画像形成装置
【課題】印字密度によらず、光沢度の高い画像を形成する画像形成装置を提供する。
【解決手段】表面にトナー像を形成する感光体と、感光体に対向する位置に配置され、感光体との間に転写電流を流す1次転写ローラと、感光体と1次転写ローラとに挟まれた位置に配置され、感光体表面に形成されたトナー像が1次転写ローラと感光体との間に流れる電流により転写される中間転写ベルトと、を有し、感光体と1次転写ローラと、をイエロ、マゼンタ、シアン、ブラック、透明の各色のトナーそれぞれに対して有し、透明色のトナーに対する1次転写ローラの電気抵抗値が透明色以外の色のトナーに対する1次転写ローラの電気抵抗値より大きい。
【解決手段】表面にトナー像を形成する感光体と、感光体に対向する位置に配置され、感光体との間に転写電流を流す1次転写ローラと、感光体と1次転写ローラとに挟まれた位置に配置され、感光体表面に形成されたトナー像が1次転写ローラと感光体との間に流れる電流により転写される中間転写ベルトと、を有し、感光体と1次転写ローラと、をイエロ、マゼンタ、シアン、ブラック、透明の各色のトナーそれぞれに対して有し、透明色のトナーに対する1次転写ローラの電気抵抗値が透明色以外の色のトナーに対する1次転写ローラの電気抵抗値より大きい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式により画像形成を行う画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
イエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のトナーを用いた画像形成装置では、通常、この4色のトナーを重ねることにより、いろいろな色を表現している。このため、記録紙上において、画像部分、つまり、トナーが付着した部分の画像の色、光沢度を決めているのは、トナーの光学的特性である。一方、記録紙上において、非画像部分、つまり、トナーが付着していない部分の色、光沢度を決めているのは、記録材である記録紙自体の光学的特性である。このため、画像部分と非画像部分、つまり、トナーが付着した部分とトナーが付着していない部分では、光沢度の差が目立つという課題があった。
【0003】
また、光沢度は、画像表面の凹凸には関係しており、一般的に凹凸が大きいほど光沢度が下がる傾向がある。このため、従来の画像形成装置では光沢度の高い画像の作成は困難であった。このため、これらの課題を解決するために、非画像部分に透明トナーに付着させることにより、非画像部分の光沢度を下げ、非画像部分と画像部分の光沢度の差をなくす方法が提案されている。例えば、特許文献1(特開2000−147863号公報)では、光沢度の高い画像を作成するために、透明トナーを用い、YMCKのトナーによって形成された画像部表面の凹凸から生じる光沢度の不均一性をなくし、光沢度の低下を防ぐ画像形成装置が提案されている。
【0004】
これらの作像方法では、高光沢、均一な光沢を得るために、トナーによる凹凸をなくす。このために、非画像部分には、最大でYMCKの4色すべてのトナーが重ねて作像する部分と同じ高さだけの透明トナーを付着させなくてはならないという課題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電子写真方式による画像形成装置には、像担持体である感光体から記録紙に直接トナー像を重ねていくのではなく、ベルト状の像担持体である中間転写ベルトを使用し、この中間転写ベルト上に、各色それぞれの感光体から1色ずつトナーを転写することによりトナーを重ね、トナー像を作り、その後に、この中間転写ベルト上に作像されたトナー像を記録紙に転写する方式を用いるものがある。つまり、この方式には、感光体から中間転写ベルトにトナー像を転写する1次転写部と、中間転写ベルトから記録紙にトナー像を転写する2次転写部とがある。
【0006】
この中間転写ベルトを使用する方式では、各色の1次転写部は感光体と1次転写ローラとより構成されており、中間転写ベルトはこの感光体と1次転写ローラにより挟まれている。そして、1次転写ローラと感光体との間に転写電流を流すことにより、感光体上に形成されているトナー像を感光体から中間転写ベルトに転写する。このとき、1次転写ローラの長手方向における印字密度が高い場合と低い場合では、最適な転写電流に差が出てくる。
【0007】
1次転写部において、転写電流は、トナーが付着した部分(画像部分)とトナーが付着していない部分(非画像部分)の両方に流れる。このとき、一般的に、トナーが付着した部分の方が、トナーが付着していない部分よりトナーの付着している分だけ電気抵抗が高くなることから、転写電流はトナーが付着していない部分に流れ込みやすい。よって、印字密度が低い場合は、トナーが付着していない部分が多いため、多くの電流が、トナーが付着していない部分に流れ込むことになってしまう。このため、トナーが付着した部分に最適な電流を与えるには1次転写電流を高く設定しなければならなくなる。逆に、印字密度が高い場合は、トナーが付着していない部分が少ないので、トナーが付着していない部分に流れ込む電流は少なくなる。このときは、1次転写電流を低く設定しなければならない。
【0008】
しかし、通常、1次転写部において、印字密度に応じて転写電流を変えることは出来ない。このため、印字密度の高い画像と低い画像の両方に対し、安定して転写を行える転写電流を設定しなければならない。
【0009】
例えば、特許文献1により提案された画像形成装置のように、光沢差のない高光沢な画像を得るためには、透明トナーを転写する1次転写部では、YMCKトナー4色すべてを重ねることで作像されるトナー像と同じ高さになるように透明トナーを付着しなければならない部分がでてくる。つまり、4色分のトナー量を一度に付着させなくてはならない部分が生じる。このとき、トナーが付着した部分とトナーが付着していない部分の電気抵抗の差はトナーの付着量が増えた分だけ大きくなる。よって、トナーが付着していない部分に流れ込む電流は多くなり、その結果、印字密度の高い画像と低い画像の両方に対して、安定して転写を行える転写電流を設定することがより困難になる。
【0010】
しかしながら、特許文献1では、この転写電流の設定については、具体的な説明の記載がない。
【0011】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、印字密度によらず、光沢度の高い画像を形成する画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、本発明における画像形成装置は、表面にトナー像を形成する感光体と、前記感光体に対向する位置に配置され、前記感光体との間に転写電流を流す1次転写ローラと、前記感光体と前記1次転写ローラとに挟まれた位置に配置され、前記感光体表面に形成されたトナー像が前記1次転写ローラと前記感光体との間に流れる電流により転写される中間転写ベルトと、を有し、前記感光体と前記1次転写ローラと、をイエロ、マゼンタ、シアン、ブラック、透明の各色のトナーそれぞれに対して有し、前記透明色のトナーに対する1次転写ローラの電気抵抗値が前記透明色以外の色のトナーに対する1次転写ローラの電気抵抗値より大きいことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明により、印字密度によらず、光沢度の高い画像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体の構成概略図である。
【図2】記録紙上のトナーの様子を説明する図である。
【図3】記録紙上のトナーの様子を説明する図である。
【図4】転写電流の流れる様子を説明する図である。
【図5】転写電流の流れる様子を説明する図である。
【図6】印字密度と転写電流と転写効率の関係を示す図である。
【図7】印字密度と転写電流と電圧の関係を示す図である。
【図8】印字密度と転写電流と電圧の関係を示す図である。
【図9】印字密度の違いによる転写電流を説明するための回路図である。
【図10】本発明の実施形態に係る画像形成装置の第1転写部の構成を示す図である。
【図11】本発明の実施形態に係る画像形成装置の第1転写部の構成を示す図である。
【図12】本発明の実施形態に係る画像形成装置の第1転写部の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、発明を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体の構成概略図である。まず、図1を用いて、画像形成装置の主要部である画像形成部と転写部の構成と動作について説明を行う。画像形成部、及び1次転写部は、帯電器10a〜10e、露光器11a〜11e、現像器12a〜12e、除電器13a〜13e、クリーナー14a〜14e、感光体15a〜15e、1次転写ローラ16a〜16e、ベルト状の像担持体である中間転写ベルト100から構成されている。図1に示すように、帯電器10、露光器11、現像機12、除電器13、クリーナー14、感光体15、1次転写ローラ16は、4色のトナーと透明トナーそれぞれに用意されている。
