説明

画像形成装置及び転写ユニット

【課題】2次転写バイアスローラ19と、シャッター部材とで駆動モータを共用して部品点数を低減しつつ、従来よりもレイアウト自由度を向上させる。
【解決手段】押し当て部材として、光学センサーの検知部を開閉するシャッター部材、及び2次転写バイアスローラ19に連結された突き当てコロのうち、シャッター部材だけに押し当たるテーパー部199bを設けるとともに、シャッター部材及び突き当てコロのうち、突き当てコロだけに押し当たる偏心カム部181bを設け、且つ、テーパー部199b及び偏心カム部181bを共用モータで駆動するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面無端移動体の全域のうち、所定のテスト用トナー像が形成される領域の光学特性を光学センサーによって検知した結果に基づいて、トナー像形成手段の像形成条件を補正する画像形成装置に関するものである。また、かかる画像形成装置に用いられる転写ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、中間転写ベルト等の表面無端移動体におけるテスト用トナー像形成領域の光学特性を光学センサーによって検知した結果に基づいて、現像バイアスや潜像書込タイミングなどの像形成条件を補正する画像形成装置が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の画像形成装置は、光書込工程や現像工程によって感光体の表面上に形成したテスト用トナー像を、無端移動する転写ベルトの表面に転写する。そして、転写ベルト上のテスト用トナー像における単位面積たりのトナー付着量を光学センサーたる反射型フォトセンサーによって検知した結果に基づいて、感光体に対する光書込強度や現像バイアスを補正する。これにより、経時に渡る環境変動にかかわらず、目標の画像濃度を安定して得ることができる。
【0004】
また、特許文献2に記載の画像形成装置は、反射型フォトセンサーによる検知結果に基づいて、Y(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン),K(黒)トナー像の相対的な位置ズレを把握する。具体的には、この画像形成装置は、Y,M,C,K用の4つの感光体にそれぞれ形成した位置ずれ検知用トナー像を中間転写ベルト上に並べて転写して、位置ズレ検知用パターンを得る。そして、この位置ズレ検知用パターンにおける各色の位置ズレ検知用トナー像を反射型フォトセンサーによってそれぞれ検知するタイミングに基づいて、各色トナー像の相対的な位置ズレを把握する。次いで、その把握結果に基づいて、各色の感光体に対する潜像書込開始タイミングを補正することで、各色トナー像の位置ズレを低減する。これにより、経時に渡る環境変動にかからず、各色トナー像の位置ズレを所定範囲内に留めることができる。
【0005】
これらの画像形成装置のように、光学センサーを用いるものでは、トナーや埃などの異物が光学センサーの検知部(光入出窓)に付着すると、トナー像やトナー付着量を精度良く検知することができなくなってしまう。そこで、特許文献3に記載の画像形成装置は、光学センサーの検知部を覆う開閉可能なシャッター部材を設け、テスト用トナー像を検知しないときには検知部をシャッター部材で覆うことで、検知部に対する異物の付着を抑えるようになっている。
【0006】
また、この画像形成装置は、中間転写ベルトに対する2次転写ローラの接離機構と、シャッター部材とで駆動モータを共用することで、部品点数を減少させている。具体的には、2次転写ローラは、揺動可能な保持体に保持された状態で中間転写ベルトに当接することで、トナー像をベルトから記録紙に2次転写するための2次転写ニップを形成するものである。この2次転写ローラを保持している揺動可能な保持体には、偏心カムが当接している。また、この偏心カムに対しては、保持体とは反対側から揺動可能なシャッター部材が押し当てられている。駆動モータによって回転駆動される偏心カムがその大径箇所を保持体に突き当てる位置で回転停止すると、保持体に保持されている2次転写ローラが中間転写ベルトから離間する。このとき、偏心カムは、その小径箇所をシャッター部材に当接させる。この状態では、シャッター部材が反射型光学センサーの検知部との対向位置から待避して、検知部を露出させる。一方、偏心カムがその小径箇所を保持体に突き当てる位置で回転停止すると、保持体が中間転写ベルトにより近づく方向に移動して2次転写ローラを中間転写ベルトに当接させる。同時に、偏心カムがその大径箇所をシャッター部材に突き当てて、シャッター部材を反射型フォトセンサーの検知部との対向位置まで移動させる。これにより、検知部がシャッター部材によって閉じられる。かかる構成では、中間転写ベルトにテスト用トナー像を形成するときには、2次転写ローラを中間転写ベルトから離間させてテスト用トナー像の2次転写ローラへの転移を回避するとともに、反射型フォトセンサーの検知部を露出させてトナー像の検知を可能にすることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、この画像形成装置においては、偏心カムに対してシャッター部材と2次転写ローラの保持体との両方を当接させる必要があることから、シャッター部材と保持体とを互いに近距離に配設するレイアウトを採用せざるを得ない。これにより、レイアウト自由度を低下させてしまうという問題があった。
【0008】
なお、2次転写ローラの接離動作に限らず、中間転写ベルトなどの表面無端移動体に接離する何らかの接離部材の接離機構と、シャッター部材とで駆動源を共用する場合には、同様の問題が生じ得る。例えば、無端状の紙搬送ベルトの表面に保持している記録紙に対して各色の感光体のトナー像を重ね合わせて転写する画像形成装置において、ベルト表面の記録紙保持力を高めるために、バイアスローラをベルト表面に当接させるものが知られている。かかる構成において、バイアスローラの接離機構と、シャッター部材とで駆動源を共用する場合には、同様の問題が生ずる。
【0009】
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、次のような画像形成装置や転写ユニットを提供することである。即ち、駆動源の共用によって部品点数を低減しつつ、従来よりもレイアウト自由度を向上させることができる画像形成装置等である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、像担持体の表面にトナー像を形成するトナー像形成手段と、表面無端移動体の表面を前記像担持体との対向位置に進入させる経路で無端移動させつつ、前記対向位置で前記像担持体上のトナー像を前記表面無端移動体の表面、あるいは前記表面に保持される記録材、に転写せしめる転写手段と、前記表面無端移動体における移動方向と直交する方向の全域のうち、所定のテスト用トナー像が形成される領域の光学特性を検知する光学センサー、これを保持する保持体、及び前記光学センサーの検知部を開閉するシャッター部材を具備する光学ユニットと、前記光学センサーによる検知結果に基づいて前記トナー像形成手段の像形成条件を補正する条件補正手段と、前記表面無端移動体の表面に接離する接離部材と、前記シャッター部材や前記接離部材に対して直接又は間接的に押し当たるように配設され、自らの姿勢の変化によって押し当て量を変化させることで、前記シャッター部材や前記接離部材を動作させる押し当て部材と前記押し当て部材を駆動するための駆動力を発揮する駆動源とを備える画像形成装置において、前記押し当て部材として、前記シャッター部材又はこれに連結されたシャッター連結部材と、前記接離部材又はこれに連結された接離連結部材とのうち、前記シャッター部材又は前記シャッター連結部材だけに押し当たるシャッター押し当て部材を設けるとともに、前記シャッター部材又は前記シャッター連結部材と、前記接離部材又は前記接離連結部材とのうち、前記接離部材又は前記接離連結部材だけに押し当たる接離押し当て部材