説明

画像形成装置および露光モジュール

【課題】本体に露光部材を取り付けた際の接続体に対する配線基板の接続を容易にする。
【解決手段】感光体ドラムを露光する露光モジュールEMは、LPH14およびLPH14をZ方向に進退させる進退機構17を備える。進退機構17を構成する筐体のリア側端部側面には、本体から受電し且つLPH14に給電を中継基板174が取り付けられている。この中継基板174は、基板保持部材によってそのリア側端部がZ方向に首振り自在且つY方向に移動可能に、ただしX方向には移動が規制された状態で取り付けられる。中継基板174のリア側端部には本体に設けられた給電コネクタとはめ合う受電コネクタ175が取り付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばプリンタや複写機等の画像形成装置および露光モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式を用いたプリンタや複写機等の画像形成装置において、感光体ドラム等の像保持体上を露光する露光部材として、近年、LED(Light Emitting Diode)等の発光素子をライン状に配列した発光素子アレイを用いたものが提案されている。
特許文献1には、画像形成装置の本体に露光部材を取り付けるとともに、本体側に設けられ露光部材の発光素子等に給電を行うためのフレキシブルフラットケーブル(FFC)を、露光部材に取り付けられた配線基板に直接接続することが記載されている。
また、特許文献2には、トナーカートリッジに例えば半導体素子からなるメモリを取り付けておき、画像形成装置の本体にトナーカートリッジを取り付けた際に本体側に設けられたコネクタに対しメモリに設けられたコネクタを接続することが記載されている。
【0003】
【特許文献1】特開2006−162768号公報
【特許文献2】特開2003−149929号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば露光部材と本体とをケーブルで接続した場合には、本体に露光部材を取り付けあるいは取り外す際にケーブルの着脱作業が必要となり、交換作業等における作業性の低下を招くことになる。一方、例えば露光部材にコネクタを取り付けた場合には画像形成装置側において露光部材の取り付け位置と受け側のコネクタの位置とを精度良く設定しておく必要がある。
本発明は、本体に露光部材を取り付けた際の接続体に対する配線基板の接続を容易なものとすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、本体に取り付けられて回転する像保持体と、前記像保持体を露光する露光部を有し、前記本体に対し当該像保持体の軸線方向である第1の方向の一端側から他端側に向けて差し込まれた際に当該本体に設けられた位置決め部材に保持されることで、当該本体に対する取り付けがなされる露光部材と、前記露光部と電気的に接続されて前記露光部材の前記他端側に設けられ、当該露光部材が前記本体に取り付けられた際に当該本体に設けられた接続体と電気的に接続される配線基板と、前記配線基板を、前記第1の方向への移動を規制し且つ前記露光部の光軸方向である第2の方向および当該第1の方向および当該第2の方向に直交する第3の方向の双方への移動を許容するように保持する保持部材とを含む画像形成装置である。
【0006】
請求項2記載の発明は、前記露光部材は、前記露光部を支持する支持部と、前記支持部を介して前記露光部を前記像保持体に対して進退させる進退機構とを有することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置である。
請求項3記載の発明は、前記配線基板の前記他端側に取り付けられ、前記接続体とはめ合うはめ合い部材をさらに含むことを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置である。
請求項4記載の発明は、前記露光部材が前記本体に設けられた前記位置決め部材に位置決めされた際に、前記はめ合い部材が当該本体に設けられた前記接続体に対し前記第1の方向に所定の隙間を有してはめ合うことを特徴とする請求項3記載の画像形成装置である。
請求項5記載の発明は、前記本体に取り付けられ、前記露光部材を前記一端側から前記他端側に向けて案内する案内部材をさらに含み、前記案内部材は、前記一端側では前記露光部が前記像保持体と対向しないように前記露光部材を案内し、前記他端側では当該露光部が当該像保持体と対向するように当該露光部材を案内することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の画像形成装置である。
請求項6記載の発明は、前記配線基板は、前記露光部材に対する前記第1の方向の位置が調整可能となるように形成され、前記露光部材に対する前記配線基板の前記第1の方向の位置を固定する固定部材をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の画像形成装置である。
請求項7記載の発明は、前記接続体は、前記本体に対する前記第1の方向の位置が調整可能となるように形成され、前記本体に対する前記接続体の前記第1の方向の位置を固定する固定部材をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の画像形成装置である。
請求項8記載の発明は、前記接続体は、前記第1の方向の前記一端側から前記他端側に移動する前記配線基板と接続される際に、当該配線基板から受ける力に応じて当該一端側から当該他端側に移動するように前記本体に取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の画像形成装置である。
請求項9記載の発明は、前記露光部材に取り付けられ、前記配線基板を前記第1の方向の前記一端側から前記他端側に向けて付勢する弾性部材をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の画像形成装置である。
請求項10記載の発明は、前記接続体は、前記第1の方向への移動を許容し且つ前記第2の方向および前記第3の方向への移動を規制するように前記本体に設けられ、前記接続体を前記第1の方向の前記他端側から前記一端側へと向かう方向に押し付ける押し付け部材と、前記露光部材に設けられ、前記配線基板と前記接続体とが電気的に接続された状態で前記押し付け部材に接触し当該押し付け部材を当該接続体から離間させる離間部材とをさらに含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の画像形成装置である。
【0007】
請求項11記載の発明は、回転する像保持体の軸線方向に沿って設けられた露光部を有する露光部材と、前記露光部と電気的に接続されて前記露光部材の前記軸線方向の一端側に設けられる配線基板と、前記配線基板を、前記軸線方向である第1の方向への移動を規制し且つ前記露光部の光軸方向である第2の方向および当該第1の方向および当該第2の方向に直交する第3の方向の双方への移動を許容するように保持する保持部材とを含む露光モジュールである。
【0008】
請求項12記載の発明は、前記配線基板が、前記露光部材の側面に取り付けられることを特徴とする請求項11記載の露光モジュールである。
請求項13記載の発明は、前記保持部材は、前記露光部材に対し前記配線基板を回転可能に取り付けることで前記第2の方向への移動を許容し、当該露光部材に対し当該配線基板の厚みよりも大きい隙間をもって取り付けることで前記第3の方向への移動を許容することを特徴とする請求項11または12記載の露光モジュールである。
請求項14記載の発明は、前記配線基板と前記露光部とを接続するフレキシブルケーブルをさらに含むことを特徴とする請求項11乃至13のいずれか1項記載の露光モジュールである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載の発明によれば、本構成を採用しない場合と比較して、本体に露光部材を取り付けた際の接続体に対する配線基板の接続を容易なものとすることができる。
請求項2記載の発明によれば、本構成を採用しない場合と比較して、像保持体に対する露光部材の光軸方向の位置決めを行うことができる。
請求項3記載の発明によれば、本構成を採用しない場合と比較して、接続体との接続をより容易に行うことができる。
請求項4記載の発明によれば、本構成を採用しない場合と比較して、はめ合い部材が衝撃を受けるのを抑制することができる。
請求項5記載の発明によれば、本構成を採用しない場合と比較して、例えば一端側から他端側へと向かう経路の途中に障害物が存在していたとしても、露光部材を挿入することが可能になる。
請求項6記載の発明によれば、本構成を採用しない場合と比較して、本体に露光部材を取り付けた際の接続体および配線基板の接続精度をより高めることができる。
請求項7記載の発明によれば、本構成を採用しない場合と比較して、本体に露光部材を取り付けた際の接続体および配線基板の接続精度をより高めることができる。
請求項8記載の発明によれば、本構成を採用しない場合と比較して、本体に露光部材を取り付けた際の接続体および配線基板の接続精度をより高めることができるとともに、接続体および配線基板に過大な力や衝撃が作用するのを防止することができる。
請求項9記載の発明によれば、本構成を採用しない場合と比較して、本体に露光部材を取り付けた際の接続体および配線基板の接続精度をより高めることができるとともに、接続体および配線基板に過大な力や衝撃が作用するのを防止することができる。
請求項10記載の発明によれば、本構成を採用しない場合と比較して、本体に露光部材を取り付けた際の接続体および配線基板の接続精度をより高めることができるとともに、接続体および配線基板に過大な力や衝撃が作用するのを防止することができる。
請求項11記載の発明によれば、本構成を採用しない場合と比較して、例えば画像形成装置の本体に露光部材を取り付けた際の接続体に対する配線基板の接続を容易なものとすることができる。
請求項12記載の発明によれば、本構成を採用しない場合と比較して、軸線方向に対する露光部材の長さを小さくすることができる。
請求項13記載の発明によれば、配線基板の第2の方向および第3の方向への移動を、より簡易な構成で実現できる。
請求項14記載の発明によれば、例えば画像形成装置の本体側に対する配線基板の押し込み接続と像保持体に対する露光部材の進退動作とを両立させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<実施の形態1>
図1は、本実施の形態が適用される画像形成装置1の全体構成の一例を示した図である。同図に示す画像形成装置1は、所謂タンデム型のカラープリンタであり、各色の画像データに対応して画像形成を行う画像形成プロセス部10、画像形成装置1全体の動作を制御する制御部30、例えばパーソナルコンピュータ(PC)3や画像読取装置4等といった外部装置に接続され、これらから受信された画像データに対して所定の画像処理を施す画像処理部35、各部に電力を供給する主電源36を備えている。
【0011】
画像形成プロセス部10には、一定の間隔を置いて並列的に配置される4つの画像形成ユニット11Y、11M、11C、11K(以下、総称して単に「画像形成ユニット11」とも称する)が備えられている。各画像形成ユニット11は、回転可能に配置され静電潜像を形成してトナー像を保持する感光体ドラム12、感光体ドラム12の表面を所定電位で一様に帯電する帯電器13、帯電器13によって帯電された感光体ドラム12を画像データに基づいて露光するLEDプリントヘッド(LPH)14、感光体ドラム12上に形成された静電潜像を現像する現像器15、転写後の感光体ドラム12表面を清掃するクリーナ16を備えている。なお、本実施の形態における感光体ドラム12は、不図示の回転軸を備え、その軸方向が画像形成装置1のフロント側(図中手前側)からリア側(図中奥側)に向くように配置されている。
