説明

画像形成装置、画像形成方法および画像形成装置を制御する制御プログラム

【課題】簡易に画像データのデータ欠損の有無を識別することが可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】元となる原稿2の画像のデータ欠損を判定するために、まず、MFP1において、原稿2の元原稿画像に重なるように、データ欠損を判定するための画像である欠損検出画像4を合成した原稿3を作成する。そして、この合成原稿3をコピーした際に、データ欠損が生じるかどうかをMFP1において判定する。このデータ欠損の判定については、後述するが欠損検出画像4にデータ欠損が生じるかどうかに基づいて判定する。合成原稿3をコピーしたコピー原稿5は、欠損検出画像6において、データ欠損が生じていないと判定された場合である。一方、合成原稿3をコピーしたコピー原稿7は、欠損検出画像8において、データ欠損が生じていたと判定された場合である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、画像を読み取って印刷する際に画像のデータ欠損を検出する画像形成装置、画像形成方法および画像形成装置を制御する制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
家庭あるいは職場等でMFP等の複合機を用いて画像を読み取って印刷することが一般的に行われている。さらに、印刷する際には、画質の向上を図るための種々の画像処理が行われるとともに、ユーザが予め印刷結果を確認することができるように、画像データをプレビュー表示するようになっている。ユーザはこのプレビュー表示を見ることにより、画像の内容や画質等を確認して印刷を実行するか否かの決定を行うことができる。
【0003】
このように画像データをプレビュー表示したときに、画像データにデータ欠損が発生していても、表示部の表示だけでは気付かないときがある。特に、画像データの正確さが求められるような場合にデータ欠損のある画像データを印刷した場合、ユーザの望む出力結果が得られないときがある。
【0004】
特開2005−129043号公報には、ビット過りの発生を検出することによりデータ欠損を検出する方式が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−129043号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記公報に記載される方式は、画像データを構成するファイルの構造上の欠損があるか否かによりデータ欠損を検出するものであり、ファイルの構造上の欠損がなく画像データに含まれる画像自体に欠損がある場合には、データ欠損を検出することができなかった。たとえば、複合機等において、原稿を読み取る際の読み取りエラーにより発生したデータ欠損を検出することができなかった。また、原稿に付箋が貼られた状態でスキャナ等により読み取られた場合に、画像自体に欠損がある場合であっても、データ欠損を検出することができなかった。
【0007】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、簡易に画像データのデータ欠損の有無を識別することが可能な画像形成装置、画像形成方法および画像形成装置を制御する制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のある局面に従う画像形成装置は、原稿画像を取得する読取手段と、読取手段により取得された第1の原稿画像の中に、データ欠損を判定するための画像である欠損検出画像が合成されているか否かを判断する欠損検出画像判定手段と、欠損検出画像判定手段により第1の原稿画像に欠損検出画像が合成されていると判断された場合には、第1の原稿画像から欠損検出画像を抽出して、抽出した欠損検出画像にデータ欠損が存在しているか否かを判断するデータ欠損検出手段と、データ欠損検出手段の判断結果に基づいてユーザにデータ欠損を通知する通知手段とを備える。
【0009】
好ましくは、通知手段は、ユーザに欠損検出画像のデータ欠損箇所をプレビュー表示する。
【0010】
好ましくは、第2の原稿画像の所定の領域に欠損検出画像を合成する合成手段をさらに備える。
【0011】
特に、合成手段は、第2の原稿画像の全面あるいは一部領域に欠損検出画像を合成する。
【0012】
特に、合成手段は、欠損検出画像を合成する際、第2の原稿画像の所定領域に欠損検出画像の合成の有無を識別するための判定データを判定画像としてさらに合成する。欠損検出画像判定手段は、読取手段により取得された第1の原稿画像に含まれる判定データの有無に従って欠損検出画像が合成されているか否かを判断する。
【0013】
好ましくは、ユーザの入力に従って欠損検出画像を生成する欠損検出画像生成手段をさらに備える。
【0014】
特に、欠損検出画像生成手段は、ユーザが入力した文字列を所定の規則で配列した欠損検出画像を生成する。
【0015】
特に、データ欠損検出手段は、欠損検出画像生成手段により欠損検出画像を生成する際に用いられたユーザの入力情報に基づいて抽出された欠損検出画像にデータ欠損が存在しているか否かを判断する。
【0016】
特に、データ欠損判断手段は、抽出された欠損検出画像にユーザが入力した文字列が所定の規則で配列されているか否かを判断する。所定の規則で配列されていない場合には、データ欠損が存在していると判断する。
【0017】
本発明のある局面に従う画像形成方法は、画像形成装置において実行される画像形成方法であって、原稿画像を取得するステップと、取得された第1の原稿画像の中に、データ欠損を判定するための画像である欠損検出画像が合成されているか否かを判断するステップと、第1の原稿画像に欠損検出画像が合成されていると判断された場合には、第1の原稿画像から欠損検出画像を抽出するステップと、抽出した欠損検出画像にデータ欠損が存在しているか否かを判断するステップと、データ欠損が存在しているか否かの判断結果に基づいてユーザにデータ欠損を通知するステップとを備える。
【0018】
本発明のある局面に従う画像形成装置を制御する制御プログラムは、画像形成装置のコンピュータに、原稿画像を取得するステップと、取得された第1の原稿画像の中に、データ欠損を判定するための画像である欠損検出画像が合成されているか否かを判断するステップと、第1の原稿画像に欠損検出画像が合成されていると判断された場合には、第1の原稿画像から欠損検出画像を抽出するステップと、抽出した欠損検出画像にデータ欠損が存在しているか否かを判断するステップと、データ欠損が存在しているか否かの判断結果に基づいてユーザにデータ欠損を通知するステップとを備える、処理を実行させる。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る画像形成装置、画像形成方法および画像形成装置を制御する制御プログラムは、第1の原稿画像を取得し、取得された第1の原稿画像の中に、データ欠損を判定するための画像である欠損検出画像が合成されているか否かを判断し、第1の原稿画像に欠損検出画像が合成されていると判断された場合には、第1の原稿画像から欠損検出画像を抽出して、欠損検出画像にデータ欠損が存在しているか否かを判断し、データ欠損が存在しているか否かの判断結果に基づいてユーザにデータ欠損を通知する方式であるため、簡易に画像データのデータ欠損の有無を識別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態に従う画像形成装置としてのMFP1の外観図である。
