説明

画像形成装置

【課題】記録媒体を反転させて画像を形成するか否かによらず、印刷方向を揃えることができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】第1トレイには、記録媒体が第1の状態で画像形成位置に搬送されるような状態で取り出し可能に収納され、第2のトレイには、記録媒体が第2の状態で画像形成位置に搬送されるような状態で取り出し可能に収納される。第2の状態は、記録媒体が第1の状態で搬送され反転機構で反転されて画像形成位置に再搬送されたときの状態に等しい状態である。画像形成装置では、記録媒体を反転せずに印刷する片面印刷を行なうか、記録媒体を反転して両面に印刷する両面印刷を行なうかに応じて、記録媒体を第1のトレイまたは第2のトレイから取り出し、取り出した記録媒体を画像形成位置に搬送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体を表裏反転する反転機構を用いて両面印刷が可能な画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、両面印刷が可能な画像形成装置が広く普及している。このような画像形成装置には、記録媒体の表裏を反転する機構が搭載され、この機構を使用して裏面及び表面(おもてめん)の印刷が行なわれる。
【0003】
両面印刷が可能な画像形成装置として、表および裏の両面のデータを記憶しておき、裏面データ、表面データの順で用紙に両面印刷し、頁昇順に積載して排出することができる印刷装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、両面印刷途中で片側が白面となると判定されたときに片面印刷制御を行う画像形成装置も知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【特許文献1】特開平8−192552号公報
【特許文献2】特開平10−123885号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ページ順を揃えることを考慮して、両面印刷時に表面データと裏面データとの入れ替えや、両面印刷途中での片面印刷への切り替えなどを不用意に行なうと、記録媒体によってはユーザの意図した出力結果と異なる出力結果が得られる場合がある。
【0005】
例えば、両面印刷時に裏面データ、表面データの順に印刷を行なう場合には、記録媒体の片面に裏面データを印刷した後、記録媒体を表裏反転して表面データの印刷を行い、片面印刷時には、記録媒体を反転する前の状態で片面印刷を行なう場合を考える。この場合に、記録媒体として穴あき用紙を用い、図18(A)のように穴あき用紙の綴じ穴側から画像形成位置に搬送して印刷すると、図18(B)及び図18(C)に示されるように、両面印刷したときの出力結果と片面印刷したときの出力結果とでは、穴あき用紙の綴じ穴の位置に対し印刷方向が一致せず、印刷方向を揃えようと意図しても意図した出力結果が得られないこととなる。また記録媒体がタブ部を有するインデックス用紙の場合も、同様の問題が生じる。
【0006】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、記録媒体を反転させて画像を形成するか否かによらず、印刷方向を揃えることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、第1の発明の画像形成装置は、記録媒体が収納された記録媒体収納部と、前記記録媒体収納部から記録媒体を取り出して搬送路途中の画像形成位置に搬送する搬送手段と、前記画像形成位置に搬送された記録媒体の一方の面に画像を形成する画像形成手段と、前記画像形成位置を通過した記録媒体を表裏反転させて前記搬送路の搬送方向上流側から前記画像形成位置に再搬送する反転手段と、前記反転手段で記録媒体を反転させて画像を形成するか否かに応じて、記録媒体が予め定められた第1の状態で前記画像形成位置に搬送されるように前記搬送手段を制御する第1の制御、又は前記第1の状態で搬送され前記反転手段で反転されて再搬送されたときの状態に等しい第2の状態で前記画像形成位置に搬送されるように前記搬送手段を制御する第2の制御を行なう制御手段と、を含んで構成されている。
【0008】
すなわち、第1の発明では、反転手段で記録媒体を反転させて画像を形成するか否かに応じて、第1の制御又は第2の制御が行なわれる。第1の制御は、記録媒体が予め定められた第1の状態で画像形成位置に搬送されるように搬送手段を制御する制御であり、第2の制御は、第1の状態で搬送され反転手段で反転されて再搬送されたときの状態に等しい第2の状態で画像形成位置に搬送されるように搬送手段を制御する制御である。
【0009】
なお、反転手段で記録媒体を反転させて画像を形成する処理としては、例えば両面印刷が挙げられる。また、片面印刷であっても、反転手段で記録媒体を反転させて裏面に印刷する場合もある。
【0010】
このように反転手段で記録媒体を反転させて画像を形成する場合と、反転させずに画像を形成する場合とで、制御を異ならせることによって、記録媒体が、綴じ穴を有する穴あき用紙などであっても、また、タブ部を有するインデックス用紙などであっても、印刷方向を揃えることができ、ユーザの意図した出力結果が得られる。
【0011】
なお、前記記録媒体収納部は、記録媒体が前記第1の状態で前記画像形成位置に搬送されるような状態で取り出し可能に収納される第1の収納部と、記録媒体が前記第2の状態で前記画像形成位置に搬送されるような状態で取り出し可能に収納される第2の収納部とを備え、前記制御手段は、前記第1の制御では、前記第1の収納部から記録媒体が取り出されて前記画像形成位置に搬送されるように前記搬送手段を制御し、前記第2の制御では、前記第2の収納部から記録媒体が取り出されて前記画像形成位置に搬送されるように前記搬送手段を制御することができる。
【0012】
このような構成によれば、反転手段で記録媒体を反転させて画像を形成するか否かに応じて、記録媒体を取り出す収納部を第1の収納部及び第2の収納部のいずれかに切替えることができるため、より簡易な構成で適切な制御が可能となる。なお、第1の収納部および第2の収納部は、それぞれ1個としてもよいし、それぞれが複数個あってもよい。
【0013】
また、前記記録媒体収納部は、記録媒体が前記第1の状態で前記画像形成位置に搬送されるような状態で取り出し可能な第1の端部と、記録媒体が前記第2の状態で前記画像形成位置に搬送されるような状態で取り出し可能な第2の端部とを備え、前記制御手段は、前記第1の制御では、前記第1の端部から記録媒体が取り出されて前記画像形成位置に搬送されるように前記搬送手段を制御し、前記第2の制御では、前記第2の端部から記録媒体が取り出されて前記画像形成位置に搬送されるように前記搬送手段を制御することができる。
【0014】
このような構成によれば、反転手段で記録媒体を反転させて画像を形成するか否かに応じて、記録媒体を取り出す端部を第1の端部及び第2の端部のいずれかに切替えることができるため、より簡易な構成で適切な制御が可能となる。
【0015】
また、第2の発明の画像形成装置は、記録媒体が収納された記録媒体収納部と、前記記録媒体収納部から記録媒体を取り出して搬送路途中の画像形成位置に搬送する搬送手段と、前記画像形成位置に搬送された記録媒体の一方の面に画像を形成する画像形成手段と、前記画像形成位置を通過した記録媒体を表裏反転させて前記搬送路の搬送方向上流側から前記画像形成位置に再搬送する反転手段と、前記反転手段で記録媒体を反転させて画像を形成するか否かに応じて、記録媒体の搬送方向に対して第1の向きで画像が形成されるように前記画像形成手段を制御する第1の制御、又は記録媒体の搬送方向に対して前記第1の向きを180度回転させた第2の向きで画像が形成されるように前記画像形成手段を制御する第2の制御を行なう制御手段と、を含んで構成されている。
【0016】
すなわち、第2の発明では、反転手段で記録媒体を反転させて画像を形成するか否かに応じて、第1の制御又は第2の制御が行なわれる。第1の制御は、記録媒体の搬送方向に対して第1の向きで画像が形成されるように画像形成手段を制御する制御であり、第2の制御は、記録媒体の搬送方向に対して第1の向きを180度回転させた第2の向きで画像が形成されるように画像形成手段を制御する制御である。
【0017】
なお、反転手段で記録媒体を反転させて画像を形成する処理としては、例えば両面印刷が挙げられる。また、片面印刷であっても、反転手段で記録媒体を反転させて裏面に印刷する場合もある。
【0018】
このように反転手段で記録媒体を反転させて画像を形成する場合と、反転させずに画像を形成する場合とで制御を異ならせることによって、記録媒体が、綴じ穴を有する穴あき用紙などであっても印刷方向を揃えることができ、ユーザの意図した出力結果が得られる。
【0019】
なお、第1及び第2の発明の画像形成装置において、前記制御手段は、更に、前記反転手段で記録媒体を反転させて画像を形成する場合の記録媒体の各面への画像形成順序及び記録媒体の種別の少なくとも一方に応じて、前記第1の制御又は前記第2の制御を行なうことができる。
【0020】
画像形成順序としては、裏面、表面(おもてめん)の順に画像を形成するか、表面、裏面の順に画像を形成するかのいずれかがある。
【0021】
