説明

画像形成装置

【課題】現像部材に異なる色の現像剤を切り換えて供給する。
【解決手段】現像装置34が現像剤で静電潜像を可視化する場合、現像ロール68は、現像剤供給位置に位置する現像剤供給部80から供給される現像剤を保持して回転する。現像剤での可視化が終了すると、現像装置34は、制御部62の制御により、回転体66が回転(90°未満)することによって開閉部材90を開くとともに、現像剤供給部80が現像ロール68の現像剤供給磁極の磁力の作用する範囲外に移動して現像剤供給部80から現像ロール68へのマゼンタの現像剤の供給を遮断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、単一の現像器と単一の真空ポンプとを用いて、現像器に現像液と洗浄液とを交互に循環可能とし、複数色の現像を可能にした液体現像装置を開示する。
【0003】
【特許文献1】特開平5−158321号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、現像部材に異なる色の現像剤を切り換えて供給することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、請求項1に係る本発明は、像保持体と、磁石を具備し、前記磁石の磁力で保持する現像剤を前記像保持体に供給する現像部材と、異なる色の現像剤を前記磁石の磁力に応じて前記現像部材に個別に供給する複数の現像剤供給部と、前記複数の現像剤供給部を配設され、回転軸を中心にして回転する回転体と、前記現像部材が前記像保持体に供給した後に残った現像剤を前記現像部材から剥離する剥離手段と、前記剥離手段が剥離した現像剤を回収する回収手段と、前記複数の現像剤供給部が前記現像部材に現像剤を供給する状態と前記複数の現像剤供給部から前記現像部材への現像剤の供給を遮断する状態とを、前記回転体の回転角度を制御することによってそれぞれ切り換える制御手段とを有する画像形成装置である。
【0006】
請求項2に係る本発明は、前記剥離手段は、前記制御手段が前記回転体の回転角度を制御することにより、現像剤を前記現像部材からそれぞれ剥離する請求項1記載の画像形成装置である。
【0007】
請求項3に係る本発明は、前記回収手段は、前記制御手段が前記回転体の回転角度を制御することにより、前記剥離手段が剥離した現像剤を回収する請求項1又は2記載の画像形成装置である。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に係る本発明によれば、現像部材に異なる色の現像剤を切り換えて供給することができる。回転体に複数の現像剤供給を配設し、像保持体に現像剤を供給する方式は、スペース及び切り替え時間の観点から有効であり、且つ現像剤供給部と像保持体との位置関係を精度良く再現することにおいても有利である。本発明のように、現像部材の位置を固定し現像剤供給部のみ移動させる方式においては、現像剤の供給、遮断、剥離の工程を異なる色ごとに繰り返す必要があり、特に有効である。
【0009】
請求項2に係る本発明によれば、請求項1に係る本発明の効果に加えて、本構成を有していない場合に比較して、容易に現像剤の混色を防止することができる。また、請求項2に係る本発明によれば、現像剤の剥離時には現像剤の再付着を防止するための現像部材と現像剤供給部の位置精度及び再現性を確保することができる。
【0010】
請求項3に係る本発明によれば、請求項1又は2に係る本発明の効果に加えて、本構成を有していない場合に比較して、容易に現像剤を回収することができる。また、請求項3に係る本発明によれば、現像剤の回収時には現像剤のこぼれを防止するための現像部材と現像剤供給部の位置精度及び再現性を確保することができる。本方式を有していない場合、例えば複数の現像剤供給部を直線的に配置した場合は、複数の現像剤供給部それぞれに各ポジション(現像ポジション、剥離ポジション、回収ポジション)の移動距離を設定しなければならないが、回転体を用いた場合は、1ケースの各ポジション角度を設定するのみで対応可能である。また、精度に関しても、複数の現像剤供給部を直線的に配置させた場合は、複数の現像剤供給部各々に精度を出すための部材が必要であるが、回転体の場合は回転の中心となる回転軸のみ精度出しを行って部品を配置することで容易に実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
次に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1において、本発明の実施形態に係る画像形成装置10の概要が示されている。画像形成装置10は、画像形成装置本体12を有し、この画像形成装置本体12の背面側(図1において右側)に例えば1段の給紙ユニット14が配置されている。