を設け、且つ、前記シャッター押し当て部材と前記接離押し当て部材とで前記駆動源を共用したことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、前記表面無端移動体として、自らのループ内側に配設された複数の張架部材にそれぞれ掛け回された状態で無端移動せしめられる無端状のベルト部材を用い、複数の前記張架部材の1つとして、自らの軸線方向を前記ベルト部材の幅方向に沿わせる姿勢で回転駆動するのに伴って前記ベルト部材を無端移動せしめる駆動ローラを用い、前記ループ内側で前記幅方向に沿って延在するように配設されたシャフトと、前記駆動ローラにおける軸線方向の一端側の軸部である第1軸部の周面上で空転する第1空転ギヤと、前記駆動ローラにおける軸線方向の他端側の軸部である第2軸部の周面上で空転する第2空転ギヤと、前記第1空転ギヤに噛み合うように前記シャフトの軸線方向における一端側の端部に固定された第1シャフトギヤと、前記第2空転ギヤに噛み合うように前記シャフトの軸線方向における他端側の端部に固定された第2シャフトギヤとを設け、自らのカム面を前記接離部材又は前記接離連結部材の前記幅方向における一端側箇所に押し当てる前記接離押し当て部材としての第1偏心カムを前記第1空転ギヤとともに前記第1軸部の周面上で空転させるようにし、且つ、自らのカム面を前記接離部材又は前記接離連結部材の前記幅方向における他端側箇所に当接させる前記接離押し当て部材としての第2偏心カムを前記第2空転ギヤとともに前記第2軸部の周面上で空転させるようにしたことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2の画像形成装置において、前記シャッター押し当て部材として、自らの回転方向に沿って延びるテーパーを自らの回転軸線方向の一端部に具備し、前記シャッター部材又は前記シャッター連結部材の前記幅方向における一端又は他端に対して前記テーパーを押し当てながら、自らの回転停止位置の変化によって押し当て量を変化させるもの、を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項3の画像形成装置において、前記光学ユニットとして、互いに前記幅方向の異なる位置であって且つ互いに前記ベルト部材の移動方向の異なる位置に配設された複数の前記光学センサーを具備するものを用い、前記テーパーによって前記幅方向に押される前記シャッター部材を、前記ベルト部材の表面に沿いつつ前記幅方向から傾いた方向である傾斜方向に沿って案内する案内手段を設け、前記押し当て量の変化により、傾斜方向における前記シャッター部材の位置を変化させることで、前記シャッター部材によって前記検知部を閉じている状態の光学センサーの個数を変化させるようにしたことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4の何れかの画像形成装置において、前記シャッター部材を前記検知部の表面に沿って平行移動させるようにするとともに、前記シャッター部材に固定されて前記シャッター部材とともに移動するのに伴って、前記検知部の表面に対して摺擦によるクリーニング処理を施すクリーニング部材を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、表面無端移動体の表面を像担持体との対向位置に進入させる経路で無端移動させつつ、前記対向位置で前記像担持体上のトナー像を前記表面無端移動体の表面、あるいは前記表面に保持される記録材、に転写せしめる転写手段と、前記表面無端移動体における移動方向と直交する方向の全域のうち、所定のテスト用トナー像が形成される領域の光学特性を検知する光学センサー、これを保持する保持体、及び前記光学センサーの検知部を開閉するシャッター部材を具備する光学ユニットと、前記表面無端移動体の表面に接離する接離部材と、前記シャッター部材や前記接離部材に対して直接又は間接的に押し当たるように配設され、自らの姿勢の変化によって押し当て量を変化させることで、前記シャッター部材や前記接離部材を動作させる押し当て部材と、前記押し当て部材を駆動するための駆動力を発揮する駆動源とを備える転写ユニットにおいて、前記押し当て部材として、前記シャッター部材又はこれに連結されたシャッター連結部材と、前記接離部材又はこれに連結された接離連結部材とのうち、前記シャッター部材又は前記シャッター連結部材だけに押し当たるシャッター押し当て部材を設けるとともに、前記シャッター部材又は前記シャッター連結部材と、前記接離部材又は前記接離連結部材とのうち、前記接離部材又は前記接離連結部材だけに押し当たる接離押し当て部材を設け、且つ、前記シャッター押し当て部材と前記接離押し当て部材とで前記駆動源を共用したことをことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
これらの発明においては、自らの姿勢の変化によってシャッター部材や接離部材を移動させる押し当て部材として、シャッター部材を移動させるためのシャッター押し当て部材と、接離部材を移動させるための接離押し当て部材とを個別に設けている。これにより、シャッター部材と接離部材とを互いに近距離に配設しなければならないという制約を解消しているので、レイアウト自由度を従来よりも向上させることができる。
また、シャッター押し当て部材と接離押し当て部材とで駆動源を共用することで、部品点数を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施形態に係るプリンタを示す概略構成図。
【図2】同プリンタのY用のプロセスユニットを示す拡大構成図。
【図3】開閉扉を開いた状態の同プリンタの開閉扉及び筺体を示す拡大構成図。
【図4】同プリンタにおける電気回路の一部を示すブロック図。
【図5】中間転写ベルトにK階調パターンを形成した状態の転写ユニットを示す斜視図。
【図6】中間転写ベルトにY,M,C階調パターンを形成した状態の転写ユニットを示す斜視図。
【図7】位置ズレ検知用パターンを形成した状態の中間転写ベルトを示す平面図。
【図8】シャッター部材を開いた状態の光学センサーユニットを中間転写ベルトとともに示す側面図。
【図9】シャッター部材を閉じた状態の光学センサーユニットを中間転写ベルトとともに示す側面図。
【図10】シャッター部材を開いた状態の光学センサーユニットを下方から示す平面図。
【図11】同転写ユニットのテーパーギヤを示す拡大斜視図。
【図12】シャッター部材を開いた状態の光学センサーユニットを同テーパーギヤとともに下方から示す平面図。
【図13】シャッター部材を閉じた状態の光学センサーユニットを同テーパーギヤとともに下方から示す平面図。
【図14】2次転写バイアスローラを中間転写ベルトから離間させた状態の転写ユニットを部分的に示す部分斜視図。
【図15】2次転写バイアスローラを中間転写ベルトに当接させた状態の転写ユニットを部分的に示す部分斜視図。
【図16】転写ユニットの一部をリア側から示す部分斜視図。
【図17】転写ユニットの一部をリア側から示す側面図。
【図18】転写ユニットの一部をフロント側から示す部分斜視図。
【図19】転写ユニットのフロント側端部を部分的に示す平面図。
【図20】転写ユニットのフロント側ギヤ群を、リア側から示す側面図。
【図21】実施例に係るプリンタの光学センサーユニットにおいて、シャッター部材を完全に開いた状態を下方から示す平面図。
【図22】シャッター部材を半分だけ開いた状態の同光学センサーユニットとを下方から示す平面図。
【図23】シャッター部材を完全に閉じた状態の同光学センサーユニットとを下方から示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式のプリンタ(以下、単にプリンタという)の一実施形態について説明する。