【0017】
感光体15a〜15eは、図示の方向に回転を行う。また、中間転写ベルト100は、ローラ30、31によって張架され、感光体15a〜15eと接触している。各画像形成部は、中間転写ベルト100と接している点から感光体15の回転方向に対し、感光体15a〜15eの周りに、除電器13a〜13e、クリーナー14a〜14e、帯電器10a〜10e、露光器11a〜11e、現像機12a〜12eの順に配置されている。1次転写ローラ16a〜16eは、感光体15a〜15eと中間転写ベルト100が接している領域の裏側から押し付けて配置する。また、本実施形態では、ベルトを駆動するローラはローラ30であり、このローラ30によって中間転写ベルト100は、矢印の方向に移動を行う。
【0018】
次に、画像形成方法、及び1次転写方法について説明を行う。感光体15は帯電器11により、帯電させられる。その後、スキャナやパーソナルコンピュータ(PC)などからの画像データに基づいて、露光器11から、レーザービームを照射することによって、帯電している感光体15上に静電潜像を生成する。その後、現像機12で帯電したトナーを感光体15上に現像を行う。
【0019】
感光体15上に形成されたトナー像は、1次転写ローラ16に、定電流、又は定電圧により制御された電流、又は電圧による転写電界を印加することによって、中間転写ベルト100上に転写される。中間転写ベルト100上にトナー像を転写した後、感光体15は、感光体15上に残っている余電荷を除電器13によって取り除き、クリーナー14によって感光体15上に残っているトナーを除去し、帯電器10に戻るプロセスを繰り返す。
【0020】
図1の実施形態では、シアン、マゼンタ、イエロ、ブラック、透明トナーの各5色に対し、それぞれ画像形成部を配置し、感光体15aで形成されたトナー像を中間転写ベルト100上に1次転写を行った後、中間転写ベルト100は、感光体15bに移動し、感光体10aで転写したトナー像の上に、感光体15bで形成されたトナー像の転写を行う。以下、順に感光体15c、15d、15eとトナー像を重ねて転写を行う。
【0021】
中間転写ベルト100上に転写されたトナー像は、中間転写ベルト100を保持する2次対向ローラ103と2次転写ローラ102で形成される2次転写部においてレジストローラ22、23によって搬送された転写材である記録紙104に転写される。2次転写部では、2次転写ローラ102に電流を印加して、その転写電流が、2次対向ローラ103に流れこむことにより、中間転写ベルト100上のトナーを記録紙104に転写することができる。
【0022】
本実施形態において、YMCKの4色に対し、それらの上流に透明トナーを配置する。つまり、中間転写ベルト100に、透明トナーが転写された後に、YCMKの4色のトナーが転写される。
【0023】
YMCKの4色のみで画像形成し、印刷を行う場合、図2に示すように画像の色に応じて画像表面の高さが不均一になり光沢差を生じる。また、光沢度も低くなる。そこで、画像品質のより向上のため高光沢、均一な光沢に対するニーズが高まっており、これらのニーズにこたえるために透明トナーを用いる作像方式が提案されている。
【0024】
一般に画像の光沢は画像表面の凹凸状態と相関があり、画像表面の凹凸が大きいほど光沢差が生じ、また、光沢度そのものも低くなる。そのため、図3に示すように透明トナーを画像の色によらず画像表面の高さを一様にするように作像することにより、画像表面の凹凸をなくす。図3に画像表面の高さを一様に作像したときのものを示す。なお、ここでは一般的に実用性の高いYMCの3色を例に挙げている。また、本実施例についてもこのYMCの3色を例に挙げて説明する。この図3に示すようにすることにより、光沢均一性の確保でき、光沢度の高い画像を実現することできる。しかしながら、このとき、図3が示すように、YMC3色を合わせた高さに対応する量の透明トナーを一度に感光体ドラムから中間転写ベルトに転写を行う必要がある。
【0025】
1次転写において印字密度が低い場合は、図4に示すように、抵抗の低いトナーが付着していない部分に多く電流が流れるため、トナーが付着した部分に最適な電流を与えるためには、1次転写電流を多めに流す必要がある。逆に、図5に示すように印字密度が高い領域においては、抵抗の低いトナーが付着していない部分が少ないため、与えられた1次転写電流は、ほぼすべてトナーを転写するために使われる。このため、1次転写電流を多めに流す必要がない。
【0026】
しかしながら、通常、1次転写部において転写電流を印字密度によって可変することはできない。このため、図6のように印字密度の高い領域から低い領域まで安定して転写できる転写電流の値を設定しなければならない。
【0027】
上述のように、有色トナーYMC3色分を合わせた付着量の高さに対応した付着量の透明トナーを一気に1次転写しなければならない場合、トナー層の厚さが単色の場合の3倍になるため、トナーの電気抵抗も3倍になる。このため、印字密度が低い場合にトナー層が付着した部分とトナー層が付着していない部分の電気抵抗の差は、1色を作像するときと比べて大きくなる。よって、トナー層が付着していない部分に流れる電流がさらに多くなり、トナー層に適切な電流を与えるには1次転写電流をさらに多くの電流を流さなければならなくなる。その結果、印字密度の低い場合の適切な1次転写電流と印字密度が高い場合の適切な1次転写電流の共通領域が狭くなる可能性があり、1次転写不良を起こす可能性が大きくなる。そして、印刷画像全体にわたって表面の凹凸のない高光沢、均一光沢を実現することが出来なくなる。
【0028】
そこで、本発明では、透明トナーを感光体から中間転写ベルトに転写を行う1次転写部において、1次転写ローラの電気抵抗を他の有色トナーの1次転写部における1次転写ローラの電気抵抗よりも高くするようにする。このようにすることにより、トナー層がない部分と透明トナーが3色分付着している部分との抵抗差を小さくすることができる。その結果、印字密度の低い部分と印字密度の高い部分の両方を満足する適切な1次転写電流を得ることができるようになる。また、このため、印字密度の違いによる画質不良を防ぐことができるようになる。
【0029】
1次転写部の電流−電圧特性(I−V特性)は、図7に示すように、印字密度によって異なる。上記においても説明したように、印字密度が高い場合は、与えた転写電流のほとんどがトナーを転写することに使われるため、転写に必要な電圧を得るのに必要な電流値は低くなる。逆に、印字密度が低い場合は、トナーが付着していない部分に与えた転写電流の多くが流れ込むため、トナーを転写するのに必要な電圧を得るのに必要な転写電流は高くなる。
【0030】
上記で説明したように、YMC3色と同じ付着量の透明トナーを一気に転写させようとすると、トナーの抵抗値が高くなるため、印字密度が低い場合にトナーが付着していない部分に流れ込む電流が多くなる。このため、結果として、図8に示すように、印字密度の違いによる転写電流の差も大きくなる。
【0031】
図9に印字密度の違いによる転写電流を計算するための回路図を示す。図9の回路図とオームの法則から電圧と電流に下記の関係があることがわかる。
V=I/(1/(R1+R2)+1/R3) (1)
ここで、R1はトナー部分の抵抗値、R2は中間転写ベルトのうちトナーが付着している部分と接する部分の1次転写ローラの抵抗値、R3は中間転写ベルトのうちトナーが付着していない部分と接する部分の1次転写ローラの抵抗値を示している。つまり、1次転写ベルトを二つの部分にわけ、1次転写ベルト全体の抵抗値をRrとすると、Rr=1/(1/R2+1/R3)の関係が成り立つ。R1、R2、R3それぞれを、印字密度が100%であるときのトナーの抵抗値Rt、1次転写ローラの抵抗値Rrを用いて表す下記のようになる。(xは印字密度(%)を表す。)
R1=(100/x)Rt (2)
R2=(100/x)Rr (3)
R3=(100/(100−x))Rr (4)
このR1、R2、R3を式(1)に代入すると下記の式が得られる。
V={100Rr(Rr+Rt)/(100Rr+(100−x)(Rr+Rt))}I (5)
【0032】
式(5)から印字密度100%の時と印字密度x%の時の電流値を求めると下記の式が得られる。
V=(Rr+Rt)I100 (6)
V={100Rr(Rr+Rt)/(100Rr+(100−x)(Rr+Rt))}Ix (7)
ここで、I100、Ixは、それぞれ印字密度100%とx%の時の電流値である。
【0033】
式(6)、(7)から、図7、8のように、同じ電圧値の時、転写電流にどれくらいの差がつくのかを計算をすると下記のようになる。
Ix−I100=((100−x)/100)(Rt/Rr)I100 (8)
