説明

画像形成装置

【課題】画像形成装置の各部を調整するための補正値の煩雑な入力作業を低減し、補正値の入力ミスを防止し、補正値の入力の正確性を向上させること。
【解決手段】テストチャート紙を出力するプリント部と、補正値が入力される複数の補正値入力ボタンが設けられた調整画面を表示する操作表示部と、テストチャート紙を調整画面と隣り合わせの位置に保持する装着部と、を備え、補正値入力ボタンは、補正値入力ボタンにより装着部に保持されたテストチャート紙上の補正値を入力するために参照される領域の位置と対応する位置に設けられている画像形成装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複写機やプリンタ等の画像形成装置は、画像形成装置を構成する各部の調整を行う機能を有している。この調整機能としては、予め設定されたテストチャートを形成したよう紙(以下、テストチャート紙と称す。)をプリンタ部により出力させ、ユーザにより出力されたテストチャート紙が参照され、ユーザにより各部を調整するための補正値が入力されると、当該入力された補正値に基づいて各部の調整を行うものが知られている。
【0003】
例えば、画像形成装置に設定された設定値を補正して画像形成位置を調整する画像形成位置の調整方法において、設定値を補正する調整値を複数用意し、調整値毎に当該調整値により設定値を補正した場合の画像形成位置に、画像形成領域を表示するテストチャートの画像データに基づいてプリント出力し、出力されたプリントに基づいて入力された調整値に基づいて設定値を補正する技術が開示されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−266898号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、調整すべき項目が多数ある場合、操作画面上における各項目に対する補正値を入力するボタンのレイアウトと、テストチャート紙上おける各項目に対する参照位置のレイアウトとが異なるため、操作画面上のボタンの位置と、当該ボタンに対応するテストチャート紙上の参照位置との対応関係が分かり辛いという問題がある。
【0005】
例えば、操作画面上には、各項目に対するボタンが複数列に配列されたレイアウトであるのに対し、テストチャート紙上の各項目に対する参照位置は、主走査方向に一列に配列されたレイアウトである場合がある。この場合、ある項目に対する補正値を入力する場合には、ユーザがテストチャート紙上の参照位置を探したのち、操作画面上に目線を移して当該項目に対応する操作画面上のボタンを探すこととなる。項目が多くなればなるほど、このような目線の移動や、操作画面とテストチャート紙とでの項目の検索動作の回数が多くなる。従って、ユーザにとって補正値の入力作業が煩雑となり、また、補正値の入力ミスが生じる可能性が高くなるという問題が生じる。
【0006】
本発明の課題は、上記問題に鑑みて、画像形成装置の各部を調整するための補正値の煩雑な入力作業を低減し、補正値の入力ミスを防止し、補正値の入力の正確性を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、テストチャートを用紙に形成して出力する画像形成部と、補正値が入力される複数の補正値入力ボタンが設けられた操作画面を表示する操作表示部と、前記テストチャートが形成された用紙を前記操作画面と隣り合わせの位置に保持する装着部と、を備え、前記補正値入力ボタンは、前記補正値入力ボタンにより前記装着部に保持されたテストチャートが形成された用紙上の前記補正値を入力するために参照される領域の位置と対応する位置に設けられている、画像形成装置である。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記操作画面には、前記補正値入力ボタンの位置と、前記装着部に保持されたテストチャートが形成された用紙上の前記補正値を入力するために参照される領域の位置と、を対応付ける指標が表示されている。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の画像形成装置において、前記テストチャートが形成される用紙には、前記補正値入力ボタンの位置と、前記装着部により保持されたテストチャートが形成された用紙上の前記補正値を入力するために参照される領域の位置と、を対応付ける指標を示す画像が形成される。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載の画像形成装置において、前記画像形成部は、透明用紙に、前記補正値入力ボタンの位置と、前記装着部により保持されたテストチャートが形成された用紙上の前記補正値を入力するために参照される領域の位置と、を対応付ける指標を示す画像を形成して出力し、前記装着部は、前記指標を示す画像が形成された透明用紙が上面に重畳された前記テストチャートが形成された用紙を前記操作画面と隣り合わせの位置に保持する。