説明

画像形成装置

【課題】 小さな搭載スペースでありながらも、複数の情報をユーザに適切に報知することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】 画像形成装置1は、外部の無線ネットワーク装置との間で無線LANを介した無線通信を行う無線LAN通信機能部20を備える。無線LAN通信機能部20は、無線ネットワーク装置との間で行われる通信に関する通信状態を判断する通信状態判断部23と、この通信状態判断部23によって判断された通信状態を報知する報知部24とを有する。報知部24は、複数のLEDの点滅動作の組み合わせで複数の通信状態のうち所定の通信状態を報知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部の無線ネットワーク装置から無線通信を行って受信した画像情報に基づいて、所定の記録媒体に対する画像形成を行う画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機やプリンタといった所定の記録媒体に対して画像を形成する画像形成装置が普及しており、さらなる開発が進められている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開平11−227967号公報
【0004】
一方、近年のネットワーク技術の進歩にともない、いわゆるIEEE(Institute of Electronic and Electronics Engineers)802.11に準拠した無線LAN(Local Area Network)をはじめとする各種無線通信技術が開発されている。このような状況のもと、従来ではコンピュータ等の外部機器との間で有線ネットワークを介して接続していた画像形成装置においても、その利便を享受すべく、かかる外部機器との間で無線ネットワークを介して接続することが多くなっている。
【0005】
このような無線通信機能を備える画像形成装置においては、その通信状態をユーザに報知する報知部が設けられている。かかる報知部としては、一般に、通信状態を視覚情報として表示するディスプレイの他、通信状態を点灯状態の変化によって報知するLED(Light Emitting Diode)等の発光素子が用いられる。
【0006】
しかしながら、画像形成装置においては、報知部としてLEDを用いた場合には、その情報の表現方法として、点灯/消灯/点滅しか存在せず、ディスプレイを用いた場合に比べて表現可能な情報が非常に少ないという問題がある。そこで、画像形成装置においては、詳細な情報を確認するために、各種装置レポートを印刷する機能や、当該画像形成装置とは異なる他の装置から当該画像形成装置にアクセスするための専用のユーティリティやツールを設け、報知部による情報表現能力の不足を補完している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、画像形成装置においては、小型化が図られるのにともない、報知部の小型化も要求されている。したがって、豊富な情報を表示するために大型の表示画面を有するディスプレイ等の機器を報知部として搭載することは、搭載スペースの関係上、困難となっている。したがって、画像形成装置においては、搭載スペースが小さくて済むLEDを報知部として用いるのが望ましい。これに対して、画像形成装置においては、機種が増える毎にユーザに報知したい情報が増加しているのが現状であり、情報表現能力に乏しいLEDのみを用いることも困難となっている。特に、近年では、上述した無線通信機能を備えた画像形成装置が増加しているが、無線がゆえに通信状態等を逐次ユーザに報知し、トラブル発生時の迅速な対応が要求されており、報知すべき情報は増加の一途を辿っている。
【0008】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、小さな搭載スペースでありながらも、複数の情報をユーザに適切に報知することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した目的を達成する本発明にかかる画像形成装置は、外部の無線ネットワーク装置から所定の無線通信手段を介して受信した画像情報に基づいて、所定の記録媒体に対する画像形成を行う画像形成装置であって、前記無線ネットワーク装置との間で行われる通信に関する通信状態を判断する通信状態判断手段と、前記無線通信手段に設けられ、前記通信状態判断手段によって判断された前記通信状態を報知する報知手段とを備え、前記報知手段は、複数の報知素子の動作の組み合わせで複数の通信状態のうち所定の通信状態を報知することを特徴としている。
【0010】
このような本発明にかかる画像形成装置においては、無線通信手段に設けられた複数の報知素子の動作の組み合わせで通信状態を報知することから、小さな搭載スペースであっても情報表現能力を向上させることができる。
【0011】
ここで、前記報知手段は、ユーザにとってより印象的に報知形態とすべく、前記通信状態判断手段によって判断された前記通信状態に応じて、前記複数の報知素子を間欠動作させるのが望ましい。
【0012】
また、本発明にかかる画像形成装置は、前記無線ネットワーク装置との間で行われる通信に関する通信状態を示す情報を、当該無線ネットワーク装置との通信中に取得して保持する通信状態保持手段を備え、前記通信状態判断手段は、前記通信状態保持手段から前記通信状態を示す情報を取得する。これにより、本発明にかかる画像形成装置においては、通信前における状態のみならず通信中の状態も追加で報知することが可能となる。
【0013】
なお、前記報知素子としては、LED等の所定の色光を発光する発光素子や、所定の音を出力する発信機を用いることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明においては、小さな搭載スペースであっても情報表現能力を向上させることができ、複数の情報をユーザに適切に報知することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0016】
この実施の形態は、外部の無線ネットワーク装置から無線通信を行って受信した画像情報に基づいて、所定の記録媒体に対する画像形成を行う画像形成装置である。特に、この画像形成装置は、無線通信機能を担う機能部に複数の報知素子を有する報知部を設け、無線ネットワーク装置との間で行われる通信に関する各種通信状態を含む複数の情報をユーザに報知するものである。
【0017】
なお、以下では、説明の便宜上、いわゆるIEEE(Institute of Electronic and Electronics Engineers)802.11に準拠した無線LAN(Local Area Network)を利用して、プリンタとして構成された画像形成装置と外部機器とが通信を行うものとする。また、以下では、上述した報知部における報知素子として、緑色光を発光する1個の緑色LED(Light Emitting Diode)と橙色光を発光する1個の橙色LEDとが設けられるものとして説明する。
【0018】
まず、第1の実施の形態として示す画像形成装置について説明する。
【0019】
図1に示すように、画像形成装置1は、当該画像形成装置1を統括的に制御するCPU(Central Processing Unit)11と、当該画像形成装置1の動作制御を行うための各種プログラムを格納するプログラム格納領域12と、各種情報を格納するメモリ領域13と、各種画像処理を行う画像処理部14と、画像形成を行うプリンタエンジン部15と、このプリンタエンジン部15を接続するエンジンインターフェース部16と、各種入力操作及び表示を行う操作/表示部17と、ネットワーク関連のプロトコル処理を行うプロトコル処理部18と、外部機器30を接続するホストインターフェース部19と、無線LANを介した無線通信を行う無線通信手段である無線LAN通信機能部20と、この無線LAN通信機能部20を接続する無線LANインターフェース部21とを備える。
【0020】
CPU11は、マイクロプロセッサ等から構成され、プログラム格納領域12に格納されたプログラム(ファームウェア)を実行することにより、当該画像形成装置1を統括的に制御する。
【0021】
プログラム格納領域12は、例えば、ROM(Read Only Memory)や、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ等から構成され、当該画像形成装置1の動作制御を行うための各種プログラム(ファームウェア)を格納する。このプログラム格納領域12に格納されたプログラムは、上述したように、CPU11によって読み出されて実行される。また、このプログラム格納領域12に格納されたプログラムは、不揮発性メモリに格納されている場合には、CPU11の制御のもとに書き換えることが可能とされる。
【0022】
メモリ領域13は、例えば、RAM(Random Access Memory)や、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ等から構成され、CPU11によるプログラムの実行に必要な各種情報を一時的に格納するワークエリアとして機能するとともに、各種設定情報を格納する。すなわち、このメモリ領域13には、CPU11の制御のもとに、各種情報が書き込み及び/又は読み出しされる。
