説明

画像形成装置及び画像形成方法

【課題】電子書籍端末の故障や電池切れなどが発生しても、使用者が閲覧する権利を持つ電子書籍データを出力することができる画像形成装置及び画像形成方法を提供する。
【解決手段】画像形成装置30は、記憶媒体40から認証情報を読み取る記憶媒体読取部と、前記記憶媒体読取部で得られた前記認証情報を外部端末20に送信し、前記外部端末20から電子データ70を受信する通信部と、前記通信部で受信した前記電子データ70を表示する表示部と、前記表示部に表示された前記電子データ70を選択し、画像形成の指示をする操作部と、前記通信部で受信した前記電子データ70を用紙に画像形成する画像形成部と、前記操作部にて前記電子データ70の画像形成の指示がされたら、画像を形成するよう制御する制御部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、画像形成装置及び画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子書籍を閲覧する電子書籍端末が普及している。しかしながら、電子書籍端末において、電子書籍端末の故障や電池切れなどが発生した場合、購入した電子書籍を閲覧することができなくなるという問題が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−094855公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、電子書籍端末の故障や電池切れなどが発生しても、使用者が閲覧する権利を持つ電子書籍データを出力することができる画像形成装置及び画像形成方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の実施形態における画像形成装置は、記憶媒体から認証情報を読み取る記憶媒体読取部と、前記記憶媒体読取部で得られた前記認証情報を外部端末に送信し、前記外部端末から電子データを受信する通信部と、前記通信部で受信した前記電子データを表示する表示部と、前記表示部に表示された前記電子データを選択し、画像形成の指示をする操作部と、前記通信部で受信した前記電子データを用紙に画像形成する画像形成部と、前記操作部にて前記電子データの画像形成の指示がされたら、画像を形成するよう制御する制御部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】第一の実施形態における、画像形成システムの構成図である。
【図2】第一の実施形態における、電子書籍端末のブロック図である。
【図3】第一の実施形態における、サーバのブロック図である。
【図4】第一の実施形態における、画像形成装置のブロック図である。
【図5】第一の実施形態における、画像形成のフローチャートである。
【図6】第二の実施形態における、画像形成のフローチャートである。
【図7】第三の実施形態における、画像形成のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に添付図面を参照して、実施形態の画像形成装置を説明する。
【0008】
(第一の実施形態)
第一の実施形態の画像形成装置は、記憶媒体読取部で得られた認証情報を外部端末に送信し、外部端末から電子データを受信し、受信した電子データの画像形成の指示がされたら、用紙に画像形成する。
【0009】
図1は、画像形成システムの構成図である。画像形成システムは、電子端末10、外部端末20、画像形成装置30で構成される。
【0010】
電子端末10は、例えば電子書籍を閲覧する電子書籍端末である。以下、電子端末10を電子書籍端末として説明する。電子書籍端末10は、例えば、電子ブック、携帯情報端末や携帯電話である。書籍とは、例えば、小説、コミック、雑誌、写真集等である。書籍は、著作権を有するもの、著作権が切れたものどちらも含む。電子書籍端末10は、記憶媒体40を読み取る記憶媒体読取部105を有しており、記憶媒体40は電子書籍端末10から着脱可能である。記憶媒体40に電子端末を識別する電子端末ID(Identification)を記憶する。電子書籍端末10による書籍購入時は、記憶媒体40を記憶媒体読取部105に挿入して使用する。記憶媒体40は、不揮発性記憶媒体であり、例えば、SD(Secure Digital)カードやマルチメディアカード、IC(Integrated circuit)カードである。また、電子書籍端末10から着脱可能な記憶媒体40に限らず、記憶媒体40は、電子書籍端末10に内蔵されるICチップであっても良い。
【0011】
