される。
第二トレイ設定情報は、図示しない設定画面において設定され、第一トレイ設定情報と同様に、切り替え可能な給紙トレイFTを示す使用トレイ情報と、切り替え可能な給紙トレイFTの切り替えの優先順位を示す優先順位情報とから成る。
第二トレイ設定情報は、本体部10の不揮発メモリ104内に、機械設定データとして設定され、第一トレイ設定情報が設定されていないジョブ、すなわち、ジョブの設定情報に第一トレイ設定情報が含まれていないジョブに対して一律に適用される。
【0069】
さらに、上述の第一トレイ設定情報は、ユーザ毎に登録することができ、且つ、名称を付して登録することができるようになっている。
具体的には、図4に例示するトレイ設定画面の画面下部には、このトレイ設定画面上で設定された第一トレイ設定情報をユーザ毎に登録するための「登録」釦B15が設けられており、タッチパネル502において、この「登録」釦B15が操作されると、操作表示制御部503は、この操作に基づく操作信号を制御部101に出力し、この操作信号を受けた制御部101は、図6に例示する登録画面を表示部501に表示する。
【0070】
図6の登録画面には、登録されているユーザ名が一覧表示され、さらに、新規のユーザを登録するための「新規登録」釦B16が設けられている。ユーザは、第一トレイ設定情報を対応づけるユーザが未登録である場合には、「新規登録」釦B16を操作する。すると、操作表示制御部503は、図7に示すように、新規ユーザを登録するための新規ユーザ登録画面を表示部501に表示する。図7の新規ユーザ登録画面では、ユーザ名入力欄C1と、パスワード入力欄C2とが設けられており、ユーザ名にパスワードを付すことにより、第一トレイ設定情報のパスワード管理ができるようになっている。
【0071】
また、図6の登録画面に表示されている登録済みのユーザ名の一覧から、ユーザ名を選択した状態で、画面下部に設けられた「ファイル選択」釦B17を操作すると、操作表示制御部503は、図8に例示するファイル保存画面を表示部501に表示する。
図8のファイル保存画面では、登録されている第一トレイ設定情報のファイル名が一覧表示されており、ユーザは、ファイル名を選択して「ファイル保存」釦B18を操作することで、選択されたファイル名で第一トレイ設定情報を上書き登録することができる。
また、第一トレイ設定情報に新規のファイル名を付して登録する場合には、ユーザは、図8のファイル保存画面上で、「新規登録」釦B19を操作する。すると、操作表示制御部503は、図9に例示するファイル名入力画面を表示部501に表示する。ユーザは、図9のファイル名入力画面上のファイル名入力欄C3に、ファイル名を入力して画面下部の「OK」釦B20を操作し、図8のファイル保存画面に戻って「ファイル保存」釦B18を操作することにより、新規作成したファイル名で第一トレイ設定情報を登録することができる。
【0072】
また、名称を付してユーザ毎に登録したトレイ設定情報を読み出す場合には、ユーザは、図4のトレイ設定画面の画面下部に表示された「登録読み出し」釦B21を操作する。すると、操作表示制御部503は、図10に例示するファイル選択画面を表示部501に表示する。図10のファイル選択画面には、登録されているユーザ名が一覧表示されており、ユーザが、このファイル選択画面上で、ユーザ名を選択すると、操作表示制御部503は、図11に示すように、選択されたユーザ名に対応づけられて登録されている第一トレイ設定情報のファイル名を、ファイル名選択画面の画面右側に一覧表示する。
また、ユーザ名にパスワードが付されている場合には、ユーザ名を選択すると、操作表示制御部503は、図示しないパスワード入力画面を表示部501に表示して、パスワードの入力を要求する。ユーザが、このパスワード入力画面上でパスワードを入力すると、入力されたパスワードによって認証が行われ、入力されたパスワードがそのユーザ名に付されているパスワードと一致すると、操作表示制御部503は、認証が正しく行われたとしてそのユーザ名に対応づけられて登録されている第一トレイ設定情報のファイル名をファイル選択画面上に一覧表示する。
【0073】
ユーザは、図11のファイル名画面に一覧表示されたこれらのファイル名の中から、読み出したい第一トレイ設定情報のファイル名を選択し、画面下部に表示された「読出し」釦B22を操作する。すると、選択されたファイル名が付されて登録されている第一トレイ設定情報が不揮発メモリ104から読み出され、そのジョブの第一トレイ設定情報として設定されることとなる。設定された第一トレイ設定情報は、そのジョブの設定情報に含まれることとなり、ジョブの実行時に、この第一トレイ設定情報に基づくトレイ切り替え処理が実行されることとなる。
【0074】
また、操作表示制御部503は、表示制御部として、全給紙トレイのうち、第一トレイ設定情報が設定されることにより切り替え可能な給紙トレイFTとして設定された給紙トレイFTと、その他の給紙トレイFTとを、表示部501において識別可能に表示する。
【0075】
具体的には、ジョブの予約時に、操作表示制御部503は、図12に例示するジョブ予約画面を表示部501に表示する。このジョブ予約画面において、操作表示制御部503は、図12に示すように、全給紙トレイのうち、切り替え可能な給紙トレイFTとして設定された給紙トレイFT1、FT2、FT5を、そのジョブにおいて切り替え可能でないその他の給紙トレイFT3、FT4、FT6、FT7、FT8の表示色と異なる色(例えば、給紙トレイFT3、FT4、FT6、FT7、FT8の表示色よりも濃い色)で表示する。
【0076】
また、ジョブの実行中に、ユーザが、図12のジョブ予約画面の右上に表示された「機械状態」釦B23を操作すると、操作表示制御部503は、図13に例示する機械状態画面を表示部501に表示する。この機械状態画面において、操作表示制御部503は、図13に示すように、切り替え可能な給紙トレイFTとして設定された給紙トレイFT1、FT2、FT5を、そのジョブにおいて切り替え可能でないその他の給紙トレイFT3、FT4、FT6、FT7、FT8の表示色と異なる色(例えば、給紙トレイFT3、FT4、FT6、FT7、FT8の表示色よりも濃い色)で表示する。
【0077】
また、図14に例示する予約されたジョブを示すジョブ一覧画面において、ユーザが、ジョブを選択して、画面右側の「詳細」釦B24を操作すると、操作表示制御部503は、図15に示すように、選択された予約ジョブの詳細情報を確認するための設定確認画面を表示部501に表示する。この設定確認画面において、操作表示制御部503は、図15に示すように、切り替え可能な給紙トレイFTとして設定された給紙トレイFT1、FT2、FT5を、そのジョブにおいて切り替え可能でないその他の給紙トレイFT3、FT4、FT6、FT7、FT8の表示色と異なる色(例えば、給紙トレイFT3、FT4、FT6、FT7、FT8の表示色よりも濃い色)で表示する。
【0078】
これにより、ユーザは、ジョブの予約時に表示されるジョブ予約画面や設定確認画面、ジョブの実行中に表示される機械状態画面等の各画面において、そのジョブでトレイ切り替え処理の対象となる給紙トレイFT1、FT2、FT5を一目で容易に把握することができる。
【0079】
画像形成部600は、搬送部610、LD(Laser Diode)部620、プリンタ制御部630を備えて構成され、書き込み処理部106から入力された画像データに基づいて用紙に画像を形成する。
【0080】
搬送部610は、例えば、LD部620内の搬送経路に従って用紙を搬送するための給紙ローラ611、レジストローラ612、排紙ローラ613をはじめとする各種ローラ、搬送路切換板614及び反転部615等を備える。搬送部610は、プリンタ制御部630からの制御に基づいて、第一トレイ設定情報又は第二トレイ設定情報に応じた給紙トレイFTから、用紙を給紙して、給紙された用紙を搬送経路に従って搬送する。
また、LD部620の搬送経路上には、図示しない複数のセンサが設けられている。これらのセンサは、用紙が通過する際に検出信号を発生し、これをプリンタ制御部630に出力する。
【0081】
LD部620は、LD621、感光体ドラム622、帯電部623、現像部624、転写部625、定着部626等を備える。
LD部620は、プリンタ制御部630からの指示に基づいて、LD部620の感光体ドラム622表面を帯電部623により帯電させ、書き込み処理部106から入力されたPWM信号に基づいてLD621により感光体ドラム622表面にレーザ光を照射することにより静電潜像を形成する。そして、現像部624において感光体ドラム622表面の静電潜像を含む領域にトナーを付着させ、転写部625により用紙にトナーを転写して画像を形成する。そして、転写された画像を定着部626で定着させた後、画像形成済みの用紙を排紙ローラ613により後処理部30へ搬送する。
【0082】
プリンタ制御部630は、制御部101からの制御信号を受信して、LD部620の各部の動作を制御する。また、プリンタ制御部630は、搬送経路上に設けられたセンサからの検出信号に基づいて、給紙した用紙の枚数をカウントし、制御部101に出力する。
また、プリンタ制御部630は、各ジョブの実行中に、給紙ローラ611付近に設けられたセンサ(図示省略)から出力されるセンサ信号をカウントすることにより、給紙した用紙の枚数をカウントし、制御部101に出力する。
【0083】
ここで、図16のフローチャートを参照しながら、制御部101が、画像形成部600による画像形成処理とともに実行する給紙制御処理の流れについて説明する。
【0084】
初めに、制御部101は、ステップS101において、給紙開始タイミングであるか否かを判断し、給紙開始タイミングであると判断すると(ステップS101;Yes)、ステップS102において、選択された給紙トレイFTから給紙を行う。
次いで、制御部101は、ステップS103において、画像形成処理中の用紙がジョブの最後の用紙であるか否かを判断し、ジョブの最後の用紙であると判断すると(ステップS103;Yes)、本処理を終了する。一方、制御部101は、ステップS103において、ジョブの最後の用紙でないと判断すると(ステップS103;No)、ステップS104に進む。
次いで、制御部101は、ステップS104において、使用中の給紙トレイFT内の用紙が無くなったか否かを判断し、使用中の給紙トレイ内の用紙が無くなっていないと判断すると(ステップS104;No)、ステップS101に戻る。一方、制御部101は、ステップS104において、使用中の給紙トレイFT内の用紙が無くなったと判断すると(ステップS104;Yes)、ステップS105に進む。
次いで、制御部101は、ステップS105において、後述する自動トレイ切り替え処理を実行する。
次いで、制御部101は、ステップS106において、切り替え可能な給紙トレイFTが無いか否かを判断し、切り替え可能な給紙トレイFTが有ると判断すると(ステップS106:No)、ステップS101に戻る。一方、制御部は、ステップS106において、切り替え可能な給紙トレイFTが無いと判断すると(ステップS106;Yes)、本処理を終了する。
【0085】
次に、図17のフローチャートを参照しながら、制御部101が実行する自動トレイ切り替え処理について説明する。
【0086】
初めに、制御部101は、ステップS201において、n(切り替えの優先順位)がデフォルトであるか否か、すなわち、nに数値が設定されていないか否かを判断し、nがデフォルトであると判断すると(ステップS201;Yes)、続くステップS202において、n=1とする。一方、制御部101は、ステップS201において、nがデフォルトでないと判断すると(ステップS201;No)、続くステップS203において、n=n+1とする。