【図2】本発明の実施の形態に従うMFP1のハードウェア構成について説明する図である。
【図3】本発明の実施の形態に従う原稿のデータ欠損を判定する処理の流れの概念図である。
【図4】本発明の実施の形態に従うMFP1における制御部20で実行される各機能ブロック図である。
【図5】合成原稿3を作成する際に欠損検出画像生成部48および画像合成部46等が行なう処理について説明する図である。
【図6】本発明の実施の形態に従う欠損検出画像の設定の設定方法について説明する図である。
【図7】本発明の実施の形態に従う領域指定画面200について説明する図である。
【図8】欠損検出画像生成部48における欠損検出画像の作成方法について説明する図である。
【図9】画像合成部46により登録された欠損検出画像情報について説明する図である。
【図10】MFP1におけるコピー機能を利用する場合における合成原稿のデータ欠損を検出する際の処理について説明する図である。
【図11】図10のフローチャートのステップS35において、欠損画像を検出する際にデータ欠損検出部42が行なう処理について説明する図である。
【図12】欠損が発生している場合の合成原稿画像について説明する図である。
【図13】図10に示すフローチャートのステップS40で通知部44により表示されるプレビュー画面600について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。以下の説明において同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一であるものとする。
【0022】
(MFP全体構成)
図1を用いて、本発明の実施形態に従う画像形成装置としてのMFP1の外観図について説明する。
【0023】
図1を参照して、本発明の実施の形態に従うMFP1は、コピー機能、スキャナ機能等を有するデジタル複合機である。
【0024】
MFP1は、操作パネル10を備えており、この操作パネル10は、複数のキー11aと、当該キー11aに対するユーザの操作による各種の指示や、文字、数字などのデータの入力を受け付ける操作部11と、ユーザに対する指示メニューや取得した画像に関する情報などの表示を行なう液晶等からなる操作ディスプレイ12とを有している。
【0025】
また、MFP1は、原稿を光学的に読取って画像データを得るスキャナ13と、画像データに基づいて記録シート上に画像を印刷するプリンタ14とを備えている。
【0026】
またMFP1の本体上面には、原稿をスキャナ13に送るフィーダ17が、下部にはプリンタ14に記録シートを供給する給紙部18が、中央部にはプリンタ14によって画像を印刷された記録シートが排出されるトレイ19がそれぞれ配備されている。
【0027】
さらにMFP1の本体の内部には、本体を制御するための各部で用いられる制御プログラム、画像データ等、必要なデータを記憶する記憶部26などが設けられている。
【0028】
図2を用いて、本発明の実施の形態に従うMFP1のハードウェア構成について説明する。
【0029】
図2を参照して、本発明の実施の形態に従うMFP1は、紙媒体等の原稿を画像データ(電子データ)に変換するためのスキャナ13と、印刷処理を実行するためのプリンタ14と、電子メール(E−mailとも称する)の送受信を実行するためのメーラ15と、公衆回線を利用したデータ伝送を実行するためのファクシミリ16と、通信インタフェース(I/F)34と、入力等の操作指示を実行する操作パネル10と、制御プログラム等が格納されたROM(Read Only Memory)30と、制御部20等で実行される制御処理を実行するためのワークエリア等として用いられるRAM(Random Access Memory)28と、MFP1に登録された各種情報等を格納するHDD(Hard Disk Drive)32と、MFP1全体を制御する制御部20とを備える。制御部20は、例えばCPU(Central Processing Unit)等で構成されるものとする。また、ROM30と、RAM28と、HDD32により記憶部26が構成される。
【0030】
なお、各部は内部バス21を介して制御部20と接続されており、制御部20は、各部との間でデータの授受を実行することが可能である。
【0031】
スキャナ13は、複数の光電変換素子(受光素子)で構成される光センサを含む。フィーダ17に載置された原稿は、スキャナ13に搬送される。光センサは、読取ガラスを介して写真、文字、絵などの画像情報を原稿から光電的に読取って画像データを取得する。取得された画像データは、デジタルデータに変換され、周知の各種画像処理を施された後、RAM28内に一旦格納され、プリンタ14等に送られ、画像の印刷やデータの保存に供される。
【0032】
プリンタ14は、スキャナ13等により取得された画像データに基づいて、給紙部18に格納された記録シート上に画像を印刷処理する。
【0033】
メーラ15は、図示されていないネットワークを介して接続されたメールサーバ等との間で電子メールの送受信を実行する。
【0034】
ファクシミリ16は、スキャナ13等により取得された画像データを所定のプロトコルに従って他のファクシミリ装置に送信する。
【0035】
通信I/F34は、MFP1の内部の各部と図示されていないネットワークと接続された外部の機器等とを接続するためのインタフェースである。通信I/F34は、有線あるいは無線によりネットワークと接続されて、他のMFPあるいはPC(Personal Computer)等とデータの授受を実行する。なお、ネットワークとしては、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)などが想定されている。
【0036】
また、操作パネル10の操作ディスプレイ12は、LCD(Liquid Crystal Display)とタッチパネルとを含み、LCDが各種モードの表示を行うとともに、タッチパネルが表示内容等に従った各種設定等を受け付ける。また、操作部11は、ユーザによる種々の入力に用いられるものである。これらがユーザインターフェイスの要部として機能する。