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項2に記載の画像形成装置において、前記指標は、前記テストチャート上の参照される領域を識別する目盛りである。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項2から4のいずれか一項に記載の画像形成装置において、前記指標は、前記補正値入力ボタンと、前記装着部により保持されたテストチャートが形成された用紙上の前記補正値を入力するために参照される領域の位置と、を結ぶガイド線である。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、補正値が入力される補正値入力ボタンが、テストチャートが形成された用紙上の補正値を入力するために参照される領域の位置と対応する位置に設けられるため、補正値を入力する際の目線の移動や補正値入力ボタンの検索作業等の煩雑な入力作業を低減でき、補正値の入力ミスを防止できるため、補正値の入力の正確性を向上できる。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1と同様の効果を得られるのは勿論のこと、補正値入力ボタンの位置とテストチャート上の参照される領域の位置との対応関係を視認し易くできる
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2と同様の効果を得られるのは勿論のこと、補正値入力ボタンの位置とテストチャート上の参照される領域の位置との対応関係を視認し易くできる
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1又は2と同様の効果を得られるのは勿論のこと、ガイドを示す画像が形成された透明用紙をテストチャートが形成された用紙の上面に重畳して操作画面と隣り合わせの位置に保持させることにより、補正値入力ボタンの位置とテストチャート上の参照される領域の位置との対応関係を視認し易くできる。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、請求項2と同様の効果を得られるのは勿論のこと、指標として目盛りを用いることができる。
【0018】
請求項6に記載の発明によれば、請求項2から4のいずれか一項と同様の効果を得られるのは勿論のこと、ガイド線により、補正値入力ボタンの位置とテストチャート上の参照される領域の位置との対応関係を視認し易くできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図を参照して本実施の形態を詳細に説明する。
まず、構成を説明する。
図1に、本実施の形態における画像形成装置1の機能的構成図を示す。
【0020】
図1に示すように、画像形成装置1は、本体制御部10と、画像読取部20と、操作表示部30と、プリント部40と、プリンタコントローラ50等を備えて構成される。
【0021】
本体制御部10は、制御部110、不揮発メモリ120、画像メモリ130、画像処理部140等を備え、各部は制御部110によって制御されている。
【0022】
制御部110は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等から構成され、ROM又は不揮発メモリ120に格納されているシステムプログラム及び各種アプリケーションプログラム、各種データの中から指定されたプログラムやデータを読み出してRAMに展開し、RAMに展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行し、画像形成装置1の各部を集中制御する。
例えば、制御部110は、操作表示部30やプリンタコントローラ50を介して接続された外部装置から入力される指示信号に従って、コピーモード、プリンタモード、スキャナモードを切り替え、複写、プリント、画像データの読取等の制御を行う。
【0023】
また、制御部110は、ROM又は不揮発メモリ120から本実施の形態に係る補正値設定処理プログラムや必要な各種データを読み出し、当該プログラム及び各種データとの協働により、補正値設定処理を制御する。
【0024】
補正値設定処理では、画像形成装置を構成する各部を調整する複数の調整項目のうち、操作表示部30により指定された調整項目において、当該調整項目に設定されている設定値を補正するためのテストチャート紙が出力され、当該テストチャート紙に基づいて設定値を補正するための補正値の入力が受け付けられる。
【0025】
不揮発メモリ120は、画像形成に係る各種処理プログラム及びデータの他、本実施の形態に係る補正値設定処理プログラムや、各種データ、各種プログラムで処理されたデータ等を記憶する。
【0026】
画像メモリ130は、HDD(Hard Disk Drive)、DRAM(Dynamic RAM)等により構成され、画像データを読み書き可能に記憶する。画像メモリ130は、制御部110からの指示により、画像読取部20又はプリンタコントローラ50から入力された画像データを記憶して保存したり、画像メモリ130に記憶されている画像データを読み出して画像処理部140に出力する。
