画像形成装置
【課題】設置面積が小さく、しかも周囲のスペースを有効に利用することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】筐体の正面には、画像形成ユニットを着脱するための開口部が形成され、開口部が形成された筐体の正面に、給紙カセット用開口部が形成され、画像形成ユニットは、感光体ドラムと現像手段とを有し、画像形成ユニットの上方には露光手段が備えられ、排紙部は、積層面が筐体の背面から正面の方向に向かって、筐体の上方向に傾斜するように設けられ、露光手段は、感光体ドラム及び現像手段の少なくとも一部を覆うように設けられ、且つ、画像形成ユニットとの対向面が開口部に向かって筐体の上方向に傾斜するように設けられ、画像形成ユニット及び給紙カセットは、それぞれ筐体の正面側から着脱可能に構成されている。
【解決手段】筐体の正面には、画像形成ユニットを着脱するための開口部が形成され、開口部が形成された筐体の正面に、給紙カセット用開口部が形成され、画像形成ユニットは、感光体ドラムと現像手段とを有し、画像形成ユニットの上方には露光手段が備えられ、排紙部は、積層面が筐体の背面から正面の方向に向かって、筐体の上方向に傾斜するように設けられ、露光手段は、感光体ドラム及び現像手段の少なくとも一部を覆うように設けられ、且つ、画像形成ユニットとの対向面が開口部に向かって筐体の上方向に傾斜するように設けられ、画像形成ユニット及び給紙カセットは、それぞれ筐体の正面側から着脱可能に構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設置に必要なスペースを小さく抑えることができる画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特公平6−97354号公報、特公平7−40168号公報等に、プロセスユニットを交換可能に構成されたレーザビームプリンタが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特公平6−97354号公報
【特許文献2】特公平7−40168号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特公平6−97354号公報に開示されたプリンタでは、プリンタの上部を開放してプロセスユニットを交換するようにしているため、プリンタの上方の空間を有効に利用することができない。また、特公平7−40168号公報に開示されたプリンタでは、給紙カセットの着脱方向に対して直交する水平方向にプロセスユニットを着脱している。このため、通常時に確保されている給紙カセットを着脱するためのスペースの他に、プロセスユニットの交換のためのスペースが別途必要となる。
【0005】
本発明は、設置面積が小さく、しかも周囲のスペースを有効に利用することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、積層された用紙を収容する給紙カセット(10)と、給紙カセット(10)から給送される用紙に対して、電子写真方式により画像を形成する画像形成手段(20,40,50)と、画像形成手段(20,40,50)を収容するとともに、画像形成手段(20,40,50)の下方に給紙カセット(10)を水平方向に着脱可能に収納する給紙カセット収納部を有し、画像形成手段(20,40,50)の上方に画像形成手段(20,40,50)にて画像が形成された用紙が排出されて積層される排紙部(70)を有する筐体(2)と、給紙カセット(10)から1枚ずつ分離された用紙を反転して画像形成手段(20,40,50)へ搬送する搬送手段(14等)とを備え、筐体(2)の正面には、画像形成手段(20,40,50)の一部を構成する画像形成ユニット(20)を着脱するための開口部(34)が形成され、開口部(34)が形成された筐体(2)の正面に、給紙カセット(10)を着脱するための給紙カセット用開口部が形成され、前記画像形成ユニット(20)は、単一の感光体ドラム(21)と、当該感光体ドラムに形成された静電潜像を現像し、且つ、当該感光体ドラムよりも前記筺体の正面側に設けられた単一の現像手段(25等)と、を有し、前記画像形成ユニット(20)の上方には、前記感光ドラム(21)に静電潜像を形成する露光手段(40)が備えられ、前記排紙部(70)は、積層面が前記筐体(2)の背面から前記正面の方向に向かって、前記筐体(2)の上方向に傾斜するように設けられ、前記露光手段(40)は、前記感光体ドラム(21)及び前記現像手段(25等)の少なくとも一部を覆うように設けられ、且つ、前記画像形成ユニット(20)との対向面が前記開口部(34)に向かって前記筐体(2)の上方向に傾斜するように設けられ、前記画像形成ユニット(20)及び前記給紙カセット(10)は、それぞれ前記筐体(2)の正面側から着脱可能であることを特徴とする。
【0007】
この発明では、給紙カセット収納部、画像形成手段(20,40,50)および排紙部(70)を上下方向に配置したので、画像形成装置の設置面積を抑制することができる。また、画像形成ユニット(20)を筐体(2)の正面から着脱可能としたので、例えば画像形成ユニット(20)を筐体(2)の上面側から着脱する場合のように、筐体(2)の上面側を開放する必要がない。さらに、画像形成ユニット(20)を着脱するための開口部と給紙カセット用開口部とが筐体(2)の正面に配置されているので、給紙カセット(10)の着脱のための空間を利用して画像形成ユニット(20)を着脱することができる。したがって、画像形成ユニット(20)の着脱に際して、わざわざ画像形成装置の周囲を開放する必要がなく、着脱作業が容易となる。
【0008】
さらにまた、画像形成ユニット(20)及び給紙カセット(10)を、それぞれ筐体(2)の正面側から着脱可能に構成したので、筐体(2)の前面側を開放しておくだけで、画像形成ユニット(20)の着脱及び給紙カセット(10)の着脱を行うことができる。
【0009】
請求項1に記載の画像形成装置において、請求項2のように、画像形成手段(20,40,50)の一部を構成するレーザスキャナ(40)が、装置内に装着された画像形成ユニット(20)の上方に配置されていてもよい。
【0010】
この場合には、レーザスキャナ(40)が画像形成ユニット(20)の上方に配置されているので、画像形成ユニット(20)を筐体(2)の正面から着脱する際にレーザスキャナ(40)が干渉しないように構成することができる。このため、画像形成ユニット(20)着脱前に、レーザスキャナ(40)を移動させる必要がなくなる。例えば、レーザスキャナを上方に移動させる場合のように、筐体(2)の上方を開放する必要がなく、筐体(2)の上方を有効に利用することができる。
【0011】
請求項1又または2に記載の画像形成装置において、請求項3のように、排紙部(70)が、筐体(2)の上端面から落とし込まれて形成されていてもよい(図1、図6等参照)。
【0012】
請求項3に記載の画像形成装置において、請求項4のように、筐体(2)の上端面が面状に形成されていてもよい。この場合には、筐体(2)の上端面に他の機器等を載置しても、この機器等の下方に排紙部(70)の排紙スペースが確保されるので、筐体(2)の上方を有効に利用することが可能となる。
【0013】
請求項3または4に記載の画像形成装置において、請求項5のように、筐体(2)の正面側には、上端面から下方向に切欠かれた切欠き部が形成され、切欠き部の上面が排紙部に連なるようにしてもよい(図6等参照)。
【0014】
請求項3〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置において、請求項6のように、排紙部(70)を筐体(2)の上端面から1cm以上落とし込むようにしてもよい。
【0015】
請求項1又は2に記載の画像形成装置において、請求項7のように、排紙部(70)が筐体(2)内に収納されるように形成され、筐体(2)には排紙部(70)に排出された紙の取出し口(81b)を形成してもよい。この場合には、排紙部(70)に排出された紙を取り出し口(81b)を介して取り出すことができるので、筐体(2)の上方を有効に利用することができる。
【0016】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像形成装置において、請求項8のように、排紙部(70)に排出された用紙の先端部が筐体(2)の正面側に突出するようにしてもよい
。この場合には、排出された用紙を容易に取出すことができる。
【0017】
請求項7に記載の画像形成装置において、請求項9のように、排紙部(70)の上方を覆う筐体(2)の上面が、平面状に形成されていてもよい。この場合には、平面状に形成された筐体(2)の上面に、例えば他の機器を置くこともできるので、筐体(2)の上方を有効に利用することができる。
【0018】
請求項7または9に記載の画像形成装置において、請求項10のように、筐体(2)の上面を着脱可能としてもよい。この場合には、必要に応じて排紙部(70)の上方を開放することができる。
【0019】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の画像形成装置において、請求項11のように、筐体(2)の正面に、使用者の操作を受付ける操作パネルと、手差し用紙を差し込むための手差し用紙挿入口と、を設けてもよい。
【0020】
