説明

画像形成装置

【課題】本発明は、本体フレームに対してLEDヘッドを長手方向において位置決めすることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【解決手段】画像形成装置は、感光体(感光ドラム53)と、前記感光体に対向配置され、複数の発光部が配列されて前記感光体を露光する露光部材(LEDユニット40)と、前記発光部が配列された配列方向において前記露光部材の両側に配置された本体フレーム(サイドフレーム15A)とを備えている。そして、前記本体フレームには、前記露光部材の長手方向における一端部と当接して前記露光部材の長手方向における位置決めを行う基準部(突当部161B)が設けられるとともに、前記露光部材には、前記露光部材の一端部を前記基準部に引き寄せるように押圧する押圧部材(板ばね100)が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のLED(発光ダイオード)を有するLEDヘッドで露光を行う画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、画像形成装置は、帯電された感光ドラムに光を照射して感光ドラム上に静電潜像を形成し、その静電潜像に現像剤を供給することにより形成される現像剤像を記録シートに転写することで、記録シートに所定の画像を形成している。このような画像形成装置としては、従来、感光ドラムに光を照射する複数のLEDを有するLEDヘッドと、LEDヘッドの長手方向(LEDの配列方向)の両端部を支持する一対の本体フレームとを備えたものが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開昭61−95956号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来技術においては、感光ドラムの軸方向における光の照射位置がずれないように、本体フレームに対してLEDヘッドを長手方向において動かないように位置決めする必要があった。
【0005】
そこで、本発明は、本体フレームに対して露光部材を長手方向において位置決めすることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決する本発明は、感光体と、前記感光体に対向配置され、長手方向に複数の発光部が配列されて前記感光体を露光する露光部材と、前記露光部材の長手方向両側に配置された本体フレームとを備えた画像形成装置であって、前記本体フレームには、前記露光部材の長手方向における一端部と当接して前記露光部材の長手方向における位置決めを行う基準部が設けられるとともに、前記本体フレームまたは前記露光部材には、前記露光部材の一端部を前記基準部に引き寄せるように押圧する押圧部材が設けられていることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、押圧部材によって露光部材の一端部が本体フレームの基準部に押圧されるので、一方の本体フレームに対して露光部材を長手方向において位置決めすることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、押圧部材によって露光部材の一端部が本体フレームの基準部に押圧されるので、一方の本体フレームに対して露光部材を長手方向において位置決めすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。参照する図面において、図1は、画像形成装置の一例としてのカラープリンタの全体構成を示す断面図であり、図2は、図1のLEDユニットおよびプロセスカートリッジの拡大図であり、図3の(a)は、LEDユニットの分解斜視図であり、(b)は、ガイドローラの拡大斜視図であり、図4は、LEDユニットとサイドプレートの位置関係を示す側面図であり、図5は、感光ドラムおよびLEDユニットを後から見た図である。
【0010】
ここで、以下の説明において、方向は、カラープリンタ使用時のユーザを基準にした方向で説明する。すなわち、図1において、紙面に向かって左側を「前側(手前側)」、紙面に向かって右側を「後側(奥側)」とし、紙面に向かって奥側を「左側」、紙面に向かって手前側を「右側」とする。また、紙面に向かって上下方向を「上下方向」とする。
【0011】
図1に示すように、カラープリンタ1は、本体筐体10内に、用紙Pを供給する給紙部20と、給紙された用紙Pに画像を形成する画像形成部30と、画像が形成された用紙Pを排出する排紙部90とを備えている。
【0012】