【0023】
画像処理部14は、CPU11の制御のもとに、当該画像形成装置1によって取り扱う画像情報に対して、例えば、圧縮、伸張、コード変換等の各種画像処理を施す。
【0024】
プリンタエンジン部15は、記録媒体に対する画像形成を行うエンジンとして構成され、CPU11の制御のもとに、ヘッドやその他の各種駆動機構といった画像形成を行うために必要な各種部材を駆動制御し、記録媒体に対して画像形成を行う。
【0025】
エンジンインターフェース部16は、プリンタエンジン部15を接続するインターフェースであり、CPU11と当該プリンタエンジン部15との間で信号の授受を行うための処理を行う。
【0026】
操作/表示部17は、例えば各種ボタンやスイッチ等の操作子を介した入力操作を受け付け、この情報をCPU11に供給する操作制御部として設けられる。また、操作/表示部17は、CPU11の制御のもとに、当該画像形成装置1の動作中の状態やその他提示すべき各種情報をディスプレイに表示する表示制御部として設けられる。
【0027】
プロトコル処理部18は、CPU11の制御のもとに、例えばパーソナル・コンピュータ等の外部機器30との間で構成される無線LANを介した通信を行うために必要となる各種プロトコル処理を行う。
【0028】
ホストインターフェース部19は、例えばUSB(Universal Serial Bus)やパラレルインターフェース等の外部機器30を接続するインターフェースであり、CPU11と当該外部機器30との間で信号の授受を行うための処理を行う。
【0029】
無線LAN通信機能部20は、通信部22と、通信状態判断部23と、報知部24と、アンテナ25とを有する。通信部22は、アンテナ25を介して無線信号SGの送受信を行うとともに、無線通信の制御を行う。また、通信部22は、無線ネットワーク装置との間で行われる通信に関する通信状態を示す情報として、当該無線ネットワーク装置との間で送受信される無線信号SGの強度情報を、当該無線ネットワーク装置との通信中に取得して保持する通信状態保持手段としても機能する。さらに、通信状態判断部23は、ROMやフラッシュメモリ等の不揮発性メモリ等から構成され、当該無線LAN通信機能部20を制御するための各種プログラムを格納する。また、通信状態判断部23は、当該無線LAN通信機能部20を制御するための各種プログラムの実行に必要な各種情報を一時的に格納するとともに各種設定情報も格納する。そして、通信状態判断部23は、無線ネットワーク装置との間における通信状態を判断する通信状態判断手段として機能する。さらにまた、報知部24は、少なくとも通信状態を含む当該画像形成装置1の状態をユーザに報知する報知手段であり、上述したように、1個の緑色LEDと1個の橙色LEDとが設けられて構成される。このような無線LAN通信機能部20は、当該画像形成装置1と無線LAN機能を備える外部の無線ネットワーク装置との間で無線LANを介した無線通信を行う。なお、無線LAN通信機能部20は、必ずしも当該画像形成装置1に搭載されている必要はなく、着脱可能に装着されるユニットとして構成されてもよい。
【0030】
無線LANインターフェース部21は、無線LAN通信機能部20を接続するインターフェースであり、CPU11と当該無線LAN通信機能部20との間で信号の授受を行うための処理を行う。
【0031】
このような画像形成装置1を含む画像形成システムは、例えば図2に示すように構成される。ここでは、記録媒体に対して画像形成を行うための印刷データPDを送信する外部の端末装置として、無線LAN機能を備えるパーソナル・コンピュータ40を用いるとともに、画像形成装置1と無線LANを介した無線通信を行う無線ネットワーク装置として、パーソナル・コンピュータ40から送信された印刷データPDを当該画像形成装置1に対して中継するアクセス・ポイント50を用いるものとする。
【0032】
パーソナル・コンピュータ40は、画像形成装置1における無線LAN通信機能部20と同様に、アンテナ41を介して無線信号SGの送受信を行う無線LAN通信機能部42を備える。また、アクセス・ポイント50も同様に、アンテナ51を介して無線信号SGの送受信を行う無線LAN通信機能部52を備える。アクセス・ポイント50は、ユーザによって予め登録されたいわゆるBSSID(Basic Service Set IDentifier)を含むビーコン信号BSを、画像形成装置1やパーソナル・コンピュータ40をはじめとする自己のカバレッジエリアに属する機器に対して周期的にブロードキャストする機能も備える。アクセス・ポイント50は、当該アクセス・ポイント50に登録されているBSSIDと同じBSSIDが登録されている無線LAN端末とのみ接続可能とされる。また、画像形成装置1は、無線LAN通信機能部20における報知部24として、1個の緑色LED26と、1個の橙色LED27とを有し、また、無線LAN通信機能部20における通信状態判断部23に、ユーザによって無線通信を開始する前に固有のBSSIDが登録されている。
【0033】
ここで、無線LANを介して送受信されるパケットは、図3に示すようなフレーム構成とされる。すなわち、パケットは、PLCP(Physical Layer Convergence Protocol)のプリアンブルであるPLCPプリアンブル61と、このPLCPプリアンブル61の後段に設けられ、IEEE802.11における伝送速度や後続するMAC(Media Access Control)フレーム長といった物理層レベルの情報を格納するPLCPヘッダ62とを有する。また、パケットは、これらPLCPプリアンブル61及びPLCPヘッダ62の後段に、いわゆるMAC(Media Access Control)フレームが設けられる。なお、MACとは、データの送受信単位であるフレームの送受信方法や形式や誤り検出方法等を規定するものである。MACフレームは、IEEE802.11MACヘッダ63と、印刷データや制御データ等を格納する最大1500バイトのデータ64と、データが正確に送信された旨を確認するための誤り検出に用いるFCS(Frame Check Sequence)65とからなる。アクセス・ポイント50から送信されるビーコン信号BSは、フレームの種別を管理用とした場合にIEEE802.11MACヘッダ63において表現され、BSSIDも同様に、IEEE802.11MACヘッダ63に一情報として格納される。
【0034】
このような画像形成システムにおいては、以下のような信号の授受が行われる。
【0035】
まず、ビーコン信号BSは、画像形成装置1とアクセス・ポイント50との間で図4(a)に示すように授受される。
【0036】
すなわち、アクセス・ポイント50は、無線LAN通信機能部52からアンテナ51を介して、自己のBSSIDを格納したビーコン信号BSを周期的に送信する。画像形成装置1は、このビーコン信号BSを、アンテナ25を介して無線LAN通信機能部20によって受信すると、その応答として、アクセス・ポイント50に対して、接続を要求するための自己のBSSIDを格納した接続要求信号を、無線LAN通信機能部20からアンテナ25を介して無線信号SGとして返送する。これに応じて、アクセス・ポイント50は、この接続要求信号としての無線信号SGを、アンテナ51を介して無線LAN通信機能部52によって受信し、接続要求信号に基づいて、当該画像形成装置1が自己に接続する権限があるか否かを判断する。そして、アクセス・ポイント50は、当該画像形成装置1が自己に接続しても問題ないものと判断した場合には、当該画像形成装置1に対して、接続を許可するための接続許可信号を、無線LAN通信機能部52からアンテナ51を介して無線信号SGとして返送する。これにより、画像形成装置1及びアクセス・ポイント50の両者は、互いに接続状態となった旨を自覚する。なお、画像形成システムにおいては、パーソナル・コンピュータ40とアクセス・ポイント50との間でも、同様のビーコン信号BSの授受を行うことにより、当該パーソナル・コンピュータ40と当該アクセス・ポイント50とが接続状態とされる。
【0037】
画像形成システムにおいては、このようにして画像形成装置1及びアクセス・ポイント50、並びにパーソナル・コンピュータ40及びアクセス・ポイント50がそれぞれ接続されると、図4(b)に示すように、これら画像形成装置1とアクセス・ポイント50とパーソナル・コンピュータ40との間で信号の授受を行う。
【0038】
まず、パーソナル・コンピュータ40は、ユーザからの印刷起動があると、画像形成装置1宛に、印刷データPDの送信許可を要求するための印刷データ送信要求信号を、無線LAN通信機能部42からアンテナ41を介して無線信号SGとして送信する。これに応じて、アクセス・ポイント50は、この印刷データ送信要求信号を、アンテナ51を介して無線LAN通信機能部52によって画像形成装置1へと中継する。画像形成装置1は、印刷データ送信要求信号を、アンテナ25を介して無線LAN通信機能部20によって受信すると、印刷可能状態であるか否かを判断する。そして、画像形成装置1は、印刷可能状態であるものと判断した場合には、パーソナル・コンピュータ40宛に、印刷データPDの送信を許可するための印刷データ送信許可信号を、無線LAN通信機能部20からアンテナ25を介して無線信号SGとして返送する。これに応じて、アクセス・ポイント50は、この印刷データ送信許可信号を、アンテナ51を介して無線LAN通信機能部52によってパーソナル・コンピュータ40へと中継する。
