説明

画像形成装置

【課題】装置全体の重量化が抑えられるとともに、高画質な画像を形成することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【解決手段】静電潜像を形成し、該静電潜像をトナーで現像してトナー像を形成し、トナー像を最終的に記録媒体上に転写および定着することにより記録媒体上に画像を形成する画像形成装置において、本体筐体と、ドラム形状を有すると共にドラム形状の軸に沿った貫通孔が設けられた、ドラム形状の表面に前記静電潜像が形成される像担持体と、棒形状を有する、本体筐体から延びて像担持体の貫通孔に嵌入する、棒形状の軸回りに回転駆動される本体、および、像担持体と嵌り合って本体の回転駆動力を像担持体に伝達する、本体筐体と像担持体との間に設けられたカップリング部を有する駆動シャフトとを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トナー像を形成し、そのトナー像を記録媒体上に転写させて定着させることにより、記録媒体上に画像を形成する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、回転するドラム状の感光体の表面を帯電させ、帯電させた感光体の表面を露光して潜像を形成し、その潜像を現像してトナー像を形成し、そのトナー像を直接に、あるいは中間転写体などを介在させて、最終的に記録媒体上に転写する電子写真式の画像形成装置が広く用いられている。このような画像形成装置では、感光体に回転ムラや芯ブレなどが生じると、静電潜像の精度、すなわち、最終的には用紙上に形成される画像の画質に影響することが知られている。特に、近年広く使用されているカラー画像形成装置の場合、このような回転ムラや芯ブレ等はカラー画像上の色ずれとして大きく影響してしまうため、それらの誤差をいかにして低減させるかが大きな問題となっている。
【0003】
ところで、電子写真式の画像形成装置においては、通常、本体筐体にドラム状の感光体が支持され、その支持された感光体に回転駆動力が伝達されることによって感光体が回転される。感光体の回転ムラや芯ブレ等の誤差要因は、その感光体自体にも存在するが、感光体の本体筐体への支持のさせ方や、感光体への回転駆動力の伝達のさせ方によっても大きく影響を受けることになる。
【0004】
そこで、ここでは、感光体を支持して、感光体に回転駆動力を伝達する方法について考察する。
【0005】
特許文献1、および特許文献2には、ドラム形状の両端それぞれで感光体を支持して、回転駆動力を伝達する方法(以下では、第1の方法と称する)について記載されている。この第1の方法では、感光体のドラム形状の片端に回転駆動力を伝達する駆動シャフトが取り付けられ、他方の端には感光体を回転自在に支持する支持シャフトが取り付けられる。この第1の方法によると、簡易な機構で感光体を回転させることができるが、感光体の片側のみで回転駆動力が伝達されるため、感光体の駆動シャフト側と支持シャフト側とでは偏心量が異なってしまい、感光体の一部が大きく磨耗してしまったり、形成された画像が歪んでしまうなどという問題がある。また、カラーの画像形成装置に適用する場合、色ずれが生じてしまうという不都合もあり、モノクロ画像用に用途が限定されてされてしまっているのが現状である。
【0006】
また、特許文献3、および特許文献4には、感光体にドラム形状の軸に沿った貫通孔を設け、その貫通孔に駆動シャフトを嵌入させて回転駆動力を伝達する方法(第2の方法と称する)について記載されている。
【0007】
図1は、第2の方法が適用された画像形成装置の一部を示す概略構成図である。ここでは、オペレータは、感光体30を棒状の駆動シャフト20に挿し込むことによって感光体30を本体筐体に装着するものとし、挿し込みの手前側(図1の左側)を前側、挿し込みの奥側(図1の右側)を後側と称して説明する。
【0008】
画像形成装置1には、ドラム形状の軸に沿う方向に貫通孔が設けられた感光体30と、本体筐体に固定された前支持板11および後支持板12と、棒形状の両端が後支持板12と前支持板11それぞれに支持され、棒形状の軸回りに回転駆動される駆動シャフト20とが備えられている。
【0009】
感光体30は、貫通孔に駆動シャフト20が嵌入されて、駆動シャフト20に対して固定されることによって本体筐体に支持される。感光体30の、前側の端には前フランジ31が設けられており、後側の端には後フランジ32が設けられている。
【0010】
駆動シャフト20には、感光体30の前フランジ31に設けられたカップリング部31aと相互に嵌り合って、駆動シャフト20の回転駆動力を感光体30に伝達するカップリング部21が設けられている。また、後支持板12と前支持板11には、感光体30の回転を支える軸受22,13が設けられている。
【0011】
