画像形成装置およびその制御方法
【課題】複数の現像部を備えた画像形成装置におけるトナーの無駄な劣化を回避する。
【解決手段】本実施の形態のプリンタには、K(ブラック)のトナーに加え、カラー画像のプリント動作には、Y(イエロー)のトナーと、M(マゼンタ)のトナーと、C(シアン)のトナーが用いられる。Yのトナーの補給に際し、Yのトナー残量が閾値C未満である場合、Yのトナーの補給が行なわれるのとともにYからのトナー補給禁止要求フラグがセットされる(ステップS50でYES,ステップS60,ステップS160)。当該フラグがセットされることにより、Mのトナーの補給に際し、Mのトナー残量が閾値C以上であればMのトナーの補給は行なわれず、また、Cのトナー残量が閾値C以上であればCのトナーの補給は行なわれない。当該フラグは、Yのトナー残量が閾値C以上となったときにクリアされる(ステップS50でNO,ステップS100)。
【解決手段】本実施の形態のプリンタには、K(ブラック)のトナーに加え、カラー画像のプリント動作には、Y(イエロー)のトナーと、M(マゼンタ)のトナーと、C(シアン)のトナーが用いられる。Yのトナーの補給に際し、Yのトナー残量が閾値C未満である場合、Yのトナーの補給が行なわれるのとともにYからのトナー補給禁止要求フラグがセットされる(ステップS50でYES,ステップS60,ステップS160)。当該フラグがセットされることにより、Mのトナーの補給に際し、Mのトナー残量が閾値C以上であればMのトナーの補給は行なわれず、また、Cのトナー残量が閾値C以上であればCのトナーの補給は行なわれない。当該フラグは、Yのトナー残量が閾値C以上となったときにクリアされる(ステップS50でNO,ステップS100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、特に、複数種類のトナーによる画像形成が可能な画像形成装置およびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、トナーを用いて画像形成を行なう画像形成装置について、種々の技術が開示されている。このような画像形成装置では、静電潜像を形成された感光体ドラムに、現像部によってトナーを付着させ、当該静電潜像を顕像化する。そして、感光体ドラム上のトナー像を用紙に転写することにより、用紙上に画像を形成する。
【0003】
現像部で使用されるトナーは、トナーボトル等のトナー収容手段に収容されており、当該トナー収容手段から現像部へ、適宜補給される。
【0004】
このような画像形成装置における現像部へのトナーの補給に関し、種々の技術が開示されている。
【0005】
たとえば、特許文献1(特開平11−24513号公報)には、トナーボトルから現像部へトナーを補給するときに、トナー収容手段の下部に設けられたサブホッパにおけるトナー残量に応じてトナー補給時に駆動するモータの時間を決定する技術が開示されている。
【0006】
また、特許文献2(特開2005−274738号公報)には、画像データにおける各色ごとの画素数に基づいて推定されるトナー消費量が閾値に達した場合にトナーの補給を実行する画像形成装置において、当該閾値を、湿度等の画像形成条件に応じて変更する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−24513号公報
【特許文献2】特開2005−274738号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
画像形成装置において、現像部にトナーが補給される場合、細かい粉末状のトナーが現像部内で偏って堆積することを回避するため、攪拌羽根を設けられた攪拌部材が現像部に設けられ、そして、現像部にトナーが補給される際には、当該攪拌部材が回転駆動されることにより、現像部内でトナーが偏って堆積することを回避していた。
【0009】
従来の画像形成装置では、製造コストを削減するため、複数の現像部のそれぞれに設けられた攪拌手段を1つのモータで駆動するよう構成されている場合がある。このような場合、当該複数の現像部の中の一部の現像部にのみトナーを補給する場合でも、すべての現像部において攪拌手段が駆動されてしまう。攪拌手段が駆動されることにより、当該現像部内のトナーの劣化が無駄に進むという不都合が生ずる。
【0010】
たとえば、画像形成装置においてY(イエロー)のトナーと、M(マゼンタ)のトナーと、C(シアン)のトナーが用いられて画像形成が行なわれる画像形成装置において、Yのトナーが補給される場合、Yの現像部の攪拌手段だけでなく、Mの現像部およびCの現像部のそれぞれにおいても攪拌手段が駆動される。これにより、Mの現像部およびCの現像部内のトナーの劣化が無駄に進んでしまうこととなる。
【0011】
本発明は係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、複数の現像部を備えた画像形成装置におけるトナーの無駄な劣化を回避することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に従った画像形成装置は、トナーによる現像を行なう第1の現像器と、トナーによる現像を行なう第2の現像器と、第2の現像器を駆動する第2の駆動手段と、第1の現像器におけるトナー量を検出する第1の検出手段と、第2の現像器におけるトナー量を検出する第2の検出手段と、第1の現像器にトナーを補給する第1の補給手段と、第2の現像器にトナーを補給する第2の補給手段と、第1および第2の現像器を駆動する駆動手段と、駆動手段ならびに第1および第2の補給手段とを制御する制御手段とを備え、制御手段は、第1の検出手段の検出量が第1の量未満である場合に、第1の補給手段にトナーを補給させ、かつ、駆動手段に駆動を実行させ、第1の検出手段の検出量が第1の量より少ない第2の量未満である場合に、第2の検出手段の検出量が第2の量未満である場合には第2の補給手段にトナーを補給させ、第2の検出手段の検出量が第1の量未満かつ第2の量以上である場合には第1の検出手段の検出量が第2の量以上となったことを条件として第2の補給手段にトナーを補給させる。
【0013】
また、本発明の画像形成装置は、画像形成動作を行なう画像形成部をさらに備え、画像形成部は、第1および第2の現像器を含み、制御手段は、画像形成部による画像形成動作を制御し、第1の検出手段の検出量が第1の量および第2の量より少ない第3の量未満であると判断した場合には、画像形成部の画像形成動作を停止させて、第1の補給手段にトナーを補給させ、かつ、第2の検出手段による検出量が第1の量未満であれば第2の補給手段にトナーを補給させることが好ましい。
【0014】
また、本発明の画像形成装置では、制御手段は、第1の検出手段の検出量が所定の量未満である場合に第1の補給手段に所定時間以上トナーを補給させても第1の検出手段の検出量が所定の量より多い特定の量以上とならない場合には、異常状態であるための制御動作を実行することが好ましい。
【0015】
本発明に従った画像形成装置の制御方法は、トナーによる現像を行なう複数の現像器を備えた画像形成装置の制御方法であって、複数の現像器の中の第1の現像器および第2の現像器のトナー残量を検出するステップと、第1の現像器のトナー残量が第1の量未満である場合に、第1の現像器へのトナー補給を行なうステップと、第1の現像器のトナー残量が第1の量より少ない第2の量未満である場合であって第2の現像器のトナー残量が第1の量未満かつ第2の量以上である場合には、第2の現像器のトナー残量が第2の量以上となったことを条件として、第2の現像器へのトナー補給を開始するステップとを備える。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、画像形成装置において、複数の現像部のそれぞれのトナー量を第1の量とするためにトナーの補給を行なう場合に、一方の現像部内のトナー量が当該第1の量より少ない第2の量未満であって、他方の現像部内のトナーの量が当該第2の量以上である場合には、まず当該一方の現像部に対してのみトナーの補給が行なわれ、そして、当該一方の現像部内のトナーの量が上記第2の量以上となったことを条件として、さらに上記他方の現像部に対するトナーの補給が開始される。なお、駆動手段は、複数の現像部の少なくとも1つに対してトナーの補給が行なわれていれば、当該複数の現像部内のトナーについての攪拌手段を駆動する。
【0017】
これにより、本発明によれば、トナー量が上記第2の量未満の上記一方の現像部へのトナーの補給が開始されるときに、既にトナー量が第2の量以上である他方の現像部に対するトナーの補給が開始されるタイミングが、上記一方の現像部内のトナー量が第2の量以上となるのを待って開始されるため、他方の現像部において、一方の現像部へのトナーの補給のために駆動される他方の現像部内の攪拌手段による攪拌に、一方の現像部へのトナーの補給の開始当初から当該攪拌に供されるトナーの量をより少ないものとすることができる。
【0018】
したがって、本発明によれば、複数の現像部を備えた画像形成装置において、トナーの補給の開始時点での各現像部におけるトナー残量が異なる場合であっても、無駄な攪拌による劣化に供されるトナーの量をより少ないものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の画像形成装置の一例であるプリンタのハードウェア構成の概略を示す模式的断面図である。
【図2】図1の現像部の近傍の拡大図である。
【図3】図1のプリンタの制御ブロック図である。
【図4】図1のプリンタにおいて実行されるYのトナー補給制御処理のフローチャートである。
【図5】図4のYの印字中断トナー補給処理のサブルーチンのフローチャートである。
【図6】図1のプリンタにおけるY,M,Cの現像部へのトナー補給の態様を説明するための図である。
【図7】図1のプリンタにおけるY,M,Cの現像部へのトナー補給の態様を説明するための図である。
【図8】図1のプリンタにおけるY,M,Cの現像部へのトナー補給の態様を説明するための図である。
【図9】図1のプリンタにおけるY,M,Cの現像部へのトナー補給の態様を説明するための図である。
【図10】図1のプリンタにおけるY,M,Cの現像部へのトナー補給の態様を説明するための図である。
【図11】図1のプリンタにおけるY,M,Cの現像部へのトナー補給の態様を説明するための図である。
【図12】図1のプリンタにおけるY,M,Cの現像部へのトナー補給の態様を説明するための図である。
【図13】図5のYの印字中断トナー補給処理の第1の変形例のフローチャートである。
【図14】図1のプリンタにおけるY,M,Cの現像部へのトナー補給の態様を説明するための図である。
【図15】図5のYの印字中断トナー補給処理の第2の変形例のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も、特に言及される場合を除いて同じものである。
【0021】
[第1の実施の形態]
本実施の形態においては、本発明にかかる画像形成装置をタンデム方式のデジタルカラープリンタ(以下、プリンタという)で適用する場合について説明する。
【0022】
カラータンデム方式の画像形成装置は、各々現像部を含んだ4色の作像部が、(当該作像部で形成されたトナー像を担持する中間転写体である)中間転写ベルトに沿って列設されて構成されている。そして、それぞれの作像部で形成された各色のトナー画像が上記中間転写ベルトに転写され(一次転写)、各色トナーの重ね合わせにより多色画像が形成される。さらに、中間転写ベルト上で重ね合わされた画像を印刷媒体である用紙上に転写し(二次転写)、定着工程を経て出力する。
【0023】