【0039】
パーソナル・コンピュータ40は、印刷データ送信許可信号を、アンテナ41を介して無線LAN通信機能部42によって受信すると、画像形成装置1宛に、印刷データPDを、無線LAN通信機能部42からアンテナ41を介して無線信号SGとして送信する。これに応じて、アクセス・ポイント50は、この印刷データPDを、アンテナ51を介して無線LAN通信機能部52によって画像形成装置1へと中継する。そして、画像形成装置1は、印刷データPDを、アンテナ25を介して無線LAN通信機能部20によって受信すると、CPU11の制御のもとに、印刷処理を開始する。また、パーソナル・コンピュータ40は、全ての印刷データPDの送信を終了すると、画像形成装置1宛に、印刷データPDの送信を終了した旨を示す印刷データ送信終了信号を、無線LAN通信機能部42からアンテナ41を介して無線信号SGとして送信する。これに応じて、アクセス・ポイント50は、この印刷データ送信終了信号を、アンテナ51を介して無線LAN通信機能部52によって画像形成装置1へと中継する。画像形成装置1は、印刷データ送信終了信号を、アンテナ25を介して無線LAN通信機能部20によって受信すると、その応答として、パーソナル・コンピュータ40宛に、印刷データPDの受信を完了した旨を示す印刷データ受信完了信号を、無線LAN通信機能部20からアンテナ25を介して無線信号SGとして返送する。そして、アクセス・ポイント50は、この印刷データ受信完了信号を、アンテナ51を介して無線LAN通信機能部52によってパーソナル・コンピュータ40へと中継する。
【0040】
このように、画像形成システムにおいては、画像形成装置1、アクセス・ポイント50、及びパーソナル・コンピュータ40の間で信号の授受を行い、画像形成装置1による印刷データPDの印刷処理を行う。
【0041】
より具体的には、画像形成装置1は、図5に示すような一連の工程を経ることにより、無線LAN通信機能部20によって信号の授受を行い、記録媒体に対する印刷データPDの印刷を行う。
【0042】
まず、画像形成装置1においては、同図に示すように、ステップS1において、電源が投入されると、CPU11の制御のもとに、プログラム格納領域12に格納されている制御プログラムが起動され、無線LANインターフェース部21を介して無線LAN通信機能部20に対して初期化を行うように要求する。画像形成装置1においては、この要求を無線LAN通信機能部20が受信すると、まず、通信状態判断部23によって報知部24の初期化を行う。無線LAN通信機能部20は、ステップS2において、通信状態判断部23によって報知部24の初期化が終了したものと判断すると、ステップS3において、通信状態判断部23によって通信部22の初期化を行う。無線LAN通信機能部20は、このようにして報知部24及び通信部22の初期化を終了すると、通信状態判断部23の制御のもとに、無線LANインターフェース部21を介して、プログラム格納領域12に格納されている制御プログラムに対して無線LAN通信機能部20の初期化を終了した旨を通知する。
【0043】
続いて、無線LAN通信機能部20は、ステップS4において、通信状態判断部23によってアクセス・ポイント50の検索を開始する。具体的には、通信状態判断部23は、周囲に存在するアクセス・ポイントから周期的に送信されるビーコン信号BSを解析し、当該通信状態判断部23に予め登録されているBSSIDと同じBSSIDを含むビーコン信号BSを送信しているアクセス・ポイント50を検索する。そして、無線LAN通信機能部20は、当該通信状態判断部23に予め登録されているBSSIDと同じBSSIDを含むビーコン信号BSを送信しているアクセス・ポイント50を発見すると、ステップS5において、通信状態判断部23の制御のもとに、通信部22を介して当該アクセス・ポイント50に対して接続する。
【0044】
無線LAN通信機能部20は、アクセス・ポイント50に対する接続を完了すると、ステップS6において、待機状態へと移行し、例えば、印刷データPDの受信、当該画像形成装置1の電源オフ、アクセス・ポイント50との接続断といった次に発生するイベントがあるまで待機する。
【0045】
まず、無線LAN通信機能部20は、ステップS8において、待機中に当該画像形成装置1の電源オフが発生した場合には、ステップS10へと処理を移行し、通信状態判断部23の制御のもとに、速やかに当該無線LAN通信機能部20における全ての機能を停止し、一連の処理を終了する。
【0046】
また、無線LAN通信機能部20は、ステップS9において、待機中にアクセス・ポイント50との接続が切断された場合には、速やかに当該アクセス・ポイント50に対して再接続するために、通信状態判断部23の制御のもとに、ステップS5からの処理を繰り返す。
【0047】
さらに、無線LAN通信機能部20は、ステップS7において、待機中に印刷データPDが送信されてきた場合には、ステップS11において、通信状態判断部23の制御のもとに、通信部22を介して、この印刷データPDを受信し、無線LANインターフェース部21を介して画像処理部14に対して転送する。これに応じて、画像処理部14は、受信した印刷データPDに対して、例えば、圧縮、伸張、コード変換等の各種画像処理を施し、この画像処理を施して得られたデータを、エンジンインターフェース部16を介してプリンタエンジン部15に対して転送する。そして、プリンタエンジン部15は、受信したデータを記録媒体に対して印刷する。
【0048】
なお、無線LAN通信機能部20は、ステップS11において、印刷データPDを受信している最中にも、次に発生するイベントを監視する。すなわち、無線LAN通信機能部20は、ステップS12において、印刷データPDの受信を完了した場合には、ステップS6へと処理を移行して次に発生するイベントがあるまで待機する一方で、ステップS13において、印刷データPDの受信中に当該画像形成装置1の電源オフが発生した場合には、ステップS15へと処理を移行し、通信状態判断部23の制御のもとに、速やかに当該無線LAN通信機能部20における全ての機能を停止し、一連の処理を終了する。また、無線LAN通信機能部20は、ステップS14において、印刷データPDの受信中にアクセス・ポイント50との接続が切断された場合には、速やかに当該アクセス・ポイント50に対して再接続するために、通信状態判断部23の制御のもとに、ステップS5からの処理を繰り返す。
【0049】
画像形成装置1は、このように無線LAN通信機能部20を作動させ、記録媒体に対する印刷データPDの印刷を行うことができる。
【0050】
さて、画像形成装置1においては、図6及び図7に示すように、無線LAN通信機能部20における報知部24を作動させ、アクセス・ポイント50との間で行われる通信における信号強度を含む複数の情報をユーザに報知する。
【0051】
まず、画像形成装置1においては、図6に示すように、ステップS21において、電源が投入されると、CPU11の制御のもとに、プログラム格納領域12に格納されている制御プログラムが起動され、無線LANインターフェース部21を介して無線LAN通信機能部20に対して初期化を行うように要求する。画像形成装置1においては、この要求を無線LAN通信機能部20が受信すると、ステップS22において、通信状態判断部23によって報知部24の初期化を行い、この報知部24の初期化を終了すると、通信部22の初期化を開始する。無線LAN通信機能部20は、ステップS23において、通信部22の初期化が開始されたものと判断すると、ステップS24において、通信状態判断部23の制御のもとに、例えば、緑色LED26と橙色LED27とをともに2秒間点灯した後、これら緑色LED26と橙色LED27とをともに2秒間消灯する、という点滅(間欠)動作を繰り返し、通信部22の初期化処理中である旨を、アクセス・ポイント50との間で行われる通信に関する通信状態を示す情報の1つとしてユーザに報知する。無線LAN通信機能部20は、このような報知部24の動作を通信部22の初期化処理を行っている間繰り返す。
【0052】
そして、無線LAN通信機能部20は、ステップS25において、通信部22の初期化を終了すると、通信状態判断部23によってアクセス・ポイント50の検索を開始する。無線LAN通信機能部20は、ステップS26において、アクセス・ポイント50の検索が開始されたものと判断すると、ステップS27において、通信状態判断部23の制御のもとに、例えば、緑色LED26を2秒間点灯するとともに橙色LED27を2秒間消灯した後、緑色LED26を2秒間消灯するとともに橙色LED27を2秒間点灯する、という点滅動作を繰り返し、アクセス・ポイント50の検索中である旨を、当該アクセス・ポイント50との間で行われる通信に関する通信状態を示す情報の1つとしてユーザに報知する。無線LAN通信機能部20は、このような報知部24の動作をアクセス・ポイント50の検索を行っている間繰り返す。