請求項12に記載の発明は、積層された用紙を収容する給紙カセット(10)と、給紙カセット(10)から給送される用紙に対して、電子写真方式により画像を形成する画像形成手段(20,40,50)と、画像形成手段(20,40,50)を収容するとともに、画像形成手段(20,40,50)の下方に給紙カセット(10)を水平方向に着脱可能に収納する給紙カセット収納部を有し、画像形成手段(20,40,50)の上方に画像形成手段(20、40,50)にて画像が形成された用紙が排出されて積層される排紙部(70)を有する筐体(2)と、給紙カセット(10)から1枚ずつ分離された用紙を反転して画像形成手段(20,40,50)へ搬送する搬送手段(14等)と、排紙部(70)の上方に設けられ、シート上に形成された画像を電気信号に変換する画像読取ユニット(110,130,140)と、を備え、筐体(2)の正面には、画像形成手段(20,40,50)の一部を構成する画像形成ユニット(20)を着脱するための開口部(34)が形成され、開口部(34)が形成された筐体(2)の正面に、給紙カセット(10)を着脱するための給紙カセット用開口部が形成されて、前記画像形成ユニット(20)は、単一の感光体ドラム(21)と、当該感光体ドラムに形成された静電潜像を現像し、且つ、当該感光体ドラムよりも前記筺体の正面側に設けられた単一の現像手段(25等)と、を有し、前記画像形成ユニット(20)の上方には、前記感光ドラム(21)に静電潜像を形成する露光手段(40)が備えられ、前記排紙部(70)は、
積層面が前記筐体(2)の背面から前記正面の方向に向かって、前記筐体(2)の上方向に傾斜するように設けられ、前記露光手段(40)は、前記感光体ドラム(21)及び前記現像手段(25等)の少なくとも一部を覆うように設けられ、且つ、前記画像形成ユニット(20)との対向面が前記開口部(34)に向かって前記筐体(2)の上方向に傾斜するように設けられ、前記画像形成ユニット(20)及び前記給紙カセット(10)は、それぞれ前記筐体(2)の正面側から着脱可能であることを特徴とする。
【0021】
この発明では、給紙カセット収納部、画像形成部(20,40,50)、排紙部(70)、および画像読み取りユニット(110,130,140)を上下方向に配置したので、画像形成装置の設置面積を抑制することができる。また、画像形成ユニット(20)を筐体(2)の正面から着脱可能としたので、例えば画像形成ユニット(20)を筐体(2)の上面側から着脱する場合のように、筐体(2)の上面側を開放する必要がない。
【0022】
さらにまた、画像形成ユニット(20)及び給紙カセット(10)を、それぞれ筐体の正面側からのみ着脱可能に構成したので、筐体(2)の前面側を開放しておくだけで、画像形成ユニット(20)の着脱及び給紙カセット(10)の着脱を行うことができる。
【0023】
請求項12に記載の画像形成装置において、請求項13のように、画像形成手段(20
,40,50)は画像読取ユニット(110,130,140)の出力信号に基づく画像を形成してもよい。
【0024】
請求項13に記載の画像形成装置において、請求項14のように、画像読取ユニット(110,130,140)を筐体(2)に収納してもよい。
【0025】
請求項12〜14のいずれか1項に記載の画像形成装置において、請求項15のように、画像読取ユニット(110,130,140)の出力信号に基づく信号を送信する送信手段(130,140)を備えてもよい。
【0026】
請求項15に記載の画像形成装置において、請求項16のように、送信手段(130,140)を筐体(2)に収納してもよい。
【0027】
なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0028】
請求項1の発明によれば、給紙カセット収納部、画像形成手段および排紙部を上下方向に配置したので、画像形成装置の設置面積を抑制することができる。また、画像形成ユニットを筐体の正面から着脱可能としたので、例えば画像形成ユニットを筐体の上面側から着脱する場合のように、筐体の上面側を開放する必要がない。さらに、画像形成ユニットを着脱するための開口部と給紙カセット用開口部とが筐体の正面に配置されているので、給紙カセットの着脱のための空間を利用して画像形成ユニットを着脱することができる。したがって、画像形成ユニットの着脱に際して、わざわざ画像形成装置の周囲を開放する必要がなく、着脱作業が容易となる。
【0029】
さらにまた、画像形成ユニット及び給紙カセットを、それぞれ筐体の正面側からのみ着脱可能に構成したので、筐体の前面側を開放しておくだけで、画像形成ユニットの着脱及び給紙カセットの着脱を行うことができる。
【0030】
請求項2の発明によれば、レーザスキャナが画像形成ユニットの上方に配置されているので、画像形成ユニットを筐体の正面から着脱する際にレーザスキャナが干渉しないように構成することができる。このため、画像形成ユニット着脱前に、レーザスキャナを移動させる必要がなくなる。例えば、レーザスキャナを上方に移動させる場合のように、筐体の上方を開放する必要がなく、筐体の上方を有効に利用することができる。
【0031】
請求項4の発明によれば、筐体の上端面が平面状に形成されていてもよい。この場合には、筐体の上端面に他の機器等を載置しても、この機器等の下方に排紙部の排紙スペースが確保されるので、筐体の上方を有効に利用することが可能となる。
【0032】
請求項9の発明によれば、平面状に形成された筐体の上面に、例えば他の機器を置くこともできるので、筐体の上方を有効に利用することができる。
【0033】
請求項10の発明によれば、必要に応じて排紙部の上方を開放することができる。
【0034】
請求項12の発明によれば、給紙カセット収納部、画像形成部、排紙部、および画像読み取りユニットを上下方向に配置したので、画像形成装置の設置面積を抑制することができる。また、画像形成ユニットを筐体の正面から着脱可能としたので、例えば画像形成ユニットを筐体の上面側から着脱する場合のように、筐体の上面側を開放する必要がない。
【0035】
さらにまた、画像形成ユニット及び給紙カセットを、それぞれ筐体の正面側から着脱可能に構成したので、筐体の前面側を開放しておくだけで、画像形成ユニットの着脱及び給紙カセットの着脱を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】第1の実施形態の外観を示す斜視図。
【図2】第1の実施形態を示す垂直断面図。
【図3】プロセスカートリッジを示す断面図。
【図4】第1の実施形態の制御ブロック図。
【図5】カバーを説明する図であり、(a)はプリンタの外観を示す斜視図、(b)はプリンタの前後方向に直交する断面におけるカバーの断面図。
【図6】第2の実施形態の外観を示す斜視図。
【図7】カバーを説明する図であり、(a)はプリンタの外観を示す斜視図、(b)はプリンタの前後方向に直交する断面におけるカバーの断面図。
【図8】第3の実施形態の外観を示す斜視図。
【図9】第3の実施形態の制御ブロック図。
【図10】第4の実施形態を示す図であり、(a)は第4の実施形態の外観を示す斜視図、(b)は電話機能を付加したプリンタの外観を示す斜視図。
【図11】第4の実施形態の制御ブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0037】
−第1の実施形態−
以下、図1〜図5を参照して本発明による画像形成装置をレーザビームプリンタに適用した第1の実施形態について説明する。図1は、本実施形態の外観を示す斜視図、図2は本実施形態の垂直断面図である。
【0038】
図1および図2に示すように、レーザビームプリンタ1は筐体2を有するプリントユニットPUを備える。略直方体形状のプリントユニットPUの下部には、積層された用紙が収納され、取手13を備える給紙カセット10が装着される。給紙カセット10は着脱可能とされ、プリンタ1の前面方向(図2の矢印Pの方向)に引き出すことによりこれを取り外すことができる。給紙カセット10には、押圧ばね(不図示)により上方向に付勢された用紙押圧板(不図示)が設けられ、その用紙押圧板の上に積層された最上層の用紙が、プリンタ1の本体に設けられ矢印で示す方向に回転する給紙ローラ14に接触するように構成されており、分離パッド15の作用により用紙が1枚だけ分離されて給送される。
【0039】
図1に示すように、プリンタ1の前面には、操作ボタン91aおよびLED91bを備える操作部91と、手差し用紙を差し込むための挿入口92(図2)とが設けられている。
【0040】
図2に示すように、給紙カセット10の上方には、図3に示すプロセスカートリッジ20が配置される。プロセスカートリッジ20も給紙カセット10と同様、着脱可能とされ、トナー交換等のメンテナンスに際して矢印Q方向に引き抜かれる。プロセスカートリッジ20は、用紙に接触してトナーを転写する感光体ドラム21、感光体ドラム21に対向する転写ローラ22およびコロナ放電を発生させて感光体ドラム21の表面を正電位に帯電させるスコロトロン型の帯電器28を備える感光体カートリッジ20Aと、トナーを収容する現像剤室24、感光体ドラム21にトナーを供給する現像ローラ25および現像ローラ25にトナーを供給する供給ローラ27を備える現像カートリッジ20Bとからなる。現像剤室24には、トナーを攪拌するためのアジテータ24aが設けられている。
【0041】
感光体カートリッジ20Aと現像カートリッジ20Bとは互いに分解可能とされている
が、プロセスカートリッジ20をプリンタ1の本体から取り外す際には両者は一体の状態で引き出される。プリンタ1の正面には、回動軸33aにその下端が回動可能に取り付けられたカバー33が設けられており、カバー33を図2において時計回りに回動させてプリンタ1の正面を開放することにより、プロセスカートリッジ20を着脱することができる。図1において、符号34はプロセスカートリッジ20を着脱するための開口部を示し、矢印Rはカバー33を開く際の回動方向を示している。
【0042】
図2に示すように、プロセスカートリッジ20と給紙カセット10との間には一対のレジストローラ31およびレジストローラ32がそれぞれ回転可能に取り付けられている。
【0043】
プロセスカートリッジ20の上方には、レーザビームを射出するレーザ発生器(不図示)、回転駆動されるポリゴンミラー(6面体ミラー)41、レンズ42、反射ミラー43、反射ミラー44、レンズ45および反射ミラー46等を備えるレーザスキャナユニット40が取り付けられている。図2に示すように、ポリゴンミラー41によって振られたレーザビームLは、レンズ42、反射ミラー43,44、レンズ45および反射ミラー46を介して感光体ドラム21に照射され、感光体ドラム21の表面に静電潜像が形成される。
