説明

画像形成装置、及び、画像形成システム

【課題】振動吸収脚にて第二筐体の振動を適切に抑制し、かつ、該振動吸収脚に起因する設置机の汚れを防止できる画像形成装置を実現することにある。
【解決手段】(a)画像を形成するための画像形成部を備えた第一筐体と、(b)前記画像形成部の動作と連動して原稿を読み取り可能な原稿読み取り部を備えた第二筐体と、(c)前記第一筐体と前記第二筐体のうちの少なくとも一方の筐体に取り付けられており、振動を吸収するための振動吸収脚であって、該振動吸収脚が取り付けられている筐体が設置される設置台に接触可能な第一弾性体と、該振動吸収脚が取り付けられている筐体と前記第一弾性体との間に位置し、前記第一弾性体よりも柔らかい第二弾性体と、を備えた振動吸収脚と、(d)該振動吸収脚が取り付けられている筐体に設けられ、該筐体に対する前記第一弾性体の相対移動を規制することによって、前記第二弾性体の変形を抑制するための変形抑制部と、(e)を有することを特徴とする画像形成装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、及び、画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像を形成するための画像形成部を備えた第一筐体と、読み取り位置を順次移動させて原稿を読み取る原稿読み取り部を備えた第二筐体と、を有する画像形成装置は既によく知られている。かかる画像形成装置は、複数の機能、例えば、スキャナ機能、プリンタ機能、コピー機能等、を有しており、マルチファンクションプリンタ装置(MFP装置)とも呼ばれている。
【0003】
また、当該画像形成装置においては、前記複数の機能の並行実施が可能となるように、原稿読み取り部は、画像形成部の動作と並行して動作することができるようになっている。
【特許文献1】特開平9−21443号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、原稿読み取り部が原稿を読み取る際に第一筐体の振動等に起因して第二筐体が振動すると、読み取られた画像に歪み等が発生する恐れがある。かかる画像の歪み等を防止するために、弾性体から成る振動吸収脚が用いられることがある。
しかし、振動吸収脚の弾性体が硬すぎる場合には、振動を適切に吸収できない。一方、弾性体が柔らかすぎる場合には、振動を吸収できるが、筐体が設置される設置台等に該弾性体の跡が残り、設置台が汚れる恐れがある。
【0005】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、振動吸収脚にて第二筐体の振動を適切に抑制し、かつ、該振動吸収脚に起因する設置机の汚れを防止できる画像形成装置を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、主たる本発明は、(a)画像を形成するための画像形成部を備えた第一筐体と、(b)前記画像形成部の動作と連動して原稿を読み取り可能な原稿読み取り部を備えた第二筐体と、(c)前記第一筐体と前記第二筐体のうちの少なくとも一方の筐体に取り付けられており、振動を吸収するための振動吸収脚であって、該振動吸収脚が取り付けられている筐体が設置される設置台に接触可能な第一弾性体と、該振動吸収脚が取り付けられている筐体と前記第一弾性体との間に位置し、前記第一弾性体よりも柔らかい第二弾性体と、を備えた振動吸収脚と、(d)該振動吸収脚が取り付けられている筐体に設けられ、該筐体に対する前記第一弾性体の相対移動を規制することによって、前記第二弾性体の変形を抑制するための変形抑制部と、(e)を有することを特徴とする画像形成装置である。
【0007】
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本明細書及び添付図面の記載により少なくとも次のことが明らかにされる。
【0009】
(a)画像を形成するための画像形成部を備えた第一筐体と、(b)前記画像形成部の動作と連動して原稿を読み取り可能な原稿読み取り部を備えた第二筐体と、(c)前記第一筐体と前記第二筐体のうちの少なくとも一方の筐体に取り付けられており、振動を吸収するための振動吸収脚であって、該振動吸収脚が取り付けられている筐体が設置される設置台に接触可能な第一弾性体と、該振動吸収脚が取り付けられている筐体と前記第一弾性体との間に位置し、前記第一弾性体よりも柔らかい第二弾性体と、を備えた振動吸収脚と、(d)該振動吸収脚が取り付けられている筐体に設けられ、該筐体に対する前記第一弾性体の相対移動を規制することによって、前記第二弾性体の変形を抑制するための変形抑制部と、(e)を有することを特徴とする画像形成装置。
このような画像形成装置によれば、振動吸収脚が柔弾性体を備えているから、第二筐体に作用する振動を適切に吸収することが可能となる。また、変形抑制部によって第二弾性体が変形して設置台に接触することを防止できるから、第二弾性体による設置台の汚れを防止することが可能となる。このため、上記の画像形成装置によれば、振動吸収脚にて第二筐体の振動を適切に抑制し、かつ、該振動吸収脚に起因する設置机の汚れを防止できる。
【0010】
また、かかる画像形成装置であって、前記振動吸収脚は、前記第二筐体のみに取り付けられていることとしてもよい。
かかる場合には、第二筐体に作用する振動を効果的に抑制することができる。
【0011】
また、かかる画像形成装置であって、前記第一弾性体及び前記第二弾性体の形状は、直方体であり、前記第一弾性体の上面は、前記第二弾性体の下面と接着しており、前記第二筐体は、前記振動吸収脚が取り付けられる窪みを備え、前記変形抑制部は、前記窪みに形成されており、前記第二筐体が前記設置台に設置された際に前記第一弾性体の側面に隙間を介して対向する対向壁、であり、前記第一弾性体が変位する際に、該第一弾性体の側面が前記対向壁に接触して、該第一弾性体の前記相対移動が規制されることとしてもよい。
【0012】
かかる場合には、振動吸収脚が取り付けられている筐体に対する第一弾性体の相対移動の規制を、簡易な構成にて実現することができる。
【0013】
また、かかる画像形成装置であって、前記第一弾性体の前記上面の面積は、前記第二弾性体の前記下面の面積より大きいこととしてもよい。
かかる場合には、第二弾性体が変形しても該第二弾性体の下面が第一弾性体の上面に接触した状態となるので、該第二弾性体が設置台に接触することを有効に防止することができる。
【0014】
また、かかる画像形成装置であって、前記第一弾性体が前記設置台に接触する時にも、前記第一弾性体が前記設置台に接触しない時にも、前記第二弾性体の前記下面が、前記対向壁より下方に位置しないこととしてもよい。
かかる場合には、前記第一弾性体が前記設置台に接触する(すなわち、第二筐体が設置台に設置される)際に、第二弾性体が第一弾性体と変形抑制部との間に挟まって、第二弾性体が損傷することを防止することができる。
【0015】
また、かかる画像形成装置であって、前記設置台に設置された前記第二筐体が、該第二筐体に外力が作用されることによって、前記第一弾性体の前記側面が前記対向壁に接触した状態にて前記設置台上を滑る際に、前記第一弾性体に亀裂が生じる前に、前記第二筐体が前記設置台上を滑り始めることとしてもよい。
かかる場合には、第二筐体が設置台上を滑る際に第一弾性体に亀裂が生じる恐れがない画像形成装置を実現できる。
【0016】
また、かかる画像形成装置であって、前記画像形成部は、現像剤を収容した現像剤収容体を保持して回転可能な回転体を備えていることとしてもよい。
現像剤収容体を移動するために回転体が回転する際には、第一筐体に大きな振動が生じる恐れがあるから、前記振動吸収脚と前記変形抑制部を設けたことによる効果、すなわち、振動吸収脚にて第二筐体の振動を適切に抑制できる効果、がより有効に奏される。
【0017】
また、かかる画像形成装置であって、前記回転体が回転する際の前記第一筐体の水平方向の最大振幅値は、前記第二筐体が前記設置台に設置された際の前記第一弾性体の側面と前記対向壁との距離より、小さいこととしてもよい。
変形抑制部と第一弾性体が接触している際には、第一筐体の振動が第二筐体に伝わり、該第二筐体が揺れる恐れがある。そこで、前記距離を振幅値よりも大きくすることによって、変形抑制部と第一弾性体の接触を抑制できるから、第二筐体に作用する振動を効果的に抑制できる。
【0018】
また、かかる画像形成装置であって、前記第一弾性体が変位する際に、該第一弾性体の前記側面の上部のみが前記対向壁に接触することとしてもよい。
かかる場合には、前側面が前記対向壁に接触した後に第二筐体が揺れても、第一弾性体が該揺れを吸収することが可能となる。
【0019】
また、かかる画像形成装置であって、前記第一筐体には、前記振動吸収脚とは異なる他の振動吸収脚が取り付けられており、前記第一筐体に取り付けられた他の振動吸収脚は、前記第二筐体に取り付けられた振動吸収脚の前記第一弾性体及び前記第二弾性体よりも硬いこととしてもよい。
かかる場合には、他の振動吸収脚によって第一筐体の振動を吸収することが可能となる。
【0020】
