説明

画像形成装置

【課題】 現像ユニットへの現像バイアス印加に起因して生じるノイズの発生防止対策を容易にとることができるようにし、機械誤動作や制御部内の不揮発性RAMのデータ化けを未然に防ぐことを可能にする画像形成装置を提供する。
【解決手段】 所定の現像バイアス電圧を出力する高電圧電源103と、高電圧電源103から印加された現像バイアスを用いて現像プロセスを行う回転型現像ユニットの高電圧入力端子7aと、高電圧電源103に対する制御信号を送出することにより高電圧電源103から現像ユニット7への電圧印加を制御する制御部102と、制御部102内のノイズを検知するノイズ検知部111とを備えた画像形成装置において、ノイズ検知部111の出力信号と高電圧電源103に対する制御信号とに基づいて、ノイズ検知部111で検知されたノイズが高電圧電源103から現像ユニットへの電圧印加に起因して生じたノイズであるか否かを判定する判定手段を設ける。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリンター、ファクシミリなどの画像形成装置に係り、詳しくは、現像装置等の画像形成ユニットへの電圧印加に起因して発生したノイズを検知する画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の画像形成装置としては、像担持体としての感光体を一様帯電する帯電装置、帯電した感光体表面に選択的に光を照射することにより静電潜像を形成する露光装置、該感光体上の静電潜像を現像して顕像を形成する現像装置、該感光体上の顕像を転写紙に転写する転写装置等の画像形成ユニットを備えたものが知られている。これらの画像形成ユニットの中には、該ユニットでの画像形成プロセスを実行するために、制御部からの制御信号に基づいて画像形成用電源から画像形成用電圧を印加する場合がある。例えば、上記画像形成ユニットの一つである現像装置においては、画像形成用電源として現像バイアス電源から、画像形成用電圧として現像バイアスを、該現像装置内の現像剤担持体としての現像ローラへ印加する。
【0003】上記現像装置においては、上記制御部からのON/OFF信号に応じて、上記現像バイアスを現像装置へ印加し現像プロセスを行う。このとき、例えば、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)及びブラック(Bk)の各色トナーを内蔵した4種の現像器を有する回転型現像装置を備えたカラー画像形成装置では、該複数の現像器の中から選択された1色目の現像器を現像位置に移動させたときに、該現像器の電圧入力端子が現像バイアス電源の電圧出力端子に電気的に接続するようになっている。上記制御部からの上記現像バイアス電源に対する制御信号がONになると、該出力端子と該入力端子とを介して該現像器へ現像バイアスが印加される。この現像バイアスが印加された現像器による現像が終了すると、上記制御部から該回転型現像装置に対する駆動制御信号に応じて、次の現像に用いる現像器が現像位置に位置するように、上記回転型現像装置が回転駆動される。この回転型現像装置の回転による現像器の切り換えに伴い、上記電源側の電圧出力端子と現像器側の電圧入力端子とが電気的に切断されたり接続されたりする。
【0004】例えば、上記シアン(C)色のトナー像とマゼンダ(M)色のトナー像とを像担持体上に続けて形成するときは、まず、現像対象色CのC現像器を像担持体に対向する現像位置に位置させる、上記制御部から上記回転型現像装置に対する駆動制御信号に従って、上記回転型現像装置を回転させる。そして、上記制御部からの上記現像バイアス電源に対する電圧印加制御信号に従って、該現像器の現像剤担持体としての現像ローラに現像バイアスを印加して現像を行う。次に、次の現像対象色MのM現像器を現像位置に移動させる該駆動制御信号に従って、該回転型現像装置を回転駆動させる。そして、該電圧印加制御信号に従って、該現像器の現像剤担持体としての現像ローラに現像バイアスを印加して現像を行う。この現像器の切り換えの際に、電源側の電圧出力端子は、■クローズ(C現像器の電圧入力端子と接続している)→ ■オープン(いづれの端子とも接続していない) →■クローズ(M現像器の電圧入力端子と接続している)と接続状態が変化する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記現像器を備えた場合について例示したように上記画像形成用電源側の電圧出力端子と上記画像形成ユニット側の電圧入力端子とのオープン/クローズが繰り返される画像形成装置では、該電圧出力端子と該電圧入力端子との接触不良が発生する場合がある。特に、両端子の接触部に、装置内に飛散したトナーが付着したり固着したりすると、上記接触不良が顕著になる。
