説明

画像形成システム

【課題】ベクトルデータが解像度依存のデータを含むものであったとしても、ネットワーク上のどの機器から出力しても劣化のない品位の解像度でベクトルデータを生成すること。
【解決手段】ベクトルデータをスプールする場合、MFP1は、PC2からデータ処理解像度の関する解像度情報を含むPDLデータを受信すると、該解像度情報を解析して、画像形成装置にて解像度依存の処理を行う際の処理解像度を決定する(S1502〜S150)。次いで、ベクトルデータを生成する際に、解像度依存の処理が必要な場合に、上記決定された処理解像度に基づいて解像度依存の処理を行う(S1510)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク接続されるプリンタ等出力装置とスキャン機能を持つ複合印刷装置、及び該装置で構成される画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ネットワーク上に多くの、イメージスキャナ、デジタル複合機、プリンタ等の画像入出力機器が接続されてきている。このような環境を利用して、従来、画像入力機器Aで入力した画像を、ネットワーク上にある出力機器Bで出力することにより画像の複写を行う技術が開発されている。
【0003】
ここで、画像入力と出力を同一の機器で行い複写する機能をローカルコピー、画像入力と出力をネットワーク上の異なる機器で行い複写する機能をリモートコピーと呼ぶ。
リモートコピーは、
[i]大量部数のコピーを行う場合に、一台の入力機器で読み取った画像を複数の出力機器に転送して同時に印刷出力を行うクラスタコピー
[ii]複合機において、印刷装置がPDLプリント等で使用中であり、その複合機で複写機能が使えない場合、スキャナ機能のみを利用して、ネットワーク上の他のプリンタ単体機に出力する、代行印刷
等の技術のベースとなっている。
【0004】
リモートコピーやクラスタコピー、代行印刷の機能を利用することにより、ネットワーク上に接続された各入出力機器全体をひとつのシステムとみなし、システム全体としての生産性を向上させることが可能である。
【0005】
一方、当初のリモートコピーでは、入力機器で入力した画像を、圧縮したビットマップデータにして、出力機器に送信していたため、
[1]入力機器と出力機器とで色再現特性が異なるため、出力する機器によって色味が異なる。
[2]入力機器より出力機器の解像度(出力解像度)が高い場合、出力機器の性能を出すことができない。
[3]出力機器の細線の再現性等エンジン特性の違いにより、出力機器により画像が異なる(例えば、複合機で入力した画像は、ローカルプリントを前提とした画像処理が施されている)。
[4]転送画像のデータサイズが大きく、ネットワークでの転送時間がかかり、生産性が低下する。
といった課題があった。
【0006】
これらの課題を解決するために、近年ではベクトル化技術を適用して入力画像をベクトルデータに変換して送信する技術(特許文献1参照)が開発されている。また、カラーマッチング(色変換)技術を適用して入力画像を機器非依存の色空間データ(共通の色空間データ)に変換して送信する技術も開発されている。
【0007】
画像データの色空間を入力機器側で機器非依存色空間に変換し、出力機器側で再度、出力機器依存の色空間に変換することで、入力機器と出力機器のカラーマッチングが行われることになり、前述の課題[1]が解決される。
【0008】
また、ビットマップデータをベクトル化して転送し、出力機器側で受信したベクトルデータをラスタライズすることにより、出力機器に合ったビットマップイメージに変換して出力することで、
(ア)入力機器の解像度(データ処理解像度)が出力機器より低くても、画像劣化が少なく出力機器の解像度に上げることができる、
(イ)ラスタライズ処理時に、出力機器のエンジン特性を考慮した変換を行える、
(ウ)ビットマップデータに比べデータサイズが小さくなる、
ことにより、前述の課題[2]、[3]および[4]が解決される。
したがって、入出力機器の種別に依存しない、高画質なプリント出力を得ることが可能である。
【0009】
【特許文献1】特開2006―23942号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
(第1の課題)
一方で、PDLデータを入力してベクトルデータを生成する場合、アプリケーションやプリンタドライバ、PDLインタプリタの実装方式により、生成されるベクトルデータの一部に、解像度に依存したデータが含まれる場合がある。従って、低解像度の機器(出力機器)をターゲットにして作成されたベクトルデータだと、解像度に依存した低解像度のデータが含まれている場合がある。この場合は、そのベクトルデータを高解像度の機器(出力機器)で出力したとしても、高品位(高解像度)のプリント出力を得ることはできない。
【0011】
下記に解像度依存ベクトルデータの一例を示す。
【0012】
(直線化処理)
アプリケーションデータやPDLに含まれるベクトルデータに曲線が含まれている場合、直線化処理が適用される。この直線化処理では直線化判定及び直線化処理後の最適化処理で、解像度に依存した処理が行われ、直線化処理後のベクトルデータには解像度依存のデータが含まれることになる。
【0013】
以下に従来の直線化処理の一例を示す。
ベクトルデータに含まれる曲線は、ベジエ3次曲線である場合が多い。図1にベジエ3次曲線の直線化処理の一例を示す。
図1は、ベジエ3次曲線の直線化処理の一例を示すフローチャートである。
【0014】
S101では、入力機器は、対象となるベジエ3次曲線を2つのベジエ3次曲線に分割する。
【0015】
図2のように4つのコントロールポイント,C0,C1,C2,C3で構成される、ベジエ3次曲線は、
【0016】
【数1】

【0017】
として、
【0018】
【数2】

【0019】
で求められる、L0~L3とR0~R3の2つのベジエ3次曲線に分割される。
【0020】
S102では、入力機器は、S101で分割したそれぞれのベジエ3次曲線が直線とみなすことができるか否か判定する。
【0021】
図3のフローチャートに直線化判定アルゴリズムの一例を示す。
図4に示すように直線化判定の対象となるベジエ3次曲線のコントロールポイントをC0,C1,C2,C3とする。そして、C0からC3に向かうベクトルをベクトルd、C0からC1に向かうベクトルをベクトルV1、C3からC2に向かうベクトルをベクトルV2とする。
また、ベクトルV1のベクトルdに対するx成分をV1xとし、y成分をV1yとする。また、ベクトルV2のベクトルdに対するx成分をV2xとし、y成分をV2yとする。
さらに、各ベクトルの大きさを||で表し、例えば|d|はベクトルdの大きさを表す。
【0022】
S201では、入力機器は、|d|と予め指定される平滑度(flatness)(閾値)とを比較し、|d|が平滑度より小さければS202へ進み、|d|が平滑度より大きければS203へ進む。
S202では、入力機器は、|V1|及び|V2|を平滑度と比較し、|V1|及び|V2|が共に平滑度より小さければ直線化判定結果をTRUE、つまり対象のベジエ3次曲線は直線であると判定し終了する。|V1|または|V2|が該平滑度以上の大きさであれば直線化判定結果をFALSE、つまり、対象のベジエ3次曲線は曲線であると判定し終了する。
【0023】
S203では、入力機器は、V1y及びV2yを平滑度と比較する。その結果、V1yまたはV2yが予め決められた平滑度(閾値)よりも大きければ、直線化判定結果をFALSEとして終了し、V1y及びV2yが共に平滑度よりも小さければS204へ進む。
S204では、入力機器は、(V1x−|d|)及び(−V2x−|d|)を計算することで、内部コントロールポイント(C1及びC2)をベクトルdに写像した時、C0及びC3の外側にあるか内側にあるか判断している。内側にある場合には、直線化判定結果をTRUEとし、外側に直線化判定結果をFALSEとして終了する。
本直線化判定アルゴリズムに使用される平滑度は、ラスタライズ時の解像度を意識したものであるべき値であるため、解像度依存の処理となる。
【0024】
S103では、入力機器は、S102で判定した結果に基づき、直線化判定結果がTRUEの場合S104へ進む。一方、直線化判定結果がFALSEの場合には、S105にて直線化判定結果がFALSEのベジエ3次曲線に対し再帰的に本直線化処理を行う。
【0025】
S104では、入力機器は、直線であると判定されたベジエ3次曲線のコントロールポイントC0及びC3を結ぶ直線セグメントとして追加し終了する。
【0026】
直線化処理をした曲線の一例を図5に示す。
【0027】
図5(a)は、直線化処理前のベジエ曲線である。図5(b)は1200dpiをラスタライズのターゲットとして、また図5(c)は600dpiをラスタライズのターゲットとして、直線化処理を施した後のベクトル化データである。図5(b)および(c)から分かるように、ターゲットとする解像度によってベジエ3次元曲線の分割数が異なるため、生成される直線セグメントの数が異なってくる。すなわち、ビットマップデータをベクトル化して生成されたベクトルデータに解像度依存のデータが含まれることになる。
【0028】
(フォント選択処理)
フォントデータは、出力する解像度に応じたデータが用意されている。したがって、フォント選択に際しては、出力ターゲットの機器を意識したデータ選択が行われる。さらに、フォントデータのアウトラインデータには曲線成分が含まれており、フォントのスケーリング処理においても前述の直線化処理が適用される。したがって、テキスト領域に対して直線化処理した後のアウトラインデータは解像度依存のデータとなってしまう。
【0029】
(第2の課題)
また、完全に解像度フリーなベクトルデータ、つまり、すべての解像度でのレンダリングを考慮するベクトルデータを生成する場合、解像度に応じた最適化処理が困難である。最適化処理を行えない場合、ベクトルデータに含まれるオブジェクト数が増大し、データサイズの増大、ラスタライズ時の処理速度の低下を招いてしまう。
