画像形成装置、印刷物一時保管方法、及びプログラム
【課題】 機密性の高い文書の出力において、ユーザが機器の傍らで待つ時間を短縮することができるようにする。
【解決手段】 バッファトレイ403が、画像形成装置1000から排出された印刷物を印刷ジョブごとに一時的に保持する。バッファモジュール400では、バッファトレイ403に保持された印刷物のうちの指定した印刷物を外部に排出する要求をユーザから受け取ると、該要求を行ったユーザの認証を行う。その結果、前記要求を行ったユーザが前記指定の印刷物を受け取る正当なユーザであることが認証されたとき、前記指定の印刷物をバッファトレイ403から取り出し、外部に排出する。
【解決手段】 バッファトレイ403が、画像形成装置1000から排出された印刷物を印刷ジョブごとに一時的に保持する。バッファモジュール400では、バッファトレイ403に保持された印刷物のうちの指定した印刷物を外部に排出する要求をユーザから受け取ると、該要求を行ったユーザの認証を行う。その結果、前記要求を行ったユーザが前記指定の印刷物を受け取る正当なユーザであることが認証されたとき、前記指定の印刷物をバッファトレイ403から取り出し、外部に排出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、印刷物一時保管方法、及びプログラムに関し、特に、画像形成手段から排出された印刷物を一時的に保管し、ユーザからの要求に応じて排出する画像形成装置、該画像形成装置に適用される印刷物一時保管方法、及び該印刷物一時保管方法をコンピュータに実行させるためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、機密性の高い文書をプリントアウトする際に、「セキュアプリント(Secured Print)」というプリント方法が用いられる(例えば特許文献1)。この方法では、複合機などに備えられたハードディスクなどのデータ記憶装置に一時的にデータを保存しておき、ユーザが複合機の操作パネルを直接操作し、パスワードなどを入力してプリント開始命令を行うことにより、該データに基づくプリントが開始され、他のユーザにプリントされた文書を盗み見られたり、盗難されたりすることを防いでいる。
【特許文献1】特開平05−143253号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来のセキュアプリントでは、ユーザが複合機の傍でプリントが終了するのを待たねばならないという問題点があった。
【0004】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであって、機密性の高い文書の出力において、ユーザが機器の傍らで待つ時間を短縮するようにした画像形成装置、印刷物一時保管方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明によれば、画像形成手段から排出された印刷物を印刷ジョブごとに一時的に保持する保持手段と、ユーザから受け取る排出要求受取手段と、前記排出要求受取手段が前記要求を受け取ると、該要求を行ったユーザの認証を行う認証手段と、前記認証手段によって、前記要求を行ったユーザが前記指定の印刷物を受け取る正当なユーザであることが認証されたとき、前記指定の印刷物を前記保持手段から取り出し、外部に排出させる排出手段とを有することを特徴とする画像形成装置が提供される。
【0006】
また、請求項9記載の発明によれば、印刷物を印刷ジョブごとに一時的に保持する保持手段と、該保持手段に保持された印刷物を外部に排出する排出手段とを備えた画像形成装置に適用される印刷物一時保管方法において、画像形成手段から排出された印刷物を前記保持手段に保持させる保持制御ステップと、前記保持手段に保持された印刷物のうちの指定した印刷物を外部に排出する要求をユーザから受け取る排出要求受取ステップと、ユーザの認証を行う認証ステップと、前記認証ステップによって、前記要求を行ったユーザが前記指定の印刷物を受け取る正当なユーザであることが認証されたとき、前記排出手段に、前記指定の印刷物を前記保持手段から取り出し、外部に排出させる排出制御ステップとを有することを特徴とする印刷物一時保管方法が提供される。
【0007】
さらに、上記印刷物一時保管方法をコンピュータに実行させるためのプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、保持手段が、画像形成手段から排出された印刷物を印刷ジョブごとに一時的に保持する。前記保持手段に保持された印刷物のうちの指定した印刷物を外部に排出する要求をユーザから受け取ると、該要求を行ったユーザの認証を行う。その結果、前記要求を行ったユーザが前記指定の印刷物を受け取る正当なユーザであることが認証されたとき、前記指定の印刷物を前記保持手段から取り出し、外部に排出させる。
【0009】
これにより、機密性の高い文書の出力において、ユーザが機器の傍らで待つ時間を短縮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、本発明の一実施の形態に係る画像形成システムの構成を示す断面図である。
【0012】
本画像形成システムは、画像形成装置1000と、バッファモジュール400と、折り装置500と、フィニッシャ本体600とから構成される。
【0013】
画像形成装置1000は、原稿給送装置100、イメージリーダ200、プリンタ300を有する。
【0014】
原稿給送装置100は、セットされた原稿を先頭頁から順に1枚ずつ、湾曲したパスを介してプラテンガラス102上を左から右へ向けて搬送し、その後排紙トレイ112へ排出する。このときスキャナユニット104は所定の位置に保持された状態にあり、このスキャナユニット104上を原稿が左から右へ通過することにより、原稿の読み取りが行われる。
【0015】
原稿の通過時、スキャナユニット104のランプ103の光が原稿に照射され、その原稿からの反射光がミラー105、106、107、レンズ108を介してイメージセンサ109に導かれる。尚、原稿給送装置100により原稿をプラテンガラス102上に搬送した後に原稿を停止させ、スキャナユニット104を左から右へ移動させることにより、原稿の読み取りを行うこともできる。
【0016】
イメージセンサ109により読み取った原稿の画像は画像処理が施されて露光制御部110へ送られる。露光制御部110は画像信号に応じたレーザ光を出力する。このレーザ光は感光ドラム111に照射され、感光ドラム111上に静電潜像が形成される。感光ドラム111上の静電潜像は現像器113により現像され、感光ドラム111上の現像剤はカセット114、115、手差し給紙部125、両面搬送パス124のいずれかから給送された用紙に転写部116で転写される。
【0017】
現像剤が転写された用紙は定着部117で現像剤の定着処理が施される。定着部117を通過した用紙はフラッパ121により一旦パス122に導かれ、用紙の後端がフラッパ121を抜けた後に用紙はスイッチバックされてフラッパ121により排出ローラ118へ導かれる。
【0018】
これにより、現像剤が転写された面を下向きの状態(フェイスダウン)で排出ローラ118によりプリンタ300から排出される。
【0019】
尚、手差し給紙部125から給紙されたOHPシートなどの硬い用紙に画像形成を行うときにはパス122に導くことなく、現像剤が転写された面を上向きの状態(フェイスアップ)で排出ローラ118から排出される。
【0020】
また、用紙の両面に画像形成する場合には、用紙を定着部117からまっすぐ排出ローラ118へ導き、用紙の後端がフラッパ121を抜けた直後に用紙をスイッチバックし、フラッパ121により両面搬送パス124へ導く。
【0021】
排出ローラ118から排出された用紙はバッファモジュール400へ送り込まれる。
【0022】
バッファモジュール400は、用紙の一時保管可能なバッファトレイ403を有しており、画像形成装置1000から排出された用紙を、次段の折り処理部500もしくはフィニッシャ本体600の処理速度に合わせて搬出すべく、入口切換フラッパ401、出口切換フラッパ402の切換え制御を行い、スルーパス411と入口パス412とのいずれかに送出する。これにより、画像形成装置1000と後処理装置500,600との間の処理速度の調整が行われる。このバッファモジュール400の詳細な制御内容の説明は後述する。
【0023】
折り装置500は用紙をZ形に折りたたむ処理を行う。折り装置500は、バッファモジュール400から排出された用紙を導入し、フィニッシャ本体600側に導くための折り搬送水平パス501を有する。また折り搬送水平パス501の出口部(フィニッシャ本体600側)には、折りパス選択フラッパ502が設けられている。折り処理を行う場合には、折りパス選択フラッパ502がオンされ、用紙が折りパス503に導かれる。折りパス503に導かれた用紙は、折りローラ504まで搬送されてZ型に折りたたまれる。これに対し、折り処理を行わない場合は、折りパス選択フラッパ502がオフされ、用紙はバッファモジュール400から折り搬送水平パス501を介してフィニッシャ本体600に直接に送られる。
【0024】
フィニッシャ本体600ではソート処理、綴じ処理、穴あけ等の処理を行う。フィニッシャ本体600は、折り装置500から排出された用紙を内部に導くための入口ローラ対601を有する。入口ローラ対601の下流には、用紙をフィニッシャパス602または第1製本パス603に導くための切換フラッパ604が設けられている。
【0025】
フィニッシャパス602に導かれた用紙は、搬送ローラ対605を介してバッファローラ606に向けて送られる。搬送ローラ対605とバッファローラ606は正逆転可能に構成されている。
【0026】
搬送ローラ対605とバッファローラ606との間にはパンチユニット607が設けられており、必要に応じて動作し、搬送されてきた用紙の後端付近に穴あけを行う。
【0027】
バッファローラ606は、その外周に、搬送ローラ対605を介して送られてきた用紙を所定枚数積載して巻き付け可能なローラであり、該ローラの外周には、その回転中に用紙が、各押下コロ608,609,610により巻き付けられる。
【0028】
押下コロ609,610の間には、切換フラッパ611が配置されており、押下コロ610下流には、切換フラッパ612が配置されている。切換フラッパ611は、バッファローラ606に巻き付けられた用紙をバッファローラ606から剥離してノンソートパス613またはソートパス614に導くためのフラッパであり、切換フラッパ612は、バッファローラに巻き付けられた用紙をソートパス614またはバッファパス615に導くためのフラッパである。
【0029】
ノンソートパス613に導かれた用紙は、排出ローラ対616を介してサンプルトレイ701に排出される。ソートパス614に導かれた用紙は、搬送ローラ対617、排出ローラ対618を介して中間トレイ619上に積載される。中間トレイ619上に積載された用紙束は、必要に応じて整合処理、ステイプル処理を施された後に、排出ローラ620によりスタックトレイ700上に排出される。
【0030】
中間トレイ619上に束積載された用紙を綴じるステイプル処理にはステイプラ621が用いられる。また、スタックトレイ700は鉛直方向に自走可能に構成されている。
【0031】
第1製本パス603、第2製本パス622からの用紙は、第1搬送ローラ対623、第2搬送ローラ対624によって収納ガイドに収納され、更に、第3搬送ローラ625によって、用紙先端が、可動式のシート位置決め部材626に接するまで搬送される。そして用紙束が、折りローラ対627と突き出し部材628とにより折り目が付けられ、折り畳まれた後、サドルトレイ702に排出される。
【0032】
インサータ800はフィニッシャ本体600の上部に設けられており、トレイ801に積載された用紙束を順次分離し、フィニッシャパス602または第2製本パス622に搬送する。
【0033】
用紙束は表面を上にしてセットされており、給紙ローラ802によって、搬送ローラ803、分離ベルト807からなる分離部に搬送され、最上位紙から1枚づつ順次分離される。
【0034】
分離部下流には、近接して引き抜きローラ対804が配置されており、分離された用紙を安定して下流に搬送する。入口ローラ対601と引き抜きローラ対804との中間には搬送ローラ対805が設けられている。
【0035】
