説明

画像形成装置

【課題】通常使用者の使用方法は従来通りであり、且つ車椅子使用者に対して、画像読取部の使用を容易にした画像形成装置を提供する。
【解決手段】原稿の画像を読み取る画像読取部(2)と、画像読取部の下方に空間を隔てて配設された画像形成部(5)と、空間に設けられた胴内排紙部(DH)とを備えた画像形成装置において、画像読取部は、原稿を載置する上面コンタクトガラス(11)と、胴内排紙部側に下面コンタクトガラス(12)を有し、下面コンタクトガラスに原稿を密着させる原稿用紙台(8)が胴内排紙部の空間(DH)に配置した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタなどの画像形成装置に関し、特に、車椅子使用者が操作し易い画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
オフィス用などで用いられる画像形成装置は、一般に原稿画像を読み取る画像読取部と、読み取られた前記原稿画像に基づいた画像を印刷する画像形成部と、前記印刷の用紙をストックする用紙カセットと、画像読み取りや印刷を指示するための操作パネルとを備えて構成されている。
そして、ユーザが画像形成装置を操作する操作パネル(操作部)は、通常の場合、装置本体の上面の所定位置に配置されている。そのため、ユーザが例えば身体障害者などの車椅子を利用する場合、視点が健常者に比べて低い位置となるので、操作パネルの各種操作キーや表示部を確認することが難しいという問題点がある。
【0003】
かかる問題点を解決するために従来、車椅子使用者が画像形成装置を使用する際には操作パネルの位置を変え、車椅子使用者が操作し易いように、例えば特許文献1〜特許文献3のような提案がされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記の従来技術にあっては、車椅子使用者にとって操作パネルは操作し易くても、原稿用紙を画像読取部にセットするのが難しく、車椅子使用者は、画像形成装置全体として使い難かった。
本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、健常者(通常使用者)の使用方法は従来通りであり、且つ車椅子使用者に対して、画像読取部の使用を容易にできる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、原稿の画像を読み取る画像読取部(図1のスキャナ2)と、該画像読取部の下方に空間を隔てて配設された画像形成部(プリンタ5)と、前記空間に設けられた胴内排紙部(胴内排紙部DH)とを備えた画像形成装置(画像形成装置GK)において、
前記画像読取部は、原稿を載置する上面コンタクトガラス(図4の第1のスキャナコンタクトガラス11)と、前記胴内排紙部側に下面コンタクトガラス(第2のスキャナコンタクトガラス12)を有し、
前記下面コンタクトガラスに原稿を密着させる原稿用紙台(8)が前記胴内排紙部の空間(胴内排紙部DH)に配置されたことを特徴とする画像形成装置である(図4参照)。
【0006】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、前記原稿用紙台は、前記下面コンタクトガラスに原稿を密着させる状態と、該原稿用紙台に原稿を載置するために前記下面コンタクトガラスに対して密着状態を解除した状態を設定するための昇降機構(図4の昇降機構7)を有することを特徴とする。
【0007】
また、請求項3記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、前記原稿用紙台は、一端部を中心に回動すると共に、下面コンタクトガラス側に付勢させる構造を有することを特徴とする(図6参照)。
【0008】
また、請求項4記載の発明は、請求項1〜3記載の画像形成装置において、前記原稿用紙台は、使用者に原稿の基準位置を知らせるための凹部あるいは凸部を備えたことを特徴とする(図5の用紙位置合わせ凸35)。
【0009】
また、請求項5記載の発明は、請求項1記載〜4の画像形成装置において、前記画像読取部は、上面と下面の2つの原稿を同時に読み取ることを特徴とする(図4において、上面と下面の2つの原稿を同時に読み取るように構成する)。
【0010】
また、請求項6記載の発明は、請求項1〜4記載の画像形成装置において、前記画像読取部は、一つの光源と上面用と下面用の2つの読み取り光学系(図4のスキャナ用光源ユニット16、第1,第2のレンズ17,18、第1,第2のスキャナセンサ19,20など)からなることを特徴とする。
【0011】
また、請求項7記載の発明は、請求項1〜6記載の画像形成装置において、前記上面コンタクトガラスおよび前記下面コンタクトガラスに原稿があるか否かを検出するために上面用と下面用の検出手段(図示省略)と、
