説明

画像形成消耗品識別物、及びその画像形成消耗品識別物を付したトナー容器、感光体、インクカートリッジ、並びに画像形成装置

【課題】簡便な方法により消費者や取り扱い業者であっても容易に真正品であることを確認することのできる画像形成消耗品識別物、及びその画像形成消耗品識別物を付したトナー容器、感光体、インクカートリッジ、並びに画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成消耗品に付される画像形成消耗品識別物1であって、幅又は高さが0.01〜1mmのマイクロ文字2mが配列されて印刷された部分2〜5を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成消耗品識別物、及びその画像形成消耗品識別物を付したトナー容器、感光体、インクカートリッジ、並びに画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式のプリンタ、ファクシミリ、複写装置等の画像形成装置では、粉体トナーが充填されたトナー容器、感光体などが画像形成消耗品として使用され、インクジェット記録方式の画像形成装置においても、インクカートリッジなどが画像形成消耗品として使用され、それぞれ消耗状態に応じて新たなものと交換するようになっている。
【0003】
ここで、画像形成装置は、その方式、機種等により画像形成消耗品が使用される条件は異なるため、画像形成消耗品としては、本来その画像形成装置に適合するよう設計され製造された真正品を使用する必要がある。
【0004】
とくに、画像形成消耗品のうち、トナー容器については中に収納されたトナーを外観から区別することは困難であるが、帯電性など特性の異なったトナー、あるいは材質が異なったトナーが収納されたトナー容器を取り違えて用いた場合には、画像が形成されない、画像特性が悪い、画像形成装置そのものを破損するといった問題が発生することがあった。
【0005】
また、近年では、画像形成消耗品の真正品を真似たもの(模倣品)が流通するようになり、それを消費者が誤って購入して使用した場合に被害を受ける可能性も出てきた。さらには、その画像形成消耗品を識別するための識別ラベルさえも模倣したものが前記模倣品に付されることにより、消費者はよりその模倣品を真正品と誤認しやすくなっている。
【0006】
そこで、これらの画像形成消耗品を管理する方法として、CPU、入出力インターフェース部、ROM及びRAMを有するICチップをタグ部材に埋め込んで又は被覆してなるICタグIDチップが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
また、これらの画像形成消耗品を管理するための識別記号、取り扱い記号が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0008】
【特許文献1】特開2002−6691号公報
【特許文献2】特開2002−6604号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、これらの管理方法では、IDチップの場合には一つ当たりのコストが高く、また識別に特別な装置が必要とされ、第3者でも識別情報の書き換えを行うことができるといった問題点があった。
【0010】
また、消費者においても、画像形成消耗品について簡便に真正品か否かについて判定できる識別物であることが肝要である。さらに、その識別物は安価であり、画像形成装置にセットして用いた場合でも剥離しないことが求められていた。
【0011】
本発明は、以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであり、簡便な方法により消費者や取り扱い業者であっても容易に真正品であることを確認することのできる画像形成消耗品識別物、及びその画像形成消耗品識別物を付したトナー容器、感光体、インクカートリッジ、並びに画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決するために提供する本発明は、幅又は高さが0.01〜1mmのマイクロ文字が集合して印刷された部分を有することを特徴とする画像形成消耗品識別物である(請求項1)。
【0013】
ここで、前記マイクロ文字同士の間隔が0〜0.2mmであることが好ましい。
【0014】
また、前記マイクロ文字の集合は、該マイクロ文字の印刷部分全体に対して斜めに配列されていることが好ましい。