【0012】
給紙ユニット14は、用紙が収容される給紙カセット16を有する。給紙カセット16の上部には、給紙カセット16から用紙を取り出す取り出しロール18が配置され、この取り出しロール18の前方に供給ロール20及び捌きロール22が配置されている。
【0013】
供給ロール20は、図示しない駆動部によって駆動され、用紙を後述する搬送路24に向けて供給するように回転する。捌きロール22は、供給ロール20に対して圧接され、供給ロール20の回転に応じて回転可能にされており、供給ロール20とともに用紙を1枚ずつ後述する搬送路24に向けて供給するように回転する。
【0014】
搬送路24は、供給ロール20から排出口26までの用紙通路であり、この搬送路24は、画像形成装置本体12の上部にあって、給紙ユニット14から排出口26まで略水平に形成されている。この搬送路24の定着装置28の上流側に後述する二次転写ロール60と二次転写バックアップロール54とが配置され、二次転写ロール60と二次転写バックアップロール54の上流側にレジストロール30が配置されている。また、搬送路24の排出口26の近傍には排出ロール32が配置されている。
【0015】
したがって、給紙ユニット14の給紙カセット16から取り出しロール18により取り出された用紙は、供給ロール20及び捌きロール22により捌かれて最上部の用紙のみ搬送路24に導かれ、レジストロール30により一時停止され、タイミングをとって後述する二次転写ロール60と二次転写バックアップロール54との間を通って現像剤像が転写され、この転写された現像剤像が定着装置28により定着され、排出ロール32により排出口26から排出される。
【0016】
画像形成装置本体12には、例えば略中央部に現像装置34が配置されている。現像装置34は、イエロー(Yellow)、マゼンタ(Magenta)、シアン(Cyan)及び黒(Black)の4色の現像剤により、後述する像保持体36が保持する静電潜像を可視化する。
【0017】
現像装置34には、例えば感光体からなる像保持体36が画像形成装置10の正面側上方から当接するように配置されている。像保持体36の背面側には、該像保持体36を一様帯電する例えば帯電ロールからなる帯電装置38が設けられている。つまり像保持体36には、現像バイアスがかけられている。また、像保持体36には、該像保持体36の回転方向の帯電装置38よりも上流側に像保持体用クリーナ40が当接している。像保持体用クリーナ40は、例えば一次転写後に像保持体36に残留する現像剤を掻き取る。
【0018】
現像装置34の上方には、帯電装置38により帯電された像保持体36に、レーザ光などの光線により潜像を書き込む露光装置42が配置されている。また、像保持体36の正面側には、現像装置34によって可視化された現像剤像を一次転写位置で一次転写され、後述する二次転写位置まで搬送する中間転写装置44が設けられている。
【0019】
中間転写装置44は、例えば中間転写ベルトなどの中間転写体46、一次転写ロール48、支持ロール50,52、二次転写バックアップロール54、テンションロール56,58から構成される。中間転写体46は、一次転写ロール48の上流に配置された支持ロール50と、一次転写ロール48の下流に配置された支持ロール52との間で像保持体36にラップ状に当接する一次転写部を有し、像保持体36に所定の範囲だけ巻きついて、像保持体36の回転に従って回転する。テンションロール56,58は、中間転写体46に所定の張力を与えている。そして、中間転写体46は、一次転写ロール48によって像保持体36上の現像剤像を例えばイエロー、マゼンタ、シアン、黒の順に重ねて一次転写され、この一次転写された現像剤像を後述する二次転写ロール60に向けて搬送する。
【0020】
中間転写装置44の二次転写バックアップロール54には、搬送路24を挟んで二次転写ロール60が配置されている。つまり、二次転写ロール60と二次転写バックアップロール54との間が二次転写位置となっており、二次転写ロール60は、二次転写バックアップロール54の補助により、中間転写体46に一次転写された現像剤像を二次転写位置で用紙に二次転写する。ここで、二次転写ロール60は、中間転写体46が3回転する間、すなわちイエロー、マゼンタ、シアンの3色の現像剤像を搬送する間は中間転写体46から離間しており、黒の現像剤像が転写されると中間転写体46に当接するようにされている。なお、二次転写ロール60と二次転写バックアップロール54との間には、所定の電位差が生じるようにされており、例えば二次転写ロール60を高電圧にした場合には、二次転写バックアップロール54はグランド(GND)などに接続される。
【0021】