感光体30が本体筐体に取り付けられるときには、まず、後フランジ32が駆動シャフト20の先端に挿し込まれ、感光体30が本体筐体に向けて奥方向に押し込まれる。感光体30の貫通孔に駆動シャフト20が貫通されると、駆動シャフト20に設けられたカップリング部21と、感光体30の前フランジ31に設けられたカップリング部31aとが嵌り合い、感光体30が駆動シャフト20に対して固定される。
【0012】
駆動シャフト20が回転駆動されると、その回転駆動力がカップリング部21,31aを介して感光体30に伝達され、感光体30が回転される。このように、駆動シャフト20が感光体30を貫くことによって、感光体30の回転軸心が確実に定まって回転の際の芯ブレが回避され、画像の色ずれや歪みなどが軽減された高画質な画像を形成することができる。
【特許文献1】特開2000−56658号公報
【特許文献2】特開平7−194897号公報
【特許文献3】特開2000−227736号公報
【特許文献4】特開平6−194897号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ここで、感光体30の貫通孔に駆動シャフト20を嵌入させるためには、貫通孔の大きさを、駆動シャフト20の先端側(軸径d1)に配備されたカップリング部21も含めた全体の大きさ(軸径d2)よりも大きくする必要がある。その結果、貫通孔に合わせて駆動シャフト20の根元側の軸径d3も大きくする必要があり(d1>d2>d3)、駆動シャフト20全体が大型化して製造コストが上昇してしまう。また、駆動シャフト20の軸径が増加すると、駆動シャフト20の回転中心を位置決めする各種部品の剛性も向上させる必要があり、画像形成装置1全体の重量が増加してしまうという問題もある。
【0014】
本発明は、上記事情に鑑み、装置全体の重量化が抑えられるとともに、高画質な画像を形成することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成する本発明の画像形成装置は、静電潜像を形成し、静電潜像をトナーで現像してトナー像を形成し、トナー像を最終的に記録媒体上に転写および定着することにより記録媒体上に画像を形成する画像形成装置において、
本体筐体と、
ドラム形状を有すると共にドラム形状の軸に沿った貫通孔が設けられた、ドラム形状の表面に静電潜像が形成される像担持体と、
棒形状を有する、本体筐体から延びて像担持体の貫通孔に嵌入する、棒形状の軸回りに回転駆動される本体、および、像担持体と嵌り合って本体の回転駆動力を像担持体に伝達する、本体筐体と像担持体との間に設けられたカップリング部を有する駆動シャフトとを備えたことを特徴とする。
【0016】
本発明の画像形成装置によると、駆動シャフトの本体が像担持体の貫通孔を貫くことによって、像担持体の回転軸が精度良く定められ、高画質な画像が形成される。また、駆動シャフトのカップリング部が像担持体と本体筐体との間に設けられるため、カップリング部が貫通孔に通されることがなく、貫通孔の小径化が可能となる。その結果、駆動シャフトの軸径も小径化され、装置全体の重量化が抑えられる。さらに、本発明の画像形成装置によると、駆動シャフトのうち棒状の本体のみが像担持体の貫通孔をスムーズに通過するため、像担持体の内部に傷が付いて像担持体の表面の滑らかさが悪化し、画像の画質が低下してしまう不具合が回避される。
【0017】
また、本発明の画像形成装置において、上記像担持体の回転を支える軸受を備え、
駆動シャフトが、カップリング部を、軸受と像担持体とのうち本体筐体に近い方よりもさらに本体筐体側に有することが好適である。
【0018】
本発明における好適な形態の画像形成装置によると、軸受の小径化が可能となり、コストを抑えることができる。
【0019】
また、本発明の画像形成装置において、上記駆動シャフトは、本体筐体側の軸径が、本体筐体側とは逆側の軸径よりも大きいものであることが好ましい。
【0020】
駆動シャフトにおける本体筐体側の軸径が大きく、本体筐体側とは逆側の軸径が小さいことによって、駆動シャフトを像担持体の貫通孔に挿し込む際の操作性が向上する。
【0021】
また、本発明の画像形成装置において、上記像担持体が、駆動シャフトと接触して、像担持体を接地する接地部材を貫通孔内の本体筐体側に有するものであることが好ましい。
【0022】
貫通孔内の本体筐体側に接地部材が設けられることによって、駆動シャフトが像担持体に嵌入される過程における早い段階で、駆動シャフトが接地部材を通過する。このため、、駆動シャフトが勢い良く接地部材とぶつかって変形してしまう不具合などが回避され、駆動シャフトと接地部材とが精度良く接触して、像担持体が確実に接地される。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、装置全体の重量化が抑えられるとともに、高画質な画像を形成することができる画像形成装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0025】
