説明

画像形成装置及び画像形成方法

【課題】キャリア付着を抑えつつエッジ効果を低減し且つ現像能力を向上できる画像形成装置及び画像形成方法を提供する。
【解決手段】像担持体と、トナーと磁性キャリアとからなる現像剤を収容する現像剤収容部と、磁界を発生させる磁界発生手段が内部に設けられた非磁性のスリーブからなる現像剤担持体とを有する現像手段と、現像剤担持体に現像バイアスを印加して像担持体と現像剤担持体との間に現像電界を発生させる現像電界発生手段とを有する画像形成装置において、現像電界発生手段は現像バイアスとしてACバイアスを印加し現像電界としてAC電界を発生させるものであり、体積固有抵抗が1012[Ω・cm]以上の材料を用いて被覆層が形成され、全体の体積固有抵抗が10[Ω・cm]以下である粒径100[nm]以下の微粒子を磁性キャリア内部に複数含有しており、磁性キャリア全体の体積固有抵抗が1012[Ω・cm]以上である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ、ファクシミリ、複写機などの画像形成装置及びその画像形成装置で用いられる画像形成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の画像形成装置においては、像担持体である感光体上に形成された潜像を現像するために、トナーと磁性キャリアとからなる2成分現像剤を用いた磁気ブラシ現像方式などが採用されている(特許文献1など)。この方式による現像装置は、通常、内部に複数の磁極が設けられ回転可能に支持された円筒状の現像剤担持体である現像ローラを有し、この現像ローラ表面に現像剤を保持して感光体と現像ローラとの対向領域である現像領域に現像剤を搬送し、感光体上の潜像をトナーにより現像を行うものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の現像装置による現像プロセスでは、いわゆる「エッジ効果」と呼ばれる現象が発生しやすく、細線、小径ドットや、ベタ画像の輪郭部分に、トナーが過剰に付着してしまう場合が多かった。その結果、細線や小径ドットの太りがなく、感光体上の潜像を忠実に再現して均一性に優れた画像を形成することが難しかった。
【0004】
このようなエッジ効果は、磁性キャリアの抵抗を小さくし誘電率を大きくすることで低減させることが可能である。また、低抵抗の磁性キャリアを用いることで、現像剤全体の電気抵抗を下げ現像電界の強度を大きくすることにより現像能力の向上を図ることもできる。
【0005】
通常、磁性キャリアは磁気力により現像ローラ上に保持されているが、同時に静電誘導或いは電荷注入による電荷が磁性キャリアに存在し、感光体上の電荷との間に静電力が働いている。特に、磁性キャリアの電気抵抗が小さくなるほど静電誘導や電荷注入により前記静電力が大きくなる。そのため、磁性キャリアの電気抵抗を小さくし過ぎると、磁性キャリアと感光体との間で生じる静電力が、磁性キャリアと現像ローラとの間で生じる磁気力に打ち勝って、磁性キャリアが感光体上に付着するキャリア付着が発生しやすくなるといった問題が生じる。
【0006】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、キャリア付着を抑えつつエッジ効果を低減し且つ現像能力を向上させることができる画像形成装置及び画像形成方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、表面に潜像を担持する像担持体と、トナーと磁性キャリアとからなる現像剤を収容する現像剤収容部と、磁界を発生させる磁界発生手段が内部に設けられ表面上に前記現像剤を担持して回転する非磁性のスリーブからなる現像剤担持体とを有する現像手段と、前記現像剤担持体に現像バイアスを印加して該像担持体と該現像剤担持体との間に現像電界を発生させる現像電界発生手段とを有し、前記像担持体上の潜像を、該現像剤担持体上に担持された現像剤中のトナーを用いて該現像電界の作用によりトナー像化する画像形成装置において、前記現像電界発生手段は前記現像バイアスとしてACバイアスを印加し前記現像電界としてAC電界を発生させるものであり、体積固有抵抗が1012[Ω・cm]以上の材料を用いて被覆層が形成され、全体の体積固有抵抗が10[Ω・cm]以下である粒径100[nm]以下の微粒子を磁性キャリア内部に複数含有しており、磁性キャリア全体の体積固有抵抗が1012[Ω・cm]以上であることを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記磁性キャリアは樹脂に磁性体微粒子を分散させて形成したものであることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1または2の画像形成装置において、上記像担持体の線速に応じて所定期間内に一定数以上の交番回数が上記AC電界で得られるのように、上記ACバイアスの周波数範囲を変化させることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項3の画像形成形成装置において、上記ACバイアスの周波数をf[kHz]、上記像担持体の線速をvP[mm/s]、及び、前記像担持体と上記現像剤担持体とで形成される現像ニップの像担持体回転方向の幅をN[mm]とすると、f≧63×vP/Nの関係を満たすことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1、2、3または4の画像形成装置において、上記像担持体と上記現像剤担持体との間隔である現像ギャップを所定周期で変化させる現像ギャップ変化手段を有することを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1、2、3、4または5の画像形成装置において、磁性キャリア全体の体積固有抵抗を1014[Ω・cm]以上に設定したことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、現像手段内に収容されたトナーと磁性キャリアとからなる現像剤を現像剤担持体に担持させ、現像剤担持体に担持された現像剤を予め潜像が形成された像担持体へ近接させることで、現像電界発生手段によって前記現像剤担持体に現像バイアスを印加し前記像担持体と前記現像剤担持体との間に発生させた現像電界により、前記現像剤を像担持体上の潜像に付着させて現像する現像工程を有する画像形成方法において、前記現像電界発生手段により前記現像バイアスとしてACバイアスを前記現像剤担持体に印加し前記現像電界としてAC電界を発生させ、体積固有抵抗が1012[Ω・cm]以上の材料を用いて被覆層が形成され、全体の体積固有抵抗が10[Ω・cm]以下である粒径100[nm]以下の微粒子を内部に複数含有し、自身全体の体積固有抵抗が1012[Ω・cm]以上である磁性キャリアを用いることを特徴とするものである。
【0008】