【0027】
画像処理部140は、画像読取部20、プリンタコントローラ50又は画像メモリ130から入力された画像データにスクリーン処理等の各種画像処理を施して制御部110又は画像メモリ130に出力する。画像処理部140は、例えば、画像読取部20から入力されたアナログの画像信号をデジタルの画像データに変換したり、デジタルの画像データを圧縮して画像メモリ130に出力したり、圧縮画像データを伸長して出力したりする。
【0028】
画像読取部20は、CCD、画像読取制御部、ADF(Auto Document Feeder)と称される自動原稿送り部や読取部等から構成される。画像読取制御部は、制御部110からの指示に基づいて自動原稿送り部、読取部等を制御して、複数の原稿の画像を読み取る。読み取られたアナログ画像信号は画像処理部140に出力される。ここで、画像とは、図形や写真等のイメージデータに限らず、文字や記号等のテキストデータ等も含む意である。
【0029】
画像読取部20により読み取られた画像データ(アナログ画像信号)は、画像処理部140に出力され、画像処理部140においてA/D変換され各種画像処理が施された後、プリント部40に出力される。
【0030】
操作表示部30は、LCD(Liquid Crystal Display)、LCDを覆うように設けられたタッチパネル31、スタートボタン、操作表示制御部、その他図示しない操作キー等から構成される。操作表示部30は、操作キー群又はタッチパネル31から入力される操作信号を制御部110に出力する。
【0031】
操作表示部30は、操作表示制御部により制御部110から入力される表示信号に従って、各種設定条件を入力するための各種設定画面や各種処理結果等をLCDに表示する。
また、本実施の形態の操作表示部30は、各種調整項目において、各項目の設定値を補正するための補正値が入力される操作画面としての後述する調整画面を表示する。
【0032】
プリント部40は、入力されたプリントデータに基づいて、電子写真方式の画像形成処理を行うものであり、給紙部、給紙搬送部、各色の画像形成部41、定着部、搬出部等のプリント出力に係る各部やプリント制御部を備えて構成される。
また、プリント部40は、各種調整項目の設定値に応じてテストチャートを用紙に形成してテストチャート紙を出力する。
【0033】
給紙部は、複数の給紙トレイを備える。各給紙トレイには、用紙の種類(紙種、坪量、サイズ)毎に予め識別された用紙が格納されており、用紙の最上部から一枚ずつ給紙搬送部に向けて搬送される。給紙搬送部は、給紙トレイから搬送された用紙を、複数の中間ローラ、レジストローラ等を経て画像形成部の転写装置へと搬送する。
【0034】
画像形成部41は、画像を形成感光体ドラム、帯電装置、露光装置、現像装置、一次転写ローラ、クリーニング装置等を備え、画像を用紙上に形成する。
例えば、画像形成装置1がカラー画像を形成するものである場合、画像形成部1が色毎に設けられる。この場合、帯電装置により帯電された感光体ドラムに、露光装置からイエロー(Y)の画像データに応じた光が照射され静電潜像が形成される。そして、静電潜像が形成された感光体ドラムの表面に帯電したイエロー(Y)のトナーが現像装置により付着されて静電潜像が現像される。現像装置によりトナーが付着された感光体ドラムは、一次転写ローラが配置された転写位置へ一定速度で回転されながら中間転写ベルトに転写される。中間転写ベルトにトナーが転写された後、クリーニング装置により、感光体ドラムの表面の残留電荷や残留トナー等が除去される。用紙に転写されたトナー像は、定着装置により熱定着され、イエロー(Y)のトナー像が熱定着された画像が形成された用紙が排紙ローラに挟持されて搬出口から排出される。同様に、各色の画像形成部41は、感光体ドラムの周囲に配置された帯電装置、露光装置、現像装置、一次転写ローラ、クリーニング装置を備え、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の画像をそれぞれ形成する。
【0035】
定着装置は、用紙に転写されたトナー画像を熱定着する。搬出部は、定着処理された用紙を、排紙ローラ等により挟持して排紙トレイ上に排出する。
【0036】
プリンタコントローラ50は、画像形成装置1をネットワークプリンタとして使用する場合に、LAN(Local Area Network)等に接続されるPC(Personal Computer)等の外部装置から送信されたデータを画像形成装置1に出力する。
【0037】
次に、本実施の形態の動作を説明する。
図2に、本実施の形態における補正値設定処理のフローチャートを示す。本処理は、制御部110と各部とが協働して実行するものである。
【0038】
まず、制御部110は、操作表示部30により指定された調整項目の調整画面をタッチパネル31上に表示する(ステップS1)。
【0039】
図3に、調整画面G1を表示した操作表示部30の例を示す。
