説明

画像形成装置

【課題】連続する画像形成動作の実行中に現像工程の有無に応じて複数ある現像装置のうちの一部の現像装置における現像ロールの回転を停止及び始動させるときに、その現像ロールの回転立ち上げ時期と回転立ち下げ時期における影響を受けた帯状のカブリが発生することを防止できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】複数の感光体、帯電装置、潜像形成装置、現像装置及び転写装置と、連続する画像形成動作の実行中において前記複数の現像装置のうちの一部の現像装置における現像ロールの回転を始動及び停止させるときに、当該現像ロールの回転立ち上げの開始時点から設定速度に達する時点までの時期及びその回転立ち下げの開始時点から回転が停止する時点までの時期に、当該現像ロールに印加する現像用電圧の交流成分を前記各時期以外の時期に印加する現像用電圧の交流成分よりも高い値に変更する制御手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式、静電記録方式等を利用したプリンタ、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置として、次の形式のものがある。
【0003】
その画像形成装置とは、回転する複数の感光体にそれぞれ形成される所要の色成分の静電潜像をその色成分に対応した色の現像剤をそれぞれ専用に収容する複数の現像装置から供給される現像剤により現像して各色の現像剤像とし、その各色の現像剤像を感光体から記録用紙に直接又は中間転写体を介して転写する形式のものである。上記の現像工程は、各現像装置において回転するとともに現像用電圧が印加される現像ロールにより現像剤が感光体と対向する現像領域を通過するように搬送され、その現像ロール上の現像剤が感光体の静電潜像部分に移動して静電的に付着することで行われる。
【0004】
この形式の画像形成装置にあっては、連続した画像形成動作の実行中に現像工程の有無に応じて複数の現像装置のうちの一部の現像装置における現像ロールの回転を停止及び始動させるように制御するものがある。
【0005】
このような制御は、例えば、要求される画像形成動作において現像工程が全く不要となる色の現像装置が対象になるほか、要求される連続した画像形成動作の実行中に現像工程が一時的に必要になる色の現像装置が対象になる。また、この制御は、現像工程が不要となる色の現像装置における現像ロールを回転させ続ける場合に比べて、その制御対象となる現像装置に収容される現像剤の劣化を抑制することができる点で有利である。
【0006】
一方、このような制御が実行される場合には、例えば、その制御対象となる現像装置における現像ロールが停止されていた状態から回転始動するときや、その回転していた現像ロールが途中で停止するときに、現像工程が必要であった色の画像形成動作で得られる画像(実際にはそのときの記録用紙上)に対し、その画像形成動作で現像工程が不要であった現像装置における別の色の現像剤が、かかる現像装置における現像ロールの回転立ち上げの時期と回転立ち下げの時期における影響を受けて現像ロールの軸方向にそって所定の幅からなる帯状の形態で付着してしまうカブリ現象(以下、単に「帯状のカブリ」とも言う)が発生することがある(図12を参照)。
【0007】
ここで、上記の「連続した画像形成動作」とは、記録用紙の片面に画像を形成するに必要な量の動作が複数回続けて行われる内容の動作をいう。また、上記した「現像ロールの回転立ち上げの時期と回転立ち下げの時期における影響」とは、主として、現像ロールがその回転立ち上げや立ち下げの時期には設定速度よりも遅い速度で回転しているので、ほぼ一定の速度で回転する感光体(の現像領域)を通過する所要時間が、設定速度で回転している時期に比べると長くなるという時間帯が発生するという影響である。
【0008】
ちなみに、従来においても、この帯状のカブリを防止するものでないが、例えば一般的なカブリ現象を防止する手段を採用した画像形成装置が知られている。なおここでいう一般的なカブリ現象とは、現像ロールが設定速度で回転している状態にあるときに発生するカブリのことである。
【0009】
その1つとしては、現像時に感光体上の静電潜像が形成されない部分(白地部)へのトナー付着(カブリ現象)を減少させるために、現像ローラと像担持体との間に電位差を付与する電荷付与手段と、像担持体上の静電潜像の有無を検出手段と、この検出手段による像担持体上の静電潜像非検出部分における電荷付与手段による電位差を、その検出手段による像担持体上の静電潜像検出部分における電荷付与手段による電位差よりも増大させるように当該電荷付与手段を正誤する制御手段を具備する画像形成装置が知られている(特許文献1)。
【0010】
また、画像背景部のカブリ等が生じないようにするために、現像後の感光体の素地濃度を第1の光学センサで検出し、さらにクリーニング後の感光体の素地濃度を第2の光学センサで検出し、これらの光学センサの出力比からカブリレベルを検出して、現像バイアス等のプロセス条件を制御する電子写真プロセス制御装置を備えた画像形成装置が知られている(特許文献2)。
【0011】
また、原稿の画像を読み取って画像データに置き換えるスキャナ部を、記録紙に画像を形成させるプリンタ部より搬送方向下流に設け、そのスキャナ部で画像形成記録済の記録紙における地汚れ被検出部(白地部分)の汚れ度を検知し、その検知信号に基づいて、現像バイアス電圧、現像ローラの回転速度あるいは転写チャージャの転写電流をダウンさせ、トナー供給量あるいは転写率を減らすようにプリンタ部の動作を制御する画像形成装置が知られている(特許文献3)。
【0012】
さらに、印字ランニング時に現像剤の劣化によって発生する画像カブリを防止するために、画像形成の際、像担持体を帯電した後に露光して静電潜像を得て現像バイアス電圧を印加して現像を行う第1の現像制御を行い、非画像形成時に、像担持体を帯電した後に第1の現像制御における像担持体の表面電位V01と現像バイアス電圧Vb1との電位差|V01−Vb1|よりも像担持体の表面電位V02と現像バイアス電圧Vb2との電位差|V02−Vb2|を大きくして現像を行う第2の現像制御を行う制御手段を有する画像形成装置が知られている(特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開平5−249813号公報
【特許文献2】特開平5−341609号公報
【特許文献3】特開平6−30203号公報
【特許文献4】特開2005−115003号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
この発明は、連続する画像形成動作の実行中に現像工程の有無に応じて複数ある現像装置のうちの一部の現像装置における現像ロールの回転を停止及び始動させるときに、その現像ロールの回転立ち上げ時期と回転立ち下げ時期における影響を受けた帯状のカブリが発生することを防止できる画像形成装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この発明(A1)の画像形成装置は、回転する複数の感光体と、
前記各感光体を所要の電位に帯電する複数の帯電装置と、
前記各帯電装置で帯電された前記各感光体に画像情報に応じた露光を行って静電潜像を形成する潜像形成装置と、
前記各感光体に形成された静電潜像を、回転するとともに直流成分に交流成分を重畳させた現像用電圧が印加される現像ロールにより供給する所要の色の現像剤で現像して互いに異なる色の現像剤像にする複数の現像装置と、