前記検出手段により上面と下面の読取方向を自動的に選択する読取選択手段(図示省略)をさらに有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の発明によれば、画像形成装置の装置中央に配置された胴内排紙部に画像読み取り機能を搭載したことにより、車椅子使用者が車椅子に座ったまま、画像形成装置に原稿をセットが可能となる。また、装置上側からでも、装置中央に配置された胴内排紙部からでも画像読み取りをするのを切り替えできることにより、通常使用者(健常者)は今まで通りの使用方法と変わらない。
【0013】
また、請求項2記載の発明によれば、昇降機構を設けることにより、下面コンタクトガラスに原稿を密着させる状態と、原稿用紙台に原稿を載置するために下面コンタクトガラスに対して密着状態を解除した状態を設定することができる。
また、請求項3記載の発明によれば、昇降機構とは異なる別の構造(一例としてバネの使用)により、原稿用紙台を下面コンタクトガラスに密着させることができる。
【0014】
また、請求項4記載の発明によれば、ユーザに原稿の基準位置を知らせるための凹部あるいは凸部を設けたので、ユーザは視認性が良好でない胴内排紙部内でも、原稿用紙を正確に位置合わせしてセットできる。
また、請求項5記載の発明によれば、上面と下面の2つの原稿を同時に読み取ることができるので、コピー速度を従来(上面だけの読取)に比較し、ほぼ2倍にすることができる。
【0015】
また、請求項6記載の発明によれば、画像読取部は、一つの光源と上面用と下面用の2つの読み取り光学系からなるので、光源を一つで構成することができ、画像形成装置のコストダウンを図ることができる。
また、請求項7記載の発明によれば、原稿検出手段と読取選択手段とを設けたので、ユーザは原稿が上面または下面の何れかの選択を指示することなく、自動的に読取方向(読取位置が上側または下下側)を選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態の画像形成装置を示す外観図であって、(A)は斜視図、(B)は正面図である。
【図2】同画像形成装置の要部構成・動作概要を示す正面図であって、(A)は原稿用紙台・昇降機構などを示す図、(B)は原稿用紙台に原稿用紙を載置した図、(C)は原稿用紙台が上昇した図である。
【図3】従来の画像形成装置を使用する場合および本実施形態を比較して使用する場合の側面図であって、(A)は一般的な従来例を使用する際の不都合を説明する図、(B)は別の従来例であって、操作パネルを使用し易くしたが、原稿用紙を画像読取部(スキャナ)にセットするのが難しいことを説明する図、(C)は本実施形態の使用例を示す図である。
【図4】同実施形態の要部を示す側面図である。
【図5】同実施形態の要部を示す斜視図である。
【図6】同実施形態の変形例を示す側面図である。
【図7】同実施形態のシステム構成を示すブロック図である。
【図8】同実施形態の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を図示の実施形態に基づいて説明する。
本実施形態の概要は、次の通りである。即ち、画像形成装置の装置中央に配置された胴内排紙部にスキャナを搭載したことにより、車椅子使用者が車椅子に座ったまま、画像形成装置に原稿をセットすることを可能とした(後述する図3(C)参照)。
なお、装置上側のスキャナも使用できるので、健常者(通常使用者)にとっては従来の使用方法と同じである。
【0018】
図1(A),(B)に示すように、本実施形態の画像形成装置GKは、図中上方に位置する原稿(不図示)をスキャナ部に送るADF1、コピーする原稿を読み取るスキャナ2およびコピーした画像を出力するプリンタ5(本体内蔵のため外観図では視認できない)、用紙トレイ6、操作パネル3、排紙トレイ4などから構成されている。DHは、次に説明する胴内排紙部である。
【0019】
図2(A)〜(C)に示すように、画像形成装置GKの装置中央に配置された胴内排紙部DHに、原稿用紙台8が配置されている(図2(A)参照)。原稿用紙台8の上に原稿用紙10の下側(読み取りをしない面)が配置され(図2(B)参照)、原稿用紙台8を昇降機構7により上方向に移動される(図2(C)参照)。
胴内排紙部DHの上側(スキャナ2の下側)には、第2のスキャナコンタクトガラス12が設置され(図4参照)、原稿用紙台上に載置された原稿用紙10の画像読み取り(スキャナ)が可能となる。
【0020】
次に、図3(A)〜(C)を参照しつつ、車椅子使用者が従来例と本実施形態とを使用した場合に、どのように相違するかを説明する。
図3(A)に示すように、車椅子使用者が従来例の画像形成装置を使用する場合、ADF1はもちろん、スキャナ2や操作パネル3に手が届かないことが多い(×印で示す)。
【0021】
