説明

画像形成装置

【課題】適性ループ量の異なる様々なシートに応じて、光学式センサ出力のバラツキによらず多段階に精度良くループ制御を行い、画像不良を極力発生させない構成を備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】レーザビームプリンタにおいてループ検知装置92は、シート搬送路を搬送されるシートに接触してシートのループに応じて揺動する検知レバー103と、検知レバー103の揺動位置に応じて、複数個に区画されたオン・オフ信号を出力する第1の光センサ部17とを備える。更にループ検知装置92は、検知レバー103の揺動位置に応じて、漸次変化する光量を検出する第2の光センサ部18部を備える。そして、レーザビームプリンタでは、第2の光センサ部18が検出する光量に基づき、第1の光センサ部17のオン・オフ値がどの区画であるかを判断して、シートのループ量を検知するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式や静電記録方式等によって画像形成を行う複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来方式の画像形成装置では、トナー像をシートに転写する転写装置と、シートに転写されたトナー像を定着する定着装置との間のシート搬送路において、シートに撓み(ループ)が形成される。一般に、転写装置と定着装置との間の距離がシートの長さよりも短い電子写真定着装置内に用いられる定着ローラは、温度変化が外径変化となって現れるため、定着ローラの駆動源が同一速度で駆動していても、定着ローラを通過するシートの搬送速度は変化する。
【0003】
温度が低いと外径は小さくなって、定着ローラの搬送速度は、転写装置の搬送速度よりも遅くなる。また、温度が高い場合はその逆となり、いずれの場合にも転写装置と定着装置との搬送速度に差が生じるため、転写装置と定着装置との間でシートを引っ張ったり、押し込んだりすることで、転写時の画像に乱れや色ずれが発生する。この問題を軽減するため、転写装置と定着装置との間を搬送されるシートにループを形成し、そのときのループ量を一定にすることで、転写装置と定着装置との搬送速度差を極力なくするようにしている。
【0004】
ところで、搬送部と定着部との間に形成されるシートのループ量を、2つのループ量センサにより2段階で検知する構成を備えた画像形成装置が知られている(特許文献1参照)。この画像形成装置では、シートの種類、物性に応じて、所要段階の検知情報を選択し、シートの搬送速度を制御することによってループ量制御を行う。
【0005】
また、ループセンサフラグがフォトインタラプタを遮光または半透過状態とすることで、シートのループ量を検知する構成を備えた画像形成装置が知られている(特許文献2参照)。この画像形成装置では、ループ形状を形成しながら搬送されるシートにより押されて揺動するセンサフラグの遮光状態で、ループ量を多段階に検知する。そして、検知結果をA/D変換し、A/D変換されたデジタル値と目標ループ量とを差分演算する。更に、差分演算した値を用いて、定着駆動モータの目標速度を補正し、シートのループ量を一定にするように制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−284020号公報
【特許文献2】特開2008−158076号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に示されるような2つのループセンサフラグを有する構成によると、以下の問題がある。つまり、カラー画像形成装置で用いられる様々なメディア(シート)に対応するため多段階ループ制御を行うことは可能であるが、遮光と透過の2信号で最大3段階までしか検知することができない。
【0008】
この問題について、図18(a),(b)を参照し、フラグ2枚を用いてループ制御を行う場合について説明する。即ち、図18(a),(b)に示すように、ループセンサフラグ95は、画像形成装置本体に回動自在に支持された軸部材117と、軸部材117の一端側に突出固定されたフラグ119bとを有している。ループセンサフラグ95は更に、軸部材117の他端側に突出固定されたフラグ119aと、軸部材117の中間部に突出固定された検知レバー118とを有している。フラグ119a,119b及び検知レバー118は、軸部材117に対してそれぞれ所定の角度で固定されている。ループセンサフラグ95は、フラグ119bに検知ポイントC2及びC4を、フラグ119aに検知ポイントC1及びC3を夫々設けることで、多段階ループ制御を行うように構成されている。なお、図中の符号120a,120bはそれぞれ、フラグ119a,119bの回動動作に伴って発光素子と受光素子との間の光の透過量(透光量)の変化を検知するフォトインタラプタ(フォトセンサ)を示している。
【0009】
しかし、図18(a),(b)に示すように、フォトインタラプタ120b及び120aの信号が両方とも透過状態の場合には、図18(b)における領域B1と領域B2の区別がつかず、適正ループ量とするための増速と減速の判別がつかないおそれがある。従って、フラグ2枚の場合、検知ポイントC1またはC4の何れかの検知を廃止しなければならず、最大3段階のループ制御となる。
【0010】
