説明

画像形成装置

【課題】サンプル画像のプリント物によって、ユーザが仕上がり画像の画質とともに画像形成装置の装置状態を確認できるようにする。
【解決手段】本発明に係る画像形成装置1によれば、ジョブの実行中にサンプル出力タイミングとなったときに、装置状態検出部としてのセンサSE1〜SE5から画像形成装置1の装置状態(紙残量、トナー残量、定着温度)を示す情報が取得し、取得した装置状態を示す情報を含むサンプル画像をプリンタ部60によりプリントし、ジョブの通常プリント物を積載する第1の排出部とは異なる第2の排出部に排出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機等の画像形成装置でプリントする場合、特に大量にプリントする場合に、プリント物の品質劣化(濃度低下、汚れ等)を確認するために、通常の画像のプリント中にサンプル画像をプリントする構成が考えられている。サンプル画像としては、テストパターンの画像や、通常出力に用いるプリント画像が用いられる。
【0003】
例えば、印刷物の連続出力中に、ユーザの操作に応じてサンプル画像をプリントする構成が考えられている(例えば、特許文献1参照)。また、画像形成ジョブの実行中に、画像形成枚数が所定枚数に達したり、機内温度が所定温度に上昇したりするなどの所定条件が成立したときにサンプル画像をプリントする構成が考えられている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2004−284323号公報
【特許文献2】特開2005−153374号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
サンプル画像のプリント物を見れば、ユーザは、画像形成ジョブの実行中に画質が低下したか否かを認識することはできる。しかしながら、サンプル画像のプリント物を見ても、現状の装置状態、例えば、紙残量、トナー残量等を把握することはできないため、あとどのくらいで画像形成装置の状態が変化して画質が低下するか、装置が停止するか等をユーザが把握することができない。
【0005】
一方、画像形成ジョブ実行中における紙残量やトナー残量といった画像形成装置の装置状態の変化は表示部には表示されてはいるが、装置状態の変化を把握するには、ユーザは表示部を監視していなければならず、負担であった。
【0006】
本発明の課題は、サンプル画像のプリント物によって、ユーザが仕上がり画像の画質とともに画像形成装置の装置状態を確認できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明の画像形成装置は、
用紙上に画像を形成するプリンタ部と、
前記プリンタ部により画像形成された用紙を排出する第1の排出部と、
前記プリンタ部により画像形成された用紙を排出する第2の排出部と、
自装置の装置状態を検出する装置状態検出部と、
画像形成ジョブの実行によって前記プリンタ部により用紙上に画像を形成し前記第1の排出部に排出するとともに、前記画像形成ジョブの実行中に予め定められた条件となったときに、前記装置状態検出部で検出された装置状態を示す情報を含むサンプル画像を前記プリンタ部により用紙上に形成し前記第2の排出部に排出する制御部と、
を備える。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記制御部は、前記画像形成ジョブの実行中に前記装置状態検出部により検出された装置状態が予め定められた状態に達した場合に、前記画像形成ジョブを一時停止する旨及びその時点の日付情報を更に含むサンプル画像を前記プリンタ部により用紙上に形成して前記第2の排出部に排出し、前記画像形成ジョブを一時停止する。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、
前記装置状態検出部により検出される装置状態は、給紙トレイの紙残量である。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、
前記装置状態検出部により検出される装置状態は、前記プリンタ部で保持されているトナーの残量である。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、