【0006】上記両端子間に接触不良が発生すると、抵抗が変動し上記画像形成用電源の出力電流が変化して該電源内にノイズが発生しやすくなる。このノイズは、該電源と制御部とを結ぶ制御信号伝達経路などの電気的経路を介して、該制御部内に伝搬する。また、上記両端子間に接触不良によって抵抗が変動すると、該両端子間で放電が発生し、該放電によるノイズが上記制御部内に到達する場合もある。この制御部内のノイズは、該制御部における他の画像形成ユニットを制御する制御信号、該制御部を作動するための電源電圧や接地電位に重畳される。その結果、該制御部が制御する画像形成ユニットの誤動作や、不揮発性RAMのデータ化けを引き起こしてしまうという問題点があった。
【0007】なお、上記問題点は、上記現像バイアスを現像装置内の現像器へ印加する際の端子間の接触のみならず、抵抗が変動しうる経路において上述のように電圧印加を行うものであれば、たとえば、現像器が1つしかない現像装置、帯電装置及び転写装置など他の画像形成ユニットの場合にも発生しうるものである。
【0008】本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、ノイズ検知部が検知した制御部内のノイズが、画像形成ユニットへの画像形成用電圧印加に起因して生じたノイズであるか否かを判定することで、該ノイズの発生防止対策を容易にとることができるようにし、機械誤動作や制御部内の不揮発性RAMのデータ化けを未然に防ぐことを可能にする画像形成装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、請求項1の発明は、所定の画像形成用電圧を出力する画像形成用電源と、該画像形成用電源から印加された画像形成用電圧を用いて所定の画像形成プロセスを行う画像形成ユニットと、該画像形成用電源に対する制御信号を送出することにより該画像形成用電源から該画像形成ユニットへの電圧印加を制御する制御部と、該制御部内のノイズを検知するノイズ検知部とを備えた画像形成装置において、上記ノイズ検知部の出力信号と上記画像形成用電源に対する制御信号とに基づいて、該ノイズ検知部で検知されたノイズが該画像形成用電源から該画像形成ユニットへの電圧印加に起因して生じたノイズであるか否かを判定する判定手段を設けたことを特徴とするものである。
【0010】この画像形成装置において、上記画像形成用電源から上記画像形成ユニットに画像形成用電圧が印加される。上記画像形成用電圧印加に起因するノイズは、上記制御部が該画像形成用電圧を印加するように該画像形成用電源に対する制御信号を送出しているときに発生する。このため、上記ノイズ検知部で検知した該制御部内のノイズのうち、該制御信号が該画像形成用電圧を印加するような信号である期間(以下「電圧印加期間」という。)内に検知したノイズは、該画像形成ユニットへの画像形成用電圧印加に起因するノイズである確率が高い。一方、該電圧印加期間以外の期間内に検知したノイズは、該画像形成ユニットへの画像形成用電圧印加に起因するノイズでないと考えることができる。従って、上記ノイズ検知部の出力信号と上記画像形成用電源に対する制御信号とに基づいて、該ノイズ検知部で検知されたノイズが該画像形成用電源から該画像形成ユニットへの電圧印加に起因して生じたノイズであるか否かを判定手段で判定できる。この判定結果により、上記画像形成ユニットへの電圧印加に起因して制御部内にノイズが発生した場合に、該画像形成用電源から該画像形成ユニットに至る電圧印加経路に対して該ノイズの発生源を判定することが可能となる。
【0011】請求項2の発明は、上記画像形成ユニットとして、潜像体担持体上に形成した潜像を現像する現像装置を備え、上記画像形成用電源として、該現像装置に現像バイアスを印加する現像バイアス電源を備え、上記制御部からの該現像バイアス電源に対する制御信号に基づいて、該現像バイアス電源から該現像装置へ該現像バイアス電圧の印加する請求項1の画像形成装置であって、上記判定手段が、上記ノイズ検知部の出力信号と該現像バイアス電源に対する制御信号とに基づいて、該ノイズ検知部で検知されたノイズが該現像バイアス電源から該現像装置への電圧印加に起因して生じたノイズであるか否かを判定することを特徴とするものである。
