画像形成装置
【課題】トナーカートリッジおよびプロセスカートリッジが純正品であるか否かの判定結果を単に操作パネルなどに表示するだけでなく、使用者にその判定結果を確実に伝える。
【解決手段】感光体10、帯電手段11、現像手段13およびクリーニング手段16を一体化したプロセスユニット2と、露光手段12と、転写手段14と、剥離手段15と、定着手段18とを含む画像形成装置1において、プロセスユニット2に装着される記憶媒体24の近傍に読取手段25を設け、記憶媒体24から読み取られる製造物責任に係る表示情報である読取結果と、不図示の制御手段の記憶部に記憶される比較情報とを比較判定手段によって比較判定し、読取結果および比較判定結果を表示手段に表示し、かつ該ユニット2が純正品または推奨品でないという比較判定結果に応じて、印字制御手段によって、印刷出力される記録媒体における画像を形成しない部分に通知表示を印字する。
【解決手段】感光体10、帯電手段11、現像手段13およびクリーニング手段16を一体化したプロセスユニット2と、露光手段12と、転写手段14と、剥離手段15と、定着手段18とを含む画像形成装置1において、プロセスユニット2に装着される記憶媒体24の近傍に読取手段25を設け、記憶媒体24から読み取られる製造物責任に係る表示情報である読取結果と、不図示の制御手段の記憶部に記憶される比較情報とを比較判定手段によって比較判定し、読取結果および比較判定結果を表示手段に表示し、かつ該ユニット2が純正品または推奨品でないという比較判定結果に応じて、印字制御手段によって、印刷出力される記録媒体における画像を形成しない部分に通知表示を印字する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置は、プリンタ、複写機、ファクシミリ、それらの複合機などとして広く利用される。画像形成装置においては、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジなどの交換、リサイクルなどが可能な処理ユニットが装着され、画像形成装置の利便性をさらに高めている。これらの処理ユニットは、画像形成装置の製造者、製造委託業者などから供給され、製造者によって動作確認および性能確認がなされた純正品または推奨品(製造者による許諾品)であることが望ましい。ところが、最近では製造者による動作確認および性能確認がなされない未確認品が流通する。未確認品は純正品または推奨品に比べて低品質なものが多く、画像形成装置によって形成される画像の画質低下、画像形成装置の故障、処理ユニット交換時期の大幅な食い違い、耐用年数の短縮化、事故などを引き起こすおそれ。それでも、純正品または推奨品よりも大幅に低価格であることから、純正品の流通量は次第に増加する傾向にある。低価格を理由に未確認品と知りつつ用いる使用者もあるけれども、純正品または推奨品と未確認品との違いを知らずに、未確認品を使用する使用者も多い。
【0003】
このため、製造者は、製造物責任法に基づいて、製造物責任に係る情報を使用者に表示することによって、純正品または推奨品と未確認品との違いおよび使用者に対する保障責任を明らかにする。製造物責任に係る情報には、製品名、製造番号、製造者名、原材料名、内容量、残量、使用期限、累積印刷回数、リサイクル数、製造者連絡先、保守管理連絡先、製造日、純正品または推奨品の種別などがある。このような情報は、製品本体、包装材、取扱説明書などに記載されることによって使用者に表示されるけれども、使用者にとっては判り難い表示になることが多く、大半は見過ごされてしまう。したがって、画像形成装置の分野においても、製造物責任に係る情報を使用者に周知徹底し、未確認品の使用に起因する故障などを防止するために、種々の提案がなされる。
【0004】
たとえば、画像形成装置において交換可能な部品を使用する場合に、製造物責任に係る情報に相当するデジタル証明書を記憶させた不揮発メモリ(NVRAM)を前記部品に取り付けておき、画像形成装置本体のCPUがそのデジタル証明書を用いて部品を認証する方法が提案される(たとえば、特許文献1参照)。この方法では、CPUが認証に成功した場合は、部品は純正品または推奨品である。また、CPUが認証に失敗した場合は、部品が純正品または推奨品でないと判断し、操作パネルなどに警告メッセージが表示される構成を採る。しかしながら、警告メッセージを表示するだけでは、使用者が警告メッセージに気付かない場合もあり、使用者が未確認品を使用するのを防止する効果は充分ではない。特許文献1には、警告メッセージの表示以外に、使用者に未確認品の使用を気付かせるための手段は一切記載されない。
【0005】
また、読取手段と、記憶手段と、比較手段と、表示手段とを含む画像形成装置が提案される(たとえば、特許文献2参照)。特許文献2の画像形成装置において、読取手段は、製造物責任に係る表示情報を記憶する記憶媒体を備え、画像形成装置に装着されて画像プロセスに関与する交換自在の処理ユニットの表示情報を読み取る。記憶手段は、処理ユニットの表示情報を判別するための比較情報を記憶する。比較手段は、読取手段による読取結果(表示情報)と記憶手段に記憶される比較情報とを比較する。表示手段は、読取手段による読取情報および/または比較手段による比較結果を表示する。特許文献2の技術においても、比較手段によって純正品または推奨品でないと判定された場合でも、その結果が表示されるのみである。したがって、使用者による未確認品の使用を防止する上では、さらなる周知徹底手段が望まれる。
【0006】
一方、次のような印刷システムが提案される(たとえば、特許文献3参照)。複数の印刷装置がネットワークに接続され、印刷データの処理に関する付加情報(マスター情報)が特定の印刷装置に登録される印刷システムにおいて、印刷データを受信した印刷装置がその印刷データを解析してその中に含まれる情報(文書のタイムスタンプ、ファイルサイズ、暗証番号など)を取得すると共に、ネックワークを介して付加情報を取得し、印刷データから取得した情報と付加情報の一致または不一致を判断し、不一致の場合には不正コピー印刷(複写物への不正コピーという文字の印刷)を行う印刷システムである。しかしながら、特許文献3には、記録媒体へのメッセージの印刷によって、交換可能な処理ユニットが純正品または未確認品であるかの判定結果を使用者に知らしめようとする技術思想については一切記載がない。
【0007】
また、通信ネットワークで接続された複数のコンピュータからの印刷指令に応じて印刷を行うプリンタにおいて、該通信ネットワークへの不正アクセスが検出された場合に、検出された旨のレポートを印刷することによって警告する技術が提案される(たとえば、特許文献4参照)。しかしながら、特許文献4においても、交換可能な処理ユニットが純正品であるか否かの判定を行い、その判定結果を印字することによって周知しようとする技術思想はない。
【0008】
【特許文献1】特開2005−202364号公報
【特許文献2】特開2006−003536号公報
【特許文献3】特開2003−266863号公報
【特許文献4】特開2004−005030号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、画像形成装置において交換可能な処理ユニットであるトナーカートリッジおよびプロセスカートリッジが純正品であるか否かの判定結果を単に操作パネルなどに表示するだけでなく、使用者にその判定結果を確実に伝えることができ、未確認品の使用によって様々な不都合が生じるのを防止できる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、
画像形成装置に着脱自在に装着されて表示情報を記憶する記憶媒体を備えるプロセスカートリッジおよび/またはトナーカートリッジを含み、記録媒体に印字を行う画像形成手段と、
トナーカートリッジまたはプロセスカートリッジの表示情報から少なくとも製造物責任に係る表示情報を読み取る読取手段と、
読取情報により読み取られる読取情報を判定するための比較情報を記憶する記憶手段と、
読取手段により読み取られる読取情報と記憶手段に記憶される比較情報とを比較してトナーカートリッジおよび/またはプロセスカートリッジが純正品または推奨品であるか否かを判定する比較判定手段と、
読取手段により読み取られる読取情報および/または比較判定手段による比較判定結果を表示する表示手段と、
比較判定手段によるトナーカートリッジおよび/またはプロセスカートリッジが純正品または推奨品でないとの比較判定結果に応じて、印刷出力される記録媒体における画像を形成しない部分に前記比較判定結果を使用者に知らせるための通知表示を印字するように画像形成手段を制御する印字制御手段とを含むことを特徴とする画像形成装置である。
【0011】
また本発明の画像形成装置は、
印字制御手段が、
印刷出力される記録媒体における画像を形成しない部分に所定枚数毎に通知表示を印字するように画像形成手段を制御することを特徴とする。
【0012】
さらに本発明の画像形成装置は、
印字制御手段が、
印刷出力される記録媒体における画像を形成しない部分に通知表示を印字し、かつ別の記録媒体に通知表示のみを印字して印刷出力するように画像形成手段を制御することを特徴とする。
【0013】
さらに本発明の画像形成装置は、
印字制御手段が、
印刷出力される記録媒体における画像を形成しない部分に所定時間毎に通知表示を印字し、かつ通知表示の内容、印字サイズ、フォント、色および濃度から選ばれる1または2以上を所定時間毎に変更するように画像形成手段を制御することを特徴とする。
【0014】
さらに本発明の画像形成装置は、
画像形成手段による通知表示の印字動作を停止させる通知停止手段をさらに含み、かつ表示手段が通知停止手段を作動させるボタンをさらに含み、
使用者が表示手段における通知停止手段を作動させるボタンに触れることによって、画像形成手段による通知表示の印字動作を停止させることを特徴とする。
【0015】
さらに本発明の画像形成装置は、
画像を形成しない部分が、記録媒体の印字面におけるボイドエリアであることを特徴とする。
【0016】
さらに本発明の画像形成装置は、
画像を形成しない部分が、記録媒体の印字面の画像部における印字空白部であることを特徴とする。
【0017】
さらに本発明の画像形成装置は、
画像を形成しない部分が、記録媒体の印字面とは反対側の面であることを特徴とする。
【0018】
さらに本発明の画像形成装置は、
製造物責任に係る表示情報および比較情報が、製品名、製造番号、製造者名、原材料名、内容量、残量、使用期限、累積印刷回数、リサイクル数、製造者連絡先、メンテナンス連絡先および製造日から選ばれる1または2以上の情報であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、画像形成手段と、読取手段と、記憶手段と、比較判定手段と、表示手段と、印字制御手段とを含む画像形成装置が提供される。画像形成手段は記録媒体に印字し、着脱自在でかつ表示情報が記憶された記憶媒体を備えるプロセスカートリッジおよび/またはトナーカートリッジを含む。読取手段は、トナーカートリッジまたはプロセスカートリッジの表示情報から製造物責任に係る表示情報を読み取る。記憶手段は、読取情報により読み取られる読取情報を判定するための比較情報を記憶する。比較判定手段は、読取手段により読み取られる読取情報と記憶手段に記憶される比較情報とを比較してトナーカートリッジおよび/またはプロセスカートリッジが純正品または推奨品であるか否かを判定する。表示手段は、読取手段により読み取られる読取情報および/または比較判定手段による判定結果を表示する。印字制御手段は、比較判定手段によるトナーカートリッジおよび/またはプロセスカートリッジが純正品または推奨品でないとの比較判定結果に応じて、印刷出力される記録媒体の画像を形成しない部分に、前記比較判定結果を画像形成装置の使用者に知らせるための通知表示を印字するように画像形成手段を制御する。本発明の画像形成装置によれば、トナーカートリッジまたはプロセスカートリッジ自体が備える記憶媒体から製造物責任に係る情報を取り出すことによって、そのカートリッジが純正品または推奨品であるか否かを判定し、否であるとの判定結果に応じて、その判定結果を表示するとともに、印刷出力される記録媒体の画像を形成しない部分に通知表示を印字するように構成する。これによって、現在使用されるカートリッジが未確認品であることを確実に使用者に知らしめ、未確認品の使用による画像形成装置の故障などの問題が生ずるのを未然に防ぐことができる。
