説明

画像形成装置

【課題】特にフルカラーでの用紙両面の画像品質を同一にすることのできる画像形成装置を提供すること。
【解決手段】画像形成装置は、4色のトナー像を各々担持する4つの第一像担持体から第二像担持体にトナー像を転写させる第一転写手段と、第二像担持体から第三像担持体又は記録媒体にトナー像を転写させる第二転写手段とを有し、第一像担持体を用いて作像した複数のトナー像を第一転写手段と第二転写手段によって第三像担持体上に保持し、記録媒体の両面にトナー像を転写した後に該トナー像を記録媒体の両面へ同時に定着する定着装置を備え、第一像担持体の各々のステーションにおいて、複数の現像色を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、カラー複写機、ファクシミリ、プリンター等の静電複写プロセスの画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来この種の画像形成装置において、記録媒体(以下、用紙という)の両面に画像を形成できるように構成されたものがある。従来の両面記録可能な画像形成装置では、像担持体上に形成した一方の面の画像(顕画像)を用紙に転写して定着し、その用紙を反転路等により反転させ、再度給送して用紙の裏面にもう一方の面の画像(顕画像)を転写して定着させる方式が一般に使用されている。
【0003】
この方式による両面記録の場合、用紙の搬送方向切り替えや片面画像の定着による用紙カールなどにより、用紙搬送の信頼性確保に多くの課題を有している。
【0004】
この点を改善すべく特許文献1に記載のものは、用紙の第1面及び第2面に対して各々の画像形成を目的として2組の像担持体及び中間転写ベルトを備えている。この構成は、生産性(作像スピード)に優れるが、装置の巨大化及び高コスト化は避けられない。
【0005】
また、特許文献2に記載のものは、1組の像担持体と2組の中間転写ベルトという構成になっており、第1面の作像時と第2面の作像時では4色のトナーの用紙に対する順番が全く逆になってしまい、フルカラーでは細心の注意が必要な色合いが異なってしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、用紙両面に転写した未定着トナー像を一度に定着させる従来の画像形成装置においては、用紙の表裏で定着後の画像品質が異なる場合があるという問題があった。
また、近年はフルカラー画像形成装置の需要が高まっており、定着により多くの熱量を必要とするフルカラー画像形成装置のいても、両面記録を行う場合には用紙の表裏で定着後の画像品質が同じであることが求められる。
【0007】
例えば、図7に記載したように、両面フルカラー画像を形成する場合、用紙の第1面と第2面とで4色(イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K))のトナーの画像形成の順番(以下、色順という)が異なると次のような不具合が生じてしまう。
【0008】
転写工程において、用紙上における最上部のトナーが転写され難い為に複数色のトナーが重なっている部分(図中で例えば、第2面のMとCが重なっている部分)では、Mトナーが最上部なので転写後は、Mトナーのトナー量が減少する。
【0009】
一方、第1面のMとCが重なっている部分では、Cトナーが最上部なので転写後は、Cトナーのトナー量が減少する。
【0010】
この結果として、定着後の最終的な画像としては用紙の第1面と第2面とで先程のMとCが重なっている部分において第1面はCが少なめのブルー、第2面はMが少なめのブルーとなり、第1面と第2面とで色合いが異なってしまうのである。
【0011】
本発明は上述のごとき実情に鑑みてなされたもので、その目的は、特にフルカラーでの用紙両面の画像品質を同一にすることのできる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に記載の発明は、4色のトナー像を各々担持する4つの第一像担持体と、第一中間転写ベルトから成る第二像担持体と、第二中間転写ベルトから成る第三像担持体と、第一像担持体から第二像担持体にトナー像を転写させる第一転写手段と、第二像担持体から第三像担持体又は記録媒体にトナー像を転写させる第二転写手段とを有し、第一像担持体を用いて作像した複数のトナー像を第一転写手段と第二転写手段によって第三像担持体上に保持し、記録媒体の両面にトナー像を転写した後に該トナー像を記録媒体の両面へ同時に定着する定着装置を備えた画像形成装置において、第一像担持体の各々のステーションにおいて、複数の現像色を有する構成にしたことを特徴とした画像形成装置である。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、記録媒体の両面に画像を形成する際に、第一像担持体の各々のステーションにおいてトナーの色を第一面のトナー像を作像する時と第二面のトナー像を作像する時とで切り換えることにより、記録媒体上の第一面におけるトナーの色順と第二面におけるトナーの色順とを同一にすることを特徴とした。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2記載の画像形成装置において、第二像担持体および第三像担持体の少なくともどちらか一方は材質がポリイミドである無端状のベルトから成ることを特徴とした。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項1または2記載の画像形成装置において、第二像担持体および第三像担持体の少なくともどちらか一方は体積抵抗値が、106〜1013(Ω・cm)であることを特徴とした。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置において、使用されるトナーは、体積平均粒径が3〜8μmで、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40の範囲にあることを特徴とする。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置において、使用されるトナーは、形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜190の範囲にあることを特徴とする。