【0044】
プロセスカートリッジ20の左方には、用紙上にトナーを定着させるための定着ユニット50が設けられている。定着ユニット50は転写された用紙上のトナーを加熱溶融させるための加熱ローラ51と、加熱ローラ51に対向して配置され、給送される用紙を加熱ローラ51に向けて押圧する押圧ローラ52と、一対の搬送ローラ53,54とを備える。
【0045】
図2において搬送ローラ53,54の左方には、湾曲した形状に形成され、必要に応じて用紙の向きを反転させるためのシュータ61が回動可能に取り付けられている。また、シュータ61の延長線上には、シュータ61に沿って搬送された用紙を支持するとともに、その用紙をプリントユニットPUの上面に形成された排紙トレイ70に排出するための一対の排紙ローラ64,65が取り付けられている。
【0046】
排紙トレイ70の両側(図1において左右両側および奥側、図2において手前側および奥側)には、上面が平面状に形成された突出部71が設けられており、図2に示すように、排紙トレイ70は突出部71の上面から落とし込まれて形成されている。
【0047】
図4は本実施形態の制御系を示す制御ブロック図である。図4に示すように、操作部91、レーザスキャナユニット40、定着ユニット50および各駆動機構の駆動源としてのモータ102が、それぞれプリンタ制御部101に接続され、プリンタ制御部101によりプリンタ1の各部が制御される。
【0048】
次に、用紙の給送動作について説明する。給紙ローラ14を所定のタイミングで回転させると、給紙カセット10から用紙が1枚ずつ排出される。この用紙はガイド35の作用により反転されて、レジストローラ31およびレジストローラ32によりその先端の位置調整がなされた後、感光体ドラム21および転写ローラ22の間へ搬送される。
【0049】
一方、帯電器28によって帯電された感光体ドラム21の表面には、レーザスキャナユニット40から射出されたレーザ光が照射されて静電潜像が形成される。感光体ドラム21上の静電潜像が現像ローラ25に対向するとき、供給ローラ27および現像ローラ25を介して搬送されたトナーがこの静電潜像を顕在化させ、そのトナー像が感光体ドラム21および転写ローラ22の間を通る用紙に転写される。
【0050】
トナー像が転写された用紙は、次に加熱ローラ51および押圧ローラ52の間を通過するが、このとき用紙上のトナー像に熱と圧力が加えられることにより、トナー像が用紙に定着される。
【0051】
さらに用紙は搬送ローラ53,54の間を通って、シュータ61に沿って搬送され、次いで排紙ローラ64,65の間から排紙トレイ70に印刷面を下に向けて(フェイスダウンで)排出される。
【0052】
図5に示すように、突出部71の上面にはカバー81が載置可能とされ、このとき、図1に示すように排紙トレイ70がカバー81によって覆われた状態となる。なお、図5(a)は突出部71の上面にカバー81を載置した場合におけるプリンタ1の斜視図、図5(b)はカバー81の断面図である。
【0053】
図5(a)および図5(b)に示すように、カバー81には下方に向けて突出する脚部81aが設けられている。脚部81aの下端面は平面状に形成されており、この下端面を突出部71の上面に当接させるようにして、カバー81を載置する。カバー81のプリンタ1の前面側(図5(a)における手前側)には切欠き部81bが形成されており、この切欠き部81bを介して排紙トレイ70上の用紙を取り出すことができる。
【0054】
図5に示すように、排紙トレイ70を覆うカバー81の上面は平面状に形成されているので、カバー81の上に、例えば各種機器を置くこともできるなど、カバー81の上、すなわちプリンタ1の上方のスペースを有効に利用することができる。また、切欠き部81bを介して排出された用紙を取り出すことができるので、カバー81上に物を載せた場合も用紙の取り出しが妨害されることはない。カバー81上に載置された機器(例えばファクシミリ等の通信機器や画像を読み取るスキャナ等)と、プリンタ1とを電気的に接続し、画像データをやり取りすることも可能である。
【0055】
本実施形態では、排出された用紙の一端を切欠き部81bを介してカバー81の外側に突出させることにより、用紙の一端を把持して容易に用紙を取り出すことができる。したがって、用紙の他端が突き当てられる突き当て面72(図2)から切欠き部81bに至る排紙トレイ70の長さを、用紙(例えば、A4あるいはB5の用紙)の長さよりもある程度短く設定することが望ましい。この長さは、プリンタ1での使用が想定される用紙のサイズに合わせて設定すればよいが、例えば、使用される最小サイズの用紙に合わせて設定してもよい。
【0056】
カバー81がプリンタ1に取り付けられているとき、排紙トレイ70とカバー81との上下方向の間隔、あるいは切欠き部81bにより形成される開口の上下方向の幅により、積載可能な用紙の枚数が制限されることになる。したがって、上記間隔あるいは上記幅は一度に排出可能な用紙の枚数を考慮して設定することができるが、例えば、給紙カセット10に収納される枚数の用紙を排紙トレイ70上に積載できる値に設定してもよい。
【0057】
このように、第1の実施形態では、使用の用途や情況に応じてカバー81を取り付けることができる。
【0058】
第1の実施形態は、給紙カセット10の着脱、プロセスカートリッジ20の着脱、手差し給紙、排紙、およびプリンタ1の操作をすべてプリンタ1の前面側から行うことができるように構成されている。したがって、プリンタ1の前面側を開放しておくだけで、これらすべての操作や作業を行うことができ、プリンタ1の側面側や上面側を開放したり、あるいはプリンタ1を移動する必要がないので、極めて便利であり、また、設置スペースを小さく抑えることができる。
【0059】
−第2の実施の形態−
以下、図6および図7を参照して本発明による画像形成装置をレーザビームプリンタに適用した第2の実施形態について説明する。
【0060】
図6に示すように、第2の実施形態では、突出部71Aが第1の実施形態の突出部71よりも上方に伸びている。この突出部71Aには、排紙トレイ70Aをプリンタ1の正面側まで延設させるための切欠き部71bが形成されている。
【0061】
第2の実施形態では、図7に示すように、平面状のカバー81Aを突出部71Aに載せることができる。図7(a)は、平面状のカバー81Aを載せた状態を示す斜視図、図7(b)は、第2の実施形態のカバーの断面図であり、図5(b)に相当する図である。
【0062】
図7(a)および図7(b)に示すように、第2の実施形態では、第1の実施形態におけるカバー81の脚部81aに代わるものとして、突出部71Aがスペーサーとして機能する。図7(a)に示すように、切欠き部71bを介して、排紙トレイ70A上に排出された用紙が取り出されるので、カバー81Aの上面側、すなわちプリンタ1の上方スペースを自由に使用することができる。
【0063】
第2の実施形態では、突出部71Aによって排紙のためのスペースが確保されるので、カバー81Aの代わりに各種機器等を載置することが可能である。すなわち、底面が平面状に形成されている機器等であれば、これを突出部71Aに載せた状態で排紙のためのスペースが確保できるので不都合が生じない。したがって、カバー81Aがない場合であっても、プリンタ1Aの上部を有効に利用することが可能となる。トレイ70Aに排出された用紙は、トレイ70Aと上部の機器等との隙間(切欠き部71b)を介してプリンタ1の正面側に取り出すことができる。
【0064】
本実施形態では、用紙の一端を切欠き部71bを介してカバー81Aの外側に突出させることにより、用紙の一端を把持して容易に用紙を取り出すことができる。したがって、用紙の他端が突き当てられる突き当て面72から切欠き部71bに至る排紙トレイ70Aの長さを、用紙(例えば、A4、B5の用紙、あるいは最小サイズの用紙等)の長さよりもある程度短く設定することが望ましい。
【0065】
カバー81Aがプリンタ1に取り付けられているとき、あるいは他の機器等が突出部71Aに載せられているとき、排紙トレイ70Aの上方に確保される空間の上下方向の幅により、積載可能な用紙の枚数が制限されることになる。したがって、上記幅は積載可能な用紙の枚数を考慮して設定することができ、給紙カセット10に収納される枚数の用紙を排紙トレイ70A上に積載できるようにしてもよい。少なくとも、排出トレイ70Aの全体を突出部73の上端面から1cm以上落とし込むようにすれば、少なくとも50枚以上の用紙を積載することが可能となり、一度の印刷出力で満載状態となる可能性が小さくなり、実用的である。
【0066】
−第3の実施形態−
以下、図8および図9を参照して本発明をレーザプリンタに適用した第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は、図1のプリンタ1の上方に画像を読み取るための読み取りユニット(スキャナユニット)を装着した一例である。
【0067】
図8は本実施形態を示す斜視図である。図8に示すように、プリンタ1Bは、第1の実施形態と共通のプリントユニットPUと、プリントユニットPUの上方に設けられ、画像を読み取るための読み取りユニット110とを備え、プリントユニットPUおよび読み取
りユニット110が1つの筐体に収納される。
【0068】
図8に示すように、プリントユニットPUの上方には、読み取りユニット(スキャナユニット)110が設けられる。読み取りユニット110は、ユニット110内に送り込む用紙を保持する給紙トレイ111と、送り込まれた用紙上の画像をスキャンして読み取り、電気信号に変換する画像読み取り部112(図6)と、読み取り動作を指示する操作等を受付ける操作部115とを備える。なお、画像読み取り部112を通過した用紙は排紙トレイ117に排出される。
【0069】
