説明

画像形成装置、画像形成方法およびプログラム

【課題】複数の処理を順次実行していくことが定義されたワークフローに印刷ジョブが含まれている場合、その印刷ジョブを速やかに実行すべきであるか否かを自動判別することにより、通常通電モードへの復帰動作の回数を低減できるようにする。
【解決手段】画像形成装置は、ワークフローに印刷ジョブが含まれる場合、そのワークフローに定義されている各処理の処理内容を解析することによって、その印刷ジョブを実行優先ジョブと省電力優先ジョブとのいずれか一方に分類する。ワークフローに基づく処理の進行過程において印刷ジョブを実行するタイミングとなったとき、その印刷ジョブが省電力優先ジョブであり、且つ、通電状態が省電力モードである場合、その印刷ジョブを格納する。一方、その印刷ジョブが実行優先ジョブである場合にはその印刷ジョブに基づく印刷出力を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成方法およびプログラムに関し、特に複数の処理を順次実行していくことが定義されたワークフローに基づき、画像形成装置において実行可能なジョブを順次自動で実行していくための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
複合機などの画像形成装置は、印刷用紙にトナー像を転写させた後、その印刷用紙に対して加熱加圧処理を施すことによってトナー像を印刷用紙に定着させる。そのため、画像形成装置は、トナー像を印刷用紙に定着させる定着部にヒーターを備えている。ところが、定着部におけるヒーターの温度を一定温度に保持しつづけると、画像形成装置において消費される電力が増加する。そのため、従来の画像形成装置において印刷出力を行わない状態のときには、通電状態を省電力モードへ移行させることによって消費電力の低減を図るようした技術が種々提案されている。
【0003】
例えば特許文献1には、画像形成装置が省電力モードであるとき、リアルタイムでの印刷出力が要求されない印刷ジョブを受信すると、その印刷ジョブを一旦蓄積しておく技術が開示されている。そして特許文献1には、その後、画像形成装置が、リアルタイムでの印刷出力が要求される印刷ジョブを受信するなど、所定の条件を満たしたと判断すると、蓄積しておいた印刷ジョブに基づいて印刷出力を行うことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−313488号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示される技術では、画像形成装置に印刷ジョブを送信するときには、リアルタイムでの印刷出力を要求するか否かを、ユーザ自身がその都度決定して設定しなければならないという煩わしさがある。
【0006】
また近年の画像形成装置は、複数の処理を順次実行していくことが定義されたワークフローを入力し、そのワークフローに基づいて自機で実行可能なジョブを順次自動で実行していくことができるようになってきている。ところが、この種の画像形成装置は、ワークフローに基づく処理を実行する際には、そのワークフローに含まれる複数の処理の全てを効率良く実行するとの観点から、そのワークフローに印刷ジョブが含まれていれば、画像形成装置の通電状態が省電力モードであっても通常通電モードへ復帰させて速やかに印刷ジョブを実行する。
【0007】
したがって、画像形成装置がワークフローに基づく処理を自動で実行するときには、省電力モードから通常通電モードへ復帰してしまうことになる。これを防止するためには、例えば、上述した特許文献1のように、ユーザが画像形成装置に特定のワークフローに基づく処理の実行を指示するとき、そのワークフローに印刷ジョブが含まれるかどうかを確認し、印刷ジョブが含まれていれば、その印刷ジョブに対してリアルタイムでの印刷出力を要求しない設定を行わなければならない。そのため、ワークフローに基づく処理を実行させるときには、ユーザの操作負担が大きくなるという問題がある。
【0008】
そこで本発明は、上述した問題点を解決すべく、複数の処理を順次実行していくことが定義されたワークフローに印刷ジョブが含まれている場合、その印刷ジョブを速やかに実行すべきであるか否かを自動判別することにより、通常通電モードへの復帰動作の回数を低減できるようにした画像形成装置、画像形成方法およびプログラムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明は、複数の処理を順次実行していくことが定義されたワークフローに基づき、実行可能なジョブを自動で実行していく画像形成装置であって、各種情報を記憶する記憶手段と、前記ワークフローを取得するワークフロー取得手段と、前記ワークフロー取得手段によって取得される前記ワークフローを解析するワークフロー解析手段と、前記ワークフロー取得手段によって取得される前記ワークフローに基づいてジョブの実行を制御するジョブ実行制御手段と、前記ジョブ実行制御手段によって実行指示される印刷ジョブに基づき、画像形成を行って印刷出力を行う画像形成手段と、前記画像形成手段における通電状態を、通常通電モードと省電力モードとのいずれかに設定する通電制御手段と、を備え、前記ワークフロー解析手段は、前記ワークフローに印刷ジョブが含まれる場合、前記ワークフローに定義されている各処理の処理内容を解析することによって、当該印刷ジョブを実行優先ジョブと省電力優先ジョブとのいずれか一方に予め分類しておき、前記ジョブ実行制御手段は、前記ワークフローに含まれる印刷ジョブの実行タイミングにおいて、当該印刷ジョブが省電力優先ジョブであり、且つ、前記通電制御手段によって設定されている前記画像形成手段の通電状態が前記省電力モードである場合、当該印刷ジョブを前記記憶手段に格納する一方、当該印刷ジョブが実行優先ジョブである場合、又は、前記通電制御手段によって設定されている前記画像形成手段の通電状態が前記通常通電モードである場合、前記画像形成手段を駆動することによって当該印刷ジョブに基づく印刷出力を行わせることを特徴とする構成である。
【0010】
請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記ワークフロー解析手段は、前記ワークフローに、印刷ジョブを実行することによって出力される印刷物を特定の承認者が承認する処理が含まれている場合、当該印刷ジョブを省電力優先ジョブに分類することを特徴とする構成である。
【0011】
請求項3にかかる発明は、請求項2に記載の画像形成装置において、前記特定の承認者の入退室状況を管理する入退室管理装置とネットワークを介して通信を行う通信手段をさらに備え、前記ジョブ実行制御手段は、前記ワークフローに含まれる印刷ジョブの実行タイミングにおいて、前記入退室管理装置と通信を行うことによって前記特定の承認者が入室状態であると判断する場合、前記画像形成手段を駆動することによって当該印刷ジョブに基づく印刷出力を行わせることを特徴とする構成である。
【0012】
請求項4にかかる発明は、請求項3に記載の画像形成装置において、前記ジョブ実行制御手段は、前記ワークフローに含まれる印刷ジョブの実行タイミングにおいて、前記入退室管理装置と通信を行うことによって前記特定の承認者が退室状態であると判断する場合、当該印刷ジョブを前記記憶手段に格納すると共に、その後、前記入退室管理装置と定期的に通信を行うことによって前記特定の承認者が入室状態であると判断した時点で前記記憶手段に格納した前記印刷ジョブを読み出し、前記画像形成手段を駆動することによって当該印刷ジョブに基づく印刷出力を行わせることを特徴とする構成である。
【0013】
請求項5にかかる発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置において、前記ワークフロー解析手段は、前記ワークフローに、印刷ジョブの実行対象となる画像データへのスタンプ画像の合成処理が含まれている場合、当該印刷ジョブを実行優先ジョブに分類することを特徴とする構成である。
【0014】
請求項6にかかる発明は、請求項5に記載の画像形成装置において、前記スタンプ画像は、前記画像データが秘密情報であることを示す画像であることを特徴とする構成である。
【0015】
請求項7にかかる発明は、請求項1乃至6のいずれかに記載の画像形成装置において、前記ワークフロー解析手段は、前記ワークフローに、印刷ジョブの実行対象となる画像データをFAX又は電子メールで受信する処理が含まれている場合、当該印刷ジョブを省電力優先ジョブに分類することを特徴とする構成である。
【0016】
請求項8にかかる発明は、請求項1乃至7のいずれかに記載の画像形成装置において、前記ワークフロー解析手段は、前記ワークフローに、印刷対象となる画像データを試行印刷と本印刷との2回に分けて印刷出力を行う処理が含まれている場合、試行印刷に対応する印刷ジョブを実行優先ジョブに分類し、本印刷に対応する印刷ジョブを省電力優先ジョブに分類することを特徴とする構成である。
【0017】
請求項9にかかる発明は、請求項1乃至8のいずれかに記載の画像形成装置において、ユーザによる操作入力を受け付ける操作手段をさらに備え、前記ジョブ実行制御手段は、省電力優先ジョブに分類された印刷ジョブを前記記憶手段に格納した後、前記操作手段を介して当該印刷ジョブの実行が指示されることに伴い、前記記憶手段から当該印刷ジョブを読み出し、前記画像形成手段を駆動することによって当該印刷ジョブに基づく印刷出力を行わせることを特徴とする構成である。
【0018】
請求項10にかかる発明は、請求項1乃至9のいずれかに記載の画像形成装置において、前記ジョブ実行制御手段は、前記記憶手段に格納した印刷ジョブのデータ量を監視し、そのデータ量が所定値を越えたタイミングで前記記憶手段から前記印刷ジョブを読み出し、前記画像形成手段を駆動することによって当該印刷ジョブに基づく印刷出力を行わせることを特徴とする構成である。
【0019】
請求項11にかかる発明は、複数の処理を順次実行していくことが定義されたワークフローに基づき、実行可能なジョブを自動で実行していく画像形成方法であって、(a) 前記ワークフローを取得するステップと、(b) 前記ワークフローに印刷ジョブが含まれる場合、前記ワークフローに定義されている各処理の処理内容を解析することによって、当該印刷ジョブを実行優先ジョブと省電力優先ジョブとのいずれか一方に予め分類するステップと、(c) 前記ワークフローに基づいてジョブの実行を制御するステップと、を有し、前記ステップ(c)は、前記ワークフローに含まれる印刷ジョブの実行タイミングにおいて、当該印刷ジョブが省電力優先ジョブであり、且つ、印刷出力を行う画像形成手段の通電状態が省電力モードである場合には当該印刷ジョブを所定の記憶手段に格納する一方、当該印刷ジョブが実行優先ジョブである場合、又は、前記画像形成手段の通電状態が通常通電モードである場合には前記画像形成手段を駆動することによって当該印刷ジョブに基づく印刷出力を行わせることを特徴とする構成である。
