説明

画像形成装置

【課題】電子写真印刷方式の画像形成装置において、除電部周りの作像のための各種ユニットを除電ランプやその取り付けブラケットに近接させることが可能な構成を提供する。
【解決手段】少なくとも像担持体である感光体21とクリーニング部であるクリーニングモジュール50と除電部である除電ランプ26を一体で画像形成装置本体200から引き出せる機構としてPCUフレーム100を有する。そして除電ランプ26は、感光体21やクリーニングモジュール50の交換時に引き出したPCUフレーム100に残ることを可能とし、感光体21、クリーニングモジュール50、除電ランプ26をそれぞれ独立して交換可能とする。またPCUフレーム100は現像器4も一体で引き出し、かつ除電ランプ26への給電は現像器4のドロアコネクタに接続することでなされるように配線する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はファクシミリ、プリンター、複写機、これらの複合機として適用される電子写真印刷方式の画像形成装置に関し、特に感光体、クリーニングユニットに近接した光除電装置を有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真印刷方式の画像形成装置は、像担持体である感光体の周囲に帯電、露光、現像、転写、除電、クリーニング等の各手段を配して構成する。そして感光体表面をコロナ放電等により一様に帯電させ、印刷すべき文字等に対応した露光を行うことにより静電潜像を形成し、トナーで現像する。その後、トナー像上に中間転写ベルトの当接とバイアス印加により感光体上のトナーを中間転写ベルト上に転写する。さらに、中間転写ベルト上のトナーを用紙上に転写し、トナーを転写した用紙を加熱あるいは加熱加圧することによりトナー像を定着させて印刷を完了する。転写が済んだ感光体表面は、清掃、除電し、さらに同様の工程を繰り返す。
【0003】
上記構成のような画像形成装置に関し、特許文献1では除電ランプ(イレーズランプ)を感光体やクリーニングユニットに近接した位置に配置する構成を開示している。除電ランプは画像形成装置本体と一体のブラケットに固定してある。すなわち除電ランプは通常メンテナンスがほぼ本体寿命まで不要である。このため特許文献1に開示されている様に、画像形成装置本体に一体で設置し、挿抜しない構成とすることが一般的である。
【0004】
これに対して、除電ランプに近接している感光体、中間転写ベルト、クリーニングユニットは定期的なメンテナンスが必要とするため、画像形成装置本体から容易に着脱可能な構成にする必要がある。しかしながら除電ランプが近接して配置してあるため、挿抜の際に除電ランプやそれを固定している板金ブラケット等に接触してユニットを破損してしまうという懸念が生じる。そこでそのような破損を生じさせないことを考慮した設計を留意するだけでなく、容易にユニットが交換できるような設計とする配慮も必要である。特に近年は、省スペース化を図ることにより、各部品が画像形成装置本体内で非常に近接したレイアウトとなる設計が行われており、その一方で交換性については一般ユーザーが特に気をつけることなく交換可能な構成とするよう求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は上記の問題点にかんがみ、電子写真印刷方式の画像形成装置において、除電部周りの作像のための各種ユニットを除電ランプやその取り付けブラケットに近接させることが可能な構成を提供すること、一般ユーザーでも作像関連のユニットを容易に交換可能とする構成を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像形成装置のうち請求項1に係るものは、像担持体と、該像担持体表面にトナー像を形成する現像器と、前記像担持体に形成された前記トナー像を用紙等の転写材に転写する転写部と、光照射により前記像担持体表面の静電潜像を除電する除電部と、前記トナー像の転写後に前記像担持体表面に残留する残留トナーをクリーニングするクリーニング部を画像形成装置本体に有する画像形成装置において、少なくとも前記像担持体と前記クリーニング部と前記除電部を一体で前記画像形成装置本体から引き出し可能とする引き出し機構を有することを特徴とする。
【0007】