前記各感光体に形成された現像剤像を記録媒体又は中間転写体に転写する複数の転写装置と、
連続する画像形成動作の実行中において前記複数の現像装置のうちの一部の現像装置における現像ロールの回転を始動及び停止させるときに、当該現像ロールの回転立ち上げの開始時点から設定速度に達する時点までの時期及びその回転立ち下げの開始時点から回転が停止する時点までの時期に、当該現像ロールに印加する現像用電圧の交流成分を前記各時期以外の時期に印加する現像用電圧の交流成分よりも高い値に変更する制御手段と、
を有することを特徴とするものである。
【0016】
この発明(A2)の画像形成装置は、上記発明A1の画像形成装置において、前記制御装置が、当該現像ロールに印加する現像用電圧の交流成分におけるピーク間電圧、デューティ比及び周波数の少なくとも一つを高い値に変更するものである。
【0017】
また、この発明(A3)の画像形成装置は、上記発明A1の複数の感光体、帯電装置、潜像形成装置、現像装置及び転写装置を有する画像形成装置であって、
連続する画像形成動作の実行中において前記複数の現像装置のうちの一部の現像装置における現像ロールの回転を始動及び停止させるときに、当該現像ロールの回転立ち上げの開始時点から設定速度に達する時点までの時期及びその回転立ち下げの開始時点から回転が停止する時点までの時期に、当該現像ロールに印加する現像用電圧の直流成分の電位と当該現像ロールと対向する前記感光体部分の帯電電位との電位差を前記各時期以外の時期における当該電位差よりも大きい値に変更する制御手段を有することを特徴とするものである。
【0018】
この発明(A4)の画像形成装置は、上記発明A3の画像形成装置において、前記制御装置が、当該現像ロールに印加する現像用電圧の直流成分の電位、及び当該現像ロールの前記各時期に対向する感光体部分を帯電させる前記帯電装置による帯電電位の少なくとも一方を、前記電位差が大きくなる側の値に変更するものである。
【0019】
また、この発明(A5)の画像形成装置は、上記発明A1の複数の感光体、帯電装置、潜像形成装置、現像装置及び転写装置を有する画像形成装置であって、
連続する画像形成動作の実行中において前記複数の現像装置のうちの一部の現像装置における現像ロールの回転を始動及び停止させるときに、当該現像ロールの正規の回転立ち上げ開始時点よりも前の時点から正規の設定速度よりも遅い回転速度に達することを目標にした予備の回転立ち上げを開始した後に、当該現像ロールが正規の設定速度に達する時点よりも前の時点で正規の設定速度に達することを目標にした回転立ち上げを開始する一方で、当該現像ロールの正規の回転立ち下げの開始時点から前記遅い回転速度に達することを目標にした回転立ち下げを実行する制御手段を有することを特徴とするものである。
【0020】
この発明(A6)の画像形成装置は、上記発明A1〜A5のいずれかの画像形成装置において、前記複数の現像装置のうちの複数の現像装置群における現像ロールが1つの回転駆動装置により駆動され、その残りの現像装置における現像ロールが他の回転駆動装置により駆動されているものである。
【発明の効果】
【0021】
上記発明A1の画像形成装置によれば、連続する画像形成動作の実行中に現像工程の有無に応じて複数ある現像装置のうちの一部の現像装置における現像ロールの回転を停止及び始動させるときに、その現像ロールに印加される現像用電圧の交流成分が変更されることにより、その現像ロールの回転立ち上げ時期と回転立ち下げ時期における影響を受けた帯状のカブリが発生することを防止できる。
【0022】
上記発明A2の画像形成装置では、その発明の構成を有しない場合に比べて、上記発明A1による効果を容易に得ることができる。
【0023】
上記発明A3の画像形成装置によれば、連続する画像形成動作の実行中に現像工程の有無に応じて複数ある現像装置のうちの一部の現像装置における現像ロールの回転を停止及び始動させるときに、その現像ロールに印加される現像用電圧の直流成分の電位と感光体の対応部分の帯電電位との電位差が変更されることにより、その現像ロールの回転立ち上げ時期と回転立ち下げ時期における影響を受けた帯状のカブリが発生することを防止できる。
【0024】
上記発明A4の画像形成装置では、その発明の構成を有しない場合に比べて、上記発明A3による効果を容易に得ることができる。
【0025】
上記発明A5の画像形成装置によれば、連続する画像形成動作の実行中に現像工程の有無に応じて複数ある現像装置のうちの一部の現像装置における現像ロールの回転を停止及び始動させるときに、その現像ロールが正規の設定速度に達する時点よりも前に当該設定速度よりも遅い回転速度に到達させる予備の回転立ち上げが先行して行われることにより、その現像ロールの回転立ち上げ時期と回転立ち下げ時期における影響を受けた帯状のカブリが発生することを防止できる。
【0026】
上記発明A6の画像形成装置では、上記発明A1〜A5による各効果が得られることに加え、発明A6の構成を有しない場合に比べて、複数ある現像装置のうちの一部の複数の現像装置における各現像ロールの回転立ち上げ時期及び回転立ち下げ時期の影響を受けて発生する帯状カブリが最終的に記録媒体に転写されてしまわないように例えば転写位置と記録媒体の位置とを制御する等の対策を採用する必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の概要を示す説明図である。
【図2】図1の画像形成装置における作像装置の概要を示す説明図である。
【図3】図1の画像形成装置における主な駆動系及び制御系の構成を示す説明図である。
【図4】要求されたプリント動作が白黒画像のプリント動作とカラー画像のプリント動作が混在したものであるときの制御内容を示すフローチャートである。
【図5】カラープリント時の特別制御の構成例(現像バイアスの交流成分におけるピーク間電圧を変更して対応する例)を示す説明図である。
【図6】カラープリント時の特別制御の他の構成例(現像バイアスの交流成分におけるデューティ比を変更して対応する例)を示す説明図である。
【図7】カラープリント時の特別制御の他の構成例(現像バイアスの直流成分の電圧を変更して対応する例)を示す説明図である。
【図8】図7の特別制御の実行時における電位関係を示す説明図である。
【図9】カラープリント時の特別制御の他の構成例(帯電装置の帯電電位を変更して対応する例)とその特別制御の実行時における電位関係を示す説明図である。
【図10】カラープリント時の特別制御の他の構成例(現像ロールの立ち上げ及び立ち下げ時の回転時期及び状態を変更して対応する例)を示す説明図である。
【図11】従来のカラー画像のプリント動作時におけるY,M,Cの現像装置の制御内容を示す説明図である。
【図12】図11の制御を行った場合に発生する帯状カブリの様子を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、この発明を実施するための形態(以下、単に「実施の形態」という)について添付の図面を参照しながら説明する。
【0029】
図1はこの実施の形態に係る画像形成装置1の全体の概要を示し、図2はその画像形成装置における作像ユニットの概要を示し、図3はその画像形成装置の主な駆動系及び制御系の構成を示している。
【0030】