また、記録媒体の種別としては、例えば、用紙自体の裏表がなく、綴じ穴やタブ部が設けられていない普通紙や、綴じ穴が設けられた穴あき用紙、タブ部が設けられたインデックス用紙などがある。このような様々な記録媒体の特徴に応じて制御を行なえば、より適切かつ効率的に画像を形成することができる。
【0022】
また、第1及び第2の発明の画像形成装置において、前記反転手段で記録媒体を反転させて画像を形成するか否か、前記画像形成順序、及び記録媒体の種別の少なくとも1つに対応して前記制御手段が行なう制御を予め設定する設定手段を更に備えることができる。
【0023】
このような構成によれば、ユーザが実行させたい制御を任意に設定することができる。
【0024】
第3の発明の画像形成装置は、記録媒体が収納された記録媒体収納部と、前記記録媒体収納部から記録媒体を取り出して搬送路途中の画像形成位置に搬送する搬送手段と、前記画像形成位置に搬送された記録媒体の一方の面に画像を形成する画像形成手段と、前記画像形成位置を通過した記録媒体を表裏反転させて前記搬送路の搬送方向上流側から前記画像形成位置に再搬送する反転手段と、前記反転手段で記録媒体を反転させて画像を形成するか否かに応じて、記録媒体が予め定められた第1の状態で前記画像形成位置に搬送されるように前記搬送手段を制御すると共に記録媒体の搬送方向に対して第1の向きで画像が形成されるように前記画像形成手段を制御する第1の制御、記録媒体が前記第1の状態で搬送され前記反転手段で反転されて再搬送されたときの状態に等しい第2の状態で前記画像形成位置に搬送されるように前記搬送手段を制御すると共に記録媒体に対して前記第1の向きで画像が形成されるように前記画像形成手段を制御する第2の制御、及び記録媒体が前記第1の状態で前記画像形成位置に搬送されるように前記搬送手段を制御すると共に記録媒体に対して前記第1の向きを180度回転させた第2の向きで画像が形成されるように前記画像形成手段を制御する第3の制御のいずれかを行なう制御手段と、を含んで構成されている。
【0025】
すなわち、第3の発明では、反転手段で記録媒体を反転させて画像を形成するか否かに応じて、第1の制御、第2の制御、又は第3の制御が行なわれる。
【0026】
第1の制御は、記録媒体が予め定められた第1の状態で画像形成位置に搬送されるように搬送手段を制御すると共に記録媒体の搬送方向に対して第1の向きで画像が形成されるように画像形成手段を制御する制御であり、第2の制御は、記録媒体が第1の状態で搬送され反転手段で反転されて再搬送されたときの状態に等しい第2の状態で画像形成位置に搬送されるように搬送手段を制御すると共に記録媒体に対して第1の向きで画像が形成されるように画像形成手段を制御する制御である。また、第3の制御は、記録媒体が第1の状態で画像形成位置に搬送されるように搬送手段を制御すると共に記録媒体に対して第1の向きを180度回転させた第2の向きで画像が形成されるように画像形成手段を制御する。
【0027】
なお、反転手段で記録媒体を反転させて画像を形成する処理としては、例えば両面印刷が挙げられる。また、片面印刷であっても、反転手段で記録媒体を反転させて裏面に印刷する場合もある。
【0028】
このように反転手段で記録媒体を反転させて画像を形成する場合と、反転させずに画像を形成する場合とで、制御を異ならせることによって、記録媒体が、綴じ穴を有する穴あき用紙などであっても、また、タブ部を有するインデックス用紙などであっても、印刷方向を揃えることができ、ユーザの意図した出力結果が得られる。
【0029】
また、第3の発明の画像形成装置おいて、前記記録媒体収納部は、記録媒体が前記第1の状態で前記画像形成位置に搬送されるような状態で取り出し可能に収納される第1の収納部と、記録媒体が前記第2の状態で前記画像形成位置に搬送されるような状態で取り出し可能に収納される第2の収納部とを備え、前記制御手段は、前記第1の制御及び前記第3の制御で前記搬送手段を制御するときには、前記第1の収納部から記録媒体が取り出されて前記画像形成位置に搬送されるように前記搬送手段を制御し、前記第2の制御で前記搬送手段を制御するときには、前記第2の収納部から記録媒体が取り出されて前記画像形成位置に搬送されるように前記搬送手段を制御することができる。
【0030】
このような構成によれば、反転手段で記録媒体を反転させて画像を形成するか否かに応じて、記録媒体を取り出す収納部を第1の収納部及び第2の収納部のいずれかに切替えることができるため、より簡易な構成で適切な制御が可能となる。なお、第1の収納部および第2の収納部は、それぞれ1個としてもよいし、それぞれが複数個あってもよい。
【0031】
また、第3の発明の画像形成装置において、前記記録媒体収納部は、記録媒体が前記第1の状態で前記画像形成位置に搬送されるような状態で取り出し可能な第1の端部と、記録媒体が前記第2の状態で前記画像形成位置に搬送されるような状態で取り出し可能な第2の端部とを備え、前記制御手段は、前記第1の制御及び前記第3の制御で前記搬送手段を制御するときには、前記第1の端部から記録媒体が取り出されて前記画像形成位置に搬送されるように前記搬送手段を制御し、前記第2の制御で前記搬送手段を制御するときには、前記第2の端部から記録媒体が取り出されて前記画像形成位置に搬送されるように前記搬送手段を制御することができる。
【0032】
このような構成によれば、反転手段で記録媒体を反転させて画像を形成するか否かに応じて、記録媒体を取り出す端部を第1の端部及び第2の端部のいずれかに切替えることができるため、より簡易な構成で適切な制御が可能となる。
【0033】
なお、第3の発明の画像形成装置において、前記制御手段は、更に、前記反転手段で記録媒体を反転させて画像を形成する場合の記録媒体の各面への画像形成順序及び記録媒体の種別の少なくとも一方に応じて、前記第1の制御、前記第2の制御、及び前記第3の制御のいずれかを行なうことができる。
【0034】
画像形成順序としては、裏面、表面の順に画像を形成するか、表面、裏面の順に画像を形成するかのいずれかがある。
【0035】
また、記録媒体の種別としては、例えば、用紙自体の裏表がなく、綴じ穴やタブ部が設けられていない普通紙や、綴じ穴が設けられた穴あき用紙、タブ部が設けられたインデックス用紙などがある。このように様々な記録媒体の特徴に応じて制御を行なえば、より適切かつ効率的に画像を形成することができる。
【0036】
また、第3の発明において、両面印刷を行なうか否か、前記反転手段で記録媒体を反転させて画像を形成するか否か、前記画像形成順序、及び記録媒体の種別の少なくとも1つに対応して前記制御手段が行なう制御を予め設定する設定手段を更に備えることができる。
【0037】
このような構成によれば、ユーザが実行させたい制御を任意に設定することができる。
【発明の効果】
【0038】
以上説明したように、本発明によれば、反転機構で記録媒体を反転させて画像を形成するか否かに応じた制御を行なうことにより、印刷方向を揃えることができる、という優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0040】
[第1の実施の形態]
図1は、本実施の形態の画像形成装置の構成を示すブロック図である。この画像形成装置は、コントローラ10とプリンタエンジン30とを備えている。コントローラ10は、外部のホストコンピュータ等から入力された印刷データをラスタ処理(ビットマップ化)して画像データを生成し、プリンタエンジン30に対して該生成した画像データを送信することによって、プリンタエンジン30に画像形成動作を行なわせる。プリンタエンジン30は、コントローラ10から入力した画像データに基づいて用紙に画像を形成する。
【0041】
コントローラ10は、CPU12、ROM14、RAM16、エンジンインタフェース18、及び各種インタフェース20を備えている。
【0042】
CPU12は、記憶手段としてのROM14に記憶されたプログラムを実行することにより、入力された印刷データをラスタ処理して画像データを生成したり、生成した画像データを、プリンタエンジン30からの画像データ要求信号に応じてプリンタエンジン30に送信したりする。また、プリンタエンジン30に対して、用紙の両面に画像を形成する両面印刷を行なうときと、用紙の片面に画像を形成する片面印刷を行なうときとで印刷方向が揃うように、プリンタエンジン30に対して、用紙の搬送を制御するための制御信号を送信したり、所定量だけ回転させた画像データを送信したりする等の処理も行なう。RAM16は、ワークメモリとして使用される。
【0043】
エンジンインタフェース18は、プリンタエンジン30と接続するためのインタフェースである。エンジンインタフェース18はプリンタエンジン30のコントローラインタフェース38に接続された接続ライン22に接続されており、このインタフェース18を介してプリンタエンジン30と画像データや制御信号の送受信が行なわれる。
【0044】
各種インタフェース20は、コントローラ10に設けられたパネルディスプレイ等のユーザインタフェース(不図示)や、インターネット等のネットワーク(不図示)と接続するためのインタフェースである。
【0045】
プリンタエンジン30は、CPU32、ROM34、RAM36、コントローラインタフェース38、及びエンジンデバイスインタフェース40を備えている。
【0046】
CPU32は、記憶手段としてのROM34に記憶されたプログラムを実行することにより、コントローラ10から入力された画像データに基づいて、実際に画像を形成するエンジンデバイス(図2参照)を制御して用紙に画像を形成させる。RAM36は、ワークメモリとして使用される。