図9は、本実施形態の制御系を概念的に示すブロック図である。図9に示すように、読み取りユニット110には、所定の給紙機構を駆動して用紙を給送するための駆動モータ113と、画像読み取り部112、および操作部115が接続される読み取り制御部114とが設けられている。
【0070】
読み取り制御部114とプリントユニットPUのプリンタ制御部101とは互いに交信可能とされ、これにより、読み取りユニット110で読み取った画像をプリントユニットPUにおいて印刷することができる。また、所定のインターフェースや接続端子等を設け、読み取りユニット110で読み取った画像をパーソナルコンピュータに取り込めるようにしてもよい。
【0071】
−第4の実施形態−
以下、図10および図11を参照して本発明をレーザプリンタに適用した第4の実施形態について説明する。第4の実施形態では、図1のプリンタ1の上方にプリントユニットPUおよび読み取り・通信ユニットを装着した例を示す。
【0072】
図10(a)に示すように、プリンタ1Cは第1の実施形態と共通のプリントユニットPUと、プリントユニットPUの上方に取り付けられた読み取り・通信ユニット130とを備え、プリントユニットPUおよび読み取り・通信ユニット130が1つの筐体に収納される。
【0073】
読み取り・通信ユニット130は、画像の読み込み機能と、画像の通信(ファクシミリ)機能とを備える。図10(a)に示すように、読み込み・通信ユニット130には液晶表示装置の画面上にタッチパネルを備えた操作部131が設けられており、操作部131を操作することにより、画像の読み込みや送信等の動作を指示することができる。
【0074】
図11は、本実施形態の制御系を概念的に示すブロック図である。図11に示すように、読み取り・通信ユニット130は、所定の給紙機構を駆動して用紙を給送するための駆動モータ113Aと、この給紙機構を介して給送される用紙上の画像を読み取って電気信号に変換する画像読み取り部112Aと、操作部131、駆動モータ113Aおよび画像読み取り部112Aが接続される読み取り制御部114Aと、公衆回線を介して送られたデータを受信する受信部132と、公衆回線を介してデータを送信する送信部133と、操作部131、受信部132および送信部133が接続される通信制御部134とを備える。
【0075】
読み取り制御部114A、プリンタ制御部101、および通信制御部134は互いに交信可能とされ、これにより、画像読み取り部112Aで読み取った画像をプリントユニットPUにおいて印刷し、あるいは送信部133を介して送信することができる。また、受信部132を介して受け取った画像をプリントユニットPUにおいて印刷し、あるいは送信部132を介して送信することができる。なお、所定のインターフェースや接続端子等を設け、画像読み取り部112Aで読み取った画像、あるいは受信部132を介して受け
取った画像をパーソナルコンピュータに取り込めるようにしてもよい。
【0076】
図10(b)に示すプリンタ1Dは、図10(a)に示すプリンタ1Cに、さらに電話機能を付加したものである。図10(b)に示すように、プリンタ1DはプリントユニットPUと、プリントユニットPUの上方に取り付けられた読み取り・通信ユニット140とを備える。読み取り・通信ユニット140は、画像の読み取り機能、およびファクシミリ・通話機能に関する動作指示を受付ける操作パネル141と、電話回線を用いた通話を可能とするための受話器142とを備える。
【符号の説明】
【0077】
2 筐体
10 給紙カセット
20 プロセスユニット
21 感光体ドラム
34 開口部
40 レーザスキャナユニット
50 定着ユニット
70 排紙トレイ
81 カバー
81b 切欠き部
110 読み取りユニット
130 読み取り・通信ユニット
140 読み取り・通信ユニット
【技術分野】
【0001】
本発明は、設置に必要なスペースを小さく抑えることができる画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特公平6−97354号公報、特公平7−40168号公報等に、プロセスユニットを交換可能に構成されたレーザビームプリンタが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特公平6−97354号公報
【特許文献2】特公平7−40168号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特公平6−97354号公報に開示されたプリンタでは、プリンタの上部を開放してプロセスユニットを交換するようにしているため、プリンタの上方の空間を有効に利用することができない。また、特公平7−40168号公報に開示されたプリンタでは、給紙カセットの着脱方向に対して直交する水平方向にプロセスユニットを着脱している。このため、通常時に確保されている給紙カセットを着脱するためのスペースの他に、プロセスユニットの交換のためのスペースが別途必要となる。
【0005】
本発明は、設置面積が小さく、しかも周囲のスペースを有効に利用することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、積層された用紙を収容する給紙カセット(10)と、給紙カセット(10)から給送される用紙に対して、電子写真方式により画像を形成する画像形成手段(20,40,50)と、画像形成手段(20,40,50)を収容するとともに、画像形成手段(20,40,50)の下方に給紙カセット(10)を水平方向に着脱可能に収納する給紙カセット収納部を有し、画像形成手段(20,40,50)の上方に画像形成手段(20,40,50)にて画像が形成された用紙が排出されて積層される排紙部(70)を有する筐体(2)と、給紙カセット(10)から1枚ずつ分離された用紙を反転して画像形成手段(20,40,50)へ搬送する搬送手段(14等)とを備え、筐体(2)の正面には、画像形成手段(20,40,50)の一部を構成する画像形成ユニット(20)を着脱するための開口部(34)が形成され、開口部(34)が形成された筐体(2)の正面に、給紙カセット(10)を着脱するための給紙カセット用開口部が形成され、前記画像形成ユニット(20)は、単一の感光体ドラム(21)と、当該感光体ドラムに形成された静電潜像を現像し、且つ、当該感光体ドラムよりも前記筺体の正面側に設けられた単一の現像手段(25等)と、を有し、前記画像形成ユニット(20)の上方には、前記感光ドラム(21)に静電潜像を形成する露光手段(40)が備えられ、前記排紙部(70)は、積層面が前記筐体(2)の背面から前記正面の方向に向かって、前記筐体(2)の上方向に傾斜するように設けられ、前記露光手段(40)は、前記感光体ドラム(21)及び前記現像手段(25等)の少なくとも一部を覆うように設けられ、且つ、前記画像形成ユニット(20)との対向面が前記開口部(34)に向かって前記筐体(2)の上方向に傾斜するように設けられ、前記画像形成ユニット(20)及び前記給紙カセット(10)は、それぞれ前記筐体(2)の正面側から着脱可能であることを特徴とする。
【0007】
この発明では、給紙カセット収納部、画像形成手段(20,40,50)および排紙部(70)を上下方向に配置したので、画像形成装置の設置面積を抑制することができる。また、画像形成ユニット(20)を筐体(2)の正面から着脱可能としたので、例えば画像形成ユニット(20)を筐体(2)の上面側から着脱する場合のように、筐体(2)の上面側を開放する必要がない。さらに、画像形成ユニット(20)を着脱するための開口部と給紙カセット用開口部とが筐体(2)の正面に配置されているので、給紙カセット(10)の着脱のための空間を利用して画像形成ユニット(20)を着脱することができる。したがって、画像形成ユニット(20)の着脱に際して、わざわざ画像形成装置の周囲を開放する必要がなく、着脱作業が容易となる。
【0008】
さらにまた、画像形成ユニット(20)及び給紙カセット(10)を、それぞれ筐体(2)の正面側から着脱可能に構成したので、筐体(2)の前面側を開放しておくだけで、画像形成ユニット(20)の着脱及び給紙カセット(10)の着脱を行うことができる。
【0009】
請求項1に記載の画像形成装置において、請求項2のように、画像形成手段(20,40,50)の一部を構成するレーザスキャナ(40)が、装置内に装着された画像形成ユニット(20)の上方に配置されていてもよい。
【0010】
この場合には、レーザスキャナ(40)が画像形成ユニット(20)の上方に配置されているので、画像形成ユニット(20)を筐体(2)の正面から着脱する際にレーザスキャナ(40)が干渉しないように構成することができる。このため、画像形成ユニット(20)着脱前に、レーザスキャナ(40)を移動させる必要がなくなる。例えば、レーザスキャナを上方に移動させる場合のように、筐体(2)の上方を開放する必要がなく、筐体(2)の上方を有効に利用することができる。
【0011】
請求項1又または2に記載の画像形成装置において、請求項3のように、排紙部(70)が、筐体(2)の上端面から落とし込まれて形成されていてもよい(図1、図6等参照)。
【0012】
請求項3に記載の画像形成装置において、請求項4のように、筐体(2)の上端面が面状に形成されていてもよい。この場合には、筐体(2)の上端面に他の機器等を載置しても、この機器等の下方に排紙部(70)の排紙スペースが確保されるので、筐体(2)の上方を有効に利用することが可能となる。
【0013】
請求項3または4に記載の画像形成装置において、請求項5のように、筐体(2)の正面側には、上端面から下方向に切欠かれた切欠き部が形成され、切欠き部の上面が排紙部に連なるようにしてもよい(図6等参照)。
【0014】
請求項3〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置において、請求項6のように、排紙部(70)を筐体(2)の上端面から1cm以上落とし込むようにしてもよい。
【0015】