図1は、本発明にかかる画像形成装置が適用される、本実施の形態にかかるプリンタ1のハードウェア構成の概略を示す模式的断面図である。プリンタ1は、タンデム方式のデジタルカラープリンタであって、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、およびブラック(K)の4色のトナーを順次重ね合わせることによってカラー画像を形成する。
【0024】
図1を参照して、本実施の形態にかかるプリンタ1は、画像読取部10と、用紙搬送部20と、画像形成部30と、用紙格納部40とを含む。
【0025】
画像読取部10は、原稿をセットするための戴荷台3と、原稿台ガラス11と、戴荷台3にセットされた原稿を原稿台ガラス11に自動的に1枚ずつ搬送する搬送部2と、読取られた原稿を排出するための排出台4とを含む。さらに、原稿読取部10は、図示しないスキャナを含む。スキャナは、スキャンモータによって原稿台ガラス11と平行移動する。スキャナには、原稿を照射する露光ランプ、原稿からの反射光の向きを変える反射ミラー、反射ミラーからの光路を変えるミラー、反射光を集光するレンズ、および受光した反射光に応じて電気信号を発生する3列(R,G,B)のCCD(Charge Coupled Device)などの光電変換素子が含まれる。
【0026】
搬送部2によって搬送された原稿は原稿台ガラス11上にセットされ、スキャナが原稿台ガラス11と平行に移動するとき露光走査される。原稿からの反射光は光電変換素子によって電気信号に変換され、画像形成部30に入力される。
【0027】
画像形成部30は、中間転写ベルト31と、作像部21Y,21M,21C,21K(これらを代表させて作像部21とする)と、中間転写ベルト31を介して、作像部21Y,21M,21C,21Kと対をなす転写ローラ25Y,25M,25C,25K(これらを代表させて転写ローラ25とする)と、中間転写ベルト31に転写されたトナー像が用紙に転写された後に定着させる定着器36と、CPU(Central Processing Unit)などを含むコントローラ101等の回路部材を収容する制御ボックス1000を含む。
【0028】
中間転写ベルト31は、複数のローラ32,33,34により弛まないように懸架され、これらのローラが図1中で反時計回り(図1中の矢印A方向)に回転することで、所定速度で同方向に回転する無端ベルトである。
【0029】
作像部21Y,21M,21C,21Kは、中間転写ベルト31に沿って所定間隔で配置されるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、およびブラック(K)各色トナーに対応し、それぞれの色に対応するトナーを収容するカートリッジを装着できるように構成されている。また、作像部21Y,21M,21C,21Kは、それぞれ現像部24Y,24M,24C,24Kおよび感光体29Y,29M,29C,29Kを含む。
【0030】
制御ボックス1000には、コントローラ101で実行されるプログラムやプログラムの実行に利用されるデータなどを記憶するメモリ(後述するメモリ102)も収容されている。
【0031】
用紙格納部40は、印刷媒体である用紙Sを収納する給紙カセット41を含み、用紙搬送部20は、給紙カセット41から用紙Sを搬送するためのローラ42,43,35,37、および印刷された用紙を排出する排紙トレイ38を含む。
【0032】
コントローラ101は、操作パネル(後述する操作パネル103)等から入力される指示信号に基づいてメモリ102からプログラムを読出して実行し、上記各部を制御する。また、コントローラ101は内部にタイマなどの計時手段を備えて、所定時間が計時されたときにプログラムを実行してもよい。なお、コントローラ101およびメモリ102は画像形成部30以外の画像読取部10や用紙搬送部20などに備えられてもよい。
【0033】
コントローラ101は上記プログラムを実行することで、画像読取部10や外部装置などから入力された画像信号に対して所定の画像処理を施し、イエロー、マゼンタ、シアン、およびブラックの各色に色変換したデジタル信号を作成する。コントローラ101で作成された、上記画像を形成するための、シアン用の画像色データ、マゼンタ用の画像色データ、イエロー用の画像色データ、およびブラック用の画像色データは、各色に応じてコントローラ101から作像部21の露光器に出力される。
【0034】
露光器が、コントローラ101から入力された画像データに基づいて、感光体にレーザビームを出力することで、均一に帯電された感光体の表面が画像データに応じて露光され、静電潜像が形成される。各現像部24の現像ローラ241(後述する現像ローラ241K,241Y,241M,241C)には現像バイアス電圧が印加されて、感光体の潜像電位との間に電位差が発生する。その状態において電荷を帯びたトナーが供給されることによって、感光体の表面にトナー像が形成される。感光体の表面に形成されたトナー像は、定電圧もしくは定電流の転写ローラ25によって、像担持体である中間転写ベルト31に転写される。これを一次転写と言う。
【0035】
中間転写ベルト31に一次転写されたトナー像は、ローラ34によって、給紙カセット41から搬送された用紙Sに転写される。これを二次転写と言う。用紙に二次転写されたトナー像は、定着器36によって用紙に定着され、電子写真画像として排紙トレイ38に排紙される。
【0036】
図2は、図1の作像部21K近傍の拡大図である。
図2を参照して、作像部は、トナーカートリッジ40Kと現像部24Kを含む。
【0037】
トナーカートリッジ40Kと現像部24Kとは、搬送管49Kで連結されている。
トナーカートリッジ40Kには、トナーが詰め込まれているトナーボトル(図示略)が収容されている。また、トナーカートリッジ40Kには、トナーボトルのトナーを搬送管49Kへ搬送させるスクリュー42Kが備えられている。
【0038】
現像部24Kには、現像ローラ241Kを含む種々のローラが備えられている。
作像部21Y,21M,21Cは、現像部24Kと同様の構成を有する。これらのそれぞれに備えられる現像ローラを現像ローラ241Y,241M,241Cとする。
【0039】
図3は、図1のプリンタ1の制御ブロック図である。
図3を参照して、画像形成制御部100は、上述した画像形成部30の動作を制御する。画像形成部30は、モータ駆動部130を含む。
【0040】
コントローラ101は、プリンタ1のシステム全体を制御する。
ユーザが操作パネル103に対してコピーの指示の操作を行なった場合、コントローラ101は、当該コピーの指示を検出する。そして、コントローラ101は、スキャナ制御部104に指示を出し、原稿台ガラス11上の原稿の画像を取込む。取込まれた画像は、CMYK変換部106により、RGB形式データからCMYK形式データに変換され、メモリ102に一時保存される。メモリ102に一時保存された画像は、コントローラ101によって、画像形成制御部100に転送される。画像形成制御部100は、転送された画像データを作像部21Y,21M,21C,21Kの露光器で露光する。
【0041】
プリンタ1は、また、ネットワーク経由でパーソナルコンピュータ(パソコン)等の外部機器からの入力に基づいてプリント動作を実行することもできる。
【0042】
ネットワーク制御部105が、パソコン等の外部機器からのプリントジョブを受信すると、当該ジョブの画像データ(CMYK形式)は、メモリ102に一時保存される。その後は、上記したコピー動作と同様に、メモリ102に一時保存された画像が、コントローラ101によって画像形成制御部100に転送される。画像形成制御部100は、転送された画像データを、画像パターンとして作像部21Y,21M,21C,21Kの露光部で露光する。
【0043】
コントローラ101は、画像形成制御部100に画像データを転送するときに、ドットカウント部107により、画像データの総ドット数をカウントする。そして、コントローラ101は、画像データの転送完了時に、画像形成制御部100に、転送した画像データの総ドット数を通知する。コントローラ101は、総ドット数のカウントおよび総ドット数の通知を、YMCKの各色ごとに個別に行なう。
【0044】
コントローラ101は、トナー補給制御部110の動作を制御する。トナー補給制御部110は、上記したスクリュー42Y,42M,42C,42Kのそれぞれの回転動作を制御する。
【0045】
モータ駆動部130は、上記した現像ローラ241Y,241M,241Cを回転させるモータ131および上記した現像ローラ241Kを回転させるモータ132を、回転駆動する。本実施の形態のプリンタ1では、現像ローラ241Y,241M,241Cは、一括して回転制御がなされ、個々に回転制御をすることができない。
【0046】
現像部24Y,24M,24Cのそれぞれに導入されたトナーは、現像ローラ241Y,241M,241Cの現像動作時またはトナー補給時の回転により、攪拌され、劣化する。
【0047】
このことに基づき、本実施の形態のプリンタ1では、YMCの各色についての現像部24Y,24M,24Cへのトナーの補給のタイミングは、各現像部におけるトナーの劣化を極力回避するため、より遅いタイミングで開始することとしている。ただし、各現像部へのトナーの補給の際には、各現像部においてトナーが固まって滞留することを回避すべく、現像ローラ241Y,241M,241Cを回転させながら行なう必要がある。したがって、YMCのトナーの補給は、現像ローラ241Y,241M,241Cを回転させるモータ131の駆動時間をより短くするため、一括して行なわれることが好ましい。
【0048】
以上を踏まえて、本実施の形態のプリンタ1では、YMCの各色のトナーの補給についての制御は、他の色の現像部内のトナー残量も考慮されて、実行される。
【0049】
次に、Yのトナーの補給動作を制御する処理(Yのトナー補給制御処理)について、当該処理のフローチャートである図4を参照して説明する。
【0050】
なお、本実施の形態のYのトナー補給制御処理の前提として、プリンタ1では、現像部24Y,24M,24Cにおけるトナー残量について、トナーの補給に関する3段階の閾値が設定されているものとする。このような閾値について、図6を参照して説明する。
【0051】
図6を参照して、現像部24Y,24M,24Cには、各現像部に収容されているトナーが領域2401,2402,2403として模式的に示されている。
【0052】
そして、図6では、各現像部24Y,24M,24Cのトナー残量についての閾値A,B,Cの3つの閾値が模式的に示されている。
【0053】
これらの3つの閾値は、量の多い方から順にA,C,Bとなっている。
そして、これらの閾値の内容は、次のとおりである。
【0054】
A:通常のトナー補給のトナー残量についての閾値
B:画像形成を中断させてトナー補給をさせることを要するトナー残量についての閾値
C:他の色のトナー補給を禁止させるトナー残量についての閾値
本実施の形態において、現像部24Y,24M,24Cへのトナーの補給は、主にカラー画像の画像形成動作中に行なわれる。なお、図6を参照して説明した3つの閾値の中で、最も値の低い閾値である閾値Bを、現像部24Y,24M,24Cの少なくとも1つの現像部のトナー残量が下回った場合には、実行中の画像形成動作が中断されて、トナー補給が行なわれる。
【0055】
なお、YMCのすべての色のトナー残量が閾値B以上である場合には、実行中の画像形成動作が中断されることはないが、閾値C未満のトナー残量の現像部があれば、当該色のトナー補給を、トナー残量が閾値C以上の他の色のトナー補給を行なうことなく、実行される。
【0056】
つまり、たとえば、Yの現像部24Yのトナー残量が閾値B以上閾値C未満であり、Mの現像部24MとCの現像部24Cのトナー残量が閾値C以上閾値A未満であった場合には、まず、MとCのトナー補給は行なわずYのトナー補給のみが行なわれる。そして、Yの現像部24Yのトナー残量が閾値C以上となったことを条件として、Yのトナーの補給に併せてMとCのトナーの補給が開始される。
