画像形成装置
【課題】原稿の文字画像に加工を施すことが可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】原稿の画像データを読み取った際に、画像データをプレビュー画像としてパネルの画面に表示する表示手段と、その画面上の位置を指定するタッチペン３０２とを備える画像形成装置において、タッチペン３０２により指定された範囲内の画像データのうち、文字に対応する文字画像データを識別する文字識別手段５０４と、上記文字識別手段５０４により識別された文字画像データを、プレビュー画像としてパネルの画面に表示する文字表示手段５０６と、タッチペン３０２により指定された文字画像データに、加工を施す加工手段５０７とを備えることを特徴とする画像形成装置を提供する。
【解決手段】原稿の画像データを読み取った際に、画像データをプレビュー画像としてパネルの画面に表示する表示手段と、その画面上の位置を指定するタッチペン３０２とを備える画像形成装置において、タッチペン３０２により指定された範囲内の画像データのうち、文字に対応する文字画像データを識別する文字識別手段５０４と、上記文字識別手段５０４により識別された文字画像データを、プレビュー画像としてパネルの画面に表示する文字表示手段５０６と、タッチペン３０２により指定された文字画像データに、加工を施す加工手段５０７とを備えることを特徴とする画像形成装置を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、画像形成装置に関し、詳しくは、原稿の文字画像に加工を施すことが可能な画像形成装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
近年の画像形成装置では、原稿の画像データを読み取ると、その画像データをシートに印刷する前に、当該画像データに対応するプレビュー画像を画像形成装置に備えられたタッチパネルの画面上に一度表示する機能が設けられるようになりつつある。上記機能によって、ユーザは印刷物のイメージを確認することができ、ユーザの意図しない印刷物の出力を未然に防止することができる。
【０００３】
しかしながら、読み取った画像データには、印刷不要な画像データが混在していることが多く、上述した画像形成装置では、プレビュー画像にて印刷不要な画像データを確認できたとしても、その画像データを編集または加工することができない。そのため、印刷不要な画像を止むを得ず印刷して、その印刷に伴うトナー、インク等を無駄に消費するという問題があった。
【０００４】
上記問題を解決するために、特開２００６−２７７０５６号公報（特許文献１）には、アプリケーションから印刷用の画像データを取得する画像データ取得手段と、取得された画像データの印刷プレビュー画像を表示手段に表示させるプレビュー表示処理手段と、入力手段によって入力される外部操作による指令に基づき、上記印刷プレビュー画像における任意の範囲を選択可能とし、その選択範囲を識別可能な状態で表示手段に表示させる選択範囲表示処理手段と、上記選択範囲内の画像を単位として、印刷プレビュー画像を加工する画像加工処理を行う画像データ加工手段と、上記印刷プレビュー画像の印刷を印刷装置へ指示する印刷指示手段とを備えたことを特徴とする情報処理装置が開示されている。上記構成により、印刷プレビュー画像上での簡単な操作により、印刷が不要な部分を削除するといった画像の加工を行うことが可能となり、印刷装置におけるトナー、インク等の無駄な消費を抑えることができるとしている。
【０００５】
また、表示されたプレビュー画像に手書きの動作情報を入力することによって、その手書きの動作に対応する項目情報を当該プレビュー画像に付加する技術も開発されている。例えば、特開２００６−４１９４７号公報（特許文献２）には、原稿から読み込まれた画像情報を、画像情報の出力形式を規定する項目情報を表示する表示部と項目情報を入力する入力部を有する操作パネルから、入力された項目情報に基づいて出力する画像形成装置において、項目情報の入力を受け付ける項目入力手段と、入力された項目情報を視覚的に表したプレビュー画像情報を生成するプレビュー画像生成手段と、生成したプレビュー画像情報を操作パネルの表示部に表示するプレビュー画像表示手段と、操作パネルから項目情報の指示を示す手書きの動作情報の入力を受け付ける動作入力手段と、入力された手書きの動作情報を項目情報に変換する動作認識手段とを備え、項目入力手段は、さらに変換された項目情報の入力を受け付けることを特徴とする画像形成装置が開示されている。上記構成により、入力された項目をプレビュー画像で確認することができ、さらに、手書きの動作情報によって、表示されているプレビュー画像に項目情報を入力できるため、直感的でわかり易いユーザインタフェースを実現でき、高い操作性を得ることができるとしている。
【特許文献１】特開２００６−２７７０５６号公報
【特許文献２】特開２００６−４１９４７号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
しかしながら、例えば、文字画像データと写真画像データとが混在する画像データにおいて、写真画像データのみが印刷不要な画像データに該当する場合、特許文献１に記載の技術では、選択範囲内の画像データを全て削除してしまうため、印刷不要な写真画像データを適切に削除できないという問題がある。また、選択範囲は所定の形状（例えば、長方形、円等）で指定されるため、例えば、不定形な形状を有する写真画像データを指定し難いという問題がある。
【０００７】
また、特許文献２に記載の技術では、プレビュー画像に手書きの動作に対応する項目情報を付加することができるものの、印刷が必要な画像データと印刷不要な画像データとに対して別個に付加するわけではないため、例えば、印刷が必要な文字画像データにのみ、所定の情報を付加することができないという問題がある。
【０００８】
さらに、プレビュー画像内の画像データのうち、印刷が必要な画像データは、ほとんどの場合、文字画像データであるという実態があり、文字画像データに加工を施したい、または文字画像データ以外の画像データを消去したいというユーザ側の要望がある。例えば、原稿に汚れが生じている場合や画像読取部周辺に付着物等が付着している場合、汚れや付着物等に起因する画像データが、原稿の内容とともに生成されるため、その汚れや付着物に起因する画像データをプレビュー画像にて確認できるものの、上述した技術では対応することができず、結局、文字画像とともに汚れ等も印刷してしまうという問題がある。
【０００９】
また、原稿の文字画像とともに汚れ等が読み取られた場合、その文字画像データに、さらに手書きの情報を加えると、汚れ等に起因する画像データが文字画像データの視認性を阻害し、文字画像データに的確に手書きの情報を加えることができないという問題がある。そのため、たとえ、手書きの情報を加えたとしても、汚れ等の画像データのために原稿の内容が視認し難く、印刷自体が無駄になるという問題もある。
【００１０】
そこで、本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、原稿の文字画像に加工を施すことが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１１】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る画像形成装置は、原稿の画像データを読み取った際に、画像データをプレビュー画像としてパネルの画面に表示する表示手段と、その画面上の位置を指定するポインティングデバイスとを備える画像形成装置において、ポインティングデバイスにより指定された範囲内の画像データのうち、文字に対応する文字画像データを識別する文字識別手段と、上記文字識別手段により識別された文字画像データを、プレビュー画像としてパネルの画面に表示する文字表示手段と、ポインティングデバイスにより指定された文字画像データに、加工を施す加工手段とを備える。
【００１２】
パネルは、例えば、ディスプレイのガラスの上に直接センサーを用意し、ユーザが直接画面を指で触ることによって位置座標を得ることができるポインティングデバイスを兼ね備えたタッチパネルを採用することができる。さらに、タッチパネルを採用する際には、そのタッチパネル上の位置座標を的確に指定することが可能なタッチペンを使用することが好ましい。
【００１３】
ポインティングデバイスは、上記タッチパネルの他に、パネルの画面上での位置座標を指定する入力機器であるマウス、トラックパッド、トラックボール等を採用することができる。
【００１４】
指定された範囲内の画像データとは、例えば、２点の位置座標から特定される領域内に含まれた画像データが該当し、その領域の形状は、例えば、正方形、長方形、楕円、円等を採用することができる。さらに、２点以上の位置座標から領域を特定するよう構成しても構わない。
【００１５】
文字に対応する文字画像データを識別する方法は、例えば、指定された画像データと予め記憶されている文字パターンとを比較して、その文字パターンに適合する画像データがあれば、その画像データを文字画像データとして識別する方法を採用することができる。
【００１６】
また、上記加工手段は、ポインティングデバイスにより指定された文字画像データに、ポインティングデバイスにより形成された手書き情報を追加するよう構成することができる。
【００１７】
また、上記加工手段は、ポインティングデバイスにより指定された文字画像データに、その文字画像データの特性に対応した文書関連情報を追加するよう構成することができる。
【００１８】
ポインティングデバイスにより指定された文字画像データとは、例えば、２点の位置座標から特定される領域内に含まれる文字画像データやポインティングデバイスのポインタに触れた文字画像データ等が該当する。
【００１９】
また、文字画像データの特性は、その文字画像データのフォント、書式、色、濃度、文字列の方向のうち、少なくとも一つを含むことができる。
【００２０】
また、文書関連情報は、下線、二重線、黒塗潰し、白塗潰し、訂正印のうち、少なくとも一つを含むことができる。
【００２１】
また、上記加工手段は、ポインティングデバイスにより指定された文字画像データを削除するよう構成することができる。
【００２２】
また、上記加工手段は、ポインティングデバイスにより指定された文字画像データを所定の倍率に拡大または縮小するよう構成することができる。
【００２３】
さらに、上記加工手段により加工された文字画像データに基づいて、シートに画像形成を施す画像形成手段を備えるよう構成することができる。
【発明の効果】
【００２４】
本発明の画像形成装置によれば、ポインティングデバイスにより指定された範囲内の画像データのうち、文字画像データをプレビュー画像としてパネルの画面に表示し、ポインティングデバイスにより指定された文字画像データに加工を施すよう構成している。
【００２５】
これにより、印刷に必要な文字画像をプレビュー画像にて確認することができるとともに、その文字画像のうち、加工が必要な文字画像をユーザのポインティングデバイス操作によって、加工することが可能となる。そのため、例えば、原稿に汚れが生じている場合や画像読取部周辺に付着物等が付着している場合であっても、その汚れ等の画像データに阻害されることなく、文字画像データに適切に加工を施すことが可能となる。