【0012】
さらに、各画像形成ユニット11は、LPH14を、感光体ドラム12を露光する所定位置(以下、「露光位置」とも称する)まで進出させ、また、LPH14を、この所定位置よりも感光体ドラム12から離隔した(離れた)位置(以下、「退避位置」とも称する)に退避させる進退機構17を備えている。ここで、各画像形成ユニット11は、現像器15に収納されるトナーを除いて、略同様に構成されている。そして、各画像形成ユニット11は、それぞれがイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナー像を形成する。
【0013】
さらに、画像形成プロセス部10は、各画像形成ユニット11の感光体ドラム12にて形成された各色トナー像が多重転写される中間転写ベルト20、各画像形成ユニット11による各色トナー像を中間転写ベルト20に順次転写させる一次転写ロール21、中間転写ベルト20上に転写された重畳トナー像を記録材である用紙に一括転写させる二次転写ロール22、二次転写された画像を用紙上に定着させる定着器45を備えている。
【0014】
ここで、各画像形成ユニット11において、感光体ドラム12、帯電器13およびクリーナ16は、一体化されたモジュール(以下、感光体モジュールPMと称する:後述する図5を参照)として構成されている。そして、感光体モジュールPMは画像形成装置1に対して着脱自在に構成され、感光体ドラム12の寿命等に応じて交換可能である。なお、感光体モジュールPMは、帯電器13やクリーナ16を含まない感光体ドラム12のみの構成を採用してもよいし、帯電器13やクリーナ16に加えさらに現像器15を一体化した構成を採用してもよい。すなわち、寿命が他の構成要素と比較して短い感光体ドラム12を含んだものであれば、如何なる構成要素との組み合わせによっても感光体モジュールPMを構成することができるが、本実施の形態では、感光体モジュールPMとLPH14とを別体とした構成を前提としている。
また、各画像形成ユニット11において、LPH14および進退機構17も、一体化されたモジュール(以下、露光モジュールEMと称する:後述する図5を参照)として構成されている。そして、この露光モジュールEMも画像形成装置1に対して着脱自在に構成されている。なお、これら感光体モジュールPMおよび露光モジュールEMの詳細な構成については後述する。
【0015】
この画像形成装置1において、画像形成プロセス部10は、制御部30から供給される各種の制御信号に基づいて画像形成動作を行う。すなわち、制御部30による制御の下で、PC3や画像読取装置4から入力された画像データは、画像処理部35によって画像処理が施され、不図示のインターフェースを介して各画像形成ユニット11に供給される。そして、例えば黒(K)色の画像形成ユニット11Kでは、感光体ドラム12が矢印A方向に回転しながら、帯電器13により所定電位で一様に帯電され、画像処理部35から送信された画像データに基づいて発光するLPH14により露光される。これにより、感光体ドラム12上には、黒(K)色画像に関する静電潜像が形成される。そして、感光体ドラム12上に形成された静電潜像は現像器15により現像され、感光体ドラム12上には黒(K)色のトナー像が形成される。同様に、画像形成ユニット11Y、11M、11Cにおいても、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色トナー像が形成される。
【0016】
各画像形成ユニット11で形成された各色トナー像は、矢印B方向に移動する中間転写ベルト20上に、一次転写ロール21により順次静電吸引されて、各色トナーが重畳された合成トナー像が形成される。中間転写ベルト20上の合成トナー像は、中間転写ベルト20の移動に伴って二次転写ロール22が配置された領域(二次転写部T)に搬送される。合成トナー像が二次転写部Tに搬送されると、合成トナー像が二次転写部Tに搬送されるタイミングに合わせて用紙が用紙保持部40から二次転写部Tに供給される。そして、二次転写部Tにて二次転写ロール22により形成される転写電界により、合成トナー像は搬送されてきた用紙上に一括して静電転写される。
【0017】
その後、合成トナー像が静電転写された用紙は、中間転写ベルト20から剥離され、定着器45まで搬送される。定着器45に搬送された用紙上の合成トナー像は、定着器45によって熱および圧力による定着処理を受けて用紙上に定着される。そして、定着画像が形成された用紙は、画像形成装置1の排出部に設けられた排紙積載部41に搬送される。
一方、二次転写後に中間転写ベルト20に付着しているトナー(転写残トナー)は、二次転写の終了後に中間転写ベルト20表面からベルトクリーナ25によって除去され、次の画像形成サイクルに備える。このようにして、画像形成装置1での画像形成がプリント枚数分のサイクルだけ繰り返して実行される。
【0018】
図2は、露光部であるLPH14の構成を示した断面図である。このLPH14は、図1に示す画像形成装置1において感光体ドラム12の下方に配置され、下方から感光体ドラム12を露光する。図2に示すように、LPH14は、ハウジング61、LEDアレイ63、LEDアレイ63やLEDアレイ63を駆動する信号生成回路70(後段の図3参照)等を搭載するLED回路基板62、LEDアレイ63からの光を感光体ドラム12表面に結像させるロッドレンズアレイ64、ロッドレンズアレイ64を支持するとともにLEDアレイ63を外部から遮蔽するホルダ65を備えている。なお、本実施の形態では、LEDアレイ63やロッドレンズアレイ64等によって露光部が形成されている。
【0019】
支持部の一例としてのハウジング61は、アルミニウム、SUS等の金属のブロックまたは板金で形成され、LED回路基板62を支持している。また、ハウジング61の内側はくり抜かれており、LED回路基板62の取り付け面と逆側が開口している。そして、ハウジング61の内側には被保持部61Fが形成されている。ロッドレンズアレイ64は、感光体ドラム12の軸方向に沿って配置されるとともに、感光体ドラム12の回転方向に所定の幅を有して形成されている。また、ロッドレンズアレイ64は、正立等倍実像を形成する屈折率分布型レンズを複数並べて構成される。ホルダ65は、長尺状に形成されるとともに感光体ドラム12の軸方向に沿って配置されている。また、ホルダ65は、ハウジング61およびロッドレンズアレイ64を支持し、LEDアレイ63の発光点とロッドレンズアレイ64の焦点面とが一致するように設定されている。さらに、ホルダ65はLEDアレイ63を密閉するように構成されている。これにより、LEDアレイ63に外部からゴミが付着し難い構成を実現している。また、ホルダ65は、幅方向の両側面に、長手方向(感光体ドラム12の軸方向)に沿って配置され、後述するスライド部材67(後段の図10参照)のスライドを案内するガイド溝65aを備えている。さらに、被保持部61Fは、LPH14の下方において、その長手方向に複数箇所取り付けられている。
【0020】
LED回路基板62には、図3(LED回路基板62の平面図)に示したように、例えば58個のLEDチップ(CHIP1〜CHIP58)からなるLEDアレイ63が、感光体ドラム12の軸線方向と平行になるように精度よくライン状に配置されている。この場合、各LEDチップ(CHIP1〜CHIP58)に配置された発光素子(LED)の配列の端部境界において、各LEDがLEDチップ同士の連結部で連続的に配置されるように、各LEDチップは交互に千鳥状に配置されている。
また、LED回路基板62には、各LEDチップを駆動する駆動信号を生成する信号生成回路70およびレベルシフト回路74、所定の電圧を出力する3端子レギュレータ71、各LEDチップを構成する各LEDの光量補正データ等を記憶するEEPROM72、制御部30および画像処理部35(図1参照)との間で信号の送受信や主電源36からの電力供給を受けるハーネス73が備えられている。なお、図3に示す信号生成回路70、3端子レギュレータ71、EEPROM72、ハーネス73およびレベルシフト回路74は、必ずしもLED回路基板62に取り付けられている必要はなく、他の基板に取り付けられていてもよい。
【0021】
ここで、図4は、LEDチップ、信号生成回路70およびレベルシフト回路74の回路構成を示す図である。このLEDチップでは、信号生成回路70およびレベルシフト回路74を介して各種駆動信号が供給される。すなわち、信号生成回路70は、LEDチップに配置された各々のLEDの並びに沿って順次点灯可能状態に設定する転送信号CK1R、CK1Cおよび転送信号CK2R、CK2Cと、画像処理部35(図1参照)からの画像データに基づき各LEDを順次点灯する点灯信号ΦIとを生成する。そして、転送信号CK1R、CK1Cおよび転送信号CK2R、CK2Cをレベルシフト回路74に出力し、点灯信号ΦIをLEDチップに出力する。
レベルシフト回路74は、抵抗R1BとコンデンサC1、および抵抗R2BとコンデンサC2とがそれぞれ並列に接続された構成を有し、それぞれの一端がLEDチップの入力端子に接続され、他端が信号生成回路70の出力端子に接続されている。そして、レベルシフト回路74は、信号生成回路70から出力される転送信号CK1R、CK1Cおよび転送信号CK2R、CK2Cに基づいて転送信号CK1および転送信号CK2を生成し、LEDチップに出力する。
【0022】
一方、本実施の形態のLEDチップは、例えばスイッチ素子としての128個のサイリスタS1〜S128、発光素子としての128個のLED L1〜L128、128個のダイオードD1〜D128、128個の抵抗R1〜R128、さらには信号ラインΦ1、Φ2に過剰な電流が流れるのを防止する転送電流制限抵抗R1A、R2Aを主な構成要素としている。
そして、各サイリスタS1〜S128のアノード端子A1〜A128は電源ライン55に接続され、電源ラインを介して3端子レギュレータ71(図3参照)から駆動電圧VDD(VSS=+3.3V)が供給される。
一方、サイリスタS1〜S128のゲート端子G1〜G128は、各サイリスタS1〜S128に対応して設けられた抵抗R1〜R128を介して電源ライン56に各々接続され、電源ライン56を介して接地されている。
【0023】
また、奇数番目のサイリスタS1、S3、…、S127のカソード端子K1、K2、…、K127には、信号生成回路70およびレベルシフト回路74からの転送信号CK1が転送電流制限抵抗R1Aを介して送信される。偶数番目のサイリスタS2、S4、…、S128には、信号生成回路70およびレベルシフト回路74からの転送信号CK2が転送電流制限抵抗R2Aを介して送信される。
さらに、LED L1〜L128のカソード端子は信号生成回路70に接続されて点灯信号ΦIが送信される。
【0024】
そして、この信号生成回路70は、転送信号CK1R、CK1Cおよび転送信号CK2R、CK2Cをそれぞれ所定のタイミングでハイレベル(以下、「H」と記す)からローレベル(以下、「L」と記す)、また、「L」から「H」に設定する。これにより、レベルシフト回路74から出力される転送信号CK1の電位を「H」から「L」、「L」から「H」に繰り返し設定し、且つ、それに交互して出力される転送信号CK2の電位を「H」から「L」、「L」から「H」に繰り返し設定することで、例えば各LEDチップでは、奇数番目サイリスタS1、S3、…、S127を順次オフ→オン→オフの転送動作を行わせる。また、偶数番目のサイリスタS2、S4、…、S128を順次オフ→オン→オフの転送動作を行わせる。それにより、サイリスタS1〜S128をS1→S2→、…、→S127→S128の順番で順次オフ→オン→オフの転送動作を行わせ、それに同期させて、点灯信号ΦIを出力する。これによって、LED L1〜L128は、L1→L2→、…、→L127→L128の順番で順次点灯される。