図2は、本発明の一実施形態が適用されたカラー複写機の概略構成図である。
【0026】
図2に示すカラー複写機100には、原稿画像を読み取って画像データを生成する画像読取装置100Aと、用紙上にトナー像からなる画像を形成する画像形成装置100Bとが備えられている。具体的には、このカラー複写機100には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、ブラック(K)及びシアン(C)の各色毎に作像エンジンが並列的に配置され、一連の画像形成処理の高速化が図られたタンデム型の画像形成装置100Bが備えられており、画像読取装置100Aで原稿画像が読み取られて生成された画像データに基づいて、単色の画像をプリントすることができるほか、かかる4色のトナー像からなるフルカラーの画像をプリントすることができる。
【0027】
まず、画像読取装置100Aについて説明する。
【0028】
画像読取装置100Aには、光源131、フルレートミラー132、ハーフレートミラー133,134、結像レンズ135、およびCCDセンサ136が備えられている。
【0029】
カラー複写機100の上部には、原稿画像40が載置されるプラテンガラス100Cが設けられており、光源131では、プラテンガラス100C上の原稿画像40に向けて光が照射される。原稿画像40からの反射光は、フルレートミラー132、ハーフレートミラー133,134、および結像レンズ135を通過して、CCDセンサ136上で結像される。CCDセンサ136では、原稿画像40からの反射光が受光されて、原稿画像40に基づいた、R(レッド),G(グリーン),B(ブルー)3色の色分解データが生成される。これらの色分解データは、画像形成装置100B内に設けられた画像処理部137に送られる。
【0030】
続いて、画像形成装置100Bについて説明する。
【0031】
画像形成装置100Bには、画像データに基づいてトナー像を形成する4つの画像形成部1000Y,1000M,1000C,1000Kが備えられている。尚、これら4つの画像形成部1000Y,1000M,1000C,1000Kはほぼ同様の構成を有しているため、図2ではこれらを代表して黒の画像形成部1000Kにおける各種要素にのみ符号が付されている。以下では、基本的にはC,M,Y,Kの符号を省略してまとめて説明し、各色の要素について個別に説明するときにのみ、その色の符号C,M,Y,Kを付して説明する。
【0032】
各画像形成部1000には、それぞれ、感光体110、帯電器120、現像器140、一次転写器150,感光体クリーナ180が備えられている。感光体110は、本発明における像担持体の一例に相当する。黒用の帯電器120Kは、直流成分のみを有するバイアス電気によって感光体110Kを帯電する直流帯電器であり、黒以外のC,M,Y色用の帯電器120は、直流成分と交流成分とを有するバイアス電気によって感光体110を帯電する重畳帯電器である。直流帯電器は、感光体110の表面が荒れにくく、感光体クリーナ180や感光体110の磨耗が生じにくいため、使用頻度が高く、長寿命が求められる黒の帯電器120K用として用いられている。一方、重畳帯電器は、感光体110の表面が荒れやすく、感光体クリーナ180に設けられたブレード等のめくれや磨耗などが生じやすいが、小型であるため、黒以外のC,M,Y色用の帯電器120として用いられている。
【0033】
また、画像形成装置100Bには、各画像形成部1000に共通の、画像処理部137、制御部138、ROS(Raster Output Scanner)130、トナー供給部160、中間転写ベルト170、二次転写器190、転写体クリーナ250、定着器240、駆動ロール261、従属ロール262、中間転写ベルトクリーナ263、ステアリングロール264、給紙トレイ210、給紙ロール220、搬送ロール265、レジストロール266も備えられている。
【0034】
この画像形成装置100Bの画像形成における基本動作について説明する。
【0035】
まず、画像を形成するための準備として、各色用の感光体110が回転駆動され、感光体110の表面に、帯電器120によって所定の電荷が付与される。
【0036】
続いて、画像読取装置100Aで原稿画像40が読み取られて生成されたR,G,B3色の色分解データが画像処理部137に送られる。画像処理部137では、それらR,G,Bの色分解データに対して、シェーディング補正、位置ずれ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消し、色/移動編集などといった各種画像処理が施され、さらに、ラスタライズ処理が施されて、C,M,Y,K4色の色分解データが生成される。これらのC,M,Y,K4色の色分解データはROS130に送られる。ROS130では、C,M,Y,K4色の色分解データそれぞれに応じたレーザ光が、対応する色の画像形成部1000の感光体110に照射される。
