説明

画像形成装置、画像形成方法及びプログラム

【課題】見出し文字の見栄えを良くする。
【解決手段】複数の用紙を綴じて形成される冊子をめくり方向に沿って湾曲させた際に当該冊子の小口側の紙端の重なり部分に見出し文字が現れるように複数の用紙に印刷を行う画像形成装置において、各章に対応する複数の見出し文字データを同一の文字サイズでラスタライズして複数の見出し文字画像を生成し、当該生成された複数の見出し文字画像を印刷幅データに従った印刷幅で予め定められた方向に順次スライスし、各章のページ範囲データに基づいて、複数の章毎に、当該章のページ範囲に属する各本文画像の冊子の小口側の端部に、当該章に対応するスライスされた見出し文字画像のそれぞれを合成し、印刷部を制御して合成された画像を複数の用紙に印刷する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、辞書の見出し文字等、複数の用紙を綴じて形成される冊子の綴じ側と反対側である小口側の端面に文字が現れるように、各ページの小口側の端部に文字を分割して印刷する技術が用いられている。この方法は、冊子の厚さが文字列の幅以上である必要があるため、薄い冊子には適用することはできない。
【0003】
冊子に十分な厚さがない場合には、冊子をめくり方向に沿って湾曲させ、冊子全体を反らせた際に、冊子の小口側の紙端の重なり部分に文字が現れるように、各ページの小口側の端部に文字を分割して印刷するものが知られている(特許文献1参照)。
【特許文献1】米国特許第7349651号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、冊子の内容が複数の区分(章等)に区分けされている場合、冊子をめくり方向に沿って湾曲させた際に冊子の小口側の紙端の重なり部分に文字が現れるように複数の用紙に印刷を行う方法を用いて、各区分に対応するページ範囲に各区分に対応する見出し文字(章の名称等)を印刷する際には、各区分に対応するページ数によって見出し文字を印刷できる幅が異なる。このため、印刷する文字サイズを各区分の幅に合わせると、区分毎にページ数が異なる場合には、見出し文字の大きさが区分毎に異なることとなり、見栄えが悪かった。
【0005】
本発明は上記の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、見出し文字の見栄えを良くすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、複数の用紙を綴じて形成される冊子をめくり方向に沿って湾曲させた際に当該冊子の小口側の紙端の重なり部分に見出し文字が現れるように前記複数の用紙に印刷を行う画像形成装置であって、複数のページのそれぞれの印刷内容を示す本文データ、前記複数のページを複数の区分に区分けした区分毎のページ範囲を示すページ範囲データ、前記複数の区分のそれぞれに対応する複数の見出し文字データ、及び、前記冊子の小口側の辺と垂直な方向における印刷幅を示す印刷幅データを受信する通信部と、前記受信された各ページの本文データをラスタライズして本文画像を生成し、前記受信された複数の見出し文字データを同一の文字サイズでラスタライズして複数の見出し文字画像を生成し、当該生成された複数の見出し文字画像を前記受信された印刷幅データに従った印刷幅で予め定められた方向に順次スライスし、前記受信されたページ範囲データに基づいて、前記複数の区分毎に、当該区分のページ範囲に属する各本文画像の前記冊子の小口側の端部に、当該区分に対応する前記スライスされた見出し文字画像のそれぞれを合成し、印刷部を制御して前記合成された画像を前記複数の用紙に印刷させる制御部と、を備える。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記同一の文字サイズは、前記複数の区分毎のページ範囲のうち最もページ数が少ない区分のページ範囲に印刷可能な最大の文字サイズである。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記通信部は、さらに、ユーザにより指定された文字サイズを示す指定文字サイズデータを受信し、前記同一の文字サイズは、前記受信された指定文字サイズデータに従った文字サイズである。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の画像形成装置において、前記制御部は、さらに、前記受信されたページ範囲データに基づいて、前記複数の区分毎に、当該区分のページ範囲に属する各本文画像の前記冊子の小口側の端部に、当該区分のページ範囲を示す識別画像を合成する。
【0010】
請求項5に記載の発明は、複数の用紙を綴じて形成される冊子をめくり方向に沿って湾曲させた際に当該冊子の小口側の紙端の重なり部分に見出し文字が現れるように前記複数の用紙に印刷を行う画像形成装置であって、複数のページのそれぞれの印刷内容を示す本文データ、前記複数のページを複数の区分に区分けした区分毎のページ範囲を示すページ範囲データ、前記複数の区分のそれぞれに対応する複数の見出し文字データ、及び、前記冊子の小口側の辺と垂直な方向における印刷幅を示す印刷幅データを受信する通信部と、前記受信された各ページの本文データをラスタライズして本文画像を生成し、前記受信された複数の見出し文字データを同一の文字サイズでラスタライズして複数の見出し文字画像を生成し、当該生成された複数の見出し文字画像を前記受信された印刷幅データに従った印刷幅で予め定められた方向に順次スライスし、前記受信されたページ範囲データに基づいて、前記複数の区分毎に、当該区分のページ範囲に属する各本文画像の前記冊子の小口側の端部に、当該区分のページ範囲を示す識別画像を合成するとともに、当該区分のページ範囲に隣接する複数のページに属する各本文画像の前記冊子の小口側の端部に、当該区分に対応する前記スライスされた見出し文字画像のそれぞれを合成し、印刷部を制御して前記合成された画像を前記複数の用紙に印刷させる制御部と、を備える。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の画像形成装置において、前記通信部は、さらに、ユーザにより指定された文字サイズを示す指定文字サイズデータを受信し、前記同一の文字サイズは、前記受信された指定文字サイズデータに従った文字サイズである。
【0012】
請求項7に記載の発明は、複数の用紙を綴じて形成される冊子をめくり方向に沿って湾曲させた際に当該冊子の小口側の紙端の重なり部分に見出し文字が現れるように前記複数の用紙に印刷を行う画像形成方法であって、通信部により、複数のページのそれぞれの印刷内容を示す本文データ、前記複数のページを複数の区分に区分けした区分毎のページ範囲を示すページ範囲データ、前記複数の区分のそれぞれに対応する複数の見出し文字データ、及び、前記冊子の小口側の辺と垂直な方向における印刷幅を示す印刷幅データを受信し、制御部により、前記受信された各ページの本文データをラスタライズして本文画像を生成し、前記受信された複数の見出し文字データを同一の文字サイズでラスタライズして複数の見出し文字画像を生成し、当該生成された複数の見出し文字画像を前記受信された印刷幅データに従った印刷幅で予め定められた方向に順次スライスし、前記受信されたページ範囲データに基づいて、前記複数の区分毎に、当該区分のページ範囲に属する各本文画像の前記冊子の小口側の端部に、当該区分に対応する前記スライスされた見出し文字画像のそれぞれを合成し、印刷部を制御して前記合成された画像を前記複数の用紙に印刷させる。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の画像形成方法において、前記同一の文字サイズは、前記複数の区分毎のページ範囲のうち最もページ数が少ない区分のページ範囲に印刷可能な最大の文字サイズである。
【0014】
請求項9に記載の発明は、請求項7に記載の画像形成方法において、前記通信部により、さらに、ユーザにより指定された文字サイズを示す指定文字サイズデータを受信し、前記同一の文字サイズは、前記受信された指定文字サイズデータに従った文字サイズである。
【0015】
請求項10に記載の発明は、請求項7から9のいずれか一項に記載の画像形成方法において、前記制御部により、さらに、前記受信されたページ範囲データに基づいて、前記複数の区分毎に、当該区分のページ範囲に属する各本文画像の前記冊子の小口側の端部に、当該区分のページ範囲を示す識別画像を合成する。
【0016】