前記装置状態検出部により検出される装置状態は、前記用紙上に形成された画像を当該用紙上に定着させる際の定着温度である。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、画像形成ジョブの実行中にプリントされるサンプル画像のプリント物によって、ユーザが仕上がり画像の画質とともに画像形成装置の装置状態を確認することが可能となる。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、画像形成装置の状態が予め定められた状態に達した場合に画像形成ジョブを一時停止するので、例えば、トナー残量が不十分である等の、不適切な装置状態での画像形成ジョブの続行を防止することが可能となる。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、サンプル画像のプリント物によって、給紙トレイの紙残量をユーザが把握することが可能となる。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、サンプル画像のプリント物によって、トナー残量をユーザが把握することが可能となる。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、サンプル画像のプリント物によって、定着温度をユーザが把握することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明に係る実施の形態を詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0018】
〔画像形成装置1の構成〕
先ず、図1〜図2を参照して、本実施の形態の装置構成を説明する。図1に、本実施の形態における画像形成装置1の機能構成例を示す。図2に、画像形成装置1の概略構成を示す。なお、本実施の形態では、画像形成装置1をモノクロ画像をプリントするMFP(Multi Function Printer)として説明するが、これに限定されるものではない。例えば、複写機、プリンタ等、他の画像形成装置としてもよい。
【0019】
図1に示すように、画像形成装置1は、制御部10、画像読み取り部20、操作部30、プリントコントローラ40、圧縮/伸長部50、プリンタ部60、スタッカ70、計時部80等を備えて構成されている。
【0020】
制御部10は、CPU(Central Processing Unit)11、不揮発メモリ12、RAM(Random Access Memory)13等により構成される。制御部10の不揮発メモリ12には、画像形成処理プログラムを始めとする各種プログラムや、各種プログラムの実行に必要なパラメータやデータ、例えば、サンプル用画像データ121等が記憶されており、制御部10のCPU11は、この不揮発メモリに記憶されているプログラムを読み出してRAM13に展開し、展開したプログラムとの協働により、後述する画像形成処理を始めとする各種処理を実行し、画像形成装置1の各部の動作を制御する。
【0021】
画像読み取り部20は、図2に示すADF(Auto Document Feeder)部21と、スキャナ部22と、を備えて構成される。
ADF部21は、自動紙送り機構であり、原稿台210に載置された原稿をスキャナ部22に搬送する。
スキャナ部22は、光源、CCD(Charge Coupled Device)、A/D変換器、圧縮IC、圧縮メモリ等を備えて構成される。スキャナ部22は、光源から原稿へ照明走査した光の反射光をCCDに結像して光電変換することにより原稿の画像を読み取り、読み取った画像をA/D変換器によりデジタル画像データに変換し、画像データを取得する。また、画像読み取り部20は、図示しない圧縮IC及び圧縮メモリを備え、取得した画像データを圧縮ICにより圧縮した後、圧縮メモリに記憶し、制御部10からの制御に従って圧縮された画像データを圧縮メモリから読み出して伸長IC53に出力する。
【0022】
操作部30は、LCD(Liquid Crystal Display)等から構成される表示部31、タッチパネル32、ハードキー33を備える。
表示部31は、制御部10から入力される表示信号の指示に従って表示画面上に各種操作画面や装置の状態表示、各機能の動作状況等の表示を行う。表示部31の表示画面上には透明電極を格子状に配置した感圧式(抵抗膜圧式)のタッチパネル32が構成され、手指やタッチペン等で押下された力点のXY座標を電圧値で検出し、検出された位置信号を操作信号として制御部10に出力する。
ハードキー33は、テンキー、画像形成ジョブ(以下、ジョブという)の実行開始を指示するためのスタートキー、サンプルプリント物のプリントを指示するためのサンプル出力キー等の各種機能キーを備え、キー操作による操作信号を制御部10に出力する。
【0023】
例えば、操作部30は、ジョブ設定画面を表示部31に表示し、当該画面からのタッチ操作によるジョブの設定情報の入力を受け付け、制御部10に出力する。