【0015】
また、前記マイクロ文字の印刷部分が描線を構成しているとよく、あるいは前記マイクロ文字の印刷部分が図形を構成しているとよい。
【0016】
また、前記マイクロ文字の配列は、画像形成消耗品が真正品であることを証明する情報を含むことが好ましい。例えば、マイクロ文字により画像形成消耗品のメーカー名や画像形成消耗品の商品名を印刷する。
【0017】
さらに、前記マイクロ文字が水無し印刷により形成されてなることが好ましい。
【0018】
前記課題を解決するために提供する本発明は、電子写真方式の画像形成装置に使用する粉体のトナーが収納されるトナー容器であって、容器外面に請求項1〜7のいずれか一に記載の画像形成消耗品識別物が付されてなることを特徴とするトナー容器である(請求項8)。
【0019】
前記課題を解決するために提供する本発明は、外周表面に感光層を有する円筒形状の基体と、該基体の両端開放穴に装着されるフランジとからなり、前記フランジに請求項1〜7のいずれか一に記載の画像形成消耗品識別物が付されてなることを特徴とする感光体である(請求項9)。
【0020】
前記課題を解決するために提供する本発明は、インクジェット記録用インクが充填されたインク容器と、該インク容器を収納する筐体とからなり、前記筐体に請求項1〜7のいずれか一に記載の画像形成消耗品識別物が付されてなることを特徴とするインクカートリッジである(請求項10)。
【0021】
前記課題を解決するために提供する本発明は、請求項8に記載のトナー容器を備え、該トナー容器中のトナーを使用して電子写真方式によりシート上に画像を形成することを特徴とする画像形成装置である(請求項11)。
【0022】
前記課題を解決するために提供する本発明は、請求項9に記載の感光体を備え、該感光体上に電子写真方式によりトナー画像を形成し、前記トナー画像に基づいてシート上に画像を形成することを特徴とする画像形成装置である(請求項12)。
【0023】
前記課題を解決するために提供する本発明は、請求項10に記載のインクカートリッジを備え、該インクカートリッジ中のインクを使用してインクジェット記録方式によりシート上に画像を形成することを特徴とする画像形成装置である(請求項13)。
【発明の効果】
【0024】
本発明の画像形成消耗品識別物によれば、身近にある虫眼鏡等の拡大鏡でマイクロ文字の印刷部分とされる領域を拡大して観察することにより、該画像形成消耗品識別物が付された画像形成消耗品が真正品であるか否かを容易に見分けることができる。すなわち、マイクロ文字の配列が観察されれば真正品であり、そうでなければ模倣品である。
本発明のトナー容器によれば、前記画像形成消耗品識別物が付されていることにより容易にトナー容器、ひいてはその中に収納されているトナーが真正品であるか否かが分かる。
本発明の感光体によれば、前記画像形成消耗品識別物が付されていることにより容易に感光体が真正品であるか否かが分かる。
本発明のインクカートリッジによれば、前記画像形成消耗品識別物が付されていることにより容易にインクカートリッジが真正品であるか否かが分かる。
本発明の画像形成装置によれば、画像形成消耗品(トナー容器、感光体、インクカートリッジ)として真正品を確実に使用することができるため、装置異常を発生させることなく正常に画像を形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の画像形成消耗品識別物について説明する。
図1は、本発明の画像形成消耗識別物の概略図である。
画像形成消耗品識別物1は、画像形成消耗品を識別するために該画像形成消耗品に付されるものであり、その主面にマイクロ文字印刷部分2〜5が印刷されている(図1(a))。ここで、マイクロ文字印刷部分2〜5すべてが印刷されている必要はなく、いずれか1つが印刷されていてもよい。
【0026】
画像形成消耗品識別物1は、画像形成消耗品に付すことができればその形状はとくに限定されないが、少なくとも識別するための情報を印刷するための面を有する。そのため、シート形状のもの、いわゆるラベルであることが好ましい。
【0027】
また、画像形成消耗品識別物1のベース材料は、マイクロ印刷が可能であり、かつ付される画像形成消耗品が曝される環境では劣化しないものである。紙であってもよく、例えば合成紙(材質ポリプロピレン)などが挙げられる。
【0028】