請求項11に記載の発明は、複数の用紙を綴じて形成される冊子をめくり方向に沿って湾曲させた際に当該冊子の小口側の紙端の重なり部分に見出し文字が現れるように前記複数の用紙に印刷を行う画像形成方法であって、通信部により、複数のページのそれぞれの印刷内容を示す本文データ、前記複数のページを複数の区分に区分けした区分毎のページ範囲を示すページ範囲データ、前記複数の区分のそれぞれに対応する複数の見出し文字データ、及び、前記冊子の小口側の辺と垂直な方向における印刷幅を示す印刷幅データを受信し、制御部により、前記受信された各ページの本文データをラスタライズして本文画像を生成し、前記受信された複数の見出し文字データを同一の文字サイズでラスタライズして複数の見出し文字画像を生成し、当該生成された複数の見出し文字画像を前記受信された印刷幅データに従った印刷幅で予め定められた方向に順次スライスし、前記受信されたページ範囲データに基づいて、前記複数の区分毎に、当該区分のページ範囲に属する各本文画像の前記冊子の小口側の端部に、当該区分のページ範囲を示す識別画像を合成するとともに、当該区分のページ範囲に隣接する複数のページに属する各本文画像の前記冊子の小口側の端部に、当該区分に対応する前記スライスされた見出し文字画像のそれぞれを合成し、印刷部を制御して前記合成された画像を前記複数の用紙に印刷させる。
【0017】
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の画像形成方法において、前記通信部により、さらに、ユーザにより指定された文字サイズを示す指定文字サイズデータを受信し、前記同一の文字サイズは、前記受信された指定文字サイズデータに従った文字サイズである。
【0018】
請求項13に記載の発明は、複数の用紙を綴じて形成される冊子をめくり方向に沿って湾曲させた際に当該冊子の小口側の紙端の重なり部分に見出し文字が現れるように前記複数の用紙に印刷を行うコンピュータを、複数のページのそれぞれの印刷内容を示す本文データ、前記複数のページを複数の区分に区分けした区分毎のページ範囲を示すページ範囲データ、前記複数の区分のそれぞれに対応する複数の見出し文字データ、及び、前記冊子の小口側の辺と垂直な方向における印刷幅を示す印刷幅データを受信する通信部、前記受信された各ページの本文データをラスタライズして本文画像を生成し、前記受信された複数の見出し文字データを同一の文字サイズでラスタライズして複数の見出し文字画像を生成し、当該生成された複数の見出し文字画像を前記受信された印刷幅データに従った印刷幅で予め定められた方向に順次スライスし、前記受信されたページ範囲データに基づいて、前記複数の区分毎に、当該区分のページ範囲に属する各本文画像の前記冊子の小口側の端部に、当該区分に対応する前記スライスされた見出し文字画像のそれぞれを合成し、印刷部を制御して前記合成された画像を前記複数の用紙に印刷させる制御部、として機能させるためのプログラムである。
【0019】
請求項14に記載の発明は、複数の用紙を綴じて形成される冊子をめくり方向に沿って湾曲させた際に当該冊子の小口側の紙端の重なり部分に見出し文字が現れるように前記複数の用紙に印刷を行うコンピュータを、複数のページのそれぞれの印刷内容を示す本文データ、前記複数のページを複数の区分に区分けした区分毎のページ範囲を示すページ範囲データ、前記複数の区分のそれぞれに対応する複数の見出し文字データ、及び、前記冊子の小口側の辺と垂直な方向における印刷幅を示す印刷幅データを受信する通信部、前記受信された各ページの本文データをラスタライズして本文画像を生成し、前記受信された複数の見出し文字データを同一の文字サイズでラスタライズして複数の見出し文字画像を生成し、当該生成された複数の見出し文字画像を前記受信された印刷幅データに従った印刷幅で予め定められた方向に順次スライスし、前記受信されたページ範囲データに基づいて、前記複数の区分毎に、当該区分のページ範囲に属する各本文画像の前記冊子の小口側の端部に、当該区分のページ範囲を示す識別画像を合成するとともに、当該区分のページ範囲に隣接する複数のページに属する各本文画像の前記冊子の小口側の端部に、当該区分に対応する前記スライスされた見出し文字画像のそれぞれを合成し、印刷部を制御して前記合成された画像を前記複数の用紙に印刷させる制御部、として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0020】
請求項1、7、13に記載の発明によれば、区分毎のページ範囲内に各区分に対応する見出し文字画像を同一の文字サイズで印刷するので、見出し文字の見栄えを良くすることができる。
【0021】
請求項2、8に記載の発明によれば、複数の区分毎のページ範囲のうち最もページ数が少ない区分のページ範囲に印刷可能な最大の文字サイズで見出し文字画像を印刷するので、文字サイズの指定が不要となる。
【0022】
請求項3、9に記載の発明によれば、指定文字サイズデータに従った文字サイズで見出し文字画像を印刷するので、ユーザによる文字サイズの指定が可能となる。
【0023】
請求項4、10に記載の発明によれば、識別画像を印刷することにより、各区分のページ範囲を示すことができる。
【0024】
請求項5、11、14に記載の発明によれば、区分毎のページ範囲内に識別画像を印刷するとともに、識別画像と隣接する位置に各区分に対応する見出し文字画像を同一の文字サイズで印刷するので、各区分のページ範囲を示しつつ、見出し文字の見栄えを良くすることができる。
【0025】
請求項6、12に記載の発明によれば、指定文字サイズデータに従った文字サイズで見出し文字画像を印刷するので、ユーザによる文字サイズの指定が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
[第1の実施の形態]
まず、図1〜図13を参照して、本発明の第1の実施の形態について説明する。
図1に、第1の実施の形態における画像形成システム1のシステム構成を示す。図1に示すように、画像形成システム1は、クライアントPC(Personal Computer)10と、画像形成装置20とから構成されており、各装置は、通信ネットワークNを介してデータ通信可能に接続されている。
【0027】
クライアントPC10は、一般的なPCから構成され、画像形成装置20における印刷を指示するものである。クライアントPC10には、OS(Operating System)や、印刷する文書を作成するための文書作成プログラムがインストールされている。また、クライアントPC10には、作成した文書の印刷指示や印刷する文書の印刷方法の指定を行うためのプリンタドライバプログラムがインストールされている。クライアントPC10は、このプリンタドライバの機能を用いて、印刷実行時に適用される印刷条件や本文データ等を含む印刷データを生成し、画像形成装置20に送信する。
【0028】
画像形成装置20は、コピー機能、画像読取機能、プリンタ機能を備えた、所謂MFP(Multi-Function Peripheral)であって、画像データに基づいて用紙に画像を形成する。画像形成装置20には、クライアントPC10から送信された印刷データを受信し、ラスタデータへ展開するためのプリンタコントローラプログラムがインストールされている。
【0029】
図2に、クライアントPC10の機能的構成を示す。図2に示すように、クライアントPC10は、CPU(Central Processing Unit)11、操作部12、表示部13、通信部14、ROM(Read Only Memory)15、RAM(Random Access Memory)16、記憶部17を備え、各部はバス18により接続されて構成されている。
【0030】
CPU11は、クライアントPC10の各部の処理動作を統括的に制御する。具体的には、CPU11は、操作部12から入力される操作信号又は通信部14により受信した指示信号に応じて、ROM15又は記憶部17に格納されている各種処理プログラムを読み出してRAM16に展開し、当該プログラムとの協働により各種処理を行う。
【0031】
CPU11は、記憶部17からプリンタドライバプログラムを読み出してRAM16に展開し、当該プログラムとの協働により、印刷データを生成し、画像形成装置20における印刷を指示する。
【0032】
操作部12は、カーソルキー、文字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された指示信号をCPU11に出力する。
【0033】
表示部13は、LCD(Liquid Crystal Display)により構成され、CPU11から入力される表示信号の指示に従って、各種表示画面等を表示する。
【0034】
通信部14は、通信ネットワークNを介して接続された画像形成装置20等の外部機器との間でデータの送受信を行うための機能部である。
【0035】
ROM15は、不揮発性の半導体メモリ等により構成され、CPU11により実行される各種処理プログラム、各種データ等を記憶する。
【0036】
RAM16は、CPU11により実行される各種処理プログラム及びこれらプログラムに係るデータを一時的に記憶するワークエリアを形成する。
【0037】
記憶部17は、ハードディスク等から構成され、プリンタドライバプログラム等の各種プログラム、画像データ等の各種データを記憶する記憶装置である。
【0038】
図3に、画像形成装置20の機能的構成を示す。図3に示すように、画像形成装置20は、CPU21、操作部22、表示部23、画像読取部24、通信部25、ROM26、RAM27、印刷部28、記憶部29を備え、各部はバス30により接続されて構成されている。
【0039】