【0020】
請求項12にかかる発明は、画像形成を行って印刷出力を行うことが可能な画像形成装置において実行されるプログラムであって、前記画像形成装置を、複数の処理を順次実行していくことが定義されたワークフローを取得するワークフロー取得手段、前記ワークフローを解析するワークフロー解析手段、および、前記ワークフローに基づいてジョブの実行を制御するジョブ実行制御手段、として機能させ、前記ワークフロー解析手段には、前記ワークフローに印刷ジョブが含まれる場合、前記ワークフローに定義されている各処理の処理内容を解析することによって、当該印刷ジョブを実行優先ジョブと省電力優先ジョブとのいずれか一方に予め分類させ、前記ジョブ実行制御手段には、前記ワークフローに含まれる印刷ジョブの実行タイミングにおいて、当該印刷ジョブが省電力優先ジョブであり、且つ、印刷出力を行う画像形成手段の通電状態が省電力モードである場合、当該印刷ジョブを所定の記憶手段に格納させる一方、当該印刷ジョブが実行優先ジョブである場合、又は、前記画像形成手段の通電状態が通常通電モードである場合、前記画像形成手段を駆動させることによって当該印刷ジョブに基づく印刷出力を行わせることを特徴とする構成である。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、複数の処理を順次実行していくことが定義されたワークフローに印刷ジョブが含まれている場合、その印刷ジョブを速やかに実行すべきであるか否かを自動判別する。そして、ワークフローに基づく印刷ジョブの実行タイミングにおいて、その印刷ジョブが速やかに実行すべきジョブでなく、通電状態が省電力モードである場合、その印刷ジョブを格納させて待機させることができる。したがって、ワークフローに基づく処理を順次実行していくとき、省電力モードが通常通電モードへ復帰してしまう回数を低減することができるようになる。
【0022】
またワークフローに基づく印刷ジョブの実行タイミングにおいて、その印刷ジョブが速やかに実行すべきジョブである場合、その印刷ジョブに基づく印刷出力が行われるので、ワークフローに基づく処理を効率良く進めていくことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】画像形成システムの一構成例を示す図である。
【図2】画像形成装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図3】CPUがプログラムを実行することによって実現される機能構成の一例を示す図である。
【図4】備品の購入申請に関するワークフローの一例を示す図である。
【図5】図4のワークフローに基づく処理を順次行っていく際にCPUが行う処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図6】印刷ジョブ蓄積待機に関する詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図7】秘密情報に対してスタンプ画像を合成して印刷出力するワークフローの一例を示す図である。
【図8】図7のワークフローに基づく処理を順次行っていく際にCPUが行う処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図9】特定の相手先からFAXデータを受信して印刷出力するワークフローの一例を示す図である。
【図10】図9のワークフローに基づく処理を順次行っていく際にCPUが行う処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図11】複数の印刷ジョブを含むワークフローの一例を示す図である。
【図12】図11のワークフローに基づく処理を順次行っていく際にCPUが行う処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する部材には同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
【0025】
図1は、本実施形態における画像形成システム1の一構成例を示す図である。この画像形成システム1は、例えばオフィス環境などに設置されるものであり、LAN(Local Area Network)などのネットワーク7に画像形成装置2が接続された構成である。画像形成装置2は、コピー機能、プリント機能、スキャン機能、FAX機能、電子メール送受信機能などの複数の機能を有する複合機などで構成され、それら各機能に対応するジョブを実行する。尚、ネットワーク7は、インターネットなどの広域ネットワークを含むものであっても構わない。
【0026】
またネットワーク7には、複数のユーザのそれぞれが個別に使用するために割り当てられる複数のコンピュータ3が接続される。図例では、ユーザA,B,Cのそれぞれが使用する3台のコンピュータ3を示しているが、コンピュータ3の台数はこれに限られるものではない。さらにネットワーク7には、ワークフロー管理サーバ4、文書管理サーバ5および入退室管理サーバ6といった複数のサーバが接続されている。
【0027】
ワークフロー管理サーバ4は、画像形成装置2で実行するワークフローを管理するサーバである。このワークフロー管理サーバ4は、ハードディスク装置などの記憶装置4aを備えており、その記憶装置4aに様々なワークフロー4bを記憶して管理する。記憶装置4aに記憶されるワークフロー4bは、複数の処理を順次実行していくことが予め定義された情報であり、画像形成装置2において実行する少なくとも1つのジョブが定義された情報である。したがって、画像形成装置2は、ワークフロー管理サーバ4で管理されるワークフロー4bを入力すると、そのワークフロー4bに基づき、自機で実行可能なジョブを自動で実行していくことができるようになる。ただし、ワークフロー4bに含まれる複数の処理の中には、画像形成装置2が自動で実行することができない処理が含まれることもある。
【0028】
文書管理サーバ5は、オフィス環境において使用される様々な文書データを一元管理するサーバである。この文書管理サーバ5は、例えばネットワーク7を介して文書データの取得要求を受信すると、その取得要求の送信元に対して文書データを供給する。
【0029】
入退室管理サーバ6は、各ユーザの入退室状況を管理するサーバである。この入退室管理サーバ6は、例えば各オフィスの入口に設けられた施錠扉を開錠するための開錠装置6aと接続されている。開錠装置6aは、例えば各ユーザが所持するICカード6bに記録された情報を読み取り、入室が許可されたユーザであれば施錠扉を開錠する装置である。入退室管理サーバ6は、複数の開錠装置6aのそれぞれが読み取った情報や開錠履歴などを取得し、各ユーザの入退室状況をリアルタイムで管理する。
【0030】
画像形成装置2は、上述したような、複数のコンピュータ3、ワークフロー管理サーバ4、文書管理サーバ5および入退室管理サーバ6のそれぞれとネットワーク7を介してデータ通信を行うことが可能であり、各装置と連携しながらジョブの実行を行うことができる構成となっている。特に、本実施形態の画像形成装置2は、上述したように、ワークフロー管理サーバ4で管理されるワークフロー4bを入力すると、そのワークフロー4bに基づく処理を順次実行していくように構成される。
【0031】
また画像形成装置2は、公衆電話網8と接続されており、公衆電話網8を介してFAXデータの送受信を行うことも可能である。ただし、画像形成装置2は、インターネットFAXの機能も具備しており、公衆電話網8に限らず、ネットワーク7を介してFAXデータの送受信を行うことも可能である。
【0032】
上記のような画像形成システム1では、各ユーザがワークフロー管理サーバ4にワークフロー4bを登録すると、そのワークフロー4bを他のユーザと共有して利用することができるようになる。例えば、あるグループに所属する一人のユーザが文書を作成した場合、その文書を画像形成装置2でスキャンし、それによって得られる画像データを文書管理サーバ5に保存すると共に、その画像データを他のユーザにも配信することがある。このような場合、文書をスキャンする処理と、画像データを文書管理サーバ5に送信する処理と、同一グループに属する各ユーザを宛先として画像データを送信する処理とを定義したワークフロー4bを予めワークフロー管理サーバ4に登録しておく。これにより、同一グループに属する各ユーザは、ワークフロー管理サーバ4に予め登録されているワークフロー4bを選択して画像形成装置2にそのワークフロー4bの実行を指示することにより、画像形成装置2においてスキャンジョブと画像データの送信ジョブとが自動で実行されるようになる。特にスキャン時の原稿読み取り設定や画像データの送信先などは予めワークフロー4bに定義されているので、ワークフロー4bの実行を指示するときには、ユーザがそれらの設定操作を行う必要がないため、画像形成装置2の利用効率が向上するという利点がある。以下、このような画像形成装置2について詳しく説明する。
【0033】
図2は、画像形成装置2のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。画像形成装置2は、図2に示すように、CPU10と、メモリ11と、通電制御部12と、ネットワークインタフェース13と、操作パネル14と、スキャナ部15と、プリンタ部16と、FAX部17と、記憶装置18とを備えており、これらがデータバス19を介して相互にデータの入出力を行うことができる構成である。
【0034】
CPU10は、記憶装置18に記憶されているプログラム20を実行することにより、各部の動作を制御する処理部である。特にCPU10は、プログラム20を実行することにより、ユーザによって指定されたワークフロー4bに基づく処理の実行を制御するように構成される。尚、これについての詳細は後述する。またメモリ11は、CPU10がプログラム20を実行することに伴って発生する一時的なデータなどを記憶するためのものである。
【0035】