インサータ800からの搬送パス806は、入口ローラ対601の上流で、バッファモジュール400からの搬送パスと合流する。
【0036】
次に、図2を参照して、バッファモジュール400の構成を詳細に説明する。
【0037】
図2は、バッファモジュール400の詳しい内部構成を示す図である。
【0038】
バッファモジュール400は、図2に示すように、プリンタ300から排出された用紙を内部に導くための入口ローラ対404を有する。この入口ローラ対404の下流には、用紙をスルーパス411または入口パス412に導くための入口切換フラッパ401、スルーパス411からの用紙と排紙パス413からの用紙を機外に排紙するための出口切換フラッパ402、用紙を検知するための入口センサ414、排紙センサ415が設けられている。
【0039】
入口切換フラッパ401の切換えによって、スルーパス411に導かれた用紙は、搬送ローラ対405(405a,405b,405c)を介して排紙ローラ対406に向けて送られる。排紙ローラ対406に送られた用紙は、バッファモジュール400の機外に排紙され、折り装置500に送られる。
【0040】
入口切換フラッパ401の切換によって、入口パス412に導かれた用紙は、搬送ローラ407を介して、バッファトレイ403に向けて送られ、バッファトレイ403に積載される。
【0041】
バッファトレイ403の下部には、積載されている用紙を次段の折り装置500に給送するための給送部が装備されている。この給送部は、半月ローラ409、分離ローラ408、分離搬送ローラ418、分離センサ417、バッファトレイ403の用紙の有無を検知するための用紙有無検知センサ416から構成される。
【0042】
ここで、半月ローラ409と分離ローラ408とは、分離モータ(図示せず)により回転して、バッファトレイ403内部に積載されている用紙束の最下部から用紙を1枚ずつ分離する。分離センサ417は、用紙がバッファトレイ403より分離されたか否かを検知するセンサである。分離された用紙は、分離搬送ローラ対418を介して、搬送ローラ対410(410a、410b、410c)に受け渡され、排紙パス413を通って、排紙ローラ対406から、次段の折り装置500に給送される。
【0043】
バッファトレイ403の上部には満載検知センサ421が配置される。この満載検知センサ421は、バッファトレイ403内部に積載された用紙の最上面が位置Pに到達したとき用紙を検知する。
【0044】
また、バッファモジュール400の他の構成としては、図3のように、バッファトレイ403aが一段ずつに分かれており、ユーザのジョブごとに一段のトレイを使用する構成もある。
【0045】
また、バッファモジュール400を、図4に示すように、折り装置500、フィニッシャ本体600(ソート処理、綴じ処理、穴あけ等の処理のみを行い、排紙ユニットが別途あるものとする)の後に配置し、印字や後処理の済んだ印刷物を該バッファモジュール400に一時的に保管し、ユーザの指示があったときに排紙トレイに出力させることができる構成も可能である。
【0046】
さらには、バッファトレイ自体に認証ロック機構が付属されていて、管理者やバッファトレイ内に用紙のある人以外はバッファトレイを開閉できないような仕組みのバッファトレイをバッファモジュール400に組み込むこともできる。
【0047】
図5は、バッファモジュール400の動作を制御する制御回路900の構成を示すブロック図である。
【0048】
制御回路900は、マイクロプロセッサ(以後「CPU」と記載)901を中心に構成されており、該CPU901の入出力ポートには、各種負荷のドライブ回路及び各種センサが接続される。
【0049】
また、制御回路900は、制御データを一時的に保持する領域や、制御に伴う演算の作業領域として用いられるRAM904と、制御シーケンスソフトが格納されているROM903とを備えている。また、制御回路900には、画像形成装置制御部4110やフィニッシャ制御部905とのデータ通信を制御するための通信用IC902が接続される。
【0050】
入口モータ433はドライバ443によって駆動される。このドライバ443にはCPU901から励磁信号と、モータ電流制御信号とが入力される。分離モータ434、排紙モータ435も上記と同様に、CPU901から入力信号を受けたドライバ444、445によって駆動される。入口ソレノイド431、排紙ソレノイド432はそれぞれドライバ441、442によって駆動される。ドライバ441〜445は全て、CPU901の出力ポートに接続され、CPU901からの信号によって、その動作を制御されるものである。
【0051】
さらに、入口センサ414、排紙センサ415、用紙有無検知センサ416、分離センサ417、満載検知センサ421等の各種センサは、CPU901の入力ポートに接続され、それらからの検知信号は、バッファモジュール400内部の用紙搬送や駆動負荷を制御するために用いられる。
【0052】
図6は、図5に示す画像形成装置制御部4110の内部構成を示すブロック図である。
【0053】
図6において、メインコントローラ4111は、主にCPU4112と、バスコントローラ4113と、シリアル通信コントローラ4114とから構成される。
【0054】
CPU4112とバスコントローラ4113は、画像形成装置制御部4110全体の動作を制御するものであり、CPU4112は、ROM4120からROMI/F4121を経由して読込んだプログラムに基づいて動作する。このプログラムには、ホストコンピュータから受信したPDL(ページ記述言語)コードデータを解釈し、ラスタイメージデータに展開する処理も記述されており、こうした解釈および展開がソフトウェアによって処理される。バスコントローラ4113は、各I/Fから入出力されるデータ転送を制御するものであり、バス競合時の調停やDMAデータ転送の制御を行う。
【0055】
DRAM4122は、DRAMI/F4123によってメインコントローラ4111と接続されており、CPU4112が動作するためのワークエリアや、画像データを蓄積するためのエリアとして使用される。
【0056】
調歩同期シリアル通信コントローラ4114は、イメージリーダ200、プリンタ300の各CPUとの間で、シリアルバス4172,4173を介して制御コマンドを送受信し、また、操作部(図示せず)のタッチパネルやキー入力部との間で通信を行う。
【0057】
ネットワークコントローラ4125はI/F4127によってメインコントローラ4111と接続され、コネクタ4126によって外部ネットワークと接続される。ネットワークとしては一般的にイーサネット(登録商標)があげられる。
【0058】
シリアルコネクタ4124は、メインコントローラ4111と接続されて、外部機器との通信を行う。シリアルバスとしては一般的にUSBがあげられる。
【0059】
ファン4128は、メインコントローラ4111に接続され、画像形成装置制御部4110を冷却するのに用いる。
【0060】
温度監視IC4142は、シリアルバス4143によってメインコントローラ4111に接続されている。温度監視IC4142は、ファン4128の制御や、リアルタイムクロックモジュール4137の温度補正等に用いられる。
【0061】
汎用高速バス4130には、拡張ボードを接続するための拡張コネクタ4135、I/O制御部4136、HDコントローラ4131、Codec4133が接続される。汎用高速バスとしては、一般的にPCIバスがあげられる。
【0062】
Codec4133は、DRAM4122に蓄積されたラスタイメージデータをMH/MR/MMR/JBIG/JPEG等の方式で圧縮し、また逆に圧縮され蓄積されたコードデータをラスタイメージデータに伸長する。SRAM4134は、Codec4133の一時的なワーク領域として使用される。DRAM4122との間のデータの転送は、バスコントローラ4113によって制御されDMA転送される。
【0063】
HDコントローラ4131は、外部記憶装置を接続するためのものである。本実施の形態においては、このHDコントローラ4131を介してハードディスクドライブ4132が接続されている。ハードディスクドライブ4132はプログラムを格納したり、画像データを記憶するのに用いられる。
【0064】
I/O制御部4136は、汎用高速バス4130の制御を行い、ポート制御部4145や割り込み制御部4146の制御を行う。
【0065】
パネルI/F4141は、LCDコントローラ4140に接続され、操作部(図示せず)上の液晶画面に表示を行うためのI/Fと、ハードキーやタッチパネルキーからの入力を行うためのキー入力I/Fとから構成される。
【0066】
操作部は、液晶表示部と、液晶表示部上に張り付けられたタッチパネル入力装置と、複数個のハードキーとを有する。タッチパネル入力装置またはハードキーにより入力された信号は、前述したパネルI/F4141を介してCPU4112に伝えられ、液晶表示部は、パネルI/F4141から送られてきた画像データを表示するものである。液晶表示部には、本画像形成装置の操作における機能表示や画像データ等の表示が行われる。
【0067】
リアルタイムクロックモジュール4137は、機器内で管理する日付と時刻を更新/保存するためのもので、バックアップ用電池4138によってバックアップされている。
【0068】
SRAM4139は、バックアップ用電池4138でバックアップされ、ユーザモード情報や各種設定情報、ハードディスクドライブ4132のファイル管理情報等を蓄積している。
【0069】
グラフィックプロセッサ4151は、DRAM4122に蓄積された画像データに対して、画像回転、画像変倍、色空間変換、二値化、スキャナ画像入力、プリンタ画像出力の処理を行う。DRAM4152は、グラフィックプロセッサ4151の一時的なワーク領域として使用される。グラフィックプロセッサ4151は、I/F4150を介してメインコントローラ4111と接続され、DRAM4122との間のデータの転送は、バスコントローラ4113によって制御されDMA転送される。
【0070】
コネクタ4160とコネクタ4155には、イメージリーダ200とプリンタ300とがそれぞれ接続され、また、調歩同期シリアルI/F4173,4172とビデオI/F4163,4162とがコネクタ4160とコネクタ4155にそれぞれ接続される。
【0071】
スキャナ画像処理部4157は、コネクタ4160を介してイメージリーダ200と接続され、また、スキャナバス4161によってグラフィックプロセッサ4151と接続されており、イメージリーダ200から受け取った画像に対して所定の処理を施す機能を有し、さらに、イメージリーダ200から送られたビデオ制御信号をもとに生成した制御信号を、スキャナバス4161に出力する機能も有する。
【0072】
FIFO4158は、スキャナ画像処理部4157と接続され、イメージリーダ200から送られてくるビデオ信号のライン補正を行うのに用いられる。
【0073】
プリンタ画像処理部4153は、コネクタ4155を介してプリンタ300と接続され、また、プリンタバス4156によってグラフィックプロセッサ4151と接続されており、グラフィックプロセッサ4151から出力された画像データに所定の処理を施して、プリンタ300へ出力する機能を有し、さらに、プリンタ300から送られたビデオ制御信号をもとに生成した制御信号を、プリンタバス4156に出力する機能も有する。
【0074】
DRAM4154は、プリンタ画像処理部4153に接続され、ビデオ信号を一定時間遅延させるのに用いられる。
【0075】
DRAM4122上に展開されたラスタイメージデータのプリンタ300への転送は、バスコントローラ4113によって制御され、グラフィックプロセッサ4151、プリンタ画像処理部4153、コネクタ4155を経由して、プリンタ300へDMA転送される。
【0076】
図7は、図1に示す画像形成システムを含むネットワークシステム全体の構成を示す図である。
【0077】
1000は、図1に示す画像形成システムである。画像形成システム1000は、イメージリーダ200から読み込んだ画像をローカルエリアネットワーク(以下「LAN」という)1010に流し、またLAN1010から受信した画像をプリンタ300によりプリントアウトできる。また、イメージリーダ200から読んだ画像を、図示しないFAX送信部により、PSTNまたはISDN1030に送信したり、PSTNまたはISDN1030から受信した画像をプリンタ300によりプリントアウトしたりすることができる。