ここで、ジョブの設定情報は、ジョブの実行時の処理の内容を規定する情報である。ジョブの実行とは、制御部10の制御により、画像読み取り部20又はプリントコントローラ40等の画像入力部101から入力された画像データ(ジョブの画像データ)、及び、操作部30又はプリントコントローラ40から入力されたジョブの設定情報(詳細後述)に基づいて、用紙に画像を形成し排出する一連の画像形成動作を行うことである。ジョブの設定情報としては、例えば、プリントする部数(1〜n)、プリントモード(片面/両面)、用紙サイズ(A4、B4、A3、・・・)、紙種(普通紙、上質紙、・・・)、斤量(64−74g/m、75−80g/m、81−105g/m、・・・)等が挙げられる。
【0024】
また、操作部30は、図示しないサンプルプリント条件設定画面を表示部31に表示し、当該画面からのタッチ操作によるサンプルプリント条件の設定情報の入力を受け付け、制御部10に出力する。
サンプルプリント条件は、サンプルプリント物に形成されるサンプル画像のパターン、プリンタ部60においてサンプルプリント物を作成し排出するタイミングとを含む。
【0025】
ここで、本実施の形態において、サンプルプリント物とは、ジョブの実行中に予め定められた条件となったときにプリントされる、サンプル画像が形成されたプリント物である。予め定められた条件となったときとは、サンプルプリント条件設定画面において設定したサンプル出力タイミングとなったとき、或いは操作部30のサンプル出力キーが押下されたとき等である。サンプルプリント物は、ジョブの実行によりプリントされるプリント物(以下、通常プリント物という)の画質劣化(濃度低下、トナーこぼれによる汚れ等)を確認するためのもので、通常プリント物とは別の排出部に排出される。
【0026】
図3に、本実施の形態におけるサンプルプリント物401の一例を示す。図4に、本実施の形態におけるサンプルプリント物402の一例を示す。
サンプルプリント物には、例えば、図3に示すサンプルプリント物401、図4に示すサンプルプリント物402のようなサンプル画像が形成される。即ち、サンプルプリント物は、黒ベタ画像である濃度パッチ401a、402a、トナー画像が形成されない白紙部401b、402b等を有する。ユーザは、サンプルプリント物の濃度パッチ401a、402aの発色を目視することで、通常プリント物に濃度低下があるか否かを確認することができる。また、白紙部401b、402bを目視することで通常プリント物に汚れがあるか否かを確認することができる。
また、本実施の形態において、サンプルプリント物は、例えば、図3に示すサンプルプリント物401、図4に示すサンプルプリント物402のように、画像形成装置1の装置状態を示す情報、例えば、給紙部61の各給紙トレイの用紙残量、トナー残量、定着部64の定着温度レベル(低温、適温、高温)等を示す情報がプリントされる。これにより、ユーザはジョブの実行中に装置状態がこのままジョブを続行できる状態であるか否かを把握することができる。
【0027】
サンプルプリント条件設定画面においては、サンプルプリント物に形成するサンプル画像のパターンとして、図3に示すように、装置状態を示す情報を文字としてプリントするものと、図4に示すように、装置状態を示す情報をイメージとしてプリントするものの何れかを設定可能である。
また、サンプルプリント条件設定画面においては、サンプル出力タイミングとして、通常プリント物を何枚プリントする毎にサンプルプリント物を1枚プリントするかを設定可能である。このときの通常プリント物のカウントは、ジョブ毎にカウントするように設定することもできるし、トナーボトル交換後の画像形成装置1におけるトータルの通常プリント枚数でカウントするように設定することもできる。
【0028】
また、操作部30は、図示しない停止条件設定画面を表示部31に表示し、当該画面からのタッチ操作によるジョブの一時停止条件の設定情報の入力を受け付け、制御部10に出力する。ここで、後述する画像形成処理では、給紙部61の各トレイの紙残量、トナー残量、定着部64の定着温度の何れかの装置状態が当該画面により予め設定された状態となったとき、具体的には、当該画面により設定された閾値以下となった場合には、ジョブが一時停止されるようになっている。停止条件設定画面においては、このジョブの一時停止条件となる各トレイの紙残量の閾値、トナー残量の閾値、定着温度の閾値をそれぞれ設定可能である。
【0029】
プリントコントローラ40は、通信インターフェースを有し、通信インターフェースを介してLAN(Local Area Network)、インターネット等の通信ネットワークNに接続されたホストコンピュータ2から入力されるジョブの設定情報を制御部10に出力する。また、プリントコントローラ40は、LANインターフェースを介してホストコンピュータ2から入力されるジョブの画像データを所定のページ記述言語によって画像形成装置1で画像形成可能なデータ形式の画像データに変換し、圧縮/伸長部50の圧縮IC51に出力する。
