説明

画像形成装置

【課題】感光体と、帯電装置と、露光装置と、現像装置と、転写装置と、クリーニング装置と、前記露光装置を搭載し、第1の位置と第2の位置とに移動可能な露光架台と、を有し、前記露光装置は前記露光架台が第1の位置にあるときに露光を行う画像形成装置において、第1の位置にある露光架台の変形、撓みを、装置の大型化を招くことなく防止し、露光架台の変形、撓みによるピント不良等の画像不良を防止する画像形成装置を提供すること。
【解決手段】第1の位置にある露光架台を、少なくとも現像装置およびクリーニング装置のいずれかにて当接、支持させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
移動可能な露光架台に露光装置を搭載した画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、帯電、露光、現像を行って感光体に形成したトナー像を記録材に転写して画像形成を行う電子写真方式の画像形成装置が知られている。
【0003】
電子写真方式の画像形成装置は、ドラム状の感光体の円周に沿って、その回転方向の上流側から、帯電装置、露光装置、現像装置、転写装置、クリーニング装置を順次配設し、帯電装置にて帯電された感光体に、露光装置により露光を行って感光体に潜像を形成し、現像装置にて潜像をトナー像となし、転写装置にて被転写体にトナー像を転写し、画像形成を行う。そして、クリーニング装置にてトナー像を転写後の感光体に残留したトナーを除去する。
【0004】
露光装置としては、複数の発光体が直線状に並べられた光源、例えばLEDアレイ(発光ダイオードアレイ)から出射された光を、柱状レンズを並べたレンズアレイによって感光体面に照射する方式の露光装置が知られている。
【0005】
このような露光装置を、架台(以下、露光架台、と記す。)に搭載し、露光架台を、搭載した露光装置を感光体に接近させた第1の位置と、感光体から離間させた第2の位置と、に移動させることが行われる。
【0006】
露光架台が第1の位置にあるとき、露光装置は、感光体への露光を行う。
【0007】
また、第1の位置にあるとき、露光架台は、感光体や帯電装置、露光装置、現像装置、クリーニング装置を被覆し、これらを保護する。
【0008】
露光架台を第2の位置に移動させたときには、感光体や帯電装置、露光装置、現像装置、クリーニング装置が露呈されるので、内部の点検や、清掃、修理等のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0009】
ところで、カラー画像を形成する画像形成装置は、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(黒)の画像を形成し、それらを合成してカラー画像となすため、色毎の感光体と、色毎の感光体に対応する帯電装置、露光装置、現像装置、転写装置、クリーニング装置を有する。
【0010】
このような、複数の感光体を有する画像形成装置において、複数の感光体に対応して配置された露光装置を、共通の露光架台に搭載し、露光架台を第1の位置、および、第2の位置に移動可能とした形態の画像形成装置の技術が開示されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−112446号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
前述のように、移動可能な露光架台に搭載された露光装置は、露光架台が第1の位置にあるとき、感光体近傍の所定の位置にて感光体への露光を行い、感光体に潜像を形成する。
【0012】
通常、露光架台は板状の形態をなし、一端を、ヒンジを介して周辺部材に固定し、ヒンジを中心にして回動するように構成される。そして、第1の位置および第2の位置への移動は、露光架台を回動させることによりなされる。
【0013】
そして、露光架台は、第1の位置にては、ヒンジを中心として回動可能な端部を位置決め部材に当接させて位置決めされる。したがって、第1の位置にては、露光架台は、ヒンジと位置決め部材とにより支持されて所定の位置に固定される。
【0014】
露光装置は、露光架台が第1の位置に移動されたとき、感光体近傍の所定の位置に配置され、所定の位置から感光体に露光を行う。
【0015】