また、特許文献2に示されるようなフォトインタラプタの半透過状態を利用して多段階のループ量検知を行う構成では、フォトインタラプタの透過状態に応じた電圧変化を読み取る。このため、ノイズやフォトインタラプタの個体差等の影響で電圧出力値がばらついた場合には、ループ量検知に誤差を含むことになり、正確性を損なう可能性がある。
【0011】
そこで本発明は、適性ループ量の異なる様々なメディア(シート)に応じて、フォトインタラプタ等の光学式センサ出力のバラツキによらず多段階に精度良くループ制御を行い、画像不良を極力発生させない構成を備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、シートを搬送しつつシートにトナー像を転写する転写部と、前記転写部で転写されたトナー像をシートを搬送しつつシートに定着させる定着部と、前記転写部と前記定着部との間のシート搬送路にてシートに形成されるループを検知するループ検知装置と、を備え、前記ループ検知装置からの信号に基づいて前記転写部と前記定着部とのシート搬送速度差を制御してシートのループ量を調整する画像形成装置において、前記ループ検知装置は、前記シート搬送路を搬送されるシートに接触してシートのループに応じて揺動する揺動検知部材と、前記揺動検知部材の揺動位置に応じて、複数個に区画されたオン・オフ信号を出力する第1の光センサ部と、前記揺動検知部材の揺動位置に応じて、漸次変化する光量を検出する第2の光センサ部と、を備え、前記第2の光センサ部が検出する光量に基づき、前記第1の光センサ部のオン・オフ値がどの区画であるかを判断して、前記シートのループ量を検知するように構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、第2の光センサ部が検出する光量に基づき、第1の光センサ部のオン・オフ値がどの区画のものであるかを判断してシートのループ量を検知するので、シートのループ変位を、従来に比して多くの段階にて検知することができる。これにより、光学式センサのバラツキによらず、従来よりも多段階のループ制御を、比較的低コストで高精度に行うことができる。従って、シートの種類に応じた適正なループ量を選択できることにより、シートの引っ張りや押し込みによる画像不良の発生を極力低減することができ、多種多様なシートに対応した画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る第1の実施形態における転写部と定着部間でのシートとループ検知装置の概要を模式的に示す模式図。
【図2】本発明を適用した画像形成装置の全体構成を模式的に示す断面図。
【図3】第1の実施形態におけるループ検知装置の概要を示す斜視図。
【図4】第1の実施形態におけるループセンサフラグの概要を示す側面図。
【図5】(a),(b)は第1の実施形態における遮光−透過境界部を利用したループ制御の動作説明を示す図。
【図6】(a),(b)は第1の実施形態における遮光−透過境界部を利用したループ制御の動作説明を示す図。
【図7】(a),(b)は第1の実施形態におけるループ量とセンサフラグとの対応を示す図。
【図8】(a),(b)は第1の実施形態におけるループ検知装置の動作説明を示す図。
【図9】(a),(b)は第1の実施形態におけるループ検知装置の動作説明を示す図。
【図10】(a),(b)は第1の実施形態におけるループ検知装置の動作説明を示す図。
【図11】(a),(b)は第1の実施形態におけるループ検知装置の動作説明を示す図。
【図12】第1の実施形態における6段階検知可能なループセンサフラグの概要を示すグラフ図。
【図13】(a),(b)は本発明に係る変形例におけるループ検知装置の概要を示す図。
【図14】本発明に係る第2の実施形態におけるループ検知装置の概要を示す斜視図。
【図15】本発明に係る第3の実施形態におけるループセンサフラグの概要を示す斜視図。
【図16】(a),(b)は第3の実施形態におけるループセンサフラグ回転角度と濃度検知センサ出力値との対応を示す図。
【図17】第3の実施形態におけるループセンサフラグの概要を示すグラフ図。
【図18】(a),(b)は従来手法のループ検知装置を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面に沿って、本発明に係る実施形態について説明する。まず、図2を参照して、本発明を適用した画像形成装置としてのレーザビームプリンタの全体的構成及び機能について説明する。
【0016】
図2に示すように、レーザビームプリンタは、プリンタ本体(画像形成装置本体)内に、レーザスキャナ1、感光体ドラム2(2a,2b,2c,2d)、現像ローラ5(5a,5b,5c,5d)、及び制御部16を備えている。制御部16は、レーザビームプリンタの各機能を統括的に制御する。更にレーザビームプリンタは、中間転写ベルト8、定着フィルム26、加圧ローラ25、及びピックアップローラ23等を備えている。プリンタ本体下部に積載収納されたシート20は、図中の時計方向に回転するピックアップローラ23によって給送され、レジストローラ対13,14のニップ部を経て、2次転写ローラ10と2次転写対向ローラ15とのニップ部に送られる。これら2次転写ローラ10及び2次転写対向ローラ15により、シート20を搬送しつつシート20にトナー像を転写する転写部が構成されている。
【0017】