【0020】
本発明によれば、印刷出力される記録媒体の所定枚数毎に画像を形成しない部分に通知表示を印字するように構成することによって、全ての印刷物に通知表示をしなくても、効率良く使用者に認識させ得る。
【0021】
本発明によれば、印刷出力される記録媒体の画像を形成しない部分に通知表示を印字し、かつ別の記録媒体に通知表示のみを印字して印刷出力するように構成することによって、現在使用されるカートリッジが未確認品であることをさらに確実に使用者に知らしめることができる。
【0022】
本発明によれば、通知表示を所定時間毎に印字し、かつ通知表示の内容、印字サイズ、フォント、色および濃度から選ばれる1または2以上を所定時間毎に変更するように構成することによって、通知表示を使用者に対してより一層確実に知らしめることが可能になる。また、最初の通知表示が印刷されてからのおおよその経過時間を把握でき、その情報があれば、画像形成装置の保守管理の際に有利である。
【0023】
本発明によれば、通知停止手段と、操作パネルとをさらに含む構成を採ってもよい。通知停止手段は通知表示の印字動作を停止する。操作パネルは、通知停止手段を作動させるボタンを備える。使用者が操作パネルの通知停止手段を作動させるボタンに触れることによって、通知表示の印字動作が停止する。たとえば、重要な会議資料などをコピーする場合に、通知表示が印字されるのは不適当である。したがって、使用者が都合によって通知表示の印字を停止させる機能を持つ方が、利便性が高い。
【0024】
本発明によれば、記録媒体の印字面におけるボイドエリア、記録媒体の印字面の画像部における印字空白部または記録媒体の印字面とは反対側の面に通知表示を印字することによって、複写または印刷しようとする画像を損なうことなく、通知表示を印字することができる。
【0025】
本発明によれば、製造物責任に係る表示情報および比較情報は、製品名、製造番号、製造者名、原材料名、内容量、残量、使用期限、累積印刷回数、リサイクル数、製造者連絡先、メンテナンス連絡先および製造日から選ばれる1または2以上の情報であることが好ましい。これらの情報であれば、純正品または推奨品であるか否かの判定が非常に容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
図1は、本発明の実施の第1形態である画像形成装置1の構成を模式的に示す断面図である。画像形成装置1は、外部機器からの印刷指令に含まれる画像情報に応じて、記録紙などの記録媒体3に画像を形成する。外部機器には、画像情報の形成または取得が可能であり、かつ画像形成装置1に電気的に接続可能な電気・電子機器を使用でき、たとえば、コンピュータ、デジタルカメラ、テレビ、ビデオレコーダ、DVDレコーダ、ファクシミリ装置などが挙げられる。画像形成装置1は、プロセスカートリッジ2と、露光手段12と、転写手段14と、剥離手段15と、定着手段17と、読取手段25と、図示しない制御手段と、図示しない表示手段とを含む。プロセスカートリッジ2、露光手段12、転写手段14、剥離手段15および定着手段18が画像形成手段になる。
【0027】
プロセスカートリッジ2は、感光体10、帯電手段11、現像手段13、クリーニング手段16、筺体17および記憶媒体24を含む。プロセスカートリッジ2は、筺体17の内部に感光体10、帯電手段11、現像手段13およびクリーニング手段16を一体化して収容し、筺体17の外壁には記憶媒体24が取り付けられ、画像形成装置1に着脱可能に装着される。プロセスカートリッジ2を画像形成装置1内に装着すると、プロセスカートリッジ2に含まれる各部材が、予め画像形成装置1内に設けられる電気回路によって制御手段に電気的に接続される。
【0028】
感光体10は、図示しない駆動手段によって軸線回り(矢符26の方向)に回転駆動可能に支持され、その表面に静電潜像ひいてはトナー像が形成される感光層を有するローラ状部材である。感光体10には、たとえば、図示しない導電性基体と、導電性基体表面に形成される図示しない感光層とを含むものを使用できる。導電性基体には、円筒状、円柱状、シート状などの導電性基体を使用でき、その中でも円筒状導電性基体が好ましい。感光層としては、有機感光層、無機感光層などが挙げられる。有機感光層としては、電荷発生物質を含む樹脂層である電荷発生層と、電荷輸送物質を含む樹脂層である電荷輸送層との積層体、1つの樹脂層中に電荷発生物質と電荷輸送物質とを含む樹脂層などが挙げられる。無機感光層としては、酸化亜鉛、セレン、アモルファスシリコンなどから選ばれる1種または2種以上を含む層が挙げられる。導電性基体と感光層との間には、下地膜を介在させてもよく、感光層の表面には主に感光層を保護するための表面膜(保護膜)を設けてもよい。
【0029】
帯電手段11は電源20から電圧の印加を受けて放電し、感光体10表面を所定の極性および電位に帯電させる。本実施の形態では、帯電手段11には感光体10表面に接触しない非接触方式のコロナ帯電器が用いられるけれども、それに限定されず、ブラシ型帯電器、チャージャー型帯電器、帯電ローラなどを使用できる。
【0030】
露光手段12は、感光体10表面に画像情報に応じた信号光12aを照射し、静電潜像を形成する。本実施の形態では、露光手段12には、レーザ発射手段とレーザ反射手段と補助レーザ発射手段と補助レーザ反射手段とを含む図示しないレーザスキャニングユニット(LSU)を使用する。レーザ発射手段は画像情報に応じた信号光12aを発射する。レーザ反射手段はレーザ発射手段から発射される信号光12aを反射して感光体10表面に到達させる。これによって、感光体10表面に画像情報に応じた静電潜像が形成される。補助レーザ発射手段は後記する印字制御手段によって制御され、後記する比較判定手段によるトナーカートリッジおよび/またはプロセスカートリッジが純正品または推奨品でないとの比較判定結果に応じて、所定の通知表示に対応する図示しない信号光を発射する。補助レーザ反射手段は、補助レーザ発射手段から発射される信号光を反射し、記録媒体3における画像を形成しない部分に対応する感光体10表面の部分に該信号光を到達させる。これによって、感光体10表面の記録媒体3における画像を形成しない部分に対応する部分に、所定の通知表示に対応する静電潜像が形成される。レーザ発射手段および補助レーザ発射手段には半導体レーザを使用するけれども、それに限定されず、エレクトロルミネッセンス(EL)素子、発光ダイオード(LED)素子などを使用できる。レーザ反射手段および補助レーザ反射手段には反射ミラーなどを使用できる。
【0031】
現像手段13は、現像ローラ13aと、現像槽13bと、図示しない供給ローラと、図示しない撹拌ローラとを含む。現像ローラ13aは、感光体10表面に対して間隙を有して離隔するように設けられ、その表面に現像剤を担持し、感光体10との最近接部分において感光体10表面の静電潜像にトナーを供給する。また、現像ローラ13aは、その長手方向の長さが、感光体10の長手方向において、感光体10表面の記録媒体3における画像を形成しない部分に対応する部分に形成される静電潜像にもトナーを供給できる程度の寸法を有するものを使用する。
【0032】
現像槽13bはその内部空間に現像ローラ13a、供給ローラおよび撹拌ローラをそれぞれの軸線が互いに平行になりかつ感光体10の軸線と平行になるように収容して回転自在に支持し、さらに現像剤を収容する容器状部材である。現像剤はトナーのみを含む1成分現像剤またはトナーとキャリアとを含む2成分現像剤のいずれでもよい。現像槽13bには、トナーの消費状況に応じて、図示しないトナーカートリッジまたはトナーホッパから図示しないトナー補給用パイプを介してトナーが補給される。トナーカートリッジは、筺体17を介して現像槽13bに対向する位置に着脱可能に装着される。トナーカートリッジはその内部空間に補給用のトナーが充填された容器状部材である。トナーカートリッジの外壁には図示しない記憶媒体が取り付けられる。記録媒体にはICタグを使用できる。記憶媒体には、少なくとも、トナーカートリッジについての製造物責任に係る表示情報が記憶される。製造物責任に係る表示情報は、後記する記憶媒体24に記憶されるのと同様のものである。また、トナーカートリッジが画像形成装置1に装着された位置において、トナーカートリッジの外壁に取り付けられる記憶媒体の近傍には、図示しない読取手段が設けられる。読取手段については、後に詳述する。一方、トナーホッパはトナーカートリッジのような脱着式ではなく、画像形成装置1の内部に据え付けられる容器状部材である。トナーホッパは、画像形成装置1の鉛直方向上面に設けられるトナー受入口と連通し、画像形成装置1の外部からトナーのみが補給される。
【0033】
現像槽13bに収容される供給ローラおよび撹拌ローラはそれぞれ図示しない駆動手段によって軸線回りに回転可能に設けられるローラ状部材である。供給ローラは、その回転によって現像剤を帯電させて現像ローラ13a周辺に送給する。撹拌ローラは、トナー消費状況に応じて図示しないトナーホッパから補給されるトナーと、現像槽13b中の現像剤とを均一に混合する。撹拌ローラはスクリュー状部材であってもよい。現像手段13によれば、感光体10表面の静電潜像にトナーを供給してトナー像を形成する。
【0034】
転写手段14は、図示しない支持手段によって回転自在に支持されかつ図示しない駆動手段によって回転可能に設けられ、かつ感光体10に圧接するように設けられるローラ状部材である。転写手段14には、たとえば、直径8〜10mmの金属製芯金と、金属製芯金の表面に形成される導電性弾性層とを含むローラ状部材が用いられる。金属製芯金を形成する金属としては、ステンレス鋼、アルミニウムなどを使用できる。導電性弾性層としては、エチレン−プロピレンゴム(EPDM)、発泡EPDM、発泡ウレタンなどのゴム材料にカーボンブラックなどの導電材を配合したゴム材料を使用できる。感光体10と転写手段14との圧接部(転写ニップ部)に、感光体10の回転によってトナー像が搬送されるのに同期して、図示しない給紙トレイから図示しないピックアップローラおよびレジストローラを介して記録媒体3が1枚ずつ供給される。記録媒体3が転写ニップ部を通過することによって、感光体10表面のトナー像が記録媒体3に転写される。転写手段14には電源21が接続され、トナー像を記録媒体3に転写する際に、トナー像を構成するトナーの帯電極性とは逆極性の電圧が印加される。これによって、トナー像が記録媒体3に円滑に転写される。転写手段14によれば、感光体10表面のトナー像が記録媒体3に転写される。
【0035】
剥離手段15は、感光体10の長手方向に平行に延び設けられかつその短手方向の一端が感光体10表面に当接するように設けられる板状部材である。剥離手段15によって、トナー像転写後の記録媒体3が感光体10に巻き付くのが防止され、定着手段17に向けて送給される。
【0036】
クリーニング手段16は、クリーニングブレード16aと、トナー貯留槽16bとを含む。クリーニングブレード16aは、感光体10の長手方向に平行に延び設けられかつその短手方向の一端が感光体10表面に当接するように設けられる板状部材である。クリーニングブレード16aは、記録媒体3にトナー像を転写した後に感光体10表面に残留するトナーを感光体10表面から取り除く。トナー貯留槽16bは内部空間を有する容器状部材であり、クリーニングブレード16aによって除去されるトナーを一時的に貯留する。
【0037】
筺体17は、内部空間を有する容器状部材であり、たとえば、合成樹脂によって形成される。筺体17の外壁には、記憶媒体24が取り付けられる。記憶媒体24には一般的な記憶媒体を使用できるけれども、本実施の形態ではICタグを使用する。記憶媒体24には、少なくとも製造物責任に係る表示情報が予め記憶される。製造物責任に係る表示情報としては、たとえば、純正品または推奨品のプロセスカートリッジ2の製品名、製造番号、製造者名、原材料名、内容量、残量、使用期限、累積印刷回数、リサイクル数、製造者連絡先、メンテナンス連絡先、製造日などが挙げられる。記憶媒体24には、これらの製造物責任に係る表示情報から選ばれる1種または2種以上が記憶される。記憶媒体24には、たとえば、表1に示すようにして製造物責任に係る表示情報が記憶される。
【0038】
【表1】
【0039】
