説明

画像形成装置

【課題】原稿をプレスキャンする際に、スキャンの経過をユーザが視認可能な態様で表示画面に表示して利便性の向上を図ることができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】原稿読取部102と、画像データを蓄積する蓄積手段105と、表示画像を生成する表示画像生成手段137と、表示パネル132と、原稿読取部102からの画像データの入力状況を表示パネル132上で表示案内する操作ユニット側制御部131とを具備する操作ユニット120を備える画像形成装置100において、表示パネル132は、第1の表示領域151と第2の表示領域152とを備え、操作ユニット側制御部131は、表示画像を第1の表示領域151に表示する機能と、第1の表示領域151に表示された表示画像を第2の表示領域152に向かって移動表示させた後に第2の表示領域152に表示する機能とを備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機やプリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に係り、特に、複数ページの原稿画像をプレビュー表示可能な画像表示操作装置を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複数ページの原稿画像をプレビュー表示可能な画像表示操作装置を備えた画像形成装置が知られている。このような画像形成装置によれば、ジョブの実行前に事前に原稿をスキャン(プリスキャン)した処理結果を表示画面上にプレビュー表示することで、出力する前に読み取った原稿を確認することができる。
【0003】
従来技術として、例えば、画像形成装置において、画像処理に用いる設定項目と画像処理の結果の概略を示すプレビュー情報とを表示手段の同一画面上に表示する表示処理手段を備えて、プレビュー情報を表示手段に表示するようにしたものが開示されている(特許文献1を参照)。
【0004】
上述した画像形成装置によれば、プリスキャンボタンを選択すると、ジョブの実行前に事前に原稿をスキャン(プリスキャン)した処理結果のプレビューを画面上で確認可能となる。一方、キャンセルボタンを選択すると、プリスキャンをキャンセルして元の画面に戻る。また、OKボタンを選択すると、プリスキャンを行った原稿の画像を適用したプレビュー画像を表示するジョブ実行画面に戻る。この際、プリスキャンした画像をRAM(Random Access Memory)等に格納し、OKボタンの選択を受付けたときに格納された情報を次画面に渡す。複数ページの文書をスキャンした場合には、矢印ボタンを選択することにより、前後のページのプレビュー画像を確認することができる。
【0005】
また、その他の技術として、例えば、画像処理装置において、画像の読取り、受信、送信、プリントなどの機能をアニメーションにより表示するアニメーション表示手段を備えて、該画像処理装置が実行中の機能をアニメーション表示するようにしたものが開示されている(特許文献2を参照)。
【0006】
上述した画像処理装置によれば、先読みコピー(プレスキャン)中か否かを判定し、先読み中であると判定されると、アニメーション画像AをUI装置(ユーザーインターフェース装置)に表示する。即ち、アニメーション表示画面を有するUI装置にアニメーション画像が表示される。このアニメーション画像は画像処理装置自身を表す。そして、装置オブジェクトに原稿を表す原稿オブジェクトが取り込まれる動きを表示するもので、原稿オブジェクトが装置オブジェクトのスキャンユニット部分に次々と入るが如く画像が変化し、先読みコピー中は、アニメーション画像の表示を繰り返す。
このようにして、画像処理装置において実行中の機能をアニメーション表示することで画像処理装置の処理状況を容易に確認することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−221729号公報
【特許文献2】特開2003−125125号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、原稿をプレスキャンするときに、スキャンの経過を表示しないため、ユーザがスキャン中の状態を把握することができないという問題がある。
【0009】
また、特許文献2に記載の技術では、画像処理装置が実行中の機能をユーザに報知することはできるが、特許文献1の技術と同様に原稿をプレスキャンするときにスキャンの経過を表示しないため、ユーザがスキャン中の状態を把握できないので、利便性の向上を図ることはできないという問題がある。
【0010】
本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、原稿をプレスキャンする際に、スキャンの経過をユーザが視認可能な態様で表示画面に表示して利便性の向上を図ることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、画像データを入力する入力手段と、前記入力手段から入力される画像データを蓄積する蓄積手段とを備えるとともに、前記蓄積手段に蓄積された画像データに基づいて表示画像を生成する表示画像生成手段と、前記表示画像生成手段により生成された表示画像を表示する表示手段と、前記入力手段から入力される画像データの入力状況を前記表示手段上で案内する表示制御手段とを備える画像形成装置において、前記表示手段の構成として、前記表示画像生成手段により生成された表示画像を表示する第1の表示領域と、前記第1の表示領域に表示された表示画像を前記第1の表示領域に表示した後に表示する第2の表示領域とを備え、前記表示制御手段として、前記表示画像生成手段により表示画像が生成された段階で、前記表示画像を前記第1の表示領域に表示する機能と、前記第1の表示領域に表示された表示画像を前記第2の表示領域に向かって移動表示させた後に前記第2の表示領域に表示する機能とを備えることを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明は、前記表示手段の構成として、画像データによる画像の仕上がり状態を表示画像としてプレビュー表示させるプレビュー表示領域を備え、前記第2の表示領域を、前記プレビュー表示領域内に設けることが好ましい。