通電制御部12は、画像形成装置2における各部の通電状態を制御する処理部である。この通電制御部12は、画像形成装置2の各部に対する通電状態を、通常通電モードと、省電力モードとに切り替える制御を行う。通常通電モードは、各部に対して正常に電力を供給するモードである。これに対し、省電力モードは、少なくともプリンタ部16における定着部16aへの電力供給を遮断することにより、通常通電モードよりも消費電力を低減させるモードである。通電制御部12は、例えば画像形成装置2において印刷ジョブの実行が行われていない状態が所定時間継続すると、通常通電モードから省電力モードへと移行させ、プリンタ部16における定着部16aへの電力供給を遮断する。その後、画像形成装置2において印刷ジョブが実行されるとき、通電制御部12は、CPU10からの指示に基づいて省電力モードから通常通電モードへ移行させ、プリンタ部16において画像形成を行うことができる状態へと復帰させる。
【0036】
ネットワークインタフェース13は、画像形成装置2をネットワーク7に接続するためのものである。CPU10は、このネットワークインタフェース13を介して上述した各装置とデータ通信を行う。例えば、CPU10は、画像形成装置2において画像データなどの送信ジョブを実行するとき、このネットワークインタフェース13を介してネットワーク7に接続された各装置に対してデータを送信する。またFAX部17が、このネットワークインタフェース13を介してFAXデータの送受信を行うこともある。
【0037】
操作パネル14は、ユーザが画像形成装置2を操作する際のユーザインタフェースとなるものである。この操作パネル14は、ユーザに対して各種情報を表示する表示部14aと、ユーザによる操作入力を受け付ける操作部14bとを備えている。表示部14aは、例えばカラー液晶ディスプレイなどで構成される。操作部14bは、表示部14aの表示画面上に配置されるタッチパネルキーと、表示画面の周囲に配置される押しボタンキーとを備えて構成される。
【0038】
例えば、ユーザはこの操作パネル14を操作することにより、ワークフロー管理サーバ4に登録されているワークフロー4bの一覧を表示させ、その一覧の中から所望のワークフローを選択することにより、画像形成装置2に対して実行対象となる一のワークフローを指示することができるようになっている。ただし、これに限られるものではなく、例えば各ユーザは自身のコンピュータ3を操作することによって画像形成装置2にリモートログインすることにより、画像形成装置2に対して実行対象となる一のワークフローを指示することも可能である。
【0039】
スキャナ部15は、ユーザによってセットされる原稿を読み取って画像データを生成する処理部である。このスキャナ部15は、画像形成装置2においてスキャンジョブが実行されるとき、CPU10からの指示に基づいて動作し、画像データを生成する。尚、スキャナ部15は、画像形成装置2においてコピーやFAX送信が行われるときにも動作するが、それらの処理にはスキャンジョブが含まれる。
【0040】
プリンタ部16は、入力する画像データに基づいて印刷用紙などのシート材に画像形成を行って印刷出力を行う処理部である。つまり、プリンタ部16は、本実施形態における画像形成手段となっている。このプリンタ部16は、画像形成装置2において印刷ジョブが実行されるとき、CPU10からの印刷ジョブの実行指示に基づいて動作し、その印刷ジョブに含まれる画像データに基づいて画像形成を行う。尚、プリンタ部16は、画像形成装置2においてコピーやFAX受信が行われるときにも動作することがあるが、それらの処理には印刷ジョブが含まれる。
【0041】
このプリンタ部16は、上述したようにシート材に転写されたトナー像を定着させるための定着部16aを有している。この定着部16aには、図示しない転写ローラを加熱昇温させるためのヒーターが設けられている。ヒーターは、通常通電モードにおいて転写ローラを一定の温度に保持するように制御される。これに対し、省電力モードでは、定着部16aへの電力供給が遮断されるため、ヒーターでの電力消費を抑制することができるようになる。
【0042】
FAX部17は、FAXデータの送受信を行う処理部である。このFAX部17は、画像形成装置2においてFAXデータの送信ジョブが実行されるとき、公衆電話網8又はネットワーク7を介してそのFAXデータの送信を行う。またFAX部17は、公衆電話網8又はネットワーク7を介して受信するデータを監視し、FAXデータであれば、そのFAXデータの受信処理を行う。
【0043】
記憶装置18は、ハードディスク装置などで構成される不揮発性の記憶手段である。この記憶装置18は、CPU10によって実行されるプログラム20を予め記憶している。また記憶装置18は、画像形成装置2を使用することが許可されたユーザに関する情報をユーザ情報21として記憶している。このユーザ情報21は、例えばユーザID、パスワード、電子メールアドレスなどがユーザごとに登録された情報である。
【0044】
また記憶装置18には、印刷ジョブおよびその印刷ジョブに含まれる画像データを記憶するための印刷ジョブ記憶領域22が設けられる。この印刷ジョブ記憶領域22は、画像形成装置2において実行すべき印刷ジョブを一時的に記憶しておくためのものである。
【0045】
上記のような構成において、通電状態が省電力モードにある状態でプリンタ部16に印刷ジョブを実行させる必要があるとき、通電制御部12は、まずその通電状態を、省電力モードから通常通電モードへ移行させる。このとき、定着部16aはヒーターを加熱して転写ローラを短時間で一定温度まで昇温させる必要がある。そのため、省電力モードから通常通電モードへの復帰時に消費される電力は、通常通電モードと比較しても大きなものとなる。それ故、画像形成装置2において消費される電力を低減するためには、なるべくそのような復帰動作が行われる回数を低減することが望まれる。
【0046】
そこで、本実施形態の画像形成装置2は、複数の処理を順次実行していくことが定義されたワークフロー4bに基づいて自動でジョブを実行していくとき、そのワークフロー4bに印刷ジョブが含まれていれば、その印刷ジョブを直ちに実行する必要があるか否かを自動判別する。その結果、ワークフロー4bに含まれる印刷ジョブをその実行タイミングで直ちに実行すべき場合には、通電制御部12による通電状態にかかわらず、プリンタ部16においてその印刷ジョブを速やかに実行する。このとき、通電制御部12による通電状態が省電力モードとなっていれば、まず省電力モードを通常通電モードへと復帰させる。そしてプリンタ部16において印刷ジョブの実行が可能な状態になると、そのワークフロー4bに含まれる印刷ジョブを実行する。
【0047】
これに対し、ワークフロー4bに含まれる印刷ジョブをその実行タイミングで直ちに実行する必要がない場合、通電制御部12による通電状態が省電力モードであれば、その印刷ジョブを印刷ジョブ記憶領域22へ一時的に格納し、印刷ジョブの実行を待機させる。そしてその後、例えばプリンタ部16が他の印刷ジョブを実行することに伴って通電状態が省電力モードから通常通電モードへ復帰した場合など、印刷ジョブ記憶領域22へ格納した印刷ジョブを実行することが好ましいタイミングでその印刷ジョブを実行する。
【0048】
これにより、本実施形態の画像形成装置2は、ワークフロー4bに印刷ジョブが含まれている場合でも、その印刷ジョブを直ちに実行せずに、印刷ジョブ記憶領域22へ格納して待機させることができるため、省電力モードから通常通電モードへの復帰動作が行われる回数を低減することができるようになる。
【0049】
特に、ワークフロー4bには複数の処理が定義されているため、ワークフロー4bの実行を指示するユーザにとっては、そのワークフロー4bに含まれる印刷ジョブが実行されるタイミングを事前に把握することが難しい。例えば、ユーザがワークフロー4bの実行を指示するタイミングでは定着部16aの通電状態が通常通電モードであっても、その後印刷ジョブの実行タイミングとなる前に、画像形成装置2においてそのワークフロー4bに基づく処理が順次行われていく途中で通常通電モードから省電力モードへと移行してしまう可能性がある。そのため、ユーザがワークフロー4bの実行を指示するときに、そのワークフロー4bに含まれる印刷ジョブを直ちに実行するか否かを同時に指定するような構成にしてしまうと、ユーザにとって煩わしいだけでなく、画像形成装置2においてユーザの意図していない復帰動作が行われる可能性もある。
【0050】
これを防止するため、本実施形態では、上述のように画像形成装置2がワークフロー4bに含まれる印刷ジョブを直ちに実行する必要があるか否かを自動判別する構成となっている。このような自動判別は、CPU10がプログラム20を実行することにより行われる。以下、CPU10がプログラム20を実行することによって実現される機能およびその動作について説明する。
【0051】
図3は、CPU10がプログラム20を実行することによって実現される機能構成の一例を示す図である。図3に示すように、CPU10は、ワークフロー取得部31、ワークフロー解析部32、ジョブ実行制御部34および画像処理部35として機能する。
【0052】
ワークフロー取得部31は、ユーザによる指示に基づいてワークフロー管理サーバ4から実行対象となる一のワークフロー4bを取得する処理部である。このワークフロー取得部31は、ワークフロー管理サーバ4からユーザによって指定されたワークフロー4bを取得すると、そのワークフロー4bとユーザとを互いに関連付けてメモリ11又は記憶装置18へ保存する。
【0053】
ワークフロー解析部32は、ワークフロー取得部31によって取得されたワークフロー4bを解析する処理部である。このワークフロー解析部32は、ワークフロー4bを解析することにより、そのワークフロー4bに印刷ジョブが含まれているか否かを判別する。その結果、ワークフロー4bに印刷ジョブが含まれていない場合、ワークフロー解析部32は、そのワークフロー4bに基づく処理の開始をジョブ実行制御部34に指示する。またワークフロー解析部32は、優先度判断部33を備えており、ワークフロー4bに印刷ジョブが含まれている場合、その優先度判断部33を機能させる。
【0054】