定着手段18は、定着ローラ22と、加圧ローラ23とを含む。定着ローラ22は、図示しない支持手段によって回転自在に支持され、かつ図示しない駆動手段によって軸線回りに回転可能に設けられるローラ状部材である。定着ローラ22は、その内部に図示しない加熱手段を有し、転写ニップ部から搬送される記録媒体3に担持される未定着トナー像を構成するトナーを加熱し、溶融させて記録媒体3に定着させる。定着ローラ22としては、たとえば、芯金と、弾性層とを含むローラ状部材を使用する。芯金は、鉄、ステンレス、アルミニウムなどの金属によって形成される。弾性層は、たとえば、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどの弾性材料で形成される。本実施の形態では、定着ローラ22として、アルミニウム製芯金の表面にシリコーンゴム層を形成した径40mmのローラ状部材を用いた。加熱手段は図示しない電源から電圧印加を受けて発熱する。加熱手段にはハロゲンランプ、赤外線ランプなどを使用できる。
【0040】
加圧ローラ23は回転自在に支持されかつ図示しない加圧手段によって定着ローラ22に対して圧接するように設けられるローラ状部材である。加圧ローラ23は定着ローラ22の回転に従動回転する。定着ローラ22と加圧ローラ23との圧接部が定着ニップ部である。加圧ローラ23は、定着ローラ22によるトナー像の記録媒体への加熱定着に際し、溶融状態にあるトナーを記録媒体に対して押圧することによって、トナー像の記録媒体への定着を促進する。加圧ローラ23には、定着ローラ22と同じ構成のローラ状部材を使用できる。本実施の形態では、定着ローラ22として、鉄製芯金の表面にシリコーンゴム層を形成した径40mmのローラ状部材を使用する。加圧ローラ23の内部にも加熱手段を設けてもよい。加熱手段には定着ローラ22内部の加熱手段と同様のものを使用できる。
【0041】
定着手段18によれば、トナー像が転写された記録媒体3を定着ニップ部に通過させ、トナー像を構成するトナーを溶融させるとともに記録媒体3に押圧することによって、トナー像を記録媒体3に定着させ、画像を印刷する。画像が印刷された記録媒体3は、図示しない搬送手段によって、画像形成装置1の鉛直方向上面または鉛直方向側面に設けられる排紙トレイに排出され、積載される。
【0042】
読取手段25は、プロセスカートリッジ2の外壁に取り付けられた記憶媒体24の近傍に設けられる。本実施の形態では、読取手段25には非接触式リーダライタが用いられる。リーダライタに電流が供給されると電磁誘導が起こり、それによって、記憶媒体24であるICタグが起動し、ICタグに記憶される製造物責任に係る表示情報が電気信号化されて後記する制御手段に送付され、読取結果として制御手段の記憶部に入力される。それとともに、読取結果の一部または全部が後記する表示手段に表示される。このときの表示内容は、初期設定で定めても良いし、画像形成装置1の使用者が後記する表示手段の操作部などを利用して設定してもよい。この表示によって、使用者による読取手段の容易な視認が可能になる。本実施の形態では、読取手段25に非接触式リードライタが用いられるけれども、ICタグの表示情報を読み取ることができる方式であれば特に制限されず、たとえば、接触式磁気カード、非接触式磁気カードなどを使用できる。プロセスカートリッジ2が画像形成装置1に対して脱着されることを考慮すると、非接触式のものが好ましい。なお、図示しないけれども、トナーカートリッジの外壁に取り付けられる記憶媒体の近傍にも、読取手段が設けられる。この記憶媒体および読取手段も、記憶媒体24および読取手段25と同様の構成を有する。
【0043】
表示手段は、図示しないけれども、たとえば、画像形成装置1の鉛直方向上面に設けられる。表示手段は、たとえば、図示しない表示部と、図示しない操作部とを含む。表示分は、文字、画像、音声などを表示するディスプレイ、スピーカなどを含む。操作部は、使用者が画像形成装置1に関する各種操作を実行するためのタッチパネルなどを含む。操作部には、後記する通知停止手段を作動させるボタンが設けられてもよい。ディスプレイ、タッチパネルなどはたとえば液晶によって形成される。表示手段には読取情報および比較判定結果が表示される。読取情報および比較判定結果の表示・非表示は、使用者が選択できるように構成しても良い。その場合は、操作部は表示・非表示を選択するボタンを設ければよい。読取情報および比較判定結果は、それぞれ、意味を持つかまたは意味を持たない文字表示でもよく、記号表示でもよく、色表示でもよい。また、前記表示手段以外の表示手段として小型表示灯を設けてもよい。小型表示灯は、普段は消灯しておき、比較判定結果が純正品または推奨品ではないという比較判定結果である場合にのみ小型表示灯を点灯または点滅させてもよい。小型表示灯の設置位置は特に制限されないけれども、使用者による視認性を考慮すると、画像形成装置1の鉛直方向上面が好ましい。
【0044】
制御手段は、たとえば、画像形成装置1の内部空間における上部に設けられ、記憶部と演算部と制御部とを含む。記憶部は、読取手段により読み取られる読取情報を判定するための比較情報を記憶する記憶手段になる。記憶部に記憶される比較情報としては、純正品および推奨品のプロセスカートリッジおよびトナーカートリッジの製品名、製造番号、製造者名、原材料名、内容量、残量、使用期限、累積印刷回数、リサイクル数、製造者連絡先、メンテナンス連絡先、製造日などが挙げられる。さらに記憶部には、画像形成装置1の上面に配置される図示しない表示手段を介して設定される各種設定値、画像形成装置1内部の各所に配置される図示しないセンサなどからの検知結果、外部機器からの印刷指令に含まれる画像情報などが入力される。また、各種手段を実行するプログラムが書き込まれる。各種手段とは、たとえば、比較判定手段、印字制御手段、通知停止手段などである。記憶部には、この分野で常用されるものを使用でき、たとえば、リードオンリィメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ハードディスクドライブ(HDD)などが挙げられる。演算部は、記憶部に入力される各種データ(画像形成命令、検知結果、画像情報など)および各種手段のプログラムを取り出し、各種判定を行う。制御部は、演算部における判定結果に応じて該当装置に制御信号を送付し、動作制御を行う。制御部および演算部は、たとえば、中央処理装置(CPU、Central Processing Unit)を備えるマイクロコンピュータ、マイクロプロセッサなどによって実現される処理回路である。制御手段は、記憶部、演算部および制御部とともに主電源を含む。
【0045】
制御手段は、画像形成装置1内部に配置される各部材の動作を制御するだけでなく、比較判定手段、印字制御手段などとしても機能する。比較判定手段は、読取手段により読み取られる読取情報および記憶部により記憶される比較情報を記憶部から取り出して比較し、画像形成装置1に装着されるプロセスカートリッジ2および/またはトナーカートリッジが純正品または推奨品であるか否かを判定する。比較判定手段による比較判定は、新しいプロセスカートリッジ2および/またはトナーカートリッジを画像形成装置1に装着する際に行われる。プロセスカートリッジ2およびトナーカートリッジの画像形成装置1への装着は、図示しないセンサなどを設けることによって容易に検知できる。比較判定手段による比較は、読取情報における製品名、製造番号、製造者名、原材料名、内容量、残量、使用期限、累積印刷回数、リサイクル数、製造者連絡先、メンテナンス連絡先、製造日などと、比較情報における製品名、製造番号、製造者名、原材料名、内容量、残量、使用期限、累積印刷回数、リサイクル数、製造者連絡先、メンテナンス連絡先、製造日などとが一致するか否かを調べることによって行われる。
【0046】
比較判定手段は、たとえば、上記表1に示すデータに基づいて比較判定を行う。表1は、記憶媒体24の「0000H〜003FH」の各アドレスに記憶される製造物責任に係る表示情報を示す。まず、記憶媒体24に記憶される表示情報の中から、製品名、製造番号に関する情報M1が読取手段25によって読み出される。ここで、情報M1の製品名、製造番号を「Aユニット、A0001」とする。次に、記憶手段に記憶される比較情報から、情報M1を比較するための情報が抽出される。ここでは、たとえば、下記表2に示す比較情報のアドレス「0000H〜0002H」に比較するための情報が記憶されるとする。表2は、記憶部に入力される比較情報の一部のアドレスとその内容とを示す。そして、情報M1「Aユニット、A0001」と、比較情報のアドレス「0000H〜0002H」の情報とを比較する。ここでは、表2に示すように、比較情報のアドレス「0000H」の情報が、情報M1の「Aユニット、A0001」と一致するので、プロセスカートリッジ2は純正品または推奨品であると判別される。もちろん一致しない場合には、プロセスカートリッジ2は未確認品であると判断される。
【0047】
【表2】
【0048】
比較判定手段による比較判定結果は記憶部に入力されるとともに、表示手段に表示される。これによって、プロセスカートリッジ2および/またはトナーカートリッジの画像形成装置1への適用の可否が、使用者によって確実かつ容易に確認される。比較判定結果は、たとえば、「このプロセスカートリッジは未確認品です。続けて使用される場合には動作・機器の保障はいたしません」や「機器に障害が生じる可能性があります」など、使用者に対する通知表示であることが考えられる。また、「この製品は…、…のトナーカートリッジが正常に使用できます」など、使用者に対して、画像形成装置1における純正品や推奨品の一覧などを表示するものであっても良い。また、本実施の形態では、プロセスカートリッジ2および/またはトナーカートリッジが未確認品である場合に比較判定結果が表示される構成とするけれども、プロセスカートリッジ2および/またはトナーカートリッジが純正品または推奨品である場合にも、比較判定結果が表示されてもよい。
【0049】
印字制御手段は、比較判定手段によるプロセスカートリッジ2またはトナーカートリッジが純正品または推奨品でないとの比較判定結果に応じて、印刷出力される記録媒体3における画像を形成しない部分に通知表示を印字するように画像形成手段を制御する。ここで、画像形成手段とは、感光体10、帯電手段11、露光手段12、現像手段13、転写手段14、剥離手段15、クリーニング手段16および定着手段18を含む。通知表示の印字は、大部分の場合は、印刷指令に含まれる画像情報に応じた画像を形成するのと同時に行われるので、露光手段12による通知表示に対応する静電潜像の形成を制御すれば、露光手段12以外の各手段については通常の画像形成動作を実行させればよい。もちろん、露光手段12以外の他の各手段についても、さらにきめ細かな制御を行っても差し支えない。
【0050】
印字制御手段は、より具体的には、通知表示の種類、印字位置などの通知表示情報を適宜選択し、この通知表示情報を電気信号に変換して露光手段12に送付する。この制御信号によって、露光手段12の補助レーザ発射手段が、通知表示情報に応じた図示しない信号光を発射する。この信号光は、レーザ発射手段12による画像情報に応じた信号光12aの発射に同期して発射される。この信号光は補助レーザ反射手段によって反射され、感光体10表面の記録媒体3における画像を形成しない部分に到達し、通知表示情報に応じた静電潜像が形成される。この静電潜像には現像手段13からトナーが供給され、さらに転写手段14によって画像に対応するトナー像とともに記録媒体3に転写されかつ定着手段18によってトナー像とともに記録媒体3に定着される。このようにして、記録媒体3に画像とともに通知表示が印字される。ここで、通知表示の種類には、通知表示の内容(意味または内容のある文字表示、意味または内容のない文字表示、記号表示など)、印字サイズ、フォント(書体)、画像濃度、これらの2種以上の組み合わせなどがある。画像形成装置がカラー画像形成装置であれば、通知表示の種類には「色」が含まれる。また、プロセスカートリッジのみが純正品または推奨品でない場合、トナーカートリッジのみが純正品または推奨品でない場合、プロセスカートリッジおよびトナーカートリッジの両方が純正品または推奨品でない場合については、それぞれの場合を区別できるように、通知表示の種類を変更するのが好ましい。
【0051】