次いで、制御部101は、ステップS204において、優先順位n番に該当する給紙トレイFTが無いか否かを判断し、優先順位n番に該当する給紙トレイが無いと判断すると(ステップS204;Yes)、本処理を終了する。一方、制御部101は、ステップS204において、優先順位n番に該当する給紙トレイが有ると判断すると(ステップS204;No)、ステップS205に進む。
次いで、制御部101は、ステップS205において、使用中の給紙トレイFTの用紙サイズが優先順位n番の給紙トレイに収容されている用紙サイズと同一であるか否かを判断し、使用中の給紙トレイFTの用紙サイズが優先順位n番の給紙トレイに収容されている用紙サイズと同一であると判断すると(ステップS205;Yes)、ステップS206に進む。一方、制御部は、ステップS205において、使用中の給紙トレイFTの用紙サイズが優先順位n番の給紙トレイに収容されている用紙サイズと同一でないと判断すると(ステップS205;No)、ステップS207に進む。
次いで、制御部101は、ステップS206において、優先順位n番の給紙トレイFTを、使用する給紙トレイとして、本処理を終了する。
次いで、制御部101は、ステップS207において、n=n+1とし、ステップS204に戻って以上の処理を繰り返す。
【0087】
例えば、ユーザが、第一トレイ設定情報の設定に際して、給紙トレイFT1、FT2、FT5を切り替え可能な給紙トレイFTとして設定し、さらに、切り替えの優先順位1番の給紙トレイFTを給紙トレイFT1、切り替えの優先順位2番の給紙トレイFTを給紙トレイFT5、切り替えの優先順位3番の給紙トレイFTを給紙トレイFT2として設定すると、制御部101は、画像形成処理の実行に際し、まず初めに、切り替えの優先順位が1番の給紙トレイFT1から給紙を行う。そして、画像形成処理の実行中に、使用中の給紙トレイFT1内の用紙が無くなると、切り替えの優先順位が2番の給紙トレイFT5にトレイ切り替え処理を行って、給紙トレイFT5からの給紙を行う。そして、再び、使用している給紙トレイFT5内の用紙が無くなると、切り替えの優先順位が3番の給紙トレイFT2にトレイ切り替え処理を行って、給紙トレイFT2から給紙を行う。さらに、再び、使用している給紙トレイFT2内の用紙が無くなると、給紙不可能として、給紙制御及び画像形成処理を停止する。
これにより、ユーザがそのジョブで切り替え可能な給紙トレイFTとして設定した給紙トレイFT1、FT2、FT5内の用紙のみが使用されることとなって、ユーザの意図しない用紙が使用されてしまうことを防止することができる。また、ユーザの設定した切り替えの優先順位の順番でトレイ切り替えが行われるため、使用したい用紙を優先的に使用することができる。
【0088】
すなわち、例えば、給紙トレイFT1、FT2、FT5、FT7、FT8に収容されている用紙のサイズ・紙種・坪量・色が全て一致する場合であっても、これらの用紙が同じ用紙であるとは限らず、給紙トレイFT1、FT2、FT5の用紙はメーカーAの用紙であり、給紙トレイFT7、FT8の用紙はメーカーBの用紙であるというように、異なる用紙である場合もある。
本実施形態の画像形成システム1では、メーカーAの用紙を使用したいと所望するユーザが、第一トレイ設定情報として、「A4・普通紙・50−61g・白」の用紙を収容する給紙トレイFT1、FT2、FT5、FT7、FT8のうち、特に、給紙トレイFT1、FT2、FT5を切り替え可能な給紙トレイFTとして設定することにより、たとえ他の給紙トレイFT7、FT8にサイズ・紙種・秤量・色等が全て一致する用紙「A4・普通紙・50−61g・白」が収容されていたとしても、給紙トレイFT1、FT2、FT5以外の給紙トレイFTにはトレイ切り替えが行われず、給紙トレイFT1、FT2、FT5に収容されたメーカーAの用紙のみを使用することが可能となる。
【0089】
次に、本実施形態の画像形成システム1において、自動用紙選択処理が行われる場合について説明する。
本実施形態の画像形成システム1において自動用紙選択処理が実行される場合には、上述した図16及び図17で示す処理のみが自動トレイ切り替え処理が実行される場合と異なることとなる。そのため、以下では、自動トレイ切り替え処理を実行する場合と異なる処理についてのみ説明を行うこととする。
【0090】
まず、図18のフローチャートを参照しながら、制御部101が実行する自動用紙選択処理の流れについて説明する。
【0091】
初めに、制御部101は、ステップS301において、n(切り替えの優先順位)がデフォルトであるか否か、すなわち、nに数値が設定されていないか否かを判断し、nがデフォルトであると判断すると(ステップS301;Yes)、続くステップS302において、n=1とする。一方、制御部101は、ステップS301において、nがデフォルトでないと判断すると(ステップS301;No)、続くステップS303に、n=n+1とする。
次いで、制御部101は、ステップS304において、原稿サイズと倍率より、適正なジョブの用紙サイズを算出する。
次いで、制御部101は、ステップS305において、優先順位n番に該当する給紙トレイFTが無いか否かを判断し、優先順位n番に該当する給紙トレイが無いと判断すると(ステップS305;Yes)、本処理を終了する。一方、制御部101は、ステップS305において、優先順位n番に該当する給紙トレイが有ると判断すると(ステップS305;No)、ステップS306に進む。
次いで、制御部101は、ステップS306において、ステップS304において算出されたジョブの用紙サイズが、優先順位n番の給紙トレイに収容されている用紙サイズと同一であるか否かを判断し、ジョブの用紙サイズが優先順位n番の給紙トレイに収容されている用紙サイズと同一であると判断すると(ステップS306;Yes)、ステップS307に進む。一方、制御部は、ステップS306において、ジョブの用紙サイズが優先順位n番の給紙トレイに収容されている用紙サイズと同一でないと判断すると(ステップS306;No)、ステップS308に進む。
次いで、制御部101は、ステップS307において、優先順位n番の給紙トレイFTを、使用する給紙トレイとして、本処理を終了する。
次いで、制御部101は、ステップS308において、n=n+1とし、ステップS305に戻って以上の処理を繰り返す。
【0092】
例えば、第一トレイ設定情報において、給紙トレイFT7、FT8が切り替え可能な給紙トレイFTとされ、さらに、切り替えの優先順位1番の給紙トレイFTが給紙トレイFT8、切り替えの優先順位2番の給紙トレイFTが給紙トレイFT7とされた場合、制御部101は、画像形成処理の実行に際し、まず初めに、切り替えの優先順位が1番の給紙トレイFT8から給紙を行う。そして、画像形成処理の実行中に、例えば、使用中の給紙トレイFT8内の用紙が無くなると、切り替えの優先順位が2番の給紙トレイFT7にトレイ切り替え処理を行って、給紙トレイFT7からの給紙を行う。さらに、使用している給紙トレイFT7内の用紙が無くなると、給紙不可能として、給紙制御及び画像形成処理を停止する。
これにより、ユーザがそのジョブで切り替え可能な給紙トレイFTとして設定した給紙トレイFT7、FT8内の用紙のみが使用されることとなって、ユーザの意図しない用紙が使用されてしまうことを防止することができる。また、ユーザの設定した切り替えの優先順位の順番でトレイ切り替えが行われるため、使用したい用紙を優先的に使用することができる。
【0093】
すなわち、上述したように、例えば、給紙トレイFT1、FT2、FT5、FT7、FT8のそれぞれに収容されている用紙のサイズ・紙種・坪量・色が全て一致しても、給紙トレイFT1、FT2、FT5内の用紙はメーカーAの用紙であり、給紙トレイFT7、FT8内の用紙はメーカーBの用紙である場合がある。このような場合において、メーカーBの用紙を使用したいと所望するユーザが、第一トレイ設定情報として、「A4・普通紙・50−61g・白」の用紙を収容する給紙トレイFT1、FT2、FT5、FT7、FT8のうち、特に、給紙トレイFT7、FT8を切り替え可能な給紙トレイFTとして設定することにより、たとえ他の給紙トレイFT1、FT2、FT5にサイズ・紙種・秤量・色等が全て一致する用紙「A4・普通紙・50−61g・白」が収容されていたとしても、給紙トレイFT7、FT8以外の給紙トレイFTにはトレイ切り替えが行われず、給紙トレイFT7、FT8に収容されたメーカーBの用紙のみを使用することが可能となる。
【0094】
上述したように、本実施形態の画像形成システム1によれば、操作表示制御部503により、自動トレイ切り替え処理又は自動用紙選択処理において切り替え可能な給紙トレイFTと、当該切り替え可能な給紙トレイFTへの切り替えの優先順位又は選択可能な給紙トレイの優先順位と、を示す第一トレイ設定情報が、ジョブ毎に設定され、画像形成部600による画像形成処理の実行中に、操作表示制御部503により設定された第一トレイ設定情報にしたがって、自動トレイ切り替え処理又は自動用紙選択処理が実行される。
したがって、使用する給紙トレイがジョブ毎に異なる場合であっても、切り替え可能な給紙トレイFTと切り替えの優先順位とを、ジョブ毎に設定し直す作業が必要無いこととなり、ユーザの負担を低減して、作業効率性を高めることができる。
【0095】
また、操作表示制御部503により、自動トレイ切り替え処理において切り替え可能な給紙トレイFT又は自動用紙選択処理において選択可能な給紙トレイと、当該切り替え可能な給紙トレイFTへの切り替えの優先順位又は当該選択可能な給紙トレイの優先順位と、を示す第二トレイ設定情報が設定され、第一トレイ設定情報が設定されない場合に、操作表示制御部503により設定された第二トレイ設定情報にしたがって、自動トレイ切り替え処理又は自動用紙選択処理が実行される。
したがって、第一トレイ設定情報が設定されないジョブについては、第二トレイ設定情報にしたがって自動トレイ切り替え処理又は自動用紙選択処理が実行されることとなって、ユーザにとって使い勝手の良いものとなる。
【0096】
また、操作表示制御部503により、第一トレイ設定情報が名称とともに登録され、第一トレイ設定情報の設定に際して、登録されている第一トレイ設定情報の名称を含む情報が表示部501に一覧表示され、当該一覧表示の中からユーザにより選択された第一トレイ設定情報が設定される。
したがって、第一トレイ設定情報の設定に際して、ユーザは、事前に登録したトレイ設定情報の中から設定できることとなって、トレイ設定情報の設定の容易化を図ることができる。
【0097】
また、操作表示制御部503により、ユーザ毎に、一又は複数の第一トレイ設定情報が登録可能であるため、第一トレイ設定情報の設定に際して、ユーザは、事前に登録した複数の第一トレイ設定情報の中から、設定する第一トレイ設定情報を選択できることとなって、トレイ設定情報の設定の更なる容易化を図ることができる。
【0098】
また、操作表示制御部503により、全給紙トレイのうち、切り替え可能な給紙トレイFTFTとして設定された給紙トレイFTと他の給紙トレイFTとが、表示部501において識別可能に表示されるため、ジョブ毎に、使用可能な給紙トレイFTと使用不可能な給紙トレイFTとが視覚的に容易に把握できることとなって、使い勝手の良いものとなる。
【0099】
なお、本発明の範囲は、上記実施形態に限られることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
【0100】
例えば、上記実施形態では、トレイ設定情報を設定するための設定部が本体部10と外部装置との両方に備わる場合について説明したが、設定部を本体部のみに備える構成としても良い。