【0037】
本発明の実施の形態に従うMFP1は、原稿画像にデータ欠損を判定するための欠損検出画像を重ねて合成して印刷した合成原稿を生成する。そして、当該合成原稿をコピーする際に、欠損検出画像のデータ欠損を判定する。
【0038】
図3を用いて、本発明の実施の形態に従う原稿のデータ欠損を判定する処理の流れの概念図について説明する。
【0039】
本発明の実施の形態においては、元となる原稿2(元原稿とも称する)の画像(原稿画像とも称する)のデータ欠損を判定するために、まず、MFP1において、原稿2の元原稿画像に重なるように、データ欠損を判定するための画像である欠損検出画像4を合成した原稿3(合成原稿とも称する)を作成する。そして、この合成原稿3をコピーした際に、データ欠損が生じるかどうかをMFP1において判定する。このデータ欠損の判定については、後述するが欠損検出画像4にデータ欠損が生じるかどうかに基づいて判定する。
【0040】
合成原稿3をコピーしたコピー原稿5(コピー原稿とも称する)は、欠損検出画像6において、データ欠損が生じていないと判定された場合を示している。一方、合成原稿3をコピーしたコピー原稿7は、欠損検出画像8において、データ欠損が生じていたと判定された場合を示している。
【0041】
図4を用いて、本発明の実施の形態に従うMFP1における制御部20で実行される各機能ブロックについて説明する。
【0042】
図4を参照して、制御部20は、欠損検出画像判定部40と、データ欠損検出部42と、通知部44と、画像合成部46と、欠損検出画像合成部48とを含む。なお、欠損検出画像判定部40と、データ欠損検出部42と、通知部44と、画像合成部46と、特殊画像合成部48とにおける各機能ブロックは、制御部20が一例としてROM30に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより実現される。
【0043】
欠損検出画像判定部40は、スキャナ13により取得された画像データに欠損検出画像が合成されているか否かを判断する。
【0044】
データ欠損検出部42は、欠損検出画像判定部40により画像データに欠損検出画像が合成されていると判断された場合に、画像データから欠損検出画像を抽出し、抽出した欠損検出画像について、欠損検出画像にデータ欠損が存在しているか否かを判断する。詳細については後述するが、より具体的には、判定データに対応する後述する欠損検出画像情報に基づいて欠損検出画像を抽出し、抽出された欠損検出画像に欠損検出画像情報に含まれているユーザが入力した文字列(埋め込みデータ)が所定の規則で配列されているか否かを判断する。そして、所定の規則で配列されていると判断した場合には、データ欠損が無いと判断する。一方、所定の規則で配列されていないと判断した場合には、データ欠損があると判断する。
【0045】
通知部44は、データ欠損検出部42においてデータ欠損があると判断された場合には、ユーザに対して欠損検出画像のデータ欠損が生じている箇所(データ欠損箇所とも称する)を操作パネル10の操作ディスプレイ12にプレビュー表示する。
【0046】
欠損検出画像生成部48は、操作パネル10を介するユーザの操作(入力)に従って欠損検出画像を生成して、画像合成部46に出力する。詳細については後述するが、ユーザが入力した文字列を所定の規則で配列した欠損検出画像を生成して、画像合成部46に出力する。また、欠損検出画像生成部48は、欠損検出画像の生成とともに、データ欠損の判定の際に用いられる欠損検出画像情報を生成する。
【0047】
画像合成部46は、記憶部26であるRAM28に記憶されている原稿画像の指定された領域に欠損検出画像生成部48で生成された欠損検出画像を合成する。具体的には、指定された原稿画像の全面あるいは一部領域に欠損検出画像を合成する。また、画像合成部46は、原稿画像の指定された領域に欠損検出画像を合成する際、原稿画像の所定領域に欠損検出画像の合成の有無を識別するための判定データを判定画像としてさらに合成する。そして、画像合成部46は、合成画像をプリンタ14に出力し、プリンタ14は合成画像を記録シートに印刷する。さらに、後述するが、画像合成部46は、当該判定データと対応付けられた後のデータ欠損の判定の際に用いられる欠損検出画像情報をHDD32に登録する。
【0048】
まず、合成原稿3を作成する処理について説明する。
当該処理は、欠損検出画像生成部48および画像合成部46と記憶部26とスキャナ13およびプリンタ14とが協働して成される処理である。
【0049】
図5を用いて、合成原稿3を作成する際に欠損検出画像生成部48および画像合成部46等が行なう処理について説明する。
【0050】
図5のフローチャートに示す欠損検出画像生成部48および画像合成部46が実行する処理は、制御部20がROM30に記憶されたプログラムを読み込むことにより実現される。
【0051】
図5を参照して、まず、欠損検出画像生成部48は、欠損検出画像の埋め込みの指示が有るかどうかを判断する(ステップS2)。ユーザは、操作パネル10上に設けられた欠損検出画像の埋め込みを指示するためのキー(埋め込み指示キー)を押下することにより欠損検出画像の埋め込みの指示を行なう。
【0052】
欠損検出画像生成部48は、欠損検出画像の埋め込み指示が有ると判断した場合(ステップS2においてYES)、すなわちユーザにより埋め込み指示キーが押下された場合には、次に欠損検出画像の設定を行なうための画面(欠損検出画像設定画面)を表示する(ステップS4)。具体的には、欠損検出画像生成部48は、操作ディスプレイ12に図6に示すような欠損検出画像設定画面を表示する。
【0053】
図6を用いて、本発明の実施の形態に従う欠損検出画像の設定の設定方法について説明する。
【0054】
図6を参照して、ここでは、操作ディスプレイ12に表示された欠損検出画像設定画面100が示されている。
【0055】
図6(A)を参照して、欠損検出画像設定画面100には、欠損検出画像を記録シートの全面に埋め込むか、記録シートの一部の領域に埋め込むかを選択するためのボタンが表示されている。用紙全面ボタン102は、記録シートの全面に埋め込む際に押下されるボタンであり、位置指定ボタン104は記録シートの一部の領域に埋め込む際に押下されるボタンである。
【0056】
また、欠損検出画像設定画面100には埋め込みデータを入力する入力領域106が設けられている。埋め込みデータとは、欠損検出画像を生成するための基準となるデータであり詳細については後述する。ユーザは、この入力領域106に操作キー11aを介して、少なくとも1文字以上の文字列を埋め込みデータとして入力することが可能である。
【0057】
入力が完了した場合にユーザは、「OK」ボタン108を押下することにより次の処理に進むことが可能である。一方、「Cancel」ボタン110を押下することにより欠損検出画像設定画面における一連の操作をキャンセルして初期の操作画面に戻ることが可能である。