【0034】
式(8)から電流値の差がトナー抵抗値Rtと1次転写ローラの抵抗値Rrの比に比例していることがわかる。例えば、1色の付着量を100%としたときに、250%から300%の付着量で透明トナーを作像した場合、トナーの層の厚さは2.5〜3倍になる。このため、トナーの抵抗値Rtは、2.5〜3倍になる。その結果、印字密度の違いによる電流値の差は、2.5倍から3倍まで広がることになる。
【0035】
印字密度によらず、安定して1次転写を行うには印字密度による電流値の差を1色分のトナーを付着させるときと同程度にする必要がある。そこで、1次転写ローラの抵抗値Rrを3倍にすることにする。このようにすることにより、トナーの抵抗値の増加分を打ち消して、1色のときと同程度の電流値の差にすることできる。その結果、印字密度の低い部分と印字密度の高い部分の両方を満足する適切な1次転写電流を得ることができるようになる。また、このため、印字密度の違いによる画質不良を防ぐことができるようになる。
【0036】
上記から、トナーの抵抗値が増加した分を打ち消すように、1次転写ローラの抵抗値を増加すればよいことがわかる。1次転写ローラの抵抗値は下記の式で表される。
Rr=(dr/(lr・mr))ρr (9)
ここで、dr、lr、mr、ρrは、それぞれ、1次転写ローラの厚さ、1次転写ローラの長手方向の長さ、1次転写ローラと感光体ドラムで形成されるニップ幅、1次転写ローラの体積抵抗率を表す。
【0037】
式(9)から、ニップ幅mrを1色分のトナーを付着させるときの場合の1/3倍にすれば、Rrが3倍になることがわかる。そこで、トナーの抵抗値の増加分である約3倍を打ち消すために、ニップ幅mrを単色の場合の1/3倍にする。この変更は、ニップ幅の変更だけであるため、ローラの材質、ローラの形状の変更を行わないで済み、容易である。このようにすることにより、印字密度の低い部分と印字密度の高い部分の両方を満足する適切な1次転写電流を得ることができるようになる。また、このため、印字密度の違いによる画質不良を防ぐことができるようになる。
【0038】
また、式(9)から、1次転写ローラのローラ径drを1色分のトナーを付着させるときの場合の3倍にすれば、Rrが3倍になることがわかる。そこで、トナーの抵抗値の増加分である約3倍を打ち消すために、1次転写ローラのローラ径drを単色の場合の3倍にする。この変更は、ローラ径の変更だけであるため、ローラの材質の変更を行わないで済み、容易である。このようにすることにより、印字密度の低い部分と印字密度の高い部分の両方を満足する適切な1次転写電流を得ることができるようになる。また、このため、印字密度の違いによる画質不良を防ぐことができるようになる。
【0039】
また、式(9)から、1次転写ローラの体積抵抗率ρrを1色分のトナーを付着させるときの場合の3倍にすれば、Rrが3倍になることがわかる。そこで、トナーの抵抗値の増加分である約3倍を打ち消すために、1次転写ローラの体積抵抗率ρrを単色の場合の3倍にする。この変更は、ローラの材質を変更するが、ローラの形状、及び1次転写部の構成は変更しなくて済むため、容易である。このようにすることにより、印字密度の低い部分と印字密度の高い部分の両方を満足する適切な1次転写電流を得ることができるようになる。また、このため、印字密度の違いによる画質不良を防ぐことができるようになる。
【0040】
なお、その他の例について説明する。例えば、透明トナーを使用法として、上述した高光沢、均一光沢を目的とした使用法のほかに、透明トナーを用いた透かしのような使い方をすることもある。透かしのような使い方を行う場合、透明トナーを3色分も作像する必要はなく、他の色と同じ付着量を作像すれば良い。そのため、1次転写ローラの抵抗値を高くする必要が無い。そこで、図10に示すように、透明トナーを感光体から中間転写ベルトに転写を行う1次転写ローラのシャフト部分に偏芯のカム40をつけ、この偏芯カム40を回転することにより、ニップ幅の変更することを可能にする。そして、この偏芯カム40を回転することにより、高光沢の画像を形成する時は、1次転写のニップ幅を他の色におけるニップ幅の1/3倍にし、透明トナーを用いて透かしの画像を作成するときは、ニップ幅を他の色と同じなるようにニップ幅を切り替えられるようにことにする。このようにすることにより、使用目的が変更したときにも、適切な1次転写電流を得ることができるようになる。また、このため、安定した画像を形成することが可能になる。なお、ここでは、ニップ幅の変更を行うのに偏芯カム40を使用したが、これに限定せず、その他の偏芯部材を使用してもよい。
【0041】
その他の例について説明する。例えば、透明トナーの転写部において、透明トナーの現像装置の代わりに、特色トナー、又は磁気トナーの現像装置を差し替えできるような構成で画像形成を行うような使い方ができる画像形成装置もある。また、特色トナーとは、特殊な色のトナーであり、コーポレートカラーのトナーのようなものである。なお、コーポレートカラーとは、例えば、企業のロゴを印字するときに使用されている色のことをいう。このような画像形成装置においても、特色、又は磁気トナーを用いた画像形成を行う場合は、透明トナーを3色分も作像する必要はなく、他の色と同じ付着量を作像すれば良い。そのため、1次転写ローラの抵抗値を高くする必要が無い。そこで、このような画像形成装置においても、図10のように透明トナーを感光体から中間転写ベルトに転写を行う1次転写ローラのシャフト部分に偏芯のカム40をつけ、この偏芯カム40を回転することにより、ニップ幅の変更することを可能にする。そして、この偏芯カム40を回転することにより、高光沢の画像を形成する時は、1次転写のニップ幅を他の色におけるニップ幅の1/3倍にして、特色又は磁気トナーを使用する時は、ニップ幅を他の色と同じにするようにニップ幅を切り替えられるようにする。このような構成にすることにより、使用目的が変更したときにも、適切な1次転写電流を得ることができるようになる。また、このため、安定した画像を形成することが可能になる。
【0042】
その他の例について説明する。例えば、また、透明トナーを用いた透かしのような使い方をすることができる画像形成装置において、図11に示すように、透明トナーを感光体から中間転写ベルトに転写を行う1次転写ローラを、ローラ径を他の色における1次転写ローラのローラ径の3倍にした1次転写ローラ41と他の色と同じローラ径の1次転写ローラ16aの2本のローラを切り替えられるようにしておき、高光沢の画像を形成する時は、1次転写ローラのローラ径が他の色における1次転写ローラのローラ径の3倍の1次転写ローラを使用し、透明トナーを用いて透かしの画像を作成するときは、他の色と同じローラ径の1次転写ローラを使用することにする。このようにすることにより、使用目的が変更したときにも、適切な1次転写電流を得ることができるようになる。また、このため、安定した画像を形成することが可能になる。
【0043】
その他の例について説明する。例えば、透明トナーの転写部において、透明トナーの現像装置の代わりに、特色トナー、又は磁気トナーの現像装置を差し替えできるような構成で画像形成を行うような使い方ができる画像形成装置もある。このような画像形成装置において、図11に示すように、透明トナーを感光体から中間転写ベルトに転写を行う1次転写ローラのローラ径を他の色における1次転写ローラのローラ径の3倍にした1次転写ローラ41と他の色と同じローラ径の1次転写ローラ16aの2本のローラを切り替えられるようにしておき、高光沢の画像を形成する時は、1次転写ローラのローラ径が他の色における1次転写ローラのローラ径の3倍の1次転写ローラを使用し、特色又は磁気トナーを使用する時は、他の色と同じローラ径の1次転写ローラを使用することにする。このようにすることにより、使用目的が変更したときにも、適切な1次転写電流を得ることができるようになる。また、このため、安定した画像を形成することが可能になる。
【0044】
また、透明トナーを用いた透かしのような使い方をすることができる画像形成装置において、図12に示すように、透明トナーを感光体から中間転写ベルトに転写を行う1次転写ローラの体積抵抗率を他に色における1次転写ベルトの体積抵抗率の3倍にした1次転写ローラ42と他の色と同じ体積抵抗率の1次転写ローラ16aの2本のローラを切り替えられるようにしておき、高光沢の画像を形成する時は、1次転写ローラの体積抵抗率が他の色における1次転写ローラの体積抵抗率の3倍の1次転写ローラを使用し、透明トナーを用いて透かしの画像を作成するときは、他の色と同じ体積抵抗率の1次転写ローラを使用することにする。このようにすることにより、使用目的が変更したときにも、適切な1次転写電流を得ることができるようになる。また、このため、安定した画像を形成することが可能になる。
【0045】
