説明

画像形成装置

【課題】 複数色の画像の色合わせに使用するトナーが一部の色だけ偏って消費されるのを防止する。
【解決手段】 色合わせ制御部2は、残量検出部9からのC,M,Yの各色のトナー残量の情報を受け取り、その情報に基づいて、間接転写方式のC,M,Yの各色の内、トナーがもうすぐ無くなり画像形成が不可能となるトナーニアエンド状態でない色のトナーを選択する。もし、トナーニアエンド状態でない色のトナーが複数有った場合とすべての色のトナーがトナーニアエンドの場合、中間転写ベルトに対して最下流に位置する感光体に形成する画像の色のトナーを選択する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ファクシミリ装置,プリンタ,複写機,複合機を含む画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式において、黒色の画像は直接転写方式によって用紙に直接転写し、その他の色の画像は間接転写方式によって一度中間転写体に転写してから用紙に転写するようにした画像形成装置(例えば、特許文献1参照)があった。
このような画像形成装置において、間接転写方式の複数色の画像の色合わせを行い、それとは別に、間接転写方式で転写されたある色の画像と直接転写方式で転写された黒色の画像との色合わせを行うことにより、全色の画像の色合わせを行う方法が知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上述のような従来の色合わせでは、間接転写方式で転写されたある色の画像と直接転写方式で転写された黒色の画像とを合わせて色合わせを行う際に、間接転写方式で転写する色合わせ用の色を一種類に固定してしまうと、その色のトナーの消費が多くなり、他の色のトナーとの消費量に偏りが生じるという問題があった。
この発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、複数の色の画像の色合わせに使用するトナーが一部の色だけ偏って消費されるのを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この発明は上記の目的を達成するため、第1の転写体に複数の異なる色のトナーによって第1のパターン画像を形成し、その第1のパターン画像を読み取り、その読み取った第1のパターン画像に基づいて上記第1の転写体に対する各色のトナーの画像の形成位置がずれないように合わせる第1の位置合わせ手段と、上記第1の転写体に上記異なる各色のトナーの中から選択した一種類の色のトナーによってパターン画像を形成し、第2の転写体に上記各色のトナーと異なる一種類の色のトナーによってパターン画像を形成し、上記第1の転写体に形成したパターン画像に上記第2の転写体に形成したパターン画像を転写して上記第1の転写体上に第2のパターン画像を形成し、その第2のパターン画像を読み取り、その読み取った第2のパターン画像に基づいて上記第1の転写体に対する画像の形成位置に対して上記第2の転写体に対する画像の形成位置がずれないように合わせる第2の位置合わせ手段と、上記第1の転写体に画像を形成するのに使用する各色のトナーに関する情報に基づいて、上記第1の転写体にパターン画像を形成するときに使用する色のトナーを選択する選択手段を備えた画像形成装置を提供する。
【0005】
また、上記第1の転写体に画像を形成するのに使用する各色のトナーの内、予め設定した残量よりも少なくなった状態の色のトナーを検出する検出手段を設け、上記選択手段は、上記検出手段によって検出された色以外のトナーの中から一種類の色のトナーを、上記第1の転写体に上記異なる各色のトナーの中から選択した一種類の色のトナーによってパターン画像を形成するときに使用する色のトナーとして選択する手段を有するようにするとよい。
さらに、上記第1の転写体に画像を形成するのに使用する各色のトナーの残量を検出する残量検出手段を設け、上記選択手段は、上記残量検出手段によって検出された残量が最も少ない色のトナーを、上記第1の転写体に上記異なる各色のトナーの中から選択した一種類の色のトナーによってパターン画像を形成するときに使用する色のトナーとして選択する手段を有するようにしてもよい。
【0006】
また、上記第1の転写体に画像を形成するのに使用する各色のトナーの残量を検出する残量検出手段と、上記第1の転写体に画像を形成するのに使用する各色のトナーの所定期間あたりのトナー消費量を検出する消費量検出手段と、上記残量検出手段によって検出された残量と上記消費量検出手段によって検出された所定期間あたりのトナー消費量とに基づいてトナーエンドになるまでの予測期間を算出する算出手段を設け、上記選択手段は、上記算出手段によって算出されたトナーエンドになるまでの予測期間が最も長い色のトナーを、上記第1の転写体に上記異なる各色のトナーの中から選択した一種類の色のトナーによってパターン画像を形成するときに使用する色のトナーとして選択する手段を有するとよい。
【0007】
さらに、上記選択手段は、上記第1の転写体に画像を形成するのに使用する各色のトナーについて、上記第1の転写体にパターン画像を形成するときに使用する色のトナーの選択順を予め保持し、上記第1の転写体に上記異なる各色のトナーの中から選択した一種類の色のトナーによってパターン画像を形成する毎に、上記選択順で使用する色のトナーを代えて選択する手段を有するようにしてもよい。
また、上記選択手段は、上記第1の転写体に画像を形成するのに使用する各色のトナーの内、トナー消費量が少なくて強制的に消費させる必要のある色のトナーを検出し、その検出された色のトナーを、上記第1の転写体に上記異なる各色のトナーの中から選択した一種類の色のトナーによってパターン画像を形成するときに使用する色のトナーとして選択する手段を有するとよい。
【0008】
さらに、上記第1の転写体に前記異なる各色のトナーの中から選択した一種類の色のトナーによってパターン画像を形成するときに使用する色のトナーについて、予め決定した種類の色のトナーに固定して選択する他の選択手段と、上記選択手段と上記他の選択手段のいずれか一方を有効にする手段を設けるとよい。
【0009】