【0018】
請求項7に記載の発明は、請請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の画像形成装置において、使用されるトナーは、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系媒体中で架橋及び/又は伸長反応させて得られるトナーであることを特徴とする。
【0019】
請求項8に記載の発明は、請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の画像形成装置において、使用されるトナーは、略球形状であることを特徴とする。
【0020】
請求項9に記載の発明は、請求項8記載の画像形成装置において、トナーは、その形状が長軸r1、短軸r2、厚さr3で規定され(但し、r1≧r2≧r3とする)、長軸r1と短軸r2との比(r2/r1)が0.5〜1.0の範囲にあり、厚さr3と短軸r2との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲にあることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
特にフルカラーでの用紙両面の画像品質を同一にすることのできる画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の画像形成装置の全体構成図である。
【図2】本発明の現像装置の構成図(実施例1)である。
【図3】本発明の現像装置の構成図(実施例2)である。
【図4】本発明の用紙上(両面)のトナー色順である。
【図5】形状係数SF−1、形状係数SF-2を説明する為にトナーの形状を模式的に示した図である。
【図6】本発明のトナー形状を模式的に示す図である。
【図7】従来の用紙上(両面)のトナー色順である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1にて、本体装置の概要を示す。
図1において、本発明の一実施形態に係る電子写真装置を示している。本体内のほぼ中央にローラ11、12、13に巻き掛けられた第2像担持体としての第1中間転写ベルト10が配置されている。該第1中間転写ベルト10は、図示しない駆動手段と連結された駆動ローラ11により図中反時計方向に回転走行される。該第1中間転写ベルト10には、その下流走行辺に沿って4つの作像部(第1像担持体)a、b、c、dが配置され、各作像部は第1中間転写ベルト10に接するように配置された感光体ドラム5を有している。
【0024】
感光体ドラム5の周囲には、除電装置L、クリーニング装置6、帯電装置7、現像装置8が配置され、感光体ドラム5は不図示の駆動手段によって矢印方向に回転駆動される。
【0025】
各作像部a、b、c、dの下方には露光装置9が設けられ、露光装置9より発せられるレーザ光が帯電装置7と現像装置8の間の書き込み位置にて感光体ドラム5に照射される。各作像部a、b、c、dは、それぞれ周囲の部品構成は同じであるが現像装置8が扱う色材(トナー)の色は複数色が可能となっている。
【0026】
現像装置の具体的な構成を図2、及び図3に示す。なお、現像装置は図2、図3いずれか一方の構成で良い。
【0027】
図2では、4色の現像装置を一体の回転可能な枠体81とする構成となっており、4色(イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K))のいずれかの選択したトナー色の作像を行うことができる。ここでは、4つのステーション(a、b、c、d)いずれも同じ構成が可能となる。
【0028】
図3では、2つの現像装置を一体とした2色現像装置82とし、接離カム85の回転によって本2色現像装置82は支点86を回転中心として回転して2色(マゼンタ(M)、ブラック(K))のいずれかの選択したトナー色の作像を行うことができる。
【0029】
ここでは、ステーションaをマゼンタ(M)、ブラック(K)
ステーションbをシアン(C)、イエロー(Y)
ステーションcをイエロー(Y)、シアン(C)(ステーションbと同じ)
ステーションdをブラック(K)、マゼンタ(M)(ステーションaと同じ)
の組み合わせとする。(ここでは、2組の同じ構成のステーションが可能となる)
【0030】
以上の現像装置を用いて、用紙の両面へトナー画像(フルカラー)を作像する過程を説明する。
【0031】
まず第1面の画像を形成する。この時、4つの作像部(第1像担持体)a、b、c、dにはそれぞれ、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(K)のトナーを用いた作像が可能となっており、まずステーションaで形成されたマゼンタ(M)トナーが第1中間転写ベルト10の裏側に配置されトナーと逆極性に印加された転写ローラ20によって第1中間転写ベルト10上に転写される。次にステーションbで形成されたシアン(C)トナーが第1中間転写ベルト10の裏側に配置されトナーと逆極性に印加された転写ローラ20によって第1中間転写ベルト10上に転写される。ステーションc、ステーションdにおいても同様にイエロー(Y)、ブラック(K)トナーの順番で第1中間転写ベルト10上に転写される。(この時、第1中間転写ベルト10上におけるトナーの順番は、ベルト表面からマゼンタ(M)→シアン(C)→イエロー(Y)→ブラック(K)となっている)
【0032】
次に、この第1中間転写ベルト10上の4色のトナー像は、第2中間転写ベルト100の裏側に配置されトナーと逆極性に印加された転写ローラ120によって第2中間転写ベルト100上に転写される(この時、第2中間転写ベルト100上におけるトナーの順番は、ベルト表面からブラック(K)→イエロー(Y)→シアン(C)→マゼンタ(M)となっている)。第1中間転写ベルト10と第2中間転写ベルト100は、上記転写ローラ120、ローラ113、と第1中間転写ベルト10を支持するローラ11により接触し予め定められた転写ニップを形成している。
【0033】