搬送路24の二次転写位置の下流には、定着装置28が配置されている。定着装置28は、加熱ロールと加圧ロールとを有し、二次転写ロール60及び二次転写バックアップロール54により用紙に二次転写された現像剤像を用紙に定着させ、排出ロール32に向けて搬送する。
【0022】
また、画像形成装置10の内部には、画像形成装置10を構成する各部を制御する制御部62が設けられている。
【0023】
次に現像装置34について詳述する。
図2乃至図4において、現像装置34の詳細が示されている。現像装置34は、回転体(搬送部)66、現像ロール68、層厚規制部材70、現像ロール収容壁74、剥離部材76、トナーカートリッジ(供給現像剤収容部)78a〜78d及び現像剤供給部80a〜80dを有する。
以下、現像剤供給部80a〜80dなど複数ある構成部分のいずれかを特定せずに示す場合には、単に「現像剤供給部80」などと略記することがある。
【0024】
回転体66は、イエロー(Yellow)、マゼンタ(Magenta)、シアン(Cyan)及び黒(Black)の現像剤を現像ロール68に順次に供給するためのトナーカートリッジ78a〜78d及び現像剤供給部80a〜80dが着脱自在に設けられており、回転軸82を中心として例えば反時計回り(図2において左回り)に回転可能にされ、現像剤供給部80a〜80dが現像ロール68に対向する位置(現像剤供給位置)へ移動するようにされている。ここで、回転体66は、例えば制御部62が制御する図示しないパルスモータなどにより、回転角度が制御されている。さらに、回転体66は、ラチェットなどによって位置決めされてもよい。
なお、現像剤供給部80a〜80dが収容している現像剤は、例えば非磁性のトナー及び磁性のキャリアを有する2成分現像剤である。
【0025】
トナーカートリッジ78は、図3にも示すように、未使用のトナーを収容する未使用トナー収容部84と、剥離部材76が現像ロール68から剥離した(回収した)現像剤を回収する現像剤回収部86から構成される。未使用トナー収容部84には、未使用トナーを現像剤供給部80に供給する供給口87が設けられている。現像剤回収部86には、剥離部材76が剥離した現像剤を回収するための開口部88と、この開口部88を開閉する開閉部材90と、回収した現像剤を現像剤供給部80へ排出(供給)する排出口92とが設けられている。
【0026】
現像剤供給部80は、図4にも示すように、供給器本体94、第1の攪拌搬送部材96及び第2の攪拌搬送部材98から構成される。供給器本体94は、トナーカートリッジ78からトナーを受け入れる第1の受入口100、現像剤回収部86が回収した現像剤を受け入れる第2の受入口102、及び現像ロール68に現像剤を供給する開口部104が設けられている。第1の攪拌搬送部材96は、トナーカートリッジ78から供給されたトナー、及び現像剤回収部86から受け入れた現像剤を攪拌しつつ第2の攪拌搬送部材98へ向けて搬送する。第2の攪拌搬送部材98は、現像剤を攪拌するとともに、回転体66が回転することによって開口部104が現像ロール68に対向する位置へ移動した場合に現像剤を現像ロール68に向けて搬送し供給する。つまり、現像剤回収部86が回収した現像剤は、現像ロール68に供給される現像剤として再利用される。
なお、現像剤は、第1の攪拌搬送部材96及び第2の攪拌搬送部材98によって攪拌されつつ供給器本体94内で循環するよう搬送され、磁性キャリアの周囲に非磁性トナーが付着するようにされている。
【0027】
現像ロール68(図2)は、軸方向に延びたN極及びS極を複数備えて固定された磁石110と、この磁石110を内部に収容して回転し、該磁石110の磁力に応じて現像剤を周方向に搬送するスリーブ112とを有する。磁石110には、像保持体36に対向して配置されて現像ロール68上の現像剤を像保持体36へ供給する磁極(現像極)と、現像剤供給部80から現像剤を引き付ける磁極(ピックアップ極)が現像剤供給部80側上部などに配置され、現像剤を反発させる磁極(ピックオフ極)が現像剤供給部80側下部などに配置されている。また、現像ロール68は、像保持体36に対向する部分が露出するように開口された現像ロール収容壁74内に収容されており、像保持体36との間に所定の隙間を形成しつつ、磁力によって保持したそれぞれの色の現像剤を像保持体36に供給する。
【0028】
層厚規制部材70は、現像ロール68の表面に付着した(現像ロール68が保持した)現像剤の層厚を規制する。現像ロール収容壁74は、現像剤を現像剤供給部80へ案内する案内部118が形成されている。
【0029】
剥離部材76は、現像ロール68に対して略平行に設けられた回転軸114と、制御部62の制御により回転軸114を中心にして時計回り(図2において右回り)に回転する例えば希土類の磁石116とを有し、現像ロール68が像保持体36に供給した後に残った現像剤を、現像ロール68から磁力によって剥離し、上述した案内部118を介して現像剤を現像剤供給部80へと導く。