また、(a)画像を形成するための画像形成部を備えた第一筐体と、(b)前記画像形成部の動作と連動して原稿を読み取り可能な原稿読み取り部を備えた第二筐体と、(c)前記第一筐体と前記第二筐体のうちの少なくとも一方の筐体に取り付けられており、振動を吸収するための振動吸収脚であって、該振動吸収脚が取り付けられている筐体が設置される設置台に接触可能な第一弾性体と、該振動吸収脚が取り付けられている筐体と前記第一弾性体との間に位置し、前記第一弾性体よりも柔らかい第二弾性体と、を備えた振動吸収脚と、(d)該振動吸収脚が取り付けられている筐体に設けられ、該筐体に対する前記第一弾性体の相対移動を規制することによって、前記第二弾性体の変形を抑制するための変形抑制部と、(e)を有し、(f)前記振動吸収脚は、前記第二筐体のみに取り付けられており、(g)前記第一弾性体及び前記第二弾性体の形状は、直方体であり、前記第一弾性体の上面は、前記第二弾性体の下面と接着しており、前記第二筐体は、前記振動吸収脚が取り付けられる窪みを備え、前記変形抑制部は、前記窪みに形成されており、前記第二筐体が前記設置台に設置された際に前記第一弾性体の側面に隙間を介して対向する対向壁、であり、前記第一弾性体が変位する際に、該第一弾性体の側面が前記対向壁に接触して、該第一弾性体の前記相対移動が規制され、(h)前記第一弾性体の前記上面の面積は、前記第二弾性体の前記下面の面積より大きく、(i)前記第一弾性体が前記設置台に接触する時にも、前記第一弾性体が前記設置台に接触しない時にも、前記第二弾性体の前記下面が、前記対向壁より下方に位置せず、(j)前記設置台に設置された前記第二筐体が、該第二筐体に外力が作用されることによって、前記第一弾性体の前記側面が前記対向壁に接触した状態にて前記設置台上を滑る際に、前記第一弾性体に亀裂が生じる前に、前記第二筐体が前記設置台上を滑り始め、(k)前記画像形成部は、現像剤を収容した現像剤収容体を保持して回転可能な回転体を備え、(l)前記回転体が回転する際の前記第一筐体の水平方向の最大振幅値は、前記第二筐体が前記設置台に設置された際の前記第一弾性体の側面と前記対向壁との距離より、小さく、(m)前記第一弾性体が変位する際に、該第一弾性体の前記側面の上部のみが前記対向壁に接触し、(n)前記第一筐体には、前記振動吸収脚とは異なる他の振動吸収脚が取り付けられており、前記第一筐体に取り付けられた他の振動吸収脚は、前記第二筐体に取り付けられた振動吸収脚の前記第一弾性体及び前記第二弾性体よりも硬いことを特徴とする画像形成装置。
このような画像形成装置によれば、振動吸収脚にて第二筐体の振動を適切に抑制し、かつ、該振動吸収脚に起因する設置机の汚れを防止できる効果、が最も有効に奏される。
【0021】
また、(A)コンピュータと、(B)このコンピュータに接続されて、次の(a)〜(d)を有する画像形成装置と、(a)画像を形成するための画像形成部を備えた第一筐体、(b)前記画像形成部の動作と連動して原稿を読み取り可能な原稿読み取り部を備えた第二筐体、(c)前記第一筐体と前記第二筐体のうちの少なくとも一方の筐体に取り付けられており、振動を吸収するための振動吸収脚であって、該振動吸収脚が取り付けられている筐体が設置される設置台に接触可能な第一弾性体と、該振動吸収脚が取り付けられている筐体と前記第一弾性体との間に位置し、前記第一弾性体よりも柔らかい第二弾性体と、を備えた振動吸収脚、(d)該振動吸収脚が取り付けられている筐体に設けられ、該筐体に対する前記第一弾性体の相対移動を規制することによって、前記第二弾性体の変形を抑制するための変形抑制部、(C)を具備したことを特徴とする画像形成システム。
このような画像形成システムによれば、振動吸収脚にて第二筐体の振動を適切に抑制し、かつ、該振動吸収脚に起因する設置机の汚れを防止できる。
【0022】
===画像形成装置の構成例===
次に、図1〜図6を用いて、画像形成装置の構成例について説明する。図1は、MFP装置10の外観構成例を示した斜視図である。図2〜図6については、後述する。
【0023】
本実施の形態に係る画像形成装置は、原稿を読み取るための原稿読み取り機能(すなわち、スキャナ機能)、紙、フィルム、布等の媒体に画像を形成するための画像形成機能(すなわち、プリンタ機能)、スキャナ機能により読み取られた原稿上の画像を媒体に形成するためのコピー機能などを有するマルチファンクションプリンタ装置(以下、MFP装置10とも呼ぶ)である。
【0024】
そして、図1に示すように、MFP装置10は、これらの機能を実現するために、プリンタ機能を有する第一筐体の一例としてのプリンタユニット14と、スキャナ機能を有する第二筐体の一例としてのスキャナユニット12と、を備えており、スキャナユニット12とプリンタユニット14は、画像信号や制御信号の通り道となる信号線16で結ばれている。そして、プリンタユニット14とスキャナユニット12は、設置台の一例である設置机300に設置されている。
【0025】
なお、MFP装置10のスキャナ機能が実行される際には、原稿上の画像が読み取られ、読み取られた画像が画像データ(信号)としてMFP装置10内に保管される。また、MFP装置10のプリンタ機能としては、スキャナ機能の実行によりMFP装置10内に保管された画像データ(信号)に基づいて、画像形成を行う機能(以下、当該機能を、便宜上、第一プリンタ機能とも呼ぶ)と、USBやパラレルインターフェース、又は、ネットワークを介して、MFP装置10に接続されたコンピュータ、から送られてくる画像データ(信号)に基づいて、画像形成を行う機能(以下、当該機能を、便宜上、第二プリンタ機能とも呼ぶ)がある。
【0026】
<<<スキャナユニット12の構成例>>>
ここでは、スキャナユニット12の構成例について、図1〜図5を用いて説明する。図2〜図4は、スキャナユニット12の内部構成例を示した図である。図5は、スキャナユニット12のスキャナ底面12aを示した図である。図2は、図3中記号X1で示される矢印の方向から図3に示したスキャナユニット12を見た様子を模式的に表した図であり、また、図4中記号X2で示される矢印の方向から図4に示したスキャナユニット12を見た様子を模式的に表した図でもある。図5は、スキャナユニット12を鉛直方向下方から上方に見た際の図である。
【0027】
スキャナユニット12は、原稿台ガラス112と、原稿台カバー114と、原稿読み取り部の一例としての読取キャリッジ116と、ガイド部材118と、支持レール120と、駆動部122と、を備えている。
原稿台ガラス112は、読み取る原稿Pを載置するためのものである。この原稿台ガラス112は、スキャナユニット12の上部に設けられている。
【0028】
原稿台カバー114は、原稿読み取り時、又は、スキャナユニット12の不使用時に、原稿台ガラス112を覆う機能を有している。この原稿台カバー114は、原稿台ガラス112よりも上部に設けられており、開閉可能となるように構成されている。また、原稿台カバー114は、閉止した際に原稿台ガラス112上に載置された原稿Pを原稿台ガラス112側に押圧する機能も有している。
【0029】
読取キャリッジ116は、移動しながら原稿P上の画像を読み取る機能を有している。この読取キャリッジ116は、原稿台ガラス112に対向する位置に設けられており、露光ランプ116aと、レンズ116bと、4枚のミラー116cと、CCDセンサ116d等を備えている。
【0030】
露光ランプ116aは、原稿台ガラス112を介して原稿Pに光を照射するための光源である。レンズ116bは、原稿Pによる反射光を集光するためのものである。ミラー116cは、前記反射光をレンズ116bに導くためのものである。そして、露光ランプ116aから原稿Pに照射された光が、原稿Pにより反射されると、反射された反射光が、4枚のミラー116cとレンズ116bとを介して、CCDセンサ116dに到達し、到達した反射光が、CCDセンサ116dによって、受光される。
【0031】
CCDセンサ116dは、光信号を電気信号に変換するフォトダイオードが列状に配置された3本のラインセンサで構成され、これら3本のラインセンサは平行に配置されている。CCDセンサ116dは、図示しないR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の3つのフィルタを備え、ラインセンサ毎に異なる色のフィルタが設けられている。各ラインセンサはフィルタの色に対応した成分の光をそれぞれ検出する。例えば、Rのフィルタを備えたラインセンサは赤色成分の光の強弱を検出する。3本のラインセンサは、読取キャリッジ116の移動方向にほぼ直交する方向(以下、直交方向とも呼ぶ)に沿って配置されている。
【0032】
また、読取キャリッジ116は、前記移動方向に移動可能であり、これを実現するために、スキャナユニット12には、ガイド部材118と、支持レール120と、駆動部122と、が設けられている。
ガイド部材118は、前記移動方向に沿って設けられている円筒材である。このガイド部材118は、読取キャリッジ116の前記直交方向一端側に設けられている、スラスト軸受でなるガイド受け部116e、を貫通している。