【0012】上記判定手段での判定結果により、上記電圧出力端子及び上記電圧入力端子を介した現像装置への現像バイアス印加に起因して制御部内にノイズが発生した場合に、上記現像バイアス電源から該現像装置に至る電圧印加経路に対して該ノイズの発生源を判定することが可能となる。
【0013】請求項3の画像形成装置は、上記現像バイアス電源に上記現像バイアスが出力される電圧出力される電圧出力端子を設けるとともに、上記現像装置内に電圧入力端子を有する現像器を複数有し、複数ある該現像器のうちいずれか一つを現像バイアス電源の電圧出力端子に該電圧入力端子が接触する現像位置に移動させて像担持体上の潜像を現像するように、上記制御部からの制御信号に基づいて該現像装置を制御する駆動手段を備えた請求項2の画像形成装置であって、上記判定手段が、上記ノイズ検知部の出力信号及び上記現像バイアス電源に対する制御信号とともに上記現像装置に対する制御信号に基づいて、複数ある上記現像器のうちどの現像器に現像バイアス電圧を印加しているときに上記ノイズが発生したかを判定することを特徴とするものである。
【0014】この画像形成装置では、上記現像装置に対する制御信号により、どの現像器が現像位置に位置しているかがわかる。従って、上記ノイズ検知部の出力信号及び上記現像バイアス電源に対する制御信号に基づいて、上記制御部内のノイズが上記現像バイアス印加に起因して発生したノイズであると判定したときに、上記現像装置に対する制御信号により、該ノイズがどの現像器に現像バイアス印加しているときに発生したものかを判定手段で判定できる。この判定結果により、上記電圧出力端子及び上記電圧入力端子を介したある特定の現像器への現像バイアス印加に起因して制御部内にノイズが発生した場合に、上記現像バイアス電源から該特定の現像器に至る電圧印加経路に対して該ノイズの発生源を判定することが可能となる。
【0015】請求項4の発明は、請求項1、2又は3の画像形成装置において、上記ノイズ検知部で検知されたノイズが上記電圧印加に起因して生じたノイズであると判定したときに該ノイズの発生源の情報を報知する報知手段を設けたことを特徴とするものである。
【0016】この画像形成装置では、上記ノイズ検知部で検知されたノイズが上記電圧印加に起因して生じたノイズである判定したときに、上記報知手段を用いて、該ノイズの発生源を報知する。これをうけて、上記電圧端子の汚れ除去等の所定の処理を行うことで、速やかに該ノイズの発生要因を取り除くことが可能となる。なお、上記ノイズ検知部で検知されたノイズが上記電圧印加に起因して生じたノイズであると判定したときに、該報知手段に加えて、画像形成動作を停止するように制御してもよい。この場合は、上記ノイズに起因する機械誤動作や不揮発性RAMのデータ化けの発生をより確実に防止できる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を画像形成装置である電子写真式カラー複写機(以下、カラー複写機という)に適用した一実施形態について説明する。まず、図2R>2を用いて、本実施形態に係るカラー複写機の概略構成及び動作について説明する。このカラー複写機は、給紙ユニット1とプリンタ部2とスキャナ部3とを有する。これらは例えば図示のようにこの順に床面上に積み上げられて使用される。
【0018】上記プリンタ部2において、潜像担持体としての感光体4は、図中反時計回りに回転駆動されながら、一様帯電手段としての帯電部5により一様に帯電された後、露光部6により画像情報に基づき走査露光されて表面に静電潜像が形成される。この画像情報は、上記スキャナ部3によって原稿を読み取り、図示しない画像処理部でイエロー、マゼンタ、シアン、及び黒の色情報に分解した単色の画像情報である。感光体4上に形成された静電潜像は、画像形成ユニットの一つである現像装置としての回転型現像ユニット7に対向する。この回転型現像ユニット7は、Y(イエロー)、M(マゼンダ)、C(シアン)、Bk(黒)の4色の現像器を有し、回転により各現像器が交互に感光体4に対面し、これにより各色現像が行われる。