【0078】
1002は、データベースサーバであり、画像形成システム1000で読み取られた2値画像及び多値画像を格納してデータベースとして管理する。1003は、データベースサーバ1002のデータベースクライアントであり、データベースサーバ1002に保存されている画像データに対して閲覧/検索等を行うことのできるクライアント端末装置である。1004は、電子メールサーバであり、画像形成システム1000により読み取った画像を電子メールの添付データとして受け取ることができる。1005は、電子メールクライアントであり、電子メールサーバ1004の受け取ったメールを受信して閲覧したり、電子メールを送信したりするクライアント端末装置である。1006は、HTML文書をLAN1010に提供するWWWサーバであり、WWWサーバ1006から提供されるHTML文書は画像形成システム1000でプリントアウトできる。1007は、DNSサーバであり、IPアドレスをアルファベットの文字列に対応付けるサーバである。1011はルータであり、LAN1010をインターネット/イントラネット1012と連結するものである。
【0079】
インターネット/イントラネット1012には、前述したデータベースサーバ1002、WWWサーバ1006、電子メールサーバ1004、画像形成システム1000と同様の装置が、それぞれデータベースサーバ1021、WWWサーバ1022、電子メールサーバ1023、画像形成システム1024として連結している。
【0080】
一方、画像形成システム1000は、PSTNまたはISDN1030を介して、FAX装置1031と接続され、ファクシミリ信号を送受信可能になっている。また、LAN1010上にネットワーク対応のプリンタ1040も接続されており、画像形成システム1000により読み取られた画像をプリンタ1040でプリントアウトすることが可能なように構成されている。
【0081】
また、クライアント端末1003やクライアント端末1005にはプリンタドライバがインストールされており、該クライアント端末はプリンタドライバ経由で文書データを印刷データに変換し、画像形成システム1000や画像形成システム1024、あるいはプリンタ1040へ印刷データを送信する。そして、印刷データを受信した画像形成システム1000、1024やプリンタ1040は、受信した印刷データに基づき画像をプリントアウトすることによりネットワークプリント動作を実現することができる。
【0082】
図8は、ユーザがコピー動作やプリント動作においてコピージョブやプリントジョブに対して行う設定操作を示すフローチャートである。まず、画像形成システムにおけるコピー動作を例に説明する。
【0083】
ユーザは、印刷後の用紙を排紙するか否かをコピージョブに対して設定する(ステップS7010)。本実施の形態では、印刷を終えた印刷物を外部に排出せず、バッファモジュール400内に保持しておく制御モードを「待機プリント」と呼ぶこととする。なお、印刷物を保持しておくバッファモジュール400の配置位置は、図1に示す位置であっても、図4に示す位置であってもよい。ユーザによって処理対象文書に待機プリントが設定されている場合にはステップS7020に進み、画像形成システムによって、処理対象のコピージョブに対して、印刷を終えた印刷物を外部に排出せず、バッファモジュール400内に保持しておく待機命令が付与される。一方、ユーザによって待機プリントが設定されていない場合には、印刷を行い、印刷を終えた印刷物をそのまま外部に排出する通常ジョブを行うことになるが、印刷出力部数やフィニッシング条件によっては、待機プリントを設定可能とするべく、画像形成システムがステップS7011〜S7013に示す判別処理を行う。
【0084】
すなわち、ステップS7011では、処理対象文書のジョブに複数の出力部数の設定があるか否かを判別し、ステップS7012では、処理対象文書のジョブが所定の出力条件に合うか否かを判別し、ステップS7013では、画像形成システムの操作部の画面(図11に例示)に、待機プリントを設定するための待機プリント設定キーを表示する。次のステップS7014では、ステップS7013で表示された待機プリント設定キーに対してユーザ操作がなされたか否かを判別し、ユーザ操作がなされて待機プリントが設定されたときにはステップS7020へ進み、ユーザ操作がなされないときにはステップS7030へ進む。
【0085】
ステップS7030では、画像形成システムによって、処理対象文書のジョブに対して、印刷を行い、印刷を終えた印刷物を外部に排出する通常ジョブ設定が行われる。
【0086】
ステップS7020またはステップS7030の後、ステップS7050において、ユーザが画像形成システムに対して印字開始命令を操作入力する。
【0087】
なお、クライアント端末から画像形成システムに対して印刷ジョブを投入するプリンタ動作の場合においても、ユーザはクライアント端末におけるプリンタドライバのプロパティ画面(図10)を操作して、コピー動作における画像形成システムの操作部画面でコピージョブに対して行ったものと同様の操作を印刷ジョブに対して行い、ステップS7050で印刷ジョブをクライアント端末から画像形成システムに対して投入する。
【0088】
図9は、コピー動作あるいはプリンタ動作において、印字開始命令に基づき画像形成システムが行なう印字処理を示すフローチャートである。
【0089】
ステップS7055では、画像形成システムが、処理対象文書のジョブに対して待機命令が付与されているか否かを判別し、待機命令が付与されていればステップS7060へ進み、付与されていなければステップS7070へ進む。
【0090】
ステップS7070では、画像形成システムが印刷物を即座に排紙処理する。そして、ステップS7080で、ユーザは、排紙された印刷物を受け取る。
【0091】
ステップS7060では、画像形成システムの傍にきたユーザによってユーザ認証のための入力操作が行われ、その結果、認証されたか否かを判別する。ユーザ認証は、パスワードによって行う他、無線タグICカードなどを用いたユーザ認証でもよい。認証されればステップS7065に進んで、ユーザが画像形成システムに対して排紙命令を入力操作し、ステップS7080で、ユーザは、排紙された印刷物を受け取る。
【0092】
以上のようにして、機密性の高い文書のため画像形成システムの傍をユーザが離れることのできず、しかも、大量部数を印字するため時間がかかるような場合も、ユーザは、一時的に画像形成システムから離れて別の作業を行うことが可能になる。
【0093】
なお、印刷が終了したら、画像形成システムが、終了した旨を電子メールによってユーザに連絡したり、終了アラームなどによりユーザに通知したりするようにしてもよい。
【0094】
また、待機プリントによって、バッファモジュール400内に印刷物が一定時間以上存在する場合に、ユーザへ通知し、その印刷物を排紙させることを促すようにしてもよく、また、その通知回数を記録して、通知回数に応じて対応を変えるようにしてもよい。
【0095】
また、待機状態になると、その旨をユーザへ通知するようにしてもよい。その通知方法は、ユーザ認証用のICカード内などに設定保存しておくようにしてもよい。
【0096】
次に、画像形成装置制御部4110で行われる待機プリント処理について、図12及び図13を参照して説明する。
【0097】
図12及び図13は、画像形成装置制御部4110で行われる待機プリント処理を含む印刷処理の手順を示すフローチャートである。
【0098】
画像形成装置制御部4110は、処理対象ジョブに対して待機プリントが設定されているか否かを判断する(ステップS8010)。待機プリントが設定されていればステップS8030へ進み、設定されていなければステップS8020へ進む。
【0099】
ステップS8020では、画像形成装置制御部4110は、印刷を行い、印刷を終えた印刷物をそのまま外部に排出する通常プリント・排紙命令を出力する。
【0100】
ステップS8030では、画像形成装置制御部4110は、フィニッシャ制御部905と通信を行って、バッファトレイ403の用紙の積載状態を示すバッファトレイ情報を取得し、バッファトレイ403に空きがあるか否かを判別する。その結果、バッファトレイ403に空きがあるならばステップS8050へ進み、バッファトレイ403に空きがなく、用紙が満載されているならばステップS8040へ進む。
【0101】
ステップS8050では、画像形成装置制御部4110は、印刷を行い、その後、印刷を終えた印刷物を外部に排出せず、バッファトレイ403に保持しておくプリント・フィニッシング待機命令を出力する。
【0102】
この待機命令に従って、印刷が行われ、印刷を終えた印刷物がバッファトレイ403に積載されるので、画像形成装置制御部4110は、フィニッシャ制御部905から、バッファトレイ403の新たな積載状態を示すバッファトレイ情報を取得し、ステップS8030で取得したバッファトレイ情報を更新する(ステップS8051)。
【0103】
その後に、ユーザが、画像形成システムの操作パネル前に来て、バッファトレイ403に積載されている印刷物に対応するジョブを指定し、該印刷物を排紙するように入力操作した上で、ユーザ認証を行い(ステップS8052)、その結果、認証されればステップS8053へ進み、認証されなければステップS8060へ進む。なお、ステップS8052のユーザ認証を所定回数行うことができるようにし、それでも認証されない場合にステップS8060へ進むようにしてもよい。
【0104】
ステップS8053では、画像形成装置制御部4110は、バッファトレイ403に積載されている指定の印刷物を外部に排出するように排紙命令を出力し、本印刷処理を終了する。
【0105】
ステップS8060では、ユーザ認証されない旨を音声や操作パネルの表示によって行うとともに、管理者やジョブに関連するユーザへ、電子メールまたはファクシミリ通信などによって、バッファトレイ403に積載されたままの印刷物が存在する旨を警告する。さらには、所定時間の経過後に、バッファトレイ403から指定の印刷物を外部に排出する権限を無効にするなどの処理を行うようにしてもよい(ステップS8061)。
【0106】
ステップS8040では、処理対象文書データを一時的に画像形成装置制御部4110内のハードディスクなどの記憶装置に保存を行う(従来のセキュアプリントと同様の処理)。この場合、その旨を電子メールなどの方法でユーザへ通知するようにしてもよい。
【0107】
次に、ユーザが認証作業を行なうまでの間に、バッファトレイ403に空きが発生したか否かを判別し、空きが発生すればステップS8050へ進み、空きが発生しないが、ユーザの認証作業が未だ始まっていないならばステップS8050を再度実行し、空きが発生しないが、ユーザの認証作業が始まったならばステップS8042へ進む。
【0108】
ステップS8042では、ユーザが、画像形成システムの操作パネル前に来て、ジョブを指定し、印刷物を即座に排紙するように入力操作した上でユーザ認証を行い、その結果、認証されればステップS8043へ進み、認証されなければステップS8060へ進む。なお、ステップS8042のユーザ認証を所定回数行うことができるようにし、それでも認証されない場合にステップS8060へ進むようにしてもよい。
【0109】
ステップS8043では、画像形成装置制御部4110は、一時的に画像形成装置制御部4110内のハードディスクなどの記憶装置に保存された処理対象文書データに基づいて印刷を行い、即座に排紙するプリント・フィニッシング命令を出力する。この場合、排紙までの待ち時間は従来のセキュアプリントと同じになる。
【0110】
そして、本印刷処理を終了する。
【0111】
なお、処理対象文書データを、一時的に画像形成装置制御部4110内のハードディスクなどの記憶装置に保存した後、ステップS8041を経て、ステップS8042でユーザ認証されずにステップS8060へ進んだ場合には、ユーザ認証されない旨を音声や操作パネルの表示によって行うとともに、管理者やジョブに関連するユーザへ、電子メールまたはファクシミリ通信などによって、記憶装置に保存されたままの文書データが存在する旨を警告する。さらには、所定時間の経過後に、記憶装置に保存された文書データを削除するなどの処理を行うようにしてもよい(ステップS8061)。
【0112】
次に、バッファモジュール400の制御回路900で行われる印刷物保持・排出処理について説明する。
【0113】