電子書籍端末10は、ネットワークを介し、電子端末ID情報71を外部端末20へ送信し、外部端末20に接続する。電子端末ID情報は、例えばユーザID72及びパスワード73である。電子書籍端末10は、外部端末20に接続し、外部端末20に記憶された複数の電子データ70から、選択された電子データ70を受信することができる。選択された電子データ70とは、ユーザ60が所望する電子データ70である。電子書籍端末10は、外部端末20により購入した電子データを表示部101に表示する。ユーザ60は表示部101により、外部端末から受信した電子データ70を閲覧することができる。電子書籍端末10は、外部端末20から購入した電子データ70を、電子書籍端末10の記憶部103にダウンロードする。また、電子書籍端末10の記憶部103にダウンロードすることなく、必要な時に、サーバ20から電子データ70を閲覧できるようにしても良い。
【0012】
図2は、電子書籍端末10のブロック図である。電子書籍端末10は、制御部100、表示部101、操作部102、記憶部103、通信インターフェース(I/F)104、記憶媒体読取部105、接続部106を有する。制御部100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)で構成される。ROMは、CPUを動作させるためのプログラムを格納する。RAMは、外部端末20から購入した電子データ70の情報等を格納する。制御部100は、システムバス107を介して接続された通信I/F104によって、外部端末20、画像形成装置30、クライアントPC(図示せず)と通信する。通信I/F104は通信部である。制御部100は、システムバス107を介して、表示部101、操作部102、記憶部103、通信I/F104、記憶媒体読取部105、接続部106と接続する。
【0013】
表示部101は、外部端末20から受信した電子データ70を表示する。操作部102は、各種キーを有する。表示部101はタッチパネル式でもよく、操作部102をかねても良い。ユーザ60は操作部102により、閲覧する電子データを選択する。また、ユーザ60は操作部102により、スクロールやページ送りをする。記憶部103は、外部端末20から受信した電子データ70を記憶する。
【0014】
記憶媒体読取部105は、記憶媒体40を読み取る。記憶媒体40が、SDカードであれば、記憶媒体読取部105は、SDカードリーダーである。記憶媒体40が、マルチメディアカードであれば、記憶媒体読取部105は、マルチメディアカードリーダーである。記憶媒体40が、ICカードであれば、記憶媒体読取部105は、ICカードリーダーである。
【0015】
接続部106は、電子書籍端末10とは異なる端末と接続するための部材である。例えば、接続部106は、USB(Universal Serial Bus)端子である。電子書籍端末10と異なる端末とは、画像形成装置30であり、USBケーブルを電子書籍端末10と画像形成装置30それぞれのUSB端子につないで、電子書籍端末10と画像形成装置30を接続する。また、電子書籍端末10と画像形成装置30とのUSB端子による接続に限らず、電子書籍端末10とPCを接続するようにしても良い。
【0016】
外部端末20は、例えばサーバである。以下、外部端末20をサーバとして説明する。サーバ20は、電子データ提供者50から、電子データ70を受信し、受信した電子データ70を記憶部202に格納する。サーバ20の記憶部202は、電子書籍端末ID情報71、ユーザID72、パスワード73、及び購入履歴を記憶する。ユーザID72及びパスワード73は認証情報である。サーバ20は、電子書籍端末10が購入した書籍の購入履歴を記憶する。購入履歴とは、例えば、購入者情報、認証情報、購入日時、購入した書籍名、著者名、発効日、著作権の有無等である。サーバ20は、複数の電子書籍端末10とインターネットを介して接続し、電子データ70を購入した電子書籍端末に、電子データ70を送信する。
【0017】
図3は、サーバ20のブロック図である。サーバ20は、制御部200、通信I/F201、記憶部202を有する。制御部200は、例えば、CPU、ROM、RAMで構成される。ROMは、CPUを動作させるためのプログラムを格納する。記憶部202は、例えばHDD(Hard Disk Drive)であり、電子データ70を格納する。制御部200は、システムバス203を介して接続された通信I/F201によって、電子書籍端末10、画像形成装置30、クライアントPC(図示せず)と通信する。通信I/F201は通信部である。制御部200は、システムバス203を介して、通信I/F201、記憶媒体読取部202と接続する。
【0018】
画像形成装置30は、例えば複合機であるMFP(Multi-Function Peripherals)や、プリンタ、複写機等である。以下の説明ではMFPを例に説明する。MFP30は、電子端末ID情報71を得ることで、電子書籍端末10が既に購入した電子データ70をサーバ20から受信し、印刷することができる。