本発明においては、現像電界発生手段により現像電界としてAC電界を発生させ、体積固有抵抗が1012[Ω・cm]以上の材料を用いて被覆層が形成され、全体の体積固有抵抗が10[Ω・cm]以下である粒径100[nm]以下の微粒子を磁性キャリア内部に複数含有しており、磁性キャリア全体の体積固有抵抗が1012[Ω・cm]以上であることで、後述するように、磁性キャリアの誘電率が増加してエッジ効果を低減させることができるとともに、磁性キャリアの抵抗が十分に高いためキャリア付着等の画質に対する悪影響を低減することが可能となる。また、現像能力が向上するため、小径ドット潜像を含め、高い品質の画像を得ることができる。
【発明の効果】
【0009】
以上、本発明によれば、キャリア付着を抑えつつエッジ効果を低減し且つ現像能力を向上させることができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施形態に係るプリンタの概略構成図。
【図2】本プリンタの現像装置周辺の概略構成図。
【図3】磁性キャリアの模式図。
【図4】磁性キャリアの抵抗測定法の説明に用いる図。
【図5】磁性キャリアの誘電率測定法の説明に用いる図。
【図6】実施例1の磁性キャリアを用いた現像剤と比較例1の磁性キャリアを用いた現像剤とにおける現像ポテンシャルとトナー付着量との関係を示したグラフ。
【図7】感光体線速による周波数の最適点の比較を表したグラフ。
【図8】感光体線速と周波数との関係を示したグラフ。
【図9】現像ギャップ変化装置の概略構成図。
【図10】現像ギャップの振動周波数によるトナー付着量の変化を示すグラフ。
【図11】磁性キャリアの体積固有抵抗による画像濃度確保とキャリア付着抑制との両立範囲を示したグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明を実施するための最良の形態を図に基づいて説明する。なお、いわゆる当業者は特許請求の範囲内における本発明を変更や修正をして他の実施形態をなすことは容易であり、これらの変更や修正はこの特許請求の範囲に含まれるものであり、以下の説明はこの発明における最良の形態の例であって、この特許請求の範囲を限定するものではない。
【0012】
本発明を、画像形成装置としての電子写真式レーザプリンタ(以下「プリンタ」という。)に適用した実施形態について説明する。
【0013】
まず、図1を用いて、本実施形態に係るプリンタの全体の概略構成について説明する。このプリンタは、像担持体としてのドラム状の感光体1の周辺に、感光体1の表面を一様帯電する帯電装置2、画像情報に基づいて変調されたレーザー光線等を感光体1に照射する露光装置3、感光体1に形成された潜像に対し現像ローラ402上の帯電トナーを付着させることでトナー像を形成する現像装置4、感光体1上に形成されたトナー像を転写材としての転写紙20に転写する転写装置5、転写後に感光体1上に残ったトナーを除去するクリーニング装置6等が順に配設されている。また、感光体1上に潜像を形成する潜像形成手段は、帯電装置2及び露光装置3により構成されている。また、図示しない給紙トレイ等から転写紙を給紙搬送する図示しない給紙搬送装置と、転写装置5で転写されたトナー像を転写紙20に定着する図示しない定着装置とが備えられている。
【0014】
なお、上記プリンタを構成する複数の装置の一部は、プリンタ本体に対して着脱可能に一体構造物(ユニット)として構成してもよい。例えば、感光体1と帯電装置2と現像装置4とクリーニング装置6とを、プリンタ本体に対して着脱可能に、一体構造物である画像形成プロセスユニットとして構成してもよい。
【0015】
上記構成のプリンタにおいて、矢印a方向に回転する感光体1の表面は、帯電装置2で一様帯電された後、画像情報に基づいて変調されたレーザー光線が感光体軸方向にスキャンされて照射される。これにより、感光体1上に潜像が形成される。感光体1上に形成された潜像は、現像領域A1において、現像装置4により帯電したトナーを付着させることで現像され、トナー像となる。一方、転写紙20は図示しない給紙搬送装置で給紙搬送され、レジストローラ7により所定のタイミングで感光体1と転写装置5とが対向する転写部に送り込まれる。そして転写装置5により、転写紙20に感光体1上のトナー像とは逆極性の電荷を付与することで、感光体1上に形成されたトナー像が転写紙20に転写される。次いで、転写紙20は、感光体1から分離され、図示しない定着装置に送られ転写紙20にトナー像が定着された後、転写紙20が機外に排出される。
【0016】
転写装置5でトナー像が転写紙20に転写された後の感光体1の表面は、クリーニング装置6のクリーニングブレード601でクリーニングされ、感光体1上に残ったトナーが除去される。
【0017】
[実施例1]
図2は、本プリンタの現像装置周辺の概略構成図である。本プリンタに用いられる現像装置4は、現像剤収容部であるケーシング401内に収容されたトナーとキャリアとからなる現像剤を現像剤担持体としての現像ローラ402で担持して、感光体1に対して現像を行う二成分現像方式の現像装置である。現像ローラ402はケーシング401の支持部に回転軸が回転可能に軸支されており、図示しない駆動装置によって図中時計回りに回転させることができる。
【0018】
現像領域A1における感光体表面と現像ローラ表面との最近接部の距離である現像ギャップは、300[μm]に設定されているが適宜、現像条件に応じて調整され得るものである。
【0019】
本実施例では、現像バイアスとして図示しない電源によりACバイアスを含む電圧が現像ローラ402に印加されており、現像領域A1における現像ローラ402と感光体1との間に潜像と現像バイアスとの電位差により現像電界として電界の向きが周期的に変化するAC電界が形成される。そして、その現像電界により現像ローラ402上のトナーが感光体1上の潜像に付着することで潜像が現像され顕像化される。
【0020】
現像ローラ402は、非磁性で直径がφ18[mm]の円筒状のステンレス鋼製スリーブで構成されており、内部に5つの磁石部材407が配設されている。各磁石部材407は、現像ローラ402内で回転しないように固定配置されており、現像剤が現像ローラ402上の所定箇所を通過するときにその箇所に対応した磁石部材407から磁力が作用するようになっている。
【0021】
現像ローラ402の表層はサンドブラスト等であらし、表面粗さRz(十点平均粗さ)は10[μm]〜30[μm]程度の範囲が良好であり、これより粗くなると現像剤の保持量が極端に増加して現像剤落ち等の問題が発生する。また表面粗さRzが10[μm]を下回ると現像剤を確実に搬送できなくなってしまう場合もあり、そのときは十分な現像剤量が保持できず、結果的には現像剤汲み上げ量不足から現像能力低下をきたして目標とする画像濃度を得ることができなくなる。現像ローラ402の表面は適宜、溝を形成したり特定の粒子を付着させたりする等の構成もあり、サンドブラストに限定するものではない。
【0022】
現像ローラ402に内蔵された磁石部材407は、規制ブレード404による規制箇所から現像ローラ402の回転方向にN極(磁極N1)、S極(磁極S1)、N極(磁極N2)、S極(磁極S2)、S極(磁極S3)の5つの磁極を配置している。なお、磁石部材407の磁極の配置は、図2の構成に限定されるものではなく、現像ローラ402の周囲の規制ブレード404等の配置に応じて他の配置に設定してもよい。
【0023】