CPU21は、画像形成装置20の各部の処理動作を統括的に制御する。具体的には、CPU21は、操作部22から入力される操作信号又は通信部25により受信した指示信号に応じて、ROM26又は記憶部29に格納されている各種処理プログラムを読み出してRAM27に展開し、当該プログラムとの協働により各種処理を行う。
【0040】
CPU21は、記憶部29からプリンタコントローラプログラムを読み出してRAM27に展開し、当該プログラムとの協働により、印刷部28を制御して、クライアントPC10から受信した印刷データに従った印刷を行わせる。
【0041】
操作部22は、数字キーやスタートキー、リセットキー等の各種キーを有し、押下されたキーの押下信号をCPU21に出力する。また、操作部22は、表示部23と一体的に形成されたタッチパネルを備えており、ユーザの指先やタッチペン等により当接されたタッチパネル上の位置を検出して、位置信号をCPU21に出力する。
【0042】
表示部23は、LCD等により構成され、CPU21から入力される表示信号の指示に従って、操作部22からの入力指示やデータ等を表示する。
【0043】
画像読取部24は、原稿画像を読み取って画像データを生成する所謂スキャナであり、原稿を載置するプラテンガラス、プラテンガラス上の原稿画像を走査し、これをCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ上に結像する走査光学系を備えている。画像読取部24は、CCDイメージセンサで読み取った原稿画像に基づいて生成された画像信号をA/D変換して画像データを生成する。
【0044】
通信部25は、通信ネットワークNを介して接続されたクライアントPC10等の外部機器との間でデータの送受信を行うための機能部である。
【0045】
ROM26は、不揮発性の半導体メモリ等により構成され、CPU21により実行される各種処理プログラム、各種データ等を記憶する。
【0046】
RAM27は、CPU21により実行される各種処理プログラム及びこれらプログラムに係るデータを一時的に記憶するワークエリアを形成する。
【0047】
印刷部28は、電子写真方式、静電記録方式、熱転写方式等の作像プロセスを利用して用紙上に画像を印刷する。例えば、印刷部28は、感光体、転写ベルト、定着器、各種搬送ベルト等を備える。印刷部28は、CPU21の指示に従い、画像データに基づいて用紙上に画像を印刷する。
【0048】
記憶部29は、ハードディスク等の記憶装置であり、プリンタコントローラプログラム等の各種プログラム、通信部25によりクライアントPC10から受信された印刷データ、画像読取部24により読み取られた画像データ等を記憶する。
【0049】
次に、クライアントPC10における曲げ見出し印刷の設定について説明する。曲げ見出し印刷とは、複数の用紙を綴じて形成される冊子をめくり方向に沿って湾曲させた際に当該冊子の小口側の紙端の重なり部分に見出し文字が現れるように複数の用紙に印刷を行うことをいう。見出し文字とは、冊子を構成する複数のページを複数の区分に区分けした場合に、各区分に対応する見出しとして設定された文字をいう。見出し文字は、文字に限らず、数字、記号、符号等であってもよい。曲げ見出し印刷の設定は、クライアントPC10のプリンタドライバ機能において、印刷対象となる文書等の印刷を指示する際に行われる。
【0050】
図4に、クライアントPC10のCPU11とプリンタドライバプログラムとの協働により表示部13に表示される曲げ見出し印刷設定画面40の例を示す。曲げ見出し印刷設定画面40には、曲げ見出しチェックボックス41、章設定/見出し文字表示領域42、追加ボタン43、両面見出しチェックボックス44、添え字見出しチェックボックス45、1枚当りの印刷幅指定領域46、フォント名指定領域47、文字サイズ指定チェックボックス48、文字サイズ指定領域49、最大文字サイズ表示領域50、プレビュー表示領域51、OKボタン52等が含まれる。ここでは、冊子を構成する複数のページを複数の区分に区分けする単位として章を採用した場合を例にして説明する。
【0051】
曲げ見出しチェックボックス41は、曲げ見出し印刷を行うか否かを設定するためのものである。ユーザは、曲げ見出し印刷を行う場合には、操作部12からの操作により、曲げ見出しチェックボックス41をオンに設定する。曲げ見出しチェックボックス41の設定内容は、CPU11により、RAM16に格納される。
【0052】
章設定/見出し文字表示領域42は、各章に対応する章番号、ページ範囲、見出し文字が表示される領域である。章番号は、印刷される文書等の複数のページを複数の章に区分けした際に、各章に対して付与される番号である。ページ範囲は、各章が文書中の何ページから何ページまでかを示すものである。図4に示す例では、1ページから10ページまでが「一章」であり、11ページから19ページまでが「二章」であり、20ページから35ページまでが「三章」であり、36ページから45ページまでが「四章」であり、46ページから55ページまでが「五章」である。
【0053】
追加ボタン43は、印刷すべき見出し文字を追加する際に押下されるボタンである。ユーザの操作部12からの操作により、追加ボタン43が押下されると、CPU11により、図5に示す曲げ見出し追加画面60が表示部13に表示される。曲げ見出し追加画面60には、開始ページ指定領域61、終了ページ指定領域62、見出し文字指定領域63、OKボタン64等が含まれる。
【0054】
開始ページ指定領域61は、追加される章のページ範囲の開始ページを指定するための領域である。終了ページ指定領域62は、追加される章のページ範囲の終了ページを指定するための領域である。見出し文字指定領域63は、追加される章に対応する見出し文字を指定するための領域である。OKボタン64は、開始ページ指定領域61、終了ページ指定領域62、見出し文字指定領域63に入力された内容を確定するためのボタンである。
【0055】
曲げ見出し追加画面60において、ユーザの操作部12からの操作により、追加される章のページ範囲が開始ページ指定領域61及び終了ページ指定領域62に入力され、追加される章に対応する見出し文字が見出し文字指定領域63に入力され、OKボタン64が押下されると、CPU11により、追加される章のページ範囲を示すページ範囲データ及び追加される章に対応する見出し文字データがRAM16に格納される。そして、CPU11により、追加された内容が章設定/見出し文字表示領域42に表示される。
【0056】
なお、ここでは、曲げ見出し追加画面60において、見出し文字を指定する場合について説明したが、文字だけでなく、ビットマップ画像等を見出し画像として指定することとしてもよい。また、冊子の開始ページや終了ページに近い部分には、目次や索引等のいずれの章にも属さないページが存在する場合があるため、冊子の開始ページや終了ページを指定可能としてもよい。
【0057】
両面見出しチェックボックス44は、曲げ見出し印刷を用紙の両面に行うか否かを設定するためのものである。ユーザは、曲げ見出し印刷を用紙の両面に行う場合には、操作部12からの操作により、両面見出しチェックボックス44をオンに設定する。両面見出しチェックボックス44の設定内容は、CPU11により、RAM16に格納される。
【0058】
添え字見出しチェックボックス45は、添え字見出し印刷を行うか否かを設定するためのものである。ユーザは、添え字見出し印刷を行う場合には、操作部12からの操作により、添え字見出しチェックボックス45をオンに設定する。添え字見出しチェックボックス45の設定内容は、CPU11により、RAM16に格納される。添え字見出し印刷の詳細については、第3の実施の形態で説明する。
【0059】
1枚当りの印刷幅指定領域46は、用紙1枚当りに見出し文字を印刷する幅(冊子の小口側の辺と垂直な方向における印刷幅)を指定するための領域である。ユーザは、操作部12からの操作により、1枚当りの印刷幅を指定する。1枚当りの印刷幅を示す印刷幅データは、CPU11により、RAM16に格納される。
【0060】
フォント名指定領域47は、見出し文字に使用されるフォント名を指定するための領域である。ユーザは、操作部12からの操作により、フォント名指定領域47のプルダウンメニューにおいて、フォント名を指定する。指定されたフォント名を示すフォント名データは、CPU11により、RAM16に格納される。
【0061】
文字サイズ指定チェックボックス48は、見出し文字の文字サイズをユーザが指定するか、自動で算出するかを設定するためのものである。見出し文字の文字サイズをユーザが指定する場合には、操作部12からの操作により、文字サイズ指定チェックボックス48をオンに設定する。文字サイズ指定チェックボックス48の設定内容は、CPU11により、RAM16に格納される。
【0062】
文字サイズ指定領域49は、文字サイズ指定チェックボックス48がオンに設定された場合に、見出し文字の文字サイズを指定するための領域である。ユーザは、操作部12からの操作により、文字サイズ指定領域49に文字サイズを指定する。指定された文字サイズを示す指定文字サイズデータは、CPU11により、RAM16に格納される。
【0063】