【0058】
図6(B)を参照して、ここでは、一例として、埋め込み領域として位置指定ボタン104が指定されるとともに、埋め込みデータ(パスワード)として「1234567890」の文字列が入力された場合が示されている。
【0059】
そして、ユーザが「OK」ボタン110を押下することにより次の処理に進む。なお、図6においては、埋め込みデータとして数字のみが入力された場合を示しているが、埋め込みデータは、特に数字に限られず、アルファベット等の数字以外の情報を含むようにすることも可能である。
【0060】
図5を再び参照して、次に、欠損検出画像生成部48は、欠損検出画像の設定が行なわれた否かを判断する(ステップS6)。具体的には、欠損検出画像生成部48は、上述した欠損検出画像設定画面100において、「OK」ボタン108が押下された場合に欠損検出画像の設定が行なわれたと判断する(ステップS6においてYES)。
【0061】
一方、欠損検出画像設定画面100において、「Cancel」ボタン110が押下された場合に欠損検出画像の設定が行なわれなかったと判断する(ステップS6においてNO)。欠損検出画像の設定が行なわれなかったと判断された場合(ステップS6においてNO)には、合成原稿3は作成されずに本フローチャートの処理を終了する。
【0062】
欠損検出画像生成部48は、欠損検出画像の設定が行なわれたと判断した場合(ステップS6においてYES)には、スキャナ13に指示して、画像読取処理を実行する(ステップS8)。具体的には、上述したようにフィーダ17に載置された原稿をスキャナ13に搬送し、スキャナ13により原稿の画像データ(すなわち元原稿画像)を取得して、RAM28に保存する。
【0063】
なお、本例においては、欠損検出画像の設定が行なわれた場合に、ステップS8における画像読取処理を実行して画像データを取得する場合について説明したが、特にこの順番に限られず、まず、画像読取処理を実行した後、ステップS2以降の処理を実行するようにしても良い。また、本例においては、スキャナ13を用いて原稿の画像データ(元原稿画像)を取得する場合について説明したが、特にこれに限られず、たとえば、MFP1がLANなどのネットワークに接続されて、ネットワーク上のPC(Personal Computer)のプリンタとして機能としている場合には、当該PCからネットワークを介して送信された画像データを欠損検出画像を埋め込むための元原稿画像とすることも可能であるし、HDD32に格納されている画像データを用いるようにしても良い。
【0064】
次に、欠損検出画像生成部48は、欠損検出画像を埋め込む領域として用紙全面が設定されたか否かを判断する(ステップS10)。具体的には、欠損検出画像生成部48は、欠損検出画像設定画面100において、用紙全面ボタン102が指定されていたか、あるいは、位置指定ボタン104が指定されたかどうかを判断する。
【0065】
ステップS10において、欠損検出画像生成部48は、欠損検出画像を埋め込む領域として用紙全面が設定されたと判断した場合には(ステップS10でYES)、欠損検出画像を作成する(ステップS12)。欠損検出画像の作成については後述する。なお、欠損検出画像生成部48は、欠損検出画像の作成とともに、当該欠損検出画像の属性情報である欠損検出画像情報も作成する。
【0066】
次に、画像合成部46は、欠損検出画像生成部48により作成された欠損検出画像と、スキャナ13により取得されたRAM28に保存された元原稿画像とを合成する(ステップS13)。なお、後述するが、画像合成部46は、当該合成の際に、欠損検出画像を合成したことを識別(判定)するための判定画像も合成する。当該判定画像は、欠損検出画像の属性情報である欠損検出画像情報を検索するために用いられる。
【0067】
そして、画像合成部46は合成後の画像をプリンタ14に出力し、プリンタ14は、合成後の画像を記録シートに印刷する(ステップS14)。当該印刷した記録シートが合成原稿となる。
【0068】
そして、次に、画像合成部46は、欠損検出画像生成部48により作成した欠損検出画像の属性情報である欠損検出画像情報を登録する処理を実行する(ステップS16)。具体的には、画像合成部46は、一例としてHDD32に欠損検出画像情報を登録する。当該欠損検出画像情報は、後述するデータ欠損の判定の際に用いられるものである。欠損検出画像情報の詳細な説明については後述する。
【0069】
そして、画像合成部46が欠損検出画像情報をHDD32に登録した後に、本フローチャートの処理を終了する(エンド)。
【0070】
一方、ステップS10において、欠損検出画像生成部48は、欠損検出画像を埋め込み領域として用紙全面が設定されなかったと判断した場合、すなわち、欠損検出画像設定画面100において位置指定ボタン104が指定されたと判断した場合(ステップS10においてNO)には、欠損検出画像を埋め込む領域を詳細に指定するための画面(領域指定画面)を表示する(ステップS18)。
【0071】
具体的には、欠損検出画像生成部48は、操作ディスプレイ12に領域指定画面を表示する。
【0072】
図7を用いて、本発明の実施の形態に従う領域指定画面200について説明する。
図7を参照して、領域指定画面200において、元原稿画像と欠損検出画像を埋め込む領域とを示すプレビュー画像202が示されている。領域指定画面200では、元原稿画像に重ねて、欠損検出画像を埋め込む領域が示される。本例においては、欠損検出画像を埋め込む領域がハッチングされて示されている。ここで、ユーザは、操作ディスプレイ12のタッチパネルを用いて、欠損検出画像を埋め込む領域を移動させ、拡大あるいは縮小等を行なうことができる。たとえば、ユーザは、欠損検出画像を埋め込む領域の端部を指で押えた状態を維持したまま指を移動させることにより指が移動した軌跡に応じて欠損検出画像を埋め込む領域を拡大・縮小させることができる。
【0073】
また、欠損検出画像を埋め込む領域の中心付近を指で押えた状態を維持したまま指を移動させることにより指が移動した軌跡に応じて欠損検出画像を移動させることができる。
【0074】
ユーザは、領域指定オブジェクトの移動等の操作を行なった後に「OK」ボタン206を押下することにより欠損検出画像を埋め込む領域を確定して、次の処理に進むことができる。
【0075】
一方、「Cancel」ボタン208を押下することにより、領域指定画面200における操作をキャンセルして初期の操作画面に戻ることが可能である。
【0076】
再び、図5を参照して、次に、欠損検出画像生成部48は、欠損検出画像を埋め込む領域の詳細な指定がされたか否かを判断する(ステップS20)。具体的には、欠損検出画像生成部48は、上述した領域指定画面200において「OK」ボタン206が押下された場合に欠損検出画像を埋め込む領域の詳細な指定がされたと判断する(ステップS20においてYES)。