【0013】
また、本発明は、前記表示制御手段の構成として、前記表示画像を前記第1の表示領域に表示する時に、前記表示画像が前記第2の表示領域に向って徐々に(段階的に)明確となるように表示する機能と、前記第1の表示領域に表示された表示画像を前記第2の表示領域に移動表示する時に、明確となった状態の表示画像を移動表示する機能とを備えることが好ましい。
尚、前記表示制御手段は、前記表示画像を小さな画像から徐々に大きな画像に拡大表示したり、画像濃度の薄い画像から徐々に濃い画像にしたり、ぼやけた画像から徐々に明瞭な画像にしたり、表示部分が少ない状態から徐々に現れて正常な状態に表示するようにしたものであってもよい。
【0014】
また、本発明は、前記表示制御手段の構成として、前記表示手段における前記入力手段に画像データが入力される前の表示領域と前記入力手段に画像データが入力された後の表示領域との境界を示す境界ライン(例えば、読み取りラインとして緑色のラインを表示)を表示する機能と、前記境界ラインを前記第1の表示領域と前記第2の表示領域との境界部に表示して、前記第1の表示領域に表示された表示画像を前記第2の表示領域に向かって移動表示する時に、前記境界ラインを越えて前記表示画像を移動表示させる機能とを備えることが好ましい。
【0015】
また、本発明は、前記入力手段として、原稿の画像を読み取り画像データとするスキャナ手段を採用し、前記表示制御手段の構成として、前記スキャナ手段により読み取られた原稿の読み取り画像データに基づいて前記表示画像生成手段により表示画像が生成された段階で、前記原稿画像の読み取り入力状態を前記表示手段上で案内するようにすることが好ましい。
【0016】
また、本発明は、前記表示手段の構成として、該表示手段に表示されている表示画像に対する画像形成の機能設定の指示を可能にする指示手段(例えば、機能設定領域)を備え、前記表示制御手段による画像データの入力状況の表示が完了した段階で、前記指示手段を表示画像の近傍に表示させることが好ましい。
【0017】
また、本発明は、前記表示手段の構成として、画像データの入力指示が行われた時に、前記プレビュー表示領域を拡大して表示することが好ましい。
【0018】
また、本発明は、前記表示手段の構成として、装置の動作に係る操作キー(例えば、スキャンインキー、モノクロスタートキー、カラースタートキー、クリアオールキーなどのいわゆるタスクトリガーキー)を含む操作キー領域(例えば、タスクトリガー領域)を備え、前記プレビュー表示領域を拡大して表示する時に、前記操作キー領域を縮小化することなく表示することが好ましい。
【0019】
また、本発明は、前記表示手段の構成として、前記境界ラインと前記操作キー領域とを近くに配置することが好ましい。
【0020】
また、本発明は、前記表示手段の構成として、前記操作キー領域には装置の動作を中断する中断キーを設けることが好ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、画像データを入力する入力手段と、前記入力手段から入力される画像データを蓄積する蓄積手段とを備えるとともに、前記蓄積手段に蓄積された画像データに基づいて表示画像を生成する表示画像生成手段と、前記表示画像生成手段により生成された表示画像を表示する表示手段と、前記入力手段から入力される画像データの入力状況を前記表示手段上で案内する表示制御手段とを具備する画像表示操作装置を備える画像形成装置において、前記表示手段の構成として、前記表示画像生成手段により生成された表示画像を表示する第1の表示領域と、前記第1の表示領域に表示された表示画像を前記第1の表示領域に表示した後に表示する第2の表示領域とを備え、前記表示制御手段として、前記表示画像生成手段により表示画像が生成された段階で、前記表示画像を前記第1の表示領域に表示する機能と、前記第1の表示領域に表示された表示画像を前記第2の表示領域に向かって移動表示させた後に前記第2の表示領域に表示する機能とを備えることで、画像データを装置に取り込む際に、画像データの入力状態を表示することにより、画像データが装置に取り込まれていることをユーザが視覚的に確認することができる。
【0022】
また、本発明によれば、前記表示手段の構成として、画像データによる画像の仕上がり状態を表示画像としてプレビュー表示させるプレビュー表示領域を備え、前記第2の表示領域を前記プレビュー表示領域内に設けることで、前記プレビュー表示領域に向かって画像データが入力される様子を移動表示させることにより、画像データが装置に取り込まれていることをユーザが視覚的に確認することができる。
【0023】
また、本発明によれば、前記表示制御手段の構成として、前記表示画像を前記第1の表示領域に表示する時に、前記表示画像が前記第2の表示領域に向って徐々に明確となるように表示する機能と、前記第1の表示領域に表示された表示画像を前記第2の表示領域に移動表示する時に、明確となった状態の表示画像を移動表示する機能とを備えることで、
表示画像を小さな画像から徐々に大きな画像に拡大表示したり、画像濃度の薄い画像から徐々に濃い画像にしたり、ぼやけた画像から徐々に明瞭な画像にしたり、表示部分が少ない状態から現れて正常な状態に表示することで、画像データが読み込まれて、読み込みが終了したことを視覚的に確認することができるので、入力状況がより明確となる。