【0037】
画像形成のための準備が終了すると、まず、イエローの画像形成部10Yによるトナー像形成が開始される。ROS130により、感光体110Y表面にイエローの色分解画像に相当するレーザ光が照射されて静電的な潜像(静電潜像)が形成される。その静電潜像は、現像器140Yによって循環供給される現像剤に含まれたイエローのトナーで、現像器140Yと感光体110Yとの間の現像位置に印加された現像電圧によって現像されて、感光体110Y上にイエローのトナー像が形成される。
【0038】
感光体110Y上にイエローのトナー像が形成されると、一次転写器150Yに転写バイアス電圧が印加され、感光体110Y上に形成されたイエローのトナー像が中間転写ベルト170上に転写される。
【0039】
また、感光体110Y上のトナー像が中間転写ベルト170上に転写されると、感光体クリーナ180Yによって、感光体110Y上に残留する残留トナーが掻き取られて除去される。
【0040】
中間転写ベルト170は、駆動ロール261によって所定の巡回経路を巡回移動されるとともに、ステアリングロール264によって幅方向の位置ずれが補正される。この中間転写ベルト170上に転写されたイエローのトナー像が次の色であるマゼンタの画像形成部1000Mの一次転写器150Mに到達するタイミングに合わせて、マゼンタのトナー像が一次転写器150Mに到達するように、マゼンタの画像形成部1000Mによるトナー像形成が行われる。こうして形成されたマゼンタのトナー像は、一次転写器150Mによって中間転写ベルト170上のイエローのトナー像の上に重ねて転写される。
【0041】
続いて、シアンおよび黒の画像形成部1000C、1000Kによるトナー像形成が上記と同様のタイミングで行われ、一次転写器150C、150Kにおいて中間転写ベルト170のイエローおよびマゼンタのトナー像の上に順次重ねて転写される。
【0042】
中間転写ベルト170上に多色トナー像が転写されると、給紙トレイ210に収納された用紙41が給紙ロール220、搬送ロール265を備えた用紙搬送経路230上を通ってレジストロール266まで搬送される。レジストロール266では、中間転写ベルト170上の多色トナー像が二次転写器190に達するタイミングに同期して、用紙41が二次転写器190に供給される。
【0043】
中間転写ベルト170上の多色トナー像は、二次転写器190により用紙41上に二次転写されて用紙41とともに搬送され、定着器240により用紙41上に定着されてカラー画像が形成される。二次転写器190上に残留する残留トナーは転写体クリーナ250によって除去され、転写後の中間転写ベルト170上に残留する残留トナーは中間転写ベルトクリーナ263によって除去されて、次の画像形成に向けての準備がなされる。
【0044】
カラー複写機100は、基本的には以上のように構成されている。
【0045】
ここで、感光体110は表面が磨耗しやすい消耗品であるため、本実施形態では、感光体110がカラー複写機100の画像形成装置100Bに交換可能に装着されることによって、カラー複写機100全体の寿命の向上が図られている。以下では、感光体110を画像形成装置100Bに装着する方法について説明する。
【0046】
尚、本実施形態においては、感光体110は、ドラム形状の軸に沿う方向にスライドされることによって画像形成装置100Bの本体筐体に装着されるものとして説明を行い、以下では、感光体110が押し込まれる、本体筐体に近い奥側を後側、感光体110が引き出される、本体筐体から遠い手前側を前側と称して説明する。
【0047】
図3は、図2に示す画像形成装置に着脱自在に装着される感光体ユニットを前方斜め上から見た斜視図である。
【0048】
この感光体ユニット300には、ドラム状の感光体110や帯電器120等が一体的にユニット化されており、前側にはフロントカバー310が備えられ、後側にはリアカバー320が備えられている。さらにこの感光体ユニット300には、手で持つための取手330なども備えられている。
【0049】
図4は、画像形成装置に装着された感光体ユニットの断面図である。
【0050】
図3にも示す感光体ユニット300には、感光体110を貫く貫通孔104が設けられている。また、本体筐体101には、駆動シャフト102が突き出すように支持されている。この本体筐体101は、本発明にいう本体筐体の一例にあたり、駆動シャフト102は、本発明にいう駆動シャフトの一例に相当する。駆動シャフト102が感光体110の貫通孔104に嵌入され、感光体110が駆動シャフト102に対して固定されることによって、感光体ユニット300が本体筐体101に取り付けられる。このように、駆動シャフト102が感光体110の貫通孔104を貫くことによって、感光体110の回転軸が精度良く定められ、カラー複写機100によって高画質な画像が形成される。
