説明

画像形成装置及び画像出力処理プログラム

【課題】 複数種の画像出力処理をネットワークを介することなく、容易に行うことができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】 複数種の画像出力機能を備えた画像形成装置1であって、画像出力機能に応じた画像データに対する設定情報が書き込まれた設定ファイルが格納された記憶媒体13が、着脱自在に装着される装着手段2と、装着手段2に記憶媒体13が装着されたときに、記憶媒体13に格納された設定ファイルが複数種の画像出力機能のうちのいずれの種類の画像出力機能に対応する設定ファイルかを判別する判別手段3と、その画像出力機能の種類が判別された設定ファイルから設定情報を取得する設定情報取得手段4と、この取得された設定情報を反映した画像データを出力する画像データ出力手段5とを備えた構成としてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、プリンタ機能、ファクス機能、コピー機能或いはスキャナ機能等を備えた画像形成装置及び画像出力処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタ機能やスキャナ機能等の複数の画像出力機能を備えた画像形成装置においては、プリンタ機能については、ユーザがパーソナルコンピュータ等の端末で作成した画像データをプリンタドライバ上で所定の設定を行った後に出力された印刷情報を基に印刷処理を行っている。また、スキャナ機能については、原稿等を原稿台にセットして所定の設定を行った後に原稿の読み取り処理を行い、読み込んだ画像データをユーザ端末に出力するか、メール送信するなど行っている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2004−248227号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1においては、オフィス等でユーザ端末と画像形成装置とがネットワークで接続されている場合を前提としており、個人のユーザ等で画像形成装置を所有していない場合には、コンビニ等に設置された画像形成装置を利用することになる。
この場合、ユーザはコンビニ等に持参した原稿を画像形成装置にセットし、操作パネル上で各種設定操作を行ったのちに、画像の出力処理を行うことになり、操作に不慣れなユーザにとって面倒である。
【0004】
本発明は、このような不都合を解消するためになされたものであり、複数種の画像出力処理をネットワークを介することなく、容易に行うことができる画像形成装置及び画像出力処理プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、複数種の画像出力機能を備えた画像形成装置であって、少なくとも前記画像出力機能に応じた画像データに対する設定情報が書き込まれた設定ファイルが格納された記憶媒体が、着脱自在に装着される装着手段と、該装着手段に前記記憶媒体が装着されたときに、該記憶媒体に格納された前記設定ファイルが前記複数種の画像出力機能のうちのいずれの種類の画像出力機能に対応する設定ファイルかを判別する判別手段と、該判別手段によって画像出力機能の種類が判別された前記設定ファイルから前記設定情報を取得する設定情報取得手段と、該設定情報取得手段によって取得された前記設定情報に対応する画像データを該設定情報を反映して出力する画像データ出力手段とを備えた構成としてある。
【0006】
上記構成によれば、設定ファイルが格納された記憶媒体を画像形成装置の装着手段に装着するだけで、複数種の画像出力機能ごとに設定ファイルに書き込まれた設定情報を反映した画像データを出力することができるので、複数種の画像出力処理をネットワークを介することなく、容易に行うことができる。
【0007】
請求項2に係る発明は、請求項1において、前記画像出力機能がプリンタ機能であり、前記画像データ出力手段は、前記設定情報取得手段によって取得された前記設定情報に対応して予め前記記憶媒体に格納された画像ファイルを取得して、該画像ファイルの画像データを印刷手段に出力する構成としてある。
【0008】
上記構成によれば、設定ファイル及び画像ファイルが格納された記憶媒体を画像形成装置の装着手段に装着するだけで、設定ファイルの設定情報を反映した画像ファイルの画像データを印刷手段に出力することができるので、印刷出力処理をネットワークを介することなく、容易に行うことができる。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2において、前記画像出力機能がファクス機能であり、前記画像データ出力手段は、前記設定情報取得手段によって取得された前記設定情報に対応して予め前記記憶媒体に格納された画像ファイルを取得して、該画像ファイルの画像データを送信手段に出力する構成としてある。