次に第2面の画像を形成する。この時、4つの作像部(第1像担持体)a、b、c、dにはそれぞれ、ブラック(K)、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)のトナーを用いた作像が可能となっており、まずステーションaで形成されたブラック(K)トナーが第1中間転写ベルト10の裏側に配置されトナーと逆極性に印加された転写ローラ20によって第1中間転写ベルト10上に転写される。次にステーションbで形成されたイエロー(Y)トナーが第1中間転写ベルト10の裏側に配置されトナーと逆極性に印加された転写ローラ20によって第1中間転写ベルト10上に転写される。ステーションc、ステーションdにおいても同様にシアン(C)、マゼンタ(M)トナーの順番で第1中間転写ベルト10上に転写される。(この時、第1中間転写ベルト10上におけるトナーの順番は、ベルト表面からブラック(K)→イエロー(Y)→シアン(C)→マゼンタ(M)となっている)
【0034】
用紙へは、前述した第2中間転写ベルト100上の第1面のフルカラー画像と第1中間転写ベルト10上の第2面のフルカラー画像とが同期して移動しており、これらに合わせて用紙Pは給紙部2からレジストローラ28(対)を介して給送される。その後、用紙Pが第1中間転写ベルト10と第2中間転写ベルト100の間に達するとその一方の面に、第1中間転写ベルト10に担持された第2面のトナー像が転写ローラ120によって転写される。この時、先に第2中間転写ベルト100に転写されている第1面のトナー像は用紙の他方の面に重ねられている。さらに用紙Pが上方に搬送されると、第2中間転写ベルト100に担持された第1面のトナー像は、チャージャCHにより用紙Pのもう一方の面に転写される。
【0035】
本実施例によってトナーが用紙Pに転写された様子を図4に示す。
従来技術について説明した図7とは異なり、用紙の第1面及び第2面上のトナーの順番(色順)が同一になっているのが容易に分かる。
【0036】
以上のようにして、両面にトナー像が転写された用紙Pは、定着手段40へ送られ用紙P上の両面のトナー像が同時に定着され、ガイド31を経て排紙ローラ32(対)により排紙スタック部30に排出される。
【0037】
ここで、本画像形成装置で使用するトナーであるが、近年の急速なカラー化とそれに伴う高画像品質化に対応する為、重合トナーによる小径、狭粒径分布化と球形化(真球化)が主流になりつつある。
【0038】
トナーの小径、狭粒径分布化は高解像度現像に有利となり、また球形化(真球化)により転写効率に有利となり、これによりトナー画像のシャープネスといった画像品位は格段に向上する。
【0039】
しかし、トナーの小粒径化は比表面積が大きくなり、単位重量当たりのトナーの像担持体表面への付着力が大きくなることで、像担持体表面のクリーニング性が困難な方向となる。また、トナーの小粒径化はトナーの流動性悪化となり、より多量の添加剤を必要とし、これにより、クリーニングブレードの欠けや磨耗、像担持体表面の局所的なスジ傷等が発生し易くなることが知られている。
【0040】
また、トナーの真球度が上がると、上述の従来一般的に採用されているブレードのカウンター当接方式では、トナーのブレードすり抜けが多くなるため、従来以上に当接圧を上げることが必要となり、圧を上げることでブレードの局所的なせん断力によるエッジ欠けに対して余裕が低くなる。
【0041】
次に、本発明の画像形成装置に好適に使用されるトナーについて説明する。
600dpi以上の微少ドットを再現するために、トナーの体積平均粒径は3〜8μmが好ましい。体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)は1. 00〜1.40の範囲にあることが好ましい。(Dv/Dn)が1.00に近いほど粒径分布がシャープであることを示す。このような小粒径で粒径分布の狭いトナーでは、トナーの帯電量分布が均一になり、地肌かぶりの少ない高品位な画像を得ることができ、また、静電転写方式では転写率を高くすることができる。
【0042】
トナーの形状係数SF−1は100〜180、形状係数SF−2は100〜190の範囲にあることが好ましい。
【0043】
図5は、形状係数SF−1、形状係数SF−2を説明するためにトナーの形状を模式的に示した図である。形状係数SF−1は、トナー形状の丸さの割合を示すものであり、下記式(1)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる形状の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−1={(MXLNG)2/AREA}×(100π/4)・・・式(1)
SF−1の値が100の場合トナーの形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。
【0044】
また、形状係数SF−2は、トナーの形状の凹凸の割合を示すものであり、下記式(2)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
【0045】
SF−2={(PERI)2/AREA}×(100π/4)・・・式(2)
SF−2の値が100の場合トナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。
【0046】
形状係数の測定は、具体的には、走査型電子顕微鏡(S−800:日立製作所製)でトナーの写真を撮り、これを画像解析装置(LUSEX3:ニレコ社製)に導入して解析して計算した。
【0047】
トナーの形状が球形に近くなると、トナーとトナーあるいはトナーと感光体との接触状態が点接触になるために、トナー同士の吸着力は弱くなり従って流動性が高くなり、また、トナーと感光体との吸着力も弱くなって、転写率は高くなる。形状係数SF−1、SF−2のいずれかが180を超えると、転写率が低下するため好ましくない。
【0048】
本発明の画像形成装置に好適に用いられるトナーは、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系溶媒中で架橋及び/又は伸長反応させて得られるトナーである。以下に、トナーの構成材料及び製造方法について説明する。