【0030】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、ベクトルデータが解像度依存のデータを含むものであったとしても、ネットワーク上のどの機器から出力しても劣化の少ない品位の解像度でベクトルデータを生成することを目的とする。また、ネットワーク上のどの機器から出力しても劣化の少ない品位を保ちながら、ベクトルデータの最適化を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0031】
このような目的を達成するために、本発明は、印刷データを生成する画像処理装置と、該画像処理装置とネットワークを介して接続され、前記印刷データからベクトルデータを生成してスプールすることが可能な画像形成装置とを備える画像形成システムであって、前記画像処理装置は、前記画像処理装置において解像度依存の処理を行う際に用いるデータ処理解像度を取得する手段と、前記印刷データを生成する際に、解像度依存の処理が必要な場合に、前記取得されたデータ処理解像度に基づいて解像度依存の処理を行う手段と、前記取得されたデータ処理解像度に関する解像度情報を前記印刷データに含める手段と、前記解像度情報が含められた印刷データを前記画像形成装置に送信する手段とを有し、前記画像形成装置は、前記印刷データに含められた解像度情報を解析して、前記画像形成装置にて解像度依存の処理を行う際の処理解像度を決定する手段と、前記ベクトルデータを生成する際に、解像度依存の処理が必要な場合に、前記決定された処理解像度に基づいて解像度依存の処理を行う手段とを有することを特徴とする。
【0032】
また、本発明は、印刷データを生成する画像処理装置とネットワークを介して接続され、前記印刷データからベクトルデータを生成してスプールすることが可能な画像形成装置であって、前記画像処理装置から、該画像処理装置において解像度依存の処理を行う際に用いるデータ処理解像度に関する解像度情報を含む前記印刷データを受信する手段と、前記印刷データに含められた解像度情報を解析して、前記画像形成装置にて解像度依存の処理を行う際の処理解像度を決定する手段と、前記ベクトルデータを生成する際に、解像度依存の処理が必要な場合に、前記決定された処理解像度に基づいて解像度依存の処理を行う手段とを備えることを特徴とする。
【0033】
また、本発明は、印刷データからベクトルデータを生成してスプールすることが可能な画像形成装置に接続され、前記印刷データを生成する画像処理装置であって、前記画像処理装置において解像度依存の処理を行う際に用いるデータ処理解像度を取得する手段と、前記印刷データを生成する際に、解像度依存の処理が必要な場合に、前記取得されたデータ処理解像度に基づいて解像度依存の処理を行う手段と、前記取得されたデータ処理解像度に関する解像度情報を前記印刷データに含める手段と、前記解像度情報が含められた印刷データを前記画像形成装置に送信する手段とを備えることを特徴とする。
【0034】
また、本発明は、印刷データを生成する画像処理装置と、該画像処理装置とネットワークを介して接続され、前記印刷データからベクトルデータを生成してスプールすることが可能な画像形成装置とを備える画像形成システムにおける画像処理方法であって、前記画像処理装置において解像度依存の処理を行う際に用いるデータ処理解像度を取得する工程と、前記印刷データを生成する際に、解像度依存の処理が必要な場合に、前記取得されたデータ処理解像度に基づいて解像度依存の処理を行う工程と、前記取得されたデータ処理解像度に関する解像度情報を前記印刷データに含める工程と、前記印刷データに含められた解像度情報を解析して、前記画像形成装置にて解像度依存の処理を行う際の処理解像度を決定する工程と、前記ベクトルデータを生成する際に、解像度依存の処理が必要な場合に、前記決定された処理解像度に基づいて解像度依存の処理を行う工程とを有することを特徴とする。
【0035】
また、本発明は、印刷データを生成する画像処理装置とネットワークを介して接続され、前記印刷データからベクトルデータを生成してスプールすることが可能な画像形成装置における画像処理方法であって、前記画像処理装置から、該画像処理装置において解像度依存の処理を行う際に用いるデータ処理解像度に関する解像度情報を含む前記印刷データを受信する工程と、前記印刷データに含められた解像度情報を解析して、前記画像形成装置にて解像度依存の処理を行う際の処理解像度を決定する工程と、前記ベクトルデータを生成する際に、解像度依存の処理が必要な場合に、前記決定された処理解像度に基づいて解像度依存の処理を行う工程とを有することを特徴とする。
【0036】
また、本発明は、印刷データからベクトルデータを生成してスプールすることが可能な画像形成装置に接続され、前記印刷データを生成する画像処理装置における画像処理方法であって、前記画像処理装置において解像度依存の処理を行う際に用いるデータ処理解像度を取得する工程と、前記印刷データを生成する際に、解像度依存の処理が必要な場合に、前記取得されたデータ処理解像度に基づいて解像度依存の処理を行う工程と、前記取得されたデータ処理解像度に関する解像度情報を前記印刷データに含める工程と、前記解像度情報が含められた印刷データを前記画像形成装置に送信する工程とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、ベクトルデータが解像度依存のデータを含むものであったとしても、ネットワーク上のどの画像形成装置から出力しても劣化の少ない品位の解像度でベクトルデータが生成される。結果として、解像度依存のデータを含むベクトルデータであっても、解像度非依存のベクトルデータと等価の品位を得られる。
【0038】
また、ネットワーク上のどの画像形成装置から出力しても劣化の少ない品位を保ちながら、ベクトルデータの最適化を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下で説明する図面で、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
本発明の一実施形態において重要なことは、ネットワークに接続された入力機器から出力されたベクトルデータに解像度依存のデータが含まれた場合でも、上記ネットワークに接続された出力機器にて劣化を低減して出力することである。上記入力機器としては、例えば、PCや、複合機、プリンタ、スキャナ等の制御部といった画像処理装置が含まれる。また、出力機器としては、例えば、複合機、プリンタ等の画像形成装置が含まれる。
【0040】
このようなシステムの一例を以下に示す。
【0041】
(第1の実施形態)
(システム構成)
図6は、本実施形態に係る画像処理システムの全体構成を示すブロック図である。
図6において、画像処理システムは、LAN10、PC2、1200dpi出力可能なMFP1、600dpi出力可能なMFP3、2400dpi出力可能なSFP5、および9600dpi出力可能なイメージプロッタ6を備えている。これらの各構成は、LAN10を介して互いに接続されている。
以下では、本実施形態に係る画像形成装置の一例として、MFP1の構成を説明する。このMFP1は、ベクトルデータをスプールすることができる。
【0042】
(コントローラユニットの構成)
図7は、本実施形態に係る画像処理システムにおけるMFP1のコントロールユニット(コントローラ)の一構成例を示すブロック図である。図7において、コントロールユニット200は、画像入力デバイスであるスキャナ201や画像出力デバイスであるプリンタエンジン103と接続し、画像データの読み取りやプリント出力のための制御を行う。また、コントロールユニット200は、LAN10や公衆回線204と接続することで、画像情報やデバイス情報をネットワーク経由で入出力するためのコントローラでもある。
【0043】
図7に示すコントロールユニットにおいて、CPU205はシステム全体を制御するための中央処理装置である。RAM206は、CPU205が動作するためのシステムワークメモリであり、入力された画像データを一時記憶するための画像メモリでもある。さらに、ROM207はブートROMであり、システムのブートプログラムが格納されている。HDD208はハードディスクドライブであり、各種処理のためのシステムソフトウェア及び入力された画像データを等格納する。
【0044】
CPU205は、ROM207やHDD208に記憶された、本発明の一実施形態にかかる各制御プログラム等に基づいて接続中の各種デバイスとのアクセスを統括的に制御する。これと共に、コントロールユニット200内部で行われる各種処理や図7に示す各部についても統括的に制御する。
【0045】
さらに、図7において、操作部I/F209は、画像データ等を表示可能な表示画面を有する操作部210に対するインタフェース部であり、当該操作部210に対して画像データを出力する。また、操作部I/F209は、操作部210から操作者(すなわち、本画像処理システムのユーザ)が入力した情報をCPU205に伝える役割をする。操作部210は、所定の指令あるいはデータなどを入力するキーボードあるいは各種スイッチなどを含む入力操作部、および装置の入力・設定状態などをはじめとする種々の表示を行う表示部とを有している。さらに、ネットワークインタフェース211は、例えばLANカードで実現され、LAN10に接続して外部装置との間で情報の入出力を行う。さらにまた、モデム212は公衆回線204に接続し、外部装置との間で情報の入出力を行う。
本実施形態に係るコントロールユニット200では、以上のデバイスがシステムバス213上に配置されている。
【0046】
次に、イメージバスI/F214は、システムバス213と画像データを高速で転送する画像バス215とを接続するためのインタフェースであり、データ構造を変換するバスブリッジである。画像バス215は、PCIバス又はIEEE1394で構成すれば良い。そして、画像バス215上には、後述するRIP216、デバイスI/F217、スキャナ画像処理部218、プリンタ画像処理部219、画像編集用画像処理部220、カラーマネージメントモジュール(CMM)230といったデバイスが接続される。
【0047】
ラスターイメージプロセッサ(RIP)216は、PDLコードや後述するベクトルデータをイメージに展開するものである。デバイスI/F部217は、スキャナ201やプリンタエンジン202とコントロール200とを接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。