上記構成によれば、設定ファイル及び画像ファイルが格納された記憶媒体を画像形成装置の装着手段に装着するだけで、設定ファイルの設定情報を反映した画像ファイルの画像データを送信手段に出力することができるので、ファクス送信処理をネットワークを介することなく、容易に行うことができる。
【0010】
請求項4に係る発明は、請求項2又は3において、前記設定情報は、前記画像データ出力手段が前記画像データを出力した後、前記設定ファイル及び前記画像ファイルを消去する消去設定を含み、該消去設定を含む場合に、前記設定ファイル及び前記画像ファイルを消去するファイル消去手段を備えた構成としてある。
上記構成によれば、画像データの出力後に設定ファイル及び画像ファイルが消去されるため、セキュリティを強化することができる。
【0011】
請求項5に係る発明は、請求項1〜4のいずれか一項において、前記画像出力機能がコピー機能であり、前記画像データ出力手段は、前記設定情報取得手段によって取得された前記設定情報に応じたコピー画像データを印刷手段に出力する構成としてある。
上記構成によれば、設定ファイルが格納された記憶媒体を画像形成装置の装着手段に装着するだけで、設定ファイルの設定情報を反映したコピー画像データを印刷手段に出力することができるので、コピー処理をネットワークを介することなく、容易に行うことができる。
【0012】
請求項6に係る発明は、請求項1〜5のいずれか一項において、前記画像データ出力手段は、前記記憶媒体を前記装着手段から取り外したときに、前記画像データを出力する構成としてある。
上記構成によれば、ユーザが装着手段に装着した記憶媒体の取り外しを忘れるのを防止することができる。
【0013】
請求項7に係る発明は、請求項1〜5のいずれか一項において、前記画像出力機能がスキャナ機能であり、前記画像データ出力手段は、前記設定情報取得手段によって取得された前記設定情報に応じたスキャン画像データを読み込んで、該画像データを送信手段に出力するか、又は前記記憶媒体に出力して保存する構成としてある。
上記構成によれば、設定ファイルが格納された記憶媒体を画像形成装置の装着手段に装着するだけで、設定ファイルの設定情報を反映したスキャン画像データを送信手段に出力するか、又は記憶媒体に出力して保存することができるので、スキャナ処理をネットワークを介することなく、容易に行うことができる。
【0014】
請求項8に係る発明は、請求項7において、前記設定情報は、前記画像データ出力手段が前記画像データを出力した後、前記設定ファイルを消去する消去設定を含み、該消去設定を含む場合に、前記設定ファイルを消去するファイル消去手段を備えた構成としてある。
上記構成によれば、スキャン画像データの出力後に設定ファイルが消去されるため、セキュリティを強化することができる。
【0015】
請求項9に係る発明は、少なくとも画像出力機能に応じた画像データに対する設定情報が書き込まれた設定ファイルを格納する記憶媒体が着脱自在に装着される装着手段を備えた画像形成装置に、複数種の画像出力処理を実行させる画像出力処理プログラムであって、前記装着手段に前記記憶媒体が装着されたときに、該記憶媒体に格納された前記設定ファイルが前記複数種の画像出力機能のうちのいずれの種類の画像出力機能に対応する設定ファイルかを判別する判別処理と、該判別処理によって画像出力機能の種類が判別された前記設定ファイルから前記設定情報を取得する設定情報取得処理と、該設定情報取得処理によって取得された前記設定情報に対応する画像データを該設定情報を反映して出力する画像データ出力処理とを前記画像形成装置に実行させる構成としてある。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、複数種の画像出力処理をネットワークを介することなく、容易に行うことができるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態の一例を図を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態の一例である画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【0018】