【0025】
その場合に、LPH14からの露光は、形成される画像(静電潜像)に傾きや歪み等が生じないように、感光体ドラム12の軸線に対して平行に行われることが好ましい。そのため、LPH14が画像形成装置1に設置されるに際しては、感光体ドラム12の軸線に対して高精度に位置設定されることが要求される。ここで、感光体ドラム12(像保持体)の軸線とは、本実施の形態の感光体ドラム12のように像保持体が円筒形状である場合には、感光体ドラム12の回転軸の中心線が軸線である。また、例えば像保持体がベルト形状の感光体(ベルト感光体)であって、ベルト感光体の平面部に露光が行われる場合には、ベルト感光体表面の移動方向に直交し、かつ、露光領域におけるベルト感光体表面に平行な方向に向かう線が軸線である。
【0026】
続いて、画像形成装置1におけるLPH14の位置決め機構について説明する。
図5は、感光体ドラム12を備えた感光体モジュールPMと、LPH14および進退機構17を備えた露光モジュールEM(露光部材)とが、画像形成装置1に取り付けられた状態を示す斜視図である。なお、図5においては、図面の左側が画像形成装置1のフロント側であって感光体モジュールPMが着脱操作される側であり、図面の右側が画像形成装置1のリア側であって画像形成装置1に取り付けられた駆動モータ(図示せず)からの駆動が感光体ドラム12等に伝達される側である。また、図5は、露光モジュールEMを構成するLPH14が、上述した露光位置にセットされた状態を示している。そして、図6は図5におけるフロント側の拡大図であり、図7は図5におけるリア側の拡大図である。
また、図8は、感光体モジュールPMの構成を示す斜視図である。なお、図8においては、図面の左下側が画像形成装置1のフロント側に、図面の右上側が画像形成装置1のリア側に、それぞれ対応している。
さらに、図9は露光モジュールEMの構成を、図10は露光モジュールEMにおけるLPH14の構成を、図11は露光モジュールEMにおける進退機構17の構成を、それぞれ示す斜視図である。さらにまた、図12は進退機構17の上面図を示している。ただし、図12は、進退機構17の主要部のみを示している。なお、図9においては、図面の右下側が画像形成装置1のフロント側に、図面の左上側が画像形成装置1のリア側に、それぞれ対応している。また、図10においては、図面の右下側が画像形成装置1のフロント側に、図面の左上側が画像形成装置1のリア側に、それぞれ対応している。さらに、図11においては、図面の右上側が画像形成装置1のフロント側に、図面の左下側が画像形成装置1のリア側に、それぞれ対応している。そして、図12においては、図面の左側が画像形成装置1のフロント側に、図面の右側が画像形成装置1のリア側に、それぞれ対応している。
なお、以下の説明においては、図5等に示すように、主走査方向すなわち感光体ドラム12の軸線方向をX方向(第1の方向に対応)と定義する。また、LPH14におけるロッドレンズアレイ64の光軸方向をZ方向(第2の方向に対応)と定義する。また、さらに、副走査方向すなわちX方向およびZ方向の双方に直交する方向をY方向(第3の方向に対応)と定義する。
【0027】
まず最初に、図5〜図8を参照しつつ、感光体モジュールPMの構成について説明する。
感光体モジュールPMは、上述した感光体ドラム12、帯電器13およびクリーナ16に加え、これらを保持するためのフロントハウジング81Fおよびリアハウジング81Rをさらに備えている。なお、これらフロントハウジング81Fおよびリアハウジング81Rは、X方向に沿って延び帯電器13やクリーナ16(ともに図示せず)を覆う接続ハウジング81Mと一体化されている。また、感光体モジュールPMにおいて、フロントハウジング81Fのフロント側にはプレート82が取り付けられており、プレート82のフロント側には感光体モジュールPMの着脱操作に用いられるハンドルを備えたカバー83が取り付けられている。そして、プレート82のリア側の下方には、LPH14のY方向の位置決めに使用されるフロント位置決め部材84が取り付けられている。また、このプレート82には複数の穿孔が形成されている。プレート82に設けられた複数の穿孔の一部は、画像形成装置1のフロント側から感光体モジュールPMを挿入して取り付けを行った際に、画像形成装置1のフロント側のフレーム(図示せず)に取り付けられたフロントピン1Fにはめ込まれることで、画像形成装置1に対する感光体モジュールPMのフロント側の位置決めを行う。一方、感光体モジュールPMのリア側において、感光体ドラム12、帯電器13、クリーナ16等には画像形成装置1から駆動力を受けるための被駆動部が形成されている。この被駆動部はカップリング部材等にて構成されており、画像形成装置1のフロント側から感光体モジュールPMを挿入して取り付けを行った際に、画像形成装置1のリア側に設けられた駆動部のカップリング部材にはめ込まれる。また、感光体モジュールPMのリア側において、リアハウジング81Rのリア側にはリング状部材85が取り付けられている。このリング状部材85は、画像形成装置1のフロント側から感光体モジュールPMを挿入して取り付けを行った際に、画像形成装置1のリア側のフレーム(図示せず)にはめ込まれることで、画像形成装置1に対する感光体モジュールPMのリア側の位置決めを行う。
【0028】
また、感光体モジュールPMにおいて、感光体ドラム12のX方向両端部には円筒状のフロントフランジ121F、リアフランジ121Rがそれぞれ圧入されており、これらフロントフランジ121F、リアフランジ121Rは、それぞれ、カバー83、リング状部材85に回転可能に支持される。そして、これらフロントフランジ121F、リアフランジ121Rには、それぞれフロントボールベアリング(以下、フロントBBと称する)122F、リアボールベアリング(以下、リアBBと称する)122Rが外装されている。なお、本実施の形態において、フロントBB122Fはフロントフランジ121Fに対してわずかな隙間をもって取り付けられており、リアBB122Rはリアフランジ121Rに対してわずかな隙間をもって取り付けられている。一方、フロントBB122Fはフロントハウジング81Fに、リアBB122Rはリアハウジング81Rに、それぞれ密着して取り付けられている。したがって、フロントBB122Fはフロントハウジング81Fに、リアBB122Rはリアハウジング81Rに、それぞれ固定されている。ここで、フロントBB122Fはフロントハウジング81Fに収容されているが、現像器15(図1参照)と対向する位置およびLPH14と対向する位置には開口が形成されている。一方、リアBB122Rはリアハウジング81Rに収容されているが、フロントハウジング81Fと同様、現像器15(図1参照)と対向する位置およびLPH14と対向する位置には開口が形成されている。したがって、LPH14および現像器15と対向する位置では、フロントBB122FおよびリアBB122Rの外周面が露出している。そして、本実施の形態では、これらフロントBB122FおよびリアBB122Rが、後述するLPH14のZ方向の位置決めに用いられる。また、これらフロントBB122FおよびリアBB122Rは、現像器15(図1参照)を構成する現像ロールの位置決めにも使用される。なお、フロントフランジ121Fおよびリアフランジ121Rの直径は、感光体ドラム12の直径以下に設定される。
【0029】
次に、図5〜図7および図9〜図12を参照しつつ、露光モジュールEMの構成について説明する。
露光モジュールEMは、上述したようにLPH14および進退機構17を備えており、進退機構17のリア側が画像形成装置1のリア側のフレーム(図示せず)に取り付けられたリア保持部材1Rに保持されることで、画像形成装置1に対する進退機構17のリア側の位置決めを行う。また、進退機構17のフロント側下部には、複数の穿孔が形成された固定用プレート176が取り付けられている。この固定用プレート176に設けられた複数の穿孔の一部は、画像形成装置1のフロント側から露光モジュールEMを挿入して取り付けを行った後、位置決め部材として機能する画像形成装置1のフロント側のフレーム(図示せず)にネジ止めされることで、画像形成装置1に対する進退機構17のフロント側の位置決めを行う。ここで、露光モジュールEMでは、このようにして画像形成装置1に進退機構17が固定された状態において、LPH14がZ方向すなわち露光位置と退避位置との間で移動するように構成されている。そして、LPH14が退避位置から露光位置へと移動するに際して、感光体ドラム12に対するLPH14のZ方向の位置決めがなされる。
【0030】
続いて、主として図10を参照しつつ、LPH14の構成について説明を行う。
LPH14のハウジング61のフロント側には、LPH14のフロント側のZ方向の位置を定める第1フロント位置決めピン611Fと、LPH14のフロント側のX方向およびY方向の位置を定める第2フロント位置決めピン612Fとが取り付けられている。一方、LPH14のハウジング61のリア側には、LPH14のリア側のZ方向の位置を定める第1リア位置決めピン611Rと、LPH14のリア側のX方向およびY方向の位置を定める第2リア位置決めピン612Rとが取り付けられている。
【0031】
ここで、第1フロント位置決めピン611F、第1リア位置決めピン611R、第2フロント位置決めピン612F、第2リア位置決めピン612Rは、それぞれ、所定の外径を持った円柱状金属で構成されている。これらのうち、第1フロント位置決めピン611Fおよび第1リア位置決めピン611Rは、X方向に延びるハウジング61から感光体モジュールPMと対向する側およびその逆側の両側に向けて突出形成されている。また、これら第1フロント位置決めピン611Fおよび第1リア位置決めピン611Rの先端部は半球状の形状を有している。一方、第2フロント位置決めピン612Fおよび第2リア位置決めピン612Rは、ハウジング61から感光体モジュールPMと対向する側およびその逆側の両側に向けて突出形成されている。また、これら第2フロント位置決めピン612Fおよび第2リア位置決めピン612Rの両先端部は平面状の形状を有している。
さらに、これら第1フロント位置決めピン611F、第1リア位置決めピン611R、第2フロント位置決めピン612F、第2リア位置決めピン612Rは、各々の中心軸がLEDチップ(CHIP1〜CHIP58:図3参照)の配列方向と一致するように配列されたロッドレンズアレイ64の配列線と一致するように配置されている。
さらにまた、第1フロント位置決めピン611Fおよび第1リア位置決めピン611Rは、第2フロント位置決めピン612Fおよび第2リア位置決めピン612Rよりもロッドレンズアレイ64に近接して配置されている。
【0032】
ここで、LPH14には、ロッドレンズアレイ64の清掃に使用するスライド部材67が取り付けられている。このスライド部材67は、X方向(LPH14の長手方向)に沿ってスライド可能に設けられた長尺な部材である。さらに、スライド部材67は、リア側に設けられスライドに伴ってロッドレンズアレイ64の光照射面に接触して光照射面の清掃を行うブレード(図示せず)を支持する支持部67aと、フロント側に設けられ清掃時の進退操作を受ける取っ手67bとをさらに備えている。ブレードは、ウレタンゴムなどの弾性を有する材料にて形成されている。また、支持部67aは、ホルダ65の一側面側から他側面側に跨って配置されている。そして、その内側には図示しないガイドが取り付けられており、ホルダ65に設けられたガイド溝65a(図2参照)にはめ込まれている。そして、LPH14のフロント側には、ハウジング61に対してスライド部材67をスライド可能に支持するスライド保持部材68が装着されている。このように、スライド部材67がX方向に沿ってスライド可能に設けられる結果、支持部67aも、X方向に沿ってスライド可能に設けられることになる。したがって、取っ手67bを用いてスライド部材67をX方向にスライドさせた場合に、ロッドレンズアレイ64の上面にブレードが接触しながら移動することにより、ロッドレンズアレイ64の上面に付着した埃等が取り除かれることになる。なお、例えば画像形成動作を行う場合などにおいて、スライド部材67は、LPH14の最もリア側に配置される。この位置において、支持部67aおよび支持部67aに取り付けられたブレードは、ロッドレンズアレイ64を覆わないようになっている。