本体筐体10の上部には本体筐体10に対し相対的に開閉自在なアッパーカバー12が、後側に設けられたヒンジ12Aを支点として上下に回動自在に設けられている。アッパーカバー12の上面は、本体筐体10から排出された用紙Pを蓄積する排紙トレイ13となっており、下面には後述する露光部材の一例としてのLEDユニット40を保持する複数のLED取付部材14が設けられている。
【0013】
また、本体筐体10内には、後述する各プロセスカートリッジ50を着脱自在に収容する装置本体の一部としての本体フレーム15が設けられている。本体フレーム15は、左右に一対設けられた金属製のサイドフレーム15A(片側のみ図示)と、一対のサイドフレーム15Aを連結するクロスメンバー15Bが前後に一対設けられている。この本体フレーム15は、本体筐体10などに固定されている。サイドフレーム15Aは、後述するLEDヘッド41の発光部の配列方向(主方向といい、本実施形態では、感光ドラム53の軸方向と同じである。)の両側に配置され、感光ドラム53を直接的または間接的に支持し、位置決めする部材である。
【0014】
給紙部20は、本体筐体10内の下部に設けられ、本体筐体10に着脱自在に装着される給紙トレイ21と、給紙トレイ21から用紙Pを画像形成部30へ搬送する用紙供給機構22を主に備えている。用紙供給機構22は、給紙トレイ21の手前側に設けられ、給紙ローラ23、分離ローラ24および分離パッド25を主に備えている。
【0015】
このように構成される給紙部20では、給紙トレイ21内の用紙Pが、一枚ずつ分離されて上方へ送られ、紙粉取りローラ26とピンチローラ27の間を通過する過程で紙粉が除去された後、搬送経路28を通って後ろ向きに方向転換され、画像形成部30に供給される。
【0016】
画像形成部30は、露光部材の一例としての4つのLEDユニット40と、4つのプロセスカートリッジ50と、転写ユニット70と、定着ユニット80とから主に構成されている。
【0017】
プロセスカートリッジ50は、アッパーカバー12と給紙部20との間で前後方向に並んで配置され、図2に示すように、ドラムユニット51と、ドラムユニット51に対して着脱自在に装着される現像ユニット61とを備えている。プロセスカートリッジ50は、サイドフレーム15Aに支持されており、プロセスカートリッジ50には、感光ドラム53が支持されている。なお、各プロセスカートリッジ50は、現像ユニット61のトナー収容室66に収容されるトナーの色が相違するのみであり、構成は同一である。
【0018】
ドラムユニット51は、ドラムフレーム52と、ドラムフレーム52に回転可能に支持される感光体の一例としての感光ドラム53と、スコロトロン型帯電器54とを主に備えている。
【0019】
現像ユニット61は、現像フレーム62と、現像フレーム62に回転可能に支持される現像ローラ63および供給ローラ64と、層厚規制ブレード65とを備え、トナーを収容するトナー収容室66を有している。プロセスカートリッジ50は、現像ユニット61がドラムユニット51に装着されることで現像フレーム62とドラムフレーム52との間に形成される露光穴55を有しており、この露光穴55の下方には、感光ドラム53が配置されている。そして、この露光穴55にLEDユニット40が挿入されることで、LEDユニット40が感光ドラム53に対向して配置されている。
【0020】
図1に示すように、転写ユニット70は、給紙部20と各プロセスカートリッジ50との間に設けられ、駆動ローラ71、従動ローラ72、搬送ベルト73および転写ローラ74を主に備えている。
【0021】
駆動ローラ71および従動ローラ72は、前後方向に離間して平行に配置され、その間にエンドレスベルトからなる搬送ベルト73が張設されている。搬送ベルト73は、その外側の面が各感光ドラム53に接している。また、搬送ベルト73の内側には、各感光ドラム53との間で搬送ベルト73を挟持する転写ローラ74が、各感光ドラム53に対向して4つ配置されている。この転写ローラ74には、転写時に定電流制御によって転写バイアスが印加される。
【0022】
定着ユニット80は、各プロセスカートリッジ50および転写ユニット70の奥側に配置され、加熱ローラ81と、加熱ローラ81と対向配置され加熱ローラ81を押圧する加圧ローラ82とを備えている。
【0023】
このように構成される画像形成部30では、まず、各感光ドラム53の表面が、スコロトロン型帯電器54により一様に帯電された後、各LEDユニット40から照射されるLED光により露光される。これにより、露光された部分の電位が下がって、各感光ドラム53上に画像データに基づく静電潜像が形成される。
【0024】