マイクロ文字印刷部分2〜5は、肉眼ではそれぞれ罫線(2,3)、バーコードの枠線(4)などの描線あるいは図形(5)として認識される(図1(a))が、数倍〜数十倍の倍率で拡大するとマイクロ文字の配列として認識できるようなる。その様子を図1(b)及び図2に示す。
【0029】
図1(b)において、マイクロ文字印刷部分2(あるいは3,4)は、マイクロ文字2mが配列され印刷された状態が観察される。マイクロ文字2mとして、平仮名、片仮名、アルファベット、漢字などいかなる言語の文字を使用してもよく、その文字の形態(フォント)も制限されない。ここでは、マイクロ文字列「ABCD」が繰り返し印刷されている状態を示している。また、マイクロ文字列として1行で描線を形成している状態を示しているが、複数行で描線を形成してもよい。
【0030】
ここで、マイクロ文字2mの幅wまたは高さhは、0.01〜1mmであるが、0.1〜0.5mmであることが好ましい。マイクロ文字2mの幅wまたは高さhが1mmを超えると模倣されやすくなり好ましくない。また、マイクロ文字2mの幅wまたは高さhが0.01mmより小さくなると拡大鏡によっても識別が困難となるため好ましくない。
【0031】
また、マイクロ文字2m同士の間隔dは、0〜0.2mmであることが好ましい。すなわち、拡大して観察したときにマイクロ文字2mとして認識できればマイクロ文字2m同士が接するあるいは重なっていてもよい。また、間隔dが0.2mmを超えると肉眼で描線として認識できなくなるため好ましくない。なお、マイクロ文字列とマイクロ文字列との間隔、いわゆる行間の距離も0〜0.2mmであることが好ましい。
【0032】
図2において、マイクロ文字印刷部分5は、マイクロ文字5mがマイクロ文字印刷部分5全体に対して斜めに配列され、そのマイクロ文字列が複数行に渡り印刷された状態が観察される。マイクロ文字5mを斜めに配列することにより、肉眼でマイクロ文字5mが文字として認識しにくくなり、マイクロ文字印刷部分5全体として図形として認識されるようになる。また、これにより偽造が防止できる。
【0033】
ここで、マイクロ文字5mの幅wまたは高さhは、0.01〜1mmであるが、0.1〜0.5mmであることが好ましい。
【0034】
また、マイクロ文字5m同士の間隔dは、0mmであってもよい。また、その間隔の上限はマイクロ文字5mが集合した状態が目視で図形として認識できる限り許容される。すなわち、間隔が小さい場合にはその図形は完全に塗りつぶされた状態として認識され、間隔が大きい場合には例えばドットが集合した状態、網掛け印刷された状態として認識される。なお、マイクロ文字列とマイクロ文字列との間隔、いわゆる行間の距離も前記マイクロ文字5m同士の間隔の場合と同様である。
【0035】
マイクロ文字2m、5mの文字画線幅はマイクロ文字の幅wまたは高さhよりも小さくする。例えばマイクロ文字の幅wを0.11〜0.20mm、高さhを0.15〜0.17mmとした場合に、線幅を0.02mmと格段に小さくとよい。これにより、肉眼では殆ど読むことのできないサイズとなる。
【0036】
前記マイクロ文字印刷部分2〜5における、マイクロ文字の配列は、画像形成消耗品が真正品であることを証明する情報を含むことが好ましい。例えば、マイクロ文字により画像形成消耗品のメーカー名や画像形成消耗品の商品名あるいはそれらのロゴなどを表示するとよい。これにより消費者はマイクロ文字の配列を拡大して読み取るだけで容易に画像形成消耗品が真正品であることを認識できる。
【0037】
また、マイクロ文字印刷部分2〜5において、マイクロ文字をランダムに配置してもよい。これにより真正品であることの証明としてもよい。
【0038】
前記マイクロ文字は、水無し印刷により形成されてなることが好ましい。
【0039】
従来より偽造防止のために小さな文字を入れることは証書などで用いられているが、画像形成消耗品については、曝される環境として湿度、温度などの条件が厳しく、通常の印刷された文字では劣化してしまうため、使用できなかった。また、従来の識別物の印刷はオフセット印刷(水ありオフセット印刷)により行っているが、印刷される文字の解像度が悪く、本発明の実現は困難であった。
【0040】
これに対して水無し印刷は、図3に示すように、刷版構造90はアルミ板などの支持体91の上に親油性の感光層92と撥油性のシリコン層93とを有し、インクのつく部分を露光・現像してシリコン層93を除去した凹版となっており、凹部分にインク94が添付され画線部となる。水無し印刷は、刷版そのものがもつインクをはじく特性を利用してインクがつかない部分を作り出して印刷するものであり、従来のように水を使用することなく印刷することができる。