まず、本プリンタの基本的な構成について説明する。図1は、本プリンタを示す概略構成図である。同図において、このプリンタは、イエロー、マゼンタ、シアン、黒(以下、Y、M、C、Kと記す)のトナー像を生成するための4つの作像ユニット6Y,M,C,Kを備えている。これらは、画像形成物質として、互いに異なる色のトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっており、寿命到達時に交換される。Yトナー像を作像するための作像ユニット6Yを例にすると、これは図2に示されるように、像担持体たるドラム状の感光体1Y、ドラムクリーニング装置2Y、除電装置(不図示)、帯電装置4Y、現像器5Y等を有している。作像ユニット6Yは、ユニットの状態でプリンタ本体に対して脱着される。
【0014】
帯電装置4Yは、図示しない駆動手段によって図中時計回り方向に回転せしめられる感光体1Yの表面を一様帯電せしめる。一様帯電した感光体1Yの表面は、レーザー光Lによって露光走査されてY用の静電潜像を担持する。このYの静電潜像は、Yトナーと磁性キャリアとを含有するY現像剤を用いる現像器5Yによって現像されてYトナー像になる。そして、後述する中間転写ベルト8上に1次転写される。ドラムクリーニング装置2Yは、1次転写工程を経た後の感光体1Y表面に付着している転写残トナーを除去する。また、上記除電装置は、クリーニング後の感光体1Yの残留電荷を除電する。この除電により、感光体1Yの表面が初期化されて次の画像形成に備えられる。他色の作像ユニット(6M,C,K)においても、同様にして感光体(1M,C,K)上に(M,C,K)トナー像が形成されて、中間転写ベルト8上に重ね合わせて1次転写される。
【0015】
現像器5Yは、そのケーシングの開口から一部露出させるように配設された現像ロール51Yを有している。また、互いに平行配設された2つの搬送スクリュウ55Y、ドクターブレード52Y、トナー濃度センサー(以下、Tセンサーという)56Yなども有している。
【0016】
現像器5Yのケーシング内には、磁性キャリアとYトナーとを含む図示しないY現像剤が収容されている。このY現像剤は2つの搬送スクリュウ55Yによって撹拌搬送されて摩擦帯電せしめられながら、現像ロール51Yの表面に担持される。そして、ドクターブレード52Yによってその層厚が規制されてからY用の感光体1Yに対向する現像領域に搬送され、ここで感光体1Y上の静電潜像にYトナーを付着させる。この付着により、感光体1Y上にYトナー像が形成される。現像器5Yにおいて、現像によってYトナーを消費したY現像剤は、現像ロール51Yの回転に伴ってケーシング内に戻される。
【0017】
2つの搬送スクリュウ55Yの間には仕切壁が設けられている。この仕切壁により、現像ロール51Yや図中右側の搬送スクリュウ55Y等を収容する第1供給部53Yと、図中左側の搬送スクリュウ55Yを収容する第2供給部54Yとがケーシング内で分かれている。図中右側の搬送スクリュウ55Yは、図示しない駆動手段によって回転駆動せしめられ、第1供給部53Y内のY現像剤を図中手前側から奥側へと搬送しながら現像ロール51Yに供給する。図中右側の搬送スクリュウ55Yによって第1供給部53Yの端部付近まで搬送されたY現像剤は、上記仕切壁に設けられた図示しない開口部を通って第2供給部54Y内に進入する。第2供給部54Y内において、図中左側の搬送スクリュウ55Yは、図示しない駆動手段によって回転駆動せしめられ、第1供給部53Yから送られてくるY現像剤を図中右側の搬送スクリュウ55Yとは逆方向に搬送する。図中左側の搬送スクリュウ55Yによって第2供給部54Yの端部付近まで搬送されたY現像剤は、上記仕切壁に設けられたもう一方の開口部(図示せず)を通って第1供給部53Y内に戻る。
【0018】
透磁率センサーからなる上述のTセンサー56Yは、第2供給部54Yの底壁に設けられ、その上を通過するY現像剤の透磁率に応じた値の電圧を出力する。トナーと磁性キャリアとを含有する二成分現像剤の透磁率は、トナー濃度と良好な相関を示すため、Tセンサー56YはYトナー濃度に応じた値の電圧を出力することになる。この出力電圧の値は、図示しない制御部に送られる。この制御部は、Tセンサー56Yからの出力電圧の目標値であるY用Vtrefを格納したRAMを備えている。このRAM内には、他の現像器に搭載された図示しないTセンサーからの出力電圧の目標値であるM用Vtref、C用Vtref、K用Vtrefのデータも格納されている。Y用Vtrefは、後述するY用のトナー搬送装置の駆動制御に用いられる。具体的には、上記制御部は、Tセンサー56Yからの出力電圧の値をY用Vtrefに近づけるように、図示しないY用のトナー搬送装置を駆動制御して第2供給部54Y内にYトナーを補給させる。この補給により、現像器5Y内のY現像剤中のYトナー濃度が所定の範囲内に維持される。他のプロセスユニットの現像器についても、M,C,K用のトナー搬送装置を用いた同様のトナー補給制御が実施される。
【0019】
先に示した図1において、作像ユニット6Y,M,C,Kの図中下方には、光書込装置7が配設されている。潜像形成手段たる光書込装置7は、画像情報に基づいて発したレーザー光Lにより、作像ユニット6Y,M,C,Kにおけるそれぞれの感光体を光走査する。この光走査により、感光体1Y,M,C,K上にY,M,C,K用の静電潜像が形成される。なお、光書込装置7は、光源から発したレーザー光(L)を、モータによって回転駆動したポリゴンミラーで走査しながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体に照射するものである。
【0020】
光書込装置7の図中下側には、シート収容カセット26、これらに組み込まれた給送ローラ27など有するシート収容手段が配設されている。シート収容カセット26は、シート状の記録体たる記録シートPを複数枚重ねて収納しており、それぞれの一番上の記録シートPに給送ローラ27を当接させている。給送ローラ27が図示しない駆動手段によって図中反時計回りに回転せしめられると、一番上の記録シートPがシート供給路70に向けて送り出される。
【0021】
このシート供給路70の末端付近には、レジストローラ対28が配設されている。レジストローラ対28は、記録シートPを挟み込むべく両ローラを回転させているが、挟み込むとすぐに両ローラの回転を一旦停止させる。そして、適切なタイミングで両ローラの回転を再開して記録シートPを後述の2次転写ニップに向けて送り出す。
【0022】
作像ユニット6Y,M,C,Kの図中上方には、表面無端移動体たる中間転写ベルト8を張架しながら無端移動せしめる転写ユニット15が配設されている。転写ユニット15は、中間転写ベルト8の他、2次転写バイアスローラ19、クリーニング装置10などを備えている。また、4つの1次転写バイアスローラ9Y,M,C,K、駆動ローラ12、クリーニングバックアップローラ13、2次転写ニップ入口ローラ14なども備えている。中間転写ベルト8は、これら7つのローラにそれぞれ掛け回された状態で、駆動ローラ12の回転駆動によって図中反時計回り方向に無端移動せしめられる。
【0023】
1次転写バイアスローラ9Y,M,C,Kは、このようにして無端移動せしめられる中間転写ベルト8を感光体1Y,M,C,Kとの間に挟み込んでそれぞれ1次転写ニップを形成している。これら1次転写バイアスローラには、トナーとは逆極性(例えばプラス)の1次転写転写バイアスが印加される。1次転写バイアスローラ9Y,M,C,Kを除くローラは、全て電気的に接地されている。
【0024】
中間転写ベルト8は、その無端移動に伴ってY,M,C,K用の1次転写ニップを順次通過していく過程で、感光体1Y,M,C,K上のY,M,C,Kトナー像が重ね合わせて1次転写される。これにより、中間転写ベルト8上に4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。
【0025】
駆動ローラ12は、接離部材たる2次転写バイアスローラ19との間に中間転写ベルト8を挟み込んで2次転写ニップを形成している。中間転写ベルト8上に形成された4色トナー像は、この2次転写ニップで記録シートPに転写される。そして、記録シートPの白色と相まって、フルカラートナー像となる。