また、印字制御手段は、印刷出力される記録媒体3の画像を形成しない部分に、所定枚数毎に通知表示を印字するように画像形成手段、特に露光手段12を制御してもよい。また、印字制御手段は、印刷出力される記録媒体3の画像を形成しない部分に通知表示を印字し、かつ別の記録媒体3に通知表示のみを印字して印刷出力するように画像形成手段を制御してもよい。印刷出力される記録媒体3が複数枚である場合は、複数枚の記録媒体3にそれぞれ通知表示を印字するかまたは複数枚の記録媒体3の所定枚数毎に通知表示を印字する。そして、複数枚の記録媒体3の印刷出力が終了した後に、別の記録媒体3に通知表示のみを印字して印刷出力する。別の記録媒体3に印字される通知表示は、複数枚の記録媒体3に印字する通知表示と同じでも異なっていてもよい。また、印字制御手段は、印刷出力される記録媒体の画像を形成しない部分に、所定時間毎に通知表示を印字しかつ所定時間毎に通知表示の種類を変更するように画像形成手段を制御してもよい。
【0052】
記録媒体3における画像を形成しない部分とは、たとえば、記録媒体3の印字面におけるボイドエリアである。ボイドエリアとは、記録媒体3の周縁部に等しい幅(記録媒体3の短手方向の周縁部では短手方向に垂直な方向の幅、記録媒体3の長手方向の周縁部では長手方向に垂直な方向の幅)に設定される非印字領域(画像が印字されない領域)である。A3、A4、B5、B4などの長方形状の記録媒体3において、4つの周縁部の1つに頁番号が印字される場合は、頁番号よりも外側がボイドエリアになる。ボイドエリアに通知表示を印字することによって、使用者が印刷しようとする画像を損なうことなく、使用者に確実に比較判定結果を通知できる。また、記録媒体3における画像を形成しない部分は、記録媒体3の印字面の画像部(ボイドエリア以外の部分)における印字空白部(印字しない部分)であってもよい。外部機器から制御手段に入力される印刷指令に含まれる画像情報は記憶部に記憶される。画像情報には、印刷しようとする画像における印字空白部の位置、形状、寸法などが含まれるので、印字制御部は印字空白部について正確に把握できる。印字制御手段は、印字空白部の形状、寸法などに応じて、通知表示の種類を決定する。印字制御手段は、ボイドエリアまたは印字空白部に通知表示を印字する場合、ボイドエリアまたは印字空白部の中に所定の寸法を有する長方形の空白領域(非印字領域)を探し、その空白領域に通知表示を印字するのが好ましい。長方形の空白領域は、一辺が1〜2cm程度、もう一辺が4〜8cm程度であり、縦長でも横長でもよい。空白領域は長方形の領域に限定されず、たとえば、円形、三角形などであってもよい。また、記録媒体3における画像を形成しない部分は、記録媒体3の印字面とは反対側の面であってもよい。印字面と反対側の面であれば、通知表示の印字位置は特に制限されないけれども、周縁部であることが好ましい。
【0053】
制御手段は、通知停止手段としても機能できる。通知停止手段は、印字制御手段による通知表示の印字動作指令の送付を取り消し、通知表示の印字動作を停止させる。この場合、表示手段の操作部に、通知停止手段を作動させるボタン(以下「停止作動ボタン」という)を設けるように構成するのが好ましい。この構成では、たとえば、次のような動作が可能になる。比較判定手段によって、プロセスカートリッジおよび/またはトナーカートリッジが純正品または推奨品ではないとの比較判定結果が得られると、この比較判定結果は表示手段に表示される。使用者がこの表示を見て、通知表示の印字を停止させたければ、表示手段における停止作動ボタンに押す。これによって、通知表示の印字動作を停止させ、画像印字動作のみを実行できる。また、画像形成装置に常備される図示しないスタートボタン(印刷開始ボタン)に、停止作動ボタンの機能(通知表示の印字動作解除機能)を持たせてもよい。すなわち、表示手段に比較判定結果が表示される時に限り、スタートボタンが停止作動ボタンとして機能するように構成してもよい。この場合も、使用者がスタートボタンを押せば、画像印字動作のみが実行される。一方、比較判定結果の表示に対して、使用者が停止作動ボタンを所定時間押さなければ、自動的に通知表示が印字されるように構成するのが好ましい。また、連続的な印刷において、通知表示が印字されている場合にも、使用者が停止作動ボタンに触れれば、連続的な印刷動作を停止させることなく、通知表示の印字動作のみを停止させ得る。このように通知停止手段および停止作動ボタンを設けることによって、プロセスカートリッジ2またはトナーカートリッジが純正品又は推奨品ではないことを、使用者に一層確実に認識させ得る。
【0054】
図2は、図1に示す画像形成装置1における通知表示の印字動作を模式的に示すフローチャートである。ステップS0のスタートでは、新しいプロセスカートリッジ2の画像形成装置1への装着が、図示しないセンサによって検知され、制御手段にその検知結果が入力される。すなわち、新しいプロセスカートリッジ2の装着が制御手段によって検知される。ステップS1では、制御手段から読取手段25に制御信号が送られ、読取手段25の動作が開始する。読取手段25は、プロセスカートリッジ2の外壁に取り付けられる記憶媒体24から、少なくとも製造物責任に係る表示情報が読み取る。この読取結果は、制御手段の記憶部に入力される。ステップS2では、ステップS1で得られる読取結果が表示手段に表示され、画像形成装置1の使用者に読取結果を認識させる。ステップS3では、比較判定手段によって、ステップS1で得られる読取結果と制御手段の記憶部に予め入力される比較情報とが比較され、プロセスカートリッジ2が純正品または推奨品であるか否かを判定する。比較判定結果がYes(プロセスカートリッジ2が純正品または推奨品である)の場合は、ステップS4に進む。比較判定結果がNo(プロセスカートリッジ2が純正品または推奨品ではない)の場合は、ステップS6に進む。
【0055】
ステップS4では、制御部に印刷指令が入力される。ステップS5では、印刷指令に応じて、制御部によって画像形成手段に制御信号が送付され、画像印字動作が実行される。記録媒体2には、印刷指令に含まれる画像情報に応じた画像が印刷される。
【0056】
ステップS6では、ステップS3で得られるプロセスカートリッジ2が純正品または推奨品ではないという比較判定結果が、表示手段に表示される。ステップS7では、通知表示の印字動作の実行可否が判定される。画像形成装置1の使用者が停止作動ボタンを所定時間押さない場合は、ステップS8に進む。画像形成装置1の使用者が停止作動ボタンを押すか停止作動機能を有するスタートボタンを押す場合は、ステップS9に進む。ステップS8では、印字制御手段によって通知表示の印字指令が出され、ステップS5において制御部から画像形成手段への制御信号が送付されるのと同時に、制御部における印字制御手段から通知表示の印字指令の制御信号が送付され、記録媒体3上に画像と通知表示とが印字される。ステップ9では、通知停止手段によって、印字制御手段による通知表示の印字動作指令の送付を取り消し、通知表示の印字を停止させる。それとともに、ステップS5の画像印字動作のみが実行され、記録媒体3上に画像のみが印刷される。このように構成すれば、使用者が表示手段における比較判定結果の表示を見落とすと、記録媒体3に通知表示が印刷されるので、使用者が比較判定結果を確実に認識できる。
【0057】
本実施の形態の画像形成装置1では、プロセスカートリッジおよび/またはトナーカートリッジの表示情報と、制御手段の記憶部に記憶される比較情報とに基づいて、プロセスカートリッジおよび/またはトナーカートリッジが純正品または推奨品であるか否かを比較判定する。しかしながら、プロセスカートリッジおよびトナーカートリッジの純正品および推奨品は、仕様変更、新製品の開発などによって、その製造物責任に係る表示情報が更新されることがある。情報の更新とは、情報の一部削除、情報の一部追加、情報の一部または全部変更などを意味する。この場合、比較情報についても更新が必要になる。したがって、画像形成装置1は、比較情報を更新する比較情報更新手段を含むのが好ましい。比較情報更新手段は、そのプログラムが画像形成装置1の制御手段の記憶部に入力され、制御手段の演算部および制御部において実行される。比較情報更新手段は、たとえば、外部機器から制御手段に新しい比較情報を取り込み、記憶部に以前から記憶される比較情報を新しい比較情報によって一括して上書きする。これによって、比較情報が新しい比較情報に書き換えられ、新製品、仕様変更などがあっても支障なくかつ正確に比較判定を実施できる。外部機器は、ネットワーク上で画像形成装置1に接続されるコンピュータなどである。該コンピュータには、インターネット、メールなどによって、画像形成装置1の製造会社から新しい比較情報を取得され、蓄積される。
【0058】
本実施の形態では、モノクロ画像を印刷する画像形成装置1について述べたけれども、それに限定されず、たとえば、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの4色のトナー像を重ね合わせてカラートナー像を形成し、これを記録媒体に定着させてカラー画像を印刷するカラー画像形成装置においても、本発明の構成を適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の実施の第1形態である画像形成装置の構成を模式的に示す断面図である。
【図2】図1に示す画像形成装置における通知表示の印字動作を模式的に示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0060】
1 画像形成装置
2 プロセスカートリッジ
3 記録媒体
11 帯電手段
12 露光手段
13 現像手段
14 転写手段
15 剥離手段
16 クリーニング手段
17 筺体
18 定着手段
22 定着ローラ
23 加圧ローラ
24 記憶媒体
25 読取手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置は、プリンタ、複写機、ファクシミリ、それらの複合機などとして広く利用される。画像形成装置においては、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジなどの交換、リサイクルなどが可能な処理ユニットが装着され、画像形成装置の利便性をさらに高めている。これらの処理ユニットは、画像形成装置の製造者、製造委託業者などから供給され、製造者によって動作確認および性能確認がなされた純正品または推奨品(製造者による許諾品)であることが望ましい。ところが、最近では製造者による動作確認および性能確認がなされない未確認品が流通する。未確認品は純正品または推奨品に比べて低品質なものが多く、画像形成装置によって形成される画像の画質低下、画像形成装置の故障、処理ユニット交換時期の大幅な食い違い、耐用年数の短縮化、事故などを引き起こすおそれ。それでも、純正品または推奨品よりも大幅に低価格であることから、純正品の流通量は次第に増加する傾向にある。低価格を理由に未確認品と知りつつ用いる使用者もあるけれども、純正品または推奨品と未確認品との違いを知らずに、未確認品を使用する使用者も多い。
【0003】
このため、製造者は、製造物責任法に基づいて、製造物責任に係る情報を使用者に表示することによって、純正品または推奨品と未確認品との違いおよび使用者に対する保障責任を明らかにする。製造物責任に係る情報には、製品名、製造番号、製造者名、原材料名、内容量、残量、使用期限、累積印刷回数、リサイクル数、製造者連絡先、保守管理連絡先、製造日、純正品または推奨品の種別などがある。このような情報は、製品本体、包装材、取扱説明書などに記載されることによって使用者に表示されるけれども、使用者にとっては判り難い表示になることが多く、大半は見過ごされてしまう。したがって、画像形成装置の分野においても、製造物責任に係る情報を使用者に周知徹底し、未確認品の使用に起因する故障などを防止するために、種々の提案がなされる。
【0004】
たとえば、画像形成装置において交換可能な部品を使用する場合に、製造物責任に係る情報に相当するデジタル証明書を記憶させた不揮発メモリ(NVRAM)を前記部品に取り付けておき、画像形成装置本体のCPUがそのデジタル証明書を用いて部品を認証する方法が提案される(たとえば、特許文献1参照)。この方法では、CPUが認証に成功した場合は、部品は純正品または推奨品である。また、CPUが認証に失敗した場合は、部品が純正品または推奨品でないと判断し、操作パネルなどに警告メッセージが表示される構成を採る。しかしながら、警告メッセージを表示するだけでは、使用者が警告メッセージに気付かない場合もあり、使用者が未確認品を使用するのを防止する効果は充分ではない。特許文献1には、警告メッセージの表示以外に、使用者に未確認品の使用を気付かせるための手段は一切記載されない。
【0005】