最大文字サイズ表示領域50は、文字サイズ指定チェックボックス48がオンに設定された場合に、見出し文字の文字サイズとして指定可能な最大の文字サイズが表示される領域である。
【0064】
クライアントPC10のCPU11は、プリンタドライバプログラムとの協働により、曲げ見出し印刷設定画面40にて指定されている章毎のページ範囲、1枚当りの印刷幅、本文印刷設定において本文の両面印刷が指定されているか否かに基づいて、見出し文字の最大文字サイズを算出し、最大文字サイズ表示領域50に表示させる。このとき、CPU11は、各章のページ範囲に基づいて各章のページ数を算出し、最もページ数が少ない章のページ範囲に印刷可能な最大文字サイズを算出する。
【0065】
本文印刷設定において本文の両面印刷が指定されていない場合、すなわち、用紙1枚が1ページに相当する場合には、CPU11は、
最大文字サイズ[point]=(最もページ数が少ない章のページ数[頁]×1枚当りの印刷幅[mm]−文字余白[mm])×換算率[point/mm]
により、最大文字サイズを算出する。ここで、文字余白とは、見出し文字の外側の余白をいう。また、換算率とは、単位を[mm]から[point]に変換するための値であって、2.83[point/mm]が用いられる。
【0066】
本文印刷設定において本文の両面印刷が指定されている場合、すなわち、用紙1枚が2ページに相当する場合には、CPU11は、
最大文字サイズ[point]={(最もページ数が少ない章のページ数[頁]÷2)×1枚当りの印刷幅[mm]−文字余白[mm]}×換算率[point/mm]
により、最大文字サイズを算出する。ここで、(最もページ数が少ない章のページ数[頁]÷2)が割り切れない場合には、切り上げることとする。
【0067】
また、CPU11は、算出した最大文字サイズより大きい文字サイズが設定されないように、曲げ見出し印刷設定画面40の最大文字サイズ表示領域50に最大文字サイズを表示して警告を行うだけでなく、曲げ見出し印刷設定画面40の文字サイズ指定領域49において、最大文字サイズより大きい文字サイズを指定できないようにしてもよい。例えば、CPU11は、プルダウンメニューにおいて、最大文字サイズより大きい文字サイズを表示させないこととしてもよい。
【0068】
プレビュー表示領域51は、曲げ見出し印刷のプレビュー画像を表示するための領域である。CPU11は、曲げ見出し印刷設定画面40の設定内容に基づいて、曲げ見出し印刷の仕上がり状態を示すプレビュー画像を生成し、このプレビュー画像をプレビュー表示領域51に表示する。
【0069】
OKボタン52は、曲げ見出し印刷設定画面40において設定された内容を確定するためのボタンである。
【0070】
クライアントPC10のプリンタドライバ機能において、操作部12からの操作により、印刷が指示された場合、CPU11は、複数のページのそれぞれの印刷内容を示す本文データ及び本文データの印刷条件を示す本文印刷設定情報を含む印刷データ(PDLデータ)を生成し、画像形成装置20に送信する。本文印刷設定情報には、本文の両面印刷指定の有無等が含まれる。
【0071】
曲げ見出し印刷が設定された場合には、CPU11は、本文データ、本文印刷設定情報、曲げ見出し印刷条件を示す曲げ見出し印刷設定情報を含む印刷データ(PDLデータ)を生成し、画像形成装置20に送信する。曲げ見出し印刷設定情報には、各章のページ範囲データ、各章のそれぞれに対応する複数の見出し文字データ、両面見出し指定の有無、印刷幅データ、フォント名データ、見出し文字の文字サイズ指定の有無が含まれる。文字サイズ指定チェックボックス48がオンに設定された場合、すなわち、見出し文字の文字サイズの指定がある場合には、曲げ見出し印刷設定情報には、さらに、指定された見出し文字の文字サイズを示す指定文字サイズデータが含まれる。
【0072】
次に、画像形成装置20における動作について説明する。
図6は、画像形成装置20において実行される第1の見出し印刷処理を示すフローチャートである。この処理は、複数の用紙を綴じて形成される冊子をめくり方向に沿って湾曲させた際に当該冊子の小口側の紙端の重なり部分に見出し文字が現れるように複数の用紙に印刷を行う処理であって、CPU21と記憶部29に記憶されているプリンタコントローラプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0073】
まず、画像形成装置20において、通信部25により、クライアントPC10から送信された印刷データ(PDLデータ)が受信される(ステップS1)。
【0074】
次に、CPU21により、受信された印刷データが解析され、印刷データの中に曲げ見出し印刷設定情報が含まれるか否かが判断される(ステップS2)。印刷データの中に曲げ見出し印刷設定情報が含まれると判断された場合には(ステップS2;YES)、CPU21により、第1の見出しラスタライズ処理が行われる(ステップS3)。
【0075】
ここで、図7を参照して、第1の見出しラスタライズ処理について説明する。
CPU21により、印刷データの中の曲げ見出し印刷設定情報において見出し文字の文字サイズの指定があるか否かが判断される(ステップS11)。
【0076】
見出し文字の文字サイズの指定があると判断された場合には(ステップS11;YES)、CPU21により、印刷データ中の曲げ見出し印刷設定情報から指定文字サイズデータが取得される(ステップS12)。取得された指定文字サイズデータは、CPU21により、RAM27に格納される。
【0077】
ステップS11において、見出し文字の文字サイズの指定がないと判断された場合には(ステップS11;NO)、CPU21により、見出し文字の文字サイズが算出される(ステップS13)。算出された文字サイズのデータは、CPU21により、RAM27に格納される。
【0078】
具体的には、CPU21により、曲げ見出し印刷設定情報に含まれる章毎のページ範囲データ、印刷幅データ、及び、本文印刷設定情報に含まれる本文の両面印刷指定の有無に基づいて、見出し文字の文字サイズが算出される。このとき、CPU21により、各章のページ範囲に基づいて各章のページ数が算出され、最もページ数が少ない章のページ範囲に印刷可能な最大の文字サイズが算出される。すなわち、他の章も、最もページ数が少ない章に合わせた文字サイズで印刷されることになる。
【0079】
本文印刷設定情報において本文の両面印刷が指定されていない場合、すなわち、用紙1枚が1ページに相当する場合には、CPU21は、
文字サイズ[point]=(最もページ数が少ない章のページ数[頁]×1枚当りの印刷幅[mm]−文字余白[mm])×換算率[point/mm]
により、文字サイズを算出する。
【0080】
本文印刷設定情報において本文の両面印刷が指定されている場合、すなわち、用紙1枚が2ページに相当する場合には、CPU21は、
文字サイズ[point]={(最もページ数が少ない章のページ数[頁]÷2)×1枚当りの印刷幅[mm]−文字余白[mm]}×換算率[point/mm]
により、文字サイズを算出する。ここで、(最もページ数が少ない章のページ数[頁]÷2)が割り切れない場合には、切り上げることとする。
【0081】
ステップS12又はステップS13の後、CPU21により、取得された指定文字サイズデータ又は算出された文字サイズ、曲げ見出し印刷設定情報に含まれるフォント名データに基づいて、曲げ見出し印刷設定情報に含まれる複数の見出し文字データが、指定されたフォント名、同一の文字サイズでラスタライズされ、複数の見出し文字画像が生成される(ステップS14)。具体的に、見出し文字の文字サイズの指定がある場合には(ステップS11;YES)、CPU21により、ステップS12で取得された指定文字サイズデータに従った文字サイズで各章に対応する見出し文字データがラスタライズされ(ステップS14)、見出し文字の文字サイズの指定がない場合には(ステップS11;NO)、CPU21により、ステップS13で算出された文字サイズで各章に対応する見出し文字データがラスタライズされる(ステップS14)。見出し文字画像のラスタデータは、CPU21により、RAM27に格納される。図8(a)及び(b)に、見出し文字画像の例を示す。図8(a)及び(b)は、「一章」という見出し文字を構成する各文字を上から下に向かって配置したものである。図8(a)は、文字の周囲に余白がない場合の見出し文字画像70であり、図8(b)は、文字の周囲に余白がある場合の見出し文字画像71である。
【0082】
次に、図6に戻り、CPU21により、ラスタライズ済みの見出し文字画像が、曲げ見出し印刷設定情報に含まれる印刷幅データに従った印刷幅で予め定められた方向に順次スライスされる(ステップS4)。スライスされた見出し文字画像のラスタデータは、CPU21により、RAM27に格納される。図9に、図8(a)に示す見出し文字画像70を印刷幅データに従った印刷幅で縦方向にスライスしたスライス画像70a,70b,70c,70dを示す。
【0083】
次に、CPU21により、各ページの本文データがラスタライズされ、本文画像が生成される(ステップS5)。本文画像のラスタデータは、CPU21により、RAM27に格納される。