また、上記実施形態では、自動トレイ切り替え処理において、初めに、第一トレイ設定情報における切り替えの優先順位が1番の給紙トレイFTから給紙を行うこととして説明したが、第一トレイ設定情報により設定される切り替え可能な給紙トレイFTの他に、1つ目の給紙トレイを別途ユーザが設定できるように構成し、ユーザにより設定された1つ目の給紙トレイで用紙切れが発生した場合に、初めて、第一トレイ設定情報により設定される切り替え可能な給紙トレイFTを使用することとしても良い。
また、上記実施形態では、トレイ切り替え処理に際して、使用中の給紙トレイFTの用紙サイズと、第一トレイ設定情報における切り替え可能な給紙トレイFTの用紙サイズが同一である場合に、その給紙トレイFTにトレイ切り替えを行うこととしたが、用紙サイズの他に、紙種・坪量・色等をトレイ切り替えの条件に加えても良い。また、上記実施形態では、用紙選択処理において、原稿サイズと倍率とにより算出されたジョブの用紙サイズと、第一トレイ設定情報における切り替え可能な給紙トレイFTの用紙サイズが同一である場合に、その給紙トレイFT内の用紙に用紙選択を行うこととしたが、用紙サイズの他に、紙種・坪量・色の他の条件を用紙選択の条件に加えても良い。
また、上記実施形態では、自動トレイ切り替え機能と自動用紙選択機能との両方の機能を備える画像形成システムについて説明したが、画像形成システムは、自動トレイ切り替え機能と自動用紙選択機能のうちの何れか一方の機能を備えていれば良い。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本実施形態の画像形成システムの概略構成を示す正面図である。
【図2】画像形成システムの機能的構成を示すブロック図である。
【図3】ジョブ予約画面の一例である。
【図4】トレイ設定画面の一例である。
【図5】ジョブ毎に設定される第一トレイ設定情報のデータ構造を例示する図である。
【図6】登録画面の一例である。
【図7】新規ユーザ登録画面の一例である。
【図8】ファイル保存画面の一例である。
【図9】ファイル名入力画面の一例である。
【図10】ファイル選択画面の一例である。
【図11】ファイル選択画面の一例である。
【図12】第一トレイ設定情報が設定されているジョブに関するジョブ予約画面の一例である。
【図13】機械状態画面の一例である。
【図14】ジョブ一覧画面の一例である。
【図15】設定確認画面の一例である。
【図16】給紙制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図17】自動トレイ切り替え処理の流れを示すフローチャートである。
【図18】自動用紙選択処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0102】
1 画像形成システム
101 制御部
501 表示部
503 操作表示制御部(設定部、機械設定部、表示制御部)
FT1〜FT8 給紙トレイ
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動トレイ切り替え機能又は自動用紙選択機能を備える画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像形成の作業現場では、複数の給紙トレイを備える画像形成装置により、紙種や坪量等の異なる多種多様な用紙を使用して画像形成処理を行っている。特に、POD(Print On Demand)では、使用する用紙がジョブ毎に異なる場合も多い。
【0003】
ジョブ毎に異なる用紙を使用する場合には、各ジョブの実行開始前に、そのジョブで使用する用紙を給紙トレイに補充する作業を行う必要がある。ところが、ジョブが終了する度に、画像形成処理を一旦停止して用紙の補充を行っていたのでは作業効率性が著しく低下してしまう。そのため、ユーザは、前のジョブの実行中に次のジョブで使用する用紙を使用中でない給紙トレイに補充する等の工夫を行い、作業効率性の低下を防いでいる。
【0004】
ところで、従来、ATS(自動トレイ切替)機能、すなわち、画像形成処理の途中に用紙切れが発生した場合に給紙トレイを自動的に切り替える機能や、APS(自動用紙選択)機能、すなわち、原稿サイズに応じた用紙を自動的に選択する機能を有する画像形成装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
ATS機能によれば、使用中の給紙トレイ内に用紙が無くなった場合でも、用紙切れが発生した給紙トレイと同一サイズの用紙を格納する給紙トレイに自動的に切り替えられるため、用紙切れによって画像形成処理が停止することが無くなり、作業効率性に優れている。また、同様に、APS機能によっても、同一サイズの用紙を格納する給紙トレイに自動的に切り替えが行われ、適切な用紙の選択が行われることとなる。
【0005】
また、近年では、ATS機能やAPS機能として、用紙のサイズだけでなく、用紙の紙種、秤量、色等もトレイ切り替えの条件に加えられており、用紙のサイズ・紙種・坪量・色等の全ての条件が一致する用紙を収容するトレイに切り替えを行うという制御も実施されている。
【0006】
しかしながら、用紙のサイズや紙種、坪量、色等の全ての条件が一致しても、メーカーやざらつきの程度、光沢の程度、ロゴの有無等が異なる場合があるため、必ずしも同一の用紙であるとは限らない。したがって、用紙のサイズ・紙種・坪量・色が全て一致する用紙であったとしても、そのジョブに使用する用紙とは異なる場合があり、ATS機能による自動トレイ切り替え処理や、APS機能による自動用紙選択処理を実行すると、ユーザが意図しない用紙が使用されて、印刷ミスが発生してしまう恐れがあった。
【0007】
また、PODでは、ジョブ毎に、例えば、坪量72gの用紙と坪量91gの用紙を使い分ける場合がある。ところが、機械側では、坪量の設定に幅をもたせて、坪量72gの用紙と坪量91gの用紙を何れも坪量72〜91gの同一坪量の用紙として扱う場合がある。例えば、ユーザが秤量72gの用紙を使用したい場合であっても、機械側では72gと秤量91gが同一坪量として扱われ、ATS機能やAPS機能によって、ユーザが意図しない91gの用紙が使用されてしまう恐れがあった。
【0008】
そこで、近年では、ATS機能として、使用可能な給紙トレイやこれらの給紙トレイを使用する優先順位を、機械側に設定することができる画像形成装置が知られている。そして、用紙切れが発生した場合に、設定されている使用可能なトレイの中から優先順位に従って、ATS機能によるトレイ切り替えを行うことが可能となっている。したがって、予め、所望の用紙が収納されている給紙トレイを使用可能な給紙トレイとして設定しておけば、ユーザが意図しない用紙が使用されて、印刷ミスが発生することが無くなる。
また、同様に、APS機能であっても、使用可能な給紙トレイと優先順位を設定することが可能となっており、所望の用紙が収納されている給紙トレイを使用可能な給紙トレイとして設定しておけば、ユーザが意図しない用紙が使用されることを防止することができる。
【特許文献1】特開平10−240078号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上述の使用可能なトレイと優先順位は、ジョブによらず、各ジョブに一律に適用される機械設定であるため、使用するトレイと優先順位とがジョブ毎に異なる場合には、一つのジョブが終了する度に、設定を変更する作業を行わなければならず、作業が煩雑である。また、設定の変更を行っている間は画像形成処理が一時停止することとなるため、作業効率性が非常に悪いという問題があった。
【0010】
本発明の課題は、自動トレイ切り替え機能又は自動用紙選択機能を備える画像形成システムにおいて、使用可能な給紙トレイをジョブ毎に設定可能とすることにより、ユーザの負担を低減して、作業効率性を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、用紙を給紙するための複数の給紙トレイと、画像形成部による画像形成処理の実行中に使用している給紙トレイ内に用紙が無くなった場合に、自動的に給紙トレイを切り替える自動トレイ切り替え処理を行う制御部と、を備える画像形成システムにおいて、
前記自動トレイ切り替え処理において切り替え可能な給紙トレイと、当該切り替え可能な給紙トレイへの切り替えの優先順位と、を示すトレイ設定情報を、ジョブ毎に設定する設定部を備え、
前記制御部は、前記設定部により設定されたジョブ毎の前記トレイ設定情報にしたがって、前記自動トレイ切り替え処理を実行することを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成システムにおいて、前記自動トレイ切り替え処理において切り替え可能な給紙トレイと、当該切り替え可能な給紙トレイへの切り替えの優先順位と、を示す第二トレイ設定情報を、機械設定値として設定する機械設定部を備え、
前記制御部は、前記設定部により前記トレイ設定情報が設定されない場合に、前記機械設定部により設定された前記第二トレイ設定情報にしたがって、前記自動トレイ切り替え処理を実行することを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の発明は、用紙を給紙するための複数の給紙トレイと、原稿サイズに応じて自動的に用紙を選択する自動用紙選択処理を行う制御部と、を備える画像形成システムにおいて、
前記自動用紙選択処理において選択可能な給紙トレイと、当該選択可能な給紙トレイの優先順位と、を示すトレイ設定情報を、ジョブ毎に設定する設定部を備え、
前記制御部は、前記設定部により設定されたジョブ毎の前記トレイ設定情報にしたがって、前記自動用紙選択処理を実行することを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の画像形成システムにおいて、前記自動用紙選択処理において選択可能な給紙トレイと、当該選択可能な給紙トレイの優先順位と、を示す第二トレイ設定情報を、機械設定値として設定する機械設定部を備え、
前記制御部は、前記設定部により前記トレイ設定情報が設定されない場合に、前記機械設定部により設定された前記第二トレイ設定情報にしたがって、前記自動用紙選択処理を実行することを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の画像形成システムにおいて、前記設定部は、前記トレイ設定情報を名称とともに登録し、前記トレイ設定情報の設定に際して、登録されている前記トレイ設定情報の名称を含む情報を表示部に一覧表示し、当該一覧表示の中からユーザにより選択されたトレイ設定情報を設定することを特徴とする。
【0016】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の画像形成システムにおいて、前記設定部は、ユーザ毎に、一又は複数の前記トレイ設定情報を登録可能であることを特徴とする。
【0017】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の何れか一項に記載の画像形成システムにおいて、全給紙トレイのうち、前記設定部により設定された給紙トレイと他の給紙トレイとを、表示部において識別可能に表示する表示制御部を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に記載の発明によれば、使用する給紙トレイがジョブ毎に異なる場合であっても、ジョブ毎に、切り替え可能な給紙トレイと優先順位とを設定し直す作業が必要無いこととなり、ユーザの負担を低減して、作業効率性を高めることができる。
【0019】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果が得られるのは無論のこと、トレイ設定情報が設定されないジョブについては、第二トレイ設定情報にしたがって自動トレイ切り替え処理が実行されることとなって、ユーザにとって使い勝手の良いものとなる。
