説明

画像形成装置

【課題】長手方向の両端に現像剤補給口が形成された現像装置に現像剤を補給する際に、現像剤が均一になるための時間を短縮し、長手方向において現像剤を十分に混合する。
【解決手段】トナー補給口134を有する複数の現像器を有し、トナー補給部は、複数の現像器に対応したそれぞれの色の現像剤を収納する複数の補給トナー収納コンテナと、長手方向の両端側以外に設けられたトナー補給口134に挿脱可能であり、収納部131の現像剤を排出可能な第1排出口を有する少なくとも1つのトナー補給パイプ82aと、トナー補給口134のうちで最も長手方向の両端の少なくともいずれか1方側に設けられたトナー補給口134に挿脱可能であり、トナー補給パイプ82aによって補給される現像剤よりも流動性の高い現像剤を排出可能な第2排出口を有する少なくとも1つのトナー補給パイプ82bとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、特に、画像情報に基づいて画像を形成可能な画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置は、画像情報に基づいて形成された静電潜像を担持可能な像担持体と、像担持体に現像剤を供給する現像装置と、現像剤画像を形成可能な用紙を搬送する用紙搬送部と、用紙搬送部によって搬送された用紙を排出する排出部とを備えたものがある。この画像形成装置では、像担持体に担持される静電潜像に現像装置から現像剤が供給されて、像担持体上に現像剤画像が形成される。像担持体上の現像剤画像は用紙搬送部によって搬送される用紙に転写され、排出部から排出される。
【0003】
ここでカラー画像を形成するために複数の現像装置を備え、さらに装置全体を小型化するために複数の現像装置を回転可能なフレームに装着した回転現像装置を備えた画像形成装置が考えられている。
【0004】
この回転現像装置を備えた画像形成装置では、画像情報に基づいて静電潜像が像担持体上に形成され、回転現像装置が回転しながら静電潜像に現像剤を供給する。このようにして静電潜像担持体にカラー画像が形成される。
【0005】
ここで、回転現像装置では、小型化のために現像装置内に収納する現像剤の量を減らし、回転現像装置とは別に現像剤を収納可能なコンテナを設け、このコンテナから随時現像剤を現像装置に補給するようにしたものがある(特許文献1参照)。
【0006】
この特許文献1に記載の画像形成装置では、複数の現像装置にはそれぞれ回転軸に沿った長手方向の異なる位置に現像剤補給口が設けられており、現像剤補給部材が現像剤補給口から現像装置内部に挿入し現像剤を補給する。この画像形成装置では、すべての現像剤補給部材が同様の構成である。具体的には、現像剤補給口にはスリットが形成された弾性部材が配置されており、現像剤補給部材には先端に現像装置内部で開くシャッタ機構が設けられた開口が形成されている。
【特許文献1】特開2006−235360号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、長手方向の両端に現像剤補給口が形成された現像装置では、補給された現像剤を現像装置内に均一になるように搬送するためには、現像剤を現像装置内の一端から他端まで搬送する必要がある。このために、現像剤補給口が両端に設けられた現像装置から現像剤が補給された場合には、他の現像装置に現像剤が供給された場合に比べて長くなる。すると、長手方向において現像剤が十分に混合されなくなり、この方向における画像ムラが生じたり、画像カブリが発生する場合がある。
【0008】
本発明の課題は、長手方向の両端に現像剤補給口が形成された現像装置に現像剤を補給する際に、現像剤補給後に現像装置内の現像剤が均一になるように搬送するための時間を短縮し、長手方向において現像剤を十分に混合できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る画像形成装置は、画像情報に基づいて画像を形成可能な画像形成装置であって、像担持体と、回転式現像装置と、補給装置と、を備えている。像担持体は、画像情報に基づいて形成される静電潜像を担持可能な部材である。回転式現像装置は、像担持体の静電潜像に対応したそれぞれの色の現像剤を供給可能であり、それぞれ現像剤補給口を有する複数の現像装置と、複数の現像装置を支持する回転可能なフレームと、を有し、複数の現像装置の現像剤補給口が回転軸方向に沿った長手方向において異なる位置に設けられている。補給装置は、複数の現像装置に対応したそれぞれの色の現像剤を収納する複数の補給現像剤収納部と、長手方向の両端側以外に設けられた現像剤補給口に挿脱可能であり、現像剤収納部の現像剤を排出可能な第1排出口を有する少なくとも1つの第1補給部材と、現像剤補給口のうちで最も長手方向の両端の少なくともいずれか1方側に設けられた現像剤補給口に挿脱可能であり、第1補給部材によって補給される現像剤よりも流動性の高い現像剤を排出可能な第2排出口を有する少なくとも1つの第2補給部材とを有する。