【0033】
今度は、主として図11、図12を参照しつつ、進退機構17の構成について説明を行う。
進退機構17は、X方向に沿って伸び凹字状の断面を有する筐体171と、筐体171のフロント側に取り付けられ軸を中心に矢印C方向および矢印D方向に回転するレバー172と、筐体171の内部に取り付けられ、レバー172の動作に連動して筐体171に対して保持部173aおよび支持部173bをZ方向に昇降させるリンク機構173とを備えている。なお、本実施の形態では、リンク機構173のX方向両端側に設けられた保持部173aにLPH14のハウジング61に設けられた被保持部61F(図2参照)を保持させることで、LPH14と進退機構17とを一体化した露光モジュールEMを構成している。また、リンク機構173のX方向両端側に設けられた支持部173bによって、LPH14のハウジング61に設けられた第1フロント位置決めピン611F、第1リア位置決めピン611R(図10参照)の下部側を支持している。そして、進退機構17では、レバー172を矢印C方向に倒した際に保持部173aおよび支持部173bがZ方向に移動し、レバー172を矢印D方向に倒した際に保持部173aおよび支持部173bが−Z方向に移動する。したがって、露光モジュールEMにおいて、進退機構17のレバー172を矢印C方向に倒した際には、支持部173bによって第1フロント位置決めピン611F、第1リア位置決めピン611RがZ方向に押し出されることによりLPH14が上がる方向(露光位置)に向けて移動し、レバー172を矢印D方向に倒した際には、保持部173aによって被保持部61Fが−Z方向に引き込まれることによりLPH14が下がる方向(退避位置)に向けて移動する。
【0034】
また、進退機構17を構成する筐体171のリア側の一側面には、進退機構17にLPH14が取り付けられた際にLPH14に設けられたハーネス73と電気的に接続される配線基板の一例としての中継基板174が取り付けられている。そして、中継基板174のリア側には、画像形成装置1に進退機構17を含む露光モジュールEMを取り付けた際に、中継基板174と画像形成装置1に設けられた給電コネクタ101(後述する図22参照)とを接続するはめ合い部材の一例としての受電コネクタ175が装着されている。さらに、進退機構17を構成する筐体171のフロント側の底面下部には、複数の穿孔が形成された固定用プレート176が取り付けられている。一方、進退機構17を構成する筐体171のリア側には、リア保持部材1R(図5参照)への取り付けに使用されるはめ込み部材177が、X方向に突出形成されている。
【0035】
また、図12に示すように、進退機構17を構成する筐体171の上部側において、フロント側にはフロント規制部材178Fが取り付けられている。なお、図11は、筐体171からフロント規制部材178Fが取り外された状態を示している。フロント規制部材178Fには、Y方向に沿って伸びるU字溝が形成されている。U字溝のX方向の径は、LPH14に設けられた第2フロント位置決めピン612Fの直径よりもわずかに大きく設定されている。このため、進退機構17にLPH14を装着して露光モジュールEMを構成する際に、フロント規制部材178FのU字溝には第2フロント位置決めピン612Fの下部側が挿入されるようになっている。このようなフロント規制部材178Fを設けることにより、第2フロント位置決めピン612Fは、Y方向およびZ方向への移動に対する規制を受けない一方、X方向への移動に対する規制を受けることになる。
【0036】
図13は、感光体モジュールPMのプレート82(図6参照)に取り付けられるフロント位置決め部材84の構成を示す斜視図である。このフロント位置決め部材84は、下部側にX方向に向かって開口するU字状の受け溝841aが形成されたブラケット841と、ブラケット841にネジ止めされた板バネ842とを備えている。なお、ネジは、フロント位置決め部材84をプレート82に取り付けるのにも使用される。ここで、ブラケット841の受け溝841aには、画像形成装置1に対して感光体モジュールPMを取り付けた際にLPH14に設けられた第2フロント位置決めピン612Fの上部側が挿入されるようになっている(図6参照)。また、板バネ842は、ブラケット841の受け溝841aに第2フロント位置決めピン612Fが挿入された際に、この第2フロント位置決めピン612FをY方向に押し付けるようになっている。
【0037】
一方、図14は、画像形成装置1のリア側のフレームに取り付けられる位置決め部材の一例としてのリア保持部材1Rの構成を示す斜視図である。このリア保持部材1Rは、ブラケット91と、ブラケット91のフロント下側に取り付けられた金属製の第1の板バネ92と、ブラケット91の上側にY方向に首振り自在に取り付けられた鉤状のアーム93と、ブラケット91に取り付けられアーム93に接触配置される金属製の第2の板バネ94と、ブラケット91に対して第1の板バネ92、アーム93および第2の板バネ94を固定するネジ95とを備えている。なお、第2の板バネ94の自由端側には、樹脂あるいはゴム等からなる緩衝部材94aが取り付けられている。ここで、ブラケット91と第1の板バネ92との間には、露光モジュールEMが画像形成装置1に取り付けられた際に、進退機構17の筐体171のリア側に設けられたはめ込み部材177(図11参照)が挿入されるようになっている。また、ブラケット91とアーム93との間には、露光モジュールEMが画像形成装置1に取り付けられた際にLPH14の第2リア位置決めピン612R(図10参照)の上部側がはまりこむようになっている。そして、第2の板バネ94は、ブラケット91とアーム93との間に第2リア位置決めピン612Rがはまりこんだ際に、この第2リア位置決めピン612RをY方向に押し付けるようになっている。そして、第2の板バネ94に設けられた緩衝部材94aは、第2リア位置決めピン612Rが挿入された際の衝撃を緩和する。
【0038】
また、ブラケット91の下方には、Y方向およびZ方向に傾斜して形成され、露光モジュールEMの挿入時にはめ込み部材177を案内する筐体案内部91aが形成されている。さらに、ブラケット91の下方には、露光モジュールEMが挿入された際に進退機構17に取り付けられた中継基板174(図9参照)を保持する基板保持部91bが形成されている。なお、基板保持部91bのフロント側にもZ方向への傾斜面が形成されており、挿入されてくる中継基板174を案内するようになっている。
【0039】
図15は、上記リア保持部材1Rを構成するブラケット91を図14の裏側から見た斜視図である。このブラケット91の裏面側には、X方向に向かって突出形成される第1の突起91cおよび第2の突起91dと、同じくX方向に向かって突出形成され、先端部側が鈎状に形成されたスナップフィット91eとが形成されている。ここで、第1の突起91cおよび第2の突起91dは、Z方向に並べて形成されている。また、ブラケット91には、上述したネジ95や他のネジを挿入するための複数のネジ穴が形成されている。
【0040】
ここで、図16は、画像形成装置1のリア側のフレームRFに対するリア保持部材1Rの取り付けを説明するための図である。ただし、図16では、リア保持部材1Rのブラケット91に設けられた第1の突起91cおよび第2の突起91dのみが示されている。
【0041】
リア側のフレームRFには、第1の開口RF1が形成されており、この第1の開口RF1には、進退機構17の受電コネクタ175(図9参照)が接続される接続体の一例としての給電コネクタ101(後述する図22参照)を取り付けた基板100が装着されている。なお、基板100は、対角線上に設けられたネジによって、リア側のフレームRFにネジ止めされ、固定されている。また、リア側のフレームRFには、ブラケット91に設けられた第1の突起91cおよび第2の突起91dを貫通させるための開口(図示せず)およびスナップフィット91eを貫通させるための第2の開口RF2が形成されている。さらに、基板100には、これら第1の突起91cおよび第2の突起91dを貫通させるための開口部(図示せず)が形成されている。
【0042】
本実施の形態では、リア側のフレームRFのフロント側からリア保持部材1Rの取り付けを行うが、その際、ブラケット91のリア側に設けられた第1の突起91c、第2の突起91dおよびスナップフィット91eが、リア側のフレームRFを貫通する。このとき、第1の突起91cおよび第2の突起91dは、リア側のフレームRFに設けられた図示しない開口に保持され、また、スナップフィット91eは、その鈎状の先端部が第2の開口RF2に引っかけられた状態で保持される。したがって、例えばこの状態で作業者がリア保持部材1Rから手を離したとしても、リア保持部材1Rはリア側のフレームRFに引っかかった状態で保持されることになり、取り付けの作業性が向上する。そして、このようにしてリア側のフレームRFにリア保持部材1Rが取り付けられた後、給電コネクタ101を保持した基板100がリア側のフレームRFに取り付けられ、ネジ止めされることになる。
【0043】
続いて、露光モジュールEMの進退機構17に対する中継基板174の取り付け手法について、具体的に説明する。
図17は、図9に示す露光モジュールEMのリア側を拡大した図を示しており、図18は、図17とは反対側から中継基板174の取り付け状態をみた図である。また、図19は、Z方向上方から中継基板174の取り付け状態をみた図である。なお、図17〜図19には、リア保持部材1Rも示している。また、図18では、LPH14および進退機構17を構成する筐体171やリンク機構173等の記載を省略している。
【0044】
進退機構17において、中継基板174は、上述したように筐体171のリア側の一側面に取り付けられている。そして、中継基板174の外側には、筐体171と共に中継基板174を挟んで保持する保持部材の一例としての基板保持部材179が取り付けられている。
【0045】
中継基板174には、X方向に沿いフロント側からリア側に向けて第1の穴174a、第2の穴174bおよび第3の穴174cが形成されている。ここで、第1の穴174aは丸穴となっているが、第2の穴174bおよび第3の穴174cは、Z方向に細長い長穴となっている。
【0046】
一方、基板保持部材179の内側すなわち中継基板174と対向する側の面には、中継基板174に設けられた第1の穴174aに挿入される第1の挿入体179a、第2の穴174bに挿入される第2の挿入体179bおよび第3の穴174cに挿入される第3の挿入体179cが突出形成されている。なお、これら第1の挿入体179a、第2の挿入体179bおよび第3の挿入体179cは、すべて円形状を有している。ここで、第1の挿入体179aには、基板保持部材179を筐体171にネジ止めするためのネジ穴が形成されている。また、第1の挿入体179aにはX方向に沿って筐体171から離れていくように傾斜するテーパ面が形成されている。一方、第2の挿入体179bおよび第3の挿入体179cは、このようなネジ穴のないボスにて構成される。そして、これら第1の挿入体179a、第2の挿入体179bおよび第3の挿入体179cの自由端側は、基板保持部材179が筐体171にネジ止めされた際に、筐体171に接触配置される。また、第1の挿入体179a、第2の挿入体179bおよび第3の挿入体179cの直径は、それぞれ、対応する第1の穴174a、第2の穴174bおよび第3の穴174cの穴の径よりもわずかに小さくなっている。なお、本実施の形態では、筐体171に対し、1本のネジによって基板保持部材179をネジ止めしている。その際、ネジ止めに使用される第1の挿入体179aのリア側にテーパ面が形成されていることにより、基板保持部材179のリア側がフロント側よりもより大きな力で筐体171に押し付けられることになる。これにより、1本のネジによって筐体に基板保持部材179および中継基板174を取り付けることができる。