また、例えば、透明トナーの転写部において、透明トナーの現像装置の代わりに、特色トナー、又は磁気トナーの現像装置を差し替えできるような構成で画像形成を行うような使い方ができる画像形成装置において、図12に示すように、透明トナーを感光体から中間転写ベルトに転写を行う1次転写ローラの体積抵抗率を他の色における1次転写ローラの体積抵抗率の3倍にした1次転写ローラ42と他の色と同じ体積抵抗率の1次転写ローラ16aの2本のローラを切り替えられるようにしておき、高光沢の画像を形成する時は、1次転写ローラの体積抵抗率が他の色における1次転写ローラの3倍の1次転写ローラを使用し、特色又は磁気トナーを使用する時は、他の色と同じ体積抵抗率の1次転写ローラを使用することにする。このようにすることにより、使用目的が変更したときにも、適切な1次転写電流を得ることができるようになる。また、このため、安定した画像を形成することが可能になる。
【0046】
以上、本発明の好適な実施の形態により本発明を説明した。ここでは特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範囲な趣旨および範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正および変更が可能である。
【0047】
また、本発明における画像形成装置は、前記透明色のトナーに対する1次転写ローラの電気抵抗率は、前記透明色以外の色のトナーに対する1次転写ローラの電気抵抗率の3倍であるようにしても良い。なお、「電気抵抗率の3倍」としたのは、本実施例ではYMCの3色を例に挙げて説明したためであり、例えば、S色(Sは正の整数)ならば「電気抵抗率のS倍」となる。
【0048】
また、本発明における画像形成装置は、前記透明色のトナーに対する感光体と1次転写ローラのニップ幅は、前記透明色以外の色トナーに対する感光体と1次転写ローラのニップ幅の1/3倍であるようにしても良い。なお、「ニップ幅の1/3倍」としたのは、本実施例ではYMCの3色を例に挙げて説明したためであり、例えば、S色(Sは正の整数)ならば「ニップ幅の1/S倍」となる。
【0049】
また、本発明における画像形成装置は、前記透明色のトナーに対する1次転写ローラのローラ径は、前記透明色以外の色トナーに対する1次転写ローラのローラ径の3倍であるようにしても良い。なお、「ローラ径の3倍」としたのは、本実施例ではYMCの3色を例に挙げて説明したためであり、例えば、S色(Sは正の整数)ならば「ローラ径のS倍」となる。
【0050】
また、本発明における画像形成装置は、前記透明色のトナーに対する1次転写ローラの体積抵抗率は、前記透明色以外の色トナーに対する1次転写ローラの体積抵抗率の3倍であるようにしても良い。なお、「体積抵抗率の3倍」としたのは、本実施例ではYMCの3色を例に挙げて説明したためであり、例えば、S色(Sは正の整数)ならば「体積抵抗率のS倍」となる。
【0051】
また、本発明における画像形成装置は、前記透明色に対する感光体と1次転写ローラによるニップ幅を第1のニップ幅と第2のニップ幅とに可変する偏芯部材を有し、前記第1のニップ幅は、前記透明色以外の色のトナーに対する感光体と1次転写ローラによるニップ幅と同じ値であり、前記第2のニップ幅は、前記透明色以外の色のトナーに対する感光体と1次転写ローラによるニップ幅の1/3倍の値であるようにしても良い。なお、「ニップ幅の1/3倍」としたのは、本実施例ではYMCの3色を例に挙げて説明したためであり、例えば、S色(Sは正の整数)ならば「ニップ幅の1/S倍」となる。
【0052】
また、本発明における画像形成装置は、前記透明色に対する1次転写ローラには、第1の1次転写ローラと第2の1次転写ローラの2つの1次転写ローラがあり、前記第1の1次転写ローラのローラ径は、前記透明色以外の色のトナーに対する1次転写ローラのローラ径と同じ値であり、前記第2の1次転写ローラのローラ径は、前記透明色以外の色のトナーに対する1次転写ローラのローラ径の3倍の値であり、前記第1の1次転写ローラと前記第2の1次転写ローラとを切り替える機構を有するようにしても良い。なお、「ローラ径の3倍」としたのは、本実施例ではYMCの3色を例に挙げて説明したためであり、例えば、S色(Sは正の整数)ならば「ローラ径のS倍」となる。
【0053】
また、本発明における画像形成装置は、前記透明色に対する1次転写ローラには、第1の1次転写ローラと第2の1次転写ローラの2つの1次転写ローラがあり、前記第1の1次転写ローラのローラ径は、前記透明色以外の色のトナーに対する1次転写ローラのローラ径と同じ値であり、前記第2の1次転写ローラのローラ径は、前記透明色以外の色のトナーに対する1次転写ローラのローラ径の3倍の値であり、前記第1の1次転写ローラと前記第2の1次転写ローラとを切り替える機構を有するようにしても良い。なお、「ローラ径の3倍」としたのは、本実施例ではYMCの3色を例に挙げて説明したためであり、例えば、S色(Sは正の整数)ならば「ローラ径のS倍」となる。
【0054】
また、本発明における画像形成装置は、透明トナーの現像装置の代わりに、特色トナー、又は磁気トナーの現像装置を差し替えできるような構成である。
【符号の説明】
【0055】
15a、b、c、d、e 感光体
16a、b、c、d、e 1次転写ローラ
40 偏芯カム(偏芯部材)
41 1次転写ローラ
42 1次転写ローラ
100 中間転写ベルト
【先行技術文献】
【特許文献】
【0056】
【特許文献1】特開2000−147863号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式により画像形成を行う画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
イエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のトナーを用いた画像形成装置では、通常、この4色のトナーを重ねることにより、いろいろな色を表現している。このため、記録紙上において、画像部分、つまり、トナーが付着した部分の画像の色、光沢度を決めているのは、トナーの光学的特性である。一方、記録紙上において、非画像部分、つまり、トナーが付着していない部分の色、光沢度を決めているのは、記録材である記録紙自体の光学的特性である。このため、画像部分と非画像部分、つまり、トナーが付着した部分とトナーが付着していない部分では、光沢度の差が目立つという課題があった。
【0003】
また、光沢度は、画像表面の凹凸には関係しており、一般的に凹凸が大きいほど光沢度が下がる傾向がある。このため、従来の画像形成装置では光沢度の高い画像の作成は困難であった。このため、これらの課題を解決するために、非画像部分に透明トナーに付着させることにより、非画像部分の光沢度を下げ、非画像部分と画像部分の光沢度の差をなくす方法が提案されている。例えば、特許文献1(特開2000−147863号公報)では、光沢度の高い画像を作成するために、透明トナーを用い、YMCKのトナーによって形成された画像部表面の凹凸から生じる光沢度の不均一性をなくし、光沢度の低下を防ぐ画像形成装置が提案されている。
【0004】
これらの作像方法では、高光沢、均一な光沢を得るために、トナーによる凹凸をなくす。このために、非画像部分には、最大でYMCKの4色すべてのトナーが重ねて作像する部分と同じ高さだけの透明トナーを付着させなくてはならないという課題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電子写真方式による画像形成装置には、像担持体である感光体から記録紙に直接トナー像を重ねていくのではなく、ベルト状の像担持体である中間転写ベルトを使用し、この中間転写ベルト上に、各色それぞれの感光体から1色ずつトナーを転写することによりトナーを重ね、トナー像を作り、その後に、この中間転写ベルト上に作像されたトナー像を記録紙に転写する方式を用いるものがある。つまり、この方式には、感光体から中間転写ベルトにトナー像を転写する1次転写部と、中間転写ベルトから記録紙にトナー像を転写する2次転写部とがある。
【0006】
この中間転写ベルトを使用する方式では、各色の1次転写部は感光体と1次転写ローラとより構成されており、中間転写ベルトはこの感光体と1次転写ローラにより挟まれている。そして、1次転写ローラと感光体との間に転写電流を流すことにより、感光体上に形成されているトナー像を感光体から中間転写ベルトに転写する。このとき、1次転写ローラの長手方向における印字密度が高い場合と低い場合では、最適な転写電流に差が出てくる。
【0007】