【0030】
圧縮/伸長部50は、圧縮IC51、圧縮メモリ52、伸長IC53、画像メモリ54等により構成されている。圧縮IC51は、制御部10からの指示に従って、プリントコントローラ40から入力された画像データを圧縮し圧縮メモリ52に格納する。伸長IC53は、制御部10からの指示に従って、圧縮メモリ52に記憶された圧縮画像データを読み出して伸長し画像メモリ54に格納する。
【0031】
プリンタ部60は、画像データに基づいて、用紙上に電子写真方式の画像形成を行い、プリント物を生成するものである。プリンタ部60は、図1に示すように、給紙部61、搬送機構62、画像形成部63、用紙上に形成されたトナー像を定着させる定着部64等を備えて構成される。
【0032】
給紙部61は、図2に示す給紙トレイ611(トレイ1)〜給紙トレイ613(トレイ3)の3つの給紙トレイを備えて構成される。
また、給紙部61は、センサSE1〜SE3を備えている。センサSE1は、給紙トレイ611内部に配置され、給紙トレイ611に収容されている用紙の残量を検出して制御部10に出力する。センサSE2は、給紙トレイ612内部に配置され、給紙トレイ612に収容されている用紙の残量を検出して制御部10に出力する。センサSE3は、給紙トレイ613内部に配置され、給紙トレイ613に収容されている用紙の残量を検出して制御部10に出力する。
【0033】
搬送機構62は、搬送ローラ、搬送ベルト及びこれらを駆動するモータ等により構成され、制御部10からの指示に従って、給紙部61に収容されている用紙を搬送し、画像形成部63、定着部64を経由してスタッカ70に排出する。
【0034】
画像形成部63は、図2に示すように、像担持体である感光ドラム621、感光ドラムの帯電を行う帯電部622、画像データに基づいて感光ドラム表面に露光走査するLD(LASER Diode)等の露光部623、トナーボトルを保持し感光ドラムにトナーを付着させる現像部624、感光ドラム上に形成されたトナー像を記録用紙に転写する転写部625、及び感光ドラム上の残トナーを除去するクリーニング部626等を備えて構成され、制御部10からの制御に従って電子写真方式により用紙に画像を形成する。
また、画像形成部63は、現像部624にセンサSE4を備えている。センサSE4は、現像部624に保持されているトナーボトルのトナー残量を検出して制御部10に出力する。
【0035】
定着部64は、内側にハロゲンランプヒータ又は誘導加熱ヒータ等の加熱手段を備える加熱部材としての加熱ローラと、加熱ローラに圧着し定着ニップを形成する加圧部材としての加圧ローラとを含んで構成され、画像形成部63でトナー像が形成された用紙を定着ニップで挟持して搬送する間に加熱及び加圧して、用紙上のトナー画像を溶融定着する。
また、定着部64は、センサSE5を備えている。センサSE5は、定着部64の加熱ローラの温度を検出して制御部10に出力する。
上述のセンサSE1〜SE5は、画像形成装置1の装置状態を検出する装置状態検出部を構成する。
【0036】
なお、本実施の形態では、プリンタ部60が電子写真方式の画像形成を行うこととしたが、これに限定されるものではなく、インクジェット方式、熱転写方式、ドットインパクト方式等、他の画像形成方式としてもよい。
【0037】
スタッカ70は、プリンタ部60を介して制御部10により制御され、プリンタ部60から排出されたプリント物(通常プリント物、サンプルプリント物)を積載して蓄積する。スタッカ70は、第1の排出部としての積載ステージ71と、第2の排出部としてのサブトレイ72と、を備えて構成される。
【0038】
積載ステージ71は、通常プリント物を積載する。サブトレイ72は、サンプル画像データの画像形成後のサンプルプリント物を積載する。
【0039】
積載ステージ71は、プリント物の量に応じて、上下に移動する。スタッカ70において、プリンタ部60から排出された通常プリント物は、排紙の経路R1を通って積載ステージ71上に排出される。スタッカ70において、プリンタ部60から排出された通常プリント物は、排紙の経路R2を通ってサブトレイ72に排出される。
【0040】
スタッカ70には、積載ステージ71の前面に図示しない前扉が設けられている。前扉は、ジョブの実行中にはロックされ、一連のジョブが終了するまでユーザは仕上がった通常プリントを目視により確認できない状態となる。
【0041】
計時部80は、RTC(Real Time Clock)等により構成され、現在の日時を計時して制御部10に出力する。