【0020】
請求項3に記載の発明によれば、使用する給紙トレイがジョブ毎に異なる場合であっても、ジョブ毎に、切り替え可能な給紙トレイと優先順位とを設定し直す作業が必要無いこととなり、ユーザの負担を低減して、作業効率性を高めることができる。
【0021】
請求項4に記載の発明によれば、請求項3に記載の発明の効果が得られるのは無論こと、トレイ設定情報が設定されないジョブについては、第二トレイ設定情報にしたがって自動用紙選択処理が実行されることとなって、ユーザにとって使い勝手が良いものとなる。
【0022】
請求項5に記載の発明によれば、請求項1〜4の何れか一項に記載の発明の効果が得られるのは無論のこと、トレイ設定情報の設定に際して、ユーザは、事前に登録したトレイ設定情報の中から設定できることとなって、トレイ設定情報の設定の容易化を図ることができる。
【0023】
請求項6に記載の発明によれば、請求項5に記載の発明の効果が得られるのは無論のこと、トレイ設定情報の設定に際して、ユーザは、事前に登録した複数のトレイ設定情報の中から、設定するトレイ設定情報を選択できることとなって、トレイ設定情報の設定の更なる容易化を図ることができる。
【0024】
請求項7に記載の発明によれば、請求項1〜6の何れか一項に記載の発明の効果が得られるのは無論のこと、ジョブ毎に、使用可能な給紙トレイと使用不可能な給紙トレイとが視覚的に容易に把握できることとなって、使い勝手の良いものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明に係る画像形成システムの一実施形態について、図面を参照して説明する。ただし、発明の範囲は図示例に限定されない。
【0026】
図1は、本実施形態の画像形成システム1の概略構成を示す正面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る画像形成システム1は、本体部10と、これにオプション接続された大容量トレイユニット20及び後処理部30と、を備えて構成される。
【0027】
本体部10は、印字用の用紙を収容する3つの給紙トレイFT1〜FT3、スキャナ部200、自動原稿給紙部(ADF:Auto Document Feeder)300、操作表示部500、画像形成部600、を備える。すなわち、本実施形態に係る画像形成システム1は、スキャナ機能、コピー機能、プリンタ機能を備えた、いわゆるディジタル複合機である。
【0028】
大容量トレイユニット20は、例えば、印字用の用紙を収容する5つの給紙トレイFT4〜FT8を備えており、本体部10に用紙を給紙する。
【0029】
後処理部30は、本体部10から搬送された用紙に各種後処理を行う、いわゆるフィニッシャーであり、例えば、本体部10から搬送された用紙のソート処理を行うソートユニット、パンチ処理を行うパンチユニット、折り処理を行う折ユニット、断裁処理を行う断裁ユニット等を備える。後処理部30の左側には、搬送された用紙が排紙される排紙トレイET1、ET2が設けられており、搬送された用紙が排紙される。
【0030】
画像形成処理において、例えば、ADF部300の原稿トレイT1に載置された原稿は、スキャナ部200の読取箇所であるコンタクトガラスに搬送され、スキャナ部200の光学系により原稿の画像が読み取られる。ここで、画像とは、図形や写真等のイメージデータに限らず、文字や記号等のテキストデータ等も含む。
スキャナ部200により読み取られた画像(アナログ画像信号)は、後述する状態管理部100に出力され、状態管理部100においてA/D変換され、各種画像処理が施された後、画像形成部600に出力される。そして、画像形成部600において、本体部10又は大容量トレイユニット20に備わる何れかの給紙トレイFT1〜FT8から給紙された用紙上に、ディジタル画像データに基づく画像が形成される。
画像形成された用紙は、画像形成部600内の搬送部610により後処理部30に搬送され、後処理部30の後処理機構により所定の後処理を施された後、排紙トレイET1、ET2の何れかに排紙される。
なお、給紙トレイFT1〜FT8や排紙トレイET1、ET2の形態は、図1に例示したものに限定されず、例えば、その数は図示したものより多くても少なくてもよい。
【0031】
また、本実施形態の画像形成システム1は、画像形成処理の実行中に用紙切れが発生した場合に、自動的に給紙トレイを切り替える自動トレイ切り替え機能(ATS機能)と、原稿サイズに応じた用紙を自動的に選択する自動用紙選択機能(APS機能)とを備えている。そして、画像形成部600による画像形成処理の実行中に、後述する第一トレイ設定情報にしたがって、自動トレイ切り替え処理又は自動用紙選択処理を実行する。
【0032】
自動トレイ切り替え機能では、あるジョブに応じた画像形成部600による画像形成処理の実行中に、使用中の給紙トレイFT内の用紙が無くなると、操作表示制御部503により設定されたそのジョブに関する第一トレイ設定情報にしたがってトレイ切り替え処理を実行し、これにより、第一トレイ設定情報において切り替え可能な給紙トレイFTとして設定された一の給紙トレイFTにトレイ切り替えが行われる。
一方、自動用紙選択機能では、あるジョブに応じた画像形成部600による画像形成処理の実行に際して、操作表示制御部503により設定されたそのジョブに関する第一トレイ設定情報にしたがって用紙選択処理を実行し、これにより、第一トレイ設定情報において切り替え可能な給紙トレイFTとして設定された一の給紙トレイFT内の用紙が選択されて、トレイ切り替えが行われる。
本実施形態では、まず初めに、自動トレイ切り替え処理が行われる場合について説明する。
【0033】
図2は、画像形成システム1の機能的構成を示すブロック図である。
本体部10は、状態管理部100と、スキャナ部200と、ADF部300と、プリンタコントローラ400と、給紙トレイFT1〜FT3と、操作表示部500と、画像形成部600と、を備えて構成される。
【0034】
状態管理部100は、例えば、制御部101、プログラムメモリ(ROM:Read Only Memory)102、システムメモリ(RAM:Random Access Memory)103、不揮発メモリ104、読み取り処理部105、書き込み処理部106、DRAM(Dynamic Random Access Memory)制御IC107、圧縮・伸長IC108及び画像メモリ109を備えて構成される。
【0035】
制御部101は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等により構成され、ROM102に記憶されているシステムプログラムや画像形成処理プログラム、後処理処理プログラム等の各種処理プログラムを読み出してRAM103に展開し、展開したプログラムに従って画像形成システム1の各部の動作を集中制御する。
【0036】
具体的には、制御部101は、操作表示部500における操作により入力されたジョブの設定情報や、本体部10に接続された外部装置から送信されたジョブの設定情報を、不揮発メモリ104に格納する。ジョブの設定情報には、後述するように、自動トレイ切り替え処理において切り替え可能な給紙トレイFTを示す使用トレイ情報と、使用トレイ情報における切り替え可能な給紙トレイFTへの切り替えの優先順位を示す優先順位情報と、から成る第一トレイ設定情報が含まれている。
【0037】
そして、制御部101は、第一トレイ設定情報に基づく画像形成処理の実行に際し、第一トレイ設定情報において切り替え可能な給紙トレイFTとして設定された給紙トレイに、設定された優先順位の順にトレイ切り替えを行う。すなわち、制御部101は、まず初めに、第一トレイ設定情報における切り替えの優先順位が1番の給紙トレイFTから給紙を行う。そして、画像形成処理の実行中に、使用中の優先順位1番の給紙トレイ内の用紙が無くなった場合には、第一トレイ設定情報における切り替えの優先順位が2番の給紙トレイFTにトレイ切り替え処理を行う。さらに、使用中の優先順位2番の給紙トレイFT内の用紙が無くなった場合には、第一トレイ設定情報における切り替えの優先順位が3番の給紙トレイFTにトレイ切り替え処理を行う。このように、制御部101は、使用中の給紙トレイFTが用紙切れとなる度に、第一トレイ設定情報において切り替え可能な給紙トレイFTとして設定された給紙トレイに、設定された優先順位の順でトレイ切り替え処理を実行する。
【0038】
また、制御部101は、実行するジョブの設定情報に、第一トレイ設定情報が含まれていない場合には、後述する機械設定部により設定された第二トレイ設定情報としての第二トレイ設定情報にしたがって自動トレイ切り替え処理を実行する。第二トレイ設定情報は、自動トレイ切り替え処理において切り替え可能な給紙トレイFTと、切り替え可能な給紙トレイFTへの切り替えの優先順位と、を示す情報である。この第二トレイ設定情報は、第一トレイ設定情報のようにジョブの設定情報の一部としてジョブ毎に設定される情報ではなく、本体部10の不揮発メモリ104内に設定して、第一トレイ設定情報が設定されていない各ジョブに対し、一律に適用される機械設定データである。
そして、制御部101は、第二トレイ設定情報に基づく画像形成処理の実行において、第二トレイ設定情報において切り替え可能な給紙トレイFTとして設定された給紙トレイに、設定された優先順位の順にトレイ切り替えを行う。
【0039】
ここで、ジョブとは、画像形成に関する一連の動作を指し、例えば、複数枚の原稿をコピーする場合には、複数枚の原稿のコピーに関する一連の動作が1ジョブである。また、複数部数のコピーを行う場合は、複数部数分のコピーに関する一連の動作が1ジョブである。
【0040】
ROM102は、例えば、半導体等の不揮発メモリ等により構成され、画像形成システム1に対応するシステムプログラム及び該システムプログラム上で実行可能な画像形成処理プログラム、後処理プログラム等の各種処理プログラム等を記憶する。これらのプログラムは、コンピュータが読み取り可能なプログラムコードの形態で格納され、制御部101は、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。
【0041】
RAM103は、制御部101により実行される各種プログラム及びこれらプログラムに係るデータを一時的に記憶するワークエリアを形成し、実行中のジョブの設定情報等を記憶する。
【0042】
不揮発メモリ104は、画像形成システム1に係る各種設定データ等を記憶する。
具体的には、不揮発メモリ104は、予約されたジョブに関するジョブの設定情報と、機械設定値として設定された第二トレイ設定情報とを記憶する。
【0043】
読み取り処理部105は、スキャナ部200から入力されたアナログ画像信号に、アナログ信号処理、A/D変換処理、シェーディング処理等の各種処理を施し、ディジタル画像データを生成し、DRAM制御IC107へ出力する。
書き込み処理部106は、圧縮・伸長IC108から入力される画像データに基づくPWM(Pulse Width Modulation)信号を生成し、画像形成部600へ出力する。
【0044】
DRAM制御IC107は、制御部101からの制御に基づいて、圧縮・伸長IC108の圧縮・伸長処理を制御するとともに、画像メモリ109における画像データの入出力制御を行う。
具体的には、読み取り処理部105から入力されたディジタル画像データ、又はプリンタコントローラ400から入力された画像データを圧縮・伸長IC108により圧縮させ、圧縮された画像データを画像メモリ109の圧縮メモリ109aに書き込んで一時的に記憶させる。また、画像メモリ109に記憶されている画像データを圧縮・伸長IC108により伸長させ、書き込み処理部106に出力する。この際、制御部101から合成処理を施す旨の制御信号が出力された場合には、DRAM制御IC107は、画像データを圧縮・伸長IC108により伸長させてから、不揮発メモリ104内の固有の画像データを重ね書きして、書き込み処理部106に出力する。