磁石部材407の磁力により、現像ローラ402上にトナーと磁性キャリアとからなる現像剤がブラシ状に担持される。そして、現像ローラ402上の磁気ブラシ中のトナーは、磁性キャリアと混合されることで規定の帯電量を得る。図2に示した現像装置4において、現像ローラ402に担持されている一部の現像剤以外は図示を省略しているが、ケーシング401内に設けられた攪拌搬送部材405,406や現像ローラ402の回転力、磁石部材407の磁力によって攪拌され、そのときに、トナーに比較的小粒径の磁性キャリアとの摩擦帯電により電荷が付与される。この現像ローラ402上のトナーの帯電量としては、−10[μC/g]〜−40[μC/g]の範囲が好適である。
【0024】
本実施形態では規制ブレード404と現像ローラ402との間の最近接部における間隔が300[μm]に設定され、また規制ブレード404に対向した磁石部材407の磁極N1を、規制ブレード404との対向位置よりも現像ローラ402の回転方向上流側に数度傾斜して位置している。これにより、ケーシング401内における現像剤の循環流を容易に形成することができる。
【0025】
規制ブレード404は、現像剤の量を規制するように現像ローラ402上に形成された磁気ブラシと現像ローラ402との対向部で接触し、所定量の現像剤が担持搬送されるようにしている。
【0026】
このようにして、現像ローラ402内の磁石部材407により現像剤が現像ローラ402の周りに担持搬送されていき、トナーが現像に用いられる。本実施形態では感光体1の回転方向と現像ローラ402の回転方向とが異なるため、比較的大きな線速差により現像が行われる。また、感光体1と現像ローラ402間にACバイアスを印加することで電界の向きが時間変化するので現像剤からトナーが往復動を含め運動して現像が完了される。
【0027】
ここで、前述したように現像領域A1における感光体1と現像ローラ402との最近接部の間隔である現像ギャップは300[μm]であり、現像領域A1の面積は現像の有効幅を320[mm]として330[mm](幅)×5[mm](長さ)である。また、前述したように現像領域A1では感光体1と現像ローラ402との間に現像電界としてAC電界を形成させる。具体的には現像ローラ402に、予め設定された現像バイアスの値と同等のDC電圧と、ピーク・ツー・ピーク電圧0.1[kV]〜0.8[kV]程度のACバイアスとが印加される。波形は矩形波が良好で周波数は3[kHz]〜12[kHz]の範囲である。Dutyは20[%]から45[%]が良好である。なお、これらの条件は適宜トナーの特性や現像ローラ402の特性等に応じて調整すれば良い。
【0028】
ここで、トナーは電荷を保持しているため、感光体1と現像ローラ402との間に現像電界としてAC電界が形成されると、そのAC電界の時間的に変化する電界の向きに応じてトナーが感光体1と現像ローラ402との間を往復動を行うので現像ローラ402から離脱し易くなる。このように離脱したトナーは、現像ローラ402上で搬送されている現像剤に接触し現像剤中に取り込まれることで回収され、次回以降の現像に使用されることとなる。
【0029】
現像剤中のトナーは十分に帯電しているため現像剤中のキャリアに付着するが被覆率としてかなり高い状態にある。その状態で現像ローラ402上に担持された現像剤は、現像ローラ402の回転により現像領域A1に搬送される。そして、現像領域A1に形成された現像電界によって感光体1上の潜像にトナーが選択的に付着して潜像が現像される。
【0030】
次に、上記構成の現像装置4の動作を説明する。
現像装置4において、ケーシング401内にはトナーとキャリアとが混合された現像剤が収容されており、攪拌搬送部材405,406や現像ローラ402の回転力、並びに、磁石部材407の磁力によって攪拌され、そのときに、トナーにキャリアとの摩擦帯電により電荷が付与される。
【0031】
一方、現像ローラ402上に担持された現像剤は規制ブレード404によって現像剤量が規制される。その後、現像ローラ402上に担持された現像剤は、現像ローラ402の回転により現像領域A1に搬送される。そして、現像バイアスで形成された現像電界により、感光体1上の潜像に選択的に付着し、潜像が現像される。なお、本プリンタでは、ベタ部でトナー付着量が0.4[mg/cm]で帯電量が平均で−31[μC/g]となっていた。
【0032】
本現像方法に用いるトナーは、高画質画像を実現するために、トナーの平均粒径が4[μm]〜8[μm]であることが有利である。重量平均粒径3[μm]未満では長期間の使用でのトナー飛散による機内の汚れ、低湿環境下での画像濃度低下、感光体クリーニング不良等という問題が発生する。また重量平均粒径が8[μm]を超える場合では100[μm]以下の微小スポットの解像度が充分でなく非画像部への飛び散り等が発生した場合に画像品位が劣る傾向となる。
【0033】
次に、本実施形態で用いるトナーの詳細を以下に示す。
樹脂としては、ポリスチレン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、スチレンアクリル樹脂、スチレンメタクリレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、スチレンブタジエン樹脂、フェノール樹脂、ポリエチレン樹脂、シリコン樹脂、ブチラール樹脂、テルペン樹脂、ポリオール樹脂等がある。ビニル樹脂としては、ポリスチレン、ポリ−p−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体:スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロロメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体:ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル等がある。
【0034】
ポリエステル樹脂としては以下のA群に示したような2価のアルコールと、B群に示したような二塩基酸塩からなるものであり、さらにC群に示したような3価以上のアルコールあるいはカルボン酸を第三成分として加えてもよい。
【0035】
A群:エチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4ブテンジオール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3,3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2,0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2,0)−2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等。
【0036】
B群:マレイン酸、フマール酸、メサコニン酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタール酸、イソフタール酸、テレフタール酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、マロン酸、リノレイン酸、またはこれらの酸無水物または低級アルコールのエステル等。
【0037】