【0047】
これにより、中継基板174は、第1の穴174aを中心とし、第2の穴174bおよび第3の穴174cにより規制される範囲で、リア側の端部がZ方向に首振りをするように筐体171に取り付けられる。ここで、中継基板174のリア側端部には受電コネクタ175が取り付けられているため、第1の穴174aからフロント側よりも第1の穴174aからリア側の方の重量が大きくなっている。このため、進退機構17を立てた状態において、中継基板174は、重力の影響によりリア側の端部が下方に下がることになる。
【0048】
また、本実施の形態において、筐体171の外側側面と基板保持部材179の内側側面とのY方向の距離は、図19から明らかなように、中継基板174のY方向の厚さよりも大きく設定されている。このため、中継基板174は、筐体171および基板保持部材179に対してY方向にスライドするように取り付けられる。
このように、中継基板174は、進退機構17に対し、Y方向およびZ方向にがたつきが出るよう、ある程度の余裕を持って保持される。ただし、X方向については、中継基板174の移動がある程度規制されるように保持される。
したがって、進退機構17に対し、中継基板174は、X方向を拘束し、X軸、Y軸、
Z軸の回転、Y方向、およびZ方向には自由度を持たせて構成されている。
【0049】
他方、LPH14のLED回路基板62(図3参照)と中継基板174とを電気的に接続するハーネス73は、例えばフレキシブルフラットケーブル(FFC)で構成されており、途中で向きがX方向からZ方向に90度変わるよう折り曲げ加工が施されている。そして、ハーネス73の折り曲げ部を筐体171にテープ止めすることで、進退機構17に対してハーネス73の位置を固定している(後述する図22参照)。ただし、ハーネス73は、所定の余裕を持った長さに設定されており、進退動作に伴って進退機構17とLPH14とが近づいたり離れたりした場合にも、断線等が生じないようになっている。
【0050】
図20は、画像形成装置1内に設けられ、画像形成装置1のフロント側から露光モジュールEMを挿入して取り付けを行う際に用いられる露光モジュールガイド200の斜視図を示している。この露光モジュールガイド200は、フロント側からリア側に向けて設けられ、露光モジュールEMの進退機構17の筐体171の他方の側面を案内する側面ガイド201と、同じくフロント側からリア側に向けて設けられ、露光モジュールEMの進退機構17の筐体171のはめ込み部材177および底面を案内する第1の底面ガイド202と、第1の底面ガイド202のリア側に設けられ、第1の底面ガイド202とは異なる角度に形成され、筐体171のはめ込み部材177および底面を案内する第2の底面ガイド203とを備えている。なお、本実施の形態では、第2の底面ガイド203の面と直交する方向がZ方向となるように、画像形成装置1に対して露光モジュールガイド200が取り付けられている。
【0051】
では、上述した図5〜図20や、図21および図22を参照しながら、画像形成装置1に対する露光モジュールEMの装着手順、および、露光モジュールEMが取り付けられた画像形成装置1に対する感光体モジュールPMの装着手順について説明する。ここで、図21は、画像形成装置1に取り付けられた露光モジュールガイド200に沿って露光モジュールEMが挿入されていく状態を、画像形成装置1のフロント側からみた図である。また、図22は、画像形成装置1にリア保持部材1Rや露光モジュールガイド200が取り付けられた状態および画像形成装置1に対して露光モジュールEMが取り付けられた状態を示す図である。
【0052】
まず、露光モジュールEMおよび感光体モジュールPMが取り付けられていない画像形成装置1に対し、画像形成装置1のフロント側から露光モジュールEMを挿入していく。このとき、露光モジュールEMを構成する進退機構17のレバー172は図9に示した状態となっており、LPH14は進退機構17側に引き込まれている。そして、挿入された露光モジュールEMは、画像形成装置1内に設けられた露光モジュールガイド200に沿ってフロント側からリア側に向けて進んでいく。
【0053】
画像形成装置1のフロント側から露光モジュールEMを挿入したとき、露光モジュールEMの進退機構17を構成する筐体171の底面は、図21(a)に示すように、露光モジュールガイド200の第1の底面ガイド202に接触した状態で移動していく。したがって、露光モジュールEMは、後に感光体ドラム12と対向するZ方向に対して所定角度傾斜した状態となっている。そして、挿入に伴って筐体171のリア側端部が露光モジュールガイド200のリア側に設けられた第2の底面ガイド203の形成位置に到達すると、筐体171の底面が、図21(b)に示すように第1の底面ガイド202から斜めにせり上がって今度は第2の底面ガイド203に接触し、露光モジュールEMの姿勢(角度)が変化する。その結果、露光モジュールEMはZ方向に姿勢が正された状態で、さらに画像形成装置1のリア側に向けて挿入されていく。なお、挿入過程の途中で露光モジュールEMの姿勢を変えているのは、画像形成装置1の内部に配置された他の部材への衝突を避けるためである。
【0054】
ここで、例えば図22に示したように、露光モジュールガイド200に設けられた第2の底面ガイド203のリア側には、リア保持部材1Rが取り付けられている。このため、挿入に伴って露光モジュールEMのリア側が画像形成装置1のリア側のフレームに設けられたリア保持部材1Rにはめ込まれる。具体的に説明すると、まず、進退機構17のリア側に設けられたはめ込み部材177が、リア保持部材1Rのブラケット91と第1の板バネ92との間に挟み込まれる。続いて、LPH14のリア側に設けられた第2リア位置決めピン612Rが、リア保持部材1Rのブラケット91とアーム93との間に挟み込まれ、第2の板バネ94によりアーム93がY方向に押されることにより、LPH14のリア側のY方向位置が決められる。一方、進退機構17のリア側に設けられた中継基板174の下部が、リア保持部材1Rに設けられた基板保持部91bに乗り上がる。続いて、中継基板174のリア側に設けられた受電コネクタ175が、リア側のフレームRFの基板100に取り付けられた給電コネクタ101にはめ込まれ、両者が電気的に接続される。このとき、中継基板174は、上述したように筐体171に対しリア側が下方に傾いた状態でZ方向に首振り自在に取り付けられている。このため、中継基板174のリア側に取り付けられた受電コネクタ175は、上部側から給電コネクタ101に挿入され、その後下部側が挿入される。また、受電コネクタ175および給電コネクタ101は大きなはめ合いガイドを有している。さらに、中継基板174はY方向にも移動可能に取り付けられている。このため、仮に給電コネクタ101に対し受電コネクタ175の位置にずれが生じていたとしても、受電コネクタ175は位置ずれを修正しながらスムースに給電コネクタ101に挿入され、両者が電気的に接続されることになる。
【0055】
他方、挿入に伴って進退機構17のフロント側に設けられた固定用プレート176と画像形成装置1のフロント側のフレームとが対向した状態となり、画像形成装置1に対する露光モジュールEMのさらなるリア側への挿入が阻害される。そして、フロント側のフレームに固定用プレート176がネジ止めされる。このように、進退機構17のリア側が画像形成装置1のリア側のフレームRFに設けられたリア保持部材1Rに、フロント側が画像形成装置1のフロント側のフレームにそれぞれ固定されることにより、画像形成装置1に対する進退機構17の位置決めがなされる。また、画像形成装置1に固定された進退機構17に設けられたフロント規制部材178Fが、第2フロント位置決めピン612Fを介してLPH14のX方向への移動を規制していることから、LPH14のX方向の位置決めがなされる。
【0056】
このようにして画像形成装置1に対する露光モジュールEMの位置決めがなされたとき、露光モジュールEMの進退機構17側に設けられたはめ込み部材177と画像形成装置1の本体側に設けられたリア保持部材1Rの内壁との間には、X方向に所定の隙間が形成される。また、例えば露光モジュールEMの進退機構17側に設けられた受電コネクタ175と画像形成装置1の本体側に設けられた給電コネクタ101との間にも、X方向に所定の隙間が形成される(図22参照)。ただし、はめ込み部材177とリア保持部材1Rの内壁との間の隙間は、受電コネクタ175と給電コネクタ101との間の隙間よりも狭く設定される。これにより、画像形成装置1の搬送中などにおいて振動が生じた際に受電コネクタ175と給電コネクタ101とが衝突し、これらが破壊されるといった事態を回避している。
【0057】
次に、このようにして露光モジュールEMが取り付けられた画像形成装置1に対し、画像形成装置1のフロント側から感光体モジュールPMを挿入していく。このとき、露光モジュールEMを構成する進退機構17のレバー172は図9に示した状態のままとなっており、LPH14は進退機構17側に引き込まれた状態を維持している。また、レバー172が傾いているので、レバー172が感光体モジュールPMの挿入を邪魔しないようにもなっている。そして、挿入された感光体モジュールPMは、画像形成装置1内に設けられたガイド(図示せず)に沿ってフロント側からリア側に向けて進んでいく。
【0058】
その後、挿入に伴って感光体モジュールPMのリア側に設けられたリング状部材85が画像形成装置1のリア側のフレームRFにはめ込まれ、また、感光体モジュールPMのフロント側に設けられたプレート82の穴に画像形成装置1のフロント側のフレーム(図示せず)に設けられたフロントピン1Fがはめ込まれる。さらに、感光体モジュールPMのリア側に設けられた被駆動部(カップリング部材)が、画像形成装置1のリア側に設けられた駆動部(カップリング部材)にはめ込まれる。このように、感光体モジュールPMのリア側が画像形成装置1のリア側のフレームRFに、フロント側が画像形成装置1のフロント側のフレームに設けられたフロントピン1Fにそれぞれ固定されることにより、画像形成装置1に対する感光体モジュールPMの位置決めがなされる。
【0059】
また、感光体モジュールPMの挿入に伴い、感光体モジュールPMのフロント側に設けられたフロント位置決め部材84の受け溝841aに、LPH14のフロント側に設けられた第2フロント位置決めピン612Fが挟み込まれ、板バネ842により第2フロント位置決めピン612FがY方向に押されることにより、LPH14のフロント側のY方向位置が決められる。そして、画像形成装置1のリア側では、既にリア保持部材1Rが、第2リア位置決めピン612Rを介してLPH14のリア側のY方向位置を決めている。このように、画像形成装置1のリア側のフレームに設けられたリア保持部材1RがLPH14の第2リア位置決めピン612RのY方向への移動を規制し、且つ、感光体モジュールPMのプレート82に取り付けられたフロント位置決め部材84がLPH14の第2フロント位置決めピン612FのY方向への移動を規制していることから、LPH14のY方向の位置決めがなされる。
【0060】
