説明

画像形成装置

【課題】一体化された現像剤収容部および廃現像剤収容部を移動させることができる、画像形成装置を提供する。
【解決手段】中間転写ベルト15から廃トナーを除去して回収するために、ベルトクリーナ13が設けられている。ベルトクリーナ13に回収された廃トナーは、オーガ127、連結搬送部141およびカートリッジ側搬送部181により、ベルトクリーナ13から廃トナー収容部164に搬送される。現像器9には、トナーを収容するためのトナー収容部163を有するトナーカートリッジ11が保持されている。廃トナー収容部164は、トナー収容部163と一体化されている。また、廃トナー収容部164は、カートリッジ側搬送部181に対して相対移動可能に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラープリンタなどの画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カラープリンタの一例では、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの各色に対応した感光ドラムが並列に配置されている。各感光ドラムに対応づけて、現像カートリッジが設けられている。現像カートリッジには、感光ドラムにトナーを供給する現像ローラが設けられている。
【0003】
カラー画像の形成時には、感光ドラムに静電潜像が形成される。その後、現像ローラから感光ドラムにトナーが供給されることにより、静電潜像がトナー像に現像される。そして、トナー像が搬送ベルトによって搬送される用紙に直接に転写または中間転写ベルトを介して用紙に転写されることにより、ブラックのトナー像からなるモノクロ画像または各色のトナー像の重ね合わせからなるカラー画像が用紙に形成される。
【0004】
搬送ベルトには、感光ドラムからトナーが転移して付着する。そのため、搬送ベルトからトナーを除去するためのクリーニング部材が設けられている。搬送ベルトから除去されたトナーは、廃トナー収容部に搬送されて、廃トナー収容部に溜められる。この廃トナー収容部を現像カートリッジと一体的に設けて、現像カートリッジ内のトナーがなくなったときに、現像カートリッジとともに、廃トナー収容部を新品と交換するようにしたものが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−38947号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、その提案に係る構成は、現像カートリッジを本体ケース内に装着した状態で移動させることを考えて設計されていない。そのため、現像カートリッジの位置は固定であり、現像ローラの位置を感光ドラムに対して適した位置に変更したり、感光ドラムおよび現像ローラの劣化を抑制するために、感光ドラムにトナー像が形成されないときに、現像ローラを感光ドラムから離間させたりすることはできない。
【0007】
本発明の目的は、一体化された現像剤収容部および廃現像剤収容部を移動させることができる、画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の目的を達成するため、本発明は、画像形成装置において、感光ドラムと、前記感光ドラムの上方に前記感光ドラムと対向して配置される無端状のベルトと、現像剤を収容するための現像剤収容部を保持するとともに、前記感光ドラムに現像剤を供給する現像ローラを回転可能に保持する現像器と、前記現像剤収容部と一体的に設けられ、廃棄されるべき廃現像剤を収容するための廃現像剤収容部と、前記ベルトの表面から廃現像剤を除去して回収する回収ユニットと、前記廃現像剤収容部および前記回収ユニットに接続され、前記回収ユニットから前記廃現像剤収容部に廃現像剤を搬送する搬送機構とを備え、前記廃現像剤収容部は、前記搬送機構に対して相対移動可能に設けられていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、感光ドラムには、現像器に保持される現像ローラから現像剤が供給される。感光ドラムの上方には、無端状のベルトが感光ドラムと対向して配置されている。そのため、ベルトには、感光ドラムから現像剤が転移して付着する。ベルトに付着した現像剤は、廃棄されるべき廃現像剤である。
【0010】
ベルトから廃現像剤を除去して回収するために、回収ユニットが設けられている。回収ユニットに回収された廃現像剤は、搬送機構により、回収ユニットから廃現像剤収容部に搬送される。
【0011】
現像器には、現像剤を収容するための現像剤収容部が保持されている。廃現像剤収容部は、現像剤収容部と一体化されている。また、廃現像剤収容部は、搬送機構に対して相対移動可能に設けられている。
【0012】
よって、廃現像剤収容部が現像剤収容部と一体化された構成において、その一体化された現像剤収容部および廃現像剤収容部を一体的に移動させることができ、ひいては感光ドラムに対して現像ローラを移動させることができる。その結果、現像ローラを感光ドラムに対して適した位置に配置することができる。また、現像ローラから感光ドラムに現像剤が供給されないときに、現像ローラを感光ドラムから離間させることができるので、感光ドラムおよび現像ローラの劣化を抑制することができる。
【0013】
また、廃現像剤収容部が現像剤収容部と一体化されているので、少なくとも現像剤収容部の現像剤がなくなる頻度で廃現像剤収容部を交換することができる。そのため、廃現像剤収容部の容量をそれほど大きく確保する必要がない。よって、廃現像剤収容部の小容量化により、画像形成装置の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係るカラープリンタの断面図であり、現像ローラが感光ドラムに接触した状態を示す。
【図2】図2は、カラープリンタの断面図であり、現像ローラが感光ドラムから離間した状態を示す。
【図3】図3は、カラープリンタの断面図であり、ドロワユニットが本体ケーシング外の引出位置に位置し、1つのプロセスユニット(イエローのプロセスユニット)がドロワフレームから離脱された状態を示す。
【図4】図4は、カラープリンタの断面図であり、ドロワユニットが本体ケーシング外の引出位置に位置し、ブラックのプロセスユニットがドロワフレームから離脱され、ブラックのトナーカートリッジがドロワフレームから離脱された状態を示す。
【図5】図5は、ドロワユニットの断面図である。
【図6】図6は、図5に示される切断線A−Aにおけるドロワユニットの断面図である。
【図7】図7は、図5に示される切断線C−Cにおけるドロワユニットの断面図であり、ドロワフレームからトナーカートリッジが離脱された状態を示す。
【図8】図8は、プロセスユニットの右側面図である。
【図9】図9は、プロセスユニットの断面図であり、現像器側シャッタが開かれた状態を示す。
【図10】図10は、プロセスユニットの断面図であり、現像器側シャッタが閉じられた状態を示す。
【図11】図11は、図5に示される切断線B−Bにおけるドロワユニットの断面図であり、ドロワフレームからプロセスユニットが離脱された状態を示す。
【図12】図12は、ブラックのトナーカートリッジの左側面図である。
【図13】図13は、ブラックのトナーカートリッジの右側面図である。
【図14】図14は、ブラックのトナーカートリッジの断面図であり、カートリッジ側シャッタが開かれた状態を示す。
【図15】図15は、ブラックのトナーカートリッジの断面図であり、カートリッジ側シャッタが閉じられた状態を示す。
【図16】図16は、ブラックのトナーカートリッジの前面図である。
【図17】図17は、ブラックのトナーカートリッジの前面図であり、カートリッジ側搬送部の各部を透過して示す。
【図18】図18は、ブラックのトナーカートリッジの前面図であり、受入口シャッタが開放位置に位置する状態を示す。
【図19】図19は、本発明の一実施形態の変形例(1次ベルトクリーニングローラに対向するバックアップローラが設けられた構成)に係るカラープリンタの断面図である。
【図20】図20は、本発明の一実施形態の他の変形例(1次ベルトクリーニングローラおよび2次ベルトクリーニングローラが省略された構成)に係るカラープリンタの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
1.カラープリンタの全体構成