【0019】感光体4上に形成された各色画像は、感光体4と同期して図中時計回りに回転する中間転写ベルト8上に、イエロー、マゼンタ、シアン、及び黒の単色毎に順次重ね転写される。中間転写ベルト8上に重ね合わされたイエロー、マゼンタ、シアン、及び黒の画像は、プリンタ本体の両面複写兼用自動給紙カセット9、上記給紙ユニット1内の3つの給紙カセットあるいはプリンタ本体の手差し給紙トレイ10から給紙され、2次転写部へ搬送された転写紙上に一括転写される。2次転写プロセス終了後の転写紙は、搬送ベルト装置11によって定着部12に送られ、定着ヒータを内蔵する定着ローラ13と、該定着ローラ13に圧接して従動する加圧ローラ14とのニップ部でトナー像が定着された後、フルカラープリントとして機外に排出される。
【0020】なお、中間転写ベルト8上に転写されなかった感光体4上のトナーは、感光体クリーナ15により感光体4から除去される。また、転写紙上に転写されなかった中間転写ベルト8上のトナーは、中間転写ベルトクリーナ16により中間転写ベルト8から除去される。
【0021】次に、上記カラー複写機における画像形成用電源としての高電圧電源から、上記回転型現像ユニット7への画像形成用電圧としての現像バイアスの印加について説明する。図1は、本カラー複写機における現像バイアス印加について説明するためのブロック図である。このカラー複写機は、装置本体100側に、電源電圧供給用の電源ユニット(以下「PSU」という。)101と、装置内各部の制御を行う制御部102と、所定の現像バイアスを生成して出力する画像形成用電源(現像バイアス電源)としての高電圧電源103とを備えている。上記PSU101は、図示しない接地電位を印加するための図示しない接地端子と該接地電位を基準に所定の直流電源電圧を印加するための電源端子104とを有する制御部電源部105を内蔵している。上記制御部102は、PSU101の接地端子から接地電位が印加される図示しない接地線と、該PSU101内の制御部電源部105の電源端子104から所定の直流電源電圧(図示の例では5V)が印加される電源線106とを有している。上記高電圧電源103は、上記制御部102内の接地線に電気的に接続される図示しない接地入力端子と、上記電源線106に電気的に接続される電源入力端子107とを有し、制御部102と高電圧電源103とを結ぶ現像バイアス印加制御信号伝達経路108を介して伝達されるON/OFF制御信号に応じて現像バイアスを生成して出力する。
【0022】また、上記回転型現像ユニット7は、高電圧電源103と電気的に接続及び切断可能に構成されている。具体的には、高電圧電源103で生成した現像バイアスが出力される高電圧出力端子109に、制御部102から駆動制御信号伝達経路110を介して伝達される駆動制御信号に応じて、回転型現像ユニット7の各現像器に対応して設けられた4つの高電圧入力端子7aのいずれか一つが接触する。この電圧出力端子109及び電圧入力端子7aを介して回転型現像ユニット7に現像バイアスが印加されることとなる。
【0023】また、本カラー複写機は、上記制御部102内のノイズを検知するノイズ検知部111と、該ノイズ検知部111で検知されたノイズが高圧電源103から回転型現像ユニット7への電圧印加に起因して生じたノイズであるか否かを判定する判定手段としてのノイズ源判定部112とを備えている。ノイズ源判定部112は、ノイズ検知部111からの出力信号と、上記高電圧出力端子109と上記高電圧入力端子7aとの離接を伴う回転型現像ユニット7内の現像器への現像バイアスを印加するか否かを制御する制御信号とに基づいて、該ノイズ検知部で検知したノイズが上記電圧出力端子107と上記電圧入力端子7aとの離接を伴う現像バイアス印加に起因するノイズであるか否かを判定する。
【0024】上記ノイズ検知部111は、上記制御部電源部105とは電気的に独立して構成され所定の比較用電位を出力する第2の直流電源113と、該所定の比較用電位と制御部102の電源線106の電位とを比較して該電源線106にのったノイズを検知する。また、上記ノイズ源判定部112は、ノイズ検知部111の出力信号と、制御部102から高電圧電源103に送出される現像バイアス印加ON/OFFの制御信号とに基づいて、ノイズを判定する。具体的には、上記現像バイアス印加ON/OFFの制御信号が印加ON信号になっている期間内に上記ノイズ検知部111でノイズが検知されている場合に、該ノイズが電圧出力端子109と電圧入力端子7aとの離接を伴う現像バイアス印加に起因するノイズであると判定する。また、上記4つの現像器のうちどの現像器への現像バイアス印加で該ノイズが発生しているか否かは、上記現像ユニットの回転駆動を制御する駆動制御信号に基づいて判定する。