【0041】
このように印刷工程で浸し水を使用せず、インキが水でにじまないため、細部の線などの再現性が良くなり高精細な印刷が可能となり、本発明の画像形成消耗品識別物1におけるマイクロ文字を実現することが可能となる。
ここで、前記水無し印刷のシリコン層93を除去した凹部分が20μm以下の深さであることが好ましい。
【0042】
なお、水無し印刷による付帯的効果として、排溶剤の処理に伴う環境負荷が低減される効果がある。従来の刷版工程では強アルカリ現像液の廃液が発生し、印刷工程では有害物質を含む大量の浸し水が発生による廃液処理が不可欠であったが、水無し印刷の刷版工程/印刷工程では前記現像液、浸し水を使用しないためである。
【0043】
また水無し印刷では、大豆油を含有しSOYマ−クを取得したノンVOCsインキを使用することにより大気への悪影響をなくすことができる。さらに水無し印刷用UVハイブリッドSOYインキは、脱墨性に優れリサイクルに問題がない。またノンスプレーパウダーで高品位な印刷物が得られ,フィルム貼り,プレスコート等の後加工においても美粧性に優れた印刷物を得ることができ,作業環境の向上につながる。
【0044】
画像形成消耗品識別物1は、船による長時間輸送における湿度、温度対策としてマイクロ文字の印字後に、さらにオーバーコート層を設けてもよい。このオーバーコート層は、UVあるいはEVによる架橋されることで強度が高まるような耐摩擦性に優れたものが好ましい。
【0045】
以下、本発明の画像形成消耗品識別物が付された画像形成消耗品の態様について説明する。
(1)トナー容器
図4に、本発明の画像形成消耗品識別物1をトナー容器に適用した例を示す。
トナー容器70は、ブロー成形法などにより形成され、トナー排出部を設けられた樹脂等から作られた口金部71に、例えば80〜200μm程度のポリエチレンやナイロン等の樹脂製または紙製のフレキシブルなシートを単層または複層にして作られた袋体72を固定して構成されている。このトナー容器70は密閉構造をなし、袋体72の中に電子写真方式の画像形成装置に使用する粉体のトナーが収納されている。また、その底部の口金部71にはトナー排出部として自閉弁の弾性体、好ましくは発泡スポンジ等で作られたシール弁73が設けられている。このトナー容器70は、特開2001−194907号公報に開示されているものである。
本発明の画像形成消耗品識別物1は、例えばトナー容器70の袋体72の外面に接着層を介して貼り付けられている。
【0046】
(2)感光体
図5に、本発明の画像形成消耗品識別物1を感光体に適用した例を示す。
感光体40は、円筒形状(シリンダ状ドラム形状)で外周表面に電子写真方式に対応した有機感光材料(OPC)からなる感光層が形成された基体40bと、該基体40bの両端開放穴にそれぞれ装着されるフランジ40fとからなる。本発明の画像形成消耗品識別物1は、例えばフランジ40fの外面に接着層を介して貼り付けられている。
ここでは、図1に示すような画像形成消耗品識別物1を付してもよいが、図1中のマイクロ文字印刷部分5のみが印刷された画像形成消耗品識別物1を貼り付けるようにしてもよい。
【0047】
(3)インクカートリッジ
図6に、本発明の画像形成消耗品識別物1をインクカートリッジに適用した例を示す。
インクカートリッジ80は、インクジェット記録方式のインクを充填したインク袋81と、このインク袋81を収納するための筐体83とを有する。この筐体83は、第1筐体84と、第2筐体85と、第3筐体86とから構成され、第1筐体84と第2筐体85とでインク袋81の側面を保護する保護カバーとなる筐体部分を構成している。すなわち、筐体83はインク供給方向(インク排出方向)に平行な面でインク袋81を収納する第1筐体84と第2筐体85とに分割している。
そして、インクカートリッジ80の筐体83は、分割された略相似形の第1筐体84と第2筐体85を合わせて、その前面下側部分に第3筐体86を嵌め込んで略直方体に組み立ててなるものである。このインクジェットカートリッジ80は、特開2004−358802号公報に開示されているものである。
本発明の画像形成消耗品識別物1は、例えば筐体83の外面に接着層を介して貼り付けられている。
【0048】