図3に示す操作表示部30には、調整画面G1を表示するタッチパネル31と、装着部
32a、32bとが設けられている。
【0040】
図3に示す調整画面G1は、複数のLEDチップアレイから構成されるLPHを露光装置として用いている場合において、各LEDチップアレイ間のギャップによる光量ムラを調整するものである。本実施形態のLPHは、40個のLEDチップアレイが主走査方向に一列に配置されているものとする。この場合、LPHチップアレイ間のギャップは、主走査方向に39箇所存在することとなる。
図3に示す調整画面G1は、LPHチップアレイ間のギャップによる光量ムラを調整するための光量の設定値を補正するための補正値が入力される操作画面である。
【0041】
図3に示すように、調整画面G1には、OKボタンB1、キャンセルボタンB2、戻るボタンB3、テストチャート設定領域E1、補正値設定領域E2が設けられている。
【0042】
テストチャート設定領域E1には、出力するテストチャートの選択を受け付けるボタンB5a、B5b、テストチャート紙に補正位置を示す補助線を重畳させるか否かを設定するボタンB6a、B6b、印刷モードボタンB4が設けられている。印刷モードボタンB4は、テストチャート選択領域E11及びライン描画領域E12に設定された条件でテストチャート紙を出力させる指示を受け付ける。
【0043】
補正値設定領域E2には、調整値入力ボタンB7a、B7bと、補正値が入力される複数の入力領域E21と、ガイド目盛りGS1〜GS3と、ガイド線GLとが設けられている。本実施形態の入力領域E21は、テストチャート紙上の補正値を入力するために参照される各領域の位置と対応する位置に設けられている。本実施形態の入力領域E21は、LEDチップアレイ間のギャップの位置に対応する位置に設けられており、調整画面G1上に39個設けられている。
【0044】
各入力領域E21には、項目選択ボタンB8と補正値表示領域E21aとが設けられている。項目選択ボタンB8は、調整値入力ボタンB7a、B7cにより入力される補正値により設定値が補正される項目(本実施の形態ではLEDチップアレイ間のギャップの光量)を選択するためのものである。項目選択ボタンB8は、押下されて選択された場合、他の項目選択ボタンB8とは異なる色等の異なる表示態様で表示されることが好ましい。補正値表示領域E21aは、調整値入力ボタンB7a、B7bにより入力された補正値又は予め設定されている補正値を表示する。
【0045】
ガイド目盛りGS1〜GS3は、各入力領域の位置と、テストチャート紙上の補正値を入力するために参照される領域の位置と、を対応付ける指標であり、テストチャート紙上の各領域を識別する目盛りである。本実施形態のガイド目盛りGS1〜GS3は、各入力領域の位置をLEDチップアレイ間のギャップの位置と対応付ける目盛りとしてテストチャート紙の主走査方向の幅と同じ長さの帯状画像を39個の領域に分割したものを用いる。この帯状画像の10個目毎の領域の色は、他の分割された領域とは異なる色で表示している。
また、ガイド目盛りGS1は、テストチャート紙Tが装着部32a、32bに保持された際に調整画面G1内で最もテストチャート紙Tに近い位置に表示される。
【0046】
ガイド線GLもガイド目盛りGS1〜GS3と同様に、各入力領域の位置と、テストチャート紙上の補正値を入力するために参照される領域の位置と、を対応付ける指標である。ガイド線GLは、各入力領域と、各入力領域のテストチャート紙上の補正値を入力するために参照される領域の位置と、を視覚的に結ぶ線である。
図3に示すガイド線GLは、各項目選択ボタンと、各項目選択ボタンに対応するガイド目盛りの領域と、を結ぶ線である。
【0047】
装着部32a、32bは、テストチャート紙Tを調整画面G1と隣り合わせの位置保持する部材である。例えば、装着部32a、32bとして、バネ等の張力により開閉する部材(クリップ等)を用いて、テストチャート紙Tを挟んで止めるものである。
【0048】
図3に示すように、テストチャート紙Tが調整画面G1と隣り合わせの一に保持されることにより、調整画面G1とテストチャート紙Tとが、物理的に連続するように見える。そのため、ユーザは、入力領域に対応するテストチャート紙上の参照すべき領域を探すとき、入力領域E21から延びたガイド目盛りGS1〜GS3とガイド線GLとを目線で追うことにより、テストチャート上の参照すべき領域を容易に見つけることができる。
【0049】
制御部110は、調整画面を表示させた後(ステップS1後)、テストチャートの設定を受け付ける(ステップS2)。ステップS2では、調整画面G1のテストチャート設定領域E1にてテストチャートの選択やライン描画像の有無の設定が受け付けられる。
【0050】
制御部110は、印刷モードボタンB4が押下されると、ステップS2で設定された条件に応じて、画像メモリから画像データを読み出し、画像処理部140及びプリント部40によりテストチャート紙を出力させる(ステップS3)。
【0051】