請求項2に係るものは、請求項1の画像形成装置において、前記除電部が前記像担持体や前記クリーニング部の交換時に前記引き出し機構に残るようにしてなることを特徴とする。
【0008】
請求項3に係るものは、請求項1または2の画像形成装置において、前記除電部への給電を前記現像器に設けたドロアコネクタにより行う配線を備えるとともに、前記引き出し機構を前記現像器と一体で前記画像形成装置本体から引き出し可能としてなり、前記引き出し機構とともに前記現像器を前記画像形成装置本体へ挿入することにより前記ドロアコネクタの接続で前記除電部へ給電可能とすることを特徴とする。
【0009】
請求項4に係るものは、請求項1から3のいずれかの画像形成装置において、前記除電部が前記像担持体や前記クリーニング部に近接配置してあることを特徴とする。
【0010】
請求項5に係るものは、請求項1から4のいずれかの画像形成装置において、前記引き出し機構が、前記像担持体や前記クリーニング部の交換方向に前記除電部が位置しないように該除電部を配置してなることを特徴とする。
【0011】
請求項6に係るものは、請求項1から5のいずれかの画像形成装置であって、電子写真印刷方式のファクシミリ、プリンター、複写機またはこれらの複合機であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の画像形成装置は、定期交換ユニットである像担持体やクリーニング部に近接して除電部(ランプ等)を配置することができ、かつ像担持体及びクリーニング部等の交換時に、除電部との干渉や破損が生じること防止可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施対象となる画像形成装置の一例の概略構成図
【図2】図1の装置のPCUフレームの構成を示す断面図
【図3】PCUフレームを画像形成装置本体から引き出した状態を示す図
【図4】PCUフレームを画像形成装置本体から引き出して交換作業位置までスライド移動させた状態を示す図
【図5】ドラムクリーニング部を取り出してPCUフレームに除電ランプが残った状態を示す図
【図6】クリーニングモジュール、感光体を取り出した状態のPCUフレームを示す斜視図
【図7】セット位置にセットされた状態のPCUフレームを感光体軸方向に沿って切断したときの断面図
【図8】除電ランプへの画像形成装置本体からの電気供給経路について示す図
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に係る画像形成装置は、少なくとも像担持体とクリーニング部と除電部が一体で画像形成装置本体から引き出せる機構を有する構成とした。そして除電部は、像担持体やクリーニング部の交換時に引き出し機構に残り、それぞれが独立して交換可能とした。また引き出し機構は現像器も一体で引き出し、かつ除電部の電気供給は現像器のドロアコネクタに接続することでなされるように配線を行った。
【0015】
すなわち、定期交換ユニットである感光体(像担持体)やクリーニングユニット(クリーニング部)に近接して除電ランプ(除電部)を配置することができるようにして、感光体及びクリーニングユニットの交換時の除電ランプへの干渉や破損を防止している。また、除電部が感光体やクリーニングユニットの交換時に引き出し機構に残ることで、寿命が長くて高価な除電ランプを交換せずに作像関係のユニットの交換を可能とした。
【0016】
またフレーム引き出し機構は現像器も一体で引き出し、除電ランプへの給電は現像器のドロアコネクタに接続することでなされるようにハーネスの這いまわしを行って、除電ランプのために新たに給電接続部品を設ける必要をなくした。
【実施例】
【0017】
以下本発明の実施例を図面を参照して説明する。
まず、本実施例に係る画像形成装置の構成及び動作について説明する。図1は、本発明の実施対象となる画像形成装置の一例の概略構成図である。この画像形成装置は、詳細な図示は省略するが、4つのプロセスカートリッジユニット(PCU)フレーム100Y、100M、1001C、100Kが並列に配置された画像形成部1を有している。
【0018】
各PCUフレーム100は、潜像担持体であるドラム状の感光体21Y、21M、21C、21Kを備えた潜像担持体モジュールである感光体モジュール20Y、20M、20C、20Kと、帯電装置を備えた帯電モジュール30Y、30M、30C、30Kと、2成分現像方式の現像器40Y、40M、40C、40Kと、ドラムクリーニング装置を備えたクリーニングモジュール50Y、50M、50C、50Kとを共通のユニット枠体で支持したものである。これらのPCUフレーム100は、それぞれ個別に、画像形成装置本体に対して脱着可能な構成になっている。