画像形成装置1は、図示しない支持部材、外装カバー等で構成される筐体の内部空間に、公知の電子写真方式を利用して現像剤としてのトナーで構成されるトナー像を形成する作像装置2と、作像装置2で使用する記録用紙9を収容するとともに供給する給紙装置4と、作像装置2で記録用紙9に転写されるトナー像を定着する定着装置5と、画像形成装置を構成する各構成部分の動作などについて総括的に制御する制御装置6とが主に設置されている。
【0031】
作像装置2は、中間転写方式を採用したものであり、具体的には、互いに異なる色(本例ではイエロー:Y、マゼンタ:M、シアン:C、ブラック:Kの計4色)のトナー像を形成する複数(本例では4つ)の作像ユニット20(20Y,20M,20C,20K)を、中間転写方式における中間転写ベルト30の外周面と対向させた状態で、しかもその回転移動方向に間隔をあけて並べて配置した構成になっている。
【0032】
作像装置2の各作像ユニット20Y,20M,20C,20Kはいずれも、回転するように配置されるドラム形態の感光体21と、その感光体21の周囲に配置される帯電装置22、露光装置23、現像装置24、一次転写装置25、清掃装置26等で構成されている。
【0033】
感光体21は、回転自在に支持されるとともに接地された導電性の円筒状の基材の円筒周面に、有機感材等で構成される感光層(光導電層)等を形成したものである。感光体21は、図示しない回転駆動装置の動力により所要の方向(矢印Aで示す方向)に所要の速度で回転駆動する。清掃装置26は、感光体21の転写後の周面に接触する弾性板等の清掃部材と、その清掃部材で除去するトナー等の付着物を回収する回収容器等を設置したものである。
【0034】
帯電装置22は、感光体21の回転軸方向における少なくとも像形成有効領域に接触して回転する帯電ロール22aを配置し、その帯電ロール22aに帯電用電源部22bから帯電用電圧を印加するものである。帯電ロール22aとしては、例えば、導電性の芯材に、導電材等を混合して電気抵抗値を調整したゴム等の半導電性弾性層を形成したものが使用される。帯電用電圧としては、直流成分に交流成分を重畳させた電圧が印加される。
【0035】
露光装置23は、画像形成装置1に入力される画像情報に応じた光を感光体21に対して照射して静電潜像を形成するものである。露光装置23としては、例えば、半導体レーザとポリゴンミラー等の光学部品を用いて構成される走査型露光装置や、発光ダイオードと光学部品等を用いて構成される非走査型露光装置が使用される。この露光装置23には、画像形成装置1に入力された画像情報が図示しない画像処理装置で所要の処理をされた後の画像信号が入力されるようになっている。
【0036】
現像装置24は、現像方式に適応する現像剤(トナー)を感光体21の現像領域に供給して静電潜像を現像するものである。現像装置24としては、例えば、(非磁性の)トナーと(磁性の)キャリアを含む二成分現像剤を用いて接触式(磁気ブラシ方式)の反転現像を行う二成分現像装置が使用される。トナーは、前記した各色Y,M,C,Kのいずれかの色に着色されており、4つの現像装置24(Y,M,C,K)にいずれかの色のトナーがそれぞれ専用に分配されて収容されている。
【0037】
この二成分現像装置24は、図2に示すように、その装置本体の現像剤収容部に二成分現像剤が収容されており、その現像剤収容部内で回転する現像剤攪拌搬送部材24cによりその二成分現像剤におけるトナーがキャリアと攪拌されて摩擦帯電され、マイナスの極性に帯電させられる。また、二成分現像装置24は、その装置本体の開口部に内部空間に所要の磁極が配置されて回転する円筒状の現像ロール24aが設置されており、その現像ロール24aにより、現像剤収容部内にあるトナーとキャリアの一部が磁力により磁気ブラシを形成しながら保持されるとともに層規制部材24dと間の隙間を通過して所要の高さ(厚さ)に規制された状態で、感光体21と対向する現像領域まで搬送される。
【0038】
現像ロール24aは、モータを含む回転動力装置27から伝達される動力により所要の方向(例えば感光体と対向する位置で同じ方向に移動することになる方向)に回転するとともに、感光体21との間に現像用電源部24bから現像用電圧(現像バイアス)が印加される。現像ロール24aの回転動力は、現像剤攪拌搬送部材24cにも伝達される仕組みになっている。現像用電圧としては、直流成分に交流成分を重畳させた電圧が印加される。
【0039】
一次転写装置25は、感光体21の回転軸方向における少なくとも帯電された領域に接触して回転する一次転写ロール25aを配置し、その転写ロール25aに一次転写用電源部25bから一次転写用電圧を印加するものである。一次転写ロール25aとしては、例えば、導電性の芯材に、導電材等を混合して電気抵抗値を調整したゴム等の半導電性弾性層を形成したものが使用される。一次転写用電圧としては、現像剤の帯電極性と逆極性の電圧が印加される。この実施の形態では、現像剤の帯電極性がマイナス極性であるので、転写用電圧としてプラス極性の直流電圧が印加される。
【0040】
中間転写ベルト30は、複数の支持ロール31,32,33等にかけ回されて所用の張力下で回転自在に支持され、作像装置2の各作像ユニット20における感光体21と転写装置25(転写ロール25a)の間の一次転写位置を順次通過して移動する状態で配置されている。中間転写ベルト30は、図示しない駆動装置により回転駆動する駆動用ロール31により所要の方向(矢印Bで示す方向)に所要の速度で回転する。
【0041】
中間転写ベルト30としては、導電剤を含有させて所要の体積抵抗率に調製された樹脂、ゴム等の材料を用いて無端状に成形されたベルトが使用される。中間転写ベルト30の二次転写支持ロール33で支持されている部分の外周面側には、そのベルトの外周面に所要の圧力で接触して回転する二次転写ロール35が設置されている。二次転写支持ロール33又は二次転写ロール35には、図示しない電源部から二次転写電圧が印加される。また、中間転写ベルト30の駆動用の支持ロール31で支持されている部分の外周面側には、その二次転写後のベルト外周面を清掃する清掃装置36が設置されている。
【0042】
給紙装置4は、所望のサイズ、種類等の記録用紙9を積載した状態で収容する用紙収容体41と、用紙収容体41から記録用紙9を1枚ずつ送り出す送出装置42とで主に構成されている。給紙装置4の用紙収容体41から送出装置42で送り出された記録用紙9は、給紙装置4の送出装置42と作像装置2の二次転写位置との間に設置される複数の搬送ロール対43,…、搬送ガイド材等で構成される給紙用の用紙搬送路44を通して、作像装置2における中間転写ベルト30と二次転写ロール35との間の二次転写位置まで搬送される。
【0043】
定着装置5は、矢印で示す方向に回転駆動するとともに表面温度が加熱手段により所要の温度に加熱して保持されるロール形態、ベルト形態等の加熱回転体51と、この加熱回転体51の軸方向にほぼ沿うように所要の圧力で接触して従動回転するロール形態、ベルト形態等の加圧回転体52等を設置して構成されている。作像装置2の二次転写位置と定着装置5の間には、二次転写ロール35と支持ロール45等にかけ回されて矢印で示す方向に回転する用紙搬送ベルト46が設置されている。
【0044】
また、画像形成装置1においては、図3に示すように、4つの作像ユニット20のうちY,M,Cの3色の作像ユニット20(Y,M,C)における現像装置24の現像ロール24aが1つの回転駆動装置27Aの動力で回転し、残りのK色の作像ユニット20Kにおける現像装置24の現像ロール24aが別の1つの回転駆動装置27Bの動力で回転するように構成されている。