【0024】
また、本発明によれば、前記表示制御手段の構成として、前記表示手段における前記入力手段に画像データが入力される前の表示領域と前記入力手段に画像データが入力された後の表示領域との境界を示す境界ラインを表示する機能と、前記境界ラインを前記第1の表示領域と前記第2の表示領域との境界部に表示して、前記第1の表示領域に表示された表示画像を前記第2の表示領域に向かって移動表示する時に、前記境界ラインを越えて前記表示画像を移動表示させる機能とを備えることで、前記境界ラインを越えて移動表示させて表示することで、画像の入力状況をより明確に把握することができる。
【0025】
また、本発明によれば、前記入力手段として、原稿の画像を読み取り画像データとするスキャナ手段を採用し、前記表示制御手段の構成として、前記スキャナ手段により読み取られた原稿の読み取り画像データに基づいて前記表示画像生成手段により表示画像が生成された段階で、前記原稿画像の読み取り入力状態を前記表示手段上で案内するようにすることで、前記スキャナ手段による読み取り状況を容易に確認することができる。
【0026】
また、本発明によれば、前記表示手段の構成として、該表示手段に表示されている表示画像に対する画像形成の機能設定の指示を可能にする指示手段を備え、前記表示制御手段による画像データの入力状況の表示が完了した段階で、前記指示手段を表示画像の近傍に表示することで、画像データの入力(スキャンイン)完了で表示される前記指示手段により機能設定を容易に行うことができる。
【0027】
また、本発明によれば、前記表示手段の構成として、画像データの入力指示が行われた時に、前記プレビュー表示領域を拡大して表示することで、プレビュー画像がプレビュー表示領域に取り込まれる様子を目立たせることができる。
【0028】
また、本発明によれば、前記表示手段の構成として、装置の動作に係るスキャンインキー、モノクロスタートキー、カラースタートキー、クリアオールキーなどのいわゆるタスクトリガーキーとしての操作キーを含む操作キー領域(例えば、タスクトリガー領域)を備え、前記プレビュー表示領域を拡大して表示する時に、前記操作キー領域を縮小化することなく表示することで、ユーザが何らかの操作指示を出したいときには即刻指示を出すことができるので操作性の向上を図ることができる。
【0029】
また、本発明によれば、前記表示手段の構成として、前記境界ラインと前記操作キー領域とを近くに配置することで、ユーザが何らかの操作指示を出したいときに即刻指示を出すことができるので操作性の向上を図ることができる。
【0030】
また、本発明によれば、前記表示手段の構成として、前記操作キー領域には装置の動作を中断する中断キーを設けることで、例えば、ユーザが原稿の読み込みを中断したい時に即刻中止指示を出すことができるので操作性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体の構成を示す説明図である。
【図2】前記画像形成装置の内部構成を簡略化して示す説明図である。
【図3】前記画像形成装置のハードウェア構成を示す機能ブロック図である。
【図4】前記画像形成装置のタッチパネルディスプレイの表示領域を示す説明図である。
【図5】前記タッチパネルディスプレイに表示される画面例を示す説明図である。
【図6】前記タッチパネルディスプレイに表示されるプレビュー領域を変更した状態を示す説明図である。
【図7】前記タッチパネルディスプレイを構成する表示パネルの表示態様を示す説明図である。
【図8】前記タッチパネルディスプレイのプレビュー表示領域の表示態様の一例を示す説明図である。
【図9】前記画像形成装置における操作ユニットの電気的構成を示すブロック図である。
【図10】前記操作ユニットを構成するタッチパネルディスプレイの構成を示すブロック図である。
【図11】前記タッチパネルディスプレイの原稿読取り時の表示態様を示す説明図である。
【図12】前記タッチパネルディスプレイにおける原稿読取り開始時の表示状態を示す説明図である。
【図13】前記タッチパネルディスプレイの第1の表示領域に1枚目の原稿の画像を表示した状態を示す説明図である。
【図14】前記タッチパネルディスプレイの第1の表示領域から第2の表示領域に1枚目の画像が移動する状態を示す説明図である。
【図15】前記タッチパネルディスプレイの第1の表示領域から第2の表示領域に1枚目の画像が移動した後に第1の表示領域に2枚目の画像を表示した状態を示す説明図である。
【図16】前記タッチパネルディスプレイの第1の表示領域から第2の表示領域に2枚目の画像が移動する状態を示す説明図である。
【図17】前記タッチパネルディスプレイの第2の表示領域の1枚目の画像の背後に2枚目の画像が移動した状態を示す説明図である。
【図18】前記タッチパネルディスプレイの第2の表示領域に移動した2枚目の画像の背後に3枚目の画像が移動した状態を示す説明図である。
【図19】前記画像形成装置において全ての原稿のスキャンインによる事前読込が完了した直後の前記タッチパネルディスプレイの表示状態を示す説明図である。
【図20】前記画像形成装置において全ての原稿のスキャンインによる事前読込が完了後の指示待ち状態の前記タッチパネルディスプレイの表示状態を示す説明図である。
【図21】本実施形態の画像形成装置におけるタッチパネルディスプレイの表示態様の変形例1を示す説明図である。
【図22】前記タッチパネルディスプレイの表示態様の変形例2を示す説明図である。