【0077】
一方、欠損検出画像生成部48は、領域指定画面200において「Cancel」ボタン208が押下された場合に欠損検出画像を埋め込む領域の詳細な指定がされなかったと判断する(ステップS20においてNO)。欠損検出画像生成部48は、欠損検出画像を埋め込む領域の詳細な指定がされなかったと判断した場合(ステップS20においてNO)には、合成原稿3は作成されずに本フローチャートの処理を終了する(エンド)。
【0078】
一方、欠損検出画像生成部48は、欠損検出画像を埋め込む領域の詳細な指定がされたと判断した場合(ステップS20においてYES)には、ステップS12に進み、欠損検出画像を作成する。欠損検出画像の作成については後述する。
【0079】
そして、上記で説明したのと同様に、画像合成部46は、欠損検出画像生成部48により作成された欠損検出画像と、スキャナ13により取得されたRAM28に保存された元原稿画像とを合成する(ステップS13)。そして、画像合成部46は合成後の画像をプリンタ14に出力し、プリンタ14は、合成後の画像を記録シートに印刷する(ステップS14)。当該印刷した記録シートが合成原稿となる。
【0080】
そして、次に、画像合成部46は、欠損検出画像生成部48により作成した欠損検出画像の属性情報である欠損検出画像情報を登録する処理を実行する(ステップS16)。そして、画像合成部46が欠損検出画像情報をHDD32に登録した後に、本フローチャートの処理を終了する(エンド)。
【0081】
図8を用いて、欠損検出画像生成部48における欠損検出画像の作成方法について説明する。
【0082】
図8を参照して、ここでは、元原稿画像と欠損検出画像とを合成した画像(合成画像)300が示されている。また、後述するが、合成画像には、欠損検出画像を合成したことを識別(判定)するための判定画像304が含まれる。図8では判定画像の一例としてバーコードが示されている。
【0083】
ここで欠損検出画像は、上述した欠損検出画像設定画面100においてユーザが入力した埋め込みデータに基づいて作成される。
【0084】
具体的には、欠損検出画像を埋め込む領域として指定された領域に対して、埋め込みデータで指定された文字列を所定の規則で配置する。
【0085】
ここでは、一例として、欠損検出画像を埋め込む領域として縦110mm×横150mmの大きさの領域が指定され、欠損検出画像として配置される文字のフォントサイズが縦10mm×横5mmである場合について説明する。
【0086】
この場合には、欠損検出画像を埋め込む領域に配置可能な文字数は330個である。これは、欠損検出画像を埋め込む領域の大きさを文字のフォントサイズで除算することにより求めることができる。
【0087】
欠損検出画像は、埋め込みデータで指定された文字列を330文字分だけ繰り返し配置することにより作成される。図8では、一例として、埋め込みデータとして「1234567890」が指定された場合の欠損検出画像302が示されている。
【0088】
欠損検出画像を埋め込む領域の左上端から右方向に埋め込みデータで指定された文字列を一文字ずつ配列する。この処理を欠損検出画像を埋め込む領域の右下端に到達するまで繰り返す。この結果、欠損検出画像を埋め込む領域として指定された領域のなかに、埋め込みデータで指定された文字列が連続的に配置された欠損検出画像が作成される。
【0089】
なお、欠損検出画像を埋め込む領域として用紙全面が指定された場合には、元原稿画像と同じ大きさの欠損検出画像が作成される。
【0090】
なお、本例においては、欠損検出画像について、所定の規則で配置された文字列の文字画像である場合について説明したが、特にこれに限られず、たとえば、文字に対応するドットパターン等であっても良い。
【0091】
MFP1は、合成原稿をコピーする際に欠損検出画像に基づいてデータ欠損が生じているか否かを判定するため、ユーザは元原稿画像のなかの重要度の高い領域を欠損検出画像を埋め込む領域に指定することにより、合成原稿をコピーしたときの重要度の高い領域でデータ欠損が生じたか否かを認識することができる。
【0092】
すなわち、ユーザが元原稿画像についての重要度の高い、つまりデータ欠損が発生すると困る領域に対して欠損検出画像を重ね合わせて合成して合成原稿を作成し、MFP1は合成原稿をコピーする際に当該合成された欠損検出画像を検出することにより、元原稿画像のうち欠損検出画像が埋め込まれた領域にデータ欠損が発生しているか否かを判定する。
【0093】
図8に示す判定画像304は、コピーの際にコピー対象の原稿が合成原稿であるか否かを識別するためのほか、コピー対象の原稿に埋め込まれた欠損検出画像を特定するためにも用いられる。つまり、MFP1は、コピー対象の原稿に判定画像304が含まれるか否かを判断することで読み取り画像に欠損検出画像が合成されているか否かを判定することができる。また、MFP1は、判定画像304により欠損検出画像を特定でき、コピー対象の原稿にどのような欠損検出画像が埋め込まれているかを判定することができる。
【0094】
図9を用いて、画像合成部46により登録された欠損検出画像情報について説明する。欠損検出画像情報は、図5に示すフローチャートのステップS12において、欠損検出画像が作成される際に、併せて生成される。
【0095】
図9を参照して、本例においては、複数の欠損検出画像情報が登録されている場合が示されている。各欠損検出画像情報には、埋め込み画像ID、埋め込み領域、埋め込みデータ、ユーザ名、埋め込み個数が含まれる。
【0096】
埋め込み画像IDは、図5のフローチャートのステップS12において作成された欠損検出画像に固有のユニークな識別情報である。
【0097】
なお、この画像IDの情報が図8に示す判定画像304(バーコード)として合成原稿に記録される。つまり、MFP1は判定画像304(バーコード)に基づいて、その原稿に埋め込まれている欠損検出画像を識別することができる。本例においては、一例として、埋め込み画像ID「001」、ID「002」、・・・「00X」が順番に発行されて登録されている場合が示されている。
【0098】
埋め込み領域は、欠損検出画像を埋め込む領域の記録シート上の座標を示す情報である。
【0099】
具体的には、欠損検出画像を埋め込む領域の左上端と右下端の2つの座標により埋め込み領域が示される。なお、数値の単位は、一例として、ミリメートル(mm)が用いられる。ここでは、埋め込み画像ID「001」に対応する埋め込み領域として、(0,0)〜(110,150)が一例として登録されている場合が示されており、この場合には、記録シート上の(0,0)、(110,0)、(0,150)、(110,150)で囲まれる領域が埋め込み領域となっている。他の埋め込み画像IDに対応する埋め込み領域についても同様である。