しかし、露光装置が所定の位置から動くと、露光装置と感光体との距離や露光装置の感光体に対する姿勢が変動し、ピント不良等の画像不良を発生させることがある。したがって、露光装置が第1の位置にあるときの露光装置の位置は変動しないことが望まれる。
【0016】
ところで、露光架台には、変形、撓みが発生することがある。
【0017】
前述のように、露光架台は第1の位置にあるとき、回動中心となるヒンジ部と、位置決め部材にて支持される。
【0018】
ヒンジ部と、位置決め部材にて支持される露光架台には、それ自身の質量(自重)や搭載した露光装置の質量が荷重として加わり、変形や、撓みを発生することがある。
【0019】
露光架台が第1の位置にあるときの露光架台に変形、撓みが発生すると、搭載した露光装置の位置が変動し、ピント不良等による画像不良を発生させる原因となる。
【0020】
第1の位置にある露光架台の変形、撓み、を防止するには、ヒンジ部と位置決め部材の他の場所にても支持するように、支持する箇所を追加することが好ましいが、新たに支持位置を追加することは装置の大型化を招く。
【0021】
本発明は、第1の位置にある露光架台の変形、撓みを、装置の大型化を招くことなく防止し、露光架台の変形、撓みによるピント不良等の画像不良を防止する画像形成装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
上記課題は、以下の手段により解決される。
【0023】
1.感光体と、
前記感光体を帯電させる帯電装置と、
帯電した前記感光体に露光し潜像を形成する露光装置と、
前記感光体の潜像をトナー像になす現像装置と、
前記感光体のトナー像を被転写体に転写する転写装置と、
トナー像を転写した後の前記感光体に残留したトナーを除去するクリーニング装置と、
前記露光装置を搭載し、第1の位置と第2の位置とに移動可能な露光架台と、
を有し、
前記露光架台が前記第1の位置にあるときに前記露光装置は露光を行い、前記露光架台は少なくとも前記現像装置または前記クリーニング装置のいずれかに当接することを特徴とする画像形成装置。
【0024】
2.前記露光架台は、振動吸収部材を介して、少なくとも前記現像装置または前記クリーニング装置のいずれかに当接することを特徴とする前記1に記載の画像形成装置。
【0025】
3.前記振動吸収部材は、前記感光体の回転軸方向に延伸する壁体をなすことを特徴とする前記2に記載の画像形成装置。
【0026】
4.前記感光体は前記被転写体の移動方向に沿って複数配置され、
複数の前記感光体に対応して、
前記帯電装置と、
前記露光装置と、
前記現像装置と、
前記転写装置と、
前記クリーニング装置と、
を複数有し、
複数の前記露光装置は、一つの前記露光架台に搭載されることを特徴とする前記1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
【0027】
5.前記露光架台は、前記第1の位置にあるとき、少なくとも、複数の前記感光体のうち前記被転写体の移動方向の最上流位置に配置された感光体に対応する現像装置と、最下流位置に配置された感光体に対応するクリーニング装置と、に当接することを特徴とする前記4に記載の画像形成装置。
【発明の効果】
【0028】
本発明により、第1の位置にある露光架台の変形、撓みを、装置の大型化を招くことなく防止し、露光架台の変形、撓みによるピント不良等による画像不良を防止する画像形成装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下本発明を、実施の形態を用いて説明するが、本発明は以下に記載した実施の形態に限定されるものではない。
【0030】
図1は、本発明の実施の形態の一例である画像形成装置を示す図である。
【0031】
図示された画像形成装置1は、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(黒)の画像を形成し、それらを合成してカラー画像となすカラー画像形成装置である。
【0032】
画像形成装置1は、原稿読取部10、画像形成部20、中間転写部40、定着部50、反転排紙部60、再給紙部70、給紙部80、制御部90等から構成され、それらが一つの筐体内に収められている。
【0033】
画像形成装置1は、自動原稿送り装置ADFを備えている。
【0034】
自動原稿送り装置ADFは、原稿載置台101に載置された原稿Dを一枚ずつ原稿画像読み取り位置RPに搬送する。