支持レール120も、前記移動方向に沿って設けられている。この支持レール120は、読取キャリッジ116の前記直交方向他端側に設けられているスライド部材116fを、スライド自在に支持している。
【0033】
駆動部122は、読取キャリッジ116を前記移動方向に移動させる機能を有する。この駆動部122は、前記直交方向一端側に設けられており、タイミングベルト122aと、駆動プーリ122bと、従動プーリ122cと、パルスモータ122dと、読取キャリッジ116のホームポジションを検出するためのホームポジションセンサ122e(図7)と、を備えている。
【0034】
パルスモータ122dは、駆動源であり、当該パルスモータ122dの回転軸に取り付けられた駆動プーリ122bを駆動する。そして、駆動された駆動プーリ122bがタイミングベルト122aを回転させる。タイミングベルト122aは、環状のベルトであり、その長手方向が前記移動方向に沿うように設けられている。当該タイミングベルト122aには、読取キャリッジ116の長手方向一端部が固定されており、タイミングベルト122aが回転することにより、当該タイミングベルト122aに固定されている読取キャリッジ116が、前記ガイド部材118及び支持レール120上を移動するようになっている。なお、前記駆動プーリ122bは、タイミングベルト122aの長手方向一端側に位置しており、タイミングベルト122aの長手方向他端側には、タイミングベルト122aに従動する従動プーリ122cが設けられている。また、パルスモータ122dは、タイミングベルト122aを双方向に回転させることが可能なため、前記読取キャリッジ116は、順方向(図2に矢印で示した移動方向のうち、左側から右側へ向かう方向)及び逆方向(図2に矢印で示した移動方向のうち、右側から左側へ向かう方向)に移動することができる。
【0035】
また、図5に示すように、スキャナユニット12のスキャナ底面12aの四隅には、窪み150が形成されている。この窪み150は、振動吸収脚の一例としてのスキャナ脚180(後述)をスキャナユニット12に取り付けるためのものである。窪み150には、スキャナ脚180を取り付けるための取り付け面151(図8)と、スキャナ脚180の側面に対向する対向壁152(図8)と、が形成されている。
【0036】
また、図1に示すように、スキャナユニット12には、操作パネル130が設けられている。この操作パネル130は、作業者とのインターフェイスとなる部分であり、作業者からの各種指示を受け付けるための指示受付部や作業者へ各種情報を与えるための情報出力部としての機能を発揮する。これらの機能を発揮するために、操作パネル130は、操作ボタン、液晶パネル等を備えている。
【0037】
例えば、作業者が、原稿の読み取り(MFP装置10のスキャナ機能により原稿上の画像が読み取られ、読み取られた画像がMFP装置10内に保管される)を行いたいときには、スキャンボタンを、原稿のコピーを行いたいときには、コピーボタンを、画像のプリント(MFP装置10内に保管されている画像がMFP装置10のプリンタ機能により媒体に形成される)を行いたいときには、プリントボタンを、それぞれ押すことにより、各々に対応する処理が実行される。
【0038】
<<<プリンタユニット14の構成例>>>
ここでは、プリンタユニット14の構成例について、図1、図6を用いて説明する。図6は、プリンタユニット14の内部構成例を示した図である。なお、図6には、矢印にて上下方向を示しており、例えば、給紙トレイ92は、プリンタユニット14の下部に配置されており、定着ユニット90は、プリンタユニット14の上部に配置されている。
【0039】
本実施の形態に係るプリンタユニット14は、図6に示すように、感光体20の回転方向に沿って、帯電ユニット30、露光ユニット40、回動体の一例としてのYMCK現像ユニット50、一次転写ユニット60、中間転写体70、クリーニングユニット75を有し、さらに、二次転写ユニット80、定着ユニット90、を有している。なお、感光体20、帯電ユニット30、露光ユニット40、YMCK現像ユニット50、一次転写ユニット60、中間転写体70、二次転写ユニット80、及び、定着ユニット90が、画像を形成する画像形成部を構成する。
【0040】
感光体20は、円筒状の導電性基材とその外周面に形成された感光層を有し、中心軸を中心に回転可能であり、本実施の形態においては、図6中の矢印で示すように時計回りに回転する。
帯電ユニット30は、感光体20を帯電するための装置であり、露光ユニット40は、レーザを照射することによって帯電された感光体20上に潜像を形成する装置である。この露光ユニット40は、半導体レーザ、ポリゴンミラー、F−θレンズ等を有しており、画像信号に基づいて、変調されたレーザを帯電された感光体20上に照射する。
【0041】
YMCK現像ユニット50は、感光体20上に形成された潜像を、現像剤収容体の一例としての現像装置に収容された現像剤の一例としてのトナー、すなわち、ブラック現像装置51に収容されたブラック(K)トナー、マゼンタ現像装置52に収容されたマゼンタ(M)トナー、シアン現像装置53に収容されたシアン(C)トナー、及び、イエロー現像装置54に収容されたイエロー(Y)トナーを用いて現像するための装置である。
【0042】
このYMCK現像ユニット50は、前記4つの現像装置51、52、53、54が装着された状態で回動することにより、前記4つの現像装置51、52、53、54を移動させる。すなわち、このYMCK現像ユニット50は、前記4つの現像装置51、52、53、54を4つの保持部55a、55b、55c、55dにより保持しており、前記4つの現像装置51、52、53、54は、中心軸50aを中心として、それらの相対位置を維持したまま回動可能となっている。そして、1ページ分の画像形成が終了する毎に択一的に感光体20に対向し、それぞれの現像装置51、52、53、54に収容されたトナーにて、感光体20上に形成された潜像を順次現像する。なお、前述した4つの現像装置51,52,53,54の各々は、画像形成装置本体、より具体的には、YMCK現像ユニット50の前記保持部55a、55b、55c、55d、に対して着脱可能となっている。
【0043】
一次転写ユニット60は、感光体20に形成された単色トナー像を中間転写体70に転写するための装置であり、4色のトナーが順次重ねて転写されると、中間転写体70にフルカラートナー像が形成される。
この中間転写体70は、PETフィルムの表面に錫蒸着層を設けさらにその表層に半導電塗料を形成、積層したエンドレスのベルトであり、感光体20とほぼ同じ周速度にて回転駆動される。
【0044】
なお、中間転写体70の近傍には、同期用読取センサRSが配置されている。この同期用読取センサRSは中間転写体70の基準位置を検出するためのセンサであり、主走査方向とほぼ直交する副走査方向における同期信号、つまり垂直同期信号Vsyncを得るための垂直同期用読取センサとして機能する。より具体的には、前記同期用読取センサRSは、光を発するための発光部と光を受光するための受光部を有し、中間転写体70の所定の位置に形成された穴が、前記発光部から発光された光を通過する際に、前記受光部により当該光が受光され、当該同期用読み取りセンサRSは、中間転写体70が1回転するごとにパルス信号を出力する。
【0045】
二次転写ユニット80は、中間転写体70上に形成された単色トナー像やフルカラートナー像を紙、フィルム、布等の媒体に転写するための装置である。
定着ユニット90は、媒体上に転写された単色トナー像やフルカラートナー像を媒体に融着させて永久像とするための装置である。
【0046】
クリーニングユニット75は、一次転写ユニット60と帯電ユニット30との間に設けられ、感光体20の表面に当接されたゴム製のクリーニングブレード76を有し、一次転写ユニット60によって中間転写体70上にトナー像が転写された後に、感光体20上に残存するトナーをクリーニングブレード76により掻き落として除去するための装置である。
【0047】
なお、プリンタユニット14のプリンタ底面14aの四隅には、他の振動吸収脚の一例であるプリンタ脚98が取り付けられている。このプリンタ脚98は、プリンタユニット14の振動を吸収する機能を有している。このプリンタ脚98は、樹脂成型品であり、本実施形態においては、このプリンタ脚98の材料は、POM(ポリアセタール樹脂)である。
【0048】
===画像形成装置のコントローラの構成例===
次に、MFP装置10のコントローラ200の構成例について、図7を用いて説明する。図7は、コントローラ200の構成を示したブロック図である。
コントローラ200は、メインコントローラ210と、スキャナコントローラ230と、プリンタコントローラ250と、を備えている。
【0049】
メインコントローラ210は、スキャナコントローラ230とプリンタコントローラ250とを司るコントローラであり、USBやパラレルインターフェース、又は、ネットワークを介してMFP装置10に接続されたコンピュータ、とのインターフェイスとなるインターフェイス部216や、画像データの、RGBからYMCKへの色成分の変換処理やハーフトーン処理等を実施する画像処理部214などを備えている。
【0050】