【0100】
また、埋め込みデータは前述のように欠損検出画像を生成するための基準となるデータのことである。ここでは、埋め込み画像ID「001」に対応する埋め込みデータとして、「1234567890」が登録されている場合が示されている。
【0101】
また、ユーザ名は、欠損検出画像の埋め込み操作を行なったユーザの識別情報である。MFP1は、MFP1を操作する際に実行されるユーザ認証処理により、自機にログインしているユーザを識別可能であり、そのユーザの識別情報がユーザ名として自動的に設定されている。図9に示される埋め込み画像ID「001」に対応するユーザ名の場合は、「AAA」が登録されている。他の埋め込み画像IDに対応するユーザ名についてもユーザ認証処理によりログインしているユーザ名が登録される。なお、ユーザ認証処理については公知の技術であるためその詳細な説明については省略する。
【0102】
埋め込み個数は埋め込み領域に配置された文字数である。ここでは、埋め込み画像ID「001」に対応する埋め込み個数は、「330」が登録されている。他の埋め込み画像IDに対応する埋め込み個数についても同様の方式で登録される。
【0103】
以下においては、一例として、MFP1におけるコピー機能を利用した場合について説明する。
【0104】
具体的には、本発明の実施の形態に従うコピー処理におけるデータ欠損の判定処理について説明する。
【0105】
当該処理は、欠損検出画像判定部40、データ欠損検出部42および通知部44と記憶部26とスキャナ13およびプリンタ14とが協働して成される処理である。
【0106】
図10を用いて、MFP1におけるコピー機能を利用する場合における合成原稿のデータ欠損を検出する際の処理について説明する。
【0107】
図10のフローチャートに示す、欠損検出画像判定部40、データ欠損検出部42および通知部44が実行する処理は、制御部20がROM30に記憶されたプログラムを読み込むことにより実現される。図10のフローチャートでは、欠損検出画像に基づきデータ欠損の情報をユーザに提示してユーザの指示に従って所定の処理を行なう。
【0108】
図10を参照して、まず、制御部20は、フィーダ17に原稿が載置された状態でスタートボタンの押下が有るかどうかを判断する(ステップS30)。具体的には、操作パネル10における図示しないスタートボタンの押下指示が有るかどうかを判断する。
【0109】
次に、制御部20は、スタートボタンの押下が有ると判断した場合(ステップS30においてYES)には、画像読取処理を実行する(ステップS31)。具体的には、上述したようにフィーダ17に載置された合成原稿は、スキャナ13に搬送され、スキャナ13により合成原稿の画像データ(合成原稿画像とも称する)を取得して、RAM28に保存される。
【0110】
そして、以下の処理において、データ欠損の判定処理が実行される。
欠損検出画像判定部40は、スキャナ13により取得されたRAM28に保存された合成原稿画像に図8で説明した判定画像304が有るかどうかを判断する(ステップS32)。
【0111】
欠損検出画像判定部40は、RAM28に保存された合成原稿画像に判定画像304があったと判断した場合(ステップS32においてYES)には、判定画像304に基づき欠損検出画像を特定するための画像IDを取得する(ステップS33)。
【0112】
そして、欠損検出画像判定部40は、その画像IDと同じ画像IDを持つ欠損検出画像情報があるか否かを判断する(ステップS34)。具体的には、欠損検出画像判定部40は、ステップS33で取得された画像IDと同じ画像IDを持つ欠損検出画像情報を記憶部28の中から検索する。
【0113】
欠損検出画像判定部40において、取得された画像IDと同じ画像ID持つ欠損検出画像情報が有ると判断した場合(ステップS34においてYES)には、データ欠損検出部42において、欠損検出画像を検出する処理(欠損検出画像検出処理とも称する)を実行する(ステップS36)。
【0114】
一方、欠損検出画像判定部40において、同じ画像IDを持つ欠損検出画像情報が無いと判断した場合(ステップS34においてNO)には、通常のコピー処理(印刷)を実行する(ステップS46)。すなわち、ステップS31で取得した画像に基づいて、コピージョブがプリンタ14に送信されて、プリンタ14において合成原稿画像が記録シートに印刷される。
【0115】
次に、データ欠損検出部42における欠損検出画像検出処理について説明する。
図11を用いて、図10のフローチャートのステップS36において、欠損画像を検出する際にデータ欠損検出部42が行なう処理について説明する。
【0116】
データ欠損検出部42は、制御部20がROM30に記憶されたプログラムを読み込むことにより、そのプログラムに基づいて、図11のフローチャートに示す処理を実現する。
【0117】
図11のフローチャートでは、合成原稿画像から欠損検出画像を抽出し、抽出された欠損検出画像にデータ欠損があるか否かを判定する。
【0118】
図11を参照して、まず、データ欠損検出部42は、図10に示すフローチャートのステップ34で検索した欠損検出画像情報を取得する(ステップS50)。具体的には、HDD32に記憶されている複数の欠損検出画像情報のうちから合成原稿画像の判定画像で示される画像IDと同じ画像IDを持つ欠損検出画像情報を取得する。
【0119】
次に、データ欠損検出部42は、取得された欠損検出画像情報に含まれる埋め込み位置の情報に基づいて、合成原稿画像から欠損検出画像を抽出する(ステップS52)。具体的には、合成原稿画像から、埋め込み位置で指定される領域の画像を切り取る(抽出する)。なお、以下において、この抽出された画像のことを抽出画像ともいう。
【0120】
次に、データ欠損検出部42は、画像判定処理を実行する(ステップS54)。具体的には、データ欠損検出部42は、ステップS50で取得された欠損検出画像情報と、ステップS52で抽出された抽出画像とに基づき、抽出画像に欠損が発生しているか否かを判断する。より具体的には、データ欠損検出部42は、埋め込みデータとして指定されている文字列が埋め込み個数に指定されている文字数分だけ、前述の所定の規則で配置されているか否かを判定する。
【0121】
抽出画像から文字を抽出する処理は、OCR(Optical Character Reader)等で一般的に用いられている技術を使うことができ、特に限定されず、それについての詳細な説明は省略する。
【0122】
図12を用いて、欠損が発生している場合の合成原稿画像について説明する。
図12を参照しながら、データ欠損検出部42におけるデータ欠損の判定方法について説明する。
【0123】
ここでは、図9に示す埋め込み画像ID「001」を含む欠損検出画像情報に対応する欠損検出画像が埋め込まれた合成原稿をコピーする場合に、図10に示すフローチャートのステップS31で取得された合成原稿画像500の一例が示されている。