【0035】
原稿画像読み取り位置RPに搬送された原稿Dは、原稿読取部10により読み取りがなされ、原稿排紙台107に排出される。
【0036】
原稿読取部10は、第1ミラーユニット11、第2ミラーユニット12、レンズ13を介して、原稿の画像を撮像素子CCDの受光面に結像させる。
【0037】
撮像素子CCDにより光電変換された画像信号は、制御部90にてA/D変換、シェーディング補正、圧縮等の処理がなされ、制御部90内のメモリに画像データとして格納される。
【0038】
メモリに格納された前記画像データには、ユーザにより設定されている条件により適宜な画像処理が施されて、出力画像データが生成される。
【0039】
画像形成部20は、ドラム状の感光体の円周に沿って、その回転方向の上流側から順次配置された、帯電装置、露光装置、現像装置、クリーニング装置を有し、出力画像データに基づいて露光装置が感光体に露光を行い、感光体に形成された潜像を現像装置にてトナー像となす。
【0040】
画像形成部20は、Y(イエロー)色のトナー像を形成する画像形成部であるY画像形成部30Y、M(マゼンタ)色のトナー像を形成する画像形成部であるM画像形成部30M、C(シアン)色のトナー像を形成する画像形成部であるC画像形成部30C、K(黒)色のトナー像を形成する画像形成部であるK画像形成部30K、を有している。
【0041】
Y画像形成部30Yは、ドラム状の感光体31Yの円周に沿って、その回転方向の上流側から順次配置された、帯電装置32Y、露光装置33Y、現像装置34Y、クリーニング装置36Yを有する。
【0042】
同様に、M画像形成部30M、C画像形成部30C、K画像形成部30Kも、それぞれ、感光体31M、31C、31K、と、それぞれの感光体の円周に沿って、その回転方向の上流側から順次配置された、帯電装置32M、32C、32K、露光装置33Y、33M、33C、33K、現像装置34M、34C、34K、クリーニング装置36M、36C、36K、を有する。
【0043】
帯電装置32Y、32M、32C、32K、は、感光体31Y、31M、31C、31Kに電荷を付与するコロナ帯電器である。
【0044】
露光装置33Y、33M、33C、33Kは、LEDアレイとレンズアレイからなるプリントヘッドの形態をなし、それぞれ、制御部90から送られる出力画像データに基づいて、帯電装置32Y、32M、32C、32K、により電荷を付与された感光体31Y、31M、31C、31Kを露光し、潜像を形成する。
【0045】
感光体31Y、31M、31C、31Kに形成された潜像は、それぞれ、現像装置34Y、34M、34C、34Kにより現像されて、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(黒)色のトナー像となる。
【0046】
感光体31Y、31M、31C、31Kのそれぞれに形成されたトナー像は、中間転写部40にて、感光体31Y、31M、31C、31Kにそれぞれ対向して配された第1転写ローラ41Y、41M、41C、41Kにより、被転写体である中間転写ベルト42上の所定位置に転写される。中間転写ベルト42は感光体31Y、31M、31C、31Kに沿って移動し、順次、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(黒)色のトナー像が重畳して転写されて、カラートナー像が形成される。感光体31Yが、被転写体の移動方向の最上流位置に配置された感光体であり、感光体31Kが最下流位置に配置された感光体である。
【0047】
トナー像の転写を終えた感光体31Y、31M、31C、31Kの表面に残留しているトナーは、それぞれ、クリーニング装置36Y、36M、36C、36Kによって除去される。
【0048】
トナーを除去された感光体31Y、31M、31C、31Kは、再び帯電装置32Y、32M、32C、32K、により電荷を付与され、新たな潜像およびトナー像形成に供される。
【0049】
一方、中間転写ベルト42上に形成されたカラートナー像は、給紙部80によって給送されてきた用紙Pに、第2転写ローラ43によって転写される。
【0050】
トナー像の用紙Pへの転写を終えた中間転写ベルト42はベルトクリーニング装置44により、表面が清掃され、次の画像転写に供される。
【0051】
