説明

画像形成装置

【課題】 複数の異なる色のトナーコンテナを有する画像形成装置において、各トナーコンテナのトナー色を意識せずに簡単に交換する方法がなかった。
【解決手段】 本発明の画像形成装置は、トナーコンテナを画像形成装置に装着するためのひとつの搬入口と搬入路を設け、搬入路に沿って幅を階段状に変化させたガイドを設けて、トナーコンテナのトナー色毎に前記階段の切り欠きに合わせて停止させるようなガイド用突起を設けて、ガイド用突起が前記ガイドの切り欠きに突き当たることによってトナー色に対応するトナーコンテナ装着部前で停止して、該位置よりトナーコンテナ装着部に挿入されることにより、トナー色を間違えることなく簡単にトナーコンテナの装着が可能となった。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
複数の異なる色のトナーを用いてカラー印刷を行う画像形成装置において、トナーコンテナの形状をトナー色毎に異ならせてトナー装着の際にトナー色毎の正しい装着位置に簡単に装着を可能とする画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
カラートナーを用いてカラー印刷を行う画像形成装置においては、通常シアン、マゼンタ、イエロー、黒の4色の異なるトナーを用いて、各色のトナー画像を重ね合わせることによりカラー画像を得る。この異なる4色のトナーは、トナー補給容器(トナーコンテナ)に充填されており、そのトナー補給容器を各トナー色の現像器につながる正しい位置に装着しないと混色を起こしてしまい、画質を大きく落としてしまう。
【0003】
これらトナー補給容器の装着間違いを防止する従来技術として、トナー補給容器に設けられたキーとトナー補給容器を保持する仕切りの一部又は仕切りとは別の部材で構成されたキーにより、本来トナー補給容器が装着される位置以外には挿入不可とすることにより装着間違いを防止する方法がある(特許文献1参照)。
【0004】
しかし、この方法によっても、トナー交換の際にはどのトナー補給容器(トナーコンテナ)をどの位置に装着するかについて、ラベルやキーなどから判断しなければならず、トナー交換を行ったことの無いユーザには負担であった。
【0005】
【特許文献1】特開2003−84534号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
画像形成装置において、トナー補給容器を装着する際に、トナー補給容器がどのトナー色でどこに装着しなければいけないかを意識せずに、簡単にトナーを装着することが出来なかった点である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の画像形成装置は、種類の異なる複数のトナー補給容器の装着部と、前記各装着部の入り口に沿って設けられ、前記トナー補給容器を搬入移動させて前記何れかの装着部の入口に対向させ装着可能とする搬入路と、前記搬入路端部に設けられた搬入口と、前記搬入路に設けられ前記装着部毎に位置の異なる系止部と、前記トナー補給容器毎に設けられ前記対応する装着部の系止部に搬入移動方向で系止位置決めを行う系合部と、を備えたことを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の画像形成装置は、種類の異なる複数のトナー補給容器の装着部と、前記各装着部の入り口に沿って設けられ、前記トナー補給容器を搬入移動させて前記何れかの装着部の入口に対向させ装着可能とする搬入路と、前記搬入路端部に設けられた搬入口と、前記搬入路に設けられ前記装着部毎に位置の異なる系止部と、前記トナー補給容器毎に設けられ前記対応する装着部の系止部に搬入移動方向で系止位置決めを行う系合部と、を備えたことを最も主要な特徴とするため、トナー補給容器の装着の際にはトナー補給容器のトナー色を意識せずにどのトナー色のトナー補給容器でも前記搬入口から挿入して簡単にトナー補給容器を装着可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
画像形成装置において、トナー補給容器を装着する際にトナー色毎の各トナー補給容器とその装着位置を意識することなく簡単に装着することが出来ないという問題点をトナー補給容器のトナー色毎に異なる大きさのガイド突起を設け、画像形成装置に設けた階段状のトナーコンテナガイドによりトナーコンテナが正しい装着位置に導かれることにより実現した。
【実施例】
【0010】
[構成]
図1は、本発明の実施例に係わる画像形成装置101と装着されるトナーコンテナ(トナー補給容器)201C(シアン色)、201M(マゼンタ色)、201Y(イエロー色)、201K(黒色)の斜視図である。図1では、トナーコンテナ搬入口(搬入口)115e及びトナーコンテナ搬入路(搬入路)115sがよくわかるように前面と左側面の蓋をはずした図を示す。
【0011】
画像形成装置に装着されるトナーコンテナ(トナー補給容器)は、シアン色のトナーコンテナ201C、マゼンタ色のトナーコンテナ201M、イエロー色のトナーコンテナ201Y、黒色のトナーコンテナ201Kの4色があり、図1では画像形成装置へ装着前の状態を示す。