感光体ドラム2(2a〜2d)は、それぞれ図中の反時計方向に回転し、その外周面には、レーザスキャナ1からのレーザ光により静電潜像が順次形成され、続いてその静電潜像が現像ローラ5(5a〜5d)でそれぞれ現像されることで、トナー像が形成される。感光体ドラム2(2a〜2d)に形成されたトナー像は、中間転写ベルト8に転写される。カラー画像を形成する場合には、感光体ドラム2(2a〜2d)にイエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの各色が現像され、それぞれに形成されたトナー像が、中間転写ベルト8に転写される。中間転写ベルト8は、駆動ローラとしての役割を合わせ持つ2次転写対向ローラ15、アイドラローラ9,11及びテンション張架ローラ7によって張架された状態で、図中の時計方向に回転させられる。
【0018】
次に、中間転写ベルト8に形成されたトナー像は、2次転写ローラ10と2次転写対向ローラ15とのニップ部に送られたシート20に転写される。トナー像を転写されたシート20は、定着フィルム26と加圧ローラ25とのニップ部(以下、定着ニップ部ともいう)に送られ、ここで加熱・加圧されてトナー像を定着される。これら定着フィルム26及び加圧ローラ25により、2次転写ローラ10及び2次転写対向ローラ15からなる転写部で転写されたトナー像を、シート20を搬送しつつシート20に定着させる定着部が構成されている。トナー像が定着されたシート20は、定着搬送ローラ対27,28を経て、排紙ローラ対29,30によって排紙トレイ31に排出される。
【0019】
なお、図中の4a〜4dは1次転写ローラ、12は搬送ガイド、21は定着入口ガイド、22は定着器、24は分離ローラ、32は排紙フラッパ、100はループセンサフラグ、102はフォトインタラプタ、103は検知レバー(揺動検知部材)を夫々示している。これらループセンサフラグ100及び光検知部102により、ループ検知装置92が構成されている。このループ検知装置92は、2次転写ローラ10及び2次転写対向ローラ15からなる転写部と、定着フィルム26及び加圧ローラ25からなる定着部との間のシート搬送路にて、シート20に形成されるループを検知するように構成されている。図2に示したレーザビームプリンタは、ループ検知装置92からの信号に基づいて転写部と定着部とのシート搬送速度差を制御してシート20のループ量を調整するように構成されている。
【0020】
<第1の実施形態>
次に、本発明に係る第1の実施形態におけるループ検知装置92について詳細に説明する。図1は、本実施形態におけるループ検知装置92の概略構成図であり、レーザビームプリンタの転写部−定着部間のシート搬送路を含めた状態で示している。
【0021】
図1に示すように、ループ検知装置92は、転写ニップ34と定着ニップ33間でのシート20のループ量を検知するループセンサフラグ100と光検知部102とを備えた状態で、搬送ガイド12の搬送面12aの長手方向中央部近傍に配置されている。ループ検知装置92は、シート搬送路を搬送されるシート20に接触してシート20のループに応じて揺動する検知レバー103と、検知レバー103の揺動位置に応じて、複数個に区画されたオン・オフ信号を出力する第1の光センサ部17とを備えている。更にループ検知装置92は、検知レバー(揺動検知部材)103の揺動位置に応じて、漸次変化する光量を検出する第2の光センサ部18(図3参照)を備えている。制御部16は、ループ検知装置92からの信号に基づいて転写部(10,15)と定着部(25,26)とのシート搬送速度差を制御してシート20のループ量を調整する。そして、制御部16は、第2の光センサ部18が検出する光量に基づき、第1の光センサ部17(図3参照)のオン・オフ値がどの区画であるかを判断して、シート20のループ量を検知する。
【0022】
即ち、図3に示すように、ループセンサフラグ100は、プリンタ本体に回動自在に支持された軸部材101と、軸部材101の一端側に突出固定されて検知レバー103と一体的に揺動する遮光量変化フラグ105とを有している。ループセンサフラグ100は更に、軸部材101の他端側に突出固定されて検知レバー103と一体的に揺動する検知フラグ104と、軸部材101の中間部分に突出固定された検知レバー103とを有している。検知フラグ104、遮光量変化フラグ105及び検知レバー103は、軸部材101に対してそれぞれ所定の角度で固定されている。また、光検知部102は、検知フラグ104に対向して配置されたフォトインタラプタ102aと、遮光量変化フラグ105に対向して配置されたフォトインタラプタ102bとを有している。フォトインタラプタ102aは検知フラグ104の揺動に伴って信号を出力し、フォトインタラプタ(光センサ)102bは、遮光量変化フラグ105の揺動に伴って信号を出力する。
【0023】
第1の光センサ部17は、検知フラグ104とフォトインタラプタ102aとを備え、第2の光センサ部18は、遮光量変化フラグ105とフォトインタラプタ102bとを備えている。第1の光センサ部17は、検知フラグ104の、全体的に軸部材101を中心として放射状に延びる切換えエッジ部104aと切換えエッジ部104dとで囲まれた扇状部分に、検知レバー103と連動して回動するように一体に形成された光透過孔99を有している。第2の光センサ部18は、傾斜エッジ部105b(図4参照)を有している。この傾斜エッジ部105bは、遮光量変化フラグ105に設けられ、フォトインタラプタ102bの発光部98cと受光部98d間への進入度合いに基づき透光量を連続的に変化させることで発光部98cと受光部98d間の光量を増減させる。