【0045】
回転駆動装置27A、27Bはいずれも、1つのモータとそのモータの回転動力を伝達する回転伝達機構を備えたものである。Y,M,Cの3色の現像装置24(Y,M,C)における現像ロール24aは、その各一端部にギヤがそれぞれ取り付けられている。また、その3つの現像ロール24aと回転駆動装置27Aとの間には、回転駆動装置27Aからの回転動力が伝達される駆動軸28Aが配置されるとともに、その駆動軸28Aの各現像ロール24aのギヤと対向する位置にウォームギヤをそれぞれ取り付けている。そして、その3つの現像ロール24aは、その各一端部に取り付けたギヤを駆動軸28Aの各ウォームギヤに噛み合わせた状態で設置することにより、回転駆動装置27Aからの回転動力が駆動軸28Aを介して伝達される構造になっている。
【0046】
K色の現像装置24における現像ロール24aも、同じく回転駆動装置27Bからの回転動力が駆動軸28Bを介して伝達される構造になっている。ちなみに、各現像装置における現像ロールの駆動系は、上記各ギヤと回転軸28A,28Bに代えて、例えばプーリと回転伝達ベルトを適用して構成してもよい。また、4つの作像ユニット20における各感光体21は、1つの回転駆動装置の動力で回転するように構成しても、上記2つの回転駆動装置でそれぞれ回転するように構成してもよい。さらに、各現像装置24における現像剤攪拌搬送部材24cは、現像ロール24から回転動力が伝達されて回転する構造になっている。
【0047】
さらに、画像形成装置1においては、図3に示すように、4つの作像ユニット20における帯電用電源部(回路)22b、現像用電源部24b、一次転写用電源回路25b、回転駆動装置27A,27Bの駆動電源部(回路)29a,29bhが、Y,M,Cの作像ユニット20(Y,M,C)の制御を受け持つY,M,C用制御部61と、K色の作像ユニット20Kの制御を受け持つK用制御部62とに分けて構成されている。また、このY,M,C用制御部61とK用制御部62は、制御装置6に接続されて総括的に制御されるようになっている。
【0048】
制御装置6は、演算処理装置、記憶素子、制御装置、外部記憶装置、入出力装置等で構成されており、その記憶素子又は外部記憶装置に記憶されている制御プログラムに従って画像形成装置1の各構成部品の動作についてそれぞれ制御する。
【0049】
特に制御装置6は、以下の制御動作も行うように構成されている。
【0050】
まず、画像形成装置1は、4つの作像ユニット20(Y,M,C,K)をすべて作動させてY,M,C,Kの4色のトナー像で構成されるフルカラー画像を記録用紙9に形成するフルカラーモードと、K色の作像ユニット20Kのみを作動させてK色のトナー像で構成される白黒画像を記録用紙9に形成する白黒モードと、3つの作像ユニット20(Y,M,C)を作動させてY,M,Cの3色のトナー像で構成されるカラー画像を記録用紙9に形成するカラーモードを備えており、そのいずれかのモードによるプリント動作を任意に選択して実行できるようになっている。また、画像形成装置1は、連続する画像形成動作(プリント動作)として、白黒画像のプリント動作とカラー画像のプリント動作とが混在するプリント動作も可能である。
【0051】
そして、制御装置6は、白黒画像のプリント動作とカラー画像のプリント動作が混在するプリント動作が要求された場合に、白黒画像を形成している時期はY,M,C色の現像装置24(Y,M,C)による現像工程が不要なためその現像装置24における現像ロール24aの回転(実際には回転駆動装置27Aのモータの回転)を停止しておき、カラー画像を形成する時期のときだけY,M,Cの現像装置24における現像ロール24aの回転を始動させるように制御する。
【0052】
また、制御装置6は、白黒画像のプリント動作とカラー画像のプリント動作が混在するプリント動作が要求された場合に、図4及び図5に示すように、その混在したプリント動作用の特別な制御を実行するように選択した後、そのプリント動作中におけるカラー画像のプリント動作の時期になると、その特別な制御を実行する制御を行う。このときの特別制御の詳細については、後述する。
【0053】
以下、この画像形成装置1の動作について説明する。
【0054】
はじめに、画像形成装置1が図示しない操作パネルや画像形成装置1に接続されるパーソナルコンピュータ等の外部機器から入力又は送信されるプリント要求指示を受けると、制御装置6において、その要求されたプリント動作がフルカラー(YMCK)画像のプリント動作、白黒画像のプリント動作、及びカラー(YMC)画像のプリント動作の何れか一つか又はそれらの組み合わせかを判別する。
【0055】
ここでは、まずフルカラー画像単独のプリント動作(フルカラーモード)が要求された場合を仮定し、そのときの動作内容について説明する。
【0056】
4色(Y,M,C,K)のトナー像を用いて構成されるフルカラー画像のプリント動作時には、作像装置2の各作像ユニット20(Y,M,C,K)で前記4色のトナー像が形成された後に中間転写ベルト30に転写される。
【0057】
すなわち、各作像ユニット20では、回転始動する感光ドラム21が帯電装置22によって所定の電位に帯電され、その帯電後の感光ドラム21に露光装置23から画像信号に基づく露光が行われて各色成分に応じて静電潜像が形成された後、その静電潜像が現像装置24において対応する色のトナーによって現像されて各色(Y,M,C,K)のトナー像が形成される。この各作像ユニット20で形成された各トナー像は、感光ドラム21が一次転写装置25と対向する一次転写位置において中間転写ベルト30に次々と重ね合せられるように静電転写され、しかる後、その中間転写ベルト30が二次転写ロール35と対向する二次転写位置まで搬送される。
【0058】
続いて、給紙装置4から所要のタイミングで搬送される記録用紙9が二次転写位置に送り込まれると、中間転写ベルト30上のトナー像が記録用紙9の片面に一括して静電転写される。トナー像が転写された記録用紙9は、用紙搬送ベルト46により搬送されて定着装置5に導入される。定着装置5では、トナー像が転写された用紙9が加熱回転体51と加圧回転体52の間の接触部を通過する際に加熱及び加圧され、これによりトナー像を溶融させて用紙9に定着させる。定着が終了した後の記録用紙9は、定着装置5から排出された後、図示しない排紙収容部等に搬送される。
【0059】
以上により、1枚の記録用紙9の片面に対してフルカラー画像が形成される。また複数枚分のフルカラー画像の形成が要求された場合は、上記した動作が同様に繰り返される。
【0060】
次に、白黒画像単独のプリント動作(白黒プリントモード)が要求された場合を仮定し、そのときの動作内容について説明する。
【0061】
白黒画像のプリント動作時には、作像装置2の黒色の作像ユニット20Kで黒色のトナー像が形成された後に中間転写ベルト30に転写される。すなわち、黒色の作像ユニット20Kの感光体21Kに前述したように黒色のトナー像が形成され、それが一次転写装置25によって中間転写ベルト30に一次転写される。
【0062】
続いて、中間転写ベルト30に一次転写された黒色トナー像は、フルカラープリントの場合と同様に、二次転写位置において所要の記録用紙9に二次転写された後、その記録用紙9に保持された状態にまま定着装置5に導入されて記録用紙9に定着される。最後に、定着後の記録用紙9は排出収容部に排出される。以上のプロセスにより、1枚の記録シート9上には上記黒色のトナー像から構成される白黒画像が形成される。
【0063】