本発明の実施の形態の一例である画像形成装置1は、プリンタ機能、ファクス機能、スキャナ機能及びコピー機能等の複数種の画像出力機能を有しており、図1に示すように、装着手段2、判別手段3、設定情報取得手段4、画像データ出力手段5、ファイル消去手段6、表示制御手段7、表示手段8、原稿読込手段9、印刷手段10、送信手段11及び記憶手段12を備えている。これらの手段の各処理は、記憶手段12(ROMやハードディスク等)に記憶された画像出力処理プログラムがRAMにロードされて、CPUにより実行される。
【0019】
装着手段2は、USBメモリやCF(コンパクトフラッシュ(登録商標))カード等の記憶媒体13が着脱自在に装着され、該装着時にデータの読み込み/書き込みが可能なリーダ/ライタ機能を有している。
ここで、記憶媒体13には、ユーザが利用するプリンタ機能、ファクス機能、スキャナ機能及びコピー機能ごとに、出力画像データに対する設定情報が書き込まれた設定ファイルが格納され、また、ユーザがプリンタ機能及びファクス機能を利用する場合については、設定情報に対応した出力用の画像ファイルが格納される。これらの設定情報及び出力用画像ファイルは、ユーザが所有するPC等の端末上で、例えば、ネットワーク等を介して取得した登録用プログラムを用いて記憶媒体13に格納される。
【0020】
プリンタ機能、ファクス機能、スキャナ機能及びコピー機能ごとの記憶媒体12へのファイルの格納例を示す。
[プリンタ機能]
(1)設定ファイル
(a)設定情報
印刷方式(NUP、出力サイズ、給紙先等)
画像出力後の画像ファイル及び設定ファイルの消去設定等)
(b)画像ファイル(1ファイル以上)
(c)ファイル名。
【0021】
[ファクス機能]
(1)設定ファイル
(a)設定情報
(i)送信設定
(ア)原稿場所(記憶媒体13,DP/原稿台/自動)
(イ)宛先(個人,グループ)
(ウ)送信方式(ポーリング等)
(エ)画像出力後の設定ファイルの消去設定(原稿場所が記憶媒体13の場合は、設定ファイル及び画像ファイルの消去設定)
(オ)その他(件名、メモ等)
(ii)原稿場所が記憶媒体13の場合は、画像ファイル(1ファイル以上)
【0022】
[スキャナ機能]
(1)設定ファイル
(a)設定情報
(i)スキャン設定
(ア)読込データ出力先(PC,送信手段11、記憶媒体13等)
(イ)原稿場所(自動/DP/原稿台)
(ウ)読込方式(倍率、原稿サイズ、出力サイズ、白黒/カラー、ファイル形式、解像度、連続読込等)
(エ)画像出力後の設定ファイルの消去設定
(オ)その他(ファイル名等)
【0023】
[コピー機能]
(1)設定ファイル
(a)設定情報
(i)印刷設定
(ア)印刷部数
(イ)原稿場所(自動/DP/原稿台)
(ウ)印刷方式(NUP,倍率,原稿サイズ,出力サイズ,給紙先,ソート,ステイプル,連続読込等)
(エ)画像出力後の設定ファイルの消去設定等
【0024】
判別手段3は、装着手段2に記憶媒体13が装着されたときに、該記憶媒体13に設定ファイルが格納されているか否かを判断するとともに、格納されていると判断した場合に、設定ファイルがプリンタ機能、ファクス機能、スキャナ機能及びコピー機能のうちのいずれの種類の画像出力機能に対応する設定ファイルかを判別する。また、判別手段3は、記憶媒体13に設定ファイルが格納されていないと判断した場合は、表示制御手段7に対して、その旨を表示部8に表示させる指令を出力する。
設定情報取得手段4は、判別手段3によって画像出力機能の種類が判別された設定ファイルから設定情報を取得する。
【0025】
画像データ出力手段5は、設定情報取得手段4によって取得された設定情報に対応する画像データを該設定情報を反映して出力する。
具体的には、画像出力機能がプリンタ機能の場合は、記憶媒体13に前記設定情報に対応する画像ファイルがあるか否かを判断し、画像ファイルがあると判断すると、記憶媒体13から対応する画像ファイルを取得して、該画像ファイルの画像データを設定情報を含んで印刷手段10に出力する。これにより、設定情報を反映した印刷処理が行われる。また、記憶媒体13に前記設定情報に対応する画像ファイルがないと判断した場合は、表示制御手段7に対して、その旨を表示部8に表示させる指令を出力する。
【0026】
画像出力機能がファクス機能の場合は、記憶媒体13に前記設定情報に対応する画像ファイルがあるか否かを判断し、画像ファイルがあると判断すると、記憶媒体13から対応する画像ファイルを取得して、該画像ファイルの画像データを設定情報を含んで送信手段11のファクス送信部(図示せず)に出力する。これにより、設定情報を反映したファクス送信処理が行われる。また、記憶媒体13に前記設定情報に対応する画像ファイルがないと判断した場合は、指定された原稿場所から原稿の画像データを読み込み、該画像データを設定情報を含んで送信手段11のファクス送信部(図示せず)に出力する。これにより、設定情報を反映したファクス送信処理が行われる。