【0026】
2次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト8には、記録シートPに転写されなかった転写残トナーが付着している。これは、クリーニング装置10によってクリーニングされる。また、2次転写ニップで4色トナー像が一括2次転写された記録シートPは、転写後搬送路71を経由して定着装置20に送られる。
【0027】
定着装置20は、内部にハロゲンランプ等の発熱源を有する定着ローラ20aと、これに所定の圧力で当接しながら回転する加圧ローラ20bとによって定着ニップを形成している。定着装置20内に送り込まれた記録シートPは、その未定着トナー像担持面を定着ローラ20aに密着させるようにして、定着ニップに挟まれる。そして、加熱や加圧の影響によってトナー像中のトナーが軟化さしめられて、フルカラー画像が定着せしめられる。
【0028】
定着装置20内でフルカラー画像が定着せしめられた記録シートPは、定着装置20を出た後、排紙路72と反転前搬送路73との分岐点にさしかかる。この分岐点には、第1切替爪75が揺動可能に配設されており、その揺動によって記録シートPの進路を切り替える。具体的には、爪の先端を反転前送路73に近づける方向に動かすことにより、記録シートPの進路を排紙路72に向かう方向にする。また、爪の先端を反転前搬送路73から遠ざける方向に動かすことにより、記録シートPの進路を反転前搬送路73に向かう方向にする。
【0029】
第1切替爪75によって排紙路72に向かう進路が選択されている場合には、記録シートPは、排紙路72から排紙ローラ対100を経由した後、機外へと配設されて、プリンタ筺体の上面に設けられたスタック50a上にスタックされる。これに対し、第1切替爪75によって反転前搬送路73に向かう進路が選択されている場合には、記録シートPは反転前搬送路73を経て、反転ローラ対21のニップに進入する。反転ローラ対21は、ローラ間に挟み込んだ記録シートPをスタック部50aに向けて搬送するが、記録シートPの後端をニップに進入させる直前で、ローラを逆回転させる。この逆転により、記録シートPがそれまでとは逆方向に搬送されるようになり、記録シートPの後端側が反転搬送路74内に進入する。
【0030】
反転搬送路74は、鉛直方向上側から下側に向けて湾曲しながら延在する形状になっており、路内に第1反転搬送ローラ対22、第2反転搬送ローラ対23、第3反転搬送ローラ対24を有している。記録シートPは、これらローラ対のニップを順次通過しながら搬送されることで、その上下を反転させる。上下反転後の記録シートPは、上述のシート供給路70に戻された後、再び2次転写ニップに至る。そして、今度は、画像非担持面を中間転写ベルト8に密着させながら2次転写ニップに進入して、その画像非担持面に中間転写ベルトの第2の4色トナー像が一括2次転写される。この後、転写後搬送路71、定着装置20、排紙路72、排紙ローラ対100を経由して、機外のスタック部50a上にスタックされる。このような反転搬送により、記録シートPの両面にフルカラー画像が形成される。
【0031】
転写ユニット15と、これよりも上方にあるスタック部50aとの間には、ボトル支持部31が配設されている。このボトル支持部31は、Y,M,C,Kトナーを収容するトナー収容部たるトナーボトル32Y,M,C,Kを搭載している。トナーボトル32Y,M,C,K内のY,M,C,Kトナーは、それぞれ図示しないトナー搬送装置により、作像ユニット6Y,M,C,Kの現像器に適宜補給される。これらのトナーボトル32Y,M,C,Kは、作像ユニット6Y,M,C,Kとは独立してプリンタ本体に脱着可能である。
【0032】
反転搬送路74は開閉扉内に形成されており、この開閉扉は、外部カバー61と揺動支持体62とを有している。具体的には、開閉扉の外部カバー61は、プリンタ本体の筺体50に設けられた第1回動軸59を中心にして回動するように支持されている。この回動により、外部カバー61は、筺体50の図示しない開口を開閉する。また、開閉扉の揺動支持体62は、図3に示すように、外部カバー61が開かれることで外部に露出し、外部カバー61に設けられた第2回動軸63を中心にして回動するように外部カバーに支持されている。この回動により、筺体50から開かれた状態にある外部カバー61に対して、揺動支持体62が揺動して、外部カバー61と揺動支持体62とが分かれることで、反転搬送路74が露出する。このようにして反転搬送路74が露出することで、反転搬送路74内のジャムシートが容易に取り除かれる。
【0033】
先に示した図1においては、揺動支持体62が外部カバー61に接触する第1位置でその揺動を係止され、且つ、開閉扉60が閉じられた状態になっている。このような状態にある開閉扉は、揺動支持体62と、筺体50の本体側との間に、転写後搬送路71や、定着装置20から機外に至るまでの通紙路を形成している。開閉扉60が第1回動軸59を中心にして図中時計回りに回転せしめられて開かれると、筺体50の本体側と揺動支持体62とが大きく離間する。この離間により、先に図3に示したように、転写後搬送路71や、定着装置20から機外に至るまでの通紙路が外部に露出して、これら路内におけるジャム紙が容易に取り除かれる。
【0034】
なお、開閉扉60が開かれても転写ユニット15の大部分は筺体50の本体側に残るが、揺動支持体62に支持されている2次転写バイアスローラ19だけは、開閉扉側に移動する。また、レジストローラ対28における一方のローラも、開閉扉側に移動する。また、図1においては、本プリンタを前後方向の前側(フロント側)から示している。
【0035】
図4は、本プリンタにおける電気回路の一部を示すブロック図である。同図において、条件補正手段たる制御部200は、CPU201と、制御プログラムや各種データを記憶したROM202と、各種データを一時的に記憶するRAM203とを有している。この制御部200には、各周辺制御部との間で信号をやりとりするためのI/Oインターフェース204を介して光書込装置7、Tセンサー56Y,M,C,K、光書込装置7の制御を専用に司る光書込制御回路205、電源回路206、トナー補給回路207などが接続されている。また、フロントセンサー151、中央センサー152、リアセンサー153、共用モータ154等を具備する光学センサーユニット150も接続されている。なお、フロントセンサー151、中央センサー152、リアセンサー153は何れも、図示しない発光手段から発した光を中間転写ベルトの検知対象面で反射せしめ、その反射光を図示しない受光手段で検知する反射型フォトセンサーからなる。
【0036】
光書込制御回路205は制御部200からI/Oインターフェース204を介して入力される指令に基づいて光書込装置7を制御する。また、電源回路206は制御部200からI/Oインターフェース204を介して入力される指令に基づいて、各作像ユニットの帯電装置に高電圧を印加するととも、各現像装置の現像ローラにそれぞれ現像バイアスを印加する。
【0037】
トナー補給回路207は、制御部200からI/Oインターフェース204を介して入力される指令に基づいて、各色の図示しないトナー搬送装置を制御する。これにより、図示しない各色のトナーボトル(32Y,M,C,K)から各現像装置内の2成分現像剤へのトナー補給を制御する。
【0038】
制御部200は各色毎のTセンサー56Y,M,C,Kの出力値に基づいて現像装置内の2成分現像剤のトナー濃度が基準レベルになるような指令をI/Oインターフェース204を介してトナー補給回路207へ出力する。
【0039】
本プリンタは、以下のような作像条件補正処理を所定のタイミングで実施するように構成されている。即ち、光書込制御回路205が制御部200からI/Oインターフェース204を介して入力される指令に基づいて光書込装置7などを制御したり、制御部200が各作像ユニットや転写ユニットの駆動を制御したりして、中間転写ベルト上にY,M,C,K階調パターンをそれぞれ形成する。Y,M,C,K階調パターンは、予め定められた画素パターンからなる14個のY,M,C,Kパッチトナー像からなっている。そして、それぞれ14個のY,M,C,Kパッチトナー像は、互いに異なるトナー付着量になるように形成される。