以上により、1枚の記録用紙9の片面に対して白黒画像が形成される。また複数枚分の白黒画像の形成が要求された場合は、上記した動作が同様に繰り返される。
【0064】
また、白黒画像のプリント動作時には、制御装置6の制御により回転駆動装置27Aのモータの駆動が停止させられる。これより、白黒画像のプリント動作が実行されている間は、Y,M,C色の作像装置20における現像装置24(Y,M,C)の各現像ロール24aが回転せずに停止した状態に保たれる。
【0065】
この制御により、現像装置24(Y,M,C)に収容されている二成分現像剤は、現像ロール20aに保持されて層規制部材24dとの隙間を通過する際に負荷を受けたり、あるいは現像剤攪拌搬送部材24cによる攪拌の作用を受けることがなくなり、その分、現像剤が劣化する現象(例えば、トナーの外添剤の脱落や陥没、その外添剤の付着によるキャリアの汚れなど)が抑えられる。
【0066】
さらに、白黒画像のプリント動作時には、制御装置6の制御により、Y,M,C色の作像装置20における一次転写装置25の転写ロール25aがその色の作像装置20における感光体21から離れる方向に変位し、これにより中間転写ベルト30がその各作像装置20における感光体21から離間した状態となる。一方、K色の作像装置20における一次転写装置25は転写可能な状態に制御する。また、このときY,M,C色の作像装置20における感光体21及び現像装置24は、停止した状態に制御され、これによりその作像動作に関与しない感光体21及び現像装置24の性能劣化が抑制される。
【0067】
次に、白黒画像のプリント動作とカラー画像のプリント動作が混在するプリント動作が要求された場合を仮定し、そのときの動作内容について説明する。
【0068】
この場合、制御装置6においては、前記したとおり、要求されたプリント動作の内容を判別することに加え、図4に示すように、その要求されたプリント動作が白黒画像のプリント動作とカラー画像のプリント動作が混在したプリント動作であるか否かが判断される(ステップ:S10)。
【0069】
続いて、制御装置6は、白黒プリントモードとカラープリントモードが混在したプリント動作であることを判定すると、カラープリント時の特別制御(内容)を選択する(S11)。その後、Y,M,C色によるカラー画像のプリント動作(カラープリント)が開始される時期が到来すると、そのカラープリントに合わせて特別制御を実行する(S12〜S13)。
【0070】
まず、この混在したプリント動作が実行される場合における作像ユニット20(Y,M,C)の各現像装置24(Y,M,C)は、白黒画像のプリント動作が実行されている時間帯は現像工程が不要であるため、図5に示すように、その現像装置24の各現像ロール24aの回転が停止した状態に保たれる。またこのときその各現像ロール24aには、所要の現像バイアスが印加される。
【0071】
この際に印加される現像バイアスは、図5に示すように、その直流成分(DC)が現像工程時に印加される通常電圧(Vdc-1)であり、その交流成分(AC)が現像工程時に印加される通常の交流条件(所要のピーク間電圧:Vppと周波数:fとデューティ比:D)のうちピーク間電圧を高めた値のピーク間電圧:Vpp-1(Vpp-2)に変更したものである。図5にかっこ書きで示される符号t0は、上記混在したプリント動作の開始基準タイミングである。
【0072】
そして、カラー画像のプリント動作が実行される時期が到来すると、現像工程が必要になるため、その現像装置24(Y,M,C)の各現像ロール24aが回転させられる。またこのとき、その各現像ロール24aには、現像工程時に印加される現像バイアスと異なる所要の現像バイアスが印加される。
【0073】
具体的には、カラー画像のプリント動作が実行される前の所要の時期になると、図5に示すように、所要の始動タイミング(t1)で回転駆動装置27Aの現像用モータが始動して現像装置24(Y,M,C)の現像ロール24aを回転させ始めるとともに、その始動タイミング(t1)で現像装置24(Y,M,C)における各現像ロール24aに対して現像用電源24bから所要の現像バイアスを印加し始める。ここで、始動タイミングt1は、例えばカラー画像の画像信号の画像処理装置からの出力開始時点から所要の時間が経過した後の時点として設定される。
【0074】
このとき(回転立ち上げ時期)に印加される所要の現像バイアスは、その直流成分が、現像工程時に印加される通常電圧(Vdc-1)に設定されたものである。また、その交流成分が、現像工程時に印加される通常の交流条件に対して、そのピーク間電圧だけを高めた値に変更したピーク間電圧:Vpp-3(>Vpp-2)に設定されたものである。
【0075】
続いて、現像用モータ(現像ロール24a)が予め設定される定常速度に達する予定の定常タイミングt2になると、図5に示すように、現像装置24(Y,M,C)の現像ロール24aに印加される交流成分のピーク間電圧:Vpp-3は、現像工程時に印加される通常のピーク間電圧Vpp-2に切り替えられる。これにより、現像装置24(Y,M,C)は、定常タイミングt2に達した段階で現像可能な状態になり、カラー画像のプリント動作における現像工程を実行することになる。
【0076】
次に、カラー画像のプリント動作が終了した後の所要の時期になると、図5に示すように、現像装置24(Y,M,C)における各現像ロール24aが停止タイミング(t3)で停止され始めるとともに、その停止タイミング(t3)で各現像ロール24aに所要の現像バイアスを印加し始める。ここで、停止タイミングt3は、例えばカラー画像の画像信号の出力終了時点から所要の時間が経過した後の時期に設定される。
【0077】
このとき(回転立ち下げ時期)に印加される所要の現像バイアスは、その直流成分が、現像工程時に印加する通常の直流電圧(Vdc-1)に設定されるものである。また、このときの交流成分は、現像工程時に印加する通常の交流条件よりもそのピーク間電圧について高めた値に変更したピーク間電圧Vpp-3に設定されるものである。
【0078】
その後、現像装置24(Y,M,C)の現像ロール24a(現像用モータ)の回転が完全に停止する停止完了タイミング(t4)になると、図5に示すように、その各現像ロール24aに所要の現像バイアスが印加され始める。このときに印加される現像バイアスは、その直流電圧が現像工程時に印加する通常の直流電圧(Vdc-1)に設定されたものであり、その交流電圧がピーク間電圧について前記したピーク間電圧Vpp-1に変更されたものである。
【0079】
そして、このカラー画像のプリント動作が実行されるときには、カラープリント時の特別制御として、図5に示すように、現像装置24(Y,M,C)における各現像ロール24a(現像用モータ)の回転立ち上げ開始時点となる始動タイミングt1から定常タイミングt2になるまでの時期(立ち上げ時期)と、その各現像ロール24aの回転立ち下げ開始時点となる停止タイミングt3からその回転が停止する時点となる停止完了タイミングt4になるまでの時期(立ち下げ時期)に、その各現像ロール24aに現像バイアスとして上記2つの時期以外の時期に印加する交流成分のピーク間電圧(Vpp-1、Vpp-2)よりも高い値のピーク間電圧Vpp-3(>Vpp-1、Vpp-2)を印加する制御が実行される。
【0080】