【００２６】
また、ポインティングデバイスにより指定された文字画像データに、ポインティングデバイスにより形成された手書き情報を追加するよう構成することができる。
【００２７】
これにより、原稿の汚れが著しい場合であっても、その汚れに起因する画像データのために手書きの情報も視認し難くなることがなく、ユーザの意図に沿った手書き情報を文字画像データに適切に追加することが可能となる。
【００２８】
また、ポインティングデバイスにより指定された文字画像データに、その文字画像データの特性に対応した文書関連情報を追加するよう構成することができる。
【００２９】
これにより、ポインティングデバイスによる操作では適切に入力出来ない、下線、二重線、黒塗潰し等の文書関連情報であっても、文字画像データのフォント、書式、色等に対応して追加させることが可能となる。そのため、ユーザが文書関連情報を文字画像データに追加する際に、手間取ることなく、最適な文書関連情報を追加することが可能となる。
【００３０】
また、ポインティングデバイスにより指定された文字画像データを削除するよう構成することができる。
【００３１】
これにより、ポインティングデバイスにより指定された企業秘密を含む文字画像データを容易かつ適切に削除することが可能となる。そのため、従来より行なっていた文字画像データの塗りつぶし作業を省くことが可能となり、迅速に原稿の文字画像を削除することが可能となる。
【００３２】
また、ポインティングデバイスにより指定された文字画像データを所定の倍率に拡大または縮小するよう構成することができる。
【００３３】
これにより、例えば、原稿の文字画像が通常の文字と比較して小さい場合や大きい場合であっても、ポインティングデバイスによりユーザが確認したい文字画像データを拡大または縮小することが可能となる。そのため、上記拡大または縮小により、ユーザの意図に従って文字画像データを適切に加工することが可能となり、ユーザの利便性を損なうことなく画像形成装置を機動的に対応させることが可能となる。
【００３４】
さらに、加工された文字画像データに基づいて、シートに画像形成を施すよう構成することができる。
【００３５】
これにより、原稿に汚れや付着物に起因した画像等が存在したとしても、原稿の文字画像に基づいて、印刷物を出力することが可能となるため、出力される印刷物は常に必要な情報が印刷されるとともに、不要な印刷に伴うトナー、インク等が消費されることはない。そのため、例えば、蔵書等を新たに印刷物として複写する場合、出力される印刷物は、不要な画像データを含まず、必要な文字画像を含む綺麗な印刷物となるため、最適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【００３６】
以下に、添付図面を参照して、本発明の画像形成装置の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。また、フローチャートにおける数字の前に付されたアルファベット「Ｓ」はステップを意味する。
【００３７】
＜画像形成装置＞
以下に、本発明に係る画像形成装置について説明する。
【００３８】
図１は、画像形成装置１００の概略模式図である。ただし、本発明に直接には関係しない各部の詳細は省略している。
【００３９】
本発明の画像形成装置１００は、例えばプリンタやスキャナ単体、あるいはプリンタ、コピー、スキャナ、ファックス等を備えた複合機等が該当する。
【００４０】
なお、一例として複合機を利用して原稿のコピー機能を提供する際の画像形成装置の動作を簡単に説明する。
【００４１】
ユーザが複合機１００を利用して例えば原稿Ｐの印刷を行う場合、原稿Ｐを図１に示す原稿台１０１、或いは載置台１０２に配置し、原稿台１０１近傍に供えられた操作部１０３に対して印刷の指示を行う。当該指示があると、以下に示す各部（駆動部）が動作することで、印刷が行われる。
【００４２】
即ち、図１に示すように、本実施の形態の画像形成装置１００は、本体１０４と、本体１０４の上方に取り付けられたプラテンカバー１０５を備える。本体１０４の上面は原稿台１０１が設けられており、原稿台１０１は、プラテンカバー１０５によって開閉されるようになっている。プラテンカバー１０５は、自動原稿給紙装置１０６と載置台１０２と排紙台１０７が設けられている。
【００４３】
自動原稿給紙装置１０６は、プラテンカバー１０５の内部に形成された原稿搬送路１０８と、プラテンカバー１０５の内部に備えられたピックアップローラ１０９や搬送ローラ１１０Ａ、１１０Ｂ等で構成される。原稿搬送路１０８は、載置台１０２から、本体１０４に設けられた画像読取部１１１にて読み取りが行なわれる読取位置Ｘを経由して、排紙台１０７に通じる原稿の搬送路である。
【００４４】
自動原稿給紙装置１０６は、載置台１０２に載置された複数の原稿から１枚ずつ原稿をピックアップローラ１０９で搬送路内１０８に引き出し、搬送ローラ等によって引き出した原稿を、読取位置Ｘを通過させて、搬送ローラ１１０Ｂにより排紙台１０７に排紙する。読取位置Ｘを通過する時に原稿は画像読取部１１１にて読み取られる。
【００４５】
上記画像読取部１１１は、原稿台１０１の下方に設けられており、図２にその詳細が示されている。画像読取部１１１は、原稿台１０２を照射する走査方向に長い光源１１２と、原稿台からの光を選択的に通過させるスリット１１３と、原稿台からの光を導くミラー１１４とを備える第一の移動キャリッジ１１５や、第一の移動キャリッジ１１５からの反射光を再度反射するミラー１１６Ａ、１１６Ｂを備える第二の移動キャリッジ１１７、さらにミラーで導かれた光を光学的に補正するレンズ群１１８、当該レンズ群１１８より補正された光を受光する撮像素子１１９、撮像素子１１９にて受光した光を電気信号に変換し、必要に応じて補正処理・画質処理・圧縮処理などを行う画像データ生成部１２０とで構成されている。
【００４６】
自動原稿給紙装置１０６上の原稿を読み取る場合には、光源１１２は、読取位置Ｘを照射できる位置に移動して発光する。光源１１２からの光は、原稿台１０１を透過して読取位置Ｘを通過する原稿にて反射し、スリット１１３、ミラー１１４、１１６Ａ、１１６Ｂ、レンズ群１１８によって撮像素子１１９に導かれる。撮像素子１１９は、受光した光を電気信号に変換して画像データ生成部１２０に送信する。画像データ生成部１２０には、上記撮像素子１１９にて受光された光がＲ（レッド）、Ｇ（グリーン）、Ｂ（ブルー）のアナログ電気信号として入力され、ここでアナログ−デジタル変換され、即ちデジタル化される。さらに、画像データ生成部１２０では、順次変換されたデジタル信号を単位データとし、これら単位データを補正処理、画質処理、圧縮処理等することで複数の単位データからなる画像データを生成する。
【００４７】
また、画像読取部１１１は、自動原稿給紙装置１０６で搬送される原稿だけでなく、原稿台１０１に載置された原稿も読み取ることが可能となっている。原稿台１０１に載置された原稿を読み取る場合は、第一のキャリッジ１１４は、光源１１２を発光しながら副走査方向に移動し、光源１１２から撮像素子１１９までの光路長を一定にするために、第二の移動キャリッジ１１７は第一の移動キャリッジ１１５の１／２の速度で撮像素子１１９方向に移動する。
【００４８】
撮像素子１１９は、自動原稿給紙装置１０６に搬送された原稿のときと同様に、ミラー１１４、１１６Ａ、１１６Ｂに導かれた光に基づいて原稿台１０１に載置された原稿からの光を電気信号に変換し、これに基づいて画像データ生成部１２０が画像データを生成し、記憶部１２０Ｂに記憶する。
【００４９】
本体１０４の画像読取部１１１の下方には、画像データを印刷する画像形成部１２１を備えている。画像形成部１２１が印刷できる画像データは、上記のように画像データ生成部１２０にて生成されたものや、その他画像形成装置１００とＬＡＮ等のネットワークに接続されたパーソナルコンピューター等の端末から、ネットワークインターフェイスを介して受信したものである。
【００５０】
画像形成部１２１が行う印刷方式には、電子写真方式が用いられている。即ち、感光ドラム１２２を帯電器１２３で一様に帯電させ、その後レーザ１２４で感光ドラム１２２を照射して感光ドラム１２２に潜像を形成し、現像器１２５で潜像にトナーを付着させて可視像を形成し、転写ローラにて可視像を転写媒体に転写する方式である。
【００５１】
なお、フルカラー画像に対応した画像形成装置では、上記現像器（ロータリー現像器）１２５が、図１の紙面に対して垂直方向に構成される回転軸を中心として周方向に回転させられ、対応する色のトナーが格納された現像ユニットが感光ドラム１２２の対向位置に配置される。この状態で、感光ドラム１２２上の潜像が、現像器１２５が格納するトナーにより現像され、中間転写ベルト１２６Ａに転写される。なお、現像器１２５は、イエロー（Ｙ）、シアン(Ｃ)、マゼンタ(Ｍ)、ブラック(Ｋ)の各トナーをそれぞれ格納する４つの現像ユニット１２５（Ｙ）、(Ｃ)、(Ｍ)、(Ｋ)を有している。上記中間転写ベルト１２６Ａへの転写を上記各色毎に繰り返すことにより、当該中間転写ベルト１２６Ａ上にフルカラー画像が形成される。
【００５２】
可視像が印刷される転写媒体、即ち用紙は、給紙カセット１３２、１３３、１３４などの給紙トレイに載置されたものである。
【００５３】
画像形成部１２１が印刷を行う際には、何れか１つの給紙トレイから転写媒体１枚を、ピックアップローラ１３５を用いて引き出し、引き出した転写媒体を搬送ローラ１３６やレジストローラ１３７で中間転写ベルト１２６Ａと転写ローラ１２６Ｂの間に送り込む。
【００５４】
画像形成部１２１は、中間転写ベルト１２６Ａと転写ローラ１２６Ｂの間に送り込んだ転写媒体に、上記中間転写ベルト１２６Ａ上の可視像を転写すると、可視像を定着させるために、搬送ベルト１２７で定着部１２８（定着装置）に転写媒体を送る。定着部１２８は、ヒータが内蔵された加熱ローラ１２９と、所定の圧力で加熱ローラ１２９に押し当てられた加圧ローラ１３０とで構成されている。加熱ローラ１２９と加圧ローラ１３０の間を転写媒体が通過すると、熱と転写媒体への押圧力によって可視像が転写媒体に定着する。定着が行われた転写媒体は排紙トレイ１３１に排紙される。
【００５５】
上記手順により、複合機１００はコピー機能の処理をユーザに提供する。なお、原稿Ｐに光源１１２を照射してからその原稿Ｐの画像を画像データとして読み取りを実行する手段を画像読取手段、画像データに基づいて、シートに画像形成処理を施す手段を画像形成手段とする（後述する）。
【００５６】
図３は、上記複合機１００に備えられた操作部１０３の外観の一例を示す図である。ユーザは、上記操作部１０３を用いて、上述のような画像形成についての設定条件等を入力したり、入力された設定条件を確認したりする。上記設定条件が入力される場合、上記操作部１０３に備えられたタッチパネル３０１、タッチペン３０２、操作キー３０３が用いられる。
【００５７】
上記タッチパネル３０１には、設定条件を入力する機能と当該設定条件を表示する機能が兼ね備えられている。すなわち、タッチパネル３０１上に表示された設定画面内の項目を押下することによって、項目に関連付けられた設定条件が入力される。また、入力された設定条件に連動して項目の背景色が白色から灰色へ変更されるため、項目の背景色によって、入力された設定条件が確認される。