図1,2,3,4に示される画像形成装置の一例としてのカラープリンタ1は、タンデム型のカラープリンタである。カラープリンタ1は、本体ケーシング2を備えている。本体ケーシング2内には、ドロワユニット3が装着されている。本体ケーシング2の正面には、フロントカバー4が開閉可能に設けられている。そして、ドロワユニット3は、フロントカバー4を開けた状態で、本体ケーシング2内の収容位置(図1,2に示される位置)と本体ケーシング2外の引出位置(図3,4に示される位置)との間で水平方向に移動させることができる。ドロワユニット3は、引出位置において、その一部が本体ケーシング2内に残る。
【0016】
なお、カラープリンタ1の正面側は、前後方向における前側である。また、カラープリンタ1が平面上に載置された状態で、その平面に直交する方向が上下方向である。そして、平面上に載置されたカラープリンタ1を前側から見て、カラープリンタ1の左右を規定する。
【0017】
ドロワユニット3は、保持部材の一例としてのドロワフレーム5を備えている。
【0018】
ドロワフレーム5には、4つのプロセスユニット6が保持されている。4つのプロセスユニット6は、それぞれブラック、イエロー、マゼンタおよびシアン用であり、前側からブラック、イエロー、マゼンタおよびシアンの順に前後方向に並べて配置されている。
【0019】
ドロワユニット3が引出位置に位置する状態において、各プロセスユニット6の上方が中間転写ベルト15と対向することなく開放される。各プロセスユニット6は、図3に示されるように、引出位置に位置するドロワフレーム5に対してその上方から着脱可能である。
【0020】
各プロセスユニット6には、感光ドラム7が備えられている。感光ドラム7は、左右方向に延びる回転軸線を中心に回転可能に保持されている。
【0021】
また、各プロセスユニット6には、帯電器8、現像器9およびドラムクリーナ10が備えられている。帯電器8、現像器9およびドラムクリーナ10は、感光ドラム7の周囲に配置されている。具体的には、帯電器8は、感光ドラム7の後下方に配置されている。現像器9は、感光ドラム7の下方に配置されている。ドラムクリーナ10は、感光ドラム7の後方であって、帯電器8の上方に配置されている。
【0022】
現像器9の下端部には、現像器9に供給されるトナーを収容するトナーカートリッジ11が装着される。各トナーカートリッジ11は、図4に示されるように、ドロワフレーム5に形成されたカートリッジ着脱口12を介して、現像器9の下端部に対して着脱可能である。また、イエロー、マゼンタおよびシアンのトナーカートリッジ11は、図3に示されるように、現像器9の下端部に装着された状態のまま、プロセスユニット6とともに、ドロワフレーム5に対してその上方から着脱可能である。
【0023】
また、ドロワフレーム5の前上端部には、回収ユニットの一例としてのベルトクリーナ13が保持されている。
【0024】
本体ケーシング2内において、ドロワユニット3の収容位置の下方には、各色に対応した4本のレーザビームを出射する露光器14が配置されている。
【0025】
画像形成時において、感光ドラム7は、右側から見て時計回りに回転される。感光ドラム7の回転に伴って、感光ドラム7の表面は、帯電器8の働きによって一様に帯電された後、露光器14からのレーザビームによって選択的に露光される。この露光によって、感光ドラム7の表面から電荷が選択的に除去され、感光ドラム7の表面に静電潜像が形成される。そして、現像器9から静電潜像にトナーが供給されることにより、静電潜像がトナー像に現像される。
【0026】
また、本体ケーシング2内には、ドロワユニット3の収容位置の上方に、ベルトの一例としての中間転写ベルト15が設けられている。中間転写ベルト15は、2つのローラ16,17に巻回された無端状のベルトである。2つのローラ16,17は、上下方向において同じ位置に配置され、前後方向に間隔を空けて配置されている。これにより、中間転写ベルト15は、2つのローラ16,17の各下端間において、前後方向および左右方向に延びる平面状部分を有している。この平面状部分は、4つの感光ドラム7と接触している。
【0027】
中間転写ベルト15の平面状部分を挟んで各感光ドラム6と対向する位置には、1次転写ローラ18が配置されている。
【0028】
画像形成時において、中間転写ベルト15は、右側から見て反時計回りに走行する。各感光ドラム7の表面に形成されたトナー像は、各1次転写ローラ18の働きにより、ブラックのトナー像から順に互いに重ね合わせて中間転写ベルト15に転写される。これにより、中間転写ベルト15上には、各色のトナー像の重ね合わせによるカラートナー像が形成される。
【0029】
また、中間転写ベルト15を挟んで後側のローラ17と対向する位置には、2次転写ローラ19が配置されている。2次転写ローラ19は、中間転写ベルト15に接触している。
【0030】
本体ケーシング2の底部には、用紙を収容する給紙カセット20が配置されている。給紙カセット20に収容されている用紙は、各種ローラにより、中間転写ベルト15と2次転写ローラ19との接触部分に向けて搬送される。中間転写ベルト15上のトナー像は、2次転写ローラ19の働きにより、中間転写ベルト15と2次転写ローラ19との間を通過する用紙に転写される。
【0031】
ローラ17および2次転写ローラ19の上方には、定着器21が設けられている。トナー像が転写された用紙は、定着器21に搬送される。定着器21では、加熱および加圧により、トナー像が用紙に定着される。トナー像が定着した用紙は、各種ローラにより、本体ケーシング2の上面の排紙トレイ22に排出される。
【0032】
本体ケーシング2の上方には、原稿画像のデータを読み取るためのスキャナ23が設けられている。そして、カラープリンタ1は、スキャナ23で読み取った原稿画像のデータに基づいて、用紙に原稿画像を再現するコピー機能を有している。また、カラープリンタ1は、スキャナ23で読み取った原稿画像のデータをカラープリンタ1と接続されたパーソナルコンピュータに送信するスキャナ機能を有している。さらに、カラープリンタ1は、スキャナ23で読み取った原稿画像のデータを公衆電話回線を介してファクシミリ装置に送信するファクシミリ機能を有していてもよい。
2.ドロワユニット
2−1.ドロワフレーム
ドロワフレーム5は、図5に示されるように、上方が開放された四角箱状に形成されている。具体的には、ドロワフレーム5は、図6,7に示されるように、左右方向に間隔を空けて互いに対向する左側板31および右側板32を備えている。また、ドロワフレーム5は、図5に示されるように、左側板31および右側板32の各前端部間に架設された前板33と、左側板31および右側板32の各後端部間に架設された後板34と、左側板31、右側板32、前板33および後板34によって囲まれる空間を下方から塞ぐように設けられた底板35とを備えている。これにより、ドロワフレーム5は、上方に開放されており、左側板31、右側板32、前板33および後板34の各上端縁により区画される開口部500を有している。
【0033】
右側板32の外側面の前下端部には、図4に示されるように、被ガイドコロ36が左右方向に延びる回転軸線を中心に回転可能に設けられている。また、図示されないが、左側板31の外側面にも、被ガイドコロ36と左右方向に対向する位置に、被ガイドコロが左右方向に延びる回転軸線を中心に回転可能に設けられている。
【0034】
左側板31および右側板32の各後上端部には、図4,5に示されるように、コロ支持部材37が設けられている。コロ支持部材37は、左右方向に厚みを有する板状をなし、左側板13および右側板32から後方に延びている。各コロ支持部材37の外側面には、2つの被ガイドコロ38が前後方向に間隔を空けて、それぞれ左右方向に延びる回転軸線を中心に回転可能に設けられている。
【0035】
本体ケーシング2内には、図4に示されるように、前ガイド溝39および後ガイド溝40がそれぞれ被ガイドコロ36,38に対応して形成されている。
【0036】
前ガイド溝39は、左右方向に左右の被ガイドコロ36間の間隔と等しい間隔を空けて、互いに左右方向に対向しており、左右方向の外側に向けて窪む断面四角形状の溝として形成されている。前ガイド溝39は、本体ケーシング2内の前端部付近から後方に延び、後上方に屈曲してさらに延びている。そして、各前ガイド溝39の屈曲部分には、被ガイドコロ36を上方に押圧するための板ばねまたは線ばねからなる押圧部材41が設けられている。
【0037】