この特別制御において印加される現像バイアスの交流成分におけるピーク間電圧:Vpp-3は、例えば、通常のピーク間電圧:Vpp-2を「0.7kV」に設定した場合に「1.0〜2.0kV」に設定される。ちなみに、立ち上げ時期の前や立ち下げ時期の後に印加される現像バイアスの交流成分におけるピーク間電圧:Vpp-1は、通常のピーク間電圧:Vpp-2を「0.7kV」に設定した場合に「Vpp-1≧Vpp-2<Vpp-3」の大小関係を前提条件として「1.0〜1.5kV」に設定される。
【0081】
この特別制御の実行により、現像装置24(Y,M,C)における各現像ロール24aの立ち上げ時期及び立ち下げ時期に、その各現像ロール24aの一定の速度で回転する各感光体21を通過する所要の時間が各現像ロール24aの定常速度で回転している時期に比べて長くなる時間帯が発生しても、その時期に各現像ロール24aに対してピーク間電圧:Vpp-3からなる交流成分の現像バイアスが印加されることで、各現像ロール24aに保持されているY,M,C色の現像剤(トナー成分)が各感光体21に静電的に移行しにくい状態に保たれる。
【0082】
この結果、その各時期に現像ロール24aに保持されている現像剤(トナー成分)が感光体21に対して現像ロール24aの回転軸方向に対して所定の幅で延びる帯状の形態で付着し、その帯状に付着した現像剤のトナー成分が、中間転写ベルト30に一次転写された後、最後にカラー画像のプリント動作が開始される前に実行される白黒画像のプリント動作で形成される白黒画像中(用紙9上)に二次転写されてしまうという現象、いわゆる帯状のカブリが発生することがない。
【0083】
図11は、上記混在したプリント動作において、そのカラー画像プリント動作時に前記した特別制御を行わない場合の制御内容を示すものである。この図示する制御では、現像装置24(Y,M,C)における各現像ロール24aの立ち上げ時期及び立ち下げ時期に、通常のピーク間電圧:Vpp-2からなる交流成分の現像バイアスを印加している。
【0084】
このような制御を行った場合は、現像装置24(Y,M,C)における各現像ロール24aの立ち上げ時期及び立ち下げ時期に、その各現像ロール24aの一定の速度で回転する各感光体21を通過する所要時間が各現像ロール24aの定常速度で回転している時期に比べて長くなる時間帯が発生したとき、各現像ロール24aに対して通常の現像工程で使用されるピーク間電圧:Vpp-2からなる交流成分の現像バイアスが印加されることで、各現像ロール24aに保持されているY,M,C色の現像剤(トナー成分)が各感光体21に静電的に移行し得る状態になる。
【0085】
この結果、その各時期に現像ロール24aに保持されている現像剤(トナー成分)が感光体21に対して帯状に付着し、その帯状に付着した現像剤のトナー成分が中間転写ベルト30を介してカラー画像のプリント動作の前に実施される白黒画像プリント動作で形成される白黒画像中(用紙9上)に二次転写されてしまい、これが帯状のカブリとなる。
【0086】
図12は、帯状のカブリが発生した状態を示すものである。図示の帯状のカブリは、白黒画像のプリント動作で記録用紙9に形成された白黒画像(K色の画像)に、K色の作像ユニット20Kよりも用紙の搬送方向C(中間転写ベルト30の回転移動方向Bと共通する方向)の上流側に配置されたY色及びM色の作像ユニット20Y,20Mの現像装置24(Y,M)における現像ロール24aの立ち上げ時期に発生するY色及びM色の帯状のカブリが二次転写された場合を示している。この場合、C色の帯状カブリが付着しないのは、中間転写ベルト30に一次転写された白黒画像の範囲外のベルト部分にカブリのトナー成分が一次転写されて付着されることになるからである。
【0087】
また、この場合においてカラー画像のプリント動作の終了後に白黒画像のプリント動作が続けて行われるときには、その後続の白黒画像のプリント動作で記録用紙9に形成される白黒画像に帯状のカブリが発生することがあるが、帯状カブリの記録用紙9に対する発生位置や発生の有無については、画像サイズ(適用する用紙サイズ)、プリント(プロセス)速度等の条件により異なる。
【0088】
なお、前記実施の形態では、白黒画像とカラー画像が混在するプリント動作におけるカラープリント時の特別制御において、そのカラー画像のプリント動作の現像工程で必要となるY,M,C色の現像装置24における現像ロール24aの立ち上げ時期及び立ち下げ時期に印加する現像バイアスの交流成分として、高い値に設定したピーク間電圧:Vpp-3の交流成分を印加する構成例について例示したが、これ以外の構成にすることもできる。
【0089】
その他の構成例としては、例えば、図6に示すように、その各時期に印加する現像バイアスの交流成分として、その交流を発生するためのパルス波(例えば矩形波)のデューティ比(D=α/T)を現像剤(トナー成分)が現像ロール24a側に多く静電的に引き寄せられる状態にする高い値に変更する構成である。図6中の符号Tは、パルス波の周期を示す。
【0090】
図6では、現像ロール24aの立ち上げ時期及び立ち下げ時期以外の現像工程等の時期に印加する現像バイアスの交流成分におけるデューティ比(D1)の設定例を示す状態(a)と、その立ち上げ時期及び立ち下げ時期に印加する現像バイアスの交流成分におけるデューティ比(D2、D3)の設定例を示す状態(b)(c)を示している。同図(b)に示すデューティ比(D2)は、マイナス極性に帯電するトナー成分を現像ロール24a側に多く引き寄せるため、現像ロール側へ伸びる電界部分(白抜き矢印で示す方向)が通常現像時よりも大きくなるように、プラス極性側となるパルス波の幅α2を現像工程時等における同パルス波の幅αよりも大きい値に変更する例である。同図(c)に示すデューティ比(D3)も、デューティ比(D2)の場合と同様の傾向に変更する例である。なお、同図(b)(c)における直流成分の直流電圧(Vdc)は、同図(a)に示す直流電圧(Vdc)と同じ値に設定している。
【0091】
このような状態(b)(c)にあるデューティ比(D2,D3)の交流成分からなる現像バイアスを現像装置24(Y,M,C)における各現像ロール24aの立ち上げ時期及び立ち下げ時期に印加することにより、その各時期に各現像ロール24aの一定の速度で回転する各感光体21を通過する所要時間が各現像ロール24aの定常速度で回転している時期に比べて長くなる時間帯が発生しても、各現像ロール24aに保持されているY,M,C色の現像剤(トナー成分)が各感光体21に静電的に移行しにくい状態に保たれるので、帯状のカブリが発生しなくなる。
【0092】
また、上記混在するプリント動作のカラープリント時の特別制御において、そのカラー画像のプリント動作の現像工程で必要となるY,M,C色の現像装置24における現像ロール24aの立ち上げ時期及び立ち下げ時期に印加する現像バイアスの交流成分については、その周波数:fを現像剤(トナー成分)が現像ロール24a側に多く静電的に引き寄せられる状態にする高い値に変更する構成にしてもよい。現像工程時に印加する現像バイアスの交流成分における通常の周波数:f2を例えば8.5kHzに設定した場合、その特別制御時に印加する現像バイアスの交流成分における周波数f1(>f2)を、例えば9.5kHzに変更する。
【0093】
このような高い値に変更した周波数f1の交流成分からなる現像バイアスを現像装置24(Y,M,C)における各現像ロール24aの立ち上げ時期及び立ち下げ時期に印加することにより、その各時期に各現像ロール24aの一定の速度で回転する各感光体21を通過する所要時間が各現像ロール24aの定常速度で回転している時期に比べて長くなる時間帯が発生しても、各現像ロール24aに保持されているY,M,C色の現像剤(トナー成分)が各感光体21に静電的に移行しにくい状態に保たれるので、帯状のカブリが発生しなくなる。