また、トナー収容室66内のトナーが、供給ローラ64の回転により現像ローラ63に供給され、現像ローラ63の回転により現像ローラ63と層厚規制ブレード65との間に進入して一定厚さの薄層として現像ローラ63上に担持される。
【0025】
現像ローラ63上に担持されたトナーは、現像ローラ63が感光ドラム53に対向して接触するときに、感光ドラム53上に形成された静電潜像に供給される。これにより、感光ドラム53上でトナーが選択的に担持されて静電潜像が可視像化され、反転現像によりトナー像が形成される。
【0026】
次に、搬送ベルト73上に供給された用紙Pが各感光ドラム53と搬送ベルト73の内側に配置される各転写ローラ74との間を通過することで、各感光ドラム53上に形成されたトナー像が用紙P上に転写される。
そして、用紙Pが加熱ローラ81と加圧ローラ82との間を通過することで、用紙P上に転写されたトナー像が熱定着される。
【0027】
排紙部90は、定着ユニット80の出口から上方に向かって延び、手前側に反転するように形成された排紙側搬送経路91と、用紙Pを搬送する複数対の搬送ローラ92を主に備えている。トナー像が転写され、熱定着された用紙Pは、搬送ローラ92によって排紙側搬送経路91を搬送され、本体筐体10の外部に排出されて排紙トレイ13に蓄積される。
【0028】
<LEDユニットの構成>
次に、本発明の特徴部分であるLEDユニット40およびその接地のための構成について詳細に説明する。
図3に示すように、LEDユニット40は、露光部材本体の一例としてのLEDヘッド41と、保持部材の一例としての露光器フレーム42と、ローラ支持部材43と、ガイドローラ44と、樹脂カバー45と、サスペンダ48と、を備えてなる。
【0029】
LEDヘッド41は、下側にLEDからなる複数の発光部が左右方向(LEDヘッド41の長手方向)に一列配列されてなるものである。より具体的には、LEDヘッド41は、所定の画素ピッチに応じて配列され、選択的に駆動されて感光ドラム53の表面を露光する複数のLED(発光素子)を支持体で支持したヘッド構造を有するものである。本明細書では、LEDヘッド41の長手方向を主方向と称し、主方向およびLEDの露光方向(図5の矢印X参照)に直交する方向、具体的には、感光ドラム53が並ぶ方向である前後方向を副方向と称する。LEDヘッド41の外装は、樹脂で形成されていて、スコロトロン型帯電器54などの高圧部品からの放電が抑制されている。各発光部は、形成すべき画像のデータに基づいて、図示しない制御装置により信号が入力されて発光し、感光ドラム53を露光する。
【0030】
露光器フレーム42は、LEDヘッド41を支持するフレームである。露光器フレーム42は、金属板を略コ字型断面にプレス加工してなり、導電性を有する。露光器フレーム42は、感光ドラム53の軸方向、つまり、左右方向にLEDヘッド41よりも長く形成されている。具体的には、露光器フレーム42は、下板42Aと、側板42Bと、上板42Cとで、左右方向に延びるコ字型断面の部材を形成している。下板42Aの左右方向両端(以下、単に「両端」という。)には、端板42Dが、下板42Aの端部の折り曲げにより形成されている。上板42Cには、両端付近に、前側に開いた開口42Eが形成されている。この開口42Eの前側の開口端には、開口42Eを狭めるように開口42Eの左右方向内側に向けて延びる係合爪42Fが形成されている。前記したLEDヘッド41は、その上面が露光器フレーム42の下板42Aに密着し、2つのクリップ41Aにより露光器フレーム42に取り付けられ、固定されている。
【0031】
露光器フレーム42の上板42Cの右端には、LEDヘッド41の右端部をサイドフレーム15A(詳しくは、後述する前方ガイド161の突当部161B;図5参照)に引き寄せるように付勢する押圧部材の一例としての板ばね100が設けられている。板ばね100は、導電性である金属板を略L字状に折り曲げて形成されており、第1壁101と第2壁102とを備えている。なお、このように露光器フレーム42に板ばね100が設けられることで、板ばね100は、LEDユニット40の露光位置への移動に伴って後述する突当部161Bに向かって上から下へ移動することで、LEDユニット40の一端部(後述する主方向位置決め面45D)を突当部161Bに押圧するように構成されている。
【0032】
第1壁101は、平板状に形成されており、後述する樹脂カバー45の貫通孔45B(左側の樹脂カバー45参照)に挿入可能な幅で形成されている。そして、この第1壁101は、樹脂カバー45の貫通孔45Bの外側から挿通されて露光器フレーム42の上板42Cの上面に固定される。
【0033】
第2壁102は、図5に示すように、先端部103と、本体部104とを有している。