【0027】
画像出力機能がスキャナ機能の場合は、原稿読取手段9によって設定ファイルの設定情報で指定された原稿場所から原稿の画像データを設定情報の読込方式に基づいて読み込むとともに、該設定情報で設定された読込データの出力先が記憶媒体13であるか否かを判断し、該出力先が記憶媒体13である場合は、画像データを記憶媒体13に出力して保存する。このとき、記憶媒体13への保存が正常に行われなかった場合は、表示制御手段7に対して、その旨を表示部8に表示させる指令を出力する。また、設定情報のデータ出力先が記憶媒体13でないと判断した場合は、画像データを送信手段11のPC送信部又はEメール送信部(共に図示せず)に出力する。これにより、設定情報を反映したPC送信処理又はEメール送信処理が行われる。
【0028】
画像出力機能がコピー機能の場合は、設定ファイルの設定情報で指定された原稿場所から原稿の画像データを読み込むとともに、読み込んだ画像データを設定情報を含んで印刷手段10に出力する。これにより、設定情報を反映したコピー印刷処理が行われる。
【0029】
ファイル消去手段6は、プリンタ機能又はファクス機能で、記憶媒体13から画像ファイルを取得する場合に、設定ファイルの設定情報に消去設定があると、画像データ出力手段5が画像データを出力した後、記憶手段12に記憶された設定ファイル及び画像ファイルを消去する。また、スキャナ機能、コピー機能又はファクス機能で、記憶媒体13から画像ファイルを取得しない場合に、設定ファイルの設定情報に消去設定があると、画像データ出力手段5が画像データを出力した後、記憶手段12に記憶された設定ファイルを消去する。なお、スキャナ機能、コピー機能又はファクス機能で、指定の原稿場所から読み込まれた画像データは、画像データ出力手段5が画像データを出力した後、画像形成装置1に搭載された公知のデータ消去手段により記憶手段12から消去されるようになっている。
【0030】
次に、図2〜図6を参照して、上記のように構成された画像形成装置の動作の一例を説明する。図2は画像形成装置の基本動作の一例を示すフローチャート図、図3はプリンタ機能の動作の一例を示すフローチャート図、図4はファクス機能の動作の一例を示すフローチャート図、図5はスキャナ機能の動作の一例を示すフローチャート図、図6はコピー機能の動作の一例を示すフローチャート図である。
【0031】
まず、図2を参照して、画像形成装置の基本動作を説明する。ここで、ステップS1〜ステップS3及びステップS5は判別手段、ステップS4は設定情報取得手段4、画像データ出力手段5、及びファイル消去手段6にそれぞれ対応する。
ステップS1で、装着手段2に記憶媒体13が装着されると、ステップS2に移行し、ステップS2では、記憶媒体13に設定ファイルが格納されているか否かを判断し、格納されていると判断した場合に、ステップS3に移行する。
【0032】
ステップS3では、設定ファイルがプリンタ機能、ファクス機能、スキャナ機能及びコピー機能のうちのいずれの種類の画像出力機能に対応する設定ファイルかを判別して、ステップS4に移行し、ステップS4で、判別された画像出力処理(プリンタ機能(図3参照)、ファクス機能(図4参照)、スキャナ機能(図5参照)及びコピー機能(図6参照)のうちのいずれかの種類の画像出力処理)を実行する。
ステップS2で、記憶媒体13に設定ファイルが格納されていないと判断した場合は、ステップS5に移行して、表示制御手段7に対して、その旨を表示部8に表示させる指令を出力する。
【0033】
次に、図3を参照して、プリンタ機能の動作の一例を説明する。ここで、ステップS11は設定情報取得手段4、ステップS12〜ステップS14及びステップS17は画像データ出力手段5、ステップS15及びステップS16はファイル消去手段6にそれぞれ対応する。
ステップS11では、装着手段2に装着された記憶媒体13から設定ファイルを読み込んで設定情報を取得し、ステップS12に移行する。
ステップS12では、記憶媒体13に前記設定情報に対応する画像ファイルがあるか否かを判断し、画像ファイルがあると判断すると、ステップS13で、記憶媒体13から対応する画像ファイルを取得し、ステップS14に移行する。
【0034】
ステップS14では、取得した画像ファイルの画像データを設定情報を含んで印刷手段10に出力して、ステップS15に移行する。