そして、画像形成装置1に感光体モジュールPMがセットされた後、露光モジュールEMの進退機構17のレバー172が矢印C方向に引き上げられる。すると、レバー172の引き上げに連動してリンク機構173が動作し、保持部173aおよび支持部173bがZ方向に立ち上がる。また、保持部173aおよび支持部173bがZ方向に立ち上がることにより、支持部173bに支持されたLPH14がZ方向に持ち上がる。このとき、LPH14のフロント側に設けられた第2フロント位置決めピン612Fの下部側は進退機構17の筐体171に取り付けられたフロント規制部材178Fによって、X方向への移動が規制されている。また、第2フロント位置決めピン612Fの上部側は感光体モジュールPMに取り付けられたフロント位置決め部材84によって、第2リア位置決めピン612Rの上部側は画像形成装置1のリア側のフレームRFに取り付けられたリア保持部材1Rによって、それぞれY方向への移動が規制されている。このため、LPH14は、X方向およびY方向への移動を規制された状態、換言すれば、X方向およびY方向の位置決めがなされた状態で、Z方向に移動する。このとき、LPH14は、Y方向にはバネ力による押しつけを受けているが、X方向にはバネ力による押しつけを受けていない。このため、LPH14は、X方向、Y方向の両方向にバネ力による押しつけを受けている場合と比較して、少ない力でZ方向に持ち上がることになる。
【0061】
そして、LPH14がZ方向に持ち上がると、LPH14のフロント側に設けられた第1フロント位置決めピン611Fが感光体モジュールPMのフロント側に設けられたフロントBB122Fに突き当たり、また、LPH14のリア側に設けられた第1リア位置決めピン611Rが感光体モジュールPMのリア側に設けられたリアBB122Rに突き当たる。このように、感光体モジュールPMの感光体ドラム12のX方向両端に設けられたフロントBB122F、リアBB122Rが、第1フロント位置決めピン611F、第1リア位置決めピン611Rを介してLPH14のZ方向への移動を規制することから、LPH14のZ方向の位置決めがなされる。なお、X方向については、LPH14における発光開始点をずらすことで容易にX方向すなわち主走査方向のレジを調整できるので、バネの押し付けによってLPH14のX方向の位置決めを行う必要はない。
【0062】
したがって、露光位置にセットされたLPH14は、感光体ドラム12に対し次のように位置決めされることになる。
まず、X方向については、第2フロント位置決めピン612Fの下部側が画像形成装置1に固定された進退機構17のフロント規制部材178Fに保持されることにより位置決めされる。
また、Y方向については、第2フロント位置決めピン612Fの上部側が画像形成装置1に固定された感光体モジュールPMに設けられたフロント位置決め部材84に、第2リア位置決めピン612Rの上部側が画像形成装置1のリア側のフレームRFに固定されたリア保持部材1Rに、それぞれ保持されることにより位置決めされる。
さらに、Z方向については、第1フロント位置決めピン611F、第1リア位置決めピン611Rが画像形成装置1に固定された感光体モジュールPMに設けられたフロントBB122F、リアBB122Rにそれぞれ押し付けられることにより位置決めされる。
【0063】
つまり、感光体ドラム12に対するLPH14のX方向の位置決めはフロント側、リア側ともに進退機構17を基準としてなされ、また、感光体ドラム12に対するLPH14のZ方向の位置決めはフロント側、リア側ともに感光体モジュールPMを基準としてなされる。これに対し、感光体ドラム12に対するLPH14のY方向の位置決めは、フロント側が感光体モジュールPMを基準として、リア側が画像形成装置1を基準として、それぞれなされる。
【0064】
<実施の形態2>
本実施の形態は、実施の形態1とほぼ同様であるが、筐体171に対する中継基板174のX方向の固定位置を可変としたものである。なお、本実施の形態において、実施の形態1と同様のものについては、同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0065】
図23は、実施の形態2における、筐体171のリア側、中継基板174および基板保持部材179の構成を説明するための図である。また、図24は、基板保持部材179を用いて中継基板174を筐体171に取り付けた状態を示す図である。
【0066】
本実施の形態において、中継基板174には、X方向に沿いフロント側からリア側に向けて第1の穴174dおよび第2の穴174eが形成されている。これら第1の穴174dおよび第2の穴174eは、それぞれ、Z方向に長い長穴となっている。
【0067】
また、基板保持部材179の内側すなわち中継基板174と対向する側の面には、第1の挿入体179d、第2の挿入体179e、第3の挿入体179fおよび第4の挿入体179gが突出形成されている。また、基板保持部材179には、長穴179hおよび開口179iが形成されている。さらに、基板保持部材179のフロント側には、−Y方向に折り曲げられた折り曲げ部179jが形成されている。
【0068】
ここで、第1の挿入体179d〜第4の挿入体179gは、それぞれ円形状の断面を有している。そして、第1の挿入体179dおよび第2の挿入体179eは、基板保持部材179の下部側に、X方向に沿って並べて形成されている。一方、第3の挿入体179fおよび第4の挿入体179gは、基板保持部材179の上部側に、X方向に沿って並べて形成されている。また、長穴179hは、第3の挿入体179fと第4の挿入体179gとの間に形成されるX方向に長くなっており、その端縁には第1の挿入体179dと同じ方向に突出するリブが形成されている。これに対し、開口179iは、第1の挿入体179dと第2の挿入体179eとの間に形成される四角形状の穴である。
【0069】
さらに、筐体171には、第1の穴171a、第2の穴171b、第3の穴171c、第4の穴171dおよびねじ穴171eが形成されている。また、筐体171には−Y方向に折り曲げられた折り曲げ部171fが形成されている。
【0070】
ここで、第1の穴171aおよび第2の穴171bは、筐体171の側面下部側に、X方向に並べて形成されている。一方、第3の穴171cおよび第4の穴171dは、筐体171の側面上部に、X方向に並べて形成されている。また、ねじ穴171eは、第3の穴171cと第4の穴171dとの間に形成されている。ここで、第1の穴171a〜第4の穴171dは、それぞれ、X方向に長い長穴となっている。これに対し、ねじ穴171eは円形状を有している。そして、折り曲げ部171fにはねじ穴が形成されており、このねじ穴にはネジ171gが挿入されている。
【0071】
では次に、基板保持部材179を用いた筐体171に対する中継基板174の取り付け手順について説明する。
まず、中継基板174の第1の穴174d、第2の穴174eに対し、基板保持部材179に設けられた第1の挿入体179d、第2の挿入体179eをそれぞれ挿入する。このとき、基板保持部材179の開口179iには、中継基板174に設けられたコネクタが露出する。次に、中継基板174が取り付けられた状態で、筐体171の第1の穴171a〜第4の穴171dに対し、基板保持部材179に設けられた第1の挿入体179d〜第4の挿入体179gをそれぞれ挿入する。
【0072】
その結果、筐体171に設けられたねじ穴171eと基板保持部材179に設けられた長穴179hとが対向する。また、筐体171の折り曲げ部171fに取り付けられたネジ171gの突端側と基板保持部材179に設けられた折り曲げ部179jとが対向する。
【0073】
このとき、基板保持部材179は、中継基板174を保持した状態でX方向に移動可能となっている。但し、その可動範囲は、X方向については第1の穴171a〜第4の穴171dで規制され、また、−X方向については第1の穴171a〜第4の穴171dあるいはネジ171gによって制限されている。
【0074】
続いて、筐体171の折り曲げ部171fに取り付けられたネジ171gを緩めあるいは締め付けることにより、ネジ171gの突端のX方向位置を調整し、このネジ171gの突端に接触する折り曲げ部179jすなわち基板保持部材179のX方向の位置を決める。このとき、筐体171に対する基板保持部材179のX方向の位置は、保持される中継基板174に設けられた受電コネクタ175を画像形成装置1の本体に設けられた給電コネクタ101に取り付けた際に、受電コネクタ175に過大な力がかからない範囲内に設定される。
【0075】
次に、ネジ180を用意し、このネジ180を、基板保持部材179に設けられた長穴179hを介して筐体171に設けられたねじ穴171eにねじ込み、筐体171に対して基板保持部材179を固定する。このとき、筐体171の折り曲げ部171fに設けられたネジ171gと、基板保持部材179に設けられた折り曲げ部179jとが接触した状態を維持させる。
【0076】
このようにして、中継基板174は、基板保持部材179によって筐体171に取り付けられる。このとき、中継基板174は、Z方向に長い第1の穴174dおよび第2の穴174eによって保持されているため、Z方向への移動が許容されている。また、中継基板174は、第1の挿入体179d、第2の挿入体179eおよび長穴179hに設けられたリブ等によって、筐体171と基板保持部材179との間に、Y方向に隙間が形成された状態で保持されているため、Y方向への移動も許容されている。これに対し、中継基板174は、第1の穴174dおよび第2の穴174eのX方向の径とこれらに挿入される第1の挿入体179dおよび第2の挿入体179eの径との関係から、X方向への移動が制限される。
【0077】
このように、本実施の形態では、筐体171に対する基板保持部材179のX方向の固定位置を可変とすることで、これらによって保持される中継基板174のX方向の固定位置を可変としている。そして、筐体171に対して基板保持部材179のX方向の位置を固定した後には、これらによって保持される中継基板174が、実施の形態1と同様、X方向への移動が規制されつつ、Y方向およびZ方向への移動が許容されるように保持される。
【0078】
<実施の形態3>
本実施の形態は、実施の形態1とほぼ同様であるが、本体のリア側のフレームRFに取り付けられる基板100に設けられた給電コネクタ101の軸方向すなわちX方向の固定位置を可変としたものである。なお、本実施の形態において、実施の形態1と同様のものについては、同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0079】
図25は、実施の形態3における、リア側のフレームRFおよび給電コネクタ101を有する基板100の構成を説明するための図である。
【0080】
本実施の形態において、リア側のフレームRFには、X方向に折り曲げられた折り曲げ部190が形成されている。この折り曲げ部190には、第1のねじ穴190aおよび第2のねじ穴190bと、Y方向に突出する第1の突起190cおよび第2の突起190dとが形成されている。ここで、第1のねじ穴190aおよび第2のねじ穴190bはZ方向に並べて形成されており、第1の突起190cおよび第2の突起190dはX方向に並べて形成されている。そして、第1の突起190cは上部に形成される第1のねじ穴190aとその下部に形成される第2のねじ穴190bとの間に配置されており、第2の突起190dは第1の突起190cよりもリア側に配置されている。ここで、これら第1のねじ穴190a、第2のねじ穴190b、第1の突起190cおよび第2の突起190dは、それぞれ円形状を有している。
【0081】