スキャナコントローラ230は、スキャナユニット12内の各ユニット(露光ランプ116a、CCDセンサ116d、パルスモータ122d等)と電気的に接続され、これらを制御するための駆動制御回路を備えている。そして、スキャナコントローラ230は、メインコントローラ210から入力される信号に基づいて、前記各ユニットを制御する。
【0051】
同様に、プリンタコントローラ250は、プリンタユニット14内の各ユニット(帯電ユニット30、露光ユニット40、YMCK現像ユニット50、一次転写ユニット60、二次転写ユニット80、定着ユニット90等)と電気的に接続され、これらを制御するための駆動制御回路を備えている。そして、プリンタコントローラ250は、メインコントローラ210から入力される信号に基づいて、前記各ユニットを制御する。
【0052】
また、メインコントローラ210、スキャナコントローラ230、及び、プリンタコントローラ250は、それぞれ、CPUとメモリ212、232、252とを備えている。メモリには、プログラムが格納されており、当該プログラムをCPUが処理することにより、各種動作が実現される。また、メモリには、画像データや制御データ等も格納される。
【0053】
===画像形成装置の動作例===
次に、MFP装置10の動作例について、説明する。前述したとおり、本実施の形態に係るMFP装置10は、スキャナ機能、プリンタ機能(第一プリンタ機能及び第二プリンタ機能)、コピー機能、を備えている。以下では、MFP装置10の動作について、当該機能ごとに説明する。なお、以下に説明されるMFP装置10の各種動作は、主として、MFP装置10内のコントローラ200により実現される。特に、本実施の形態においては、メモリに格納されたプログラムをCPUが処理することにより実現される。そして、このプログラムは、以下に説明される各種の動作を行うためのコードから構成されている。
【0054】
<<<スキャナ機能実行時の動作>>>
先ず、MFP装置10においてスキャナ機能が実行されるときの、MFP装置10の動作について説明する。
【0055】
作業者が、操作パネル130にてスキャナ機能の実行を指示する(本実施の形態においては、スキャンボタンの押下)と、操作パネル130は、スキャナ機能の実行を示す信号をメインコントローラ210に送出する。そして、当該信号を受け取ったメインコントローラ210は、原稿の読み取りを開始する旨の指示を、スキャナコントローラ230に与える。当該指示を受け取ったスキャナコントローラ230は、スキャナユニット12内の露光ランプ116a、CCDセンサ116d、パルスモータ122d等を、これらに対応した制御回路により制御して、以下に示す原稿読み取り動作をスキャナユニット12に実行させる。
【0056】
原稿読み取り動作開始時に、先ず、露光ランプ116aが、原稿台ガラス112の上に載置された原稿Pに光を照射する。そして、当該光が原稿Pに照射されている状態で、パルスモータ122dが、読取キャリッジ116を、前記順方向へ移動させる。
読取キャリッジ116は、前記順方向に移動しながら、露光ランプ116aから発せられた光の、原稿Pによる反射光、をCCDセンサ116dにより受光する。このとき、CCDセンサ116dは、受光した反射光の光量を所定の周期で読み込み、読み込んだ光量を順次電圧値に変換する。
すなわち、CCDセンサ116dは、読み取り位置を順次移動させて、原稿P(原稿P上の画像)を、RGB色空間により表されるRGB画像データとして、読み込むこととなる。そして、読み込まれたRGB画像データは、最終的に、メインコントローラ210内のメモリ212に格納される。
【0057】
<<<第一プリンタ機能実行時の動作>>>
次に、MFP装置10において第一プリンタ機能が実行されるときの、MFP装置10の動作について説明する。
【0058】
作業者が、操作パネル130を操作してプリントしたい画像を選択し、操作パネル130にて第一プリンタ機能の実行を指示する(本実施の形態においては、プリントボタンの押下)と、操作パネル130は、第一プリンタ機能の実行を示す信号をメインコントローラ210に送出する。当該信号を受け取ったメインコントローラ210は、画像処理部214により、前記メモリ212に格納されている、作業者が選択した画像に対応するRGB画像データ、の画像処理(色成分の変換処理、ハーフトーン処理等)を行い、画像形成用の画像データ(かかる画像処理後の画像データを、YMCK画像データとも呼ぶ)に変換する(変換されたYMCK画像データも前記メモリ212に格納される)。そして、メインコントローラ210は、画像の形成を開始する旨の指示を、プリンタコントローラ250に与える。当該指示を受け取ったプリンタコントローラ250は、プリンタユニット14内の各ユニットを、これらに対応した制御回路により制御して、以下に示す画像形成動作をプリンタユニット14に実行させる。
【0059】
画像形成動作開始時に、先ず、プリンタコントローラ250の制御により感光体20、及び、中間転写体70が回転する。そして、その後、前記同期用読取センサRSにより中間転写体70の基準位置が検出され、パルス信号が出力される。かかるパルス信号はプリンタコントローラ250に送られ、当該パルス信号を基準として、以下に述べる種々の動作が、プリンタコントローラ250の制御により実行される。
【0060】
感光体20は、回転しながら、帯電位置において帯電ユニット30により順次帯電される。感光体20の帯電された領域は、感光体20の回転に伴って露光位置に至り、露光ユニット40によって、第1色目(本実施の形態においてはブラックK)の画像情報に応じた潜像が、前述したYMCK画像データに基づいて該領域に形成される。
【0061】
YMCK現像ユニット50は、ブラック現像装置51を感光体20に対向する現像位置に位置させる。感光体20上に形成された潜像は、感光体20の回転に伴って現像位置に至り、ブラック現像装置51によってブラックトナーで現像される。これにより、感光体20上にブラックトナー像が形成される。
【0062】
感光体20上に形成されたブラックトナー像は、感光体20の回転に伴って一次転写位置に至り、一次転写ユニット60によって、中間転写体70に転写される。この際、一次転写ユニット60には、トナーの帯電極性とは逆の極性の一次転写電圧が印加される。なお、この間、感光体20と中間転写体70とは接触しており、また、二次転写ユニット80は、中間転写体70から離間している。
【0063】
上記の処理が、第2色目(本実施の形態においてはシアンC)、第3色目(本実施の形態においてはマゼンタ)、及び、第4色目(本実施の形態においてはイエローY)について、各々の現像装置毎に順次実行されることにより、YMCK画像データに対応した4色のトナー像が、中間転写体70に重なり合って転写される。これにより、中間転写体70上にはフルカラートナー像が形成される。
【0064】
中間転写体70上に形成されたフルカラートナー像は、中間転写体70の回転に伴って二次転写位置に至り、二次転写ユニット80によって媒体に転写される。なお、媒体は、給紙トレイ92から、給紙ローラ94、レジローラ96を介して二次転写ユニット80へ搬送される。また、転写動作を行う際、二次転写ユニット80が、移動して中間転写体70に媒体を介して当接するとともに、当該二次転写ユニット80には、二次転写電圧が印加される。
媒体に転写されたフルカラートナー像は、定着ユニット90によって加熱加圧されて媒体に融着される。
【0065】
一方、感光体20は一次転写位置を経過した後に、クリーニングユニット75に支持されたクリーニングブレード76によって、その表面に付着しているトナーが掻き落とされ、次の潜像を形成するための帯電に備える。掻き落とされたトナーは、クリーニングユニット75が備える残存トナー回収部に回収される。
【0066】
ところで、プリンタユニット14が画像形成動作を実行する際に、プリンタユニット14が振動することがある。ここで、プリンタユニット14の水平方向の振幅が最も大きくなるのは、YMCK現像ユニット50が回転する際である。なお、このYMCK現像ユニット50が回転する際のプリンタユニット14の水平方向の最大振幅値は、1.5(mm)未満である。
【0067】
<<<第二プリンタ機能実行時の動作>>>
次に、MFP装置10において第二プリンタ機能が実行されるときの、MFP装置10の動作について説明する。
【0068】
USBやパラレルインターフェース、又は、ネットワークを介して、MFP装置10に接続されたコンピュータ、から画像データ(信号)及び制御データ(信号)がインターフェイス部216を介してMFP装置10のメインコントローラ210に入力されると、メインコントローラ210は、制御データ(信号)に含まれる第二プリンタ機能の実行を示す信号に基づいて、画像の形成を開始する旨の指示を、プリンタコントローラ250に与える。当該指示を受け取ったプリンタコントローラ250は、プリンタユニット14内の各ユニットを、これらに対応した制御回路により制御して、前述した画像形成動作をプリンタユニット14に実行させる。なお、前記コンピュータから送られてくる画像データは、通常、画像処理済みのYMCK画像データであり(画像処理は、コンピュータ内のプリンタドライバにより実施される)、かかる際には、第一プリンタ機能実行の場合とは異なり、画像処理部214による画像処理は実行されない。