優先度判断部33は、ワークフロー4bに含まれる印刷ジョブを、実行優先ジョブと省電力優先ジョブとのいずれか一方に分類する処理部である。すなわち、この優先度判断部33は、ワークフロー4bに定義されている各処理の処理内容を解析することによって、そのワークフロー4bに含まれる印刷ジョブを実行優先ジョブと省電力優先ジョブとのいずれか一方に分類する。ここで、実行優先ジョブは、省電力よりもジョブの実行を優先するジョブである。また省電力優先ジョブは、ジョブの実行よりも省電力を優先するジョブである。したがって、優先度判断部33は、ワークフロー4bに定義されている各処理の処理内容を解析した結果、そのワークフロー4bに含まれる印刷ジョブを直ちに実行すべきであると判断すると、その印刷ジョブを実行優先ジョブに分類する。また、直ちに実行する必要がないと判断すると、その印刷ジョブを省電力優先ジョブに分類する。そして優先度判断部33は、そのワークフロー4bに基づく処理の開始をジョブ実行制御部34に指示すると共に、印刷ジョブの分類結果をジョブ実行制御部34に通知する。
【0055】
ジョブ実行制御部34は、ワークフロー解析部32の解析結果に基づき、ワークフロー4bに定義されている複数の処理のうち、画像形成装置2において実行可能なジョブを順次実行させていく制御部である。このジョブ実行制御部34は、スキャナ部15、プリンタ部16およびFAX部17のそれぞれの動作を制御することにより、ワークフロー4bに定義されているジョブの実行を制御する。
【0056】
そしてジョブ実行制御部34は、ワークフロー4bに基づいて処理を一つずつ進めていくことにより、ワークフロー4bに含まれる印刷ジョブの実行タイミングとなったときには、その印刷ジョブが実行優先ジョブと省電力優先ジョブとのいずれに分類されているかを判別する。
【0057】
その結果、印刷ジョブが省電力優先ジョブであり、且つ、そのタイミングでの通電状態が省電力モードである場合、ジョブ実行制御部34は、その印刷ジョブを直ちに実行するのではなく、その印刷ジョブを印刷ジョブ記憶領域22に格納する。したがって、この場合は、省電力モードから通常通電モードへの復帰動作が行われず、電力消費を抑制することができるようになる。
【0058】
ただし、印刷ジョブが省電力優先ジョブであり、且つ、そのタイミングでの通電状態が省電力モードである場合であっても、そのワークフロー4bが特定のワークフローであれば、ジョブ実行制御部34は、その印刷ジョブを直ちに実行させることもある。これについては後に詳しく説明する。
【0059】
また印刷ジョブが省電力優先ジョブであっても、そのタイミングでの通電状態が通常通電モードである場合、ジョブ実行制御部34は、その印刷ジョブをプリンタ部16へ出力することにより、その印刷ジョブを直ちに実行させる。この場合も、省電力モードから通常通電モードへの復帰動作は行われないので、電力消費を抑制することができる。また、ワークフロー4bに含まれる印刷ジョブが速やかに実行されるので、ワークフロー4bに定義された処理を効率良く進めていくことができる。
【0060】
一方、印刷ジョブが実行優先ジョブである場合、ジョブ実行制御部34は、その印刷ジョブをプリンタ部16へ出力することにより、その印刷ジョブを直ちに実行させる。ただし、この場合には、通電状態を省電力モードから通常通電モードへと復帰させる動作が行われることがある。つまり、印刷ジョブが省電力よりもジョブの実行を優先するジョブであるため、ジョブ実行制御部34は、通電制御部12に対して通常通電モードへと復帰させる指令を送出すると共に、その印刷ジョブをプリンタ部16へ出力する。これにより、ワークフロー4bに含まれる印刷ジョブが速やかに実行されるので、ワークフロー4bに定義された処理を効率良く進めていくことができる。
【0061】
またジョブ実行制御部34は、印刷ジョブを印刷ジョブ記憶領域22に格納した場合、その印刷ジョブを実行すべきタイミングとなったか否かを監視する状態となる。例えば、省電力モードが解除されて通常通電モードへ復帰した場合や、印刷ジョブ記憶領域22に格納された印刷ジョブのデータ量が所定値を越えた場合などに、印刷ジョブを実行するタイミングとなったことを検知する。そして印刷ジョブを実行すべきタイミングとなったことを検知すると、ジョブ実行制御部34は、印刷ジョブ記憶領域22から印刷ジョブを読み出し、プリンタ部16へ出力する。これにより、ワークフロー4bに定義された処理が一つ進むことになる。
【0062】
またジョブ実行制御部34は、印刷ジョブ記憶領域22から印刷ジョブを読み出してプリンタ部16へ出力するとき、印刷ジョブ記憶領域22に複数の印刷ジョブが記憶されていれば、それら複数の印刷ジョブを全て読み出す。そしてそれらの印刷ジョブを一括して印刷出力するように制御する。
【0063】
尚、ジョブ実行制御部34は、印刷ジョブを印刷ジョブ記憶領域22に格納するとき、そのワークフロー4bの実行を指示したユーザに対して電子メールを送信し、印刷ジョブを待機状態にしたことを通知することが好ましい。これにより、ユーザは、ワークフロー4bに含まれる印刷ジョブが直ちには実行されないことを把握することができる。そしてユーザがその印刷ジョブを直ちに実行させたい場合には、画像形成装置2に対して印刷出力を指示することができるようになる。また、このような通知は、必ずしも電子メールによるものでなくても良く、例えば操作パネル14の表示部14aに表示することによって行っても良い。
【0064】
またジョブ実行制御部34は、印刷ジョブ記憶領域22から印刷ジョブを読み出して実行したときには、そのワークフロー4bの実行を指示したユーザに対して電子メールを送信し、印刷ジョブを実行したことを通知することが好ましい。これにより、ユーザは、ワークフロー4bに含まれる印刷ジョブが実行されたことを把握することができる。
【0065】
画像処理部35は、ワークフロー4bに定義された複数の処理の中に、特定の画像処理が含まれている場合に機能し、その画像処理を実行する処理部である。この画像処理部35が行う画像処理には、例えば特定の画像データに対してスタンプ画像を合成する合成処理がある。ワークフロー4bにそのような合成処理が含まれている場合、ジョブ実行制御部34は、その合成処理を実行するタイミングになると、画像処理部35を機能させる。そして画像処理部35は、ジョブ実行制御部34からの指示に基づき、入力する画像データに対してスタンプ画像を合成する処理を行い、合成後の画像データをジョブ実行制御部34へ出力する。
【0066】
以下においては、上記のような機能を有するCPU10において行われる動作を、具体的なワークフロー4bの中身を幾つか例示しつつ説明する。
【0067】
図4は、備品の購入申請に関するワークフロー4bの一例を示す図である。図4に示すワークフロー4bには、「処理1」から「処理5」までの5つの処理が順次実行されていくことが定義されている。「処理1」は、備品の購入申請を行うための申請書を文書管理サーバ5から自動ダウンロードする処理である。「処理2」は、そのダウンロードした申請書を印刷出力する処理である。したがって、この「処理2」は画像形成装置2において実行する印刷ジョブに相当する。「処理3」は、印刷出力された申請書を承認者が押印する処理である。この「処理3」は、画像形成装置2において自動で実行することができず、ワークフロー4bにおいて定義されている承認者(ユーザC)が手動で行う処理である。「処理4」は、承認者によって押印された申請書をスキャン機能で読み取る処理である。「処理5」は、スキャン機能で読み取った画像データをワークフロー4bで指定された送信先に自動送信する処理である。
【0068】
図4のようなワークフロー4bでは、「処理2」で印刷出力された印刷物を、「処理3」において承認者であるユーザCが確認し、備品の購入申請を承認する場合はその印刷物に対して押印する作業が行われる。そのため、承認者であるユーザCが会議や出張などによりオフィスから退室している状態のときは、「処理2」の印刷出力を直ぐに実行する必要はない。それ故、CPU10において機能する優先度判断部33は、実行対象となるワークフロー4bに、印刷ジョブを実行することによって出力される印刷物を特定の承認者が承認する処理が含まれている場合、その印刷ジョブを省電力優先ジョブに分類する。
【0069】
ところが、「処理2」の印刷出力を実行するタイミングとなったとき、承認者であるユーザCが入室状態であれば、「処理2」に対応する印刷ジョブを速やかに実行することが好ましい。そのため、図4に示すようなワークフロー4bの場合、ジョブ実行制御部34は、「処理2」に対応する印刷ジョブを実行するタイミングになると、ワークフロー4bを参照し、その印刷ジョブを実行することによって出力される印刷物を承認するユーザ(図4の場合はユーザC)を特定する。そしてジョブ実行制御部34は、入退室管理サーバ6にアクセスし、印刷物を承認するユーザCが入室状態であるか否かを確認する。その結果、印刷物を承認するユーザCが入室状態であれば、その印刷ジョブを直ちに実行する。つまり、この場合は、定着部16aの通電状態が省電力モードであっても、通常通電モードへ復帰させて速やかに印刷ジョブを実行する。これにより、承認者であるユーザCが入室している状態のときに速やかに承認作業を行うことができるため、ワークフロー4bに定義された各処理を効率的に実行していくことができるようになる。
【0070】
これに対し、印刷物を承認するユーザCが退室状態であれば、ジョブ実行制御部34は、通常の省電力優先ジョブと同様の処理を行う。すなわち、ジョブ実行制御部34は、定着部16aの通電状態を確認し、省電力モードであるか否かを判断する。そして省電力モードであれば、その印刷ジョブを直ぐには実行せず、印刷ジョブ記憶領域22へ格納する。
【0071】
その後、ジョブ実行制御部34は、印刷ジョブを実行すべきタイミングで印刷ジョブ記憶領域22から印刷ジョブを読み出し、その印刷ジョブを実行する。そしてワークフロー4bに定義された残りの処理を順次行っていく。
【0072】
図5および図6は、図4のワークフロー4bに基づく処理を順次行っていく際にCPU10が行う処理手順の一例を示すフローチャートである。CPU10は、図4に示すワークフロー4bを取得すると、この処理を開始する。CPU10は、ワークフロー4bを取得すると、そのワークフロー4bを解析し(ステップS10)、そのワークフロー4bに印刷ジョブが含まれるか否かを判断する(ステップS11)。その結果、ワークフロー4bに印刷ジョブが含まれていない場合(ステップS11でNO)、CPU10によって行われる処理はステップS24へと進む。
【0073】
ワークフロー4bに印刷ジョブが含まれている場合(ステップS11でYES)、CPU10は、そのワークフロー4bに、承認者が印刷物に対して押印する処理が含まれているか否かを判断する(ステップS12)。そして承認者によって行われる処理が含まれている場合(ステップS12でYES)、CPU10は、その印刷ジョブを省電力優先ジョブに分類する(ステップS13)。一方、承認者によって行われる処理が含まれていない場合(ステップS12でNO)、CPU10は、その印刷ジョブを実行優先ジョブに分類する(ステップS14)。