また、DRAM制御IC107は、プリンタコントローラ400から入力された制御データを制御部101に出力する。
【0045】
圧縮・伸長IC108は、DRAM制御IC107の制御により画像データの圧縮処理、伸長処理を行う。
画像メモリ109は、例えば、DRAMで構成される圧縮メモリ109a、ページメモリ109bを有する。圧縮メモリ109aは、例えば、DRAM制御IC107から入力される制御信号に従って、圧縮・伸長IC108で圧縮されたジョブファイルを一時的に記憶する。ページメモリ109bは、例えば、印刷出力前にプリント出力対象の非圧縮のジョブファイルを一時的に記憶する。
【0046】
スキャナ部200は、例えば、CCD201等のイメージセンサと、スキャナ制御部202と、を備えて構成される。スキャナ制御部202は、制御部101からの制御信号に基づいて、スキャナ部200の各部を駆動制御する。具体的には、コンタクトガラスに載置された原稿面の露光走査を実行させ、反射光をCCD201において結像させて画像を読み取る。そして、この結像された光信号を光電変換してアナログ画像信号を生成させ、読み取り処理部105へ出力する。
【0047】
ADF部300は、制御部101からの制御信号に基づいて、ADF部300の制御を行うADF制御部301を備え、原稿トレイT1に載置された原稿をスキャナ部200のコンタクトガラス上に1枚ずつ自動給送する。
【0048】
プリンタコントローラ400は、コントローラ制御部401、DRAM制御IC402、画像メモリ403、LANIF404等を備えて構成され、画像形成システム1をネットワークプリンタとして使用する場合に、ネットワークに接続される外部装置から画像形成システム1に入力されるジョブの管理及び制御を行うものである。
ここで、外部装置には、ジョブ毎に第一トレイ設定情報を設定するための設定部が備わり、設定部において設定された第一トレイ設定情報は、ジョブの設定情報の一部として本体部10のプリンタコントローラ400に送信される。プリンタコントローラ400は、外部装置から第一トレイ設定情報を含むジョブの設定情報を受信すると、当該データを状態管理部100に送信する。プリンタコントローラ400から状態管理部100に送信されたジョブの設定情報は、不揮発メモリ104に格納されることとなる。
【0049】
コントローラ制御部401は、プリンタコントローラ400の各部の動作を統括的に制御する。また、コントローラ制御部401は、LANIF404を介して外部装置から入力される印刷データを所定のページ記述言語によって画像形成システム1で印刷可能なデータ形式の画像データに変換し、外部装置から入力されるジョブの設定情報とともにDRAM制御IC402に出力する。
【0050】
DRAM制御IC402は、LANIF404により受信されたジョブの設定情報及び印刷データをコントローラ制御部401に出力するとともに、コントローラ制御部401からの指示に従って、コントローラ制御部401から入力されたジョブの設定情報及び画像データを画像メモリ403へ一時的に格納する制御を行う。また、DRAM制御IC402は、制御部101のDRAM制御IC107とPCI(Peripheral Components Interconnect)バスで接続されており、コントローラ制御部401からの指示に従って、画像メモリ403からジョブの設定情報や画像データを読み出してDRAM制御IC107に出力する。
【0051】
画像メモリ403は、例えば、DRAMから構成され、入力されたデータを一時的に格納する。
【0052】
LANIF404は、例えば、NIC(Network Interface Card)等により構成され、通信ネットワークNに接続された外部装置とジョブの設定情報、印刷データ、FAXの画像データを始めとするデータ送受信を行う。外部装置から受信されたジョブの設定情報、印刷データ、画像データは、DRAM制御IC402に出力される。
【0053】
操作表示部500は、表示部501、表示部501に一体的に備わるタッチパネル502、操作表示制御部503、図示しないその他の操作キー群を備えて構成される。
【0054】
表示部501は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)により構成され、操作表示制御部503からの表示制御信号に従って、画面上に各種設定画面や画像の状態表示、各機能の動作状況等の表示を行う。
また、表示部501の画面上には、透明電極を格子状に配置した感圧式(抵抗膜圧式)のタッチパネル502が構成されており、手指やタッチペン等で操作された力点のXY座標を電圧値で検出し、検出された位置信号を操作信号として操作表示制御部503に出力する。
【0055】
操作表示制御部503は、制御部101からの制御信号に基づいて、表示部501における表示制御を行って、各種設定画面や、各種処理結果等を表示部501に表示する。また、操作表示制御部503は、表示部501上のタッチパネル502又は操作キー群から入力された操作信号を制御部101に出力する。
【0056】
具体的には、操作表示制御部503は、設定部として、トレイ設定情報としての第一トレイ設定情報を設定する制御を行う。
【0057】
図3に示すように、ジョブの予約時に表示部501に表示されるジョブ予約画面には、トレイ設定画面の表示を要求するための操作釦B1が表示されており、タッチパネル502において、この操作釦B1が操作されてトレイ設定画面の表示要求が行われると、操作表示制御部503は、この操作に基づく操作信号を制御部101に出力し、この操作信号を受けた制御部101は、図4に例示するトレイ設定画面を表示部501に表示する。
【0058】
トレイ設定画面の画面左側には、図4に示すように、各給紙トレイFT1〜FT8について、そのジョブにおいて切り替え可能な給紙トレイFTとするか、或いは、切り替え不可能な給紙トレイFTとするかを設定するための釦B2〜B9が表示されている。ユーザは、タッチパネル502上で、これらの釦B2〜B9を操作してオン状態又はオフ状態とすることにより、オン状態とされた給紙トレイFTを、そのジョブで切り替え可能な給紙トレイFTとして設定し、一方、オフ状態とされた給紙トレイFTを、そのジョブで切り替え不可能な給紙トレイFTとして設定することができる。
【0059】
給紙トレイFT1〜FT8の各々は、予めユーザにより設定されたサイズ・紙種・坪量・色の用紙を収容するようになっており、各給紙FT1〜FT8に収容されている用紙のサイズ等が、図3のジョブ予約画面上に表示されている。
例えば、給紙トレイFT1には「A4・普通紙・50−61g・白」の用紙が収容されている。また、給紙トレイFT2には「A4・普通紙・50−61g・白」の用紙が収容されている。給紙トレイFT3には「A3・上質紙・72−91g」の用紙が収容されている。また、給紙トレイFT4には、「A3・上質紙・72−91g」の用紙が収容されている。また、給紙トレイFT5には「A4・普通紙・50−61g・白」の用紙が収容されている。また、給紙トレイFT6には、「A4・塗工紙・62−71g・白」の用紙が収容されている。また、給紙トレイFT7には「A4・普通紙・50−61g・白」の用紙が収容されている。また、給紙トレイFT8には「A4・普通紙・50−61g・白」が収容されている。
なお、図4のトレイ設定画面中に、各給紙トレイFTに収容されている用紙に関する情報を表示させても良い。また、給紙トレイFT1〜FT8に収容される用紙は、上記に例示した用紙に限られず、例えば、不定形の用紙が収容されていても良い。
【0060】
例えば、ユーザが、ジョブにおいて、給紙トレイFT1、FT2、FT5を使用する場合、図4に示すように、給紙トレイFT1に対応する釦B2、給紙トレイFT2に対応する釦B3、給紙トレイFT5に対応する釦B6をオン状態に操作する。すると、そのジョブでは、3つの給紙トレイFT1、FT2、FT5が、切り替え可能な給紙トレイFTとして設定されることとなる。
【0061】
また、図4に例示するトレイ設定画面の画面左側において、そのジョブで切り替え可能な給紙トレイFTが選択されると、同画面の画面右側において、切り替え可能な各給紙トレイFTの切り替えの優先順位を設定することができるようになっている。
図4のトレイ設定画面の画面右側には、切り替え可能な給紙トレイFTとして設定された給紙トレイFT1、FT2、FT5を示す釦B10〜B12が、優先順位の順で上から並べられて表示されている。そして、図4のトレイ設定画面の画面右側に表示されたこれらの釦B10〜B12のうち一つを選択した状態で、優先順位を繰り上げるための釦B13又は優先順位を繰り下げるための釦B14を操作すると、選択中の給紙トレイFTの優先順位が、上または下に位置している給紙トレイFTの優先順位と入れ替わり、所望の優先順位を設定することができる。
【0062】
例えば、ユーザが、切り替え可能な給紙トレイFTとして設定した3つの給紙トレイFT1、FT2、FT5を、給紙トレイFT1、給紙トレイFT5、給紙トレイFT2の順番で使用したい場合、図4に示すように、給紙トレイFT1、FT2、FT5を、上から給紙トレイFT1、給紙トレイFT5、給紙トレイFT2の順に並べる。すると、そのジョブでは、給紙トレイFT1が優先順位1番の給紙トレイ、給紙トレイFT5が優先順位2番の給紙トレイ、給紙トレイFT2が優先順位3番の給紙トレイとして設定されることとなる。
【0063】
そして、図4のトレイ設定画面において設定された切り替え可能な給紙トレイFTと、切り替え可能な給紙トレイFTへの切り替えの優先順位とは、第一トレイ設定情報として、モード、ユーザ名、ファイル名、後処理モード、排紙トレイET等のその他の情報とともに、そのジョブの設定情報に含まれて、操作表示制御部503を介して制御部101に出力され、不揮発メモリ104に格納される。
【0064】
ここで、図5を参照しながら、トレイ設定画面において設定された第一トレイ設定情報のデータ構造について説明する。
第一トレイ設定情報は、トレイ設定画面において設定された切り替え可能な給紙トレイFTを示す使用トレイ情報と、切り替え可能な給紙トレイFTへの切り替えの優先順位を示す優先順位情報とから成る情報である。第一トレイ設定情報は、各ジョブに対して設定され、それぞれのジョブの設定情報内に含まれる。例えば、図5に示すように、予約されたジョブ1〜10のそれぞれが、ジョブの設定情報の一部として、第一トレイ設定情報を有している。
【0065】
使用トレイ情報は、本画像形成システム1に備わる全給紙トレイFT1〜8のそれぞれが、切り替え不可能な給紙トレイFTであるか、又は、切り替え可能な給紙トレイFTであるかを示す情報であり、図5に示すように、全給紙トレイFT1〜FT8のそれぞれに対応して、その給紙トレイFTが切り替え不可能な給紙トレイであることを示す「0」、又は、その給紙トレイFTが切り替え可能な給紙トレイFTであることを示す「1」が付されている。
例えば、図4のトレイ設定画面において、3つの給紙トレイFT1、FT2、FT5を切り替え可能な給紙トレイFTと設定した場合、使用トレイ情報では、給紙トレイFT1、FT2、FT5に対して「1」が付され、それ以外の給紙トレイである給紙トレイFT3、FT4、FT6、FT7、FT8に対して「0」が付されることとなる。
【0066】