後ガイド溝40は、各前ガイド溝39の上方に間隔を空けた位置において、左右方向の外側に向けて窪む断面四角形状の溝として形成されている。後ガイド溝40は、前後方向に長く延びている。具体的には、後ガイド溝40は、前後方向にドロワユニット3(ドロワフレーム5)の前後方向の長さとほぼ同じ長さを有している。後ガイド溝40の後端部は、それ以外の部分よりも上下方向に大きい幅を有している。これにより、後ガイド溝40の下面(底面)には、後端部がそれ以外の部分よりも一段高くなる段差が形成されている。そして、各後ガイド溝40の後端部には、被ガイドコロ38を上方に押圧するための板ばねまたは線ばねからなる押圧部材42が設けられている。
【0038】
ドロワユニット3が収容位置に位置する状態では、被ガイドコロ36,38がそれぞれ前ガイド溝39および後ガイド溝40に嵌っている。一方、ドロワユニット3が引出位置に位置する状態では、被ガイドコロ36が前ガイド溝39から離脱し、被ガイドコロ38が後ガイド溝40に嵌っている。そして、ドロワユニット3が収容位置と引出位置との間で移動されるときに、その全期間にわたって、被ガイドコロ38が後ガイド溝40内を転動する。被ガイドコロ36は、ドロワユニット3が収容位置を含むその近傍で移動されるときに、前ガイド溝39内を転動する。
【0039】
ドロワユニット3が収容位置の近傍から収容位置に移動されるときに、被ガイドコロ36,38は、それぞれ押圧部材41,42から上向きの押圧力を受ける。これにより、被ガイドコロ36,38がそれぞれ前ガイド溝39および後ガイド溝40内で後上方に移動し、ドロワユニット3が後方に移動しつつ上方に持ち上がる。その結果、ドロワユニット3が収容位置に位置する状態では、各感光ドラム7が中間転写ベルト15に接触する。
【0040】
逆に、ドロワユニット3が収容位置から引出位置側に少し移動されると、被ガイドコロ36,38がそれぞれ前ガイド溝39および後ガイド溝40内で前下方に移動し、ドロワユニット3が前下方に移動する。その結果、各感光ドラム7が中間転写ベルト15から離間する。これにより、ドロワユニット3の移動時に、感光ドラム7が中間転写ベルト15に擦れることを防止できる。
【0041】
前板33には、ドロワユニット3の移動の際に使用される取っ手43が設けられている。
【0042】
底板35上には、図5に示されるように、各プロセスユニット6の装着位置に、各プロセスユニット6を上方に押圧するための2つの弾性部材44が左右方向に間隔を空けて設けられている。また、底板35には、露光器14(図1参照)からのレーザビームを通過させるビーム通過口45が形成されている。
2−2.プロセスユニット
2−2−1.ユニットフレーム
プロセスユニット6は、図8,9,10に示されるように、ユニットフレーム51を備えている。ユニットフレーム51には、左右方向に間隔を空けて互いに対向する左側板52(図9,10参照)および右側板53(図8参照)が含まれる。また、ユニットフレーム51は、図9,10に示されるように、帯電器保持部54と、クリーナ収容空間55を区画するクリーナ区画壁部56とを有している。
2−2−2.感光ドラム
感光ドラム7は、図7に示されるように、円筒状のドラム本体61を備えている。ドラム本体61の左端部には、モータ(図示せず)からの駆動力が入力されるドラムギヤ62が相対回転不能に取り付けられている。
【0043】
ドラム本体61は、図9,10に示されるように、ドラム本体61の中心軸線上を延びるドラム軸63に回転可能に支持されている。ドラム軸63は、左側板52(図9,10参照)および右側板53(図8参照)に挿通されて、その左端部および右端部は、それぞれ左側板52および右側板53の外側に突出している。また、ドラム軸63は、左側板52および右側板53に回転不能に固定されている。
【0044】
なお、ドラム本体61がドラム軸63に回転不能に支持され、ドラム軸63が左側板52および右側板53に回転可能に支持されて、ドラム軸63にドラムギヤ62が固定されていてもよい。
2−2−3.帯電器
帯電器8は、図9,10に示されるように、帯電器保持部54に保持されている。帯電器保持部54は、感光ドラム7の後下方において、感光ドラム7側に開放された断面略コ字状(角張った略C字状)をなしている。そして、帯電器7は、帯電器保持部54内で左右方向に延びる放電ワイヤ64と、感光ドラム7側と反対側に開放された断面略コ字状(角張った略C字状)をなし、帯電器保持部54の開放面を覆うように配置されるシールドケース65とを備えている。放電ワイヤ64に高電圧が印加されると、放電ワイヤ64からコロナ放電が生じる。そして、放電ワイヤ64から放電される電荷により、感光ドラム7の表面が帯電する。シールドケース65における感光ドラム7と対向する面には、感光ドラム7に到達する電荷量を制御するためのグリッド電極66が形成されている。
2−2−4.現像器
現像器9は、図8〜10に示されるように、現像ケーシング71を備えている。現像ケーシング71には、現像室72およびカートリッジ装着スペース73が形成されている。
【0045】
現像室72は、現像ケーシング71の上部に形成されている。現像ケーシング71における感光ドラム7と対向する部分には、左右方向に長い開口74が形成されており、現像室72は、開口74を介して外部と連通している。
【0046】
現像室72の上部には、現像ローラ75が設けられている。現像ローラ75は、左右方向に延びる軸線を中心とする円柱状の現像ローラ本体76と、現像ローラ本体76にその中心軸線に沿って挿通される現像ローラ軸77とを有している。現像ローラ75は、現像ローラ本体76の一部が開口74を介して現像ケーシング71の外部に露出するように配置されている。そして、現像ローラ軸77の左端部および右端部が現像ケーシング71に回転可能に挿通されることにより、現像ローラ75は、現像ケーシング71に回転可能に保持されている。
【0047】
現像室72の下部には、供給ローラ78が設けられている。供給ローラ78は、左右方向に延びる軸線を中心とする円柱状の供給ローラ本体79と、供給ローラ本体79にその中心軸線に沿って挿通される供給ローラ軸80とを有している。そして、供給ローラ78は、供給ローラ本体79が現像ローラ本体76に対して前下方から接触するように配置されている。そして、供給ローラ軸80の左端部および右端部が現像ケーシング71に回転可能に挿通されることにより、供給ローラ78は、現像ケーシング71に回転可能に保持されている。
【0048】
現像ケーシング71は、現像ローラ75と供給ローラ78との間に向けて凸となる断面略V字状をなす部分81を有している。そして、その部分81と現像ローラ本体76との間を閉塞するように、シール材82が設けられている。
【0049】
また、現像ローラ本体76を挟んでシール材82と反対側には、現像ケーシング71と現像ローラ本体76との間を閉塞するように、絶縁性ゴムからなる層厚規制ブレード83が設けられている。層厚規制ブレード83は、左右方向に長く延び、現像ローラ本体76の左右方向のほぼ全幅にわたって、現像ローラ本体76の下方から弾性的に当接している。
【0050】
さらに、図示されないが、現像ケーシング71と現像ローラ本体76の左端部および右端部との間を閉塞するように、シール材が設けられている。
【0051】
このように、現像ケーシング71と現像ローラ本体76との間は、現像ローラ本体76を取り囲むように設けられるシール材82、層厚規制ブレード83および図示されないシール材によって閉塞されている。これにより、現像室72のトナーが現像ケーシング71と現像ローラ本体76との間から漏れることが防止されている。
【0052】
現像ケーシング71は、仕切壁部84を有している。仕切壁部84は、現像室72とカートリッジ装着スペース73との間にそれらを仕切るように設けられ、カートリッジ装着スペース73側に向けて(下方に)凸湾曲する略半円弧状をなしている。
【0053】
また、現像ケーシング71は、外壁部85を有している。外壁部85は、その上端部が仕切壁部84の後端部に接続されており、仕切壁部84よりも大きい曲率で後方および下方に凸湾曲する略半円弧状をなしている。
【0054】
ブラックの現像器9とイエロー、マゼンタおよびシアンの現像器9とでは、カートリッジ装着スペース73の形状が異なる。
【0055】