【0019】
画像形成部1の上方には、潜像形成手段としての露光ユニット9が設けられている。また、装置上部には、コンタクトガラス上に載置された原稿を走査して読み取る読取装置10が設けられている。画像形成部1の下方には、被転写体である中間転写体としての中間転写ベルト15を備えた転写ユニット2が設けられている。中間転写ベルト15は、複数の支持ローラに掛け渡されており、図中時計回り方向に無端移動する。転写ユニット2の下方には二次転写装置4が設けられている。二次転写装置4は、二次転写ローラ17を備えており、二次転写ローラ17は、中間転写ベルト15における転写対向ローラ16に対する掛け回し箇所にベルトおもて面から当接して二次転写ニップを形成している。二次転写ローラ17には図示しない電源によって二次転写バイアスが印加されている。また、転写対向ローラ16は、電気的に接地されている。これにより、二次転写ニップ内に二次転写電界が形成される。二次転写装置4の図中左方には、用紙上に転写されたトナー像を定着するために、内部に発熱体を備えた加熱ローラを有する定着ユニット7が設けられている。また、二次転写装置4と定着ユニット7との間には、トナー像転写後の用紙を定着ユニット7へと搬送する搬送ベルト6が設けられている。また、装置下方には、図示しない給紙収容部から1枚ずつ分離して給送された用紙を二次転写装置4へ給紙する給紙ユニット3が設けられている。また、定着ユニット7を通過した用紙を機外または両面ユニット5へ搬送する排紙ユニット8が設けられている。
【0020】
この画像形成装置でコピーをとるときは、読取装置10により原稿を読み取る。この原稿読み取りに並行して、中間転写ベルト15が図中時計回り方向に移動する。これと同時に、画像形成部1では、各帯電モジュール30Y、30M、30C、30Kの帯電装置によって表面が一様に所定の帯電電位に帯電せしめられた各感光体21Y、21M、21C、21K上に、読み取った原稿内容に基づきイエロー、マゼンタ、シアン、黒の色別情報を用いて露光ユニット9によりそれぞれ露光して潜像を形成する。次いで、各感光体21Y、21M、21C、21K上の潜像を現像器40Y、40M、40C、40Kにより現像し、単色のトナー像を形成する。そして、各感光体21Y、21M、21C、21K上のトナー像を中間転写ベルト15上に互いに重なり合うように順次転写して、中間転写ベルト15上に合成トナー像を形成する。
【0021】
トナー像転写後の各感光体21Y、21M、21C、21Kは、クリーニングモジュール50Y、50M、50C、50Kのドラムクリーニング装置で、感光体21Y、21M、21C、21K上に残留する残留トナーを除去し、再度の画像形成に備える。
【0022】
このようなトナー像形成に並行して、図示しない給紙収容部から1枚ずつ用紙を繰り出し、レジストローラ対14に突き当てて止める。そして、中間転写ベルト15上の合成トナー像が二次転写ニップに到達するタイミングを合わせてレジストローラ対14を回転し、二次転写ニップに用紙を送り込み、二次転写装置4で転写して用紙上に合成トナー像を転写する。トナー像転写後の用紙は、搬送ベルト6で搬送して定着ユニット7へと送り込み、定着ユニット7で熱と圧力とを加えてトナー像を定着した後、排紙ユニット8へ送り込む。
【0023】
排紙ユニット8では切換爪で切り換えて、機外(装置左側)の図示しない排紙トレイまたは下方の両面ユニット5へ案内する。両面ユニット5では、用紙を反転して再び二次転写ニップへと導き、裏面にも画像を記録した後、排紙ユニット8で排紙トレイ上に排出する。なお、画像転写後の中間転写ベルト15は、中間転写ベルトクリーニングユニット90で、中間転写ベルト15上に残留する残留トナーを除去し、再度の画像形成に備える。
【0024】
次に、4つPCUフレーム00Y、100M、1001C、100Kについて詳しく説明する。なお、4つのPCUフレーム00Y、100M、1001C、100Kは、それぞれ扱うトナーの色が異なる点以外はほぼ同様の構成になっているので、以下の説明では、色分け符号であるY、M、C、Kを省略して、1つのPCUフレーム100について説明する。
【0025】