【００５８】
タッチパネル３０１の近傍には、タッチペン３０２が備えられており、ユーザがそのタッチペン３０２の先をタッチパネル３０１に接触させると、タッチパネル下に設けられたセンサーが接触先を検知する。タッチペンの先は、ほぼ点に近いため、上記センサーは、例えば、接触先をドット単位（最小単位）で検知することとなる。従って、例えばタッチパネル３０１内の位置を指で指定する場合と比較すると、タッチペンで位置指定する方がより細かい位置を正確に指定することができる。
【００５９】
タッチペン３０２により指定される設定画面には、読み込まれた原稿の画像データから生成された印刷物を模したプレビュー画像３０４と、そのプレビュー画像に対して所定の指示を表示した所定数の選択項目３０５とが表示される。ユーザが、タッチペン３０２により、プレビュー画像３０４のうち、所定の位置を指定することが可能であり、また、表示された選択項目３０５を選択・押下することが可能である。
【００６０】
さらに、タッチパネル３０１近傍には、所定数の操作キー３０３が設けられ、例えば、テンキー３０６、スタートキー３０７、クリアキー３０８、ストップキー３０９、リセットキー３１０、電源キー３１１が備えられている。なお、上記テンキー３０６は、部数や倍率を設定する際に具体的な数字の入力に用いられる。
【００６１】
次に、図４を用いて、複合機１００の制御系ハードウェアの構成を説明する。図４は、複合機における制御系ハードウェアの概略構成図である。ただし、本発明に直接には関係しない各部の詳細は省略している。
【００６２】
複合機１００の制御回路は、ＣＰＵ（Ｃｅｎｔｒａｌ Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ Ｕｎｉｔ）４０１、ＲＯＭ（Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ）４０２、ＲＡＭ（Ｒａｎｄｏｍ Ａｃｃｅｓｓ Ｍｅｍｏｒｙ）４０３、ＨＤＤ（Ｈａｒｄ Ｄｉｓｋ Ｄｒｉｖｅ）４０４、各駆動部に対応するドライバ４０５を内部バス４０６によって接続している。上記ＣＰＵ４０１は、例えば、ＲＡＭ４０３を作業領域として利用し、上記ＲＯＭ４０２、ＨＤＤ４０４等に記憶されているプログラムを実行し、当該実行結果に基づいて上記ドライバ４０５と図示しない操作部１０３からのデータや指示を授受し、上記図１に示した各駆動部の動作を制御する。また、上記駆動部以外の後述する各手段（図５に示す）についても、上記ＣＰＵ４０１がプログラムを実行することで当該各手段を実現する。上記ＲＯＭ４０２、ＨＤＤ４０４等には、以下に説明する各手段を実現するプログラムやデータが記憶されている。
【００６３】
次に図５、図６を参照しながら、本発明に係る複合機１００が原稿の文字画像に加工を施す手順について説明する。図５は、本発明に係る複合機１００の機能ブロック図である。図６は、本発明に係る複合機１００の動作を示すためのフローチャートである。
【００６４】
まず、ユーザが、原稿Ｐを原稿台１０１に載置して、複合機１００の電源を投入すると、初期画面表示手段５０１が、タッチパネル３０１上に初期画面（ここでは、図７Ａに示すコピー設定画面）を表示する。初期画面には、コピーサービスの設定を行なうための通常の項目の他に、「プレビュー」ボタン７０１が表示されている。そこで、ユーザが上記「プレビュー」ボタン７０１を押下すると、画像読取手段５０２が、原稿の画像読取処理を開始する（図６：Ｓ１０１）。
【００６５】
画像読取手段５０２が原稿の画像データの読み取りを終了すると、読み取った画像データをプレビュー表示手段５０３に送信し、それを受信したプレビュー表示手段５０３は、画像データに対応するプレビュー画像を生成する。さらに、プレビュー表示手段５０３は、初期画面から上記プレビュー画像７０２と所定数の選択項目７０３とを表示したプレビュー画像表示画面をタッチパネル３０１上に表示する（図６：Ｓ１０２）。
【００６６】
プレビュー画像表示画面には、図７Ｂに示すように、先ほどのプレビュー画像７０２と、所定数の選択項目７０３、例えば、「初期化」、「戻る」、「文字以外消去」、「全て消去」、「拡大」、「縮小」、「色指定」、「情報付加」、「手書き」、「保存」とが表示される。なお、画面上に表示された「保存」ボタンを押下すると、プレビュー画像表示画面に表示されたプレビューの画像データを、所定の記憶手段に記憶させることができる。
【００６７】
表示されたプレビュー画像の左隅に、例えば、不定形な汚れに対応する画像データ７０４と画像読取部の付着物に起因した黒点の画像データ７０５が存在した場合、ユーザは、操作部１０３に備えられたタッチペン３０２を利用して、その画像データに対して左上の位置に１点７０６、右下の位置に１点７０７位置指定すると、プレビュー表示手段５０３が、上記画像データを囲むように、その２点を対角線とした長方形の枠７０８を表示する（図６：Ｓ１０３）。
【００６８】
さらに、ユーザがタッチペン３０２によって選択項目「文字以外消去」７０９を押下すると、プレビュー表示手段５０３が、上記長方形の枠７０８内の画像データを文字識別手段５０４に送信し、文字識別手段５０４は、受け取った画像データのうち、文字に対応する文字画像データを識別する（図６：Ｓ１０４）。
【００６９】
文字画像データを識別する方法は、例えば、画像データから、所定の閾値よりも高い濃度を有する画像データを抽出し、その抽出された画像データと予め記憶されている文字パターンとを比較して、その文字パターンに適合する画像データがあれば、その画像データを文字画像データとして識別する方法が挙げられる。なお、所定の閾値は、文字画像データの濃度である黒乃至グレーの濃度に対応する画像データを抽出するように決定される。
【００７０】
具体的には、文字識別手段５０４が、図８Ｃ１に示す画像データ８０１（７０８）を受信すると、その画像データから所定の閾値（例えば、グレーに対応する濃度値）以上の画像データを抽出する。すると、文字識別手段５０４は、図８Ｃ２に示すように、汚れに起因する画像データ８０２（７０４）を除いた画像データ、すなわち、文字画像「ａ」に基づく画像データ８０３と付着物に起因する黒点の画像データ８０４（７０５）とを抽出する。さらに、文字識別手段５０４が、所定の文字パターンを記憶している文字識別情報記憶手段５０５を参照して、抽出された画像データと所定の文字パターンとを比較し、例えば、文字画像「ａ」は文字パターン「ａ」と合致するため、文字画像データとして識別し、黒点の画像データは合致する文字パターンがないため、文字画像データとして識別しない。上記処理により、文字識別手段５０４は、図８Ｃ３に示すように、付着物に起因する黒点の画像データ８０４（７０５）を除いた文字画像データ「ａ」８０３を識別することとなり、文字画像データを正確に識別することが可能となる。なお、最初の抽出処理は、文字画像データの識別を正確にするための処理であり、省略しても構わない。
【００７１】
識別された文字画像データ８０３は文字表示手段５０６に送信され、文字表示手段５０６は、その文字画像データに対応するプレビュー画像を生成して、パネルの画面のプレビュー画像表示画面に表示する（図６：Ｓ１０５、図８Ｄ）。なお、この時点では、先ほどタッチペンにて指定された長方形の枠７０８は、そのまま表示されることとなる。
【００７２】
そこで、ユーザがプレビュー画像を見ながら、選択項目「拡大」８０５を押下すると、加工手段５０７が「拡大」８０５の押下を検知し、文字表示手段５０６が長方形の枠７０８内に表示した文字画像データを取得し、その文字画像データに所定の倍率にて拡大処理を施して、拡大された文字画像データを文字表示手段５０６に再送信する。すると、文字表示手段５０６は、図９Ｅに示すように、拡大された文字画像データを、プレビュー画像表示画面に表示させる（図６：Ｓ１０６）。なお、上記所定の倍率は、加工手段５０７が取得した文字画像データを、プレビュー画像表示画面に表示されるプレビュー画像全てに表示可能となる倍率である。また、上記「拡大」８０５の背景色は灰色で表示される。
【００７３】
次に、ユーザは、図９Ｅに示す拡大された文字画像データのプレビュー画像を見ながら、選択項目「手書き」９０１を押下すると、文字表示手段５０６がプレビュー画像表示画面に接触したタッチペン３０２の位置情報を受け付ける状態にして、「手書き」９０１の背景色を灰色で表示し、さらに、ユーザが、タッチペン３０２を用いてプレビュー画像表示画面上に「ｂｃ」９０２と描くと、加工手段５０７が、タッチペン３０２により描かれた「ｂｃ」９０２に対応する位置情報を検知し、その位置情報に黒色のドットに対応する黒画像データを追加して、その黒画像データを文字表示手段５０６に送信する。黒画像データを受け取った文字表示手段５０６は、当該黒画像データを先ほどの文字画像データに追加してプレビュー画像を生成し、そのプレビュー画像をプレビュー画像表示画面に表示する（図６：Ｓ１０７）。なお、例えば、ユーザにより「色指定」に属する赤色が選択された場合、加工手段５０７は、上述した黒色のドットの代わりに赤色のドットに対応する赤画像データを位置情報に追加することとなる。
【００７４】
ユーザが、「ｂｃ」９０２が付加されたプレビュー画像表示画面を見ながら、「手書き」９０１を押下すると、「手書き」９０１の背景色が白色で表示され、「ｂｃ」９０２に対応する手書き情報の追加が決定される。なお、「手書き」９０１を押下するとともに、「色指定」を白色に選択すれば、タッチペン３０２の操作によって、ドット単位の小さい画像データに白画像データを追加することができ、言い換えると、その小さい画像データを削除することができる。小さい画像データは、例えば、プラテンガラスのキズに起因した画像データ等が該当する。
【００７５】
さらに、ユーザが、図９Ｆに示すように、タッチペン３０２にて所定の文字画像データ９０３を囲むように第二の長方形の枠９０４を形成し、「情報付加」９０５を押下すると、文字表示手段５０６が、「情報付加」９０５の背景色を灰色で表示して、文書関連情報記憶手段５０８を参照し、その「情報付加」９０５に関連付けられた所定の文書関連情報を表示する。上記文書関連情報には、例えば、「下線」、「二重線」、「黒塗潰し」、「白塗潰し」、「訂正印」等が挙げられ、文書内の文字に使用される付加情報が示される。
【００７６】
そこで、ユーザがタッチペン３０２を用いて「二重線」９０６を押下すると、加工手段５０７が、文字表示手段５０６から第二の長方形の枠９０４に囲まれた文字画像データを取得して、その文字画像データの特性、例えば、フォント、書式、色、濃度、文字列の方向を判定する。判定する方法は、例えば、加工手段５０７が、所定の文字画像データの特性パターンを記憶している文字特性情報記憶手段５０９を参照して、取得した文字画像データと所定の文字画像データの特性パターンとを比較し、合致する所定の文字画像データの特性パターンがあれば、文字画像データの特性をその特性パターンの属する特性として判定する方法である。
【００７７】
加工手段５０７が、文字画像データの特性を判定すると、その特性に合致する「二重線」９０６の文書関連情報を文書関連情報記憶手段５０８から取得し、指定された文字画像データに追加して、文字表示手段５０６に送信する。例えば、指定された文字画像データの特性のうち、フォントが１０ポイントと判定されれば、加工手段５０７は１０ポイントに対応する「二重線」９０６を、その文字画像データに追加することとなる。さらに、文字表示手段５０６は、受信した文字画像データに対応するプレビュー画像を生成し、そのプレビュー画像を、図１０Ｇに示すように、プレビュー画像表示画面に再表示する（図６：Ｓ１０８）。