【0049】
(ポリエステル)
ポリエステルは、多価アルコール化合物と多価カルボン酸化合物との重縮合反応によって得られる。
【0050】
多価アルコール化合物(PO)としては、2価アルコール(DIO)および3価以上の多価アルコール(TO)が挙げられ、(DIO)単独、または(DIO)と少量の(TO)との混合物が好ましい。2価アルコール(DIO)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上の多価アルコール(TO)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
【0051】
多価カルボン酸(PC)としては、2価カルボン酸(DIC)および3価以上の多価カルボン酸(TC)が挙げられ、(DIC)単独、および(DIC)と少量の(TC)との混合物が好ましい。2価カルボン酸(DIC)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。3価以上の多価カルボン酸(TC)としては、炭素数9〜20の芳香族多価カルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、多価カルボン酸(PC)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いて多価アルコール(PO)と反応させてもよい。
【0052】
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
【0053】
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の重縮合反応は、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を留去して、水酸基を有するポリエステルを得る。ポリエステルの水酸基価は5以上であることが好ましく、ポリエステルの酸価は通常1〜30、好ましくは5〜20である。酸価を持たせることで負帯電性となりやすく、さらには記録紙への定着時、記録紙とトナーの親和性がよく低温定着性が向上する。しかし、酸価が30を超えると帯電の安定性、特に環境変動に対し悪化傾向がある。
【0054】
また、重量平均分子量1万〜40万、好ましくは2万〜20万である。重量平均分子量が1万未満では、耐オフセット性が悪化するため好ましくない。また、40万を超えると低温定着性が悪化するため好ましくない。
【0055】
ポリエステルには、上記の重縮合反応で得られる未変性ポリエステルの他に、ウレア変性のポリエステルが好ましく含有される。ウレア変性のポリエステルは、上記の重縮合反応で得られるポリエステルの末端のカルボキシル基や水酸基等と多価イソシアネート化合物(PIC)とを反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)を得、これとアミン類との反応により分子鎖が架橋及び/又は伸長されて得られるものである。
【0056】
多価イソシアネート化合物(PIC)としては、脂肪族多価イソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α',α'−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアネート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
【0057】
多価イソシアネート化合物(PIC)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、ウレア変性ポリエステルを用いる場合、そのエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
【0058】
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の多価イソシアネート化合物(PIC)構成成分の含有量は、通常0.5〜40wt%、好ましくは1〜30wt%、さらに好ましくは2〜20wt%である。0.5wt%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40wt%を超えると低温定着性が悪化する。
【0059】
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有されるイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
【0060】
次に、ポリエステルプレポリマー(A)と反応させるアミン類(B)としては、2価アミン化合物(B1)、3価以上の多価アミン化合物(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、およびB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。
【0061】
2価アミン化合物(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4'−ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4'−ジアミノ−3,3'−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
【0062】
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2を超えたり1/2未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
【0063】
また、ウレア変性ポリエステル中には、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
【0064】