優先順位情報は、各優先順位に対して、全給紙トレイFT1〜FT8のうち何れの給紙トレイFTが設定されているかを示す情報であり、図5に示すように、優先順位1番〜8番のそれぞれに対応して、該当する給紙トレイが無いことを示す「0」、給紙トレイFT1を示す「1」、給紙トレイFT2を示す「2」、給紙トレイFT3を示す「3」、給紙トレイFT4を示す「4」、給紙トレイFT5を示す「5」、給紙トレイFT6を示す「6」、給紙トレイFT7を示す「7」、給紙トレイFT8を示す「8」の何れかが付されている。
例えば、図4のトレイ設定画面において、切り替え可能な給紙として設定された3つの給紙トレイFT1、FT2、FT5のうち、給紙トレイFT1の切り替えの優先順位を1番、給紙トレイFT2の切り替えの優先順位を3番、給紙トレイFT5の切り替えの優先順位を2番と設定した場合、優先順位情報では、優先順位1番に対して給紙トレイFT1を示す「1」が付され、優先順位2番に対して給紙トレイFT5を示す「5」が付され、優先順位3番に対して給紙トレイFT2を示す「2」が付され、4番以降の優先順位のそれぞれに対して、該当する給紙トレイが無いことを示す「0」が付されることとなる。
【0067】
これらの第一トレイ設定情報は、前述したように、ジョブ毎に設定され、ジョブの設定情報として不揮発メモリ104に格納される。制御部101は、ジョブに応じた画像形成処理の実行に際して、不揮発メモリ104からそのジョブの設定情報を読み出し、読み出したジョブの設定情報に基づいて画像形成部600による画像形成処理を実行する。
【0068】
また、操作表示制御部503は、機械設定部として、第二トレイ設定情報を設定する制御を行う。操作表示制御部503の制御により設定された第二トレイ設定情報は、操作表示制御部503を介して制御部101に出力され、不揮発メモリ104に格納される。
第二トレイ設定情報は、図示しない設定画面において設定され、第一トレイ設定情報と同様に、切り替え可能な給紙トレイFTを示す使用トレイ情報と、切り替え可能な給紙トレイFTの切り替えの優先順位を示す優先順位情報とから成る。
第二トレイ設定情報は、本体部10の不揮発メモリ104内に、機械設定データとして設定され、第一トレイ設定情報が設定されていないジョブ、すなわち、ジョブの設定情報に第一トレイ設定情報が含まれていないジョブに対して一律に適用される。
【0069】
さらに、上述の第一トレイ設定情報は、ユーザ毎に登録することができ、且つ、名称を付して登録することができるようになっている。
具体的には、図4に例示するトレイ設定画面の画面下部には、このトレイ設定画面上で設定された第一トレイ設定情報をユーザ毎に登録するための「登録」釦B15が設けられており、タッチパネル502において、この「登録」釦B15が操作されると、操作表示制御部503は、この操作に基づく操作信号を制御部101に出力し、この操作信号を受けた制御部101は、図6に例示する登録画面を表示部501に表示する。
【0070】
図6の登録画面には、登録されているユーザ名が一覧表示され、さらに、新規のユーザを登録するための「新規登録」釦B16が設けられている。ユーザは、第一トレイ設定情報を対応づけるユーザが未登録である場合には、「新規登録」釦B16を操作する。すると、操作表示制御部503は、図7に示すように、新規ユーザを登録するための新規ユーザ登録画面を表示部501に表示する。図7の新規ユーザ登録画面では、ユーザ名入力欄C1と、パスワード入力欄C2とが設けられており、ユーザ名にパスワードを付すことにより、第一トレイ設定情報のパスワード管理ができるようになっている。
【0071】
また、図6の登録画面に表示されている登録済みのユーザ名の一覧から、ユーザ名を選択した状態で、画面下部に設けられた「ファイル選択」釦B17を操作すると、操作表示制御部503は、図8に例示するファイル保存画面を表示部501に表示する。
図8のファイル保存画面では、登録されている第一トレイ設定情報のファイル名が一覧表示されており、ユーザは、ファイル名を選択して「ファイル保存」釦B18を操作することで、選択されたファイル名で第一トレイ設定情報を上書き登録することができる。
また、第一トレイ設定情報に新規のファイル名を付して登録する場合には、ユーザは、図8のファイル保存画面上で、「新規登録」釦B19を操作する。すると、操作表示制御部503は、図9に例示するファイル名入力画面を表示部501に表示する。ユーザは、図9のファイル名入力画面上のファイル名入力欄C3に、ファイル名を入力して画面下部の「OK」釦B20を操作し、図8のファイル保存画面に戻って「ファイル保存」釦B18を操作することにより、新規作成したファイル名で第一トレイ設定情報を登録することができる。
【0072】
また、名称を付してユーザ毎に登録したトレイ設定情報を読み出す場合には、ユーザは、図4のトレイ設定画面の画面下部に表示された「登録読み出し」釦B21を操作する。すると、操作表示制御部503は、図10に例示するファイル選択画面を表示部501に表示する。図10のファイル選択画面には、登録されているユーザ名が一覧表示されており、ユーザが、このファイル選択画面上で、ユーザ名を選択すると、操作表示制御部503は、図11に示すように、選択されたユーザ名に対応づけられて登録されている第一トレイ設定情報のファイル名を、ファイル名選択画面の画面右側に一覧表示する。
また、ユーザ名にパスワードが付されている場合には、ユーザ名を選択すると、操作表示制御部503は、図示しないパスワード入力画面を表示部501に表示して、パスワードの入力を要求する。ユーザが、このパスワード入力画面上でパスワードを入力すると、入力されたパスワードによって認証が行われ、入力されたパスワードがそのユーザ名に付されているパスワードと一致すると、操作表示制御部503は、認証が正しく行われたとしてそのユーザ名に対応づけられて登録されている第一トレイ設定情報のファイル名をファイル選択画面上に一覧表示する。
【0073】
ユーザは、図11のファイル名画面に一覧表示されたこれらのファイル名の中から、読み出したい第一トレイ設定情報のファイル名を選択し、画面下部に表示された「読出し」釦B22を操作する。すると、選択されたファイル名が付されて登録されている第一トレイ設定情報が不揮発メモリ104から読み出され、そのジョブの第一トレイ設定情報として設定されることとなる。設定された第一トレイ設定情報は、そのジョブの設定情報に含まれることとなり、ジョブの実行時に、この第一トレイ設定情報に基づくトレイ切り替え処理が実行されることとなる。
【0074】
また、操作表示制御部503は、表示制御部として、全給紙トレイのうち、第一トレイ設定情報が設定されることにより切り替え可能な給紙トレイFTとして設定された給紙トレイFTと、その他の給紙トレイFTとを、表示部501において識別可能に表示する。
【0075】
具体的には、ジョブの予約時に、操作表示制御部503は、図12に例示するジョブ予約画面を表示部501に表示する。このジョブ予約画面において、操作表示制御部503は、図12に示すように、全給紙トレイのうち、切り替え可能な給紙トレイFTとして設定された給紙トレイFT1、FT2、FT5を、そのジョブにおいて切り替え可能でないその他の給紙トレイFT3、FT4、FT6、FT7、FT8の表示色と異なる色(例えば、給紙トレイFT3、FT4、FT6、FT7、FT8の表示色よりも濃い色)で表示する。
【0076】
また、ジョブの実行中に、ユーザが、図12のジョブ予約画面の右上に表示された「機械状態」釦B23を操作すると、操作表示制御部503は、図13に例示する機械状態画面を表示部501に表示する。この機械状態画面において、操作表示制御部503は、図13に示すように、切り替え可能な給紙トレイFTとして設定された給紙トレイFT1、FT2、FT5を、そのジョブにおいて切り替え可能でないその他の給紙トレイFT3、FT4、FT6、FT7、FT8の表示色と異なる色(例えば、給紙トレイFT3、FT4、FT6、FT7、FT8の表示色よりも濃い色)で表示する。
【0077】
また、図14に例示する予約されたジョブを示すジョブ一覧画面において、ユーザが、ジョブを選択して、画面右側の「詳細」釦B24を操作すると、操作表示制御部503は、図15に示すように、選択された予約ジョブの詳細情報を確認するための設定確認画面を表示部501に表示する。この設定確認画面において、操作表示制御部503は、図15に示すように、切り替え可能な給紙トレイFTとして設定された給紙トレイFT1、FT2、FT5を、そのジョブにおいて切り替え可能でないその他の給紙トレイFT3、FT4、FT6、FT7、FT8の表示色と異なる色(例えば、給紙トレイFT3、FT4、FT6、FT7、FT8の表示色よりも濃い色)で表示する。
【0078】
これにより、ユーザは、ジョブの予約時に表示されるジョブ予約画面や設定確認画面、ジョブの実行中に表示される機械状態画面等の各画面において、そのジョブでトレイ切り替え処理の対象となる給紙トレイFT1、FT2、FT5を一目で容易に把握することができる。
【0079】
画像形成部600は、搬送部610、LD(Laser Diode)部620、プリンタ制御部630を備えて構成され、書き込み処理部106から入力された画像データに基づいて用紙に画像を形成する。
【0080】
搬送部610は、例えば、LD部620内の搬送経路に従って用紙を搬送するための給紙ローラ611、レジストローラ612、排紙ローラ613をはじめとする各種ローラ、搬送路切換板614及び反転部615等を備える。搬送部610は、プリンタ制御部630からの制御に基づいて、第一トレイ設定情報又は第二トレイ設定情報に応じた給紙トレイFTから、用紙を給紙して、給紙された用紙を搬送経路に従って搬送する。
また、LD部620の搬送経路上には、図示しない複数のセンサが設けられている。これらのセンサは、用紙が通過する際に検出信号を発生し、これをプリンタ制御部630に出力する。
【0081】
LD部620は、LD621、感光体ドラム622、帯電部623、現像部624、転写部625、定着部626等を備える。
LD部620は、プリンタ制御部630からの指示に基づいて、LD部620の感光体ドラム622表面を帯電部623により帯電させ、書き込み処理部106から入力されたPWM信号に基づいてLD621により感光体ドラム622表面にレーザ光を照射することにより静電潜像を形成する。そして、現像部624において感光体ドラム622表面の静電潜像を含む領域にトナーを付着させ、転写部625により用紙にトナーを転写して画像を形成する。そして、転写された画像を定着部626で定着させた後、画像形成済みの用紙を排紙ローラ613により後処理部30へ搬送する。
【0082】
プリンタ制御部630は、制御部101からの制御信号を受信して、LD部620の各部の動作を制御する。また、プリンタ制御部630は、搬送経路上に設けられたセンサからの検出信号に基づいて、給紙した用紙の枚数をカウントし、制御部101に出力する。
また、プリンタ制御部630は、各ジョブの実行中に、給紙ローラ611付近に設けられたセンサ(図示省略)から出力されるセンサ信号をカウントすることにより、給紙した用紙の枚数をカウントし、制御部101に出力する。
【0083】
ここで、図16のフローチャートを参照しながら、制御部101が、画像形成部600による画像形成処理とともに実行する給紙制御処理の流れについて説明する。
【0084】
初めに、制御部101は、ステップS101において、給紙開始タイミングであるか否かを判断し、給紙開始タイミングであると判断すると(ステップS101;Yes)、ステップS102において、選択された給紙トレイFTから給紙を行う。
次いで、制御部101は、ステップS103において、画像形成処理中の用紙がジョブの最後の用紙であるか否かを判断し、ジョブの最後の用紙であると判断すると(ステップS103;Yes)、本処理を終了する。一方、制御部101は、ステップS103において、ジョブの最後の用紙でないと判断すると(ステップS103;No)、ステップS104に進む。