請求項1又は2に記載の画像形成装置において、請求項7のように、排紙部(70)が筐体(2)内に収納されるように形成され、筐体(2)には排紙部(70)に排出された紙の取出し口(81b)を形成してもよい。この場合には、排紙部(70)に排出された紙を取り出し口(81b)を介して取り出すことができるので、筐体(2)の上方を有効に利用することができる。
【0016】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像形成装置において、請求項8のように、排紙部(70)に排出された用紙の先端部が筐体(2)の正面側に突出するようにしてもよい
。この場合には、排出された用紙を容易に取出すことができる。
【0017】
請求項7に記載の画像形成装置において、請求項9のように、排紙部(70)の上方を覆う筐体(2)の上面が、平面状に形成されていてもよい。この場合には、平面状に形成された筐体(2)の上面に、例えば他の機器を置くこともできるので、筐体(2)の上方を有効に利用することができる。
【0018】
請求項7または9に記載の画像形成装置において、請求項10のように、筐体(2)の上面を着脱可能としてもよい。この場合には、必要に応じて排紙部(70)の上方を開放することができる。
【0019】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の画像形成装置において、請求項11のように、筐体(2)の正面に、使用者の操作を受付ける操作パネルと、手差し用紙を差し込むための手差し用紙挿入口と、を設けてもよい。
【0020】
請求項12に記載の発明は、積層された用紙を収容する給紙カセット(10)と、給紙カセット(10)から給送される用紙に対して、電子写真方式により画像を形成する画像形成手段(20,40,50)と、画像形成手段(20,40,50)を収容するとともに、画像形成手段(20,40,50)の下方に給紙カセット(10)を水平方向に着脱可能に収納する給紙カセット収納部を有し、画像形成手段(20,40,50)の上方に画像形成手段(20、40,50)にて画像が形成された用紙が排出されて積層される排紙部(70)を有する筐体(2)と、給紙カセット(10)から1枚ずつ分離された用紙を反転して画像形成手段(20,40,50)へ搬送する搬送手段(14等)と、排紙部(70)の上方に設けられ、シート上に形成された画像を電気信号に変換する画像読取ユニット(110,130,140)と、を備え、筐体(2)の正面には、画像形成手段(20,40,50)の一部を構成する画像形成ユニット(20)を着脱するための開口部(34)が形成され、開口部(34)が形成された筐体(2)の正面に、給紙カセット(10)を着脱するための給紙カセット用開口部が形成されて、前記画像形成ユニット(20)は、単一の感光体ドラム(21)と、当該感光体ドラムに形成された静電潜像を現像し、且つ、当該感光体ドラムよりも前記筺体の正面側に設けられた単一の現像手段(25等)と、を有し、前記画像形成ユニット(20)の上方には、前記感光ドラム(21)に静電潜像を形成する露光手段(40)が備えられ、前記排紙部(70)は、
積層面が前記筐体(2)の背面から前記正面の方向に向かって、前記筐体(2)の上方向に傾斜するように設けられ、前記露光手段(40)は、前記感光体ドラム(21)及び前記現像手段(25等)の少なくとも一部を覆うように設けられ、且つ、前記画像形成ユニット(20)との対向面が前記開口部(34)に向かって前記筐体(2)の上方向に傾斜するように設けられ、前記画像形成ユニット(20)及び前記給紙カセット(10)は、それぞれ前記筐体(2)の正面側から着脱可能であることを特徴とする。
【0021】
この発明では、給紙カセット収納部、画像形成部(20,40,50)、排紙部(70)、および画像読み取りユニット(110,130,140)を上下方向に配置したので、画像形成装置の設置面積を抑制することができる。また、画像形成ユニット(20)を筐体(2)の正面から着脱可能としたので、例えば画像形成ユニット(20)を筐体(2)の上面側から着脱する場合のように、筐体(2)の上面側を開放する必要がない。
【0022】
さらにまた、画像形成ユニット(20)及び給紙カセット(10)を、それぞれ筐体の正面側からのみ着脱可能に構成したので、筐体(2)の前面側を開放しておくだけで、画像形成ユニット(20)の着脱及び給紙カセット(10)の着脱を行うことができる。
【0023】
請求項12に記載の画像形成装置において、請求項13のように、画像形成手段(20
,40,50)は画像読取ユニット(110,130,140)の出力信号に基づく画像を形成してもよい。
【0024】
請求項13に記載の画像形成装置において、請求項14のように、画像読取ユニット(110,130,140)を筐体(2)に収納してもよい。
【0025】
請求項12〜14のいずれか1項に記載の画像形成装置において、請求項15のように、画像読取ユニット(110,130,140)の出力信号に基づく信号を送信する送信手段(130,140)を備えてもよい。
【0026】
請求項15に記載の画像形成装置において、請求項16のように、送信手段(130,140)を筐体(2)に収納してもよい。
【0027】
なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0028】
請求項1の発明によれば、給紙カセット収納部、画像形成手段および排紙部を上下方向に配置したので、画像形成装置の設置面積を抑制することができる。また、画像形成ユニットを筐体の正面から着脱可能としたので、例えば画像形成ユニットを筐体の上面側から着脱する場合のように、筐体の上面側を開放する必要がない。さらに、画像形成ユニットを着脱するための開口部と給紙カセット用開口部とが筐体の正面に配置されているので、給紙カセットの着脱のための空間を利用して画像形成ユニットを着脱することができる。したがって、画像形成ユニットの着脱に際して、わざわざ画像形成装置の周囲を開放する必要がなく、着脱作業が容易となる。
【0029】
さらにまた、画像形成ユニット及び給紙カセットを、それぞれ筐体の正面側からのみ着脱可能に構成したので、筐体の前面側を開放しておくだけで、画像形成ユニットの着脱及び給紙カセットの着脱を行うことができる。
【0030】
請求項2の発明によれば、レーザスキャナが画像形成ユニットの上方に配置されているので、画像形成ユニットを筐体の正面から着脱する際にレーザスキャナが干渉しないように構成することができる。このため、画像形成ユニット着脱前に、レーザスキャナを移動させる必要がなくなる。例えば、レーザスキャナを上方に移動させる場合のように、筐体の上方を開放する必要がなく、筐体の上方を有効に利用することができる。
【0031】
請求項4の発明によれば、筐体の上端面が平面状に形成されていてもよい。この場合には、筐体の上端面に他の機器等を載置しても、この機器等の下方に排紙部の排紙スペースが確保されるので、筐体の上方を有効に利用することが可能となる。
【0032】
請求項9の発明によれば、平面状に形成された筐体の上面に、例えば他の機器を置くこともできるので、筐体の上方を有効に利用することができる。
【0033】
請求項10の発明によれば、必要に応じて排紙部の上方を開放することができる。
【0034】
請求項12の発明によれば、給紙カセット収納部、画像形成部、排紙部、および画像読み取りユニットを上下方向に配置したので、画像形成装置の設置面積を抑制することができる。また、画像形成ユニットを筐体の正面から着脱可能としたので、例えば画像形成ユニットを筐体の上面側から着脱する場合のように、筐体の上面側を開放する必要がない。
【0035】
さらにまた、画像形成ユニット及び給紙カセットを、それぞれ筐体の正面側から着脱可能に構成したので、筐体の前面側を開放しておくだけで、画像形成ユニットの着脱及び給紙カセットの着脱を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】第1の実施形態の外観を示す斜視図。
【図2】第1の実施形態を示す垂直断面図。
【図3】プロセスカートリッジを示す断面図。
【図4】第1の実施形態の制御ブロック図。
【図5】カバーを説明する図であり、(a)はプリンタの外観を示す斜視図、(b)はプリンタの前後方向に直交する断面におけるカバーの断面図。
【図6】第2の実施形態の外観を示す斜視図。
【図7】カバーを説明する図であり、(a)はプリンタの外観を示す斜視図、(b)はプリンタの前後方向に直交する断面におけるカバーの断面図。
【図8】第3の実施形態の外観を示す斜視図。
【図9】第3の実施形態の制御ブロック図。
【図10】第4の実施形態を示す図であり、(a)は第4の実施形態の外観を示す斜視図、(b)は電話機能を付加したプリンタの外観を示す斜視図。
【図11】第4の実施形態の制御ブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0037】
−第1の実施形態−
以下、図1〜図5を参照して本発明による画像形成装置をレーザビームプリンタに適用した第1の実施形態について説明する。図1は、本実施形態の外観を示す斜視図、図2は本実施形態の垂直断面図である。
【0038】
図1および図2に示すように、レーザビームプリンタ1は筐体2を有するプリントユニットPUを備える。略直方体形状のプリントユニットPUの下部には、積層された用紙が収納され、取手13を備える給紙カセット10が装着される。給紙カセット10は着脱可能とされ、プリンタ1の前面方向(図2の矢印Pの方向)に引き出すことによりこれを取り外すことができる。給紙カセット10には、押圧ばね(不図示)により上方向に付勢された用紙押圧板(不図示)が設けられ、その用紙押圧板の上に積層された最上層の用紙が、プリンタ1の本体に設けられ矢印で示す方向に回転する給紙ローラ14に接触するように構成されており、分離パッド15の作用により用紙が1枚だけ分離されて給送される。
【0039】
図1に示すように、プリンタ1の前面には、操作ボタン91aおよびLED91bを備える操作部91と、手差し用紙を差し込むための挿入口92(図2)とが設けられている。