ウレア変性ポリエステルは、ワンショット法、などにより製造される。多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)を、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を留去して、水酸基を有するポリエステルを得る。次いで40〜140℃にて、これに多価イソシアネート(PIC)を反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)を得る。さらにこの(A)にアミン類(B)を0〜140℃にて反応させ、ウレア変性ポリエステルを得る。
【0065】
(PIC)を反応させる際、及び(A)と(B)を反応させる際には、必要により溶剤を用いることもできる。使用可能な溶剤としては、芳香族溶剤(トルエン、キシレンなど);ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど);エステル類(酢酸エチルなど);アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)およびエーテル類(テトラヒドロフランなど)などのイソシアネート(PIC)に対して不活性なものが挙げられる。
【0066】
また、ポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との架橋及び/又は伸長反応には、必要により反応停止剤を用い、得られるウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
【0067】
ウレア変性ポリエステルの重量平均分子量は、通常1万以上、好ましくは2万〜1000万、さらに好ましくは3万〜100万である。1万未満では耐ホットオフセット性が悪化する。ウレア変性ポリエステル等の数平均分子量は、先の未変性ポリエステルを用いる場合は特に限定されるものではなく、前記重量平均分子量とするのに得やすい数平均分子量でよい。ウレア変性ポリエステルを単独で使用する場合は、その数平均分子量は、通常2000〜15000、好ましくは2000〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。20000を超えると低温定着性およびフルカラー装置に用いた場合の光沢性が悪化する。
【0068】
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとを併用することで、低温定着性およびフルカラー画像形成装置100に用いた場合の光沢性が向上するので、ウレア変性ポリエステルを単独で使用するよりも好ましい。尚、未変性ポリエステルはウレア結合以外の化学結合で変性されたポリエステルを含んでも良い。
【0069】
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとは、少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとは類似の組成であることが好ましい。
【0070】
また、未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとの重量比は、通常20/80〜95/5、好ましくは70/30〜95/5、さらに好ましくは75/25〜95/5、特に好ましくは80/20〜93/7である。ウレア変性ポリエステルの重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
【0071】
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとを含むバインダー樹脂のガラス転移点(Tg)は、通常45〜65℃、好ましくは45〜60℃である。45℃未満ではトナーの耐熱性が悪化し、65℃を超えると低温定着性が不十分となる。
【0072】
また、ウレア変性ポリエステルは、得られるトナー母体粒子の表面に存在しやすいため、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。
【0073】
(着色剤)
着色剤としては、公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
【0074】
着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造、またはマスターバッチとともに混練されるバインダー樹脂としては、ポリスチレン、ポリ−p−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体、あるいはこれらとビニル化合物との共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
【0075】
(荷電制御剤)
荷電制御剤としては公知のものが使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSYVP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、4級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。このうち、特にトナーを負極性に制御する物質が好ましく使用される。
【0076】
荷電制御剤の使用量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を超える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、荷電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
【0077】
(離型剤)