【0048】
また、スキャナ画像処理部218は、入力画像データに対して、補正、加工、編集等の各種処理を行う。プリンタ画像処理部219は、プリント出力画像データに対して、プリンタの補正、解像度変換等の処理を行う。画像編集用画像処理220は、画像データの回転や、画像データの圧縮伸長処理等の各種画像処理を行う。さらに、CMM230は、画像データに対して、プロファイルやキャリブレーションデータに基づいた、色変換処理を施す専用ハードウェアモジュールである。
【0049】
なお、MFP3、MFP4も同様の構成を備え、SFP5,イメージプロッタ6は、スキャナ201及びスキャナ画像処理部218を除いた図7と同様の構成を備える。
【0050】
(コントローラソフトウェア構成)
図8は、MFP1の動作を制御するコントローラソフトウェアの構成を示すブロック図である。
プリンタインターフェイス1200は、外部との入出力のための手段である。プロトコル制御部1101は、ネットワークプロトコルを解析・送信することによって外部との通信を行う手段である。
ベクタデータ生成部1102は、ビットマップイメージから解像度に依存しない描画記述であるベクタデータを生成(ベクタライズ)するものである。
メタデータ生成部1103はベクタライズの過程で得られる副次情報をメタデータとして生成するものである。メタデータとは描画処理には必要のない検索用の付加的なデータである。
【0051】
PDL解析部1104は、PDLを解析し、より処理しやすい形式の中間コード(DisplayList)に変換する手段である。PDL解析部1104は、ベジエ曲線の直線処理やフォントスケーリング等、解像度依存の処理を行うことができ、本実施形態ではPDL解析部1104は、19200dpiまで対応可能であるとする。PDL解析部1104において生成された中間コードはデータ描画部1105に渡されて処理される。データ描画部1105は上記中間コードをビットマップデータに展開するものであり、展開されたビットマップデータはページメモリ1106に逐次描画されて行く。
【0052】
ページメモリ1106はレンダラが展開するビットマップデータを一次的に保持する揮発性のメモリである。ページメモリ1106は外部機器からの機器情報の問い合わせに応答するための、機器情報を保持するMIB(Management Information Base)としても機能する。管理データベースであるMIBには、MFP1の解像度情報(出力解像度に関する情報)が含まれる。
【0053】
パネル入出力制御部1020は操作パネルからの入出力を制御するものである。
ドキュメント記憶部1030は入力文書の一塊(ジョブ)単位に、生成されたベクタデータ、DisplayList、メタデータを、1つのデータファイルとして記憶する手段であり、ハードディスク等の二次記憶装置によって実現される。なお、このデータファイルを本実施形態では「ドキュメント(またはDocument)」と呼ぶこととする。
【0054】
スキャン制御部1500はスキャナから入力した画像データに対して、補正、加工、編集などの各種処理を行う。
【0055】
印刷制御部1300は、ページメモリ1106の内容をビデオ信号に変換処理し、プリンタエンジン部1400へ画像転送を行なう。プリンタエンジン部1400は受け取ったビデオ信号を記録紙に永久可視画像形成するための印刷機構部である。
【0056】
(解像度情報取得処理)
ここで、MFP1の起動時に行われる、解像度情報を取得する処理を説明する。
MFP1は起動すると、LAN10に接続されている画像形成装置としての各外部機器(MFP3、MFP4、SFP5、イメージプロッタ6)に対して、SNMPプロトコルで機器情報の問い合わせを行う。問い合わせを受けた、LAN10上の各機器は、各機器の保持するMIB情報をMFP1に通知する。
機器情報には各機器の解像度情報(出力解像度情報)が含まれている。従って、MFP1は受信した各機器の出力解像度情報をRAM206上に保持する。
【0057】
なお、本実施形態では外部機器の出力解像度情報を起動時に取得するとしているが、起動後定期に取得するようにしても良い。また、新たな外部機器がLAN10に接続されたことを検知したときに取得するようにしても良い。
【0058】
(スプール時解像度設定処理)
ここで、本実施形態に係るMFP1のボックス仕様設定のうち、「ユーザ設定値優先」の設定及び、「スプール時解像度」の設定について、図22及び図23を参照して説明する。
【0059】
図22の符号2201はボックス仕様設定のうち「ユーザ設定値優先」設定時に、操作部210の表示部に表示される設定画面の一例である。ユーザは画面2201で、操作部210を介してボタン2202あるいはボタン2203を押すことにより、「ユーザ設定値優先」の“ON”、“OFF”を設定可能である。
【0060】
なお、「スプール時解像度」とは、画像処理装置から受信した印刷データを画像形成装置にてスプールする場合において、上記画像処理装置での解像度に対する画像処理装置からの指定が無い場合に、画像形成装置にて処理解像度として設定される解像度を指す。この解像度の指定が無い場合としては、例えば、後述するプルダウンメニュー2105にて“自動”が選択された場合等である。このスプール時解像度は、他の機器から入力された印刷データをスプールして解像度依存の処理を行う場合に用いられるものであり、後述のように、プリント・スプールのために自動的に設定されたり、ユーザ設定される。従って、スプール時解像度は、出力解像度と一致していなくても良い。
【0061】
また、「処理解像度」とは、上記ボックススプールや通常印刷を行う場合において、画像形成装置にて行う解像度依存処理(例えば、直線化処理等)にて用いられる解像度を指す。
【0062】
さらに、上記「出力解像度」とは、出力機器において通常用いられる解像度であって、それぞれの出力機器に設定されている解像度を指す。従って、出力解像度は、その機器が可能な最大の解像度であるとは限らない。
【0063】
図23の符号2300はボックス仕様設定のうち「スプール時解像度」設定時に、操作部210の表示部に表示される設定画面の一例である。ユーザは画面2301で、操作部210を介してボタン2301~2306を押すことにより、「スプール時解像度」を設定可能である。例えばユーザが操作部210を介してボタン2303を押すと、MFP1は、該ユーザ入力を受け付けて、「スプール時解像度」を1200dpiに設定するる。また、ユーザは操作部210を介してボタン2301を押すことにより「スプール時解像度」を“自動”に設定可能である。すなわち、MFP1は、ユーザが操作部210を介してスプール解像度に関する情報を入力すると、該ユーザ入力に従って、スプール解像度を設定する。
【0064】
「スプール時解像度」設定時に選択できる解像度を、「ユーザ設定優先」設定に依存させることができる。「ユーザ設定優先」設定が“ON”である場合、PDL解析処理部1104の対応可能なすべての解像度が表示され選択可能である。本実施形態のMFP1では600dpiから19200dpiまでの解像度が選択可能となる。すなわち、図6からも分かるように、MFP1の出力解像度は1200dpiであるので、MFP1の出力解像度以上の解像度が入力可能である。
【0065】
一方で「ユーザ設定優先」設定が“OFF”である場合は、上述の、解像度情報取得処理で取得した、LAN10上の各機器の解像度のうち最大の解像度まで選択可能である。本実施形態の図6システム構成の場合、入力可能な解像度として、イメージプロッタ6の解像度である9600dpiまでの解像度が設定可能である。ここで、RAM206にはネットワーク接続された画像形成装置の全ての解像度情報が保持されている。よって、MFP1は、RAM206に保持された各機器の解像度情報から最大の解像度を抽出し、スプール解像度として入力可能な解像度を、上記抽出された最大解像度に制限することになる。
【0066】
従って、「ユーザ設定優先」設定が“ON”の場合は、ネットワークに接続されている機器にかかわらず、MFP1の処理可能な最大解像度まで設定可能であるが、“OFF”の場合には、ネットワーク上の機器の最大の出力解像度に制限される。
【0067】
(PCソフトウェア構成)
PC(Personal Computer)2は、PC全体を制御するための中央処理装置であるCPUを備えている。また、PC2は、PC2のCPUが動作するためのシステムワークメモリであり、入力された画像データを一時記憶するための画像メモリでもあるRAM、およびシステムのブートプログラムが格納されているROMを備えている。さらに、PC2は、ハードディスクであって、各種処理のためのシステムソフトウェア及び入力された画像データを等格納するハードディスクを備えている。またPC2は、所定の指令あるいはデータなどを入力するキーボードあるいは各種スイッチなどを含む入力操作部、および装置の入力・設定状態などをはじめとする種々の表示を行う表示部とを備えている。
【0068】
図19は本発明におけるPC2上のソフトウェアモジュールの構成図である。
符号1901はPC2上で動作するアプリケーションプロラムであり、アプリケーションプログラムから印刷を行う場合、PC2は、プリンタドライバ1902を起動する。プリンタドライバ1902は、アプリケーションプログラムの生成するデータに各種フィルタ処理を施した後、印刷データ(例えば、PDLデータ)を生成し、印刷データを印刷データスプーラ1903にスプールする。なお、プリンタドライバ1902は内部に高解像度フォント1905および低解像度フォント1906を保持しており、印刷データ生成時に適切なフォントを選択する。スプールされた印刷データは、データ出力部1904を介して、ユーザの指定する印刷機器(画像形成装置)に送信される。
なお、データ入出力部1904は、印刷データの送信だけでなく、プリンタから通知されてきた情報を受けてプリンタドライバ1904に通知する。
【0069】
(ドライバの動作)
ここで、図20のフローチャートを参照して、アプリケーションプログラム1901から、MFP1を指定して印刷指定を行った時に起動されるプリンタドライバ1902の動作を説明する。
【0070】