また、読取手段と、記憶手段と、比較手段と、表示手段とを含む画像形成装置が提案される(たとえば、特許文献2参照)。特許文献2の画像形成装置において、読取手段は、製造物責任に係る表示情報を記憶する記憶媒体を備え、画像形成装置に装着されて画像プロセスに関与する交換自在の処理ユニットの表示情報を読み取る。記憶手段は、処理ユニットの表示情報を判別するための比較情報を記憶する。比較手段は、読取手段による読取結果(表示情報)と記憶手段に記憶される比較情報とを比較する。表示手段は、読取手段による読取情報および/または比較手段による比較結果を表示する。特許文献2の技術においても、比較手段によって純正品または推奨品でないと判定された場合でも、その結果が表示されるのみである。したがって、使用者による未確認品の使用を防止する上では、さらなる周知徹底手段が望まれる。
【0006】
一方、次のような印刷システムが提案される(たとえば、特許文献3参照)。複数の印刷装置がネットワークに接続され、印刷データの処理に関する付加情報(マスター情報)が特定の印刷装置に登録される印刷システムにおいて、印刷データを受信した印刷装置がその印刷データを解析してその中に含まれる情報(文書のタイムスタンプ、ファイルサイズ、暗証番号など)を取得すると共に、ネックワークを介して付加情報を取得し、印刷データから取得した情報と付加情報の一致または不一致を判断し、不一致の場合には不正コピー印刷(複写物への不正コピーという文字の印刷)を行う印刷システムである。しかしながら、特許文献3には、記録媒体へのメッセージの印刷によって、交換可能な処理ユニットが純正品または未確認品であるかの判定結果を使用者に知らしめようとする技術思想については一切記載がない。
【0007】
また、通信ネットワークで接続された複数のコンピュータからの印刷指令に応じて印刷を行うプリンタにおいて、該通信ネットワークへの不正アクセスが検出された場合に、検出された旨のレポートを印刷することによって警告する技術が提案される(たとえば、特許文献4参照)。しかしながら、特許文献4においても、交換可能な処理ユニットが純正品であるか否かの判定を行い、その判定結果を印字することによって周知しようとする技術思想はない。
【0008】
【特許文献1】特開2005−202364号公報
【特許文献2】特開2006−003536号公報
【特許文献3】特開2003−266863号公報
【特許文献4】特開2004−005030号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、画像形成装置において交換可能な処理ユニットであるトナーカートリッジおよびプロセスカートリッジが純正品であるか否かの判定結果を単に操作パネルなどに表示するだけでなく、使用者にその判定結果を確実に伝えることができ、未確認品の使用によって様々な不都合が生じるのを防止できる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、
画像形成装置に着脱自在に装着されて表示情報を記憶する記憶媒体を備えるプロセスカートリッジおよび/またはトナーカートリッジを含み、記録媒体に印字を行う画像形成手段と、
トナーカートリッジまたはプロセスカートリッジの表示情報から少なくとも製造物責任に係る表示情報を読み取る読取手段と、
読取情報により読み取られる読取情報を判定するための比較情報を記憶する記憶手段と、
読取手段により読み取られる読取情報と記憶手段に記憶される比較情報とを比較してトナーカートリッジおよび/またはプロセスカートリッジが純正品または推奨品であるか否かを判定する比較判定手段と、
読取手段により読み取られる読取情報および/または比較判定手段による比較判定結果を表示する表示手段と、
比較判定手段によるトナーカートリッジおよび/またはプロセスカートリッジが純正品または推奨品でないとの比較判定結果に応じて、印刷出力される記録媒体における画像を形成しない部分に前記比較判定結果を使用者に知らせるための通知表示を印字するように画像形成手段を制御する印字制御手段とを含むことを特徴とする画像形成装置である。
【0011】
また本発明の画像形成装置は、
印字制御手段が、
印刷出力される記録媒体における画像を形成しない部分に所定枚数毎に通知表示を印字するように画像形成手段を制御することを特徴とする。
【0012】
さらに本発明の画像形成装置は、
印字制御手段が、
印刷出力される記録媒体における画像を形成しない部分に通知表示を印字し、かつ別の記録媒体に通知表示のみを印字して印刷出力するように画像形成手段を制御することを特徴とする。
【0013】
さらに本発明の画像形成装置は、
印字制御手段が、
印刷出力される記録媒体における画像を形成しない部分に所定時間毎に通知表示を印字し、かつ通知表示の内容、印字サイズ、フォント、色および濃度から選ばれる1または2以上を所定時間毎に変更するように画像形成手段を制御することを特徴とする。
【0014】
さらに本発明の画像形成装置は、
画像形成手段による通知表示の印字動作を停止させる通知停止手段をさらに含み、かつ表示手段が通知停止手段を作動させるボタンをさらに含み、
使用者が表示手段における通知停止手段を作動させるボタンに触れることによって、画像形成手段による通知表示の印字動作を停止させることを特徴とする。
【0015】
さらに本発明の画像形成装置は、
画像を形成しない部分が、記録媒体の印字面におけるボイドエリアであることを特徴とする。
【0016】
さらに本発明の画像形成装置は、
画像を形成しない部分が、記録媒体の印字面の画像部における印字空白部であることを特徴とする。
【0017】
さらに本発明の画像形成装置は、
画像を形成しない部分が、記録媒体の印字面とは反対側の面であることを特徴とする。
【0018】
さらに本発明の画像形成装置は、
製造物責任に係る表示情報および比較情報が、製品名、製造番号、製造者名、原材料名、内容量、残量、使用期限、累積印刷回数、リサイクル数、製造者連絡先、メンテナンス連絡先および製造日から選ばれる1または2以上の情報であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、画像形成手段と、読取手段と、記憶手段と、比較判定手段と、表示手段と、印字制御手段とを含む画像形成装置が提供される。画像形成手段は記録媒体に印字し、着脱自在でかつ表示情報が記憶された記憶媒体を備えるプロセスカートリッジおよび/またはトナーカートリッジを含む。読取手段は、トナーカートリッジまたはプロセスカートリッジの表示情報から製造物責任に係る表示情報を読み取る。記憶手段は、読取情報により読み取られる読取情報を判定するための比較情報を記憶する。比較判定手段は、読取手段により読み取られる読取情報と記憶手段に記憶される比較情報とを比較してトナーカートリッジおよび/またはプロセスカートリッジが純正品または推奨品であるか否かを判定する。表示手段は、読取手段により読み取られる読取情報および/または比較判定手段による判定結果を表示する。印字制御手段は、比較判定手段によるトナーカートリッジおよび/またはプロセスカートリッジが純正品または推奨品でないとの比較判定結果に応じて、印刷出力される記録媒体の画像を形成しない部分に、前記比較判定結果を画像形成装置の使用者に知らせるための通知表示を印字するように画像形成手段を制御する。本発明の画像形成装置によれば、トナーカートリッジまたはプロセスカートリッジ自体が備える記憶媒体から製造物責任に係る情報を取り出すことによって、そのカートリッジが純正品または推奨品であるか否かを判定し、否であるとの判定結果に応じて、その判定結果を表示するとともに、印刷出力される記録媒体の画像を形成しない部分に通知表示を印字するように構成する。これによって、現在使用されるカートリッジが未確認品であることを確実に使用者に知らしめ、未確認品の使用による画像形成装置の故障などの問題が生ずるのを未然に防ぐことができる。
【0020】
本発明によれば、印刷出力される記録媒体の所定枚数毎に画像を形成しない部分に通知表示を印字するように構成することによって、全ての印刷物に通知表示をしなくても、効率良く使用者に認識させ得る。
【0021】
本発明によれば、印刷出力される記録媒体の画像を形成しない部分に通知表示を印字し、かつ別の記録媒体に通知表示のみを印字して印刷出力するように構成することによって、現在使用されるカートリッジが未確認品であることをさらに確実に使用者に知らしめることができる。
【0022】
本発明によれば、通知表示を所定時間毎に印字し、かつ通知表示の内容、印字サイズ、フォント、色および濃度から選ばれる1または2以上を所定時間毎に変更するように構成することによって、通知表示を使用者に対してより一層確実に知らしめることが可能になる。また、最初の通知表示が印刷されてからのおおよその経過時間を把握でき、その情報があれば、画像形成装置の保守管理の際に有利である。
【0023】
本発明によれば、通知停止手段と、操作パネルとをさらに含む構成を採ってもよい。通知停止手段は通知表示の印字動作を停止する。操作パネルは、通知停止手段を作動させるボタンを備える。使用者が操作パネルの通知停止手段を作動させるボタンに触れることによって、通知表示の印字動作が停止する。たとえば、重要な会議資料などをコピーする場合に、通知表示が印字されるのは不適当である。したがって、使用者が都合によって通知表示の印字を停止させる機能を持つ方が、利便性が高い。
【0024】
本発明によれば、記録媒体の印字面におけるボイドエリア、記録媒体の印字面の画像部における印字空白部または記録媒体の印字面とは反対側の面に通知表示を印字することによって、複写または印刷しようとする画像を損なうことなく、通知表示を印字することができる。
【0025】
本発明によれば、製造物責任に係る表示情報および比較情報は、製品名、製造番号、製造者名、原材料名、内容量、残量、使用期限、累積印刷回数、リサイクル数、製造者連絡先、メンテナンス連絡先および製造日から選ばれる1または2以上の情報であることが好ましい。これらの情報であれば、純正品または推奨品であるか否かの判定が非常に容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
図1は、本発明の実施の第1形態である画像形成装置1の構成を模式的に示す断面図である。画像形成装置1は、外部機器からの印刷指令に含まれる画像情報に応じて、記録紙などの記録媒体3に画像を形成する。外部機器には、画像情報の形成または取得が可能であり、かつ画像形成装置1に電気的に接続可能な電気・電子機器を使用でき、たとえば、コンピュータ、デジタルカメラ、テレビ、ビデオレコーダ、DVDレコーダ、ファクシミリ装置などが挙げられる。画像形成装置1は、プロセスカートリッジ2と、露光手段12と、転写手段14と、剥離手段15と、定着手段17と、読取手段25と、図示しない制御手段と、図示しない表示手段とを含む。プロセスカートリッジ2、露光手段12、転写手段14、剥離手段15および定着手段18が画像形成手段になる。
【0027】
プロセスカートリッジ2は、感光体10、帯電手段11、現像手段13、クリーニング手段16、筺体17および記憶媒体24を含む。プロセスカートリッジ2は、筺体17の内部に感光体10、帯電手段11、現像手段13およびクリーニング手段16を一体化して収容し、筺体17の外壁には記憶媒体24が取り付けられ、画像形成装置1に着脱可能に装着される。プロセスカートリッジ2を画像形成装置1内に装着すると、プロセスカートリッジ2に含まれる各部材が、予め画像形成装置1内に設けられる電気回路によって制御手段に電気的に接続される。
【0028】
感光体10は、図示しない駆動手段によって軸線回り(矢符26の方向)に回転駆動可能に支持され、その表面に静電潜像ひいてはトナー像が形成される感光層を有するローラ状部材である。感光体10には、たとえば、図示しない導電性基体と、導電性基体表面に形成される図示しない感光層とを含むものを使用できる。導電性基体には、円筒状、円柱状、シート状などの導電性基体を使用でき、その中でも円筒状導電性基体が好ましい。感光層としては、有機感光層、無機感光層などが挙げられる。有機感光層としては、電荷発生物質を含む樹脂層である電荷発生層と、電荷輸送物質を含む樹脂層である電荷輸送層との積層体、1つの樹脂層中に電荷発生物質と電荷輸送物質とを含む樹脂層などが挙げられる。無機感光層としては、酸化亜鉛、セレン、アモルファスシリコンなどから選ばれる1種または2種以上を含む層が挙げられる。導電性基体と感光層との間には、下地膜を介在させてもよく、感光層の表面には主に感光層を保護するための表面膜(保護膜)を設けてもよい。