【0024】
検知レバー103は、転写部−定着部間のシート搬送路における搬送ガイド12の搬送面12aに沿うように搬送されるシート20に接触(摺接)することにより、軸部材101を支点として揺動(回動)する。検知レバー103は、図2の時計回り方向と反時計回り方向とに所定範囲内において回動するように軸部材101で支持される。検知レバー103は、図1時計回り方向にバネ(不図示)で付勢されて、図1に示すシートループ量L1,L2,L3,L4のようにループ量が変化するシート20に追随して揺動するように構成されている。
【0025】
検知フラグ104は、図3及び図4(a)に示すように、軸部材101を中心とする半径方向(検知フラグ104の長手方向)にやや長い矩形状となるように光透過孔99が形成されている。検知フラグ104は、回動(移動)に伴ってフォトインタラプタ102aを透過状態と遮断状態とに段階的に切換える複数の切換えエッジ部104a,104b,104c,104dを有している。光透過孔99を含むこれら切換えエッジ部104a〜104dにより、フォトインタラプタ102aに対する検知レバー103の揺動位置に応じて、複数個に区画されたオン・オフ信号を出力することが可能になっている。
【0026】
即ち、検知フラグ104では、検知ポイントC1,C2,C3,C4が、フォトインタラプタ102aを透光−遮光する領域の境界部である切換えエッジ部104a,104b,104c,104dにそれぞれ対応して設けられている。検知ポイントC1,C2,C3,C4は、図1及び図7に示すように、シート20の種類に応じた最適ループ量としてのシートループ量L1,L2,L3,L4にそれぞれ対応している。
【0027】
遮光量変化フラグ105は、図3及び図4(b)に示すように、軸部材101の軸方向に見た状態で、前述した傾斜エッジ部105bを有している。傾斜エッジ部105bは、軸部材101から径方向に放射状に延びる下側辺部105a、上側辺部105c、及びこれら下側辺部105aと上側辺部105cとを斜めに結ぶように延在している。傾斜エッジ部105bは、フォトインタラプタ102bの発光部98cと受光部98d間への進入度合いに基づき透光量を連続的に変化させることで発光部98cと受光部98d間の光量を増減させるように傾斜している。つまり、遮光量変化フラグ105は、検知レバー103の揺動角度に対応してフォトインタラプタ102bのスリットの透光状態(逆に言うと遮光状態)を変化させるため、フォトインタラプタ102bの出力電圧が連続的に変化する構造となっている。
【0028】
図3に示すように、検知フラグ104及び遮光量変化フラグ105にそれぞれ対向する位置には、軸部材101の軸方向に沿って並ぶように、光検知部102のフォトインタラプタ102a及びフォトインタラプタ102bがそれぞれ配置されている。つまり、検知フラグ104に対向してフォトインタラプタ102aが配置され、遮光量変化フラグ105に対向してフォトインタラプタ102bが配置されている。フォトインタラプタ102aは、検知フラグ104の移動に基づいて透光量を変化させその透光量変化に基づく信号を出力する。また、フォトインタラプタ102bは、遮光量変化フラグ105の移動に基づいて透光量(即ち、透光量“0”のオン(ON)状態、透光量“1”のオフ(OFF)状態)を変化させその透光量変化に基づく信号を出力する。
【0029】
図3及び図4(a)に示すように、フォトインタラプタ102aは、発光受光部98の発光部98a及び受光部98b間にスリットを有しており、フォトインタラプタ102bは、発光受光部98の発光部98c及び受光部98d間にスリットを有している。フォトインタラプタ102a,102bの各スリットを検知フラグ104、遮光量変化フラグ105が夫々通過する際、検知フラグ104、遮光量変化フラグ105の揺動によるスリットの遮光状態に応じて、両フォトインタラプタの各出力値が変化する。本実施形態では、フォトインタラプタ102a,102bの遮光状態はそれぞれオン(ON)となり、透過状態はそれぞれオフ(OFF)となるように構成されている。
【0030】
本レーザビームプリンタでは、前述したように、制御部16は、第2の光センサ部18が検出する光量に基づき、第1の光センサ部17のオン・オフ値がどの区画であるかを判断して、シート20のループ量を検知する。即ち、遮光量変化フラグ105によるフォトインタラプタ102bの信号変化と、検知フラグ104の切換えエッジ部104a〜104dによるフォトインタラプタ102aのオン・オフの切換え状態とに基づき、シート20のループ量を検知する。
【0031】
[画像形成装置のループ量制御方法]
本実施形態では、制御部16が、検知ポイントC1〜C4の有効部位のそれぞれでループ量を保つために、定着フィルム26及び加圧ローラ25からなる定着部におけるシート搬送速度の制御を行う。選択した検知ポイントでループ量を一定に保つ手法について、図5及び図6を用いて説明する。図5及び図6は、例として検知ポイントC3(シートのループ量L3)でループ制御する場合のシート20及び検知フラグ104の関係を示している。
【0032】