【0040】
図2に示すように、給紙カセット10の上方には、図3に示すプロセスカートリッジ20が配置される。プロセスカートリッジ20も給紙カセット10と同様、着脱可能とされ、トナー交換等のメンテナンスに際して矢印Q方向に引き抜かれる。プロセスカートリッジ20は、用紙に接触してトナーを転写する感光体ドラム21、感光体ドラム21に対向する転写ローラ22およびコロナ放電を発生させて感光体ドラム21の表面を正電位に帯電させるスコロトロン型の帯電器28を備える感光体カートリッジ20Aと、トナーを収容する現像剤室24、感光体ドラム21にトナーを供給する現像ローラ25および現像ローラ25にトナーを供給する供給ローラ27を備える現像カートリッジ20Bとからなる。現像剤室24には、トナーを攪拌するためのアジテータ24aが設けられている。
【0041】
感光体カートリッジ20Aと現像カートリッジ20Bとは互いに分解可能とされている
が、プロセスカートリッジ20をプリンタ1の本体から取り外す際には両者は一体の状態で引き出される。プリンタ1の正面には、回動軸33aにその下端が回動可能に取り付けられたカバー33が設けられており、カバー33を図2において時計回りに回動させてプリンタ1の正面を開放することにより、プロセスカートリッジ20を着脱することができる。図1において、符号34はプロセスカートリッジ20を着脱するための開口部を示し、矢印Rはカバー33を開く際の回動方向を示している。
【0042】
図2に示すように、プロセスカートリッジ20と給紙カセット10との間には一対のレジストローラ31およびレジストローラ32がそれぞれ回転可能に取り付けられている。
【0043】
プロセスカートリッジ20の上方には、レーザビームを射出するレーザ発生器(不図示)、回転駆動されるポリゴンミラー(6面体ミラー)41、レンズ42、反射ミラー43、反射ミラー44、レンズ45および反射ミラー46等を備えるレーザスキャナユニット40が取り付けられている。図2に示すように、ポリゴンミラー41によって振られたレーザビームLは、レンズ42、反射ミラー43,44、レンズ45および反射ミラー46を介して感光体ドラム21に照射され、感光体ドラム21の表面に静電潜像が形成される。
【0044】
プロセスカートリッジ20の左方には、用紙上にトナーを定着させるための定着ユニット50が設けられている。定着ユニット50は転写された用紙上のトナーを加熱溶融させるための加熱ローラ51と、加熱ローラ51に対向して配置され、給送される用紙を加熱ローラ51に向けて押圧する押圧ローラ52と、一対の搬送ローラ53,54とを備える。
【0045】
図2において搬送ローラ53,54の左方には、湾曲した形状に形成され、必要に応じて用紙の向きを反転させるためのシュータ61が回動可能に取り付けられている。また、シュータ61の延長線上には、シュータ61に沿って搬送された用紙を支持するとともに、その用紙をプリントユニットPUの上面に形成された排紙トレイ70に排出するための一対の排紙ローラ64,65が取り付けられている。
【0046】
排紙トレイ70の両側(図1において左右両側および奥側、図2において手前側および奥側)には、上面が平面状に形成された突出部71が設けられており、図2に示すように、排紙トレイ70は突出部71の上面から落とし込まれて形成されている。
【0047】
図4は本実施形態の制御系を示す制御ブロック図である。図4に示すように、操作部91、レーザスキャナユニット40、定着ユニット50および各駆動機構の駆動源としてのモータ102が、それぞれプリンタ制御部101に接続され、プリンタ制御部101によりプリンタ1の各部が制御される。
【0048】
次に、用紙の給送動作について説明する。給紙ローラ14を所定のタイミングで回転させると、給紙カセット10から用紙が1枚ずつ排出される。この用紙はガイド35の作用により反転されて、レジストローラ31およびレジストローラ32によりその先端の位置調整がなされた後、感光体ドラム21および転写ローラ22の間へ搬送される。
【0049】
一方、帯電器28によって帯電された感光体ドラム21の表面には、レーザスキャナユニット40から射出されたレーザ光が照射されて静電潜像が形成される。感光体ドラム21上の静電潜像が現像ローラ25に対向するとき、供給ローラ27および現像ローラ25を介して搬送されたトナーがこの静電潜像を顕在化させ、そのトナー像が感光体ドラム21および転写ローラ22の間を通る用紙に転写される。
【0050】
トナー像が転写された用紙は、次に加熱ローラ51および押圧ローラ52の間を通過するが、このとき用紙上のトナー像に熱と圧力が加えられることにより、トナー像が用紙に定着される。
【0051】
さらに用紙は搬送ローラ53,54の間を通って、シュータ61に沿って搬送され、次いで排紙ローラ64,65の間から排紙トレイ70に印刷面を下に向けて(フェイスダウンで)排出される。
【0052】
図5に示すように、突出部71の上面にはカバー81が載置可能とされ、このとき、図1に示すように排紙トレイ70がカバー81によって覆われた状態となる。なお、図5(a)は突出部71の上面にカバー81を載置した場合におけるプリンタ1の斜視図、図5(b)はカバー81の断面図である。
【0053】
図5(a)および図5(b)に示すように、カバー81には下方に向けて突出する脚部81aが設けられている。脚部81aの下端面は平面状に形成されており、この下端面を突出部71の上面に当接させるようにして、カバー81を載置する。カバー81のプリンタ1の前面側(図5(a)における手前側)には切欠き部81bが形成されており、この切欠き部81bを介して排紙トレイ70上の用紙を取り出すことができる。
【0054】
図5に示すように、排紙トレイ70を覆うカバー81の上面は平面状に形成されているので、カバー81の上に、例えば各種機器を置くこともできるなど、カバー81の上、すなわちプリンタ1の上方のスペースを有効に利用することができる。また、切欠き部81bを介して排出された用紙を取り出すことができるので、カバー81上に物を載せた場合も用紙の取り出しが妨害されることはない。カバー81上に載置された機器(例えばファクシミリ等の通信機器や画像を読み取るスキャナ等)と、プリンタ1とを電気的に接続し、画像データをやり取りすることも可能である。
【0055】
本実施形態では、排出された用紙の一端を切欠き部81bを介してカバー81の外側に突出させることにより、用紙の一端を把持して容易に用紙を取り出すことができる。したがって、用紙の他端が突き当てられる突き当て面72(図2)から切欠き部81bに至る排紙トレイ70の長さを、用紙(例えば、A4あるいはB5の用紙)の長さよりもある程度短く設定することが望ましい。この長さは、プリンタ1での使用が想定される用紙のサイズに合わせて設定すればよいが、例えば、使用される最小サイズの用紙に合わせて設定してもよい。
【0056】
カバー81がプリンタ1に取り付けられているとき、排紙トレイ70とカバー81との上下方向の間隔、あるいは切欠き部81bにより形成される開口の上下方向の幅により、積載可能な用紙の枚数が制限されることになる。したがって、上記間隔あるいは上記幅は一度に排出可能な用紙の枚数を考慮して設定することができるが、例えば、給紙カセット10に収納される枚数の用紙を排紙トレイ70上に積載できる値に設定してもよい。
【0057】
このように、第1の実施形態では、使用の用途や情況に応じてカバー81を取り付けることができる。
【0058】
第1の実施形態は、給紙カセット10の着脱、プロセスカートリッジ20の着脱、手差し給紙、排紙、およびプリンタ1の操作をすべてプリンタ1の前面側から行うことができるように構成されている。したがって、プリンタ1の前面側を開放しておくだけで、これらすべての操作や作業を行うことができ、プリンタ1の側面側や上面側を開放したり、あるいはプリンタ1を移動する必要がないので、極めて便利であり、また、設置スペースを小さく抑えることができる。
【0059】
−第2の実施の形態−
以下、図6および図7を参照して本発明による画像形成装置をレーザビームプリンタに適用した第2の実施形態について説明する。
【0060】
図6に示すように、第2の実施形態では、突出部71Aが第1の実施形態の突出部71よりも上方に伸びている。この突出部71Aには、排紙トレイ70Aをプリンタ1の正面側まで延設させるための切欠き部71bが形成されている。
【0061】
第2の実施形態では、図7に示すように、平面状のカバー81Aを突出部71Aに載せることができる。図7(a)は、平面状のカバー81Aを載せた状態を示す斜視図、図7(b)は、第2の実施形態のカバーの断面図であり、図5(b)に相当する図である。
【0062】
図7(a)および図7(b)に示すように、第2の実施形態では、第1の実施形態におけるカバー81の脚部81aに代わるものとして、突出部71Aがスペーサーとして機能する。図7(a)に示すように、切欠き部71bを介して、排紙トレイ70A上に排出された用紙が取り出されるので、カバー81Aの上面側、すなわちプリンタ1の上方スペースを自由に使用することができる。
【0063】
第2の実施形態では、突出部71Aによって排紙のためのスペースが確保されるので、カバー81Aの代わりに各種機器等を載置することが可能である。すなわち、底面が平面状に形成されている機器等であれば、これを突出部71Aに載せた状態で排紙のためのスペースが確保できるので不都合が生じない。したがって、カバー81Aがない場合であっても、プリンタ1Aの上部を有効に利用することが可能となる。トレイ70Aに排出された用紙は、トレイ70Aと上部の機器等との隙間(切欠き部71b)を介してプリンタ1の正面側に取り出すことができる。
【0064】
本実施形態では、用紙の一端を切欠き部71bを介してカバー81Aの外側に突出させることにより、用紙の一端を把持して容易に用紙を取り出すことができる。したがって、用紙の他端が突き当てられる突き当て面72から切欠き部71bに至る排紙トレイ70Aの長さを、用紙(例えば、A4、B5の用紙、あるいは最小サイズの用紙等)の長さよりもある程度短く設定することが望ましい。