プリンタドライバ1902は起動されると、PC2の表示部に印刷設定画面の表示(S2001)を行う。ユーザは印刷設定画面より、出力用紙サイズや出力部数などの各種印刷設定を行うことができる。また、ユーザは、印刷設定画面上で、印刷設定だけでなくボックススプールの指定を行うことが可能である。ボックススプール指定時にはプリンタドライバ1902は、PC2の表示部に図21に例示される画面を表示する。なお、ボックススプールとは、プリンタドライバで生成した印刷データを、MFPのボックス(HDDなどの記憶装置)に保存(スプール)させておき、MFPが備える操作画面をユーザが操作し、該ボックスに保存されているデータを印刷出力させる機能である。
【0071】
図21の符号2101はボックススプール指定時にPC2の表示部に表示される、保存先等の情報を設定する画面の一例である。
符号2102の領域では、スプールするデータのファイル名を指定する。
符号2103の領域では、ボックススプール時に生成する印刷データ作成時の解像度を指定する。解像度指定はボタン2104のクリック時に表示されるプルダウンメニュー2105から選択可能である。プルダウンメニュー2105上、“自動”を選択した場合、MFP1で設定されているスプール時解像度を使用することを意味する。また、プルダウンメニュー2105に表示される、解像度の候補を、MFP1で設定されている「ユーザ設定値優先」設定に依存させることができる。「ユーザ設定値優先」の設定が“ON”であれば、アプリケーション1901またはドライバ1902が処理可能な最大解像度(例えば、36800dpi)まで表示する。また、「ユーザ設定値優先」の設定が“OFF”であれば、MFP1の上述の、解像度情報取得処理で取得した、LAN10上の各機器の解像度のうち最大の解像度までを表示する。なお、MFP1の、スプール時解像度、「ユーザ設定値優先」の設定値、及び上記解像度情報取得処理で取得している最大解像度等は、MFP1に問い合わせることで取得可能である。あるいは、上記最大解像度を取得する際に、PC2が各機器に出力解像度を直接問い合わせ、該問い合わせ結果から抽出するようにしても良い。
符号2106の領域はスプールするボックス番号を指定する領域である。
【0072】
S2001において、ボックススプールを設定する場合は、プリンタドライバ1902は、図21に示す表示画面にて取得したユーザ入力に基づいて、ボックススプール時の印刷データ作成時の解像度を取得する。
【0073】
ユーザが印刷設定画面での印刷設定終了後にPC2の入力操作部を介して印刷指示を行うと、S2002で、プリンタドライバ1902は、ボックススプールが指定されているか、通常印刷であるのかを判定する。ボックススプールが指定されている場合、S2003で、プリンタドライバ1902は、データ処理解像度を、S2001にてユーザにより設定された解像度に設定する。
【0074】
例えば、S2001において、プルダウンメニュー2105上で“自動”が選択されている場合、MFP1にて設定されたスプール時解像度をデータ処理解像度として設定する。また、プルダウンメニュー2105上で具体的な解像度が指定されている場合は、該具体的に指定された解像度をデータ処理解像度に設定する。
【0075】
さて、上記“自動”が選択される場合は、データ処理解像度を、MFP1に問い合わせて取得したスプール時解像度とするわけだが、図23に示すように、スプール時解像度も、“自動”で設定される場合と、具体的な解像度が設定される場合とがある。
【0076】
スプール時解像度が自動で設定される場合、後述するように、スプール時解像度は、上述の解像度情報取得処理で取得した、LAN10上の各機器の出力解像度のうち最大の解像度となり、データ処理解像度も該最大の解像度となる。本実施形態では、画像処理装置におけるベクトルデータ生成の段階で、出力対象となる可能性のある、ネットワークに接続された全ての画像形成装置の出力解像度のうち最大の解像度を用いて解像度依存の処理を行っている。すなわち、画像処理装置(PC2等)において、出力の可能性のある画像形成装置のうち最も大きな出力解像度に対応するようにデータ処理解像度を決定している。よって、印刷データを作成する段階において、上記出力の可能性のある画像形成装置の全てにおいて、印刷データを作成するのに用いた解像度を、画像形成装置にて用いる解像度以上とすることができ、劣化が低減されたベクトルデータを生成することができる。
【0077】
また、スプール時設定として具体的な解像度が設定されている場合、データ処理解像度が該具体的な解像度となる。よって、本実施形態の場合、MFP1にてスプール時解像度として具体的な数値として設定された解像度を用いて、PC2における解像度依存の処理を行うことができる。従って、印刷データを作成する段階において、出力対象の画像形成装置であるMFP1において、印刷データを作成するのに用いた解像度を、MFP1の処理解像度と一致させることができ、劣化が低減されたベクトルデータを生成することができる。
【0078】
S2002で、通常印刷が指定されている場合は、S2004で、プリンタドライバ1902は、データ処理解像度をMFP1の出力解像度、すなわち1200dpiに設定する。なお、S2002で通常印刷が設定されていると判定される場合は、プリンタドライバ1902は、印刷指定されたMFP1に対してMFP1の出力解像度を問い合わせることによって、該出力解像度を取得すれば良い。本実施形態において、PC2がMFP1等のネットワークに接続された機器(画像形成装置)の出力解像度を取得する方法は本質ではなく、所定の動作の際にPC2が上記出力解像度を保持していることが重要である。よって、PC2が各機器に問い合わせたり、ユーザが操作入力部を介して入力したりする等、ネットワークに接続されたMFP1等の他の機器の出力解像度の取得タイミング、取得方法はいずれの方法を用いても良い。
【0079】
S2005では、プリンタドライバ1902は、アプリケーションプログラム1901に、S2003またはS2004にて設定されたデータ処理解像度を通知する。アプリケーションプログラム1901では、直線化処理等の解像度依存の処理を行う場合に、通知されたデータ処理解像度を利用して、印刷に必要なデータ生成を行う。アプリケーションプログラム1901は、ビットマップデータを解像度非依存のベクトルデータ(ベクタデータ)に変換することができる。
【0080】
なお、本明細書において、「データ処理解像度」とは、入力機器となる装置において用いられる解像度を指す。上記説明では、PC2が入力機器であるので、PC2の各データ処理において用いられる解像度が、データ処理解像度となる。
S2006では、プリンタドライバ1902は、アプリケーションプログラム1901で生成されたデータに、各種フィルタ処理を施し印刷データ(PDLデータ)の生成を行う。
なお、ここでアプリケーションプログラム1902が、ベクトルデータ(ベクタデータ)としてのベジエ曲線を生成した時には、データ処理解像度を利用した直線化処理(解像度依存の処理)が行われる。
【0081】
また、文字データの印刷を指定するデータを指定したときには、データ処理解像度を参照し適切な高解像度フォントまたは低解像度フォントのうち、適切なフォントデータを選択し印刷データに組み込む。また、印刷データ生成時には属性情報としてデータ処理解像度を記載しておく。すなわち、プリンタドライバ1902は、解像度依存の処理を行う場合に、上記生成された印刷データに、設定されたデータ処理解像度に関する解像度情報を含める処理を行う。よって、後述するように、該印刷データを受信したMFP1は、印刷データに含まれる上記解像度情報を解析することにより、送信元のデータ処理解像度を認識することができる。
【0082】
なお、上記設定されたデータ処理解像度に関する解像度情報には、プルダウンメニュー2105にて“自動”が選択されデータ処理解像度としてスプール時解像度が設定された場合は“自動”を選択したことを示す情報を含める。また、プルダウンメニュー2105にて具体的な解像度が選択されデータ処理解像度として該具体的な解像度が設定された場合は、該解像度を示す情報を含める。
【0083】
このように、プリンタドライバ1902は、印刷データ生成時、解像度依存のデータが生成される可能性のある解像度依存の処理(例えば、直線化処理等)を行う場合、設定されたデータ処理解像度に基づいて上記解像度依存の処理を行って印刷データを生成する。
【0084】
S2007では、プリンタドライバ1902は、S2006にて生成された印刷データ(PDLデータ)を印刷データスプーラ1903にスプールする。
S2008では、プリンタドライバ1902は、データスプーラ1903にスプールされた印刷データをデータ出力部1904を介して、順次MFP1に送信し終了する。
【0085】
(コントローラユニットのデータ処理)
次に、MFP1でドキュメントを構成するベクタデータ、DL、メタデータがどのように生成されるのかを説明する。
図9、図10、図11は本実施形態におけるコントロールユニットのデータフローを示している。
【0086】
図9はコピー動作時のデータフローである。
まず原稿露光部にセットされた紙原稿はスキャン処理d1によってビットマップデータに変換される。次にベクタライズ処理d2とメタデータ生成処理d4によってビットマップデータからそれぞれ解像度に依存しないベクタデータとそれに付随するメタデータが生成される。ベクタデータ、メタデータの具体な生成方法については後述する。
【0087】
次にドキュメント生成処理d3によってベクタデータとメタデータが関連付けられたドキュメントが生成される。次にDL生成処理d5によりドキュメント中のベクタデータからDLが生成され、生成されたDLはドキュメントの中に格納されると共にレンダリング処理d7に送られてビットマップに展開される。
【0088】
展開されたビットマップは印刷処理d8によって紙媒体に記録されて印刷物となる。なお、出力された印刷物をまた原稿露光部にセットすればスキャンd1処理からの処理を行うことができる。
【0089】
図10は図9で示したメタデータ生成処理d4の具体的なデータフローを示している。 まず領域分割処理d1にてビットマップから領域分割を行う。