図2は、PCUフレーム100の構成を示す断面図である。この例では、感光体21は図中の矢印の方向に回転し、まず帯電モジュール30によるコロナ放電により一様に帯電される。そして、図示せぬ書き込み装置からの露光で印刷すべき画像に対応したレーザー光Lを一様に帯電した感光体21に照射し、これにより感光体21上に静電潜像を形成する。この静電潜像を現像器40によりトナーで現像する。そして、感光体21上のトナー像を中間転写ベルト15上に転写し、二次転写ニップにおいて用紙にトナー像を転写する。このような転写工程後、除電ランプ26の光照射により感光体21の表面に残留している静電電位を除去して電位をリセットし(静電潜像の除電)、さらに感光体21の表面から、クリーニングユニットをなすクリーニングモジュール50により残留トナーを除去する。
【0026】
本実施例では、現像器40とPCUフレーム100が一体に構成してあり、その一体のPCUフレーム100の一部であるステー29に除電ランプ26を固定してある。PCUフレーム100には、感光体21、クリーニングモジュール50も設置してある。
【0027】
除電ランプ26及び除電ランプ26を固定するステー29は、省スペース化を図るための制約上、クリーニングモジュール50及び中間転写ベルト15に非常に近接した位置関係、例えば隙間0.5mm〜4mm、のような配置となっている。そしてPCUフレーム100は、該フレームに取り付けたレール35によって画像形成装置本体(図では側板のようなもの(符号200で示す)を画像形成装置本体として示している。以下、画像形成装置本200と記載する。)から引き出せる。
【0028】
PCUフレーム100を画像形成装置本体200から水平方向へ引き出した状態を図3に示す。画像形成装置本体200から引き出されたPCUフレーム100から感光体21、クリーニングモジュール50をそれぞれ着脱することができるようになっている。
【0029】
本実施例において、PCUフレーム100を画像形成装置本体200から水平方向へ引き出す際、作業者は、まず、画像形成装置本体200の外壁を構成する図示しない開閉扉を開状態にする。この開閉扉は、PCUフレーム100が画像形成装置本体200の内部にセットされるセット位置から、そのPCUフレーム100に支持された感光体21、クリーニングモジュール50の交換作業が可能な交換作業位置まで、そのPCUフレーム100をスライド移動させる際に先頭側(以下、「前面側」という。)となる当該PCUフレーム100の先頭端面(前面)と対向する位置に配置されている。
【0030】
開閉扉を開いた作業者は、続いて、PCUフレーム100を前面側に引き出す。これにより、図3に示すように、PCUフレーム100を交換作業位置までスライド移動させることができる。本実施例においては、PCUフレーム100を支持するユニット支持手段として、2つのレール35が設けられている。2つのレール35は、PCUフレーム100のスライド方向両側部に取り付けられ、PCUフレーム100が図4に示す交換作業位置までスライド移動した状態でも、PCUフレーム100を落下させずに当該交換作業位置に保持する。したがって、本実施例によれば、PCUフレーム100を交換作業位置に引き出した状態のまま、そのPCUフレーム100の感光体21、クリーニングモジュール50の交換作業を行うことができる。
【0031】
本実施例においては、PCUフレーム100をセット位置から交換作業位置までスライド移動するPCUフレーム100の進路を阻害する部材は開閉扉のみであり、この開閉扉は開状態になると当該進路から退避した箇所に位置する。したがって、作業者は、開閉扉を開いたら、その他の部材を当該進路から退避させる作業を行うことなく、PCUフレーム100を引き出すことができる。
【0032】
クリーニングモジュール50を取り出してPCUフレーム100に除電ランプ26が残った図を図5に示す。着脱の方向はいずれも除電ランプ26から離れる方向である図中の矢印Aの方向である。そのため、感光体21及びクリーニングモジュール50と除電ランプ26が近接した関係で配置されているにもかかわらず、感光体21等の交換の際に、それらが除電ランプ26と干渉して破損させるおそれがない。
【0033】
次に、PCUフレーム100に搭載されている各種機器の位置決め構成について説明する。図6は、クリーニングモジュール50、感光体21を取り出した状態のPCUフレーム100を示す斜視図である。また図7は、セット位置にセットされた状態のPCUフレーム100を感光体軸方向に沿って切断したときの断面図である。