また、別の従来例では、図3(B)に示すように、近年、操作パネル3にチルト機構等を取り付け、車椅子使用者が操作パネル3に表示される情報の読取や操作ができるようになってきている。しかし、ADF1やスキャナ2は操作することができず、原稿用紙をセットすることができないので、原稿用紙の複写(コピー)は、車椅子使用者にとって困難である。
しかし、本実施形態では、図3(C)に示すように、車椅子使用者でも手が届く胴内排紙部DHに原稿用紙をセットすることで(○印で示す)、画像読み取り(スキャナ)が可能となる。
【0022】
次に、本実施形態の要部を、図4および図5を参照しつつ説明する。
図4、図5に示すように、画像形成装置の最上部から順にADF1、スキャナ2、胴内排紙部DHが配置されている。
胴内排紙部DHには、次に説明する原稿用紙台8と昇降機構7などが配置されている。
【0023】
原稿用紙台8の右端部は2個の台固定用ナット23が嵌入され、該台固定用ナット23の内面には、可動用ネジ軸22が螺入される雌ネジが螺設されている。2本の可動用ネジ軸22の上端側は胴内排紙部DHの壁面天井部に回動自在に取り付けられ、2本の可動用ネジ軸22の下端側は、2台配置された昇降機構用モータ24のそれぞれに取り付けられている。2台の昇降機構用モータ24の回転は、モータ制御部25により、原稿用紙台8が上昇または下降するように制御される。
また、胴内排紙部DHで原稿用紙をセットする際、ユーザにとって視認性が良くないのでセットがし難い。そこで、原稿用紙台8の左手前側隅にはL字状の、原稿用紙の角部の位置決めを行う用紙位置合わせ凸35が配置され、ユーザのセット動作を容易にされている。
【0024】
スキャナ2の上部側には上側・原稿用紙9を載置する第1のスキャナコンタクトガラス11が配置され、下部側には次に説明する第2のスキャナコンタクトガラス12が配置されている。
スキャナ2の内部には、左右の副走査方向に移動可能なスキャナ用光源ユニット16が配置され、右方側面側には上下に第1のレンズ17と第1のスキャナセンサ19の組合せと、第2のレンズ18と第2のスキャナセンサ20の組合せが配置されている。
スキャナ用光源ユニット16の内部には、スキャナ用光源15と、上側・原稿用紙9の読取面から光を反射する第1のスキャナ用ミラー13と、下側・原稿用紙10の読取面から光を反射する第2のスキャナ用ミラー14が配置されている。
【0025】
第1のスキャナ用ミラー13で反射された光が第1のスキャナ光源線L1として、第1のレンズ17を介して第1のスキャナセンサ19で読み取られる。
同様に、第2のスキャナ用ミラー14で反射された光が第2のスキャナ光源線L2として、第2のレンズ18を介して第2のスキャナセンサ20で読み取られる。
21は、第1,第2のスキャナセンサ19,20からの読取光を制御するスキャナ制御部である。
【0026】
次に、本実施形態の動作を説明する。
通常のスキャナ動作(健常者の場合のスキャナ動作)を実施する時のスキャナ内部は、ADF1(スキャナ反射板を含む)と第1のスキャナコンタクトガラス11との間に上側・原稿用紙9が配置され、スキャナ用光源ユニット16は、第1の副走査方向L1に移動していく。スキャナ用光源15から出た光は、第1のスキャナコンタクトガラス11を通過し、上側・原稿用紙9もしくはADF1(スキャナ反射板を含む)に反射され、第1のスキャナ用ミラー13を経由し、第1の副走査方向L1と同じ方向に進んでいく。すると、第1のレンズ17を介して第1のスキャナセンサ19で光から電気信号となり、データ化され、スキャナ制御部21へとデータが送られる。
【0027】
また、原稿用紙台8に載置された場合のスキャナ動作(身体障害者の場合の動作)は、上記同様に、スキャナ用光源15から出た光は、第2のスキャナコンタクトガラス12を通過し、下側・原稿用紙10もしくは原稿用紙台8(スキャナ反射板を含む)で反射され、第2のスキャナ用ミラー14を経由して、第2の副走査方向L2と同じ方向に進んでいく。そして、第2の副走査方向L2は第2のレンズ18を通過し、第2のスキャナセンサ20で光から電気信号となり、データ化され、スキャナ制御部21へとデータが送られる。
【0028】
但し、原稿用紙台上の原稿用紙を読み取る際に、第2のスキャナコンタクトガラス12に下側・原稿用紙10を密着させる必要がある。そのために、昇降機構7が動作し、原稿用紙台8は第2のスキャナコンタクトガラス12に密着するまで上昇する。これにより、ユーザが原稿用紙台8に下側・原稿用紙10をセットする時は、昇降機構7により原稿用紙台8が下側にある状態となる(図2(B)の状態)。スキャナする時は、昇降機構7により原稿用紙台8が更に上側にある状態となる(図4の原稿用紙台を点線で示す状態)。
また、この際、原稿用紙台8が第2のスキャナコンタクトガラス12に密着することで、スキャナする際のスキャナ用光源15から発光される光をユーザに見せないようにすることが可能である。
【0029】
次に、本実施形態の変形例を、図6を参照しつつ説明する。なお、図6ではスキャナ内部のスキャナ用光源15などの図示を、省略している。