領域分割とは、入力されたビットマップ画像データを解析して、画像に含まれるオブジェクトの塊毎に領域に分割し、各領域の属性を判定して分類する処理である。属性としては、文字(TEXT)、画像(PHOTO)、線(LINE)、図形(PICTURE)、表(TABLE)等の種類がある。
【0090】
ここで図12に、入力画像に対して領域分割を行った場合の一例を示す。入力画像51に対して領域分割を行った結果が判定結果52である。判定結果52で、点線で囲った部分が画像を解析した結果のオブジェクトの1単位を表し、各オブジェクトに対して付されている属性の種類が領域分割の判定結果である。
属性毎に分類された領域の中から文字属性の領域はOCR処理d2により文字認識処理され、文字列に変換される。つまり、この文字列は紙面に印字されている文字列である。
【0091】
一方、属性毎に分類された領域の中から画像属性の領域は画像情報抽出処理d3を通して画像情報に変換される。画像情報とは画像の特徴を現す文字列であり例えば「花」や「顔」といった文字列である。画像情報の抽出には画像特徴量(画像を構成するピクセルの周波数や濃度など)検出や顔認識などの一般的な画像処理技術を用いることができる。
生成された文字列と画像情報はフォーマット変換処理d4によって後述するデータフォーマットに整えられてメタデータが生成される。
【0092】
図11はPDL(Page Description Language)プリント・スプール時のデータフローである。PDLプリント・スプールとはPC上のアプリケーションソフトやプリンタドライバの生成したページ記述言語(PDL)を受け取って、印刷出力またはボックススプールする、動作のことである。印刷またはボックススプールの指定は、図20に示すように、PDLデータ生成時にアプリケーションまたはプリンタドライバで行うことができる。
【0093】
まず受信したPDLデータはPDLデータ解析処理d1によって解析され、ベクタデータが生成される。ベクタデータは最適化処理d7によって最適化される。
次にDL生成処理d2により最適化されたベクタデータからDLが生成され、生成されたDLはドキュメントの中に格納されると共にレンダリング処理d3に送られてビットマップに展開される。プリンタドライバから印刷出力が指定されている場合、展開されたビットマップは印刷処理d4によって紙媒体に記録されて印刷物となる。
【0094】
一方、プリンタドライバからボックススプールが指示されている場合、最適化されたベクタデータ、DLはドキュメント生成処理d6によってドキュメントに格納される。
さらに、レンダリング処理d3が生成したビットマップからは図10で説明したメタデータ生成処理d5により、コピー動作時と同様に文字列や画像情報がメタデータとして生成され、ドキュメントに格納される。
また、PDLにはLIPS(LBP Image Processing System(商標))やPS(PostScript(商標))など様々な種類が存在するが、PDLによっては文字列情報を持っているものもある。この場合はPDL解析時に文字列からメタデータが生成され、ドキュメントに格納される。
【0095】
次に、ドキュメント生成処理と印刷処理についてフローチャートを用いて説明する。
図13は、本実施形態にかかるドキュメント生成処理を示している。この処理は、MFP1における、ビットマップデータを受けてベクタデータ、DL、メタデータで構成されるドキュメントを生成する処理である。
【0096】
まずS1301で、MFP1は、取得したビットマップデータに対して前述した領域分割処理を行う。次に領域の種別(属性)をS1302において、MFP1は、S1301にて便利された領域をTEXT,GRAPHIC,IMAGEに分類し、それぞれに対して別々の処理を行う。図12では属性をTEXT,PHOTO,LINE,PICTURE,TABLEに分類した例を示したが、図12の属性はPHOTO,PICUREはIMAGEに、LINE,TABLEはGRAPHICに分類される。
【0097】
領域属性がTEXTの場合は、MFP1は、S1303に進んでOCR処理を行った後、S1304において文字列の抽出を行う。その後、S1305において文字列をメタデータに変換し、S1306に進んで認識した文字輪郭をベクトル化してベクタデータ(ベクトルデータ)に変換する。
【0098】
ここで、もう少し説明を加えておく。
文字列から生成されるメタデータは文字コードの羅列であるが、文字コードの羅列はキーワード検索に必要な情報である。
しかし、OCR処理では文字コードは認識できても「明朝」「ゴシック」といった書体や「10pt」「12pt」といった文字のサイズ、「イタリック」「ボールド」といった文字修飾までは認識できない。したがって描画用には文字コードを用いるのではなく文字輪郭をベクタデータとして保持する必要がある。
【0099】
一方、S1302において領域属性がIMAGEである場合は、MFP1は、S1307に進んで画像情報抽出処理を行う。
S1307では前述したように、MFP1は、画像特徴量検出や顔認識などの一般的な画像処理技術を用いて画像の特徴を検知する。次にS1308に進んで、MFP1は、検知した画像の特長を文字列に変換する。この変換は特徴パラメータと文字列のテーブルを保持しておけば容易である。
その後、S1309においてMFP1は、S1308にて変換された文字列をメタデータへ変換する。
IMAGEの領域属性に対してはベクトル化を行わず、イメージデータをそのままベクタデータに保持する。
【0100】
S1302において領域属性がGRAPHICである場合は、MFP1は、S1310に進んでベクトル化処理を行う。
【0101】
図14はMFP1におけるドキュメント印刷処理を示している。この処理は生成されたドキュメントを印刷出力する処理である。外部機器から、通知されるドキュメントデータを印刷する場合もある。
【0102】
まずS1401でMFP1は、印刷データとしてのドキュメントデータを取得し、S1402においてドキュメント中のベクタデータからDLを生成する。次にS1403において、MFP1は、生成したDLをドキュメントに追加し、S1404でDLをビットマップにレンダリングする。最後にS1405において、MFP1は、紙媒体への印刷処理を行うと処理を終了する。
【0103】
図15はPDLからのドキュメント生成・印刷処理を示している。この処理は、PC2から送信されたPDLデータ(印刷データ)を受けて、ベクトルデータをスプール可能なMFP1がドキュメントを生成、印刷出力する処理である。すなわち、MFP1は、PC2からデータ処理解像度に関する解像度情報を含む印刷データを受信すると、以下に示す処理を行う。
【0104】
まずS1501では、MFP1は、PC2から入力された印刷データとしてのPDLデータを解析し、該PDLデータがボックススプールジョブか印刷ジョブかを判断し、ボックススプールジョブであればS1502へ、印刷ジョブであればS1518へ進む。
S1502では、MFP1は、上記PDLデータを解析し、データ処理解像度に関する解像度情報に、具体的な解像度を示す情報が含まれているか、あるいは“自動”を選択したことを示す情報が含まれているか否かを判断する。すなわち、PDLデータにデータ処理解像度に関する具体的な解像度を示す情報が含まれているか確認することで、プリンタドライバ1902でデータ処理解像度が設定されているか否かを判断する。データ処理解像度が設定されている、すなわち、具体的な解像度を示す情報が含まれていれば、S1503へ、設定されていない、すなわち、“自動”を選択したことを示す情報が含まれていればS1504へ進む。
【0105】
S1503では、MFP1は、MFP1において解像度依存処理を行う際に用いられる解像度である処理解像度を、PDLデータに含まれるデータ処理解像度に設定する。よって、上記PDLデータを作成する際に、該PDLデータの作成元であるPC2における解像度依存の処理時に用いた解像度にて、MFP1における解像度依存の処理を行うことができる。
【0106】
S1504では、S1502にて処理解像度をスプール時解像度とすると判断されたので、MFP1は、図23にてユーザによって設定された、ボックス使用設定の「スプール時解像度」設定を確認し、「スプール時解像度」設定が“自動”であるか否かを判断する。判断結果、「スプール解像度」設定が“自動”であれば、S1505へ進み、「スプール時解像度」設定が自動でなければS1506へ進む。
【0107】
S1505では、MFP1は、処理解像度を、解像度情報取得処理で取得した、LAN10上の各機器の出力解像度のうち最大の解像度に設定する。
S1506では、MFP1は、処理解像度を「スプール時解像度」に設定されている具体的な解像度に設定する。
【0108】
S1507では、MFP1は、上記PDLデータを解析する。S1508において、MFP1は、PDFデータ中にメタデータが含有されているか否かを判断し、解析中に文字列情報などのメタデータがPDLデータに包含されていたらS1509に進んでPDLの情報をメタデータに追加する。また、PDLデータ解析では、解析中にベジエ曲線データがあると、処理解像度を参照して直線化処理を行う。また、PDLデータの文字処理で内蔵フォントが指定されている場合は、解像度情報を利用して、高解像度フォントまたは低解像度フォントの選択を行う。また、フォントのスケーリング処理においても解像度情報が参照される。
【0109】
一方、S1510において、MFP1は、S1507での解析結果において文字列情報などのメタデータ以外のデータについて、ベクトルデータ(ベクタデータ)に変換する。本実施形態では、PC2で作成されたベクトルデータを、MFP1の形式のベクトルデータに変換するわけだが、PC2からの印刷データに解像度依存のデータが含まれていても、MFP1は該データを品位の劣化を低減した解像度で処理することができる。
【0110】
S1511では、MFP1は、後述するベクタデータの最適化処理を行う。S1512では、MFP1は、上記最適化されたベクタデータをドキュメントに変換する。
次にS1513において、MFP1は、DLを生成し、S1514に進んで生成したDLをドキュメントに追加する。
さらに、MFP1は、S1515でDLをレンダリングしてビットマップの生成を行い、S1516で生成されたビットマップからメタデータを生成して、S1517でメタデータをドキュメントに追加する。