すなわち、ブラックの現像器9では、図9,10に示されるように、現像ケーシング71は、外壁部85の下端部に連続して形成され、前上方に延びる平板状の平板部86を有している。そして、仕切壁部84、外壁部85および平板部86により、カートリッジ装着スペース73が区画されており、そのカートリッジ装着スペース73は、仕切壁部84と平板部86の間において開放されるとともに、右方に開放されている。
【0056】
一方、イエロー、マゼンタおよびシアンの現像器9では、図5に示されるように、現像ケーシング71は、外壁部85の下端部に連続して形成され、前方に凸湾曲する円弧状の円弧部87を有している。円弧部87の上端部は、仕切壁部84に接続されている。そして、仕切壁部84、外壁部85および円弧部87により、カートリッジ装着スペース73が区画されており、そのカートリッジ装着スペース73は、右方にのみ開放されている。
【0057】
カートリッジ装着スペース73の中央には、図8に示されるように、現像器側カップリング88が左右方向に延びる回転軸89を中心に回転可能に設けられている。回転軸89は、現像ケーシング71を貫通して、現像ケーシング71の外側に突出している。そして、回転軸89における現像ケーシング71の外側に突出した部分には、図7に示されるように、モータ(図示せず)からの駆動力が入力される現像ギヤ90が取り付けられている。
【0058】
仕切壁部84の上端部には、図9,10に示されるように、現像室72とカートリッジ装着スペース73とを連通する連通口91が形成されている。連通口91は、たとえば、左右方向に長い矩形状をなしている。
【0059】
仕切壁部84のカートリッジ装着スペース73側には、連通口91を開閉するための現像器側シャッタ92が設けられている。現像器側シャッタ92は、仕切壁部84のカートリッジ装着スペース73側の面に沿って円弧状に凸湾曲した薄板状をなしている。
【0060】
また、現像ケーシング71には、その左端部および右端部からそれぞれ後上方に突出する側面視略三角形状の連結部93が形成されている。左右の連結部93の後上端部は、図8に示されるように、ユニットフレーム51の左側板52および右側板53の内側に配置されている。また、左右の連結部93の後上端部には、左右方向の外側に突出する揺動軸94が形成されている。そして、左右の揺動軸94の先端部がそれぞれ左側板52および右側板53に回動可能に挿通されることにより、現像器9は、揺動軸94を支点として、現像ローラ75(現像ローラ本体76)が感光ドラム7と相対的に近接する近接位置(図1に示される位置)と感光ドラム7から相対的に離間する離間位置(図2に示される位置)との間で揺動可能に設けられている。
【0061】
なお、カラーレーザ1では、現像器9が近接位置に位置する状態で、図1に示されるように、現像ローラ75が感光ドラム7と接触する。しかしながら、現像ローラ75は、必ずしも感光ドラム7と接触しなくてもよく、近接位置は、現像ローラ75上のトナーが感光ドラム7に移行できるような、現像ローラ75が感光ドラム7に対してごく僅かな間隔を空けて対向する位置であってもよい。
2−2−5.ドラムクリーナ
ドラムクリーナ10は、図9,10に示されるように、クリーナ区画壁部56により区画されるクリーナ収容空間55に配置されている。ドラムクリーナ10は、左右方向に延びる軸線を中心とする円柱状のクリーニングローラ本体101と、クリーニングローラ本体101の左端部および右端部から左右方向に突出し、ユニットフレーム51の左側板52および右側板53に回転可能に支持されるクリーニングローラ軸102とを有している。クリーニングローラ本体101は、感光ドラム7に接触している。
2−3.ベルトクリーナ
ベルトクリーナ13は、図5に示されるように、ドロワフレーム5の前上端部に取り付けられている。ベルトクリーナ13は、クリーナケーシング111を備えている。クリーナケーシング111は、ローラ収容室112を区画する収容室区画壁部113と、廃トナー搬送室114を区画する搬送室区画壁部115とを有している。
【0062】
収容室区画壁部113は、ドロワフレーム5の上端縁よりも下方の位置から後上方に延び、ドロワフレーム5の上端縁よりも上方の位置で屈曲して、後方に延びている。これにより、ローラ収容室112は、後方に開放されている。
【0063】
ローラ収容室112には、1次ベルトクリーニングローラ116および2次ベルトクリーニングローラ117が設けられている。
【0064】
1次ベルトクリーニングローラ116は、左右方向に延びる軸線を中心とする円柱状のローラ本体118と、ローラ本体118にその中心軸線に沿って挿通されるローラ軸119とを有している。ドロワユニット3が本体ケーシング2内の収容位置に位置する状態で、ローラ本体118は、図1に示されるように、ローラ16との間に中間転写ベルト15を挟むように、中間転写ベルト15にそのほぼ全幅にわたって接触する。ローラ軸119は、クリーナケーシング111に回転可能に支持されている。ローラ軸119の左端部は、図11に示されるように、クリーナケーシング111の左側板120を貫通し、その左側板120から外側に突出した部分には、モータ(図示せず)からの駆動力が入力されるギヤ121が取り付けられている。
【0065】
2次ベルトクリーニングローラ117は、左右方向に延びる軸線を中心とする円柱状のローラ本体122と、ローラ本体122にその中心軸線に沿って挿通されるローラ軸123とを有している。ローラ本体122は、1次ベルトクリーニングローラ116のローラ本体118に前下方からそのほぼ全幅にわたって接触している。ローラ軸123は、クリーナケーシング111に回転可能に支持されている。ローラ軸123の左端部は、クリーナケーシング111の左側板120を貫通し、その左側板120から外側に突出した部分には、モータ(図示せず)からの駆動力が入力されるギヤ124が取り付けられている。
【0066】
搬送室区画壁部115は、図5に示されるように、上方に開放された断面略U字状をなし、その前上端部が収容室区画壁部113の下端部に接続されている。また、クリーナケーシング111は、収容室区画壁部113と搬送室区画壁部115との接続部分から後方に延びる平板状のスクレーパ支持壁部125を有している。搬送室区画壁部115の後上端部とスクレーパ支持壁部125の後端部との間には間隔が空けられており、廃トナー搬送室114は、搬送室区画壁部115の後上端部とスクレーパ支持壁部125の後端部との間から上方に開放されている。
【0067】
スクレーパ支持壁部125の後端部には、スクレーパ126が取り付けられている。スクレーパ126は、板状をなし、搬送室壁118の前上端部から後下方に延びている。スクレーパ126の後端部は、2次ベルトクリーニングローラ117(ローラ本体122)の周面に対して前下方から当接している。
【0068】
廃トナー搬送室114には、図6,11に示されるように、第1搬送部材の一例としてのオーガ127が設けられている。オーガ127は、左右方向に延びるオーガ軸128の周囲に螺旋状のオーガスクリュー129が形成された構成を有している。オーガ軸128は、クリーナケーシング111に回転可能に支持されている。オーガ軸128の左端部は、クリーナケーシング111の左側板120を貫通し、その左側板120から外側に突出した部分には、モータ(図示せず)からの駆動力が入力されるギヤ130が取り付けられている。オーガスクリュー129は、オーガ軸128の左端部から全長の約1/3程度の長さの部分と残りの部分とで、螺旋状の巻きの方向が逆になっている。
2−4.連結搬送部
ベルトクリーナ13の下方には、図5,6,11に示されるように、第2搬送部材の一例としての連結搬送部141が設けられている。
【0069】
連結搬送部141は、図11に示されるように、クリーナケーシング111と一体的に形成された搬送室外壁142を備えている。搬送室外壁142は、クリーナケーシング111の中央部よりも左寄りの位置から下方に突出する正面視略矩形状をなしている。
【0070】
搬送室外壁142内には、円柱状の廃トナー搬送室143が形成されている。廃トナー搬送室143は、右方に開放され、搬送室外壁142の左側板によって左方に閉塞されている。搬送室外壁142における廃トナー搬送室143が形成されている部分は、筒部の一例である。
【0071】
また、搬送室外壁142には、オーガスクリュー129における巻きの方向が切り替わる部分と上下方向に対向する位置に、ベルトクリーナ13の廃トナー搬送室114と連結搬送部141の廃トナー搬送室143とを連通する連通室144が形成されている。
【0072】