【図23】前記タッチパネルディスプレイの表示態様の変形例3を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は発明を実施する形態の一例であって、本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体の構成を示す説明図、図2は前記画像形成装置の内部構成を簡略化して示す説明図、図3は前記画像形成装置のハードウェア構成を示す機能ブロック図、図4は前記画像形成装置のタッチパネルディスプレイのプレビュー表示領域を示す説明図、図5は前記タッチパネルディスプレイに表示される画面例を示す説明図、図6は前記タッチパネルディスプレイに表示されるプレビュー領域を変更した状態を示す説明図である。
【0033】
本発明の実施形態は、図1に示すように、画像データを入力する原稿読取部(入力手段)102と、原稿読取部102により入力された画像データに基づいて記録媒体上に画像を形成する画像形成部104と、画像データに基づいてプレビュー画像を表示する表示パネル(表示手段)132と原稿読取部102から入力される画像データの入力状況を表示パネル132上で案内表示する操作ユニット側制御部(表示制御手段)131(図9を参照)とを具備する操作ユニット(画像表示操作装置)120とを備える画像形成装置100において、表示パネル132および操作ユニット側制御部131の構成として、本発明に係る画像形成装置の構成を採用したものである。
【0034】
表示パネル132に表示される複数原稿画像は、画像形成装置100の原稿読取部などから取り込まれた原稿画像の形態をプレビュー表示するものであり、且つ、画像形成部から記録用紙上に形成される画像の出力形態を仕上がりプレビュー画像として表示するものである。
【0035】
本実施形態に係る画像形成装置100は、画像処理装置の1種である画像形成装置である。本発明に係る画像表示操作装置の適用は、このような画像形成装置以外の画像処理装置または電子機器であっても構わない。
【0036】
また、本実施形態に係る画像形成装置100は、複数の動作モードを備え、その動作モードが切り換えられて表示機器の画面が切り換えられた場合において、ユーザが画面構成を覚えていなくても、ユーザが求める情報をユーザが容易に取得することができるように、情報を表示する表示機器を備えた装置であればよい。
【0037】
なお、本実施形態に係る画像形成装置100は、ジェスチャー操作方法とジェスチャー操作によらないタッチ操作方法とにより操作が可能なタッチパネルディスプレイ(操作画面)を備えるとするが、タッチ操作のみが可能なタッチパネルディスプレイを備える装置であってもよく、さらには、操作が不可能な表示のみ可能な表示パネルおよび操作用のボタンを備える装置であってもよい。
【0038】
この画像形成装置100は、電子写真方式により記録用紙に画像を形成する。
また、画像形成装置100は、動作モードとして、コピーモード、ファクシミリモード(FAXモード)、ドキュメントファイリングモード(スキャンした画像を画像形成装置内部の記憶装置に記憶するモード)およびメールモード(スキャンした画像を電子メールに添付する形式で送信するモード)を備える。なお、この画像形成装置100は、さらにネットワークプリンタモードを備えていても構わない。
【0039】
また、本発明はこれに限定されず、動作モード毎に画面が切り換わる画像形成装置であれば構わない。また、印刷方式は電子写真方式に限定されない。
【0040】
まず、本発明の実施形態に係る画像形成装置100について説明する。
本実施形態に係る画像形成装置100は、図1に示すように、原稿読取部102、画像形成部104、給紙部106、排紙処理装置108、および、操作ユニット120を備える。
操作ユニット120は、タッチパネルディスプレイ130と表示操作部140とで構成される。タッチパネルディスプレイ130は、液晶パネル等で構成された表示パネル132と、表示パネル132に重ねて配置されたユーザの指で押圧された位置を検出するタッチパネル(タッチ操作認識手段)134とで構成される。表示操作部140は、表示灯142と、電源キー144と、省エネルギーキー(以下「省エネキー」と記載)146と、動作モードを選択するホーム画面ヘタッチパネルディスプレイ130の表示画面を戻すためのホームキー148とで構成される。
【0041】
このように画像形成装置100は、主たる操作デバイスとしてタッチパネルディスプレイ130を備えるとともに、ハードウェアキーおよび表示灯により構成される表示操作部140を備える。表示操作部140のキー(電源キー144、省エネキー146、ホームキー148)は、タッチパネルディスプレイ130により構成されるソフトウェアボタンと対比して、ハードウェアボタンとして構成される点が特徴である。
【0042】
なお、画像形成装置100は、このような構成の表示操作部140を備えるものに限定されず、タッチパネルディスプレイ130のみを備えるものであってもよい。タッチパネルディスプレイ130に表示されたホーム画面においてユーザが動作モードを選択すると、選択された動作モードにおける初期画面に切り換わるものであれば構わない。このような画像形成装置100の動作モードについて説明する。
【0043】
(コピーモード)
以下において、画像形成装置100のコピーモードでの動作について説明する。
このコピーモードにおいては、主として、原稿読取部(以下、「スキャナ部」と称する。)102および画像形成部104が動作する。
【0044】
画像形成装置100においては、原稿載置台に置かれた原稿が原稿読取部102により画像データとして読取られ、読取られた画像データが図3に示すマイクロコンピュータ等から構成されるCPU300に入力され、ここで画像データに各種の画像処理が施され、この画像データが画像形成部104へと出力される。
【0045】