【0074】
その後、CPU10は、印刷ジョブの実行タイミングとなるまで、ワークフロー4bに基づく処理を実行していく(ステップS15,S16)。そしてワークフロー4bに定義された処理が1つ完了する度に、ジョブ実行制御部34は、ワークフロー4bにおけるその処理に対応する完了フラグ(図4参照)を、例えば「0」から「1」に書き換えていく。これにより、ワークフロー4bに基づく処理が途中で中断しても、どこまでの処理が完了しているかを把握することができるようになる。
【0075】
そして印刷ジョブの実行タイミングとなった場合(ステップS16でYES)、CPU10は、その印刷ジョブが省電力優先ジョブであるか否かを判断する(ステップS17)。その結果、印刷ジョブが実行優先ジョブである場合(ステップS17でNO)、CPU10によって行われる処理はステップS23へジャンプする。このとき、定着部16aの通電状態が省電力モードであれば、省電力モードから通常通電モードへの復帰動作が行われる。
【0076】
これに対し、印刷ジョブが省電力優先ジョブである場合(ステップS17でYES)、CPU10は、入退室管理サーバ6にアクセスして印刷物を承認するユーザCに関する入退室情報を取得し(ステップS18)、承認者であるユーザCが入室状態であるか否かを判断する(ステップS19)。その結果、承認者であるユーザCが入室状態であれば(ステップS19でYES)、CPU10によって行われる処理はステップS23へジャンプする。このときもまた、定着部16aの通電状態が省電力モードであれば、省電力モードから通常通電モードへの復帰動作が行われる。
【0077】
一方、承認者であるユーザCが退室状態である場合(ステップS19でNO)、CPU10は、定着部16aの通電状態を確認し(ステップS20)、省電力モードであるか否かを判断する(ステップS21)。その結果、通電状態が通常通電モードであれば(ステップS21でNO)、ステップS22をスキップしてステップS23へ進む。また、通電状態が省電力モードである場合(ステップS22でYES)、CPU10は、印刷ジョブ蓄積待機の処理を実行する(ステップS22)。
【0078】
図6は、その印刷ジョブ蓄積待機(ステップS22)に関する詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。CPU10は、この処理を開始すると、現時点で実行対象となっている印刷ジョブを印刷ジョブ記憶領域22へ格納する(ステップS30)。このとき、CPU10は、上述したように、ワークフロー4bの実行を指示したユーザに対し、ワークフロー4bに含まれる印刷ジョブを蓄積して待機させたことを通知することが好ましい。
【0079】
その後、CPU10は、その印刷ジョブを実行すべきタイミングとなったか否かを監視する状態となる。すなわち、CPU10は、省電力モードが解除され、通常通電モードへと復帰したか否かを判断する(ステップS31)。通常通電モードへ復帰した場合(ステップS31でYES)、CPU10は、印刷ジョブ記憶領域22へ格納した印刷ジョブを読み出す(ステップS32)。これにより、例えば画像形成装置2が他の印刷ジョブを実行したとき、それと同時にワークフロー4bに含まれる印刷ジョブを実行することができるようになる。
【0080】
また、通常通電モードへ復帰していない場合(ステップS31でNO)、CPU10は、再び入退室管理サーバ6にアクセスして印刷物を承認するユーザCに関する入退室情報を取得し(ステップS33)、承認者であるユーザCが入室状態となっているか否かを判断する(ステップS34)。承認者であるユーザCが入室状態となっている場合(ステップS34でYES)、CPU10は、印刷ジョブ記憶領域22へ格納した印刷ジョブを読み出す(ステップS32)。これにより、承認者であるユーザCが退室状態から入室状態へ戻ると、そのタイミングでワークフロー4bに含まれる印刷ジョブを実行することができるようになる。
【0081】
また、承認者であるユーザCが依然として退室状態である場合(ステップS34でNO)、CPU10は、印刷ジョブ記憶領域22に記憶された印刷データのデータ量を取得し(ステップS35)、そのデータ量が所定値を越えたか否かを判断する(ステップS36)。尚、このとき判断するデータ量は、印刷ジョブ記憶領域22に複数の印刷ジョブが記憶されている場合、それら複数の印刷ジョブを合計したデータ量である。その結果、印刷データのデータ量が所定値を越えている場合(ステップS36でYES)、CPU10は、印刷ジョブ記憶領域22へ格納した印刷ジョブを読み出す(ステップS32)。これにより、記憶装置18の記憶可能領域が多数の印刷ジョブによって占有された状態が長時間継続することを防止することができるようになる。
【0082】
また、印刷データのデータ量が所定値を越えていない場合(ステップS36でNO)、CPU10は、ワークフロー4bの実行を指示したユーザにより、印刷ジョブ記憶領域22に格納した印刷ジョブに基づく印刷出力の実行が指示されたか否かを判断する(ステップS37)。そしてユーザによる印刷出力の指示がある場合(ステップS37でYES)、CPU10は、印刷ジョブ記憶領域22へ格納した印刷ジョブを読み出す(ステップS32)。これにより、ワークフロー4bの実行を指示したユーザが印刷出力を望むタイミングでそのワークフロー4bに含まれる印刷ジョブを実行することができる。
【0083】
尚、ユーザによる印刷出力の指示がない場合(ステップS37でNO)、CPU10による処理は上述したステップS31に戻る。そして上述した処理を繰り返すことにより、印刷ジョブ記憶領域22に格納した印刷ジョブを実行すべきタイミングになったか否かが監視される状態となる。そして印刷ジョブ記憶領域22に格納した印刷ジョブを実行すべきタイミングになったことが検知されると、その印刷ジョブが印刷ジョブ記憶領域22から読み出されるようになる(ステップS32)。
【0084】
図5のフローチャートに戻り、次にCPU10は、ワークフロー4bに含まれる印刷出力を実行する(ステップS23)。ここでステップS22において印刷ジョブ記憶領域22から読み出した印刷ジョブに基づいて印刷出力を行う場合、CPU10は、ワークフロー4bの実行を指示したユーザに対し、ワークフロー4bに含まれる印刷ジョブを実行したことを通知することが好ましい。そして印刷出力を完了すると、CPU10は、ワークフロー4bにおけるその印刷出力に対応する完了フラグ(図4参照)を、例えば「0」から「1」に書き換える。
【0085】
その後、CPU10は、ワークフロー4bに定義されている残りの処理を順次実行していくことにより、ワークフロー4bに定義された全ての処理を実行する(ステップS24)。このときもまた、CPU10は、ワークフロー4bに定義された処理が1つ完了する度に、ワークフロー4bにおけるその処理に対応する完了フラグ(図4参照)を、例えば「0」から「1」に書き換えていく。そしてワークフローに定義された全ての処理が完了すると、図5のフローチャートに基づく処理が終了する。
【0086】
このように画像形成装置2は、実行対象となるワークフロー4bに印刷ジョブが含まれており、さらにそのワークフロー4bにその印刷ジョブを実行することによって出力される印刷物を特定の承認者が承認する処理が含まれている場合、その印刷ジョブを省電力優先ジョブに分類する。そのため、特定の承認者が不在であるときには、省電力を優先し、ワークフロー4bに含まれる印刷ジョブを直ちに実行することなく、待機させることができるようになる。また、この画像形成装置2は、ワークフロー4bに含まれる印刷ジョブの実行タイミングにおいて、入退室管理サーバ6と通信を行うことによって特定の承認者が入室状態であることが確認できた場合には、プリンタ部16を駆動することによってその印刷ジョブに基づく印刷出力を速やかに行わせる構成である。したがって、印刷物を承認する特定の承認者が入室状態であれば、ワークフロー4bに含まれる印刷ジョブを直ちに実行するので、ワークフロー4bに定義された各処理を効率的に進めていくことができるようになる。
【0087】
また画像形成装置2は、ワークフロー4bに含まれる印刷ジョブの実行タイミングにおいて、入退室管理サーバ6と通信を行うことによって特定の承認者が退室状態であることが確認できた場合、その印刷ジョブを印刷ジョブ記憶領域22に格納して待機状態とする。その後、画像形成装置2は、入退室管理サーバ6と定期的に通信を行うことによって特定の承認者が入室状態であることが確認できた時点で、印刷ジョブ記憶領域22に格納した印刷ジョブを読み出し、プリンタ部16を駆動することによってその印刷ジョブに基づく印刷出力を行わせる構成である。したがって、印刷物を承認する特定の承認者が入室状態へと戻ると、そのタイミングでワークフロー4bに含まれる印刷ジョブを直ちに実行するので、ワークフロー4bに定義された各処理をその後速やかに進めていくことができるようになる。
【0088】
次に、図7は、秘密情報に対してスタンプ画像を合成して印刷出力するワークフロー4bの一例を示す図である。図7に示すワークフロー4bには、「処理1」から「処理4」までの4つの処理が順次実行されていくことが定義されている。「処理1」は、製品開発計画などのような秘密情報を含む秘密文書を文書管理サーバ5から自動ダウンロードする処理である。「処理2」は、そのダウンロードした秘密文書に対して合成するスタンプ画像を文書管理サーバ5から自動ダウンロードする処理である。尚、スタンプ画像は、秘密情報であることを示す画像であり、例えば「社外秘」や「コピー禁止」などの文字列を含む画像である。「処理3」は、ダウンロードした秘密文書に対してスタンプ画像を自動合成する処理である。そして「処理4」は、スタンプ画像が合成された秘密文書を印刷出力する処理である。したがって、この「処理4」が、画像形成装置2において実行する印刷ジョブに相当する。
【0089】