【0084】
次に、CPU21により、スライスされた見出し文字画像のそれぞれを本文画像に合成する見出し文字合成処理が行われる(ステップS6)。
【0085】
ここで、図10を参照して、見出し文字合成処理について説明する。
CPU21により、ページ範囲データに基づいて、複数の章毎に、章のページ範囲に属する各本文表面画像(用紙の表面に印刷される本文画像)の冊子の小口側の端部に、スライスされた見出し文字画像のそれぞれが合成される(ステップS21)。文字サイズに対して章のページ範囲が広い場合には、スライスされた見出し文字画像が合成されない本文表面画像も存在する。本文表面画像に対して、スライスされた見出し文字画像が合成される縦方向の位置は、例えば、用紙の縦幅を章の数で等分し、章の順序に従って順次シフトさせた位置とする。合成画像のラスタデータは、CPU21により、RAM27に格納される。図11に、スライス画像70a,70b,70c,70dを本文表面画像72a,72b,72c,72dに合成した例を示す。
【0086】
次に、CPU21により、曲げ見出し印刷設定情報において両面見出しの指定があるか否かが判断される(ステップS22)。両面見出しの指定があると判断された場合は(ステップS22;YES)、CPU21により、本文印刷設定情報において本文の両面印刷の指定があるか否かが判断される(ステップS23)。
【0087】
本文印刷設定情報において本文の両面印刷の指定がない場合には(ステップS23;NO)、CPU21により、印刷設定が両面印刷に変更される(ステップS24)。次いで、CPU21により、白紙画像が作成され、裏面原稿として本文に挿入される(ステップS25)。
【0088】
ステップS23において、本文印刷設定情報において本文の両面印刷の指定がある場合(ステップS23;YES)、又は、ステップS25の後、CPU21により、ページ範囲データに基づいて、複数の章毎に、章のページ範囲に属する各本文裏面画像(用紙の裏面に印刷される本文画像)の冊子の小口側の端部に、スライスされた見出し文字画像のそれぞれが合成される(ステップS26)。文字サイズに対して章のページ範囲が広い場合には、スライスされた見出し文字画像が合成されない本文裏面画像も存在する。本文裏面画像に対して、スライスされた見出し文字画像が合成される縦方向の位置は、例えば、用紙の縦幅を章の数で等分し、章の順序に従って順次シフトさせた位置とする。合成画像のラスタデータは、CPU21により、RAM27に格納される。図12に、スライス画像70a,70b,70c,70dを本文裏面画像73a,73b,73c,73dに合成した例を示す。両面見出しの指定がある場合には、印刷後に綴じられた冊子を、用紙の表面が凸になるように冊子を湾曲させた場合も、用紙の裏面が凸になるように冊子を湾曲させた場合も、冊子の小口側の紙端の重なり部分に同じ見出し文字が現れるように印刷される。
【0089】
ステップS26の後、又は、ステップS22において、両面見出しの指定がないと判断された場合には(ステップS22;NO)、見出し文字合成処理は終了し、図6のステップS7に移行する。
【0090】
図6に戻り、CPU21により印刷部28が制御され、各ページに対応するラスタデータに基づいて、見出し文字画像が合成された本文画像が用紙に印刷される(ステップS7)。
【0091】
ステップS2において、印刷データの中に曲げ見出し印刷設定情報が含まれないと判断された場合には(ステップS2;NO)、CPU21により、従来の印刷処理と同様に、本文データがラスタライズされ、本文画像が生成される(ステップS8)。そして、CPU21により印刷部28が制御され、各ページに対応する本文画像のラスタデータに基づいて、本文画像が用紙に印刷される(ステップS7)。
以上で、第1の見出し印刷処理が終了する。
【0092】
図13は、曲げ見出し印刷により各章の見出し文字(一章、二章、・・・)が印刷された例である。スライスした見出し文字画像を用紙の端部に印刷することで、複数の用紙を綴じた冊子をめくり方向に沿って湾曲させた際に見出し文字が現れるように印刷することができる。
【0093】
以上説明したように、第1の実施の形態によれば、章毎のページ範囲内に各章に対応する見出し文字画像を同一の文字サイズで印刷するので、見出し文字の見栄えを良くすることができる。
【0094】
また、複数の章毎のページ範囲のうち最もページ数が少ない章のページ範囲に印刷可能な最大の文字サイズで見出し文字画像を印刷する場合には、文字サイズの指定が不要となる。
【0095】
また、指定文字サイズデータに従った文字サイズで見出し文字画像を印刷する場合には、ユーザによる文字サイズの指定が可能となる。
【0096】
また、各章のページ範囲の境界位置に、色や材質の異なる用紙を挿入することにより、各章のページ範囲を示すことができる。
【0097】
[第2の実施の形態]
次に、本発明を適用した第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態は、曲げ見出し印刷において、各章に対応するページ範囲を示す識別画像として見出し枠を付加する場合の例である。
【0098】
第2の実施の形態における画像形成システムは、第1の実施の形態に示した画像形成システム1と同様の構成であるため、図1〜図3を援用し、その構成については図示及び説明を省略する。以下、第2の実施の形態に特徴的な構成及び処理について説明する。
【0099】
画像形成装置20において実行される第2の見出し印刷処理は、第1の実施の形態において図6に示した第1の見出し印刷処理と略同様であるが、ステップS3の第1の見出しラスタライズ処理(図7)に代えて、図14に示す第2の見出しラスタライズ処理を行う。
【0100】
図14は、第2の見出しラスタライズ処理を示すフローチャートである。
ステップS31〜ステップS33の処理は、図7のステップS11〜ステップS13の処理と同様であるため、説明を省略する。
【0101】
ステップS32又はステップS33の後、CPU21により、見出し枠の幅及び高さが算出される(ステップS34)。算出された見出し枠の幅及び高さのデータは、CPU21により、RAM27に格納される。
【0102】
見出し枠の幅は、曲げ見出し印刷設定情報に含まれる章毎のページ範囲データ、印刷幅データ、及び、本文印刷設定情報に含まれる本文の両面印刷指定の有無に基づいて算出される。
【0103】
本文印刷設定情報において本文の両面印刷が指定されていない場合、すなわち、用紙1枚が1ページに相当する場合には、CPU21は、
見出し枠の幅[mm]=章のページ数[頁]×1枚当りの印刷幅[mm]
により、見出し枠の幅を算出する。
【0104】
本文印刷設定情報において本文の両面印刷が指定されている場合、すなわち、用紙1枚が2ページに相当する場合には、CPU21は、
見出し枠の幅[mm]=(章のページ数[頁]÷2)×1枚当りの印刷幅[mm]
により、見出し枠の幅を算出する。ここで、(章のページ数[頁]÷2)が割り切れない場合には、切り上げることとする。
【0105】
また、見出し枠の高さは、見出し文字の長さと文字余白とに基づいて算出される。
見出し枠の高さ[mm]=見出し文字の長さ[mm]+文字余白[mm]
【0106】
次に、CPU21により、取得された指定文字サイズデータ又は算出された文字サイズ、曲げ見出し印刷設定情報に含まれるフォント名データ、算出された見出し枠の幅及び高さに基づいて、曲げ見出し印刷設定情報に含まれる複数の見出し文字データが、指定されたフォント名、同一の文字サイズで、かつ見出し枠を付加した状態でラスタライズされ、見出し枠が付加された複数の見出し文字画像が生成される(ステップS35)。見出し枠が付加された見出し文字画像のラスタデータは、CPU21により、RAM27に格納される。図15(a)及び(b)に、見出し枠が付加された見出し文字画像の例を示す。図15(a)及び(b)は、「一章」という見出し文字を構成する各文字を上から下に向かって配置し、見出し枠を付加したものである。図15(a)は、文字の周囲に余白がない場合の見出し枠付見出し文字画像80であり、図15(b)は、文字の周囲に余白がある場合の見出し枠付見出し文字画像81である。
【0107】
図16に、図15(a)に示す見出し枠付見出し文字画像80を印刷幅データに従った印刷幅で縦方向にスライスしたスライス画像80a,80b,80c,80dを示す。
また、図17は、見出し枠を付加した曲げ見出し印刷の印刷例である。
【0108】
以上説明したように、第2の実施の形態によれば、章毎のページ範囲内に各章に対応する見出し文字画像を同一の文字サイズで印刷するので、見出し文字の見栄えを良くすることができる。
【0109】
また、第1の実施の形態のように、見出し文字画像を印刷するだけでは各章のページ範囲を認識することが困難な場合があったが、第2の実施の形態のように、識別画像として見出し枠を印刷することにより、各章のページ範囲を示すことができる。
【0110】
なお、図18(a)及び(b)に示すように、ページ範囲を黒色等のベタ画像で印刷し、見出し文字を白抜きにすることとしてもよい。図18(a)は、文字の周囲に余白がない場合の白抜き見出し文字画像90であり、図18(b)は、文字の周囲に余白がある場合の白抜き見出し文字画像91である。