【0029】
帯電手段11は電源20から電圧の印加を受けて放電し、感光体10表面を所定の極性および電位に帯電させる。本実施の形態では、帯電手段11には感光体10表面に接触しない非接触方式のコロナ帯電器が用いられるけれども、それに限定されず、ブラシ型帯電器、チャージャー型帯電器、帯電ローラなどを使用できる。
【0030】
露光手段12は、感光体10表面に画像情報に応じた信号光12aを照射し、静電潜像を形成する。本実施の形態では、露光手段12には、レーザ発射手段とレーザ反射手段と補助レーザ発射手段と補助レーザ反射手段とを含む図示しないレーザスキャニングユニット(LSU)を使用する。レーザ発射手段は画像情報に応じた信号光12aを発射する。レーザ反射手段はレーザ発射手段から発射される信号光12aを反射して感光体10表面に到達させる。これによって、感光体10表面に画像情報に応じた静電潜像が形成される。補助レーザ発射手段は後記する印字制御手段によって制御され、後記する比較判定手段によるトナーカートリッジおよび/またはプロセスカートリッジが純正品または推奨品でないとの比較判定結果に応じて、所定の通知表示に対応する図示しない信号光を発射する。補助レーザ反射手段は、補助レーザ発射手段から発射される信号光を反射し、記録媒体3における画像を形成しない部分に対応する感光体10表面の部分に該信号光を到達させる。これによって、感光体10表面の記録媒体3における画像を形成しない部分に対応する部分に、所定の通知表示に対応する静電潜像が形成される。レーザ発射手段および補助レーザ発射手段には半導体レーザを使用するけれども、それに限定されず、エレクトロルミネッセンス(EL)素子、発光ダイオード(LED)素子などを使用できる。レーザ反射手段および補助レーザ反射手段には反射ミラーなどを使用できる。
【0031】
現像手段13は、現像ローラ13aと、現像槽13bと、図示しない供給ローラと、図示しない撹拌ローラとを含む。現像ローラ13aは、感光体10表面に対して間隙を有して離隔するように設けられ、その表面に現像剤を担持し、感光体10との最近接部分において感光体10表面の静電潜像にトナーを供給する。また、現像ローラ13aは、その長手方向の長さが、感光体10の長手方向において、感光体10表面の記録媒体3における画像を形成しない部分に対応する部分に形成される静電潜像にもトナーを供給できる程度の寸法を有するものを使用する。
【0032】
現像槽13bはその内部空間に現像ローラ13a、供給ローラおよび撹拌ローラをそれぞれの軸線が互いに平行になりかつ感光体10の軸線と平行になるように収容して回転自在に支持し、さらに現像剤を収容する容器状部材である。現像剤はトナーのみを含む1成分現像剤またはトナーとキャリアとを含む2成分現像剤のいずれでもよい。現像槽13bには、トナーの消費状況に応じて、図示しないトナーカートリッジまたはトナーホッパから図示しないトナー補給用パイプを介してトナーが補給される。トナーカートリッジは、筺体17を介して現像槽13bに対向する位置に着脱可能に装着される。トナーカートリッジはその内部空間に補給用のトナーが充填された容器状部材である。トナーカートリッジの外壁には図示しない記憶媒体が取り付けられる。記録媒体にはICタグを使用できる。記憶媒体には、少なくとも、トナーカートリッジについての製造物責任に係る表示情報が記憶される。製造物責任に係る表示情報は、後記する記憶媒体24に記憶されるのと同様のものである。また、トナーカートリッジが画像形成装置1に装着された位置において、トナーカートリッジの外壁に取り付けられる記憶媒体の近傍には、図示しない読取手段が設けられる。読取手段については、後に詳述する。一方、トナーホッパはトナーカートリッジのような脱着式ではなく、画像形成装置1の内部に据え付けられる容器状部材である。トナーホッパは、画像形成装置1の鉛直方向上面に設けられるトナー受入口と連通し、画像形成装置1の外部からトナーのみが補給される。
【0033】
現像槽13bに収容される供給ローラおよび撹拌ローラはそれぞれ図示しない駆動手段によって軸線回りに回転可能に設けられるローラ状部材である。供給ローラは、その回転によって現像剤を帯電させて現像ローラ13a周辺に送給する。撹拌ローラは、トナー消費状況に応じて図示しないトナーホッパから補給されるトナーと、現像槽13b中の現像剤とを均一に混合する。撹拌ローラはスクリュー状部材であってもよい。現像手段13によれば、感光体10表面の静電潜像にトナーを供給してトナー像を形成する。
【0034】
転写手段14は、図示しない支持手段によって回転自在に支持されかつ図示しない駆動手段によって回転可能に設けられ、かつ感光体10に圧接するように設けられるローラ状部材である。転写手段14には、たとえば、直径8〜10mmの金属製芯金と、金属製芯金の表面に形成される導電性弾性層とを含むローラ状部材が用いられる。金属製芯金を形成する金属としては、ステンレス鋼、アルミニウムなどを使用できる。導電性弾性層としては、エチレン−プロピレンゴム(EPDM)、発泡EPDM、発泡ウレタンなどのゴム材料にカーボンブラックなどの導電材を配合したゴム材料を使用できる。感光体10と転写手段14との圧接部(転写ニップ部)に、感光体10の回転によってトナー像が搬送されるのに同期して、図示しない給紙トレイから図示しないピックアップローラおよびレジストローラを介して記録媒体3が1枚ずつ供給される。記録媒体3が転写ニップ部を通過することによって、感光体10表面のトナー像が記録媒体3に転写される。転写手段14には電源21が接続され、トナー像を記録媒体3に転写する際に、トナー像を構成するトナーの帯電極性とは逆極性の電圧が印加される。これによって、トナー像が記録媒体3に円滑に転写される。転写手段14によれば、感光体10表面のトナー像が記録媒体3に転写される。
【0035】
剥離手段15は、感光体10の長手方向に平行に延び設けられかつその短手方向の一端が感光体10表面に当接するように設けられる板状部材である。剥離手段15によって、トナー像転写後の記録媒体3が感光体10に巻き付くのが防止され、定着手段17に向けて送給される。
【0036】
クリーニング手段16は、クリーニングブレード16aと、トナー貯留槽16bとを含む。クリーニングブレード16aは、感光体10の長手方向に平行に延び設けられかつその短手方向の一端が感光体10表面に当接するように設けられる板状部材である。クリーニングブレード16aは、記録媒体3にトナー像を転写した後に感光体10表面に残留するトナーを感光体10表面から取り除く。トナー貯留槽16bは内部空間を有する容器状部材であり、クリーニングブレード16aによって除去されるトナーを一時的に貯留する。
【0037】
筺体17は、内部空間を有する容器状部材であり、たとえば、合成樹脂によって形成される。筺体17の外壁には、記憶媒体24が取り付けられる。記憶媒体24には一般的な記憶媒体を使用できるけれども、本実施の形態ではICタグを使用する。記憶媒体24には、少なくとも製造物責任に係る表示情報が予め記憶される。製造物責任に係る表示情報としては、たとえば、純正品または推奨品のプロセスカートリッジ2の製品名、製造番号、製造者名、原材料名、内容量、残量、使用期限、累積印刷回数、リサイクル数、製造者連絡先、メンテナンス連絡先、製造日などが挙げられる。記憶媒体24には、これらの製造物責任に係る表示情報から選ばれる1種または2種以上が記憶される。記憶媒体24には、たとえば、表1に示すようにして製造物責任に係る表示情報が記憶される。
【0038】
【表1】
【0039】
定着手段18は、定着ローラ22と、加圧ローラ23とを含む。定着ローラ22は、図示しない支持手段によって回転自在に支持され、かつ図示しない駆動手段によって軸線回りに回転可能に設けられるローラ状部材である。定着ローラ22は、その内部に図示しない加熱手段を有し、転写ニップ部から搬送される記録媒体3に担持される未定着トナー像を構成するトナーを加熱し、溶融させて記録媒体3に定着させる。定着ローラ22としては、たとえば、芯金と、弾性層とを含むローラ状部材を使用する。芯金は、鉄、ステンレス、アルミニウムなどの金属によって形成される。弾性層は、たとえば、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどの弾性材料で形成される。本実施の形態では、定着ローラ22として、アルミニウム製芯金の表面にシリコーンゴム層を形成した径40mmのローラ状部材を用いた。加熱手段は図示しない電源から電圧印加を受けて発熱する。加熱手段にはハロゲンランプ、赤外線ランプなどを使用できる。
【0040】
加圧ローラ23は回転自在に支持されかつ図示しない加圧手段によって定着ローラ22に対して圧接するように設けられるローラ状部材である。加圧ローラ23は定着ローラ22の回転に従動回転する。定着ローラ22と加圧ローラ23との圧接部が定着ニップ部である。加圧ローラ23は、定着ローラ22によるトナー像の記録媒体への加熱定着に際し、溶融状態にあるトナーを記録媒体に対して押圧することによって、トナー像の記録媒体への定着を促進する。加圧ローラ23には、定着ローラ22と同じ構成のローラ状部材を使用できる。本実施の形態では、定着ローラ22として、鉄製芯金の表面にシリコーンゴム層を形成した径40mmのローラ状部材を使用する。加圧ローラ23の内部にも加熱手段を設けてもよい。加熱手段には定着ローラ22内部の加熱手段と同様のものを使用できる。
【0041】
定着手段18によれば、トナー像が転写された記録媒体3を定着ニップ部に通過させ、トナー像を構成するトナーを溶融させるとともに記録媒体3に押圧することによって、トナー像を記録媒体3に定着させ、画像を印刷する。画像が印刷された記録媒体3は、図示しない搬送手段によって、画像形成装置1の鉛直方向上面または鉛直方向側面に設けられる排紙トレイに排出され、積載される。
【0042】
読取手段25は、プロセスカートリッジ2の外壁に取り付けられた記憶媒体24の近傍に設けられる。本実施の形態では、読取手段25には非接触式リーダライタが用いられる。リーダライタに電流が供給されると電磁誘導が起こり、それによって、記憶媒体24であるICタグが起動し、ICタグに記憶される製造物責任に係る表示情報が電気信号化されて後記する制御手段に送付され、読取結果として制御手段の記憶部に入力される。それとともに、読取結果の一部または全部が後記する表示手段に表示される。このときの表示内容は、初期設定で定めても良いし、画像形成装置1の使用者が後記する表示手段の操作部などを利用して設定してもよい。この表示によって、使用者による読取手段の容易な視認が可能になる。本実施の形態では、読取手段25に非接触式リードライタが用いられるけれども、ICタグの表示情報を読み取ることができる方式であれば特に制限されず、たとえば、接触式磁気カード、非接触式磁気カードなどを使用できる。プロセスカートリッジ2が画像形成装置1に対して脱着されることを考慮すると、非接触式のものが好ましい。なお、図示しないけれども、トナーカートリッジの外壁に取り付けられる記憶媒体の近傍にも、読取手段が設けられる。この記憶媒体および読取手段も、記憶媒体24および読取手段25と同様の構成を有する。
【0043】
表示手段は、図示しないけれども、たとえば、画像形成装置1の鉛直方向上面に設けられる。表示手段は、たとえば、図示しない表示部と、図示しない操作部とを含む。表示分は、文字、画像、音声などを表示するディスプレイ、スピーカなどを含む。操作部は、使用者が画像形成装置1に関する各種操作を実行するためのタッチパネルなどを含む。操作部には、後記する通知停止手段を作動させるボタンが設けられてもよい。ディスプレイ、タッチパネルなどはたとえば液晶によって形成される。表示手段には読取情報および比較判定結果が表示される。読取情報および比較判定結果の表示・非表示は、使用者が選択できるように構成しても良い。その場合は、操作部は表示・非表示を選択するボタンを設ければよい。読取情報および比較判定結果は、それぞれ、意味を持つかまたは意味を持たない文字表示でもよく、記号表示でもよく、色表示でもよい。また、前記表示手段以外の表示手段として小型表示灯を設けてもよい。小型表示灯は、普段は消灯しておき、比較判定結果が純正品または推奨品ではないという比較判定結果である場合にのみ小型表示灯を点灯または点滅させてもよい。小型表示灯の設置位置は特に制限されないけれども、使用者による視認性を考慮すると、画像形成装置1の鉛直方向上面が好ましい。
【0044】