離型剤としては、融点が50〜120℃の低融点のワックスが、バインダー樹脂との分散の中でより離型剤として効果的に定着ローラとトナー界面との間で働き、これにより定着ローラにオイルの如き離型剤を塗布することなく高温オフセットに対し効果を示す。このようなワックス成分としては、以下のものが挙げられる。ロウ類及びワックス類としては、カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス、オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス、及びおよびパラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス等が挙げられる。また、これら天然ワックスの外に、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス、エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス等が挙げられる。さらに、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド及び、低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等)等、側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子等も用いることができる。
【0078】
荷電制御剤、離型剤はマスターバッチ、バインダー樹脂とともに溶融混練することもできるし、もちろん有機溶剤に溶解、分散する際に加えても良い。
【0079】
(外添剤)
トナー粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤として、無機微粒子が好ましく用いられる。この無機微粒子の一次粒子径は、5×10−3〜2μmであることが好ましく、特に5×10−3〜0.5μmであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5wt%であることが好ましく、特に0.01〜2.0wt%であることが好ましい。
【0080】
無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。中でも、流動性付与剤としては、疎水性シリカ微粒子と疎水性酸化チタン微粒子を併用するのが好ましい。特に両微粒子の平均粒径が5×10−2μm以下のものを使用して攪拌混合を行った場合、トナーとの静電力、ファンデルワールス力は格段に向上することより、所望の帯電レベルを得るために行われる現像装置内部の攪拌混合によっても、トナーから流動性付与剤が脱離することなく、ホタルなどが発生しない良好な画像品質が得られて、さらに転写残トナーの低減が図られる。
【0081】
酸化チタン微粒子は、環境安定性、画像濃度安定性に優れている反面、帯電立ち上がり特性の悪化傾向にあることより、酸化チタン微粒子添加量がシリカ微粒子添加量よりも多くなると、この副作用の影響が大きくなることが考えられる。しかし、疎水性シリカ微粒子及び疎水性酸化チタン微粒子の添加量が0.3〜1.5wt%の範囲では、帯電立ち上がり特性が大きく損なわれず、所望の帯電立ち上がり特性が得られ、すなわち、コピーの繰り返しを行っても、安定した画像品質が得られる。
【0082】
次に、トナーの製造方法について説明する。ここでは、好ましい製造方法について示すが、これに限られるものではない。
【0083】
(トナーの製造方法)
1)着色剤、未変性ポリエステル、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー、離型剤を有機溶媒中に分散させトナー材料液を作る。
有機溶媒は、沸点が100℃未満の揮発性であることが、トナー母体粒子形成後の除去が容易である点から好ましい。具体的には、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。有機溶媒の使用量は、ポリエステルプレポリマー100重量部に対し、通常0〜300重量部、好ましくは0〜100重量部、さらに好ましくは25〜70重量部である。
【0084】
2)トナー材料液を界面活性剤、樹脂微粒子の存在下、水系媒体中で乳化させる。
【0085】
水系媒体は、水単独でも良いし、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などの有機溶媒を含むものであってもよい。
【0086】
トナー材料液100重量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー材料液の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。20000重量部を超えると経済的でない。
【0087】
また、水系媒体中の分散を良好にするために、界面活性剤、樹脂微粒子等の分散剤を適宜加える。
【0088】
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
【0089】
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
【0090】
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
【0091】
また、カチオン性界面活性剤としては、フルオロアルキル基を右する脂肪族1級、2級もしくは2級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6−C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−121(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキンエ業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−132(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
【0092】
樹脂微粒子は、水系媒体中で形成されるトナー母体粒子を安定化させるために加えられる。このために、トナー母体粒子の表面上に存在する被覆率が10〜90%の範囲になるように加えられることが好ましい。例えば、ポリメタクリル酸メチル微粒子1μm、及び3μm、ポリスチレン微粒子0.5μm及び2μm、ポリ(スチレン―アクリロニトリル)微粒子1μm、商品名では、PB−200H(花王社製)、SGP(総研社製)、テクノポリマーSB(積水化成品工業社製)、SGP−3G(総研社製)、ミクロパール(積水ファインケミカル社製)等がある。
【0093】