S1525では、MFP1は、処理解像度をメタデータに追加する。
ここまでのフローでドキュメントが生成され、指定ボックスにスプールされる。
【0111】
一方、PDLデータが印刷ジョブであった場合、S1518では、MFP1は、処理解像度をMFP1の出力解像度に設定しS1519へ進む。
S1519では、MFP1は、PDLデータを解析する。PDLデータ解析では、解析中にベジエ曲線データがあると、処理解像度を参照して直線化処理を行う。また、PDLデータの文字処理で内蔵フォントが指定されている場合は、解像度情報を利用して、高解像度フォントまたは低解像度フォントの選択を行う。また、フォントのスケーリング処理においても解像度情報が参照される。
【0112】
一方、S1520では、MFP1は、PDLデータ解析結果である描画オブジェクトをベクタデータに変換する。
S1521では、MFP1は、後述するベクタデータの最適化処理を行う。S1522では、MFP1は、上記最適化されたベクタデータをドキュメントに変換する。
次にS1523において、MFP1は、DLを生成し、S1524でDLをレンダリングしてビットマップの生成を行う。
S1524で、MFP1は、生成されたビットマップを、紙媒体に印刷し、PDLの印刷処理を終了する。
【0113】
図24はS1511及びS1522のベクタデータの最適化処理の一例を示している。
本最適化処理はベクタデータのオブジェクト毎に処理が行われる。処理対象のオブジェクトが前面オブジェクトとなる。
【0114】
S2401で、MFP1は、対象であるベクタデータの描画オブジェクトを処理解像度空間に変換した後、バウンディングボックスの算出を行う。
続いて、S2402では、MFP1は、前面オブジェクトのバウンディングボックスと背面オブジェクトのバウンディングボックスを比較し完全にオーバラップする背面オブジェクトの有無を確認する。ここで、完全オーバラップは完全一致を含む。完全オーバラップする背面オブジェクトがある場合にはS2403へ進み、完全オーバラップする背面オブジェクトがない場合は終了する。
【0115】
S2403では、MFP1は、前面オブジェクトが矩形であるか否か確認し、矩形である場合にはS2404へ進み、背面オブジェクトの削除を行う。ここで、前面オブジェクトが矩形である場合は、バウンディングボックスと、描画オブジェクトが完全に一致するので、背面オブジェクトは前面オブジェクトに完全に覆い隠されている。
【0116】
一方、前面オブジェクトが矩形でない場合にはS2405で、MFP1は、前面オブジェクトのバウンディングボックス領域を処理解像度でレンダリング処理する。次いで、S2406にて、MFP1は、レンダリング結果に背面オブジェクトの一部が描画されているか否か確認する。
【0117】
レンダリング結果に背面オブジェクトが描画されていない場合には、S2404で、MFP1は、背面オブジェクトを削除し終了する。一方、背面オブジェクトが描画されている場合は、そのまま最適化処理を終了する。
【0118】
図25(a)〜(c)に本最適化処理の一例を示す。
図25(a)は、最適化対象のベクタデータである。ベクタデータの描画オブジェクトとして符号2501及び符号2502の2つのオブジェクトがある。図25(b)は処理解像度が600dpi時、図25(c)は処理解像度が2400dpi時の例である。符号2503、符号2504はそれぞれの処理解像度のピクセル境界を表している。符号2505、符号2506はそれぞれ、描画オブジェクト2501及び2502の600dpi空間のバウンディングボックスである。図25(b)の例ではバウンディングボックスが完全に一致し、矩形であるため描画オブジェクト2502は削除される。一方、符号2507、符号2508は2400dpi空間のバウンディングボックスである。図25(c)の例では、それぞれのバウンディングボックスはオーバラップしないので描画オブジェクトが削除されることはない。
【0119】
(ドキュメントデータ構造)
次に、ドキュメントの構造を説明する。
図16、図17、図18は、本実施形態に係るドキュメントの構造を示している。
【0120】
図16は本実施形態に係るドキュメントのデータ構造を示す図である。
ドキュメントは複数ページからなるデータであり、大きく分けるとベクタデータ(a)、メタデータ(b)、DL(c)、で構成されており、ドキュメントヘッダ(x1)を先頭とする階層構造である。ベクタデータ(a)はさらに、ページヘッダ(x2)、サマリ情報(x3)、オブジェクト(x5)で構成されており、メタデータ(b)はさらにページ情報(x5)と詳細情報(x6)で構成されている。DL(c)はさらに、ページヘッダ(x7)と描画展開用のインストラクション(x8)から構成されている。ドキュメントヘッダ(x1)にはベクタデータの格納場所とDLの格納場所が記述されているためベクタデータとDLはドキュメントヘッダ(x1)によって関連付けられている。
【0121】
ベクタデータ(a)は解像度非依存な描画データであるので、ページヘッダ(x2)はページの大きさや向きなどのレイアウト情報が記述される。オブジェクト(x4)にはライン、多角形、ベジェ曲線などの描画データが一つずつリンクされており、複数のオブジェクトがまとめてサマリ情報(x3)に関連付けられている。サマリ情報(x3)は複数のオブジェクトの特徴をまとめて表現するものであり、図12で説明した分割領域の属性情報などが記述される。
【0122】
メタデータ(b)は描画処理には関係しない検索用の付加情報である。ページ情報(x5)領域には、例えばメタデータがビットマップデータから生成されたものなのか、PDLデータから生成されたものなのか、どの解像度で作成されたのか、などのページ情報が含まれる。また、詳細情報(x6)にはOCR情報や画像情報として生成された文字列(文字コード列)が記述される。
また、ベクタデータ(a)のサマリ情報(x3)からはメタデータが参照されており、サマリ情報(x3)から詳細情報(x6)を見つけることができる。
DL(c)はレンダラがビットマップ展開するための中間コードである。ページヘッダ(x7)にはページ内の描画情報(インストラクション)の管理テーブルなどが記述され、インストラクション(x8)は解像度依存な描画情報で構成されている。
【0123】
図18は、本実施形態に係るドキュメントデータの具体例を示す図である。
1ページ目のサマリ情報に「TEXT」と「IMAGE」を持っている。「TEXT」のサマリ情報にはH,e,l,l,o(オブジェクトt1)とW,o,r,l,d(オブジェクトt2)の文字輪郭がベクタデータとしてリンクされている。
【0124】
さらにサマリ情報からは「Hello」「World」という文字コード列(メタデータmt)が参照されている。
また、「IMAGE」のサマリ情報には蝶の写真画像(JPEG)がリンクされている。
さらにサマリ情報からは「butterfly」という画像情報(メタデータmi)が参照されている。
【0125】
したがって、例えば「World」というキーワードでページ中のテキストを検索する場合は以下の手順で検出すればよい。まずドキュメントヘッダからベクタページデータを順次取得し、ページヘッダにリンクされているサマリ情報から「TEXT」にリンクされているメタデータを検索する。
【0126】
図17は、図16で説明したデータ構造がメモリ上、ファイル上にどう配置されるのかを示す図である。
17−1で示すようにドキュメントはベクタデータ領域、メタデータ領域、DL領域がメモリ上の任意のアドレスに配置される。
17−2で示すようにドキュメントはベクタデータ領域、メタデータ領域、DL領域が、一つのファイルにシリアライズされる。
【0127】
(ドキュメント情報の表示)
図26の符号2601は、ボックススプールされたドキュメントデータの詳細を表示する画面の一例である。
ユーザは操作部210を操作しボックス内のドキュメントを選択することで、本ドキュメントデータの詳細情報を操作部210に表示することができる。この画面では、ドキュメントの受けつけ番号(ID)、受付時刻、文書名、文書の種類、ユーザ名、ページ数、スプール時の処理解像度を表示している。
【0128】
受付番号は、ドキュメントが生成されたときに一意に振られるIDであり、メタデータ内に情報を持っている。受付時刻はドキュメントの生成された時刻であり、ファイルとして保存されているドキュメントの生成時刻から取得できる。文書名は、ファイルとして保存されているドキュメントのファイル名である。文書の種類は、ドキュメントデータがスキャンデータ(ビットマップデータ)から生成されたものであるのか、PDLデータから生成されたものであるのかの情報を示している。PDLデータから生成される場合、さらにPDLデータがどのアプリケーションから生成されたのかの情報も表示する。これらの情報は、メタデータに含まれている。
ページ数はドキュメントに含まれるページ数である。
【0129】
スプール時指定解像度は、ドキュメントに含まれるベクトルデータ生成時に使用された処理解像度の情報である。このように、MFP1は、図15のステップS1503やS1504で設定された処理解像度をスプール時指定解像度として、MFP1にて生成されたベクトルデータと関連付けて保存する。そして、MFP1は、操作部210に、所定のベクトルデータと、該ベクトルデータに関連付けられたスプール時指定解像度とを表示することができる。
【0130】
ユーザは上記表示されたスプール時指定解像度に関する情報により、ドキュメントをどの程度の品位で印刷出力可能であるかあたりをつけることができる。
【0131】
以上、本実施形態によれば、ホスト上のアプリケーションまたはプリンタドライバで解像度依存の処理が行われる場合であり、ボックススプールが指定されている場合には、ユーザ指定の解像度または、ネットワーク上にある印刷機器の最大解像度で生成される。また、MFP1上でのPDL処理時の解像度依存処理においても、ユーザ指定の解像度または、ネットワーク上にある印刷機器の最大解像度が適用される。これにより、出力解像度の低い、MFPのボックスにスプールされたドキュメントデータを、解像度の高い印刷機器から出力する場合でも、ユーザの所望する品位または最高の品位でプリント出力を得ることができる。
【0132】