【0057】
図4に戻って、Yのトナー補給制御処理では、コントローラ101は、まずステップS10で、Yの印字中断トナー補給要求フラグがセットされているか否かを判断する。
【0058】
ここで、Yのトナー補給制御処理において利用されるフラグについて説明する。
上記の印字中断トナー補給要求フラグとは、各色の現像部におけるトナー残量が閾値B未満となったことを条件としてセットされるフラグであって、画像形成動作を中断させてトナーを補給することを要するときにセットされるフラグである。
【0059】
また、後述するトナー補給禁止要求フラグとは、各色の現像部におけるトナー残量が上記した閾値B以上であって閾値C未満である場合にセットされるフラグであって、他の色のトナーの補給を禁止することを要するときにセットされるフラグである。
【0060】
ステップS10において、コントローラ101は、Yの印字中断トナー補給要求フラグがセットされていると判断するとステップS20へ処理を進め、セットされていないと判断すると、ステップS30へ処理を進める。
【0061】
ステップS20では、コントローラ101は、Yの印字中断トナー補給処理を実行して、ステップS10へ処理を戻す。なお、Yの印字中断トナー補給処理の内容については、図13を参照して後述する。
【0062】
ステップS30では、コントローラ101は、Yの現像部24Yのトナー残量を検出して、ステップS40へ処理を進める。
【0063】
ステップS40では、コントローラ101は、ステップS30で検出したYのトナー残量が上記した閾値A未満であるか否かを判断し、閾値A未満であると判断するとステップS50へ処理を進め、閾値A以上であると判断するとステップS130へ処理を進める。
【0064】
ステップS50では、コントローラ101は、ステップS30で検出したYのトナー残量が上記した閾値C未満であるか否かを判断し、C未満であると判断するとステップS60へ処理を進め、閾値C以上であると判断するとステップS100へ処理を進める。
【0065】
ステップS60では、コントローラ101は、Yからのトナー補給禁止要求フラグをセットして、ステップS70へ処理を進める。
【0066】
ここで、Yからのトナー補給禁止要求フラグとは、Mの現像部24MおよびCの現像部24Cに対して、トナーの補給を禁止するためのフラグである。
【0067】
ステップS70では、コントローラ101は、ステップS30で検出したトナー残量が上記した閾値B未満であるか否かを判断し、閾値B未満であると判断するとステップS80へ処理を進め、閾値B以上であると判断するとステップS90へ処理を進める。
【0068】
ステップS80では、コントローラ101は、Yの印字中断トナー補給要求フラグをセットして、ステップS160へ処理を進める。
【0069】
一方、ステップS90では、コントローラ101は、Yの印字中断トナー補給要求フラグをクリアさせて、ステップS160へ処理を進める。
【0070】
ステップS100では、コントローラ101は、ステップS60でセットしたYからのトナー補給禁止要求フラグをクリアさせて、ステップS110へ処理を進める。
【0071】
ステップS110では、コントローラ101は、Yの印字中断トナー補給要求フラグをクリアして、ステップS120へ処理を進める。
【0072】
ステップS120では、コントローラ101は、Mからのトナー補給禁止要求フラグまたはCからのトナー補給禁止要求フラグがセットされているか否かを判断し、セットされていると判断するとステップS150へ処理を進め、セットされていないと判断するとステップS160へ処理を進める。
【0073】
ステップ130では、ステップS60でセットしたYからのトナー補給禁止要求フラグをクリアさせて、ステップS140へ処理を進める。
【0074】
ステップS140では、コントローラ101は、ステップS80でセットしたYの印字中断トナー補給要求フラグをクリアして、ステップS150へ処理を進める。
【0075】
ステップS150では、Yのトナーの現像部24Yへの補給動作を終了させて、ステップS10へ処理を戻す。
【0076】
一方、ステップS160では、コントローラ101は、Yの現像部24Yへのトナーの補給を開始(継続)させて、ステップS10へ処理を戻す。
【0077】
なお、プリンタ1では、スクリュー42Yが回転されることにより、トナーカートリッジ40Yから現像部24Yへのトナー補給が実行され、そして、スクリュー42Yの回転を停止させることにより、Yのトナーの現像部24Yへの補給が終了される。
【0078】
図5を参照して、本実施の形態のYの印字中断トナー補給処理では、コントローラ101は、まずステップSA201で、Yの現像部24Y内のトナー残量を検出して、ステップSA202へ処理を進める。
【0079】
ステップSA202では、ステップSA201で検出したトナー残量が上記の閾値A未満であるか否かを判断し、閾値A未満であると判断するとステップSA203へ処理を進め、A以上であると判断するとステップSA209へ処理を進める。
【0080】
ステップSA203では、コントローラ101は、ステップSA201で検出したトナー残量が上記した閾値C未満であるか否かを判断し、閾値C未満であると判断するとステップSA204へ処理を進め、閾値C以上であると判断するとステップSA206へ処理を進める。
【0081】
ステップSA204では、コントローラ101は、Yからのトナー補給禁止要求フラグをセットして、ステップSA205へ処理を進める。
【0082】
ステップSA205では、コントローラ101は、Yの印字中断トナー補給要求フラグをセットして、ステップSA208へ処理を進める。
【0083】
ステップSA206では、コントローラ101は、Yからのトナー補給禁止要求フラグをクリアして、ステップSA207へ処理を進める。
【0084】
ステップSA207では、コントローラ101は、Yの印字中断トナー補給要求フラグをセットして、ステップSA208へ処理を進める。
【0085】
ステップSA208では、コントローラ101は、Yの現像部24Yへのトナー補給を開始(継続)させて、図4へ処理をリターンさせる。
【0086】
ステップSA209では、コントローラ101は、Yからのトナー補給禁止要求フラグをクリアして、ステップSA210へ処理を進める。
【0087】
ステップSA210では、コントローラ101は、Yの印字中断トナー補給要求フラグをクリアして、ステップSA211へ処理を進める。
【0088】
ステップSA211では、コントローラ101は、Yの現像部24Yへのトナー補給を終了させて、処理を図4へ戻す。
【0089】
以上、図4および図5を参照して説明したYのトナー補給制御処理は、プリンタ1においてプリントジョブが実行される際に、Yのトナー補給に関して実行される。なお、プリンタ1においてプリントジョブが実行される際には、並行して、M,Cのトナー補給に関し、図4および図5を参照して説明した処理と同様の処理が実行される。
【0090】
以上説明した本実施の形態のYのトナー補給制御処理では、Yのトナー残量が上記した閾値C(第1の量)未満である場合(ステップS50でYES)、スクリュー42Yが回転されることにより、現像部24Yへのトナーの補給が開始される(ステップS160)。
【0091】
また、Yのトナー残量が上記した閾値B未満である場合(ステップS70でYES)、Yの印字中断トナー補給要求フラグがセットされ、これにより、プリント動作が中断されてYの印字中断トナー補給処理が実行される(ステップS10でYES,ステップS20)。なお、カラープリント動作は、Y,M,Cのいずれかについてのトナー残量が閾値B未満となり、これらのいずれかについての印字中断トナー補給要求フラグがセットされた場合には、中断されて、トナーの補給が行なわれる。
【0092】
なお、Yのトナー残量が閾値C未満となった場合(ステップS50でYES)、カラーのトナーの他の色(MおよびC)についてのトナーの補給を禁止するためのフラグ(Yからのトナー補給禁止要求フラグ)がセットされる(ステップS60)。一方、Yのトナー補給の際に、Yのトナー残量が閾値C以上であって(ステップS50でNO)、他の色においてトナー補給禁止要求フラグがセットされていれば(ステップS120でYES)、Yのトナーの補給は行なわれない(ステップS150)。同様に、Yからのトナー補給禁止要求フラグがセットされている場合、Mのトナー補給の際にMのトナー残量が閾値C以上であれば、Mのトナーの補給は行なわれず、また、Cのトナー補給の際にCのトナー残量が閾値C以上であれば、Cのトナーの補給は行なわれない。よって、Yのトナー残量が閾値C(第1の量)未満である場合、Yのトナーの補給は行なわれるが、Mのトナー残量が閾値C以上であればMのトナーの補給は行なわれず、また、Cのトナー残量が閾値C以上であればCのトナーの補給は行なわれない。
【0093】
なお、Yのトナーが補給されて当該トナーの残量が閾値C以上となった場合には(ステップSA203でNO)、Yからのトナー補給禁止要求フラグがクリアされる(ステップSA206)。これにより、当該フラグがセットされることによって禁止されていたMおよびCのトナーの補給は、その禁止を解除される。また、他の色のトナー残量が閾値C未満であってYのトナー残量が閾値C以上であった場合にYのトナーの補給が禁止されていた場合であっても、当該他の色のトナーの補給によりその残量が閾値C以上となれば、当該Yのトナーの補給の禁止が解除される。
【0094】
本実施の形態におけるトナーの補給に関する制御の結果としてのY,M,Cの各色のトナー残量の変化を、図6〜図12を参照してより詳細に説明する。
【0095】
なお、各図において、矢印401,402,403は、それぞれ、トナーカートリッジ40Y,40M,40Cから現像部24Y,24M,24Cに補給されるトナーの流れを表わしている。また、矢印2411,2412,2413は、それぞれ、現像部24Y,24M,24Cから、画像形成に使用されるために出力されるトナーの流れを示している。
【0096】
図6には、状態1として、Y,M,Cの全色のトナーの残量が閾値Cより多いが閾値Aを下回った状態が示されている。
【0097】
この場合には、各色についてのトナーの補給は行なわれるが(Yについての、ステップS40でYES、ステップS160)、各色についてのトナー補給禁止要求フラグも印字中断トナー補給要求もクリアされているため、そのトナーの補給は、プリント動作は中断されることなく、また、他の色のトナーの補給を禁止することもなく行なわれる。そして、各色のトナーの補給は、トナー残量が閾値A以上となったときに終了する(ステップS40でNO、ステップS150)。
【0098】
図7には、状態2として、YとCのトナーの残量が閾値Cより多いが閾値Aを下回った状態であって、Mのトナーの消費が他の色のトナーの消費にくらべて多く、Mのトナー残量が閾値Bより多いが閾値Bを下回った状態が示されている。
【0099】
この場合には、まず、Mのトナーの補給が行なわれるが、Mのトナーの補給の制御の際に、Mからのトナー補給禁止要求フラグがセットされる(図8の状態3)。これにより、Mのトナー残量が閾値C以上となるまで、Y,Cのトナーの補給は禁止される。そして、Mのみのトナーの補給によりその残量が閾値C以上となると、Mからのトナー補給禁止要求フラグがクリアされてY,Cのトナーの補給の禁止が解除され、Y,Cのトナーの補給があわせて行なわれるようになる。
【0100】