図7のようなワークフロー4bでは、「処理4」で印刷出力される印刷物に秘密情報が含まれる。このような秘密情報を含む印刷物を他の印刷物と同時に一括して印刷出力してしまうと、第三者に秘密情報が見られてしまう可能性があり、好ましくない。そのため、CPU10において機能する優先度判断部33は、ワークフロー4bに、印刷ジョブの実行対象となる文書(画像データ)に対し、秘密情報であることを示すスタンプ画像を合成する合成処理が含まれている場合、その印刷ジョブを実行優先ジョブに分類する。これにより、秘密情報を含む印刷物を出力する印刷ジョブは、ワークフロー4bの処理が進む過程において直ちに実行されるようになるため、第三者に秘密情報が見られてしまうことを防止することができる。
【0090】
図8は、図7のワークフロー4bに基づく処理を順次行っていく際にCPU10が行う処理手順の一例を示すフローチャートである。CPU10は、図7に示すワークフロー4bを取得すると、この処理を開始する。CPU10は、ワークフロー4bを取得すると、そのワークフロー4bを解析し(ステップS40)、そのワークフロー4bに印刷ジョブが含まれるか否かを判断する(ステップS41)。その結果、ワークフロー4bに印刷ジョブが含まれていない場合(ステップS41でNO)、CPU10によって行われる処理はステップS53へと進む。
【0091】
ワークフロー4bに印刷ジョブが含まれている場合(ステップS41でYES)、CPU10は、そのワークフロー4bに、スタンプ画像の合成処理が含まれているか否かを判断する(ステップS42)。そしてスタンプ画像の合成処理が含まれている場合(ステップS42でYES)、CPU10は、その印刷ジョブを実行優先ジョブに分類する(ステップS43)。一方、スタンプ画像の合成処理が含まれていない場合(ステップS42でNO)、CPU10は、その印刷ジョブを省電力優先ジョブに分類する(ステップS44)。
【0092】
その後、CPU10は、印刷ジョブの実行タイミングとなるまで、ワークフロー4bに基づく処理を実行していく(ステップS45,S46)。そして印刷ジョブの実行タイミングとなった場合(ステップS46でYES)、CPU10は、その印刷ジョブが省電力優先ジョブであるか否かを判断する(ステップS47)。その結果、印刷ジョブが実行優先ジョブである場合(ステップS47でNO)、CPU10によって行われる処理はステップS52へジャンプする。このとき、定着部16aの通電状態が省電力モードであれば、省電力モードから通常通電モードへの復帰動作が行われる。
【0093】
これに対し、印刷ジョブが省電力優先ジョブである場合(ステップS47でYES)、CPU10は、定着部16aの通電状態を確認し(ステップS48)、省電力モードであるか否かを判断する(ステップS49)。その結果、通電状態が通常通電モードであれば(ステップS49でNO)、CPU10によって行われる処理がステップS52へジャンプする。
【0094】
通電状態が省電力モードである場合(ステップS49でYES)、CPU10は、印刷ジョブを印刷ジョブ記憶領域22へ格納する(ステップS50)。その後、CPU10は、その印刷ジョブを実行すべきタイミングとなったか否かを監視する状態となる。すなわち、CPU10は、省電力モードが解除され、通常通電モードへと復帰したか否かを判断する(ステップS51)。通常通電モードへ復帰した場合(ステップS51でYES)、CPU10は、印刷ジョブ記憶領域22へ格納した印刷ジョブを読み出し、その読み出した印刷ジョブに基づいて印刷出力を実行する(ステップS52)。
【0095】
尚、通常通電モードへ復帰していない場合でも、上記と同様に、印刷ジョブ記憶領域22に記憶された印刷データのデータ量が所定値を越えた場合に印刷ジョブを読み出して実行するようにしても良い。また、ワークフロー4bの実行を指示したユーザによって印刷出力の実行が指示された場合に、印刷ジョブを読み出して実行するようにしても良い。
【0096】
その後、CPU10は、ワークフロー4bに定義されている残りの処理を順次実行していくことにより、ワークフロー4bに定義された全ての処理を実行する(ステップS54)。そしてワークフローに定義された全ての処理が完了すると、図8のフローチャートに基づく処理が終了する。
【0097】
このように画像形成装置2は、ワークフロー4bに、印刷ジョブの実行対象となる画像データへのスタンプ画像の合成処理が含まれている場合、その印刷ジョブを実行優先ジョブに分類する。そのため、ワークフロー4bに含まれる印刷ジョブの実行タイミングとなったときには、その印刷ジョブが直ちに実行されるようになる。これにより、印刷ジョブの実行に伴って出力される印刷物が第三者に見られてしまうことを防止することができる。
【0098】
また画像形成装置2は、合成処理によって画像データに合成されるスタンプ画像が秘密情報であることを示す画像である場合に、ワークフロー4bに含まれる印刷ジョブを実行優先ジョブに分類する構成となっている。そのため、特に印刷物が秘密情報を含む場合に、その印刷物が第三者によって見られてしまうことを防止することができるという利点がある。
【0099】
また画像形成装置2は、ワークフロー4bに、スタンプ画像の合成処理が含まれていない場合には、そのワークフロー4bに含まれる印刷ジョブを省電力優先ジョブに分類する。そのため、ワークフロー4bに印刷ジョブが含まれていても、そのワークフロー4bにスタンプ画像の合成処理が含まれていなければ、省電力を優先し、ワークフロー4bに含まれる印刷ジョブを直ちに実行することなく、待機させることができるようになる。
【0100】
次に、図9は、特定の相手先からFAXデータを受信して印刷出力するワークフロー4bの一例を示す図である。図9に示すワークフロー4bには、「処理1」から「処理2」までの2つの処理が順次実行されていくことが定義されている。「処理1」は、特定の相手先から送信されるFAXデータを受信する処理である。「処理2」は、その受信したFAXデータに基づいて印刷出力を行う処理である。したがって、この「処理2」が、画像形成装置2において実行する印刷ジョブに相当する。
【0101】
図9のようなワークフロー4bでは、「処理1」のFAXデータを受信するタイミングが不確定である。そのため、「処理2」の印刷出力が行われるタイミングも不確定なものとなっている。つまり、このようなワークフロー4bに含まれる印刷ジョブは、相手先の都合によってその実行タイミングが定まるものであり、画像形成装置2においては特に急いで印刷出力を行う必要のないジョブである。また、図9では、FAXデータの受信を例示しているが、例えば電子メールの受信の場合も同様である。そのため、CPU10において機能する優先度判断部33は、ワークフロー4bに印刷ジョブが含まれており、さらにそのワークフロー4bにその印刷ジョブの実行対象となる画像データをFAX又は電子メールで受信する処理が含まれている場合、その印刷ジョブを省電力優先ジョブに分類する。これにより、ワークフロー4bに定められたFAXや電子メールを受信した場合でも、定着部16aの通電状態が省電力モードであれば、その省電力モードを継続させることができる。
【0102】
図10は、図9のワークフロー4bに基づく処理を順次行っていく際にCPU10が行う処理手順の一例を示すフローチャートである。CPU10は、図9に示すワークフロー4bを取得すると、この処理を開始する。CPU10は、ワークフロー4bを取得すると、そのワークフロー4bを解析し(ステップS60)、そのワークフロー4bに印刷ジョブが含まれるか否かを判断する(ステップS61)。その結果、ワークフロー4bに印刷ジョブが含まれていない場合(ステップS61でNO)、CPU10によって行われる処理はステップS73へと進む。
【0103】
ワークフロー4bに印刷ジョブが含まれている場合(ステップS61でYES)、CPU10は、そのワークフロー4bに、その印刷ジョブをFAXで受信する処理が含まれるか否かを判断する(ステップS62)。そして印刷ジョブをFAXで受信する処理が含まれている場合(ステップS62でYES)、CPU10は、その印刷ジョブを省電力優先ジョブに分類する(ステップS63)。一方、印刷ジョブをFAXで受信する処理が含まれていない場合(ステップS62でNO)、CPU10は、その印刷ジョブを実行優先ジョブに分類する(ステップS64)。尚、ワークフロー4bに、印刷ジョブを電子メールで受信する処理が含まれている場合もこれと同様である。
【0104】
その後、CPU10は、印刷ジョブの実行タイミングとなるまで、ワークフロー4bに基づく処理を実行していく(ステップS65,S66)。図9のワークフロー4bの場合は、このステップS65,S66で、特定の相手先からのFAXデータの受信を待機する。そして印刷ジョブを取得し、その印刷ジョブの実行タイミングとなったとき(ステップS66でYES)、CPU10は、その印刷ジョブが省電力優先ジョブであるか否かを判断する(ステップS67)。その結果、印刷ジョブが実行優先ジョブである場合(ステップS67でNO)、CPU10によって行われる処理はステップS72へジャンプする。そして印刷ジョブが実行される。このとき、定着部16aの通電状態が省電力モードであれば、省電力モードから通常通電モードへの復帰動作が行われる。
【0105】
これに対し、印刷ジョブが省電力優先ジョブである場合(ステップS67でYES)、CPU10は、定着部16aの通電状態を確認し(ステップS68)、省電力モードであるか否かを判断する(ステップS69)。その結果、通電状態が通常通電モードであれば(ステップS69でNO)、CPU10によって行われる処理がステップS72へジャンプする。そして印刷ジョブが実行される。
【0106】
通電状態が省電力モードである場合(ステップS69でYES)、CPU10は、印刷ジョブを印刷ジョブ記憶領域22へ格納する(ステップS70)。その後、CPU10は、その印刷ジョブを実行すべきタイミングとなったか否かを監視する状態となる。すなわち、CPU10は、省電力モードが解除され、通常通電モードへと復帰したか否かを判断する(ステップS71)。通常通電モードへ復帰した場合(ステップS71でYES)、CPU10は、印刷ジョブ記憶領域22へ格納した印刷ジョブを読み出し、その読み出した印刷ジョブに基づいて印刷出力を実行する(ステップS72)。
【0107】
尚、通常通電モードへ復帰していない場合でも、上記と同様に、印刷ジョブ記憶領域22に記憶された印刷データのデータ量が所定値を越えた場合に印刷ジョブを読み出して実行するようにしても良い。また、ワークフロー4bの実行を指示したユーザによって印刷出力の実行が指示された場合に、印刷ジョブを読み出して実行するようにしても良い。
【0108】
その後、CPU10は、ワークフロー4bに定義されている残りの処理を順次実行していくことにより、ワークフロー4bに定義された全ての処理を実行する(ステップS73)。そしてワークフローに定義された全ての処理が完了すると、図10のフローチャートに基づく処理が終了する。