なお、インクカートリッジ80の使用に際しては該インクカートリッジ80をインクジェット記録装置本体の固定部に設置し、インク排出部81aに記録装置本体側から供給パイプの先端を差込んだ状態で、この供給パイプを通してインクをキャリッジまで供給する。
【0049】
本発明の画像形成消耗品はつぎのような画像形成装置に使用される。
以下に、本発明が適用される画像形成装置の基本的構成例について説明する。
図7は、タンデム型間接転写方式の電子写真装置であり、図中符号100は複写装置本体、200はそれを載せる給紙テーブル、300は複写装置本体100上に取り付けるスキャナ、400はさらにその上に取り付ける原稿自動搬送装置(ADF)である。
【0050】
複写装置本体100には、中央に、無端ベルト状の中間転写体10を設ける。中間転写体10は、ベース層を例えば伸びの少ないフッ素系樹脂や伸びの大きなゴム材料に帆布など伸びにくい材料で構成された基層をつくり、その上に弾性層を設ける。弾性層は、例えばフッ素系ゴムやアクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴムなどでつくる。その弾性層の表面は、例えばフッ素系樹脂をコーティングして平滑性のよいコート層で被ってなるものである。
【0051】
そして、図7に示すとおり、図示例では3つの支持ローラ14・15・16に掛け回して図中時計回りに回転搬送可能とする。
この図示例では、3つのなかで第2の支持ローラ15の左に、画像転写後に中間転写体10上に残留する残留トナーを除去する中間転写体クリーニング装置17を設ける。
また、3つのなかで第1の支持ローラ14と第2の支持ローラ15間に張り渡した中間転写体10上には、その搬送方向に沿って、イエロー,シアン,マゼンタ,ブラックの4つの画像形成手段18を横に並べて配置してタンデム画像形成装置20を構成する。
【0052】
個々の画像形成手段18は、本発明のドラム状の感光体40のまわりに、帯電装置60、現像装置61、1次転写装置62、感光体クリーニング装置63、除電装置64などを備えてなる構成である。
【0053】
そのタンデム画像形成装置20の上には、図7に示すように、さらに露光装置21を設ける。
一方、中間転写体10を挟んでタンデム画像形成装置20と反対の側には、2次転写装置22を備える。2次転写装置22は、図示例では、2つのローラ23間に、無端ベルトである2次転写ベルト24を掛け渡して構成し、中間転写体10を介して第3の支持ローラ16に押し当てて配置し、中間転写体10上の画像をシートに転写する。
【0054】
2次転写装置22の横には、シート上の転写画像を定着する定着装置25を設ける。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26に加圧ローラ27を押し当てて構成する。
【0055】
上述した2次転写装置22には、画像転写後のシートをこの定着装置25へと搬送するシート搬送機能も備えてなる。もちろん、2次転写装置22として、転写ローラや非接触のチャージャを配置してもよく、そのような場合は、このシート搬送機能を併せて備えることは難しくなる。
【0056】
なお、図示例では、このような2次転写装置22および定着装置25の下に、上述したタンデム画像形成装置20と平行に、シートの両面に画像を記録すべくシートを反転するシート反転装置28を備える。
【0057】
さて、いまこのカラー電子写真装置を用いてコピーをとるときは、原稿自動搬送装置400の原稿台30上に原稿をセットする。または、原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じてそれで押さえる。
【0058】
そして、不図示のスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットしたときは、原稿を搬送してコンタクトガラス32上へと移動して後、他方コンタクトガラス32上に原稿をセットしたときは、直ちにスキャナ300を駆動し、第1走行体33および第2走行体34を走行する。そして、第1走行体33で光源から光を発射するとともに原稿面からの反射光をさらに反射して第2走行体34に向け、第2走行体34のミラーで反射して結像レンズ35を通して読取りセンサ36に入れ、原稿内容を読み取る。
【0059】
また、不図示のスタートスイッチを押すと、不図示の駆動モータで支持ローラ14・15・16の1つを回転駆動して他の2つの支持ローラを従動回転し、中間転写体10を回転搬送する。同時に、個々の画像形成手段18でその感光体40を回転して各感光体40上にそれぞれ、ブラック・イエロー・マゼンタ・シアンの単色画像を形成する。