図14は、バッファモジュール400の制御回路900で行われる印刷物保持・排出処理の手順を示すフローチャートである。
【0114】
まず、制御回路900は、処理対象ジョブに待機プリントが設定されているか否かを判断する(ステップS9010)。設定されていればステップS9030へ進み、設定されていなければステップS9020へ進む。
【0115】
ステップS9020では、制御回路900は、通常のフィニッシング及び排紙を行う命令を出力する。
【0116】
ステップS9030では、制御回路900は、印刷物をバッファトレイ403に保持すべきか、バッファトレイ403に保持されている印刷物を排出すべきかを判別する。印刷物をバッファトレイ403に保持すべきならば、ステップS9040へ進み、バッファトレイ403に保持されている印刷物を排出すべきならば、ステップS9031へ進む。
【0117】
ステップS9031では、制御回路900は、画像形成装置制御部4110に保持されているトレイ保持情報を参照して、印刷物を排出すべきトレイの番号を指定し、ステップS9032で、制御回路900は、該指定した番号のトレイに保持されている印刷物を排出する命令を行う。
【0118】
ステップS9040では、制御回路900は、バッファトレイ403の空き情報を確認し、空きがあればステップS9041へ進み、空きがなければステップS9043へ進む。
【0119】
ステップS9041では、制御回路900はフィニッシング命令を出力し、ステップS9042では、バッファトレイ403の空き部分に対象印刷物を入れる命令を出力する。そしてステップS9043では、バッファトレイ403のどのトレイにどの印刷物が保持されているかを示すトレイ保持情報を画像形成装置制御部4110に送信する。
【0120】
一方、ステップS9040で、バッファトレイ403に空きがないとしてステップS9043へ進んだ場合には、画像形成装置制御部4110にその旨を通知し、当該ジョブに関しての画像形成装置制御部4110からの命令を待つ。
【0121】
なお、バッファトレイ403に無線タグリーダを取り付けて、無線タグ付き用紙とトレイ保持情報を効率的に管理する構成も可能である。
【0122】
なおまた、フィニッシャ本体600に用紙詰まりが生じることがある。バッファモジュール400以外の場所での用紙詰まりの際にも、バッファモジュール400の扉を開錠することはできないようにする。各ジョブに対応してバッファモジュール400にそれぞれ扉があり、これを開錠できる権利を持つのは管理者およびジョブ対応のユーザのみとするようにしてもよい。また、ユーザ認証が完了していない場合は、フィニッシャ本体600を開けられないようにしてもよい。
【0123】
〔他の実施の形態〕
なお、本発明の目的は、前述した実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムまたは装置に供給し、そのシステムまたは装置のコンピュータ(またはCPU、MPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される。
【0124】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体およびプログラムは本発明を構成することになる。
【0125】
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。或いは、上記プログラムは、インターネット、商用ネットワーク、若しくはローカルエリアネットワーク等に接続される他のコンピュータやデータベース等からダウンロードすることにより供給される。
【0126】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施の形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0127】
更に、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0128】
【図1】本発明の一実施の形態に係る画像形成システムの構成を示す断面図である。
【図2】バッファモジュールの詳しい内部構成を示す図である。
【図3】バッファモジュールの他の構成を示す図である。
【図4】バッファモジュールを、折り装置、フィニッシャ本体の後に配置した構成の画像形成システムを示す断面図である。
【図5】バッファモジュールの動作を制御する制御回路の構成を示すブロック図である。
【図6】図5に示す画像形成装置制御部の内部構成を示すブロック図である。
【図7】図1に示す画像形成システムを含むネットワークシステム全体の構成を示す図である。
【図8】ユーザがコピー動作やプリント動作においてコピージョブやプリントジョブに対して行う設定操作を示すフローチャートである。
【図9】コピー動作あるいはプリンタ動作において、印字開始命令に基づき画像形成システムが行なう印字処理を示すフローチャートである。
【図10】画像形成システムがプリンタとして使用される場合に表示されるプロパティ画面を示す図である。
【図11】画像形成システムが複写機として使用される場合に表示されるプロパティ画面を示す図である。
【図12】画像形成装置制御部で行われる待機プリント処理を含む印刷処理の手順を示すフローチャート(1/2)である。
【図13】画像形成装置制御部で行われる待機プリント処理を含む印刷処理の手順を示すフローチャート(2/2)である。
【図14】バッファモジュールの制御回路で行われる印刷物保持・排出処理の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0129】
100 原稿給送装置
200 イメージリーダ
300 プリンタ
400 バッファモジュール
403 バッファトレイ(保持手段)
500 折り装置
600 フィニッシャ本体
1000 画像形成装置(画像形成手段)
900 制御回路
901 CPU(排出要求受取手段、認証手段、排出手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、印刷物一時保管方法、及びプログラムに関し、特に、画像形成手段から排出された印刷物を一時的に保管し、ユーザからの要求に応じて排出する画像形成装置、該画像形成装置に適用される印刷物一時保管方法、及び該印刷物一時保管方法をコンピュータに実行させるためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、機密性の高い文書をプリントアウトする際に、「セキュアプリント(Secured Print)」というプリント方法が用いられる(例えば特許文献1)。この方法では、複合機などに備えられたハードディスクなどのデータ記憶装置に一時的にデータを保存しておき、ユーザが複合機の操作パネルを直接操作し、パスワードなどを入力してプリント開始命令を行うことにより、該データに基づくプリントが開始され、他のユーザにプリントされた文書を盗み見られたり、盗難されたりすることを防いでいる。
【特許文献1】特開平05−143253号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来のセキュアプリントでは、ユーザが複合機の傍でプリントが終了するのを待たねばならないという問題点があった。
【0004】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであって、機密性の高い文書の出力において、ユーザが機器の傍らで待つ時間を短縮するようにした画像形成装置、印刷物一時保管方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明によれば、画像形成手段から排出された印刷物を印刷ジョブごとに一時的に保持する保持手段と、ユーザから受け取る排出要求受取手段と、前記排出要求受取手段が前記要求を受け取ると、該要求を行ったユーザの認証を行う認証手段と、前記認証手段によって、前記要求を行ったユーザが前記指定の印刷物を受け取る正当なユーザであることが認証されたとき、前記指定の印刷物を前記保持手段から取り出し、外部に排出させる排出手段とを有することを特徴とする画像形成装置が提供される。
【0006】
また、請求項9記載の発明によれば、印刷物を印刷ジョブごとに一時的に保持する保持手段と、該保持手段に保持された印刷物を外部に排出する排出手段とを備えた画像形成装置に適用される印刷物一時保管方法において、画像形成手段から排出された印刷物を前記保持手段に保持させる保持制御ステップと、前記保持手段に保持された印刷物のうちの指定した印刷物を外部に排出する要求をユーザから受け取る排出要求受取ステップと、ユーザの認証を行う認証ステップと、前記認証ステップによって、前記要求を行ったユーザが前記指定の印刷物を受け取る正当なユーザであることが認証されたとき、前記排出手段に、前記指定の印刷物を前記保持手段から取り出し、外部に排出させる排出制御ステップとを有することを特徴とする印刷物一時保管方法が提供される。
【0007】
さらに、上記印刷物一時保管方法をコンピュータに実行させるためのプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、保持手段が、画像形成手段から排出された印刷物を印刷ジョブごとに一時的に保持する。前記保持手段に保持された印刷物のうちの指定した印刷物を外部に排出する要求をユーザから受け取ると、該要求を行ったユーザの認証を行う。その結果、前記要求を行ったユーザが前記指定の印刷物を受け取る正当なユーザであることが認証されたとき、前記指定の印刷物を前記保持手段から取り出し、外部に排出させる。
【0009】
これにより、機密性の高い文書の出力において、ユーザが機器の傍らで待つ時間を短縮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、本発明の一実施の形態に係る画像形成システムの構成を示す断面図である。
【0012】
本画像形成システムは、画像形成装置1000と、バッファモジュール400と、折り装置500と、フィニッシャ本体600とから構成される。
【0013】
画像形成装置1000は、原稿給送装置100、イメージリーダ200、プリンタ300を有する。
【0014】
原稿給送装置100は、セットされた原稿を先頭頁から順に1枚ずつ、湾曲したパスを介してプラテンガラス102上を左から右へ向けて搬送し、その後排紙トレイ112へ排出する。このときスキャナユニット104は所定の位置に保持された状態にあり、このスキャナユニット104上を原稿が左から右へ通過することにより、原稿の読み取りが行われる。
【0015】
原稿の通過時、スキャナユニット104のランプ103の光が原稿に照射され、その原稿からの反射光がミラー105、106、107、レンズ108を介してイメージセンサ109に導かれる。尚、原稿給送装置100により原稿をプラテンガラス102上に搬送した後に原稿を停止させ、スキャナユニット104を左から右へ移動させることにより、原稿の読み取りを行うこともできる。
【0016】
イメージセンサ109により読み取った原稿の画像は画像処理が施されて露光制御部110へ送られる。露光制御部110は画像信号に応じたレーザ光を出力する。このレーザ光は感光ドラム111に照射され、感光ドラム111上に静電潜像が形成される。感光ドラム111上の静電潜像は現像器113により現像され、感光ドラム111上の現像剤はカセット114、115、手差し給紙部125、両面搬送パス124のいずれかから給送された用紙に転写部116で転写される。
【0017】
現像剤が転写された用紙は定着部117で現像剤の定着処理が施される。定着部117を通過した用紙はフラッパ121により一旦パス122に導かれ、用紙の後端がフラッパ121を抜けた後に用紙はスイッチバックされてフラッパ121により排出ローラ118へ導かれる。
【0018】
これにより、現像剤が転写された面を下向きの状態(フェイスダウン)で排出ローラ118によりプリンタ300から排出される。
【0019】
尚、手差し給紙部125から給紙されたOHPシートなどの硬い用紙に画像形成を行うときにはパス122に導くことなく、現像剤が転写された面を上向きの状態(フェイスアップ)で排出ローラ118から排出される。
【0020】
また、用紙の両面に画像形成する場合には、用紙を定着部117からまっすぐ排出ローラ118へ導き、用紙の後端がフラッパ121を抜けた直後に用紙をスイッチバックし、フラッパ121により両面搬送パス124へ導く。