【0019】
MFP30は、原稿台上に開閉自在に設けられ、原稿を自動で搬送する自動原稿搬送部(ADF)、表示部301、操作部302、画像読取部306、画像形成部307、各種サイズの用紙Pを収容する複数のカセットを有する給紙カセット(給紙部)と、画像形成され、排出された用紙Pを収容する排紙部を有する。
【0020】
図4は、MFP30のブロック図である。MFP30は、制御部300、表示部301、操作部302、記憶部303、通信I/F304、記憶媒体読取部305、画像読取部306、画像形成部307、搬送部308、接続部309を有する。
【0021】
制御部300は、例えば、CPU、ROM、RAMで構成される。ROMは、CPUを動作させるためのプログラムを格納する。RAMは、印刷枚数や各種設定等を格納する。制御部100は、システムバス310を介して接続された通信I/F304によって、電子書籍端末10、サーバ20、及びクライアントPC(図示せず)と通信する。通信I/F304は通信部である。制御部300は、システムバス310を介して、表示部301、操作部302、記憶部303、通信I/F304、記憶媒体読取部305、画像読取部306、画像形成部307、搬送部308、及び接続部309と接続する。
【0022】
表示部301は、サーバ20から受信した電子データ70を表示する。操作部302は、各種キーを有する。表示部101はタッチパネル式でもよく、操作部302をかねても良い。ユーザ60は操作部302により、表示部301に表示する電子データを選択する。また、ユーザ60は操作部302により、スクロールやページ送りをする。記憶部303は、サーバ20から受信した電子データ70を記憶する。
【0023】
記憶媒体読取部305は、記憶媒体40を読み取る。記憶媒体40が、SDカードであれば、記憶媒体読取部305は、SDカードリーダーである。記憶媒体40が、マルチメディアカードであれば、記憶媒体読取部305は、マルチメディアカードリーダーである。記憶媒体40が、ICカードであれば、記憶媒体読取部305は、ICカードリーダーである。記憶媒体40が、電子書籍端末10に内蔵されるICチップであれば、記憶媒体読取部305は、非接触型のICチップリーダーである。記憶媒体読取部305が、非接触型のICチップリーダーであれば、ユーザ60は、ICチップが内蔵される電子書籍端末10を記憶媒体読取部105にかざすだけで、電子書籍端末10を認証する。
【0024】
画像読取部306は、ADFの下部に設けられ、ADFによって搬送される原稿または原稿台上に置かれた原稿を読み取って画像データを生成する。画像読取部306は、印刷原稿の入力部の一例であり、この他に、例えば、外部端末としてPCで作成した原稿をこの入力部で受け入れ、画像データとして印刷することも可能である。
【0025】
画像形成部307は、画像読取部306で読み取った画像データやPCで作成された画像データを処理して用紙に画像を形成する。画像形成部307によって画像が形成された用紙は、排紙部に排出される。画像形成部307は、例えばモノクロレーザプリンタである。レーザ露光装置からのレーザビームによって画像形成部の感光体ドラムを走査して静電潜像を生成する。モノクロレーザプリンタに限らず、カラーレーザプリンタであっても良い。
【0026】
搬送部308は、複数の搬送ローラを有し、給紙カセットから用紙をピックアップし、用紙を画像の転写位置、定着位置に順に搬送し、排紙部へ搬送する。
【0027】
接続部309は、MFP30とは異なる端末と接続するための部材である。例えば、接続部309は、USB端子である。MFP30と異なる端末とは、電子書籍端末10であり、USBケーブルを電子書籍端末10とMFP30をそれぞれのUSB端子につないで、電子書籍端末10とMFP30を接続する。また、電子書籍端末10とMFP30とのUSB端子による接続に限らず、電子書籍端末10とPCを接続するようにしても良い。
【0028】
MFP30は、電子書籍端末10の電子データ70の印刷モードを有する。電子書籍端末の故障や電池切れなどが発生し、ユーザ60が購入した電子書籍を閲覧することができなくなる場合がある。このとき、ユーザ60は電子データ70の印刷モードを選択する。
【0029】
図5は、第一の実施形態における、MFP30の画像形成のフローチャートである。400において、制御部300は、電子データ印刷モードが選択されたか否かを判断する。電子データ印刷モードが選択されなければ(400のNo)、400の判断を繰り返す。電子データ印刷モードが選択されたら(400のYes)、制御部300は、ユーザ60に電子端末ID情報71を有する記憶媒体40を電子書書籍端末10の記憶媒体読取部105から外し、MFP30の記憶媒体読取部305に挿入する旨を表示部301に表示をする。