図9には、状態4として、状態2から、Mのトナーの消費が当該トナーの補給に追いつかず、Mのトナー残量が閾値Bを下回った状態が示されている。この場合には、Mの印字中断トナー補給要求フラグがセットされるとともにMからのトナー補給禁止要求フラグがセットされる。このため、プリント動作が停止され、Mのトナーの補給が行なわれる(図10の状態5)。なお、状態4では、Y,Cのトナー残量は閾値Cより多くなっている。よって、Y,Cへのトナーの補給は禁止されるため、状態5では、Y,Cのトナーの補給は行なわれていない。つまり、状態5では、Mのトナーのみが補給される。そして、Mのトナー残量が図11の状態6に示されるように閾値C以上となると、Mからのトナー補給禁止要求フラグがクリアされて、図12の状態7として示されるように、Mのトナー補給に加えて、Y,Cのトナー補給が行なわれる。停止されたプリント動作は、Y,M,Cのすべての色のトナー量が閾値A以上となるまで再開されない。ステップSA210に示されるように、Yについてのトナー残量が閾値A以上となるまでは(ステップSA202でYES)、Yの印字中断トナー補給要求フラグはクリアされず、そして、M,Cについても同様の処理が行なわれるからである。
【0101】
なお、状態5では、Mのトナーの残量のみが閾値Cを下回っていたため、Y,Cのトナーの補給は行なわれなかったが、たとえばYのトナーの残量も閾値Cを下回っていれば、Mからのトナー補給禁止要求フラグがセットされていても、Yのトナー補給は行なわれる。これは、図4のステップS50でYのトナー残量が閾値Cを下回ると判断された場合には、ステップS120のような他の色からのトナー補給禁止要求フラグのセットの有無を判断することなくステップS160でYのトナー補給が行なわれることに対応する。
【0102】
[第2の実施の形態]
図13は、図5に示したYの印字中断トナー補給処理の第1の変形例のフローチャートである。
【0103】
図13は、ステップSB20のYの印字中断トナー補給処理のサブルーチンのフローチャートである。
【0104】
図13を参照して、Yの印字中断トナー補給処理では、コントローラ101は、まずステップSB201で、Yからのトナー補給検出要求フラグをクリアさせて、ステップSB202へ処理を進める。
【0105】
ステップSB202では、Yの現像部24Y内のトナー残量を検出して、ステップSB203へ処理を進める。
【0106】
ステップSB203では、コントローラ101は、ステップSB202で検出したYのトナー残量が上記した閾値A未満であるか否かを判断し、閾値A未満であると判断するとステップSB204へ処理を進め、閾値A以上であると判断するとステップSB206へ処理を進める。
【0107】
ステップSB204では、コントローラ101は、Yの印字中断トナー補給要求フラグをセットして、ステップSB205へ処理を進める。
【0108】
ステップSB205では、コントローラ101は、Yのトナーの補給を開始(継続)させて、処理を図4へリターンさせる。
【0109】
ステップSB206では、コントローラ101は、Yの印字中断トナー補給要求フラグをクリアして、ステップSB207へ処理を進める。
【0110】
ステップSB207では、コントローラ101は、Yのトナー補給を終了させて、処理を図4へリターンさせる。
【0111】
本実施の形態のYの印字中断トナー補給処理では、図5のステップSA203,SA204,SA206のように、Yのトナー残量が閾値C以上となるまで他のトナーの補給を禁止するための、Yからのトナー補給禁止要求のセットやクリアが行なわれない。
【0112】
これにより、本実施の形態では、一度Y,M,Cのいずれかについて、トナー残量が閾値B(第2の量)未満となりプリント動作が停止されれば、他の色のトナー補給は、たとえ当該他の色のトナー残量が閾値C(第1の量)以上であっても、当該他の色のトナー残量が閾値A(第3の量)以上となるまで、禁止されることなく実行される。
【0113】
つまり、第1の実施の形態において、Mのトナー残量のみが閾値Bを下回った状態4(図9)となったときには図10の状態5のようにプリント動作が停止されるとともに(Mのトナー残量が閾値C以上となるまでは)Mのみのトナー補給が行なわれた状態5の代わりに、本実施の形態では、プリント動作が停止されれば図14の状態5のように(トナー残量が閾値A未満である)すべての色のトナーの補給が行なわれる。
【0114】
[第3の実施の形態]
本実施の形態のYの印字中断トナー補給処理では、Yの現像部24Yのトナー残量が上記した閾値B未満となったことが検出された場合に、当該現像部へのトナー補給が行なわれるが、当該トナー補給が所定時間継続して行なわれても当該トナー残量が上記した閾値A以上とならない場合には、トナーカートリッジ40Y自体のトナーが収容されていないと判断して、トナーエンプティ信号を出力し、その旨を報知等する。
【0115】
図15は、図5のYの印字中断トナー補給処理の第2の変形例のフローチャートである。
【0116】
図15を参照して、本実施の形態の印字中断トナー補給処理では、コントローラ101は、まずステップSC201で、Yの現像部24Y内のトナー残量を検出して、ステップSC202へ処理を進める。
【0117】
ステップSC202では、コントローラ101は、ステップSC201で検出したトナー残量が上記した閾値A未満であるか否かを判断し、閾値A未満であると判断するとステップSC203へ処理を進め、閾値A以上であると判断するとステップSC212へ処理を進める。
【0118】
ステップSC203では、コントローラ101は、Yのエンプティ検出時間カウンタをインクリメントして、ステップSC204へ処理を進める。
【0119】
ステップSC204では、コントローラ101は、ステップSC203でインクリメントしたことによりYのエンプティ検出時間カウンタの経時時間が60秒未満であるか否かを判断し、60秒未満であると判断するとステップSC206へ処理を進め、60秒以上であると判断するとステップSC205へ処理を進める。
【0120】
ステップSC205では、コントローラ101は、Yについてのトナーエンプティ処理を実行する。Yについてのトナーエンプティ処理とは、Yについてのトナーボトルの交換を必要とする際に実行される処理であり、たとえば、Yのトナーボトルが空であるため交換を必要とする旨の情報を、異常状態として報知する処理である。プリンタ1では、いずれかの色についてのトナーエンプティ処理が実行されると、当該異常状態が解除されるまで、当該トナーエンプティ処理を続行する。
【0121】
ステップSC206では、コントローラ101は、ステップSC201で検出したトナー残量が上記した閾値C未満であるか否かを判断し、閾値C未満であると判断するとステップSC207へ処理を進め、閾値C以上であると判断するとステップSC209へ処理を進める。
【0122】
ステップSC207では、コントローラ101は、Yからのトナー補給禁止要求フラグをセットして、ステップSC208へ処理を進める。
【0123】
ステップSC208では、コントローラ101は、Yの印字中断トナー補給要求フラグをセットして、ステップSC211へ処理を進める。
【0124】
ステップSC209では、コントローラ101は、Yからのトナー補給禁止要求フラグをクリアして、ステップSC210へ処理を進める。
【0125】
ステップSC210では、コントローラ101は、Yの印字中断トナー補給要求フラグをセットして、ステップSC211へ処理を進める。
【0126】
ステップSC211では、コントローラ101は、Yの現像部24Yへのトナー補給を開始(継続)させて、図4へ処理をリターンさせる。
【0127】
ステップSC202でトナー残量が閾値A以上であると判断すると、コントローラ101は、ステップSC212で、Yのエンプティ検出時間カウンタをクリアして、ステップSC213へ処理を進める。
【0128】
ステップSC213では、コントローラ101は、Yからのトナー補給禁止要求フラグをクリアして、ステップSC214へ処理を進める。
【0129】
ステップSC214では、コントローラ101は、Yの印字中断トナー補給要求フラグをクリアして、ステップSC215へ処理を進める。
【0130】
ステップSC215では、コントローラ101は、Yの現像部24Yへのトナー補給を終了させて、図4へ処理をリターンさせる。
【0131】
以上説明した本実施の形態のYの印字中断トナー補給処理では、Yのトナー残量が閾値B(所定の量)未満である場合にプリント動作が停止されてYのトナー補給が行なわれるが、そこから60秒(所定時間)以上トナーの補給を行なってYのトナー残量が閾値A(特定の量)以上とならない場合には、異常状態に対応した制御動作(トナーエンプティ処理)が実行される。
【0132】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0133】
1 プリンタ、3 戴荷台、2 搬送部、4 排出台、10 画像読取部、20 用紙搬送部、21,21Y,21M,21C,21K 作像部、24,24Y,24M,24C,24K 現像部、25,25Y,25M,25C,25K 転写ローラ、30 画像形成部、31 中間転写ベルト、32,33,34,35,37,42,43 ローラ、38 排紙トレイ、40 用紙格納部、41 給紙カセット、50 表示部、101 コントローラ、102 メモリ、241Y,241M,241C,241K 現像ローラ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、特に、複数種類のトナーによる画像形成が可能な画像形成装置およびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、トナーを用いて画像形成を行なう画像形成装置について、種々の技術が開示されている。このような画像形成装置では、静電潜像を形成された感光体ドラムに、現像部によってトナーを付着させ、当該静電潜像を顕像化する。そして、感光体ドラム上のトナー像を用紙に転写することにより、用紙上に画像を形成する。
【0003】
現像部で使用されるトナーは、トナーボトル等のトナー収容手段に収容されており、当該トナー収容手段から現像部へ、適宜補給される。
【0004】
このような画像形成装置における現像部へのトナーの補給に関し、種々の技術が開示されている。
【0005】
たとえば、特許文献1(特開平11−24513号公報)には、トナーボトルから現像部へトナーを補給するときに、トナー収容手段の下部に設けられたサブホッパにおけるトナー残量に応じてトナー補給時に駆動するモータの時間を決定する技術が開示されている。
【0006】
また、特許文献2(特開2005−274738号公報)には、画像データにおける各色ごとの画素数に基づいて推定されるトナー消費量が閾値に達した場合にトナーの補給を実行する画像形成装置において、当該閾値を、湿度等の画像形成条件に応じて変更する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−24513号公報
【特許文献2】特開2005−274738号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
画像形成装置において、現像部にトナーが補給される場合、細かい粉末状のトナーが現像部内で偏って堆積することを回避するため、攪拌羽根を設けられた攪拌部材が現像部に設けられ、そして、現像部にトナーが補給される際には、当該攪拌部材が回転駆動されることにより、現像部内でトナーが偏って堆積することを回避していた。
【0009】
従来の画像形成装置では、製造コストを削減するため、複数の現像部のそれぞれに設けられた攪拌手段を1つのモータで駆動するよう構成されている場合がある。このような場合、当該複数の現像部の中の一部の現像部にのみトナーを補給する場合でも、すべての現像部において攪拌手段が駆動されてしまう。攪拌手段が駆動されることにより、当該現像部内のトナーの劣化が無駄に進むという不都合が生ずる。