【0021】
排出ローラ118から排出された用紙はバッファモジュール400へ送り込まれる。
【0022】
バッファモジュール400は、用紙の一時保管可能なバッファトレイ403を有しており、画像形成装置1000から排出された用紙を、次段の折り処理部500もしくはフィニッシャ本体600の処理速度に合わせて搬出すべく、入口切換フラッパ401、出口切換フラッパ402の切換え制御を行い、スルーパス411と入口パス412とのいずれかに送出する。これにより、画像形成装置1000と後処理装置500,600との間の処理速度の調整が行われる。このバッファモジュール400の詳細な制御内容の説明は後述する。
【0023】
折り装置500は用紙をZ形に折りたたむ処理を行う。折り装置500は、バッファモジュール400から排出された用紙を導入し、フィニッシャ本体600側に導くための折り搬送水平パス501を有する。また折り搬送水平パス501の出口部(フィニッシャ本体600側)には、折りパス選択フラッパ502が設けられている。折り処理を行う場合には、折りパス選択フラッパ502がオンされ、用紙が折りパス503に導かれる。折りパス503に導かれた用紙は、折りローラ504まで搬送されてZ型に折りたたまれる。これに対し、折り処理を行わない場合は、折りパス選択フラッパ502がオフされ、用紙はバッファモジュール400から折り搬送水平パス501を介してフィニッシャ本体600に直接に送られる。
【0024】
フィニッシャ本体600ではソート処理、綴じ処理、穴あけ等の処理を行う。フィニッシャ本体600は、折り装置500から排出された用紙を内部に導くための入口ローラ対601を有する。入口ローラ対601の下流には、用紙をフィニッシャパス602または第1製本パス603に導くための切換フラッパ604が設けられている。
【0025】
フィニッシャパス602に導かれた用紙は、搬送ローラ対605を介してバッファローラ606に向けて送られる。搬送ローラ対605とバッファローラ606は正逆転可能に構成されている。
【0026】
搬送ローラ対605とバッファローラ606との間にはパンチユニット607が設けられており、必要に応じて動作し、搬送されてきた用紙の後端付近に穴あけを行う。
【0027】
バッファローラ606は、その外周に、搬送ローラ対605を介して送られてきた用紙を所定枚数積載して巻き付け可能なローラであり、該ローラの外周には、その回転中に用紙が、各押下コロ608,609,610により巻き付けられる。
【0028】
押下コロ609,610の間には、切換フラッパ611が配置されており、押下コロ610下流には、切換フラッパ612が配置されている。切換フラッパ611は、バッファローラ606に巻き付けられた用紙をバッファローラ606から剥離してノンソートパス613またはソートパス614に導くためのフラッパであり、切換フラッパ612は、バッファローラに巻き付けられた用紙をソートパス614またはバッファパス615に導くためのフラッパである。
【0029】
ノンソートパス613に導かれた用紙は、排出ローラ対616を介してサンプルトレイ701に排出される。ソートパス614に導かれた用紙は、搬送ローラ対617、排出ローラ対618を介して中間トレイ619上に積載される。中間トレイ619上に積載された用紙束は、必要に応じて整合処理、ステイプル処理を施された後に、排出ローラ620によりスタックトレイ700上に排出される。
【0030】
中間トレイ619上に束積載された用紙を綴じるステイプル処理にはステイプラ621が用いられる。また、スタックトレイ700は鉛直方向に自走可能に構成されている。
【0031】
第1製本パス603、第2製本パス622からの用紙は、第1搬送ローラ対623、第2搬送ローラ対624によって収納ガイドに収納され、更に、第3搬送ローラ625によって、用紙先端が、可動式のシート位置決め部材626に接するまで搬送される。そして用紙束が、折りローラ対627と突き出し部材628とにより折り目が付けられ、折り畳まれた後、サドルトレイ702に排出される。
【0032】
インサータ800はフィニッシャ本体600の上部に設けられており、トレイ801に積載された用紙束を順次分離し、フィニッシャパス602または第2製本パス622に搬送する。
【0033】
用紙束は表面を上にしてセットされており、給紙ローラ802によって、搬送ローラ803、分離ベルト807からなる分離部に搬送され、最上位紙から1枚づつ順次分離される。
【0034】
分離部下流には、近接して引き抜きローラ対804が配置されており、分離された用紙を安定して下流に搬送する。入口ローラ対601と引き抜きローラ対804との中間には搬送ローラ対805が設けられている。
【0035】
インサータ800からの搬送パス806は、入口ローラ対601の上流で、バッファモジュール400からの搬送パスと合流する。
【0036】
次に、図2を参照して、バッファモジュール400の構成を詳細に説明する。
【0037】
図2は、バッファモジュール400の詳しい内部構成を示す図である。
【0038】
バッファモジュール400は、図2に示すように、プリンタ300から排出された用紙を内部に導くための入口ローラ対404を有する。この入口ローラ対404の下流には、用紙をスルーパス411または入口パス412に導くための入口切換フラッパ401、スルーパス411からの用紙と排紙パス413からの用紙を機外に排紙するための出口切換フラッパ402、用紙を検知するための入口センサ414、排紙センサ415が設けられている。
【0039】
入口切換フラッパ401の切換えによって、スルーパス411に導かれた用紙は、搬送ローラ対405(405a,405b,405c)を介して排紙ローラ対406に向けて送られる。排紙ローラ対406に送られた用紙は、バッファモジュール400の機外に排紙され、折り装置500に送られる。
【0040】
入口切換フラッパ401の切換によって、入口パス412に導かれた用紙は、搬送ローラ407を介して、バッファトレイ403に向けて送られ、バッファトレイ403に積載される。
【0041】
バッファトレイ403の下部には、積載されている用紙を次段の折り装置500に給送するための給送部が装備されている。この給送部は、半月ローラ409、分離ローラ408、分離搬送ローラ418、分離センサ417、バッファトレイ403の用紙の有無を検知するための用紙有無検知センサ416から構成される。
【0042】
ここで、半月ローラ409と分離ローラ408とは、分離モータ(図示せず)により回転して、バッファトレイ403内部に積載されている用紙束の最下部から用紙を1枚ずつ分離する。分離センサ417は、用紙がバッファトレイ403より分離されたか否かを検知するセンサである。分離された用紙は、分離搬送ローラ対418を介して、搬送ローラ対410(410a、410b、410c)に受け渡され、排紙パス413を通って、排紙ローラ対406から、次段の折り装置500に給送される。
【0043】
バッファトレイ403の上部には満載検知センサ421が配置される。この満載検知センサ421は、バッファトレイ403内部に積載された用紙の最上面が位置Pに到達したとき用紙を検知する。
【0044】
また、バッファモジュール400の他の構成としては、図3のように、バッファトレイ403aが一段ずつに分かれており、ユーザのジョブごとに一段のトレイを使用する構成もある。
【0045】
また、バッファモジュール400を、図4に示すように、折り装置500、フィニッシャ本体600(ソート処理、綴じ処理、穴あけ等の処理のみを行い、排紙ユニットが別途あるものとする)の後に配置し、印字や後処理の済んだ印刷物を該バッファモジュール400に一時的に保管し、ユーザの指示があったときに排紙トレイに出力させることができる構成も可能である。
【0046】
さらには、バッファトレイ自体に認証ロック機構が付属されていて、管理者やバッファトレイ内に用紙のある人以外はバッファトレイを開閉できないような仕組みのバッファトレイをバッファモジュール400に組み込むこともできる。
【0047】
図5は、バッファモジュール400の動作を制御する制御回路900の構成を示すブロック図である。
【0048】
制御回路900は、マイクロプロセッサ(以後「CPU」と記載)901を中心に構成されており、該CPU901の入出力ポートには、各種負荷のドライブ回路及び各種センサが接続される。
【0049】
また、制御回路900は、制御データを一時的に保持する領域や、制御に伴う演算の作業領域として用いられるRAM904と、制御シーケンスソフトが格納されているROM903とを備えている。また、制御回路900には、画像形成装置制御部4110やフィニッシャ制御部905とのデータ通信を制御するための通信用IC902が接続される。
【0050】
入口モータ433はドライバ443によって駆動される。このドライバ443にはCPU901から励磁信号と、モータ電流制御信号とが入力される。分離モータ434、排紙モータ435も上記と同様に、CPU901から入力信号を受けたドライバ444、445によって駆動される。入口ソレノイド431、排紙ソレノイド432はそれぞれドライバ441、442によって駆動される。ドライバ441〜445は全て、CPU901の出力ポートに接続され、CPU901からの信号によって、その動作を制御されるものである。
【0051】
さらに、入口センサ414、排紙センサ415、用紙有無検知センサ416、分離センサ417、満載検知センサ421等の各種センサは、CPU901の入力ポートに接続され、それらからの検知信号は、バッファモジュール400内部の用紙搬送や駆動負荷を制御するために用いられる。
【0052】
図6は、図5に示す画像形成装置制御部4110の内部構成を示すブロック図である。
【0053】
図6において、メインコントローラ4111は、主にCPU4112と、バスコントローラ4113と、シリアル通信コントローラ4114とから構成される。
【0054】
CPU4112とバスコントローラ4113は、画像形成装置制御部4110全体の動作を制御するものであり、CPU4112は、ROM4120からROMI/F4121を経由して読込んだプログラムに基づいて動作する。このプログラムには、ホストコンピュータから受信したPDL(ページ記述言語)コードデータを解釈し、ラスタイメージデータに展開する処理も記述されており、こうした解釈および展開がソフトウェアによって処理される。バスコントローラ4113は、各I/Fから入出力されるデータ転送を制御するものであり、バス競合時の調停やDMAデータ転送の制御を行う。
【0055】
DRAM4122は、DRAMI/F4123によってメインコントローラ4111と接続されており、CPU4112が動作するためのワークエリアや、画像データを蓄積するためのエリアとして使用される。
【0056】
調歩同期シリアル通信コントローラ4114は、イメージリーダ200、プリンタ300の各CPUとの間で、シリアルバス4172,4173を介して制御コマンドを送受信し、また、操作部(図示せず)のタッチパネルやキー入力部との間で通信を行う。
【0057】
ネットワークコントローラ4125はI/F4127によってメインコントローラ4111と接続され、コネクタ4126によって外部ネットワークと接続される。ネットワークとしては一般的にイーサネット(登録商標)があげられる。
【0058】
シリアルコネクタ4124は、メインコントローラ4111と接続されて、外部機器との通信を行う。シリアルバスとしては一般的にUSBがあげられる。
【0059】
ファン4128は、メインコントローラ4111に接続され、画像形成装置制御部4110を冷却するのに用いる。
【0060】
温度監視IC4142は、シリアルバス4143によってメインコントローラ4111に接続されている。温度監視IC4142は、ファン4128の制御や、リアルタイムクロックモジュール4137の温度補正等に用いられる。
【0061】
汎用高速バス4130には、拡張ボードを接続するための拡張コネクタ4135、I/O制御部4136、HDコントローラ4131、Codec4133が接続される。汎用高速バスとしては、一般的にPCIバスがあげられる。
【0062】
Codec4133は、DRAM4122に蓄積されたラスタイメージデータをMH/MR/MMR/JBIG/JPEG等の方式で圧縮し、また逆に圧縮され蓄積されたコードデータをラスタイメージデータに伸長する。SRAM4134は、Codec4133の一時的なワーク領域として使用される。DRAM4122との間のデータの転送は、バスコントローラ4113によって制御されDMA転送される。