第2壁102の本体部104は、第1壁101が露光器フレーム42に固定された状態において、下方に向かうにつれて徐々に露光器フレーム42に近付くようにサイドフレーム15A(第1縦壁A1)に対して傾斜している。また、第2壁102の先端部103は、下方に向かうにつれて露光器フレーム42から離れるようにサイドフレーム15A(第1縦壁A1)に対して傾斜している。そのため、LEDユニット40を退避位置から露光位置に移動させる際において、第2壁102の先端部103と後述するサイドフレーム15Aの第1縦壁A1とが当接すると、この第1縦壁A1によって第2壁102が外側に押し広げられるようになっている。
【0034】
図3(a)に示すように、ローラ支持部材43は、導電性の金属板をプレス加工してなるブラケットであり、露光器フレーム42の両端の端板42Dにネジ止めされている。ローラ支持部材43は、下端に、左右方向内側に向けて延びるローラシャフト43Aが設けられている。ローラシャフト43Aは、ガイドローラ44を回転可能に支持するシャフトであり、図3(b)に示すように周方向に係合溝43Bが形成されている。
【0035】
ガイドローラ44は、当接部の一例としての略円筒形状のローラであり、LEDヘッド41と感光ドラム53との間隔を保持する。すなわち、転がり面44Aが円筒形状に形成されている。転がり面44Aの中心軸には、ローラシャフト43Aと嵌合する軸孔44Bが形成されている。ガイドローラ44は、ローラシャフト43Aに軸孔44Bが挿通され、さらにワッシャ44Cが挿入された上で、クリップ44Dを係合溝43Bに係合させることで、ローラシャフト43Aに取り付けられている。つまり、ローラシャフト43Aの伸びる方向は、ガイドローラ44の回転軸方向と一致している。
【0036】
ガイドローラ44は、図2に示すように、感光ドラム53の周面53Aに接して転がることで、LEDユニット40と感光ドラム53の位置関係を規定、具体的にはLEDヘッド41の発光部と周面53Aの間隔を規定するものである。ガイドローラ44を構成する材料は特に問わないが、周面53Aとの間で適度な摩擦係数を有し、耐摩耗性に優れた材料を使用するのがよい。例えば、ポリアミド系の樹脂を用いることができる。
ガイドローラ44は、画像形成に影響を与えないようにするため、感光ドラム53の周面53Aのうち、トナーが供給される画像形成範囲(図5において符号Wで示す)の外側に配置されている。
【0037】
図3(a)に示すように、樹脂カバー45は、露光器フレーム42の両端の金属部分を覆う部材である。左右に計2つ設けられる各樹脂カバー45は、互いに左右対称に形成されている。樹脂カバー45は、絶縁性の樹脂部材からなり、露光器フレーム42の両端面と、両端から所定範囲の部分を覆うように形成されている。樹脂カバー45の左右方向の外側の端部には、上下方向に延びるガイドリブ45Aが突出して形成されている。ガイドリブ45Aの上端は、左右端側から見て略三角形の輪郭を有し、この三角形部分の内側に貫通孔45Bが形成されている。そして、右側に配置される樹脂カバー45の貫通孔45B(図示せず)には、前述した板ばね100の第1壁101が挿入される。
【0038】
ガイドリブ45Aの左右方向外側の面は、主方向位置決め面45Dである。主方向位置決め面45Dは、主方向においてサイドフレーム15Aと当接してLEDユニット40を主方向に位置決めするためのものである。ガイドリブ45Aの前面は、副方向位置決め面45Eである。副方向位置決め面45Eは、副方向においてサイドフレーム15Aと当接してLEDユニット40を副方向に位置決めするためのものである。
【0039】
サスペンダ48は、露光器フレーム42およびLEDヘッド41を吊り下げ状態に支持する部材である。サスペンダ48は、左右方向の長さが露光器フレーム42と同等に形成され、2つの開口42Eに対応した2カ所に係合部材48Aが設けられている。係合部材48Aは、それぞれ、下から見て左右方向外側に開口したコ字断面の部分が形成されており、このコ字断面の開口48Bが、前記した係合爪42Fと遊びを有しながら係合するようになっている。
【0040】
各係合部材48Aと露光器フレーム42の間には、第1付勢部材の一例としての圧縮バネ49がそれぞれ配置されている。圧縮バネ49は、2つのガイドローラ44よりは、左右方向内側(露光部材の長手方向における内側)に配置されている。係合部材48Aと露光器フレーム42の開口42Eおよび係合爪42Fが遊びを有しながら係合された後、図示しない抜け止め部材により係止されると、露光器フレーム42およびLEDヘッド41は、圧縮バネ49により常時感光ドラム53へ向けて付勢されるようになる。
【0041】