制御部16は、フォトインタラプタ102a,102bから出力される各信号の組み合わせに基づいて、適正ループ量に対応するフォトインタラプタ102a,102bの信号の組み合わせを選択する。上記適正ループ量を、レーザビームプリンタの不図示の操作部により予め入力されたシートの種類(厚さ、サイズ等)やその物性(材質等)に応じて選択するように構成することができる。そして制御部16は、ループ検知装置92によるループ量検知信号に基づき、選択した適正ループ量を保つように、シート搬送部分でのシート搬送速度を加速もしくは減速することで、シート20のループ量が適正ループ量になるように制御する。
【0033】
初め、シート搬送速度は、転写部(10,15)よりも定着部(25,26)が遅くなるように設定されている。このため、定着ニップ33にシート20が進入してから、ループ量が徐々に増加していく。このため、図5(a)に示すように、検知レバー103と共に反時計方向に回動する検知フラグ104がやがて、切換えエッジ部104c,104d間の遮蔽部により、図5(a)に示すように発光受光部98の発光部98a−受光部98b間のスリットを遮蔽する。これにより、フォトインタラプタ102aがオンとなる。この場合、その時点でのループ量は、その検知ポイントでのループ量(ここではL3)に対して大きいことになるため、制御部16は、定着部(25,26)の搬送速度を加速することでループ量を小さくするように制御する。
【0034】
一方、図6(b)に示すように、発光部98a−受光部98b間に光透過孔99が位置することによってフォトインタラプタ102aがオフとなる場合、その時点でのループ量は、その検知ポイントでのループ量(ここではL3)に対して小さいことになる。このため、制御部16は、定着部(25,26)の搬送速度を減速することでループ量を大きくするように制御する(図6(a)参照)。
【0035】
以上のように、検知ポイント付近においてフォトインタラプタ102aの信号がオン/オフを繰り返すように定着部(25,26)の搬送速度を加速もしくは減速することにより、ループ量を一定に保持するように制御する。
【0036】
ここで、図7(a)は、遮光量変化フラグ105に対向するフォトインタラプタ102bの遮光状態に応じた出力電圧を示すグラフ図であり、n1、n2、n3はそれぞれフォトインタラプタに個体差がある場合の出力電圧例を示している。図7(b)は、検知フラグ104の各検知ポイントC1〜C4と、フォトインタラプタ102bによる各出力電圧範囲D1〜D4との対応関係を示す表である。
【0037】
まず、図1に示したシートループ量L1の状態におけるシート20のループ量制御を行う場合について説明する。図8(a)は、転写部−定着部間のシート20のループ量L1の場合のシート搬送部分を示す断面図であり、図8(b)は、ループ量L1の場合の検知フラグ104及び遮光量変化フラグ105の状態を示す図である。
【0038】
ループ量L1の状態では、フォトインタラプタ102bは全透過した状態となり、図7(b)、図8(b)に示すように、フォトインタラプタ102bの出力電圧範囲はD1となる。そして、遮光量変化フラグ105と一体的に回動する検知フラグ104の検知ポイントC1位置でのループ量制御が有効になる。つまり、第2の光センサ部18が検出する光量に基づき、制御部16が、第1の光センサ部17のオン・オフ値がどの区画であるかを判断することにより、シート20のループ量を検知する(以下も同様である)。
【0039】
次に、シートループ量L2の状態では、図9(a)に示すように、ループ量L1の状態に比べてループ量が大きい。この場合、図9(b)に示すように、遮光量変化フラグ105はフォトインタラプタ102bをあまり遮光していないため、出力電圧範囲はD2の領域内に収まる。出力電圧範囲がD2領域内であれば、検知フラグ104の検知ポイントC2位置でのループ量制御が有効になる。
【0040】
更に、シートループ量L3の状態では、図10(a)に示すように、ループ量L2の状態に比べてループ量が大きい。この場合、図10(b)に示すように、フォトインタラプタ102bの遮光量変化フラグ105による遮光量は、ループ量L2の状態に比べて増えているため、出力電圧範囲はD3の領域内に収まる。出力電圧範囲がD3領域内であれば、検知フラグ104の検知ポイントC3位置でのループ制御が有効になる。
【0041】
そして、シートループ量L4の状態では、図11(a)に示すように、ループ量L3状態に比べてループ量が大きい。この場合、図11(b)に示すように、遮光量変化フラグ105がフォトインタラプタ102bを全遮光しているため、出力電圧範囲はD4の領域内に収まる。出力電圧範囲がD4領域内であれば、検知フラグ104の検知ポイントC4位置でのループ制御が有効になる。
【0042】
以上のように本実施形態では、シート20の最適ループ量に応じた検知フラグ104と遮光量変化フラグ105とによるフォトインタラプタ102a,102bの出力状態の組み合わせによってループ量制御を切り替えることができる。このような本実施形態の構成によると、4段階のループ制御が可能になっている。
【0043】
例えば、図7(a)に示すように、フォトインタラプタ102bの出力電圧がn1、n2、n3のようにばらついた場合、出力電圧値D2cの一点で、検知ポイントC3における制御を行うとする。この場合、ループセンサフラグ100の回転角度のバラツキはE1となるため、検知ポイントC3から大きく離れる可能性がある。本実施形態の構成のように、フォトインタラプタ102bの出力信号(出力電圧)を領域の判別のみに用いることとすれば、図7(a)のように出力信号にバラツキがあっても、4段階の判別は可能である。その上で、遮光領域と透過領域での各境界である切換えエッジ部104a〜104dを遮光量変化フラグ105の出力電圧で区別することにより、多段階のループ制御を、バラツキに影響されずに精度良く行うことができる。