【0063】
HDコントローラ4131は、外部記憶装置を接続するためのものである。本実施の形態においては、このHDコントローラ4131を介してハードディスクドライブ4132が接続されている。ハードディスクドライブ4132はプログラムを格納したり、画像データを記憶するのに用いられる。
【0064】
I/O制御部4136は、汎用高速バス4130の制御を行い、ポート制御部4145や割り込み制御部4146の制御を行う。
【0065】
パネルI/F4141は、LCDコントローラ4140に接続され、操作部(図示せず)上の液晶画面に表示を行うためのI/Fと、ハードキーやタッチパネルキーからの入力を行うためのキー入力I/Fとから構成される。
【0066】
操作部は、液晶表示部と、液晶表示部上に張り付けられたタッチパネル入力装置と、複数個のハードキーとを有する。タッチパネル入力装置またはハードキーにより入力された信号は、前述したパネルI/F4141を介してCPU4112に伝えられ、液晶表示部は、パネルI/F4141から送られてきた画像データを表示するものである。液晶表示部には、本画像形成装置の操作における機能表示や画像データ等の表示が行われる。
【0067】
リアルタイムクロックモジュール4137は、機器内で管理する日付と時刻を更新/保存するためのもので、バックアップ用電池4138によってバックアップされている。
【0068】
SRAM4139は、バックアップ用電池4138でバックアップされ、ユーザモード情報や各種設定情報、ハードディスクドライブ4132のファイル管理情報等を蓄積している。
【0069】
グラフィックプロセッサ4151は、DRAM4122に蓄積された画像データに対して、画像回転、画像変倍、色空間変換、二値化、スキャナ画像入力、プリンタ画像出力の処理を行う。DRAM4152は、グラフィックプロセッサ4151の一時的なワーク領域として使用される。グラフィックプロセッサ4151は、I/F4150を介してメインコントローラ4111と接続され、DRAM4122との間のデータの転送は、バスコントローラ4113によって制御されDMA転送される。
【0070】
コネクタ4160とコネクタ4155には、イメージリーダ200とプリンタ300とがそれぞれ接続され、また、調歩同期シリアルI/F4173,4172とビデオI/F4163,4162とがコネクタ4160とコネクタ4155にそれぞれ接続される。
【0071】
スキャナ画像処理部4157は、コネクタ4160を介してイメージリーダ200と接続され、また、スキャナバス4161によってグラフィックプロセッサ4151と接続されており、イメージリーダ200から受け取った画像に対して所定の処理を施す機能を有し、さらに、イメージリーダ200から送られたビデオ制御信号をもとに生成した制御信号を、スキャナバス4161に出力する機能も有する。
【0072】
FIFO4158は、スキャナ画像処理部4157と接続され、イメージリーダ200から送られてくるビデオ信号のライン補正を行うのに用いられる。
【0073】
プリンタ画像処理部4153は、コネクタ4155を介してプリンタ300と接続され、また、プリンタバス4156によってグラフィックプロセッサ4151と接続されており、グラフィックプロセッサ4151から出力された画像データに所定の処理を施して、プリンタ300へ出力する機能を有し、さらに、プリンタ300から送られたビデオ制御信号をもとに生成した制御信号を、プリンタバス4156に出力する機能も有する。
【0074】
DRAM4154は、プリンタ画像処理部4153に接続され、ビデオ信号を一定時間遅延させるのに用いられる。
【0075】
DRAM4122上に展開されたラスタイメージデータのプリンタ300への転送は、バスコントローラ4113によって制御され、グラフィックプロセッサ4151、プリンタ画像処理部4153、コネクタ4155を経由して、プリンタ300へDMA転送される。
【0076】
図7は、図1に示す画像形成システムを含むネットワークシステム全体の構成を示す図である。
【0077】
1000は、図1に示す画像形成システムである。画像形成システム1000は、イメージリーダ200から読み込んだ画像をローカルエリアネットワーク(以下「LAN」という)1010に流し、またLAN1010から受信した画像をプリンタ300によりプリントアウトできる。また、イメージリーダ200から読んだ画像を、図示しないFAX送信部により、PSTNまたはISDN1030に送信したり、PSTNまたはISDN1030から受信した画像をプリンタ300によりプリントアウトしたりすることができる。
【0078】
1002は、データベースサーバであり、画像形成システム1000で読み取られた2値画像及び多値画像を格納してデータベースとして管理する。1003は、データベースサーバ1002のデータベースクライアントであり、データベースサーバ1002に保存されている画像データに対して閲覧/検索等を行うことのできるクライアント端末装置である。1004は、電子メールサーバであり、画像形成システム1000により読み取った画像を電子メールの添付データとして受け取ることができる。1005は、電子メールクライアントであり、電子メールサーバ1004の受け取ったメールを受信して閲覧したり、電子メールを送信したりするクライアント端末装置である。1006は、HTML文書をLAN1010に提供するWWWサーバであり、WWWサーバ1006から提供されるHTML文書は画像形成システム1000でプリントアウトできる。1007は、DNSサーバであり、IPアドレスをアルファベットの文字列に対応付けるサーバである。1011はルータであり、LAN1010をインターネット/イントラネット1012と連結するものである。
【0079】
インターネット/イントラネット1012には、前述したデータベースサーバ1002、WWWサーバ1006、電子メールサーバ1004、画像形成システム1000と同様の装置が、それぞれデータベースサーバ1021、WWWサーバ1022、電子メールサーバ1023、画像形成システム1024として連結している。
【0080】
一方、画像形成システム1000は、PSTNまたはISDN1030を介して、FAX装置1031と接続され、ファクシミリ信号を送受信可能になっている。また、LAN1010上にネットワーク対応のプリンタ1040も接続されており、画像形成システム1000により読み取られた画像をプリンタ1040でプリントアウトすることが可能なように構成されている。
【0081】
また、クライアント端末1003やクライアント端末1005にはプリンタドライバがインストールされており、該クライアント端末はプリンタドライバ経由で文書データを印刷データに変換し、画像形成システム1000や画像形成システム1024、あるいはプリンタ1040へ印刷データを送信する。そして、印刷データを受信した画像形成システム1000、1024やプリンタ1040は、受信した印刷データに基づき画像をプリントアウトすることによりネットワークプリント動作を実現することができる。
【0082】
図8は、ユーザがコピー動作やプリント動作においてコピージョブやプリントジョブに対して行う設定操作を示すフローチャートである。まず、画像形成システムにおけるコピー動作を例に説明する。
【0083】
ユーザは、印刷後の用紙を排紙するか否かをコピージョブに対して設定する(ステップS7010)。本実施の形態では、印刷を終えた印刷物を外部に排出せず、バッファモジュール400内に保持しておく制御モードを「待機プリント」と呼ぶこととする。なお、印刷物を保持しておくバッファモジュール400の配置位置は、図1に示す位置であっても、図4に示す位置であってもよい。ユーザによって処理対象文書に待機プリントが設定されている場合にはステップS7020に進み、画像形成システムによって、処理対象のコピージョブに対して、印刷を終えた印刷物を外部に排出せず、バッファモジュール400内に保持しておく待機命令が付与される。一方、ユーザによって待機プリントが設定されていない場合には、印刷を行い、印刷を終えた印刷物をそのまま外部に排出する通常ジョブを行うことになるが、印刷出力部数やフィニッシング条件によっては、待機プリントを設定可能とするべく、画像形成システムがステップS7011〜S7013に示す判別処理を行う。
【0084】
すなわち、ステップS7011では、処理対象文書のジョブに複数の出力部数の設定があるか否かを判別し、ステップS7012では、処理対象文書のジョブが所定の出力条件に合うか否かを判別し、ステップS7013では、画像形成システムの操作部の画面(図11に例示)に、待機プリントを設定するための待機プリント設定キーを表示する。次のステップS7014では、ステップS7013で表示された待機プリント設定キーに対してユーザ操作がなされたか否かを判別し、ユーザ操作がなされて待機プリントが設定されたときにはステップS7020へ進み、ユーザ操作がなされないときにはステップS7030へ進む。
【0085】
ステップS7030では、画像形成システムによって、処理対象文書のジョブに対して、印刷を行い、印刷を終えた印刷物を外部に排出する通常ジョブ設定が行われる。
【0086】
ステップS7020またはステップS7030の後、ステップS7050において、ユーザが画像形成システムに対して印字開始命令を操作入力する。
【0087】
なお、クライアント端末から画像形成システムに対して印刷ジョブを投入するプリンタ動作の場合においても、ユーザはクライアント端末におけるプリンタドライバのプロパティ画面(図10)を操作して、コピー動作における画像形成システムの操作部画面でコピージョブに対して行ったものと同様の操作を印刷ジョブに対して行い、ステップS7050で印刷ジョブをクライアント端末から画像形成システムに対して投入する。
【0088】
図9は、コピー動作あるいはプリンタ動作において、印字開始命令に基づき画像形成システムが行なう印字処理を示すフローチャートである。
【0089】
ステップS7055では、画像形成システムが、処理対象文書のジョブに対して待機命令が付与されているか否かを判別し、待機命令が付与されていればステップS7060へ進み、付与されていなければステップS7070へ進む。
【0090】
ステップS7070では、画像形成システムが印刷物を即座に排紙処理する。そして、ステップS7080で、ユーザは、排紙された印刷物を受け取る。
【0091】
ステップS7060では、画像形成システムの傍にきたユーザによってユーザ認証のための入力操作が行われ、その結果、認証されたか否かを判別する。ユーザ認証は、パスワードによって行う他、無線タグICカードなどを用いたユーザ認証でもよい。認証されればステップS7065に進んで、ユーザが画像形成システムに対して排紙命令を入力操作し、ステップS7080で、ユーザは、排紙された印刷物を受け取る。
【0092】
以上のようにして、機密性の高い文書のため画像形成システムの傍をユーザが離れることのできず、しかも、大量部数を印字するため時間がかかるような場合も、ユーザは、一時的に画像形成システムから離れて別の作業を行うことが可能になる。
【0093】
なお、印刷が終了したら、画像形成システムが、終了した旨を電子メールによってユーザに連絡したり、終了アラームなどによりユーザに通知したりするようにしてもよい。
【0094】
また、待機プリントによって、バッファモジュール400内に印刷物が一定時間以上存在する場合に、ユーザへ通知し、その印刷物を排紙させることを促すようにしてもよく、また、その通知回数を記録して、通知回数に応じて対応を変えるようにしてもよい。
【0095】
また、待機状態になると、その旨をユーザへ通知するようにしてもよい。その通知方法は、ユーザ認証用のICカード内などに設定保存しておくようにしてもよい。
【0096】
次に、画像形成装置制御部4110で行われる待機プリント処理について、図12及び図13を参照して説明する。
【0097】
図12及び図13は、画像形成装置制御部4110で行われる待機プリント処理を含む印刷処理の手順を示すフローチャートである。
【0098】
画像形成装置制御部4110は、処理対象ジョブに対して待機プリントが設定されているか否かを判断する(ステップS8010)。待機プリントが設定されていればステップS8030へ進み、設定されていなければステップS8020へ進む。