【0030】
図5は、現像ロール68に残存する現像剤(剥離位置周辺の現像剤を含む)を磁石116が剥離する状態を示す拡大図である。図5(A)に示すように、現像ロール68の下方に現像ロール収容壁74を介して配設される剥離部材76が回転して磁石116が現像ロール68に近づくと、磁石116は現像剤を案内部118側に引き付ける。また、図5(B)に示すように、また、剥離部材76が回転して磁石116が現像ロール68から離れ始めると、現像剤は磁石116の磁力によって現像ロール68から剥離される。また、図5(C)に示すように、剥離部材76がさらに回転して磁石116が現像ロール68からさらに離れると、現像剤は磁石116の磁力によって引き付けられつつ、案内部118に沿って下方に移動し、上記磁力が及ばなくなる領域で更に下方に落下する。 ここで、案内部118は、剥離部材76と現像剤とを隔てる隔壁となっており、磁石116が現像ロール68に近づいた位置から遠ざかるにつれて、現像ロール68及び磁石116それぞれに対する距離が大きくなる領域を有するように形成されている。
【0031】
このように、磁石116は、剥離部材76が現像剤を剥離する場合には、現像ロール68が保持する現像剤に磁石116の磁力が作用するように磁石116が現像ロール68側に近づき、剥離部材76が現像剤を剥離した後には、剥離した現像剤を現像ロール68から隔離するように磁石116が現像ロール68から遠ざかるよう回転移動(図5において右回り)する。
なお、制御部62は、現像装置34が静電潜像を可視化する場合には、現像ロール68が保持する現像剤に対して磁石116の磁力の作用が低下する位置(現像ロール68の反対側)に磁石116を停止させる。そして、制御部62は、回転体66を回転させることによって現像剤の供給を遮断した後に、現像ロール68が保持する現像剤に磁石116の磁力が作用するように磁石116を回転移動させる。
【0032】
次に現像装置34の動作例について説明する。
図6において、現像装置34の動作例の概要が示されている。図6(A)に示すように、現像装置34が例えばマゼンタの現像剤で静電潜像を可視化する場合、現像ロール68は、現像剤供給位置に位置する現像剤供給部80bから供給されるマゼンタの現像剤を保持して回転する。
【0033】
マゼンタの現像剤での可視化が終了すると、現像装置34は、図6(B)に示すように、制御部62の制御により、回転体66が回転(90°未満)することによって開閉部材90(図3参照)を開くとともに、現像剤供給部80bが現像ロール68の現像剤供給磁極の磁力の作用する範囲外に移動して現像剤供給部80bから現像ロール68へのマゼンタの現像剤の供給を遮断し、開口部88が現像ロール68と案内部118との間を覆うように位置した状態で停止する。つまり、現像ロール68から剥離される現像剤を回収する回収路が形成されている。
【0034】
開口部88が現像ロール68と案内部118との間で停止すると、現像装置34は、図6(C)に示すように、制御部62の制御により、剥離部材76が回転し、現像ロール68が保持するマゼンタの現像剤を剥離する。
【0035】
現像ロール68から剥離されたマゼンタの現像剤は、図6(D)に示すように、磁石116が案内部118から遠ざかることにより、案内部118によって現像剤回収部86へ案内される。
【0036】
図6(E)に示すように、磁石116がさらに回転することにより、現像ロール68から剥離されたマゼンタの現像剤は、現像剤回収部86内に(一時的に)回収される。
【0037】
現像ロール68から剥離されたマゼンタの現像剤が回収されると、図6(F)に示すように、現像装置34は、シアンの現像剤で静電潜像を可視化するために、現像剤供給部80cが現像ロール68に対向するように回転体66が回転する。ここで、現像ロール68は、現像剤供給部80cから供給されるシアンの現像剤を保持して回転する。
一方、トナーカートリッジ78bは、開閉部材90(図3参照)が閉じられて、回収したマゼンタの現像剤が現像剤回収部86内に収容されたままになっている。
【0038】
現像装置34は、カラー印刷時には、イエローの現像剤で静電潜像を可視化した後に、上述したようにマゼンタ及びシアンの現像剤で静電潜像を可視化し、その後に黒の現像剤で静電潜像を可視化するようにされている。
そして、現像装置34は、再びマゼンタの現像剤で静電潜像を可視化する場合に、制御部62の制御によって現像剤供給部80bが現像ロール68に対向するように回転体66が回転する。ここで、現像剤回収部86は、回転体66の回転によって重力方向に対する傾きが変化する。図6(G)に示すように、回転体66の回転により、排出口92(図3参照)が下方に位置するように現像剤回収部86の重力方向に対する傾きが変化すると、現像剤回収部86に回収されたマゼンタの現像剤が現像剤供給部80bへ供給される(マゼンタの現像剤が自重によって現像剤供給部80bへ戻される)。