このようなLEDユニット40は、図2に示すように、接続リンク14AおよびLED取付部材14を介してアッパーカバー12に取り付けられる。接続リンク14Aは、LED取付部材14との接続部分および各LEDユニット40との接続部分において、図2の側面視において回動可能であり、これにより、LEDユニット40の姿勢を自由に変えることができる。そのため、サイドフレーム15AにLEDユニット40を係合させるのが容易になっている。
【0042】
各LEDユニット40は、アッパーカバー12に取り付けられた状態において、アッパーカバー12から下方に延びている。アッパーカバー12は、上述したように後側のヒンジ12Aを中心に回動して開閉可能であるので、感光ドラム53とLEDユニット40は、互いに近接した露光位置と、互いに離れた退避位置とに相対移動可能である。LEDユニット40は、露光位置において、下端に設けられたガイドローラ44が感光ドラム53の周面53Aの上端付近に当接しており、これにより、周面53AとLEDヘッド41との距離が一定に保たれるようになっている。
【0043】
図4に示すように、サイドフレーム15Aは、4つのLEDユニット40が装着される箇所のLEDユニット40の両端部に対応して、前方ガイド161および後方ガイド162を有している。前方ガイド161は、副方向位置決め面45Eの前方に配置され、後方ガイド162は、副方向位置決め面45Eの後方に配置されている。
【0044】
前方ガイド161には、略上下方向に延びるリブ161Aが左右方向内側に向けて突出して形成されている。リブ161Aは、LEDユニット40の装着時にガイドリブ45Aの前側に位置する。リブ161Aの上下両端部は、中央部よりも前後方向に厚い円柱形状となった円柱部161Cとなっている。円柱部161Cは、副方向位置決め面45Eと当接して、LEDユニット40を副方向に位置決めする部分となる。また、前方ガイド161の後側の縁には、リブ161Aに沿って基準部の一例としての突当部161Bが設けられている。突当部161Bは、LEDユニット40の主方向位置決め面45Dが当接し得る面となり、右側の突当部161BはLEDユニット40の一端側に当接してLEDユニット40の左右方向の位置を規制するようになっている(図5参照)。そして、突当部161Bと主方向位置決め面45Dは、互いに摺動可能となるように、所定の平滑度でそれぞれ形成されている。なお、突当部161Bと主方向位置決め面45Dとは面接触でもよいし、点接触でもよい。
【0045】
後方ガイド162には、下から上へ延びるアーム162Aが設けられている。アーム162Aは、サイドフレーム15Aの金属板に回動軸162Bにおいて回動可能に支持されている。回動軸162Bの周りにはトーションバネ162Cが設けられており、このトーションバネ162Cによって、アーム162Aに、常時、図4における反時計回りに付勢力が与えられている。
【0046】
前方ガイド161および後方ガイド162は、ともに樹脂からなり、これにより、LEDユニット40との摺接による摩耗が抑制されている。
【0047】
また、図5に示すように、右側のサイドフレーム15Aは、前方ガイド161が固定される第1縦壁A1と、第1縦壁A1の上端から右方に折り曲げられた横壁A2と、横壁A2の右端から上方に折り曲げられた第2縦壁A3とを備えて構成されている。横壁A2には、板ばね100の第2壁102を前方ガイド161の突当部161B付近のサイドフレーム15Aに係合させるための貫通孔15Cが形成されている。そのため、この貫通孔15Cに板ばね100の第2壁102を挿入してサイドフレーム15Aの第1縦壁A1に係合させると、板ばね100の第2壁102がサイドフレーム15AをLEDユニット40に向けて付勢することによって、LEDユニット40の右端部(主方向位置決め面45D)が前方ガイド161の突当部161Bに引き寄せられて当接する。すなわち、板ばね100の第2壁102は、サイドフレーム15Aおよび前方ガイド161の突当部161Bを、LEDユニット40の右端部との間で左右に挟み込んでいる。なお、この際、LEDユニット40の左端部と、左側のサイドフレーム15Aの前方ガイド161の突当部161Bとの間には、所定の隙間が形成されるようになっている。
【0048】
また、左側のサイドフレーム15Aは、前方ガイド161が固定される縦壁A4と、縦壁A4の下端から右方に折り曲げられた台座壁A5とを備えて構成されている。そして、この台座壁A5と、LEDユニット40の露光器フレーム42との間には、LEDユニット40を感光ドラム53から離れる方向へ付勢する第2付勢部材の一例としてのコイルばね200が設けられている。コイルばね200は、金属などの導電性を有する部材で形成されている。そして、各サイドフレーム15Aは、電気的に接地されている。また、コイルばね200の下端は台座部A5に固定されている。