C群:グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の3価以上のアルコール、トリメリト酸、ピロメリト酸等の3価以上のカルボン酸等。ポリオール樹脂としては、エポキシ樹脂と2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物、もしくはそのグリシジルエーテルとエポキシ基と反応する活性水素を分子中に1個有する化合物と、エポキシ樹脂と反応する活性水素を分子中に2個以上有する化合物を反応してなるものなどがある。
【0038】
本発明で用いる顔料としては以下のものが用いられる。
黒色顔料としては、カーボンブラック、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、アニリンブラック等のアジン系色素、金属塩アゾ色素、金属酸化物、複合金属酸化物が挙げられる。
【0039】
黄色顔料としては、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ニッケルンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキが挙げられる。
【0040】
また、橙色顔料としては、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGKが挙げられる。
【0041】
赤色顔料としては、ベンガラ、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3Bが挙げられる。
【0042】
紫色顔料としては、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキが挙げられる。
【0043】
青色顔料としては、コバルトブルー、アルカリブルー、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBCが挙げられる。
【0044】
緑色顔料としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ等がある。
【0045】
これらは1種または2種以上を使用することができる。特にカラートナーにおいては、良好な顔料の均一分散が必須となり、顔料を直接大量の樹脂中に投入するのではなく、一度高濃度に顔料を分散させたマスターバッチを作製し、それを希釈する形で投入する方式が用いられている。この場合、一般的には、分散性を助けるために溶剤が使用されていたが、環境等の問題があり、本発明では水を使用して分散させた。水を使用する場合、マスターバッチ中の残水分が問題にならないように、温度コントロールが重要になる。
【0046】
本実施形態のトナーには電荷制御剤をトナー粒子内部に配合(内添)している。電荷制御剤によって、現像システムに応じた最適の電荷量コントロールが可能となり、特に本実施形態では、粒度分布と電荷量とのバランスを更に安定したものとすることが可能である。トナーを正電荷性に制御するものとして、ニグロシンおよび四級アンモニウム塩、トリフェニルメタン系染料、イミダゾール金属錯体や塩類を、単独あるいは2種類以上組み合わせて用いることができる。また、トナーを負電荷性に制御するものとしてサリチル酸金属錯体や塩類、有機ホウ素塩類、カリックスアレン系化合物等が用いられる。
【0047】
また、本実施形態におけるトナーには定着時のオフセット防止のために離型剤を内添することが可能である。離型剤としては、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックスなどの天然ワックス、モンタンワックスおよびその誘導体、パラフィンワックスおよびその誘導体、ポリオレフィンワックスおよびその誘導体、サゾールワックス、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アルキルリン酸エステル等がある。これら離型剤の融点は65〜90℃であることが好ましい。この範囲より低い場合には、トナーの保存時のブロッキングが発生しやすくなり、この範囲より高い場合には定着ローラ温度が低い領域でオフセットが発生しやすくなる場合がある。
【0048】
離型剤等の分散性を向上させるなどの目的の為に、添加剤を加えても良い。添加剤としては、スチレンアクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、スチレンメタクリレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、スチレンブタジエン樹脂、フェノール樹脂、ブチラール樹脂、テルペン樹脂、ポリオール樹脂等があり、それぞれの樹脂を2種以上混合した物でも良い。
【0049】
樹脂は、結晶性ポリエステルを用いても良い。結晶性を有し、分子量分布がシャープでかつその低分子量分の絶対量を可能な限り多くした脂肪族系ポリエステルである。この樹脂はガラス転移温度(Tg)において結晶転移を起こすと同時に、固体状態から急激に溶融粘度が低下し、紙への定着機能を発現する。この結晶性ポリエステル樹脂の使用により、樹脂のTgや分子量を下げ過ぎることなく低温定着化を達成することができる。そのため、Tg低下に伴う保存性の低下はない。また、低分子量化に伴う高すぎる光沢や耐オフセット性の悪化もない。したがってこの結晶性ポリエステル樹脂の導入は、トナーの低温定着性の向上に非常に有効である。
【0050】
なお、トナー粒子の円形度はフロー式粒子像分析装置FPIA−1000(東亜医用電子株式会社製)により平均円形度として計測した。
【0051】
また、前述したように本実施形態のトナーは流動性向上剤として無機微粉体をトナー表面に付着または固着させる。この無機微粉体の平均粒径は10[nm]〜200[nm]が適している。10[nm]より小さい粒径の場合には流動性に効果のある凹凸表面を作り出すことが難しく、200[nm]より大きい粒径の場合には粉体形状がラフになり、トナー形状の問題が生じる。
【0052】
本実施形態の無機微粉体としてはSi、Ti、Al、Mg、Ca、Sr、Ba、In、Ga、Ni、Mn、W、Fe、Co、Zn、Cr、Mo、Cu、Ag、V、Zr等の酸化物や複合酸化物が挙げられる。これらのうち二酸化珪素(シリカ)、二酸化チタン(チタニア)、アルミナの微粒子が好適に用いられる。さらに、疎水化処理剤等により表面改質処理することが有効である。疎水化処理剤の代表例としては以下のものが挙げられる。
【0053】
ジメチルジクロルシラン、トリメチルクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルジクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、p−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、クロルメチルトリクロルシラン、ヘキサフェニルジシラザン、ヘキサトリルジシラザン等。
【0054】
無機微粉体はトナーに対して0.1〜2[重量%]使用されるのが好ましい。0.1[重量%]未満では、トナー凝集を改善する効果が乏しくなり、2[重量%]を超える場合は、細線間のトナー飛び散り、機内の汚染、感光体の傷や摩耗等の問題が生じやすい傾向がある。