一方、カラートナー像を転写された用紙Pは、定着部50に送られ、加圧加熱されることによって、カラートナー像が用紙Pへ定着される。
【0052】
定着部50による定着処理を終えた用紙Pは排紙反転部60により搬送され、排紙台61に排紙される。
【0053】
なお、用紙Pの裏面にも画像形成を行う場合には、表面の画像定着を終えた用紙Pを下方にある再給紙部70に搬送し、用紙Pを反転させて再給紙搬送路72に送り出し、裏面への画像形成に供する。
【0054】
画像形成部20におけるY画像形成部30Y、M画像形成部30M、C画像形成部30C、K画像形成部30K、は、共通の画像形成部支持枠21Fに取り付けられ、画像形成ユニット21としてまとめられている。また、Y、M、C、K、の各画像形成部の露光装置33Y、33M、33C、33Kは、画像形成部支持枠21Fに取り付けられた露光架台22に搭載されている。
【0055】
この画像形成ユニット21は、点検や保守の際には画像形成装置1の図示手前側に引き出すことができる。
【0056】
露光架台22はヒンジHを介して画像形成部支持枠21Fに取り付けられ、ヒンジHを回動中心として回動可能となっている。
【0057】
露光架台22は、回動させることにより、露光装置33Y、33M、33C、33Kを、それぞれ、感光体31Y、31M、31C、31K近傍の所定の位置に配置する第1の位置と、露光装置33Y、33M、33C、33Kを、それぞれ、感光体31Y、31M、31C、31Kから離間させた第2の位置とに移動させることができる。図1に示される画像形成ユニット21は、露光架台22が第1の位置の位置にある状態であり、画像形成装置1に装着された画像形成ユニット21は、露光架台22が第1の位置にあるとき潜像の形成、トナー像の形成、中間転写ベルト42へのトナー像の転写等、一連の画像形成動作を行う。
【0058】
画像形成ユニット21は画像形成装置1から図示手前方向に引き出すことが可能であり、図示手前方向に引き出されたとき、露光架台22を回動させ、露光装置33Y、33M、33C、33Kを、それぞれ、感光体31Y、31M、31C、31Kから離間させた第2の位置に移動させることができる。
【0059】
露光架台22が第2の位置にあるときには、画像形成ユニット21の図示上方が開放され、Y、M、C、K、各画像形成部の感光体や帯電装置、露光装置、現像装置、クリーニング装置が露呈されるので、各部の点検や、清掃、修理等のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0060】
画像形成ユニット21の構成、と、第1の位置および第2の位置への移動について説明する。
(実施の形態1)
図2は、実施の形態1における画像形成ユニット21を説明する図である。
【0061】
図2(a)は露光架台22が第1の位置にあるときの図であり、図2(b)は露光架台22が第2の位置にあるときの図である。
【0062】
図2(a)に示されるように、第1の形態の画像形成ユニット21における露光架台22は、第1の位置の位置にては、画像形成ユニット21の画像形成部支持枠21Fに配された位置決め部21FAに端部22Aが当接され、ヒンジHと、位置決め部21FAにて支持されるとともに、画像形成ユニット21への配置位置が定められる。そして、露光架台22は、ヒンジHと、位置決め部21FAにて支持されるとともに、現像装置34Y、34M、34C、34K、クリーニング装置36Y、36M、36C、36K、に当接し、支持される。露光架台22が第1の位置の位置にあるとき、露光架台22に搭載された露光装置33Y、33M、33C、33K、は、それぞれ、感光体31Y、31M、31C、31Kの近傍の所定の位置に配置され、所定の位置から感光体31Y、31M、31C、31Kに露光を行い、潜像を形成する。
【0063】
また、露光架台22がヒンジHを中心として回動され、図2(b)に示される第2の位置にあるときには、露光架台22は端部22Aが位置決め部21FAから離間するとともに、現像装置34Y、34M、34C、34K、クリーニング装置36Y、36M、36C、36K、から離間する。露光架台22が第2の位置にあるときには、画像形成ユニット21の図示上方が開放され、感光体や帯電装置、露光装置、現像装置、クリーニング装置が露呈されるので、各部の点検や、清掃、修理等のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0064】