【0040】
制御部200は、まず、図5に示されるように、ベルト移動方向に並ぶ14個のKパッチトナー像からなるK階調パターンKpを、中間転写ベルト8の幅方向の中央部に形成する。そして、それら14個のKパッチトナー像におけるそれぞれのトナー付着量を、中央センサー152によって検知する。この検知結果は、出力値Vpi(i=1〜14)として、I/Oインターフェース204を介してRAM203に送られる。
【0041】
次に、制御部200は、図6に示されるように、ベルト移動方向に並ぶ14個のYパッチトナー像からなるY階調パターンYpを、中間転写ベルト8の幅方向のフロント側端部に形成する。このとき、ベルト移動方向に並ぶ14個のMパッチトナー像からなるM階調パターンMpを、Y階調パターンYpに対してベルト幅方向に並べるように、ベルト幅方向の中央部に形成する。また、ベルト移動方向に並ぶ14個のCパッチトナー像からなるC階調パターンCpを、M階調パターンMpに対してベルト幅方向に並べるように、ベルト幅方向のリア側端部に形成する。そして、Y階調パターンYpの14個のYパッチトナー像におけるトナー付着量を反映しているフロントセンサー151からの出力値Vp1〜14が、RAM203内に記憶される。また、M階調パターンMpの14個のMパッチトナー像におけるトナー付着量を反映している中央センサー152からの出力値Vp1〜14が、RAM203内に記憶される。また、C階調パターンCpの14個のCパッチトナー像におけるトナー付着量を反映しているリアセンサー153からの出力値Vp1〜14が、RAM203内に記憶される。
【0042】
制御部200は、RAM203に記憶されたセンサー出力値と、ROM202内に格納されているデータテーブルとに基づいて、それぞれの出力値を単位面積当りのトナー付着量に換算し、トナー付着量データとしてRAM203に格納する。そして、Y,M,C,Kの各色についてそれぞれ、RAM203内に記憶されている14個のパッチトナー像についての現像ポテンシャルとトナー付着量のデータとに基づいて、現像ポテンシャルとトナー付着量データとの関係(現像特性)を示す近似直線を求めた後、その近似直線における傾きに基づいて、目標のトナー付着量が得られる現像バイアスや感光体一様帯電電位などを特定する。
【0043】
このようにして各色について適切な現像バイアスや感光体一様帯電電位を特定したら、次に、各色の位置ズレやスキューを検知する。具体的には、まず、中間転写ベルト8における幅方向の両端部と中央部とにそれぞれ、図7に示されるような位置ズレ検知用パターンを形成する。それぞれの位置ズレ検知用パターンは、ベルト移動方向に並ぶ8組のシェブロンパッチパターンを具備している(同図では、8組のうち、3組だけを示している)。1つのシェブロンパッチパターンは、ベルト幅方向に延在する4つの直行パッチ(K直交パッチSPk、M直交パッチSPm、C直交バッチSPc、Y直交パッチSPy)と、ベルト幅方向から45[°]傾いた姿勢で延在する4つの傾斜パッチ(K傾斜パッチTPk、M傾斜パッチTPm、C傾斜パッチTPc、Y傾斜パッチTPy)とを具備している。
【0044】
ベルト幅方向のフロント側端部に形成された位置ズレ検知用パターンの各パッチは、フロントセンサー151によって検知される。また、ベルト幅方向の中央部に形成された位置ズレ検知用パターンの各パッチは、中央センサー152によって検知される。また、ベルト幅方向のリア側端部に形成された位置ズレ検知用パターンの各パッチは、リアセンサー153によって検知される。各パッチの形成タイミングが適切であれば、各パッチの検知時間間隔が等しくなるが、不適切であると、検知時間間隔が不均一になる。また、光書込用の光学系にスキューが生じていなければ、3つの位置ズレ検知用パターンの間において、それぞれ同色のパッチが同じタイミングで検知されるが、スキューが生じていると検知タイミングが異なってくる。制御部200は、主走査方向(ベルト幅方向と同じ)や副走査方向(ベルト移動方向と同じ)における各パッチの検知時間間隔や検知タイミングのずれに基づいて、作像条件としての光学ミラーの傾きを調整したり、作像条件としての光書込タイミングを補正したりする。このような位置ズレ低減処理により、各色の重ね合わせずれや画像スキューを抑えることができる。
【0045】
なお、上述した階調パターンや位置ズレ検知用パターンを形成する際には、2次転写バイアスローラ19を中間転写ベルト8から離間させて、それらパターンの2次転写バイアスローラ19への転位を回避するようになっている。
【0046】
先に示した図6において、中間転写ベルト8の上には、押さえローラ11が配設されている。この押さえローラ11は、駆動ローラ12に対する掛け回し位置を通過した後のベルト箇所をベルトループ外側から押さえることで、自らよりも下流側におけるベルト箇所に対して水平方向に延在させる姿勢をとらせる。駆動ローラ12に対する掛け回し位置を通過した後、押さえローラ11による押さえ位置に進入する前のベルト箇所は、図示のように水平方向及び鉛直方向から傾いた姿勢で移動する。光学センサーユニットの3つのセンサー(151〜153)は、このように傾いた姿勢で移動するベルト箇所に対向している。
【0047】
図8は、光学センサーユニット150を中間転写ベルト8とともに示す側面図である。同図において、ホルダー部材156の側壁外面に固定されたフロントセンサー151、中央センサー152、リアセンサー153は、図示しない光を入出射させる検知部を中間転写ベルト8のおもて面に向けている。そして、その検知部の表面に対してベルトおもて面と平行な姿勢をとらせている。ホルダー部材156の底壁外面には、シャッター部材160がスライド移動可能に取り付けられている。シャッター部材160は、紙面に直交する方向に延在する細長い板形状になっており、図示の状態では、3つのセンサー(151〜153)の直下に位置していることで、それらセンサーの検知部を全て閉じている。
【0048】
シャッター部材160におけるセンサーとの対向面には、ブラシからなるクリーニング部材161が固定されており、これにより、各センサーの検知部とシャッター部材160との間隙が塞がれている。この状態から、図9に示されるようにシャッター部材160がスライド移動して3つのセンサー(151〜153)の直下から待避すると、3つのセンサーの検知部が露出する。これにより、3つのセンサーによるトナー像やトナー付着量の検知が可能になる。シャッター部材160は、スライド移動の際にクリーニング部材161を3つのセンサーの検知部に摺擦させることで、それら検知部の表面上の汚れを掻き取る。
【0049】
中間転写ベルト8の周方向における全域のうち、3つのセンサーとの対向領域には、裏打ち部材18がベルトループ裏面側から当接している。これにより、3つのセンサーとの対向領域におけるベルトの波打ちが回避されている。
【0050】
次に、実施形態に係るプリンタの特徴的な構成について説明する。
図10は、シャッター部材160を開いた状態の光学センサーユニット150を下方から示す平面図である。同図において、光学センサーユニット150のホルダー部材156は、自らの長手方向を図示しない中間転写ベルトの幅方向に沿わせる姿勢で、図示しないプリンタ本体側板に固定されている。このホルダー部材156の短手方向は、図示しない中間転写ベルトの移動方向に沿っている。シャッター部材160は、ベルト幅方向やベルト移動方向から傾いた方向に延在する長穴160aを、ベルト幅方向の一端付近、他端付近にそれぞれ具備している。それら長穴160aに対して挿入されたボルト158がホルダー部材156に設けられたネジ穴に螺号せしめられている。これにより、シャッター部材160が長穴160aの延在方向にスライドできるように、ホルダー部材156に保持されている。なお、同図では、便宜上、ボルト158における雄ネジ部だけを示しており、六角形のボルト頭部の図示を省略している。