【0010】
この画像形成装置では、画像情報に基づいて像担持体に静電潜像が形成され、回転式現像装置が回転しながら各現像装置から静電潜像にそれぞれの色の現像剤が供給される。ここで、各現像装置内の現像剤量が減少した場合には、補給装置から現像剤が補給される。具体的には、現像剤補給口のうちで最も長手方向両端の少なくともいずれか一方側に設けられた現像剤補給口を有する現像装置に第2補給部材が挿入され、第1補給部材から補給される現像剤よりも流動性の高い現像剤が第2排出口から排出される。その他の現像装置の現像剤補給口には、第1補給部材が挿入され、第1排出口から現像剤が排出される。
【0011】
ここでは、長手方向両端の少なくともいずれか一方側に設けられた現像剤補給口に第1補給部材によって補給される現像剤よりも流動性の高い現像剤が第2補給部材によって補給されるために現像剤を現像装置内に均一になるように搬送しやすくなる。このために、現像剤を現像装置内に均一になるように搬送するために必要な時間を短縮することができる。以上により、長手方向において現像剤が十分に混合され、画像ムラや画像カブリを抑えることができる。
【0012】
請求項2に係る画像形成装置は、請求項1に記載の画像形成装置であって、現像剤補給時における第1補給部材の第1排出口の高さ位置は、現像剤補給時における第2補給部材の第2排出口の高さ位置よりも高い。
【0013】
ここでは、第1補給部材で補給する現像剤は第2補給部材で補給する現像剤よりも流動性が悪いが、現像剤補給時における第2補給部材の第2排出口の高さ位置よりも現像剤補給時における第1補給部材の第1排出口の高さ位置の方が高いために、第1排出口から排出される現像剤は排出時にほぐされ、流動性が良くなる。このために、さらに現像剤の搬送時間を短縮することができる。
【0014】
請求項3に係る画像形成装置は、請求項1または2に記載の画像形成装置であって、第1補給部材の現像剤補給時の高さ位置は第2補給部材の現像剤補給時の高さ位置よりも高い。
【0015】
ここでは、第1補給部材と第2補給部材との構造を同じ構造にした場合であっても、第1補給部材と第2補給部材の現像剤補給時の位置の違いによって第1排出口と第2排出口との高さ位置を変えることができる。すなわち、現像剤補給時に第1排出口が第2排出口よりも高くなる。
【0016】
請求項4に係る画像形成装置は、請求項1から3のいずれかに記載の画像形成装置であって、現像装置は像担持体に対向するように配置された現像ローラを有している。第1及び第2排出口はいずれも現像ローラに対向する側に設けられていない。
【0017】
ここで、現像装置内に長時間収納されており劣化した現像剤と新たに補給され劣化していない現像剤とでは、劣化していない現像剤の方が帯電しやすい。このために、現像ローラ側に新たに現像剤を補給すると、この補給された現像剤が良く帯電するとともに劣化した現像剤が帯電しない。このために、補給した現像剤の方が静電潜像に供給されやすく現像時に均一に現像剤供給をすることが難しく画質が低下する場合がある。そこで、現像ローラ側以外の位置に第1及び第2排出口を設け、補給したばかりの現像剤が現像動作に使用されにくくすることで、現像剤を均一に像担持体に供給しやすくなり、画質の低下を防止できる。
【0018】
請求項5に係る画像形成装置は、請求項4に記載の画像形成装置であって、現像装置は、現像剤を一時的に収納する現像剤収納部と、現像ローラと現像剤収納部との間に配置され、現像剤収納部から現像ローラ側に現像剤が移動するのを規制する現像剤移動規制部材と、をさらに有する。
【0019】
ここでは、補給した現像剤が補給後すぐに現像ローラ側に移動するのを防止できる。
【発明の効果】
【0020】