【0049】
以上のように構成されたカラープリンタ1の作用効果について説明する。
図1に示すように、カラープリンタ1のプロセスカートリッジ50を交換またはメンテナンスするときには、まずアッパーカバー12を上に回動させて開き、LEDユニット40を露光位置から退避位置に移動させる。
【0050】
本実施形態のカラープリンタ1においては、このようにLEDユニット40が感光ドラム53に対して露光位置と退避位置との間を移動可能であるので、LEDユニット40の感光ドラム53に対する位置決めの必要がある。
【0051】
メンテナンスが終わったら、アッパーカバー12を下げて閉じる。このとき、LEDユニット40の先端(下端)にあるガイドローラ44は、図2に示すように感光ドラム53の周面53Aに当接する。これにより、周面53AとLEDヘッド41の発光部との距離は一定に保たれる。
【0052】
このとき、図4に示すように、ガイドリブ45Aは、前方ガイド161のリブ161Aと後方ガイド162のアーム162Aの間に挿入される。アーム162Aは、トーションバネ162Cにより前方向に付勢されているので、ガイドリブ45Aを前方に付勢する。これにより、ガイドリブ45Aの副方向位置決め面45Eは、リブ161Aの両端の円柱部161Cに当接して、LEDユニット40は、副方向に位置決めされる。
【0053】
また、このとき、図5に示すように、LEDユニット40に設けられている板ばね100の第2壁102は、右側のサイドフレーム15Aの貫通孔15Cを通るとともに、その先端部が右側に撓んだ状態で第1縦壁A1の外面に係合する。これにより、板ばね100の第2壁102の付勢力によって、LEDユニット40の右側の主方向位置決め面45Dが右側に引き寄せられて前方ガイド161の突当部161Bに当接し、LEDユニット40が主方向に位置決めされる。
【0054】
そして、上述のような主方向の位置決めにおいて、露光器フレーム42は、板ばね100およびサイドフレーム15Aを介して電気的に接地されるとともに、コイルばね200およびサイドフレーム15Aを介して電気的に接地される。
【0055】
以上によれば、本実施形態において以下のような効果を得ることができる。
板ばね100によって、LEDユニット40の右側の主方向位置決め面45Dが右側のサイドフレーム15Aに設けられる前方ガイド161の突当部161Bに引き寄せられるように付勢されるので、右側のサイドフレーム15Aに対してLEDユニット40を主方向において位置決めすることができる。さらに、LEDユニット40の一端側のみに板ばね100を設けたので、例えばLEDユニットの両端側に付勢力の異なるコイルばねを1つずつ設けて付勢力の大きい方のコイルばねでLEDユニットをサイドフレームに押圧する構造に比べ、サイドフレームの歪みを抑制することができる。
【0056】
LEDユニット40をサイドフレーム15Aの突当部161Bに押圧する押圧部材として弾性を有する板ばね100を利用することで、簡易な構造で位置決めを行うことができるので、コストダウンを図ることができる。
【0057】
前方ガイド161の突当部161BとLEDユニット40の主方向位置決め面45Dとが摺動可能となっているので、感光ドラム53が製造誤差の範囲で多少楕円状に形成されている場合であっても、LEDユニット40を上下方向にスムーズに移動させて、ガイドローラ44を感光ドラム53の周面53Aに確実に接触させ続けることができる。そのため、LEDヘッド41と感光ドラム53との距離を確実に一定に保つことができる。
【0058】
露光器フレーム42が、板ばね100、コイルばね200およびサイドフレーム15Aを介して電気的に接地されるので、本実施形態のように外装が樹脂により形成されているLEDヘッド41を用いる場合でも、LEDヘッド41の上面に密着した金属製の露光器フレーム42を介して接地することができる。これにより、LEDヘッド41の表面に生じた電荷を十分に除去することができる。また、LEDヘッド41に大きな電流が流れて電磁波が発生しても、露光器フレーム42は、LEDヘッド41より左右方向に大きく形成され、LEDヘッド41の左右方向両側には、金属製のサイドフレーム15Aが設けられているので、これらの部材に電磁波が十分に吸収され、他の機器に電磁波の影響を与えることを抑制することができる。特に、本実施形態においては、左右両側において、上述の構成が採用されているので、接地と電磁波の吸収を十分に行うことができる。また、本実施形態においては、板ばね100を主方向の位置決めに用いているので、LEDヘッド41の位置決めと、LEDヘッド41の接地および電磁波の遮断を同時に行うことができる。さらに、LEDヘッド41を樹脂製の外装とすることで、LEDヘッド41を小型化し、感光ドラム53周りのレイアウトの自由度が高まり、カラープリンタ1の小型化を図ることができる。