【0042】
なお、画像形成された用紙にソート処理、パンチ(穴開け)処理、ステープル処理、中折り処理、断裁処理等の各種後処理を施す後処理装置を更に設ける構成としてもよい。
【0043】
〔画像形成装置1の動作〕
次に、本実施の形態における画像形成装置1の動作について説明する。
図5、6に、制御部10により実行される画像形成処理のフローを示す。
【0044】
まず、操作部30のサンプルプリント条件設定画面において、ユーザによるサンプル画像のパターン、サンプル出力タイミング等のサンプルプリント条件の入力が受け付けられ、入力されたサンプルプリント条件が設定される(ステップS1)。
【0045】
次いで、操作部30の停止条件設定画面において、ユーザによるジョブの一時停止条件となる紙残量、トナー残量、定着温度の閾値の入力が受け付けられ、入力された一時停止条件が設定される(ステップS2)。
【0046】
操作部30によりジョブの設定情報が入力されてスタートボタンが押下されるか又はプリントコントローラ40を介してホストコンピュータ2からジョブの開始が指示されてジョブの設定情報が入力されると、ジョブ開始からの処理枚数をカウントするジョブ枚数カウンタが0に初期化される(ステップS3)。
【0047】
次いで、画像入力部101によりジョブの画像データが入力される(ステップS4)。具体的には、ステップS3においてスタートボタンが押下された場合には、原稿台210に載置された原稿が画像読み取り部20により読み取られることによりジョブの画像データが入力される。入力された画像データは、ページ番号が付与されて順次画像読み取り部20の図示しない圧縮メモリに記憶される。ステップS3においてホストコンピュータ2からジョブ開始が指示された場合には、プリントコントローラ40を介してジョブの画像データが入力される。入力された画像データは、ページ番号が付与されて圧縮IC51により圧縮されて圧縮メモリ52に記憶される。
【0048】
次いで、画像入力部101によるジョブの画像データの入力が完了したか否かが判断され、完了していないと判断されると(ステップS5;NO)、処理はステップS4に戻る。ジョブの画像データの入力が完了したと判断されると(ステップS5;YES)、処理はステップS6に移行する。
【0049】
ステップS6においては、サンプル出力タイミングであるか否かが判断され、サンプル出力タイミングであると判断されると(ステップS6;YES)、処理はステップS7に移行する。ここで、ステップS6においては、具体的には、ジョブ枚数カウンタ又はトータル枚数カウンタのカウント値がステップS1で設定されたサンプル出力タイミングの条件に合致した値となったときに、サンプル出力タイミングであると判断される。なお、トータル枚数カウンタは、トナーボトルが交換されるとリセットされるカウンタであり、そのカウント値は、トナーボトル交換後からのトータルの通常プリント物の処理枚数をカウントするものである。また、操作部30のサンプル出力キーが押下されると、サンプル出力タイミングであると判断される。
【0050】
ステップS7においては、排出先が第2の排出部としてのサブトレイ72に設定される。次いで、装置状態検出部としてのセンサSE1〜SE5から画像形成装置1の装置状態が取得され(ステップS8)、取得された装置状態を示す情報がステップS1で設定されたサンプル画像パターンに応じて文字画像データ又はイメージ画像データに変換される(ステップS9)。そして、制御部10の不揮発メモリ12に予め記憶されたサンプル用画像データ121が画像メモリ54に読み出され、ステップS9で変換された装置状態を示す文字画像データ又はイメージ画像データがサンプル用画像データ121に合成されてサンプル画像データが生成され(ステップS10)、処理はステップS14に移行する。
【0051】
一方、ステップS6において、サンプル出力タイミングではないと判断されると(ステップS6;NO)、排出先が第1の排出部としての積載ステージ71に設定される(ステップS11)。次いで、圧縮メモリ52に記憶されている次にプリントすべきページ番号の画像データが読み出されて伸長IC53により伸長され、画像メモリ54に格納される(ステップS12)。そして、ジョブ枚数カウンタ及びトータル枚数カウンタがカウントアップ(+1)され、処理はステップS14に移行する。
【0052】