【0099】
ステップS8020では、画像形成装置制御部4110は、印刷を行い、印刷を終えた印刷物をそのまま外部に排出する通常プリント・排紙命令を出力する。
【0100】
ステップS8030では、画像形成装置制御部4110は、フィニッシャ制御部905と通信を行って、バッファトレイ403の用紙の積載状態を示すバッファトレイ情報を取得し、バッファトレイ403に空きがあるか否かを判別する。その結果、バッファトレイ403に空きがあるならばステップS8050へ進み、バッファトレイ403に空きがなく、用紙が満載されているならばステップS8040へ進む。
【0101】
ステップS8050では、画像形成装置制御部4110は、印刷を行い、その後、印刷を終えた印刷物を外部に排出せず、バッファトレイ403に保持しておくプリント・フィニッシング待機命令を出力する。
【0102】
この待機命令に従って、印刷が行われ、印刷を終えた印刷物がバッファトレイ403に積載されるので、画像形成装置制御部4110は、フィニッシャ制御部905から、バッファトレイ403の新たな積載状態を示すバッファトレイ情報を取得し、ステップS8030で取得したバッファトレイ情報を更新する(ステップS8051)。
【0103】
その後に、ユーザが、画像形成システムの操作パネル前に来て、バッファトレイ403に積載されている印刷物に対応するジョブを指定し、該印刷物を排紙するように入力操作した上で、ユーザ認証を行い(ステップS8052)、その結果、認証されればステップS8053へ進み、認証されなければステップS8060へ進む。なお、ステップS8052のユーザ認証を所定回数行うことができるようにし、それでも認証されない場合にステップS8060へ進むようにしてもよい。
【0104】
ステップS8053では、画像形成装置制御部4110は、バッファトレイ403に積載されている指定の印刷物を外部に排出するように排紙命令を出力し、本印刷処理を終了する。
【0105】
ステップS8060では、ユーザ認証されない旨を音声や操作パネルの表示によって行うとともに、管理者やジョブに関連するユーザへ、電子メールまたはファクシミリ通信などによって、バッファトレイ403に積載されたままの印刷物が存在する旨を警告する。さらには、所定時間の経過後に、バッファトレイ403から指定の印刷物を外部に排出する権限を無効にするなどの処理を行うようにしてもよい(ステップS8061)。
【0106】
ステップS8040では、処理対象文書データを一時的に画像形成装置制御部4110内のハードディスクなどの記憶装置に保存を行う(従来のセキュアプリントと同様の処理)。この場合、その旨を電子メールなどの方法でユーザへ通知するようにしてもよい。
【0107】
次に、ユーザが認証作業を行なうまでの間に、バッファトレイ403に空きが発生したか否かを判別し、空きが発生すればステップS8050へ進み、空きが発生しないが、ユーザの認証作業が未だ始まっていないならばステップS8050を再度実行し、空きが発生しないが、ユーザの認証作業が始まったならばステップS8042へ進む。
【0108】
ステップS8042では、ユーザが、画像形成システムの操作パネル前に来て、ジョブを指定し、印刷物を即座に排紙するように入力操作した上でユーザ認証を行い、その結果、認証されればステップS8043へ進み、認証されなければステップS8060へ進む。なお、ステップS8042のユーザ認証を所定回数行うことができるようにし、それでも認証されない場合にステップS8060へ進むようにしてもよい。
【0109】
ステップS8043では、画像形成装置制御部4110は、一時的に画像形成装置制御部4110内のハードディスクなどの記憶装置に保存された処理対象文書データに基づいて印刷を行い、即座に排紙するプリント・フィニッシング命令を出力する。この場合、排紙までの待ち時間は従来のセキュアプリントと同じになる。
【0110】
そして、本印刷処理を終了する。
【0111】
なお、処理対象文書データを、一時的に画像形成装置制御部4110内のハードディスクなどの記憶装置に保存した後、ステップS8041を経て、ステップS8042でユーザ認証されずにステップS8060へ進んだ場合には、ユーザ認証されない旨を音声や操作パネルの表示によって行うとともに、管理者やジョブに関連するユーザへ、電子メールまたはファクシミリ通信などによって、記憶装置に保存されたままの文書データが存在する旨を警告する。さらには、所定時間の経過後に、記憶装置に保存された文書データを削除するなどの処理を行うようにしてもよい(ステップS8061)。
【0112】
次に、バッファモジュール400の制御回路900で行われる印刷物保持・排出処理について説明する。
【0113】
図14は、バッファモジュール400の制御回路900で行われる印刷物保持・排出処理の手順を示すフローチャートである。
【0114】
まず、制御回路900は、処理対象ジョブに待機プリントが設定されているか否かを判断する(ステップS9010)。設定されていればステップS9030へ進み、設定されていなければステップS9020へ進む。
【0115】
ステップS9020では、制御回路900は、通常のフィニッシング及び排紙を行う命令を出力する。
【0116】
ステップS9030では、制御回路900は、印刷物をバッファトレイ403に保持すべきか、バッファトレイ403に保持されている印刷物を排出すべきかを判別する。印刷物をバッファトレイ403に保持すべきならば、ステップS9040へ進み、バッファトレイ403に保持されている印刷物を排出すべきならば、ステップS9031へ進む。
【0117】
ステップS9031では、制御回路900は、画像形成装置制御部4110に保持されているトレイ保持情報を参照して、印刷物を排出すべきトレイの番号を指定し、ステップS9032で、制御回路900は、該指定した番号のトレイに保持されている印刷物を排出する命令を行う。
【0118】
ステップS9040では、制御回路900は、バッファトレイ403の空き情報を確認し、空きがあればステップS9041へ進み、空きがなければステップS9043へ進む。
【0119】
ステップS9041では、制御回路900はフィニッシング命令を出力し、ステップS9042では、バッファトレイ403の空き部分に対象印刷物を入れる命令を出力する。そしてステップS9043では、バッファトレイ403のどのトレイにどの印刷物が保持されているかを示すトレイ保持情報を画像形成装置制御部4110に送信する。
【0120】
一方、ステップS9040で、バッファトレイ403に空きがないとしてステップS9043へ進んだ場合には、画像形成装置制御部4110にその旨を通知し、当該ジョブに関しての画像形成装置制御部4110からの命令を待つ。
【0121】
なお、バッファトレイ403に無線タグリーダを取り付けて、無線タグ付き用紙とトレイ保持情報を効率的に管理する構成も可能である。
【0122】
なおまた、フィニッシャ本体600に用紙詰まりが生じることがある。バッファモジュール400以外の場所での用紙詰まりの際にも、バッファモジュール400の扉を開錠することはできないようにする。各ジョブに対応してバッファモジュール400にそれぞれ扉があり、これを開錠できる権利を持つのは管理者およびジョブ対応のユーザのみとするようにしてもよい。また、ユーザ認証が完了していない場合は、フィニッシャ本体600を開けられないようにしてもよい。
【0123】
〔他の実施の形態〕
なお、本発明の目的は、前述した実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムまたは装置に供給し、そのシステムまたは装置のコンピュータ(またはCPU、MPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される。
【0124】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体およびプログラムは本発明を構成することになる。
【0125】
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。或いは、上記プログラムは、インターネット、商用ネットワーク、若しくはローカルエリアネットワーク等に接続される他のコンピュータやデータベース等からダウンロードすることにより供給される。
【0126】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施の形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0127】
更に、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0128】
【図1】本発明の一実施の形態に係る画像形成システムの構成を示す断面図である。
【図2】バッファモジュールの詳しい内部構成を示す図である。
【図3】バッファモジュールの他の構成を示す図である。
【図4】バッファモジュールを、折り装置、フィニッシャ本体の後に配置した構成の画像形成システムを示す断面図である。
【図5】バッファモジュールの動作を制御する制御回路の構成を示すブロック図である。
【図6】図5に示す画像形成装置制御部の内部構成を示すブロック図である。
【図7】図1に示す画像形成システムを含むネットワークシステム全体の構成を示す図である。
【図8】ユーザがコピー動作やプリント動作においてコピージョブやプリントジョブに対して行う設定操作を示すフローチャートである。
【図9】コピー動作あるいはプリンタ動作において、印字開始命令に基づき画像形成システムが行なう印字処理を示すフローチャートである。
【図10】画像形成システムがプリンタとして使用される場合に表示されるプロパティ画面を示す図である。
【図11】画像形成システムが複写機として使用される場合に表示されるプロパティ画面を示す図である。
【図12】画像形成装置制御部で行われる待機プリント処理を含む印刷処理の手順を示すフローチャート(1/2)である。
【図13】画像形成装置制御部で行われる待機プリント処理を含む印刷処理の手順を示すフローチャート(2/2)である。
【図14】バッファモジュールの制御回路で行われる印刷物保持・排出処理の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0129】
100 原稿給送装置
200 イメージリーダ
300 プリンタ
400 バッファモジュール
403 バッファトレイ(保持手段)
500 折り装置
600 フィニッシャ本体
1000 画像形成装置(画像形成手段)
900 制御回路
901 CPU(排出要求受取手段、認証手段、排出手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成手段から排出された印刷物を印刷ジョブごとに一時的に保持する保持手段と、
前記保持手段に保持された印刷物のうちの指定した印刷物を外部に排出する要求をユーザから受け取る排出要求受取手段と、
ユーザの認証を行う認証手段と、
前記認証手段によって、前記要求を行ったユーザが前記指定の印刷物を受け取る正当なユーザであることが認証されたとき、前記指定の印刷物を前記保持手段から取り出し、外部に排出させる排出手段と
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記認証手段によって、前記要求を行ったユーザが前記指定の印刷物を受け取る正当なユーザであることが認証されないとき、または前記認証手段によるユーザ認証を経ずに、前記指定の印刷物が前記保持手段から取り出されることを阻止する阻止手段を、更に有することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記保持手段に保持される印刷物は、画像形成後に所定の後処理を施された印刷物であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記認証手段は、無線タグ付属用紙および個人識別用カードを利用することによって前記認証を行うことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記保持手段における空き状況を検知する検知手段と、
処理対象ジョブによる印刷物を前記保持手段に保持する要求をユーザから受け取る保持要求受取手段と、