【0047】
コントローラインタフェース38は、コントローラ10と接続するためのインタフェースである。コントローラインタフェース38はコントローラ10のエンジンインタフェース18に接続された接続ライン22に接続されており、このインタフェース38を介してコントローラ10と画像データや制御信号の送受信が行なわれる。
【0048】
エンジンデバイスインタフェース40は、プリンタエンジン30に設けられた各エンジンデバイスと接続するためのインタフェースである。このインタフェースを介して各エンジンデバイスの動作が制御され、用紙に画像を形成することができる。
【0049】
図2は、プリンタエンジン30に備えられた各エンジンデバイスと用紙の搬送経路(点線で図示)とを示した図である。
【0050】
エンジンデバイスの1つである感光体ドラム51の周囲には、円周方向に沿って、帯電器52、現像装置53が配設されている。帯電器52と現像装置53の間には、感光体ドラム51の表面にレーザ光を照射して静電潜像を形成する光走査装置(ROS)55が設けられている。
【0051】
感光体ドラム51のROS55と反対側には、感光体ドラム51に対向して、転写ローラ56が設けられている。
【0052】
用紙収納部としての第1トレイ80及び第2トレイ82には、用紙が収納されている。第1トレイ80の端部上方には、給紙ローラ62が配置されており、第1トレイ80に収納された用紙が1枚ずつ取り出される。また、第2トレイ82の端部上方には、給紙ローラ64が配置されており、第2トレイ82に収納された用紙が1枚ずつ取り出される。
【0053】
第1トレイ80又は第2トレイ82から取り出された用紙は搬送ローラ58、59を備えた搬送路90を通り、更に搬送ローラ60を備え、感光体ドラム51や転写ローラ56が配設された主搬送路92に搬送される。そして主搬送路92の上流側から搬送された用紙は感光体ドラム51と転写ローラ56との間の画像形成位置に搬送される。
【0054】
感光体ドラム51は、帯電器52によって表面が所定の電位に帯電される。そして、画像データに基づいてROS55からレーザ光が照射されて感光体ドラム51の表面が露光され、静電潜像が形成される。この静電潜像が、現像装置53によって現像され、感光体ドラム51の表面にトナー像が形成される。なお、用紙に転写されずに感光体ドラム51の表面に残留したトナーは、不図示のクリーナによって回収される。
【0055】
感光体ドラム51表面のトナー像は、主搬送路92を通って感光体ドラム51との対向位置に搬送された用紙の一方の面に、転写ローラ56の作用により転写される。その後、用紙上のトナー像は搬送方向下流側に設置された定着装置66で加熱溶融され、トナー像が用紙に定着される。定着装置66の搬送方向下流側で、用紙は分岐部67で分岐され、排出トレイ(不図示)が設けられた排出路96又は反転搬送路94に搬送される。
【0056】
排出路96では、用紙が搬送ローラ68で搬送されて不図示の排紙トレイに排出される。
【0057】
一方、両面印刷する場合には、反転機構により用紙を反転して画像形成位置に再搬送する。反転機構は、搬送ローラ68,及び反転搬送路94に沿って配設された搬送ローラ70,72,74,76を含んで構成される。搬送ローラ68で用紙が途中まで排出路96側に搬送された後、搬送ローラ68を逆回転することによって用紙を反転搬送路94側に搬送する。反転搬送路94は搬送ローラ70,72,74,76を備え、これらが回転することにより主搬送路92の搬送方向上流側まで用紙が搬送される。そして、主搬送路92の上流側に再搬送された用紙は画像形成位置まで再搬送され、用紙の他方の面にトナー像が転写される。
【0058】
この画像形成装置で画像を形成することができる用紙には様々なものがある。例えば、図3(A)に示すように、綴じ穴やタブ部が設けられていない普通紙が挙げられる。普通紙は、用紙自体に裏表がなく、反転機構により反転しても、反転前の形状と反転後の形状とが等しくなるという特徴を有する。以下、用紙自体に裏表がなく、反転前の形状と反転後の形状とが等しくなる用紙のタイプを総称して、通常用紙タイプと呼称する。
【0059】
また、綴じ穴が設けられた穴あき用紙にも画像を形成することができる。なお、穴あき用紙は、図3(B)のように用紙搬送方向に平行に穴が並ぶように搬送した場合には、反転機構により反転しても、反転前の形状と反転した形状とが等しくなるが、実際には、図3(C)に示すように、用紙搬送方向に垂直に穴が並ぶように搬送する場合が多く、その場合には反転前の形状と反転後の形状とが等しくならない。ただし、後者の場合であっても、穴あき用紙は、反転後に更に用紙を180度回転させれば反転前の形状に一致するという特徴がある。以下、用紙自体に裏表がなく、反転後の形状が反転前の形状に一致しないが、両者の関係が点対称となる用紙のタイプを総称して対称系用紙タイプと呼称する。
【0060】
また、タブ部が設けられたインデックス用紙にも画像を形成することができる。インデックス用紙は、図3(D)に示すように、反転後の形状が反転前の形状に一致せず、且つ両者の関係が点対称の関係とならない用紙のタイプとすることができる。また、用紙自体に表裏がある(例えば表裏で質感が異なる、あるいは表裏で異なる画像が予めプリントされている等)用紙にも画像を形成することができる。以下、用紙自体に裏表があるか、もしくは用紙を反転させた後の形状が点対称でない用紙のタイプを総称してインデックス用紙タイプと総称する。
【0061】
本実施の形態の画像形成装置では、対称系用紙タイプやインデックス用紙タイプの用紙であっても、両面印刷と片面印刷が混在する印刷ジョブで印刷方向を揃えることができるようにプリンタエンジン30の画像形成動作を制御する。以下、本実施の形態では、特に対称系用紙タイプの穴あき用紙に画像を形成する場合を例に挙げ、この画像形成装置の画像形成動作について説明する。
【0062】
図4(A)は、図1及び図2に示す本実施の形態の画像形成装置と用紙の搬送路とを模式的に示した図である。第1トレイ80には、図4(B)に示すように穴あき用紙の綴じ穴側から搬送されるような状態で収納されている。一方、第2トレイ82には、図4(C)に示すように穴あき用紙の綴じ穴側と逆側から搬送されるような状態で収納されている。すなわち、ここでは、用紙が第1トレイ80から取り出されて画像形成位置に搬送されたときの状態と、第2トレイ82から取り出されて反転機構で反転された後に画像形成位置に再搬送されたときの状態とが等しくなるように第1トレイ80及び第2トレイ82に用紙を収納する。
【0063】
図5は、印刷ジョブの印刷が開始されたときに起動する印刷処理のメインルーチンを示すフローチャートである。
【0064】
ステップ100では、印刷ジョブが終了したか否かを判断する。終了していないと判断した場合には、ステップ102で、印刷対象の印刷データを設定する。ステップ104では、印刷処理のサブルーチンを実行する。
【0065】
また、ステップ100で、印刷ジョブが終了したと判断した場合には、本メインルーチンを終了する。従って、印刷処理サブルーチンは、印刷ジョブの全ての頁の印刷が終了するまで繰り返し実行されることとなる。
【0066】
図6は、本実施の形態の画像形成装置で実行される印刷処理サブルーチンの流れを示すフローチャートである。なお、本実施の形態では、両面印刷を行なう場合には、裏面の画像データ、表面の画像データの順に印刷を行なうように設定されているものとする。
【0067】
ステップ200では、コントローラ10は印刷対象の印刷データの印刷種別が両面印刷か片面印刷かを判断する。両面印刷であると判断した場合には、ステップ202に移行し、第2トレイ82より給紙するようにコントローラ10からプリンタエンジン30に対し制御信号を送出する。これにより、エンジンデバイスの給紙ローラ64が回転して、第2トレイ82から穴あき用紙が取り出され、穴あき用紙の綴じ穴側と逆側の端部から主搬送路92に搬送される。
【0068】
ステップ204では、コントローラ10はプリンタエンジン30からの要求により裏面の画像データを生成して送信する。これにより、プリンタエンジン30では、この画像データに基づいて、画像形成位置に到達した穴あき用紙の一方の面に裏面の画像を形成する。
【0069】
ステップ206では、コントローラ10は、プリンタエンジン30に対して用紙を反転するように制御信号を送信する。プリンタエンジン30は、この制御信号に応じて、反転機構により穴あき用紙を反転し、反転搬送路94を介して主搬送路92の搬送方向上流側から画像形成位置に穴あき用紙を再搬送する。このとき、画像形成位置には、穴あき用紙の綴じ穴側の端部から再搬送される。
【0070】
ステップ208では、コントローラ10はプリンタエンジン30からの要求により表面の画像データを生成して送信する。これにより、プリンタエンジン30では、この画像データに基づいて、画像形成位置に到達した穴あき用紙の他方の面に表面の画像を形成する。
【0071】
両面印刷が終了すると、ステップ214で、プリンタエンジン30は、排出路96から穴あき用紙を排出し、印刷対象の印刷データに対する処理を終了する。前述したようにメインルーチンで印刷ジョブの全ての印刷が完了していないときには、続いて次の印刷対象の印刷データを処理するため、上記印刷処理のサブルーチンが再度開始される。
【0072】