【0010】
たとえば、画像形成装置においてY(イエロー)のトナーと、M(マゼンタ)のトナーと、C(シアン)のトナーが用いられて画像形成が行なわれる画像形成装置において、Yのトナーが補給される場合、Yの現像部の攪拌手段だけでなく、Mの現像部およびCの現像部のそれぞれにおいても攪拌手段が駆動される。これにより、Mの現像部およびCの現像部内のトナーの劣化が無駄に進んでしまうこととなる。
【0011】
本発明は係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、複数の現像部を備えた画像形成装置におけるトナーの無駄な劣化を回避することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に従った画像形成装置は、トナーによる現像を行なう第1の現像器と、トナーによる現像を行なう第2の現像器と、第2の現像器を駆動する第2の駆動手段と、第1の現像器におけるトナー量を検出する第1の検出手段と、第2の現像器におけるトナー量を検出する第2の検出手段と、第1の現像器にトナーを補給する第1の補給手段と、第2の現像器にトナーを補給する第2の補給手段と、第1および第2の現像器を駆動する駆動手段と、駆動手段ならびに第1および第2の補給手段とを制御する制御手段とを備え、制御手段は、第1の検出手段の検出量が第1の量未満である場合に、第1の補給手段にトナーを補給させ、かつ、駆動手段に駆動を実行させ、第1の検出手段の検出量が第1の量より少ない第2の量未満である場合に、第2の検出手段の検出量が第2の量未満である場合には第2の補給手段にトナーを補給させ、第2の検出手段の検出量が第1の量未満かつ第2の量以上である場合には第1の検出手段の検出量が第2の量以上となったことを条件として第2の補給手段にトナーを補給させる。
【0013】
また、本発明の画像形成装置は、画像形成動作を行なう画像形成部をさらに備え、画像形成部は、第1および第2の現像器を含み、制御手段は、画像形成部による画像形成動作を制御し、第1の検出手段の検出量が第1の量および第2の量より少ない第3の量未満であると判断した場合には、画像形成部の画像形成動作を停止させて、第1の補給手段にトナーを補給させ、かつ、第2の検出手段による検出量が第1の量未満であれば第2の補給手段にトナーを補給させることが好ましい。
【0014】
また、本発明の画像形成装置では、制御手段は、第1の検出手段の検出量が所定の量未満である場合に第1の補給手段に所定時間以上トナーを補給させても第1の検出手段の検出量が所定の量より多い特定の量以上とならない場合には、異常状態であるための制御動作を実行することが好ましい。
【0015】
本発明に従った画像形成装置の制御方法は、トナーによる現像を行なう複数の現像器を備えた画像形成装置の制御方法であって、複数の現像器の中の第1の現像器および第2の現像器のトナー残量を検出するステップと、第1の現像器のトナー残量が第1の量未満である場合に、第1の現像器へのトナー補給を行なうステップと、第1の現像器のトナー残量が第1の量より少ない第2の量未満である場合であって第2の現像器のトナー残量が第1の量未満かつ第2の量以上である場合には、第2の現像器のトナー残量が第2の量以上となったことを条件として、第2の現像器へのトナー補給を開始するステップとを備える。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、画像形成装置において、複数の現像部のそれぞれのトナー量を第1の量とするためにトナーの補給を行なう場合に、一方の現像部内のトナー量が当該第1の量より少ない第2の量未満であって、他方の現像部内のトナーの量が当該第2の量以上である場合には、まず当該一方の現像部に対してのみトナーの補給が行なわれ、そして、当該一方の現像部内のトナーの量が上記第2の量以上となったことを条件として、さらに上記他方の現像部に対するトナーの補給が開始される。なお、駆動手段は、複数の現像部の少なくとも1つに対してトナーの補給が行なわれていれば、当該複数の現像部内のトナーについての攪拌手段を駆動する。
【0017】
これにより、本発明によれば、トナー量が上記第2の量未満の上記一方の現像部へのトナーの補給が開始されるときに、既にトナー量が第2の量以上である他方の現像部に対するトナーの補給が開始されるタイミングが、上記一方の現像部内のトナー量が第2の量以上となるのを待って開始されるため、他方の現像部において、一方の現像部へのトナーの補給のために駆動される他方の現像部内の攪拌手段による攪拌に、一方の現像部へのトナーの補給の開始当初から当該攪拌に供されるトナーの量をより少ないものとすることができる。
【0018】
したがって、本発明によれば、複数の現像部を備えた画像形成装置において、トナーの補給の開始時点での各現像部におけるトナー残量が異なる場合であっても、無駄な攪拌による劣化に供されるトナーの量をより少ないものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の画像形成装置の一例であるプリンタのハードウェア構成の概略を示す模式的断面図である。
【図2】図1の現像部の近傍の拡大図である。
【図3】図1のプリンタの制御ブロック図である。
【図4】図1のプリンタにおいて実行されるYのトナー補給制御処理のフローチャートである。
【図5】図4のYの印字中断トナー補給処理のサブルーチンのフローチャートである。
【図6】図1のプリンタにおけるY,M,Cの現像部へのトナー補給の態様を説明するための図である。
【図7】図1のプリンタにおけるY,M,Cの現像部へのトナー補給の態様を説明するための図である。
【図8】図1のプリンタにおけるY,M,Cの現像部へのトナー補給の態様を説明するための図である。
【図9】図1のプリンタにおけるY,M,Cの現像部へのトナー補給の態様を説明するための図である。
【図10】図1のプリンタにおけるY,M,Cの現像部へのトナー補給の態様を説明するための図である。
【図11】図1のプリンタにおけるY,M,Cの現像部へのトナー補給の態様を説明するための図である。
【図12】図1のプリンタにおけるY,M,Cの現像部へのトナー補給の態様を説明するための図である。
【図13】図5のYの印字中断トナー補給処理の第1の変形例のフローチャートである。
【図14】図1のプリンタにおけるY,M,Cの現像部へのトナー補給の態様を説明するための図である。
【図15】図5のYの印字中断トナー補給処理の第2の変形例のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も、特に言及される場合を除いて同じものである。
【0021】
[第1の実施の形態]
本実施の形態においては、本発明にかかる画像形成装置をタンデム方式のデジタルカラープリンタ(以下、プリンタという)で適用する場合について説明する。
【0022】
カラータンデム方式の画像形成装置は、各々現像部を含んだ4色の作像部が、(当該作像部で形成されたトナー像を担持する中間転写体である)中間転写ベルトに沿って列設されて構成されている。そして、それぞれの作像部で形成された各色のトナー画像が上記中間転写ベルトに転写され(一次転写)、各色トナーの重ね合わせにより多色画像が形成される。さらに、中間転写ベルト上で重ね合わされた画像を印刷媒体である用紙上に転写し(二次転写)、定着工程を経て出力する。
【0023】
図1は、本発明にかかる画像形成装置が適用される、本実施の形態にかかるプリンタ1のハードウェア構成の概略を示す模式的断面図である。プリンタ1は、タンデム方式のデジタルカラープリンタであって、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、およびブラック(K)の4色のトナーを順次重ね合わせることによってカラー画像を形成する。
【0024】
図1を参照して、本実施の形態にかかるプリンタ1は、画像読取部10と、用紙搬送部20と、画像形成部30と、用紙格納部40とを含む。
【0025】
画像読取部10は、原稿をセットするための戴荷台3と、原稿台ガラス11と、戴荷台3にセットされた原稿を原稿台ガラス11に自動的に1枚ずつ搬送する搬送部2と、読取られた原稿を排出するための排出台4とを含む。さらに、原稿読取部10は、図示しないスキャナを含む。スキャナは、スキャンモータによって原稿台ガラス11と平行移動する。スキャナには、原稿を照射する露光ランプ、原稿からの反射光の向きを変える反射ミラー、反射ミラーからの光路を変えるミラー、反射光を集光するレンズ、および受光した反射光に応じて電気信号を発生する3列(R,G,B)のCCD(Charge Coupled Device)などの光電変換素子が含まれる。
【0026】
搬送部2によって搬送された原稿は原稿台ガラス11上にセットされ、スキャナが原稿台ガラス11と平行に移動するとき露光走査される。原稿からの反射光は光電変換素子によって電気信号に変換され、画像形成部30に入力される。
【0027】
画像形成部30は、中間転写ベルト31と、作像部21Y,21M,21C,21K(これらを代表させて作像部21とする)と、中間転写ベルト31を介して、作像部21Y,21M,21C,21Kと対をなす転写ローラ25Y,25M,25C,25K(これらを代表させて転写ローラ25とする)と、中間転写ベルト31に転写されたトナー像が用紙に転写された後に定着させる定着器36と、CPU(Central Processing Unit)などを含むコントローラ101等の回路部材を収容する制御ボックス1000を含む。
【0028】
中間転写ベルト31は、複数のローラ32,33,34により弛まないように懸架され、これらのローラが図1中で反時計回り(図1中の矢印A方向)に回転することで、所定速度で同方向に回転する無端ベルトである。
【0029】
作像部21Y,21M,21C,21Kは、中間転写ベルト31に沿って所定間隔で配置されるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、およびブラック(K)各色トナーに対応し、それぞれの色に対応するトナーを収容するカートリッジを装着できるように構成されている。また、作像部21Y,21M,21C,21Kは、それぞれ現像部24Y,24M,24C,24Kおよび感光体29Y,29M,29C,29Kを含む。
【0030】
制御ボックス1000には、コントローラ101で実行されるプログラムやプログラムの実行に利用されるデータなどを記憶するメモリ(後述するメモリ102)も収容されている。
【0031】
用紙格納部40は、印刷媒体である用紙Sを収納する給紙カセット41を含み、用紙搬送部20は、給紙カセット41から用紙Sを搬送するためのローラ42,43,35,37、および印刷された用紙を排出する排紙トレイ38を含む。
【0032】
コントローラ101は、操作パネル(後述する操作パネル103)等から入力される指示信号に基づいてメモリ102からプログラムを読出して実行し、上記各部を制御する。また、コントローラ101は内部にタイマなどの計時手段を備えて、所定時間が計時されたときにプログラムを実行してもよい。なお、コントローラ101およびメモリ102は画像形成部30以外の画像読取部10や用紙搬送部20などに備えられてもよい。
【0033】
コントローラ101は上記プログラムを実行することで、画像読取部10や外部装置などから入力された画像信号に対して所定の画像処理を施し、イエロー、マゼンタ、シアン、およびブラックの各色に色変換したデジタル信号を作成する。コントローラ101で作成された、上記画像を形成するための、シアン用の画像色データ、マゼンタ用の画像色データ、イエロー用の画像色データ、およびブラック用の画像色データは、各色に応じてコントローラ101から作像部21の露光器に出力される。