【0069】
<<<コピー機能実行時の動作>>>
次に、MFP装置10においてコピー機能が実行されるときの、MFP装置10の動作について説明する。
【0070】
作業者が、操作パネル130にてコピー機能の実行を指示する(本実施の形態においては、コピーボタンの押下)と、操作パネル130は、コピー機能の実行を示す信号をメインコントローラ210に送出する。そして、当該信号を受け取ったメインコントローラ210は、原稿の読み取りを開始する旨の指示を、スキャナコントローラ230に与える。当該指示を受け取ったスキャナコントローラ230は、スキャナユニット12内の露光ランプ116a、CCDセンサ116d、パルスモータ122d等を、これらに対応した制御回路により制御して、前述した原稿読み取り動作をスキャナユニット12に実行させる。
【0071】
そして、メインコントローラ210は、スキャナユニット12により読み込まれ、メインコントローラ210内のメモリ212に格納されたRGB画像データ、の画像処理(色変換処理、ハーフトーン処理等)を画像処理部214により行い、YMCK画像データに変換する。そして、メインコントローラ210は、画像の形成を開始する旨の指示を、プリンタコントローラ250に与える。当該指示を受け取ったプリンタコントローラ250は、プリンタユニット14内の各ユニットを、これらに対応した制御回路により制御して、前述した画像形成動作をプリンタユニット14に実行させる。
【0072】
===スキャナ脚180の概要===
図8〜図12を用いて、スキャナユニット12に取り付けられたスキャナ脚180の概要について説明する。図8は、スキャナユニット12が設置机300に設置される前の、スキャナ脚180周辺部を示した図である。図9は、スキャナユニット12が設置机300に設置された際の、スキャナ脚180周辺部を示した図である。図10は、硬弾性体182が対向壁152に接触している状態を示した図である。図11は、対向壁152に接触した硬弾性体182の側面が、変形している状態を示した図である。図12は、スキャナ脚180を示した斜視図である。
【0073】
<<<スキャナ脚180の構成について>>>
まず、スキャナ脚180の構成について説明する。スキャナ脚180は、スキャナユニット12に作用する振動を吸収するためのものである。例えば、スキャナ脚180は、画像形成部(例えば、YMCK現像ユニット50)の動作に起因したプリンタユニット14の振動のうちスキャナユニット12に伝わる振動を吸収する。また、スキャナ脚180は、読取キャリッジ116の移動等に起因したスキャナユニット12の振動を吸収する機能も有している。
【0074】
スキャナ脚180は、図5に示すように、スキャナユニット12のスキャナ底面12aの四隅にそれぞれ取り付けられている。具体的には、スキャナ脚180は、該四隅に形成された窪み150に両面テープを介して取り付けられている。
【0075】
スキャナ脚180は、プリンタユニット14に取り付けられたプリンタ脚98とは異なるものである。このスキャナ脚180は、第一弾性体の一例としての硬弾性体182と、スキャナユニット12と硬弾性体の間に位置し、該硬弾性体よりも柔らかい第二弾性体の一例としての柔弾性体181と、を備えている。なお、柔弾性体181及び硬弾性体182は、プリンタ脚98よりも柔らかい。
【0076】
また、柔弾性体181と硬弾性体182は、柔弾性体181が上方に位置し、硬弾性体182が下方に位置するように、重なっている。そして、図8及び図9に示すように、この二つの弾性体は、スキャナユニット12が設置机300に設置される際に、スキャナユニット12と設置机300による圧縮力によって鉛直方向に縮む一方で、水平方向に膨張することになる。以下に、柔弾性体181及び硬弾性体182の構成について説明する。
【0077】
柔弾性体181は、エーテル系ポリウレタンから成る。この柔弾性体181の硬度は、アスカーC 30である。ここで、アスカーCとは、ゴムの硬さの規格の一つである。また、図12に示すように、柔弾性体181の形状は、直方体である。そして、柔弾性体181の上面(以下、「柔弾性体上面」とも呼ぶ)181aは、両面テープを介して窪み150の取り付け面151に取り付けられている。また、柔弾性体181の4つの側面(以下、「柔弾性体側面」とも呼ぶ)181bは、窪み150に形成された対向壁152に隙間を介して対向している。
【0078】
硬弾性体182は、設置机300に接触可能である。すなわち、硬弾性体182は、図9に示すように、スキャナユニット12が設置机300に設置されることによって、設置机300に接触することとなる。この硬弾性体182は、高密度ポリウレタンフォームから成る。そして、硬弾性体182の硬度は、アスカーC 60である。
【0079】
また、図12に示すように、硬弾性体182の形状は、直方体である。そして、この硬弾性体182の厚みt2(本実施形態においては、5mm)は、柔弾性体181の厚みt1(本実施形態においては、10mm)より小さい。そして、前述したように、柔弾性体181は硬弾性体182よりも柔らかいので、スキャナユニット12が設置机300に設置される際に、柔弾性体181の鉛直方向の縮み量は、硬弾性体182の鉛直方向の縮み量よりも大きい。
【0080】
硬弾性体182の上面(以下、「硬弾性体上面」とも呼ぶ)182aは、柔弾性体181の下面(以下、「柔弾性体下面」とも呼ぶ)181cと接着している。具体的には、硬弾性体上面182aは、両面テープを介して柔弾性体下面181cと接着している。また、硬弾性体上面182aの面積は、柔弾性体下面181cの面積より大きい。そして、柔弾性体下面181cと硬弾性体上面182aは、それぞれ正方形であり、柔弾性体下面181c全体が、硬弾性体上面182aの中央部と重なっている。
【0081】
硬弾性体182の4つの側面(以下、「硬弾性体側面」とも呼ぶ)182bは、スキャナユニット12が設置机300に設置された際に、隙間を介して対向壁152に対向している。なお、この隙間の大きさ、すなわち、スキャナユニット12が設置机300に設置された際の硬弾性体側面182bと対向壁152との距離Lは、本実施形態においては、1.5(mm)である。そして、この距離Lは、YMCK現像ユニット50が回転する際のプリンタユニット14の水平方向の最大振幅値(本実施形態においては、1.5mm未満)より、大きい。
【0082】
硬弾性体182の下面(以下、「硬弾性体下面」とも呼ぶ)182cは、スキャナユニット12が設置机300に設置されると、該設置机300に接触する。なお、硬弾性体下面182cが設置机300の接触する時にも、硬弾性体下面182cが設置机300に設置しない時にも、柔弾性体下面181cが、対向壁152(具体的には、対向壁152の下端152a)より、下方に位置しない。
【0083】
<<<スキャナユニットが設置机上を滑る際のスキャナ脚への影響について>>>
設置机300に設置されたスキャナユニット12が、設置机300上を滑ることがある。例えば、ユーザー等が、該スキャナユニット12の位置を変えるために、静止していたスキャナユニット12を移動させる際に、スキャナユニット12が設置机300上を滑ることがある。
【0084】
前述したように、スキャナユニット12は、硬弾性体182が設置机300に接触した状態で、設置机300に設置されている。このため、スキャナユニット12が設置机300上を滑る際に、スキャナ脚180のスキャナユニット12に対する相対移動やスキャナ脚180の変形が生じる。そこで、これらの相対移動や変形について、以下において説明する。
【0085】
ここで、スキャナユニット12が設置机300上を滑るために、スキャナユニット12に図9に示す方向D1の外力が作用されることとする。この外力は、例えば、ユーザー等がスキャナユニット12を押す際に発生する力である。硬弾性体182は設置机300に接触しているので、スキャナユニット12に該外力が作用されると、該硬弾性体182には方向D1とは反対方向D2への静止摩擦力が作用する。このため、図10に示すように、該外力によってスキャナユニット12が方向D1に移動する一方で、硬弾性体182は該静止摩擦力のために移動しない。この結果、スキャナユニット12に該外力が作用されると、硬弾性体182は、スキャナユニット12に対して方向D2に相対移動することとなる。
【0086】
また、前述したように、柔弾性体上面181aは、取り付け面150aと接着し、柔弾性体下面181cは、硬弾性体上面182aと接着している。このため、硬弾性体182の相対移動に伴って、柔弾性体181が変形することになる。
【0087】
そして、図10に示すように、硬弾性体182の方向D2への相対移動(変位)については、硬弾性体側面182bが対向壁152に接触することによって、硬弾性体182のスキャナユニット12に対する相対移動が規制される。また、対向壁152によって硬弾性体182の相対移動が規制されることによって、柔弾性体181の変形も抑制される。このため、対向壁152は、柔弾性体181の変形を抑制する変形抑制部としての役割を有している。なお、図10に示すように、硬弾性体側面182bの上部のみが対向壁152に接触する。そして、この上部が対向壁152に接触する際に該対向壁152から力が作用されることによって、図11に示すように上部が水平方向に縮む。