露光架台22は、第1の位置にあるとき、ヒンジHと、位置決め部21FAに支持されるとともに、ヒンジHと位置決め部21FAとの間の部位が、現像装置34Y、クリーニング装置36Y、現像装置34M、クリーニング装置36M、現像装置34C、クリーニング装置36C、現像装置34K、クリーニング装置36Kに当接する。
【0065】
露光架台22に当接する現像装置34Y、クリーニング装置36Y、現像装置34M、クリーニング装置36M、現像装置34C、クリーニング装置36C、現像装置34K、クリーニング装置36Kは、露光架台22をヒンジHと位置決め部21FAとの間にて支持する。ヒンジHと位置決め部21FAとの間の部位を、支持されることにより、自重、および搭載する露光装置33Y、33M、33C、33K、の質量による露光架台22の変形、撓みの発生が抑制される。
【0066】
通常、現像装置、クリーニング装置の上方は、空間となっているので、現像装置、あるいはクリーニング装置にて第1の位置にある露光架台22を支持するに際して、画像形成ユニット21を図示左右方向に拡大する必要がなく、装置の大型化を招くことがない。
【0067】
したがって、装置の大型化を招くことなく、第1の位置にある露光架台22の変形、撓みを防止することができ、露光架台22の変形、撓みにより露光装置33Y、33M、33C、33Kの位置が変動しピント不良等の画像不良を発生させることが防止される。
【0068】
なお、以上説明した画像形成装置1は、画像形成ユニット21のY、M、C、K、の各画像形成部におけるすべての現像装置およびクリーニング装置が第1の位置にある露光架台22に当接し支持しているが、必ずしも、すべての現像装置と、クリーニング装置とで支持しなくとも良い。露光架台の剛性や、自重、および、搭載した露光装置の質量に応じて選定された、適切な位置の現像装置と適切な位置のクリーニング装置、あるいは、適切な位置の現像装置、または、適切な位置のクリーニング装置のいずれかに、当接、支持させるようにしても良い。また、モノクロ画像形成装置のような、画像形成部を1基配設した形態の画像形成装置に適用されても良い。
【0069】
以上説明した実施の形態1における画像形成ユニット21は、第1の位置にある露光架台22を、現像装置およびクリーニング装置により直接支持するものであったが、現像装置およびクリーニング装置による支持を、振動吸収部材を介して行うものでも良い。
(実施の形態2)
図3は、実施の形態2における画像形成ユニット21を説明する図である。第2の形態の画像形成ユニット21は、第1の位置にある露光架台22を、振動吸収部材を介して現像装置およびクリーニング装置にて支持する。
【0070】
図3(a)は露光架台22が第1の位置にあるときの図であり、図3(b)は露光架台22が第2の位置にあるときの図である。
【0071】
図中、34YA、34MA、34CA、34KA、は、振動吸収性を有する素材、例えば発泡ポリウレタン樹脂等にて形成され、振動吸収部材として機能する現像中間部材である。現像中間部材34YA、34MA、34CA、34KA、は、それぞれ、現像装置34Y、現像装置34M、現像装置34C、現像装置34K、感光体の回転軸方向、すなわち図示手前側から奥側に延伸する壁体をなして配置されている。
【0072】
また、36YA、36MA、36CA、36KA、は、現像中間部材と同様に、振動吸収性を有する素材、例えば発泡ポリウレタン樹脂等にて形成され、振動吸収部材として機能するクリーニング中間部材である。クリーニング中間部材36YA、36MA、36CA、36KA、は、それぞれ、クリーニング装置36Y、クリーニング装置36M、クリーニング装置36C、クリーニング装置36Kに、感光体の回転軸方向、すなわち図示手前側から奥側に延伸する壁体をなして配置されている。
【0073】
図3(a)に示されるように、第1の位置にある露光架台22は、現像中間部材34YA、34MA、34CA、34KA、および、クリーニング中間部材36MA、36CA、34KA、36KA、に当接する。したがって、第1の位置にある露光架台22は、ヒンジHと、位置決め部21FAに支持されるとともに、現像中間部材34YA、34MA、34CA、34KA、を介して現像装置34Y、34M、34C、34K、に支持され、クリーニング中間部材36YA、36MA、36CA、36KA、を介してクリーニング装置36Y、36M、36C、36Kに支持される。