【0044】
<変形例>
ところで、図12に示すように、フォトインタラプタ102bの出力電圧のバラツキが比較的少ない場合には、検知領域の数を増やすことができる。その場合の変形例を図13に示す。
【0045】
本変形例のループ検知装置は、図3に示したものと同様の検知レバー(揺動検知部材)103を有しているが、図13(a),(b)においてその図示は省略している。本変形例のループ検知装置は、先の第1の実施形態に比して第1の光センサ部17が第1の光センサ部19に変更された点で異なるが、他の構成部分は同様であるため、同様の部分に同一符号を付してその説明を省略する。
【0046】
本変形例においても、検知レバー103の揺動位置に応じて、複数個に区画されたオン・オフ信号を出力する第1の光センサ部19と、検知レバー103の揺動位置に応じて、漸次変化する光量を検出する第2の光センサ部18とを備えている。本変形例のループ検知装置も、第2の光センサ部18が検出する光量に基づき、第1の光センサ部19のオン・オフ値がどの区画であるかを判断して、シート20のループ量を検知するように構成されている。
【0047】
即ち、本変形例の検知フラグ106は、図13(a)に示すように、全体的に軸部材101を中心として放射状に延びる切換えエッジ部106aと切換えエッジ部106fとで囲まれた扇状の部分に光透過孔96,97を有している。光透過孔96,97は、検知レバー103(図3等参照)と連動して回動するように検知フラグ106に一体形成されている。光透過孔96,97は、軸部材101を中心とする半径方向(検知フラグ106の長手方向)に長い矩形状に形成されると共に、軸部材101を中心とする所定の角度範囲で互いにずれた状態とされている。
【0048】
検知フラグ106は、回動(移動)に伴ってフォトインタラプタ102aを透過状態と遮断状態とに段階的に切換える複数の切換えエッジ部106a,106b,106c,106d,106e,106fを有している。
【0049】
検知フラグ106では、検知ポイントC1,C2,C3,C4,C5,C6が、フォトインタラプタ102aを透光−遮光する領域の境界部である切換えエッジ部106a,106b,106c,106d,106e,106fにそれぞれ対応して設けられている。検知ポイントC1〜C6は、図1より更に細かく設定され、シート20の種類に応じた最適ループ量としてのシートループ量L1,L2,L3,L4,L5,L6にそれぞれ対応している。なお、本変形例における遮光量変化フラグ105は、図3等に示した前述の実施形態における遮光量変化フラグ105と同様の構成を備えている。
【0050】
上記構成を有する本変形例によると、光透過孔96,97が前述の実施形態における光透過孔99より個数が多くされ、検知ポイントがC1〜C6として2箇所多く構成されているので、6段階のループ制御が可能になる。また、検知フラグ106の光透過孔の個数と遮光量変化フラグ105の出力電圧範囲とを更に増やすことで、6段階を超えるループ制御を行うことができる。
【0051】
以上のように、第1の実施形態及び変形例によれば、第2の光センサ部18が検出する光量に基づき、第1の光センサ部17,19のオン・オフ値がどの区画のものであるかを判断してシートのループ量を検知することができる。これにより、シートのループ変位を、従来に比して多くの段階にて検知することができる。このため、光学式センサのバラツキによらず、従来よりも多段階のループ制御を、比較的低コストで高精度に行うことができる。従って、シートの種類に応じた適正なループ量を選択できることにより、シートの引っ張りや押し込みによる画像不良の発生を極力低減することができ、多種多様なシートに対応したレーザビームプリンタ(画像形成装置)を提供することができる。
【0052】
また第2の光センサ部18が、遮光量変化フラグ105に、フォトインタラプタ102bの発光部−受光部間への進入度合いに基づき透光量を連続的に変化させることで発光部−受光部間の光量を増減させる傾斜エッジ部105bを有している。このため、第2の光センサ部18は、検知レバー103の揺動位置に応じて、多段階に亘る良好な光量検出信号(出力電圧)を出力することができる。
【0053】
<第2の実施形態>
次に、本発明に係る第2の実施形態について、図14を参照して説明する。図14は、本実施形態に係るループ量検知のためのループ検知装置93を示す斜視図である。本実施形態のループ検知装置93は、先の第1の実施形態に比して遮光量変化フラグ105が遮光量変化フラグ111に変更された点で異なるが、他の構成部分は同様であるため、同様の部分に同一符号を付してその説明を省略する。
【0054】
本実施形態では、図14に示すように、第2の光センサ部35は、遮光量変化フラグ(フラグ部材)111と、フォトインタラプタ(光センサ)102bとを有している。遮光量変化フラグ111は、検知レバー103と一体的に揺動し且つフォトインタラプタ102bの発光部と受光部間への進入度合いに基づき遮光量を連続的に変化させることで発光部と受光部間の光量を増減させる。フォトインタラプタ102bは、遮光量変化フラグ111の揺動に伴って信号を出力する。
【0055】