また、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等の無機化合物分散剤も用いることができる。
【0094】
上記の樹脂微粒子、無機化合物分散剤と併用して使用可能な分散剤として、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸−β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−β−ヒドロキシエチル、アクリル酸−β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの含窒素化合物、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
【0095】
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。この中でも、分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98℃である。
【0096】
3)乳化液の作製と同時に、アミン類(B)を添加し、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)との反応を行わせる。
【0097】
この反応は、分子鎖の架橋及び/又は伸長を伴う。反応時間は、ポリエステルプレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)との反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
【0098】
4)反応終了後、乳化分散体(反応物)から有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥してトナー母体粒子を得る。
【0099】
有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に層流の攪拌状態で昇温し、一定の温度域で強い攪拌を与えた後、脱溶媒を行うことで紡錘形のトナー母体粒子が作製できる。また、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、トナー母体粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
【0100】
5)上記で得られたトナー母体粒子に、荷電制御剤を打ち込み、ついで、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子等の無機微粒子を外添させ、トナーを得る。
【0101】
荷電制御剤の打ち込み、及び無機微粒子の外添は、ミキサー等を用いた公知の方法によって行われる。
【0102】
これにより、小粒径であって、粒径分布のシャープなトナーを容易に得ることができる。さらに、有機溶媒を除去する工程で強い攪拌を与えることで、真球状からラクビーボール状の間の形状を制御することができ、さらに、表面のモフォロジーも滑らかなものから梅干形状の間で制御することができる。
【0103】
本発明に係るトナーの形状は略球形状であり、以下の形状規定によって表すことができる。
【0104】
図6は、本発明のトナーの形状を模式的に示す図である。図6において、略球形状のトナーを長軸r1、短軸r2、厚さr3(但し、r1≧r2≧r3とする。)で規定するとき、本発明のトナーは、長軸と短軸との比(r2/r1)(図6(b)参照)が0.5〜1.0で、厚さと短軸との比(r3/r2)(図6(c)参照)が0.7〜1.0の範囲にあることが好ましい。長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5未満では、真球形状から離れるためにドット再現性及び転写効率が劣り、高品位な画質が得られなくなる。また、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7未満では、扁平形状に近くなり、球形トナーのような高転写率は得られなくなる。特に、厚さと短軸との比(r3/r2)が1.0では、長軸を回転軸とする回転体となり、トナーの流動性を向上させることができる。
【0105】
なお、r1、r2、r3は、走査型電子顕微鏡(SEM)で、視野の角度を変えて写真を撮り、観察しながら測定した。
【0106】
以下に、各請求項ごとの効果を説明する。
請求項1及び請求項2の画像形成装置においては、1組(4ケ)のみの第1像担持体という構成で用紙の第1面におけるトナーの色順と第2面におけるトナーの色順とを同一にすることが可能となるので、装置を大きく(2組(8ケ)の第1像担持体を設ける)することなく各面の色合いを変えることなく安定したカラー画質のワンパス両面コピーを提供することが可能となる。
【0107】
請求項3及び請求項4の画像形成装置においては、中間転写体の体積抵抗値を106〜1013(Ω・cm)とし、材質はポリイミドを使用しているので、トナー画像を保持し易く、なおかつトナーの離型性も優れているので用紙への転写性も優れた画像形成装置を提供することが可能となる。
【0108】
請求項5の画像形成装置においては、使用するトナーを、体積平均粒径が3〜8μmで、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40の範囲とすることによって、トナーの帯電量分布が均一になり、地肌かぶりの少ない高品位な画像を得ることができ、また、静電転写方式では転写率を高くすることができる。
【0109】
請求項6の画像形成装置においては、使用するトナーを、形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜190の範囲とすることによって、トナーの形状が球形に近くなり、トナーとトナーあるいはトナーと感光体との接触状態が点接触になるために、トナー同士の吸着力は弱くなり従って流動性が高くなり、また、トナーと感光体との吸着力も弱くなって、転写率を高くすることが出来る。ただし形状係数SF−1が180、SF−2が190を超えると、転写率が低下するため好ましくないため範囲からは除外している。
【0110】