【0094】
上記した特別制御は、要求されているカラー画像のプリント動作がすべて終了するまで実行され、そのカラー画像のプリント動作がすべて終了すると、その特別制御の選択が解除されて通常の制御に戻される(図4のS13〜S15)。
【0095】
[他の実施の形態]
図7は、前記混在するプリント動作のカラープリント時に行う特別制御の他の構成例を示すものである。
【0096】
このカラープリント時に行う特別制御は、前記実施の形態における現像装置24(Y,M,C)の各現像ロール24aの立ち上げ時期及び立ち下げ時期に、図7及び図8に示すように、その各現像ロール24aに印加する現像バイアスの直流成分の電位(Vdc)とそのときの現像ロール24aに対向する感光体21の周面部分の帯電電位(Vh)の電位差(Vc-2)が、その各時期以外の時期における当該電位差(現像工程等で印加する現像バイアスの直流成分の電位Vdc-1と感光体21の周面部分の帯電電位Vhとの電位差:Vc-1)よりも大きい値に変更するものである。
【0097】
図7に示す例では、各現像ロール24aの立ち上げ時期及び立ち下げ時期に印加する現像バイアスの直流成分の電位(Vdc-2)を、現像工程に印加する現像バイアスの直流成分の電位Vdc-1よりも小さい値(プラス極性側にずらした値)に変更することにより、図8に示すように、そのときの電位差(Vc-2)が結果的に大きい値になるように変更している。
【0098】
このような電位差(Vc-2)となる現像バイアスを現像装置24(Y,M,C)における各現像ロール24aの立ち上げ時期及び立ち下げ時期に印加することにより、その各時期に各現像ロール24aの一定の速度で回転する各感光体21を通過する所要時間が各現像ロール24aの定常速度で回転している時期に比べて長くなる時間帯が発生しても、各現像ロール24aに保持されているY,M,C色の現像剤(トナー成分)が各感光体21に静電的に移行しにくい(又は感光体21に移行しても静電的に現像ロール24a側に引き寄せられる)状態に保たれるので、帯状のカブリが発生しなくなる。
【0099】
また、この電位差(Vc)を変更するカラープリント時の特別制御においては、図9に示すように、そのカラー画像のプリント動作の現像工程で必要となるY,M,C色の現像装置24における現像ロール24aの立ち上げ時期及び立ち下げ時期に対向する感光体21の周面部分を帯電させる帯電装置22による帯電電位(Vh)を変更することで、前記した電位差(Vc-2)が上記各時期以外の時期における電位差(Vc-1)よりも大きい値となる側に変更されるように構成してもよい。
【0100】
さらに、
図9に示す例では、各現像ロール24aの立ち上げ時期及び立ち下げ時期に該当する帯電装置22により帯電させる帯電電位(Vh-2)を、その各時期以外の時期における帯電電位Vh-1よりも大きい値(マイナス極性側にずらした値)に変更することにより、そのときの電位差(Vc-2)が結果的に上記各時期以外の時期における電位差(Vc-1)よりも大きい値になるように変更している。この構成は、帯電用電源部22bからY,M,C色の作像ユニット20における帯電装置の帯電ロール22aに印加する帯電用電圧(Vh-2)を、上記立ち上げ時期及び立ち下げ時期(始動タイミングt1から定常タイミングt3に至る時期及び停止タイミングt3から停止完了タイミングt4に至る時期)に、感光体21の帯電電位が帯電電位:Vc-1から帯電電位:Vh-2になるような値に変更することによって実施される。
【0101】
このような電位差(Vc-2)となるように作像ユニット20(Y,M,C)における各帯電装置22による帯電電位(Vh)をその各現像装置(Y,M,C)における現像ロール24aの立ち上げ時期及び立ち下げ時期に変更することにより、その各時期に各現像ロール24aの一定の速度で回転する各感光体21を通過する所要時間が各現像ロール24aの定常速度で回転している時期に比べて長くなる時間帯が発生しても、各現像ロール24aに保持されているY,M,C色の現像剤(トナー成分)が各感光体21に静電的に移行しにくい(又は感光体21に移行しても静電的に現像ロール24a側に引き寄せられる)状態に保たれるので、帯状のカブリが発生しなくなる。
【0102】
図10は、前記混在するプリント動作のカラープリント時に行う特別制御の別の構成例を示すものである。
【0103】
このカラープリント時に行う特別制御は、前記実施の形態における現像装置24(Y,M,C)の各現像ロール24aの立ち上げ時期及び立ち下げ時期に、その各現像ロール24aについて、その正規の回転立ち上げ開始時点となる始動タイミングt1よりも前の予備始動タイミング(t5)から正規の設定速度(定常速度)Ds-2よりも遅い予備回転速度Ds-1(<Ds-2)に到達させる予備の回転立ち上げを開始した後、定常タイミングt2よりも前の時点(t6)で正規の設定速度Ds-2に到達させる回転立ち上げを開始する制御を行うものである。また、この特別制御は、その現像装置24(Y,M,C)の各現像ロール24aについて、その正規の回転立ち下げの開始時点である停止タイミング(t3)から上記予備の回転速度Ds-1に到達させる回転立ち下げを開始する制御を行うものである。
【0104】
図10に示す例では、開始基準タイミングt0を予備始動タイミングt5として、現像装置24(Y,M,C)の各現像ロール24a(現像用モータ)を予備の回転速度Ds-1に達することを目標に予備(1段目)の立ち上げを開始した後、正規の立ち上げ時期の中間の時点を定常タイミングt2よりも前の時点t6として、各現像ロール24a(現像用モータ)を正規の設定速度に達することを目標に2段目の立ち上げを開始するように制御している。また、この例では、現像装置24(Y,M,C)の各現像ロール24a(現像用モータ)を停止タイミングt3から予備の回転速度Ds-1に達することを目標に立ち下げを開始するように制御している。
【0105】
2段目の立ち上げの開始タイミング(又は予備(1段目)の立ち上げの終了時点)は、正規の立ち上げ時期(t1からt2までの間)のうち、始動タイミングt1(現像ロール24aが無回転の状態)から現像ロール24aの感光体21に対する速度差が相対的に大きくなる時期をなくすために必要な時点に設定すればよく、例えば、正規の立ち上げ時期の中間の時点(始動タイミングt1から定常タイミングt2までに至る間の中間時点)とすることができる。また、各現像ロール24a(現像用モータ)を予備の回転速度Ds-1に到達させる立ち下げは、正規の立ち下げ時期における停止完了タイミングt4よりも前の時点で終了する。ちなみに、予備(1段目)の立ち上げの開始タイミングt5は、例えば開始基準タイミングt0よりも前の時点に設定することも可能であるが、現像工程が不要な時期における現像剤の劣化を抑制する観点からは、現像工程が不要な時期における現像ロール24aを回転させる時間を少なくする方向で設定することが好ましい。
【0106】
このような現像装置24(Y,M,C)における各現像ロール24aの立ち上げ時期及び立ち下げ時期に先立って予備の立ち上げを行ったり、立ち下げを予備の回転速度までにすることに止めることにより、その各時期において各現像ロール24aの一定の速度で回転する各感光体21を通過する所要時間が各現像ロール24aの定常速度で回転している時期に比べて長くなる時間帯が少なくなるので、各現像ロール24aに保持されているY,M,C色の現像剤(トナー成分)が各感光体21と対向している時間も増えることが少なくなり、帯状のカブリが発生しなくなる。