廃トナー搬送室143内には、シャッタの一例としての円筒状の連通室シャッタ145が収容されている。連通室シャッタ145の外径は、廃トナー搬送室143の内径とほぼ同じである。連通室シャッタ145は、廃トナー搬送室143の左端部に配置されて、廃トナー搬送室143と開口の一例としての連通室144とが連通する連通位置と、廃トナー搬送室143の右端部に配置されて、廃トナー搬送室143と連通室144との連通を遮断する遮断位置とに移動可能に設けられている。
【0073】
搬送室外壁142の左側板には、円形の貫通孔146が形成されている。貫通孔146の中心は、廃トナー搬送室143の中心軸線上に位置している。そして、搬送室外壁142と一体的に、貫通孔146の周縁から廃トナー搬送室143に突出する円筒状のカップリング収容壁部147が形成されている。
【0074】
カップリング収容壁部147内には、クリーナ側カップリング148が左右方向に延びる回転軸149を中心に回転可能に収容されている。回転軸149は、搬送室外壁142の左方に延び、その左端部には、モータ(図示せず)からの駆動力が入力されるギヤ150が取り付けられている。
【0075】
また、カップリング収容壁部147の外側を取り囲むように、コイルばね151が設けられている。コイルばね151の左端部は、搬送室外壁142の左側板に固定されている。コイルばね151の右端部は、連通室シャッタ145に固定されている。コイルばね151の弾性力により、連通室シャッタ145は、遮断位置に向けて右方に付勢されている。
3.トナーカートリッジ
3−1.ブラックのトナーカートリッジ
ブラックのトナーカートリッジ11は、図4に示されるように、イエロー、マゼンタおよびシアンのトナーカートリッジ11と形状が異なり、イエロー、マゼンタおよびシアンのトナーカートリッジ11よりもサイズが大きい。
【0076】
ブラックのトナーカートリッジ11は、図12,13,14,15,16,17,18に示されるように、筐体161を備えている。
【0077】
筐体161内には、図14,15に示されるように、分割壁162が形成されている。この分割壁162により、筐体161内は、分割壁162の後側の空間と前側の空間とに2分割されている。
【0078】
分割壁162の後側の空間は、現像器9に供給されるトナーを収容するための空間であり、筐体161における分割壁162の後側の空間を区画する部分は、現像剤収容部の一例としてのトナー収容部163である。
【0079】
一方、分割壁162の前側の空間は、廃棄されるトナー(廃トナー)を収容するための空間であり、筐体161における分割壁162の前側の空間を区画する部分は、廃現像剤収容部の一例としての廃トナー収容部164である。すなわち、筐体161は、一体化されたトナー収容部163および廃トナー収容部164を備えている。
【0080】
トナー収容部163によって区画される空間は、円形の上部を円形の中心側に凹湾曲するように切り欠いた断面形状を有している。より具体的に、分割壁162は、前方に凸となるように湾曲しつつ上下方向に延びる円弧状をなしている。トナー収容部163は、分割壁162の上端部に接続され、現像ケーシング71の仕切壁部84とほぼ同じ曲率で下方に凸となるように湾曲しつつ後方に延びる円弧状をなす第1円弧状部165と、分割壁162の下端部と第1円弧状部165の後端部とに接続され、現像ケーシング71の外壁部85とほぼ同じ曲率で後方および下方に凸湾曲する略半円弧状をなす第2円弧状部166とを備えている。
【0081】
第1円弧状部165の後端部には、トナー排出口167が形成されている。トナー排出口167は、仕切壁部84に形成されている連通口91(図9,10参照)とほぼ同じ形状およびサイズに形成されている。ブラックのトナーカートリッジ11が現像器9のカートリッジ装着スペース73に装着されたときに、トナー排出口167は、連通口91に対して後下方から対向する。
【0082】
第1円弧状部165の外側には、トナー排出口167を開閉するためのカートリッジ側シャッタ168が設けられている。カートリッジ側シャッタ168は、第1円弧状部165の外面に沿って円弧状に湾曲した薄板状をなし、現像器側シャッタ92(図9,10参照)とほぼ同じ形状およびサイズに形成されている。
【0083】
トナー収容部163内には、アジテータ169が設けられている。アジテータ169は、フィルムからなり、左右方向に延びるアジテータ軸170に取り付けられている。アジテータ軸170は、トナー収容部163(筐体161)に回転可能に支持されている。アジテータ軸170の左端部は、トナー収容部163の外側に突出し、その外側に突出した部分には、図12に示されるように、現像器側カップリング88(図8参照)と結合可能なアジテータ側カップリング171が取り付けられている。
【0084】
廃トナー収容部164は、分割壁162の上端部に接続され、現像ケーシング71の仕切壁部84とほぼ同じ曲率で下方に凸となるように湾曲しつつ前方に延びる円弧状をなす円弧状部172と、分割壁162の下端部から前上方に延びる平板状部173と、円弧状部172の上端部と平板状部173の上端部との間に架設される上板部174とを備えている。
【0085】
上板部174の左右方向の中央部には、図14,15に示されるように、円形孔175が形成されている。そして、廃トナー収容部164には、円形孔175の周縁部から下方に突出する扁平な略円筒状の接続部176が形成されている。接続部176は、扁平なために図面では視認しにくいが、現像器9の揺動軸94を中心とする円弧状に湾曲している。
【0086】
そして、筐体161の上方には、図16〜18に示されるように、第3搬送部材の一例としてのカートリッジ側搬送部181が設けられている。カートリッジ側搬送部181は、左右方向に長く延びる円柱状の本体部182と、本体部182から下方に延びる被接続部183とを備えている。
【0087】
本体部182の外径は、連結搬送部141の廃トナー搬送室143(図11参照)の内径とほぼ等しい。本体部182内には、図17に示されるように、その左端部と左右方向の中央部よりも少し右寄りの部分との間にわたって、円柱状の廃トナー搬送室184が形成されている。本体部182は、廃トナー搬送室184が形成されている部分において円筒状をなしている。
【0088】
本体部182の左端部には、図17,18に示されるように、上方に開放される廃トナー受入口185が形成されている。廃トナー受入口185は、連結搬送部141の連通室144と上下方向においてほぼ同じ形状およびサイズに形成されている。ブラックのトナーカートリッジ11が現像器9のカートリッジ装着スペース73に装着されたときに、廃トナー受入口185は、連通室144に対して下方から対向する。
【0089】
本体部182の外側を取り囲むように、図16,18に示されるように、円筒状の受入口シャッタ186が左右方向に移動可能に設けられている。受入口シャッタ186の内径は、本体部182の外径とほぼ同じである。本体部182の左右方向の中央部の近傍には、本体部182の周囲に張り出す鍔状のシャッタストッパ187が形成されている。受入口シャッタ186の左右方向の長さは、本体部182の左端とシャッタストッパ187との間の長さの約半分である。これにより、受入口シャッタ186は、本体部182の左端とシャッタストッパ187との間で、廃トナー受入口185を開放する開放位置と、廃トナー受入口185を閉塞する閉塞位置とに移動することができる。
【0090】
また、受入口シャッタ186とシャッタストッパ187との間において、本体部182の外側を取り囲むように、コイルばね188が設けられている。コイルばね188の左端部は、受入口シャッタ186の右端部に固定されている。コイルばね188の右端部は、シャッタストッパ187に固定されている。コイルばね188の弾性力により、受入口シャッタ186は、閉塞位置に向けて左方に付勢されている。
【0091】
廃トナー搬送室184には、図17に示されるように、オーガ189が設けられている。オーガ189は、左右方向に延びるオーガ軸190の周囲に螺旋状のオーガスクリュー191が形成された構成を有している。オーガ軸190は、本体部182に回転可能に支持されている。オーガ軸190は、本体部182の外側に突出し、その外側に突出した部分には、クリーナ側カップリング148(図11参照)と結合可能なカートリッジ側カップリング192が取り付けられている。
【0092】