即ち、ループ検知装置93は、ループセンサフラグ100と光検知部102とから構成されており、第1の実施形態と同様、搬送ガイド12の搬送面12aにおける長手方向中央部に配置されている。ループセンサフラグ100は、プリンタ本体に回動自在に支持された軸部材101と、軸部材101の一端側に突出固定されて検知レバー103と一体的に揺動する遮光量変化フラグ111とを有している。ループセンサフラグ100は更に、軸部材101の他端側に突出固定されて検知レバー103と一体的に揺動する検知フラグ104と、軸部材101の中間部分に突出固定された検知レバー103とを有している。
【0056】
遮光量変化フラグ111は、軸部材101に一端が固定され、かつ他端が軸部材101を中心として径方向にやや放射状に突出する扇状に形成されている。遮光量変化フラグ111は、全体的に半透明な材質からなり、軸部材101を中心とする上側から下側に向かって厚みが徐々に薄くなるような刃状に構成されている。遮光量変化フラグ111は、ループセンサフラグ100の回動方向に対して厚みが変化するもので、対向するフォトインタラプタ102bのスリットに進入する際に、フォトインタラプタ102bの発光部−受光部間での光の透過量を次第に減少させる。このような遮光量変化フラグ111は、回動位置に応じてフォトインタラプタ102bの透過量を変化させることにより出力電圧を変化させる。
【0057】
一方、本実施形態の検知フラグ104は、第1の実施形態の検知フラグ104と同様、検知レバー103の揺動に連動して回動(揺動)する光透過孔99を一体に有する扇状に形成されている。この検知フラグ104は更に、4箇所の検知ポイントC1〜C4を有し(図14には不図示)、各検知ポイントC1〜C4と、シートの種類毎に予め設定された最適ループ量とが対応されている。
【0058】
本実施形態においても、第1の実施形態と同様、フォトインタラプタ102bの出力電圧範囲D1〜D4が設けられている。そして、各出力電圧範囲D1〜D4と各検知ポイントC1〜C4とが対応されることで、不図示の操作部から予め入力されたシートの種類やその物性に応じたループ量制御が行われる。なお、本実施形態においても、図13で説明したように、検知フラグ104の光透過孔99を光透過孔96,97のように個数を増やすと共に、遮光量変化フラグ111による出力電圧範囲の数を増やすことで、4段階以上のループ制御を行うことができる。
【0059】
本第2の実施形態においても、前述した第1の実施形態とほぼ同様の効果を奏することができる。また、第2の光センサ部35が遮光量変化フラグ(フラグ部材)111を有することにより、検知レバー103の揺動位置に応じて、多段階に亘る良好な光量検出信号(出力電圧)を出力することができる。
【0060】
<第3の実施形態>
次に、本発明に係る第3の実施形態について、図15乃至図17を参照して説明する。図15は本実施形態におけるループ量検知のためのループ検知装置94を示す斜視図、図16(a),(b)はループセンサフラグ回転角度と濃度検知センサ出力値との対応を示す図、図17はループセンサフラグの概要を示すグラフ図である。本実施形態のループ検知装置94は、先の第1の実施形態に比して第2の光センサ部18が第2の光センサ部36に変更された点で異なるが、他の構成部分は同様であるため、同様の部分に同一符号を付してその説明を省略する。
【0061】
本実施形態のループ検知装置94は、検知レバー103と一体的に揺動する濃度変化フラグ(フラグ部材)115と、濃度変化フラグ115の揺動に伴って信号を出力する濃度検知センサ(光センサ)102cとを有している。更に、ループ検知装置94は、濃度変化フラグ115に設けられた濃度パターン(反射率変化部)T1〜T4を有している。濃度パターンT1〜T4は、濃度検知センサ102cの発光受光部98eに対向する部分(僅かな隙間をあけて近接する位置)で揺動する際の通過度合いに基づき、光の反射率を段階的に変化させることで発光受光部98eの受光量を増減させる。
【0062】
図15に示すように、ループ検知装置94は、第1及び第2の実施形態と同様、ループセンサフラグ100と光検知部102とから構成されており、搬送ガイド12の搬送面12a(図1参照)における長手方向中央部に配置されている。ループセンサフラグ100は、プリンタ本体に回動自在に支持された軸部材101と、軸部材101の一端側に突出固定されて検知レバー103と一体的に揺動する濃度変化フラグ115とを有している。ループセンサフラグ100は更に、軸部材101の他端側に突出固定されて検知レバー103と一体的に揺動する検知フラグ104と、軸部材101の中間部分に突出固定された検知レバー103とを有している。
【0063】
本実施形態のループセンサフラグ100では、検知フラグ104が、図4(a)と同様の検知ポイントC1〜C4を有しており、各検知ポイントC1〜C4は、シートの種類や物性に応じた最適なループ量L1〜L4(図1参照)に対応している。
【0064】
濃度変化フラグ115には、図16(b)に示すように、軸部材101を中心とする円弧の周方向に段階的に異なる円弧状の濃度パターンT1〜T4が刻まれている(形成されている)。つまり、濃度変化フラグ115は、これらの濃度パターンT1〜T4によって、例えば黒色→灰色→白色のように濃度を段階的に変えることで、光の反射率を変化させるように構成されている。
【0065】
本実施形態では、このように光の反射率の変化で出力電圧範囲を変えるために、濃度変化フラグ115の通過経路と僅かな隙間をあけて対向する位置に濃度検知センサ102cが配置されている。一方、検知フラグ104に対向するフォトインタラプタ102aは、第1及び第2の実施形態と同様の構成を有している。