【0060】
ここでは、複数の感光体40にそれぞれ個別に現像装置61を備え、各感光体40上にそれぞれ露光装置21により形成された潜像に従って現像装置61からトナーを付着させることにより単色トナー画像を形成している。そして、中間転写体10の搬送とともに、それらの単色トナー画像を順次転写して中間転写体10上に合成カラー画像を形成する。
【0061】
図8に、トナー容器から現像装置61にトナーを補給する装置の構成を示す。
現像装置61には、像坦持体としての感光体40に対向配置された現像スリーブ61aと、第1攪拌スクリュー61bと、第2攪拌スクリュー61cとが備えられている。現像装置61内では現像剤が第1攪拌スクリュー61b及び第2攪拌スクリュー61cにより循環されている。この循環の間に搬送路の途中で現像スリーブ61aに移送された現像剤のトナーにより感光体40上に形成された静電潜像を現像する。
【0062】
また、本発明のトナー容器70は、現像装置61と別体のユニットとして構成されていて、画像形成装置本体内の適宜な位置に配設されている。このトナー容器70から現像装置61までの間にはトナー移送手段76が設けられおり、トナー移送手段76と現像装置61との間はチューブ77により連結され、トナー容器70とトナー移送手段76との間は移送部としてのチューブ78により連結されている。トナー容器70中のトナーはトナー移送手段76によりチューブ78,77を通って現像装置61に供給される。
【0063】
一方、不図示のスタートスイッチを押すと、給紙テーブル200の給紙ローラ42の1つを選択回転し、ペーパーバンク43に多段に備える給紙カセット44の1つからシートを繰り出し、分離ローラ45で1枚ずつ分離して給紙路46に入れ、搬送ローラ47で搬送して複写機本体100内の給紙路48に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。
または、給紙ローラ50を回転して手差しトレイ51上のシートを繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。
【0064】
そして、中間転写体10上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転し、中間転写体10と2次転写装置22との間にシートを送り込み、2次転写装置22で転写してシート上にカラー画像を記録する。
【0065】
画像転写後のシートは、2次転写装置22で搬送して定着装置25へと送り込み、定着装置25で熱と圧力とを加えて転写画像を定着して後、切換爪55で切り換えて排出ローラ56で排出し、排紙トレイ57上にスタックする。または、切換爪55で切り換えてシート反転装置28に入れ、そこで反転して再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録して後、排出ローラ56で排紙トレイ57上に排出する。
【0066】
一方、画像転写後の中間転写体10は、中間転写体クリーニング装置17で、画像転写後に中間転写体10上に残留する残留トナーを除去し、タンデム画像形成装置20による再度の画像形成に備える。
【0067】
ここで、レジストローラ49は一般的には接地されて使用されることが多いが,シートの紙粉除去のためにバイアスを印加することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明に係る画像形成消耗品識別物の構成を示す概略図である。
【図2】マイクロ文字印刷部分の拡大図である。
【図3】水無し印刷に用いる刷版構造を示す断面図である。
【図4】本発明のトナー容器の構成例を示す図である。
【図5】本発明の感光体の構成例を示す図である。
【図6】本発明のインクカートリッジの構成例を示す図である。
【図7】本発明に係る画像形成装置の構成を示す概略図である。
【図8】トナー補給装置の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
【0069】
1 画像形成消耗品識別物
2〜5 マイクロ文字印刷部分
2m、5m マイクロ文字
18 画像形成手段
20 タンデム画像形成装置
21 露光装置
22 二次転写装置