また、筐体161の左右方向の中央部には、2つの受け部193が左右方向に間隔を空けて形成されている。受け部193は、筐体161から上方に突出し、下方に開放される断面略U字状をなしている。そして、2つの受け部193の内側には、本体部182におけるシャッタストッパ187よりも右側の部分が挿通されている。各受け部193に囲まれる部分内において、筐体161と本体部182との間には、本体部182を筐体161から離間する方向(上方)に付勢するばね194が介在されている。
【0093】
被接続部183は、図14,15に示されるように、現像器9の揺動軸94を中心とする円弧状に湾曲しつつ上下方向に延びる円筒状をなしている。被接続部183の外径は、接続部176の内径よりも少し小さく、被接続部183は、接続部176に挿通されている。被接続部183の外周面には、円筒状のシール部材195が貼着されており、接続部176の内周面と被接続部183の外周面との間は、シール部材195によってシールされている。また、被接続部183の後下端部(先端部)には、被接続部183の径方向に張り出すフランジ196が形成されている。
【0094】
本体部182における被接続部183の内側に臨む部分には、内部連通口197が形成されている。これにより、本体部182内の廃トナー搬送室184と被接続部183内とは、内部連通口197を介して連通している。
3−2.イエロー、マゼンタおよびシアンのトナーカートリッジ
イエロー、マゼンタおよびシアンのトナーカートリッジ11は、図5に示されるように、ブラックのトナーカートリッジ11の構成から廃トナー収容部164およびカートリッジ側搬送部181を省略した構成を有している。そのため、イエロー、マゼンタおよびシアンのトナーカートリッジ11の各部について、ブラックのトナーカートリッジ11の各部に相当する部分には、それら各部と同一の参照符号を付し、その構成についての説明を省略する。
4.プロセスユニットの着脱
プロセスユニット6は、図3,4に示されるように、フロントカバー4が開かれて、ドロワユニット3が本体ケーシング2外の引出位置に引き出された状態で、ドロワフレーム5に対してその上方から着脱される。
【0095】
具体的には、図3,7に示されるように、ドロワフレーム5の左側板31の右側面には、各プロセスユニット6の装着位置に対応して、その上端縁から前下がりに傾斜して延びる側面視U字状の案内溝201が形成されている。また、図7に示されるように、ドロワフレーム5の右側板32の左側面には、各案内溝201と左右方向に対向する位置に、案内溝201と左右対称をなす案内溝201が形成されている。
【0096】
プロセスユニット6がドロワフレーム5の上方からドロワフレーム5内に向けて移動され、その移動の途中で、プロセスユニット6のユニットフレーム51から左右両側に突出するドラム軸63が案内溝201に差し入れられる。ドラム軸63が案内溝201に差し入れられた後は、ドラム軸63が案内溝201内を下方に移動することにより、ドラム軸63の移動が案内溝201に案内され、プロセスユニット6が案内溝201の延びる方向に移動する。ドラム軸63が案内溝201の下端部に達すると、ドロワフレーム5に対するプロセスユニット6の装着が完了する。プロセスユニット6がドロワフレーム5に装着された状態で、各プロセスユニット6は、2つの弾性部材44から上向きの押圧力を受ける。
【0097】
プロセスユニット6がドロワフレーム5に装着された状態から、プロセスユニット6がドロワフレーム5から離脱されるときには、プロセスユニット6が引き上げられる。このとき、ドラム軸63が案内溝201内を上方に移動することにより、ドラム軸63の移動が案内溝201に案内され、プロセスユニット6が案内溝201の延びる方向に移動する。そして、ドラム軸63が案内溝201から離脱すると、ドロワフレーム5に対するプロセスユニット6の離脱が完了する。
5.トナーカートリッジの着脱
トナーカートリッジ11は、図4に示されるように、フロントカバー4が開かれて、ドロワユニット3が本体ケーシング2外の引出位置に引き出された状態で、ドロワフレーム5に形成されたカートリッジ着脱口12からドロワフレーム5内に差し入れられる。ドロワフレーム5にプロセスユニット6が装着された状態では、図7に示されるように、カートリッジ着脱口12の奥側(左側)に、現像器9のカートリッジ装着スペース73が配置される。したがって、カートリッジ着脱口12からドロワフレーム5内に差し入れられるトナーカートリッジ11は、カートリッジ装着スペース73に進入する。そして、トナーカートリッジ11がカートリッジ装着スペース73に収容されると、ドロワフレーム5(カートリッジ装着スペース73)に対するトナーカートリッジ11の装着が達成される。
【0098】
トナーカートリッジ11がカートリッジ装着スペース73に装着されると、図6に示されるように、トナーカートリッジ11のアジテータ側カップリング171が現像器9の現像器側カップリング88(図8参照)と結合する。これにより、モータ(図示せず)から現像ギヤ90に入力される駆動力が現像器側カップリング88およびアジテータ側カップリング171を介してアジテータ軸170に伝達可能となる。
【0099】
トナーカートリッジ11がカートリッジ装着スペース73から離脱した状態では、図10に示されるように、現像器9の連通口91が現像器側シャッタ92によって閉塞されている。また、トナーカートリッジ11のトナー排出口167がカートリッジ側シャッタ168によって閉塞されている。トナーカートリッジ11がカートリッジ装着スペース73に装着されると、図5,9,14に示されるように、現像器側シャッタ92とカートリッジ側シャッタ168とが重なり合う。そして、その装着後に、図示されないシャッタ駆動機構により、現像器側シャッタ92およびカートリッジ側シャッタ168が一体となって移動され、連通口91およびトナー排出口167が開放される。これにより、現像室72とトナー収容部163内とは、連通口91およびトナー排出口167を介して連通する。
【0100】
ブラックのトナーカートリッジ11については、カートリッジ装着スペース73に装着される途中で、図6に示されるように、カートリッジ側搬送部181の受入口シャッタ186が連結搬送部141の搬送室外壁142の右端面に当接する。その後、トナーカートリッジ11がさらに左方に移動されると、カートリッジ側搬送部181の本体部182が連結搬送部141の廃トナー搬送室143に進入する。これにより、受入口シャッタ186は、コイルばね188の弾性力に抗して、本体部182に対して右方に移動する。その結果、受入口シャッタ186は、閉塞位置から開放位置に向けて移動し、カートリッジ装着スペース73に対するトナーカートリッジ11の装着が完了した時点で、開放位置に位置する。
【0101】
また、本体部182が廃トナー搬送室143内を左方に移動する途中で、本体部182が連通室シャッタ145の右端面に当接する。この当接後、本体部182がさらに左方に移動されると、連通室シャッタ145は、本体部182によって左方に押され、コイルばね151の弾性力に抗して、遮断位置から連通位置に向けて移動する。そして、カートリッジ装着スペース73に対するトナーカートリッジ11の装着が完了した時点で、連通室シャッタ145は、連通位置に位置する。
【0102】
連通室シャッタ145が連通位置に位置する状態で、廃トナー搬送室143と連通室144とが連通するので、ベルトクリーナ13の廃トナー搬送室114と廃トナー搬送室143とが連通室144を介して連通する。また、受入口シャッタ186が開放位置に位置する状態で、廃トナー受入口185が開放される。廃トナー受入口185は、連通室144に対して下方から対向している。したがって、連通室144とカートリッジ側搬送部181の廃トナー搬送室184とが廃トナー受入口185を介して連通する。そして、廃トナー搬送室184は、内部連通口197を介して被接続部183内と連通し、被接続部183内は、トナーカートリッジ11の廃トナー収容部164内と連通している。よって、ベルトクリーナ13の廃トナー搬送室114とトナーカートリッジ11の廃トナー収容部164内とは、廃トナー搬送室143、連通室144、廃トナー受入口185、廃トナー搬送室184、内部連通口197および被接続部183内を介して連通する。
【0103】