本変形例は昇降機構7(図4参照)ではなく、トーションバネ(ダブルトーションバネ)を用いて原稿用紙台8を第2のスキャナコンタクトガラス12に密着・付勢させる場合である。
図6に示すように、胴内排紙部DHの右上角部には紙面垂直方向にシャフト35が固定され、該シャフト35にはトーションバネ34が遊嵌されている。トーションバネ35の一端は装置本体に固定され、他端は原稿用紙台8に固定されている。
原稿用紙台8の左端部には逆L字状のロック機構・開閉センサ33が設けられ、その先端部が第2のスキャナコンタクトガラス12の左端部に掛止されるようになっている。
【0030】
非動作時には、トーションバネ34の開方向作用により、原稿用紙台8は時計方向に押し上げられ、第2のスキャナコンタクトガラス12に密着されている。この密着時にはロック機構・開閉センサ33の、第2のスキャナコンタクトガラス12の左端部への掛止により、原稿用紙台8の自重で急に落下しないようになっている。
そして、ユーザが下側・原稿用紙10を原稿用紙台8にセットする場合には、ロック機構・開閉センサ33の掛止状態を解除し、原稿用紙台8を反時計方向に回動させる。すると、原稿用紙台8が開くので(図6に点線で示す)、ユーザは下側・原稿用紙10のコピー面を上にして、用紙位置合わせ凸35に合わせてセットする。セット後、原稿用紙台8を時計方向に回動させて、ロック機構・開閉センサ33を第2のスキャナコンタクトガラス12に掛止し、しっかりと下側・原稿用紙10を第2のスキャナコンタクトガラス12に密着させる。以上の動作により、下側・原稿用紙10のコピーが可能状態になる(図3(C)参照)。
【0031】
次に、本実施形態の制御系の構成を、図7を参照しつつ説明する。
図7に示すように、制御系の構成は大きく、操作パネル3、スキャナ2、昇降機構7、画像形成装置本体制御部26および記憶部27に分けられる。
操作パネル3は、ユーザに情報を通知するLCDやLEDからなる表示部28と、タッチパネル入力やハードキー等、ユーザからの入力が可能な入力部29と、それらを制御し、画像形成装置本体制御部26と通信を行う操作パネル制御部30により構成される。
【0032】
スキャナ2は、上側(ADF側)の原稿用紙の印刷面情報をデータ化するスキャナセンサ19と、原稿用紙の用紙サイズを検知する用紙サイズ検知センサ31と、下側(胴内排紙側)の原稿用紙の印刷面情報をデータ化するスキャナセンサ20と、原稿用紙の用紙サイズを検知する用紙サイズ検知センサ32と、それらの原稿用紙に光をあてる光源ユニット16と、スキャナ内を制御するためのスキャナ制御部21とで構成される。
昇降機構7は、原稿用紙台8を上下させるための昇降機構用モータ24とモータ制御部25とで構成される。
【0033】
次に、本実施形態の動作を、図8を参照しつつ、説明する。
図8に示すように、ユーザは、操作パネル3の入力部29から上側(ADF側)スキャナもしくは下側(胴内排紙側)スキャナの使用する選択指示を出す(ステップS1)。
立って操作する通常ユーザの場合(上側(ADF側)スキャナの使用が多い)は、入力部29から上側(ADF側)スキャナを使用するというデータが操作パネル制御部30を介して画像形成装置本体制御部26に通知され、その情報がスキャナ制御部21へと送られる。その際、操作パネル制御部30は、表示部28で上側(ADF側)スキャナを使用するということを表示し、ユーザに知らせる(ステップS2)。
【0034】
そして、用紙サイズ検知センサ31で原稿用紙の有無を確認し、原稿用紙が有ると認識したら(ステップS3)、スキャナ制御部21から画像形成装置本体制御部26にその情報を通知し、画像形成装置本体制御部26は操作パネル制御部30に情報を送付する。操作パネル制御部30は用紙を認識したことと、用紙サイズを表示部28からユーザに知らせる(ステップS4、ステップS5)。
【0035】
その後、ユーザからスキャナを実施する指示が入力部29からあったら(ステップS6)、操作パネル制御部30→本体制御部26→スキャナ制御部21にその情報がまわり、スキャナ制御部21は、スキャナ光源ユニット16を動作させ、スキャナセンサ19からデータを読み取り、その情報を画像形成装置本体制御部26へ送り、記憶部27へデータを格納する(ステップS7)。
【0036】
また、車椅子使用者の場合は(下側(胴内排紙側)スキャナの使用が多い)、図3(B)、(C)のように、操作パネル3をチルトさせるとよい。
前記「立って操作する通常ユーザの場合」と同様、入力部29から下側(胴内排紙側)スキャナを使用するというデータが操作パネル制御部30から画像形成装置本体制御部26に通知され、その情報をスキャナ制御部21へと送る。
その際、操作パネル制御部30は、表示部28で下側(胴内排紙側)スキャナを使用するということを表示しユーザに知らせる(ステップS8)。
【0037】