【0051】
駆動シャフト102は、棒形状を有し、軸周りに回転駆動される棒部分102aと、感光体ユニット300が配備される位置よりもさらに本体筐体101に近い後側に設けられた、感光体ユニット300の感光体110に回転駆動力を伝達するカップリング部102bとで構成されている。この棒部分102aは、本発明にいう本体の一例にあたり、カップリング部102bは、本発明にいうカップリング部の一例に相当する。
【0052】
感光体110には、ドラム形状の内部に、駆動シャフト102と接触して感光体110を接地する板バネ111と、ドラム形状の後側に、駆動シャフト102のカップリング部102bと相互に嵌り合うカップリング部110aとが設けられている。この板バネ111は、本発明にいう接地部材の一例に相当する。
【0053】
感光体ユニット300が本体筐体101に取り付けられるときには、まず、感光体110の貫通孔104の後側の口に駆動シャフト102の棒部分102aの先端が挿し込まれ、感光体ユニット300が本体筐体101に向けて奥方向(図4の右側)に押し込められる。
【0054】
通常、感光体ユニット300を駆動シャフト102に嵌入する際にがたつくため、感光体ユニット300は奥方向に押し込められるほど位置がずれてしまい、駆動シャフト102の先端が前側の貫通孔104付近にぶつかってしまうことがしばしば生じる。従来、板バネ111は感光体110内部の前側に設けられていたため、駆動シャフト102の先端が板バネ111を通過するときには感光体110の位置ずれが進んでしまっており、駆動シャフト102と板バネ111とがぶつかって板バネ111が変形してしまい、精度良く接地することができなくなってしまうという不具合があった。本実施形態においては、板バネ111が感光体110内部の後側に設けられており、感光体110の位置ずれが少ないうちに駆動シャフト102の先端が板バネ111を通過するため、板バネ111の変形が回避されて、板バネ111と駆動シャフト102とが精度良く接触し、感光体110を確実に接地することができる。
【0055】
図5および図6は、駆動シャフト102のカップリング部102bと、感光体110のカップリング部110aの拡大図である。
【0056】
図5に示すように、感光体110のカップリング部110aと、駆動シャフト102のカップリング部102bとは、相互に嵌り合うテーパー形状を有している。また、感光体110のカップリング部110aは、線膨張係数が10×10-5以下である熱可塑性樹脂で構成されている。このような感光体110のカップリング部110aを用いることによって、構成が簡易になり、かつ製造コストを抑えることができる。
【0057】
感光体ユニット300が本体筐体101に向けてさらに押し込められると、図6に示すように、感光体110のカップリング部110aと、駆動シャフト102のカップリング部102bとが嵌り合って、感光体110が駆動シャフト102に対して固定される。また、感光体110の、カップリング部110aよりも前側には、感光体110の回転を受ける軸受103aが設けられている。図4に示すように、感光体110の前側にも、軸受103bが設けられており、これら軸受103a,103bによって、帯電器120や感光体クリーナ180が感光体110に対して精度良く位置決めされ、高画質な画像を形成することができる。また、後側の軸受103aをカップリング部110aよりも前側に設けることによって、軸受103aを必要以上に大きくする必要がなく、製造コストを抑えることができる。
【0058】
ここで、図4に示すように、画像形成装置100Bにおいては、駆動シャフト102と感光体110とを繋ぐカップリング部102b,110aが、感光体110と本体筐体101との間に設けられている。このため、駆動シャフト102のカップリング部102bが感光体110の貫通孔104を通る必要がなく、貫通孔104の小径化が可能となる。その結果、駆動シャフト102の棒部分102aの軸径が小径化され、画像形成装置100B、さらにはカラー複写機100全体の軽量化が実現される。また、貫通孔104を棒部分102aのみが通過すればよく、感光体ユニット300をスムーズに本体筐体101に取り付けることができ、感光体110の内部に傷が付いて感光体110の表面の滑らかさが悪化し、画像の画質が低下してしまう不具合が回避される。
【0059】
また、本実施形態においては、棒部分102aの軸径は先端ほど小径になっており、具体的には、先端部分の軸径φ1=9mm、中央部分の軸径φ2=9.5mm、根元部分の軸径φ3=10mmとなっている。棒部分102aが先端部分ほど細いことによって、棒部分102aを感光体110に嵌入する際の操作性が向上する。