【0055】
また、少なくとも樹脂、顔料からなる粉体の表面に電荷制御剤を付着または固着させ、粉体表面形状を小さな周期と大きな周期を持つようにしても良い。その平均粒径は10[nm]〜200[nm]の小さい粒径のものが最適である。10[nm]より小さい粒径の場合には流動性に効果のある凹凸表面を作り出すことが難しく、200[nm]より大きい粒径の場合には粉体形状がラフになり、トナー形状の問題が生じる。
【0056】
また、本実施形態のトナーには、実質的な悪影響を与えない範囲内で更に他の添加剤、例えばテフロン(登録商標)粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニリデン粉末の如き滑剤粉末;あるいは酸化セリウム粉末、炭化珪素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末などの研磨剤を現像性向上剤として少量用いることもできる。
【0057】
また、本評価法は混練り工程や粉砕工程を用いないで作製するスプレードライ法などで作製したトナー、カプセルトナーにも使用できる。
【0058】
トナーの抵抗調整は導電性材料の含有、分散による行う。材料はカーボン系ではアセチルブラック、オイルファーネスブラック、サーマルブラック、炭素繊維、黒鉛等を上げる事ができる。また金属系では酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、Cu,Ni等の金属粉末がある。これを適宜トナーバインダ樹脂に分散する事で抵抗調整が可能である。
【0059】
<磁性キャリアの作製方法>
磁性キャリアは鉄、クロム、ニッケル、コバルト、亜鉛、銅、などの金属、或いはそれらの化合物や合金、例えばγ−酸化第二鉄、二酸化クロム、酸化マンガン、フェライトといった強磁性体や常磁性体の球形化された粒子、又はそれら磁性体粒子表面をシリコーン樹脂、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、エチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステルなどの樹脂で球状に被覆するか、磁性体微粒子を分散して含有した樹脂や脂肪酸ワックスの球形粒子をつくるかして得られた粒子を用いる。これは、樹脂を芯材として内部に磁性体微粒子を分散するもので、磁性体粒子が芯材になるものと比較して比重が小さくなる。そのため、現像剤担持体である現像ローラ402内に配置される磁石部材407の磁束密度を低減することが可能等、搬送時の制御が容易になる。
【0060】
<キャリア製造例>
湿式法により作成したマグネタイト100重量部に対してポリビニルアルコール2重量部、水60重量部をボールミルに入れ12時間混合してマグネタイトのスラリーを調整した。さらに、この中に低抵抗粒子として、粒径80[nm]の鉄やSUS等の金属粒子の表面に、体積固有抵抗が1012[Ω・cm]以上の材料であるシリコーン樹脂をコーティングして被覆層が形成され、低抵抗粒子全体の体積固有抵抗が10[Ω・cm]以下であるものを10重量部混合する。このスラリーをスプレードライヤーにて噴霧造粒し、平均粒径38[μm]の球形粒子とした。この粒子を窒素雰囲気中で1000[°C]の温度で3時間焼成後冷却し核体粒子1を得た。なお、粒径の平均は個数平均である。
【0061】
金属粒子の表面に被覆層としてコーティングする体積固有抵抗が1012[Ω・cm]以上の材料としては、他にポリスチレン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、スチレンアクリル樹脂、スチレンメタクリレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、スチレンブタジエン樹脂、フェノール樹脂、ポリエチレン樹脂、シリコン樹脂、ブチラール樹脂、テルペン樹脂、ポリオール樹脂等を挙げることができ、一般的なコート材を用いることができる。
【0062】
なお、金属粒子の表面に被覆する被覆層の体積固有抵抗は、1012[Ω・cm]以上1016[Ω・cm]以下であり、これにより地汚れの抑制やキャリア付着の抑制が期待できる。また、金属粒子の粒径は20[nm]以上100[nm]以下である。金属粒子の粒径が20[nm]よりも小さいとキャリア単体の磁化量が少なくなり、磁石で制御しづらくなる。
【0063】
シリコーン樹脂溶液:100重量部
トルエン:100重量部
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン:6重量部
カーボンブラック:10重量部
【0064】
上記混合物をホモミキサーで20分間分散し、被覆層形成液を調整した。この被覆層形成液を流動床型コーティング装置を用いて核体粒子1を1000重量部の表面にコーティングして、実施例1の磁性キャリアとしてシリコーン樹脂被覆キャリアを得た(図3)。
【0065】
すなわち、図3に示した実施例1の磁性キャリアは、芯材が磁性体であるマグネタイトからなり、その芯材の表面に表面にシリコーン樹脂でコート層が成されている。そして、マグネタイト言い換えれば磁性体からなる芯材中に、前述したような表面に被覆層が形成された鉄やSUS等の金属粒子が分散されている。なお、前記芯材としては、鉄、クロム、ニッケル、コバルト、亜鉛、銅、などの金属、或いはそれらの化合物や合金、例えばγ−酸化第二鉄、二酸化クロム、酸化マンガン、フェライトといった強磁性体や常磁性体の球形化された粒子を用いても良い。
【0066】
また、実施例1の磁性キャリアの特性は以下の通りであった。なお、この磁性キャリア全体の体積固有抵抗や誘電率については、測定方法とともに後で示す。
・平均粒径:38[μm]
・飽和磁化:60[emu/g]
【0067】
ここで、磁性キャリア中に混ぜる粒径80[nm]の低抵抗粒子の体積固有抵抗が10[Ω・cm]を越えると、その粒子の誘電率が減少するため、磁性キャリア全体の誘電率も減少し、その結果、現像能力の低下を招いてしまうので好ましくない。また、低抵抗粒子の体積固有抵抗の下限値としては0より大きければよい。
【0068】
次に、磁性キャリアの抵抗や誘電率の測定方法を説明する。
まず、図4を用いて磁性キャリアの抵抗の測定方法について説明する。磁性キャリア11は金属もしくは樹脂をコアとしてフェライト等の磁性材料を含有し、表層がシリコーン樹脂等で被覆されたものである。磁性キャリア11の粒径としては、20〜50[μm]の範囲が好適である。また、磁性キャリア11の抵抗は、ダイナミック抵抗DRで1010[Ω]〜1014[Ω]の範囲が好適であり、体積固有抵抗で1012[Ω・cm]以上が良く、特に体積固有抵抗が1014[Ω・cm]以上が好適である。磁性キャリアの体積固有抵抗が1014[Ω・cm]以上であることで、高い現像ポテンシャルでもリークが発生し難く、大きな電界強度の現像電界を形成することができるので、その分、現像能力を向上させることができる。なお、磁性キャリの体積固有抵抗の上限値は、1015[Ω・cm]とする。
【0069】