ステップS15では、設定ファイルの設定情報に消去設定があるか否かが判断され、消去設定がある場合は、ステップS16に移行して、記憶手段12に記憶された設定ファイル及び画像ファイルを消去する。
また、ステップS12で、記憶媒体13に前記設定情報に対応する画像ファイルがないと判断した場合は、ステップS17に移行して、表示制御手段7に対して、その旨を表示部8に表示させる指令を出力する。
【0035】
次に、図4を参照して、ファクス機能の動作の一例を説明する。ここで、ステップS21は設定情報取得手段4、ステップS22〜ステップS24、ステップS27及びステップS28は画像データ出力手段5、ステップS25、ステップS26、ステップS29及びステップS30はファイル消去手段6にそれぞれ対応する。
【0036】
ステップS21では、装着手段2に装着された記憶媒体13から設定ファイルを読み込んで設定情報を取得し、ステップS22に移行する。
ステップS22では、記憶媒体13に前記設定情報に対応する画像ファイルがあるか否かを判断し、画像ファイルがあると判断すると、ステップS23で、記憶媒体13から対応する画像ファイルを取得し、ステップS24に移行する。
ステップS24では、取得した画像ファイルの画像データを設定情報を含んで送信手段11のファクス送信部(図示せず)に出力して、ステップS25に移行する。
【0037】
ステップS25では、設定ファイルの設定情報に消去設定があるか否かが判断され、消去設定がある場合は、ステップS26に移行して、記憶手段12に記憶された設定ファイル及び画像ファイルを消去する。
また、ステップS22で、記憶媒体13に前記設定情報に対応する画像ファイルがないと判断した場合は、ステップS27に移行して、指定された原稿場所から原稿の画像データを読み込み、ステップS28で、該画像データを設定情報を含んで送信手段11のファクス送信部(図示せず)に出力し、ステップS29に移行する。
ステップS29では、設定ファイルの設定情報に消去設定があるか否かが判断され、消去設定がある場合は、ステップS30に移行して、記憶手段12に記憶された設定ファイルを消去する。
【0038】
次に、図5を参照して、スキャナ機能の動作の一例を説明する。ここで、ステップS31は設定情報取得手段4、ステップS32〜ステップS35、ステップS38及びステップS39は画像データ出力手段5、ステップS36及びステップS37はファイル消去手段6にそれぞれ対応する。
【0039】
ステップS31では、装着手段2に装着された記憶媒体13から設定ファイルを読み込んで設定情報を取得して、ステップS32に移行し、ステップS32では、原稿読取手段9によって設定ファイルの設定情報で指定された原稿場所から原稿の画像データを設定情報の読込方式に基づいて読み込み、ステップS33に移行する。
ステップS33では、設定情報で設定された読込データの出力先が記憶媒体13であるか否かを判断し、該出力先が記憶媒体13である場合は、ステップS34に移行して、画像データを記憶媒体13に出力して保存し、ステップS35に移行する。
【0040】
ステップS35では、ステップS34での記憶媒体13への保存が正常に行われたか否かを判断し、保存が正常に行われなかった場合は、ステップS38に移行して、表示制御手段7に対して、その旨を表示部8に表示させる指令を出力し、保存が正常に行われた場合は、ステップS36に移行する。
また、ステップS33で、設定情報のデータ出力先が記憶媒体13でないと判断した場合は、画像データを送信手段11のPC送信部又はEメール送信部(共に図示せず)に出力し、ステップS36に移行する。
ステップS36では、設定ファイルの設定情報に消去設定があるか否かを判断し、消去設定がある場合は、ステップS37に移行して、記憶手段12に記憶された設定ファイルを消去する。
【0041】
次に、図6を参照して、コピー機能の動作の一例を説明する。ここで、ステップS41は設定情報取得手段4、ステップS42及びステップS43は画像データ出力手段5、ステップS44及びステップS45はファイル消去手段6にそれぞれ対応する。
ステップS41では、装着手段2に装着された記憶媒体13から設定ファイルを読み込んで設定情報を取得し、ステップS42に移行する。
【0042】
ステップS42では、設定ファイルの設定情報で指定された原稿場所から原稿の画像データを読み込み、ステップS43で、読み込んだ画像データを設定情報を含んで印刷手段10に出力し、ステップS44に移行する。
ステップS44では、設定ファイルの設定情報に消去設定があるか否かを判断し、消去設定がある場合は、ステップS45に移行して、記憶手段12に記憶された設定ファイルを消去する。