【0059】
以上に、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記した実施形態に限定されるものではない。具体的な構成については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
【0060】
前記実施形態では、押圧部材としての板ばね100をLEDユニット40に設けたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図6や図7に示すように、右側のサイドフレーム15Aに板ばね110を設けてもよい。なお、図6および図7において、前記実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付し、その説明は省略する。また、左側のサイドフレーム15Aの図示は省略するが、前記実施形態(図5)と同様に、左側のサイドフレーム15Aには板ばね110は設けられておらず、また、左側のサイドフレーム15AとLEDユニット400との間には空隙が形成されている。
【0061】
具体的に、図6に示す板ばね110は、前記実施形態に係る板ばね100を上下逆にしたような構造となっており、前記実施形態と略同様の第1壁111、第2壁112および先端部113を備える他、第1壁111をサイドフレーム15Aに固定するための固定部114を備えている。そして、板ばね110をサイドフレーム15Aの内面に固定すると、板ばね110の先端部113が、サイドフレーム15Aに固定される前方ガイド161の突当部161Bの左右方向内側に配設されるようになっている。
【0062】
また、この構造において、LEDユニット400は、前記実施形態に係るLEDユニット40とは異なる樹脂カバー450を有している。具体的に、樹脂カバー450には、その下面に下方へ開口する凹部451が形成されており、これにより、樹脂カバー450の左右方向外側に下方へ突出する突出壁452が形成されている。
【0063】
そして、突出壁452は、露光位置において、前方ガイド161の突当部161Bと板ばね110の先端部113との間で挟み込まれることで、その外面が突当部161Bと当接するようになっている。これにより、LEDユニット400を主方向において位置決めすることができる。
【0064】
また、図7に示すように、板ばね110をサイドフレーム15Aの外面に固定してもよい。この場合、前述した樹脂カバー450の突出壁452を、板ばね110の先端部113とサイドフレーム15Aの外面との間で挟み込むことで、突出壁452が板ばね110で付勢されてサイドフレーム15Aの外面と当接する。すなわち、この形態において、基準部は、サイドフレーム15Aの外面となっている。これにより、LEDユニット400を主方向において位置決めすることができる。
【0065】
前記実施形態では、押圧部材として、板ばね100を採用したが、本発明はこれに限定されず、例えばトーションばねなどであってもよい。また、第1付勢部材や第2付勢部材として、皿ばねや板ばねなどを採用してもよい。
【0066】
前記実施形態では、押圧部材として弾性(可撓性)を有する板ばね100を採用したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0067】
前記実施形態では、複数の発光部として、LEDを複数有する形態を例示したが、この複数の発光部を形成するには、LEDのような発光素子は一つでもよい。例えば、蛍光灯などのバックライトを一つ用意し、バックライトの外側に、左右方向に一列に並んだ液晶またはPLZT素子の光学シャッタを設けてもよい。つまり、1つの発光素子と一列の光学シャッタを合わせることで一列に並んだ複数の発光部を形成することができる。また、発光部は、左右方向に一列に並べる構成ではなく、複数列並べる構成としてもよい。さらに、発光素子は、LEDに限らず、EL(エレクトロ・ルミネッセンス)素子や蛍光体などであってもよい。
【0068】
感光ドラム53の両側に配置されるサイドフレーム15A(本体フレーム15)は、カラープリンタ1の骨組みそのものでも構わないし、複数のプロセスカートリッジ50をひとまとめにしてカラープリンタ1から着脱する引き出しのフレームであっても構わない。
【0069】
前記実施形態では、カラープリンタ1に本発明を適用したが、本発明はこれに限定されず、その他の画像形成装置、例えば複写機や複合機などに本発明を適用してもよい。