【0107】
この特別制御の場合、カラー画像の次に白黒画像のプリント動作が存在するときは、そのカラー画像のプリント動作が終了して次の白黒画像のプリント動作が開始されても、現像装置24(Y,M,C)における各現像ロール24aの回転を予備の回転速度Ds-1に保持しておいてもよい。これは、その白黒画像の次に再びカラー画像のプリント動作が実行される場合に、そのカラー画像のプリント動作が開始される前に予備の立ち上げ動作を再度開始する制御が不要となり、有利である。ただし、白黒画像のプリント動作が長い場合は、その現像ロール24aの予備の回転速度Ds-1による回転は、現像剤の劣化を助長するため、途中で完全に停止させるように制御することが好ましい。
【0108】
この他、前記した各特別制御は、複数のものを組み合わせて実行するように構成しても差し支えない。例えば、その特別制御のときに印加する現像バイアスについて、その交流成分におけるピーク間電圧Vpp、デューティ比D及び周波数fを複数組み合わせた構成の交流成分からなる現像バイアスを適用してもよい。
【0109】
また、前記実施の形態では、Y,M,C色の現像装置24における各現像ロール24aが1つの回転駆動装置27Aによる動力で回転させるように構成していた場合を例示していたが、そのY,M,C色の現像装置24における各現像ロール24aを個別の回転駆動装置の動力で回転させるように構成した場合でも前記特別制御を行うように構成することが可能である。
【0110】
さらに、前記した実施の形態では、作像装置2として中間転写方式を採用した画像形成装置1を例示したが、画像形成装置1は、作像装置2の各作像ユニット20で感光体21上に形成するトナー像を用紙搬送ベルト等で搬送する記録用紙9に直接転写する方式のものであっても構わない。
【符号の説明】
【0111】
1 …画像形成装置
6 …制御装置(制御手段の一部)
7 …二成分現像剤(現像剤)
9 …記録用紙(記録媒体)
21…感光体
22…現像装置
23…露光装置(潜像形成装置)
24…現像装置
24a…現像ロール
25…転写装置
30…中間転写ベルト(中間転写体)
61…Y,M,C用制御部(制御手段の一部)
t1…始動タイミング(回転立ち上げの開始時点)
t2…定常タイミング(設定速度に達する時点)
t3…停止タイミング(回転立ち下げの開始時点)
t4…停止完了タイミング(回転が停止する時点)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転する複数の感光体と、
前記各感光体を所要の電位に帯電する複数の帯電装置と、
前記各帯電装置で帯電された前記各感光体に画像情報に応じた露光を行って静電潜像を形成する潜像形成装置と、
前記各感光体に形成された静電潜像を、回転するとともに直流成分に交流成分を重畳させた現像用電圧が印加される現像ロールにより供給する所要の色の現像剤で現像して互いに異なる色の現像剤像にする複数の現像装置と、
前記各感光体に形成された現像剤像を記録媒体又は中間転写体に転写する複数の転写装置と、
連続する画像形成動作の実行中において前記複数の現像装置のうちの一部の現像装置における現像ロールの回転を始動及び停止させるときに、当該現像ロールの回転立ち上げの開始時点から設定速度に達する時点までの時期及びその回転立ち下げの開始時点から回転が停止する時点までの時期に、当該現像ロールに印加する現像用電圧の交流成分を前記各時期以外の時期に印加する現像用電圧の交流成分よりも高い値に変更する制御手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御装置は、当該現像ロールに印加する現像用電圧の交流成分におけるピーク間電圧、デューティ比及び周波数の少なくとも一つを高い値に変更する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
回転する複数の感光体と、
前記各感光体を所要の電位に帯電する複数の帯電装置と、
前記各帯電装置で帯電された前記各感光体に画像情報に応じた露光を行って静電潜像を形成する潜像形成装置と、
前記各感光体に形成された静電潜像を、回転するとともに直流成分に交流成分を重畳させた現像用電圧が印加される現像ロールにより供給する所要の色の現像剤で現像して互いに異なる色の現像剤像にする複数の現像装置と、
前記各感光体に形成された現像剤像を記録媒体又は中間転写体に転写する複数の転写装置と、
連続する画像形成動作の実行中において前記複数の現像装置のうちの一部の現像装置における現像ロールの回転を始動及び停止させるときに、当該現像ロールの回転立ち上げの開始時点から設定速度に達する時点までの時期及びその回転立ち下げの開始時点から回転が停止する時点までの時期に、当該現像ロールに印加する現像用電圧の直流成分の電位と当該現像ロールと対向する前記感光体部分の帯電電位との電位差を前記各時期以外の時期における当該電位差よりも大きい値に変更する制御手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
前記制御装置は、当該現像ロールに印加する現像用電圧の直流成分の電位、及び当該現像ロールの前記各時期に対向する感光体部分を帯電させる前記帯電装置による帯電電位の少なくとも一方を、前記電位差が大きくなる側の値に変更する請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
回転する複数の感光体と、
前記各感光体を所要の電位に帯電する複数の帯電装置と、
前記各帯電装置で帯電された前記各感光体に画像情報に応じた露光を行って静電潜像を形成する潜像形成装置と、
前記各感光体に形成された静電潜像を、回転するとともに直流成分に交流成分を重畳させた現像用電圧が印加される現像ロールにより供給する所要の色の現像剤で現像して互いに異なる色の現像剤像にする複数の現像装置と、
前記各感光体に形成された現像剤像を記録媒体又は中間転写体に転写する複数の転写装置と、
連続する画像形成動作の実行中において前記複数の現像装置のうちの一部の現像装置における現像ロールの回転を始動及び停止させるときに、当該現像ロールの正規の回転立ち上げ開始時点よりも前の時点から正規の設定速度よりも遅い回転速度に達することを目標にした予備の回転立ち上げを開始した後に、当該現像ロールが正規の設定速度に達する時点よりも前の時点で正規の設定速度に達することを目標にした回転立ち上げを開始する一方で、当該現像ロールの正規の回転立ち下げの開始時点から前記遅い回転速度に達することを目標にした回転立ち下げを実行する制御手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
前記複数の現像装置のうちの複数の現像装置群における現像ロールが1つの回転駆動装置により駆動され、その残りの現像装置における現像ロールが他の回転駆動装置により駆動されている請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−204484(P2010−204484A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−51153(P2009−51153)
【出願日】平成21年3月4日(2009.3.4)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】