【0074】
露光架台22がヒンジHを中心として回動され、図3(b)に示される第2の位置にあるときには、露光架台22は、端部22Aが位置決め部21FAから離間するとともに、現像中間部材34YA、34MA、34MA、34CA、および、クリーニング中間部材36CA、36CA、36CA、36KA、から離間する。
【0075】
第1の位置にある露光架台22は、ヒンジHと、位置決め部21FAに支持されるとともに、現像中間部材34YA、34MA、34CA、34KA、を介して現像装置34Y、34M、34C、34K、に、クリーニング中間部材36YA、36MA、36CA、36KA、を介してクリーニング装置36Y、36M、36C、36Kに支持される。したがって、その自重、および搭載する露光装置33Y、33M、33C、33K、の質量による変形、撓みの発生が抑制される。
【0076】
通常、現像装置、クリーニング装置の上方は、空間となっているので、各中間部材を現像装置、あるいはクリーニング装置に配するに際して、画像形成ユニット21を図示左右方向に拡大する必要がなく、装置の大型化を招くことがない。
【0077】
また、露光架台22は第1の位置にあるときに、各現像中間部材、クリーニング中間部材を介して現像装置、クリーニング装置に支持されるので、現像装置、クリーニング装置の機構部の回転動作に伴って発生する振動が露光架台22に伝達されることが、各現像中間部材、クリーニング中間部材により防止され、露光動作中の露光装置33Yが振動することがなく、ピッチズレ等の画像不良の発生が防止できる。
【0078】
なお、実施の形態2においても、第1の位置にある露光架台をすべての現像装置と、クリーニング装置とで支持しなくとも良い。露光架台の剛性や、自重、および、搭載した露光装置の質量に応じて選定された、適切な位置の現像装置および適切な位置のクリーニング装置、あるいは、適切な位置の現像装置、または、適切な位置のクリーニング装置のいずれかに当接し、支持されるように構成しても良い。また、モノクロ画像形成装置のような、画像形成部を1基配設した形態の画像形成装置に適用されても良い。
【0079】
ところで、前述のように、現像中間部材34YA、34MA、34CA、34KA、と、クリーニング中間部材36YA、36MA、36CA、36KA、とは、感光体の回転軸方向に延伸する壁体をなし、第1の位置に配置された露光架台22に当接する。
【0080】
現像中間部材34YA、34MA、34CA、34KA、と、クリーニング中間部材36YA、36MA、36CA、36KA、を、感光体の回転軸方向に延伸する壁体となすことは、帯電装置32Y、32M、32C、32K、の動作により発生するオゾンへの対応に利便性を有する。
【0081】
以下、Y画像形成部30Yを例にして説明する。
【0082】
帯電装置32Yは、前述のように、コロナ帯電器であり、感光体31Yに電荷を付与する際に、オゾンを発生させる。オゾンは感光体や、機内の部品を劣化させるため、画像形成装置内に拡散させないこと、および、早急に装置外に排出することが行われる。
【0083】
露光架台22が第1の位置にあるとき、現像中間部材34YAおよびクリーニング中間部材36YAは露光架台22に当接されるので、感光体31Yの図示上方は、現像装置34Y、現像中間部材34YA、露光架台22、クリーニング中間部材36YA、クリーニング装置36Yにて囲まれる。
【0084】
帯電装置32Yは、感光体31Yの回転方向におけるクリーニング装置36Yの下流位置、露光装置33Yの上流位置に配置されるので、露光架台22が第1の位置に配置されたとき、図3(a)に示されるように、帯電装置32Yは、感光体31Yとともに現像装置34Y、現像中間部材34YA、露光架台22、クリーニング中間部材36YA、クリーニング装置36Yにて囲まれる。
【0085】
帯電装置32Yはコロナ帯電器であり、感光体31Yに電荷を付与する際に、オゾンが発生する。オゾンは感光体や、機内の部品を劣化させるため、画像形成装置内に拡散させないこと、および、早急に装置外に排出することが必要とされる。
【0086】