1次転写部において、転写電流は、トナーが付着した部分(画像部分)とトナーが付着していない部分(非画像部分)の両方に流れる。このとき、一般的に、トナーが付着した部分の方が、トナーが付着していない部分よりトナーの付着している分だけ電気抵抗が高くなることから、転写電流はトナーが付着していない部分に流れ込みやすい。よって、印字密度が低い場合は、トナーが付着していない部分が多いため、多くの電流が、トナーが付着していない部分に流れ込むことになってしまう。このため、トナーが付着した部分に最適な電流を与えるには1次転写電流を高く設定しなければならなくなる。逆に、印字密度が高い場合は、トナーが付着していない部分が少ないので、トナーが付着していない部分に流れ込む電流は少なくなる。このときは、1次転写電流を低く設定しなければならない。
【0008】
しかし、通常、1次転写部において、印字密度に応じて転写電流を変えることは出来ない。このため、印字密度の高い画像と低い画像の両方に対し、安定して転写を行える転写電流を設定しなければならない。
【0009】
例えば、特許文献1により提案された画像形成装置のように、光沢差のない高光沢な画像を得るためには、透明トナーを転写する1次転写部では、YMCKトナー4色すべてを重ねることで作像されるトナー像と同じ高さになるように透明トナーを付着しなければならない部分がでてくる。つまり、4色分のトナー量を一度に付着させなくてはならない部分が生じる。このとき、トナーが付着した部分とトナーが付着していない部分の電気抵抗の差はトナーの付着量が増えた分だけ大きくなる。よって、トナーが付着していない部分に流れ込む電流は多くなり、その結果、印字密度の高い画像と低い画像の両方に対して、安定して転写を行える転写電流を設定することがより困難になる。
【0010】
しかしながら、特許文献1では、この転写電流の設定については、具体的な説明の記載がない。
【0011】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、印字密度によらず、光沢度の高い画像を形成する画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、本発明における画像形成装置は、表面にトナー像を形成する感光体と、前記感光体に対向する位置に配置され、前記感光体との間に転写電流を流す1次転写ローラと、前記感光体と前記1次転写ローラとに挟まれた位置に配置され、前記感光体表面に形成されたトナー像が前記1次転写ローラと前記感光体との間に流れる電流により転写される中間転写ベルトと、を有し、前記感光体と前記1次転写ローラと、をイエロ、マゼンタ、シアン、ブラック、透明の各色のトナーそれぞれに対して有し、前記透明色のトナーに対する1次転写ローラの電気抵抗値が前記透明色以外の色のトナーに対する1次転写ローラの電気抵抗値より大きいことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明により、印字密度によらず、光沢度の高い画像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体の構成概略図である。
【図2】記録紙上のトナーの様子を説明する図である。
【図3】記録紙上のトナーの様子を説明する図である。
【図4】転写電流の流れる様子を説明する図である。
【図5】転写電流の流れる様子を説明する図である。
【図6】印字密度と転写電流と転写効率の関係を示す図である。
【図7】印字密度と転写電流と電圧の関係を示す図である。
【図8】印字密度と転写電流と電圧の関係を示す図である。
【図9】印字密度の違いによる転写電流を説明するための回路図である。
【図10】本発明の実施形態に係る画像形成装置の第1転写部の構成を示す図である。
【図11】本発明の実施形態に係る画像形成装置の第1転写部の構成を示す図である。
【図12】本発明の実施形態に係る画像形成装置の第1転写部の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、発明を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体の構成概略図である。まず、図1を用いて、画像形成装置の主要部である画像形成部と転写部の構成と動作について説明を行う。画像形成部、及び1次転写部は、帯電器10a〜10e、露光器11a〜11e、現像器12a〜12e、除電器13a〜13e、クリーナー14a〜14e、感光体15a〜15e、1次転写ローラ16a〜16e、ベルト状の像担持体である中間転写ベルト100から構成されている。図1に示すように、帯電器10、露光器11、現像機12、除電器13、クリーナー14、感光体15、1次転写ローラ16は、4色のトナーと透明トナーそれぞれに用意されている。
【0017】
感光体15a〜15eは、図示の方向に回転を行う。また、中間転写ベルト100は、ローラ30、31によって張架され、感光体15a〜15eと接触している。各画像形成部は、中間転写ベルト100と接している点から感光体15の回転方向に対し、感光体15a〜15eの周りに、除電器13a〜13e、クリーナー14a〜14e、帯電器10a〜10e、露光器11a〜11e、現像機12a〜12eの順に配置されている。1次転写ローラ16a〜16eは、感光体15a〜15eと中間転写ベルト100が接している領域の裏側から押し付けて配置する。また、本実施形態では、ベルトを駆動するローラはローラ30であり、このローラ30によって中間転写ベルト100は、矢印の方向に移動を行う。
【0018】
次に、画像形成方法、及び1次転写方法について説明を行う。感光体15は帯電器11により、帯電させられる。その後、スキャナやパーソナルコンピュータ(PC)などからの画像データに基づいて、露光器11から、レーザービームを照射することによって、帯電している感光体15上に静電潜像を生成する。その後、現像機12で帯電したトナーを感光体15上に現像を行う。
【0019】
感光体15上に形成されたトナー像は、1次転写ローラ16に、定電流、又は定電圧により制御された電流、又は電圧による転写電界を印加することによって、中間転写ベルト100上に転写される。中間転写ベルト100上にトナー像を転写した後、感光体15は、感光体15上に残っている余電荷を除電器13によって取り除き、クリーナー14によって感光体15上に残っているトナーを除去し、帯電器10に戻るプロセスを繰り返す。
【0020】
図1の実施形態では、シアン、マゼンタ、イエロ、ブラック、透明トナーの各5色に対し、それぞれ画像形成部を配置し、感光体15aで形成されたトナー像を中間転写ベルト100上に1次転写を行った後、中間転写ベルト100は、感光体15bに移動し、感光体10aで転写したトナー像の上に、感光体15bで形成されたトナー像の転写を行う。以下、順に感光体15c、15d、15eとトナー像を重ねて転写を行う。
【0021】
中間転写ベルト100上に転写されたトナー像は、中間転写ベルト100を保持する2次対向ローラ103と2次転写ローラ102で形成される2次転写部においてレジストローラ22、23によって搬送された転写材である記録紙104に転写される。2次転写部では、2次転写ローラ102に電流を印加して、その転写電流が、2次対向ローラ103に流れこむことにより、中間転写ベルト100上のトナーを記録紙104に転写することができる。
【0022】
本実施形態において、YMCKの4色に対し、それらの上流に透明トナーを配置する。つまり、中間転写ベルト100に、透明トナーが転写された後に、YCMKの4色のトナーが転写される。
【0023】
YMCKの4色のみで画像形成し、印刷を行う場合、図2に示すように画像の色に応じて画像表面の高さが不均一になり光沢差を生じる。また、光沢度も低くなる。そこで、画像品質のより向上のため高光沢、均一な光沢に対するニーズが高まっており、これらのニーズにこたえるために透明トナーを用いる作像方式が提案されている。
【0024】
一般に画像の光沢は画像表面の凹凸状態と相関があり、画像表面の凹凸が大きいほど光沢差が生じ、また、光沢度そのものも低くなる。そのため、図3に示すように透明トナーを画像の色によらず画像表面の高さを一様にするように作像することにより、画像表面の凹凸をなくす。図3に画像表面の高さを一様に作像したときのものを示す。なお、ここでは一般的に実用性の高いYMCの3色を例に挙げている。また、本実施例についてもこのYMCの3色を例に挙げて説明する。この図3に示すようにすることにより、光沢均一性の確保でき、光沢度の高い画像を実現することできる。しかしながら、このとき、図3が示すように、YMC3色を合わせた高さに対応する量の透明トナーを一度に感光体ドラムから中間転写ベルトに転写を行う必要がある。
【0025】
1次転写において印字密度が低い場合は、図4に示すように、抵抗の低いトナーが付着していない部分に多く電流が流れるため、トナーが付着した部分に最適な電流を与えるためには、1次転写電流を多めに流す必要がある。逆に、図5に示すように印字密度が高い領域においては、抵抗の低いトナーが付着していない部分が少ないため、与えられた1次転写電流は、ほぼすべてトナーを転写するために使われる。このため、1次転写電流を多めに流す必要がない。
【0026】