さらにまた、上記第1の転写体に画像を形成するのに使用する各色のトナーの内、予め設定した残量よりも少なくなった状態の色のトナーを検出する検出手段と、上記第1の転写体に画像を形成するのに使用する各色のトナーの残量を検出する残量検出手段と、上記第1の転写体に画像を形成するのに使用する各色のトナーの所定期間あたりのトナー消費量を検出する消費量検出手段と、上記残量検出手段によって検出された残量と上記消費量検出手段によって検出された所定期間あたりのトナー消費量とに基づいてトナーエンドになるまでの予測期間を算出する算出手段を設け、上記選択手段は、上記検出手段によって検出された色以外のトナーの中から一種類の色のトナーを、上記第1の転写体に前記異なる各色のトナーの中から選択した一種類の色のトナーによってパターン画像を形成するときに使用する色のトナーとして選択する第1の選択手段と、上記残量検出手段によって検出された残量が最も少ない色のトナーを、上記第1の転写体に上記異なる各色のトナーの中から選択した一種類の色のトナーによってパターン画像を形成するときに使用する色のトナーとして選択する第2の選択手段と、上記算出手段によって算出されたトナーエンドになるまでの予測期間が最も長い色のトナーを、上記第1の転写体に上記異なる各色のトナーの中から選択した一種類の色のトナーによってパターン画像を形成するときに使用する色のトナーとして選択する第3の選択手段と、上記第1の転写体に画像を形成するのに使用する各色のトナーについて、上記第1の転写体にパターン画像を形成するときに使用する色のトナーの選択順を予め保持し、上記第1の転写体に上記異なる各色のトナーの中から選択した一種類の色のトナーによってパターン画像を形成する毎に、上記選択順で使用する色のトナーを代えて選択する第4の選択手段と、上記第1の転写体に画像を形成するのに使用する各色のトナーの内、トナー消費量が少なくて強制的に消費させる必要のある色のトナーを検出し、その検出された色のトナーを、上記第1の転写体に上記異なる各色のトナーの中から選択した一種類の色のトナーによってパターン画像を形成するときに使用する色のトナーとして選択する第5の選択手段と、上記第1の転写体に上記異なる各色のトナーの中から選択した一種類の色のトナーによってパターン画像を形成するときに使用する色のトナーについて、予め決定した種類の色のトナーに固定して選択する第6の選択手段と、上記第1乃至第6の選択手段のいずれか1つを有効にする手段を有するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0010】
この発明による画像形成装置は、複数の色の画像の色合わせに使用するトナーが一部の色だけ偏って消費されるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】この発明の画像形成装置の一実施例である複写機の色合わせ制御に係る主要な機能構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す色合わせ制御部によるフルカラーの色合わせ制御の処理を示すフローチャート図である。
【図3】この発明の画像形成装置の一実施例である複写機の転写に係る主要な部分の構成を示す図である。
【0012】
【図4】図3に示す中間転写ベルト上のC,M,Yの各色のトナー画像の形成位置を合わせるための制御に用いる色ずれ検出用のパターン画像の一例を示す図である。
【図5】図3に示す中間転写ベルト上のトナー画像と直接転写ベルト上のKの色のトナー画像の形成位置を合わせるための制御に用いる色ずれ検出用のパターンの一例を示す図である。
【図6】選択方法の選択画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、この発明を実施するための形態を図面に基づいて具体的に説明する。
図3は、この発明の画像形成装置の一実施例である複写機の転写に係る主要な部分の構成を示す図である。
この実施例の複写機は、直接転写方式と間接転写方式とを用いて用紙にフルカラーの印刷をする画像形成装置であり、この図3では、直接転写方式と間接転写方式を用いたフルカラーの印刷の概略と、この発明に係る色合わせ制御に用いる色ずれ検出用パターン画像の形成について説明する。
この複写機では、図3の(a)に示すように、感光体10にブラック(以下「K」と記載する)の色のトナー画像を形成し、直接転写ベルト18によって図中矢示B方向に搬送される用紙(図示を省略)上に、上記Kの色のトナー画像を転写ローラ11の地点で転写する。この転写方式を直接転写方式と呼ぶ。
【0014】
また、感光体12にシアン(以下「C」と記載する)の色のトナー画像を、感光体13にマゼンタ(以下「M」と記載する)の色のトナー画像を、感光体14にイエロー(以下「Y」と記載する)の色のトナー画像をそれぞれ形成し、図中矢示A方向に搬送される中間転写ベルト15上に、上記C,M,Yの各色のトナー画像を順次転写することにより、中間転写ベルト15上に上記C,M,Yの各色のトナー画像を重ね合わせたトナー画像を形成し、その重ね合わせたトナー画像を2次転写ローラ16,17の地点で上記Kの色のトナー画像が転写された用紙に重ねて転写する。この転写方式を間接転写方式と呼ぶ。
このようにして、用紙にK,C,M,Yの各色のトナーを用いたフルカラー画像を印刷する。
なお、各感光体12〜14に対するトナー画像の形成時の処理の詳細な内容は公知なのでその説明を省略する。
【0015】
また、この実施例では、各感光体12〜14に対してそれぞれC,M,Yの各色のトナー画像を形成する場合を示したが、各感光体12〜14にそれぞれ形成するトナー画像の色を他の色に割り当てるようにしてもよい。
この複写機は、フルカラー画像印刷時には、上記中間転写ベルト15と直接転写ベルト18とは、上記2次転写ローラ16,17の位置において接するようにしているが、モノクロ画像印刷時と色合わせ制御に用いる色ずれ検出用パターン画像の形成時のように、用紙にC,M,Yのトナー画像を転写する必要のないときには、図3の(b)に示すように、2次転写ローラ16を2次転写ローラ17から離間させるように(図中矢示C方向に)移動させて中間転写ベルト15から直接転写ベルト18を離す。
あるいは、図3の(c)に示すように、2次転写ローラ17を2次転写ローラ16から離間させるように(図中矢示D方向に)移動させて直接転写ベルト18から中間転写ベルト15を離す。
【0016】
このような状態にして、モノクロ画像印刷については、感光体10にKの色のトナー画像を形成し、直接転写ベルト18によって図中矢示B方向に搬送される用紙(図示を省略)上に、上記Kの色のトナー画像を転写ローラ11の地点で転写し、そのまま図中矢示B方向へ排出する。
また、中間転写ベルト15上に間接転写方式で形成されるC,M,Yの各色のトナー画像間の色ずれ(各色の重ね合わせの位置のずれ)を合わせるための制御に用いる色ずれ検出用パターン画像を形成する場合、中間転写ベルト15上に、上記C,M,Yの各色のトナーによるパターン画像を順次転写することにより、中間転写ベルト15上に上記C,M,Yの各色のパターン画像を重ね合わせたパターン画像を形成する。