【0109】
このように画像形成装置2は、ワークフロー4bに、印刷ジョブの実行対象となる画像データをFAX又は電子メールで受信する処理が含まれている場合、その印刷ジョブを省電力優先ジョブに分類する。そのため、特定の相手先から送信される画像データを受信したとき、定着部16aが省電力モードとなっていれば、その印刷ジョブを待機させることができるので、省電力モードを継続させることができるようになる。
【0110】
次に、図11は、複数の印刷ジョブを含むワークフロー4bの一例を示す図である。図11のワークフロー4bには、試行印刷と、本印刷との2つの印刷ジョブが含まれている。試行印刷は、例えば複数ページのうちの先頭ページだけを印刷出力することにより、ユーザがその仕上がり状態を確認するための印刷である。本印刷は、ユーザによって仕上がり状態が確認された後に行う本番印刷であり、全ページを出力する印刷である。このようなワークフロー4bを実行することにより、ユーザは試行印刷による仕上がり状態を確認してから本印刷の実行指示を行うことができる。試行印刷による仕上がり状態が気に入らない場合には、印刷設定などを変更して再度試行印刷を実行することもできる。
【0111】
図11に示すワークフロー4bには、「処理1」から「処理4」までの4つの処理が順次実行されていくことが定義されている。「処理1」は、書類などの文書を文書管理サーバ5から自動ダウンロードする処理である。「処理2」は、そのダウンロードした文書の試行印刷出力する処理である。したがって、この「処理2」は画像形成装置2において実行する第1の印刷ジョブに相当する。「処理3」は、試行印刷された文書の仕上がり状態をユーザが確認する処理である。この「処理3」は、画像形成装置2において自動で実行することができず、ワークフロー4bの実行を指示したユーザが手動で行う処理である。「処理4」は、ユーザからの指示に基づき、ダウンロードした文書の本印刷出力する処理である。したがって、この「処理4」は画像形成装置2において実行する第2の印刷ジョブに相当する。
【0112】
図11のようなワークフロー4bでは、「処理2」において印刷出力される印刷物を、「処理3」においてユーザが確認する作業が行われる。ユーザが確認作業を速やかに開始するためには、「処理2」に対応する印刷ジョブは速やかに実行されることが好ましい。その一方、ユーザが試行印刷によって出力された印刷物の確認作業を終了するタイミングは不確定である。そのため、「処理4」に対応する印刷ジョブの実行タイミングも不確定なものとなる。つまり、「処理4」に対応する印刷ジョブは、ユーザの都合によってその実行タイミングが定まるものであり、画像形成装置2においては特に急いで印刷出力を行う必要のないジョブである。
【0113】
したがって、CPU10において機能する優先度判断部33は、ワークフロー4bに試行印刷と本印刷との2回に分けて印刷出力を行う処理が含まれている場合、試行印刷に対応する印刷ジョブを実行優先ジョブに分類し、本印刷に対応する印刷ジョブを省電力優先ジョブに分類する。これにより、ワークフロー4bに定められている試行印刷の印刷ジョブは速やかに実行することができるようになる一方、本印刷の印刷ジョブについてその実行を待機させることができるようになる。
【0114】
図12は、図11のワークフロー4bに基づく処理を順次行っていく際にCPU10が行う処理手順の一例を示すフローチャートである。CPU10は、図11に示すワークフロー4bを取得すると、この処理を開始する。CPU10は、ワークフロー4bを取得すると、そのワークフロー4bを解析し(ステップS80)、そのワークフロー4bに印刷ジョブが含まれるか否かを判断する(ステップS81)。その結果、ワークフロー4bに印刷ジョブが含まれていない場合(ステップS81でNO)、CPU10によって行われる処理はステップS94へと進む。
【0115】
ワークフロー4bに印刷ジョブが含まれている場合(ステップS81でYES)、CPU10は、そのワークフロー4bに、試行印刷と本印刷との2つの印刷ジョブが含まれているか否かを判断する(ステップS82)。そして試行印刷と本印刷との2つの印刷ジョブが含まれている場合(ステップS82でYES)、CPU10は、そのうちの試行印刷に対応する印刷ジョブを実行優先ジョブに分類し、本印刷に対応する印刷ジョブを省電力優先ジョブに分類する(ステップS83)。一方、試行印刷と本印刷とが含まれていない場合(ステップS82でNO)、CPU10は、ワークフロー4bに含まれる印刷ジョブを実行優先ジョブに分類する(ステップS84)。
【0116】
その後、CPU10は、印刷ジョブの実行タイミングとなるまで、ワークフロー4bに基づく処理を実行していく(ステップS85,S86)。その結果、まず始めに、試行印刷に対応する印刷ジョブの実行タイミングとなる。
【0117】
印刷ジョブの実行タイミングとなったとき(ステップS86でYES)、CPU10は、その印刷ジョブが省電力優先ジョブであるか否かを判断する(ステップS87)。印刷ジョブが実行優先ジョブである場合(ステップS87でNO)、CPU10によって行われる処理はステップS92へジャンプする。そして印刷ジョブが実行される。このとき、定着部16aの通電状態が省電力モードであれば、省電力モードから通常通電モードへの復帰動作が行われる。試行印刷による印刷ジョブの場合は、このようにステップS87からステップS92へとジャンプして印刷ジョブの実行が行われる。
【0118】
これに対し、印刷ジョブが省電力優先ジョブである場合(ステップS87でYES)、CPU10は、定着部16aの通電状態を確認し(ステップS88)、省電力モードであるか否かを判断する(ステップS89)。その結果、通電状態が通常通電モードであれば(ステップS89でNO)、CPU10によって行われる処理がステップS92へジャンプする。そして印刷ジョブが実行される。
【0119】
通電状態が省電力モードである場合(ステップS89でYES)、CPU10は、その印刷ジョブを印刷ジョブ記憶領域22へ格納する(ステップS90)。その後、CPU10は、その印刷ジョブを実行すべきタイミングとなったか否かを監視する状態となる。すなわち、CPU10は、省電力モードが解除され、通常通電モードへと復帰したか否かを判断する(ステップS91)。通常通電モードへ復帰した場合(ステップS91でYES)、CPU10は、印刷ジョブ記憶領域22へ格納した印刷ジョブを読み出し、その読み出した印刷ジョブに基づいて印刷出力を実行する(ステップS92)。
【0120】
尚、通常通電モードへ復帰していない場合でも、上記と同様に、印刷ジョブ記憶領域22に記憶された印刷データのデータ量が所定値を越えた場合に印刷ジョブを読み出して実行するようにしても良い。また、ワークフロー4bの実行を指示したユーザによって印刷出力の実行が指示された場合に、印刷ジョブを読み出して実行するようにしても良い。
【0121】
その後、CPU10は、ワークフロー4bに別の印刷ジョブが含まれているか否かを判断する(ステップS93)。そして別の印刷ジョブが含まれている場合(ステップS93でYES)、ステップS85に戻る。そして別の印刷ジョブの実行タイミングになると(ステップS86でYES)、上述したステップS87〜S92の処理が再び実行される。本印刷による印刷ジョブの場合は、ステップS87においてYESとなり、定着部16aの通電状態が省電力モードであれば印刷ジョブ記憶領域22へ格納される。そして省電力モードが解除されることに伴い、その印刷ジョブに基づく印刷出力が行われる。
【0122】
尚、上述したように、ユーザが試行印刷による仕上がり状態を確認した結果、その仕上がり状態が気に入らず、印刷設定などを変更して再度試行印刷の実行を指示することもある。この場合は、ステップS85に戻った後、ステップS87で再びNOとなり、2回目の試行印刷が速やかに実行されるようになる。
【0123】
ステップS93において別の印刷ジョブがないと判断された場合(ステップS93でNO)、CPU10は、その後、ワークフロー4bに定義されている残りの処理を順次実行していくことにより、ワークフロー4bに定義された全ての処理を実行する(ステップS94)。そしてワークフローに定義された全ての処理が完了すると、図12のフローチャートに基づく処理が終了する。
【0124】
このように画像形成装置2は、ワークフロー4bに、印刷対象となる画像データを試行印刷と本印刷との2回に分けて印刷出力を行う処理が含まれている場合、試行印刷に対応する印刷ジョブを実行優先ジョブに分類し、本印刷に対応する印刷ジョブを省電力優先ジョブに分類する。そのため、試行印刷に対応する印刷ジョブは速やかに実行されようになる。したがって、ユーザは、試行印刷によって出力される印刷物の確認作業を直ちに開始することができる。一方、本印刷に対応する印刷ジョブを実行するときには、定着部16aが省電力モードとなっていれば、その印刷ジョブを待機させることができるので、省電力モードを継続させることができるようになる。
【0125】
以上のように、本実施形態の画像形成装置2は、複数の処理を順次実行していくことが定義されたワークフロー4bに基づいて実行可能なジョブを自動で実行していくように構成されている。そして、ワークフロー4bに基づく処理の実行を指示されたときには、そのワークフロー4bを解析し、そのワークフロー4bに印刷ジョブが含まれる場合には、そのワークフロー4bに定義されている各処理の処理内容を解析することによって、その印刷ジョブを実行優先ジョブと省電力優先ジョブとのいずれか一方に予め分類する。その後、ワークフロー4bに基づく処理の実行を開始し、ワークフロー4bに含まれる印刷ジョブの実行タイミングとなったとき、その印刷ジョブが省電力優先ジョブであり、且つ、プリンタ部16の通電状態が省電力モードであれば、その印刷ジョブを印刷ジョブ記憶領域22に格納する。一方、ワークフロー4bに含まれる印刷ジョブの実行タイミングとなったとき、その印刷ジョブが実行優先ジョブである場合、又は、プリンタ部16の通電状態が通常通電モードである場合、プリンタ部16を駆動することによってその印刷ジョブに基づく印刷出力を行わせる。
【0126】
すなわち、本実施形態の画像形成装置2は、複数の処理を順次実行していくことが定義されたワークフロー4bに印刷ジョブが含まれている場合、その印刷ジョブを速やかに実行すべきであるか否かを自動判別する構成となっている。そしてワークフロー4bに含まれる印刷ジョブを速やかに実行する必要がないときには、その印刷ジョブを印刷ジョブ記憶領域22へ一旦格納して実行待機状態とするので、プリンタ部16の通電状態が省電力モードから通常通電モードへ復帰してしまう回数を低減することができるようになる。