一方で、ベクトルデータの最適化時に使用される解像度が、ユーザが指定した解像度またはネットワーク上にある印刷機器の最大解像度に制限される。これにより、ベクトルデータに必要以上のオブジェクトが含まれることがないため、データサイズの増大、印刷出力時の処理速度の低下を防ぐことができる。
【0133】
(第2の実施形態)
(システム構成)
図27は、本実施形態に係る画像処理システムの全体構成を示すブロック図である。本実施形態は、図6の画像処理システムに対してネットワークプリントサーバ7が追加されると共に、LAN10が図示されないルータを介してインターネット20と接続されている。本実施形態では、PC2が第1の画像処理装置として機能し、ネットワークプリンタサーバ7が第2の画像処理装置として機能する。
【0134】
ネットワークプリントサーバ7は、該サーバ全体を制御するための中央処理装置であるCPUを備えている。また、ネットワークプリントサーバ7は、該サーバのCPUが動作するためのシステムワークメモリであり、入力された画像データを一時記憶するための画像メモリでもあるRAM、およびシステムのブートプログラムが格納されているROMを備えている。さらに、ネットワークプリントサーバ7は、ハードディスクであって、各種処理のためのシステムソフトウェア及び入力された画像データを等格納するハードディスクを備えている。またネットワークプリントサーバ7は、所定の指令あるいはデータなどを入力するキーボードあるいは各種スイッチなどを含む入力操作部、および装置の入力・設定状態などをはじめとする種々の表示を行う表示部とを備えている。
【0135】
ネットワークプリントサーバ7は、LAN10上の各機器からは他のMFPやSFPと同様のドキュメントデータ(ベクトルデータ)を印刷出力可能な出力機器に見える。ネットワークプリントサーバ7はLAN10上の各機器からドキュメントデータを受信すると、内部のファイルシステムにスプールする。スプールされたファイルシステム内のドキュメントデータには、インターネット20上の各機器からアクセス可能な構成となっており、インターネット上の印刷機器からのリクエスト(要求)に応じて、ドキュメントデータを再配信する。
ネットワークプリントサーバ7は、SNMPによる解像度問い合わせに対して応答するための解像度を、管理者によって設定可能な構成としている。
【0136】
これによりLAN10上の、MFP1等からの解像度問い合わせに対し、管理者の設定した解像度が通知される。したがって、LAN10上の各機器からはネットワークプリントサーバ7は管理者の設定した出力解像度を持つドキュメントデータの出力機器として扱われる。
【0137】
なお、ネットワークプリントサーバ7の、SNMPによる解像度問い合わせに対して応答するための解像度を、管理者によって設定するとしているが、ドキュメントデータを配信したインターネット上の機器の最大の解像度を設定するようにしても良い。
【0138】
以上、本実施形態によればLAN10上で接続された出力機器だけではなく、インターネット上の出力機器を考慮した、最適なベクトルデータの生成が可能となる。
【0139】
(その他の実施形態)
本発明は、複数の機器(例えばコンピュータ、インターフェース機器、リーダ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用することも、1つの機器からなる装置(複合機、プリンタ、ファクシミリ装置など)に適用することも可能である。
【0140】
前述した実施形態の機能を実現するように前述した実施形態の構成を動作させるプログラムを記憶媒体に記憶させ、該記憶媒体に記憶されたプログラムをコードとして読み出し、コンピュータにおいて実行する処理方法も上述の実施形態の範疇に含まれる。即ちコンピュータ読み取り可能な記憶媒体も実施例の範囲に含まれる。また、前述のコンピュータプログラムが記憶された記憶媒体はもちろんそのコンピュータプログラム自体も上述の実施形態に含まれる。
【0141】
かかる記憶媒体としてはたとえばフロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD―ROM、磁気テープ、不揮発性メモリカード、ROMを用いることができる。
【0142】
また前述の記憶媒体に記憶されたプログラム単体で処理を実行しているものに限らず、他のソフトウェア、拡張ボードの機能と共同して、OS上で動作し前述の実施形態の動作を実行するものも前述した実施形態の範疇に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0143】
【図1】本発明の課題における、従来の直線化処理の一例を示すフローチャートである。
【図2】本発明の課題における、従来のベジエ3次曲線の分割を説明する図である。
【図3】本発明の課題における、従来の直線化判定アルゴリズムの一例を示すフローチャートである。
【図4】本発明の課題における、従来の直線化判定アルゴリズムを説明する図である。
【図5】(a)〜(c)は、本発明の課題における、従来の直線化処理の一例を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態にかかる画像処理システムの全体構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る画像形成装置のコントロールユニットの構成例を示すブロック図である。
【図8】本発明の一実施形態におけるコントローラソフトウェアの構成の一例を示すブロック図である。
【図9】本発明の一実施形態におけるコピー動作時のデータフローである。
【図10】本発明の一実施形態におけるメタデータ生成時のデータフローである。
【図11】本発明の一実施形態におけるPDLプリント・スプール時のデータフローである。
【図12】本発明の一実施形態におけるベクトル化処理のブロックセレクションの一例を表す図である。
【図13】本発明の一実施形態におけるイメージからのドキュメント生成の処理フローを示す図である。
【図14】本発明の一実施形態におけるドキュメント印刷の処理フローを示す図である。
【図15】本発明の一実施形態におけるPDLからのドキュメント生成・印刷の処理フローを示す図である。
【図16】本発明の一実施形態におけるドキュメントのデータ構造を示す図である。
【図17】本発明の一実施形態におけるキュメントの格納構造を示す図である。
【図18】本発明の一実施形態におけるドキュメントデータの具体例を示す図である。
【図19】本発明の一実施形態におけるPC上のソフトウェアモジュールの構成図である。
【図20】本発明の一実施形態におけるプリンタドライバの動作を示すフローチャートである。
【図21】本発明の一実施形態におけるボックススプール指定時に表示される設定画面の一例を示す図である。
【図22】本発明の一実施形態における「ユーザ設定値優先」設定画面の一例を示す図である。
【図23】本発明の一実施形態における「スプール解像度」設定画面の一例を示す図である。
【図24】本発明の一実施形態におけるベクタデータ最適処理の一例を示すフローチャートである。
【図25】(a)〜(c)は、本発明の一実施形態におけるベクタデータ最適処理の一例を示す図である。
【図26】本発明の一実施形態におけるボックススプールされたドキュメントデータの詳細を表示する画面の一例を示す図である。
【図27】本発明の一実施形態における画像処理システムの全体構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0144】
1、3、4 MFP
2 PC
5 SFP
6 イメージプロッタ
200 コントローラユニット
201 スキャナ
202 プリンタエンジン
210 操作部
1101 プロトコル制御部
1102 ベクタデータ生成部
1103 メタデータ生成部
1104 PDL解析部
1105 データ描画部
1106 ページメモリ
1107 MIB
1020 パネル入出力制御部
1030 ドキュメント記憶部
1400 プリンタエンジン部
1500 スキャン制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷データを生成する画像処理装置と、該画像処理装置とネットワークを介して接続され、前記印刷データからベクトルデータを生成してスプールすることが可能な画像形成装置とを備える画像形成システムであって、
前記画像処理装置は、
前記画像処理装置において解像度依存の処理を行う際に用いるデータ処理解像度を取得する手段と、
前記印刷データを生成する際に、解像度依存の処理が必要な場合に、前記取得されたデータ処理解像度に基づいて解像度依存の処理を行う手段と、
前記取得されたデータ処理解像度に関する解像度情報を前記印刷データに含める手段と、
前記解像度情報が含められた印刷データを前記画像形成装置に送信する手段とを有し、
前記画像形成装置は、
前記印刷データに含められた解像度情報を解析して、前記画像形成装置にて解像度依存の処理を行う際の処理解像度を決定する手段と、
前記ベクトルデータを生成する際に、解像度依存の処理が必要な場合に、前記決定された処理解像度に基づいて解像度依存の処理を行う手段と
を有することを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記画像処理装置は、前記画像形成装置の他に、ベクトルデータを出力可能な複数の画像形成装置と前記ネットワークを介して接続されており、
前記決定する手段は、前記画像処理装置とネットワークを介して接続された各画像形成装置の出力解像度のうち最大の解像度を前記処理解像度とすることを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記画像形成装置は、
ユーザが解像度を入力するための手段をさらに備え、
前記決定する手段は、前記ユーザによって入力された解像度を前記処理解像度とすることを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記ユーザが解像度を入力するための手段は、前記画像形成装置の出力解像度以上の解像度を入力可能であることを特徴とする請求項3に記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記画像処理装置は、前記画像形成装置の他に、ベクトルデータを出力可能な複数の画像形成装置と前記ネットワークを介して接続されており、