一方、基板100は、フロント側に設けられる給電コネクタ101に加え、本体との電気的な接続に用いられるコネクタ102をさらに備えている。また、基板100には、第1の穴100a、第2の穴100b、第3の穴100cおよび第4の穴100dが形成されている。ここで、第1の穴100aおよび第2の穴100bはZ方向に並べて形成されており、第3の穴100cは第1の穴100aと第2の穴100bとの間に形成されている。また、第3の穴100cおよび第4の穴100dはX方向に並べて形成されている。ここで、これら第1の穴100a〜第4の穴100dは、それぞれX方向に長い長穴となっている。
【0082】
では次に、リア側のフレームRFに対する基板100の取り付け手順について説明する。
まず、リア側のフレームRFの折り曲げ部190に設けられた第1の突起190cおよび第2の突起190dに対し、基板100に設けられた第3の穴100cおよび第4の穴100dをはめ込む。
【0083】
このとき、基板100は、長穴である第3の穴100c、第4の穴100dに、折り曲げ部190に設けられた円形状の第1の突起190c、第2の突起190dが挿入された状態となっており、且つ、長穴である第1の穴100a、第2の穴100bに、第1のネジ110a、第2のネジ110bが挿入された状態となっている。このため、基板100は、X方向およびY方向への移動は許容される一方、Z方向への移動が制限されている。そして、この状態で、基板100をX方向に移動させることで、基板100すなわち基板100に取り付けられた給電コネクタ101のX方向の位置を決める。このとき、折り曲げ部190すなわちリア側のフレームRFに対する基板100すなわち給電コネクタ101のX方向の位置は、露光モジュールEMに保持される中継基板174に設けられた受電コネクタ175が取り付けられた際に、受電コネクタ175に過大な力がかからない範囲に設定される。
【0084】
次に、第1のネジ110aおよび第2のネジ110bを用意し、第1のネジ110aを基板100に設けられた第1の穴100aを介して折り曲げ部190に設けられた第1のねじ穴190aにねじ込むとともに、第2のネジ110bを基板100に設けられた第2の穴100bを介して折り曲げ部190に設けられた第2のねじ穴190bにねじ込む。これにより、折り曲げ部190に対して基板100が固定され、リア側のフレームRFに対する給電コネクタ101のX方向位置、Y方向位置およびZ方向位置が固定される。
【0085】
<実施の形態4>
本実施の形態は、実施の形態1とほぼ同様であるが、本体のリア側のフレームRFに対する基板100の取り付け手法に工夫を施すことにより、受電コネクタ175が接続される際にX方向に加えられる衝撃を、基板100側で吸収するようにしたものである。なお、本実施の形態において、実施の形態1と同様のものについては、同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0086】
図26は、実施の形態4における、リア側のフレームRFおよび基板100の構成を説明するための図である。また、図27は、リア側のフレームRFに取り付けられた基板100の給電コネクタ101に対し、図示しない露光モジュールEMに設けられた中継基板174の受電コネクタ175がフロント側から挿入されている状態を示す図である。
【0087】
本実施の形態において、リア側のフレームRFには、凹字状の第1の開口191aと、同じく凹字状の第2の開口191bとが形成されている。また、リア側のフレームRFには、矩形状の第3の開口191cも形成されている。これにより、リア側のフレームRFには、第3の開口191cを中心とする矩形状の基板保持部191dと、リア側のフレームRFの上部側において基板保持部191dとリア側のフレームRFとをつなぐ第1のアーム191eと、リア側のフレームRFの下部側において基板保持部191dとリア側のフレームRFとをつなぐ第2のアーム191fとが形成されている。ただし、第1の開口191a、第2の開口191bおよび第3の開口191cは、リア側のフレームRFを打ち抜いて形成されているため、これら基板保持部191d、第1のアーム191eおよび第2のアーム191fも、リア側のフレームRFと一体化している。ここで、リア側のフレームRFは、金属板に構成されているため、基板保持部191dと接続される第1のアーム191eおよび第2のアーム191fは、それぞれ板ばねとして機能している。また、基板保持部191dには、第3の開口191cの対角線上に、第1のねじ穴191gおよび第2のねじ穴191hが形成されている。
【0088】
一方、基板100は、フロント側に設けられる給電コネクタ101に加え、本体との電気的な接続に用いられるコネクタ102をさらに備えている。そして、基板100には、対角線上に第1の穴100eおよび第2の穴100fが形成されている。
【0089】
では次に、リア側のフレームRFに対する基板100の取り付け手順について説明する。
まず、基板100に設けられた給電コネクタ101を、リア側のフレームRFの基板保持部191dに挿入する。続いて、第1のネジ111aを、基板100に設けられた第1の穴100eを介してリア側のフレームRFの基板保持部191dに設けられた第1のねじ穴191gにねじ込む。また、第2のネジ111bを、基板100に設けられた第2の穴100fを介してリア側のフレームRFの基板保持部191dに設けられた第2のねじ穴191hにねじ込む。これにより、リア側のフレームRFに対して基板100が固定した状態で取り付けられる。
【0090】
ただし、給電コネクタ101を有する基板100が取り付けられる基板保持部191dは、第1のアーム191eおよび第2のアーム191fのばね性により、X方向への進退が許容されるようになっている。このため、例えば本体に対し露光モジュールEMをフロント側からリア側へと挿入し、露光モジュールEMの中継基板174に設けられた受電コネクタ175と本体に設けられた給電コネクタ101とをはめ合わせた際に、寸法等の誤差によって給電コネクタ101がX方向に押し付け力を受けるような場合であっても、給電コネクタ101を搭載する基板100がX方向に待避することとなり、両者の接続部位に過大な力が加わるという事態は回避されることになる。また、給電コネクタ101を搭載する基板100がX方向に所定量待避することを予め見込んで露光モジュールEM上の中継基板174のX方向位置を設定しておけば、給電コネクタ101と受電コネクタ175との十分な差し込み深さを確保しつつ、両者の接続部位に過大な力が加わらない構成とすることができる。
【0091】
<実施の形態5>
本実施の形態は、実施の形態2とほぼ同様であるが、露光モジュールEMに対する中継基板174の取り付け手法に工夫を施すことにより、基板100に設けられた給電コネクタ101に接続される際にX方向に加えられる衝撃を、中継基板174側で吸収するようにしたものである。なお、本実施の形態において、実施の形態1と同様のものについては、同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0092】
図28は、実施の形態5における、筐体171のリア側、中継基板174および基板保持部材179の構成を説明するための図である。また、図29は、基板保持部材179を用いて中継基板174を筐体171に取り付けた状態を示す図である。
【0093】
本実施の形態において、基板保持部材179のフロント側には、コイルばね181のリア側を保持するためのばね保持部179kが形成されている。これに対し、筐体171のフロント側には、−Y方向に折り曲げられ、基板保持部材179が取り付けられた際にばね保持部179kに保持されるコイルばね181をフロント側からリア側に向けて押し付けるばね押し付け部171hが形成されている。
【0094】
では次に、基板保持部材179を用いた筐体171に対する中継基板174の取り付け手順について説明する。
まず、中継基板174の第1の穴174d、第2の穴174eに対し、基板保持部材179に設けられた第1の挿入体179d、第2の挿入体179eをそれぞれ挿入する。このとき、基板保持部材179の開口179iには、中継基板174に設けられたコネクタが露出する。
【0095】
次に、中継基板174が取り付けられ、且つ、ばね保持部179kにコイルばね181を保持させた状態で、筐体171の第1の穴171a〜第4の穴171dに対し、基板保持部材179に設けられた第1の挿入体179d〜第4の挿入体179gをそれぞれ挿入する。
【0096】
その結果、筐体171に設けられたねじ穴171eと基板保持部材179に設けられた長穴179hとが対向する。また、筐体171に設けられたばね押し付け部171hと、基板保持部材179に設けられた長穴179hに保持されたコイルばね181のフロント側とが接触する。その結果、基板保持部材179は、コイルばね181によってリア側へと押され、第1の挿入体179d〜第4の挿入体179gが筐体171に設けられた第1の穴171a〜第4の穴171dのリア側にて移動が規制されることにより、リア側にてX方向の位置決めがなされる。
【0097】
続いて、段付きネジ182を用意し、この段付きネジ182を、基板保持部材179に設けられた長穴179hを介して筐体171に設けられたねじ穴171eにねじ込む。ここで、本実施の形態では、実施の形態1とは異なり、段付きネジ182を用いてネジ止めを行っているため、段付きネジ182は、基板保持部材179のX方向への移動を規制していない。
【0098】
このようにして、中継基板174は、基板保持部材179によって筐体171に取り付けられる。このとき、中継基板174は、Z方向に長い第1の穴174dおよび第2の穴174eによって保持されているため、Z方向への移動が許容されている。また、中継基板174は、第1の挿入体179d、第2の挿入体179eおよび長穴179hに設けられたリブ等によって、筐体171と基板保持部材179との間に、Y方向に隙間が形成された状態で保持されているため、Y方向への移動も許容されている。これに対し、中継基板174は、段付きネジ182によってはX方向への移動を制限されないが、コイルばね181によってX方向への移動を制限される。
【0099】
<実施の形態6>
本実施の形態は、実施の形態1とほぼ同様であるが、給電コネクタ101を有する基板100をリア側のフレームRFに取り付けるための構成に工夫を施すことにより、給電コネクタ101に対する受電コネクタ175の接続をより確実に行うとともに、給電コネクタ101に受電コネクタ175が接続された後にX方向に加えられる衝撃を吸収するようにしたものである。なお、本実施の形態において、実施の形態1と同様のものについては、同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0100】
図30は、実施の形態6における、リア側のフレームRFに対する基板100の取り付け手法および本体に対する露光モジュールEMの取り付け手順を説明するための図である。
【0101】
本実施の形態において、基板100は、この基板100に取り付けられた給電コネクタ101がリア側のフレームRFに形成された開口を介してフロント側に突出するように配置されている。ここで、リア側のフレームRFのリア側には、一端がリア側のフレームRFに固定され、他端が基板100のリア側をフロント側に向けて押し付けるように構成された板ばね210が設けられている。また、リア側のフレームRFには、板ばね210の一端と他端との間の部位に対向するように開口が形成されている。
【0102】
ここで、リア側のフレームRFには、給電コネクタ101よりもわずかに大きな開口が形成されていることから、基板100および給電コネクタ101は、リア側のフレームRFに取り付けられることにより、Y方向およびZ方向への移動が規制されている。これに対し、基板100および給電コネクタ101は、−X方向に板ばね210で押されることから、X方向にはある程度可動可能に構成されている。
【0103】