本発明では、長手方向の両端に現像剤補給口が形成された現像装置に現像剤を補給する際に、現像剤補給後に現像装置内の現像剤が均一になるように搬送するための時間を短縮することができ、現像剤を十分に混合することが可能となって、画像ムラや画像カブリを抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
1.構成
図1は本発明の一実施形態が採用された画像形成装置であるカラープリンタ1を示す。なお、この図1は各構成要素の配置を示すための模式図であり、各部の詳細は省略して示している。
【0022】
このカラープリンタ1は、図示しないコンピュータなどに接続されており、コンピュータ等から送られてくる画像情報に基づいてカラー画像を用紙に印刷可能な装置である。
【0023】
カラープリンタ1は、画像情報に基づいてトナー像を形成する画像形成部2と、画像形成部2で形成された画像を転写する中間転写ベルト3と、画像形成部2で形成されたトナー像を用紙に定着する定着部4と、画像形成部2と定着部4とに用紙を搬送する用紙搬送部5と、用紙搬送部5に給紙する給紙部6と、トナー像が定着された用紙を排出する排出部7と、画像形成部2にトナーを補給するトナー補給部8とを有している。なお、トナー補給部8は後に詳述する。
【0024】
画像形成部2は、トナー像を形成するための部分であって、表面に静電潜像が形成される感光体ドラム11と、トナー像を形成するための回転式現像装置30と、画像情報に基づいて感光体ドラム11表面を走査露光するレーザユニット12とを備える。なお、回転式現像装置30は後に詳述する。
【0025】
感光体ドラム11は、画像情報に基づいて形成された静電潜像を担持可能な部材であって、4つの現像器13に隣接するように設けられている。また、感光体ドラム11は、回転軸が図1の紙面に対して垂直に延びるように設けられている。感光体ドラム11の上部には、感光体ドラム11の表面を一様に帯電するための帯電ローラ9が設けられている。
【0026】
レーザユニット12は、レーザ光を感光体ドラム11上に照射するためのものであって、カラープリンタ1の上部に配置されている。
【0027】
中間転写ベルト3は、感光体ドラム11に形成された各色のトナー像が順次転写されるものであり、環状の帯状部材である。また、中間転写ベルト3は、感光体ドラム11側の面が弾性変形可能な弾性部材によって形成されており、駆動ローラとバネによって駆動ローラから離れる側に付勢された従動ローラとの間に掛け渡されている。また、中間転写ベルト3の感光体ドラム11と対向する部分は、1対の1次転写ローラ3a,3bによって感光体ドラム11に当接するように構成されている。
【0028】
定着部4は、画像形成部2で形成された画像を用紙に定着するための部分であって、加圧ローラ4aと、加圧ローラ4aの上側に配置された加熱ローラ4bとを有している。
【0029】
用紙搬送部5は、画像形成部2や定着部4に用紙を搬送するための部分であって、給紙部6から排出部7まで延びる搬送路と、用紙搬送のための複数のローラ対5aとを有している。
【0030】
給紙部6は、印刷を行うための用紙が収納される給紙カセット6aや用紙搬送部5に用紙を給紙するためのローラ6b等を有している。
【0031】
排出部7は、画像が定着された用紙が用紙搬送部5を通って排出される部分であり、このカラープリンタ1の上面に配置されている。
【0032】
2.回転式現像装置
図2に回転式現像装置30の全体斜視図を示し、図3に1つの現像器13の断面図を示す。この図1から図3に基づいて以下に回転式現像装置30について説明する。
【0033】
回転式現像装置30は、感光体ドラム11の静電潜像にそれぞれ異なる色の現像剤を供給するための装置であって、主に図1に示すように、それぞれイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの色のトナーが収納されている4つの現像器13と、4つの現像器13を支持するフレーム30aと、を有する装置であって、回転軸30b(図2参照)を回転中心としてフレーム30aが回転する。
【0034】
4つの現像器13は、トナー画像を現像するための部分であって、円柱を円周方向に4等分したような形状である。また、現像器13は、図3に示すように、収納部131と、現像ローラ132と、供給ローラ133と、トナー補給口134と、1対の分離板135とを有している。
【0035】