【0065】
カバー81Aがプリンタ1に取り付けられているとき、あるいは他の機器等が突出部71Aに載せられているとき、排紙トレイ70Aの上方に確保される空間の上下方向の幅により、積載可能な用紙の枚数が制限されることになる。したがって、上記幅は積載可能な用紙の枚数を考慮して設定することができ、給紙カセット10に収納される枚数の用紙を排紙トレイ70A上に積載できるようにしてもよい。少なくとも、排出トレイ70Aの全体を突出部73の上端面から1cm以上落とし込むようにすれば、少なくとも50枚以上の用紙を積載することが可能となり、一度の印刷出力で満載状態となる可能性が小さくなり、実用的である。
【0066】
−第3の実施形態−
以下、図8および図9を参照して本発明をレーザプリンタに適用した第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は、図1のプリンタ1の上方に画像を読み取るための読み取りユニット(スキャナユニット)を装着した一例である。
【0067】
図8は本実施形態を示す斜視図である。図8に示すように、プリンタ1Bは、第1の実施形態と共通のプリントユニットPUと、プリントユニットPUの上方に設けられ、画像を読み取るための読み取りユニット110とを備え、プリントユニットPUおよび読み取
りユニット110が1つの筐体に収納される。
【0068】
図8に示すように、プリントユニットPUの上方には、読み取りユニット(スキャナユニット)110が設けられる。読み取りユニット110は、ユニット110内に送り込む用紙を保持する給紙トレイ111と、送り込まれた用紙上の画像をスキャンして読み取り、電気信号に変換する画像読み取り部112(図6)と、読み取り動作を指示する操作等を受付ける操作部115とを備える。なお、画像読み取り部112を通過した用紙は排紙トレイ117に排出される。
【0069】
図9は、本実施形態の制御系を概念的に示すブロック図である。図9に示すように、読み取りユニット110には、所定の給紙機構を駆動して用紙を給送するための駆動モータ113と、画像読み取り部112、および操作部115が接続される読み取り制御部114とが設けられている。
【0070】
読み取り制御部114とプリントユニットPUのプリンタ制御部101とは互いに交信可能とされ、これにより、読み取りユニット110で読み取った画像をプリントユニットPUにおいて印刷することができる。また、所定のインターフェースや接続端子等を設け、読み取りユニット110で読み取った画像をパーソナルコンピュータに取り込めるようにしてもよい。
【0071】
−第4の実施形態−
以下、図10および図11を参照して本発明をレーザプリンタに適用した第4の実施形態について説明する。第4の実施形態では、図1のプリンタ1の上方にプリントユニットPUおよび読み取り・通信ユニットを装着した例を示す。
【0072】
図10(a)に示すように、プリンタ1Cは第1の実施形態と共通のプリントユニットPUと、プリントユニットPUの上方に取り付けられた読み取り・通信ユニット130とを備え、プリントユニットPUおよび読み取り・通信ユニット130が1つの筐体に収納される。
【0073】
読み取り・通信ユニット130は、画像の読み込み機能と、画像の通信(ファクシミリ)機能とを備える。図10(a)に示すように、読み込み・通信ユニット130には液晶表示装置の画面上にタッチパネルを備えた操作部131が設けられており、操作部131を操作することにより、画像の読み込みや送信等の動作を指示することができる。
【0074】
図11は、本実施形態の制御系を概念的に示すブロック図である。図11に示すように、読み取り・通信ユニット130は、所定の給紙機構を駆動して用紙を給送するための駆動モータ113Aと、この給紙機構を介して給送される用紙上の画像を読み取って電気信号に変換する画像読み取り部112Aと、操作部131、駆動モータ113Aおよび画像読み取り部112Aが接続される読み取り制御部114Aと、公衆回線を介して送られたデータを受信する受信部132と、公衆回線を介してデータを送信する送信部133と、操作部131、受信部132および送信部133が接続される通信制御部134とを備える。
【0075】
読み取り制御部114A、プリンタ制御部101、および通信制御部134は互いに交信可能とされ、これにより、画像読み取り部112Aで読み取った画像をプリントユニットPUにおいて印刷し、あるいは送信部133を介して送信することができる。また、受信部132を介して受け取った画像をプリントユニットPUにおいて印刷し、あるいは送信部132を介して送信することができる。なお、所定のインターフェースや接続端子等を設け、画像読み取り部112Aで読み取った画像、あるいは受信部132を介して受け
取った画像をパーソナルコンピュータに取り込めるようにしてもよい。
【0076】
図10(b)に示すプリンタ1Dは、図10(a)に示すプリンタ1Cに、さらに電話機能を付加したものである。図10(b)に示すように、プリンタ1DはプリントユニットPUと、プリントユニットPUの上方に取り付けられた読み取り・通信ユニット140とを備える。読み取り・通信ユニット140は、画像の読み取り機能、およびファクシミリ・通話機能に関する動作指示を受付ける操作パネル141と、電話回線を用いた通話を可能とするための受話器142とを備える。
【符号の説明】
【0077】
2 筐体
10 給紙カセット
20 プロセスユニット
21 感光体ドラム
34 開口部
40 レーザスキャナユニット
50 定着ユニット
70 排紙トレイ
81 カバー
81b 切欠き部
110 読み取りユニット
130 読み取り・通信ユニット
140 読み取り・通信ユニット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層された用紙を収容する給紙カセットと、
前記給紙カセットから給送される用紙に対して、電子写真方式により画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段を収容するとともに、前記画像形成手段の下方に前記給紙カセットを水平方向に着脱可能に収納する給紙カセット収納部を有し、前記画像形成手段の上方に前記画像形成手段にて画像が形成された用紙が排出されて積層される排紙部を有する筐体と、
前記給紙カセットから1枚ずつ分離された用紙を反転して前記画像形成手段へ搬送する搬送手段とを備え、
前記筐体の正面には、前記画像形成手段の一部を構成する画像形成ユニットを着脱するための開口部が形成され、
前記開口部が形成された前記筐体の正面に、前記給紙カセットを着脱するための給紙カセット用開口部が形成され、
前記画像形成ユニットは、単一の感光体ドラムと、当該感光体ドラムに形成された静電潜像を現像し、且つ、当該感光体ドラムよりも前記筺体の正面側に設けられた単一の現像手段と、を有し、
前記画像形成ユニットの上方には、前記感光ドラムに静電潜像を形成する露光手段が備えられ、
前記排紙部は、積層面が前記筐体の背面から前記正面の方向に向かって、前記筐体の上方向に傾斜するように設けられ、
前記露光手段は、前記感光体ドラム及び前記現像手段の少なくとも一部を覆うように設けられ、且つ、前記画像形成ユニットとの対向面が前記開口部に向かって前記筐体の上方向に傾斜するように設けられ、
前記画像形成ユニット及び前記給紙カセットは、それぞれ前記筐体の正面側から着脱可能であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記画像形成手段の一部を構成するレーザスキャナが、装置内に装着された前記画像形成ユニットの上方に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記排紙部は、前記筐体の上端面から落とし込まれて形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記筐体の上端面が平面状に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記筐体の正面側には、前記上端面から下方向に切欠かれた切欠き部が形成され、前記切欠き部の上面が前記排紙部に連なることを特徴とする請求項3または4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記排紙部は、前記筐体の上端面から1cm以上落とし込まれていることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記排紙部は前記筐体内に収納されるように形成されており、前記筐体の正面には前記排紙部に排出された用紙の取出し口が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記排紙部に排出された前記用紙の先端部が筐体の正面側に突出することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記排紙部の上方を覆う前記筐体の上面が、平面状に形成されていることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記筐体の上面が着脱可能とされていることを特徴とする請求項7または9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記筐体の正面には、前記画像形成ユニットが着脱される前記開口部を開閉可能に覆うカバーと、使用者の操作を受付ける操作パネルと、手差し用紙を差し込むための手差し用紙挿入口と、が設けられていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項12】
積層された用紙を収容する給紙カセットと、