一方、ステップ200で、コントローラ10が印刷対象の印刷データの印刷種別が片面印刷であると判断した場合には、ステップ210に移行する。ステップ210では、第1トレイ80より給紙するようにコントローラ10からプリンタエンジン30に対し制御信号を送出する。これにより、エンジンデバイスの給紙ローラ62が回転して、第1トレイ80から穴あき用紙が取り出され、穴あき用紙の綴じ穴側の端部から主搬送路92に搬送される。
【0073】
ステップ212では、コントローラ10はプリンタエンジン30からの要求により画像データを生成して送信する。これにより、プリンタエンジン30では、この画像データに基づいて、画像形成位置に到達した穴あき用紙の片面に画像を形成する。
【0074】
その後、ステップ214で上記と同様に穴あき用紙を排出する。前述と同様に、メインルーチンで印刷ジョブが全て終了したと判断されるまで、上記印刷処理サブルーチンが繰り返される。
【0075】
なお、1ページから最終ページの順序で画像データが供給された場合には、両面印刷および片面印刷の双方でFace Down出力(片面印刷において画像形成面を下側にした状態)される。結果として全体がFace Downで排出されページ順が保たれる。
【0076】
また、最終ページから1ページの順序で印刷データが供給された場合には、両面印刷および片面印刷の双方でFace Up(片面印刷において画像形成面を上側にした状態)出力される。結果として全体がFace Upで排出されページ順が保たれる。
【0077】
ここで、本実施の形態における具体的な印刷例を説明する。
【0078】
図7に示すような画像を印刷する場合を例に挙げる。片面印刷する場合には、第1トレイ80から穴あき用紙が取り出され、穴あき用紙の綴じ穴側の端部から画像形成位置に搬送されて画像が形成されるため、図8(A)に示すような印刷方向で印刷される。一方、同じ画像を両面印刷により表(おもて)面に印刷する場合には、第2トレイ82から穴あき用紙が取り出され、穴あき用紙の綴じ穴側の逆側の端部から画像形成位置を通過した後反転されて画像形成位置に穴あき用紙の綴じ穴側の端部から再搬送されて画像が形成されるため、図8(B)に示すような印刷方向で印刷される。
【0079】
従って、図8(A)および図8(B)に示すように、両者の出力結果(印刷方向)は一致する。なお、インデックス用紙タイプの用紙の場合であっても、同様の制御により出力結果を一致させることができる。
【0080】
このように、用紙が第1トレイ80から取り出されて画像形成位置に搬送されたときの状態と、第2トレイ82から取り出されて反転機構で反転された後に画像形成位置に再搬送されたときの状態とが等しくなるように用紙を収納し、片面印刷および両面印刷とで取り出すトレイを切替えることにより、両面印刷および片面印刷が混在する印刷ジョブの場合でも、印刷方向を揃えることができる。
【0081】
また、通常用紙タイプの用紙に画像を形成する場合には、反転前の形状と反転後の形状とが全く等しくなるため、上記実施の形態のように両面印刷時と片面印刷時とで異なるトレイから用紙を取り出して印刷しても、同一のトレイから用紙を取り出して印刷しても、どちらの場合でも印刷方向を揃えることができる。従って、通常用紙タイプの場合には用紙を取り出すトレイを切替える必要はない。そこで、両面印刷するか否かだけでなく、用紙の種別に応じて制御を異ならせるように設定しておくようにしてもよい。これにより、用紙の種別に応じて適切な制御を行なうことができ、また効率的に印刷できる。
【0082】
[第2の実施の形態]
本実施の形態では、両面印刷及び片面印刷のいずれを行なう場合でも同一のトレイから用紙を取り出し、片面印刷と両面印刷のどちらかで印刷する画像を180度回転させることにより、印刷方向を揃える場合の実施の形態について説明する。
【0083】
本実施の形態における画像形成装置の全体構成及びプリンタエンジン30のエンジンデバイスの構成は、第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。
【0084】
また、本実施の形態でも、対称系用紙タイプの穴あき用紙に画像を形成する場合を例に挙げ、本実施の形態の画像形成動作について説明する。第1のトレイ80には第1の実施の形態と同様に予め穴あき用紙を収納しておく。
【0085】
図9は、本実施の形態の画像形成装置で実行される印刷処理のサブルーチンの流れを示すフローチャートである。メインルーチンは、第1の実施の形態と同様とする。なお、本実施の形態においても、両面印刷を行なう場合には、裏面の画像データ、表面の画像データの順に印刷を行なうものとする。
【0086】
ステップ300では、コントローラ10は印刷対象の印刷データの印刷種別が両面印刷か片面印刷かを判断する。両面印刷であると判断した場合には、ステップ302に移行し、第1トレイ80より給紙するようにコントローラ10からプリンタエンジン30に対し制御信号を送出する。これにより、エンジンデバイスの給紙ローラ62が回転して、第1トレイ80から穴あき用紙が取り出され、穴あき用紙の綴じ穴側の端部から主搬送路92に搬送される。
【0087】
ステップ304では、コントローラ10はプリンタエンジン30から画像データの要求が来たときに、裏面の画像データを180度回転させた画像データを生成する。
【0088】
ステップ306では、該180度回転させた裏面の画像データをプリンタエンジン30に送信する。これにより、プリンタエンジン30では、この画像データに基づいて、画像形成位置に到達した穴あき用紙の一方の面に180度回転した裏面の画像を形成する。
【0089】
ステップ308では、コントローラ10は、プリンタエンジン30に対して用紙を反転するように制御信号を送信する。プリンタエンジン30は、この制御信号に応じて、反転機構により穴あき用紙を反転し、反転搬送路94を介して主搬送路92の搬送方向上流側から画像形成位置に穴あき用紙を再搬送する。このとき、画像形成位置には、穴あき用紙の綴じ穴側と逆側の端部から再搬送される。
【0090】
ステップ310では、コントローラ10はプリンタエンジン30から画像データの要求が来たときに、表面の画像データを180度回転させた画像データを生成する。
【0091】
ステップ312では、該180度回転させた表面の画像データをプリンタエンジン30に送信する。これにより、プリンタエンジン30では、この画像データに基づいて、画像形成位置に到達した穴あき用紙の他方の面に180度回転した表面の画像を形成する。
【0092】
両面印刷が終了すると、ステップ318で、プリンタエンジン30は、排出路96から穴あき用紙を排出し、印刷対象の印刷データに対する処理を終了する。
【0093】
一方、ステップ300で、コントローラ10が印刷対象の印刷データの印刷種別が片面印刷であると判断した場合には、ステップ314に移行する。ステップ314では、第1トレイ80より給紙するようにコントローラ10からプリンタエンジン30に対し制御信号を送出する。これにより、ステップ302と同様にエンジンデバイスの給紙ローラ62が回転して、第1トレイ80から穴あき用紙が取り出され、穴あき用紙の綴じ穴側の端部から主搬送路92に搬送される。
【0094】
ステップ316では、コントローラ10はプリンタエンジン30からの要求により画像データを送信する。これにより、プリンタエンジン30では、この画像データに基づいて、画像形成位置に到達した穴あき用紙の片面に画像を形成する。
【0095】
その後、ステップ318で上記と同様に穴あき用紙を排出し、印刷対象の印刷データに対する処理を終了する。
【0096】
なお、1ページから最終ページの順序で画像データが供給された場合には、両面印刷および片面印刷の双方でFace Down出力(片面印刷において画像形成面を下側にした状態)される。結果として全体がFace Downで排出されページ順が保たれる。
【0097】
また、最終ページから1ページの順序で印刷データが供給された場合には、両面印刷および片面印刷の双方でFace Up(片面印刷において画像形成面を上側にした状態)出力される。結果として全体がFace Upで排出されページ順が保たれる。
【0098】
ここで、本実施の形態における具体的な印刷例を説明する。
【0099】
第1の実施の形態と同様に、図7に示すような画像を印刷する場合を例に挙げる。片面印刷する場合には、図10(A)に示すように第1トレイ80から穴あき用紙が取り出され、穴あき用紙の綴じ穴側の端部から画像形成位置に搬送されて、通常通りに(用紙搬送方向に対して正規の向きで)画像が形成されるため、図10(B)に示すように印刷方向で印刷される。一方、同じ画像を両面印刷により表(おもて)面に印刷する場合にも、図10(A)に示すように第1トレイ80から穴あき用紙が取り出され、画像形成位置を通過した後反転されて穴あき用紙の綴じ穴側の端部から画像形成位置に再搬送されるが、用紙には図10(C)の画像を180度回転した(用紙搬送方向に対して180度回転した向きで)画像が形成されるため、図10(C)に示すような印刷方向で印刷される。このように印刷した用紙を180度回転させれば、図10(D)に示すように、ちょうど図10(B)に示した出力結果と一致する。
【0100】
すなわち、片面印刷及び両面印刷共に同一のトレイから取り出されているため、用紙が片面印刷時に画像形成位置に搬送されたときの形状と両面印刷時において画像形成位置に再搬送されたときの形状とでは互いに点対称の関係になるが、片面印刷および両面印刷のいずれか一方で形成される画像(本実施の形態では両面印刷時の画像)を180度回転するようにしたため、印刷方向を揃えることができる。