収納部131は、現像剤を収納するためのスペースであって、現像器13の回転軸30bの近傍に設けられている。また、収納部131には、内部の現像剤を攪拌するための攪拌スクリュー131aが配置されている。
【0036】
現像ローラ132は、収納部131に収納されている現像剤を感光体ドラム11に供給するための部材であって、回転軸30bと平行に延びる軸を中心として回転自在になっている。また、現像ローラ132は、感光体ドラム11に対向して配置されている。現像ローラ132は、JIS―A硬度が45度、抵抗値が1E+6Ω、表面粗さRaが1.0μmの弾性ローラである。
【0037】
供給ローラ133は、収納部131の現像剤を現像ローラ132に供給するためのローラであって、現像ローラ132に収納部131側から当接するように配置されている。供給ローラ133は、抵抗値が1E+8Ωのウレタンスポンジローラである。
【0038】
トナー補給口134は、後述するトナー補給部8からトナーを補給される部分であって、弾性シール部材134aを有している。また、トナー補給口134は、図2に示すように、複数の現像器13ごとに回転軸30bに沿った長手方向において異なる位置に設けられている。具体的には、長手方向一端側からイエロー、シアン、ブラック、マゼンタの順に形成されている。ここで、イエロー、シアン、マゼンタ色のトナーは懸濁重合法によって形成されており、ブラックのトナーは粉砕法によって形成されている。流動性(AD)は、イエローのトナーが0.460[g/cm]、シアンのトナーが0.452[g/cm]、ブラックのトナーが0.385[g/cm]、マゼンタのトナーが0.456[g/cm]である。なおここで、流動性(AD:ゆるみ見掛け密度)は、カサ測定器(丸枠、漏斗、漏斗台、受器、受器台)(JIS K5101(顔料試験法8.カサ)に記載のもの)を用いて測定した。具体的にはサンプルトナー約20g(±5g)を丸枠に載せ、はけでふるいの全面を一様に掃いて60〜90秒の間に分散落下させる。受器に山盛りとなるまで落下させ、30秒以内にヘラで山の部分を速やかに削り取り、受器に受けたサンプルトナーの重量を秤量する。受器の空容量は30cmであり、受器内のトナー重量/30cm(受器の空容量)=AD(ゆるみ見掛け密度)となる。そして、イエロー及びマゼンタのトナーを収納する現像器13のトナー補給口134は、図6に示すように、シアン、ブラックのトナーを収納する現像器13のトナー補給口134よりも10ミリ高さ位置の高い位置、すなわち回転軸30bの高さ位置からの距離が離れている位置に配置されている。弾性シール部材134aは、後述するトナー補給部8のトナー補給パイプ82が挿脱可能なスリット134bが形成されており、弾性変形可能な部材である。
【0039】
1対の分離板135は、収納部131に補給されたトナーが補給後すぐに現像ローラ132側に移動するのを防止するための部材であって、収納部131と現像ローラ132との間に配置されている。具体的には、図3に示すように一方の分離板135は供給ローラ133の一部を覆うように現像器13に取り付けられており、他方の分離板135は現像器13のトナー補給口134の近傍に取り付けられている。
【0040】
フレーム30aは、図1及び図2から明らかなように、4つの現像器13を支持するための部材であって、回転軸30bを中心に回転可能な部材である。また、フレーム30aは、支持部材31と、環状ギア部32とを備えている。支持部材31は、4つの平板部31aと4つの平板部31aの軸方向両端部に設けられた一対の円板31bとによって構成されている。4つの平板部31aは、回転軸30bから放射状に延びており、円周方向に4等分された4つの区画を形成している。また、回転軸30bの軸方向両端には同じ大きさの円板31bがそれぞれ配置されている。環状ギア部32は円板31bの回転軸30b方向の外側に配置された環状の部分である。環状ギア部32は、外周部にはギア歯が形成されており、図示しない駆動ギアと噛合可能である。
【0041】
3.トナー補給部
図4にトナー補給部8の全体断面図を示す。トナー補給部8は、図4に示すように、各現像器13にトナーを補給するための部分であって、カラープリンタ1の上部に配置されている。また、トナー補給部8は、複数の補給トナー収納コンテナ81と、複数のトナー補給パイプ82と、トナー搬送チューブ83と、トナー補給パイプ移動機構84とを有している。