【0124】
ここでは、欠損検出画像502にデータ欠損がある場合が示されている。本例においては、データ欠損が発生している箇所を「×」で示している。
【0125】
データ欠損検出部42は、埋め込み領域に基づいて欠損検出画像502を抽出し、その欠損検出画像のなかに埋め込みデータで指定された文字列が前述の所定の規則で配列されているかどうかを判定する。
【0126】
データ欠損検出部42は、欠損検出画像から文字を抽出し、埋め込みデータ「1234567890」に対応する文字が左上端から右方向に一文字ずつ順に、欠損検出画像から抽出された文字と埋め込みデータの対応する文字とが一致するか否かを判定する。そして、右上端に到達すると、左端の2列目に移り、1列目と同様に、再び右方向に一文字ずつ判定していく。この判定を、欠損検出画像情報に含まれる埋め込み個数として登録された文字数「330」個分繰り返す。そして、330文字全てについて欠損検出画像から抽出された文字と埋め込みデータの対応する文字とが一致した場合は、データ欠損が無いと判定する。
【0127】
再び、図11を参照して、データ欠損検出部42は、ステップS56において、文字列が正常であるかどうかを判定する。具体的には、埋め込み個数として登録された330文字全てについて、欠損検出画像から抽出された文字と埋め込みデータの対応する文字とが一致した場合(ステップS56においてYES)には、データ欠損がないと判定(ステップS58)し、330文字のいずれかの文字で不一致があった場合(ステップS56においてNO)にはデータ欠損があると判定する(ステップS60)。
【0128】
そして、処理を終了する(リターン)。すなわち、図11のステップS38に進む。
図12における例においては、「×」で示す箇所にデータ欠損部分が発生しているためデータ欠損が有ると判定される。
【0129】
次に、再び図10を参照して、次に、通知部44は、データ欠損があると判定されたか否かを判断する(ステップS38)。
【0130】
ステップS38において、通知部44は、データ欠損があると判断した場合(ステップS38においてYES)には、操作ディスプレイ12にプレビュー画面を表示する(ステップS40)。
【0131】
一方、通知部44は、データ欠損がないと判断した場合(ステップS38においてNO)には、ステップS46に進み、コピー処理(印刷)を実行する。
【0132】
図13を用いて、図10に示すフローチャートのステップS40で通知部44により表示されるプレビュー画面600について説明する。
【0133】
図13を参照して、ここでは、操作ディスプレイ12にプレビュー画面600が表示されている場合が示されている。
【0134】
当該プレビュー画面600において、「画像の一部が欠損しています。印刷しますか?」とのメッセージの表示とともに、取得した合成原稿画像データに基づくプレビュー画像602が表示される。なお、プレビュー画像602では、欠損検出画像が埋め込まれた領域がハッチング表示され、同時にデータ欠損が発生した箇所にマーク(欠損部分位置603「×」が表示される。
【0135】
ユーザは、プレビュー画面600に設けられた「印刷」ボタン604を押下することで合成原稿画像のコピーをMFP1に実行させることができる。また、ユーザは、「Cancel」ボタン606を押下することで合成原稿画像のプリントを取り止めることができる。
【0136】
図10に戻り、ステップS42において、制御部20は、印刷指示が有るかどうかを判断する。具体的には、制御部20は、図13に示すプレビュー画面600において、ユーザからの「印刷」ボタン604の押下が有るかどうかを判断する。
【0137】
印刷指示が有る場合(ステップS42においてYES)、すなわち、「印刷」ボタン604の押下が有る場合には、制御部20は、合成原稿画像に基づくコピー処理(印刷)を実行する(ステップS46)。すなわち、ステップS31で取得した画像に基づいて、コピージョブがプリンタ14に送信されて、プリンタ14において合成原稿画像が記録シートに印刷される。
【0138】
一方、印刷指示が無い場合(ステップS42においてNO)、すなわち、「Cancel」ボタン606が押下された場合には、制御部20は、ステップS31で読み取った合成原稿画像に関するコピージョブを削除する(ステップS44)。そして、処理を終了する(エンド)。
【0139】
すなわち、ユーザは、プレビュー画面600において、データ欠損が有ることを確認して、データ欠損が有る画像データについてコピー処理(印刷)を続行するべきか、あるいは、データ欠損が有る画像データであるため当該コピージョブを削除して再度、画像データの読み取りをやり直すかを判断することが可能である。
【0140】
本発明の実施の形態においては、原稿画像にデータ欠損を判定するための欠損検出画像を重ねて合成して印刷した合成原稿を生成し、当該合成原稿をコピーする際に、欠損検出画像のデータ欠損を判定することにより下地部分の原稿画像のコピー画像にデータ欠損が生じているかどうかを簡易に判定することが可能である。また、欠損検出画像の埋め込み領域が指定できるため、画像データの全領域について一律にデータ欠損の有無を判断する必要は無く、MFP1の処理負荷を軽減することが可能となる。
【0141】
なお、上記においては、一例として、MFP1におけるコピー機能を利用した場合において、合成原稿画像に含まれている欠損検出画像を検出して、データ欠損を判定する方式について説明したが、たとえば、スキャン機能およびメール機能を相互に関連付けて利用する、スキャナで取得した画像データを添付のファイルデータとしてE−mail送信する機能(単に、スキャンtoE−mailとも称する)等を実行する場合においても適用可能である。具体的には、スキャナで取得した画像データに対して合成原稿画像が含まれている欠損検出画像を検出して、データ欠損を判定して、判定の有無に従って、E−mail送信する前にプレビュー画面を表示して、ユーザにE−mail送信するか、再度、スキャンをやり直すかを判断させるようにすればよい。また、スキャンtoE−mailに限られず、スキャンした画像データのネットワークを介する転送あるいは送信に関する機能を用いる際にも同様に適用可能である。また、スキャン機能のみならず、FAX機能を利用する場合においてもスキャン機能と同様に、取得した画像データに対して合成原稿画像に含まれている欠損検出画像を検出して、データ欠損を判定して、判定の有無に従って、FAX送信する前にプレビュー画面を表示して、ユーザにFAX送信を続行するか、再度、FAX機能の読み取りをやり直すかを判断させるようにすればよい。
【0142】