【0039】
次に本発明の実施形態の作用について説明する。
画像形成信号が送られると、像保持体36が帯電装置38により一様に帯電され、この帯電された像保持体36には、画像信号に基づいて露光装置42から光線が出射される。露光装置42からの光線は、像保持体36の表面を露光し、静電潜像が形成される。
【0040】
像保持体36に保持された静電潜像は、現像剤の色ごとに現像装置34により現像され、中間転写体46に一次転写される。そして、中間転写体46上で各色の現像剤像が重ね合わされて、カラー画像が形成される。
ここで、現像ロール68には、現像剤供給部80a〜80dからイエロー、マゼンタ、シアン及び黒の現像剤がそれぞれ供給される。そして、現像ロール68に過剰に供給された現像剤は、現像ロール68に次の色の現像剤が供給される前に同じ色の現像剤供給部80に回収される。一次転写において、像保持体36に残留する廃現像剤は、像保持体用クリーナ40によって掻き取られ、回収される。
【0041】
一方、給紙信号等により、給紙カセット16に収容された用紙は、取り出しロール18により取り出され、供給ロール20及び捌きロール22により捌かれて最上部の用紙のみ搬送路24に導かれ、レジストロール30により一次停止され、タイミングをとって二次転写ロール60と二次転写バックアップロール54との間に導かれる。用紙が二次転写ロール60と二次転写バックアップロール54との間に導かれると、中間転写体46に一次転写されている現像剤像が二次転写ロール60と二次転写バックアップロール54とによって用紙に二次転写される。
【0042】
現像剤像を転写された用紙は、定着装置28に導かれ、加熱ロールと加圧ロールとによって現像剤像を定着される。現像剤像が定着した用紙は、排出ロール32により排出口26から排出される。
【0043】
次に、現像装置34の第1の変形例について説明する。
図7は、現像装置34の第1の変形例を示す側面図である。なお、現像装置34の第1の変形例において、図2に示した現像装置34を構成する部分と実質的に同一のものには、同一の符号が付してある。
図7に示すように、現像剤供給部80には、現像剤の流出を防止するための開閉部材300と、現像ロール68に残留する現像剤を掻き取る掻き取り部材302とが設けられている。
【0044】
図8は、現像装置34の第1の変形例の動作例を示す概略図である。図8(A)に示すように、現像装置34が例えばマゼンタの現像剤で静電潜像を可視化する場合、現像ロール68は、現像剤供給位置に位置する現像剤供給部80bから供給されるマゼンタの現像剤を保持して回転する。
ここで、現像ロール68の表面と、第2の攪拌搬送部材98の軸表面との距離は、例えば約6.5mmにされている。
【0045】
マゼンタの現像剤での可視化が終了すると、現像装置34は、図8(B)に示すように、制御部62の制御により、回転体66が20度回転することによって現像剤供給部80bの開閉部材300が移動するとともに、掻き取り部材302が現像ロール68の表面に接触し、現像ロール68に残留する現像剤を掻き取る。掻き取り部材302が掻き取った現像剤は、現像剤供給位置とは異なる位置で供給器本体94内に回収される。
ここで、現像ロール68の表面と、第2の攪拌搬送部材98の軸表面との距離は、例えば約11mmに広げられており、現像剤供給部80から現像ロール68への現像剤の供給が遮断されている。
【0046】
現像ロール68から剥離されたマゼンタの現像剤が回収されると、図8(C)に示すように、現像装置34は、シアンの現像剤で静電潜像を可視化するために、現像剤供給部80cが現像ロール68に対向するように回転体66が70度回転する。ここで、現像ロール68は、現像剤供給部80cから供給されるシアンの現像剤を保持して回転する。
【0047】
次に、現像装置34の第2の変形例について説明する。
図9は、現像装置34の第2の変形例を示す側面図である。なお、現像装置34の第2の変形例において、図2に示した現像装置34を構成する部分と実質的に同一のものには、同一の符号が付してある。
図9に示すように、現像剤供給部80には、現像剤の流出を防止するための開閉部材300が設けられている。また、例えば回転体66には、現像ロール68に残留する現像剤を掻き取る(剥離する)掻き取り部材304が設けられている。
【0048】
図10は、現像装置34の第2の変形例の動作例を示す概略図である。図10(A)に示すように、現像装置34が例えばマゼンタの現像剤で静電潜像を可視化する場合、現像ロール68は、現像剤供給位置に位置する現像剤供給部80bから供給されるマゼンタの現像剤を保持して回転する。