前記ユーザが解像度を入力するための手段は、入力可能な解像度を、前記画像処理装置とネットワークを介して接続された各画像形成装置の出力解像度のうち最大の解像度に制限することを特徴とする請求項4に記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記決定手段は、前記印刷データに含められた解像度情報の解析の結果、該解像度情報に前記データ処理解像度を示す情報が含まれている場合、前記データ処理解像度を前記処理解像度とすることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項7】
前記データ処理解像度を取得する手段は、前記決定する手段にて決定された処理解像度を取得し、該取得された処理解像度を前記データ処理解像度とすることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項8】
前記画像処理装置は、
ユーザが解像度を入力するための手段をさらに備え、
前記データ処理解像度を取得する手段は、前記ユーザによって入力された解像度を前記データ処理解像度とすることを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項9】
前記画像処理装置は、前記画像形成装置の他に、ベクトルデータを出力可能な複数の画像形成装置と前記ネットワークを介して接続されており、
前記ユーザが解像度を入力するための手段は、入力可能な解像度を、前記画像処理装置とネットワークを介して接続された各画像形成装置の出力解像度のうち最大の解像度に制限することを特徴とする請求項8に記載の画像形成システム。
【請求項10】
受信したベクトルデータをスプールし、前記ネットワーク上の所定の装置からの要求に応じて前記スプールしたベクトルデータを再配信することが可能な第2の画像処理装置をさらに備え、
前記第2の画像処理装置は、前記画像形成装置からの解像度の問い合わせに応答するための解像度を保持していることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項11】
印刷データを生成する画像処理装置とネットワークを介して接続され、前記印刷データからベクトルデータを生成してスプールすることが可能な画像形成装置であって、
前記画像処理装置から、該画像処理装置において解像度依存の処理を行う際に用いるデータ処理解像度に関する解像度情報を含む前記印刷データを受信する手段と、
前記印刷データに含められた解像度情報を解析して、前記画像形成装置にて解像度依存の処理を行う際の処理解像度を決定する手段と、
前記ベクトルデータを生成する際に、解像度依存の処理が必要な場合に、前記決定された処理解像度に基づいて解像度依存の処理を行う手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
前記画像処理装置は、前記画像形成装置の他に、ベクトルデータを出力可能な複数の画像形成装置と前記ネットワークを介して接続されており、
前記決定する手段は、前記画像処理装置とネットワークを介して接続された各画像形成装置の出力解像度のうち最大の解像度を前記処理解像度とすることを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
【請求項13】
ユーザが解像度を入力するための手段をさらに備え、
前記決定する手段は、前記ユーザによって入力された解像度を前記処理解像度とすることを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記ユーザが解像度を入力するための手段は、前記画像形成装置の出力解像度以上の解像度を入力可能であることを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記画像処理装置は、前記画像形成装置の他に、ベクトルデータを出力可能な複数の画像形成装置と前記ネットワークを介して接続されており、
前記ユーザが解像度を入力するための手段は、入力可能な解像度を、前記画像処理装置とネットワークを介して接続された各画像形成装置の出力解像度のうち最大の解像度に制限することを特徴とする請求項14に記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記決定する手段は、前記ベクトルデータをスプールしない場合、前記処理解像度を前記画像形成装置の出力解像度とすることを特徴とする請求項11乃至15のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項17】
前記処理解像度を前記ベクトルデータと関連付けて保存する手段と、
前記ベクトルデータと、該ベクトルデータに関連付けられた処理解像度とを表示する手段と
をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至16のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項18】
印刷データからベクトルデータを生成してスプールすることが可能な画像形成装置に接続され、前記印刷データを生成する画像処理装置であって、
前記画像処理装置において解像度依存の処理を行う際に用いるデータ処理解像度を取得する手段と、
前記印刷データを生成する際に、解像度依存の処理が必要な場合に、前記取得されたデータ処理解像度に基づいて解像度依存の処理を行う手段と、
前記取得されたデータ処理解像度に関する解像度情報を前記印刷データに含める手段と、
前記解像度情報が含められた印刷データを前記画像形成装置に送信する手段と
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項19】
ユーザが解像度を入力するための手段をさらに備え、
前記データ処理解像度を取得する手段は、前記ユーザによって入力された解像度を前記データ処理解像度とすることを特徴とする請求項18に記載の画像処理装置。
【請求項20】
前記画像処理装置は、前記画像形成装置の他に、ベクトルデータを出力可能な複数の画像形成装置と前記ネットワークを介して接続されており、
前記ユーザが解像度を入力するための手段は、入力可能な解像度を、前記画像処理装置とネットワークを介して接続された各画像形成装置の出力解像度のうち最大の解像度に制限することを特徴とする請求項19に記載の画像処理装置。
【請求項21】
前記画像形成装置から、該画像形成装置にて解像度依存の処理を行う際の処理解像度を取得する手段をさらに備え、
前記データ処理解像度を取得する手段は、前記取得された処理解像度を前記データ処理解像度とすることを特徴とする請求項18に記載の画像処理装置。
【請求項22】
印刷データを生成する画像処理装置と、該画像処理装置とネットワークを介して接続され、前記印刷データからベクトルデータを生成してスプールすることが可能な画像形成装置とを備える画像形成システムにおける画像処理方法であって、
前記画像処理装置において解像度依存の処理を行う際に用いるデータ処理解像度を取得する工程と、
前記印刷データを生成する際に、解像度依存の処理が必要な場合に、前記取得されたデータ処理解像度に基づいて解像度依存の処理を行う工程と、
前記取得されたデータ処理解像度に関する解像度情報を前記印刷データに含める工程と、
前記印刷データに含められた解像度情報を解析して、前記画像形成装置にて解像度依存の処理を行う際の処理解像度を決定する工程と、
前記ベクトルデータを生成する際に、解像度依存の処理が必要な場合に、前記決定された処理解像度に基づいて解像度依存の処理を行う工程と
を有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項23】
印刷データを生成する画像処理装置とネットワークを介して接続され、前記印刷データからベクトルデータを生成してスプールすることが可能な画像形成装置における画像処理方法であって、
前記画像処理装置から、該画像処理装置において解像度依存の処理を行う際に用いるデータ処理解像度に関する解像度情報を含む前記印刷データを受信する工程と、
前記印刷データに含められた解像度情報を解析して、前記画像形成装置にて解像度依存の処理を行う際の処理解像度を決定する工程と、
前記ベクトルデータを生成する際に、解像度依存の処理が必要な場合に、前記決定された処理解像度に基づいて解像度依存の処理を行う工程と
を有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項24】
印刷データからベクトルデータを生成してスプールすることが可能な画像形成装置に接続され、前記印刷データを生成する画像処理装置における画像処理方法であって、
前記画像処理装置において解像度依存の処理を行う際に用いるデータ処理解像度を取得する工程と、
前記印刷データを生成する際に、解像度依存の処理が必要な場合に、前記取得されたデータ処理解像度に基づいて解像度依存の処理を行う工程と、
前記取得されたデータ処理解像度に関する解像度情報を前記印刷データに含める工程と、
前記解像度情報が含められた印刷データを前記画像形成装置に送信する工程と
を有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項25】
コンピュータに請求項22乃至24のいずれかに記載の画像処理方法を実行させるためのコンピュータプログラム。
【請求項26】
コンピュータにより読み出し可能なプログラムを格納した記憶媒体であって、請求項25記載のコンピュータプログラムを格納したことを特徴とする記憶媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate


【公開番号】特開2010−15293(P2010−15293A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−173343(P2008−173343)
【出願日】平成20年7月2日(2008.7.2)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】