【0012】
各トナーコンテナはガイド突起203C、203M、203Y、203Kを有して、これらガイド突起によりトナー色毎の正しい装着位置であるトナー装着スロット(装着部)133C,M,Y,Kの位置前に導かれて、同スロットに装着される(詳細後述)。
【0013】
次に画像形成装置101の各部について説明する。
【0014】
画像形成装置101は、本体上部に排紙トレイ111及び操作パネル113を有する。装置の左側面には4色のトナーコンテナに共通のトナーコンテナ搬入口(搬入口)115eが開口しており、右側面に向けてトナーコンテナ搬入路115sが延びている。トナーコンテナ搬入路115sの前面には階段状に幅が奥に行くに従い狭くなる形状のトナーコンテナガイド131(系止部;詳細後述)があり、同ガイドにはトナー色毎の停止位置用の切り欠き(系止部)131C(シアン色用)、131M(マゼンタ色用)、131Y(イエロー色用)、131K(黒色用)が設けられている。
【0015】
トナーコンテナ搬入路115sの下面には、トナーコンテナスライド台(トナー補給容器スライド台)117が配置されており、同スライド台117は、側面に配されたスライド台レール119によりトナーコンテナ搬入路115s中を移動可能である。
【0016】
トナーコンテナ搬入路115sの搬入方向左側(図1の画像形成装置の後面側)には、トナー装着スロット(装着部)133C(シアン色用)、133M(マゼンタ色用)、133Y(イエロー色用)、133K(黒色用)が配されている。前記トナーガイドの切り欠き131C,M,Y,Kは、各色のトナーコンテナ201C,M,Y,Kが呼応するトナー装着スロット133C,M,Y,Kの位置の前で停止するように設けられている。
【0017】
図2にトナーコンテナ搬入路115sとトナーコンテナスライド台117及びトナー装着スロット133C、M、Y、Kの位置関係がよくわかるように画像形成装置101の上方から見た断面図を示す。
【0018】
図1に戻り、トナーコンテナガイド131は、トナーコンテナ201C,M,Y,Kのガイド突起203C,M,Y,Kをガイドするためのもので、図1に示すように上下に階段状の形状をしており段階的に幅が狭くなっている。トナーコンテナガイド131には、シアン色トナーコンテナ用の切り欠き131C、マゼンタ色トナーコンテナ用の切り欠き131M、イエロー色トナーコンテナ用の切り欠き131Y、黒色トナーコンテナ用の切り欠き131Kが配されており、例えば、トナーコンテナ搬入口115eから挿入されたシアン色のトナーコンテナ201Cは、トナー搬入路115sを右側に進み、トナーコンテナ201Cのガイド用突起203Cがシアン色用の切り欠き131Cに突き当たり、トナーコンテナ201Cがシアン色用のトナー装着スロット133Cの前で停止する。
【0019】
画像形成装置101本体右側面の前側には、垂直方向に移動可能なトナーコンテナ移動レバー121が配されており、同レバーに取り付けられた滑車糸127が装置上部の定滑車123と装置下部の滑車群125を経てトナーコンテナスライド台117に取り付けられている。図1に示すXからYの位置にトナーコンテナ移動レバー121がおろされるとそれにつれて滑車糸127が引かれトナーコンテナスライド台117が各トナー装着スロット133C,M,Y,K前に移動する。
【0020】
図1左下にトナーコンテナスライド台117の拡大断面図を示す。トナーコンテナスライド台117は、コの字を90度時計方向に回転させた断面形状をしている。垂直方向に伸びた両壁面のうちのトナーコンテナ搬入口115eに近い左側の垂直壁面は、壁面基部の回転軸117xを中心に時計回転方向に90度回転して倒れることが可能な構造である。回転軸117xには回転バネが仕込まれており、通常は壁面が垂直の状態に保たれている。
【0021】
トナーコンテナ201がトナーコンテナ搬入口115eから挿入されると、前記の左側垂直壁面が倒れこんでトナーコンテナ201がトナーコンテナスライド台117上を滑り、右側垂直壁面につきあたる。すると左側垂直壁面は前記回転バネの力により戻されて再度垂直に屹立する。
【0022】
その後、トナーコンテナ移動レバー121が引かれ、トナーコンテナスライド台117がトナーコンテナ201C,M,Y,Kを載せたまま各トナーコンテナ装着スロット133C,M,Y,K前まで移動する。
【0023】
上記トナーコンテナの装着の際の動きについて、画像形成装置の上方からの断面図である図3(補助的に図1及び図2)を主に用いて、シアン色のトナーコンテナ201Cが画像形成装置に装着されるまでの過程について説明する。
【0024】
図1(A)シアン色のトナーコンテナ201Cがトナーコンテナ搬入路115eからトナーコンテナ搬入路115sに挿入される。トナーコンテナ201Cはトナーコンテナスライド台に配置される。
【0025】
図1(B)次に、トナーコンテナ移動レバー121(図1)が押下げられ、トナーコンテナスライド台117は、滑車の糸127に引かれて右方向に移動し、トナーコンテナガイドのシアン色用の切り欠き131Cにシアン色用のトナーコンテナのガイド用突起203Cが突き当たり、シアン色トナーコンテナ201Cがシアン色用のトナー装着スロット133Cの前で停止する。