ここで、現像ロール68の表面と、第2の攪拌搬送部材98の軸表面との距離は、例えば約6.5mmにされている。
【0049】
マゼンタの現像剤での可視化が終了すると、現像装置34は、図10(B)に示すように、制御部62の制御により、回転体66が例えば53度回転することによって現像剤供給部80bの開閉部材300が閉じられるとともに、掻き取り部材304が現像ロール68の表面に接触し、現像ロール68に残留する現像剤を掻き取る。掻き取り部材304が掻き取った現像剤は、現像剤供給位置とは異なる位置でトナーカートリッジ78に回収される。
ここで、現像ロール68の表面と、第2の攪拌搬送部材98の軸表面との距離は、例えば約20mmに広げられており、現像剤供給部80から現像ロール68への現像剤の供給が遮断されている。
【0050】
現像ロール68から剥離されたマゼンタの現像剤が回収されると、図10(C)に示すように、現像装置34は、シアンの現像剤で静電潜像を可視化するために、現像剤供給部80cが現像ロール68に対向するように回転体66が37度回転する。ここで、現像ロール68は、現像剤供給部80cから供給されるシアンの現像剤を保持して回転する。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の概要を示す側面図である。
【図2】現像装置の実施例を示す側面図である。
【図3】トナーカートリッジの詳細を示す側面図である。
【図4】現像剤供給部の詳細を示す側面図である。
【図5】現像ロールに残存する現像剤(剥離位置周辺の現像剤を含む)を磁石が剥離する状態を示す拡大図である。
【図6】現像装置の動作例を示す概略図である。
【図7】現像装置の第1の変形例を示す側面図である。
【図8】現像装置の第1の変形例の動作例を示す概略図である。
【図9】現像装置の第2の変形例を示す側面図である。
【図10】現像装置の第2の変形例の動作例を示す概略図である。
【符号の説明】
【0052】
10 画像形成装置
14 給紙ユニット
24 搬送路
28 定着装置
34 現像装置
36 像保持体
38 帯電装置
42 露光装置
44 中間転写装置
54 二次転写バックアップロール
60 二次転写ロール
62 制御部
66 回転体
68 現像ロール
70 層厚規制部材
72 遮断部材
74 現像ロール収容壁
76 剥離部材
78a〜78d トナーカートリッジ
80a〜80d 現像剤供給部
82 回転軸
84 収容器本体
86 現像剤回収部
88 開口部
90 開閉部材
92 排出口
94 収容器本体
96 第1の攪拌搬送部材
98 第2の攪拌搬送部材
100 第1の受入口
102 第2の受入口
104 開口部
110 磁石
112 スリーブ
114 回転軸
116 磁石
118 案内部
300 開閉部材
302 掻き取り部材
304 掻き取り部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像保持体と、
磁石を具備し、前記磁石の磁力で保持する現像剤を前記像保持体に供給する現像部材と、
異なる色の現像剤を前記磁石の磁力に応じて前記現像部材に個別に供給する複数の現像剤供給部と、
前記複数の現像剤供給部を配設され、回転軸を中心にして回転する回転体と、
前記現像部材が前記像保持体に供給した後に残った現像剤を前記現像部材から剥離する剥離手段と、
前記剥離手段が剥離した現像剤を回収する回収手段と、
前記複数の現像剤供給部が前記現像部材に現像剤を供給する状態と前記複数の現像剤供給部から前記現像部材への現像剤の供給を遮断する状態とを、前記回転体の回転角度を制御することによってそれぞれ切り換える制御手段と
を有する画像形成装置。
【請求項2】
前記剥離手段は、
前記制御手段が前記回転体の回転角度を制御することにより、現像剤を前記現像部材からそれぞれ剥離する
請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記回収手段は、
前記制御手段が前記回転体の回転角度を制御することにより、前記剥離手段が剥離した現像剤を回収する
請求項1又は2記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−216989(P2009−216989A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−60854(P2008−60854)
【出願日】平成20年3月11日(2008.3.11)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】