また、トナーカートリッジ11がカートリッジ装着スペース73に装着されると、図6に示されるように、カートリッジ側搬送部181のカートリッジ側カップリング192が連結搬送部141のクリーナ側カップリング148と結合する。これにより、モータ(図示せず)からギヤ150に入力される駆動力が回転軸149、クリーナ側カップリング148およびカートリッジ側カップリング192を介してオーガ軸190に伝達可能となる。
【0104】
カートリッジ装着スペース73に対するトナーカートリッジ11の離脱の際には、カートリッジ装着スペース73に対するトナーカートリッジ11の装着の際と逆の操作が行われる。
6.トナーの供給
カートリッジ装着スペース73にトナーカートリッジ11が装着された後、ドロワユニット3が本体ケーシング2内の収容位置に収容され、フロントカバー4が閉じられると、トナーカートリッジ11から現像器9へのトナーの供給が開始される。
【0105】
図5,9,14を参照して、具体的には、アジテータ軸170に伝達される駆動力により、アジテータ軸170が右側から見て反時計回りに回転される。アジテータ軸170の回転に伴って、アジテータ169は、トナー収容部163の内面に摺擦しつつ、右側から見て反時計回りに回転する。この回転するアジテータ169により、トナー収容部163内のトナー排出口167の近傍のトナーがトナー排出口167に向けて押され、トナー排出口167からトナーが排出される。トナー排出口167から排出されるトナーは、連通口91を介して、現像器9の現像室72に流れ込む。このようにして、トナーカートリッジ11のトナー収容部163内のトナーが現像器9の現像室72に供給される。
【0106】
現像室72内のトナーは、供給ローラ78の回転に伴って、供給ローラ78(供給ローラ本体79)上から現像ローラ75(現像ローラ本体76)上に供給される。現像ローラ75上のトナーは、現像ローラ75の回転に伴って、層厚規制ブレード83の遊端部との間に進入し、その厚さが規制されることにより、現像ローラ75上に薄層となって担持される。画像形成時には、現像器9が近接位置(図1に示される位置)に位置しており、現像ローラ75(現像ローラ本体76)の周面が感光ドラム7の表面に接触している。感光ドラム7および現像ローラ75の回転に伴って、現像ローラ75上のトナーが感光ドラム7に供給されることにより、感光ドラム7の表面に形成された静電潜像がトナー像に現像される。
【0107】
なお、非画像形成時には、現像器9が離間位置(図2に示される位置)に位置し、現像ローラ75が感光ドラム7から離間される。
7.廃トナーの回収
感光ドラム7の表面には、トナーが用紙に転写されずに残ることがある。
【0108】
図1を参照して、ドラムクリーナ10には、画像形成時に、クリーニングバイアスが供給される。このクリーニングバイアスの作用により、感光ドラム7の表面に残ったトナー(廃トナー)は、ドラムクリーナ10のクリーニングローラ本体101(図9参照)に転移し、クリーニングローラ本体101に一時的に保持される。
【0109】
画像形成動作の終了後、次の画像形成動作が行われる前の非画像形成時に、ドラムクリーナ10にクリーニングバイアスと正負反対のバイアスが供給されることにより、クリーニングローラ本体101に保持された廃トナーが感光ドラム7の表面に戻される。そして、各1次転写ローラ18にバイアスが供給されることにより、感光ドラム7の表面に戻された廃トナーが感光ドラム7から中間転写ベルト15に移される。
【0110】
また、画像形成時に、感光ドラム7から中間転写ベルト15にトナーが転移することがある。
【0111】
中間転写ベルト15上の廃トナーは、ベルトクリーナ13に回収される。図5を参照して、具体的には、1次ベルトクリーニングローラ116および2次ベルトクリーニングローラ117には、それぞれ1次クリーニングバイアスおよび2次クリーニングバイアスが供給されている。中間転写ベルト15上の廃トナーは、1次ベルトクリーニングローラ116と対向したときに、1次ベルトクリーニングローラ116のローラ本体118に転移する。ローラ本体118上に転移した廃トナーは、2次ベルトクリーニングローラ117のローラ本体122上にさらに転移する。そして、2次ベルトクリーニングローラ117上の廃トナーは、スクレーパ126と対向したときに、スクレーパ126により、ローラ本体122上から掻き落とされる。その掻き落とされた廃トナーは、廃トナー搬送室114に受け取られる。
【0112】
図6を参照して、廃トナー搬送室114では、オーガ127が回転している。廃トナー搬送室114に受け取られた廃トナーは、オーガ127により、廃トナー搬送室114の左右方向の中央部、より具体的には、オーガスクリュー129における巻きの方向が切り替わる部分に向けて搬送される。そして、オーガ127により搬送される廃トナーは、連通室144を自然落下し、廃トナー受入口185を介して、カートリッジ側搬送部181の廃トナー搬送室184に送られる。
【0113】
図17を参照して、廃トナー搬送室184では、オーガ軸190に伝達される駆動力により、オーガ189が回転している。廃トナー搬送室184に送られた廃トナーは、オーガ189により、廃トナー搬送室184を右方に搬送される。そして、廃トナー搬送室184の右端部に達した廃トナーは、内部連通口197(図14参照)および被接続部183を介して、自然落下により、トナーカートリッジ11の廃トナー収容部164内に送られる。
8.作用効果
8−1.作用効果1
以上のように、感光ドラム7には、現像器9に保持される現像ローラ75から現像剤が供給される。感光ドラム7の上方には、無端状の中間転写ベルト15が感光ドラム7と対向して配置されている。そのため、中間転写ベルト15には、感光ドラム7から現像剤が転移して付着する。画像を形成する目的以外で中間転写ベルト15に付着したトナーは、廃棄されるべき廃トナーである。
【0114】
中間転写ベルト15から廃トナーを除去して回収するために、ベルトクリーナ13が設けられている。ベルトクリーナ13に回収された廃トナーは、オーガ127、連結搬送部141およびカートリッジ側搬送部181により、ベルトクリーナ13から廃トナー収容部164に搬送される。オーガ127、連結搬送部141およびカートリッジ側搬送部181は、搬送機構の一例を構成する。
【0115】
現像器9には、トナーを収容するためのトナー収容部163を有するトナーカートリッジ11が保持されている。廃トナー収容部164は、トナー収容部163と一体化されている。また、廃トナー収容部164は、カートリッジ側搬送部181に対して相対移動可能に設けられている。
【0116】
よって、廃トナー収容部164がトナー収容部163と一体化された構成において、その一体化されたトナー収容部163および廃トナー収容部164を一体的に移動させることができ、ひいては感光ドラム7に対して現像ローラ75を移動させることができる。その結果、現像ローラ75を感光ドラム7に対して適した位置に配置することができる。また、現像ローラ75から感光ドラム7にトナーが供給されないときに、現像ローラ75を感光ドラム7から離間させることができるので、感光ドラム7および現像ローラ75の劣化を抑制することができる。
【0117】
また、廃トナー収容部164がトナー収容部163と一体化されているので、少なくともトナー収容部163のトナーがなくなる頻度で廃トナー収容部164を交換することができる。そのため、廃トナー収容部164の容量をそれほど大きく確保する必要がない。よって、廃トナー収容部164の小容量化により、カラープリンタ1の小型化を図ることができる。
8−2.作用効果2
現像器9およびベルトクリーナ13は、ドロワフレーム5に保持されている。ドロワフレーム5は、本体ケーシング内に収容された収容位置と本体ケーシング外に引き出された引出位置とに移動可能に設けられている。そして、ドロワフレーム5が引出位置に位置するとき、ドロワフレーム5は、中間転写ベルト15と対向しない。言い換えれば、ドロワフレーム5が引出位置に位置する状態では、ドロワフレーム5の開口部500が上方に開放される。そのため、ドロワフレーム5が収容位置から引出位置に引き出されると、現像器9およびベルトクリーナ13が本体ケーシング外に露出する。よって、現像器9およびベルトクリーナ13のメンテナンスを楽に行うことができる。
【0118】
ベルトクリーナ13は、現像器9に対して収容位置から引出位置に向かう引出方向の下流側に配置されている。そのため、ドロワフレーム5が収容位置から引出位置に向けて少し移動された状態で、ベルトクリーナ13のメンテナンスを行うことができる。よって、ベルトクリーナ13のメンテナンス作業性については、とくに優れている。