【0051】
シャッター部材160の側方には、図11に示されるテーパーギヤ199が配設されている。このテーパーギヤ199は、円盤状のギヤ部199aと、テーパー部199bとを具備している。そして、テーパー部199bは、ギヤ部199aにおける軸線方向の一端側の側面に設けられており、ギヤ回転方向に徐々に厚みを増した後、一気に厚みを無くすテーパー形状になっている。
【0052】
シャッター部材160は、図示しない引っ張りコイルバネにより、図12の矢印A方向に向けて引っ張られている。この矢印A方向は、図示しない中間転写ベルトの幅方向に沿い、且つプリンタ本体のリア側からフロント側に向かう方向である。シャッター部材160が開いた状態では、同図に示されるように、シャッター部材160のフロント側端部に設けられたギヤ突き当て部160bが、テーパーギヤ199のテーパー部199bではなく、ギヤ部199aの側面に直接突き当たっている。換言すると、テーパーギヤ199が、テーパー部199bを突き当てない回転位置で停止することで、シャッター部材160がスライド移動方向(長穴160aの延在方向)における開位置で停止する。
【0053】
図示しない共用モータ(詳細は後述する)の回転駆動により、テーパーギヤ199がそのテーパー部199bの頂部をシャッター部材160のギヤ突き当て部160bに突き当てる位置で回転停止したとする。すると、図13に示されるように、テーパー部199bがシャッター部材160をプリンタ本体のフロント側からリア側に押す。そして、押されたシャッター部材160が、長穴160aに沿ってスライド移動して、3つのセンサー(151〜153)の直下で止まる。これにより、3つのセンサーの検知部がシャッター部材160によって覆われる。
【0054】
図14は、2次転写バイアスローラ19を中間転写ベルト8から離間させた状態の転写ユニット15を部分的に示す部分斜視図である。同図において、中間転写ベルト8のループ外側に配設された2次転写バイアスローラ19の軸線方向における一端側の軸部と、他端側の軸部とにはそれぞれ、突き当てコロ180が空転可能に取り付けられている。また、中間転写ベルト8のループ内側に配設された駆動ローラ12の軸線方向における一端側の軸部と、他端側の軸部とにはそれぞれ、カムギヤ181が空転可能に取り付けられている。それらカムギヤ181は、互いに軸線方向に並ぶ位置に一体形成されたギヤ部181a及び偏心カム部181bを具備している。カムギヤ181が、図示の位置で回転停止すると、カムギヤ181の偏心カム部181bにおける大径箇所が、突き当てコロ180に突き当たって、2次転写バイアスローラ19をベルトから離れる方向に押す。すると、2次転写バイアスローラ19が中間転写ベルト8から離間して、ベルトと2次転写ローラ19との間にギャップGが形成される。
【0055】
一方、カムギヤ181が図15に示される位置で回転停止すると、カムギヤ181が突き当てコロ180から離間する。これにより、2次転写バイアスローラ19が中間転写ベルト8に当接して2次転写ニップを形成する。
【0056】
図16は、転写ユニット15の一部をリア側から示す部分斜視図である。また、図17は、転写ユニットの一部をリア側から示す側面図である。これらの図において、転写ユニット15のリア側には、原動ギヤ182、第1中継ギヤ183、第2中継ギヤ184、第3中継ギヤ185、テーパーギヤ181等からなるリア側ギヤ群が設けられている。転写ユニット15は、ベルト幅方向にスライド移動するようにプリンタ本体に保持されている。そして、ベルト幅方向において、リア側からフロント側にスライド移動されることで、プリンタ本体から引き出される。また、フロント側からリア側にスライド移動されることで、プリンタ本体に装着される。この際、プリンタ本体に固定された図示しない共用カップリングと、原動ギヤ182のカップリング部182bとが連結する。また、駆動ローラ12の軸部材12aのリア側端部に固定された図示しない駆動カップリングと、プリンタ本体に固定された図示しない本体側駆動カップリングとが連結する。共用カップリングは、後述する図4に示される共用モータ154の回転駆動によって回転するものである。また、本体側駆動カップリングは、図示しない駆動モータの回転駆動によって回転するものである。
【0057】
共用モータ154から駆動力を受ける共用カップリングに連結した原動ギヤ182には、第1中継ギヤ183が噛み合っている。また、第1中継ギヤ183には、第2中継ギヤ184が噛み合っている。この第2中継ギヤ184は、ベルトループ内をリア側からフロント側に向けて貫通するように配設されたシャフト198のリア側端部に固定されたものである。同リア側端部には、第2中継ギヤ184の他、第3中継ギヤ185が固定されている。そして、この第3中継ギヤ185には、上述したカムギヤ181のギヤ部181aが噛み合っている。原動ギヤ182が回転すると、その回転力が、第1中継ギヤ183と、第2中継ギヤ184と、シャフト198と、第3中継ギヤ185と、カムギヤ181のギヤ部181aとに順次伝わる。これにより、リア側のカムギヤ181の偏心カム部181bが回転する。
【0058】
図18は、転写ユニット15の一部をフロント側から示す部分斜視図である。また、図19は、転写ユニット15のフロント側端部を部分的に示す平面図である。また、図20は、転写ユニット15のフロント側ギヤ群を、リア側から示す側面図である。これらの図に示されるように、転写ユニット15のフロント側には、カムギヤ181、第4中継ギヤ186、テーパーギヤ199等からなるフロント側ギヤ群が設けられている。第4中継ギヤ186は、上述したシャフト198のフロント側の端部付近に固定されている。この第4中継ギヤ186には、フロント側のカムギヤ181のギヤ部181aと、テーパーギヤ199のギヤ部199aとに噛み合っている。リア側において、図16における原動ギヤ182の回転駆動力が第1中継ギヤ183と第2中継ギヤ184とに伝わってシャフト198が回転すると、フロント側において、図18等に示される第4中継ギヤ186が回転する。そして、その回転力がフロント側のカムギヤ181に伝わって、カムギヤ181の偏心カム部181bが回転する。同時に、テーパーギヤ199が回転して図示しないシャッター部材を移動させる。
【0059】
以上のように、本プリンタにおいては、自らの姿勢の変化によってシャッター部材160や2次転写バイアスローラ19を移動させる押し当て部材として、シャッター部材160と2次転写バイアスローラ19とのうち、シャッター部材160だけに押し当たるシャッター押し当て部材たるテーパーギヤ199を設けている。また、シャッター部材160と2次転写バイアスローラ19とのうち、2次転写バイアスローラ19だけに押し当たる接離押し当て部材たるカムギヤ181を設けている。そして、テーパーギヤ199とカムギヤ181とで、共用モータ154を共用している。
【0060】
かかる構成では、テーパーギヤ199とカムギヤ181とを個別に設けたことで、シャッター部材160と2次転写バイアスローラ19とを互いに近距離に配設しなければならないという制約を解消しているので、レイアウト自由度を従来よりも向上させることができる。また、テーパーギヤ199とカムギヤ181とで共用モータ154を共用することで、部品点数を低減することができる。
【0061】
なお、本プリンタにおいては、テーパーギヤ199のテーパー部199bをシャッター部材160に直接接触させるようにしているが、テーパー部199bをシャッター部材160に連結されたシャッター連結部材に接触させるようにしてもよい。また、カムギヤ181の偏心カム部181bを2次転写バイアスローラ19に連結された押し当てコロ180に接触させるようにしているが、偏心カム部181bを2次転写バイアスローラ19に直接接触させるようにしてもよい。
【0062】