【0030】
401において、制御部300は、電子端末ID情報71を有する記憶媒体40が記憶媒体読取部305に挿入されることにより、認証情報を取得したか否かを判断する。認証情報は、電子端末ID情報71である。制御部300が、認証情報を未取得と判断したら(401のNo)、401の判断を繰り返す。認証情報を取得したと制御部300が判断したら(401のYes)、402において、認証情報をサーバ20へ送信する。サーバ20の制御部200は、MFP30から認証情報を受信すると、認証情報から購入履歴を検索し、購入済みの電子データ70をMFP200へ送信する。
【0031】
403において、MFP30の制御部300は、閲覧権利を持つ電子データを受信し、404において、表示部301に受信した電子データ70を表示する。ここでの表示部301に表示する電子データ70は、例えば購入した書籍名、著者名、表紙の画像である。この時、制御部300は、受信した電子データ70の内、どの電子データ70を印刷するか、または印刷なしとするか否かをユーザ60に選択させる。制御部300は、例えば、表示部301に、電子データ70を選択する「選択ボタン」、「印刷ボタン」及び「終了ボタン」を表示する。制御部300は、「選択ボタン」により電子データ70が選択され、続いて「印刷ボタン」が押下されたら、印刷指示有りと判断する。制御部300は、「終了ボタン」が押下されたら、印刷無しであると判断する。
【0032】
405において、制御部300は、印刷指示の有無を判断する。制御部300が、印刷なしと判断したら(405のNo)、画像形成をせずに終了する。制御部300が、印刷する画像が選択され、印刷指示有りと判断したら(405のYes)、406において、選択された電子データ70を印刷し、排紙部に印刷物を収容したら、画像形成の処理を終了する。
【0033】
403において、認証情報をサーバ20に送信し、サーバ20から電子データ70を受信する際、画像を含む全データを受信しても良いし、書籍名、著者名、表紙の画像を先に受信するようにしても良い。先に書籍名、著者名、表紙の画像をサーバ20から受信する場合は、405において、印刷する電子データ70の情報をサーバ20に送信してから、MFP30が画像を含む残りの電子データ70を受信するようにしても良い。
【0034】
また、上述では、電子書籍端末10とMFP30を、それぞれの接続部106、309にてUSBケーブルで接続し、認証情報をサーバ20へ送信すると記載しているが、これに限らず、接続部を有するPCと電子書籍端末10をUSBケーブルで接続し、認証情報をサーバ20へ送信するようにしても良い。この場合、認証が済んだら、PCの表示部にサーバ20から送信された電子データ70が表示される。このときの電子データ70は、例えば、書籍名、著者名、表紙の画像である。ユーザ60は、表示された電子データから、印刷する電子データ70を選択し、MFP30に印刷指示をする。MFP30は、PCから受信した選択された電子データ70をサーバ20に送信する。そして、MFP30は、サーバ20から画像を含む電子データ70を受信し、受信した電子データ70を印刷する。
【0035】
上述のような第一の実施態様による画像形成装置及び画像形成方法により、電子書籍端末の故障や電池切れなどが発生しても、使用者が閲覧する権利を持つ電子書籍データを出力することができる。
【0036】
(第二の実施形態)
第二の実施形態の画像形成装置は、ID、パスワードの入力により、認証情報を外部端末に送信し、外部端末から電子データを受信し、受信した電子データの画像形成の指示がされたら、用紙に画像形成する。第一の実施形態と同一構成部分には同一符号を付す。
【0037】
図6は、第二の実施形態における、MFP30の画像形成のフローチャートである。500において、制御部300は、電子データ印刷モードが選択されたか否かを判断する。電子データ印刷モードが選択されなければ(500のNo)、500の判断を繰り返す。電子データ印刷モードが選択されたら(500のYes)、501において、制御部300は、操作部302にて、ユーザID72、パスワード73を入力する旨を表示部301に表示をする。ユーザ60がユーザID72及びパスワード73を入力したら、502において、制御部300は、入力情報をサーバ20へ送信する。サーバ20の制御部200は、受信したユーザID72及びパスワード73が一致するか否かを判断し、判断結果をMFP30に送信する。サーバ20の制御部200は、受信したユーザID72及びパスワード73が一致すると判断した場合、認証情報から購入履歴を検索し、購入済みの電子データ70をMFP200へ送信する。
【0038】