【0101】
また、このように画像を回転させる制御は、インデックス用紙タイプの用紙の場合には適用できない(両面印刷時と片面印刷時のいずれか一方で画像を180度回転させても片面印刷と両面印刷とで印刷方向を揃えることはできない)。従って、インデックス用紙タイプの場合には両面印刷を停止する等の制御を行なうようにしてもよい。また、通常用紙タイプの用紙に画像を形成する場合には、反転前の形状と反転後の形状とが全く等しくなるため、上記実施の形態のように両面印刷時と片面印刷時のいずれか一方で画像を180度回転させても、回転させなくても、どちらの場合でも印刷方向を揃えることができる。従って、通常用紙タイプの場合には画像を回転させる必要はない。そこで、本実施の形態の画像形成装置に、両面印刷するか否かだけでなく、用紙の種別に応じて制御を異ならせるように設定しておくようにしてもよい。これにより、用紙の種別に応じて適切な制御を行なうことができ、また効率的に印刷できる。
【0102】
[第3の実施の形態]
本実施の形態では、両面印刷と片面印刷とで同一のトレイから用紙を取り出すが、取り出す方向を異ならせることにより、両面印刷と片面印刷とで印刷方向を揃える場合の実施の形態について説明する。
【0103】
本実施の形態における画像形成装置の全体構成は、第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。
【0104】
図11は、本実施の形態のプリンタエンジン30に備えられた各エンジンデバイスと用紙の搬送経路とを示した図である。なお、図11において、図2に示した構成と同一の構成については同一符号を付して説明を省略あるいは簡略化する。
【0105】
第1の実施の形態と同様に、感光体ドラム51の周囲には、帯電器52、現像装置53が配設され、帯電器52と現像装置53の間にはROS55が設けられている。感光体ドラム51のROS55と反対側には、感光体ドラム51に対向して、転写ローラ56が設けられている。
【0106】
用紙収納部としてのトレイ84には、用紙が収納されている。トレイ84の第1給紙端上方には、給紙ローラ63が配置されており、トレイ84に収納された用紙が第1給紙端から1枚ずつ取り出される。また、トレイ84の第1給紙端と逆側の第2給紙端上方には、給紙ローラ65が配置されており、トレイ84に収納された用紙が第2給紙端から1枚ずつ取り出される。
【0107】
トレイ84の第1給紙端から取り出された用紙は、搬送ローラ58を備えた搬送路90aを通り、主搬送路92に搬送される。トレイ84の第2給紙端から取り出された用紙は、搬送ローラ78を備えた搬送路90bを通り、搬送ローラ76付近の反転搬送路94の下流部分を通過して主搬送路92に搬送される。
【0108】
感光体ドラム51及び転写ローラ56は主搬送路92に沿って配置されており、主搬送路92の上流側から搬送された用紙は画像形成位置に搬送される。これにより、第1及び第2の実施の形態と同様に画像が形成される。
【0109】
なお、両面印刷する場合には、反転機構により用紙を反転して画像形成位置に再搬送する。反転機構および反転動作は上記第1及び第2の実施の形態と同様であるため説明を省略する。
【0110】
また、本実施の形態でも、対称系用紙タイプの穴あき用紙に画像を形成する場合を例に挙げ、本実施の形態の画像形成動作について説明する。
【0111】
図12(A)は、本実施の形態の画像形成装置と用紙の搬送路とを模式的に示した図である。また、図12(B)に示すように、トレイ84には、穴あき用紙の綴じ穴側端部がトレイ84の第1給紙端側に、穴あき用紙の綴じ穴側と逆側の端部がトレイ84の第2給紙端側に対向するように収納されている。
【0112】
図11及び図12から明らかなように、用紙がトレイ84の第1給紙端から取り出されて画像形成位置に搬送されたときの状態と、トレイ84の第2給紙端から取り出されて反転機構で反転された後に画像形成位置に再搬送されたときの状態とが等しくなる。
【0113】
図13は、このようにトレイ84に穴あき用紙を収納した状態で、本実施の形態の画像形成装置で実行される印刷処理サブルーチンの流れを示すフローチャートである。メインルーチンは、第1の実施の形態と同様とする。また、本実施の形態でも、両面印刷を行なう場合には、裏面の画像データ、表面の画像データの順に印刷を行なうものとする。
【0114】
ステップ400では、コントローラ10は印刷対象の印刷データの印刷種別が両面印刷か片面印刷かを判断する。両面印刷であると判断した場合には、ステップ402に移行し、トレイ84の第2給紙端より給紙するようにコントローラ10からプリンタエンジン30に対し制御信号を送出する。これにより、エンジンデバイスの給紙ローラ65が回転して、第2給紙端から穴あき用紙が取り出され、穴あき用紙の綴じ穴側と逆側の端部から主搬送路92に搬送される。
【0115】
ステップ404では、コントローラ10はプリンタエンジン30からの要求により裏面の画像データを生成して送信する。これにより、プリンタエンジン30では、この画像データに基づいて、画像形成位置に到達した穴あき用紙の一方の面に裏面の画像を形成する。
【0116】
ステップ406では、コントローラ10は、プリンタエンジン30に対して用紙を反転するように制御信号を送信する。プリンタエンジン30は、この制御信号に応じて、反転機構により穴あき用紙を反転し、反転搬送路94を介して主搬送路92の搬送方向上流側から画像形成位置に穴あき用紙を再搬送する。このとき、画像形成位置には、穴あき用紙の綴じ穴側の端部から再搬送される。
【0117】
ステップ408では、コントローラ10はプリンタエンジン30からの要求により表面の画像データを生成して送信する。これにより、プリンタエンジン30では、この画像データに基づいて、画像形成位置に到達した穴あき用紙の他方の面に表面の画像を形成する。
【0118】
両面印刷が終了すると、ステップ414で、プリンタエンジン30は、排出路96から穴あき用紙を排出し、印刷対象の印刷データに対する処理を終了する。
【0119】
一方、ステップ400で、コントローラ10が印刷対象の印刷データの印刷種別が片面印刷であると判断した場合には、ステップ410に移行する。ステップ410では、トレイ84の第1給紙端より給紙するようにコントローラ10からプリンタエンジン30に対し制御信号を送出する。これにより、エンジンデバイスの給紙ローラ63が回転して、第1給紙端から穴あき用紙が取り出され、穴あき用紙の綴じ穴側の端部から主搬送路92に搬送される。
【0120】
ステップ412では、コントローラ10はプリンタエンジン30からの要求により画像データを送信する。これにより、プリンタエンジン30では、この画像データに基づいて、画像形成位置に到達した穴あき用紙の片面に画像を形成する。
【0121】
その後、ステップ414で上記と同様に穴あき用紙を排出して、印刷対象の印刷データに対する処理を終了する。
【0122】
なお、1ページから最終ページの順序で画像データが供給された場合には、両面印刷および片面印刷の双方でFace Down出力(片面印刷において画像形成面を下側にした状態)される。結果として全体がFace Downで排出されページ順が保たれる。
【0123】
また、最終ページから1ページの順序で印刷データが供給された場合には、両面印刷および片面印刷の双方でFace Up(片面印刷において画像形成面を上側にした状態)出力される。結果として全体がFace Upで排出されページ順が保たれる。
【0124】
ここで、本実施の形態における具体的な印刷例を説明する。
【0125】
第1の実施の形態と同様に、図7に示すような画像を印刷する場合を例に挙げる。片面印刷する場合には、トレイ84の第1給紙端から用紙が取り出され、穴あき用紙の綴じ穴側の端部から画像形成位置に搬送されて画像が形成されるため、図14(A)に示すような印刷方向で印刷される。一方、同じ画像を両面印刷により表(おもて)面に印刷する場合には、トレイ84の第2給紙端から用紙が取り出され、穴あき用紙の綴じ穴側と逆側の端部から画像形成位置を通過した後反転された状態で穴あき用紙の綴じ穴側の端部から画像形成位置に再搬送されて画像が形成されるため、図14(B)に示すような印刷方向で印刷される。
【0126】
従って、図14(A)および図14(B)に示すように、両者の出力結果(印刷方向)は一致する。なお、インデックス用紙タイプの用紙の場合であっても、同様の制御により出力結果を一致させることができる。
【0127】
このように、用紙がトレイ84第1給紙端から取り出されて画像形成位置に搬送されたときの状態と、第2給紙端から取り出されて反転機構で反転された後に画像形成位置に再搬送されたときの状態とが等しくなるため、片面印刷および両面印刷とで取り出す給紙端を切替えることにより、両面印刷および片面印刷が混在する印刷ジョブの場合でも、印刷方向を揃えることができる。
【0128】
また、通常用紙タイプの用紙に画像を形成する場合には、反転前の形状と反転後の形状とが全く等しくなるため、上記実施の形態のように両面印刷時と片面印刷時とで異なる給紙端から用紙を取り出して印刷しても、同一の給紙端から用紙を取り出して印刷しても、どちらの場合でも印刷方向を等しくすることができる。従って、通常用紙タイプの場合には給紙端を切替える必要はない。そこで、両面印刷するか否かだけでなく、用紙の種別に応じて制御を異ならせるように設定しておくようにしてもよい。これにより、用紙の種別に応じて適切な制御を行なうことができ、また効率的に印刷できる。