【0025】以下、上記ノイズ判定の構成及び動作についてより詳しく説明する。上記PSU101は、上記制御部電源部105とは独立して上記比較用電圧を生成及び出力する第2の直流電源としての比較用電源部113を有している。この比較用電源部113の電圧出力線114の比較用電圧Vrefは、制御部電源部105の電源端子104を経由して印加された電源電圧Vbとともに、ノイズ検知部111のコンパレータからなる電圧比較回路111aに入力され、その出力は後続のノイズ発生判定回路111bにおいて、ノイズが発生している否かの判定を行う。そして、このノイズ発生判定回路111bの出力信号は上記制御信号伝達経路110を経て伝達される上記駆動制御信号とともに、制御部102内に設けられたノイズ源判定部112に入力される。
【0026】上記比較用電位Vrefは、制御部102内の電源線106に印加した場合に正常な画像形成動作が可能な電位範囲と、正常な画像形成動作が不可能な電位範囲との境界の値、更に具体的には正常な画像形成動作が可能な下限の値に設定されている。そして、上記比較用電位Vrefは、制御部102への電源電圧供給を行う制御部電源部105とは独立した比較用電源部113によって生成されているので、高電圧電源103の高電圧出力端子109と回転型現像ユニット7の高電圧入力端子7aとが電気的に接続及び切断を繰り返すことで制御部102内の電源線106上にノイズが発生したとしても、これによって比較用電源部113から出力される比較用電位Vrefが変動することはない。従って、上記電圧比較回路111aは、図3に示すように、上記制御部102内の電源線106の電位Vb(図中の符号a1のライン)を上記比較用電位Vrefと比較して、該制御部102の電源線106の電位Vbが、ノイズの発生によって該比較用電位Vrefよりも低い値となったときにLow(L)レベルの信号を、それ以外のときにHigh(H)レベルの信号を出力する。その出力を受けてノイズ源判定部112では、例えば、電圧比較回路111aからのLレベルの出力パルス信号をカウンタなどからなるノイズ発生判定回路111bで計数し、ノイズ発生回数が、あるノイズ判定規則によって予め設定した所定のしきい値(図3の例では、4個)を超えたとき、制御部102内にノイズが発生していると判定する。そして、該ノイズ発生判定回路111bの出力を、ノイズなしのHレベル信号からノイズ有りというLレベルの出力信号へ変化させる。その後、上記電圧比較回路111aからのLレベルの出力パルス信号が、所定期間toにわたって出力されないタイミングで、ノイズ発生判定回路111bの出力を、ノイズ内のHレベル信号に変化させる。
【0027】図4は、ノイズ源判定部112に入力される現像バイアス印加の制御信号と上記ノイズ検知部111の出力信号を示すタイミングチャートである。ノイズ源判定部112では、ノイズ検知部111からの出力信号と、現像バイアスを印加するか否かを制御する現像バイアス印加制御信号とに基づき、図4の符号Aで示す領域のように、両信号が共にLレベルとなっているときのみ、すなわち現像バイアス印加がONで且つノイズ有りのときのみ、現像器への現像バイアス印加に起因するノイズであると判定する。一方、図4の符号Bで示す領域のように、現像バイアス印加の制御信号がHレベルでノイズ検知部111の出力信号がLレベルのとき、すなわち、現像バイアス印加OFFで且つノイズ有りのときは、他の要因に起因するノイズであると判定する。
【0028】以上、本実施形態によれば、制御部102内に発生したノイズが回転型現像ユニット7への現像バイアス印加に起因したノイズであるか否かを判定することで、上記高電圧入出力端子表面のクリーニング等の該ノイズの発生防止対策を容易にとることができる。従って、該ノイズに起因した機械誤動作や制御部内の不揮発性RAM内のデータ化けの防止が可能となる。