図4に示す測定装置を用いて、磁性キャリア11のダイナミック抵抗DRの測定を次のように行った。まず、接地した台座200の上方に、固定磁石を所定位置に内蔵した直径φ20[mm]の回転可能なスリーブ201をセットする。このスリーブ201の表面には、幅W=65[mm]及び長さL=0.5〜1[mm]の対向面積を有する対向電極(規制ブレード)202を、ギャップg=0.9[mm]で対向させる。次に、スリーブ201を回転速度600[rpm](線速628[mm/sec])で回転駆動し始める。そして、回転しているスリーブ201上に測定対象の磁性キャリア11を所定量(14[g])だけ担持させ、スリーブ201の回転により磁性キャリアを10分間攪拌する。次に、スリーブ201に電圧を印加しない状態で、スリーブ201と対向電極202との間を流れる電流IRII[A]を電流計203で測定する。次に、直流電源204からスリーブ201に耐圧上限レベル(高抵抗シリコンコートキャリアでは400[V]から鉄粉キャリアでは数[V])の印加電圧E[V]を5分間印加する。本実施形態では印加電圧Eとして200[V]を印加した。そして、印加電圧Eを印加した状態でスリーブ201と対向電極202との間を流れる電流IRQ[A]を電流計203で測定する。これらの測定結果から、数1を用いてダイナミック抵抗DR[Ω]を算出する。
【0070】
【数1】

【0071】
こうして得られた実施例1の磁性キャリアのダイナミック抵抗DRの値は5×1012[Ω]の範囲であった。
【0072】
このようにして求めたダイナミック抵抗DRを、スリーブ表面と対向電極(規制ブレード)間のギャップgの大きさから所定の演算式により体積固有抵抗に換算することで、本実施形態においては、磁性キャリアの体積固有抵抗が1012[Ω・cm]以上であった。
【0073】
また、低抵抗粒子の体積固有抵抗の測定方法は、図4で示した測定装置を用いて行う前述した磁性キャリア全体の体積固有抵抗の測定方法と同様の測定方法で行う。
【0074】
次に、図5に示す測定装置を用いて磁性キャリア11の誘電率の測定を行うことができ、基本的な装置構成は図4に示した磁性キャリア11の抵抗を測定する測定装置と略同じであるが、図4に示した測定装置で用いた電流計203に替えて誘電率を測定する誘電率測定器206を設け、スリーブ201には直流電源204に替えて交流電源207でACバイアスを印加する。測定方法としてはスリーブ201の回転を停止させ、交流電源207によってスリーブ201にACバイアスを印加し、誘電率測定器206として日置電機社製 LCRハイテスタ 3532(シリアル番号 2001−0340771)を使用することで、スリーブ201と対向電極202との間に挟まれた磁性キャリア11の誘電率を測定することができる。
【0075】
このようにして実施例1の磁性キャリアの誘電率を測定したところ誘電率17となった。これにより、実施例1の磁性キャリアにおいては、高抵抗と高誘電率との状態を達成できたこととなる。なお、磁性キャリアの誘電率の最適な範囲は10から20程度である。
【0076】
図6は、実施例1の磁性キャリアを用いた現像剤と従来の磁性キャリアである比較例1の磁性キャリアを用いた現像剤とにおける現像ポテンシャルとトナー付着量との関係を示したグラフである。比較例1の磁性キャリアは、金属粒子を混合せずに核体粒子を形成した以外は、実施例1の磁性キャリアの製造方法と同様の製造方法で作製した。なお、比較例1の磁性キャリアとしては体積固有抵抗が1014[Ω・cm]以上であり誘電率3のものを用いた。表1に、実施例1の磁性キャリアと比較例1の磁性キャリアとの体積固有抵抗と誘電率とを示す。
【0077】
【表1】

【0078】
実施例1の磁性キャリアを用いた現像剤では、比較例1の磁性キャリアよりも磁性キャリアの誘電率が高いことにより、誘電率に起因するエッジ効果(図6に示したトナー付着量)が比較例1の磁性キャリアよりも低減し、且つ、現像能力が向上している。そのため、小径ドット潜像を含め、高い品質の画像を得ることができる。また、実施例1の磁性キャリアと比較例1の磁性キャリアとのどちらにおいても、体積固有抵抗がキャリア付着の発生を低減できる程度に十分高いため、キャリア付着等の画質に対する悪影響を低減することが可能となる。
【0079】
ここで、感光体1と現像ローラ402との現像ニップのニップ幅をN、感光体線速をvPとすると、現像領域A1で感光体1上の潜像が現像ローラ402に担持された現像剤によって現像し終えるまでに、感光体1の表面が現像ローラ402上の現像剤層と接触する時間はN/vPとなる。この時間に対して周波数fのACバイアスの一周期の時間の比率が、AC電界の磁界の向きが変化する回数である交番回数となり、数2で求めることができる。
【0080】
【数2】

【0081】
また、過去の検討結果から感光体1の回転線速に対するACバイアス(矩形波)の最適な周波数が表2に示すように得られている。
【0082】
【表2】

【0083】
図7に示すグラフは、感光体線速による周波数の最適点の比較を表したものであり、縦軸はライン/ベタのトナー付着特性の比較で特定ポテンシャルでの両者のトナー付着量の比率である。なお、通常ラインの方が多く、比率が1に近づくほど良いと考えられる。この結果より感光体線速に依存して、ある特定の周波数で最適な状態が得られることが分かり、その最適な状態が得られる場合の感光体線速と周波数との関係を図8に示している。
【0084】
AC電界の交番回数によって、トナーのキャリアに対する付着力を低減させることができ、その結果、現像を促進させることが可能となる。また、トナーがAC電界の交番に追従して現像ローラ402と感光体1との間を往復移動することで潜像に対するとトナーの付着状態が整ってくると考えることができる。このことから、高品質の画像を得るために必要なAC電界の交番回数を決めることが重要である。
【0085】
本実施形態では感光体1と現像ローラ402との現像ニップの感光体回転方向におけるニップ幅Nが4[mm]であり、表2に示された感光体線速と最適な周波数の関係から、数2を用いて計算すると、感光体線速が200[mm/s]と400[mm/s]との場合にはAC電界の必要な交番回数が80[回]となり、感光体線速が700[mm/s]の場合にはAC電界の必要な交番回数が63[回]となる。
【0086】
具体的な特性は、ライン潜像の現像γとソリッド潜像の現像γとがほぼ一致するもので高品質の画像を得ることが可能になる。これにより、63[回]以上の交番回数により前記特性が向上したことから数3の関係を提示することができる。
【0087】
【数3】

【0088】
なお、使用される現像装置が本実施形態の構成とは異なり、1段、2段現像も加わっても、感光体線速と最適な周波数との関係が一定になることから、それぞれの効果が大きいものと考えられる。
【0089】
[実施例2]
本実施例においては、実施例1で説明した種々の構成に加えて、現像ローラ402を振動させて現像ギャップを変化させる現像ギャップ変化装置を備えている。
【0090】
現像剤は、先にも述べたように現像ローラ内部の磁石部材407からの磁力や現像ローラ表面の摩擦係数などにより現像ローラ402上に担持されながら搬送される。
【0091】
ここで、本実施例では、現像ローラ402を振動させて感光体1に対する現像ローラ402の距離が近づく状態を作り、感光体1と現像ローラ402との距離を近づかせることで現像電界の電界強度を増加させて現像能力を向上させようとするものである。