制御手段は、たとえば、画像形成装置1の内部空間における上部に設けられ、記憶部と演算部と制御部とを含む。記憶部は、読取手段により読み取られる読取情報を判定するための比較情報を記憶する記憶手段になる。記憶部に記憶される比較情報としては、純正品および推奨品のプロセスカートリッジおよびトナーカートリッジの製品名、製造番号、製造者名、原材料名、内容量、残量、使用期限、累積印刷回数、リサイクル数、製造者連絡先、メンテナンス連絡先、製造日などが挙げられる。さらに記憶部には、画像形成装置1の上面に配置される図示しない表示手段を介して設定される各種設定値、画像形成装置1内部の各所に配置される図示しないセンサなどからの検知結果、外部機器からの印刷指令に含まれる画像情報などが入力される。また、各種手段を実行するプログラムが書き込まれる。各種手段とは、たとえば、比較判定手段、印字制御手段、通知停止手段などである。記憶部には、この分野で常用されるものを使用でき、たとえば、リードオンリィメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ハードディスクドライブ(HDD)などが挙げられる。演算部は、記憶部に入力される各種データ(画像形成命令、検知結果、画像情報など)および各種手段のプログラムを取り出し、各種判定を行う。制御部は、演算部における判定結果に応じて該当装置に制御信号を送付し、動作制御を行う。制御部および演算部は、たとえば、中央処理装置(CPU、Central Processing Unit)を備えるマイクロコンピュータ、マイクロプロセッサなどによって実現される処理回路である。制御手段は、記憶部、演算部および制御部とともに主電源を含む。
【0045】
制御手段は、画像形成装置1内部に配置される各部材の動作を制御するだけでなく、比較判定手段、印字制御手段などとしても機能する。比較判定手段は、読取手段により読み取られる読取情報および記憶部により記憶される比較情報を記憶部から取り出して比較し、画像形成装置1に装着されるプロセスカートリッジ2および/またはトナーカートリッジが純正品または推奨品であるか否かを判定する。比較判定手段による比較判定は、新しいプロセスカートリッジ2および/またはトナーカートリッジを画像形成装置1に装着する際に行われる。プロセスカートリッジ2およびトナーカートリッジの画像形成装置1への装着は、図示しないセンサなどを設けることによって容易に検知できる。比較判定手段による比較は、読取情報における製品名、製造番号、製造者名、原材料名、内容量、残量、使用期限、累積印刷回数、リサイクル数、製造者連絡先、メンテナンス連絡先、製造日などと、比較情報における製品名、製造番号、製造者名、原材料名、内容量、残量、使用期限、累積印刷回数、リサイクル数、製造者連絡先、メンテナンス連絡先、製造日などとが一致するか否かを調べることによって行われる。
【0046】
比較判定手段は、たとえば、上記表1に示すデータに基づいて比較判定を行う。表1は、記憶媒体24の「0000H〜003FH」の各アドレスに記憶される製造物責任に係る表示情報を示す。まず、記憶媒体24に記憶される表示情報の中から、製品名、製造番号に関する情報M1が読取手段25によって読み出される。ここで、情報M1の製品名、製造番号を「Aユニット、A0001」とする。次に、記憶手段に記憶される比較情報から、情報M1を比較するための情報が抽出される。ここでは、たとえば、下記表2に示す比較情報のアドレス「0000H〜0002H」に比較するための情報が記憶されるとする。表2は、記憶部に入力される比較情報の一部のアドレスとその内容とを示す。そして、情報M1「Aユニット、A0001」と、比較情報のアドレス「0000H〜0002H」の情報とを比較する。ここでは、表2に示すように、比較情報のアドレス「0000H」の情報が、情報M1の「Aユニット、A0001」と一致するので、プロセスカートリッジ2は純正品または推奨品であると判別される。もちろん一致しない場合には、プロセスカートリッジ2は未確認品であると判断される。
【0047】
【表2】
【0048】
比較判定手段による比較判定結果は記憶部に入力されるとともに、表示手段に表示される。これによって、プロセスカートリッジ2および/またはトナーカートリッジの画像形成装置1への適用の可否が、使用者によって確実かつ容易に確認される。比較判定結果は、たとえば、「このプロセスカートリッジは未確認品です。続けて使用される場合には動作・機器の保障はいたしません」や「機器に障害が生じる可能性があります」など、使用者に対する通知表示であることが考えられる。また、「この製品は…、…のトナーカートリッジが正常に使用できます」など、使用者に対して、画像形成装置1における純正品や推奨品の一覧などを表示するものであっても良い。また、本実施の形態では、プロセスカートリッジ2および/またはトナーカートリッジが未確認品である場合に比較判定結果が表示される構成とするけれども、プロセスカートリッジ2および/またはトナーカートリッジが純正品または推奨品である場合にも、比較判定結果が表示されてもよい。
【0049】
印字制御手段は、比較判定手段によるプロセスカートリッジ2またはトナーカートリッジが純正品または推奨品でないとの比較判定結果に応じて、印刷出力される記録媒体3における画像を形成しない部分に通知表示を印字するように画像形成手段を制御する。ここで、画像形成手段とは、感光体10、帯電手段11、露光手段12、現像手段13、転写手段14、剥離手段15、クリーニング手段16および定着手段18を含む。通知表示の印字は、大部分の場合は、印刷指令に含まれる画像情報に応じた画像を形成するのと同時に行われるので、露光手段12による通知表示に対応する静電潜像の形成を制御すれば、露光手段12以外の各手段については通常の画像形成動作を実行させればよい。もちろん、露光手段12以外の他の各手段についても、さらにきめ細かな制御を行っても差し支えない。
【0050】
印字制御手段は、より具体的には、通知表示の種類、印字位置などの通知表示情報を適宜選択し、この通知表示情報を電気信号に変換して露光手段12に送付する。この制御信号によって、露光手段12の補助レーザ発射手段が、通知表示情報に応じた図示しない信号光を発射する。この信号光は、レーザ発射手段12による画像情報に応じた信号光12aの発射に同期して発射される。この信号光は補助レーザ反射手段によって反射され、感光体10表面の記録媒体3における画像を形成しない部分に到達し、通知表示情報に応じた静電潜像が形成される。この静電潜像には現像手段13からトナーが供給され、さらに転写手段14によって画像に対応するトナー像とともに記録媒体3に転写されかつ定着手段18によってトナー像とともに記録媒体3に定着される。このようにして、記録媒体3に画像とともに通知表示が印字される。ここで、通知表示の種類には、通知表示の内容(意味または内容のある文字表示、意味または内容のない文字表示、記号表示など)、印字サイズ、フォント(書体)、画像濃度、これらの2種以上の組み合わせなどがある。画像形成装置がカラー画像形成装置であれば、通知表示の種類には「色」が含まれる。また、プロセスカートリッジのみが純正品または推奨品でない場合、トナーカートリッジのみが純正品または推奨品でない場合、プロセスカートリッジおよびトナーカートリッジの両方が純正品または推奨品でない場合については、それぞれの場合を区別できるように、通知表示の種類を変更するのが好ましい。
【0051】
また、印字制御手段は、印刷出力される記録媒体3の画像を形成しない部分に、所定枚数毎に通知表示を印字するように画像形成手段、特に露光手段12を制御してもよい。また、印字制御手段は、印刷出力される記録媒体3の画像を形成しない部分に通知表示を印字し、かつ別の記録媒体3に通知表示のみを印字して印刷出力するように画像形成手段を制御してもよい。印刷出力される記録媒体3が複数枚である場合は、複数枚の記録媒体3にそれぞれ通知表示を印字するかまたは複数枚の記録媒体3の所定枚数毎に通知表示を印字する。そして、複数枚の記録媒体3の印刷出力が終了した後に、別の記録媒体3に通知表示のみを印字して印刷出力する。別の記録媒体3に印字される通知表示は、複数枚の記録媒体3に印字する通知表示と同じでも異なっていてもよい。また、印字制御手段は、印刷出力される記録媒体の画像を形成しない部分に、所定時間毎に通知表示を印字しかつ所定時間毎に通知表示の種類を変更するように画像形成手段を制御してもよい。
【0052】
記録媒体3における画像を形成しない部分とは、たとえば、記録媒体3の印字面におけるボイドエリアである。ボイドエリアとは、記録媒体3の周縁部に等しい幅(記録媒体3の短手方向の周縁部では短手方向に垂直な方向の幅、記録媒体3の長手方向の周縁部では長手方向に垂直な方向の幅)に設定される非印字領域(画像が印字されない領域)である。A3、A4、B5、B4などの長方形状の記録媒体3において、4つの周縁部の1つに頁番号が印字される場合は、頁番号よりも外側がボイドエリアになる。ボイドエリアに通知表示を印字することによって、使用者が印刷しようとする画像を損なうことなく、使用者に確実に比較判定結果を通知できる。また、記録媒体3における画像を形成しない部分は、記録媒体3の印字面の画像部(ボイドエリア以外の部分)における印字空白部(印字しない部分)であってもよい。外部機器から制御手段に入力される印刷指令に含まれる画像情報は記憶部に記憶される。画像情報には、印刷しようとする画像における印字空白部の位置、形状、寸法などが含まれるので、印字制御部は印字空白部について正確に把握できる。印字制御手段は、印字空白部の形状、寸法などに応じて、通知表示の種類を決定する。印字制御手段は、ボイドエリアまたは印字空白部に通知表示を印字する場合、ボイドエリアまたは印字空白部の中に所定の寸法を有する長方形の空白領域(非印字領域)を探し、その空白領域に通知表示を印字するのが好ましい。長方形の空白領域は、一辺が1〜2cm程度、もう一辺が4〜8cm程度であり、縦長でも横長でもよい。空白領域は長方形の領域に限定されず、たとえば、円形、三角形などであってもよい。また、記録媒体3における画像を形成しない部分は、記録媒体3の印字面とは反対側の面であってもよい。印字面と反対側の面であれば、通知表示の印字位置は特に制限されないけれども、周縁部であることが好ましい。
【0053】
制御手段は、通知停止手段としても機能できる。通知停止手段は、印字制御手段による通知表示の印字動作指令の送付を取り消し、通知表示の印字動作を停止させる。この場合、表示手段の操作部に、通知停止手段を作動させるボタン(以下「停止作動ボタン」という)を設けるように構成するのが好ましい。この構成では、たとえば、次のような動作が可能になる。比較判定手段によって、プロセスカートリッジおよび/またはトナーカートリッジが純正品または推奨品ではないとの比較判定結果が得られると、この比較判定結果は表示手段に表示される。使用者がこの表示を見て、通知表示の印字を停止させたければ、表示手段における停止作動ボタンに押す。これによって、通知表示の印字動作を停止させ、画像印字動作のみを実行できる。また、画像形成装置に常備される図示しないスタートボタン(印刷開始ボタン)に、停止作動ボタンの機能(通知表示の印字動作解除機能)を持たせてもよい。すなわち、表示手段に比較判定結果が表示される時に限り、スタートボタンが停止作動ボタンとして機能するように構成してもよい。この場合も、使用者がスタートボタンを押せば、画像印字動作のみが実行される。一方、比較判定結果の表示に対して、使用者が停止作動ボタンを所定時間押さなければ、自動的に通知表示が印字されるように構成するのが好ましい。また、連続的な印刷において、通知表示が印字されている場合にも、使用者が停止作動ボタンに触れれば、連続的な印刷動作を停止させることなく、通知表示の印字動作のみを停止させ得る。このように通知停止手段および停止作動ボタンを設けることによって、プロセスカートリッジ2またはトナーカートリッジが純正品又は推奨品ではないことを、使用者に一層確実に認識させ得る。
【0054】