ステップS14においては、ジョブの設定情報により指示されたサイズ、紙種、斤量の用紙が給紙部61から給紙される。次いで、画像メモリ54に格納されている画像データが読み出されてプリンタ部60に出力され、プリンタ部60において、当該画像データに基づいて給紙された用紙に画像が形成され(プリントされ)(ステップS15)、ステップS7又はステップS11で設定された排出部に排出される(ステップS16)。即ち、サンプル画像データに基づいて用紙にサンプル画像が形成され、サンプルプリント物がサブトレイ72に排出されるか、又は、ジョブの画像データに基づいて用紙に画像が形成され、通常プリント物が積載ステージ71に排出される。
【0053】
図3に、ステップS16において排出されるサンプルプリント物401の一例を示す。
【0054】
サンプルプリント物又は通常プリント物の排出が終了すると、装置状態検出部としてのセンサSE1〜SE5から画像形成装置1の装置状態(紙残量、トナー残量、定着温度)を示す情報が取得され、取得された装置状態のうち予め設定された閾値以下となった項目(紙残量、トナー残量、定着温度)があるか否かが判断される(ステップS17)。
【0055】
ステップS17において、紙残量については、給紙中のトレイの紙残量が閾値以下となった場合に、紙残量が閾値以下であると判断される。なお、給紙中のトレイの紙残量が閾値以下であった場合、他のトレイに同じサイズ、紙種及び斤量の用紙が収容されているか否かを判断し、収容されている場合には、以降の給紙元の給紙トレイを上記他のトレイに変更し、ステップS26に移行するようにしてもよい。
【0056】
取得された装置状態のうち予め設定された閾値以下となった項目があると判断されると(ステップS17;YES)、排出先が第2の排出部としてのサブトレイ72に設定される(ステップS18)。
【0057】
次いで、ステップS17で取得された装置状態を示す情報がステップS1で設定されたサンプル画像パターンに応じて文字画像データ又はイメージ画像データに変換される(ステップS19)。そして、制御部10の不揮発メモリ12に予め記憶されたサンプル用画像データ121が画像メモリ54に読み出され、ステップS9で変換された装置状態を示す文字画像データ又はイメージ画像データがサンプル用画像データ121に合成される(ステップS20)。更に、計時部80から現在の日時情報が取得され、ジョブを一時停止している旨及びその停止理由を示す文字画像及び現在の日時情報がサンプル画像データに合成されてサンプル画像データが生成される(ステップS21)。
【0058】
サンプル画像データが生成されると、ジョブの設定情報により指示されたサイズ、紙種、斤量の用紙が給紙部61から給紙され(ステップS22)、画像メモリ54に格納されている画像データが読み出されてプリンタ部60に出力され、プリンタ部60において、当該画像データに基づいて給紙された用紙に画像が形成され(プリントされ)(ステップS23)、サブトレイに排出される(ステップS24)。そして、実行中のジョブが一時停止され(ステップS25)、本処理は終了する。図4に、ステップS24において排出されるサンプルプリント物402の一例を示す。ステップS24においては、ジョブを一時停止している旨、一時停止理由及びその日時情報が印字されている点がステップS16において排出されるサンプルプリント物とは異なる。
【0059】
一方、ステップS17において、取得された装置状態が予め設定された閾値以下となった項目(紙残量、トナー残量、定着温度)がないと判断されると(ステップS17;NO)、当該ジョブによってプリントすべき全プリント物が排出されたか否かが判断され、全プリント物が排出されていないと判断されると(ステップS26;NO)、処理はステップS6に戻り、ステップS6〜S26が繰り返し実行される。全プリント物が排出されたと判断されると(ステップS26;YES)、本処理は終了する。
【0060】
以上説明したように、画像形成装置1によれば、ジョブの実行中にサンプル出力タイミングとなったときに、装置状態検出部としてのセンサSE1〜SE5から画像形成装置1の装置状態(紙残量、トナー残量、定着温度)を示す情報が取得される。そして、取得された装置状態を示す情報を含むサンプル画像がプリンタ部60によりプリントされ、ジョブの通常プリント物が積載される第1の排出部とは異なる第2の排出部に排出される。
【0061】
従って、画像形成ジョブの実行中にプリントされるサンプル画像のプリント物によって、ユーザが仕上がり画像の画質とともに画像形成装置の装置状態を確認することが可能となる。
【0062】
また、装置状態検出部により取得された装置状態のうち予め設定された閾値以下となった項目(紙残量、トナー残量、定着温度)がある場合には、ジョブを一時停止する旨及びその時点の日時情報を含むサンプル画像がプリントされ、ジョブが一時停止されるので、例えば、トナー残量が不十分である等の、不適切な装置状態での画像形成ジョブの続行を防止することが可能となる。
【0063】