【0092】
現像ギャップ変化装置では、図9に示すようにAC電源503に接続されたコイル502を棒状のフェライト材料501の周りに、コイル502内でフェライト材料501が軸方向で変位可能なように巻いて電磁石を作り、フェライト材料501の一端を現像装置4のケーシング401の壁部504に接続させている。そして、AC電源503からコイル502にACバイアスに印加することで、コイル502内に発生する磁界の向きの周期的な変化に応じてフェライト材料501が軸方向に往復運動して、現像装置4のケーシング401を振動させる。このように現像装置4のケーシング401を振動させることにより、ケーシング401の支持部で回転軸が支持された現像ローラ402を振動させることができる。
【0093】
このようにして、現像ローラ402を振動させることにより、最大現像ギャップを300[μm]として、感光体1と現像ローラ402との間の距離を時間で変化させる。
【0094】
なお、現像ローラ402に振動を付与する構成はこれに限ることは無く、ピエゾ材料に電圧を印加して得られる振動でも良く、振幅と周波数とが必要範囲で制御できれば採用することができる。
【0095】
図10は、現像ポテンシャルが1.64[mg/cm/kV]で同じ場合における現像ギャプの振動周波数によるトナー付着量の変化を示したものである。本実施例のように現像ギャップを所定周期で変化させることで、図10に示すように、現像ポテンシャルが1.64[mg/cm/kV]と同一であっても周波数2[kHz]で他の周波数よりも現像量が増加していることが分かる。ちなみに、現像ギャップが300[μm]と150[μm]との間で変化するように現像ローラ402を振動させることで、現像ギャップが平均的に225[μm]となり、全体として現像γの傾きが増加している。
【0096】
ここで、本実施例においても、磁性キャリアの抵抗を1012[Ω・cm]以上に設定しており、磁性キャリア内部に複数の低抵抗粒子を有するため誘電率が高くなっている。その効果により現像領域A1におけるエッジ効果が低減させることができる。また、磁性キャリアの抵抗が十分高いので磁性キャリアへの電荷注入による感光体1へのキャリア付着を抑制することが可能で、電界の形成範囲を狭めることがないので条件設定が容易に行うことができる。
【0097】
[実施例3]
実施例3の磁性キャリアは、樹脂からなる芯材の内部に磁性体微粒子を分散したものであり、誘電率が17で体積固有抵抗が1014[Ω・cm]である。そして、比較例2の磁性キャリアとして、誘電率が4で体積固有抵抗が1010[Ω・cm]の磁性キャリアを用いて、両者の特性を比較評価した。
【0098】
[磁性キャリアの製造方法]
まず、実施例3の磁性キャリアの製造方法について説明する。
【0099】
アクリル樹脂溶液:21.0部(日立化成工業社製、ヒタロイド2450、固形分50[重量%])
グアナミン溶液(固形分70[重量%]:6.4部
アルミナ粒子(0.3[μm]、固有抵抗1014[Ω・cm]):120部
トルエン:665部
ブチルセロソルブ:665部
【0100】
これらの混合物をホモミキサーで10分間分散し、アクリル樹脂溶液を得た。
【0101】
シリコン系樹脂溶液:63.9部(固形分23[重量%]、SR2410、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)
アミノシラン:0.3部(固形分100[重量%]、SH6020、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)
【0102】
これらの混合物を容器内でアジテータにより5分間分散し、得られたシリコン溶液と、表層をシリコン樹脂でコートしたカーボンブラック(Black Peris 2000、CABOT CORPORATION)4.6部を、前記アクリル樹脂溶液の入ったホモミキサーに投入し、更に10分間分散する。これにより、カーボンブラックが被覆樹脂全体に分散した被覆膜形成溶液を得ることができ、膜厚0.15[μm]となるようにスピラコーター(岡田精工社製)により塗布し乾燥した。
【0103】
得られたキャリアを電気炉中に150[℃]で1時間放置して焼成した。冷却後、フェライト粉バルクを目開き106[μm]の篩を用いて解砕しキャリアとした。
【0104】
次に、実施例3の磁性キャリアを含む現像剤と、比較例2の磁性キャリアを含む現像剤とをそれぞれ図1に示したプリンタの現像装置4に投入して画像形成を行った場合の画像濃度確保とキャリア付着抑制との両立範囲について、図11を用いて説明する。なお、現像剤中の磁性キャリア以外の成分は両者で同じである。
【0105】
図中の白抜きの四角形が実施例3の磁性キャリアを含む現像剤を用いた場合におけるキャリア付着量を示しており、白抜きの菱形が比較例2の磁性キャリアを含む現像剤を用いた場合におけるキャリア付着量を示している。また、塗り潰した四角形が実施例3の磁性キャリアを含む現像剤を用いた場合における画像濃度を示しており、塗り潰した菱形が比較例2の磁性キャリアを含む現像剤を用いた場合における画像濃度を示している。そして、画像濃度確保とキャリア付着抑制との両立範囲は、実施例3の磁性キャリアを含む現像剤を用いた場合が範囲Aであり、比較例2の磁性キャリアを含む現像剤を用いた場合が範囲Bである。
【0106】
なお、画像濃度確保とキャリア付着抑制との両立範囲とは、画像濃度IDが1.5以上であり、且つ、キャリア付着が100[個/A3サイズ]以下を満たす現像ポテンシャルの幅のことである。
【0107】
誘電率が4で体積固有抵抗が1010[Ω・cm]である比較例2の磁性キャリアを含む現像剤を用いた場合では、誘電率が17で体積固有抵抗が1014[Ω・cm]である実施例3の磁性キャリアを含む現像剤を用いた場合と比較して、実使用可能な現像ポテンシャル幅が狭く、経時、環境を踏まえた画像形成条件が狭くなる。一方、実施例3の磁性キャリアを含む現像剤を用いた場合では、実使用可能な現像ポテンシャル幅が比較例2の磁性キャリアを含む現像剤を用いた場合よりも広くなることで、経時、環境を踏まえた画像形成条件が柔軟性に富むようになる。
【0108】
すなわち、磁性キャリアの誘電率が高く、且つ、体積固有抵抗が比較的高いと、使用可能な現像ポテンシャルの範囲が広がることで、光量調整を含めたデジタルγの調整幅が広がるなど、より適切に画像を形成することが可能となる。
【0109】
以上、本実施形態によれば、表面に潜像を担持する像担持体である感光体1と、トナーと磁性キャリアとからなる現像剤を収容する現像剤収容部であるケーシング401と、磁界を発生させる磁界発生手段である磁石部材407が内部に設けられ表面上に現像剤を担持して回転する非磁性のスリーブからなる現像剤担持体である現像ローラ402と、を有する現像手段である現像装置4と、現像ローラ402に現像バイアスを印加して感光体1と現像ローラ402との間に現像電界を発生させる現像電界発生手段である電源とを有し、感光体1上の潜像を、現像ローラ402上に担持された現像剤中のトナーを用いて前記現像電界の作用によりトナー像化する画像形成装置において、前記現像電界発生手段である電源は現像ローラ402にACバイアスを印加し前記現像電界としてAC電界を発生させるものであり、体積固有抵抗が1012[Ω・cm]以上の材料を用いて被覆層が形成され、全体の体積固有抵抗が10[Ω・cm]以下である粒径100[nm]以下の微粒子を磁性キャリア内部に複数含有しており、磁性キャリア全体の体積固有抵抗が1012[Ω・cm]以上であることで、前述したように、磁性キャリアの誘電率が増加してエッジ効果を低減させることができるとともに、磁性キャリアの抵抗がキャリア付着の発生を低減できる程度に十分高いため、キャリア付着等の画質に対する悪影響を低減することが可能となる。また、現像能力が向上するため、小径ドット潜像を含め、高い品質の画像を得ることができる。