この色ずれ検出用パターン画像は、パターン検出用センサ19によって読み取られ、その読み取った画像データに基づいて、間接転写方式で形成されるC,M,Yの各色についての形成位置のずれ量を求め、そのずれ量に基づいてC,M,Yの各色のトナー画像の中間転写ベルト15上での形成位置を合わせる色合わせ制御が行われる。
【0017】
上記ずれ量を求める方法と、その求めたずれ量に基づく色合わせ制御の処理は公知技術を用いればよく、その詳細な説明を省略する。
さらに、中間転写ベルト15上に間接転写方式で形成されるトナー画像と、直接転写ベルト18上に直接転写方式で形成されるトナー画像との色ずれを合わせるための制御に用いる色ずれ検出用パターン画像を形成する場合は、感光体10にKの色のトナーによるパターン画像を形成し、直接転写ベルト18上に上記Kの色のパターン画像を転写し、一方、中間転写ベルト15上に、上記C,M,Yの各色のトナーの内、後述する方法によってC,M,Yの中から選択された一色のトナーによるパターン画像を転写する。
そして、2次転写ローラ16,17の地点で上記中間転写ベルト15上の一色のトナーによるパターン画像に上記直接転写ベルト18上のKの色のトナー画像を転写することにより、上記中間転写ベルト15上に、C,M,Yのいずれか一色のトナー画像とKの色のトナー画像による色ずれ検出用パターン画像を形成する。
【0018】
この色ずれ検出用パターン画像は、パターン検出用センサ19によって読み取られ、その読み取った画像データに基づいて、直接転写方式と間接転写方式でそれぞれ形成される各色の画像の形成位置のずれ量を求め、そのずれ量に基づいて中間転写ベルト15上に形成されるC,M,Yの各色のトナー画像と、直接転写ベルト18上に形成されるKの色のトナー画像を中間転写ベルト15に転写し、Kの色のトナー画像をC,M,Yの各色のトナー画像と合成する際にずれが無いように直接転写ベルト18上に形成する位置を補正する色合わせ制御が行われる。
この場合のずれ量を求める方法と、その求めたずれ量に基づく色合わせ制御の処理についても公知技術を用いればよく、その詳細な説明を省略する。
この実施例の複写機において、上記中間転写ベルト15が第1の転写体に相当し、上記直接転写ベルト18が第2の転写体に相当する。
【0019】
次に、上記色ずれ検出用パターン画像について説明する。
図4は、図3に示した中間転写ベルト15上のC,M,Yの各色のトナーの画像の形成位置を合わせるための制御に用いる色ずれ検出用パターン画像の一例を示す図である。
この図4に示した色ずれ検出用パターン画像21は、中間転写ベルト15に対するC,M,Yの各色のトナーの画像の形成位置がずれないように合わせる色合わせ制御に用いる第1のパターン画像であり、色合わせ制御用パターン画像ともいう。
図4には、上記パターン検出用センサ19を、中間転写ベルト15の主走査方向(副走査方向は中間転写ベルト15の移動方向、図3の図中矢示A方向)に所定の間隔を置いて3個並べて配置した場合のパターン画像例を示している。
【0020】
この色ずれ検出用パターン画像21は、C,M,Yの各色のトナー画像を図4に示したような配列で並べた列画像(図4中には、パターン検出用センサ19寄りからY,C,Mの順で並べた例を示している)を3列備えた第1のパターン画像であり、各列画像は、中間転写ベルト15上に対して、各パターン検出用センサ19でそれぞれ検出可能な位置に形成される。
そして、この色ずれ検出用パターン画像21をパターン検出用センサ19で読み取った画像データに基づいて、間接転写方式における中間転写ベルト15上に形成するC,M,Yの各色のトナー画像の形成位置のずれ量を求め、そのずれ量に基づいて各色のトナー画像の形成位置がずれないように補正する。
【0021】
次に、図5は、図3に示した中間転写ベルト15上のトナー画像と直接転写ベルト18上のKの色のトナー画像の形成位置を合わせるための制御に用いる色ずれ検出用パターン画像の一例を示す図である。
この実施例では、上述と同様に、パターン検出用センサ20についても、直接転写ベルト18の主走査方向(副走査方向は直接転写ベルト18の移動方向、図3の図中矢示B方向)に所定の間隔を置いて3個並べて配置した場合の色ずれ検出用パターン画像例を示している。
初めに、後述の処理においてCが選択された場合、図5の(a)に示すように、中間転写ベルト15上に、Cの色のトナー画像を図に示したような配列で並べた列画像を3列備え、その各列画像が、中間転写ベルト15上に対して、各パターン検出用センサ19でそれぞれ検出可能な位置に配置したパターン画像22を形成する。
【0022】
次に、図5の(b)に示すように、直接転写ベルト18上に、Kの色のトナー画像を図に示したような配列で並べた列画像を3列備え、その各列画像が、直接転写ベルト18上に対して、各パターン検出用センサ20でそれぞれ検出可能な位置に配置したパターン画像23を形成する。
さらに、図5の(b)に示した直接転写ベルト18上のパターン画像23を、中間転写ベルト15上に転写し、図5の(a)に示した中間転写ベルト15上のパターン画像22と、図5の(b)に示した直接転写ベルト18上のパターン画像23とを合成し、図5の(c)に示すように、中間転写ベルト15上に、CとKのパターンからなる色ずれ検出用パターン画像24を形成する。この色ずれ検出用パターン画像24が第2のパターン画像である。
【0023】
そして、この色ずれ検出用パターン画像24をパターン検出用センサ19で読み取り、その読み取った画像データに基づいて、間接転写方式における中間転写ベルト15上に形成するC,M,Yの各色のトナー画像に対して、直接転写方式における直接転写ベルト18上に形成されたKの色のトナー画像を転写したときのずれ量を求め、そのずれ量に基づいて、C,M,Yの各色のトナー画像に対してKの色のトナー画像の重ね合わせ位置がずれないように、例えば、Kの色のトナー画像を直接転写ベルト18上に形成する位置を補正する。
また、色合わせの処理において、他の色のMやYのいずれかが選択された場合も、上述と同様に色合わせをすることができる。
このようにして、上述の色ずれ検出用パターン画像21を用いて間接転写方式の各色合わせを行った後、さらに、上述の色ずれ検出用パターン画像24を用いて間接転写方式のある色と直接転写方式の色との色合わせを行えば、C,M,Y,Kの全ての色の色合わせが行える。
【0024】
さらに、モノクロ画像印刷のために、直接転写ベルト18上にKの色のトナー画像で、図5の(b)に示したような配列で並べた列画像を3列備えたパターン画像にし、各列画像は、直接転写ベルト18上に対して、各パターン検出用センサ20でそれぞれ検出可能な位置に形成し、その色ずれ検出用パターン画像をパターン検出用センサ20で読み取った画像データに基づいて、直接転写方式における直接転写ベルト18上に形成するKの色のトナー画像の形成位置のずれ量を求め、そのずれ量に基づいてKの色のトナー画像の形成位置がずれないように補正するとよい。