【0034】
本実施例において、PCUフレーム100に搭載されているクリーニングモジュール50、感光体21及びその他の装置(現像器40等)は、PCUフレーム100の共通のユニット枠体101によって一体的に支持されている。共通のユニット枠体101の前面側部分には、その前面側に金属製の前面板102が取り付けられ、これによりユニット枠体101の前面側部分についての強度及び位置決め精度を高めている。なお、共通のユニット枠体101の後面側部分については、PCUフレーム100がセット位置にセットされた際に、PCUフレーム100の後面側部分に設けられる各種駆動系の連結部と画像形成装置本体側の被連結部とが複数箇所で連結されることで、強度及び位置決め精度が高まるようになっている。
【0035】
すなわちPCUフレーム100上のクリーニングモジュール50、感光体21は、ユニット枠体101に対して着脱可能であり、それぞれ共通のユニット枠体101に対して位置決めされる結果、共通のユニット枠体101を高い寸法精度で製造することで、PCUフレーム100上の各種装置間における相対的な位置関係を高い精度で位置決めすることができる。
【0036】
また、PCUフレーム100のユニット枠体101は、PCUフレーム100がセット位置にあるとき、画像形成装置本体200側に設けられた感光体駆動軸221及びその軸受222によって画像形成装置本体200に対して位置決めされる。具体的には、感光体モジュール20の感光体21には、画像形成装置本体200側に設けられた感光体駆動軸221が挿入される挿入孔221aが設けられている。この挿入孔221aに対して感光体駆動軸221が完全に挿入されると、図6に示すように、感光体駆動軸221上の感光体駆動ジョイント223が感光体21の挿入孔221aの被ジョイント部221bと連結し、感光体21は、感光体駆動軸221と一体的に回転できる状態になる。また、感光体駆動軸221が感光体21の挿入孔221aに完全に挿入されると、感光体駆動軸221の前面側端部がユニット枠体101の前面側部分に設けられる前面嵌合部101aに嵌合するとともに、感光体駆動軸221上に設けられた軸受222がユニット枠体101の後面側部分に設けられる後面嵌合部101bに嵌合する。これにより、PCUフレーム100のユニット枠体101は、画像形成装置本体側の感光体駆動軸221に対して、その前面側と後面側の2箇所で位置決めされる。すなわち本実施例における位置決め構成においては、PCUフレーム100上の感光体21は、画像形成装置本体200側に設けられた感光体駆動軸221に対して直接的に位置決めされるので、画像形成装置本体200に対して高い位置決め精度が得られる。
【0037】
除電ランプ26は、除電ランプホルダ26aによりPCUフレーム100に取り付けられているが、除電ランプホルダ26aは、除電ランプ26の上方を覆うように設けられている。そのため、クリーニングモジュール50及び感光体21のPCUフレーム100への交換の際にクリーニングモジュール50及び感光体21に付着したトナーが落下した場合においても、その下方に位置する除電ランプ26に直接トナーが付着することを抑制することができる。またこれら感光体21等のユニットの交換の際、除電ランプ26はPCUフレーム100に取り付いたままで残り、交換されるユニットと一体で交換されてしまう事がない。これは、そのような無駄な交換を行うことに起因するコストアップを引き起こさないようにすることを可能にしている。
【0038】
除電ランプ26への画像形成装置本体200からの電気供給経路について図8を使って説明する。PCUフレーム100と一体構成である現像器40に給電用のドロアコネクタ112が設けてある。ドロアコネクタ112によってPCUフレーム100側に取り付けてある電装部品と画像形成装置本体200に設けてある図示しない電源供給ユニット(パワーサプライユニット:PSU)からの給電、および電気経路の切り離しを可能としている。また現像器40に取り付けてある図示しないトナー濃度センサ(Tセンサ)などの電装部品への給電は、このドロアコネクタ112を介して行う。
【0039】