帯電装置32Yが、感光体31Yとともに、現像装置34Y、現像中間部材34YA、露光架台22、クリーニング中間部材36YA、クリーニング装置36Yにて取り囲まれることにより、帯電装置32Yから発生するオゾンの画像形成装置内への拡散を抑制することができる。また、ファンを配設し、送風または吸引によりオゾンを画像形成装置外に排出することを行う場合でも、感光体31Yの軸方向に沿って帯電装置32Yを取り囲む現像装置34Y、現像中間部材34YA、露光架台22、クリーニング中間部材36YA、クリーニング装置36Yを、送風または吸引のための通風ダクトとして機能させることができ、その有効性は高い。
【0087】
以上、Y画像形成部30Yを例にして説明したが、M画像形成部30M、C画像形成部30C、K画像形成部30K、についても同様である。
【0088】
なお、オゾン対応として機能させる場合でも、露光架台をすべての現像装置と、クリーニング装置とで中間部材を介して支持しなくとも良い。
【0089】
少なくとも、被転写体の移動方向の最上流位置に配置された感光体に対応する現像装置と、最下流位置に配置された感光体に対応するクリーニング装置と、に中間部材を配置し、第1の位置にある露光架台22に当接させるようにしても良い。
(実施の形態3)
図4は、実施の形態3における画像形成ユニット21を説明する図である。実施の形態3の画像形成ユニット21は、第1の位置にある現像装置およびクリーニング装置による支持を、中間部材を介して、被転写体の移動方向の最上流位置に配置された感光体に対応する現像装置と、最下流位置に配置された感光体に対応するクリーニング装置と、にて行う。
【0090】
図4(a)は露光架台22が第1の位置にあるときの図であり、図4(b)は露光架台22が第2の位置にあるときの図である。図中、34YA、は、振動吸収性を有する素材、例えば発泡ポリウレタン樹脂にて形成され、振動吸収部材として機能する現像中間部材であり、被転写体の移動方向の最上流位置に配置された感光体31Yに対応する現像装置34Yに、感光体の回転軸方向、すなわち図示手前側から奥側に延伸する壁体をなして配されている。また、36KAは、振動吸収性を有する素材、例えば発泡ポリウレタン樹脂等にて形成され、振動吸収部材として機能するクリーニング中間部材であり、被転写体の移動方向の最下流位置に配置された感光体31Kに対応するクリーニング装置36Kに、感光体の回転軸方向、すなわち図示手前側から奥側に延伸する壁体をなして配されている。
【0091】
図4(a)に示されるように、露光架台22は、第1の位置に配置されたとき、ヒンジHと、位置決め部21FAに支持されるとともに、現像中間部材34YA、36KA、に当接し、現像中間部材34YA、36KAを介して、現像装置34Y、クリーニング装置36K、に支持される。
【0092】
また、露光架台22がヒンジHを中心として回動され、図4(b)に示される第2の位置にあるときには、端部22Aが位置決め部21FAから離間するとともに、現像中間部材34YA、36KA、から離間する。
【0093】
第1の位置にある露光架台22は、現像中間部材34YA、36KAを介して、現像装置34Y、クリーニング装置36K、に支持されるので、その自重、および搭載する露光装置33Y、33M、33C、33K、の質量による露光架台22の変形、撓みの発生が抑制される。
【0094】
露光架台22が第1の位置にあるとき、現像中間部材34YAおよびクリーニング中間部材36KAは露光架台22に当接されるので、感光体31Y、31M、31C、31K、の図示上方は、現像装置34Y、現像中間部材34YA、露光架台22、クリーニング中間部材36KA、クリーニング装置36Kにて囲まれる。
【0095】
帯電装置32Y、32M、32C、32K、は、感光体31Y、31M、31C、31K、の回転方向における、それぞれのクリーニング装置の下流位置、露光装置の上流位置に配置されている。したがって、露光架台22が第1の位置に配置されたとき、帯電装置32Y、32M、32C、32K、は、感光体31Yとともに現像装置34Y、現像中間部材34YA、露光架台22、クリーニング中間部材36KA、クリーニング装置36Kにて囲まれる。
【0096】