そして、用紙サイズ検知センサ32で原稿用紙の有無を確認し原稿用紙が有ると認識したら(ステップS9)、スキャナ制御部21は原稿用紙有の通知を画像形成装置本体制御部26に通知し、画像形成装置本体制御部26は、モータ制御部25へ昇降機構を上に動作させるように指示をだす。昇降機構用モータ24を動かし、原稿用紙をスキャナコンタクトガラス12に密着させる。
そして、再度、用紙サイズ検知センサ32で原稿用紙サイズを認識させ、スキャナ制御部21から画像形成装置本体制御部26にその情報を通知し、画像形成装置本体制御部26は操作パネル制御部30に情報送付する。操作パネル制御部30は用紙を認識したことと、用紙サイズを表示部28からユーザに知らせる(ステップS10)。
【0038】
その後、ユーザからスキャナを実施する指示が入力部29からあったら(ステップS11)、操作パネル制御部30→本体制御部26→スキャナ制御部21にその情報がまわり、スキャナ制御部21は、スキャナ光源ユニット16を動作させ、スキャナセンサ19からデータを読み取り、その情報を画像形成装置本体制御部26へ送り、記憶部27へデータを格納する(ステップS12)。
【0039】
なお、本実施形態では、上側・原稿用紙または下側・原稿用紙の何れかを単独で読み取る場合を説明したが、上側・原稿用紙と下側・原稿用紙とを同時に読み取ることが可能なようにすることも可能である。
また、上面コンタクトガラス(第1のスキャナコンタクトガラス9)および下面コンタクトガラス(第2のスキャナコンタクトガラス12)に原稿があるか否かを検出するために上面用と下面用の原稿検出手段を設け、更に、原稿検出手段により上面と下面の読取方向を自動的に選択する読取選択手段を設けておくことも可能である。
【符号の説明】
【0040】
GK…画像形成装置
DH…胴内排紙部
1…ADF
2…スキャナ
3…操作パネル
7…昇降機構
8…原稿用紙台
9…上側・原稿用紙
10…下側・原稿用紙
11…第1のスキャナコンタクトガラス
12…第2のスキャナコンタクトガラス
【先行技術文献】
【特許文献】
【0041】
【特許文献1】特開2007−127846号公報
【特許文献2】特開2005−084086号公報
【特許文献3】特開2007−098752号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿の画像を読み取る画像読取部と、該画像読取部の下方に空間を隔てて配設された画像形成部と、前記空間に設けられた胴内排紙部とを備えた画像形成装置において、
前記画像読取部は、原稿を載置する上面コンタクトガラスと、前記胴内排紙部側に下面コンタクトガラスを有し、
前記下面コンタクトガラスに原稿を密着させる原稿用紙台が前記胴内排紙部の空間に配置されたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記原稿用紙台は、前記下面コンタクトガラスに原稿を密着させる状態と、該原稿用紙台に原稿を載置するために前記下面コンタクトガラスに対して密着状態を解除した状態を設定するための昇降機構を有することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記原稿用紙台は、一端部を中心に回動すると共に、下面コンタクトガラス側に付勢させる構造を有することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記原稿用紙台は、使用者に原稿の基準位置を知らせるための凹部あるいは凸部を備えたことを特徴とする請求項1〜3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記画像読取部は、上面と下面の2つの原稿を同時に読み取ることを特徴とする請求項1〜4記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記画像読取部は、一つの光源と上面用と下面用の2つの読み取り光学系からなることを特徴とする請求項1〜4記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記上面コンタクトガラスおよび前記下面コンタクトガラスに原稿があるか否かを検出するために上面用と下面用の検出手段と、
前記検出手段により上面と下面の読取方向を自動的に選択する読取選択手段をさらに有することを特徴とする請求項1〜6記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−210736(P2010−210736A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−54566(P2009−54566)
【出願日】平成21年3月9日(2009.3.9)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】