【0066】
本実施形態では、濃度変化フラグ115に対して発光受光部98eから発光した光の各濃度パターンT1〜T4での反射光を濃度検知センサ102cで読み取ることにより、濃度パターンT1〜T4の夫々に応じた出力電圧を得ることができる。
【0067】
本実施形態では、図17に示すように、各濃度パターンT1〜T4と各検知ポイントC1〜C4とを対応させることにより、シートの種類や物性に応じた4段階のループ制御を行うことができる。つまり、フォトインタラプタ102aによる検知ポイントC1による検知状態では、濃度検知センサ102cは濃度パターンT1を検知することで、出力電圧範囲は最も高い状態になっている。次に、検知ポイントC2による検知状態では、濃度検知センサ102cは濃度パターンT2を検知することで、出力電圧範囲は1段低い状態となる。更に、検知ポイントC3による検知状態では、濃度検知センサ102cは濃度パターンT3を検知することで、出力電圧範囲は更に1段低い状態となる。そして、検知ポイントC4による検知状態では、濃度検知センサ102cは濃度パターンT4を検知することで、出力電圧範囲は最も低い状態となる。
【0068】
これらの構成を備える本実施形態においても、前述した第1の実施形態とほぼ同様の効果を奏することができる。また、第2の光センサ部36が、発光受光部98eの受光量を増減させる濃度パターンT1〜T4を有することにより、検知レバー103の揺動位置に応じて、多段階に亘る良好な光量検出信号(出力電圧)を出力することができる。
【0069】
なお、本第3の実施形態においても、検知フラグ104の光透過孔99の数と濃度変化フラグ115の濃度パターンの数を増やして、4段階を超えるループ制御を行うこともできる。
【符号の説明】
【0070】
10,15…転写部(2次転写ローラ,2次転写対向ローラ)、17,19…第1の光センサ部、18,35,36…第2の光センサ部、20…シート、25,26…定着部(加圧ローラ,定着フィルム)、92,93,94…ループ検知装置、98c…発光部、98d…受光部、98e…発光受光部、102b,102c…光センサ(フォトインタラプタ,濃度検知センサ)、103…揺動検知部材(検知レバー)、105,111,115…フラグ部材(遮光量変化フラグ,遮光量変化フラグ,濃度変化フラグ)、105b…傾斜エッジ部、T1〜T4…反射率変化部(濃度パターン)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを搬送しつつシートにトナー像を転写する転写部と、前記転写部で転写されたトナー像をシートを搬送しつつシートに定着させる定着部と、前記転写部と前記定着部との間のシート搬送路にてシートに形成されるループを検知するループ検知装置と、を備え、前記ループ検知装置からの信号に基づいて前記転写部と前記定着部とのシート搬送速度差を制御してシートのループ量を調整する画像形成装置において、
前記ループ検知装置は、
前記シート搬送路を搬送されるシートに接触してシートのループに応じて揺動する揺動検知部材と、
前記揺動検知部材の揺動位置に応じて、複数個に区画されたオン・オフ信号を出力する第1の光センサ部と、
前記揺動検知部材の揺動位置に応じて、漸次変化する光量を検出する第2の光センサ部と、を備え、
前記第2の光センサ部が検出する光量に基づき、前記第1の光センサ部のオン・オフ値がどの区画であるかを判断して、前記シートのループ量を検知するように構成した、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第2の光センサ部は、
前記揺動検知部材と一体的に揺動するフラグ部材と、
前記フラグ部材の揺動に伴って信号を出力する光センサと、
前記フラグ部材に設けられ、前記光センサの発光部と受光部間への進入度合いに基づき透光量を連続的に変化させることで前記発光部と受光部間の光量を増減させる傾斜エッジ部と、を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第2の光センサ部は、
前記揺動検知部材と一体的に揺動し且つ前記光センサの発光部と受光部間への進入度合いに基づき遮光量を連続的に変化させることで前記発光部と受光部間の光量を増減させる構成のフラグ部材と、
前記フラグ部材の揺動に伴って信号を出力する光センサと、を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第2の光センサ部は、
前記揺動検知部材と一体的に揺動するフラグ部材と、
前記フラグ部材の揺動に伴って信号を出力する光センサと、
前記フラグ部材に設けられ、前記光センサの発光受光部に対向する部分で揺動する際の通過度合いに基づき、光の反射率を段階的に変化させることで前記発光受光部の受光量を増減させる反射率変化部と、を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−103647(P2012−103647A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−254478(P2010−254478)
【出願日】平成22年11月15日(2010.11.15)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】