次いで、制御部101は、ステップS104において、使用中の給紙トレイFT内の用紙が無くなったか否かを判断し、使用中の給紙トレイ内の用紙が無くなっていないと判断すると(ステップS104;No)、ステップS101に戻る。一方、制御部101は、ステップS104において、使用中の給紙トレイFT内の用紙が無くなったと判断すると(ステップS104;Yes)、ステップS105に進む。
次いで、制御部101は、ステップS105において、後述する自動トレイ切り替え処理を実行する。
次いで、制御部101は、ステップS106において、切り替え可能な給紙トレイFTが無いか否かを判断し、切り替え可能な給紙トレイFTが有ると判断すると(ステップS106:No)、ステップS101に戻る。一方、制御部は、ステップS106において、切り替え可能な給紙トレイFTが無いと判断すると(ステップS106;Yes)、本処理を終了する。
【0085】
次に、図17のフローチャートを参照しながら、制御部101が実行する自動トレイ切り替え処理について説明する。
【0086】
初めに、制御部101は、ステップS201において、n(切り替えの優先順位)がデフォルトであるか否か、すなわち、nに数値が設定されていないか否かを判断し、nがデフォルトであると判断すると(ステップS201;Yes)、続くステップS202において、n=1とする。一方、制御部101は、ステップS201において、nがデフォルトでないと判断すると(ステップS201;No)、続くステップS203において、n=n+1とする。
次いで、制御部101は、ステップS204において、優先順位n番に該当する給紙トレイFTが無いか否かを判断し、優先順位n番に該当する給紙トレイが無いと判断すると(ステップS204;Yes)、本処理を終了する。一方、制御部101は、ステップS204において、優先順位n番に該当する給紙トレイが有ると判断すると(ステップS204;No)、ステップS205に進む。
次いで、制御部101は、ステップS205において、使用中の給紙トレイFTの用紙サイズが優先順位n番の給紙トレイに収容されている用紙サイズと同一であるか否かを判断し、使用中の給紙トレイFTの用紙サイズが優先順位n番の給紙トレイに収容されている用紙サイズと同一であると判断すると(ステップS205;Yes)、ステップS206に進む。一方、制御部は、ステップS205において、使用中の給紙トレイFTの用紙サイズが優先順位n番の給紙トレイに収容されている用紙サイズと同一でないと判断すると(ステップS205;No)、ステップS207に進む。
次いで、制御部101は、ステップS206において、優先順位n番の給紙トレイFTを、使用する給紙トレイとして、本処理を終了する。
次いで、制御部101は、ステップS207において、n=n+1とし、ステップS204に戻って以上の処理を繰り返す。
【0087】
例えば、ユーザが、第一トレイ設定情報の設定に際して、給紙トレイFT1、FT2、FT5を切り替え可能な給紙トレイFTとして設定し、さらに、切り替えの優先順位1番の給紙トレイFTを給紙トレイFT1、切り替えの優先順位2番の給紙トレイFTを給紙トレイFT5、切り替えの優先順位3番の給紙トレイFTを給紙トレイFT2として設定すると、制御部101は、画像形成処理の実行に際し、まず初めに、切り替えの優先順位が1番の給紙トレイFT1から給紙を行う。そして、画像形成処理の実行中に、使用中の給紙トレイFT1内の用紙が無くなると、切り替えの優先順位が2番の給紙トレイFT5にトレイ切り替え処理を行って、給紙トレイFT5からの給紙を行う。そして、再び、使用している給紙トレイFT5内の用紙が無くなると、切り替えの優先順位が3番の給紙トレイFT2にトレイ切り替え処理を行って、給紙トレイFT2から給紙を行う。さらに、再び、使用している給紙トレイFT2内の用紙が無くなると、給紙不可能として、給紙制御及び画像形成処理を停止する。
これにより、ユーザがそのジョブで切り替え可能な給紙トレイFTとして設定した給紙トレイFT1、FT2、FT5内の用紙のみが使用されることとなって、ユーザの意図しない用紙が使用されてしまうことを防止することができる。また、ユーザの設定した切り替えの優先順位の順番でトレイ切り替えが行われるため、使用したい用紙を優先的に使用することができる。
【0088】
すなわち、例えば、給紙トレイFT1、FT2、FT5、FT7、FT8に収容されている用紙のサイズ・紙種・坪量・色が全て一致する場合であっても、これらの用紙が同じ用紙であるとは限らず、給紙トレイFT1、FT2、FT5の用紙はメーカーAの用紙であり、給紙トレイFT7、FT8の用紙はメーカーBの用紙であるというように、異なる用紙である場合もある。
本実施形態の画像形成システム1では、メーカーAの用紙を使用したいと所望するユーザが、第一トレイ設定情報として、「A4・普通紙・50−61g・白」の用紙を収容する給紙トレイFT1、FT2、FT5、FT7、FT8のうち、特に、給紙トレイFT1、FT2、FT5を切り替え可能な給紙トレイFTとして設定することにより、たとえ他の給紙トレイFT7、FT8にサイズ・紙種・秤量・色等が全て一致する用紙「A4・普通紙・50−61g・白」が収容されていたとしても、給紙トレイFT1、FT2、FT5以外の給紙トレイFTにはトレイ切り替えが行われず、給紙トレイFT1、FT2、FT5に収容されたメーカーAの用紙のみを使用することが可能となる。
【0089】
次に、本実施形態の画像形成システム1において、自動用紙選択処理が行われる場合について説明する。
本実施形態の画像形成システム1において自動用紙選択処理が実行される場合には、上述した図16及び図17で示す処理のみが自動トレイ切り替え処理が実行される場合と異なることとなる。そのため、以下では、自動トレイ切り替え処理を実行する場合と異なる処理についてのみ説明を行うこととする。
【0090】
まず、図18のフローチャートを参照しながら、制御部101が実行する自動用紙選択処理の流れについて説明する。
【0091】
初めに、制御部101は、ステップS301において、n(切り替えの優先順位)がデフォルトであるか否か、すなわち、nに数値が設定されていないか否かを判断し、nがデフォルトであると判断すると(ステップS301;Yes)、続くステップS302において、n=1とする。一方、制御部101は、ステップS301において、nがデフォルトでないと判断すると(ステップS301;No)、続くステップS303に、n=n+1とする。
次いで、制御部101は、ステップS304において、原稿サイズと倍率より、適正なジョブの用紙サイズを算出する。
次いで、制御部101は、ステップS305において、優先順位n番に該当する給紙トレイFTが無いか否かを判断し、優先順位n番に該当する給紙トレイが無いと判断すると(ステップS305;Yes)、本処理を終了する。一方、制御部101は、ステップS305において、優先順位n番に該当する給紙トレイが有ると判断すると(ステップS305;No)、ステップS306に進む。
次いで、制御部101は、ステップS306において、ステップS304において算出されたジョブの用紙サイズが、優先順位n番の給紙トレイに収容されている用紙サイズと同一であるか否かを判断し、ジョブの用紙サイズが優先順位n番の給紙トレイに収容されている用紙サイズと同一であると判断すると(ステップS306;Yes)、ステップS307に進む。一方、制御部は、ステップS306において、ジョブの用紙サイズが優先順位n番の給紙トレイに収容されている用紙サイズと同一でないと判断すると(ステップS306;No)、ステップS308に進む。
次いで、制御部101は、ステップS307において、優先順位n番の給紙トレイFTを、使用する給紙トレイとして、本処理を終了する。
次いで、制御部101は、ステップS308において、n=n+1とし、ステップS305に戻って以上の処理を繰り返す。
【0092】
例えば、第一トレイ設定情報において、給紙トレイFT7、FT8が切り替え可能な給紙トレイFTとされ、さらに、切り替えの優先順位1番の給紙トレイFTが給紙トレイFT8、切り替えの優先順位2番の給紙トレイFTが給紙トレイFT7とされた場合、制御部101は、画像形成処理の実行に際し、まず初めに、切り替えの優先順位が1番の給紙トレイFT8から給紙を行う。そして、画像形成処理の実行中に、例えば、使用中の給紙トレイFT8内の用紙が無くなると、切り替えの優先順位が2番の給紙トレイFT7にトレイ切り替え処理を行って、給紙トレイFT7からの給紙を行う。さらに、使用している給紙トレイFT7内の用紙が無くなると、給紙不可能として、給紙制御及び画像形成処理を停止する。
これにより、ユーザがそのジョブで切り替え可能な給紙トレイFTとして設定した給紙トレイFT7、FT8内の用紙のみが使用されることとなって、ユーザの意図しない用紙が使用されてしまうことを防止することができる。また、ユーザの設定した切り替えの優先順位の順番でトレイ切り替えが行われるため、使用したい用紙を優先的に使用することができる。
【0093】
すなわち、上述したように、例えば、給紙トレイFT1、FT2、FT5、FT7、FT8のそれぞれに収容されている用紙のサイズ・紙種・坪量・色が全て一致しても、給紙トレイFT1、FT2、FT5内の用紙はメーカーAの用紙であり、給紙トレイFT7、FT8内の用紙はメーカーBの用紙である場合がある。このような場合において、メーカーBの用紙を使用したいと所望するユーザが、第一トレイ設定情報として、「A4・普通紙・50−61g・白」の用紙を収容する給紙トレイFT1、FT2、FT5、FT7、FT8のうち、特に、給紙トレイFT7、FT8を切り替え可能な給紙トレイFTとして設定することにより、たとえ他の給紙トレイFT1、FT2、FT5にサイズ・紙種・秤量・色等が全て一致する用紙「A4・普通紙・50−61g・白」が収容されていたとしても、給紙トレイFT7、FT8以外の給紙トレイFTにはトレイ切り替えが行われず、給紙トレイFT7、FT8に収容されたメーカーBの用紙のみを使用することが可能となる。
【0094】
上述したように、本実施形態の画像形成システム1によれば、操作表示制御部503により、自動トレイ切り替え処理又は自動用紙選択処理において切り替え可能な給紙トレイFTと、当該切り替え可能な給紙トレイFTへの切り替えの優先順位又は選択可能な給紙トレイの優先順位と、を示す第一トレイ設定情報が、ジョブ毎に設定され、画像形成部600による画像形成処理の実行中に、操作表示制御部503により設定された第一トレイ設定情報にしたがって、自動トレイ切り替え処理又は自動用紙選択処理が実行される。
したがって、使用する給紙トレイがジョブ毎に異なる場合であっても、切り替え可能な給紙トレイFTと切り替えの優先順位とを、ジョブ毎に設定し直す作業が必要無いこととなり、ユーザの負担を低減して、作業効率性を高めることができる。
【0095】
また、操作表示制御部503により、自動トレイ切り替え処理において切り替え可能な給紙トレイFT又は自動用紙選択処理において選択可能な給紙トレイと、当該切り替え可能な給紙トレイFTへの切り替えの優先順位又は当該選択可能な給紙トレイの優先順位と、を示す第二トレイ設定情報が設定され、第一トレイ設定情報が設定されない場合に、操作表示制御部503により設定された第二トレイ設定情報にしたがって、自動トレイ切り替え処理又は自動用紙選択処理が実行される。
したがって、第一トレイ設定情報が設定されないジョブについては、第二トレイ設定情報にしたがって自動トレイ切り替え処理又は自動用紙選択処理が実行されることとなって、ユーザにとって使い勝手の良いものとなる。
【0096】
また、操作表示制御部503により、第一トレイ設定情報が名称とともに登録され、第一トレイ設定情報の設定に際して、登録されている第一トレイ設定情報の名称を含む情報が表示部501に一覧表示され、当該一覧表示の中からユーザにより選択された第一トレイ設定情報が設定される。