【0111】
[第3の実施の形態]
次に、本発明を適用した第3の実施の形態について説明する。
第3の実施の形態は、曲げ見出し印刷において各章に対応するページ範囲に他の部分と識別可能な識別画像(以下、マーカ画像という。)を印刷し、その章のページ範囲外に各マーカ画像に添えて見出し文字(以下、添え字見出しという。)を印刷する場合の例である。
【0112】
第3の実施の形態における画像形成システムは、第1の実施の形態に示した画像形成システム1と同様の構成であるため、図1〜図3を援用し、その構成については図示及び説明を省略する。以下、第3の実施の形態に特徴的な構成及び処理について説明する。
【0113】
図19に、添え字見出し印刷の例を示す。図19に示すように、添え字見出し印刷では各章のページ範囲にマーカ画像101〜108を印刷し、各マーカ画像101〜108の横に対応する見出し文字画像201〜208を添えて印刷する。図19は、「1章」、「2章」等の見出し文字画像201〜208を構成する各文字を左から右に向かって配置した場合の例である。
【0114】
見出し文字を印刷する際に、文字サイズが大きい場合や文字長が長い場合、文字が用紙の幅に入りきらない可能性がある。したがって、クライアントPC10のプリンタドライバにて曲げ見出し印刷設定が行われる際に、クライアントPC10のCPU11は、見出し文字として設定可能な最大文字サイズ、最大文字長を算出し、算出された最大文字サイズ、最大文字長の範囲内で文字サイズや見出し文字の設定を制限する。
【0115】
CPU11は、曲げ見出し印刷設定画面40(図4参照)の添え字見出しチェックボックス45がオンに設定された場合に、章設定/見出し文字表示領域42に表示されている章の数に基づいて、添え字見出し文字として設定可能な最大文字サイズを算出し、最大文字サイズ表示領域50に表示させる。
最大文字サイズ[point]=(用紙の縦幅[mm]÷章の数)×換算率[point/mm]
【0116】
クライアントPC10のCPU11は、曲げ見出し印刷設定画面40の添え字見出しチェックボックス45がオンに設定された場合に、文字サイズ指定領域49において指定されている文字サイズに基づいて、添え字見出し文字として設定可能な最大文字長を算出し、曲げ見出し追加画面60(図5参照)において追加される見出し文字の文字長を制限する。
最大文字長=印刷可能幅[mm]÷(文字サイズ[point]÷換算率[point/mm])
【0117】
ここで、印刷可能幅は、以下のように算出する。
まず、クライアントPC10のCPU11は、各章のページ範囲からマーカ画像の左右のいずれに見出し文字画像を印刷するかを決定する。具体的には、CPU11は、(冊子の終了ページ−章の終了ページ)と(章の開始ページ−冊子の開始ページ)とを比較し、(冊子の終了ページ−章の終了ページ)が(章の開始ページ−冊子の開始ページ)以上である場合には、マーカ画像の右側に見出し文字画像を印刷することとし、(章の開始ページ−冊子の開始ページ)が(冊子の終了ページ−章の終了ページ)より大きい場合には、マーカ画像の左側に見出し文字画像を印刷することとする。マーカ画像の右側は、マーカ画像よりページが大きい部分に対応し、マーカ画像の左側は、マーカ画像よりページが小さい部分に対応する。
【0118】
マーカ画像の右側に添えて見出し文字画像を印刷する場合であって、本文印刷設定において本文の両面印刷が指定されていない場合には、
印刷可能幅[mm]=(冊子の終了ページ−章の終了ページ)×1枚当りの印刷幅[mm]
となる。
【0119】
マーカ画像の右側に添えて見出し文字画像を印刷する場合であって、本文印刷設定において本文の両面印刷が指定されている場合には、
印刷可能幅[mm]=(冊子の終了ページ−章の終了ページ)÷2×1枚当りの印刷幅[mm]
となる。ここで、(冊子の終了ページ−章の終了ページ)÷2が割り切れない場合には、切り上げることとする。
【0120】
マーカ画像の左側に添えて見出し文字画像を印刷する場合であって、本文印刷設定において本文の両面印刷が指定されていない場合には、
印刷可能幅[mm]=章の開始ページ×1枚当りの印刷幅[mm]
となる。
【0121】
マーカ画像の左側に添えて見出し文字画像を印刷する場合であって、本文印刷設定において本文の両面印刷が指定されている場合には、
印刷可能幅[mm]=章の開始ページ÷2×1枚当りの印刷幅[mm]
となる。ここで、章の開始ページ÷2が割り切れない場合には、切り上げることとする。
【0122】
CPU11は、見出し文字が追加される場合や文字サイズ指定領域49において指定されている文字サイズが変更される場合に、見出し文字として設定可能な最大文字サイズ、最大文字長を算出し直す。
【0123】
クライアントPC10のプリンタドライバ機能において、曲げ見出し印刷において添え字見出し印刷が設定された場合には、クライアントPC10から画像形成装置20へ送信される印刷データ中の曲げ見出し印刷設定情報に、さらに、添え字見出し印刷を行う旨の情報が含まれる。また、添え字見出し印刷を行う場合には、印刷データ中の曲げ見出し印刷設定情報に指定文字サイズデータが含まれていることを前提とする。また、マーカ画像の左右のいずれに見出し文字画像を印刷するかを示す情報は、印刷データ中の曲げ見出し印刷設定情報に含まれることとしてもよいし、画像形成装置20側で算出し直してもよい。
【0124】
次に、画像形成装置20における動作について説明する。
図20は、画像形成装置20において実行される第3の見出し印刷処理を示すフローチャートである。この処理は、曲げ見出し印刷において添え字見出しが設定されている場合の処理であって、CPU21と記憶部29に記憶されているプリンタコントローラプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0125】
まず、画像形成装置20において、通信部25により、クライアントPC10から送信された印刷データ(PDLデータ)が受信される(ステップS41)。
【0126】
次に、CPU21により、印刷データ中の曲げ見出し印刷設定情報から指定文字サイズデータが取得される(ステップS42)。取得された指定文字サイズデータは、CPU21により、RAM27に格納される。
【0127】
次に、CPU21により、取得された指定文字サイズデータ、曲げ見出し印刷設定情報に含まれるフォント名データに基づいて、曲げ見出し印刷設定情報に含まれる複数の見出し文字データが、指定されたフォント名、同一の文字サイズでラスタライズされ、複数の見出し文字画像が生成される(ステップS43)。見出し文字画像のラスタデータは、CPU21により、RAM27に格納される。
【0128】
次に、CPU21により、ラスタライズ済みの見出し文字画像が、曲げ見出し印刷設定情報に含まれる印刷幅データに従った印刷幅で予め定められた方向に順次スライスされる(ステップS44)。スライスされた見出し文字画像のラスタデータは、CPU21により、RAM27に格納される。
【0129】
次に、CPU21により、各章のページ範囲に対応するマーカ画像が生成される(ステップS45)。マーカ画像は、横方向の幅が1枚当りの印刷幅、縦方向の高さが用紙の縦幅を章の数で割った値であって、章の順序に従って用紙の上部から下部に順次シフトさせた位置にベタ画像等が配置されたものである。マーカ画像のラスタデータは、CPU21により、RAM27に格納される。
【0130】
次に、CPU21により、各ページの本文データがラスタライズされ、本文画像が生成される(ステップS46)。本文画像のラスタデータは、CPU21により、RAM27に格納される。
【0131】
次に、CPU21により、スライスされ見出し文字画像及びマーカ画像のそれぞれを本文画像に合成する見出し合成処理が行われる(ステップS47)。
【0132】
ここで、図21を参照して、見出し合成処理について説明する。
CPU21により、ページ範囲データに基づいて、複数の章毎に、本文表面画像(用紙の表面に印刷される本文画像)に、スライスされた見出し文字画像又はマーカ画像が合成される(ステップS51)。具体的には、CPU21により、ページ範囲データに基づいて、複数の章毎に、当該章のページ範囲に属する各本文表面画像の冊子の小口側の端部に、当該章のページ範囲を示すマーカ画像が合成されるとともに、当該章のページ範囲に隣接する複数のページに属する各本文表面画像の冊子の小口側の端部に、当該章に対応するスライスされた見出し文字画像のそれぞれが合成される。合成画像のラスタデータは、CPU21により、RAM27に格納される。
【0133】
見出し文字画像をマーカ画像の右側に添える場合には、「章のページ範囲に隣接する複数のページ」は、章のページ範囲よりページが大きい側に隣接する複数のページである。見出し文字画像をマーカ画像の左側に添える場合には、「章のページ範囲に隣接する複数のページ」は、章のページ範囲よりページが小さい側に隣接する複数のページである。
【0134】