【0053】
さらに、無線LAN通信機能部20は、ステップS28において、アクセス・ポイント50を検索して当該アクセス・ポイント50に対して接続すると、通信状態判断部23によって通信部22から無線信号SGの強度情報を取得し、この強度情報を所定の閾値と比較する。ここで、無線LAN通信機能部20は、図7に示すように、ステップS29において、無線信号SGの強度が所定の閾値以上であり"強い"ものと判断した場合には、ステップS30へと処理を移行し、通信状態判断部23の制御のもとに、例えば緑色LED26を点灯するとともに橙色LED27を消灯し、通信状態が良好である旨をユーザに報知する。これに対して、無線LAN通信機能部20は、ステップS29において、無線信号SGの強度が所定の閾値未満であり"弱い"ものと判断した場合には、ステップS31へと処理を移行し、通信状態判断部23の制御のもとに、例えば緑色LED26を消灯するとともに橙色LED27を点灯し、通信状態が良好でない旨をユーザに報知する。
【0054】
続いて、無線LAN通信機能部20は、待機状態へと移行し、例えば、印刷データPDの受信、当該画像形成装置1の電源オフ、アクセス・ポイント50との接続断といった次に発生するイベントがあるまで待機する。
【0055】
まず、無線LAN通信機能部20は、ステップS33において、待機中に当該画像形成装置1の電源オフが発生した場合には、ステップS41へと処理を移行し、通信状態判断部23の制御のもとに、速やかに緑色LED26及び橙色LED27の双方を消灯し、一連の処理を終了する。
【0056】
また、無線LAN通信機能部20は、ステップS34において、待機中にアクセス・ポイント50との接続が切断された場合には、図6中ステップS27へと処理を移行し、当該アクセス・ポイント50に対して再接続するために、通信状態判断部23の制御のもとに、例えば、緑色LED26を2秒間点灯するとともに橙色LED27を2秒間消灯した後、緑色LED26を2秒間消灯するとともに橙色LED27を2秒間点灯する、という点滅動作を繰り返し、アクセス・ポイント50の検索中である旨を、当該アクセス・ポイント50との間で行われる通信に関する通信状態を示す情報の1つとしてユーザに報知する。
【0057】
さらに、無線LAN通信機能部20は、ステップS32において、待機中に印刷データPDを受信した場合には、再度、通信状態判断部23によって通信部22から無線信号SGの強度情報を取得し、この強度情報を所定の閾値と比較する。
【0058】
ここで、無線LAN通信機能部20は、ステップS35において、無線信号SGの強度が所定の閾値以上であり"強い"ものと判断した場合には、ステップS36へと処理を移行し、通信状態判断部23の制御のもとに、例えば、橙色LED27を消灯した状態で、緑色LED26を500ミリ秒間点灯した後、緑色LED26を500ミリ秒間消灯する、という点滅動作を繰り返し、信号強度が強い状態で印刷データPDを受信した旨をユーザに報知する。
【0059】
一方、無線LAN通信機能部20は、ステップS35において、無線信号SGの強度が所定の閾値未満であり"弱い"ものと判断した場合には、ステップS37へと処理を移行し、通信状態判断部23の制御のもとに、例えば、緑色LED26を消灯した状態で、橙色LED27を500ミリ秒間点灯した後、橙色LED27を500ミリ秒間消灯する、という点滅動作を繰り返し、信号強度が弱い状態で印刷データPDを受信した旨をユーザに報知する。
【0060】
そして、無線LAN通信機能部20は、再度待機状態へと移行し、例えば、印刷データPDの受信、当該画像形成装置1の電源オフ、アクセス・ポイント50との接続断といった次に発生するイベントがあるまで待機する。
【0061】
ここで、無線LAN通信機能部20は、ステップS39において、待機中に当該画像形成装置1の電源オフが発生した場合には、ステップS41へと処理を移行し、通信状態判断部23の制御のもとに、速やかに緑色LED26及び橙色LED27の双方を消灯し、一連の処理を終了する。
【0062】
また、無線LAN通信機能部20は、ステップS40において、待機中にアクセス・ポイント50との接続が切断された場合には、図6中ステップS27へと処理を移行し、当該アクセス・ポイント50に対して再接続するために、通信状態判断部23の制御のもとに、例えば、緑色LED26を2秒間点灯するとともに橙色LED27を2秒間消灯した後、緑色LED26を2秒間消灯するとともに橙色LED27を2秒間点灯する、という点滅動作を繰り返し、アクセス・ポイント50の検索中である旨を、当該アクセス・ポイント50との間で行われる通信に関する通信状態を示す情報の1つとしてユーザに報知する。
【0063】
さらに、無線LAN通信機能部20は、ステップS38において、印刷データPDの受信を完了した場合には、再度ステップS29からの処理を繰り返すことになる。
【0064】
画像形成装置1においては、このように無線LAN通信機能部20における報知部24を作動させることにより、アクセス・ポイント50との間で行われる通信における信号強度を含む複数の情報をユーザに報知することができる。
【0065】
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態として示す画像形成装置1においては、無線LAN通信機能部20における報知部24として、緑色LED26及び橙色LED27を設け、これら緑色LED26及び橙色LED27の点灯動作を組み合わせることにより、小さな搭載スペースに報知部24を設けることができ、通信部22の初期化処理中である旨やアクセス・ポイント50の検索中である旨といった情報の他、アクセス・ポイント50との間で行われる通信における信号強度を含む複数の情報をユーザに適切に報知することができる。したがって、ユーザは、これら複数の情報を容易に、しかも同時期に把握することが可能となる。
【0066】
また、この画像形成装置1においては、一般に肯定的な意味合いを示す緑色光を発光する緑色LED26と注意を促す意味合いを示す橙色光を発光する橙色LED27とを用い、緑色LED26のみの点滅動作の場合には信号強度が十分である状態を示す一方で、橙色LED27のみの点滅動作の場合には信号強度が不十分である状態を示すように、報知部24を制御している。これにより、ユーザは、感応的にも直ちに現在の信号強度を判断することができる。さらに、画像形成装置1においては、緑色LED26及び/又は橙色LED27を点滅動作させることにより、単なる点灯動作を行う場合よりも、当該画像形成装置1に発生している状態をユーザに対してより印象的に報知することができる。
【0067】
つぎに、第2の実施の形態として示す画像形成装置について説明する。
【0068】
この第2の実施の形態として示す画像形成装置は、第1の実施の形態として示した画像形成装置1にて報知した信号強度に代えて、アクセス・ポイント50との間で確立された通信路におけるセキュリティ強度を報知する機能を設けたものである。したがって、この第2の実施の形態の説明においては、第1の実施の形態の説明と同様の構成については同一符号を付し、その詳細な説明を省略するものとする。また、この第2の実施の形態として示す画像形成装置については、第1の実施の形態として示した画像形成装置1と区別するために、画像形成装置200と称するものとする。
【0069】
第2の実施の形態として示す画像形成装置200は、図1に示した画像形成装置1と同様の各部を備えて構成される。このうち、通信部22は、アクセス・ポイント50との間で行われる通信に関する通信状態を示す情報として、当該アクセス・ポイント50との間で確立された通信路におけるセキュリティ強度情報を、当該アクセス・ポイント50との通信中に取得して保持する。
【0070】
このような画像形成装置200においては、図8及び図9に示すように、無線LAN通信機能部20における報知部24を作動させ、アクセス・ポイント50との間で確立された通信路におけるセキュリティ強度を含む複数の情報をユーザに報知する。
【0071】
まず、画像形成装置200においては、図8に示すように、ステップS51において、電源が投入されると、CPU11の制御のもとに、プログラム格納領域12に格納されている制御プログラムが起動され、無線LANインターフェース部21を介して無線LAN通信機能部20に対して初期化を行うように要求する。画像形成装置200においては、この要求を無線LAN通信機能部20が受信すると、ステップS52において、通信状態判断部23によって報知部24の初期化を行い、この報知部24の初期化を終了すると、通信部22の初期化を開始する。無線LAN通信機能部20は、ステップS53において、通信部22の初期化が開始されたものと判断すると、ステップS54において、通信状態判断部23の制御のもとに、例えば、緑色LED26と橙色LED27とをともに2秒間点灯した後、これら緑色LED26と橙色LED27とをともに2秒間消灯する、という点滅(間欠)動作を繰り返し、通信部22の初期化処理中である旨を、アクセス・ポイント50との間で行われる通信に関する通信状態を示す情報の1つとしてユーザに報知する。無線LAN通信機能部20は、このような報知部24の動作を通信部22の初期化処理を行っている間繰り返す。