【0043】
上記の説明から明らかなように、この実施の形態では、ユーザが利用するプリンタ機能、ファクス機能、スキャナ機能及びコピー機能ごとに設定ファイルを格納した記憶媒体13を画像形成装置1の装着手段2に装着するだけで、プリンタ機能、ファクス機能、スキャナ機能及びコピー機能ごとに設定ファイルの設定情報を反映した画像データを出力することができるので、複数種の画像出力処理をネットワークを介することなく、容易に行うことができる。
また、画像データ出力手段5による画像データの出力後に、設定ファイル、又は設定ファイル及び画像ファイルが記憶手段12から消去されるため、セキュリティを強化することができる。
【0044】
次に、画像出力処理プログラムについて説明する。
上記の実施形態におけるコンピュータ(画像形成装置など)の画像出力処理機能は、記憶手段(例えば、ROMやHDDなど)に記憶された画像出力処理プログラムにより実現される。
画像出力処理プログラムは、コンピュータの制御手段(CPUなど)に読み込まれることにより、コンピュータの構成各部に指令を送り、画像出力処理、たとえば、記憶媒体13に格納された設定ファイルがどの種類の画像出力機能に対応する設定ファイルかを判別する判別処理と、設定ファイルから前記設定情報を取得する設定情報取得処理、画像データを設定情報を反映して出力する画像データ出力処理などを行わせる。
これらの画像出力処理は、ソフトウェアである画像出力処理プログラムとハードウエア資源であるコンピュータ(画像形成装置など)の各構成部とが協働することにより実現される。
【0045】
なお、本発明の画像出力処理を実現するための画像出力処理プログラムは、コンピュータのROMやハードディスクなどに記憶される他、コンピュータ読み取り可能な記録媒体、たとえば、外部記憶装置及び可搬記録媒体等に格納することができる。
外部記憶装置とは、CD−ROM等の記憶媒体を内蔵し、画像形成装置等に外部接続されるメモリ増設装置を例示することができる。一方、可搬記録媒体とは、記録媒体駆動装置(ドライブ装置)に装着でき、かつ、持ち運び可能な記録媒体であって、たとえば、フレキシブルディスク,メモリカード,光磁気ディスク等を例示することができる。
【0046】
そして、記録媒体に記録されたプログラムは、コンピュータのRAM等にロードされて、CPUにより実行される。この実行により、上述した本実施形態の画像出力処理機能が実現される。
さらに、コンピュータで本発明の画像出力処理プログラムをロードする場合、他のコンピュータで保有された画像出力処理プログラムを、通信回線を利用して自己のコンピュータの有するRAMや外部記憶装置にダウンロードすることもできる。このダウンロードされた画像出力処理プログラムも、CPUにより実行され、本実施形態の画像出力処理機能を実現する。
【0047】
なお、本発明の記憶媒体、装着手段、判別手段、設定情報取得手段、画像データ出力手段、印刷手段、送信手段及びファイル消去手段等の構成は、上記実施の形態に例示したものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
例えば、上記実施の形態では、装着手段2から記憶媒体13を取り外すタイミングについては触れていないが、例えば、スキャナ機能で画像データ出力手段5が記憶媒体13に画像データを出力する場合を除いて、装着手段2から記憶媒体13を取り外した後に、画像データ出力手段5が画像データを出力するようにしてもよい。
このようにすると、ユーザが装着手段2に装着した記憶媒体13を取り外すのを忘れるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施の形態の一例である画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図2】画像形成装置の基本動作の一例を示すフローチャート図である。
【図3】プリンタ機能の動作の一例を示すフローチャート図である。
【図4】ファクス機能の動作の一例を示すフローチャート図である。
【図5】スキャナ機能の動作の一例を示すフローチャート図である。
【図6】コピー機能の動作の一例を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
【0049】
1 画像形成装置
2 装着手段
3 判別手段
4 設定情報取得手段
5 画像データ出力手段
6 ファイル消去手段
10 印刷手段
11 送信手段