次に、実施形態に係るプリンタに、より特徴的な構成を付加した実施例のプリンタについて説明する。なお、以下に特筆しない限り、実施例に係るプリンタの構成は、実施形態と同様である。
【0063】
図21は、実施例に係るプリンタの光学センサーユニット150を下方から示す平面図である。実施例に係るプリンタにおいては、中央センサー152をフロントセンサー151やリアセンサー153よりもベルト移動方向の上流側にわずかにずらして配設している。同図では、シャッター部材160を完全に開いた状態の光学センサーユニット150を示している。この状態では、シャッター部材160が、全ての光学センサー(151〜153)の直下から待避して、全ての光学センサーの検知部を露出させる。
【0064】
図22は、シャッター部材160を半分だけ閉じた状態の光学センサーユニット150を下方から示す平面図である。図21の状態からテーパーギヤ199の回転停止位置をわずかにずらすと、図22に示されるように、シャッター部材160が、フロントセンサー151及びリアセンサー153だけを露出させるようになる。
【0065】
図23は、シャッター部材160を完全に閉じたい状態の光学センサーユニット150を下方から示す平面図である。図22の状態からテーパーギヤ199の回転停止位置をわずかにずらすと、図23に示されるように、シャッター部材160が、全ての光学センサーを閉じた状態になる。
【0066】
実施例に係るプリンタは、連続プリント動作中において、所定枚数のプリントが行われる毎に、連続プリント動作を中断することなく作像条件補正処理を実施する。但し、この場合、通常の作像条件補正処理とは異なり、各種のパターンを中間転写ベルトの幅方向の両端部であって、且つ記録紙に重ならない非画像領域にそれぞれ形成する。具体的には、まず、ベルトのフロント側端部にY階調パターンを形成するとともに、リア側端部にM階調パターンを形成する。このとき、ベルトの両端部を除く領域には、画像情報に基づくトナー像を形成する。次に、ベルトのフロント側端部にK階調パターンを形成するとともに、リア側端部にC階調パターンを形成する。このときも、ベルトの両端部を除く領域には、画像情報に基づくトナー像を形成する。次に、ベルトのフロント側端部とリア側端部とに、それぞれ位置ズレ検知用パターンを形成する。このときも、ベルトの両端部を除く領域には、画像情報に基づくトナー像を形成する。
【0067】
このような、連続プリント動作用の作像条件補正処理を実施するときには、図22に示されるように、シャッター部材160を半分だけ開いて、フロントセンサー151及びリアセンサー153だけを露出させる。これにより、ベルトの両端部に形成した各種のパターンを、フロントセンサー151やリアセンサー153によって検知することが可能になる。
【0068】
また、制御部200は、連続プリント動作中でないときに、作像条件補正処理の実施タイミングが到来したら、実施形態で説明したのと同様の作像条件補正処理を実施する。この際、図21に示されるように、シャッター部材160を完全に開いて、全ての光学センサー(151〜153)を露出させる。これにより、各種のパターンを3つの光学センサーによって検知することが可能になる。
【0069】
以上に説明した実施形態や実施例は一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
[態様A]
態様Aにおいては、実施形態に係るプリンタと同様に、中間転写ベルト8などの表面無端移動体として、自らのループ内側に配設された複数の張架ローラなどの張架部材にそれぞれ掛け回された状態で無端移動せしめられる無端状のベルト部材を用いる。また、複数の張架部材の1つとして、自らの軸線方向をベルト部材の幅方向に沿わせる姿勢で回転駆動するのに伴ってベルト部材を無端移動せしめる駆動ローラ12を用いる。また、ループ内側でベルト幅方向に沿って延在するように配設されたシャフト198と、駆動ローラ12における軸線方向のリア側の軸部である第1軸部の周面上で空転するリア側のカムギヤ181のギヤ部181aなどの第1空転ギヤと、駆動ローラ12における軸線方向のフロント側の軸部である第2軸部の周面上で空転するフロント側のカムギヤ181のギヤ部181aなどの第2空転ギヤと、第1空転ギヤに噛み合うようにシャフト198の軸線方向におけるリア側の端部に固定された第3中継ギヤ185などの第1シャフトギヤと、第2空転ギヤに噛み合うようにシャフト198の軸線方向におけるフロント側の端部に固定された第4中継ギヤ186などの第2シャフトギヤとを設けている。また、自らのカム面を2次転写バイアスローラ19などの接離部材又は接離連結部材のベルト幅方向におけるリア側箇所に押し当てる偏心カム部181bなどの第1偏心カムを第1空転ギヤのギヤ部とともに第1軸部の周面上で空転させるようにしている。更に、自らのカム面を接離部材又は接離連結部材のベルト幅方向におけるフロント側箇所に当接させるフロント側のカムギヤ181などの第2偏心カムを第2空転ギヤとともに第2軸部の周面上で空転させるようにしている。かかる構成においては、実施形態に係るプリンタと同様に、ベルト部材(例えば中間転写ベルト8)のループ側の空間を利用して、その空間に配設したシャフト198により、リア側の駆動力をフロント側に伝達することができるので、ループ外側でリア側からフロント側への駆動伝達を行う場合に比べて、省スペース化を図ることができる。
【0070】
[態様B]
態様Bにおいては、実施例に係るプリンタと同様に、偏心カム部181bなどのシャッター押し当て部材として、自らの回転方向に沿って延びるテーパーを自らの回転軸線方向の一端部に具備し、シャッター部材又はシャッター連結部材のベルト幅方向における一端又は他端に対してテーパー(例えばテーパー部199b)を押し当てながら、自らの回転停止位置の変化によって押し当て量を変化させるもの、を用いる。かかる構成においては、実施形態に係るプリンタと同様に、シャッター押し当て部材(例えばテーパーギヤ199)の回転停止位置により、シャッター部材又はシャッター連結部材に対する押し当て量を微妙に変化させることができる。そして、押し当て量の微妙な変化により、検知部を閉じているセンサーの個数を自在に変化させることができる。
【0071】
[態様C]
また、態様Cにおいては、実施例に係るプリンタと同様に、光学センサーユニット150などの光学ユニットとして、互いにベルト幅方向の異なる位置であって且つ互いにベルト部材の移動方向の異なる位置に配設された複数の光学センサーを具備するものを用いる。また、シャッター押し当て部材のテーパー(例えばテーパー部199b)によってベルト幅方向に押されるシャッター部材160を、ベルト部材の表面に沿いつつベルト幅方向から傾いた方向である傾斜方向に沿って案内する長穴160aなどの案内手段を設ける。更に、テーパーでの押し当て量の変化により、傾斜方向におけるシャッター部材160の位置を変化させることで、シャッター部材160によって検知部を閉じている状態の光学センサーの個数を変化させるようにする。かかる構成では、1つの共用モータの駆動により、検知部を閉じている状態の光学センサーの個数を容易に変化させることができる。
【0072】
[態様D]
態様Dにおいては、実施形態に係るプリンタと同様に、シャッター部材160を光学センサーの検知部の表面に沿って平行移動させるようにする。また、シャッター部材160に固定されてシャッター部材160とともに移動するのに伴って、検知部の表面に対して摺擦によるクリーニング処理を施すクリーニング部材161を設ける。かかる構成では、シャッター部材160を検知面の表面に沿って平行移動させることで、クリーニング部材161を検知面に対して平行に移動させて、均等な摺擦力を発揮する。これにより、非平行移動によって摺擦力を変化させてしまうものに比べて、検知面の傷付きの発生を抑えることができる。
【符号の説明】
【0073】
1Y,M,C,K:感光体(像担持体)
6Y,M,C,K:作像ユニット(トナー像形成手段の一部)
7:光書込装置(トナー像形成手段の一部)
8:中間転写ベルト(表面無端移動体、ベルト部材)