前記給紙カセットから給送される用紙に対して、電子写真方式により画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段を収容するとともに、前記画像形成手段の下方に前記給紙カセットを水平方向に着脱可能に収納する給紙カセット収納部を有し、前記画像形成手段の上方に前記画像形成手段にて画像が形成された用紙が排出されて積層される排紙部を有する筐体と、
前記給紙カセットから1枚ずつ分離された用紙を反転して前記画像形成手段へ搬送する搬送手段と、
前記排紙部の上方に設けられ、シート上に形成された画像を電気信号に変換する画像読取ユニットと、を備え、
前記筐体の正面には、前記画像形成手段の一部を構成する画像形成ユニットを着脱するための開口部が形成され、
前記開口部が形成された前記筐体の正面に、前記給紙カセットを着脱するための給紙カセット用開口部が形成され、
前記画像形成ユニットは、単一の感光体ドラムと、当該感光体ドラムに形成された静電潜像を現像し、且つ、当該感光体ドラムよりも前記筺体の正面側に設けられた単一の現像手段と、を有し、
前記画像形成ユニットの上方には、前記感光ドラムに静電潜像を形成する露光手段が備えられ、
前記排紙部は、積層面が前記筐体の背面から前記正面の方向に向かって、前記筐体の上方向に傾斜するように設けられ、
前記露光手段は、前記感光体ドラム及び前記現像手段の少なくとも一部を覆うように設けられ、且つ、前記画像形成ユニットとの対向面が前記開口部に向かって前記筐体の上方向に傾斜するように設けられ、
前記画像形成ユニット及び前記給紙カセットは、それぞれ前記筐体の正面側から着脱可能であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
前記画像形成手段は前記画像読取ユニットの出力信号に基づく画像を形成することを特徴する請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記画像読取ユニットは前記筐体に収納されていることを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記画像読取ユニットの出力信号に基づく信号を送信する送信手段を備えることを特徴とする請求項12〜14のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記送信手段は前記筐体に収納されていることを特徴とする請求項15に記載の画像形
成装置。
【請求項1】
積層された用紙を収容する給紙カセットと、
前記給紙カセットから給送される用紙に対して、電子写真方式により画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段を収容するとともに、前記画像形成手段の下方に前記給紙カセットを水平方向に着脱可能に収納する給紙カセット収納部を有し、前記画像形成手段の上方に前記画像形成手段にて画像が形成された用紙が排出されて積層される排紙部を有する筐体と、
前記給紙カセットから1枚ずつ分離された用紙を反転して前記画像形成手段へ搬送する搬送手段とを備え、
前記筐体の正面には、前記画像形成手段の一部を構成する画像形成ユニットを着脱するための開口部が形成され、
前記開口部が形成された前記筐体の正面に、前記給紙カセットを着脱するための給紙カセット用開口部が形成され、
前記画像形成ユニットは、単一の感光体ドラムと、当該感光体ドラムに形成された静電潜像を現像し、且つ、当該感光体ドラムよりも前記筺体の正面側に設けられた単一の現像手段と、を有し、
前記画像形成ユニットの上方には、前記感光ドラムに静電潜像を形成する露光手段が備えられ、
前記排紙部は、積層面が前記筐体の背面から前記正面の方向に向かって、前記筐体の上方向に傾斜するように設けられ、
前記露光手段は、前記感光体ドラム及び前記現像手段の少なくとも一部を覆うように設けられ、且つ、前記画像形成ユニットとの対向面が前記開口部に向かって前記筐体の上方向に傾斜するように設けられ、
前記画像形成ユニット及び前記給紙カセットは、それぞれ前記筐体の正面側から着脱可能であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記画像形成手段の一部を構成するレーザスキャナが、装置内に装着された前記画像形成ユニットの上方に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記排紙部は、前記筐体の上端面から落とし込まれて形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記筐体の上端面が平面状に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記筐体の正面側には、前記上端面から下方向に切欠かれた切欠き部が形成され、前記切欠き部の上面が前記排紙部に連なることを特徴とする請求項3または4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記排紙部は、前記筐体の上端面から1cm以上落とし込まれていることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記排紙部は前記筐体内に収納されるように形成されており、前記筐体の正面には前記排紙部に排出された用紙の取出し口が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記排紙部に排出された前記用紙の先端部が筐体の正面側に突出することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記排紙部の上方を覆う前記筐体の上面が、平面状に形成されていることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記筐体の上面が着脱可能とされていることを特徴とする請求項7または9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記筐体の正面には、前記画像形成ユニットが着脱される前記開口部を開閉可能に覆うカバーと、使用者の操作を受付ける操作パネルと、手差し用紙を差し込むための手差し用紙挿入口と、が設けられていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項12】
積層された用紙を収容する給紙カセットと、
前記給紙カセットから給送される用紙に対して、電子写真方式により画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段を収容するとともに、前記画像形成手段の下方に前記給紙カセットを水平方向に着脱可能に収納する給紙カセット収納部を有し、前記画像形成手段の上方に前記画像形成手段にて画像が形成された用紙が排出されて積層される排紙部を有する筐体と、
前記給紙カセットから1枚ずつ分離された用紙を反転して前記画像形成手段へ搬送する搬送手段と、
前記排紙部の上方に設けられ、シート上に形成された画像を電気信号に変換する画像読取ユニットと、を備え、
前記筐体の正面には、前記画像形成手段の一部を構成する画像形成ユニットを着脱するための開口部が形成され、
前記開口部が形成された前記筐体の正面に、前記給紙カセットを着脱するための給紙カセット用開口部が形成され、
前記画像形成ユニットは、単一の感光体ドラムと、当該感光体ドラムに形成された静電潜像を現像し、且つ、当該感光体ドラムよりも前記筺体の正面側に設けられた単一の現像手段と、を有し、
前記画像形成ユニットの上方には、前記感光ドラムに静電潜像を形成する露光手段が備えられ、
前記排紙部は、積層面が前記筐体の背面から前記正面の方向に向かって、前記筐体の上方向に傾斜するように設けられ、
前記露光手段は、前記感光体ドラム及び前記現像手段の少なくとも一部を覆うように設けられ、且つ、前記画像形成ユニットとの対向面が前記開口部に向かって前記筐体の上方向に傾斜するように設けられ、
前記画像形成ユニット及び前記給紙カセットは、それぞれ前記筐体の正面側から着脱可能であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
前記画像形成手段は前記画像読取ユニットの出力信号に基づく画像を形成することを特徴する請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記画像読取ユニットは前記筐体に収納されていることを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記画像読取ユニットの出力信号に基づく信号を送信する送信手段を備えることを特徴とする請求項12〜14のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記送信手段は前記筐体に収納されていることを特徴とする請求項15に記載の画像形
成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−288802(P2009−288802A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−203392(P2009−203392)
【出願日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【分割の表示】特願2008−62709(P2008−62709)の分割
【原出願日】平成11年3月31日(1999.3.31)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【分割の表示】特願2008−62709(P2008−62709)の分割
【原出願日】平成11年3月31日(1999.3.31)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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