【0025】
なお、中間転写の最下流であるCに比べ、上流のMやYを選択した場合、色ずれ検出用パターン画像が、パターン検出用センサ19に到達するまでの時間が長くなるため、Cの色を選んだ場合は他の色を選んだ場合よりも色合わせ制御の時間が若干短くて済む。
また、上述の場合、Kの色のトナー画像の形成位置を調整する方が、C,M,Yの各色のトナー画像全てをKの色のトナー画像の形成位置に合わせて調整するよりも処理負担が少なくて済む。
さらに、各パターン検出用センサ19は、図示を省略したレーザ光源(LD)走査のスキュー量検知などのために、図4及び図5に示すように、中間転写ベルト15の左端側,中央付近,右端側をそれぞれ読み取れるように配置するのがよりよい。
そのため、色ずれ検出用パターン画像21,24についても、各パターン検出用センサ19でそれぞれ読み取れるように、3列を同様のパターン内容で中間転写ベルト15上の形成するとよい。
【0026】
また、色ずれ検出用パターン画像21,24は、読み取り等の誤差による影響を減らすために、パターン(例えば、図4及び図5に示した各色のバーの数)を多くして、パターン検出用センサ19によって読み取った画像データのサンプル数をより多くするとよい。
さらに、図4には、C,M,Yの各色のバー状のトナー画像を主走査方向に沿うように並べた部分と主走査方向に若干斜めになるように並べた部分とからなる色ずれ検出用パターン画像例を示したが、その他の公知のパターン例を用いるようにしてもよい。
また、図4では、パターン検出用センサ19寄りからY,C,Mの順に配列した場合を示したが、例えば、C,M,Yの順にしてもよく、各バーの色の配置順は、図4のものとは異なるようにしてもよい。
さらに、図4及び図5には、上記パターン検出用センサ19を、中間転写ベルト15の主走査方向(副走査方向は中間転写ベルト15の移動方向、図3の図中矢示A方向)に所定の間隔を置いて3個並べて配置した場合の色ずれ検出用パターン画像例を示したが、上記パターン検出用センサ19の数に合わせて列の構成を変えてもよい。
【0027】
例えば、上記パターン検出用センサ19を2個設け、中間転写ベルト15の両サイドを検出するようにした場合、2列にするとよい。また、4個以上設けた場合はその設けた個数と同数の列にするとよい。さらに、4個以上設けた場合でも、上述のように、中間転写ベルト15の両サイドと中間部の3箇所の列にするようにしてもよい。
すなわち、色ずれ検出用パターン画像21,24の内容は、中間転写ベルト15上で読み取った値が、色ずれ制御の処理に用いる際に、適切な画像情報をもたらすものであればどのような構成でもよい。
【0028】
図1は、この発明の画像形成装置の一実施例である複写機の色合わせ制御に係る主要な機能構成を示すブロック図である。
この実施例の複写機の色合わせ制御に係る主要な機能構成は、印刷制御部1,色合わせ制御部2,直接転写制御部3,間接転写制御部4,K画像形成部5,C画像形成部6,M画像形成部7,Y画像形成部8,及び残量検出部9からなる。
上記印刷制御部1,色合わせ制御部2,直接転写制御部3,及び間接転写制御部4は、CPU,ROM及びRAMからなるマイクロコンピュータによって実現される。
印刷制御部1は、この実施例の複写機におけるフルカラー画像印刷とモノクロ画像印刷を実行するためにシステム全体を制御する。
色合わせ制御部2は、間接転写方式によって中間転写ベルト15上に重ね合わせられるC,M,Yの各色のトナー画像の色ずれ量を求め、そのずれ量に基づいて各色のトナー画像の形成位置にずれがないように補正する制御をする。
【0029】
また、直接転写制御部4によるトナー画像と、間接転写制御部3によるトナー画像を色合わせするために、残量検出部9からの情報を含む各色のトナーに関する情報に基づいて、C,M,Yのいずれかの色のトナーを後述のいずれかの選択処理によって選択し、その色のトナー画像と、直接転写制御部4によるKの色のトナー画像とのずれ量を求め、そのずれ量に基づいてずれを補正する色合わせ制御も行う。
直接転写制御部3は、K画像形成部5のトナー画像の形成動作と、直接転写ベルト18の回転駆動と、2次転写ローラ16の回転駆動と移動(直接転写ベルト18を中間転写ベルト15から離間させるための動作)とを制御し、直接転写方式による直接転写ベルト18へのKの各色のトナー画像の形成を制御する。また、中間転写ベルト15に対するC,M,Yの各色のトナー画像の形成位置と、直接転写ベルト18に対するKの色のトナー画像の形成位置とにずれがないように、形成位置を補正するための色合わせ制御に用いる色ずれ検出用パターン画像のKの色のパターン画像を直接転写ベルト18に形成する制御をする。
【0030】
間接転写制御部4は、C画像形成部6とM画像形成部7とY画像形成部8とのトナー画像の形成動作と、中間転写ベルト15の回転駆動と、2次転写ローラ17の回転駆動と移動(中間転写ベルト15を直接転写ベルト18から離間させるための動作)とを制御し、間接転写方式による中間転写ベルト15へのC,M,Yの各色のトナー画像の形成を制御する。また、中間転写ベルト15を介して用紙にC,M,Yの各色のトナー画像を転写する際に各トナー画像の形成位置にずれがないように、形成位置を補正するための色合わせ制御に用いる色ずれ検出用パターン画像を中間転写ベルト15に形成する制御をする。さらに、中間転写ベルト15に対するC,M,Yの各色のトナー画像の形成位置と、直接転写ベルト18に対するKの色のトナー画像の形成位置とにずれがないように、形成位置を補正するための色合わせ制御に用いる色ずれ検出用パターン画像を中間転写ベルト15に形成する制御をする。
【0031】
K画像形成部5は、直接転写制御部3の制御により、感光体10の回転駆動を制御し、図示を省略したレーザ光源LDを駆動制御し、フルカラー画像印刷時、モノクロ画像印刷時、及び色ずれ検出用パターン画像の形成時、感光体10上にKの色のトナー画像を形成する。その感光体10上のKの色のトナー画像は直接転写ベルト18に転写され、その後、中間転写ベルト15上に転写される。
C画像形成部6は、間接転写制御部4の制御により、感光体12の回転駆動を制御し、図示を省略したレーザ光源LDを駆動制御し、フルカラー画像印刷時、及び色ずれ検出用パターン画像の形成時、感光体12上にCの色のトナー画像を形成する。その感光体12上のCの色のトナー画像は中間転写ベルト15に転写される。
【0032】
M画像形成部7は、間接転写制御部4の制御により、感光体13の回転駆動を制御し、図示を省略したレーザ光源LDを駆動制御し、フルカラー画像印刷時、及び色ずれ検出用パターン画像の形成時、感光体13上にMの色のトナー画像を形成する。その感光体13上のMの色のトナー画像は中間転写ベルト15に転写される。