したがって、第一トレイ設定情報の設定に際して、ユーザは、事前に登録したトレイ設定情報の中から設定できることとなって、トレイ設定情報の設定の容易化を図ることができる。
【0097】
また、操作表示制御部503により、ユーザ毎に、一又は複数の第一トレイ設定情報が登録可能であるため、第一トレイ設定情報の設定に際して、ユーザは、事前に登録した複数の第一トレイ設定情報の中から、設定する第一トレイ設定情報を選択できることとなって、トレイ設定情報の設定の更なる容易化を図ることができる。
【0098】
また、操作表示制御部503により、全給紙トレイのうち、切り替え可能な給紙トレイFTFTとして設定された給紙トレイFTと他の給紙トレイFTとが、表示部501において識別可能に表示されるため、ジョブ毎に、使用可能な給紙トレイFTと使用不可能な給紙トレイFTとが視覚的に容易に把握できることとなって、使い勝手の良いものとなる。
【0099】
なお、本発明の範囲は、上記実施形態に限られることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
【0100】
例えば、上記実施形態では、トレイ設定情報を設定するための設定部が本体部10と外部装置との両方に備わる場合について説明したが、設定部を本体部のみに備える構成としても良い。
また、上記実施形態では、自動トレイ切り替え処理において、初めに、第一トレイ設定情報における切り替えの優先順位が1番の給紙トレイFTから給紙を行うこととして説明したが、第一トレイ設定情報により設定される切り替え可能な給紙トレイFTの他に、1つ目の給紙トレイを別途ユーザが設定できるように構成し、ユーザにより設定された1つ目の給紙トレイで用紙切れが発生した場合に、初めて、第一トレイ設定情報により設定される切り替え可能な給紙トレイFTを使用することとしても良い。
また、上記実施形態では、トレイ切り替え処理に際して、使用中の給紙トレイFTの用紙サイズと、第一トレイ設定情報における切り替え可能な給紙トレイFTの用紙サイズが同一である場合に、その給紙トレイFTにトレイ切り替えを行うこととしたが、用紙サイズの他に、紙種・坪量・色等をトレイ切り替えの条件に加えても良い。また、上記実施形態では、用紙選択処理において、原稿サイズと倍率とにより算出されたジョブの用紙サイズと、第一トレイ設定情報における切り替え可能な給紙トレイFTの用紙サイズが同一である場合に、その給紙トレイFT内の用紙に用紙選択を行うこととしたが、用紙サイズの他に、紙種・坪量・色の他の条件を用紙選択の条件に加えても良い。
また、上記実施形態では、自動トレイ切り替え機能と自動用紙選択機能との両方の機能を備える画像形成システムについて説明したが、画像形成システムは、自動トレイ切り替え機能と自動用紙選択機能のうちの何れか一方の機能を備えていれば良い。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本実施形態の画像形成システムの概略構成を示す正面図である。
【図2】画像形成システムの機能的構成を示すブロック図である。
【図3】ジョブ予約画面の一例である。
【図4】トレイ設定画面の一例である。
【図5】ジョブ毎に設定される第一トレイ設定情報のデータ構造を例示する図である。
【図6】登録画面の一例である。
【図7】新規ユーザ登録画面の一例である。
【図8】ファイル保存画面の一例である。
【図9】ファイル名入力画面の一例である。
【図10】ファイル選択画面の一例である。
【図11】ファイル選択画面の一例である。
【図12】第一トレイ設定情報が設定されているジョブに関するジョブ予約画面の一例である。
【図13】機械状態画面の一例である。
【図14】ジョブ一覧画面の一例である。
【図15】設定確認画面の一例である。
【図16】給紙制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図17】自動トレイ切り替え処理の流れを示すフローチャートである。
【図18】自動用紙選択処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0102】
1 画像形成システム
101 制御部
501 表示部
503 操作表示制御部(設定部、機械設定部、表示制御部)
FT1〜FT8 給紙トレイ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙を給紙するための複数の給紙トレイと、画像形成部による画像形成処理の実行中に使用している給紙トレイ内に用紙が無くなった場合に、自動的に給紙トレイを切り替える自動トレイ切り替え処理を行う制御部と、を備える画像形成システムにおいて、
前記自動トレイ切り替え処理において切り替え可能な給紙トレイと、当該切り替え可能な給紙トレイへの切り替えの優先順位と、を示すトレイ設定情報を、ジョブ毎に設定する設定部を備え、
前記制御部は、前記設定部により設定されたジョブ毎の前記トレイ設定情報にしたがって、前記自動トレイ切り替え処理を実行することを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記自動トレイ切り替え処理において切り替え可能な給紙トレイと、当該切り替え可能な給紙トレイへの切り替えの優先順位と、を示す第二トレイ設定情報を、機械設定値として設定する機械設定部を備え、
前記制御部は、前記設定部により前記トレイ設定情報が設定されない場合に、前記機械設定部により設定された前記第二トレイ設定情報にしたがって、前記自動トレイ切り替え処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
用紙を給紙するための複数の給紙トレイと、原稿サイズに応じて自動的に用紙を選択する自動用紙選択処理を行う制御部と、を備える画像形成システムにおいて、
前記自動用紙選択処理において選択可能な給紙トレイと、当該選択可能な給紙トレイの優先順位と、を示すトレイ設定情報を、ジョブ毎に設定する設定部を備え、
前記制御部は、前記設定部により設定されたジョブ毎の前記トレイ設定情報にしたがって、前記自動用紙選択処理を実行することを特徴とする画像形成システム。
【請求項4】
前記自動用紙選択処理において選択可能な給紙トレイと、当該選択可能な給紙トレイの優先順位と、を示す第二トレイ設定情報を、機械設定値として設定する機械設定部を備え、
前記制御部は、前記設定部により前記トレイ設定情報が設定されない場合に、前記機械設定部により設定された前記第二トレイ設定情報にしたがって、前記自動用紙選択処理を実行することを特徴とする請求項3に記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記設定部は、前記トレイ設定情報を名称とともに登録し、前記トレイ設定情報の設定に際して、登録されている前記トレイ設定情報の名称を含む情報を表示部に一覧表示し、当該一覧表示の中からユーザにより選択されたトレイ設定情報を設定することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記設定部は、ユーザ毎に、一又は複数の前記トレイ設定情報を登録可能であることを特徴とする請求項5に記載の画像形成システム。
【請求項7】
全給紙トレイのうち、前記設定部により設定された給紙トレイと他の給紙トレイとを、表示部において識別可能に表示する表示制御部を備えることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の画像形成システム。
【請求項1】
用紙を給紙するための複数の給紙トレイと、画像形成部による画像形成処理の実行中に使用している給紙トレイ内に用紙が無くなった場合に、自動的に給紙トレイを切り替える自動トレイ切り替え処理を行う制御部と、を備える画像形成システムにおいて、
前記自動トレイ切り替え処理において切り替え可能な給紙トレイと、当該切り替え可能な給紙トレイへの切り替えの優先順位と、を示すトレイ設定情報を、ジョブ毎に設定する設定部を備え、
前記制御部は、前記設定部により設定されたジョブ毎の前記トレイ設定情報にしたがって、前記自動トレイ切り替え処理を実行することを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記自動トレイ切り替え処理において切り替え可能な給紙トレイと、当該切り替え可能な給紙トレイへの切り替えの優先順位と、を示す第二トレイ設定情報を、機械設定値として設定する機械設定部を備え、
前記制御部は、前記設定部により前記トレイ設定情報が設定されない場合に、前記機械設定部により設定された前記第二トレイ設定情報にしたがって、前記自動トレイ切り替え処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
用紙を給紙するための複数の給紙トレイと、原稿サイズに応じて自動的に用紙を選択する自動用紙選択処理を行う制御部と、を備える画像形成システムにおいて、
前記自動用紙選択処理において選択可能な給紙トレイと、当該選択可能な給紙トレイの優先順位と、を示すトレイ設定情報を、ジョブ毎に設定する設定部を備え、
前記制御部は、前記設定部により設定されたジョブ毎の前記トレイ設定情報にしたがって、前記自動用紙選択処理を実行することを特徴とする画像形成システム。
【請求項4】
前記自動用紙選択処理において選択可能な給紙トレイと、当該選択可能な給紙トレイの優先順位と、を示す第二トレイ設定情報を、機械設定値として設定する機械設定部を備え、
前記制御部は、前記設定部により前記トレイ設定情報が設定されない場合に、前記機械設定部により設定された前記第二トレイ設定情報にしたがって、前記自動用紙選択処理を実行することを特徴とする請求項3に記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記設定部は、前記トレイ設定情報を名称とともに登録し、前記トレイ設定情報の設定に際して、登録されている前記トレイ設定情報の名称を含む情報を表示部に一覧表示し、当該一覧表示の中からユーザにより選択されたトレイ設定情報を設定することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記設定部は、ユーザ毎に、一又は複数の前記トレイ設定情報を登録可能であることを特徴とする請求項5に記載の画像形成システム。
【請求項7】
全給紙トレイのうち、前記設定部により設定された給紙トレイと他の給紙トレイとを、表示部において識別可能に表示する表示制御部を備えることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の画像形成システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
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【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2010−100375(P2010−100375A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−271916(P2008−271916)
【出願日】平成20年10月22日(2008.10.22)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月22日(2008.10.22)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
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