【0072】
そして、無線LAN通信機能部20は、ステップS55において、通信部22の初期化を終了すると、通信状態判断部23によってアクセス・ポイント50の検索を開始する。無線LAN通信機能部20は、ステップS56において、アクセス・ポイント50の検索が開始されたものと判断すると、ステップS57において、通信状態判断部23の制御のもとに、例えば、緑色LED26を2秒間点灯するとともに橙色LED27を2秒間消灯した後、緑色LED26を2秒間消灯するとともに橙色LED27を2秒間点灯する、という点滅動作を繰り返し、アクセス・ポイント50の検索中である旨を、当該アクセス・ポイント50との間で行われる通信に関する通信状態を示す情報の1つとしてユーザに報知する。無線LAN通信機能部20は、このような報知部24の動作をアクセス・ポイント50の検索を行っている間繰り返す。
【0073】
さらに、無線LAN通信機能部20は、ステップS58において、アクセス・ポイント50を検索して当該アクセス・ポイント50に対して接続すると、通信状態判断部23によって通信部22から当該アクセス・ポイント50との間で確立された通信路におけるセキュリティ強度情報を取得し、このセキュリティ強度情報を所定の閾値と比較する。ここで、無線LAN通信機能部20は、図9に示すように、ステップS59において、セキュリティ強度が所定の閾値以上であり"強い"ものと判断した場合には、ステップS60へと処理を移行し、通信状態判断部23の制御のもとに、例えば緑色LED26を点灯するとともに橙色LED27を消灯し、セキュリティ状態が十分である旨をユーザに報知する。これに対して、無線LAN通信機能部20は、ステップS59において、セキュリティ強度が所定の閾値未満であり"弱い"ものと判断した場合には、ステップS61へと処理を移行し、通信状態判断部23の制御のもとに、例えば緑色LED26を消灯するとともに橙色LED27を点灯し、セキュリティ状態が十分でない旨をユーザに報知する。
【0074】
続いて、無線LAN通信機能部20は、待機状態へと移行し、例えば、印刷データPDの受信、当該画像形成装置200の電源オフ、アクセス・ポイント50との接続断といった次に発生するイベントがあるまで待機する。
【0075】
まず、無線LAN通信機能部20は、ステップS63において、待機中に当該画像形成装置200の電源オフが発生した場合には、ステップS71へと処理を移行し、通信状態判断部23の制御のもとに、速やかに緑色LED26及び橙色LED27の双方を消灯し、一連の処理を終了する。
【0076】
また、無線LAN通信機能部20は、ステップS64において、待機中にアクセス・ポイント50との接続が切断された場合には、図8中ステップS57へと処理を移行し、当該アクセス・ポイント50に対して再接続するために、通信状態判断部23の制御のもとに、例えば、緑色LED26を2秒間点灯するとともに橙色LED27を2秒間消灯した後、緑色LED26を2秒間消灯するとともに橙色LED27を2秒間点灯する、という点滅動作を繰り返し、アクセス・ポイント50の検索中である旨を、当該アクセス・ポイント50との間で行われる通信に関する通信状態を示す情報の1つとしてユーザに報知する。
【0077】
さらに、無線LAN通信機能部20は、ステップS62において、待機中に印刷データPDを受信した場合には、再度、通信状態判断部23によって通信部22からセキュリティ強度情報を取得し、このセキュリティ強度情報を所定の閾値と比較する。
【0078】
ここで、無線LAN通信機能部20は、ステップS65において、セキュリティ強度が所定の閾値以上であり"強い"ものと判断した場合には、ステップS66へと処理を移行し、通信状態判断部23の制御のもとに、例えば、橙色LED27を消灯した状態で、緑色LED26を500ミリ秒間点灯した後、緑色LED26を500ミリ秒間消灯する、という点滅動作を繰り返し、セキュリティ強度が強い状態で印刷データPDを受信した旨をユーザに報知する。
【0079】
一方、無線LAN通信機能部20は、ステップS65において、セキュリティ強度が所定の閾値未満であり"弱い"ものと判断した場合には、ステップS67へと処理を移行し、通信状態判断部23の制御のもとに、例えば、緑色LED26を消灯した状態で、橙色LED27を500ミリ秒間点灯した後、橙色LED27を500ミリ秒間消灯する、という点滅動作を繰り返し、セキュリティ強度が弱い状態で印刷データPDを受信した旨をユーザに報知する。
【0080】
そして、無線LAN通信機能部20は、再度待機状態へと移行し、例えば、印刷データPDの受信、当該画像形成装置200の電源オフ、アクセス・ポイント50との接続断といった次に発生するイベントがあるまで待機する。
【0081】
ここで、無線LAN通信機能部20は、ステップS69において、待機中に当該画像形成装置200の電源オフが発生した場合には、ステップS71へと処理を移行し、通信状態判断部23の制御のもとに、速やかに緑色LED26及び橙色LED27の双方を消灯し、一連の処理を終了する。
【0082】
また、無線LAN通信機能部20は、ステップS70において、待機中にアクセス・ポイント50との接続が切断された場合には、図8中ステップS57へと処理を移行し、当該アクセス・ポイント50に対して再接続するために、通信状態判断部23の制御のもとに、例えば、緑色LED26を2秒間点灯するとともに橙色LED27を2秒間消灯した後、緑色LED26を2秒間消灯するとともに橙色LED27を2秒間点灯する、という点滅動作を繰り返し、アクセス・ポイント50の検索中である旨を、当該アクセス・ポイント50との間で行われる通信に関する通信状態を示す情報の1つとしてユーザに報知する。
【0083】
さらに、無線LAN通信機能部20は、ステップS68において、印刷データPDの受信を完了した場合には、再度ステップS59からの処理を繰り返すことになる。
【0084】
画像形成装置200においては、このように無線LAN通信機能部20における報知部24を作動させることにより、アクセス・ポイント50との間で確立された通信路におけるセキュリティ強度を含む複数の情報をユーザに報知することができる。
【0085】
以上説明したように、本発明の第2の実施の形態として示す画像形成装置200においては、無線LAN通信機能部20における報知部24として、緑色LED26及び橙色LED27を設け、これら緑色LED26及び橙色LED27の点灯動作を組み合わせることにより、小さな搭載スペースに報知部24を設けることができ、通信部22の初期化処理中である旨やアクセス・ポイント50の検索中である旨といった情報の他、アクセス・ポイント50との間で確立された通信路におけるセキュリティ強度を含む複数の情報をユーザに適切に報知することができる。したがって、ユーザは、これら複数の情報を容易に、しかも同時期に把握することが可能となる。
【0086】
また、この画像形成装置200においては、画像形成装置1と同様に、一般に肯定的な意味合いを示す緑色光を発光する緑色LED26と注意を促す意味合いを示す橙色光を発光する橙色LED27とを用い、緑色LED26のみの点滅動作の場合にはセキュリティ強度が十分である状態を示す一方で、橙色LED27のみの点滅動作の場合にはセキュリティ強度が不十分である状態を示すように、報知部24を制御している。これにより、ユーザは、感応的にも直ちに現在のセキュリティレベルを判断することができる。さらに、画像形成装置200においては、画像形成装置1と同様に、緑色LED26及び/又は橙色LED27を点滅動作させることにより、単なる点灯動作を行う場合よりも、当該画像形成装置200に発生している状態をユーザに対してより印象的に報知することができる。
【0087】
つぎに、第3の実施の形態として示す画像形成装置について説明する。
【0088】
この第3の実施の形態として示す画像形成装置は、第1の実施の形態として示した画像形成装置1にて報知した信号強度に代えて、アクセス・ポイント50との間で行われる通信における通信速度を報知する機能を設けたものである。したがって、この第3の実施の形態の説明においては、第1の実施の形態の説明と同様の構成については同一符号を付し、その詳細な説明を省略するものとする。また、この第3の実施の形態として示す画像形成装置については、第1の実施の形態として示した画像形成装置1及び第2の実施の形態として示した画像形成装置200と区別するために、画像形成装置300と称するものとする。
【0089】
第3の実施の形態として示す画像形成装置300は、図1に示した画像形成装置1と同様の各部を備えて構成される。このうち、通信部22は、アクセス・ポイント50との間で行われる通信に関する通信状態を示す情報として、当該アクセス・ポイント50との間で行われる通信における通信速度情報を、当該アクセス・ポイント50との通信中に取得して保持する。
【0090】