Y画像形成部8は、間接転写制御部4の制御により、感光体14の回転駆動を制御し、図示を省略したレーザ光源LDを駆動制御し、フルカラー画像印刷時、及び色ずれ検出用パターン画像の形成時、感光体14上にYの色のトナー画像を形成する。その感光体14上のYの色のトナー画像は中間転写ベルト15に転写される。
残量検出部9は、C画像形成部6,M画像形成部7,Y画像形成部8の各色のトナーの残量を検出し、その残量の情報を色合わせ制御部2へ送る。
【0033】
すなわち、上記色合わせ制御部2が、第1の転写体に複数の異なる色のトナーによって第1のパターン画像を形成し、その第1のパターン画像を読み取り、その読み取った第1のパターン画像に基づいて第1の転写体に対する各色のトナーの画像の形成位置がずれないように合わせる第1の位置合わせ手段の機能を果たす。
また、第1の転写体に異なる各色のトナーの中から選択した一種類の色のトナーによってパターン画像を形成し、第2の転写体に上記各色のトナーと異なる一種類の色のトナーによってパターン画像を形成し、第1の転写体に形成したパターン画像に第2の転写体に形成したパターン画像を転写して第1の転写体上に第2のパターン画像を形成し、その第2のパターン画像を読み取り、その読み取った第2のパターン画像に基づいて第1の転写体に対する画像の形成位置に対して第2の転写体に対する画像の形成位置がずれないように合わせる第2の位置合わせ手段の機能も果たす。
【0034】
さらに、第1の転写体に画像を形成するのに使用する各色のトナーに関する情報に基づいて、第1の転写体にパターン画像を形成するときに使用する色のトナーを選択する選択手段の機能も果たす。
この実施例の複写機では、間接転写方式のある色と直接転写方式の色との色合わせを行う際に、間接転写方式の色を固定せず、間接転写方式の各色にかかる情報に基づいて、いずれかの色を選択するので、間接転写方式の各色のトナーの消費量の偏りを減らすことができる。
【0035】
図2は、図1に示した色合わせ制御部2によるフルカラー色合わせ制御の処理を示すフローチャート図である。
色合わせ制御部2は、ステップ(図中「S」で示す)1で、中間転写ベルト15に、シアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y)の各色のトナー画像によって間接転写方式の色ずれ検出用パターン画像を形成し、ステップ2へ進む。
ステップ2で、パターン検出用センサ19により、中間転写ベルト15に形成された間接転写方式の色ずれ検出用パターン画像を読み取り、ステップ3へ進む。
ステップ3では、パターン検出用センサ19によって読み取った画像データに基づいて色ずれ量を算出し、その色ずれ量に基づいて中間転写ベルト15に対するC,M,Yの各色のトナー画像の形成位置がずれないように補正する色合わせ制御(各感光体12〜14へのC,M,Yのトナー画像の形成位置を合わせる制御)をし、ステップ4へ進む。
【0036】
ステップ4で、シアン,マゼンタ,イエローの各色のトナーに関する情報に基づいて、各色のトナーの内、間接転写方式で形成されるトナー画像と、直接転写方式で形成されるトナー画像の色合わせ制御のための制御に用いる色ずれ検出用パターン画像に用いる色のトナーを選択し、ステップ5へ進む。
ステップ5で、中間転写ベルト15に、シアン,マゼンタ,イエローの各色のトナーの内、選択した色のトナーによってパターン画像を形成し、直接転写ベルト18に、ブラック(K)の色のトナーによってパターン画像を形成し、中間転写ベルト15に形成されたパターン画像に、直接転写ベルト15に形成されたパターン画像を転写し、間接転写方式と直接転写方式との色ずれを補正するのに使用する色ずれ検出用パターン画像を形成し、ステップ6へ進む。
【0037】
ステップ6で、パターン検出用センサ19により、中間転写ベルト15に形成された間接転写方式と直接転写方式との色ずれ検出用パターン画像を読み取り、ステップ7へ進む。
ステップ7で、パターン検出用センサ19によって読み取った画像データに基づいて色ずれ量を算出し、その色ずれ量に基づいて中間転写ベルト15の各色の画像に対して直接転写ベルト18の色の画像の形成位置がずれないように合わせる色合わせ制御をし、この処理を終了する。
【0038】
次に、図1に示した色合わせ制御部2による色ずれ検出用パターン画像を形成するときの色の選択処理について説明する。
この色の選択処理には、次の〔1〕〜〔7〕に示す7通りの処理方法がある。
〔1〕C,M,Yの各色のトナーの内のトナーニアエンド状態ではない色のトナーを選択する。
色合わせ制御部2は、残量検出部9からのC,M,Yの各色のトナー残量の情報を受け取り、その情報に基づいて、間接転写方式のC,M,Yの各色の内、トナーがもうすぐ無くなり画像形成が不可能となるトナーニアエンド状態でない色のトナーを選択する。
もし、トナーニアエンド状態でない色のトナーが複数有った場合とすべての色のトナーがトナーニアエンドの場合、中間転写ベルト15に対して最下流に位置する感光体に形成する画像の色のトナーを選択する。
【0039】
この場合、上記残量検出部9が、第1の転写体に画像を形成するのに使用する各色のトナーの内、予め設定した残量よりも少なくなった状態の色のトナーを検出する検出手段の機能を果たす。
また、色合わせ制御部2が、残量検出部9(検出手段)によって検出された色以外のトナーの中から一種類の色のトナーを、第1の転写体に異なる各色のトナーの中から選択した一種類の色のトナーによってパターン画像を形成するときに使用する色のトナーとして選択する手段の機能を果たす。
このようにして、C,M,Yの各色のトナーの内、もうすぐなくなる状態であるトナーニアエンドではない色のトナーを選択し、その色のトナーを用いた色ずれ検出用パターン画像を用いて直接転写方式のKの色と色合わせを行うので、トナーニアエンドの色のトナーが消費されることにより、トナーエンドとなって印刷できない状態にしてしまうことのないようにすることができる。
【0040】
〔2〕C,M,Yの各色のトナーの内の最も残量の多い色のトナーを選択する。
色合わせ制御部2は、残量検出部9からのC,M,Yの各色のトナー残量の情報を受け取り、その情報に基づいて、間接転写方式のC,M,Yの各色の内、トナー残量が最も多い色を選択する。
この場合、上記残量検出部9が、第1の転写体に画像を形成するのに使用する各色のトナーの残量を検出する残量検出手段の機能を果たす。
また、色合わせ制御部2が、残量検出部9(残量検出手段)によって検出された残量が最も多い色のトナーを、第1の転写体に異なる各色のトナーの中から選択した一種類の色のトナーによってパターン画像を形成するときに使用する色のトナーとして選択する手段の機能を果たす。
