説明

画像形成装置及びプロセスカートリッジ

【課題】帯電ローラを軸受けから簡単に外すことができる画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供する。
【解決手段】帯電ローラ8と、帯電ローラ8を回転可能に支持する軸受け23と、軸受け23を帯電ローラ8の長手方向と直交する方向にスライド移動可能に支持するドラム枠体18と、軸受け23を帯電ローラ8の長手方向と直交する方向に付勢するバネ25と、を有するプロセスカートリッジにおいて、ドラム枠体18は、軸受け23がバネの付勢力に抗してスライド移動した際に、帯電ローラ8の回転軸8bに当接し、帯電ローラ8の回転軸8bを軸受け23から外す当接部18fを有し、軸受け23は、帯電ローラ8の回転軸8bが当接部18fから離間した第1の位置と、帯電ローラ8の回転軸8bが当接部18fに当接して軸受け23から外れる第2の位置と、に移動することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式を採用する複写機やプリンタ等の画像形成装置およびこれに用いられるプロセスカートリッジに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置及びプロセスカートリッジは、露光前に感光体ドラムを帯電させるための帯電ローラを有している。帯電ローラの軸受けは帯電ローラと摺動可能であり、バネにより帯電ローラを感光体ドラムに押圧している。
【0003】
帯電ローラ及び帯電ローラの軸受けの構成として、帯電ローラの軸受けをバネにより進退可能とし、帯電ローラの軸受けの進退方向に規制部を設けたものがある(特許文献1)。規制部は、帯電ローラ軸受けの進行方向に爪を有し、帯電ローラ軸受けの退避方向にリブを有している。爪は、帯電ローラ組み立て時に軸受けが取り付け部から外れるのを防止する。リブは、輸送時の振動及び衝撃等により、帯電ローラが他の部品と接触するのを防止する。
【0004】
また、帯電ローラと軸受けが嵌合する部分を塞ぐカバーを設けたものがある(特許文献2)。カバーを設けることにより、帯電ローラと軸受けの摺動部にトナーや紙粉等のゴミが付着するのを防止し、軸受けの劣化を防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−243488
【特許文献2】特開平11−133767
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記従来の画像形成装置及びプロセスカートリッジをさらに発展させたものである。本発明は、帯電ローラを取り外す際に、帯電ローラを支持する軸受けを、帯電ローラを感光体ドラムへ付勢している付勢手段に抗して押圧するだけで、帯電ローラを軸受けから簡単に外すことができる画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明に係る画像形成装置及びプロセスカートリッジの代表的な構成は、帯電ローラと、前記帯電ローラを回転可能に支持する軸受けと、前記軸受けを前記帯電ローラの長手方向と直交する方向にスライド移動可能に支持する支持フレームと、前記軸受けを前記帯電ローラの長手方向と直交する方向に付勢する付勢手段と、を有するプロセスカートリッジにおいて、前記支持フレームは、前記軸受けが前記バネの付勢力に抗してスライド移動した際に、前記帯電ローラの回転軸に当接し、前記帯電ローラの回転軸を前記軸受けから外す当接部を有し、前記軸受けは、前記帯電ローラの回転軸が前記当接部から離間した第1の位置と、前記帯電ローラの回転軸が前記当接部に当接して前記軸受けから外れる第2の位置と、に移動することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、帯電ローラを取り外す際に、帯電ローラを支持する軸受けを、帯電ローラを感光体ドラムへ付勢しているバネに抗して押圧するだけで、帯電ローラを軸受けから簡単に外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第一実施形態に係る画像形成装置の構成図である。
【図2】第一実施形態に係るプロセスカートリッジの構成図である。
【図3】帯電ローラと軸受けの斜視図である。
【図4】帯電ローラと軸受けの長手方向に直交する断面図である。
【図5】帯電ローラと軸受けの長手方向の断面図である。