しかしながら、通常、1次転写部において転写電流を印字密度によって可変することはできない。このため、図6のように印字密度の高い領域から低い領域まで安定して転写できる転写電流の値を設定しなければならない。
【0027】
上述のように、有色トナーYMC3色分を合わせた付着量の高さに対応した付着量の透明トナーを一気に1次転写しなければならない場合、トナー層の厚さが単色の場合の3倍になるため、トナーの電気抵抗も3倍になる。このため、印字密度が低い場合にトナー層が付着した部分とトナー層が付着していない部分の電気抵抗の差は、1色を作像するときと比べて大きくなる。よって、トナー層が付着していない部分に流れる電流がさらに多くなり、トナー層に適切な電流を与えるには1次転写電流をさらに多くの電流を流さなければならなくなる。その結果、印字密度の低い場合の適切な1次転写電流と印字密度が高い場合の適切な1次転写電流の共通領域が狭くなる可能性があり、1次転写不良を起こす可能性が大きくなる。そして、印刷画像全体にわたって表面の凹凸のない高光沢、均一光沢を実現することが出来なくなる。
【0028】
そこで、本発明では、透明トナーを感光体から中間転写ベルトに転写を行う1次転写部において、1次転写ローラの電気抵抗を他の有色トナーの1次転写部における1次転写ローラの電気抵抗よりも高くするようにする。このようにすることにより、トナー層がない部分と透明トナーが3色分付着している部分との抵抗差を小さくすることができる。その結果、印字密度の低い部分と印字密度の高い部分の両方を満足する適切な1次転写電流を得ることができるようになる。また、このため、印字密度の違いによる画質不良を防ぐことができるようになる。
【0029】
1次転写部の電流−電圧特性(I−V特性)は、図7に示すように、印字密度によって異なる。上記においても説明したように、印字密度が高い場合は、与えた転写電流のほとんどがトナーを転写することに使われるため、転写に必要な電圧を得るのに必要な電流値は低くなる。逆に、印字密度が低い場合は、トナーが付着していない部分に与えた転写電流の多くが流れ込むため、トナーを転写するのに必要な電圧を得るのに必要な転写電流は高くなる。
【0030】
上記で説明したように、YMC3色と同じ付着量の透明トナーを一気に転写させようとすると、トナーの抵抗値が高くなるため、印字密度が低い場合にトナーが付着していない部分に流れ込む電流が多くなる。このため、結果として、図8に示すように、印字密度の違いによる転写電流の差も大きくなる。
【0031】
図9に印字密度の違いによる転写電流を計算するための回路図を示す。図9の回路図とオームの法則から電圧と電流に下記の関係があることがわかる。
V=I/(1/(R1+R2)+1/R3) (1)
ここで、R1はトナー部分の抵抗値、R2は中間転写ベルトのうちトナーが付着している部分と接する部分の1次転写ローラの抵抗値、R3は中間転写ベルトのうちトナーが付着していない部分と接する部分の1次転写ローラの抵抗値を示している。つまり、1次転写ベルトを二つの部分にわけ、1次転写ベルト全体の抵抗値をRrとすると、Rr=1/(1/R2+1/R3)の関係が成り立つ。R1、R2、R3それぞれを、印字密度が100%であるときのトナーの抵抗値Rt、1次転写ローラの抵抗値Rrを用いて表す下記のようになる。(xは印字密度(%)を表す。)
R1=(100/x)Rt (2)
R2=(100/x)Rr (3)
R3=(100/(100−x))Rr (4)
このR1、R2、R3を式(1)に代入すると下記の式が得られる。
V={100Rr(Rr+Rt)/(100Rr+(100−x)(Rr+Rt))}I (5)
【0032】
式(5)から印字密度100%の時と印字密度x%の時の電流値を求めると下記の式が得られる。
V=(Rr+Rt)I100 (6)
V={100Rr(Rr+Rt)/(100Rr+(100−x)(Rr+Rt))}Ix (7)
ここで、I100、Ixは、それぞれ印字密度100%とx%の時の電流値である。
【0033】
式(6)、(7)から、図7、8のように、同じ電圧値の時、転写電流にどれくらいの差がつくのかを計算をすると下記のようになる。
Ix−I100=((100−x)/100)(Rt/Rr)I100 (8)
【0034】
式(8)から電流値の差がトナー抵抗値Rtと1次転写ローラの抵抗値Rrの比に比例していることがわかる。例えば、1色の付着量を100%としたときに、250%から300%の付着量で透明トナーを作像した場合、トナーの層の厚さは2.5〜3倍になる。このため、トナーの抵抗値Rtは、2.5〜3倍になる。その結果、印字密度の違いによる電流値の差は、2.5倍から3倍まで広がることになる。
【0035】
印字密度によらず、安定して1次転写を行うには印字密度による電流値の差を1色分のトナーを付着させるときと同程度にする必要がある。そこで、1次転写ローラの抵抗値Rrを3倍にすることにする。このようにすることにより、トナーの抵抗値の増加分を打ち消して、1色のときと同程度の電流値の差にすることできる。その結果、印字密度の低い部分と印字密度の高い部分の両方を満足する適切な1次転写電流を得ることができるようになる。また、このため、印字密度の違いによる画質不良を防ぐことができるようになる。
【0036】
上記から、トナーの抵抗値が増加した分を打ち消すように、1次転写ローラの抵抗値を増加すればよいことがわかる。1次転写ローラの抵抗値は下記の式で表される。
Rr=(dr/(lr・mr))ρr (9)
ここで、dr、lr、mr、ρrは、それぞれ、1次転写ローラの厚さ、1次転写ローラの長手方向の長さ、1次転写ローラと感光体ドラムで形成されるニップ幅、1次転写ローラの体積抵抗率を表す。
【0037】
式(9)から、ニップ幅mrを1色分のトナーを付着させるときの場合の1/3倍にすれば、Rrが3倍になることがわかる。そこで、トナーの抵抗値の増加分である約3倍を打ち消すために、ニップ幅mrを単色の場合の1/3倍にする。この変更は、ニップ幅の変更だけであるため、ローラの材質、ローラの形状の変更を行わないで済み、容易である。このようにすることにより、印字密度の低い部分と印字密度の高い部分の両方を満足する適切な1次転写電流を得ることができるようになる。また、このため、印字密度の違いによる画質不良を防ぐことができるようになる。
【0038】
また、式(9)から、1次転写ローラのローラ径drを1色分のトナーを付着させるときの場合の3倍にすれば、Rrが3倍になることがわかる。そこで、トナーの抵抗値の増加分である約3倍を打ち消すために、1次転写ローラのローラ径drを単色の場合の3倍にする。この変更は、ローラ径の変更だけであるため、ローラの材質の変更を行わないで済み、容易である。このようにすることにより、印字密度の低い部分と印字密度の高い部分の両方を満足する適切な1次転写電流を得ることができるようになる。また、このため、印字密度の違いによる画質不良を防ぐことができるようになる。
【0039】
また、式(9)から、1次転写ローラの体積抵抗率ρrを1色分のトナーを付着させるときの場合の3倍にすれば、Rrが3倍になることがわかる。そこで、トナーの抵抗値の増加分である約3倍を打ち消すために、1次転写ローラの体積抵抗率ρrを単色の場合の3倍にする。この変更は、ローラの材質を変更するが、ローラの形状、及び1次転写部の構成は変更しなくて済むため、容易である。このようにすることにより、印字密度の低い部分と印字密度の高い部分の両方を満足する適切な1次転写電流を得ることができるようになる。また、このため、印字密度の違いによる画質不良を防ぐことができるようになる。
【0040】
なお、その他の例について説明する。例えば、透明トナーを使用法として、上述した高光沢、均一光沢を目的とした使用法のほかに、透明トナーを用いた透かしのような使い方をすることもある。透かしのような使い方を行う場合、透明トナーを3色分も作像する必要はなく、他の色と同じ付着量を作像すれば良い。そのため、1次転写ローラの抵抗値を高くする必要が無い。そこで、図10に示すように、透明トナーを感光体から中間転写ベルトに転写を行う1次転写ローラのシャフト部分に偏芯のカム40をつけ、この偏芯カム40を回転することにより、ニップ幅の変更することを可能にする。そして、この偏芯カム40を回転することにより、高光沢の画像を形成する時は、1次転写のニップ幅を他の色におけるニップ幅の1/3倍にし、透明トナーを用いて透かしの画像を作成するときは、ニップ幅を他の色と同じなるようにニップ幅を切り替えられるようにことにする。このようにすることにより、使用目的が変更したときにも、適切な1次転写電流を得ることができるようになる。また、このため、安定した画像を形成することが可能になる。なお、ここでは、ニップ幅の変更を行うのに偏芯カム40を使用したが、これに限定せず、その他の偏芯部材を使用してもよい。
【0041】