【0041】
このようにして、C,M,Yの各色のトナーの中からトナー残量が最も多い色のトナーを選択し、その色のトナーを用いた色ずれ検出用パターン画像を用いて直接転写方式のKの色と色合わせを行うので、トナーニアエンドの色のトナーが消費されることにより、トナーエンドとなって印刷できない状態にしてしまうことのないようにすることができる。
【0042】
〔3〕C,M,Yの各色のトナーの内のトナーエンド状態になるまでの予測期間が最も長い色のトナーを選択する。
色合わせ制御部2は、残量検出部9からのC,M,Yの各色のトナー残量の情報と、C,M,Yの各色の所定期間当たりのトナー消費量の情報とを受け取り、その各情報に基づいてC,M,Yの各色のトナーについて、トナーエンドになるまでの予測期間を算出し、画像形成が不可能となるトナーエンド状態になるまでの予測期間が最も長い色のトナーを選択する。
例えば、上記予測期間を日数にした場合、トナーエンド状態になるまでの予測日数は、下記の式に基づく演算によって算出できる。この場合、残量検出部9から通知されるC,M,Yの各色のトナー消費量は1日当たりの量にしてもよいし、残量検出部9からは1日以外の所定期間の各色のトナー消費量を通知し、色合わせ制御部2において1日当たりの量を算出するようにしてもよい。
【0043】
トナーエンド状態になるまでの予測日数=(トナー残量)/(1日当たりのトナー消費量)
この場合、上記残量検出部9が、第1の転写体に画像を形成するのに使用する各色のトナーの残量を検出する残量検出手段と、第1の転写体に画像を形成するのに使用する各色のトナーの所定期間あたりのトナー消費量を検出する消費量検出手段の機能を果たす。
【0044】
また、色合わせ制御部2が、残量検出部9(残量検出手段)によって検出された残量と残量検出部9(消費量検出手段)によって検出された所定期間あたりのトナー消費量とに基づいてトナーエンドになるまでの予測期間を算出する算出手段と、その算出手段によって算出されたトナーエンドになるまでの予測期間が最も長い色のトナーを、第1の転写体に異なる各色のトナーの中から選択した一種類の色のトナーによってパターン画像を形成するときに使用する色のトナーとして選択する手段の機能を果たす。
このようにして、C,M,Yの各色のトナー残量と、1日あたりのトナー消費量とに基づいて、トナーエンドになるまでの期間を予測し、その期間が最も長い色のトナーを選択するので、トナーニアエンドの色のトナーが消費されることにより、トナーエンドとなって印刷できない状態にしてしまうことのないようにすることができる。
【0045】
〔4〕C,M,Yの各色のトナーの内、予め決めたローテーションの順番で選択する。
色合わせ制御部2は、予め決定した選択順で色を選択する。例えば、色合わせN(Nは1以上の整数)回毎に、シアン=>マゼンタ=>イエローのローテーションの順で、色合わせする色を選択する。上記ローテーションの順番の情報は、予め色合わせ制御部2の内部、又は色合わせ制御部2が参照可能なメモリに記憶させておく。このローテーションの順番は、この複写機における、図示を省略した操作部の入力によって変更することもできる。
【0046】
この場合、色合わせ制御部2が、第1の転写体に画像を形成するのに使用する各色のトナーについて、第1の転写体にパターン画像を形成するときに使用する色のトナーの選択順を予め保持し、第1の転写体に異なる各色のトナーの中から選択した一種類の色のトナーによってパターン画像を形成する毎に、上記選択順で使用する色のトナーを代えて選択する手段の機能を果たす。
このようにして、直接転写方式の色と色合わせを行う間接転写方式の色を、予め決めたローテーションの順番で選択するので、一番シンプルな方法でトナーの消費の偏りを減らすことができる。
【0047】
〔5〕C,M,Yの各色のトナーの内、トナー強制消費が必要な色のトナーを選択する。
色合わせ制御部2は、残量検出部9からのC,M,Yの各色のトナー残量の情報に基づいて、間接転写方式のC,M,Yの色のトナーの内、トナー消費量が少なくトナー強制消費が必要な色を判断し、トナー強制消費が必要な色のトナーを選択して、色合わせ制御をする。
上記トナー強制消費とは、消費率の低いトナーの消費量を増やすために行う画像形成のことであり、複写機を含む画像形成装置では、トナーを含む現像剤の消費量が低下すると、現像剤の平均粒径が徐々に小さくなって、画像濃度の低下やかぶりの増大をもたらすことが知られている。
そこで、色合わせ制御部2は、上記のような画像濃度の低下やかぶりの増大をもたらさないように、トナー消費量が少なくて強制的に消費させる必要のある色のトナーを選択する。
【0048】
この場合、色合わせ制御部2が、第1の転写体に画像を形成するのに使用する各色のトナーの内、トナー消費量が少なくて強制的に消費させる必要のある色のトナーを検出し、その検出された色のトナーを、第1の転写体に前記異なる各色のトナーの中から選択した一種類の色のトナーによってパターン画像を形成するときに使用する色のトナーとして選択する手段の機能を果たす。
このようにして、トナー強制消費の必要がある色を選択することにより、その色のトナーの消費量を増やして、トナーの消費量を常に最適化して画像濃度の低下やかぶりの増大を有効に抑えると共に、色合わせ制御の際の無駄なトナー消費を抑えることができる。
【0049】
〔6〕C,M,Yの各色のトナーの内、予め決定しておいた色のトナーを選択するか、上述したいずれかの選択方法で選択するかを選択する。
この場合、この実施例の複写機に、C,M,Yの各色のトナーの内、色合わせ制御に用いるトナーの色を一種類に固定した情報を、例えば、色合わせ制御部2の内部、又は色合わせ制御部2が参照するメモリに記憶する。また、上述した〔1〕〜〔6〕のいずれかの選択方法を実施するように構成しておく。
色合わせ制御部2は、この複写機の図示を省略した操作部から固定モードが選択された場合、C,M,Yの各色のトナーの内、色合わせ制御に用いるトナーの色を一種類に固定した情報に基づいて、例えば、その色がCの場合、Cのトナーを用いて色ずれ検出用パターン画像を形成し、色合わせ制御をする。
【0050】
また、選択モードが選択された場合、C,M,Yの各色のトナーの内、色合わせ制御に用いるトナーの色を、予め上述した〔1〕〜〔6〕のいずれかの選択方法の内で実施可能に構成された選択方法により選択された色のトナーを用いて色ずれ検出用パターン画像を形成し、色合わせ制御をする。
すなわち、色合わせ制御部2が、第1の転写体に異なる各色のトナーの中から選択した一種類の色のトナーによってパターン画像を形成するときに使用する色のトナーについて、予め決定した種類の色のトナーに固定して選択する他の選択手段と、上記選択手段と上記他の選択手段のいずれか一方を有効にする手段の機能を果たす。