【0042】
複数の補給トナー収納コンテナ81は、内部にそれぞれ異なる色のトナーを収納しており、図1の紙面に直交する方向に並べて4つ配置されている。
【0043】
複数のトナー補給パイプ82は、図4及び図6に示すように、補給トナー収納コンテナ81に収納されるトナーを現像器13に供給するためのものであり、内パイプ821と、外パイプ822とを有している。ここで、図6はトナー補給パイプ82及びトナー補給口134のトナー補給時の状態を示す概略図である。なお、図6ではトナー補給口134の高さ位置などが明瞭となるように、4つのトナー補給口134及びトナー補給パイプ82を並べて示している。
【0044】
内パイプ821は、外パイプ822の内側に配置された部材であって、先端が円錐状になっている。また、シアン及びブラックのトナーを補給するトナー補給パイプ82aの内パイプ821は、先端の円錐状部分に内排出口821aが形成されている。この内排出口821aは、現像器13の延びる長手方向において中央側に向くように形成されている。イエロー及びマゼンタのトナーを補給するトナー補給パイプ82bの内パイプ821は、先端の円錐状部分に2つの内排出口821bが形成されている。この2つの内排出口821bは、一方は現像器13が延びる長手方向において中央を向くように、また他方は逆に外側(軸端側)を向くように形成されている。このように、各内排出口821a及び内排出口821bは現像ローラ132に対面するようには設けられていない。
【0045】
外パイプ822は、内パイプ821よりも径の大きな筒状部材であり、先端が円錐状に形成されている。そして、トナー補給パイプ82aの外パイプ822は、先端の円錐状に形成された部分に第1内排出口821aとほぼ同じ大きさの第1外排出口822aが形成されている。また、トナー補給パイプ82bの外パイプ822は先端の円錐状の部分において対向する位置に内排出口821bとほぼ同じ大きさの2つの外排出口822bが形成されている。
【0046】
そして、内排出口821aと外排出口822aとは外パイプ822が内パイプ821に対して回転することで互いに重なり合い、また2つの内排出口821bと対応する2つの外排出口822bとは外パイプ822が内パイプ821に対して回転することで互いに重なり合う。
【0047】
このトナー補給パイプ82の内部にはトナー供給スクリュー823が配置されており、このトナー供給スクリュー823の回転に伴ってトナーが内排出口821a、822b側に搬送される。
【0048】
トナー搬送チューブ83は、トナー補給パイプ82と補給トナー収納コンテナ81とを接続する部材であって、補給トナー収納コンテナ81に収納されるトナーをトナー補給パイプ82に搬送するための部材である。
【0049】
トナー搬送チューブ83は、弾性変形可能な部材であって、トナー補給パイプ82の移動に伴って弾性変形する。また、トナー搬送チューブ83の内部にはトナー搬送スパイラル831が配置されており、このトナー搬送スパイラル831によって補給トナー収納コンテナ81からトナー補給パイプ82側に搬送される。
【0050】
トナー補給パイプ移動機構84は、図5に示すように、トナー補給パイプ82をトナー補給口134側に向かって移動させるための機構であって、モータ841と、ギア列842と、ピニオンギア843と、ラック844と、ガイド部材845とを有している。ここで、図5(a)はトナー補給パイプ移動機構84の全体図であり、図5(b)はガイド部材845を示す図である。ギア列842は、モータ841に接続されており、モータ841の駆動に伴って回転する2つのギアを有している。ピニオンギア843は、ギア列842のギアの回転に伴って回転させられるギアであり、ギア列842のギア及びラック844に噛み合っている。ラック844は、トナー補給パイプ82の外パイプ822の側面に設けられており、ピニオンギア843の回転に伴ってトナー補給パイプ82をトナー補給口134側又はトナー補給口134から離れる方向に移動させるための部分である。ガイド部材845は、トナー補給パイプ82のトナー補給口134側への移動に伴って外パイプ822を内パイプ821に対して相対回転させるための部材であって、外パイプ822の外周側に配置されている。また、ガイド部材845は、外パイプ822を内パイプ821に対して外パイプ822を相対回転させるためのガイド溝845aが内周面に形成されており、このガイド溝845aに外パイプ822の外周面に形成されたガイド突起(図示せず)が係止している。このために、外パイプ822の下側への移動によってガイド突起がガイド溝845aにガイドされ、外パイプ822が内パイプ821に対して回転する。