その他の例について説明する。例えば、透明トナーの転写部において、透明トナーの現像装置の代わりに、特色トナー、又は磁気トナーの現像装置を差し替えできるような構成で画像形成を行うような使い方ができる画像形成装置もある。また、特色トナーとは、特殊な色のトナーであり、コーポレートカラーのトナーのようなものである。なお、コーポレートカラーとは、例えば、企業のロゴを印字するときに使用されている色のことをいう。このような画像形成装置においても、特色、又は磁気トナーを用いた画像形成を行う場合は、透明トナーを3色分も作像する必要はなく、他の色と同じ付着量を作像すれば良い。そのため、1次転写ローラの抵抗値を高くする必要が無い。そこで、このような画像形成装置においても、図10のように透明トナーを感光体から中間転写ベルトに転写を行う1次転写ローラのシャフト部分に偏芯のカム40をつけ、この偏芯カム40を回転することにより、ニップ幅の変更することを可能にする。そして、この偏芯カム40を回転することにより、高光沢の画像を形成する時は、1次転写のニップ幅を他の色におけるニップ幅の1/3倍にして、特色又は磁気トナーを使用する時は、ニップ幅を他の色と同じにするようにニップ幅を切り替えられるようにする。このような構成にすることにより、使用目的が変更したときにも、適切な1次転写電流を得ることができるようになる。また、このため、安定した画像を形成することが可能になる。
【0042】
その他の例について説明する。例えば、また、透明トナーを用いた透かしのような使い方をすることができる画像形成装置において、図11に示すように、透明トナーを感光体から中間転写ベルトに転写を行う1次転写ローラを、ローラ径を他の色における1次転写ローラのローラ径の3倍にした1次転写ローラ41と他の色と同じローラ径の1次転写ローラ16aの2本のローラを切り替えられるようにしておき、高光沢の画像を形成する時は、1次転写ローラのローラ径が他の色における1次転写ローラのローラ径の3倍の1次転写ローラを使用し、透明トナーを用いて透かしの画像を作成するときは、他の色と同じローラ径の1次転写ローラを使用することにする。このようにすることにより、使用目的が変更したときにも、適切な1次転写電流を得ることができるようになる。また、このため、安定した画像を形成することが可能になる。
【0043】
その他の例について説明する。例えば、透明トナーの転写部において、透明トナーの現像装置の代わりに、特色トナー、又は磁気トナーの現像装置を差し替えできるような構成で画像形成を行うような使い方ができる画像形成装置もある。このような画像形成装置において、図11に示すように、透明トナーを感光体から中間転写ベルトに転写を行う1次転写ローラのローラ径を他の色における1次転写ローラのローラ径の3倍にした1次転写ローラ41と他の色と同じローラ径の1次転写ローラ16aの2本のローラを切り替えられるようにしておき、高光沢の画像を形成する時は、1次転写ローラのローラ径が他の色における1次転写ローラのローラ径の3倍の1次転写ローラを使用し、特色又は磁気トナーを使用する時は、他の色と同じローラ径の1次転写ローラを使用することにする。このようにすることにより、使用目的が変更したときにも、適切な1次転写電流を得ることができるようになる。また、このため、安定した画像を形成することが可能になる。
【0044】
また、透明トナーを用いた透かしのような使い方をすることができる画像形成装置において、図12に示すように、透明トナーを感光体から中間転写ベルトに転写を行う1次転写ローラの体積抵抗率を他に色における1次転写ベルトの体積抵抗率の3倍にした1次転写ローラ42と他の色と同じ体積抵抗率の1次転写ローラ16aの2本のローラを切り替えられるようにしておき、高光沢の画像を形成する時は、1次転写ローラの体積抵抗率が他の色における1次転写ローラの体積抵抗率の3倍の1次転写ローラを使用し、透明トナーを用いて透かしの画像を作成するときは、他の色と同じ体積抵抗率の1次転写ローラを使用することにする。このようにすることにより、使用目的が変更したときにも、適切な1次転写電流を得ることができるようになる。また、このため、安定した画像を形成することが可能になる。
【0045】
また、例えば、透明トナーの転写部において、透明トナーの現像装置の代わりに、特色トナー、又は磁気トナーの現像装置を差し替えできるような構成で画像形成を行うような使い方ができる画像形成装置において、図12に示すように、透明トナーを感光体から中間転写ベルトに転写を行う1次転写ローラの体積抵抗率を他の色における1次転写ローラの体積抵抗率の3倍にした1次転写ローラ42と他の色と同じ体積抵抗率の1次転写ローラ16aの2本のローラを切り替えられるようにしておき、高光沢の画像を形成する時は、1次転写ローラの体積抵抗率が他の色における1次転写ローラの3倍の1次転写ローラを使用し、特色又は磁気トナーを使用する時は、他の色と同じ体積抵抗率の1次転写ローラを使用することにする。このようにすることにより、使用目的が変更したときにも、適切な1次転写電流を得ることができるようになる。また、このため、安定した画像を形成することが可能になる。
【0046】
以上、本発明の好適な実施の形態により本発明を説明した。ここでは特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範囲な趣旨および範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正および変更が可能である。
【0047】
また、本発明における画像形成装置は、前記透明色のトナーに対する1次転写ローラの電気抵抗率は、前記透明色以外の色のトナーに対する1次転写ローラの電気抵抗率の3倍であるようにしても良い。なお、「電気抵抗率の3倍」としたのは、本実施例ではYMCの3色を例に挙げて説明したためであり、例えば、S色(Sは正の整数)ならば「電気抵抗率のS倍」となる。
【0048】
また、本発明における画像形成装置は、前記透明色のトナーに対する感光体と1次転写ローラのニップ幅は、前記透明色以外の色トナーに対する感光体と1次転写ローラのニップ幅の1/3倍であるようにしても良い。なお、「ニップ幅の1/3倍」としたのは、本実施例ではYMCの3色を例に挙げて説明したためであり、例えば、S色(Sは正の整数)ならば「ニップ幅の1/S倍」となる。
【0049】
また、本発明における画像形成装置は、前記透明色のトナーに対する1次転写ローラのローラ径は、前記透明色以外の色トナーに対する1次転写ローラのローラ径の3倍であるようにしても良い。なお、「ローラ径の3倍」としたのは、本実施例ではYMCの3色を例に挙げて説明したためであり、例えば、S色(Sは正の整数)ならば「ローラ径のS倍」となる。
【0050】
また、本発明における画像形成装置は、前記透明色のトナーに対する1次転写ローラの体積抵抗率は、前記透明色以外の色トナーに対する1次転写ローラの体積抵抗率の3倍であるようにしても良い。なお、「体積抵抗率の3倍」としたのは、本実施例ではYMCの3色を例に挙げて説明したためであり、例えば、S色(Sは正の整数)ならば「体積抵抗率のS倍」となる。
【0051】
また、本発明における画像形成装置は、前記透明色に対する感光体と1次転写ローラによるニップ幅を第1のニップ幅と第2のニップ幅とに可変する偏芯部材を有し、前記第1のニップ幅は、前記透明色以外の色のトナーに対する感光体と1次転写ローラによるニップ幅と同じ値であり、前記第2のニップ幅は、前記透明色以外の色のトナーに対する感光体と1次転写ローラによるニップ幅の1/3倍の値であるようにしても良い。なお、「ニップ幅の1/3倍」としたのは、本実施例ではYMCの3色を例に挙げて説明したためであり、例えば、S色(Sは正の整数)ならば「ニップ幅の1/S倍」となる。
【0052】
また、本発明における画像形成装置は、前記透明色に対する1次転写ローラには、第1の1次転写ローラと第2の1次転写ローラの2つの1次転写ローラがあり、前記第1の1次転写ローラのローラ径は、前記透明色以外の色のトナーに対する1次転写ローラのローラ径と同じ値であり、前記第2の1次転写ローラのローラ径は、前記透明色以外の色のトナーに対する1次転写ローラのローラ径の3倍の値であり、前記第1の1次転写ローラと前記第2の1次転写ローラとを切り替える機構を有するようにしても良い。なお、「ローラ径の3倍」としたのは、本実施例ではYMCの3色を例に挙げて説明したためであり、例えば、S色(Sは正の整数)ならば「ローラ径のS倍」となる。
【0053】
また、本発明における画像形成装置は、前記透明色に対する1次転写ローラには、第1の1次転写ローラと第2の1次転写ローラの2つの1次転写ローラがあり、前記第1の1次転写ローラのローラ径は、前記透明色以外の色のトナーに対する1次転写ローラのローラ径と同じ値であり、前記第2の1次転写ローラのローラ径は、前記透明色以外の色のトナーに対する1次転写ローラのローラ径の3倍の値であり、前記第1の1次転写ローラと前記第2の1次転写ローラとを切り替える機構を有するようにしても良い。なお、「ローラ径の3倍」としたのは、本実施例ではYMCの3色を例に挙げて説明したためであり、例えば、S色(Sは正の整数)ならば「ローラ径のS倍」となる。