【0029】なお、上記実施形態において、上記回転型現像ユニット7への現像バイアス印加に起因したノイズが発生している場合に、そのノイズが該現像ユニット7内のどの現像器への現像バイアス印加に起因して発生したものかについて更に詳しいノイズ源の判定をするように構成してもよい。
【0030】図5は、上記ノイズ源の判定について説明するための現像バイアス印加ON/OFFの制御信号と、上記ノイズ検知部111の出力信号と、上記現像ユニット7内の何色の現像器を現像位置に移動させるかについての該現像ユニット7に対する駆動制御信号とを示している。図5の符号Aで示す領域のように、ノイズ検知部111からの出力信号と現像バイアス印加ON/OFFの制御信号の両信号が共にLレベルとなっているときに、上記駆動制御信号が何色の現像器を現像位置に移動させる信号かを判定することで、どの現像器への現像バイアス印加に起因するノイズが発生しているかまでを更に判定できる。図5の例では、シアン色の現像器が現像位置にあり、該現像器に現像バイアスを印加しているときにノイズが発生したものと判定することができる。従って、このシアン色の現像器についてノイズ発生防止対策をとればよい。
【0031】また、図1に2点差線で示すように、上記ノイズ検知部で検知されたノイズが上記電圧印加に起因して生じたノイズであると判定したときに該ノイズの発生源の情報を報知する報知手段113として、ービスマンコールを表示する表示部を設けて、図示しない操作表示パネルに表示するようにしてもよい。この実施形態においては、図6に示すように、サービスマンコールにて呼ばれたサービスマンは、報知されたノイズ発生に起因する現像色を確認し、ノイズ発生に起因すると思われる現像色の現像器の現像バイアス印加入力端子(高電圧入力端子)の汚れ、端子の破損等を確認し、速やかに清掃、部品交換を実施できる。また、上記サービスマンコールの表示とともに、速やかに機械停止を行うように制御し、該ノイズに起因した機械誤動作や制御部内の不揮発性RAM内のデータ化け等をより確実に防止するようにしてもよい。
【0032】また、上記実施形態では、ノイズ検知部111として電圧比較回路111aを用いた場合について説明したが、本発明は、制御部102内のノイズを検知できるものであれば、ノイズ検知部の構成に限定されることなく適用できるものである。
【0033】また、上記実施形態では、複数の現像器を有する回転型現像ユニット7に現像バイアスを印加するときに発生するノイズについて説明したが、本発明は、制御部内にノイズを発生させるおそれがあるものであれば、高電圧を印加する他の画像形成ユニット(帯電部や転写部)を備えた画像形成装置についても適用できるものである。
【0034】
【発明の効果】請求項1乃至4の発明によれば、ノイズ検知部が検知した制御部内のノイズが、画像形成ユニットへの画像形成用電圧印加に起因して生じたノイズであるか否かを判定することで、該ノイズの発生防止対策を容易にとることができる。従って、該ノイズに起因した機械誤動作や制御部内の不揮発性RAM内のデータ化けの防止が可能となるという優れた効果がある。
【0035】特に、請求項2及び3の発明によれば、画像形成ユニットへの画像形成用電圧印加としての、現像装置への現像バイアス印加に起因して生じたノイズによる機械誤動作や制御部内の不揮発性RAM内のデータ化けの防止が可能となるという優れた効果がある。
【0036】また特に、請求項3の発明によれば、現像装置内の複数の現像器を有している場合においても、現像装置内の特定の現像器への現像バイアス印加に起因して生じたノイズによる機械誤動作や制御部内の不揮発性RAM内のデータ化けの防止が可能となるという優れた効果がある。
【0037】また、請求項4の発明によれば、上記ノイズ検知部で検知されたノイズが上記電圧印加に起因して生じたノイズであると判定したときに、該ノイズの発生源を上記報知手段を用いて報知できるので、上記端子の汚れ除去等の所定の処理を行うことで、速やかに該ノイズの発生要因を取り除くことが可能となるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るカラー複写機における現像バイアス印加を制御する制御系のブロック図。
【図2】同カラー複写機の概略構成を示す正面図。
【図3】同制御系の制御部内に設けたノイズ検知部の比較用電源電圧及び出力信号並びにノイズ判定部の出力信号のタイミングチャート。