【0127】
以上、本発明に関する一実施形態について説明したが、本発明は上述した内容のものに限られるものではなく、種々の変形例が適用可能である。
【0128】
例えば、上記実施形態においては、画像形成装置2が印刷ジョブの実行対象となる画像データを文書管理サーバ5からダウンロードする場合を例示したが、これに限られるものではない。例えば、コンピュータ3から画像データを取得するようにしても良いし、その他の装置から取得するようにしても良い。また画像形成装置2の記憶装置18にそのような画像データを予め記憶しておく構成であっても構わない。
【0129】
また上記実施形態においては、説明を簡単にするため、画像形成装置2が図4、図7、図9および図11のワークフロー4bを取得した場合に行う処理をそれぞれ個別に説明した(図5、図8、図10および図12参照)。しかし、実際には、図4、図7、図9および図11のうちのいずれかのワークフロー4bを画像形成装置2が取得した場合、画像形成装置2は、その取得したワークフロー4bの種類などを判別することにより、その取得したワークフロー4bがどのようなワークフローであるかを特定し、その特定結果に応じて、上述した図5、図8、図10および図12のいずれかのフローチャートに基づく処理を実行するように構成することが好ましい。
【0130】
また上記実施形態においては、画像形成装置2がコピー機能、スキャン機能、プリンタ機能、FAX機能といった複数の機能を備える複合機である場合を例示したが、必ずしも複合機であることに限定されるものではない。例えば、画像形成装置2は、プリンタ専用機であっても構わない。
【符号の説明】
【0131】
2 画像形成装置
4 ワークフロー管理サーバ
6 入退室管理サーバ(入退室管理装置)
7 ネットワーク
12 通電制御部(通電制御手段)
16 プリンタ部(画像形成手段)
18 記憶装置(記憶手段)
20 プログラム
31 ワークフロー取得部(ワークフロー取得手段)
32 ワークフロー解析部(ワークフロー解析手段)
33 優先度判断部
34 ジョブ実行制御部(ジョブ実行制御手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の処理を順次実行していくことが定義されたワークフローに基づき、実行可能なジョブを自動で実行していく画像形成装置であって、
各種情報を記憶する記憶手段と、
前記ワークフローを取得するワークフロー取得手段と、
前記ワークフロー取得手段によって取得される前記ワークフローを解析するワークフロー解析手段と、
前記ワークフロー取得手段によって取得される前記ワークフローに基づいてジョブの実行を制御するジョブ実行制御手段と、
前記ジョブ実行制御手段によって実行指示される印刷ジョブに基づき、画像形成を行って印刷出力を行う画像形成手段と、
前記画像形成手段における通電状態を、通常通電モードと省電力モードとのいずれかに設定する通電制御手段と、
を備え、
前記ワークフロー解析手段は、前記ワークフローに印刷ジョブが含まれる場合、前記ワークフローに定義されている各処理の処理内容を解析することによって、当該印刷ジョブを実行優先ジョブと省電力優先ジョブとのいずれか一方に予め分類しておき、
前記ジョブ実行制御手段は、前記ワークフローに含まれる印刷ジョブの実行タイミングにおいて、当該印刷ジョブが省電力優先ジョブであり、且つ、前記通電制御手段によって設定されている前記画像形成手段の通電状態が前記省電力モードである場合、当該印刷ジョブを前記記憶手段に格納する一方、当該印刷ジョブが実行優先ジョブである場合、又は、前記通電制御手段によって設定されている前記画像形成手段の通電状態が前記通常通電モードである場合、前記画像形成手段を駆動することによって当該印刷ジョブに基づく印刷出力を行わせることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記ワークフロー解析手段は、前記ワークフローに、印刷ジョブを実行することによって出力される印刷物を特定の承認者が承認する処理が含まれている場合、当該印刷ジョブを省電力優先ジョブに分類することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記特定の承認者の入退室状況を管理する入退室管理装置とネットワークを介して通信を行う通信手段をさらに備え、
前記ジョブ実行制御手段は、前記ワークフローに含まれる印刷ジョブの実行タイミングにおいて、前記入退室管理装置と通信を行うことによって前記特定の承認者が入室状態であると判断する場合、前記画像形成手段を駆動することによって当該印刷ジョブに基づく印刷出力を行わせることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記ジョブ実行制御手段は、前記ワークフローに含まれる印刷ジョブの実行タイミングにおいて、前記入退室管理装置と通信を行うことによって前記特定の承認者が退室状態であると判断する場合、当該印刷ジョブを前記記憶手段に格納すると共に、その後、前記入退室管理装置と定期的に通信を行うことによって前記特定の承認者が入室状態であると判断した時点で前記記憶手段に格納した前記印刷ジョブを読み出し、前記画像形成手段を駆動することによって当該印刷ジョブに基づく印刷出力を行わせることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記ワークフロー解析手段は、前記ワークフローに、印刷ジョブの実行対象となる画像データへのスタンプ画像の合成処理が含まれている場合、当該印刷ジョブを実行優先ジョブに分類することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記スタンプ画像は、前記画像データが秘密情報であることを示す画像であることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記ワークフロー解析手段は、前記ワークフローに、印刷ジョブの実行対象となる画像データをFAX又は電子メールで受信する処理が含まれている場合、当該印刷ジョブを省電力優先ジョブに分類することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記ワークフロー解析手段は、前記ワークフローに、印刷対象となる画像データを試行印刷と本印刷との2回に分けて印刷出力を行う処理が含まれている場合、試行印刷に対応する印刷ジョブを実行優先ジョブに分類し、本印刷に対応する印刷ジョブを省電力優先ジョブに分類することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
ユーザによる操作入力を受け付ける操作手段をさらに備え、
前記ジョブ実行制御手段は、省電力優先ジョブに分類された印刷ジョブを前記記憶手段に格納した後、前記操作手段を介して当該印刷ジョブの実行が指示されることに伴い、前記記憶手段から当該印刷ジョブを読み出し、前記画像形成手段を駆動することによって当該印刷ジョブに基づく印刷出力を行わせることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記ジョブ実行制御手段は、前記記憶手段に格納した印刷ジョブのデータ量を監視し、そのデータ量が所定値を越えたタイミングで前記記憶手段から前記印刷ジョブを読み出し、前記画像形成手段を駆動することによって当該印刷ジョブに基づく印刷出力を行わせることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項11】
複数の処理を順次実行していくことが定義されたワークフローに基づき、実行可能なジョブを自動で実行していく画像形成方法であって、
(a) 前記ワークフローを取得するステップと、
(b) 前記ワークフローに印刷ジョブが含まれる場合、前記ワークフローに定義されている各処理の処理内容を解析することによって、当該印刷ジョブを実行優先ジョブと省電力優先ジョブとのいずれか一方に予め分類するステップと、
(c) 前記ワークフローに基づいてジョブの実行を制御するステップと、
を有し、
前記ステップ(c)は、前記ワークフローに含まれる印刷ジョブの実行タイミングにおいて、当該印刷ジョブが省電力優先ジョブであり、且つ、印刷出力を行う画像形成手段の通電状態が省電力モードである場合には当該印刷ジョブを所定の記憶手段に格納する一方、当該印刷ジョブが実行優先ジョブである場合、又は、前記画像形成手段の通電状態が通常通電モードである場合には前記画像形成手段を駆動することによって当該印刷ジョブに基づく印刷出力を行わせることを特徴とする画像形成方法。
【請求項12】
画像形成を行って印刷出力を行うことが可能な画像形成装置において実行されるプログラムであって、前記画像形成装置を、
複数の処理を順次実行していくことが定義されたワークフローを取得するワークフロー取得手段、
前記ワークフローを解析するワークフロー解析手段、および、
前記ワークフローに基づいてジョブの実行を制御するジョブ実行制御手段、
として機能させ、
前記ワークフロー解析手段には、前記ワークフローに印刷ジョブが含まれる場合、前記ワークフローに定義されている各処理の処理内容を解析することによって、当該印刷ジョブを実行優先ジョブと省電力優先ジョブとのいずれか一方に予め分類させ、
前記ジョブ実行制御手段には、前記ワークフローに含まれる印刷ジョブの実行タイミングにおいて、当該印刷ジョブが省電力優先ジョブであり、且つ、印刷出力を行う画像形成手段の通電状態が省電力モードである場合、当該印刷ジョブを所定の記憶手段に格納させる一方、当該印刷ジョブが実行優先ジョブである場合、又は、前記画像形成手段の通電状態が通常通電モードである場合、前記画像形成手段を駆動させることによって当該印刷ジョブに基づく印刷出力を行わせることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−86407(P2013−86407A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−230461(P2011−230461)
【出願日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】