【0026】
図1(C)トナーコンテナ201Cをトナー装着スロット133C方向に押し込む。(手動であってもよいし、機械による駆動機構であってもよい。)
図1(D)トナーコンテナ201Cがトナーコンテナ装着スロット133Cに完全に押し込まれ装着が完了する。トナースライド台117は元の位置に戻る。
【0027】
[実施例の効果]
本発明実施例の画像形成装置及びトナーコンテナにより以下のことが可能となった。
【0028】
トナーコンテナを画像形成装置に装着する際に、トナーコンテナの色や装着位置を意識することなく、どのトナーコンテナでも同様にひとつしかない共通のトナーコンテナ搬入口から挿入して、トナーコンテナ移動レバーを引くことにより正しい位置に装着可能となった。
【0029】
トナーコンテナ装着位置は、トナーコンテナ搬入路から奥まった位置構造のため、トナーコンテナが装着されてしまうとトナーコンテナ搬入路は再び開放される。よって、トナーコンテナのうちの一色だけ交換するとしても、他のトナーコンテナに邪魔されて交換が出来ないという問題は発生しない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明実施例の画像形成装置及びトナーコンテナの斜視図である。
【図2】本発明実施例の画像形成装置を上部から見た断面図である。
【図3】本発明実施例の画像形成装置にシアン色のトナーコンテナを装着する際のシーケンスを示した図である。
【符号の説明】
【0031】
101 画像形成装置
115e トナーコンテナ搬入口(搬入口)
115s トナーコンテナ搬入路(搬入路)
117 トナーコンテナスライド台(トナー補給容器スライド台、トナー補給容器移動機構)
117x トナーコンテナスライド台の垂直壁面の回転軸
119 スライド台レール(トナー補給容器移動機構)
121 トナーコンテナ移動レバー(移動レバー、トナー補給容器移動機構)
123 定滑車(滑車群、トナー補給容器移動機構)
125 動滑車群(滑車群、トナー補給容器移動機構)
127 糸(トナー補給容器移動機構)
131 トナーコンテナガイド(系止部)
131C、M、Y、K トナーコンテナガイドの切り欠き(系止部)
133C トナー装着スロット・シアン色(装着部)
133M トナー装着スロット・マゼンタ色(装着部)
133Y トナー装着スロット・イエロー色(装着部)
133K トナー装着スロット・黒色(装着部)
201C トナーコンテナ・シアン色(トナー補給容器)
201M トナーコンテナ・マゼンタ色(トナー補給容器)
201Y トナーコンテナ・イエロー色(トナー補給容器)
201K トナーコンテナ・黒色(トナー補給容器)
203C、203M、203Y、203K ガイド突起(系合部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
種類の異なる複数のトナー補給容器の装着部と、
前記各装着部の入り口に沿って設けられ、前記トナー補給容器を搬入移動させて前記何れかの装着部の入口に対向させ装着可能とする搬入路と、
前記搬入路端部に設けられた搬入口と、
前記搬入路に設けられ前記装着部毎に位置の異なる系止部と、
前記トナー補給容器毎に設けられ前記対応する装着部の系止部に搬入移動方向で系止位置決めを行う系合部と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1の画像形成装置であって、
前記系止部は、前記搬入路側面に設けられ前記搬入口から奥側に行くに従い前記装着部位置に合わせて階段状に幅が狭くなるように変化する形状である
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2の画像形成装置であって、
前記系合部は、前記トナー補給容器側面に突起した形状であり、前記系止部に当接することにより系止位置決めを行う
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1から3の何れかの画像形成装置であって、
前記トナー補給容器が前記搬入路中を移動するためのトナー補給容器移動機構を備えた
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項4の画像形成装置であって、
前記トナー補給容器移動機構は、前記搬入路底面にあって前記トナー補給容器を搭載するトナー補給容器スライド台と、
前記トナー補給容器スライド台が前記トナー補強容器搬入路に沿って移動させるためのスライド台レールと、
前記トナー補給容器スライド台を移動させるための滑車群及び移動レバーと、を有する
ことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−8730(P2009−8730A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−167539(P2007−167539)
【出願日】平成19年6月26日(2007.6.26)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】