一方、露光モジュールEMの基本構成は、実施の形態1とほぼ同じであるが、はめ込み部材177は、実施の形態1で用いたものよりもX方向に長くなっている。なお、本実施の形態において、図示しないリア保持部材1Rの背面には、はめ込み部材177を貫通させるための穴が形成されている。
【0104】
では次に、図30(a)〜(d)を参照しながら、画像形成装置1の本体に対する露光モジュールEMの取り付け手順について説明する。
まず、図30(a)に示すように、本体のフロント側から、フロントフレームFFを介して露光モジュールEMを挿入していく。
【0105】
次に、露光モジュールEMが本体のリア側のフレームRF側に到達すると、図30(b)に示すように、筐体171に取り付けられた中継基板174の受電コネクタ175が、本体のリア側のフレームRFに取り付けられた給電コネクタ101と接触する。ここで、中継基板174は、上述したように筐体171に対しX方向への移動は規制されているが、Y方向およびZ方向への移動は許容されている。これにより、受電コネクタ175は、姿勢を変えながら徐々に給電コネクタ101にはまり込んでいく。なお、このとき、給電コネクタ101が取り付けられた基板100は、板ばね210によって−X方向に押されている。また、このとき、筐体171のリア側端部に設けられたはめ込み部材177は、図示しないリア保持部材1Rを介してリア側のフレームRFに設けられた開口にはまり込む。
【0106】
そして、露光モジュールEMをさらに本体のリア側に向けて押し込んでいくと、図30(c)に示すように、給電コネクタ101と受電コネクタ175とがはめ合わされ、給電コネクタ101および基板100がリア側すなわちX方向に押される。このとき、板ばね210は基板100をフロント側すなわち−X方向に向けて押し続けている。また、このとき、筐体171に設けられたはめ込み部材177は、リア側のフレームRFから突出するが、はめ込み部材177の先端側は、板ばね210に対し非接触であるかあるいは接触していてもほとんど力を働かせない状態となっている。
【0107】
その後、露光モジュールEMをさらに押し込んだ状態では、図30(d)に示すように、筐体171に設けられたはめ込み部材177が板ばね210をX方向に押すことになる。すると、板ばね210の他端側すなわち基板100を−X方向に押し付けていた部位が、基板100から離れる。この状態で、本体に対する筐体171の固定が行われることにより、本体に対する露光モジュールEMの取り付けがなされる。したがって、画像形成動作を行う際において、基板100および給電コネクタ101には、板ばね210による押し付け力が働かなくなる。
【0108】
なお、本実施の形態では、基板100および基板100に取り付けられる給電コネクタ101を、X方向への移動を許容する一方Y方向およびX方向への移動を規制していたが、これに限られるものではなく、板ばね210にてリア側のフレームRFに押し付ける一方で、X方向、Y方向およびZ方向への移動を許容した状態で保持させるようにしてもかまわない。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】本実施の形態が適用される画像形成装置の全体構成の一例を示す図である。
【図2】LPHの構成を示した断面図である。
【図3】LED回路基板の平面図である。
【図4】LEDチップ、信号生成回路およびレベルシフト回路の回路構成を示す図である。
【図5】感光体モジュールおよび露光モジュールが画像形成装置に取り付けられた状態を示す斜視図である。
【図6】図5におけるフロント側の拡大図である。
【図7】図5におけるリア側の拡大図である。
【図8】感光体モジュールの構成を示す斜視図である。
【図9】露光モジュールの構成を示す斜視図である。
【図10】露光モジュールにおけるLPHの構成を示す斜視図である。
【図11】露光モジュールにおける進退機構の構成を示す斜視図である。
【図12】露光モジュールにおける進退機構の上面図である。
【図13】フロント位置決め部材の構成を示す斜視図である。
【図14】リア保持部材の構成を示す斜視図である。
【図15】ブラケットの構成を示す斜視図である。
【図16】画像形成装置のリア側のフレームに対するリア保持部材の取り付けを説明するための図である。
【図17】図9のリア側の拡大図である。
【図18】露光モジュールに対する中継基板の取り付け状態をみた図である。
【図19】Z方向上方から中継基板の取り付け状態をみた図である。
【図20】露光モジュールガイドの斜視図である。
【図21】画像形成装置に取り付けられた露光モジュールガイドに沿って露光モジュールが挿入されていく状態を、画像形成装置のフロント側からみた図である。
【図22】画像形成装置にリア保持部材や露光モジュールガイドが取り付けられた状態および画像形成装置に対して露光モジュールが取り付けられた状態を示す図である。
【図23】実施の形態2における、筐体のリア側、中継基板および基板保持部材の構成を説明するための図である。
【図24】基板保持部材を用いて中継基板を筐体に取り付けた状態を示す図である。
【図25】実施の形態3における、リア側のフレームおよび給電コネクタを有する基板の構成を説明するための図である。
【図26】実施の形態4における、リア側のフレームおよび基板の構成を説明するための図である。
【図27】リア側のフレームに取り付けられた基板の給電コネクタに対し、露光モジュールに設けられた中継基板の受電コネクタがフロント側から挿入されている状態を示す図である。
【図28】実施の形態5における、筐体のリア側、中継基板および基板保持部材の構成を説明するための図である。
【図29】基板保持部材を用いて中継基板を筐体に取り付けた状態を示す図である。
【図30】実施の形態6における、リア側のフレームに対する基板の取り付け手法および本体に対する露光モジュールの取り付け手順を説明するための図である。
【符号の説明】
【0110】
1…画像形成装置、1F…フロントピン、1R…リア保持部材、10…画像形成プロセス部、11(11Y、11M、11C、11K)…画像形成ユニット、12…感光体ドラム、13…帯電器、14…LEDプリントヘッド(LPH)、15…現像器、16…クリーナ、17…進退機構、PM…感光体モジュール、EM…露光モジュール、611F…第1フロント位置決めピン、611R…第1リア位置決めピン、612F…第2フロント位置決めピン、612R…第2リア位置決めピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体に取り付けられて回転する像保持体と、
前記像保持体を露光する露光部を有し、前記本体に対し当該像保持体の軸線方向である第1の方向の一端側から他端側に向けて差し込まれた際に当該本体に設けられた位置決め部材に保持されることで、当該本体に対する取り付けがなされる露光部材と、
前記露光部と電気的に接続されて前記露光部材の前記他端側に設けられ、当該露光部材が前記本体に取り付けられた際に当該本体に設けられた接続体と電気的に接続される配線基板と、
前記配線基板を、前記第1の方向への移動を規制し且つ前記露光部の光軸方向である第2の方向および当該第1の方向および当該第2の方向に直交する第3の方向の双方への移動を許容するように保持する保持部材と
を含む画像形成装置。
【請求項2】
前記露光部材は、
前記露光部を支持する支持部と、
前記支持部を介して前記露光部を前記像保持体に対して進退させる進退機構と
を有することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記配線基板の前記他端側に取り付けられ、前記接続体とはめ合うはめ合い部材をさらに含むことを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記露光部材が前記本体に設けられた前記位置決め部材に位置決めされた際に、前記はめ合い部材が当該本体に設けられた前記接続体に対し前記第1の方向に所定の隙間を有してはめ合うことを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記本体に取り付けられ、前記露光部材を前記一端側から前記他端側に向けて案内する案内部材をさらに含み、
前記案内部材は、前記一端側では前記露光部が前記像保持体と対向しないように前記露光部材を案内し、前記他端側では当該露光部が当該像保持体と対向するように当該露光部材を案内することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記配線基板は、前記露光部材に対する前記第1の方向の位置が調整可能となるように形成され、
前記露光部材に対する前記配線基板の前記第1の方向の位置を固定する固定部材をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記接続体は、前記本体に対する前記第1の方向の位置が調整可能となるように形成され、
前記本体に対する前記接続体の前記第1の方向の位置を固定する固定部材をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記接続体は、前記第1の方向の前記一端側から前記他端側に移動する前記配線基板と接続される際に、当該配線基板から受ける力に応じて当該一端側から当該他端側に移動するように前記本体に取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記露光部材に取り付けられ、前記配線基板を前記第1の方向の前記一端側から前記他端側に向けて付勢する弾性部材をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記接続体は、前記第1の方向への移動を許容し且つ前記第2の方向および前記第3の方向への移動を規制するように前記本体に設けられ、
前記接続体を前記第1の方向の前記他端側から前記一端側へと向かう方向に押し付ける押し付け部材と、
前記露光部材に設けられ、前記配線基板と前記接続体とが電気的に接続された状態で前記押し付け部材に接触し当該押し付け部材を当該接続体から離間させる離間部材と
をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項11】
回転する像保持体の軸線方向に沿って設けられた露光部を有する露光部材と、
前記露光部と電気的に接続されて前記露光部材の前記軸線方向の一端側に設けられる配線基板と、
前記配線基板を、前記軸線方向である第1の方向への移動を規制し且つ前記露光部の光軸方向である第2の方向および当該第1の方向および当該第2の方向に直交する第3の方向の双方への移動を許容するように保持する保持部材と
を含む露光モジュール。
【請求項12】
前記配線基板が、前記露光部材の側面に取り付けられることを特徴とする請求項11記載の露光モジュール。
【請求項13】
前記保持部材は、前記露光部材に対し前記配線基板を回転可能に取り付けることで前記第2の方向への移動を許容し、当該露光部材に対し当該配線基板の厚みよりも大きい隙間をもって取り付けることで前記第3の方向への移動を許容することを特徴とする請求項11または12記載の露光モジュール。
【請求項14】
前記配線基板と前記露光部とを接続するフレキシブルケーブルをさらに含むことを特徴とする請求項11乃至13のいずれか1項記載の露光モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2009−139943(P2009−139943A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−292796(P2008−292796)
【出願日】平成20年11月14日(2008.11.14)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】