【００７８】
ユーザが、「二重線」９０６が付加されたプレビュー画像表示画面を見ながら、「情報付加」９０５を押下すると、「情報付加」９０５の背景色が白色で表示され、「二重線」９０６に対応する文書関連情報の追加が決定される。
【００７９】
さらに、ユーザが、選択項目「縮小」１００１を押下すると、加工手段５０７が「縮小」１００１の押下を検知し、加工された文字画像データに所定の倍率にて縮小処理を施し、文字表示手段５０６が縮小された文字画像データに対応するプレビュー画像を表示する（図６：Ｓ１０９）。
【００８０】
ユーザは、加工の出来具合を確認し、スタートキー３０７を押下すると、文字表示手段５０６が、加工された文字画像データを画像形成手段５１０に送信し、その画像形成手段５１０は、受信した文字画像データに基づいてシートに画像形成を施す（図６：Ｓ１１０）。
【００８１】
このように、タッチペン３０２により指定された範囲内の画像データのうち、文字画像データをプレビュー画像としてパネルの画面に表示し、タッチペン３０２により指定された文字画像データに加工を施すよう構成している。
【００８２】
これにより、印刷に必要な文字画像をプレビュー画像にて確認することができるとともに、その文字画像のうち、加工が必要な文字画像をユーザのタッチペン操作によって、加工することが可能となる。
【００８３】
また、タッチペン３０２により指定された文字画像データに、タッチペン３０２により形成された手書き情報を追加するよう構成することができる。
【００８４】
これにより、原稿の汚れが著しい場合であっても、その汚れに起因する画像データのために手書きの情報も視認し難くなることがなく、ユーザの意図に沿った手書き情報を文字画像データに適切に追加することが可能となる。
【００８５】
また、タッチペン３０２により指定された文字画像データに、その文字画像データの特性に対応した文書関連情報を追加するよう構成することができる。
【００８６】
これにより、タッチペン３０２による操作では適切に入力出来ない、下線、二重線、黒塗潰し等の文書関連情報であっても、文字画像データのフォント、書式、色等に対応して追加させることが可能となる。
【００８７】
また、タッチペン３０２により指定された文字画像データを所定の倍率に拡大または縮小するよう構成することができる。
【００８８】
これにより、例えば、原稿の文字画像が通常の文字と比較して小さい場合や大きい場合であっても、タッチペン３０２によりユーザが確認したい文字画像データを拡大または縮小することが可能となる。
【００８９】
さらに、加工された文字画像データに基づいて、シートに画像形成を施すよう構成することができる。
【００９０】
これにより、原稿に汚れや付着物に起因した画像等が存在したとしても、原稿の文字画像に基づいて、印刷物を出力することが可能となるため、出力される印刷物は常に必要な情報が印刷されるとともに、不要な印刷に伴うトナー、インク等が消費されることはない。
【００９１】
なお、本発明の実施形態における文字表示手段５０６は、識別された文字画像データに対応するプレビュー画像を表示するよう構成したが、ユーザの選択により、文字画像データに代え、または文字画像データとともに、当該文字画像データ以外の画像データを表示させるよう構成しても構わない。上記構成により、ユーザが文字画像以外の画像も印刷物として出力させたい場合など、ユーザの利便性を損なうことなく複合機１００を機動的に対応させることが可能となる。
【００９２】
また、本発明の実施形態における加工手段５０７は、タッチペン３０２により指定された文字画像データに、その文字画像データの特性に対応した文書関連情報を追加するよう構成したが、文書関連情報の追加に代えて、指定された文字画像データを削除するよう構成しても構わない。上記構成により、タッチペン３０２により指定された企業秘密を含む文字画像データを容易かつ適切に削除することが可能となる。そのため、従来より行なっていた文字画像データの塗りつぶし作業を省くことが可能となり、迅速に原稿の文字画像を削除することが可能となる。
【００９３】
また、本発明の実施形態における文字表示手段５０６は、識別された文字画像データに対応するプレビュー画像を表示するよう構成したが、ユーザの選択により、文字画像データ以外の画像データに対応するプレビュー画像を表示するよう構成しても構わない。
【００９４】
例えば、図１１Ｉに示すように、読み取られた画像データのプレビュー画像のうち、文字画像を含むように、タッチペン３０２により長方形の枠を指定し、選択項目「文字消去」１１０１を押下すると、長方形の枠内に含まれる文字画像データを文字識別手段５０４により識別させ、その文字画像データを削除し、さらにその文字画像データ以外の画像データに対応するプレビュー画像を表示するよう構成する。
【００９５】
上記構成により、図１１Ｊに示すように、今まで文字画像によって視認し難かった背景の画像を明確に認識することが可能となる。そのため、ポスター作成、パンフレット作成、絵画研究等の際に必要となる文字画像の削除作業を円滑に進めることが可能となる。
【００９６】
また、本発明の実施形態における文字表示手段５０６は、識別された文字画像データに対応するプレビュー画像を表示するよう構成したが、さらに、文字画像データ記憶手段を設けて、ユーザの選択により、加工された文字画像データをその文字画像データ記憶手段に記憶可能となるよう構成しても構わない。上記構成により、加工した文字画像データはユーザの意図に沿っていたものの、出力に供する紙が不適切であった等のトラブルが発生したとしても、直ちに加工した文字画像データを読み出して再現することが可能となる。
【００９７】
また、本発明の実施形態における文字識別手段５０４は、指定された画像データと予め記憶されている文字パターンとを比較して、その文字パターンに適合する画像データがあれば、その画像データを文字画像データとして識別する方法を採用したが、文字画像を識別可能な方法であれば、どのような方法でも採用することができる。例えば、指定された画像データを所定の区分に分割し、分割されたデータから、所定の特性値を算出し、特性値と文字パターンとを関連付けて記憶したテーブルを参照して、その特性値に対応する文字画像データの有無から文字画像データを識別するよう構成しても構わない。なお、上述した文字識別に関する技術は、例えば、ＯＣＲ（Ｏｐｔｉｃａｌ Ｃｈａｒａｃｔｅｒ Ｒｅａｄｅｒ、光学文字認識）、ＭＩＣＲ（Ｍａｇｎｅｔｉｃ Ｉｎｋ Ｃｈａｒａｃｔｅｒ Ｒｅｃｏｇｎｉｔｉｏｎ、磁気インク文字認識）、オフライン文字認識、オンライン文字認識、これらに関連する技術を採用することができる。また、文字画像データの特性を判定する方法についても、同様である。
【００９８】
また、本発明の実施形態では、複合機１００が各手段を備えるよう構成したが、当該各手段を実現するプログラムを記憶媒体に記憶させ、当該記憶媒体を提供するよう構成しても構わない。上記構成では、上記プログラムを複合機１００に読み出させ、その複合機１００が上記各手段を実現する。その場合、上記記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の作用効果を奏する。さらに、各手段が実行するステップをハードディスクに記憶させる記憶方法として提供することも可能である。
【００９９】
また、本発明の実施形態では、コピーサービスに関して採用したが、例えば、スキャナサービス、ファクシミリサービス、プリンタサービス等にも採用することができる。
【産業上の利用可能性】
【０１００】
以上のように、本発明に係る画像形成装置は、複写機、プリンタ、複合機等に有用であり、原稿の文字画像に加工を施すことが可能な画像形成装置として有効である。
【図面の簡単な説明】
【０１０１】
【図１】本発明に係る複合機の内部の全体構成を示す概念図である。
【図２】本発明に係る画像読取部の拡大図である。
【図３】本発明に係る操作部の全体構成を示す概念図である。
【図４】本発明に係る複合機の制御系ハードウェアの構成を示す図である。
【図５】本発明の実施形態における複合機の機能ブロック図である。
【図６】本発明の実施形態の実行手順を示すためのフローチャートである。
【図７】本発明の実施形態のタッチパネル上に表示された画面の一例を示す第一の図である。
【図８】本発明の実施形態のタッチパネル上に表示された画面の一例を示す第二の図である。
【図９】本発明の実施形態のタッチパネル上に表示された画面の一例を示す第三の図である。
【図１０】本発明の実施形態のタッチパネル上に表示された画面の一例を示す第四の図である。
【図１１】他の実施形態のタッチパネル上に表示された画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
【０１０２】
１００ 複合機
３０１ タッチパネル
３０２ タッチペン
５０１ 初期画面表示手段
５０２ 画像読取手段
５０３ プレビュー表示手段
５０４ 文字識別手段
５０５ 文字識別情報記憶手段
５０６ 文字表示手段
５０７ 加工手段
５０８ 文書関連情報記憶手段
５０９ 文字特性情報記憶手段
５１０ 画像形成手段
【技術分野】
【０００１】
本発明は、画像形成装置に関し、詳しくは、原稿の文字画像に加工を施すことが可能な画像形成装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
近年の画像形成装置では、原稿の画像データを読み取ると、その画像データをシートに印刷する前に、当該画像データに対応するプレビュー画像を画像形成装置に備えられたタッチパネルの画面上に一度表示する機能が設けられるようになりつつある。上記機能によって、ユーザは印刷物のイメージを確認することができ、ユーザの意図しない印刷物の出力を未然に防止することができる。
【０００３】
しかしながら、読み取った画像データには、印刷不要な画像データが混在していることが多く、上述した画像形成装置では、プレビュー画像にて印刷不要な画像データを確認できたとしても、その画像データを編集または加工することができない。そのため、印刷不要な画像を止むを得ず印刷して、その印刷に伴うトナー、インク等を無駄に消費するという問題があった。
【０００４】
上記問題を解決するために、特開２００６−２７７０５６号公報（特許文献１）には、アプリケーションから印刷用の画像データを取得する画像データ取得手段と、取得された画像データの印刷プレビュー画像を表示手段に表示させるプレビュー表示処理手段と、入力手段によって入力される外部操作による指令に基づき、上記印刷プレビュー画像における任意の範囲を選択可能とし、その選択範囲を識別可能な状態で表示手段に表示させる選択範囲表示処理手段と、上記選択範囲内の画像を単位として、印刷プレビュー画像を加工する画像加工処理を行う画像データ加工手段と、上記印刷プレビュー画像の印刷を印刷装置へ指示する印刷指示手段とを備えたことを特徴とする情報処理装置が開示されている。上記構成により、印刷プレビュー画像上での簡単な操作により、印刷が不要な部分を削除するといった画像の加工を行うことが可能となり、印刷装置におけるトナー、インク等の無駄な消費を抑えることができるとしている。