【0129】
[第4の実施の形態]
上記第1〜第3の実施の形態では、両面印刷時に裏面の画像データ、表面の画像データの順に画像を形成する場合を例に挙げて説明したが、表面の画像データ、裏面の画像データの順に画像を形成することにより両面印刷を行なうことができるようにしてもよい。
【0130】
本実施の形態では、両面印刷時の用紙の各面に対する画像形成順序を考慮して、制御を切替える実施例について説明する。
【0131】
両面印刷を行なう場合であって印刷媒体の各面の画像形成順序が表面の画像データ、裏面の画像データの順である場合は、片面印刷を行なう場合と同様に、第1の実施の形態では、第1トレイ80から用紙を取り出して搬送するように制御し、第2の実施の形態では、画像を回転させずにそのままの画像を形成するように制御し、第3の実施の形態では、トレイ84の第1給紙端から用紙を取り出して搬送するように制御することにより、印刷方向を揃えることができる。以下、片面印刷および表面→裏面順両面印刷を行なう印刷モードを第1モードと呼称し、片面印刷および表面→裏面順両面印刷を行なうときの印刷制御を第1の制御と呼称する。
【0132】
また、上記第1〜第3の実施の形態で述べたように、両面印刷を行なう場合であって印刷媒体の各面の画像形成順序が裏面の画像データ、表面の画像データの順である場合は、第1の実施の形態では、第2トレイ82から用紙を取り出して搬送するように制御し、第2の実施の形態では、画像を180度回転させて形成するように制御し、第3の実施の形態では、トレイ84の第2給紙端から用紙を取り出して搬送するように制御することにより、印刷方向を揃えることができる。以下、裏面→表面順両面印刷を行なう印刷モードを第2モードと呼称し、裏面→表面順両面印刷を行なうときの印刷制御を第2の制御と呼称する。
【0133】
第1の制御と第2の制御の切替は、印刷対象の印刷データの印刷モードが切り替わったときに行なわれる。
【0134】
以下、この切替の流れについて図15を参照しながら詳細に説明する。
【0135】
ステップ500で、現在の状態が第1モードにあるか第2モードにあるかを判断する。第2モードにある場合には、第2の制御が実行されている状態にある。次に、ステップ502で、印刷対象である印刷データの印刷モードが第1モードに切り替わったか否かを判断する。ここで第1のモードに切り替わったと判断した場合には、ステップ504で、第1の制御(第1トレイ80から用紙を取り出して搬送するか、画像を回転させずに形成するか、トレイ84の第1給紙端から用紙を取り出して搬送する)で画像形成動作を制御するように切替える。
【0136】
一方、ステップ500で、現在の状態が第1のモードにある場合には、第1の制御が実行されている状態にある。ステップ506で、印刷対象の印刷データの印刷モードが第2のモードに切り替わったと判断した場合には、ステップ508で、第2の制御(第2トレイ82から用紙を取り出して搬送するか、画像を180度回転させて形成するか、トレイ84の第2給紙端から用紙を取り出して搬送する)で画像形成動作を制御するように切替える。
【0137】
このように、印刷モードが切り替わったときに印刷制御を切替えるようにすることにより、いつでもユーザの意図した出力結果が得られるようになる。
【0138】
なお、両面印刷時の画像形成順序は、印刷データ毎に設定しておいてもよいし、予め画像形成装置に設定しておくこともできるし、ユーザが指定できるように構成してもよい。
【0139】
[第5の実施の形態]
本実施の形態では、印刷種別(本実施の形態では、片面印刷、裏面→表面順両面印刷、表面→裏面順両面印刷のいずれか)と、用紙種別(通常用紙タイプ、対象系用紙タイプ、インデックス用紙タイプ)とに応じて、制御方法を異ならせる場合について説明する。
【0140】
本実施の形態における画像形成装置の全体構成及びプリンタエンジン30のエンジンデバイスの構成は、第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。また、第1のトレイ80及び第2のトレイ82には第1の実施の形態と同様に印刷対象の用紙を収納しておく。
【0141】
図16は、本実施の形態の画像形成装置で実行される印刷処理サブルーチンの流れを示すフローチャートである。メインルーチンは、第1の実施の形態と同様とする。
【0142】
ステップ600では、コントローラ10は印刷対象の印刷データの印刷種別が片面印刷か、裏面→表面順両面印刷か、表面→裏面順両面印刷かを判断する。裏面→表面順両面印刷であると判断した場合には、ステップ602に移行し、用紙種別が通常用紙タイプか、対象系用紙タイプか、インデックス用紙タイプかを判断する。この判断は、ユーザが用紙種別を指定したときの指定結果に基づいて判断するようにしてもよいし、画像形成装置側で自動的に収納されている用紙を検出して判断してもよい。
【0143】
ステップ602で、用紙種別が対称系用紙タイプまたはインデックス用紙タイプであると判断した場合には、ステップ604で、第2トレイ82より給紙するようにコントローラ10からプリンタエンジン30に対し制御信号を送出する。これにより、エンジンデバイスの給紙ローラ64が回転して、第2トレイ82から対称系用紙タイプまたはインデックス用紙タイプの用紙が取り出されて主搬送路92に搬送される。
【0144】
ステップ606では、コントローラ10はプリンタエンジン30からの要求により裏面の画像データを送信する。これにより、プリンタエンジン30では、この画像データに基づいて、画像形成位置に到達した用紙の一方の面に裏面の画像を形成する。
【0145】
ステップ608では、コントローラ10は、プリンタエンジン30に対して用紙を反転するように制御信号を送信する。プリンタエンジン30は、この制御信号に応じて、反転機構により用紙を反転し、反転搬送路94を介して主搬送路92の搬送方向上流側から画像形成位置に用紙を再搬送する。
【0146】
ステップ610では、コントローラ10はプリンタエンジン30からの要求により表面の画像データを送信する。これにより、プリンタエンジン30では、この画像データに基づいて、画像形成位置に到達した用紙の他方の面に表面の画像を形成する。
【0147】
両面印刷が終了すると、ステップ632で、プリンタエンジン30は、排出路96から用紙を排出し、印刷対象の印刷データに対する処理を終了する。
【0148】
一方、ステップ602で用紙種別が通常用紙タイプであると判断した場合には、ステップ612で、第1トレイ80より給紙するようにコントローラ10からプリンタエンジン30に対し制御信号を送出する。これにより、エンジンデバイスの給紙ローラ62が回転して、第1トレイ80から用紙が取り出されて主搬送路92に搬送される。
【0149】
ステップ614では、コントローラ10はプリンタエンジン30からの要求により裏面の画像データを送信する。これにより、プリンタエンジン30では、この画像データに基づいて、画像形成位置に到達した用紙の一方の面に裏面の画像を形成する。
【0150】
ステップ616では、コントローラ10は、プリンタエンジン30に対して用紙を反転するように制御信号を送信する。プリンタエンジン30は、この制御信号に応じて、反転機構により用紙を反転し、反転搬送路94を介して主搬送路92の搬送方向上流側から画像形成位置に用紙を再搬送する。
【0151】
ステップ618では、コントローラ10はプリンタエンジン30からの要求により表面の画像データを送信する。これにより、プリンタエンジン30では、この画像データに基づいて、画像形成位置に到達した用紙の他方の面に表面の画像を形成する。
【0152】
両面印刷が終了すると、ステップ632で、プリンタエンジン30は、排出路96から用紙を排出し、印刷対象の印刷データに対する処理を終了する。
【0153】
また、ステップ600で、コントローラ10が印刷対象の印刷データの印刷種別が表面→裏面順両面印刷であると判断した場合には、ステップ620で、第1トレイ80より給紙するようにコントローラ10からプリンタエンジン30に対し制御信号を送出する。これにより、エンジンデバイスの給紙ローラ62が回転して、第1トレイ80から用紙が取り出されて主搬送路92に搬送される。
【0154】
ステップ622では、コントローラ10はプリンタエンジン30からの要求により表面の画像データを送信する。これにより、プリンタエンジン30では、この画像データに基づいて、画像形成位置に到達した用紙の一方の面に表面の画像を形成する。
【0155】
ステップ624では、コントローラ10は、プリンタエンジン30に対して用紙を反転するように制御信号を送信する。プリンタエンジン30は、この制御信号に応じて、反転機構により用紙を反転し、反転搬送路94を介して主搬送路92の搬送方向上流側から画像形成位置に用紙を再搬送する。
【0156】
ステップ626では、コントローラ10はプリンタエンジン30からの要求により裏面の画像データを送信する。これにより、プリンタエンジン30では、この画像データに基づいて、画像形成位置に到達した用紙の他方の面に裏面の画像を形成する。
【0157】
両面印刷が終了すると、ステップ632で、プリンタエンジン30は、排出路96から用紙を排出し、印刷対象の印刷データに対する処理を終了する。
【0158】