【0051】
なお、ここでトナー補給パイプ82bのトナー補給位置は、トナー補給パイプ82aのトナー補給位置よりも高い位置である(図6参照)。すなわち、トナー補給パイプ82aが最も下側まで移動した際の位置よりもトナー補給パイプ82bが最も下側まで移動した際の位置の方が上側に位置しており、トナー補給時にはトナー補給パイプ82bの第2内排出口821b及び第2外排出口822bの方がトナー補給パイプ82aの第1内排出口821a及び第1外排出口822aの高さ位置よりも高くなっている。
【0052】
3.動作
このカラープリンタ1では、外部に接続されたコンピュータなどから画像データが送信され、画像データに基づいて画像形成部2でトナー像が形成される。具体的には、感光体ドラム11上に画像データに基づいて静電潜像が形成され、回転式現像装置30が回転して一色目のトナー像を現像することができる現像位置に位置される。感光体ドラム11上に一色目のトナー像を現像すると、その後回転式現像装置30は、ほぼ90°回転して2色目のトナー像を現像することができる位置に位置される。このようにして、順々に4色のトナー像を現像することでフルカラーのトナー像を形成する。このとき、画像形成部2には用紙が用紙搬送部5によって搬送されており、この用紙にカラー画像が転写される。その後、カラー画像が転写された用紙は定着部4に搬送されて用紙にカラー画像が定着されて排出部7から排出される。このようにして、コンピュータなどから送信された画像データに基づくカラー画像が定着された用紙が排出される。
【0053】
このような画像形成動作を繰り返し、現像器13内のトナーが減少すると、トナー補給動作が行われる。具体的には、モータ841が回転し、モータ841の回転に伴ってギア列842のギアが回転させられる。ギア列842のギアの回転に伴ってピニオンギア843が回転し、ラック844すなわちトナー補給パイプ82をトナー補給口134側に移動させる。このトナー補給パイプ82のトナー補給口134への移動に伴って、ガイド部材845のガイド溝845aに沿って外パイプ822のガイド突起がガイドされ、外パイプ822が内パイプ821に対して回転させられる。そして、第1内排出口821aと第1外排出口822aと、又は第2内排出口821bと第2外排出口822bとが互いに重なり合い、内パイプ821の内部に収納されるトナーが外部に排出されることで現像器13にトナーが補給される。このとき、トナー補給パイプ82aによってトナーを補給する場合のトナー補給パイプ82aの高さ位置とトナー補給パイプ82bによってトナーを補給する場合のトナー補給パイプ82bの高さ位置とが異なっている。具体的には、トナー補給パイプ82bの補給時の高さ位置がトナー補給パイプ82aの補給時の高さ位置よりも高くなっている。このために、第2内排出口821b及び第2外排出口822bの高さ位置が第1内排出口821a及び第1外排出口822aの高さ位置よりも高くなっている(図6参照)。
【0054】
ここでは、流動性の悪いトナーを現像器13のトナー補給口134を長手方向略中央側に配置しているために長手方向端部側に配置する場合に比べてトナー搬送距離を短くすることができる。また、長手方向両端に配置されたトナー補給パイプ82の補給時の高さ位置が長手方向中央側に配置されたトナー補給パイプ82の補給時の高さ位置よりも高いために長手方向両端に配置されたトナー補給パイプ82から排出されるトナーはトナー補給時にほぐされ、流動性が良くなる。このために、さらに搬送しやすくなり、トナー搬送時間が短くなる。4つのトナー補給パイプ82のうち、現像器13の長手方向の内側(中央側)に位置する2つのトナー補給パイプ82においては、それぞれ2つの排出口821b、822bが設けられ、かつこれらの排出口821b、822bは現像器13の長手方向に沿う方向に向かって設けられているために、トナーの排出を容易にし、かつ現像器13内において長手方向にトナーをスムーズに搬送することができる。従って、現像器13内において長手方向にトナーが均一になり、しかも十分な混合を行うことができる。各排出口が現像ローラ132に対面するように配置されていないために、補給したトナーが補給後すぐに現像ローラ132側に移動することがなく、トナー補給後すぐに現像ローラ132に供給されることに伴う画質の低下を防止できる。