本例では、PCUフレーム100に設置した除電ランプ26についても、このドロアコネクタ112へハーネス113を這いまわして(這いまわし部分を符号113aを付した矢印付きの線で示す)接続し、画像形成装置本体200からの給電を可能としている。このような構成にすることによって、新たに画像形成装置本体200とPCUフレーム100との電気的接続、離間を達成させる部品を設ける必要がなく、簡素な構成で除電ランプ26をPCUフレーム100に設置することを実現可能としている。
【符号の説明】
【0040】
1:画像形成部
2:転写ユニット
3:給紙ユニット
4:二次転写装置
5:両面ユニット
6:搬送ベルト
7:定着ユニット
8:排紙ユニット
9:露光ユニット
10:読取装置
14:レジストローラ対
15:中間転写ベルト
16:転写対向ローラ
17:二次転写ローラ
20Y、20M、20C、20K:感光体モジュール
21Y、21M、21C、21K:感光体
26:除電ランプ
26a:除電ランプホルダ
29:ステー
30Y、30M、30C、30K:帯電モジュール
35:レール
40Y、40M、40C、40K:現像器
50Y、50M、50C、50K:クリーニングモジュール
90:中間転写ベルトクリーニングユニット
100Y、100M、1001C、100K:PCUフレーム
101:PCUフレームの共通のユニット枠体
101a:前面嵌合部
101b:後面嵌合部
102:ユニット枠体の前面板
112:ドロアコネクタ
113:ハーネス
113a:ハーネスの這いまわし部分
200:画像形成装置本体
221:感光体駆動軸
221a:挿入孔
221b:被ジョイント部
222:軸受
223:感光体駆動ジョイント
【先行技術文献】
【特許文献】
【0041】
【特許文献1】特許3234839号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体と、該像担持体表面にトナー像を形成する現像器と、前記像担持体に形成された前記トナー像を用紙等の転写材に転写する転写部と、光照射により前記像担持体表面の静電潜像を除電する除電部と、前記トナー像の転写後に前記像担持体表面に残留する残留トナーをクリーニングするクリーニング部を画像形成装置本体に有する画像形成装置において、
少なくとも前記像担持体と前記クリーニング部と前記除電部を一体で前記画像形成装置本体から引き出し可能とする引き出し機構を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1の画像形成装置において、
前記除電部が前記像担持体や前記クリーニング部の交換時に前記引き出し機構に残るようにしてなることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1または2の画像形成装置において、
前記除電部への給電を前記現像器に設けたドロアコネクタにより行う配線を備えるとともに、
前記引き出し機構を前記現像器と一体で前記画像形成装置本体から引き出し可能として
なり、
前記引き出し機構とともに前記現像器を前記画像形成装置本体へ挿入することにより前記ドロアコネクタの接続で前記除電部へ給電可能とすることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかの画像形成装置において、
前記除電部が前記像担持体や前記クリーニング部に近接配置してあることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかの画像形成装置において、
前記引き出し機構が、前記像担持体や前記クリーニング部の交換方向に前記除電部が位置しないように該除電部を配置してなることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかの画像形成装置であって、電子写真印刷方式のファクシミリ、プリンター、複写機またはこれらの複合機であることを特徴とする画像形成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−102957(P2011−102957A)
【公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−124370(P2010−124370)
【出願日】平成22年5月31日(2010.5.31)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】