画像形成部104は、図2に示すように、画像データによって示される原稿の画像を記録媒体(多くの場合、記録用紙)に印刷するものであって、感光体ドラム222、帯電装置224、レーザスキャンユニット(以下、「LSU」と称する。)226、現像装置228、転写装置230、クリーニング装置232、定着装置234、および図示しない除電装置等を備えている。
【0046】
画像形成部104には、主搬送路236および反転搬送路238が設けられており、給紙部106から給紙されてきた記録用紙が主搬送路236に沿って搬送される。給紙部106は、用紙カセット240に収納された記録用紙、または手差トレイ242に載置された記録用紙を1枚ずつ引出して記録用紙を画像形成部104の主搬送路236へと送り出す。
【0047】
画像形成部104の主搬送路236に沿って記録用紙が搬送されている途中で、記録用紙が感光体ドラム222と転写装置230との間を通過し、さらに定着装置234を通過して、記録用紙に対する印刷が行なわれる。
【0048】
感光体ドラム222は、一方向に回転し、その表面は、クリーニング装置232と除電装置によりクリーニングされた後、帯電装置224により均一に帯電される。
【0049】
LSU226は、印刷対象の画像データに基づいてレーザ光を変調し、このレーザ光によって感光体ドラム222の表面を主走査方向に繰返し走査して、静電潜像を感光体ドラム222の表面に形成する。
【0050】
現像装置228は、トナーを感光体ドラム222の表面に供給して静電潜像を現像し、トナー像を感光体ドラム222の表面に形成する。
【0051】
転写装置230は、当該転写装置230と感光体ドラム222との間を通過していく記録用紙に感光体ドラム222の表面のトナー像を転写する。
【0052】
定着装置234は、記録用紙を加熱するための加熱ローラ248と、記録用紙を加圧するための加圧ローラ250とを含む。記録用紙は、加熱ローラ248によって加熱され、かつ、加圧ローラ250によって加圧されることによって、記録用紙上に転写されたトナー像が記録用紙に定着される。この定着装置234へ供給される電力によりヒータを温めて加熱ローラ248の温度が定着に適した温度になるように制御されている。なお、省エネモードに移行すると、例えば、このヒータへ供給される電力が停止されたり削減されたりする。
【0053】
主搬送路236と反転搬送路238との接続位置には、分岐爪244が配設されている。記録用紙の片面のみに印刷が行なわれる場合は、分岐爪244が位置決めされ、この分岐爪244により定着装置234からの記録用紙が排紙トレイ246または排紙処理装置108の方へと導かれる。
【0054】
記録用紙の両面に印刷が行なわれる場合は、分岐爪244が所定方向に回動されて記録用紙が一旦排紙トレイ246側へ導かれた後、スイッチバック搬送されて反転搬送路238の方へと導かれる。記録用紙は、反転搬送路238を通過して、その表裏を反転されて主搬送路236へと再び搬送され、主搬送路236の再度の搬送途中で、その裏面への印刷が行なわれて排紙トレイ246または排紙処理装置108の方へと導かれる。
【0055】
上述のようにして印刷された記録用紙は、排紙トレイ246または排紙処理装置108の方へと導かれて排紙トレイ246に排出され、または排紙処理装置108の各排紙トレイ110のいずれかに排出される。
【0056】
排紙処理装置108では、複数の記録用紙を各排紙トレイ110に仕分けして排出する処理、各記録用紙にパンチングする処理、および各記録用紙にステープルする処理を施す。例えば、複数部の印刷物を作成する場合は、各排紙トレイ110に印刷物の一部ずつが割り当てられるように、各記録用紙を各排紙トレイ110に仕分けして排出し、排紙トレイ110毎に、排紙トレイ110上の各記録用紙に対しパンチングユニット111によるパンチング処理またはステープルユニット112によるステープル処理を施して印刷物を作成する。
【0057】
(ファクシミリモード)
以下において、ファクシミリモードでの動作について説明する。
このファクシミリモードにおいては、図3に示すように、主として、送信動作は原稿読取部(スキャナ部)102およびFAX通信部160が動作することにより、受信動作はFAX通信部160および画像形成部104が動作する。
【0058】
(送信動作)
画像形成装置100においては、ファクシミリモードを指定して、原稿載置台に置かれた原稿が原稿読取部102により画像データとして読取られ、読取られた画像データが図3に示すマイクロコンピュータ等から構成されるCPU300に入力され、ここで画像データに各種の画像処理が施され、この画像データがFAX通信部(図3のFAX通信部160)へと出力される。
【0059】
図3に示すように、送信側の画像形成装置100のFAX通信部160は、指定された送信側の回線を指定された送信先に接続して、画像データをファクシミリ通信規格に合致した通信データへ変換して、受信側のファクシミリ装置(例えばファクシミリ機能を備えた画像形成装置100)へ送信する。
【0060】
(通信動作)
回線が接続されると、受信側の画像形成装置100のFAX通信部160は、送信側の画像形成装置100のFAX通信部160からの通信要求信号を検出して、応答信号を送信する。その後、例えば、FAX通信部160は、送信側および受信側で互いに実装されている能力情報の受渡しを行ない、利用可能な最大能力での通信速度および画像データの符号化・符号訂正方式などを決定してモデムの通信方式を設定する。この通信方式にあわせた画像信号静式を用いて、送信側の画像形成装置100のFAX通信部160から受信側の画像形成装置100のFAX通信部160ヘデータを送信する。送信が終了すると回線が切断される。
【0061】
(受信動作)
受信側の画像形成装置100のFAX通信部160は、受信したデータを画像データに変換して、画像形成部104へ送る。なお、受信したデータを画像データへ変換するのは画像形成部104であっても構わない。画像形成部104は、上述したコピーモードにおける動作と同じように、受信したデータから変換された画像データによって示される原稿の画像を記録用紙に印刷する。