【0088】
また、図11に示すように硬弾性体側面182bが対向壁152に接触した状態にて、スキャナユニット12に作用する外力が大きくなると、スキャナユニット12が設置机300上を滑り始める。スキャナユニット12が滑る際には、硬弾性体側面182bは対向壁152に接触した状態を維持するので、硬弾性体182のスキャナユニット12に対する相対位置は、一定のままである。そして、硬弾性体182の相対位置が一定であるから、柔弾性体181も図11に示す形状を維持することになる。
【0089】
なお、設置机300に設置されたスキャナユニット12が、該スキャナユニット12に外力が作用されることによって、硬弾性体側面182bが対向壁152に接触した状態にて設置机300上を滑る際に、硬弾性体182に亀裂が生じるに前に、スキャナユニット12が設置机300上を滑り始める。
【0090】
===本実施形態に係るMFP装置10の有効性について===
本実施形態に係る画像形成装置(MFP装置10)は、(a)画像を形成するための画像形成部(感光体20、帯電ユニット30、露光ユニット40、YMCK現像ユニット50、一次転写ユニット60、中間転写体70、二次転写ユニット80、及び、定着ユニット90にて構成されている)を備えた第一筐体(プリンタユニット14)と、(b)画像形成部の動作と連動して原稿を読み取り可能な原稿読み取り部(読取キャリッジ116)を備えた第二筐体(スキャナユニット12)と、(c)スキャナユニット12に取り付けられており、振動を吸収するための振動吸収脚(スキャナ脚180)であって、該スキャナ脚180が取り付けられているスキャナユニット12が設置される設置台(設置机300)に接触可能な第一弾性体(硬弾性体182)と、該スキャナ脚180が取り付けられているスキャナユニット12と硬弾性体182との間に位置し、硬弾性体182よりも柔らかい第二弾性体(柔弾性体181)と、を備えたスキャナ脚180と、(d)該スキャナ脚180が取り付けられているスキャナユニット12に設けられ、該スキャナユニット12に対する硬弾性体182の相対移動を規制することによって、柔弾性体181の変形を抑制するための変形抑制部(対向壁152)と、(e)を有している。これにより、振動吸収脚にてスキャナユニット12の振動を適切に抑制し、かつ、該振動吸収脚に起因した設置机300の汚れを防止できるMFP装置10を実現することが可能となる。以下において、詳細に説明する。
【0091】
読取キャリッジ116が原稿を読み取る際にスキャナユニット12に作用する振動に起因して該スキャナユニット12が揺れると、読み取られた画像に歪み等が発生する恐れがある。そこで、スキャナユニット12に作用する振動を吸収するために弾性体からなる振動吸収脚を用いられる。しかし、弾性体が硬すぎる場合には、該弾性体が振動を十分に吸収しきれず、スキャナユニット12が振動する恐れがある。一方、弾性体が柔らかすぎる場合には、該弾性体が振動を吸収できるが、設置机300等に該弾性体の跡が残り、設置机300が汚れる恐れがある。
【0092】
一方、本実施形態に係るMFP装置10においては、図9に示すように、設置机300に接触可能な硬弾性体182と、スキャナユニット12と硬弾性体182との間に位置し、硬弾性体182よりも柔らかい柔弾性体181と、を備えたスキャナ脚180、及び、スキャナユニット12に対する硬弾性体182の相対移動を規制することによって、柔弾性体181の変形を抑制するための対向壁152、が設けられている。
【0093】
スキャナ脚180が柔弾性体181を備えている場合には、該柔弾性体181がスキャナユニット12に作用する振動を十分に吸収できるから、スキャナ脚180にてスキャナユニット12に作用する振動を適切に抑制することが可能となる。
また、柔弾性体181が、設置机300に接触する硬弾性体182とスキャナユニット12との間に位置する場合には、該柔弾性体181が設置机300に接触することを抑制できる。さらに、対向壁152が硬弾性体182の相対移動を規制することによって柔弾性体181の変形が抑制される場合には、柔弾性体181の変形が過大になって該柔弾性体181が設置机300に接触することも防止できる。よって、本実施形態に係るMFP装置10によれば、柔弾性体181の設置机300への接触をより確実に防止できるから、スキャナ脚180(柔弾性体181)に起因した設置机300の汚れを防止することが可能となる。
【0094】
なお、上述の説明では、スキャナユニット12に振動吸収脚(スキャナ脚180)取り付けられ、該スキャナユニット12に変形抑制部(対向壁152)が設けられていることとしたが、これに限定されるものではない。例えば、プリンタユニット14に、プリンタ脚98の代わりに前記振動吸収脚が取り付けられ、該プリンタユニット14に変形抑制部が設けられていることとしてもよい。かかる場合にも、本実施形態の場合と同様に、スキャナユニット12に作用する振動を抑制することが可能となる。すなわち、プリンタユニット14に取り付けられた振動吸収脚がプリンタユニット14の振動を吸収することによって、プリンタユニット14の振動に起因した設置机300の揺れを防止できる。そして、設置机300の揺れが防止されることによって、スキャナユニット12に作用する振動を抑制することができる。
ただし、振動吸収脚がスキャナユニット12に取り付けられている場合には、プリンタユニット14の振動以外の振動がスキャナユニット12に作用することも適切に抑制することが可能となる。よって、図9に示す本実施形態の方がより望ましい。
【0095】
また、振動吸収脚がスキャナユニット12及びプリンタユニット14に取り付けられ、スキャナユニット12及びプリンタユニット14に変形抑制部が設けられていることとしてもよい。かかる場合にも、上述の効果が有効に奏される。
【0096】
以上から、スキャナユニット12とプリンタユニット14のうちの少なくとも一方の筐体に振動吸収脚を取り付け、該振動吸収脚が取り付けられている筐体に変形抑制部を設けた場合には、上述の効果、すなわち、振動吸収脚にてスキャナユニット12の振動を適切に抑制し、かつ、該振動吸収脚に起因した設置机300の汚れを防止できる効果、が適切に奏される。
【0097】
===その他の実施の形態===
以上、上記実施の形態に基づき本発明に係る画像形成装置等を説明したが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
【0098】
また、上記実施の形態においては、プリンタユニット14として中間転写型のフルカラーレーザビームプリンタを例にとって説明したが、プリンタユニット14は、中間転写型以外のフルカラーレーザビームプリンタ、モノクロレーザビームプリンタ等であってもよい。
【0099】
さらに、上記実施の形態において、図12に示すように、硬弾性体182及び柔弾性体181の形状は、直方体であることとした。また、硬弾性体182の上面(硬弾性体上面182a)は、柔弾性体181の下面(柔弾性体下面181c)と接着していることとした。また、図9に示すように、スキャナユニット12は、スキャナ脚180が取り付けられる窪み150を備えていることとした。また、前記変形抑制部は、窪み150に形成されており、スキャナユニット12が設置机300に設置された際に硬弾性体182の側面(硬弾性体側面182b)に隙間を介して対向する対向壁(対向壁152)、であることとした。そして、図10に示すように、硬弾性体182が変位する際に、硬弾性体側面182bが対向壁152に接触して、硬弾性体182の前記相対移動が規制されることとした。しかし、上記に限定されるものではない。例えば、変形抑制部は、スキャナユニット12に取り付けられた凸状の部材であることとしてもよい。
ただし、変形抑制部が窪み150に形成された対向壁152である場合には、硬弾性体182のスキャナユニット12に対する相対移動の規制を簡易な構成にて実現することができる。従って、上記実施の形態の方がより望ましい。
【0100】
さらに、上記実施の形態において、図12に示すように、硬弾性体上面182aの面積は、柔弾性体下面181cの面積より大きいこととしたが、これに限定されるものではない。例えば、硬弾性体上面182aの面積は、柔弾性体下面181cの面積と同じであることとしてもよい。
ただし、硬弾性体上面182aの面積が柔弾性体下面181cの面積より大きい場合には、柔弾性体181が変形しても該柔弾性体下面181cが硬弾性体上面182aに接触した状態となるので、該柔弾性体181が設置机300に接触することを有効に防止することができる。従って、上記実施の形態の方がより望ましい。
【0101】