【図6】帯電ローラを取り外した状態における帯電ローラと軸受けの長手方向に直交する断面図である。
【図7】第二実施形態に係る帯電ローラと軸受けの長手方向の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[第1実施形態]
本発明に係る画像形成装置及びプロセスカートリッジの第1実施形態について、図を用いて説明する。図1は本実施形態に係る画像形成装置Aの構成図である。図1に示すように、画像形成装置Aは、プロセスカートリッジBを着脱可能に有している。プロセスカートリッジBは、ドラム形状の電子写真感光体(感光体ドラム)7、帯電ローラ8、現像装置19を有する。
【0011】
感光体ドラム7は、帯電ローラ8によって帯電され、光学手段1から画像情報に応じたレーザビーム光を照射されることによって感光体ドラム7に画像情報に応じた潜像が形成される。この潜像は、現像装置19によって現像剤(トナー)を用いてトナー像として現像される。
【0012】
一方、給送カセット3aにセットされたシート2は、ピックアップローラ3b、搬送ローラ対3c、3d、3eにより転写位置へと搬送される。転写位置に搬送されたシート2は、転写ローラ4により感光体ドラム7上のトナー像を転写される。トナー像を転写されたシート2は、搬送ガイド3fを介して定着装置5へと搬送され、駆動ローラ5cおよびヒータ5aを内蔵した定着ローラ5bにより熱および圧力を印加されてトナー像を定着される。トナー像を定着されたシート2は、排出ローラ対3g、3hで搬送され、反転経路3iを経由して排出トレイ6へと排出される。
【0013】
図2は本実施形態に係る画像形成装置Aに着脱可能なプロセスカートリッジBの構成図である。図2に示すように、現像装置19は、トナー収納容器14内のトナーを攪拌部材15、16の回転によって現像室13aに送り出す。そして、マグネットローラ11を内蔵した現像ローラ10を回転させるとともに、現像ブレード12によって摩擦帯電電荷を付与したトナー層を現像ローラ10の表面に形成する。そして、そのトナーを潜像に応じて感光体ドラム7へ転移させることによってトナー像を形成して可視像化する。
【0014】
トナー像をシート2に転写した後の感光体ドラム7は、クリーニング手段17によって感光体ドラム7上に残留したトナーを除去した後、次の画像形成プロセスに供される。クリーニング手段17は、感光体ドラム7に当接して設けられた弾性クリーニングブレード17aによって感光体ドラム7上に残留したトナーを掻き落として廃トナー溜め17bへと集める。
【0015】
(帯電ローラ8)
図3帯電ローラと軸受けの斜視図である。図4は帯電ローラと軸受けの長手方向から見た断面図である。図3、図4に示すように、帯電ローラ8は軸受け23に回転可能に保持されている。軸受け23は、帯電ローラ8の回転軸8bを支持する開口部を有している。軸受け23はガイド部23bを有している。ガイド部23bはドラム枠体(支持フレーム)18のガイド部18eとガイド方向(矢印D1方向及び矢印D2方向)にスライド可能となっている。これにより、軸受け23は帯電ローラ8の長手方向と直交する方向(矢印D1、D2方向)にスライド移動可能に支持される。軸受け23はバネ(付勢手段)25によって矢印D1方向に付勢されている。
【0016】
帯電ローラ8を取り外すときは、図5に示すように、回転軸8bが当接部18fから離間した第1の位置から、バネ25の付勢力に抗して軸受け23の端部に設けられた被押圧部23aを矢印D2方向に押し下げる。被押圧部23aを押し下げると、軸受け23及び帯電のローラ8は一体で矢印D2方向に移動し、帯電ローラ8の回転軸8bがドラム枠体18に設けられている当接部18fが当接し、帯電ローラ8はそれ以上矢印D2方向には移動できなくなる。
【0017】
さらに被押圧部23aを押し下げると、軸受け23のみが矢印D2方向に移動し、帯電ローラ8は軸受け23との相対位置として矢印D1方向に進む。そして、図6に示すように、軸受け23は、帯電ローラ8から保持解除高さH以上離れ、帯電ローラ8が軸受け23から外れる第2の位置に移動する。
【0018】
保持解除高さHとは、帯電ローラ8が軸受け23に勘合した位置から軸受け23から外れる位置までの高さであり、本実施形態では帯電ローラ8が軸受け23に設けられている凸形状23dを乗り越えるのに必要な高さである。軸受け23の形状はこれに限定されるものではなく、開口部を有する形状であれば良い。
【0019】