503において、MFP30の制御部300は、サーバ20から送信された判断結果を受信し、ユーザID72及びパスワード73が一致するか否かを判断する。ユーザID72及びパスワード73が不一致であれば(503のNo)、501に戻り、制御部300は、もう一度ユーザID72及びパスワード73を入力するよう促す表示をする。
【0039】
ユーザID72及びパスワード73が一致すれば(503のYes)、504において、MFP30の制御部300は、閲覧権利を持つ電子データを受信し、505において、表示部301に受信した電子データ70を表示する。ここでの電子データ70とは、例えば購入した書籍名、著者名、表紙の画像である。この時、制御部300は、受信した電子データ70の内、どの電子データ70を印刷するか、または印刷なしとするか否かをユーザ60に選択させる。
【0040】
506において、制御部300は、印刷指示の有無を判断する。制御部300が、印刷なしと判断したら(506のNo)、画像形成をせずに終了する。制御部300が、印刷する画像が選択され、印刷指示有りと判断したら(506のYes)、507において、選択された電子データ70を印刷し、排紙部に印刷物を収容したら、画像形成の処理を終了する。
【0041】
上述のような第二の実施態様による画像形成装置及び画像形成方法により、電子書籍端末の故障や電池切れなどが発生しても、使用者が閲覧する権利を持つ電子書籍データを出力することができる。また、記憶媒体40が記憶媒体読取部305において読み取れない場合でも、ユーザID72及びパスワード73で購入履歴データを印刷し、閲覧することができる。
【0042】
(第三の実施形態)
第三の実施形態の画像形成装置は、外部端末から電子データを受信し、受信した電子データの著作権の有無を判断し、著作権有りと判断された著作物の印刷を地紋印刷をする。第一の実施形態と同一構成部分には同一符号を付す。
【0043】
図7は、第三の実施形態における、MFP30の画像形成のフローチャートである。600において、制御部300は、電子データ印刷モードが選択されたか否かを判断する。電子データ印刷モードが選択されなければ(600のNo)、600の判断を繰り返す。電子データ印刷モードが選択されたら(600のYes)、制御部300は、ユーザ60に電子端末ID情報71を有する記憶媒体40を電子書書籍端末10の記憶媒体読取部105から外し、MFP30の記憶媒体読取部305に挿入する旨を表示部301に表示をする。
【0044】
601において、制御部300は、記憶媒体読取部305に、電子端末ID情報71を有する記憶媒体40が挿入されることによる認証情報を取得したか否かを判断する。認証情報は、電子端末ID情報71である。制御部300が、認証情報を取得しないと判断したら(601のNo)、601の判断を繰り返す。認証情報を取得したと制御部300が判断したら(601のYes)、602において、認証情報をサーバ20へ送信する。サーバ20の制御部200は、MFP30から認証情報を受信すると、認証情報から購入履歴を検索し、購入済みの電子データ70をMFP30へ送信する。このとき、各電子データ70の著作権の有無についての情報もMFP30へ送信する。
【0045】
603において、MFP30の制御部300は、閲覧権利を持つ電子データを受信し、604において、表示部301に受信した電子データ70を表示する。ここでの電子データ70とは、例えば購入した書籍名、著者名、表紙の画像、及び著作権の有無である。この時、制御部300は、受信した電子データ70の内、どの電子データ70を印刷するか、または印刷なしとするか否かをユーザ60に選択させる。
【0046】
605において、制御部300は、印刷指示の有無を判断する。制御部300が、印刷なしと判断したら(605のNo)、画像形成をせずに終了する。制御部300が、印刷する画像が選択され、印刷指示有りと判断したら(605のYes)、制御部300は、606において印刷指示が出されたデータの著作権の有無を判断する。制御部300が、印刷指示が出されたデータに著作権切れであると判断したら(606のNo)、607において、選択されたデータを通常印刷し、画像形成を終了する。制御部300が、印刷指示が出されたデータに著作権有りと判断したら(606のYes)、608において、選択されたデータを地紋印刷し、画像形成を終了する。地紋印刷とは、用紙の背景に文字や図形が浮かび上がるように地紋を印刷する印刷方法である。このように地紋印刷することで、原本とコピーの判別を可能とし、複写抑止効果が得られる。
【0047】
上述では、電子端末ID情報71を有する記憶媒体40が記憶媒体読取部305に挿入されることにより、認証情報を取得したか否かを判断しているが、第二の実施形態に記載したように、ID、パスワードの入力により、認証をするようにしても良い。
【0048】