なお、上記実施の形態における記述内容は、本発明に係る画像形成装置1の好適な一例であり、これに限定されるものではない。
【0064】
例えば、上記実施の形態においては、本発明をモノクロ画像をプリントする画像形成装置に適用した場合を例にとり説明したが、カラー画像をプリントする画像形成装置に適用してもよい。カラー画像をプリントする画像形成装置においては、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの色毎にトナーが備えられているので、サンプル画像には、色別にトナー残量を示す文字情報やイメージ画像を含めるようにすることが好ましい。また、サンプル画像には、色別に濃度パッチを設けるようにすることが好ましい。
【0065】
また、サンプル画像には、装置状態を示す情報のほか、画像形成装置1の消耗部品や次回のメンテナンスまでの期間等を更に含めてプリントするようにしてもよい。
【0066】
その他、画像形成装置1の細部構成及び細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の実施の形態における画像形成装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図2】図1の画像形成装置の機械的な概略構成を模式的に示す図である。
【図3】サンプル出力タイミングとなったときにプリントされるサンプルプリント物の一例を示す図である。
【図4】装置状態が予め定められた状態となったときにプリントされるサンプルプリント物の一例を示す図である。
【図5】図1の制御部により実行される画像形成処理を示すフローチャートである。
【図6】図1の制御部により実行される画像形成処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0068】
1 画像形成装置
10 制御部
11 CPU
12 不揮発メモリ
121 サンプル用画像データ
13 RAM
20 画像読み取り部
30 操作部
31 表示部
32 タッチパネル
33 ハードキー
40 プリントコントローラ
50 圧縮/伸長部
51 圧縮IC
52 圧縮メモリ
53 伸長IC
54 画像メモリ
60 プリンタ部
61 給紙部
62 搬送機構
63 画像形成部
64 定着部
70 スタッカ
80 計時部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙上に画像を形成するプリンタ部と、
前記プリンタ部により画像形成された用紙を排出する第1の排出部と、
前記プリンタ部により画像形成された用紙を排出する第2の排出部と、
自装置の装置状態を検出する装置状態検出部と、
画像形成ジョブの実行によって前記プリンタ部により用紙上に画像を形成し前記第1の排出部に排出するとともに、前記画像形成ジョブの実行中に予め定められた条件となったときに、前記装置状態検出部で検出された装置状態を示す情報を含むサンプル画像を前記プリンタ部により用紙上に形成し前記第2の排出部に排出する制御部と、
を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記画像形成ジョブの実行中に前記装置状態検出部により検出された装置状態が予め定められた状態に達した場合に、前記画像形成ジョブを一時停止する旨及びその時点の日付情報を更に含むサンプル画像を前記プリンタ部により用紙上に形成して前記第2の排出部に排出し、前記画像形成ジョブを一時停止する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記装置状態検出部により検出される装置状態は、給紙トレイの紙残量である請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記装置状態検出部により検出される装置状態は、前記プリンタ部で保持されているトナーの残量である請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記装置状態検出部により検出される装置状態は、前記用紙上に形成された画像を当該用紙上に定着させる際の定着温度である請求項1又は2に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−69396(P2009−69396A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−236797(P2007−236797)
【出願日】平成19年9月12日(2007.9.12)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】