【0062】
次に、画像形成装置100の制御ブロック構成について図面を参照して説明する。
図3に示すように、画像形成装置100は、さらに、コピーモード、ファクシミリモードとして装置が搭載する機能の設定が可能な操作ユニット120と、プログラム等を記憶するためのROM306と、通電が遮断された場合であってもプログラムおよびデータ等を記憶可能な不揮発性記憶領域であるハードディスク302と、プログラムを実行する際の記憶領域を提供するためのRAM(Random Access Memory)308とを含む。
【0063】
画像形成装置100は、さらに、原稿読取部102、画像形成部104、FAX通信部160、操作ユニット120、ROM306、ハードディスク302、およびRAM308に接続されるパス310と、パス310に接続された、画像形成装置としての一般的機能を実現するためのCPU300とを含む。
【0064】
ハードディスク302には、この画像形成装置100でスキャンした原稿の画像データのファイルが記憶される。また、ハードディスク302には、各動作モードの初期画面データが記憶されている。(ハードディスク302でなくてもROM306に記憶させておくことも可能)
【0065】
ROM306には、画像形成装置100の動作を制御するのに必要なプログラムおよびデータ等が記憶されている。このROM306にプログラムとともに記憶するデータとして、各動作モードの初期画面データを記憶するようにしても構わない。CPU300は、ROM306に格納されているプログラムおよびデータに従って画像形成装置100の制御を行なうとともに画像形成装置100の各機能に関する制御を実行する。
【0066】
図3に示すように、この画像形成装置100のFAX通信部160には、画像データの送受信用に公衆回線が接続され、ネットワークインターフェイス304には、ネットワーク回線が接続されている。このネットワーク回線には、この画像形成装置100をネットワーク対応のプリンタとして使用するコンピュータ等が接続されたり、インターネットを介して指定されたURL(Uniform Resource Locator)により特定されるコンピュータ等が接続されたりする。このようにインターネットに接続されると、画像形成装置100は、インターネットを介して、必要な情報を取得することができる。
【0067】
RAM308は、CPU300による演算および処理の結果を一時的に記憶するワーキングメモリとしての機能と、画像データを記憶するフレームメモリとしての機能とを提供する。
【0068】
原稿読取部102、画像形成部104、操作ユニット120を構成するタッチパネルディスプレイ130および表示操作部140、ならびにROM306、ハードディスク302、およびRAM308に対する制御は、CPU300が所定のプログラムを実行することにより行なわれる。なお、操作ユニット120は、入出力インターフェイスを介してCPU300と通信する。
【0069】
操作ユニット120は、ユーザが目視しやすいように傾斜して設けられた板状のパネルで構成される。操作ユニット120の表面には、その左側の領域にタッチパネルディスプレイ130が、右側の領域に表示操作部140(表示灯142ならびにハードウェアボタンである電源キー144、省エネキー146およびホームキー148)が、備えられている。タッチパネルディスプレイ130および表示操作部140は、操作ユニット120が全体として一体となるように構成されている。
【0070】
上述したように、このタッチパネルディスプレイ130は、表示パネル132と、表示パネル132に重ねて配置されたタッチパネル134とで構成される。
【0071】
このタッチパネルディスプレイ130においては、表示パネル132に、この画像形成装置100における動作モードを選択するホーム画面、この画像形成装置100の現在の状態、宛先指定状況、ジョブの処理状況等が表示される。表示パネル132のプレビュー表示領域上にはソフトウェアボタンである選択ボタンが表示され、この選択ボタンの表示されている領域を指で押すと、タッチパネル134がその押された位置を検出する。プログラム上で、選択ボタンの表示位置とタッチパネル134が押された位置とを照合することにより、画像形成装置100の動作モード選択、機能設定および動作指示等が行なわれる。この画像形成装置100はこのようなタッチ操作(ユーザによる押圧位置に基づくコマンド入力操作)に加えて、上述したジェスチャー操作(ユーザによる操作軌跡に基づくコマンド入力操作)にも対応している。
【0072】
また、表示操作部140の表示灯142は、例えばLED(Light Emitting Diode)で構成され、CPU300により点灯/消灯(/点滅)が制御される。主電源スイッチとは別に設けられた電源キー144をユーザが押下すると、この画像形成装置100が待機モード(例えば主電源がオンの状態でFAX受信動作のみ可能)から通常モードへ移行して、この画像形成装置100の全ての動作モードが使用できるようになる。この状態に連動して表示灯142が点灯する。さらに、ユーザが操作しない時間が予め定められた時間を経過したり、省エネキー146をユーザが押下したりすると、この画像形成装置100が通常モードから省エネモードへ移行して、この画像形成装置100の一部の動作モードしか使用できないようになる。この状態に連動して表示灯142が点滅する。さらに、この省エネモードのときに、省エネキー146をユーザが押下すると、この画像形成装置100が省エネモードから通常モードへ移行する。ホームキー148は、タッチパネルディスプレイ130の表示を初期状態(ホーム画面)へ戻すためのハードウェアキーである。なお、電源キー144、省エネキー146およびホームキー148を押下したときの処理はこれらに限定されるものではない。