13 記憶媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種の画像出力機能を備えた画像形成装置であって、
少なくとも前記画像出力機能に応じた画像データに対する設定情報が書き込まれた設定ファイルが格納された記憶媒体が、着脱自在に装着される装着手段と、
該装着手段に前記記憶媒体が装着されたときに、該記憶媒体に格納された前記設定ファイルが前記複数種の画像出力機能のうちのいずれの種類の画像出力機能に対応する設定ファイルかを判別する判別手段と、
該判別手段によって画像出力機能の種類が判別された前記設定ファイルから前記設定情報を取得する設定情報取得手段と、
該設定情報取得手段によって取得された前記設定情報に対応する画像データを該設定情報を反映して出力する画像データ出力手段とを備えた
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記画像出力機能がプリンタ機能であり、前記画像データ出力手段は、前記設定情報取得手段によって取得された前記設定情報に対応して予め前記記憶媒体に格納された画像ファイルを取得して、該画像ファイルの画像データを印刷手段に出力する
ことを特徴とする請求項1に記載した画像形成装置。
【請求項3】
前記画像出力機能がファクス機能であり、前記画像データ出力手段は、前記設定情報取得手段によって取得された前記設定情報に対応して予め前記記憶媒体に格納された画像ファイルを取得して、該画像ファイルの画像データを送信手段に出力する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載した画像形成装置。
【請求項4】
前記設定情報は、前記画像データ出力手段が前記画像データを出力した後、前記設定ファイル及び前記画像ファイルを消去する消去設定を含み、該消去設定を含む場合に、前記設定ファイル及び前記画像ファイルを消去するファイル消去手段を備えた
ことを特徴とする2又は3に記載した画像形成装置。
【請求項5】
前記画像出力機能がコピー機能であり、前記画像データ出力手段は、前記設定情報取得手段によって取得された前記設定情報に応じたコピー画像データを印刷手段に出力する
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載した画像形成装置。
【請求項6】
前記画像データ出力手段は、前記記憶媒体を前記装着手段から取り外したときに、前記画像データを出力する
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載した画像形成装置。
【請求項7】
前記画像出力機能がスキャナ機能であり、前記画像データ出力手段は、前記設定情報取得手段によって取得された前記設定情報に応じたスキャン画像データを読み込んで、該画像データを送信手段に出力するか、又は前記記憶媒体に出力して保存する
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載した画像形成装置。
【請求項8】
前記設定情報は、前記画像データ出力手段が前記画像データを出力した後、前記設定ファイルを消去する消去設定を含み、該消去設定を含む場合に、前記設定ファイルを消去するファイル消去手段を備えた
ことを特徴とする請求項7に記載した画像形成装置。
【請求項9】
少なくとも画像出力機能に応じた画像データに対する設定情報が書き込まれた設定ファイルを格納する記憶媒体が着脱自在に装着される装着手段を備えた画像形成装置に、複数種の画像出力処理を実行させる画像出力処理プログラムであって、
前記装着手段に前記記憶媒体が装着されたときに、該記憶媒体に格納された前記設定ファイルが前記複数種の画像出力機能のうちのいずれの種類の画像出力機能に対応する設定ファイルかを判別する判別処理と、
該判別処理によって画像出力機能の種類が判別された前記設定ファイルから前記設定情報を取得する設定情報取得処理と、
該設定情報取得処理によって取得された前記設定情報に対応する画像データを該設定情報を反映して出力する画像データ出力処理とを
前記画像形成装置に実行させる
ことを特徴とする画像出力処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−166480(P2007−166480A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−363046(P2005−363046)
【出願日】平成17年12月16日(2005.12.16)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】