請求項7の画像形成装置においては、使用するトナーを、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系媒体中で架橋及び/又は伸長反応させて得られるトナーとすることによって、トナーを製造することが出来る。
【0111】
請求項8の画像形成装置においては、使用するトナーを、略球形状とする。
【0112】
請求項9の画像形成装置においては、使用するトナーを、その形状が長軸r1、短軸r2、厚さr3で規定され(但し、r1≧r2≧r3とする。)、長軸r1と短軸r2との比(r2/r1)が0.5〜1.0の範囲にあり、厚さr3と短軸r2との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲とすることにより、下記の効果を得ることが出来る。長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5未満では、真球形状から離れるためにドット再現性及び転写効率が劣り、高品位な画質が得られなくなる。また、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7未満では、扁平形状に近くなり、球形トナーのような高転写率は得られなくなる。特に、厚さと短軸との比(r3/r2)が1.0では、長軸を回転軸とする回転体となり、トナーの流動性を向上させることができる。
【0113】
なお、上述する各実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更実施が可能である。
【符号の説明】
【0114】
1 装置本体
2 給紙部
a、b、c、d 第1像担持体
L 除電装置
5 感光体ドラム
6 クリーニング装置
7 帯電装置
8 現像装置
9 露光装置
10 第1中間転写ベルト
11 支持ローラ
20 転写ローラ
25 クリーニング装置(第1中間転写ベルト)
28 レジストローラ(対)
30 排紙スタック部
31 ガイド
32 排紙ローラ(対)
40 定着装置
100 第2中間転写ベルト
120 転写ローラ
113 支持ローラ
CH チャージャ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0115】
【特許文献1】特開2006−227292号公報
【特許文献2】特開2004−109921号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
4色のトナー像を各々担持する4つの第一像担持体と、第一中間転写ベルトから成る第二像担持体と、第二中間転写ベルトから成る第三像担持体と、前記第一像担持体から第二像担持体にトナー像を転写させる第一転写手段と、前記第二像担持体から前記第三像担持体又は記録媒体にトナー像を転写させる第二転写手段とを有し、
前記第一像担持体を用いて作像した複数のトナー像を前記第一転写手段と前記第二転写手段によって前記第三像担持体上に保持し、前記記録媒体の両面に前記トナー像を転写した後に該トナー像を前記記録媒体の両面へ同時に定着する定着装置を備えた画像形成装置において、
前記第一像担持体の各々のステーションにおいて、複数の現像色を有する構成にしたことを特徴とした画像形成装置。
【請求項2】
前記記録媒体の両面に画像を形成する際に、
前記第一像担持体の各々のステーションにおいてトナーの色を第一面のトナー像を作像する時と第二面のトナー像を作像する時とで切り換えることにより、前記記録媒体上の前記第一面におけるトナーの色順と前記第二面におけるトナーの色順とを同一にすることを特徴とした請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第二像担持体および前記第三像担持体の少なくともどちらか一方は材質がポリイミドである無端状のベルトから成ることを特徴とした請求項1または2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第二像担持体および前記第三像担持体の少なくともどちらか一方は体積抵抗値が、106〜1013(Ω・cm)であることを特徴とした請求項1または2記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記使用されるトナーは、体積平均粒径が3〜8μmで、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40の範囲にあることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記使用されるトナーは、形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜190の範囲にあることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記使用されるトナーは、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系媒体中で架橋及び/又は伸長反応させて得られるトナーであることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記使用されるトナーは、略球形状であることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記トナーは、その形状が長軸r1、短軸r2、厚さr3で規定され(但し、r1≧r2≧r3とする)、長軸r1と短軸r2との比(r2/r1)が0.5〜1.0の範囲にあり、厚さr3と短軸r2との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲にあることを特徴とする請求項8記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−186059(P2010−186059A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−30213(P2009−30213)
【出願日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】