【0073】
なお、表示操作部140のハードウェアボタン(電源キー144、省エネキー146およびホームキー148)には、CPU300により点灯/消灯(/点滅)が制御されるキーランプを埋め込むようにしても構わない。例えば、このキーランプは、円型のキーの5周囲をリング状に光らせたり、キーの中央部を光らせたりする。操作デバイスとしてハードウェアボタンを使用することが許可されているタイミングで(ハードウェアボタンを使用すると処理が実行されるタイミングで)、このキーランプが点灯する。
【0074】
本実施形態に係る画像形成装置100においては、上述した2つの動作モード(コピーモード、ファクスモード)を備える。タッチパネルディスプレイ130には、それぞれの動作モードにおける機能設定用のソフトウェアボタンと、必要に応じて、画像形成イメージであるプレビューまたは宛先設定用のボタン等が表示される。
【0075】
動作モードが違う場合には、タッチパネルディスプレイ130は、異なる画面が表示される。このような場合であっても、ユーザが要求する情報を容易に見つけることのできるように、タッチパネルディスプレイ130は複数の領域に分割されて(かつその領域の大きさを可変として)、各領域に情報を表示するという本発明の本質的部分を備える。特にこの画像形成装置100においては、主たる表示操作デバイスとして設けられたタッチパネルディスプレイ130のホーム画面において動作モードを選択すると、各動作モードの初期画面が表示される。
【0076】
この初期画面において、(1)基本レイアウトが5つの領域(「システム領域」、「機能選択領域」、「プレビュー領域」、「アクションパネル領域」、「タスクトリガー領域」)に分割されて適切に配置されているので、左上から右下へユーザが操作することにより(このような大型のタッチパネルディスプレイ130を備えない従来機と同じようなユーザの視点の動線および指先の動線が実現されるために)容易に設定が可能で、(2)異なる動作モードであっても5つの領域のそれぞれに表示される概念は同じものであって、動作モードが異なってもユーザが混乱することなく操作が可能である。
以下に、このような基本レイアウトの構成について説明する。
【0077】
まず、画像形成装置100のタッチパネルディスプレイ130における基本レイアウトについて図面を参照して説明する。
タッチパネルディスプレイ130の基本レイアウトは、図4に示すように、横長のタッチパネルディスプレイ130において(例えば、横1024ピクセル×縦600ピクセル)、最上部に配置されたシステム領域1000、画面中央部に配置されたプレビュー領域(プレビュー表示領域)3000、プレビュー領域3000の左側に配置された機能設定/確認領域2000(以下、機能選択領域2000と記載する)、プレビュー領域3000の右上部に配置されたアクションパネル領域4000、および、プレビュー領域3000の右下部に配置されたタスクトリガー領域(操作キー表示領域)5000で構成される。
【0078】
なお、タッチパネルディスプレイ130における領域の数は5つに限定されるものではなく、左右の並びもこれに限定されず、例えば、ユーザの利き手に応じて領域の左右の配置を逆にしても構わない。また、システム領域1000の位置は最下部であっても構わない。また、状態もしくは設定によっては表示されなくても構わない。
【0079】
システム領域1000には、この画像形成装置100の現時点での状態が表示され、操作中の動作モードのタイトル、画像形成装置100の状況・状態が表示される。例えば、システム領域1000には、動作モード名、割り込みキー、ログインユーザ名、処理中のジョブ状況、内蔵メモリ使用状態、時刻等が表示される。
【0080】
機能選択領域2000には、各機能の設定、表示の切り換え、設定の確認のためにユーザにより操作される機能選択メニュー(アイコン、ボタン等)が、アイコンモード、レギュラーモードおよびエキスプレスモードで表示態様を変更して、表示される。アイコンモードにおいては、プレビュー領域3000が最も広くなるように機能選択領域2000には機能設定用のアイコンのみが表示される。エキスプレスモードにおいては、プレビュー領域3000が最も狭くなっても機能選択領域2000には機能を一度に設定できる画面が大きく表示される。レギュラーモードにおいては、プレビュー領域3000の大きさはアイコンモードとエキスプレスモードとの中間の大きさであって、機能選択領域2000には機能設定のアイコンとともに機能名称がテキスト表示される。
【0081】
これらのアイコンモード、レギュラーモードおよびエキスプレスモードの切り換えはユーザの操作に基づく。すなわち、プレビュー領域3000の大きさが、ユーザの操作に応じて変更して表示される。このように、アイコンは、小さい領域でユーザへの情報を伝達することができるので、全ての機能に対して準備しておいて、プレビュー領域3000が大きく表示できることが好ましい。
【0082】
この機能選択領域2000には、その下部に機能選択領域2000の表示スタイルを変更する変更ボタン群2010を備える。変更ボタン群2010には、アイコンモードで機能選択領域2000を表示するアイコンモード移行ボタン2012、「お気に入り」登録した機能を表示させるお気に入りボタン2014、設定が変更された機能を表示させるチェックボタン2016、選択されている動作モードにおいて設定可能な全ての機能の一覧を表示するリストボタン2018、レギュラーモードで機能選択領域2000を表示するレギュラーモード移行ボタン2020、および、エキスプレスモードで機能選択領域2000を表示するエキスプレスモード移行ボタン2022が配置されている。