このような画像形成装置300においては、図10及び図11に示すように、無線LAN通信機能部20における報知部24を作動させ、アクセス・ポイント50との間で行われる通信における通信速度を含む複数の情報をユーザに報知する。
【0091】
まず、画像形成装置300においては、図10に示すように、ステップS81において、電源が投入されると、CPU11の制御のもとに、プログラム格納領域12に格納されている制御プログラムが起動され、無線LANインターフェース部21を介して無線LAN通信機能部20に対して初期化を行うように要求する。画像形成装置300においては、この要求を無線LAN通信機能部20が受信すると、ステップS82において、通信状態判断部23によって報知部24の初期化を行い、この報知部24の初期化を終了すると、通信部22の初期化を開始する。無線LAN通信機能部20は、ステップS83において、通信部22の初期化が開始されたものと判断すると、ステップS84において、通信状態判断部23の制御のもとに、例えば、緑色LED26と橙色LED27とをともに2秒間点灯した後、これら緑色LED26と橙色LED27とをともに2秒間消灯する、という点滅(間欠)動作を繰り返し、通信部22の初期化処理中である旨を、アクセス・ポイント50との間で行われる通信に関する通信状態を示す情報の1つとしてユーザに報知する。無線LAN通信機能部20は、このような報知部24の動作を通信部22の初期化処理を行っている間繰り返す。
【0092】
そして、無線LAN通信機能部20は、ステップS85において、通信部22の初期化を終了すると、通信状態判断部23によってアクセス・ポイント50の検索を開始する。無線LAN通信機能部20は、ステップS86において、アクセス・ポイント50の検索が開始されたものと判断すると、ステップS87において、通信状態判断部23の制御のもとに、例えば、緑色LED26を2秒間点灯するとともに橙色LED27を2秒間消灯した後、緑色LED26を2秒間消灯するとともに橙色LED27を2秒間点灯する、という点滅動作を繰り返し、アクセス・ポイント50の検索中である旨を、当該アクセス・ポイント50との間で行われる通信に関する通信状態を示す情報の1つとしてユーザに報知する。無線LAN通信機能部20は、このような報知部24の動作をアクセス・ポイント50の検索を行っている間繰り返す。
【0093】
さらに、無線LAN通信機能部20は、ステップS88において、アクセス・ポイント50を検索して当該アクセス・ポイント50に対して接続すると、通信状態判断部23によって通信部22から当該アクセス・ポイント50との間で行われる通信における通信速度情報を取得し、この通信速度情報を所定の閾値と比較する。ここで、無線LAN通信機能部20は、図11に示すように、ステップS89において、通信速度が所定の閾値以上であり"速い"ものと判断した場合には、ステップS90へと処理を移行し、通信状態判断部23の制御のもとに、例えば緑色LED26を点灯するとともに橙色LED27を消灯し、通信速度が高速である旨をユーザに報知する。これに対して、無線LAN通信機能部20は、ステップS89において、通信速度が所定の閾値未満であり"遅い"ものと判断した場合には、ステップS91へと処理を移行し、通信状態判断部23の制御のもとに、例えば緑色LED26を消灯するとともに橙色LED27を点灯し、通信速度が低速である旨をユーザに報知する。
【0094】
続いて、無線LAN通信機能部20は、待機状態へと移行し、例えば、印刷データPDの受信、当該画像形成装置300の電源オフ、アクセス・ポイント50との接続断といった次に発生するイベントがあるまで待機する。
【0095】
まず、無線LAN通信機能部20は、ステップS93において、待機中に当該画像形成装置300の電源オフが発生した場合には、ステップS101へと処理を移行し、通信状態判断部23の制御のもとに、速やかに緑色LED26及び橙色LED27の双方を消灯し、一連の処理を終了する。
【0096】
また、無線LAN通信機能部20は、ステップS94において、待機中にアクセス・ポイント50との接続が切断された場合には、図10中ステップS87へと処理を移行し、当該アクセス・ポイント50に対して再接続するために、通信状態判断部23の制御のもとに、例えば、緑色LED26を2秒間点灯するとともに橙色LED27を2秒間消灯した後、緑色LED26を2秒間消灯するとともに橙色LED27を2秒間点灯する、という点滅動作を繰り返し、アクセス・ポイント50の検索中である旨を、当該アクセス・ポイント50との間で行われる通信に関する通信状態を示す情報の1つとしてユーザに報知する。
【0097】
さらに、無線LAN通信機能部20は、ステップS92において、待機中に印刷データPDを受信した場合には、再度、通信状態判断部23によって通信部22から通信速度情報を取得し、この通信速度情報を所定の閾値と比較する。
【0098】
ここで、無線LAN通信機能部20は、ステップS95において、通信速度が所定の閾値以上であり"速い"ものと判断した場合には、ステップS96へと処理を移行し、通信状態判断部23の制御のもとに、例えば、橙色LED27を消灯した状態で、緑色LED26を500ミリ秒間点灯した後、緑色LED26を500ミリ秒間消灯する、という点滅動作を繰り返し、通信速度が速い状態で印刷データPDを受信した旨をユーザに報知する。
【0099】
一方、無線LAN通信機能部20は、ステップS95において、通信速度が所定の閾値未満であり"遅い"ものと判断した場合には、ステップS97へと処理を移行し、通信状態判断部23の制御のもとに、例えば、緑色LED26を消灯した状態で、橙色LED27を500ミリ秒間点灯した後、橙色LED27を500ミリ秒間消灯する、という点滅動作を繰り返し、通信速度が遅い状態で印刷データPDを受信した旨をユーザに報知する。
【0100】
そして、無線LAN通信機能部20は、再度待機状態へと移行し、例えば、印刷データPDの受信、当該画像形成装置300の電源オフ、アクセス・ポイント50との接続断といった次に発生するイベントがあるまで待機する。
【0101】
ここで、無線LAN通信機能部20は、ステップS99において、待機中に当該画像形成装置300の電源オフが発生した場合には、ステップS101へと処理を移行し、通信状態判断部23の制御のもとに、速やかに緑色LED26及び橙色LED27の双方を消灯し、一連の処理を終了する。
【0102】
また、無線LAN通信機能部20は、ステップS100において、待機中にアクセス・ポイント50との接続が切断された場合には、図10中ステップS87へと処理を移行し、当該アクセス・ポイント50に対して再接続するために、通信状態判断部23の制御のもとに、例えば、緑色LED26を2秒間点灯するとともに橙色LED27を2秒間消灯した後、緑色LED26を2秒間消灯するとともに橙色LED27を2秒間点灯する、という点滅動作を繰り返し、アクセス・ポイント50の検索中である旨を、当該アクセス・ポイント50との間で行われる通信に関する通信状態を示す情報の1つとしてユーザに報知する。
【0103】
さらに、無線LAN通信機能部20は、ステップS98において、印刷データPDの受信を完了した場合には、再度ステップS89からの処理を繰り返すことになる。
【0104】
画像形成装置300においては、このように無線LAN通信機能部20における報知部24を作動させることにより、アクセス・ポイント50との間で行われる通信における通信速度を含む複数の情報をユーザに報知することができる。
【0105】
以上説明したように、本発明の第3の実施の形態として示す画像形成装置300においては、無線LAN通信機能部20における報知部24として、緑色LED26及び橙色LED27を設け、これら緑色LED26及び橙色LED27の点灯動作を組み合わせることにより、小さな搭載スペースに報知部24を設けることができ、通信部22の初期化処理中である旨やアクセス・ポイント50の検索中である旨といった情報の他、アクセス・ポイント50との間で行われる通信における通信速度を含む複数の情報をユーザに適切に報知することができる。したがって、ユーザは、これら複数の情報を容易に、しかも同時期に把握することが可能となる。
【0106】
また、この画像形成装置300においては、画像形成装置1,200と同様に、一般に肯定的な意味合いを示す緑色光を発光する緑色LED26と注意を促す意味合いを示す橙色光を発光する橙色LED27とを用い、緑色LED26のみの点滅動作の場合には通信速度が高速である状態を示す一方で、橙色LED27のみの点滅動作の場合には通信速度が低速である状態を示すように、報知部24を制御している。これにより、ユーザは、感応的にも直ちに現在の通信速度を判断することができる。さらに、画像形成装置300においては、画像形成装置1,200と同様に、緑色LED26及び/又は橙色LED27を点滅動作させることにより、単なる点灯動作を行う場合よりも、当該画像形成装置300に発生している状態をユーザに対してより印象的に報知することができる。
【0107】
最後に、第4の実施の形態として示す画像形成装置について説明する。
【0108】