【０００５】
また、表示されたプレビュー画像に手書きの動作情報を入力することによって、その手書きの動作に対応する項目情報を当該プレビュー画像に付加する技術も開発されている。例えば、特開２００６−４１９４７号公報（特許文献２）には、原稿から読み込まれた画像情報を、画像情報の出力形式を規定する項目情報を表示する表示部と項目情報を入力する入力部を有する操作パネルから、入力された項目情報に基づいて出力する画像形成装置において、項目情報の入力を受け付ける項目入力手段と、入力された項目情報を視覚的に表したプレビュー画像情報を生成するプレビュー画像生成手段と、生成したプレビュー画像情報を操作パネルの表示部に表示するプレビュー画像表示手段と、操作パネルから項目情報の指示を示す手書きの動作情報の入力を受け付ける動作入力手段と、入力された手書きの動作情報を項目情報に変換する動作認識手段とを備え、項目入力手段は、さらに変換された項目情報の入力を受け付けることを特徴とする画像形成装置が開示されている。上記構成により、入力された項目をプレビュー画像で確認することができ、さらに、手書きの動作情報によって、表示されているプレビュー画像に項目情報を入力できるため、直感的でわかり易いユーザインタフェースを実現でき、高い操作性を得ることができるとしている。
【特許文献１】特開２００６−２７７０５６号公報
【特許文献２】特開２００６−４１９４７号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
しかしながら、例えば、文字画像データと写真画像データとが混在する画像データにおいて、写真画像データのみが印刷不要な画像データに該当する場合、特許文献１に記載の技術では、選択範囲内の画像データを全て削除してしまうため、印刷不要な写真画像データを適切に削除できないという問題がある。また、選択範囲は所定の形状（例えば、長方形、円等）で指定されるため、例えば、不定形な形状を有する写真画像データを指定し難いという問題がある。
【０００７】
また、特許文献２に記載の技術では、プレビュー画像に手書きの動作に対応する項目情報を付加することができるものの、印刷が必要な画像データと印刷不要な画像データとに対して別個に付加するわけではないため、例えば、印刷が必要な文字画像データにのみ、所定の情報を付加することができないという問題がある。
【０００８】
さらに、プレビュー画像内の画像データのうち、印刷が必要な画像データは、ほとんどの場合、文字画像データであるという実態があり、文字画像データに加工を施したい、または文字画像データ以外の画像データを消去したいというユーザ側の要望がある。例えば、原稿に汚れが生じている場合や画像読取部周辺に付着物等が付着している場合、汚れや付着物等に起因する画像データが、原稿の内容とともに生成されるため、その汚れや付着物に起因する画像データをプレビュー画像にて確認できるものの、上述した技術では対応することができず、結局、文字画像とともに汚れ等も印刷してしまうという問題がある。
【０００９】
また、原稿の文字画像とともに汚れ等が読み取られた場合、その文字画像データに、さらに手書きの情報を加えると、汚れ等に起因する画像データが文字画像データの視認性を阻害し、文字画像データに的確に手書きの情報を加えることができないという問題がある。そのため、たとえ、手書きの情報を加えたとしても、汚れ等の画像データのために原稿の内容が視認し難く、印刷自体が無駄になるという問題もある。
【００１０】
そこで、本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、原稿の文字画像に加工を施すことが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１１】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る画像形成装置は、原稿の画像データを読み取った際に、画像データをプレビュー画像としてパネルの画面に表示する表示手段と、その画面上の位置を指定するポインティングデバイスとを備える画像形成装置において、ポインティングデバイスにより指定された範囲内の画像データのうち、文字に対応する文字画像データを識別する文字識別手段と、上記文字識別手段により識別された文字画像データを、プレビュー画像としてパネルの画面に表示する文字表示手段と、ポインティングデバイスにより指定された文字画像データに、加工を施す加工手段とを備える。
【００１２】
パネルは、例えば、ディスプレイのガラスの上に直接センサーを用意し、ユーザが直接画面を指で触ることによって位置座標を得ることができるポインティングデバイスを兼ね備えたタッチパネルを採用することができる。さらに、タッチパネルを採用する際には、そのタッチパネル上の位置座標を的確に指定することが可能なタッチペンを使用することが好ましい。
【００１３】
ポインティングデバイスは、上記タッチパネルの他に、パネルの画面上での位置座標を指定する入力機器であるマウス、トラックパッド、トラックボール等を採用することができる。
【００１４】
指定された範囲内の画像データとは、例えば、２点の位置座標から特定される領域内に含まれた画像データが該当し、その領域の形状は、例えば、正方形、長方形、楕円、円等を採用することができる。さらに、２点以上の位置座標から領域を特定するよう構成しても構わない。
【００１５】
文字に対応する文字画像データを識別する方法は、例えば、指定された画像データと予め記憶されている文字パターンとを比較して、その文字パターンに適合する画像データがあれば、その画像データを文字画像データとして識別する方法を採用することができる。
【００１６】
また、上記加工手段は、ポインティングデバイスにより指定された文字画像データに、ポインティングデバイスにより形成された手書き情報を追加するよう構成することができる。
【００１７】
また、上記加工手段は、ポインティングデバイスにより指定された文字画像データに、その文字画像データの特性に対応した文書関連情報を追加するよう構成することができる。
【００１８】
ポインティングデバイスにより指定された文字画像データとは、例えば、２点の位置座標から特定される領域内に含まれる文字画像データやポインティングデバイスのポインタに触れた文字画像データ等が該当する。
【００１９】
また、文字画像データの特性は、その文字画像データのフォント、書式、色、濃度、文字列の方向のうち、少なくとも一つを含むことができる。
【００２０】
また、文書関連情報は、下線、二重線、黒塗潰し、白塗潰し、訂正印のうち、少なくとも一つを含むことができる。
【００２１】
また、上記加工手段は、ポインティングデバイスにより指定された文字画像データを削除するよう構成することができる。
【００２２】
また、上記加工手段は、ポインティングデバイスにより指定された文字画像データを所定の倍率に拡大または縮小するよう構成することができる。
【００２３】
さらに、上記加工手段により加工された文字画像データに基づいて、シートに画像形成を施す画像形成手段を備えるよう構成することができる。
【発明の効果】
【００２４】
本発明の画像形成装置によれば、ポインティングデバイスにより指定された範囲内の画像データのうち、文字画像データをプレビュー画像としてパネルの画面に表示し、ポインティングデバイスにより指定された文字画像データに加工を施すよう構成している。
【００２５】
これにより、印刷に必要な文字画像をプレビュー画像にて確認することができるとともに、その文字画像のうち、加工が必要な文字画像をユーザのポインティングデバイス操作によって、加工することが可能となる。そのため、例えば、原稿に汚れが生じている場合や画像読取部周辺に付着物等が付着している場合であっても、その汚れ等の画像データに阻害されることなく、文字画像データに適切に加工を施すことが可能となる。
【００２６】
また、ポインティングデバイスにより指定された文字画像データに、ポインティングデバイスにより形成された手書き情報を追加するよう構成することができる。
【００２７】
これにより、原稿の汚れが著しい場合であっても、その汚れに起因する画像データのために手書きの情報も視認し難くなることがなく、ユーザの意図に沿った手書き情報を文字画像データに適切に追加することが可能となる。
【００２８】
また、ポインティングデバイスにより指定された文字画像データに、その文字画像データの特性に対応した文書関連情報を追加するよう構成することができる。
【００２９】
これにより、ポインティングデバイスによる操作では適切に入力出来ない、下線、二重線、黒塗潰し等の文書関連情報であっても、文字画像データのフォント、書式、色等に対応して追加させることが可能となる。そのため、ユーザが文書関連情報を文字画像データに追加する際に、手間取ることなく、最適な文書関連情報を追加することが可能となる。
【００３０】
また、ポインティングデバイスにより指定された文字画像データを削除するよう構成することができる。
【００３１】
これにより、ポインティングデバイスにより指定された企業秘密を含む文字画像データを容易かつ適切に削除することが可能となる。そのため、従来より行なっていた文字画像データの塗りつぶし作業を省くことが可能となり、迅速に原稿の文字画像を削除することが可能となる。
【００３２】
また、ポインティングデバイスにより指定された文字画像データを所定の倍率に拡大または縮小するよう構成することができる。
【００３３】
これにより、例えば、原稿の文字画像が通常の文字と比較して小さい場合や大きい場合であっても、ポインティングデバイスによりユーザが確認したい文字画像データを拡大または縮小することが可能となる。そのため、上記拡大または縮小により、ユーザの意図に従って文字画像データを適切に加工することが可能となり、ユーザの利便性を損なうことなく画像形成装置を機動的に対応させることが可能となる。
【００３４】
さらに、加工された文字画像データに基づいて、シートに画像形成を施すよう構成することができる。
【００３５】
これにより、原稿に汚れや付着物に起因した画像等が存在したとしても、原稿の文字画像に基づいて、印刷物を出力することが可能となるため、出力される印刷物は常に必要な情報が印刷されるとともに、不要な印刷に伴うトナー、インク等が消費されることはない。そのため、例えば、蔵書等を新たに印刷物として複写する場合、出力される印刷物は、不要な画像データを含まず、必要な文字画像を含む綺麗な印刷物となるため、最適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【００３６】
以下に、添付図面を参照して、本発明の画像形成装置の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。また、フローチャートにおける数字の前に付されたアルファベット「Ｓ」はステップを意味する。
【００３７】
＜画像形成装置＞
以下に、本発明に係る画像形成装置について説明する。
【００３８】
図１は、画像形成装置１００の概略模式図である。ただし、本発明に直接には関係しない各部の詳細は省略している。
【００３９】
本発明の画像形成装置１００は、例えばプリンタやスキャナ単体、あるいはプリンタ、コピー、スキャナ、ファックス等を備えた複合機等が該当する。