また、ステップ600で、コントローラ10が、印刷対象の印刷データの印刷種別が片面印刷であると判断した場合には、ステップ628に移行する。ステップ628では、第1トレイ80より給紙するようにコントローラ10からプリンタエンジン30に対し制御信号を送出する。これにより、エンジンデバイスの給紙ローラ62が回転して、第1トレイ80から用紙が取り出されて主搬送路92に搬送される。
【0159】
ステップ630では、コントローラ10はプリンタエンジン30からの要求により画像データを送信する。これにより、プリンタエンジン30では、この画像データに基づいて、画像形成位置に到達した用紙の片面に画像を形成する。
【0160】
その後、ステップ632で上記と同様に穴あき用紙を排出し、印刷対象の印刷データに対する処理を終了する。
【0161】
このように、両面印刷か片面印刷か、両面印刷するときの印刷面の画像形成順序、及び、用紙種別に応じて制御を切替えることにより、適切な制御で印刷方向を揃えることができる。
【0162】
なお、本実施の形態では、給紙するトレイを切替える例について説明したが、第3の実施の形態のように、トレイの給紙端を切替えることにより用紙の搬送状態を制御するようにしてもよい。
【0163】
[第6の実施の形態]
本実施の形態では、印刷種別と用紙種別とに応じて制御方法を異ならせる場合の他の実施例について説明する。
【0164】
本実施の形態における画像形成装置の全体構成及びプリンタエンジン30のエンジンデバイスの構成は、第1の実施の形態及び第2の実施の形態と同様であるため説明を省略する。また、第1のトレイ80には第2の実施の形態と同様に印刷対象の用紙を収納しておく。
【0165】
図17は、本実施の形態の画像形成装置で実行される印刷処理のサブルーチンの流れを示すフローチャートである。メインルーチンは、第1の実施の形態と同様とする。
【0166】
ステップ700では、コントローラ10は印刷対象の印刷データの印刷種別が片面印刷か、裏面→表面順両面印刷か、表面→裏面順両面印刷かを判断する。裏面→表面順両面印刷であると判断した場合には、ステップ702に移行し、用紙種別が通常用紙タイプか、対象系用紙タイプか、インデックス用紙タイプかを判断する。この判断は、ユーザが用紙種別を指定したときの指定結果に基づいて判断するようにしてもよいし、画像形成装置側で自動的に収納されている用紙を検出して判断してもよい。
【0167】
ステップ702で、用紙種別がインデックス用紙タイプであると判断した場合には、ステップ704で、設定エラー処理を行なう。具体的には、コントローラ10の各種インタフェースに接続されたUI等にインデックス用紙タイプは印刷できないように設定されている旨のメッセージを出力したり、何らかの警告音を発生させたりすることができる。設定エラー処理の後は、印刷処理サブルーチンを終了する。
【0168】
また、ステップ702で、用紙種別が対称系用紙タイプであると判断した場合には、ステップ706で、第1トレイ80より給紙するようにコントローラ10からプリンタエンジン30に対し制御信号を送出する。これにより、エンジンデバイスの給紙ローラ62が回転して、第1トレイ80から用紙が取り出されて主搬送路92に搬送される。
【0169】
ステップ708では、コントローラ10はプリンタエンジン30から画像データの要求が来たときに、裏面の画像データを180度回転させた画像データを生成する。
【0170】
ステップ710では、該180度回転させた裏面の画像データをプリンタエンジン30に送信する。これにより、プリンタエンジン30では、この画像データに基づいて、画像形成位置に到達した用紙の一方の面に180度回転した裏面の画像を形成する。
【0171】
ステップ712では、コントローラ10は、プリンタエンジン30に対して用紙を反転するように制御信号を送信する。プリンタエンジン30は、この制御信号に応じて、反転機構により用紙を反転し、反転搬送路94を介して主搬送路92の搬送方向上流側から画像形成位置に用紙を再搬送する。
【0172】
ステップ714では、コントローラ10はプリンタエンジン30から画像データの要求が来たときに、表面の画像データを180度回転させた画像データを生成する。
【0173】
ステップ716では、該180度回転させた表面の画像データをプリンタエンジン30に送信する。これにより、プリンタエンジン30では、この画像データに基づいて、画像形成位置に到達した用紙の他方の面に180度回転した表面の画像を形成する。
【0174】
両面印刷が終了すると、ステップ738で、プリンタエンジン30は、排出路96から用紙を排出し、印刷対象の印刷データに対する処理を終了する。
【0175】
また、ステップ700で、コントローラ10が印刷対象の印刷データの印刷種別が表面→裏面順両面印刷であると判断した場合には、ステップ726で、第1トレイ80より給紙するようにコントローラ10からプリンタエンジン30に対し制御信号を送出する。これにより、エンジンデバイスの給紙ローラ62が回転して、第1トレイ80から用紙が取り出されて主搬送路92に搬送される。
【0176】
ステップ728では、コントローラ10はプリンタエンジン30からの要求により表面の画像データを送信する。これにより、プリンタエンジン30では、この画像データに基づいて、画像形成位置に到達した用紙の一方の面に表面の画像を形成する。
【0177】
ステップ730では、コントローラ10は、プリンタエンジン30に対して用紙を反転するように制御信号を送信する。プリンタエンジン30は、この制御信号に応じて、反転機構により用紙を反転し、反転搬送路94を介して主搬送路92の搬送方向上流側から画像形成位置に用紙を再搬送する。
【0178】
ステップ732では、コントローラ10はプリンタエンジン30からの要求により裏面の画像データを送信する。これにより、プリンタエンジン30では、この画像データに基づいて、画像形成位置に到達した用紙の他方の面に裏面の画像を形成する。
【0179】
両面印刷が終了すると、ステップ738で、プリンタエンジン30は、排出路96から用紙を排出し、印刷対象の印刷データに対する処理を終了する。
【0180】
一方、ステップ700で、コントローラ10が印刷対象の印刷データの印刷種別が片面印刷であると判断した場合には、ステップ734に移行する。ステップ734では、第1トレイ80より給紙するようにコントローラ10からプリンタエンジン30に対し制御信号を送出する。これにより、エンジンデバイスの給紙ローラ62が回転して、第1トレイ80から用紙が取り出され主搬送路92に搬送される。
【0181】
ステップ736では、コントローラ10はプリンタエンジン30からの要求により画像データを送信する。これにより、プリンタエンジン30では、この画像データに基づいて、画像形成位置に到達した用紙の片面に画像を形成する。
【0182】
その後、ステップ738で上記と同様に用紙を排出し、印刷対象の印刷データに対する処理を終了する。
【0183】
このように、印刷種別(両面印刷か片面印刷か、両面印刷するときの印刷面の画像形成順序)及び用紙種別に応じて制御を切替えることにより、適切な制御で印刷方向を揃えることができる。
【0184】
なお、上記第4の実施の形態では印刷種別に応じて、第5及び第6の実施の形態では、印刷種別及び用紙種別の少なくとも一方に応じて実行する制御を切替える例について説明したが、印刷種別及び用紙種別に応じてどのような制御を行なうかをユーザが予め設定しておくようにしてもよい。例えば、コントローラ10に備えられた不図示のUIに各種インタフェース20を介して設定画面を表示させ、ユーザに該設定画面から印刷種別及び用紙種別に対応して実行させるべき制御の種別を設定させる。これにより、任意の制御を実行させることができる。
【0185】
なお、本実施の形態のように画像を180度回転させることによって印刷方向を揃えようとする場合には、インデックス用紙タイプの印刷はできないように予め設定しておくことが好ましい。
【0186】
なお、上記第1〜第6の実施の形態では、コントローラ10のCPU12が印刷制御を行なう場合を例に挙げて説明したが、プリンタエンジン30のCPU32で上記印刷制御を行なうようにしてもよい。
【0187】
また、上記実施の形態では、片面印刷の場合には、用紙を反転機構で反転せずに片面に画像を形成する例について説明したが、これに限定されず、例えば、ユーザの指定によっては、片面印刷の場合であっても反転機構で反転させて片面に画像を形成する場合もある。この場合には、片面印刷時であっても上記両面印刷時の制御と同様の制御を行なうようにする。
【図面の簡単な説明】
【0188】
【図1】全ての実施の形態に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図2】第1、第2の実施の形態のプリンタエンジンに備えられた各エンジンデバイスと用紙の搬送経路とを示した図である。
【図3】画像形成装置で印刷される用紙の種別を説明する説明図である。
【図4】(A)は、第1の実施の形態の画像形成装置と用紙の搬送路とを模式的に示した図であり、(B)は、第1のトレイ内の穴あき用紙の収納状態を示す図であり、(C)は、第2のトレイ内の穴あき用紙の収納状態を示す図である。
【図5】印刷ジョブの印刷が開始されたときに起動する印刷処理のメインルーチンを示すフローチャートである。
【図6】第1の実施の形態において画像形成装置で実行される印刷処理サブルーチンの流れを示すフローチャートである。
【図7】出力画像の例を示した図である。
【図8】第1の実施の形態における印刷結果の具体例を示す図である。