テストチャート紙が出力されると、出力されたテストチャート紙は、ユーザにより装着部32a、32bに保持される(ステップS4)。そして、テストチャート紙がユーザにより目視されて補正値の調整が必要か否かのチェックが行われる(ステップS5)。
【0052】
制御部110は、補正値の調整が必要とチェックされたか否かを判別する(ステップS6)。補正値の調整が必要でない場合(ステップS6;NO)、制御部110は、調整画面を閉じて補正値設定処理を終了する。ステップS6;NOの場合とは、例えば、調整画面G1の戻るボタンB3が押下された場合である。
【0053】
補正値の調整が必要である場合(ステップS6;YES)、制御部110は、調整画面の補正値設定領域E2により、各項目の補正値の入力を受け付け、補正値の調整を行う(ステップS7)。ステップS6;YESの場合とは、例えば、調整画面G1の調整値設定領域E2内のボタンが押下された場合である。
【0054】
制御部110は、補正値の調整を行った後(ステップS7後)、調整完了か否かを判別する(ステップS8)。調整完了でない場合(ステップS8;NO)、制御部110は、ステップS7の処理に戻る。
【0055】
調整完了の場合(ステップS8;YES)、制御部110は、ステップS3の処理に戻る。ステップS8;YESの場合とは、例えば、調整画面G1のOKボタンB1が押下された後、印刷モードボタンB4が押下された場合である。
【0056】
図4に、調整画面の他の例を表示した操作表示部30と、テストチャート紙の他の例を示す。図4に示す調整画面G2は、図3に示す調整画面G1と同一の部分には同一の符号を付し、説明は省略する。
【0057】
図4に示すガイド目盛りGS4には、テストチャート紙Tが装着部32a、32bに保持された際に調整画面G1内で最もテストチャート紙Tに近い位置に向かってガイド線GLが延びている。
【0058】
また、図4に示すテストチャート紙Tには、調整画面G1と近接する副走査方向Yの端部に、各入力領域の位置と、テストチャート紙上の補正値を入力するために参照される領域の位置と、を対応付けるガイド線を示す画像(ガイド線画像GLP)が形成されている。
なお、図4に示すテストチャート紙Tに形成されるガイド線画像は、直線であるがこれに限らない。例えば、テストチャート紙の主走査方向の長さがガイド目盛りよりも長く、調整画面の幅よりも長い場合、ガイド線画像は、テストチャート紙上の補正値を入力するために参照される各領域の位置から各入力領域の位置又はガイド目盛りの各領域に向かって伸びる曲線であってもよい。
【0059】
更に、図4に示すテストチャート紙の替わりに、図3に示すテストチャート紙とガイドチャート紙を用いてもよい。ガイドチャート紙は、図3に示すテストチャート紙を出力した後、OHP用紙等の透明用紙にガイド線画像(ガイドチャート)が形成されて出力されたものである。
【0060】
テストチャート紙が用紙の画像形成可能領域内にガイド線画像を形成する領域が無いものである場合(例えば、用紙の全面にテストチャートが形成されるものである場合等)、図3に示すテストチャート紙の上面にガイドチャート紙を重畳させることで、図4に示すテストチャート紙の代替えとすることができる。このように、ガイドチャート紙をテストチャート紙の上面に重畳して入力画面と並置させて取り付けることにより、項目選択ボタンB8の位置と、テストチャート紙上の補正値を入力するために参照される領域の位置と、の対応関係を視認し易くできる。
【0061】
図5に、調整画面の他の例を表示した操作表示部30と、テストチャート紙の他の例を示す。図5に示す調整画面G3は、図3又は図4に示す調整画面G1、G2と同一の部分には同一の符号を付し、説明は省略する。
【0062】
補正値設定領域E3には、調整値入力ボタンB7a、B7bと、項目選択ボタンB8と、入力領域E31と、ガイド目盛りGS4、GS5と、ガイド線GLとが設けられている。
【0063】
図5に示す入力領域E31には、項目表示領域E31aと、補正値表示領域E31bとが設けられている。入力領域31は、選択された項目選択ボタンB8に対する補正値を入力するものであり、項目選択ボタンB8が選択された際に表示されるポップアップ画面であってもよい。項目表示領域E31aは、選択された項目の識別番号を表示する。補正値表意領域E31bは、選択された項目に対する調整値入力ボタンB7a、B7bにより入力された補正値又は予め設定されている補正値を表示する。
【0064】
ガイド目盛りGS5は、ガイド目盛りGS1〜GS3と同様に、各入力領域の位置と、テストチャート紙上の補正値を入力するために参照される領域の位置と、を対応付ける指標であり、テストチャート紙上の領域を識別する目盛りである。
【0065】
以上のように、本実施形態によれば、補正値が入力される入力領域E21の項目選択ボタンB8が、テストチャート紙上の補正値を入力するために参照される領域の位置と対応する位置に設けられるため、補正値を入力する際における調整画面とテストチャート紙との間での目線の移動や項目選択ボタンB8の検索作業等の煩雑な入力作業を低減でき、補正値の入力ミスを防止できるため、補正値の入力の正確性を向上できる。
【0066】