【００４０】
なお、一例として複合機を利用して原稿のコピー機能を提供する際の画像形成装置の動作を簡単に説明する。
【００４１】
ユーザが複合機１００を利用して例えば原稿Ｐの印刷を行う場合、原稿Ｐを図１に示す原稿台１０１、或いは載置台１０２に配置し、原稿台１０１近傍に供えられた操作部１０３に対して印刷の指示を行う。当該指示があると、以下に示す各部（駆動部）が動作することで、印刷が行われる。
【００４２】
即ち、図１に示すように、本実施の形態の画像形成装置１００は、本体１０４と、本体１０４の上方に取り付けられたプラテンカバー１０５を備える。本体１０４の上面は原稿台１０１が設けられており、原稿台１０１は、プラテンカバー１０５によって開閉されるようになっている。プラテンカバー１０５は、自動原稿給紙装置１０６と載置台１０２と排紙台１０７が設けられている。
【００４３】
自動原稿給紙装置１０６は、プラテンカバー１０５の内部に形成された原稿搬送路１０８と、プラテンカバー１０５の内部に備えられたピックアップローラ１０９や搬送ローラ１１０Ａ、１１０Ｂ等で構成される。原稿搬送路１０８は、載置台１０２から、本体１０４に設けられた画像読取部１１１にて読み取りが行なわれる読取位置Ｘを経由して、排紙台１０７に通じる原稿の搬送路である。
【００４４】
自動原稿給紙装置１０６は、載置台１０２に載置された複数の原稿から１枚ずつ原稿をピックアップローラ１０９で搬送路内１０８に引き出し、搬送ローラ等によって引き出した原稿を、読取位置Ｘを通過させて、搬送ローラ１１０Ｂにより排紙台１０７に排紙する。読取位置Ｘを通過する時に原稿は画像読取部１１１にて読み取られる。
【００４５】
上記画像読取部１１１は、原稿台１０１の下方に設けられており、図２にその詳細が示されている。画像読取部１１１は、原稿台１０２を照射する走査方向に長い光源１１２と、原稿台からの光を選択的に通過させるスリット１１３と、原稿台からの光を導くミラー１１４とを備える第一の移動キャリッジ１１５や、第一の移動キャリッジ１１５からの反射光を再度反射するミラー１１６Ａ、１１６Ｂを備える第二の移動キャリッジ１１７、さらにミラーで導かれた光を光学的に補正するレンズ群１１８、当該レンズ群１１８より補正された光を受光する撮像素子１１９、撮像素子１１９にて受光した光を電気信号に変換し、必要に応じて補正処理・画質処理・圧縮処理などを行う画像データ生成部１２０とで構成されている。
【００４６】
自動原稿給紙装置１０６上の原稿を読み取る場合には、光源１１２は、読取位置Ｘを照射できる位置に移動して発光する。光源１１２からの光は、原稿台１０１を透過して読取位置Ｘを通過する原稿にて反射し、スリット１１３、ミラー１１４、１１６Ａ、１１６Ｂ、レンズ群１１８によって撮像素子１１９に導かれる。撮像素子１１９は、受光した光を電気信号に変換して画像データ生成部１２０に送信する。画像データ生成部１２０には、上記撮像素子１１９にて受光された光がＲ（レッド）、Ｇ（グリーン）、Ｂ（ブルー）のアナログ電気信号として入力され、ここでアナログ−デジタル変換され、即ちデジタル化される。さらに、画像データ生成部１２０では、順次変換されたデジタル信号を単位データとし、これら単位データを補正処理、画質処理、圧縮処理等することで複数の単位データからなる画像データを生成する。
【００４７】
また、画像読取部１１１は、自動原稿給紙装置１０６で搬送される原稿だけでなく、原稿台１０１に載置された原稿も読み取ることが可能となっている。原稿台１０１に載置された原稿を読み取る場合は、第一のキャリッジ１１４は、光源１１２を発光しながら副走査方向に移動し、光源１１２から撮像素子１１９までの光路長を一定にするために、第二の移動キャリッジ１１７は第一の移動キャリッジ１１５の１／２の速度で撮像素子１１９方向に移動する。
【００４８】
撮像素子１１９は、自動原稿給紙装置１０６に搬送された原稿のときと同様に、ミラー１１４、１１６Ａ、１１６Ｂに導かれた光に基づいて原稿台１０１に載置された原稿からの光を電気信号に変換し、これに基づいて画像データ生成部１２０が画像データを生成し、記憶部１２０Ｂに記憶する。
【００４９】
本体１０４の画像読取部１１１の下方には、画像データを印刷する画像形成部１２１を備えている。画像形成部１２１が印刷できる画像データは、上記のように画像データ生成部１２０にて生成されたものや、その他画像形成装置１００とＬＡＮ等のネットワークに接続されたパーソナルコンピューター等の端末から、ネットワークインターフェイスを介して受信したものである。
【００５０】
画像形成部１２１が行う印刷方式には、電子写真方式が用いられている。即ち、感光ドラム１２２を帯電器１２３で一様に帯電させ、その後レーザ１２４で感光ドラム１２２を照射して感光ドラム１２２に潜像を形成し、現像器１２５で潜像にトナーを付着させて可視像を形成し、転写ローラにて可視像を転写媒体に転写する方式である。
【００５１】
なお、フルカラー画像に対応した画像形成装置では、上記現像器（ロータリー現像器）１２５が、図１の紙面に対して垂直方向に構成される回転軸を中心として周方向に回転させられ、対応する色のトナーが格納された現像ユニットが感光ドラム１２２の対向位置に配置される。この状態で、感光ドラム１２２上の潜像が、現像器１２５が格納するトナーにより現像され、中間転写ベルト１２６Ａに転写される。なお、現像器１２５は、イエロー（Ｙ）、シアン(Ｃ)、マゼンタ(Ｍ)、ブラック(Ｋ)の各トナーをそれぞれ格納する４つの現像ユニット１２５（Ｙ）、(Ｃ)、(Ｍ)、(Ｋ)を有している。上記中間転写ベルト１２６Ａへの転写を上記各色毎に繰り返すことにより、当該中間転写ベルト１２６Ａ上にフルカラー画像が形成される。
【００５２】
可視像が印刷される転写媒体、即ち用紙は、給紙カセット１３２、１３３、１３４などの給紙トレイに載置されたものである。
【００５３】
画像形成部１２１が印刷を行う際には、何れか１つの給紙トレイから転写媒体１枚を、ピックアップローラ１３５を用いて引き出し、引き出した転写媒体を搬送ローラ１３６やレジストローラ１３７で中間転写ベルト１２６Ａと転写ローラ１２６Ｂの間に送り込む。
【００５４】
画像形成部１２１は、中間転写ベルト１２６Ａと転写ローラ１２６Ｂの間に送り込んだ転写媒体に、上記中間転写ベルト１２６Ａ上の可視像を転写すると、可視像を定着させるために、搬送ベルト１２７で定着部１２８（定着装置）に転写媒体を送る。定着部１２８は、ヒータが内蔵された加熱ローラ１２９と、所定の圧力で加熱ローラ１２９に押し当てられた加圧ローラ１３０とで構成されている。加熱ローラ１２９と加圧ローラ１３０の間を転写媒体が通過すると、熱と転写媒体への押圧力によって可視像が転写媒体に定着する。定着が行われた転写媒体は排紙トレイ１３１に排紙される。
【００５５】
上記手順により、複合機１００はコピー機能の処理をユーザに提供する。なお、原稿Ｐに光源１１２を照射してからその原稿Ｐの画像を画像データとして読み取りを実行する手段を画像読取手段、画像データに基づいて、シートに画像形成処理を施す手段を画像形成手段とする（後述する）。
【００５６】
図３は、上記複合機１００に備えられた操作部１０３の外観の一例を示す図である。ユーザは、上記操作部１０３を用いて、上述のような画像形成についての設定条件等を入力したり、入力された設定条件を確認したりする。上記設定条件が入力される場合、上記操作部１０３に備えられたタッチパネル３０１、タッチペン３０２、操作キー３０３が用いられる。
【００５７】
上記タッチパネル３０１には、設定条件を入力する機能と当該設定条件を表示する機能が兼ね備えられている。すなわち、タッチパネル３０１上に表示された設定画面内の項目を押下することによって、項目に関連付けられた設定条件が入力される。また、入力された設定条件に連動して項目の背景色が白色から灰色へ変更されるため、項目の背景色によって、入力された設定条件が確認される。
【００５８】
タッチパネル３０１の近傍には、タッチペン３０２が備えられており、ユーザがそのタッチペン３０２の先をタッチパネル３０１に接触させると、タッチパネル下に設けられたセンサーが接触先を検知する。タッチペンの先は、ほぼ点に近いため、上記センサーは、例えば、接触先をドット単位（最小単位）で検知することとなる。従って、例えばタッチパネル３０１内の位置を指で指定する場合と比較すると、タッチペンで位置指定する方がより細かい位置を正確に指定することができる。
【００５９】
タッチペン３０２により指定される設定画面には、読み込まれた原稿の画像データから生成された印刷物を模したプレビュー画像３０４と、そのプレビュー画像に対して所定の指示を表示した所定数の選択項目３０５とが表示される。ユーザが、タッチペン３０２により、プレビュー画像３０４のうち、所定の位置を指定することが可能であり、また、表示された選択項目３０５を選択・押下することが可能である。
【００６０】
さらに、タッチパネル３０１近傍には、所定数の操作キー３０３が設けられ、例えば、テンキー３０６、スタートキー３０７、クリアキー３０８、ストップキー３０９、リセットキー３１０、電源キー３１１が備えられている。なお、上記テンキー３０６は、部数や倍率を設定する際に具体的な数字の入力に用いられる。
【００６１】
次に、図４を用いて、複合機１００の制御系ハードウェアの構成を説明する。図４は、複合機における制御系ハードウェアの概略構成図である。ただし、本発明に直接には関係しない各部の詳細は省略している。
【００６２】
複合機１００の制御回路は、ＣＰＵ（Ｃｅｎｔｒａｌ Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ Ｕｎｉｔ）４０１、ＲＯＭ（Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ）４０２、ＲＡＭ（Ｒａｎｄｏｍ Ａｃｃｅｓｓ Ｍｅｍｏｒｙ）４０３、ＨＤＤ（Ｈａｒｄ Ｄｉｓｋ Ｄｒｉｖｅ）４０４、各駆動部に対応するドライバ４０５を内部バス４０６によって接続している。上記ＣＰＵ４０１は、例えば、ＲＡＭ４０３を作業領域として利用し、上記ＲＯＭ４０２、ＨＤＤ４０４等に記憶されているプログラムを実行し、当該実行結果に基づいて上記ドライバ４０５と図示しない操作部１０３からのデータや指示を授受し、上記図１に示した各駆動部の動作を制御する。また、上記駆動部以外の後述する各手段（図５に示す）についても、上記ＣＰＵ４０１がプログラムを実行することで当該各手段を実現する。上記ＲＯＭ４０２、ＨＤＤ４０４等には、以下に説明する各手段を実現するプログラムやデータが記憶されている。
【００６３】
次に図５、図６を参照しながら、本発明に係る複合機１００が原稿の文字画像に加工を施す手順について説明する。図５は、本発明に係る複合機１００の機能ブロック図である。図６は、本発明に係る複合機１００の動作を示すためのフローチャートである。
【００６４】
まず、ユーザが、原稿Ｐを原稿台１０１に載置して、複合機１００の電源を投入すると、初期画面表示手段５０１が、タッチパネル３０１上に初期画面（ここでは、図７Ａに示すコピー設定画面）を表示する。初期画面には、コピーサービスの設定を行なうための通常の項目の他に、「プレビュー」ボタン７０１が表示されている。そこで、ユーザが上記「プレビュー」ボタン７０１を押下すると、画像読取手段５０２が、原稿の画像読取処理を開始する（図６：Ｓ１０１）。