【0034】
露光器が、コントローラ101から入力された画像データに基づいて、感光体にレーザビームを出力することで、均一に帯電された感光体の表面が画像データに応じて露光され、静電潜像が形成される。各現像部24の現像ローラ241(後述する現像ローラ241K,241Y,241M,241C)には現像バイアス電圧が印加されて、感光体の潜像電位との間に電位差が発生する。その状態において電荷を帯びたトナーが供給されることによって、感光体の表面にトナー像が形成される。感光体の表面に形成されたトナー像は、定電圧もしくは定電流の転写ローラ25によって、像担持体である中間転写ベルト31に転写される。これを一次転写と言う。
【0035】
中間転写ベルト31に一次転写されたトナー像は、ローラ34によって、給紙カセット41から搬送された用紙Sに転写される。これを二次転写と言う。用紙に二次転写されたトナー像は、定着器36によって用紙に定着され、電子写真画像として排紙トレイ38に排紙される。
【0036】
図2は、図1の作像部21K近傍の拡大図である。
図2を参照して、作像部は、トナーカートリッジ40Kと現像部24Kを含む。
【0037】
トナーカートリッジ40Kと現像部24Kとは、搬送管49Kで連結されている。
トナーカートリッジ40Kには、トナーが詰め込まれているトナーボトル(図示略)が収容されている。また、トナーカートリッジ40Kには、トナーボトルのトナーを搬送管49Kへ搬送させるスクリュー42Kが備えられている。
【0038】
現像部24Kには、現像ローラ241Kを含む種々のローラが備えられている。
作像部21Y,21M,21Cは、現像部24Kと同様の構成を有する。これらのそれぞれに備えられる現像ローラを現像ローラ241Y,241M,241Cとする。
【0039】
図3は、図1のプリンタ1の制御ブロック図である。
図3を参照して、画像形成制御部100は、上述した画像形成部30の動作を制御する。画像形成部30は、モータ駆動部130を含む。
【0040】
コントローラ101は、プリンタ1のシステム全体を制御する。
ユーザが操作パネル103に対してコピーの指示の操作を行なった場合、コントローラ101は、当該コピーの指示を検出する。そして、コントローラ101は、スキャナ制御部104に指示を出し、原稿台ガラス11上の原稿の画像を取込む。取込まれた画像は、CMYK変換部106により、RGB形式データからCMYK形式データに変換され、メモリ102に一時保存される。メモリ102に一時保存された画像は、コントローラ101によって、画像形成制御部100に転送される。画像形成制御部100は、転送された画像データを作像部21Y,21M,21C,21Kの露光器で露光する。
【0041】
プリンタ1は、また、ネットワーク経由でパーソナルコンピュータ(パソコン)等の外部機器からの入力に基づいてプリント動作を実行することもできる。
【0042】
ネットワーク制御部105が、パソコン等の外部機器からのプリントジョブを受信すると、当該ジョブの画像データ(CMYK形式)は、メモリ102に一時保存される。その後は、上記したコピー動作と同様に、メモリ102に一時保存された画像が、コントローラ101によって画像形成制御部100に転送される。画像形成制御部100は、転送された画像データを、画像パターンとして作像部21Y,21M,21C,21Kの露光部で露光する。
【0043】
コントローラ101は、画像形成制御部100に画像データを転送するときに、ドットカウント部107により、画像データの総ドット数をカウントする。そして、コントローラ101は、画像データの転送完了時に、画像形成制御部100に、転送した画像データの総ドット数を通知する。コントローラ101は、総ドット数のカウントおよび総ドット数の通知を、YMCKの各色ごとに個別に行なう。
【0044】
コントローラ101は、トナー補給制御部110の動作を制御する。トナー補給制御部110は、上記したスクリュー42Y,42M,42C,42Kのそれぞれの回転動作を制御する。
【0045】
モータ駆動部130は、上記した現像ローラ241Y,241M,241Cを回転させるモータ131および上記した現像ローラ241Kを回転させるモータ132を、回転駆動する。本実施の形態のプリンタ1では、現像ローラ241Y,241M,241Cは、一括して回転制御がなされ、個々に回転制御をすることができない。
【0046】
現像部24Y,24M,24Cのそれぞれに導入されたトナーは、現像ローラ241Y,241M,241Cの現像動作時またはトナー補給時の回転により、攪拌され、劣化する。
【0047】
このことに基づき、本実施の形態のプリンタ1では、YMCの各色についての現像部24Y,24M,24Cへのトナーの補給のタイミングは、各現像部におけるトナーの劣化を極力回避するため、より遅いタイミングで開始することとしている。ただし、各現像部へのトナーの補給の際には、各現像部においてトナーが固まって滞留することを回避すべく、現像ローラ241Y,241M,241Cを回転させながら行なう必要がある。したがって、YMCのトナーの補給は、現像ローラ241Y,241M,241Cを回転させるモータ131の駆動時間をより短くするため、一括して行なわれることが好ましい。
【0048】
以上を踏まえて、本実施の形態のプリンタ1では、YMCの各色のトナーの補給についての制御は、他の色の現像部内のトナー残量も考慮されて、実行される。
【0049】
次に、Yのトナーの補給動作を制御する処理(Yのトナー補給制御処理)について、当該処理のフローチャートである図4を参照して説明する。
【0050】
なお、本実施の形態のYのトナー補給制御処理の前提として、プリンタ1では、現像部24Y,24M,24Cにおけるトナー残量について、トナーの補給に関する3段階の閾値が設定されているものとする。このような閾値について、図6を参照して説明する。
【0051】
図6を参照して、現像部24Y,24M,24Cには、各現像部に収容されているトナーが領域2401,2402,2403として模式的に示されている。
【0052】
そして、図6では、各現像部24Y,24M,24Cのトナー残量についての閾値A,B,Cの3つの閾値が模式的に示されている。
【0053】
これらの3つの閾値は、量の多い方から順にA,C,Bとなっている。
そして、これらの閾値の内容は、次のとおりである。
【0054】
A:通常のトナー補給のトナー残量についての閾値
B:画像形成を中断させてトナー補給をさせることを要するトナー残量についての閾値
C:他の色のトナー補給を禁止させるトナー残量についての閾値
本実施の形態において、現像部24Y,24M,24Cへのトナーの補給は、主にカラー画像の画像形成動作中に行なわれる。なお、図6を参照して説明した3つの閾値の中で、最も値の低い閾値である閾値Bを、現像部24Y,24M,24Cの少なくとも1つの現像部のトナー残量が下回った場合には、実行中の画像形成動作が中断されて、トナー補給が行なわれる。
【0055】
なお、YMCのすべての色のトナー残量が閾値B以上である場合には、実行中の画像形成動作が中断されることはないが、閾値C未満のトナー残量の現像部があれば、当該色のトナー補給を、トナー残量が閾値C以上の他の色のトナー補給を行なうことなく、実行される。
【0056】
つまり、たとえば、Yの現像部24Yのトナー残量が閾値B以上閾値C未満であり、Mの現像部24MとCの現像部24Cのトナー残量が閾値C以上閾値A未満であった場合には、まず、MとCのトナー補給は行なわずYのトナー補給のみが行なわれる。そして、Yの現像部24Yのトナー残量が閾値C以上となったことを条件として、Yのトナーの補給に併せてMとCのトナーの補給が開始される。
【0057】
図4に戻って、Yのトナー補給制御処理では、コントローラ101は、まずステップS10で、Yの印字中断トナー補給要求フラグがセットされているか否かを判断する。
【0058】
ここで、Yのトナー補給制御処理において利用されるフラグについて説明する。
上記の印字中断トナー補給要求フラグとは、各色の現像部におけるトナー残量が閾値B未満となったことを条件としてセットされるフラグであって、画像形成動作を中断させてトナーを補給することを要するときにセットされるフラグである。
【0059】
また、後述するトナー補給禁止要求フラグとは、各色の現像部におけるトナー残量が上記した閾値B以上であって閾値C未満である場合にセットされるフラグであって、他の色のトナーの補給を禁止することを要するときにセットされるフラグである。
【0060】
ステップS10において、コントローラ101は、Yの印字中断トナー補給要求フラグがセットされていると判断するとステップS20へ処理を進め、セットされていないと判断すると、ステップS30へ処理を進める。
【0061】
ステップS20では、コントローラ101は、Yの印字中断トナー補給処理を実行して、ステップS10へ処理を戻す。なお、Yの印字中断トナー補給処理の内容については、図13を参照して後述する。
【0062】
ステップS30では、コントローラ101は、Yの現像部24Yのトナー残量を検出して、ステップS40へ処理を進める。
【0063】
ステップS40では、コントローラ101は、ステップS30で検出したYのトナー残量が上記した閾値A未満であるか否かを判断し、閾値A未満であると判断するとステップS50へ処理を進め、閾値A以上であると判断するとステップS130へ処理を進める。
【0064】
ステップS50では、コントローラ101は、ステップS30で検出したYのトナー残量が上記した閾値C未満であるか否かを判断し、C未満であると判断するとステップS60へ処理を進め、閾値C以上であると判断するとステップS100へ処理を進める。
【0065】
ステップS60では、コントローラ101は、Yからのトナー補給禁止要求フラグをセットして、ステップS70へ処理を進める。
【0066】
ここで、Yからのトナー補給禁止要求フラグとは、Mの現像部24MおよびCの現像部24Cに対して、トナーの補給を禁止するためのフラグである。
【0067】
ステップS70では、コントローラ101は、ステップS30で検出したトナー残量が上記した閾値B未満であるか否かを判断し、閾値B未満であると判断するとステップS80へ処理を進め、閾値B以上であると判断するとステップS90へ処理を進める。
【0068】
ステップS80では、コントローラ101は、Yの印字中断トナー補給要求フラグをセットして、ステップS160へ処理を進める。
【0069】
一方、ステップS90では、コントローラ101は、Yの印字中断トナー補給要求フラグをクリアさせて、ステップS160へ処理を進める。
【0070】
ステップS100では、コントローラ101は、ステップS60でセットしたYからのトナー補給禁止要求フラグをクリアさせて、ステップS110へ処理を進める。
【0071】
ステップS110では、コントローラ101は、Yの印字中断トナー補給要求フラグをクリアして、ステップS120へ処理を進める。
【0072】
ステップS120では、コントローラ101は、Mからのトナー補給禁止要求フラグまたはCからのトナー補給禁止要求フラグがセットされているか否かを判断し、セットされていると判断するとステップS150へ処理を進め、セットされていないと判断するとステップS160へ処理を進める。
【0073】
ステップ130では、ステップS60でセットしたYからのトナー補給禁止要求フラグをクリアさせて、ステップS140へ処理を進める。
【0074】
ステップS140では、コントローラ101は、ステップS80でセットしたYの印字中断トナー補給要求フラグをクリアして、ステップS150へ処理を進める。
【0075】
ステップS150では、Yのトナーの現像部24Yへの補給動作を終了させて、ステップS10へ処理を戻す。
【0076】