また、ガイド目盛りやガイド線の指標により、項目選択ボタンB8の位置とテストチャート紙上の補正値を入力するために参照される領域の位置との対応関係を視認し易くできる。
【0067】
更に、項目選択ボタンB8の位置と、テストチャート紙上の補正値を入力するために参照される領域の位置と、を対応付けるガイド線画像がテストチャート紙に形成されるため、項目選択ボタンB8の位置とテストチャート紙上の補正値を入力するために参照される領域の位置との対応関係を視認し易くできる。
【0068】
調整画面のガイド線、テストチャート紙に形成されたガイド線画像又はガイドチャート紙により、ガイド線を目線で追うことで項目選択ボタンB8の位置と、テストチャート紙上の補正値を入力するために参照される領域の位置と、の対応関係を視認し易くできる。
【0069】
本発明は、上記実施の形態の内容に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】画像形成装置の機能的構成図である。
【図2】補正値設定処理のフローチャートである。
【図3】調整画面を表示した操作表示部の例を示す図である。
【図4】調整画面の他の例を表示した操作表示部と、テストチャート紙の他の例を示した図である。
【図5】調整画面の他の例を表示した操作表示部と、テストチャート紙の他の例を示した図である。
【符号の説明】
【0071】
1 画像形成装置
10 本体制御部
20 画像読取部
30 操作表示部
31 タッチパネル
32a、32b 装着部
40 プリント部
41 画像形成部
50 プリンタコントローラ
110 制御部
120 不揮発メモリ
130 画像目盛り
140 画像処理部
B1 OKボタン
B2 キャンセルボタン
B3 戻るボタン
B4 印刷モードボタン
B5a、B5b テストチャート選択ボタン
B6a、B6b ライン描画選択ボタン
B7a、B7b 調整値ボタン
B8 項目選択ボタン
E1 テストチャート設定領域
E2 補正値設定領域
E21、E31 入力領域
E21a、E31b 補正値表示領域
E31a 項目表示領域
G1、G2、G3 調整画面
GL ガイド線
GLP ガイド線画像
GS1〜GS5 ガイド目盛り
T テストチャート紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テストチャートを用紙に形成して出力する画像形成部と、
補正値が入力される複数の補正値入力ボタンが設けられた操作画面を表示する操作表示部と、
前記テストチャートが形成された用紙を前記操作画面と隣り合わせの位置に保持する装着部と、
を備え、
前記補正値入力ボタンは、
前記補正値入力ボタンにより前記装着部に保持されたテストチャートが形成された用紙上の前記補正値を入力するために参照される領域の位置と対応する位置に設けられている、
画像形成装置。
【請求項2】
前記操作画面には、
前記補正値入力ボタンの位置と、前記装着部に保持されたテストチャートが形成された用紙上の前記補正値を入力するために参照される領域の位置と、を対応付ける指標が表示されている、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記テストチャートが形成される用紙には、
前記補正値入力ボタンの位置と、前記装着部により保持されたテストチャートが形成された用紙上の前記補正値を入力するために参照される領域の位置と、を対応付ける指標を示す画像が形成される、
請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記画像形成部は、
透明用紙に、前記補正値入力ボタンの位置と、前記装着部により保持されたテストチャートが形成された用紙上の前記補正値を入力するために参照される領域の位置と、を対応付ける指標を示す画像を形成して出力し、
前記装着部は、
前記指標を示す画像が形成された透明用紙が上面に重畳された前記テストチャートが形成された用紙を前記操作画面と隣り合わせの位置に保持する、
請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記指標は、
前記テストチャート上の参照される領域を識別する目盛りである、
請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記指標は、
前記補正値入力ボタンと、前記装着部により保持されたテストチャートが形成された用紙上の前記補正値を入力するために参照される領域の位置と、を結ぶガイド線である、
請求項2から4のいずれか一項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−145569(P2010−145569A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−320511(P2008−320511)
【出願日】平成20年12月17日(2008.12.17)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】