【0055】
[他の実施形態]
(a)上記実施形態では、カラープリンタ1について説明したが、本発明はこれに限らずに、複写機又は複合機などであっても良い。
【0056】
(b)また上記実施形態では、ブラック及びマゼンタのトナーのトナー補給パイプ82に2つの第2排出口を形成したが、本発明はこれに限らずに、3つ又はそれ以上であってもよい。
【0057】
(c)上記実施形態では、
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】カラープリンタの全体概略図。
【図2】回転式現像装置の全体図。
【図3】現像器の拡大断面図。
【図4】トナー補給装置の断面図。
【図5】トナー補給パイプ移動機構を示す図。
【図6】トナー補給状態のトナー補給パイプ及びトナー補給口を示す模式図。
【符号の説明】
【0059】
1 カラープリンタ(画像形成装置)
8 トナー補給部(補給装置)
11 感光体ドラム(像担持体)
13 現像器(現像装置)
30 回転式現像装置
30a フレーム
81 補給トナー収納コンテナ(補給現像剤収納部)
131 収納部(現像剤収納部)
132 現像ローラ
134 トナー補給口(現像剤補給口)
135 分離板(現像剤移動規制部材)
82 トナー補給パイプ
82a トナー補給パイプ(第1補給部材)
82b トナー補給パイプ(第2補給部材)
821a 第1内排出口
821b 第2内排出口
822a 第1外排出口
822b 第2外排出口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像情報に基づいて画像を形成可能な画像形成装置であって、
画像情報に基づいて形成される静電潜像を担持可能な像担持体と、
前記像担持体の静電潜像にそれぞれ異なる色の現像剤を供給可能であり、それぞれ現像剤補給口を有する複数の現像装置と、前記複数の現像装置を支持する回転可能なフレームと、を有し、前記複数の現像装置の現像剤補給口が回転軸方向に沿った長手方向において恋となる位置に設けられている、回転式現像装置と、
前記複数の現像装置に対応したそれぞれの色の現像剤を収納する複数の補給現像剤収納部と、前記長手方向の両端側以外に設けられた前記現像剤補給口に挿脱可能であり、前記現像剤収納部の現像剤を排出可能な第1排出口を有する少なくとも1つの第1補給部材と、前記現像剤補給口のうちで最も長手方向の両端の少なくとも一方側に設けられた前記現像剤補給口に挿脱可能であり、前記第1補給部材によって補給される現像剤よりも流動性の高い現像剤を排出可能な少なくとも1つの第2排出口を有する少なくとも1つの第2補給部材と、を有する補給装置と、
を備えた画像形成装置。
【請求項2】
現像剤補給時における前記第1補給部材の第1排出口の高さ位置は、現像剤補給時における前記第2補給部材の第2排出口の高さ位置よりも高い、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1補給部材の現像剤補給時の高さ位置は前記第2補給部材の現像剤補給時の高さ位置よりも高い、請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記現像装置は前記像担持体に対向するように配置された現像ローラを有し、
前記第1及び第2排出口はいずれも前記現像ローラに対向する側に設けられていない、
請求項1から3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記現像装置は、
現像剤を一時的に収納する現像剤収納部と、
前記現像ローラと前記現像剤収納部との間に配置され、前記現像剤収納部から前記現像ローラ側に現像剤が移動するのを規制する現像剤移動規制部材と、をさらに有する、
請求項4に記載の画像形成装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−20311(P2009−20311A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−182869(P2007−182869)
【出願日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】