このようにして、直接転写方式の色と色合わせを行う間接転写方式の色の切り替えを有効にするか、あるいは色を固定にするかを選択できるので、色によっては色合わせを行う時間が長くなるので、トナーの消費の偏りを減らすか、常に最短の時間で色合わせができるように色を固定するかを、ユーザが選択することができる。
【0051】
〔7〕複数種類の選択方法を実行可能にし、いずれの選択方法で選択するかを選択する。
この場合、この実施例の複写機を、上述した〔1〕〜〔6〕の各選択方法が実行可能に構成しておく。
色合わせ制御部2は、この複写機の図示を省略した操作部から、図6に示す選択画面でいずれかの選択方法が選択されると、その選択された選択方法の選択処理を実行する。
例えば、「1」の固定色が選択されると予め固定された色を選択し、「2」のトナーニアエンドが選択されると上記〔1〕の選択方法によって色を選択し、「3」のトナー残量が選択されると上記〔2〕の選択方法によって色を選択し、「4」のトナーエンドになるまでの日数が選択されると上記〔3〕の選択方法によって色を選択し、「5」の予め決めた順番のローテーションが選択されると上記〔5〕の選択方法によって色を選択する。
【0052】
すなわち、上記残量検出部9が、第1の転写体に画像を形成するのに使用する各色のトナーの内、予め設定した残量よりも少なくなった状態の色のトナーを検出する検出手段と、第1の転写体に画像を形成するのに使用する各色のトナーの残量を検出する残量検出手段と、第1の転写体に画像を形成するのに使用する各色のトナーの所定期間あたりのトナー消費量を検出する消費量検出手段の各機能を果たす。
【0053】
また、色合わせ制御部2が、上記残量検出部9(残量検出手段)によって検出された残量と上記残量検出部9(消費量検出手段)によって検出された所定期間あたりのトナー消費量とに基づいてトナーエンドになるまでの予測期間を算出する算出手段と、上記残量検出部9(検出手段)によって検出された色以外のトナーの中から一種類の色のトナーを、第1の転写体に前記異なる各色のトナーの中から選択した一種類の色のトナーによってパターン画像を形成するときに使用する色のトナーとして選択する第1の選択手段と、上記残量検出部9(残量検出手段)によって検出された残量が最も少ない色のトナーを、第1の転写体に異なる各色のトナーの中から選択した一種類の色のトナーによってパターン画像を形成するときに使用する色のトナーとして選択する第2の選択手段の機能を果たす。
【0054】
さらに、上記算出手段によって算出されたトナーエンドになるまでの予測期間が最も長い色のトナーを、第1の転写体に前記異なる各色のトナーの中から選択した一種類の色のトナーによってパターン画像を形成するときに使用する色のトナーとして選択する第3の選択手段と、第1の転写体に画像を形成するのに使用する各色のトナーについて、第1の転写体にパターン画像を形成するときに使用する色のトナーの選択順を予め保持し、第1の転写体に異なる各色のトナーの中から選択した一種類の色のトナーによってパターン画像を形成する毎に、上記選択順で使用する色のトナーを代えて選択する第4の選択手段の機能を果たす。
【0055】
また、第1の転写体に画像を形成するのに使用する各色のトナーの内、トナー消費量が少なくて強制的に消費させる必要のある色のトナーを検出し、その検出された色のトナーを、第1の転写体に異なる各色のトナーの中から選択した一種類の色のトナーによってパターン画像を形成するときに使用する色のトナーとして選択する第5の選択手段と、第1の転写体に異なる各色のトナーの中から選択した一種類の色のトナーによってパターン画像を形成するときに使用する色のトナーについて、予め決定した種類の色のトナーに固定して選択する第6の選択手段と、第1乃至第6の選択手段のいずれか1つを有効にする手段の機能を果たす。
このようにして、直接転写方式の色と色合わせを行う間接転写方式の色の切り換え条件を、複数の条件の中から任意に選択することができ、使用者の目的に合わせて色の選択方法を切り換えることができる。
【0056】
この実施例の複写機は、間接転写の複数色の色合わせを行い、その後、直接転写との色合わせを行う際に、直接転写との色合わせを行う間接転写の色のトナーとして、特定の条件に基づいて、各色のトナーを偏り無く使用するようにすることにより、一種類のトナーのみを消費しないようにすることができる。
すなわち、直接転写方式の色と間接転写方式の色とを合わせて、色合わせを行う際に、色合わせする色を、間接転写のある色固定にせず、特定の条件によって色を切り換えることにより、色毎の消費に偏りが発生することを防止し、トナーエンドなどで印刷が中断することをなるべく避けることができる。
上述の実施例では、この発明の実施例として複写機に適用した場合について説明したが、この発明はファクシミリ装置,プリンタ,複合機を含む画像形成装置全般に実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0057】
この発明による画像形成装置は、ファクシミリ装置,プリンタ,複写機,複合機を含む画像形成装置全般において適用することができる。
【符号の説明】
【0058】
1:印刷制御部 2:色合わせ制御部 3:直接転写制御部 4:間接転写制御部 5:K画像形成部 6:C画像形成部 7:M画像形成部 8:Y画像形成部 9:残量検出部 10〜14:感光体 15:中間転写ベルト 16,17:2次転写ローラ 18:直接転写ベルト 19,20:パターン検出用センサ 21,24:色ずれ検出用パターン画像 22,23:パターン画像
【先行技術文献】
【特許文献】
【0059】
【特許文献1】特開2005−215459号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の転写体に複数の異なる色のトナーによって第1のパターン画像を形成し、該第1のパターン画像を読み取り、該読み取った第1のパターン画像に基づいて前記第1の転写体に対する各色のトナーの画像の形成位置がずれないように合わせる第1の位置合わせ手段と、
前記第1の転写体に前記異なる各色のトナーの中から選択した一種類の色のトナーによってパターン画像を形成し、第2の転写体に前記各色のトナーと異なる一種類の色のトナーによってパターン画像を形成し、前記第1の転写体に形成したパターン画像に前記第2の転写体に形成したパターン画像を転写して前記第1の転写体上に第2のパターン画像を形成し、該第2のパターン画像を読み取り、該読み取った第2のパターン画像に基づいて前記第1の転写体に対する画像の形成位置に対して前記第2の転写体に対する画像の形成位置がずれないように合わせる第2の位置合わせ手段と、