【００６５】
画像読取手段５０２が原稿の画像データの読み取りを終了すると、読み取った画像データをプレビュー表示手段５０３に送信し、それを受信したプレビュー表示手段５０３は、画像データに対応するプレビュー画像を生成する。さらに、プレビュー表示手段５０３は、初期画面から上記プレビュー画像７０２と所定数の選択項目７０３とを表示したプレビュー画像表示画面をタッチパネル３０１上に表示する（図６：Ｓ１０２）。
【００６６】
プレビュー画像表示画面には、図７Ｂに示すように、先ほどのプレビュー画像７０２と、所定数の選択項目７０３、例えば、「初期化」、「戻る」、「文字以外消去」、「全て消去」、「拡大」、「縮小」、「色指定」、「情報付加」、「手書き」、「保存」とが表示される。なお、画面上に表示された「保存」ボタンを押下すると、プレビュー画像表示画面に表示されたプレビューの画像データを、所定の記憶手段に記憶させることができる。
【００６７】
表示されたプレビュー画像の左隅に、例えば、不定形な汚れに対応する画像データ７０４と画像読取部の付着物に起因した黒点の画像データ７０５が存在した場合、ユーザは、操作部１０３に備えられたタッチペン３０２を利用して、その画像データに対して左上の位置に１点７０６、右下の位置に１点７０７位置指定すると、プレビュー表示手段５０３が、上記画像データを囲むように、その２点を対角線とした長方形の枠７０８を表示する（図６：Ｓ１０３）。
【００６８】
さらに、ユーザがタッチペン３０２によって選択項目「文字以外消去」７０９を押下すると、プレビュー表示手段５０３が、上記長方形の枠７０８内の画像データを文字識別手段５０４に送信し、文字識別手段５０４は、受け取った画像データのうち、文字に対応する文字画像データを識別する（図６：Ｓ１０４）。
【００６９】
文字画像データを識別する方法は、例えば、画像データから、所定の閾値よりも高い濃度を有する画像データを抽出し、その抽出された画像データと予め記憶されている文字パターンとを比較して、その文字パターンに適合する画像データがあれば、その画像データを文字画像データとして識別する方法が挙げられる。なお、所定の閾値は、文字画像データの濃度である黒乃至グレーの濃度に対応する画像データを抽出するように決定される。
【００７０】
具体的には、文字識別手段５０４が、図８Ｃ１に示す画像データ８０１（７０８）を受信すると、その画像データから所定の閾値（例えば、グレーに対応する濃度値）以上の画像データを抽出する。すると、文字識別手段５０４は、図８Ｃ２に示すように、汚れに起因する画像データ８０２（７０４）を除いた画像データ、すなわち、文字画像「ａ」に基づく画像データ８０３と付着物に起因する黒点の画像データ８０４（７０５）とを抽出する。さらに、文字識別手段５０４が、所定の文字パターンを記憶している文字識別情報記憶手段５０５を参照して、抽出された画像データと所定の文字パターンとを比較し、例えば、文字画像「ａ」は文字パターン「ａ」と合致するため、文字画像データとして識別し、黒点の画像データは合致する文字パターンがないため、文字画像データとして識別しない。上記処理により、文字識別手段５０４は、図８Ｃ３に示すように、付着物に起因する黒点の画像データ８０４（７０５）を除いた文字画像データ「ａ」８０３を識別することとなり、文字画像データを正確に識別することが可能となる。なお、最初の抽出処理は、文字画像データの識別を正確にするための処理であり、省略しても構わない。
【００７１】
識別された文字画像データ８０３は文字表示手段５０６に送信され、文字表示手段５０６は、その文字画像データに対応するプレビュー画像を生成して、パネルの画面のプレビュー画像表示画面に表示する（図６：Ｓ１０５、図８Ｄ）。なお、この時点では、先ほどタッチペンにて指定された長方形の枠７０８は、そのまま表示されることとなる。
【００７２】
そこで、ユーザがプレビュー画像を見ながら、選択項目「拡大」８０５を押下すると、加工手段５０７が「拡大」８０５の押下を検知し、文字表示手段５０６が長方形の枠７０８内に表示した文字画像データを取得し、その文字画像データに所定の倍率にて拡大処理を施して、拡大された文字画像データを文字表示手段５０６に再送信する。すると、文字表示手段５０６は、図９Ｅに示すように、拡大された文字画像データを、プレビュー画像表示画面に表示させる（図６：Ｓ１０６）。なお、上記所定の倍率は、加工手段５０７が取得した文字画像データを、プレビュー画像表示画面に表示されるプレビュー画像全てに表示可能となる倍率である。また、上記「拡大」８０５の背景色は灰色で表示される。
【００７３】
次に、ユーザは、図９Ｅに示す拡大された文字画像データのプレビュー画像を見ながら、選択項目「手書き」９０１を押下すると、文字表示手段５０６がプレビュー画像表示画面に接触したタッチペン３０２の位置情報を受け付ける状態にして、「手書き」９０１の背景色を灰色で表示し、さらに、ユーザが、タッチペン３０２を用いてプレビュー画像表示画面上に「ｂｃ」９０２と描くと、加工手段５０７が、タッチペン３０２により描かれた「ｂｃ」９０２に対応する位置情報を検知し、その位置情報に黒色のドットに対応する黒画像データを追加して、その黒画像データを文字表示手段５０６に送信する。黒画像データを受け取った文字表示手段５０６は、当該黒画像データを先ほどの文字画像データに追加してプレビュー画像を生成し、そのプレビュー画像をプレビュー画像表示画面に表示する（図６：Ｓ１０７）。なお、例えば、ユーザにより「色指定」に属する赤色が選択された場合、加工手段５０７は、上述した黒色のドットの代わりに赤色のドットに対応する赤画像データを位置情報に追加することとなる。
【００７４】
ユーザが、「ｂｃ」９０２が付加されたプレビュー画像表示画面を見ながら、「手書き」９０１を押下すると、「手書き」９０１の背景色が白色で表示され、「ｂｃ」９０２に対応する手書き情報の追加が決定される。なお、「手書き」９０１を押下するとともに、「色指定」を白色に選択すれば、タッチペン３０２の操作によって、ドット単位の小さい画像データに白画像データを追加することができ、言い換えると、その小さい画像データを削除することができる。小さい画像データは、例えば、プラテンガラスのキズに起因した画像データ等が該当する。
【００７５】
さらに、ユーザが、図９Ｆに示すように、タッチペン３０２にて所定の文字画像データ９０３を囲むように第二の長方形の枠９０４を形成し、「情報付加」９０５を押下すると、文字表示手段５０６が、「情報付加」９０５の背景色を灰色で表示して、文書関連情報記憶手段５０８を参照し、その「情報付加」９０５に関連付けられた所定の文書関連情報を表示する。上記文書関連情報には、例えば、「下線」、「二重線」、「黒塗潰し」、「白塗潰し」、「訂正印」等が挙げられ、文書内の文字に使用される付加情報が示される。
【００７６】
そこで、ユーザがタッチペン３０２を用いて「二重線」９０６を押下すると、加工手段５０７が、文字表示手段５０６から第二の長方形の枠９０４に囲まれた文字画像データを取得して、その文字画像データの特性、例えば、フォント、書式、色、濃度、文字列の方向を判定する。判定する方法は、例えば、加工手段５０７が、所定の文字画像データの特性パターンを記憶している文字特性情報記憶手段５０９を参照して、取得した文字画像データと所定の文字画像データの特性パターンとを比較し、合致する所定の文字画像データの特性パターンがあれば、文字画像データの特性をその特性パターンの属する特性として判定する方法である。
【００７７】
加工手段５０７が、文字画像データの特性を判定すると、その特性に合致する「二重線」９０６の文書関連情報を文書関連情報記憶手段５０８から取得し、指定された文字画像データに追加して、文字表示手段５０６に送信する。例えば、指定された文字画像データの特性のうち、フォントが１０ポイントと判定されれば、加工手段５０７は１０ポイントに対応する「二重線」９０６を、その文字画像データに追加することとなる。さらに、文字表示手段５０６は、受信した文字画像データに対応するプレビュー画像を生成し、そのプレビュー画像を、図１０Ｇに示すように、プレビュー画像表示画面に再表示する（図６：Ｓ１０８）。
【００７８】
ユーザが、「二重線」９０６が付加されたプレビュー画像表示画面を見ながら、「情報付加」９０５を押下すると、「情報付加」９０５の背景色が白色で表示され、「二重線」９０６に対応する文書関連情報の追加が決定される。
【００７９】
さらに、ユーザが、選択項目「縮小」１００１を押下すると、加工手段５０７が「縮小」１００１の押下を検知し、加工された文字画像データに所定の倍率にて縮小処理を施し、文字表示手段５０６が縮小された文字画像データに対応するプレビュー画像を表示する（図６：Ｓ１０９）。
【００８０】
ユーザは、加工の出来具合を確認し、スタートキー３０７を押下すると、文字表示手段５０６が、加工された文字画像データを画像形成手段５１０に送信し、その画像形成手段５１０は、受信した文字画像データに基づいてシートに画像形成を施す（図６：Ｓ１１０）。
【００８１】
このように、タッチペン３０２により指定された範囲内の画像データのうち、文字画像データをプレビュー画像としてパネルの画面に表示し、タッチペン３０２により指定された文字画像データに加工を施すよう構成している。
【００８２】
これにより、印刷に必要な文字画像をプレビュー画像にて確認することができるとともに、その文字画像のうち、加工が必要な文字画像をユーザのタッチペン操作によって、加工することが可能となる。
【００８３】
また、タッチペン３０２により指定された文字画像データに、タッチペン３０２により形成された手書き情報を追加するよう構成することができる。
【００８４】
これにより、原稿の汚れが著しい場合であっても、その汚れに起因する画像データのために手書きの情報も視認し難くなることがなく、ユーザの意図に沿った手書き情報を文字画像データに適切に追加することが可能となる。
【００８５】
また、タッチペン３０２により指定された文字画像データに、その文字画像データの特性に対応した文書関連情報を追加するよう構成することができる。
【００８６】
これにより、タッチペン３０２による操作では適切に入力出来ない、下線、二重線、黒塗潰し等の文書関連情報であっても、文字画像データのフォント、書式、色等に対応して追加させることが可能となる。
【００８７】
また、タッチペン３０２により指定された文字画像データを所定の倍率に拡大または縮小するよう構成することができる。
【００８８】
これにより、例えば、原稿の文字画像が通常の文字と比較して小さい場合や大きい場合であっても、タッチペン３０２によりユーザが確認したい文字画像データを拡大または縮小することが可能となる。
【００８９】
さらに、加工された文字画像データに基づいて、シートに画像形成を施すよう構成することができる。
【００９０】
これにより、原稿に汚れや付着物に起因した画像等が存在したとしても、原稿の文字画像に基づいて、印刷物を出力することが可能となるため、出力される印刷物は常に必要な情報が印刷されるとともに、不要な印刷に伴うトナー、インク等が消費されることはない。
【００９１】