8−3.作用効果3
廃トナー収容部164には、筒状の接続部176が形成されている。カートリッジ側搬送部181には、筒状の被接続部183が含まれる。被接続部183は、接続部176に挿通されて、接続部176と相対移動可能に接続されている。そのため、廃トナー収容部164がカートリッジ側搬送部181に対して相対的に移動されたときに、接続部176と被接続部183との重なり部分で接続を確保することができる。
8−4.作用効果4
オーガ127は、ベルトクリーナ13に回収された廃トナーを現像ローラ75の回転軸線が延びる軸線方向の中央部に向けて軸線方向に搬送する。オーガ127によって搬送される廃トナーは、自重で落下し、廃トナー収容部164に収容される。
8−5.作用効果5
連結搬送部141は、オーガ127によって搬送されてくる廃トナーを自重で落下させる。カートリッジ側搬送部181は、連結搬送部141によって搬送されてくる廃トナーを被接続部183に向けて軸線方向の一方側に搬送する。オーガ127、連結搬送部141およびカートリッジ側搬送部181により、廃トナーをベルトクリーナ13から廃トナー収容部164に搬送することができる。
8−6.作用効果6
感光ドラム7は、ドロワフレーム5に保持されている。廃トナー収容部164と一体的に設けられるトナー収容部163は、カートリッジ側搬送部181と一体化されている。そして、その廃トナー収容部164およびカートリッジ側搬送部181と一体化されたトナー収容部163は、ドロワフレーム5に対して軸線方向に着脱可能に設けられている。トナー収容部163がドロワフレーム5に装着された状態で、カートリッジ側搬送部181は、連結搬送部141に対して軸線方向から連結される。そのため、ドロワフレーム5へのトナー収容部163の装着に伴って、連結搬送部141とカートリッジ側搬送部181との連結を達成することができる。
8−7.作用効果7
連結搬送部141は、搬送室外壁142と、搬送室外壁142に対して軸線方向に相対移動可能に設けられた連通室シャッタ145とを備えている。搬送室外壁142には、オーガ127によって搬送されてくる廃トナーを受け入れる連通室144が形成されている。カートリッジ側搬送部181が連結搬送部141に連結されていない状態では、連通室シャッタ145によって連通室144が閉塞されている。そして、カートリッジ側搬送部181が連結搬送部141に連結されたときに、連通室シャッタ145が搬送室外壁142に対して軸線方向に相対移動し、連通室144が開放される。
【0119】
よって、カートリッジ側搬送部181が連結搬送部141に連結されていない状態では、連結搬送部141から廃トナーが漏れることを防止できる。一方、カートリッジ側搬送部181が連結搬送部141に連結された状態では、連結搬送部141からカートリッジ側搬送部181に廃トナーを搬送することができる。
9.変形例
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
9−1.変形例1
図19に示されるように、ベルトクリーナ13は、1次ベルトクリーニングローラ116が中間転写ベルト15の平面状部分の前端部に接触していてもよい。この場合、中間転写ベルト15の平面状部分を挟んで1次ベルトクリーニングローラ116と対向する位置には、バックアップローラ211が設けられる。
9−2.変形例2
図20に示されるように、ベルトクリーナ13として、1次ベルトクリーニングローラ116および2次ベルトクリーニングローラ117が省略されて、スクレーパ126の先端部が中間転写ベルト15に当接される構成のものが採用されてもよい。
9−3.変形例3
筒状の被接続部183を弾性チューブとし、その被接続部183を接続部176と本体部182の内部連通口197に直接接着などの方法により固定してもよい、
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【符号の説明】
【0120】
1 カラープリンタ
5 ドロワフレーム
7 感光ドラム
13 ベルトクリーナ
15 中間転写ベルト
75 現像ローラ
127 オーガ
141 連結搬送部
142 搬送室外壁
145 連通室シャッタ
163 トナー収容部
164 廃トナー収容部
176 接続部
181 カートリッジ側搬送部
183 被接続部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光ドラムと、
前記感光ドラムの上方に前記感光ドラムと対向して配置される無端状のベルトと、
現像剤を収容するための現像剤収容部を保持するとともに、前記感光ドラムに現像剤を供給する現像ローラを回転可能に保持する現像器と、
前記現像剤収容部と一体的に設けられ、廃棄されるべき廃現像剤を収容するための廃現像剤収容部と、
前記ベルトの表面から廃現像剤を除去して回収する回収ユニットと、
前記廃現像剤収容部および前記回収ユニットに接続され、前記回収ユニットから前記廃現像剤収容部に廃現像剤を搬送する搬送機構とを備え、
前記廃現像剤収容部は、前記搬送機構に対して相対移動可能に設けられている、画像形成装置。
【請求項2】
本体ケーシングと、
前記本体ケーシング内に収容された収容位置と前記本体ケーシング外に引き出された引出位置とに移動可能に設けられ、前記現像器および前記回収ユニットを保持する保持部材と、
前記回収ユニットは、前記現像器に対して前記収容位置から前記引出位置に向かう引出方向の下流側に配置されている、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記保持部材は、上方に向かって開放される開口部を有し、
前記開口部は、前記保持部材が前記収容位置に配置されているときは前記ベルトと対向し、前記保持部材が前記引出位置に配置されているときは前記ベルトと対向しない、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記廃現像剤収容部には、筒状の接続部が形成されており、
前記搬送機構は、筒状をなし、前記接続部に挿通されて、前記接続部と相対移動可能に接続される被接続部を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記搬送機構は、前記回収ユニットに回収された廃現像剤を前記現像ローラの回転軸線が延びる軸線方向の中央部に向けて前記軸線方向に搬送する第1搬送部材を含み、前記第1搬送部材によって搬送されてくる廃現像剤を自重で落下させる、請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記搬送機構は、前記第1搬送部材によって搬送されてくる廃現像剤を自重で落下させる第2搬送部材と、前記第2搬送部材によって搬送されてくる廃現像剤を前記被接続部に向けて前記軸線方向の一方側に搬送する第3搬送部材とを含む、請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記感光ドラムを保持する保持部材を備え、
前記廃現像剤収容部と一体的に設けられる前記現像剤収容部は、前記第3搬送部材と一体をなして、前記保持部材に対して前記軸線方向に着脱可能に設けられ、
前記第3搬送部材は、前記現像剤収容部が前記保持部材に装着された状態で、前記第2搬送部材に対して前記軸線方向から連結される、請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第2搬送部材は、前記軸線方向に延びる筒部と、前記筒部に対して前記軸線方向に相対移動可能に設けられたシャッタとを備え、
前記筒部には、前記第1搬送部材によって搬送されてくる廃現像剤を受け入れる開口が形成されており、
前記第3搬送部材が前記第2搬送部材に連結されていない状態では、前記シャッタによって前記開口が閉塞され、前記第3搬送部材が前記第2搬送部材に連結されたときに、前記シャッタが前記筒部に対して前記軸線方向に相対移動し、前記開口が開放される、請求項7に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−215596(P2012−215596A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−78854(P2011−78854)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】