ステップS52〜ステップS55の処理は、図10のステップS22〜ステップS25の処理と同様であるため、説明を省略する。
【0135】
ステップS53において、本文印刷設定情報において本文の両面印刷が指定されている場合(ステップS53;YES)、又は、ステップS55の後、CPU21により、ページ範囲データに基づいて、複数の章毎に、本文裏面画像(用紙の裏面に印刷される本文画像)に、スライスされた見出し文字画像又はマーカ画像が合成される(ステップS56)。具体的には、CPU21により、ページ範囲データに基づいて、複数の章毎に、当該章のページ範囲に属する各本文裏面画像の冊子の小口側の端部に、当該章のページ範囲を示すマーカ画像が合成されるとともに、当該章のページ範囲に隣接する複数のページに属する各本文裏面画像の冊子の小口側の端部に、当該章に対応するスライスされた見出し文字画像のそれぞれが合成される。合成画像のラスタデータは、CPU21により、RAM27に格納される。
【0136】
ステップS56の後、又は、ステップS52において、両面見出しの指定がないと判断された場合には(ステップS52;NO)、見出し合成処理は終了し、図20のステップS48に移行する。
【0137】
図20に戻り、CPU21により印刷部28が制御され、各ページに対応するラスタデータに基づいて、見出し文字画像及びマーカ画像が合成された本文画像が用紙に印刷される(ステップS48)。
以上で、第3の見出し印刷処理が終了する。
【0138】
以上説明したように、第3の実施の形態によれば、章毎のページ範囲内にマーカ画像を印刷するとともに、マーカ画像と隣接する位置に各章に対応する見出し文字画像を同一の文字サイズで印刷するので、各章のページ範囲を示しつつ、見出し文字の見栄えを良くすることができる。
【0139】
また、指定文字サイズデータに従った文字サイズで見出し文字画像を印刷するので、ユーザによる文字サイズの指定が可能となる。
【0140】
各章のページ数が極端に少ない場合に第1又は第2の実施形態のように見出し文字画像を印刷すると、見出し文字の文字サイズが小さくなるため、見出し文字が見えにくくなるという問題があったが、章のページ範囲にマーカ画像を印刷し、そのマーカ画像の横に見出し文字を添えて印刷することで、この問題が解決される。
【0141】
なお、第2の実施形態のように見出し枠を付加して見出し文字画像を印刷したり、ページ範囲を黒色等のベタ画像で印刷して見出し文字を白抜きにしたりする場合に、予め最小文字サイズを定めておき、その文字サイズでは見出し文字がページ範囲に入らない場合にのみ、第3の実施形態のように添え字見出し印刷を行うこととしてもよい。
【0142】
上記各実施の形態における記述は、本発明に係る画像形成装置の例であり、これに限定されるものではない。装置を構成する各部の細部構成及び細部動作に関しても本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【0143】
例えば、見出し文字画像を印刷する縦方向の位置は、用紙の縦幅を区分の数で均等に分割して区分の順序に従って順次シフトさせてもよいし、見出しを二段にする場合には、用紙の縦幅を(区分の数÷2)で均等に分割して区分の順序に従って用紙の上部から下部に順次シフトさせ、再び上部に戻って上部から下部に順次シフトさせてもよい。
【0144】
また、見出し文字を構成する各文字の配置方向は、上から下に向かって配置してもよいし、左から右に配置してもよい。また、文字の向きについても、冊子の上側を文字の上側となるように配置してもよいし、冊子の表面側を文字の上側となるように配置してもよい。
【0145】
また、本文画像と見出し文字画像とを合成する処理をクライアントPC10側で行い、合成画像を生成してから画像形成装置20に送信してもよい。
【0146】
以上の説明では、各処理を実行するためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な媒体としてROMを使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することも可能である。また、プログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)を適用することとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0147】
【図1】本発明の第1の実施の形態における画像形成システムのシステム構成図である。
【図2】クライアントPCの機能的構成を示すブロック図である。
【図3】画像形成装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図4】クライアントPCにおいて表示される曲げ見出し印刷設定画面の例である。
【図5】クライアントPCにおいて表示される曲げ見出し追加画面の例である。
【図6】画像形成装置において実行される第1の見出し印刷処理を示すフローチャートである。
【図7】第1の見出しラスタライズ処理を示すフローチャートである。
【図8】(a)は、文字の周囲に余白がない場合の見出し文字画像の例である。(b)は、文字の周囲に余白がある場合の見出し文字画像の例である。
【図9】図8(a)に示す見出し文字画像をスライスしたスライス画像の例である。
【図10】見出し文字合成処理を示すフローチャートである。
【図11】スライス画像を本文表面画像に合成した例である。
【図12】スライス画像を本文裏面画像に合成した例である。
【図13】曲げ見出し印刷により各章の見出し文字が印刷された例である。
【図14】第2の実施の形態における第2の見出しラスタライズ処理を示すフローチャートである。
【図15】(a)は、文字の周囲に余白がない場合の見出し枠付見出し文字画像である。(b)は、文字の周囲に余白がある場合の見出し枠付見出し文字画像である。
【図16】図15(a)に示す見出し枠付見出し文字画像をスライスしたスライス画像の例である。
【図17】見出し枠を付加した曲げ見出し印刷の印刷例である。
【図18】(a)は、文字の周囲に余白がない場合の白抜き見出し文字画像である。(b)は、文字の周囲に余白がある場合の白抜き見出し文字画像である。
【図19】第3の実施の形態における添え字見出し印刷の例である。
【図20】画像形成装置において実行される第3の見出し印刷処理を示すフローチャートである。
【図21】見出し合成処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0148】
1 画像形成システム
10 クライアントPC
11 CPU
12 操作部
13 表示部
14 通信部
15 ROM
16 RAM
17 記憶部
18 バス
20 画像形成装置
21 CPU
22 操作部
23 表示部
24 画像読取部
25 通信部
26 ROM
27 RAM
28 印刷部
29 記憶部
30 バス
40 曲げ見出し印刷設定画面
41 曲げ見出しチェックボックス
42 章設定/見出し文字表示領域
43 追加ボタン
44 両面見出しチェックボックス
45 添え字見出しチェックボックス
46 1枚当りの印刷幅指定領域
47 フォント名指定領域
48 文字サイズ指定チェックボックス
49 文字サイズ指定領域
50 最大文字サイズ表示領域
51 プレビュー表示領域
52 OKボタン
60 曲げ見出し追加画面
61 開始ページ指定領域
62 終了ページ指定領域
63 見出し文字指定領域
64 OKボタン
101,102,103,104,105,106,107,108 マーカ画像
201,202,203,204,205,206,207,208 見出し文字画像
N 通信ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の用紙を綴じて形成される冊子をめくり方向に沿って湾曲させた際に当該冊子の小口側の紙端の重なり部分に見出し文字が現れるように前記複数の用紙に印刷を行う画像形成装置であって、
複数のページのそれぞれの印刷内容を示す本文データ、前記複数のページを複数の区分に区分けした区分毎のページ範囲を示すページ範囲データ、前記複数の区分のそれぞれに対応する複数の見出し文字データ、及び、前記冊子の小口側の辺と垂直な方向における印刷幅を示す印刷幅データを受信する通信部と、
前記受信された各ページの本文データをラスタライズして本文画像を生成し、前記受信された複数の見出し文字データを同一の文字サイズでラスタライズして複数の見出し文字画像を生成し、当該生成された複数の見出し文字画像を前記受信された印刷幅データに従った印刷幅で予め定められた方向に順次スライスし、前記受信されたページ範囲データに基づいて、前記複数の区分毎に、当該区分のページ範囲に属する各本文画像の前記冊子の小口側の端部に、当該区分に対応する前記スライスされた見出し文字画像のそれぞれを合成し、印刷部を制御して前記合成された画像を前記複数の用紙に印刷させる制御部と、