【0054】
また、本発明における画像形成装置は、透明トナーの現像装置の代わりに、特色トナー、又は磁気トナーの現像装置を差し替えできるような構成である。
【符号の説明】
【0055】
15a、b、c、d、e 感光体
16a、b、c、d、e 1次転写ローラ
40 偏芯カム(偏芯部材)
41 1次転写ローラ
42 1次転写ローラ
100 中間転写ベルト
【先行技術文献】
【特許文献】
【0056】
【特許文献1】特開2000−147863号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面にトナー像を形成する感光体と、
前記感光体に対向する位置に配置され、前記感光体との間に転写電流を流す1次転写ローラと、
前記感光体と前記1次転写ローラとに挟まれた位置に配置され、前記感光体表面に形成されたトナー像が前記1次転写ローラと前記感光体との間に流れる電流により転写される中間転写ベルトと、を有し、
前記感光体と前記1次転写ローラと、をイエロ、マゼンタ、シアン、ブラック、透明の各色のトナーそれぞれに対して有し、
前記透明色のトナーに対する1次転写ローラの電気抵抗値が前記透明色以外の色のトナーに対する1次転写ローラの電気抵抗値より大きいことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記透明色のトナーに対する1次転写ローラの電気抵抗率は、前記透明色以外の色のトナーに対する1次転写ローラの電気抵抗率の3倍であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記透明色のトナーに対する感光体と1次転写ローラのニップ幅は、前記透明色以外の色トナーに対する感光体と1次転写ローラのニップ幅の1/3倍であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記透明色のトナーに対する1次転写ローラのローラ径は、前記透明色以外の色トナーに対する1次転写ローラのローラ径の3倍であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記透明色のトナーに対する1次転写ローラの体積抵抗率は、前記透明色以外の色トナーに対する1次転写ローラの体積抵抗率の3倍であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記透明色に対する感光体と1次転写ローラによるニップ幅を第1のニップ幅と第2のニップ幅とに可変する偏芯部材を有し、
前記第1のニップ幅は、前記透明色以外の色のトナーに対する感光体と1次転写ローラによるニップ幅と同じ値であり、
前記第2のニップ幅は、前記透明色以外の色のトナーに対する感光体と1次転写ローラによるニップ幅の1/3倍の値であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記透明色に対する1次転写ローラには、第1の1次転写ローラと第2の1次転写ローラの2つの1次転写ローラがあり、
前記第1の1次転写ローラのローラ径は、前記透明色以外の色のトナーに対する1次転写ローラのローラ径と同じ値であり、
前記第2の1次転写ローラのローラ径は、前記透明色以外の色のトナーに対する1次転写ローラのローラ径の3倍の値であり、
前記第1の1次転写ローラと前記第2の1次転写ローラとを切り替える機構を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記透明色に対する1次転写ローラには、第1の1次転写ローラと第2の1次転写ローラの2つの1次転写ローラがあり、
前記第1の1次転写ローラのローラ径は、前記透明色以外の色のトナーに対する1次転写ローラのローラ径と同じ値であり、
前記第2の1次転写ローラのローラ径は、前記透明色以外の色のトナーに対する1次転写ローラのローラ径の3倍の値であり、
前記第1の1次転写ローラと前記第2の1次転写ローラとを切り替える機構を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記透明色のトナーを特色トナー又は磁気トナーに入れ替えことが可能であることを特徴とする請求項7から8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項1】
表面にトナー像を形成する感光体と、
前記感光体に対向する位置に配置され、前記感光体との間に転写電流を流す1次転写ローラと、
前記感光体と前記1次転写ローラとに挟まれた位置に配置され、前記感光体表面に形成されたトナー像が前記1次転写ローラと前記感光体との間に流れる電流により転写される中間転写ベルトと、を有し、
前記感光体と前記1次転写ローラと、をイエロ、マゼンタ、シアン、ブラック、透明の各色のトナーそれぞれに対して有し、
前記透明色のトナーに対する1次転写ローラの電気抵抗値が前記透明色以外の色のトナーに対する1次転写ローラの電気抵抗値より大きいことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記透明色のトナーに対する1次転写ローラの電気抵抗率は、前記透明色以外の色のトナーに対する1次転写ローラの電気抵抗率の3倍であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記透明色のトナーに対する感光体と1次転写ローラのニップ幅は、前記透明色以外の色トナーに対する感光体と1次転写ローラのニップ幅の1/3倍であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記透明色のトナーに対する1次転写ローラのローラ径は、前記透明色以外の色トナーに対する1次転写ローラのローラ径の3倍であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記透明色のトナーに対する1次転写ローラの体積抵抗率は、前記透明色以外の色トナーに対する1次転写ローラの体積抵抗率の3倍であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記透明色に対する感光体と1次転写ローラによるニップ幅を第1のニップ幅と第2のニップ幅とに可変する偏芯部材を有し、
前記第1のニップ幅は、前記透明色以外の色のトナーに対する感光体と1次転写ローラによるニップ幅と同じ値であり、
前記第2のニップ幅は、前記透明色以外の色のトナーに対する感光体と1次転写ローラによるニップ幅の1/3倍の値であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記透明色に対する1次転写ローラには、第1の1次転写ローラと第2の1次転写ローラの2つの1次転写ローラがあり、
前記第1の1次転写ローラのローラ径は、前記透明色以外の色のトナーに対する1次転写ローラのローラ径と同じ値であり、
前記第2の1次転写ローラのローラ径は、前記透明色以外の色のトナーに対する1次転写ローラのローラ径の3倍の値であり、
前記第1の1次転写ローラと前記第2の1次転写ローラとを切り替える機構を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記透明色に対する1次転写ローラには、第1の1次転写ローラと第2の1次転写ローラの2つの1次転写ローラがあり、
前記第1の1次転写ローラのローラ径は、前記透明色以外の色のトナーに対する1次転写ローラのローラ径と同じ値であり、
前記第2の1次転写ローラのローラ径は、前記透明色以外の色のトナーに対する1次転写ローラのローラ径の3倍の値であり、
前記第1の1次転写ローラと前記第2の1次転写ローラとを切り替える機構を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記透明色のトナーを特色トナー又は磁気トナーに入れ替えことが可能であることを特徴とする請求項7から8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−43708(P2011−43708A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−192346(P2009−192346)
【出願日】平成21年8月21日(2009.8.21)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月21日(2009.8.21)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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