さらに、上記実施の形態において、図8及び図9に示すように、硬弾性体182が設置机300に接触する時にも、硬弾性体182が設置机300に接触しない時にも、柔弾性体下面181cが、対向壁152(具体的には、下端152a)より下方に位置しないこととしたが、これに限定されるものではない。例えば、硬弾性体182が設置机300に接触しない時には、柔弾性体181の下面が、対向壁152よりも下方に位置することとしてもよい。
ただし、硬弾性体182が設置机300に接触する時にも、硬弾性体182が設置机300に接触しない時にも、柔弾性体下面181cが対向壁152より下方に位置しない場合には、硬弾性体182が設置机300に接触する(すなわち、スキャナユニット12が設置机300に設置される)際に、柔弾性体181が硬弾性体182と対向壁152との間に挟まって、柔弾性体181が損傷することを防止することができる。従って、上記実施の形態の方がより望ましい。
【0102】
さらに、上記実施の形態において、図6に示すように、画像形成部は、現像剤(トナー)を収容した現像剤収容体(現像装置51、52、53、54)を保持して回転可能な回転体(YMCK現像ユニット50)を備えていることとした。すなわち、現像装置51、52、53、54が、YMCK現像ユニット50の回転に伴って、移動することとした。しかし、上記に限定されるものではない。例えば、現像装置51、52、53、54は、プリンタユニット14に対して所定の位置に保持されていることとしてもよい。
ただし、現像装置51、52、53、54を移動するためにYMCK現像ユニット50が回転する際には、プリンタユニット14に大きな振動が生じる恐れがあるから、振動吸収脚と変形抑制部を設けたことによる効果、すなわち、振動吸収脚にてスキャナユニット12の振動を適切に抑制できる効果、がより有効に奏される。従って、上記実施の形態の方がより望ましい。
【0103】
さらに、上記実施の形態において、YMCK現像ユニット50が回転する際のプリンタユニット14の水平方向の最大振幅値は、スキャナユニット12が設置机300に設置された際の硬弾性体側面182bと対向壁152との距離L(図9)より、小さいこととしたが、これに限定されるものではない。例えば、最大振幅値は、前記距離Lより大きいこととしてもよい。
対向壁152と硬弾性体182が接触している際には、プリンタユニット14の振動がスキャナユニット12に伝わり、該スキャナユニット12が揺れる恐れがある。そこで、距離Lを最大振幅値より大きくすることによって、対向壁152と硬弾性体182の接触を抑制できるから、スキャナユニット12に作用する振動を効果的に抑制できる。従って、上記実施の形態の方がより望ましい。
【0104】
さらに、上記実施の形態において、図10に示すように、硬弾性体182が変位する際に、硬弾性体側面182bの上部のみが対向壁152に接触することとしたが、これに限定されるものではない。例えば、硬弾性体182が変位する際に、硬弾性体側面182b全体が対向壁152に接触することとしてもよい。
硬弾性体側面182bの上部のみが対向壁152に接触する場合には、硬弾性体側面182b全体が対向壁152に接触する場合に比べて、硬弾性体側面182bが変形しやすくなる。このため、硬弾性体側面182bが対向壁152に接触した後に、スキャナユニット12が振動しても、硬弾性体182が該振動を吸収することが可能となる。従って、上記実施の形態の方がより望ましい。
【0105】
さらに、上記実施の形態において、図6に示すように、プリンタユニット14には、スキャナ脚180とは異なる他の振動吸収脚(プリンタ脚98)が取り付けられていることとした。そして、プリンタユニット14に取り付けられたプリンタ脚98は、スキャナユニット12に取り付けられたスキャナ脚180の硬弾性体182及び柔弾性体181よりも硬いこととした。しかし、上記に限定されるものではない。例えば、プリンタユニット14には、振動吸収脚が取り付けられていないこととしてもよい。
ただし、プリンタユニット14にプリンタ脚98が取り付けられている場合には、該プリンタ脚98によってプリンタユニット14の振動を吸収することが可能となる。従って、上記実施の形態の方がより望ましい。
【0106】
===画像形成システム等の構成===
次に、本発明に係る実施の形態の一例である画像形成システムの実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0107】
図13は、画像形成システムの外観構成を示した説明図である。画像形成システム700は、コンピュータ702と、表示装置704と、MFP装置10と、入力装置708と、メディア読取装置710とを備えている。コンピュータ702は、本実施形態ではミニタワー型の筐体に収納されているが、これに限られるものではない。表示装置704は、CRT(Cathode Ray Tube:陰極線管)やプラズマディスプレイや液晶表示装置等が用いられるのが一般的であるが、これに限られるものではない。入力装置708は、本実施形態ではキーボード708Aとマウス708Bが用いられているが、これに限られるものではない。メディア読取装置710は、本実施形態ではフレキシブルディスクドライブ装置710AとCD−ROMドライブ装置710Bが用いられているが、これに限られるものではなく、例えばMO(Magneto Optical)ディスクドライブ装置やDVD(Digital Versatile Disk)等の他のものであっても良い。
【0108】
図14は、図13に示した画像形成システムの構成を示すブロック図である。コンピュータ702が収納された筐体内にRAM等の内部メモリ802と、ハードディスクドライブユニット804等の外部メモリがさらに設けられている。
【0109】
なお、以上の説明においては、MFP装置10が、コンピュータ702、表示装置704、入力装置708、及び、メディア読取装置710と接続されて画像形成システムを構成した例について説明したが、これに限られるものではない。例えば、画像形成システムが、コンピュータ702とMFP装置10から構成されても良く、画像形成システムが表示装置704、入力装置708及びメディア読取装置710のいずれかを備えていなくても良い。
【0110】
また、例えば、MFP装置10が、コンピュータ702、表示装置704、入力装置708、及び、メディア読取装置710のそれぞれの機能又は機構の一部を持っていても良い。一例として、MFP装置10が、各種の表示を行う表示部、及び、デジタルカメラ等により撮影された画像データを記録した記録メディアを着脱するためのメディア着脱部等を有する構成としても良い。
【0111】
このようにして実現された画像形成システムは、システム全体として従来システムよりも優れたシステムとなる。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】MFP装置10の外観構成例を示した斜視図である。
【図2】スキャナユニット12の内部構成例を示した図である。
【図3】スキャナユニット12の内部構成例を示した図である。
【図4】スキャナユニット12の内部構成例を示した図である。
【図5】スキャナユニット12のスキャナ底面12aを示した図である。
【図6】プリンタユニット14の内部構成例を示した図である。
【図7】コントローラ200の構成を示したブロック図である。
【図8】スキャナユニット12が設置机300に設置される前の、スキャナ脚180周辺部を示した図である。
【図9】スキャナユニット12が設置机300に設置された際の、スキャナ脚180周辺部を示した図である。
【図10】硬弾性体182が対向壁152に接触している状態を示した図である。
【図11】対向壁152に接触した硬弾性体182の側面が、変形している状態を示した図である。
【図12】スキャナ脚180を示した斜視図である。
【図13】画像形成システムの外観構成を示した説明図である。
【図14】図13に示した画像形成システムの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0113】
10 MFP装置、12 スキャナユニット、12a スキャナ底面、
14 プリンタユニット、14a プリンタ底面、16 信号線、20 感光体、
30 帯電ユニット、40 露光ユニット、50 YMCK現像ユニット、
50a 中心軸、51 ブラック現像装置、52 マゼンタ現像装置、
53 シアン現像装置、54 イエロー現像装置、55 支持フレーム、
55a、55b、55c、55d 保持部、60 一次転写ユニット、
70 中間転写体、75 クリーニングユニット、76 クリーニングブレード、
80 二次転写ユニット、90 定着ユニット、92 給紙トレイ、
94 給紙ローラ、96 レジローラ、98 プリンタ脚、
112 原稿台ガラス、114 原稿台カバー、116 読取キャリッジ、
116a 露光ランプ、116b レンズ、116c ミラー、
116d CCDセンサ、116e ガイド受け部、116f スライド部材、
118 ガイド部材、120 支持レール、122 駆動部、
122a タイミングベルト、122b 駆動プーリ、122c 従動プーリ、
122d パルスモータ、122e ホームポジションセンサ、130 操作パネル、
150 窪み、151、取り付け面、152 対向壁、152a 下端、