この第4の実施の形態として示す画像形成装置は、第1の実施の形態として示した画像形成装置1にて報知した信号強度に代えて、アクセス・ポイント50から受信した無線信号SGの品質を報知する機能を設けたものである。したがって、この第4の実施の形態の説明においては、第1の実施の形態の説明と同様の構成については同一符号を付し、その詳細な説明を省略するものとする。また、この第4の実施の形態として示す画像形成装置については、第1の実施の形態として示した画像形成装置1、第2の実施の形態として示した画像形成装置200、及び第3の実施の形態として示した画像形成装置300と区別するために、画像形成装置400と称するものとする。
【0109】
第4の実施の形態として示す画像形成装置400は、図1に示した画像形成装置1と同様の各部を備えて構成される。このうち、通信部22は、アクセス・ポイント50との間で行われる通信に関する通信状態を示す情報として、当該アクセス・ポイント50から受信した無線信号SGの品質情報を、当該アクセス・ポイント50との通信中に取得して保持する。
【0110】
このような画像形成装置400においては、図12及び図13に示すように、無線LAN通信機能部20における報知部24を作動させ、アクセス・ポイント50から受信した無線信号SGの品質を含む複数の情報をユーザに報知する。
【0111】
まず、画像形成装置400においては、図12に示すように、ステップS111において、電源が投入されると、CPU11の制御のもとに、プログラム格納領域12に格納されている制御プログラムが起動され、無線LANインターフェース部21を介して無線LAN通信機能部20に対して初期化を行うように要求する。画像形成装置400においては、この要求を無線LAN通信機能部20が受信すると、ステップS112において、通信状態判断部23によって報知部24の初期化を行い、この報知部24の初期化を終了すると、通信部22の初期化を開始する。無線LAN通信機能部20は、ステップS113において、通信部22の初期化が開始されたものと判断すると、ステップS114において、通信状態判断部23の制御のもとに、例えば、緑色LED26と橙色LED27とをともに2秒間点灯した後、これら緑色LED26と橙色LED27とをともに2秒間消灯する、という点滅(間欠)動作を繰り返し、通信部22の初期化処理中である旨を、アクセス・ポイント50との間で行われる通信に関する通信状態を示す情報の1つとしてユーザに報知する。無線LAN通信機能部20は、このような報知部24の動作を通信部22の初期化処理を行っている間繰り返す。
【0112】
そして、無線LAN通信機能部20は、ステップS115において、通信部22の初期化を終了すると、通信状態判断部23によってアクセス・ポイント50の検索を開始する。無線LAN通信機能部20は、ステップS116において、アクセス・ポイント50の検索が開始されたものと判断すると、ステップS117において、通信状態判断部23の制御のもとに、例えば、緑色LED26を2秒間点灯するとともに橙色LED27を2秒間消灯した後、緑色LED26を2秒間消灯するとともに橙色LED27を2秒間点灯する、という点滅動作を繰り返し、アクセス・ポイント50の検索中である旨を、当該アクセス・ポイント50との間で行われる通信に関する通信状態を示す情報の1つとしてユーザに報知する。無線LAN通信機能部20は、このような報知部24の動作をアクセス・ポイント50の検索を行っている間繰り返す。
【0113】
さらに、無線LAN通信機能部20は、ステップS118において、アクセス・ポイント50を検索して当該アクセス・ポイント50に対して接続すると、通信状態判断部23によって通信部22から当該アクセス・ポイント50から受信した無線信号SGの品質情報を取得し、この信号品質情報を所定の閾値と比較する。ここで、無線LAN通信機能部20は、図13に示すように、ステップS119において、信号品質が所定の閾値以上であり"良好である"ものと判断した場合には、ステップS120へと処理を移行し、通信状態判断部23の制御のもとに、例えば緑色LED26を点灯するとともに橙色LED27を消灯し、信号品質が良好である旨をユーザに報知する。これに対して、無線LAN通信機能部20は、ステップS119において、信号品質が所定の閾値未満であり"劣悪である"ものと判断した場合には、ステップS121へと処理を移行し、通信状態判断部23の制御のもとに、例えば緑色LED26を消灯するとともに橙色LED27を点灯し、信号品質が劣悪である旨をユーザに報知する。
【0114】
続いて、無線LAN通信機能部20は、待機状態へと移行し、例えば、印刷データPDの受信、当該画像形成装置400の電源オフ、アクセス・ポイント50との接続断といった次に発生するイベントがあるまで待機する。
【0115】
まず、無線LAN通信機能部20は、ステップS123において、待機中に当該画像形成装置400の電源オフが発生した場合には、ステップS131へと処理を移行し、通信状態判断部23の制御のもとに、速やかに緑色LED26及び橙色LED27の双方を消灯し、一連の処理を終了する。
【0116】
また、無線LAN通信機能部20は、ステップS124において、待機中にアクセス・ポイント50との接続が切断された場合には、図12中ステップS117へと処理を移行し、当該アクセス・ポイント50に対して再接続するために、通信状態判断部23の制御のもとに、例えば、緑色LED26を2秒間点灯するとともに橙色LED27を2秒間消灯した後、緑色LED26を2秒間消灯するとともに橙色LED27を2秒間点灯する、という点滅動作を繰り返し、アクセス・ポイント50の検索中である旨を、当該アクセス・ポイント50との間で行われる通信に関する通信状態を示す情報の1つとしてユーザに報知する。
【0117】
さらに、無線LAN通信機能部20は、ステップS122において、待機中に印刷データPDを受信した場合には、再度、通信状態判断部23によって通信部22から信号品質情報を取得し、この信号品質情報を所定の閾値と比較する。
【0118】
ここで、無線LAN通信機能部20は、ステップS125において、信号品質が所定の閾値以上であり"良好である"ものと判断した場合には、ステップS126へと処理を移行し、通信状態判断部23の制御のもとに、例えば、橙色LED27を消灯した状態で、緑色LED26を500ミリ秒間点灯した後、緑色LED26を500ミリ秒間消灯する、という点滅動作を繰り返し、信号品質が良好な状態で印刷データPDを受信した旨をユーザに報知する。
【0119】
一方、無線LAN通信機能部20は、ステップS125において、信号品質が所定の閾値未満であり"劣悪である"ものと判断した場合には、ステップS127へと処理を移行し、通信状態判断部23の制御のもとに、例えば、緑色LED26を消灯した状態で、橙色LED27を500ミリ秒間点灯した後、橙色LED27を500ミリ秒間消灯する、という点滅動作を繰り返し、信号品質が劣悪な状態で印刷データPDを受信した旨をユーザに報知する。
【0120】
そして、無線LAN通信機能部20は、再度待機状態へと移行し、例えば、印刷データPDの受信、当該画像形成装置400の電源オフ、アクセス・ポイント50との接続断といった次に発生するイベントがあるまで待機する。
【0121】
ここで、無線LAN通信機能部20は、ステップS129において、待機中に当該画像形成装置400の電源オフが発生した場合には、ステップS131へと処理を移行し、通信状態判断部23の制御のもとに、速やかに緑色LED26及び橙色LED27の双方を消灯し、一連の処理を終了する。
【0122】
また、無線LAN通信機能部20は、ステップS130において、待機中にアクセス・ポイント50との接続が切断された場合には、図12中ステップS117へと処理を移行し、当該アクセス・ポイント50に対して再接続するために、通信状態判断部23の制御のもとに、例えば、緑色LED26を2秒間点灯するとともに橙色LED27を2秒間消灯した後、緑色LED26を2秒間消灯するとともに橙色LED27を2秒間点灯する、という点滅動作を繰り返し、アクセス・ポイント50の検索中である旨を、当該アクセス・ポイント50との間で行われる通信に関する通信状態を示す情報の1つとしてユーザに報知する。
【0123】
さらに、無線LAN通信機能部20は、ステップS128において、印刷データPDの受信を完了した場合には、再度ステップS119からの処理を繰り返すことになる。
【0124】
画像形成装置400においては、このように無線LAN通信機能部20における報知部24を作動させることにより、アクセス・ポイント50から受信した無線信号SGの品質を含む複数の情報をユーザに報知することができる。
【0125】
以上説明したように、本発明の第4の実施の形態として示す画像形成装置400においては、無線LAN通信機能部20における報知部24として、緑色LED26及び橙色LED27を設け、これら緑色LED26及び橙色LED27の点灯動作を組み合わせることにより、小さな搭載スペースに報知部24を設けることができ、通信部22の初期化処理中である旨やアクセス・ポイント50の検索中である旨といった情報の他、アクセス・ポイント50から受信した無線信号SGの品質を含む複数の情報をユーザに適切に報知することができる。したがって、ユーザは、これら複数の情報を容易に、しかも同時期に把握することが可能となる。
【0126】