前記保持要求受取手段によって前記要求を受け取ったとき、前記検知手段によって、前記保持手段に空きがないことが検知された場合、前記画像形成手段において前記処理対象ジョブに基づく印刷を行わずに、該処理対象ジョブの印字データを前記画像形成手段における記憶装置に格納するように前記画像形成手段に指令する第1の指令手段と
を更に有することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第1の指令手段によって前記指令が行われた後に、前記検知手段によって、前記保持手段に空きができたことが検知された場合、前記画像形成手段の前記記憶装置に格納された印字データに基づいて該画像形成手段が印刷を行い、得られた印刷物を前記保持手段に保持させるように前記画像形成手段に指令する第2の指令手段を、更に有することを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第1の指令手段によって前記指令が行われた後に、前記検知手段によって、前記保持手段に空きができたことが検知されず、前記処理対象ジョブによる印刷物を外部に排出する要求をユーザから受け取った場合、該ユーザの認証を行い、認証されたならば、前記画像形成手段の前記記憶装置に格納された印字データに基づいて該画像形成手段が印刷を行い、得られた印刷物を外部に排出させるように前記画像形成手段に指令する第3の指令手段を、更に有することを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記保持手段に保持されている印刷物に関わるユーザに対して、該印刷物を保持している旨を通知する通知手段を、更に有することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項9】
印刷物を印刷ジョブごとに一時的に保持する保持手段と、該保持手段に保持された印刷物を外部に排出する排出手段とを備えた画像形成装置に適用される印刷物一時保管方法において、
画像形成手段から排出された印刷物を前記保持手段に保持させる保持制御ステップと、
前記保持手段に保持された印刷物のうちの指定した印刷物を外部に排出する要求をユーザから受け取る排出要求受取ステップと、
ユーザの認証を行う認証ステップと、
前記認証ステップによって、前記要求を行ったユーザが前記指定の印刷物を受け取る正当なユーザであることが認証されたとき、前記排出手段に、前記指定の印刷物を前記保持手段から取り出し、外部に排出させる排出制御ステップと
を有することを特徴とする印刷物一時保管方法。
【請求項10】
前記保持手段における空き状況を検知する検知ステップと、
処理対象ジョブによる印刷物を前記保持手段に保持する要求をユーザから受け取る保持要求受取ステップと、
前記保持要求受取ステップによって前記要求が受け取られたとき、前記検知ステップによって、前記保持手段に空きがないことが検知された場合、前記画像形成手段において前記処理対象ジョブに基づく印刷を行わずに、該処理対象ジョブの印字データを前記画像形成手段における記憶装置に格納するように前記画像形成手段に指令を送信する第1の指令送信ステップと
を更に有することを特徴とする請求項9記載の印刷物一時保管方法。
【請求項11】
前記第1の指令送信ステップによって前記指令が送信された後に、前記検知ステップによって、前記保持手段に空きができたことが検知された場合、前記画像形成手段の前記記憶装置に格納された印字データに基づいて該画像形成手段が印刷を行い、得られた印刷物を前記保持手段に保持させるように前記画像形成手段に指令を送信する第2の指令送信ステップを、更に有することを特徴とする請求項10記載の印刷物一時保管方法。
【請求項12】
前記第1の指令送信ステップによって前記指令が送信された後に、前記検知ステップによって、前記保持手段に空きができたことが検知されず、前記処理対象ジョブによる印刷物を外部に排出する要求をユーザから受け取った場合、該ユーザの認証を行い、認証されたならば、前記画像形成手段の前記記憶装置に格納された印字データに基づいて該画像形成手段が印刷を行い、得られた印刷物を外部に排出させるように前記画像形成手段に指令を送信する第3の指令送信ステップを、更に有することを特徴とする請求項10記載の印刷物一時保管方法。
【請求項13】
印刷物を印刷ジョブごとに一時的に保持する保持手段と、該保持手段に保持された印刷物を外部に排出する排出手段とを備えた画像形成装置に適用される印刷物一時保管方法を、コンピュータに実行させるためのプログラムにおいて、
画像形成手段から排出された印刷物を前記保持手段に保持させる保持制御ステップと、
前記保持手段に保持された印刷物のうちの指定した印刷物を外部に排出する要求をユーザから受け取る排出要求受取ステップと、
ユーザの認証を行う認証ステップと、
前記認証ステップによって、前記要求を行ったユーザが前記指定の印刷物を受け取る正当なユーザであることが認証されたとき、前記排出手段に、前記指定の印刷物を前記保持手段から取り出し、外部に排出させる排出制御ステップと
を有することを特徴とするプログラム。
【請求項1】
画像形成手段から排出された印刷物を印刷ジョブごとに一時的に保持する保持手段と、
前記保持手段に保持された印刷物のうちの指定した印刷物を外部に排出する要求をユーザから受け取る排出要求受取手段と、
ユーザの認証を行う認証手段と、
前記認証手段によって、前記要求を行ったユーザが前記指定の印刷物を受け取る正当なユーザであることが認証されたとき、前記指定の印刷物を前記保持手段から取り出し、外部に排出させる排出手段と
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記認証手段によって、前記要求を行ったユーザが前記指定の印刷物を受け取る正当なユーザであることが認証されないとき、または前記認証手段によるユーザ認証を経ずに、前記指定の印刷物が前記保持手段から取り出されることを阻止する阻止手段を、更に有することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記保持手段に保持される印刷物は、画像形成後に所定の後処理を施された印刷物であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記認証手段は、無線タグ付属用紙および個人識別用カードを利用することによって前記認証を行うことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記保持手段における空き状況を検知する検知手段と、
処理対象ジョブによる印刷物を前記保持手段に保持する要求をユーザから受け取る保持要求受取手段と、
前記保持要求受取手段によって前記要求を受け取ったとき、前記検知手段によって、前記保持手段に空きがないことが検知された場合、前記画像形成手段において前記処理対象ジョブに基づく印刷を行わずに、該処理対象ジョブの印字データを前記画像形成手段における記憶装置に格納するように前記画像形成手段に指令する第1の指令手段と
を更に有することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第1の指令手段によって前記指令が行われた後に、前記検知手段によって、前記保持手段に空きができたことが検知された場合、前記画像形成手段の前記記憶装置に格納された印字データに基づいて該画像形成手段が印刷を行い、得られた印刷物を前記保持手段に保持させるように前記画像形成手段に指令する第2の指令手段を、更に有することを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第1の指令手段によって前記指令が行われた後に、前記検知手段によって、前記保持手段に空きができたことが検知されず、前記処理対象ジョブによる印刷物を外部に排出する要求をユーザから受け取った場合、該ユーザの認証を行い、認証されたならば、前記画像形成手段の前記記憶装置に格納された印字データに基づいて該画像形成手段が印刷を行い、得られた印刷物を外部に排出させるように前記画像形成手段に指令する第3の指令手段を、更に有することを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記保持手段に保持されている印刷物に関わるユーザに対して、該印刷物を保持している旨を通知する通知手段を、更に有することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項9】
印刷物を印刷ジョブごとに一時的に保持する保持手段と、該保持手段に保持された印刷物を外部に排出する排出手段とを備えた画像形成装置に適用される印刷物一時保管方法において、
画像形成手段から排出された印刷物を前記保持手段に保持させる保持制御ステップと、
前記保持手段に保持された印刷物のうちの指定した印刷物を外部に排出する要求をユーザから受け取る排出要求受取ステップと、
ユーザの認証を行う認証ステップと、
前記認証ステップによって、前記要求を行ったユーザが前記指定の印刷物を受け取る正当なユーザであることが認証されたとき、前記排出手段に、前記指定の印刷物を前記保持手段から取り出し、外部に排出させる排出制御ステップと
を有することを特徴とする印刷物一時保管方法。
【請求項10】
前記保持手段における空き状況を検知する検知ステップと、
処理対象ジョブによる印刷物を前記保持手段に保持する要求をユーザから受け取る保持要求受取ステップと、
前記保持要求受取ステップによって前記要求が受け取られたとき、前記検知ステップによって、前記保持手段に空きがないことが検知された場合、前記画像形成手段において前記処理対象ジョブに基づく印刷を行わずに、該処理対象ジョブの印字データを前記画像形成手段における記憶装置に格納するように前記画像形成手段に指令を送信する第1の指令送信ステップと
を更に有することを特徴とする請求項9記載の印刷物一時保管方法。
【請求項11】
前記第1の指令送信ステップによって前記指令が送信された後に、前記検知ステップによって、前記保持手段に空きができたことが検知された場合、前記画像形成手段の前記記憶装置に格納された印字データに基づいて該画像形成手段が印刷を行い、得られた印刷物を前記保持手段に保持させるように前記画像形成手段に指令を送信する第2の指令送信ステップを、更に有することを特徴とする請求項10記載の印刷物一時保管方法。
【請求項12】
前記第1の指令送信ステップによって前記指令が送信された後に、前記検知ステップによって、前記保持手段に空きができたことが検知されず、前記処理対象ジョブによる印刷物を外部に排出する要求をユーザから受け取った場合、該ユーザの認証を行い、認証されたならば、前記画像形成手段の前記記憶装置に格納された印字データに基づいて該画像形成手段が印刷を行い、得られた印刷物を外部に排出させるように前記画像形成手段に指令を送信する第3の指令送信ステップを、更に有することを特徴とする請求項10記載の印刷物一時保管方法。
【請求項13】
印刷物を印刷ジョブごとに一時的に保持する保持手段と、該保持手段に保持された印刷物を外部に排出する排出手段とを備えた画像形成装置に適用される印刷物一時保管方法を、コンピュータに実行させるためのプログラムにおいて、
画像形成手段から排出された印刷物を前記保持手段に保持させる保持制御ステップと、
前記保持手段に保持された印刷物のうちの指定した印刷物を外部に排出する要求をユーザから受け取る排出要求受取ステップと、
ユーザの認証を行う認証ステップと、
前記認証ステップによって、前記要求を行ったユーザが前記指定の印刷物を受け取る正当なユーザであることが認証されたとき、前記排出手段に、前記指定の印刷物を前記保持手段から取り出し、外部に排出させる排出制御ステップと
を有することを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2006−62194(P2006−62194A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−247091(P2004−247091)
【出願日】平成16年8月26日(2004.8.26)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年8月26日(2004.8.26)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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