【図9】第2の実施の形態の画像形成装置で実行される印刷処理のサブルーチンの流れを示すフローチャートである。
【図10】第2の実施の形態における印刷結果の具体例を示す図である。
【図11】第3の実施の形態のプリンタエンジンに備えられた各エンジンデバイスと用紙の搬送経路とを示した図である。
【図12】(A)は、第3の実施の形態の画像形成装置と用紙の搬送路とを模式的に示した図であり、(B)は、トレイ内の穴あき用紙の収納状態を示す図である。
【図13】第3の実施の形態の画像形成装置で実行される印刷処理サブルーチンの流れを示すフローチャートである。
【図14】第3の実施の形態における印刷結果の具体例を示す図である。
【図15】第4の実施の形態において、両面印刷時の用紙の各面に対する画像形成順序を考慮して、制御を切替える場合の切替処理の流れを示すフローチャートである。
【図16】第5の実施の形態の画像形成装置で実行される印刷処理のサブルーチンの流れを示すフローチャートである。
【図17】第6の実施の形態の画像形成装置で実行される印刷処理サブルーチンの流れを示すフローチャートである。
【図18】従来の問題点を説明する説明図である。
【符号の説明】
【0189】
10 コントローラ
12 CPU
30 プリンタエンジン
32 CPU
51 感光体ドラム
52 帯電器
53 現像装置
56 転写ローラ
58、60、68、70、72、74、76、78 搬送ローラ
62、63、64、65 給紙ローラ
66 定着装置
67 分岐部
80 第1トレイ
82 第2トレイ
84 トレイ
90、90a、90b 搬送路
92 主搬送路
94 反転搬送路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体が収納された記録媒体収納部と、
前記記録媒体収納部から記録媒体を取り出して搬送路途中の画像形成位置に搬送する搬送手段と、
前記画像形成位置に搬送された記録媒体の一方の面に画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成位置を通過した記録媒体を表裏反転させて前記搬送路の搬送方向上流側から前記画像形成位置に再搬送する反転手段と、
前記反転手段で記録媒体を反転させて画像を形成するか否かに応じて、記録媒体が予め定められた第1の状態で前記画像形成位置に搬送されるように前記搬送手段を制御する第1の制御、又は前記第1の状態で搬送され前記反転手段で反転されて再搬送されたときの状態に等しい第2の状態で前記画像形成位置に搬送されるように前記搬送手段を制御する第2の制御を行なう制御手段と、
を含む画像形成装置。
【請求項2】
前記記録媒体収納部は、記録媒体が前記第1の状態で前記画像形成位置に搬送されるような状態で取り出し可能に収納される第1の収納部と、記録媒体が前記第2の状態で前記画像形成位置に搬送されるような状態で取り出し可能に収納される第2の収納部とを備え、
前記制御手段は、前記第1の制御では、前記第1の収納部から記録媒体が取り出されて前記画像形成位置に搬送されるように前記搬送手段を制御し、前記第2の制御では、前記第2の収納部から記録媒体が取り出されて前記画像形成位置に搬送されるように前記搬送手段を制御する
請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記記録媒体収納部は、記録媒体が前記第1の状態で前記画像形成位置に搬送されるような状態で取り出し可能な第1の端部と、記録媒体が前記第2の状態で前記画像形成位置に搬送されるような状態で取り出し可能な第2の端部とを備え、
前記制御手段は、前記第1の制御では、前記第1の端部から記録媒体が取り出されて前記画像形成位置に搬送されるように前記搬送手段を制御し、前記第2の制御では、前記第2の端部から記録媒体が取り出されて前記画像形成位置に搬送されるように前記搬送手段を制御する
請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
記録媒体が収納された記録媒体収納部と、
前記記録媒体収納部から記録媒体を取り出して搬送路途中の画像形成位置に搬送する搬送手段と、
前記画像形成位置に搬送された記録媒体の一方の面に画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成位置を通過した記録媒体を表裏反転させて前記搬送路の搬送方向上流側から前記画像形成位置に再搬送する反転手段と、
前記反転手段で記録媒体を反転させて画像を形成するか否かに応じて、記録媒体の搬送方向に対して第1の向きで画像が形成されるように前記画像形成手段を制御する第1の制御、又は記録媒体の搬送方向に対して前記第1の向きを180度回転させた第2の向きで画像が形成されるように前記画像形成手段を制御する第2の制御を行なう制御手段と、
を含む画像形成装置。
【請求項5】
前記制御手段は、更に、前記反転手段で記録媒体を反転させて画像を形成する場合の記録媒体の各面への画像形成順序及び記録媒体の種別の少なくとも一方に応じて、前記第1の制御又は前記第2の制御を行なう請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記反転手段で記録媒体を反転させて画像を形成するか否か、前記画像形成順序、及び記録媒体の種別の少なくとも1つに対応して前記制御手段が行なう制御を予め設定する設定手段を更に備えた請求項5記載の画像形成装置。
【請求項7】
記録媒体が収納された記録媒体収納部と、
前記記録媒体収納部から記録媒体を取り出して搬送路途中の画像形成位置に搬送する搬送手段と、
前記画像形成位置に搬送された記録媒体の一方の面に画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成位置を通過した記録媒体を表裏反転させて前記搬送路の搬送方向上流側から前記画像形成位置に再搬送する反転手段と、
前記反転手段で記録媒体を反転させて画像を形成するか否かに応じて、記録媒体が予め定められた第1の状態で前記画像形成位置に搬送されるように前記搬送手段を制御すると共に記録媒体の搬送方向に対して第1の向きで画像が形成されるように前記画像形成手段を制御する第1の制御、記録媒体が前記第1の状態で搬送され前記反転手段で反転されて再搬送されたときの状態に等しい第2の状態で前記画像形成位置に搬送されるように前記搬送手段を制御すると共に記録媒体に対して前記第1の向きで画像が形成されるように前記画像形成手段を制御する第2の制御、及び記録媒体が前記第1の状態で前記画像形成位置に搬送されるように前記搬送手段を制御すると共に記録媒体に対して前記第1の向きを180度回転させた第2の向きで画像が形成されるように前記画像形成手段を制御する第3の制御のいずれかを行なう制御手段と、
を含む画像形成装置。
【請求項8】
前記記録媒体収納部は、記録媒体が前記第1の状態で前記画像形成位置に搬送されるような状態で取り出し可能に収納される第1の収納部と、記録媒体が前記第2の状態で前記画像形成位置に搬送されるような状態で取り出し可能に収納される第2の収納部とを備え、
前記制御手段は、前記第1の制御及び前記第3の制御で前記搬送手段を制御するときには、前記第1の収納部から記録媒体が取り出されて前記画像形成位置に搬送されるように前記搬送手段を制御し、前記第2の制御で前記搬送手段を制御するときには、前記第2の収納部から記録媒体が取り出されて前記画像形成位置に搬送されるように前記搬送手段を制御する
請求項7記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記記録媒体収納部は、記録媒体が前記第1の状態で前記画像形成位置に搬送されるような状態で取り出し可能な第1の端部と、記録媒体が前記第2の状態で前記画像形成位置に搬送されるような状態で取り出し可能な第2の端部とを備え、
前記制御手段は、前記第1の制御及び前記第3の制御で前記搬送手段を制御するときには、前記第1の端部から記録媒体が取り出されて前記画像形成位置に搬送されるように前記搬送手段を制御し、前記第2の制御で前記搬送手段を制御するときには、前記第2の端部から記録媒体が取り出されて前記画像形成位置に搬送されるように前記搬送手段を制御する
請求項7記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記制御手段は、更に、前記反転手段で記録媒体を反転させて画像を形成する場合の記録媒体の各面への画像形成順序及び記録媒体の種別の少なくとも一方に応じて、前記第1の制御、前記第2の制御、及び前記第3の制御のいずれかを行なう請求項7乃至請求項9のいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項11】
両面印刷を行なうか否か、前記反転手段で記録媒体を反転させて画像を形成するか否か、前記画像形成順序、及び記録媒体の種別の少なくとも1つに対応して前記制御手段が行なう制御を予め設定する設定手段を更に備えた請求項10記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2007−326344(P2007−326344A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−161148(P2006−161148)
【出願日】平成18年6月9日(2006.6.9)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】