また、この画像形成装置400においては、画像形成装置1,200,300と同様に、一般に肯定的な意味合いを示す緑色光を発光する緑色LED26と注意を促す意味合いを示す橙色光を発光する橙色LED27とを用い、緑色LED26のみの点滅動作の場合には信号品質が良好である状態を示す一方で、橙色LED27のみの点滅動作の場合には信号品質が劣悪である状態を示すように、報知部24を制御している。これにより、ユーザは、感応的にも直ちに現在の信号品質を判断することができる。さらに、画像形成装置400においては、画像形成装置1,200,300と同様に、緑色LED26及び/又は橙色LED27を点滅動作させることにより、単なる点灯動作を行う場合よりも、当該画像形成装置400に発生している状態をユーザに対してより印象的に報知することができる。
【0127】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではない。例えば、上述した実施の形態では、画像形成装置としてプリンタを用いて説明したが、本発明は、ファクシミリ装置、MFP(Multi Function Printer)、スキャナ、又は複写機といったように、画像形成を行う装置であって且つ無線LAN通信機能部が接続又は搭載された装置であれば、いかなる装置であっても適用することができる。
【0128】
また、上述した実施の形態では、IEEE802.11に準拠した無線LANを用いるものとして説明したが、本発明は、無線通信を行うネットワークであれば、いかなるものであっても適用することができる。
【0129】
さらに、上述した実施の形態では、通信状態として、アクセス・ポイントとの間で送受信される無線信号の強度、アクセス・ポイントとの間で確立された通信路におけるセキュリティ強度、アクセス・ポイントとの間で行われる通信における通信速度、又はアクセス・ポイントから受信した無線信号の品質のいずれかを報知するものとして説明したが、本発明は、第1の実施の形態乃至第4の実施の形態のうち任意の形態を組み合わせ、これら情報を同時に報知するようにしてもよい。また、本発明は、少なくとも通信状態を示す情報であれば、これら以外の情報を報知するようにしてもよい。
【0130】
さらにまた、上述した実施の形態では、緑色LED及び橙色LEDの点滅動作の時間長についても言及したが、これはあくまでも例示であり、本発明は、報知したい情報を区別できるのであれば、任意の報知形態を採用することができる。
【0131】
また、上述した実施の形態では、報知部として、1個の緑色LED及び1個の橙色LEDの合計2個のLEDを用いるものとして説明したが、本発明は、LED以外の発光素子を用いてもよい。また、本発明は、複数であれば任意個数の発光素子を設ければよく、発光色にも拘泥するものではない。
【0132】
さらに、上述した実施の形態では、報知部として、LEDを用いるものとして説明したが、本発明は、かかる発光素子に限らず、例えば音を発信する発信機といったように、任意の報知素子を用いることができる。特に、画像形成装置においては、報知素子としてこのような発信機を用い、これら発信機の間欠的な音出力動作の組み合わせで複数の通信状態のうち所定の通信状態を報知することにより、状態を確認するために報知部を視認する必要がなくなる。したがって、画像形成装置においては、入力操作や表示を行う操作/表示部と無線LAN通信機能部とが、当該画像形成装置の外観を形成する筐体の異なる面に設けられている場合であっても、ユーザが操作/表示部を視認しながら通信状態の確認を行うことが可能となる。
【0133】
このように、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0134】
【図1】本発明の第1の実施の形態として示す画像形成装置の構成を説明するブロック図である。
【図2】同画像形成装置を含む画像形成システムの構成を説明する図である。
【図3】無線LANを介して送受信されるパケットのフレーム構成を説明する図である。
【図4(a)】同画像形成装置とアクセス・ポイントとの間でビーコン信号を授受する手順を説明する図である。
【図4(b)】同画像形成装置とアクセス・ポイントとパーソナル・コンピュータとの間で信号を授受する手順を説明する図である。
【図5】同画像形成装置における無線LAN通信機能部によって信号の授受を行い、記録媒体に対する印刷データの印刷を行う際の一連の工程を説明するフローチャートである。
【図6】同画像形成装置における無線LAN通信機能部によって情報をユーザに報知する際の一連の工程を説明するフローチャートである。
【図7】同画像形成装置における無線LAN通信機能部によって情報をユーザに報知する際の一連の工程を説明するフローチャートであって、図6に示す工程に続く工程を説明する図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態として示す画像形成装置における無線LAN通信機能部によって情報をユーザに報知する際の一連の工程を説明するフローチャートである。
【図9】同画像形成装置における無線LAN通信機能部によって情報をユーザに報知する際の一連の工程を説明するフローチャートであって、図8に示す工程に続く工程を説明する図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態として示す画像形成装置における無線LAN通信機能部によって情報をユーザに報知する際の一連の工程を説明するフローチャートである。
【図11】同画像形成装置における無線LAN通信機能部によって情報をユーザに報知する際の一連の工程を説明するフローチャートであって、図10に示す工程に続く工程を説明する図である。
【図12】本発明の第4の実施の形態として示す画像形成装置における無線LAN通信機能部によって情報をユーザに報知する際の一連の工程を説明するフローチャートである。
【図13】同画像形成装置における無線LAN通信機能部によって情報をユーザに報知する際の一連の工程を説明するフローチャートであって、図12に示す工程に続く工程を説明する図である。
【符号の説明】
【0135】
1,200,300,400 画像形成装置
11 CPU
12 プログラム格納領域
13 メモリ領域
14 画像処理部
15 プリンタエンジン部
16 エンジンインターフェース部
17 操作/表示部
18 プロトコル処理部
19 ホストインターフェース部
20,42,52 無線LAN通信機能部
21 無線LANインターフェース部
22 通信部
23 通信状態判断部
24 報知部
25,41,51 アンテナ
26 緑色LED
27 橙色LED
30 外部機器
40 パーソナル・コンピュータ
50 アクセス・ポイント
BS ビーコン信号
PD 印刷データ
SG 無線信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部の無線ネットワーク装置から所定の無線通信手段を介して受信した画像情報に基づいて、所定の記録媒体に対する画像形成を行う画像形成装置であって、
前記無線ネットワーク装置との間で行われる通信に関する通信状態を判断する通信状態判断手段と、
前記無線通信手段に設けられ、前記通信状態判断手段によって判断された前記通信状態を報知する報知手段とを備え、
前記報知手段は、複数の報知素子の動作の組み合わせで複数の通信状態のうち所定の通信状態を報知すること
を特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記報知手段は、前記通信状態判断手段によって判断された前記通信状態に応じて、前記複数の報知素子を間欠動作させること
を特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記無線ネットワーク装置との間で行われる通信に関する通信状態を示す情報を、当該無線ネットワーク装置との通信中に取得して保持する通信状態保持手段を備え、
前記通信状態判断手段は、前記通信状態保持手段から前記通信状態を示す情報を取得すること
を特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記報知素子は、所定の色光を発光する発光素子であること
を特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記報知素子は、所定の音を出力する発信機であること
を特徴とする請求項1記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4(a)】
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【図4(b)】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−50046(P2006−50046A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−225317(P2004−225317)
【出願日】平成16年8月2日(2004.8.2)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】