帯電ローラ8が軸受け23から外れた後、被押圧部23aの押圧を解除すると、回転軸8bが凸形状23dに引っかかり、帯電ローラ8は軸受け23から外れた状態を維持する。その後、冶具で軸受け23から外れた帯電ローラ8をつかんで持ち上げて、帯電ローラ8を交換する。
【0020】
従来、帯電ローラ8を取り外す際は、回転軸8bが軸受け23に勘合した状態で、冶具で帯電ローラ8の回転軸8bをつかんで取り外していた。このため、回転軸8bには、冶具で把持する部分が必要であり、長手方向に長くなっていた。しかしながら、本実施形態では、回転軸8bが軸受け23から外れた状態で、冶具で把持することができる。このため、回転軸8bの勘合していた部分を把持してもよく、回転軸8bの長手方向の長さを短くすることができる。これにより、プロセスカートリッジ及び画像形成装置を長手方向に小型化できる。また、取り外すために従来のような大きな力を加える必要がなく、小さな力で簡単に帯電ローラ8を取り外すことができる。
【0021】
なお、被押圧部23aは、軸受け23を矢印D2方向に移動させることができれば良く、配置及び押圧部の形状や数を限定しない。例えば帯電ローラ軸線方向において、軸受け23の軸支部23cと同じ位置にあっても良いし、軸受け23と帯電ローラゴム部8aとの間にあっても良い。押圧部の数も1つに限定するものではない。また、当接部18fは回転軸8bと当接し、帯電ローラ8の矢印D2方向の移動を規制するものであれば良く、例えば面あるいは線及び点など、形状を限定しない。
【0022】
[第2実施形態]
次に本発明に係る画像形成装置及びプロセスカートリッジの第2実施形態について図を用いて説明する。上記第一実施形態と説明の重複する部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0023】
図7は本実施形態に係る帯電ローラと軸受けの長手方向の断面図である。図7に示すように、本実施形態の画像形成装置及びプロセスカートリッジは、上記第1実施形態のドラム枠体18の当接部18fを軸受け23の軸支部23cよりも長手方向外側に設けたものである。この構成においても、上記第1実施形態と同様の効果が得られる。さらに当接部18fを長手方向外側に設けることにより、当接部18fが帯電ローラゴム部8aに当接する恐れがなくなり、長手方向の部品公差を減らすことができ、プロセスカートリッジBの長手方向の設計を簡易化できる。
【符号の説明】
【0024】
A …画像形成装置
B …プロセスカートリッジ
7 …感光体ドラム
8 …帯電ローラ
8a …帯電ローラゴム部
8b …回転軸
18 …ドラム枠体(支持フレーム)
18e …ガイド部
18f …当接部
23 …軸受け
23a …被押圧部
23b …ガイド部
23c …軸支部
23d …凸形状
25 …バネ(付勢手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯電ローラと、
前記帯電ローラを回転可能に支持する軸受けと、
前記軸受けを前記帯電ローラの長手方向と直交する方向にスライド移動可能に支持する支持フレームと、
前記軸受けを前記帯電ローラの長手方向と直交する方向に付勢する付勢手段と、を有するプロセスカートリッジにおいて、
前記支持フレームは、前記軸受けが前記付勢手段の付勢力に抗してスライド移動した際に、前記帯電ローラの回転軸に当接し、前記帯電ローラの回転軸を前記軸受けから外す当接部を有し、
前記軸受けは、
前記帯電ローラの回転軸が前記当接部から離間した第1の位置と、
前記帯電ローラの回転軸が前記当接部に当接して前記軸受けから外れる第2の位置と、に移動することを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項2】
前記当接部は、前記軸受けよりも前記帯電ローラの長手方向外側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のプロセスカートリッジを着脱可能に有することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−42616(P2012−42616A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−182525(P2010−182525)
【出願日】平成22年8月17日(2010.8.17)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】