一方、ステップS160では、コントローラ101は、Yの現像部24Yへのトナーの補給を開始(継続)させて、ステップS10へ処理を戻す。
【0077】
なお、プリンタ1では、スクリュー42Yが回転されることにより、トナーカートリッジ40Yから現像部24Yへのトナー補給が実行され、そして、スクリュー42Yの回転を停止させることにより、Yのトナーの現像部24Yへの補給が終了される。
【0078】
図5を参照して、本実施の形態のYの印字中断トナー補給処理では、コントローラ101は、まずステップSA201で、Yの現像部24Y内のトナー残量を検出して、ステップSA202へ処理を進める。
【0079】
ステップSA202では、ステップSA201で検出したトナー残量が上記の閾値A未満であるか否かを判断し、閾値A未満であると判断するとステップSA203へ処理を進め、A以上であると判断するとステップSA209へ処理を進める。
【0080】
ステップSA203では、コントローラ101は、ステップSA201で検出したトナー残量が上記した閾値C未満であるか否かを判断し、閾値C未満であると判断するとステップSA204へ処理を進め、閾値C以上であると判断するとステップSA206へ処理を進める。
【0081】
ステップSA204では、コントローラ101は、Yからのトナー補給禁止要求フラグをセットして、ステップSA205へ処理を進める。
【0082】
ステップSA205では、コントローラ101は、Yの印字中断トナー補給要求フラグをセットして、ステップSA208へ処理を進める。
【0083】
ステップSA206では、コントローラ101は、Yからのトナー補給禁止要求フラグをクリアして、ステップSA207へ処理を進める。
【0084】
ステップSA207では、コントローラ101は、Yの印字中断トナー補給要求フラグをセットして、ステップSA208へ処理を進める。
【0085】
ステップSA208では、コントローラ101は、Yの現像部24Yへのトナー補給を開始(継続)させて、図4へ処理をリターンさせる。
【0086】
ステップSA209では、コントローラ101は、Yからのトナー補給禁止要求フラグをクリアして、ステップSA210へ処理を進める。
【0087】
ステップSA210では、コントローラ101は、Yの印字中断トナー補給要求フラグをクリアして、ステップSA211へ処理を進める。
【0088】
ステップSA211では、コントローラ101は、Yの現像部24Yへのトナー補給を終了させて、処理を図4へ戻す。
【0089】
以上、図4および図5を参照して説明したYのトナー補給制御処理は、プリンタ1においてプリントジョブが実行される際に、Yのトナー補給に関して実行される。なお、プリンタ1においてプリントジョブが実行される際には、並行して、M,Cのトナー補給に関し、図4および図5を参照して説明した処理と同様の処理が実行される。
【0090】
以上説明した本実施の形態のYのトナー補給制御処理では、Yのトナー残量が上記した閾値C(第1の量)未満である場合(ステップS50でYES)、スクリュー42Yが回転されることにより、現像部24Yへのトナーの補給が開始される(ステップS160)。
【0091】
また、Yのトナー残量が上記した閾値B未満である場合(ステップS70でYES)、Yの印字中断トナー補給要求フラグがセットされ、これにより、プリント動作が中断されてYの印字中断トナー補給処理が実行される(ステップS10でYES,ステップS20)。なお、カラープリント動作は、Y,M,Cのいずれかについてのトナー残量が閾値B未満となり、これらのいずれかについての印字中断トナー補給要求フラグがセットされた場合には、中断されて、トナーの補給が行なわれる。
【0092】
なお、Yのトナー残量が閾値C未満となった場合(ステップS50でYES)、カラーのトナーの他の色(MおよびC)についてのトナーの補給を禁止するためのフラグ(Yからのトナー補給禁止要求フラグ)がセットされる(ステップS60)。一方、Yのトナー補給の際に、Yのトナー残量が閾値C以上であって(ステップS50でNO)、他の色においてトナー補給禁止要求フラグがセットされていれば(ステップS120でYES)、Yのトナーの補給は行なわれない(ステップS150)。同様に、Yからのトナー補給禁止要求フラグがセットされている場合、Mのトナー補給の際にMのトナー残量が閾値C以上であれば、Mのトナーの補給は行なわれず、また、Cのトナー補給の際にCのトナー残量が閾値C以上であれば、Cのトナーの補給は行なわれない。よって、Yのトナー残量が閾値C(第1の量)未満である場合、Yのトナーの補給は行なわれるが、Mのトナー残量が閾値C以上であればMのトナーの補給は行なわれず、また、Cのトナー残量が閾値C以上であればCのトナーの補給は行なわれない。
【0093】
なお、Yのトナーが補給されて当該トナーの残量が閾値C以上となった場合には(ステップSA203でNO)、Yからのトナー補給禁止要求フラグがクリアされる(ステップSA206)。これにより、当該フラグがセットされることによって禁止されていたMおよびCのトナーの補給は、その禁止を解除される。また、他の色のトナー残量が閾値C未満であってYのトナー残量が閾値C以上であった場合にYのトナーの補給が禁止されていた場合であっても、当該他の色のトナーの補給によりその残量が閾値C以上となれば、当該Yのトナーの補給の禁止が解除される。
【0094】
本実施の形態におけるトナーの補給に関する制御の結果としてのY,M,Cの各色のトナー残量の変化を、図6〜図12を参照してより詳細に説明する。
【0095】
なお、各図において、矢印401,402,403は、それぞれ、トナーカートリッジ40Y,40M,40Cから現像部24Y,24M,24Cに補給されるトナーの流れを表わしている。また、矢印2411,2412,2413は、それぞれ、現像部24Y,24M,24Cから、画像形成に使用されるために出力されるトナーの流れを示している。
【0096】
図6には、状態1として、Y,M,Cの全色のトナーの残量が閾値Cより多いが閾値Aを下回った状態が示されている。
【0097】
この場合には、各色についてのトナーの補給は行なわれるが(Yについての、ステップS40でYES、ステップS160)、各色についてのトナー補給禁止要求フラグも印字中断トナー補給要求もクリアされているため、そのトナーの補給は、プリント動作は中断されることなく、また、他の色のトナーの補給を禁止することもなく行なわれる。そして、各色のトナーの補給は、トナー残量が閾値A以上となったときに終了する(ステップS40でNO、ステップS150)。
【0098】
図7には、状態2として、YとCのトナーの残量が閾値Cより多いが閾値Aを下回った状態であって、Mのトナーの消費が他の色のトナーの消費にくらべて多く、Mのトナー残量が閾値Bより多いが閾値Bを下回った状態が示されている。
【0099】
この場合には、まず、Mのトナーの補給が行なわれるが、Mのトナーの補給の制御の際に、Mからのトナー補給禁止要求フラグがセットされる(図8の状態3)。これにより、Mのトナー残量が閾値C以上となるまで、Y,Cのトナーの補給は禁止される。そして、Mのみのトナーの補給によりその残量が閾値C以上となると、Mからのトナー補給禁止要求フラグがクリアされてY,Cのトナーの補給の禁止が解除され、Y,Cのトナーの補給があわせて行なわれるようになる。
【0100】
図9には、状態4として、状態2から、Mのトナーの消費が当該トナーの補給に追いつかず、Mのトナー残量が閾値Bを下回った状態が示されている。この場合には、Mの印字中断トナー補給要求フラグがセットされるとともにMからのトナー補給禁止要求フラグがセットされる。このため、プリント動作が停止され、Mのトナーの補給が行なわれる(図10の状態5)。なお、状態4では、Y,Cのトナー残量は閾値Cより多くなっている。よって、Y,Cへのトナーの補給は禁止されるため、状態5では、Y,Cのトナーの補給は行なわれていない。つまり、状態5では、Mのトナーのみが補給される。そして、Mのトナー残量が図11の状態6に示されるように閾値C以上となると、Mからのトナー補給禁止要求フラグがクリアされて、図12の状態7として示されるように、Mのトナー補給に加えて、Y,Cのトナー補給が行なわれる。停止されたプリント動作は、Y,M,Cのすべての色のトナー量が閾値A以上となるまで再開されない。ステップSA210に示されるように、Yについてのトナー残量が閾値A以上となるまでは(ステップSA202でYES)、Yの印字中断トナー補給要求フラグはクリアされず、そして、M,Cについても同様の処理が行なわれるからである。
【0101】
なお、状態5では、Mのトナーの残量のみが閾値Cを下回っていたため、Y,Cのトナーの補給は行なわれなかったが、たとえばYのトナーの残量も閾値Cを下回っていれば、Mからのトナー補給禁止要求フラグがセットされていても、Yのトナー補給は行なわれる。これは、図4のステップS50でYのトナー残量が閾値Cを下回ると判断された場合には、ステップS120のような他の色からのトナー補給禁止要求フラグのセットの有無を判断することなくステップS160でYのトナー補給が行なわれることに対応する。
【0102】
[第2の実施の形態]
図13は、図5に示したYの印字中断トナー補給処理の第1の変形例のフローチャートである。
【0103】
図13は、ステップSB20のYの印字中断トナー補給処理のサブルーチンのフローチャートである。
【0104】
図13を参照して、Yの印字中断トナー補給処理では、コントローラ101は、まずステップSB201で、Yからのトナー補給検出要求フラグをクリアさせて、ステップSB202へ処理を進める。
【0105】
ステップSB202では、Yの現像部24Y内のトナー残量を検出して、ステップSB203へ処理を進める。
【0106】
ステップSB203では、コントローラ101は、ステップSB202で検出したYのトナー残量が上記した閾値A未満であるか否かを判断し、閾値A未満であると判断するとステップSB204へ処理を進め、閾値A以上であると判断するとステップSB206へ処理を進める。
【0107】
ステップSB204では、コントローラ101は、Yの印字中断トナー補給要求フラグをセットして、ステップSB205へ処理を進める。
【0108】
ステップSB205では、コントローラ101は、Yのトナーの補給を開始(継続)させて、処理を図4へリターンさせる。
【0109】
ステップSB206では、コントローラ101は、Yの印字中断トナー補給要求フラグをクリアして、ステップSB207へ処理を進める。
【0110】
ステップSB207では、コントローラ101は、Yのトナー補給を終了させて、処理を図4へリターンさせる。
【0111】
本実施の形態のYの印字中断トナー補給処理では、図5のステップSA203,SA204,SA206のように、Yのトナー残量が閾値C以上となるまで他のトナーの補給を禁止するための、Yからのトナー補給禁止要求のセットやクリアが行なわれない。
【0112】
これにより、本実施の形態では、一度Y,M,Cのいずれかについて、トナー残量が閾値B(第2の量)未満となりプリント動作が停止されれば、他の色のトナー補給は、たとえ当該他の色のトナー残量が閾値C(第1の量)以上であっても、当該他の色のトナー残量が閾値A(第3の量)以上となるまで、禁止されることなく実行される。
【0113】
つまり、第1の実施の形態において、Mのトナー残量のみが閾値Bを下回った状態4(図9)となったときには図10の状態5のようにプリント動作が停止されるとともに(Mのトナー残量が閾値C以上となるまでは)Mのみのトナー補給が行なわれた状態5の代わりに、本実施の形態では、プリント動作が停止されれば図14の状態5のように(トナー残量が閾値A未満である)すべての色のトナーの補給が行なわれる。
【0114】
[第3の実施の形態]