【0060】
ここで、上記では、本発明にいう像担持体として感光体を適用する例について説明したが、本発明にいう像担持体は、本体筐体に対して装着され、ドラム形状を有するものであれば、例えば、転写ロールなどであってもよい。
【0061】
また、上記では、本発明の画像形成装置をカラー複写機に適用する例について説明したが、本発明の画像形成装置は、画像を読み取って画像データを生成する画像読取装置を備えていないものであってもよく、例えば、パーソナルコンピュータなどから送られてきた画像データに基づいて画像を形成するプリンタなどであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】第2の方法が適用された画像形成装置の一部を示す概略構成図である。
【図2】本発明の一実施形態が適用されたカラー複写機の概略構成図である。
【図3】図2に示す画像形成装置に着脱自在に装着される感光体ユニットを前方斜め上から見た斜視図である。
【図4】画像形成装置に装着された感光体ユニットの断面図である。
【図5】駆動シャフト102のカップリング部102bと、感光体110のカップリング部110aの拡大図である。
【図6】駆動シャフト102のカップリング部102bと、感光体110のカップリング部110aの拡大図である。
【符号の説明】
【0063】
1 画像形成装置
11 前支持板
12 後支持板
13,22 軸受
20 駆動シャフト
30 感光体
31 前フランジ
32 後フランジ
40 原稿画像
41 用紙
100 カラー複写機
100A 画像読取装置
100B 画像形成装置
100C プラテンガラス
1000 画像形成部
101 本体筐体
102 駆動シャフト
102a 棒部分
102b カップリング部
103a,103b 軸受
104 貫通孔
110 感光体
110a カップリング部
111 板バネ
120 帯電器
130 ROS
131 光源
132 フルレートミラー
133,134 ハーフレートミラー
135 結像レンズ
136 CCDセンサ
137 画像処理部
138 制御部
140 現像器
150 一次転写器
160 トナー供給部
170 中間転写ベルト
180 感光体クリーナ
190 二次転写器
210 給紙トレイ
220 給紙ロール
240 定着器
250 転写体クリーナ
261 駆動ロール
262 従属ロール
263 中間転写ベルトクリーナ
264 ステアリングロール
265 搬送ロール
266 レジストロール
300 感光体ユニット
310 フロントカバー
320 リアカバー
330 取手

【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電潜像を形成し、該静電潜像をトナーで現像してトナー像を形成し、該トナー像を最終的に記録媒体上に転写および定着することにより該記録媒体上に画像を形成する画像形成装置において、
本体筐体と、
ドラム形状を有すると共に該ドラム形状の軸に沿った貫通孔が設けられた、該ドラム形状の表面に前記静電潜像が形成される像担持体と、
棒形状を有する、前記本体筐体から延びて前記像担持体の貫通孔に嵌入する、該棒形状の軸回りに回転駆動される本体、および、該像担持体と嵌り合って該本体の回転駆動力を該像担持体に伝達する、前記本体筐体と該像担持体との間に設けられたカップリング部を有する駆動シャフトとを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記像担持体の回転を支える軸受を備え、
前記駆動シャフトが、前記カップリング部を、前記軸受と前記像担持体とのうち前記本体筐体に近い方よりもさらに該本体筐体側に有することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記駆動シャフトは、前記本体筐体側の軸径が、該本体筐体側とは逆側の軸径よりも大きいものであることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記像担持体が、前記駆動シャフトと接触して、該像担持体を接地する接地部材を前記貫通孔内の前記本体筐体側に有するものであることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−91301(P2006−91301A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−275342(P2004−275342)
【出願日】平成16年9月22日(2004.9.22)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】