180 スキャナ脚、181 柔弾性体、181a 柔弾性体上面、
181b 柔弾性体側面、181c 柔弾性体下面、182 硬弾性体、
182a 硬弾性体上面、182b 硬弾性体側面、182c 硬弾性体下面、
200 コントローラ、210 メインコントローラ、212 メモリ、
214 画像処理部、216 インターフェイス部、230 スキャナコントローラ、
232 メモリ、250 プリンタコントローラ、252 メモリ、
300 設置机、
700 画像形成システム、702 コンピュータ、704 表示装置、
708 入力装置、708A キーボード、708B マウス、
710 メディア読取装置、710A フレキシブルディスクドライブ装置、
710B CD−ROMドライブ装置、
802 内部メモリ、804 ハードディスクドライブユニット、
P 原稿

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)画像を形成するための画像形成部を備えた第一筐体と、
(b)前記画像形成部の動作と連動して原稿を読み取り可能な原稿読み取り部を備えた第二筐体と、
(c)前記第一筐体と前記第二筐体のうちの少なくとも一方の筐体に取り付けられており、振動を吸収するための振動吸収脚であって、
該振動吸収脚が取り付けられている筐体が設置される設置台に接触可能な第一弾性体と、
該振動吸収脚が取り付けられている筐体と前記第一弾性体との間に位置し、前記第一弾性体よりも柔らかい第二弾性体と、
を備えた振動吸収脚と、
(d)該振動吸収脚が取り付けられている筐体に設けられ、該筐体に対する前記第一弾性体の相対移動を規制することによって、前記第二弾性体の変形を抑制するための変形抑制部と、
(e)を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置であって、
前記振動吸収脚は、前記第二筐体のみに取り付けられていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像形成装置であって、
前記第一弾性体及び前記第二弾性体の形状は、直方体であり、
前記第一弾性体の上面は、前記第二弾性体の下面と接着しており、
前記第二筐体は、前記振動吸収脚が取り付けられる窪みを備え、
前記変形抑制部は、
前記窪みに形成されており、前記第二筐体が前記設置台に設置された際に前記第一弾性体の側面に隙間を介して対向する対向壁、
であり、
前記第一弾性体が変位する際に、該第一弾性体の側面が前記対向壁に接触して、該第一弾性体の前記相対移動が規制されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項3に記載の画像形成装置であって、
前記第一弾性体の前記上面の面積は、前記第二弾性体の前記下面の面積より大きいことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載の画像形成装置であって、
前記第一弾性体が前記設置台に接触する時にも、前記第一弾性体が前記設置台に接触しない時にも、前記第二弾性体の前記下面が、前記対向壁より下方に位置しないことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項3〜請求項5のいずれかに記載の画像形成装置であって、
前記設置台に設置された前記第二筐体が、該第二筐体に外力が作用されることによって、前記第一弾性体の前記側面が前記対向壁に接触した状態にて前記設置台上を滑る際に、
前記第一弾性体に亀裂が生じる前に、前記第二筐体が前記設置台上を滑り始めることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項3〜請求項6のいずれかに記載の画像形成装置であって、
前記画像形成部は、現像剤を収容した現像剤収容体を保持して回転可能な回転体を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項7に記載の画像形成装置であって、
前記回転体が回転する際の前記第一筐体の水平方向の最大振幅値は、前記第二筐体が前記設置台に設置された際の前記第一弾性体の側面と前記対向壁との距離より、小さいことを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項8に記載の画像形成装置であって、
前記第一弾性体が変位する際に、該第一弾性体の前記側面の上部のみが前記対向壁に接触することを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項2〜請求項9のいずれかに記載の画像形成装置であって、
前記第一筐体には、前記振動吸収脚とは異なる他の振動吸収脚が取り付けられており、
前記第一筐体に取り付けられた他の振動吸収脚は、前記第二筐体に取り付けられた振動吸収脚の前記第一弾性体及び前記第二弾性体よりも硬いことを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
(a)画像を形成するための画像形成部を備えた第一筐体と、
(b)前記画像形成部の動作と連動して原稿を読み取り可能な原稿読み取り部を備えた第二筐体と、
(c)前記第一筐体と前記第二筐体のうちの少なくとも一方の筐体に取り付けられており、振動を吸収するための振動吸収脚であって、
該振動吸収脚が取り付けられている筐体が設置される設置台に接触可能な第一弾性体と、
該振動吸収脚が取り付けられている筐体と前記第一弾性体との間に位置し、前記第一弾性体よりも柔らかい第二弾性体と、
を備えた振動吸収脚と、
(d)該振動吸収脚が取り付けられている筐体に設けられ、該筐体に対する前記第一弾性体の相対移動を規制することによって、前記第二弾性体の変形を抑制するための変形抑制部と、
(e)を有し、
(f)前記振動吸収脚は、前記第二筐体のみに取り付けられており、
(g)前記第一弾性体及び前記第二弾性体の形状は、直方体であり、
前記第一弾性体の上面は、前記第二弾性体の下面と接着しており、
前記第二筐体は、前記振動吸収脚が取り付けられる窪みを備え、
前記変形抑制部は、
前記窪みに形成されており、前記第二筐体が前記設置台に設置された際に前記第一弾性体の側面に隙間を介して対向する対向壁、
であり、
前記第一弾性体が変位する際に、該第一弾性体の側面が前記対向壁に接触して、該第一弾性体の前記相対移動が規制され、
(h)前記第一弾性体の前記上面の面積は、前記第二弾性体の前記下面の面積より大きく、
(i)前記第一弾性体が前記設置台に接触する時にも、前記第一弾性体が前記設置台に接触しない時にも、前記第二弾性体の前記下面が、前記対向壁より下方に位置せず、
(j)前記設置台に設置された前記第二筐体が、該第二筐体に外力が作用されることによって、前記第一弾性体の前記側面が前記対向壁に接触した状態にて前記設置台上を滑る際に、
前記第一弾性体に亀裂が生じる前に、前記第二筐体が前記設置台上を滑り始め、
(k)前記画像形成部は、現像剤を収容した現像剤収容体を保持して回転可能な回転体を備え、
(l)前記回転体が回転する際の前記第一筐体の水平方向の最大振幅値は、前記第二筐体が前記設置台に設置された際の前記第一弾性体の側面と前記対向壁との距離より、小さく、
(m)前記第一弾性体が変位する際に、該第一弾性体の前記側面の上部のみが前記対向壁に接触し、
(n)前記第一筐体には、前記振動吸収脚とは異なる他の振動吸収脚が取り付けられており、
前記第一筐体に取り付けられた他の振動吸収脚は、前記第二筐体に取り付けられた振動吸収脚の前記第一弾性体及び前記第二弾性体よりも硬いことを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
(A)コンピュータと、
(B)このコンピュータに接続されて、次の(a)〜(d)を有する画像形成装置と、
(a)画像を形成するための画像形成部を備えた第一筐体、
(b)前記画像形成部の動作と連動して原稿を読み取り可能な原稿読み取り部を備えた第二筐体、
(c)前記第一筐体と前記第二筐体のうちの少なくとも一方の筐体に取り付けられており、振動を吸収するための振動吸収脚であって、
該振動吸収脚が取り付けられている筐体が設置される設置台に接触可能な第一弾性体と、
該振動吸収脚が取り付けられている筐体と前記第一弾性体との間に位置し、前記第一弾性体よりも柔らかい第二弾性体と、
を備えた振動吸収脚、
(d)該振動吸収脚が取り付けられている筐体に設けられ、該筐体に対する前記第一弾性体の相対移動を規制することによって、前記第二弾性体の変形を抑制するための変形抑制部、
(C)を具備したことを特徴とする画像形成システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−349777(P2006−349777A)
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−172988(P2005−172988)
【出願日】平成17年6月13日(2005.6.13)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】