本実施の形態のYの印字中断トナー補給処理では、Yの現像部24Yのトナー残量が上記した閾値B未満となったことが検出された場合に、当該現像部へのトナー補給が行なわれるが、当該トナー補給が所定時間継続して行なわれても当該トナー残量が上記した閾値A以上とならない場合には、トナーカートリッジ40Y自体のトナーが収容されていないと判断して、トナーエンプティ信号を出力し、その旨を報知等する。
【0115】
図15は、図5のYの印字中断トナー補給処理の第2の変形例のフローチャートである。
【0116】
図15を参照して、本実施の形態の印字中断トナー補給処理では、コントローラ101は、まずステップSC201で、Yの現像部24Y内のトナー残量を検出して、ステップSC202へ処理を進める。
【0117】
ステップSC202では、コントローラ101は、ステップSC201で検出したトナー残量が上記した閾値A未満であるか否かを判断し、閾値A未満であると判断するとステップSC203へ処理を進め、閾値A以上であると判断するとステップSC212へ処理を進める。
【0118】
ステップSC203では、コントローラ101は、Yのエンプティ検出時間カウンタをインクリメントして、ステップSC204へ処理を進める。
【0119】
ステップSC204では、コントローラ101は、ステップSC203でインクリメントしたことによりYのエンプティ検出時間カウンタの経時時間が60秒未満であるか否かを判断し、60秒未満であると判断するとステップSC206へ処理を進め、60秒以上であると判断するとステップSC205へ処理を進める。
【0120】
ステップSC205では、コントローラ101は、Yについてのトナーエンプティ処理を実行する。Yについてのトナーエンプティ処理とは、Yについてのトナーボトルの交換を必要とする際に実行される処理であり、たとえば、Yのトナーボトルが空であるため交換を必要とする旨の情報を、異常状態として報知する処理である。プリンタ1では、いずれかの色についてのトナーエンプティ処理が実行されると、当該異常状態が解除されるまで、当該トナーエンプティ処理を続行する。
【0121】
ステップSC206では、コントローラ101は、ステップSC201で検出したトナー残量が上記した閾値C未満であるか否かを判断し、閾値C未満であると判断するとステップSC207へ処理を進め、閾値C以上であると判断するとステップSC209へ処理を進める。
【0122】
ステップSC207では、コントローラ101は、Yからのトナー補給禁止要求フラグをセットして、ステップSC208へ処理を進める。
【0123】
ステップSC208では、コントローラ101は、Yの印字中断トナー補給要求フラグをセットして、ステップSC211へ処理を進める。
【0124】
ステップSC209では、コントローラ101は、Yからのトナー補給禁止要求フラグをクリアして、ステップSC210へ処理を進める。
【0125】
ステップSC210では、コントローラ101は、Yの印字中断トナー補給要求フラグをセットして、ステップSC211へ処理を進める。
【0126】
ステップSC211では、コントローラ101は、Yの現像部24Yへのトナー補給を開始(継続)させて、図4へ処理をリターンさせる。
【0127】
ステップSC202でトナー残量が閾値A以上であると判断すると、コントローラ101は、ステップSC212で、Yのエンプティ検出時間カウンタをクリアして、ステップSC213へ処理を進める。
【0128】
ステップSC213では、コントローラ101は、Yからのトナー補給禁止要求フラグをクリアして、ステップSC214へ処理を進める。
【0129】
ステップSC214では、コントローラ101は、Yの印字中断トナー補給要求フラグをクリアして、ステップSC215へ処理を進める。
【0130】
ステップSC215では、コントローラ101は、Yの現像部24Yへのトナー補給を終了させて、図4へ処理をリターンさせる。
【0131】
以上説明した本実施の形態のYの印字中断トナー補給処理では、Yのトナー残量が閾値B(所定の量)未満である場合にプリント動作が停止されてYのトナー補給が行なわれるが、そこから60秒(所定時間)以上トナーの補給を行なってYのトナー残量が閾値A(特定の量)以上とならない場合には、異常状態に対応した制御動作(トナーエンプティ処理)が実行される。
【0132】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0133】
1 プリンタ、3 戴荷台、2 搬送部、4 排出台、10 画像読取部、20 用紙搬送部、21,21Y,21M,21C,21K 作像部、24,24Y,24M,24C,24K 現像部、25,25Y,25M,25C,25K 転写ローラ、30 画像形成部、31 中間転写ベルト、32,33,34,35,37,42,43 ローラ、38 排紙トレイ、40 用紙格納部、41 給紙カセット、50 表示部、101 コントローラ、102 メモリ、241Y,241M,241C,241K 現像ローラ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナーによる現像を行なう第1の現像器と、
トナーによる現像を行なう第2の現像器と、
前記第2の現像器を駆動する第2の駆動手段と、
前記第1の現像器におけるトナー量を検出する第1の検出手段と、
前記第2の現像器におけるトナー量を検出する第2の検出手段と、
前記第1の現像器にトナーを補給する第1の補給手段と、
前記第2の現像器にトナーを補給する第2の補給手段と、
前記第1および第2の現像器を駆動する駆動手段と、
前記駆動手段ならびに前記第1および第2の補給手段とを制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、
前記第1の検出手段の検出量が第1の量未満である場合に、前記第1の補給手段にトナーを補給させ、かつ、前記駆動手段に駆動を実行させ、
前記第1の検出手段の検出量が前記第1の量より少ない第2の量未満である場合に、前記第2の検出手段の検出量が前記第2の量未満である場合には前記第2の補給手段にトナーを補給させ、前記第2の検出手段の検出量が前記第1の量未満かつ前記第2の量以上である場合には前記第1の検出手段の検出量が前記第2の量以上となったことを条件として前記第2の補給手段にトナーを補給させる、画像形成装置。
【請求項2】
画像形成動作を行なう画像形成部をさらに備え、
前記画像形成部は、前記第1および第2の現像器を含み、
前記制御手段は、
前記画像形成部による画像形成動作を制御し、
前記第1の検出手段の検出量が前記第1の量および前記第2の量より少ない第3の量未満であると判断した場合には、前記画像形成部の画像形成動作を停止させて、前記第1の補給手段にトナーを補給させ、かつ、前記第2の検出手段による検出量が前記第1の量未満であれば前記第2の補給手段にトナーを補給させる、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記第1の検出手段の検出量が所定の量未満である場合に前記第1の補給手段に所定時間以上トナーを補給させても前記第1の検出手段の検出量が前記所定の量より多い特定の量以上とならない場合には、異常状態であるための制御動作を実行する、請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
トナーによる現像を行なう複数の現像器を備えた画像形成装置の制御方法であって、
前記複数の現像器の中の第1の現像器および第2の現像器のトナー残量を検出するステップと、
前記第1の現像器のトナー残量が第1の量未満である場合に、前記第1の現像器へのトナー補給を行なうステップと、
前記第1の現像器のトナー残量が前記第1の量より少ない第2の量未満である場合であって前記第2の現像器のトナー残量が前記第1の量未満かつ前記第2の量以上である場合には、前記第2の現像器のトナー残量が前記第2の量以上となったことを条件として、前記第2の現像器へのトナー補給を開始するステップとを備える、画像形成装置の制御方法。
【請求項1】
トナーによる現像を行なう第1の現像器と、
トナーによる現像を行なう第2の現像器と、
前記第2の現像器を駆動する第2の駆動手段と、
前記第1の現像器におけるトナー量を検出する第1の検出手段と、
前記第2の現像器におけるトナー量を検出する第2の検出手段と、
前記第1の現像器にトナーを補給する第1の補給手段と、
前記第2の現像器にトナーを補給する第2の補給手段と、
前記第1および第2の現像器を駆動する駆動手段と、
前記駆動手段ならびに前記第1および第2の補給手段とを制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、
前記第1の検出手段の検出量が第1の量未満である場合に、前記第1の補給手段にトナーを補給させ、かつ、前記駆動手段に駆動を実行させ、
前記第1の検出手段の検出量が前記第1の量より少ない第2の量未満である場合に、前記第2の検出手段の検出量が前記第2の量未満である場合には前記第2の補給手段にトナーを補給させ、前記第2の検出手段の検出量が前記第1の量未満かつ前記第2の量以上である場合には前記第1の検出手段の検出量が前記第2の量以上となったことを条件として前記第2の補給手段にトナーを補給させる、画像形成装置。
【請求項2】
画像形成動作を行なう画像形成部をさらに備え、
前記画像形成部は、前記第1および第2の現像器を含み、
前記制御手段は、
前記画像形成部による画像形成動作を制御し、
前記第1の検出手段の検出量が前記第1の量および前記第2の量より少ない第3の量未満であると判断した場合には、前記画像形成部の画像形成動作を停止させて、前記第1の補給手段にトナーを補給させ、かつ、前記第2の検出手段による検出量が前記第1の量未満であれば前記第2の補給手段にトナーを補給させる、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記第1の検出手段の検出量が所定の量未満である場合に前記第1の補給手段に所定時間以上トナーを補給させても前記第1の検出手段の検出量が前記所定の量より多い特定の量以上とならない場合には、異常状態であるための制御動作を実行する、請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
トナーによる現像を行なう複数の現像器を備えた画像形成装置の制御方法であって、
前記複数の現像器の中の第1の現像器および第2の現像器のトナー残量を検出するステップと、
前記第1の現像器のトナー残量が第1の量未満である場合に、前記第1の現像器へのトナー補給を行なうステップと、
前記第1の現像器のトナー残量が前記第1の量より少ない第2の量未満である場合であって前記第2の現像器のトナー残量が前記第1の量未満かつ前記第2の量以上である場合には、前記第2の現像器のトナー残量が前記第2の量以上となったことを条件として、前記第2の現像器へのトナー補給を開始するステップとを備える、画像形成装置の制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2010−175965(P2010−175965A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−20140(P2009−20140)
【出願日】平成21年1月30日(2009.1.30)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月30日(2009.1.30)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
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