このように、帯電装置32Y、32M、32C、32K、が、現像装置34Y、現像中間部材34YA、露光架台22、クリーニング中間部材36KA、クリーニング装置36Kにて囲まれることにより、帯電装置32Y、32M、32C、32Kから発生するオゾンの画像形成装置内への拡散を抑制することができる。また、ファンを配設し、送風または吸引によりオゾンを画像形成装置外に排出することを行う場合でも、感光体31Yの軸方向に沿って帯電装置32Yを囲む現像装置34Y、現像中間部材34YA、露光架台22、クリーニング中間部材36KA、クリーニング装置36Kを、送風または吸引のための通風ダクトとして機能させることができる。このように、少なくとも、被転写体の移動方向の最上流位置に配置された感光体に対応する現像装置と、最下流位置に配置された感光体に対応するクリーニング装置と、に中間部材を配置し、第1の位置にある露光架台22に当接させるようにすることにより、露光架台22の撓みを防止することと、発生するオゾンへの対応を簡素な構成で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明の実施の形態の一例である画像形成装置を示す図である。
【図2】実施の形態1における画像形成ユニット21を説明する図である。
【図3】実施の形態2における画像形成ユニット21を説明する図である。
【図4】実施の形態3における画像形成ユニット21を説明する図である。
【符号の説明】
【0098】
1 画像形成装置
10 原稿読取部
20 画像形成部
21 画像形成ユニット
21F 画像形成部支持枠
21FA 位置決め部
22 露光架台
22A 端部
30Y Y画像形成部
30M M画像形成部
30C C画像形成部
30K K画像形成部
31Y、31M、31C、31K 感光体
32Y、32M、32C、32K 帯電装置
33Y、33M、33C、33K 露光装置
34Y、34M、34C、34K 現像装置
34YA、34MA、34CA、34KA 現像中間部材
36Y、36M、36C、36K クリーニング装置
36YA、36MA、36CA、36KA クリーニング中間部材
40 中間転写部
41Y、41M、41C、41K 第1転写ローラ
42 中間転写ベルト
43 第2転写ローラ
44 ベルトクリーニング装置
50 定着部、
80 給紙部
90 制御部
H ヒンジ
P 用紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体と、
前記感光体を帯電させる帯電装置と、
帯電した前記感光体に露光し潜像を形成する露光装置と、
前記感光体の潜像をトナー像になす現像装置と、
前記感光体のトナー像を被転写体に転写する転写装置と、
トナー像を転写した後の前記感光体に残留したトナーを除去するクリーニング装置と、
前記露光装置を搭載し、第1の位置と第2の位置とに移動可能な露光架台と、
を有し、
前記露光架台が前記第1の位置にあるときに前記露光装置は露光を行い、前記露光架台は少なくとも前記現像装置または前記クリーニング装置のいずれかに当接することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記露光架台は、振動吸収部材を介して、少なくとも前記現像装置または前記クリーニング装置のいずれかに当接することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記振動吸収部材は、前記感光体の回転軸方向に延伸する壁体をなすことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記感光体は前記被転写体の移動方向に沿って複数配置され、
複数の前記感光体に対応して、
前記帯電装置と、
前記露光装置と、
前記現像装置と、
前記転写装置と、
前記クリーニング装置と、
を複数有し、
複数の前記露光装置は、一つの前記露光架台に搭載されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記露光架台は、前記第1の位置にあるとき、少なくとも、複数の前記感光体のうち前記被転写体の移動方向の最上流位置に配置された感光体に対応する現像装置と、最下流位置に配置された感光体に対応するクリーニング装置と、に当接することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−139616(P2010−139616A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−314256(P2008−314256)
【出願日】平成20年12月10日(2008.12.10)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】