を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記同一の文字サイズは、前記複数の区分毎のページ範囲のうち最もページ数が少ない区分のページ範囲に印刷可能な最大の文字サイズである、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記通信部は、さらに、ユーザにより指定された文字サイズを示す指定文字サイズデータを受信し、
前記同一の文字サイズは、前記受信された指定文字サイズデータに従った文字サイズである、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、さらに、前記受信されたページ範囲データに基づいて、前記複数の区分毎に、当該区分のページ範囲に属する各本文画像の前記冊子の小口側の端部に、当該区分のページ範囲を示す識別画像を合成する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
複数の用紙を綴じて形成される冊子をめくり方向に沿って湾曲させた際に当該冊子の小口側の紙端の重なり部分に見出し文字が現れるように前記複数の用紙に印刷を行う画像形成装置であって、
複数のページのそれぞれの印刷内容を示す本文データ、前記複数のページを複数の区分に区分けした区分毎のページ範囲を示すページ範囲データ、前記複数の区分のそれぞれに対応する複数の見出し文字データ、及び、前記冊子の小口側の辺と垂直な方向における印刷幅を示す印刷幅データを受信する通信部と、
前記受信された各ページの本文データをラスタライズして本文画像を生成し、前記受信された複数の見出し文字データを同一の文字サイズでラスタライズして複数の見出し文字画像を生成し、当該生成された複数の見出し文字画像を前記受信された印刷幅データに従った印刷幅で予め定められた方向に順次スライスし、前記受信されたページ範囲データに基づいて、前記複数の区分毎に、当該区分のページ範囲に属する各本文画像の前記冊子の小口側の端部に、当該区分のページ範囲を示す識別画像を合成するとともに、当該区分のページ範囲に隣接する複数のページに属する各本文画像の前記冊子の小口側の端部に、当該区分に対応する前記スライスされた見出し文字画像のそれぞれを合成し、印刷部を制御して前記合成された画像を前記複数の用紙に印刷させる制御部と、
を備える画像形成装置。
【請求項6】
前記通信部は、さらに、ユーザにより指定された文字サイズを示す指定文字サイズデータを受信し、
前記同一の文字サイズは、前記受信された指定文字サイズデータに従った文字サイズである、
請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
複数の用紙を綴じて形成される冊子をめくり方向に沿って湾曲させた際に当該冊子の小口側の紙端の重なり部分に見出し文字が現れるように前記複数の用紙に印刷を行う画像形成方法であって、
通信部により、複数のページのそれぞれの印刷内容を示す本文データ、前記複数のページを複数の区分に区分けした区分毎のページ範囲を示すページ範囲データ、前記複数の区分のそれぞれに対応する複数の見出し文字データ、及び、前記冊子の小口側の辺と垂直な方向における印刷幅を示す印刷幅データを受信し、
制御部により、前記受信された各ページの本文データをラスタライズして本文画像を生成し、前記受信された複数の見出し文字データを同一の文字サイズでラスタライズして複数の見出し文字画像を生成し、当該生成された複数の見出し文字画像を前記受信された印刷幅データに従った印刷幅で予め定められた方向に順次スライスし、前記受信されたページ範囲データに基づいて、前記複数の区分毎に、当該区分のページ範囲に属する各本文画像の前記冊子の小口側の端部に、当該区分に対応する前記スライスされた見出し文字画像のそれぞれを合成し、印刷部を制御して前記合成された画像を前記複数の用紙に印刷させる画像形成方法。
【請求項8】
前記同一の文字サイズは、前記複数の区分毎のページ範囲のうち最もページ数が少ない区分のページ範囲に印刷可能な最大の文字サイズである、
請求項7に記載の画像形成方法。
【請求項9】
前記通信部により、さらに、ユーザにより指定された文字サイズを示す指定文字サイズデータを受信し、
前記同一の文字サイズは、前記受信された指定文字サイズデータに従った文字サイズである、
請求項7に記載の画像形成方法。
【請求項10】
前記制御部により、さらに、前記受信されたページ範囲データに基づいて、前記複数の区分毎に、当該区分のページ範囲に属する各本文画像の前記冊子の小口側の端部に、当該区分のページ範囲を示す識別画像を合成する、
請求項7から9のいずれか一項に記載の画像形成方法。
【請求項11】
複数の用紙を綴じて形成される冊子をめくり方向に沿って湾曲させた際に当該冊子の小口側の紙端の重なり部分に見出し文字が現れるように前記複数の用紙に印刷を行う画像形成方法であって、
通信部により、複数のページのそれぞれの印刷内容を示す本文データ、前記複数のページを複数の区分に区分けした区分毎のページ範囲を示すページ範囲データ、前記複数の区分のそれぞれに対応する複数の見出し文字データ、及び、前記冊子の小口側の辺と垂直な方向における印刷幅を示す印刷幅データを受信し、
制御部により、前記受信された各ページの本文データをラスタライズして本文画像を生成し、前記受信された複数の見出し文字データを同一の文字サイズでラスタライズして複数の見出し文字画像を生成し、当該生成された複数の見出し文字画像を前記受信された印刷幅データに従った印刷幅で予め定められた方向に順次スライスし、前記受信されたページ範囲データに基づいて、前記複数の区分毎に、当該区分のページ範囲に属する各本文画像の前記冊子の小口側の端部に、当該区分のページ範囲を示す識別画像を合成するとともに、当該区分のページ範囲に隣接する複数のページに属する各本文画像の前記冊子の小口側の端部に、当該区分に対応する前記スライスされた見出し文字画像のそれぞれを合成し、印刷部を制御して前記合成された画像を前記複数の用紙に印刷させる画像形成方法。
【請求項12】
前記通信部により、さらに、ユーザにより指定された文字サイズを示す指定文字サイズデータを受信し、
前記同一の文字サイズは、前記受信された指定文字サイズデータに従った文字サイズである、
請求項11に記載の画像形成方法。
【請求項13】
複数の用紙を綴じて形成される冊子をめくり方向に沿って湾曲させた際に当該冊子の小口側の紙端の重なり部分に見出し文字が現れるように前記複数の用紙に印刷を行うコンピュータを、
複数のページのそれぞれの印刷内容を示す本文データ、前記複数のページを複数の区分に区分けした区分毎のページ範囲を示すページ範囲データ、前記複数の区分のそれぞれに対応する複数の見出し文字データ、及び、前記冊子の小口側の辺と垂直な方向における印刷幅を示す印刷幅データを受信する通信部、
前記受信された各ページの本文データをラスタライズして本文画像を生成し、前記受信された複数の見出し文字データを同一の文字サイズでラスタライズして複数の見出し文字画像を生成し、当該生成された複数の見出し文字画像を前記受信された印刷幅データに従った印刷幅で予め定められた方向に順次スライスし、前記受信されたページ範囲データに基づいて、前記複数の区分毎に、当該区分のページ範囲に属する各本文画像の前記冊子の小口側の端部に、当該区分に対応する前記スライスされた見出し文字画像のそれぞれを合成し、印刷部を制御して前記合成された画像を前記複数の用紙に印刷させる制御部、
として機能させるためのプログラム。
【請求項14】
複数の用紙を綴じて形成される冊子をめくり方向に沿って湾曲させた際に当該冊子の小口側の紙端の重なり部分に見出し文字が現れるように前記複数の用紙に印刷を行うコンピュータを、
複数のページのそれぞれの印刷内容を示す本文データ、前記複数のページを複数の区分に区分けした区分毎のページ範囲を示すページ範囲データ、前記複数の区分のそれぞれに対応する複数の見出し文字データ、及び、前記冊子の小口側の辺と垂直な方向における印刷幅を示す印刷幅データを受信する通信部、
前記受信された各ページの本文データをラスタライズして本文画像を生成し、前記受信された複数の見出し文字データを同一の文字サイズでラスタライズして複数の見出し文字画像を生成し、当該生成された複数の見出し文字画像を前記受信された印刷幅データに従った印刷幅で予め定められた方向に順次スライスし、前記受信されたページ範囲データに基づいて、前記複数の区分毎に、当該区分のページ範囲に属する各本文画像の前記冊子の小口側の端部に、当該区分のページ範囲を示す識別画像を合成するとともに、当該区分のページ範囲に隣接する複数のページに属する各本文画像の前記冊子の小口側の端部に、当該区分に対応する前記スライスされた見出し文字画像のそれぞれを合成し、印刷部を制御して前記合成された画像を前記複数の用紙に印刷させる制御部、
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2010−131758(P2010−131758A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−307110(P2008−307110)
【出願日】平成20年12月2日(2008.12.2)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】