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 シート反転装置
30 原稿台
32 コンタクトガラス
33,34 走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40 感光体
40b 基体
40f フランジ
42,50 給紙ローラ
43 ペーパーバンク
44 給紙カセット
45,52 分離ローラ
46,48,53 給紙路
47 搬送ローラ
49 レジストローラ
51 手差しトレイ
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排紙トレイ
61 現像装置
61a 現像スリーブ
61b,61c 攪拌スクリュー
62 一次転写装置
70 トナー容器
71 口金部
72 袋体
73 シール弁
76 トナー移送手段
77,78 チューブ
80 インクカートリッジ
81 インク袋
81a インク排出部
83 筐体
84 第1筐体
85 第2筐体
86 第3筐体
90 刷版
91 支持体
92 感光層
93 シリコン層
94 インク
100 複写装置本体
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
幅又は高さが0.01〜1mmのマイクロ文字が配列されて印刷された部分を有することを特徴とする画像形成消耗品識別物。
【請求項2】
前記マイクロ文字同士の間隔が0〜0.2mmであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成消耗品識別物。
【請求項3】
前記マイクロ文字は、該マイクロ文字の印刷部分全体に対して斜めに配列されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成消耗品識別物。
【請求項4】
前記マイクロ文字の印刷部分が描線を構成していることを特徴とする請求項1に記載の画像形成消耗品識別物。
【請求項5】
前記マイクロ文字の印刷部分が図形を構成していることを特徴とする請求項1に記載の画像形成消耗品識別物。
【請求項6】
前記マイクロ文字の配列は、画像形成消耗品が真正品であることを証明する情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の画像形成消耗品識別物。
【請求項7】
前記マイクロ文字が水無し印刷により形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の画像形成消耗品識別物。
【請求項8】
電子写真方式の画像形成装置に使用する粉体のトナーが収納されるトナー容器であって、
容器外面に請求項1〜7のいずれか一に記載の画像形成消耗品識別物が付されてなることを特徴とするトナー容器。
【請求項9】
外周表面に感光層を有する円筒形状の基体と、該基体の両端開放穴に装着されるフランジとからなり、
前記フランジに請求項1〜7のいずれか一に記載の画像形成消耗品識別物が付されてなることを特徴とする感光体。
【請求項10】
インクジェット記録用インクが充填されたインク容器と、該インク容器を収納する筐体とからなり、
前記筐体に請求項1〜7のいずれか一に記載の画像形成消耗品識別物が付されてなることを特徴とするインクカートリッジ。
【請求項11】
請求項8に記載のトナー容器を備え、該トナー容器中のトナーを使用して電子写真方式によりシート上に画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項9に記載の感光体を備え、該感光体上に電子写真方式によりトナー画像を形成し、前記トナー画像に基づいてシート上に画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
請求項10に記載のインクカートリッジを備え、該インクカートリッジ中のインクを使用してインクジェット記録方式によりシート上に画像を形成することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−195284(P2006−195284A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−8168(P2005−8168)
【出願日】平成17年1月14日(2005.1.14)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】