なお、上記において、属性情報である欠損検出画像情報に欠損検出画像に配置した文字の数(埋め込み数)を登録することとしたが、例えば、配置した文字の最後に終端を示す所定のデータ(マーク)を埋め込むようにしても良い。当該方式により、欠損検出画像情報として、埋め込み個数を記憶しておく必要は無く、所定のデータ(マーク)まで正常に判定することができればデータ欠損無しと判定し、所定のデータ(マーク)まで正常に判定できなければデータ欠損有と判定するようにしても良い。
【0143】
なお、コンピュータを機能させて、上述のフローで説明したような制御を実行させる方法あるいは当該方法を実現するプログラムを提供することもできる。このようなプログラムは、コンピュータに付属するフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびメモリカードなどの一時的でないコンピュータ読取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピュータに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
【0144】
なお、プログラムは、コンピュータのオペレーションシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0145】
また、本発明にかかるプログラムは他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0146】
提供されるプログラム製品は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストールされて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記録された記録媒体とを含む。
【0147】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0148】
1 MFP、10 操作パネル、11 操作部、11a キー、12 操作ディスプレイ、13 スキャナ、14 プリンタ、15 メーラ、16 ファクシミリ、17 フィーダ、18 給紙部、19 トレイ、20 制御部、21 内部バス、26 記憶部、28 RAM、30 ROM、32 HDD、34 通信I/F。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿画像を取得する読取手段と、
前記読取手段により取得された第1の原稿画像の中に、データ欠損を判定するための画像である欠損検出画像が合成されているか否かを判断する欠損検出画像判定手段と、
前記欠損検出画像判定手段により前記第1の原稿画像に欠損検出画像が合成されていると判断された場合には、前記第1の原稿画像から欠損検出画像を抽出して、抽出した欠損検出画像にデータ欠損が存在しているか否かを判断するデータ欠損検出手段と、
前記データ欠損検出手段の判断結果に基づいてユーザにデータ欠損を通知する通知手段とを備える、画像形成装置。
【請求項2】
前記通知手段は、ユーザに前記欠損検出画像のデータ欠損箇所をプレビュー表示する、請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
第2の原稿画像の所定の領域に前記欠損検出画像を合成する合成手段をさらに備える、請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記合成手段は、前記第2の原稿画像の全面あるいは一部領域に前記欠損検出画像を合成する、請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記合成手段は、前記欠損検出画像を合成する際、前記第2の原稿画像の所定領域に前記欠損検出画像の合成の有無を識別するための判定データを判定画像としてさらに合成し、
前記欠損検出画像判定手段は、前記読取手段により取得された前記第1の原稿画像に含まれる前記判定データの有無に従って前記欠損検出画像が合成されているか否かを判断する、請求項3記載の画像形成装置。
【請求項6】
ユーザの入力に従って前記欠損検出画像を生成する欠損検出画像生成手段をさらに備える、請求項1記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記欠損検出画像生成手段は、ユーザが入力した文字列を所定の規則で配列した前記欠損検出画像を生成する、請求項6記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記データ欠損検出手段は、前記欠損検出画像生成手段により前記欠損検出画像を生成する際に用いられたユーザの入力情報に基づいて抽出された欠損検出画像にデータ欠損が存在しているか否かを判断する、請求項7記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記データ欠損判断手段は、抽出された欠損検出画像にユーザが入力した文字列が所定の規則で配列されているか否かを判断し、
所定の規則で配列されていない場合には、データ欠損が存在していると判断する、請求項8記載の画像形成装置。
【請求項10】
画像形成装置において実行される画像形成方法であって、
原稿画像を取得するステップと、
取得された第1の原稿画像の中に、データ欠損を判定するための画像である欠損検出画像が合成されているか否かを判断するステップと、
前記第1の原稿画像に欠損検出画像が合成されていると判断された場合には、前記第1の原稿画像から欠損検出画像を抽出するステップと、
抽出した欠損検出画像にデータ欠損が存在しているか否かを判断するステップと、
前記データ欠損が存在しているか否かの判断結果に基づいてユーザにデータ欠損を通知するステップとを備える、画像形成方法。
【請求項11】
画像形成装置のコンピュータに、
原稿画像を取得するステップと、
取得された第1の原稿画像の中に、データ欠損を判定するための画像である欠損検出画像が合成されているか否かを判断するステップと、
前記第1の原稿画像に欠損検出画像が合成されていると判断された場合には、前記第1の原稿画像から欠損検出画像を抽出するステップと、
抽出した欠損検出画像にデータ欠損が存在しているか否かを判断するステップと、
前記データ欠損が存在しているか否かの判断結果に基づいてユーザにデータ欠損を通知するステップとを備える、処理を実行させる、画像形成装置を制御する制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−130301(P2011−130301A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−288435(P2009−288435)
【出願日】平成21年12月18日(2009.12.18)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】