また、本実施形態によれば、磁性キャリアは樹脂に磁性体微粒子を分散させて形成したものであることで、磁性粒子が磁性キャリアの芯材になるものと比較して比重が小さくなる。そのため、現像剤担持体である現像ローラ402内に配置される磁石部材407の磁束密度を低減することが可能等、搬送時の制御が容易になる。
また、本実施形態によれば、感光体1の線速に応じて所定期間内に一定数以上の交番回数が前記AC電界で得られるのように、前記ACバイアスの周波数範囲を変化させることで、感光体線速に応じて現像領域A1中における感光体1と現像ローラ402との間でのトナーの往復移動回数を一定化できるので、現像能力を維持することができる。
また、本実施形態によれば、ACバイアスの周波数をf[kHz]、感光体1の線速をvP[mm/s]、及び、感光体1と現像ローラ402とで形成される現像ニップの感光体回転方向の幅であるニップ幅をN[mm]とすると、f≧63×vP/Nの関係を満たすことで、AC電界によるトナーの往復運動が十分得られるので、感光体1上の潜像へのトナー付着が整えられるため画像品質が向上する。
また、本実施形態によれば、感光体1と現像ローラ402との間隔である現像ギャップを所定周期で変化させる現像ギャップ変化手段である現像ギャップ変化装置を有することで、現像ギャップ変化装置で現像ローラ402を振動させて現像ギャップを周期的に変化させることで、感光体1に対して現像ローラ402が近づく状態を作り、感光体1と現像ローラ402との距離が近づくことにより現像電界の電界強度を増加させて現像能力を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、磁性キャリア全体の体積固有抵抗を1014[Ω・cm]以上に設定することで、高い現像ポテンシャルでもリークが発生し難く、大きな電界強度の現像電界を形成することができるので、その分、現像能力を向上させることができる。
【符号の説明】
【0110】
1 感光体
2 帯電装置
3 露光装置
4 現像装置
5 転写装置
6 クリーニング装置
7 レジストローラ
11 磁性キャリア
20 転写紙
200 台座
201 スリーブ
202 対向電極
203 電流計
204 直流電源
206 誘電率測定器
207 交流電源
401 ケーシング
402 現像ローラ
404 規制ブレード
405 攪拌搬送部材
406 攪拌搬送部材
407 磁石部材
501 フェライト材料
502 コイル
503 AC電源
504 壁部
601 クリーニングブレード
【先行技術文献】
【特許文献】
【0111】
【特許文献1】特開平10−239914号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に潜像を担持する像担持体と、
トナーと磁性キャリアとからなる現像剤を収容する現像剤収容部と、磁界を発生させる磁界発生手段が内部に設けられ表面上に前記現像剤を担持して回転する非磁性のスリーブからなる現像剤担持体とを有する現像手段と、
前記現像剤担持体に現像バイアスを印加して該像担持体と該現像剤担持体との間に現像電界を発生させる現像電界発生手段とを有し、
前記像担持体上の潜像を、該現像剤担持体上に担持された現像剤中のトナーを用いて該現像電界の作用によりトナー像化する画像形成装置において、
前記現像電界発生手段は前記現像バイアスとしてACバイアスを印加し前記現像電界としてAC電界を発生させるものであり、
体積固有抵抗が1012[Ω・cm]以上の材料を用いて被覆層が形成され、全体の体積固有抵抗が10[Ω・cm]以下である粒径100[nm]以下の微粒子を磁性キャリア内部に複数含有しており、磁性キャリア全体の体積固有抵抗が1012[Ω・cm]以上であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1の画像形成装置において、
上記磁性キャリアは樹脂に磁性体微粒子を分散させて形成したものであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1または2の画像形成装置において、
上記像担持体の線速に応じて所定期間内に一定数以上の交番回数が上記AC電界で得られるのように、上記ACバイアスの周波数範囲を変化させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項3の画像形成形成装置において、
上記ACバイアスの周波数をf[kHz]、上記像担持体の線速をvP[mm/s]、及び、前記像担持体と上記現像剤担持体とで形成される現像ニップの像担持体回転方向の幅をN[mm]とすると、f≧63×vP/Nの関係を満たすことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1、2、3または4の画像形成装置において、
上記像担持体と上記現像剤担持体との間隔である現像ギャップを所定周期で変化させる現像ギャップ変化手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1、2、3、4または5の画像形成装置において、
磁性キャリア全体の体積固有抵抗を1014[Ω・cm]以上に設定したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
現像手段内に収容されたトナーと磁性キャリアとからなる現像剤を現像剤担持体に担持させ、現像剤担持体に担持された現像剤を予め潜像が形成された像担持体へ近接させることで、現像電界発生手段によって前記現像剤担持体に現像バイアスを印加し前記像担持体と前記現像剤担持体との間に発生させた現像電界により、前記現像剤を像担持体上の潜像に付着させて現像する現像工程を有する画像形成方法において、
前記現像電界発生手段により前記現像バイアスとしてACバイアスを前記現像剤担持体に印加し前記現像電界としてAC電界を発生させ、
体積固有抵抗が1012[Ω・cm]以上の材料を用いて被覆層が形成され、全体の体積固有抵抗が10[Ω・cm]以下である粒径100[nm]以下の微粒子を内部に複数含有し、自身全体の体積固有抵抗が1012[Ω・cm]以上である磁性キャリアを用いることを特徴とする画像形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−230342(P2012−230342A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−124914(P2011−124914)
【出願日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】