上述のような第三の実施態様による画像形成装置及び画像形成方法により、電子書籍端末の故障や電池切れなどが発生しても、使用者が閲覧する権利を持つ電子書籍データを出力することができる。また、著作権の有無を判断し、著作権有りと判断した場合、地紋印刷を行うことで、複写抑止効果が得られる。
【0049】
以上説明した少なくともひとつの実施形態の画像形成装置によれば、認証情報を外部端末に送信し、外部端末から電子データを受信し、受信した電子データの画像形成の指示がされたら、用紙に画像形成することにより、電子書籍端末の故障や電池切れなどが発生しても、使用者が閲覧する権利を持つ電子書籍データを出力することができる
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲は要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0050】
10 電子書籍端末
20 サーバ
30 画像形成装置
40 記憶媒体
70 電子書籍データ
71 電子書籍端末ID情報
72 ユーザID
73 パスワード
300 制御部
301 表示部
302 操作部
303 記憶部
304 通信I/F(通信部)
305 記憶媒体読取部
306 画像読取部
307 画像形成部
308 搬送部
309 記憶媒体接続部
310 システムバス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶媒体から認証情報を読み取る記憶媒体読取部と、
前記記憶媒体読取部で得られた前記認証情報を外部端末に送信し、前記外部端末から電子データを受信する通信部と、
前記通信部で受信した前記電子データを表示する表示部と、
前記表示部に表示された前記電子データを選択し、画像形成の指示をする操作部と、
前記通信部で受信した前記電子データを用紙に画像形成する画像形成部と、
前記操作部にて前記電子データの画像形成の指示がされたら、画像を形成するよう制御する制御部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記認証情報を得たか否かを判断し、前記認証情報を得たと判断したら、前記外部端末から前記電子データを受信するよう制御することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記表示部に前記操作部から認証情報を入力するよう促す表示をし、前記外部端末において前記認証情報が一致するか否かを判断した情報を受信し、前記認証情報が一致したら、前記外部端末から前記電子データを受信するよう制御することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
記憶媒体接続部をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記電子データが著作権有りと判断したとき、前記画像形成部による画像形成は地紋印刷とすることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項6】
認証情報を入力し、画像形成の指示をする操作部と、
前記認証情報を外部端末に送信し、前記外部端末から電子データを受信する通信部と、
前記通信部で受信した前記電子データを表示する表示部と、
前記通信部で受信した前記電子データを用紙に画像形成する画像形成部と、
前記操作部にて前記電子データの画像形成の指示がされたら、画像を形成するよう制御する制御部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
記憶媒体から認証情報を読み取り、
前記認証情報を外部端末に送信し、前記外部端末から電子データを受信し、
前記電子データを表示し、
前記電子データの前記電子データの画像形成の指示がされたら、画像を形成するよう制御する、
ことを特徴とする画像形成方法。
【請求項8】
前記認証情報を得たか否かを判断し、前記認証情報を得たと判断したら、前記外部端末から前記電子データを受信するよう制御することを特徴とする請求項7記載の画像形成方法。
【請求項9】
認証情報の入力を促す表示をし、前記外部端末において前記認証情報が一致するか否かを判断した情報を受信し、前記認証情報が一致したら、前記外部端末から前記電子データを受信するよう制御することを特徴とする請求項7記載の画像形成方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−245780(P2012−245780A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−59924(P2012−59924)
【出願日】平成24年3月16日(2012.3.16)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】