前記実施形態では、感光体として感光ドラム53を採用したが、本発明はこれに限定されず、例えばベルト状の感光体を採用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】画像形成装置の一例としてのカラープリンタの全体構成を示す断面図である。
【図2】図1のLEDユニットおよびプロセスカートリッジの拡大図である。
【図3】(a)は、LEDユニットの分解斜視図であり、(b)は、ガイドローラの拡大斜視図である。
【図4】LEDユニットとサイドプレートの位置関係を示す側面図である。
【図5】感光ドラムおよびLEDユニットを後から見た図である。
【図6】板ばねをサイドフレームの内面に設けた変形例を示す図である。
【図7】板ばねをサイドフレームの外面に設けた変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0071】
1 カラープリンタ
15 本体フレーム
15A サイドフレーム
40 LEDユニット
41 LEDヘッド
42 露光器フレーム
45 樹脂カバー
45D 主方向位置決め面
49 圧縮バネ
53 感光ドラム
101 第1壁
102 第2壁
103 先端部
161 前方ガイド
161B 突当部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体と、前記感光体に対向配置され、長手方向に複数の発光部が配列されて前記感光体を露光する露光部材と、前記露光部材の長手方向両側に配置された本体フレームとを備えた画像形成装置であって、
前記本体フレームには、前記露光部材の長手方向における一端部と当接して前記露光部材の長手方向における位置決めを行う基準部が設けられるとともに、
前記本体フレームまたは前記露光部材には、前記露光部材の一端部を前記基準部に引き寄せるように押圧する押圧部材が設けられていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記押圧部材は、前記露光部材の一端部に設けられ、前記露光部材の一端部との間で前記基準部を挟み込むように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記押圧部材は、前記本体フレームに設けられ、前記基準部との間で前記露光部材の一端部を挟み込むように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記押圧部材は、弾性を有することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記露光部材は、露光位置と退避位置との間を移動可能に構成され、
前記押圧部材は、前記露光部材の露光位置への移動に伴って前記基準部に向かって移動することで、前記露光部材の一端部を前記基準部に押圧するように構成されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記露光部材の一端部と前記基準部とが当接した状態において、前記露光部材の他端部と前記本体フレームとの間に隙間が形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記露光部材を前記感光体へ向けて付勢する第1付勢部材をさらに備え、
前記露光部材は、前記第1付勢部材の付勢によって前記感光体と当接する当接部を備えるとともに、前記基準部に対して摺動可能に構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記本体フレームおよび前記押圧部材は、導電性を有し、
前記露光部材は、前記発光部を有する露光部材本体と、前記露光部材本体を支持するとともに前記押圧部材と接する導電性の保持部材と、を備えていることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記保持部材の前記長手方向において前記押圧部材とは反対側に位置する部位と前記本体フレームとの間には、前記露光部材を前記感光体から離れる方向へ付勢する導電性の第2付勢部材が設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−205056(P2009−205056A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−49324(P2008−49324)
【出願日】平成20年2月29日(2008.2.29)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】