なお、本発明の実施形態における文字表示手段５０６は、識別された文字画像データに対応するプレビュー画像を表示するよう構成したが、ユーザの選択により、文字画像データに代え、または文字画像データとともに、当該文字画像データ以外の画像データを表示させるよう構成しても構わない。上記構成により、ユーザが文字画像以外の画像も印刷物として出力させたい場合など、ユーザの利便性を損なうことなく複合機１００を機動的に対応させることが可能となる。
【００９２】
また、本発明の実施形態における加工手段５０７は、タッチペン３０２により指定された文字画像データに、その文字画像データの特性に対応した文書関連情報を追加するよう構成したが、文書関連情報の追加に代えて、指定された文字画像データを削除するよう構成しても構わない。上記構成により、タッチペン３０２により指定された企業秘密を含む文字画像データを容易かつ適切に削除することが可能となる。そのため、従来より行なっていた文字画像データの塗りつぶし作業を省くことが可能となり、迅速に原稿の文字画像を削除することが可能となる。
【００９３】
また、本発明の実施形態における文字表示手段５０６は、識別された文字画像データに対応するプレビュー画像を表示するよう構成したが、ユーザの選択により、文字画像データ以外の画像データに対応するプレビュー画像を表示するよう構成しても構わない。
【００９４】
例えば、図１１Ｉに示すように、読み取られた画像データのプレビュー画像のうち、文字画像を含むように、タッチペン３０２により長方形の枠を指定し、選択項目「文字消去」１１０１を押下すると、長方形の枠内に含まれる文字画像データを文字識別手段５０４により識別させ、その文字画像データを削除し、さらにその文字画像データ以外の画像データに対応するプレビュー画像を表示するよう構成する。
【００９５】
上記構成により、図１１Ｊに示すように、今まで文字画像によって視認し難かった背景の画像を明確に認識することが可能となる。そのため、ポスター作成、パンフレット作成、絵画研究等の際に必要となる文字画像の削除作業を円滑に進めることが可能となる。
【００９６】
また、本発明の実施形態における文字表示手段５０６は、識別された文字画像データに対応するプレビュー画像を表示するよう構成したが、さらに、文字画像データ記憶手段を設けて、ユーザの選択により、加工された文字画像データをその文字画像データ記憶手段に記憶可能となるよう構成しても構わない。上記構成により、加工した文字画像データはユーザの意図に沿っていたものの、出力に供する紙が不適切であった等のトラブルが発生したとしても、直ちに加工した文字画像データを読み出して再現することが可能となる。
【００９７】
また、本発明の実施形態における文字識別手段５０４は、指定された画像データと予め記憶されている文字パターンとを比較して、その文字パターンに適合する画像データがあれば、その画像データを文字画像データとして識別する方法を採用したが、文字画像を識別可能な方法であれば、どのような方法でも採用することができる。例えば、指定された画像データを所定の区分に分割し、分割されたデータから、所定の特性値を算出し、特性値と文字パターンとを関連付けて記憶したテーブルを参照して、その特性値に対応する文字画像データの有無から文字画像データを識別するよう構成しても構わない。なお、上述した文字識別に関する技術は、例えば、ＯＣＲ（Ｏｐｔｉｃａｌ Ｃｈａｒａｃｔｅｒ Ｒｅａｄｅｒ、光学文字認識）、ＭＩＣＲ（Ｍａｇｎｅｔｉｃ Ｉｎｋ Ｃｈａｒａｃｔｅｒ Ｒｅｃｏｇｎｉｔｉｏｎ、磁気インク文字認識）、オフライン文字認識、オンライン文字認識、これらに関連する技術を採用することができる。また、文字画像データの特性を判定する方法についても、同様である。
【００９８】
また、本発明の実施形態では、複合機１００が各手段を備えるよう構成したが、当該各手段を実現するプログラムを記憶媒体に記憶させ、当該記憶媒体を提供するよう構成しても構わない。上記構成では、上記プログラムを複合機１００に読み出させ、その複合機１００が上記各手段を実現する。その場合、上記記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の作用効果を奏する。さらに、各手段が実行するステップをハードディスクに記憶させる記憶方法として提供することも可能である。
【００９９】
また、本発明の実施形態では、コピーサービスに関して採用したが、例えば、スキャナサービス、ファクシミリサービス、プリンタサービス等にも採用することができる。
【産業上の利用可能性】
【０１００】
以上のように、本発明に係る画像形成装置は、複写機、プリンタ、複合機等に有用であり、原稿の文字画像に加工を施すことが可能な画像形成装置として有効である。
【図面の簡単な説明】
【０１０１】
【図１】本発明に係る複合機の内部の全体構成を示す概念図である。
【図２】本発明に係る画像読取部の拡大図である。
【図３】本発明に係る操作部の全体構成を示す概念図である。
【図４】本発明に係る複合機の制御系ハードウェアの構成を示す図である。
【図５】本発明の実施形態における複合機の機能ブロック図である。
【図６】本発明の実施形態の実行手順を示すためのフローチャートである。
【図７】本発明の実施形態のタッチパネル上に表示された画面の一例を示す第一の図である。
【図８】本発明の実施形態のタッチパネル上に表示された画面の一例を示す第二の図である。
【図９】本発明の実施形態のタッチパネル上に表示された画面の一例を示す第三の図である。
【図１０】本発明の実施形態のタッチパネル上に表示された画面の一例を示す第四の図である。
【図１１】他の実施形態のタッチパネル上に表示された画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
【０１０２】
１００ 複合機
３０１ タッチパネル
３０２ タッチペン
５０１ 初期画面表示手段
５０２ 画像読取手段
５０３ プレビュー表示手段
５０４ 文字識別手段
５０５ 文字識別情報記憶手段
５０６ 文字表示手段
５０７ 加工手段
５０８ 文書関連情報記憶手段
５０９ 文字特性情報記憶手段
５１０ 画像形成手段
【特許請求の範囲】
【請求項１】
原稿の画像データを読み取った際に、画像データをプレビュー画像としてパネルの画面に表示する表示手段と、その画面上の位置を指定するポインティングデバイスとを備える画像形成装置において、
ポインティングデバイスにより指定された範囲内の画像データのうち、文字に対応する文字画像データを識別する文字識別手段と、
上記文字識別手段により識別された文字画像データを、プレビュー画像としてパネルの画面に表示する文字表示手段と、
ポインティングデバイスにより指定された文字画像データに、加工を施す加工手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項２】
上記加工手段は、ポインティングデバイスにより指定された文字画像データに、ポインティングデバイスにより形成された手書き情報を追加することを特徴とする請求項１に記載の画像形成装置。
【請求項３】
上記加工手段は、ポインティングデバイスにより指定された文字画像データに、その文字画像データの特性に対応した文書関連情報を追加することを特徴とする請求項１に記載の画像形成装置。
【請求項４】
上記加工手段は、ポインティングデバイスにより指定された文字画像データを削除することを特徴とする請求項１に記載の画像形成装置。
【請求項５】
上記加工手段は、ポインティングデバイスにより指定された文字画像データを所定の倍率に拡大または縮小することを特徴とする請求項１に記載の画像形成装置。
【請求項６】
文字画像データの特性は、その文字画像データのフォント、書式、色、濃度、文字列の方向のうち、少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項３に記載の画像形成装置。
【請求項７】
文書関連情報は、下線、二重線、黒塗潰し、白塗潰し、訂正印のうち、少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項３に記載の画像形成装置。
【請求項８】
さらに、上記加工手段により加工された文字画像データに基づいて、シートに画像形成を施す画像形成手段を備えることを特徴とする請求項２乃至５に記載の画像形成装置。
【請求項１】
原稿の画像データを読み取った際に、画像データをプレビュー画像としてパネルの画面に表示する表示手段と、その画面上の位置を指定するポインティングデバイスとを備える画像形成装置において、
ポインティングデバイスにより指定された範囲内の画像データのうち、文字に対応する文字画像データを識別する文字識別手段と、
上記文字識別手段により識別された文字画像データを、プレビュー画像としてパネルの画面に表示する文字表示手段と、
ポインティングデバイスにより指定された文字画像データに、加工を施す加工手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項２】
上記加工手段は、ポインティングデバイスにより指定された文字画像データに、ポインティングデバイスにより形成された手書き情報を追加することを特徴とする請求項１に記載の画像形成装置。
【請求項３】
上記加工手段は、ポインティングデバイスにより指定された文字画像データに、その文字画像データの特性に対応した文書関連情報を追加することを特徴とする請求項１に記載の画像形成装置。
【請求項４】
上記加工手段は、ポインティングデバイスにより指定された文字画像データを削除することを特徴とする請求項１に記載の画像形成装置。
【請求項５】
上記加工手段は、ポインティングデバイスにより指定された文字画像データを所定の倍率に拡大または縮小することを特徴とする請求項１に記載の画像形成装置。
【請求項６】
文字画像データの特性は、その文字画像データのフォント、書式、色、濃度、文字列の方向のうち、少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項３に記載の画像形成装置。
【請求項７】
文書関連情報は、下線、二重線、黒塗潰し、白塗潰し、訂正印のうち、少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項３に記載の画像形成装置。
【請求項８】
さらに、上記加工手段により加工された文字画像データに基づいて、シートに画像形成を施す画像形成手段を備えることを特徴とする請求項２乃至５に記載の画像形成装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【公開番号】特開２００９−２０６６８５（Ｐ２００９−２０６６８５Ａ）
【公開日】平成２１年９月１０日（２００９．９．１０）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００８−４５５２８（Ｐ２００８−４５５２８）
【出願日】平成２０年２月２７日（２００８．２．２７）
【出願人】（０００００６１５０）京セラミタ株式会社 (13,173)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２１年９月１０日（２００９．９．１０）
【国際特許分類】
【出願日】平成２０年２月２７日（２００８．２．２７）
【出願人】（０００００６１５０）京セラミタ株式会社 (13,173)
【Ｆターム（参考）】
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