図2は、図1に示す画像形成装置1における通知表示の印字動作を模式的に示すフローチャートである。ステップS0のスタートでは、新しいプロセスカートリッジ2の画像形成装置1への装着が、図示しないセンサによって検知され、制御手段にその検知結果が入力される。すなわち、新しいプロセスカートリッジ2の装着が制御手段によって検知される。ステップS1では、制御手段から読取手段25に制御信号が送られ、読取手段25の動作が開始する。読取手段25は、プロセスカートリッジ2の外壁に取り付けられる記憶媒体24から、少なくとも製造物責任に係る表示情報が読み取る。この読取結果は、制御手段の記憶部に入力される。ステップS2では、ステップS1で得られる読取結果が表示手段に表示され、画像形成装置1の使用者に読取結果を認識させる。ステップS3では、比較判定手段によって、ステップS1で得られる読取結果と制御手段の記憶部に予め入力される比較情報とが比較され、プロセスカートリッジ2が純正品または推奨品であるか否かを判定する。比較判定結果がYes(プロセスカートリッジ2が純正品または推奨品である)の場合は、ステップS4に進む。比較判定結果がNo(プロセスカートリッジ2が純正品または推奨品ではない)の場合は、ステップS6に進む。
【0055】
ステップS4では、制御部に印刷指令が入力される。ステップS5では、印刷指令に応じて、制御部によって画像形成手段に制御信号が送付され、画像印字動作が実行される。記録媒体2には、印刷指令に含まれる画像情報に応じた画像が印刷される。
【0056】
ステップS6では、ステップS3で得られるプロセスカートリッジ2が純正品または推奨品ではないという比較判定結果が、表示手段に表示される。ステップS7では、通知表示の印字動作の実行可否が判定される。画像形成装置1の使用者が停止作動ボタンを所定時間押さない場合は、ステップS8に進む。画像形成装置1の使用者が停止作動ボタンを押すか停止作動機能を有するスタートボタンを押す場合は、ステップS9に進む。ステップS8では、印字制御手段によって通知表示の印字指令が出され、ステップS5において制御部から画像形成手段への制御信号が送付されるのと同時に、制御部における印字制御手段から通知表示の印字指令の制御信号が送付され、記録媒体3上に画像と通知表示とが印字される。ステップ9では、通知停止手段によって、印字制御手段による通知表示の印字動作指令の送付を取り消し、通知表示の印字を停止させる。それとともに、ステップS5の画像印字動作のみが実行され、記録媒体3上に画像のみが印刷される。このように構成すれば、使用者が表示手段における比較判定結果の表示を見落とすと、記録媒体3に通知表示が印刷されるので、使用者が比較判定結果を確実に認識できる。
【0057】
本実施の形態の画像形成装置1では、プロセスカートリッジおよび/またはトナーカートリッジの表示情報と、制御手段の記憶部に記憶される比較情報とに基づいて、プロセスカートリッジおよび/またはトナーカートリッジが純正品または推奨品であるか否かを比較判定する。しかしながら、プロセスカートリッジおよびトナーカートリッジの純正品および推奨品は、仕様変更、新製品の開発などによって、その製造物責任に係る表示情報が更新されることがある。情報の更新とは、情報の一部削除、情報の一部追加、情報の一部または全部変更などを意味する。この場合、比較情報についても更新が必要になる。したがって、画像形成装置1は、比較情報を更新する比較情報更新手段を含むのが好ましい。比較情報更新手段は、そのプログラムが画像形成装置1の制御手段の記憶部に入力され、制御手段の演算部および制御部において実行される。比較情報更新手段は、たとえば、外部機器から制御手段に新しい比較情報を取り込み、記憶部に以前から記憶される比較情報を新しい比較情報によって一括して上書きする。これによって、比較情報が新しい比較情報に書き換えられ、新製品、仕様変更などがあっても支障なくかつ正確に比較判定を実施できる。外部機器は、ネットワーク上で画像形成装置1に接続されるコンピュータなどである。該コンピュータには、インターネット、メールなどによって、画像形成装置1の製造会社から新しい比較情報を取得され、蓄積される。
【0058】
本実施の形態では、モノクロ画像を印刷する画像形成装置1について述べたけれども、それに限定されず、たとえば、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの4色のトナー像を重ね合わせてカラートナー像を形成し、これを記録媒体に定着させてカラー画像を印刷するカラー画像形成装置においても、本発明の構成を適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の実施の第1形態である画像形成装置の構成を模式的に示す断面図である。
【図2】図1に示す画像形成装置における通知表示の印字動作を模式的に示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0060】
1 画像形成装置
2 プロセスカートリッジ
3 記録媒体
11 帯電手段
12 露光手段
13 現像手段
14 転写手段
15 剥離手段
16 クリーニング手段
17 筺体
18 定着手段
22 定着ローラ
23 加圧ローラ
24 記憶媒体
25 読取手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置に着脱自在に装着されて表示情報を記憶する記憶媒体を備えるプロセスカートリッジおよび/またはトナーカートリッジを含み、記録媒体に印字を行う画像形成手段と、
トナーカートリッジまたはプロセスカートリッジの表示情報から少なくとも製造物責任に係る表示情報を読み取る読取手段と、
読取情報により読み取られる読取情報を判定するための比較情報を記憶する記憶手段と、
読取手段により読み取られる読取情報と記憶手段に記憶される比較情報とを比較してトナーカートリッジおよび/またはプロセスカートリッジが純正品または推奨品であるか否かを判定する比較判定手段と、
読取手段により読み取られる読取情報および/または比較判定手段による比較判定結果を表示する表示手段と、
比較判定手段によるトナーカートリッジおよび/またはプロセスカートリッジが純正品または推奨品でないとの比較判定結果に応じて、印刷出力される記録媒体における画像を形成しない部分に前記比較判定結果を使用者に知らせるための通知表示を印字するように画像形成手段を制御する印字制御手段とを含むことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
印字制御手段は、
印刷出力される記録媒体における画像を形成しない部分に所定枚数毎に通知表示を印字するように画像形成手段を制御することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
印字制御手段は、
印刷出力される記録媒体における画像を形成しない部分に通知表示を印字し、かつ別の記録媒体に通知表示のみを印字して印刷出力するように画像形成手段を制御することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
印字制御手段は、
印刷出力される記録媒体における画像を形成しない部分に所定時間毎に通知表示を印字し、かつ通知表示の内容、印字サイズ、フォント、色および濃度から選ばれる1または2以上を所定時間毎に変更するように画像形成手段を制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項5】
画像形成手段による通知表示の印字動作を停止させる通知停止手段をさらに含み、かつ表示手段が通知停止手段を作動させるボタンをさらに含み、
使用者が表示手段における通知停止手段を作動させるボタンに触れることによって、画像形成手段による通知表示の印字動作を停止させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項6】
画像を形成しない部分が、記録媒体の印字面におけるボイドエリアであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項7】
画像を形成しない部分が、記録媒体の印字面の画像部における印字空白部であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項8】
画像を形成しない部分が、記録媒体の印字面とは反対側の面であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項9】
製造物責任に係る表示情報および比較情報が、製品名、製造番号、製造者名、原材料名、内容量、残量、使用期限、累積印刷回数、リサイクル数、製造者連絡先、メンテナンス連絡先および製造日から選ばれる1または2以上の情報であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項1】
画像形成装置に着脱自在に装着されて表示情報を記憶する記憶媒体を備えるプロセスカートリッジおよび/またはトナーカートリッジを含み、記録媒体に印字を行う画像形成手段と、
トナーカートリッジまたはプロセスカートリッジの表示情報から少なくとも製造物責任に係る表示情報を読み取る読取手段と、
読取情報により読み取られる読取情報を判定するための比較情報を記憶する記憶手段と、
読取手段により読み取られる読取情報と記憶手段に記憶される比較情報とを比較してトナーカートリッジおよび/またはプロセスカートリッジが純正品または推奨品であるか否かを判定する比較判定手段と、
読取手段により読み取られる読取情報および/または比較判定手段による比較判定結果を表示する表示手段と、
比較判定手段によるトナーカートリッジおよび/またはプロセスカートリッジが純正品または推奨品でないとの比較判定結果に応じて、印刷出力される記録媒体における画像を形成しない部分に前記比較判定結果を使用者に知らせるための通知表示を印字するように画像形成手段を制御する印字制御手段とを含むことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
印字制御手段は、
印刷出力される記録媒体における画像を形成しない部分に所定枚数毎に通知表示を印字するように画像形成手段を制御することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
印字制御手段は、
印刷出力される記録媒体における画像を形成しない部分に通知表示を印字し、かつ別の記録媒体に通知表示のみを印字して印刷出力するように画像形成手段を制御することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
印字制御手段は、
印刷出力される記録媒体における画像を形成しない部分に所定時間毎に通知表示を印字し、かつ通知表示の内容、印字サイズ、フォント、色および濃度から選ばれる1または2以上を所定時間毎に変更するように画像形成手段を制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項5】
画像形成手段による通知表示の印字動作を停止させる通知停止手段をさらに含み、かつ表示手段が通知停止手段を作動させるボタンをさらに含み、
使用者が表示手段における通知停止手段を作動させるボタンに触れることによって、画像形成手段による通知表示の印字動作を停止させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項6】
画像を形成しない部分が、記録媒体の印字面におけるボイドエリアであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項7】
画像を形成しない部分が、記録媒体の印字面の画像部における印字空白部であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項8】
画像を形成しない部分が、記録媒体の印字面とは反対側の面であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項9】
製造物責任に係る表示情報および比較情報が、製品名、製造番号、製造者名、原材料名、内容量、残量、使用期限、累積印刷回数、リサイクル数、製造者連絡先、メンテナンス連絡先および製造日から選ばれる1または2以上の情報であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図2】
【公開番号】特開2008−58741(P2008−58741A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−236997(P2006−236997)
【出願日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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