12:駆動ローラ
15:転写ユニット(転写手段)
19:2次転写バイアスローラ(接離部材)
150:光学センサーユニット(光学ユニット)
151:フロントセンサー(光学センサー)
152:中央センサー(光学センサー)
153:リアセンサー(光学センサー)
154:共用モータ(駆動源)
155:第3中継ギヤ(第1シャフトギヤ)
156:第4中継ギヤ(第2シャフトギヤ)
160:シャッター部材
160a:長穴(案内手段)
161:クリーニング部材
181:カムギヤ(接離押し当て部材)
181a:ギヤ部(第1空転ギヤ、第2空転ギヤ)
181b:偏心カム部
198:シャフト
199:テーパーギヤ(シャッター押し当て部材)
199a:ギヤ部
199b:テーパー部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0074】
【特許文献1】特開2002−006568号公報
【特許文献2】特開2001−034030号公報
【特許文献3】特開2009−145778号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体の表面にトナー像を形成するトナー像形成手段と、
表面無端移動体の表面を前記像担持体との対向位置に進入させる経路で無端移動させつつ、前記対向位置で前記像担持体上のトナー像を前記表面無端移動体の表面、あるいは前記表面に保持される記録材、に転写せしめる転写手段と、
前記表面無端移動体における移動方向と直交する方向の全域のうち、所定のテスト用トナー像が形成される領域の光学特性を検知する光学センサー、これを保持する保持体、及び前記光学センサーの検知部を開閉するシャッター部材を具備する光学ユニットと、
前記光学センサーによる検知結果に基づいて前記トナー像形成手段の像形成条件を補正する条件補正手段と、
前記表面無端移動体の表面に接離する接離部材と、
前記シャッター部材や前記接離部材に対して直接又は間接的に押し当たるように配設され、自らの姿勢の変化によって押し当て量を変化させることで、前記シャッター部材や前記接離部材を動作させる押し当て部材と
前記押し当て部材を駆動するための駆動力を発揮する駆動源とを備える画像形成装置において、
前記押し当て部材として、前記シャッター部材又はこれに連結されたシャッター連結部材と、前記接離部材又はこれに連結された接離連結部材とのうち、前記シャッター部材又は前記シャッター連結部材だけに押し当たるシャッター押し当て部材を設けるとともに、前記シャッター部材又は前記シャッター連結部材と、前記接離部材又は前記接離連結部材とのうち、前記接離部材又は前記接離連結部材だけに押し当たる接離押し当て部材を設け、且つ、前記シャッター押し当て部材と前記接離押し当て部材とで前記駆動源を共用したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1の画像形成装置において、
前記表面無端移動体として、自らのループ内側に配設された複数の張架部材にそれぞれ掛け回された状態で無端移動せしめられる無端状のベルト部材を用い、
複数の前記張架部材の1つとして、自らの軸線方向を前記ベルト部材の幅方向に沿わせる姿勢で回転駆動するのに伴って前記ベルト部材を無端移動せしめる駆動ローラを用い、
前記ループ内側で前記幅方向に沿って延在するように配設されたシャフトと、前記駆動ローラにおける軸線方向の一端側の軸部である第1軸部の周面上で空転する第1空転ギヤと、前記駆動ローラにおける軸線方向の他端側の軸部である第2軸部の周面上で空転する第2空転ギヤと、前記第1空転ギヤに噛み合うように前記シャフトの軸線方向における一端側の端部に固定された第1シャフトギヤと、前記第2空転ギヤに噛み合うように前記シャフトの軸線方向における他端側の端部に固定された第2シャフトギヤとを設け、
自らのカム面を前記接離部材又は前記接離連結部材の前記幅方向における一端側箇所に押し当てる前記接離押し当て部材としての第1偏心カムを前記第1空転ギヤとともに前記第1軸部の周面上で空転させるようにし、
且つ、自らのカム面を前記接離部材又は前記接離連結部材の前記幅方向における他端側箇所に当接させる前記接離押し当て部材としての第2偏心カムを前記第2空転ギヤとともに前記第2軸部の周面上で空転させるようにしたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2の画像形成装置において、
前記シャッター押し当て部材として、自らの回転方向に沿って延びるテーパーを自らの回転軸線方向の一端部に具備し、前記シャッター部材又は前記シャッター連結部材の前記幅方向における一端又は他端に対して前記テーパーを押し当てながら、自らの回転停止位置の変化によって押し当て量を変化させるもの、を用いたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項3の画像形成装置において、
前記光学ユニットとして、互いに前記幅方向の異なる位置であって且つ互いに前記ベルト部材の移動方向の異なる位置に配設された複数の前記光学センサーを具備するものを用い、
前記テーパーによって前記幅方向に押される前記シャッター部材を、前記ベルト部材の表面に沿いつつ前記幅方向から傾いた方向である傾斜方向に沿って案内する案内手段を設け、
前記押し当て量の変化により、傾斜方向における前記シャッター部材の位置を変化させることで、前記シャッター部材によって前記検知部を閉じている状態の光学センサーの個数を変化させるようにしたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れかの画像形成装置において、
前記シャッター部材を前記検知部の表面に沿って平行移動させるようにするとともに、
前記シャッター部材に固定されて前記シャッター部材とともに移動するのに伴って、前記検知部の表面に対して摺擦によるクリーニング処理を施すクリーニング部材を設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
表面無端移動体の表面を像担持体との対向位置に進入させる経路で無端移動させつつ、前記対向位置で前記像担持体上のトナー像を前記表面無端移動体の表面、あるいは前記表面に保持される記録材、に転写せしめる転写手段と、
前記表面無端移動体における移動方向と直交する方向の全域のうち、所定のテスト用トナー像が形成される領域の光学特性を検知する光学センサー、これを保持する保持体、及び前記光学センサーの検知部を開閉するシャッター部材を具備する光学ユニットと、
前記表面無端移動体の表面に接離する接離部材と、
前記シャッター部材や前記接離部材に対して直接又は間接的に押し当たるように配設され、自らの姿勢の変化によって押し当て量を変化させることで、前記シャッター部材や前記接離部材を動作させる押し当て部材と、
前記押し当て部材を駆動するための駆動力を発揮する駆動源とを備える転写ユニットにおいて、
前記押し当て部材として、前記シャッター部材又はこれに連結されたシャッター連結部材と、前記接離部材又はこれに連結された接離連結部材とのうち、前記シャッター部材又は前記シャッター連結部材だけに押し当たるシャッター押し当て部材を設けるとともに、前記シャッター部材又は前記シャッター連結部材と、前記接離部材又は前記接離連結部材とのうち、前記接離部材又は前記接離連結部材だけに押し当たる接離押し当て部材を設け、且つ、前記シャッター押し当て部材と前記接離押し当て部材とで前記駆動源を共用したことをことを特徴とする転写ユニット。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate


【公開番号】特開2012−252156(P2012−252156A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−124578(P2011−124578)
【出願日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】