【図4】同制御系の現像バイアスのON/OFF制御信号及びノイズ源判定部の出力信号のタイミングチャート。
【図5】他の実施形態に係る現像バイアスのON/OFF制御信号及びノイズ検知部の出力信号のタイミングチャート。
【図6】同実施形態におけるノイズ判定動作を示すフローチャート。
【符号の説明】
1 給紙ユニット
2 プリンタ部
3 スキャナ部
4 感光体
5 帯電部
6 露光部
7 回転型現像ユニット
7a 高電圧入力端子
8 中間転写ベルト
9 両面複写兼用自動給紙カセット
10 手差し給紙トレイ
11 搬送ベルト装置
12 定着部
13 定着ローラ
14 加圧ローラ
15 感光体クリーナ
16 中間転写ベルトベルトクリーナ
100 装置本体
101 PSU
102 制御部
103 高電圧電源
104 電源端子
105 制御部電源部
106 電源線
107 電源入力端子
108 現像バイアス印加制御信号伝達経路
109 高電圧出力端子
110 駆動制御信号伝達経路
111 ノイズ検知部
111a 電圧比較回路
111b ノイズ発生判定回路
112 ノイズ源判定部
113 比較用電源部
114 報知手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】所定の画像形成用電圧を出力する画像形成用電源と、該画像形成用電源から印加された画像形成用電圧を用いて所定の画像形成プロセスを行う画像形成ユニットと、該画像形成用電源に対する制御信号を送出することにより該画像形成用電源から該画像形成ユニットへの電圧印加を制御する制御部と、該制御部内のノイズを検知するノイズ検知部とを備えた画像形成装置において、上記ノイズ検知部の出力信号と上記画像形成用電源に対する制御信号とに基づいて、該ノイズ検知部で検知されたノイズが該画像形成用電源から該画像形成ユニットへの電圧印加に起因して生じたノイズであるか否かを判定する判定手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】上記画像形成ユニットとして、潜像体担持体上に形成した潜像を現像する現像装置を備え、上記画像形成用電源として、該現像装置に現像バイアスを印加する現像バイアス電源を備え、上記制御部からの該現像バイアス電源に対する制御信号に基づいて、該現像バイアス電源から該現像装置へ該現像バイアス電圧の印加する請求項1の画像形成装置であって、上記判定手段が、上記ノイズ検知部の出力信号と該現像バイアス電源に対する制御信号とに基づいて、該ノイズ検知部で検知されたノイズが該現像バイアス電源から該現像装置への電圧印加に起因して生じたノイズであるか否かを判定することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】上記現像バイアス電源に上記現像バイアスが出力される電圧出力される電圧出力端子を設けるとともに、上記現像装置内に電圧入力端子を有する現像器を複数有し、複数ある該現像器のうちいずれか一つを現像バイアス電源の電圧出力端子に該電圧入力端子が接触する現像位置に移動させて像担持体上の潜像を現像するように、上記制御部からの制御信号に基づいて該現像装置を制御する駆動手段を備えた請求項2の画像形成装置であって、上記判定手段が、上記ノイズ検知部の出力信号及び上記現像バイアス電源に対する制御信号とともに上記現像装置に対する制御信号に基づいて、複数ある上記現像器のうちどの現像器に現像バイアス電圧を印加しているときに上記ノイズが発生したかを判定することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】請求項1、2又は3の画像形成装置において、上記ノイズ検知部で検知されたノイズが上記電圧印加に起因して生じたノイズであると判定したときに該ノイズの発生源の情報を報知する報知手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2000−250363(P2000−250363A)
【公開日】平成12年9月14日(2000.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平11−48162
【出願日】平成11年2月25日(1999.2.25)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】