前記第1の転写体に画像を形成するのに使用する各色のトナーに関する情報に基づいて、前記第1の転写体にパターン画像を形成するときに使用する色のトナーを選択する選択手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第1の転写体に画像を形成するのに使用する各色のトナーの内、予め設定した残量よりも少なくなった状態の色のトナーを検出する検出手段を設け、
前記選択手段は、前記検出手段によって検出された色以外のトナーの中から一種類の色のトナーを、前記第1の転写体に前記異なる各色のトナーの中から選択した一種類の色のトナーによってパターン画像を形成するときに使用する色のトナーとして選択する手段を有することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1の転写体に画像を形成するのに使用する各色のトナーの残量を検出する残量検出手段を設け、
前記選択手段は、前記残量検出手段によって検出された残量が最も多い色のトナーを、前記第1の転写体に前記異なる各色のトナーの中から選択した一種類の色のトナーによってパターン画像を形成するときに使用する色のトナーとして選択する手段を有することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1の転写体に画像を形成するのに使用する各色のトナーの残量を検出する残量検出手段と、
前記第1の転写体に画像を形成するのに使用する各色のトナーの所定期間あたりのトナー消費量を検出する消費量検出手段と、
前記残量検出手段によって検出された残量と前記消費量検出手段によって検出された所定期間あたりのトナー消費量とに基づいてトナーエンドになるまでの予測期間を算出する算出手段とを設け、
前記選択手段は、前記算出手段によって算出されたトナーエンドになるまでの予測期間が最も長い色のトナーを、前記第1の転写体に前記異なる各色のトナーの中から選択した一種類の色のトナーによってパターン画像を形成するときに使用する色のトナーとして選択する手段を有することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記選択手段は、前記第1の転写体に画像を形成するのに使用する各色のトナーについて、前記第1の転写体にパターン画像を形成するときに使用する色のトナーの選択順を予め保持し、前記第1の転写体に前記異なる各色のトナーの中から選択した一種類の色のトナーによってパターン画像を形成する毎に、前記選択順で使用する色のトナーを代えて選択する手段を有することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記選択手段は、前記第1の転写体に画像を形成するのに使用する各色のトナーの内、トナー消費量が少なくて強制的に消費させる必要のある色のトナーを検出し、該検出された色のトナーを、前記第1の転写体に前記異なる各色のトナーの中から選択した一種類の色のトナーによってパターン画像を形成するときに使用する色のトナーとして選択する手段を有することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第1の転写体に前記異なる各色のトナーの中から選択した一種類の色のトナーによってパターン画像を形成するときに使用する色のトナーについて、予め決定した種類の色のトナーに固定して選択する他の選択手段と、前記選択手段と前記他の選択手段のいずれか一方を有効にする手段とを設けたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第1の転写体に画像を形成するのに使用する各色のトナーの内、予め設定した残量よりも少なくなった状態の色のトナーを検出する検出手段と、
前記第1の転写体に画像を形成するのに使用する各色のトナーの残量を検出する残量検出手段と、
前記第1の転写体に画像を形成するのに使用する各色のトナーの所定期間あたりのトナー消費量を検出する消費量検出手段と、
前記残量検出手段によって検出された残量と前記消費量検出手段によって検出された所定期間あたりのトナー消費量とに基づいてトナーエンドになるまでの予測期間を算出する算出手段とを設け、
前記選択手段は、
前記検出手段によって検出された色以外のトナーの中から一種類の色のトナーを、前記第1の転写体に前記異なる各色のトナーの中から選択した一種類の色のトナーによってパターン画像を形成するときに使用する色のトナーとして選択する第1の選択手段と、
前記残量検出手段によって検出された残量が最も少ない色のトナーを、前記第1の転写体に前記異なる各色のトナーの中から選択した一種類の色のトナーによってパターン画像を形成するときに使用する色のトナーとして選択する第2の選択手段と、
前記算出手段によって算出されたトナーエンドになるまでの予測期間が最も長い色のトナーを、前記第1の転写体に前記異なる各色のトナーの中から選択した一種類の色のトナーによってパターン画像を形成するときに使用する色のトナーとして選択する第3の選択手段と、
前記第1の転写体に画像を形成するのに使用する各色のトナーについて、前記第1の転写体にパターン画像を形成するときに使用する色のトナーの選択順を予め保持し、前記第1の転写体に前記異なる各色のトナーの中から選択した一種類の色のトナーによってパターン画像を形成する毎に、前記選択順で使用する色のトナーを代えて選択する第4の選択手段と、
前記第1の転写体に画像を形成するのに使用する各色のトナーの内、トナー消費量が少なくて強制的に消費させる必要のある色のトナーを検出し、該検出された色のトナーを、前記第1の転写体に前記異なる各色のトナーの中から選択した一種類の色のトナーによってパターン画像を形成するときに使用する色のトナーとして選択する第5の選択手段と、
前記第1の転写体に前記異なる各色のトナーの中から選択した一種類の色のトナーによってパターン画像を形成するときに使用する色のトナーについて、予め決定した種類の色のトナーに固定して選択する第6の選択手段と、
前記第1乃至第6の選択手段のいずれか1つを有効にする手段とを有することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−191578(P2011−191578A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−58658(P2010−58658)
【出願日】平成22年3月16日(2010.3.16)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】