【0083】
なお、機能選択領域2000に表示される情報が多い場合には、この機能選択領域2000において上下方向に移動可能に情報が表示される。この場合において、この変更ボタン群2010は移動されないで、機能選択領域2000の最下部に常に表示される。
【0084】
プレビュー領域3000には、原稿の出力(仕上がり)イメージが表示される。ダミーデータまたはスキャンデータを用いてイメージ表示し、ユーザが仕上がりを変更する毎にプレビュー領域3000に表示されているイメージが変更される。このプレビュー領域3000においては、スキャン前のバーチヤルモードでのダミーイメージでの仕上がり表示、スキャン後のスキャンインモードでの実イメージでの仕上がり表示の2つのモードを有し、さらにバーチヤルモードには、原稿セット前および原稿セット後の2種類がある。
【0085】
このプレビュー領域3000には、その下部にプレビュー領域3000の表示スタイルを変更するプレビュー変更ボタン群3010を備える。プレビュー変更ボタン群3010には、プレビューを左に90度回転させる左回転ボタン3016、プレビューを右に90度回転させる右回転ボタン3018、ズームバー3020が配置されている。これら以外にも、例えばカラー変更ボタン3012およびプレビュー操作ボタン3014が配置されている。
【0086】
ここで、左回転ボタン3016を1回タッチ操作するとプレビューが左に90度回転されて、2回タッチ操作するとプレビューが左に180度回転される(上下反転)。また、プレビュー領域に表示された仕上がり原稿イメージをジェスチャー操作しても(指先で原稿イメージを反時計回転方向に180度回転させても)、プレビューが左に180度回転されて上下反転される。
【0087】
右回転ボタン3018を1回タッチ操作するとプレビューが右に90度回転されて、2回タッチ操作するとプレビューが右に180度回転される(上下反転)。また、プレビュー領域に表示された仕上がり原稿イメージをジェスチャー操作しても(指先で原稿イメージを時計回転方向に180度回転させても)、プレビューが右に180度回転されて上下反転される。
【0088】
ズームバー3020のプラスボタン3020Aをタッチ操作したり、バ−3020Cをプラスボタン3020A側へジェスチャー操作(ドラッグまたはスライド)したりすると、プレビューが拡大して表示される。また、プレビュー領域に表示された仕上がり原稿イメージをジェスチャー操作しても(指先で原稿イメージをピンチアウト/ピンチオープンさせても)、プレビューが拡大して表示される。
【0089】
ズームバー3020のマイナスボタン3020Bをタッチ操作したり、バ−3020Cをマイナスボタン3020B側ヘジェスチャー操作(ドラッグまたはスライド)したりすると、プレビューが縮小して表示される。また、プレビュー領域に表示された仕上がり原稿イメージをジェスチャー操作しても(指先で原稿イメージをピンチイン/ピンチクローズさせても)、プレビューが縮小して表示される。
【0090】
なお、プレビュー領域3000に表示される原稿イメージのページ数が多い場合には、タッチ操作可能な表示ページ選択ボタン(ページ番号入力ボタン、ページ送りボタン、ページ戻しボタン、単ページ表示ボタン、複数ページ表示ボタン等)を表示するようにしても構わない。なお、原稿イメージをスライドタッチ(フリック操作)してもプレビューされる原稿のページ送り、ページ戻しを行なうことができる。また、プレビュー領域3000に表示される原稿イメージが大きい場合には、タッチ操作またはジェスチャー操作可能なスクロールバーを表示するようにしても構わない。
【0091】
アクションパネル領域4000には、操作についての補助・助言・提案についての情報が表示される。このアクションパネル領域4000には、例えば、あるユーザが特定の機能を選択すると、その機能に関連する機能を表示したり、目的指向でその機能についての他の機能を表示したり、このユーザまたはこのユーザが所属するグループのユーザが過去に組み合わせて選択した機能を「おすすめ機能」として表示したりする。
【0092】
タスクトリガー領域5000には、その動作モードにおける全ての設定が完了して、この画像形成装置100を実際に動作させるためにユーザにより操作されるトリガー一項目が表示される。例えば、処理を開始させるためのスタートボタン(ソフトウェアボタン)である。なお、印字を伴う動作モード(ファクス送信以外)において、消耗品切れについての情報も、タスクの実行不可に関連するので、この「タスクトリガー領域」に表示される。
【0093】
この場合において、スタートボタンが押下できる状態の場合にのみ、スタートボタンを表示することも好ましい。スタートボタンが押下できる状態とは、印字を伴う動作モードの場合には、全ての設定が終了してかつ消耗品(記録用紙およびトナー)切れでない状態であって、印字を伴わない動作モードであるファクスモード(送信)の場合には、宛先を含む全ての送信パラメータの設定が終了した状態である。
【0094】
これらの5領域は、動作モードが変更されても(どの動作モードの初期画面においても)、その配置された位置は変更されない。また、機能選択領域2000(およびプレビュー領域3000)におけるアイコンモード/レギュラーモード/エキスプレスモードの切り換え表示のように、領域はタッチパネルディスプレイ130の画面横方向(長手方向)に伸縮してサイズが変化する。
【0095】
このような5領域の配置は、従来機におけるユーザインターフェイスをも考慮しつつ、ユーザの視点の動線および操作の動線に着目して配置されている。このような配置により、タッチパネルディスプレイ130において、左上から右下へユーザの視線が動いて、左上から右下へユーザの操作(利き手の指先)が動く。
【0096】
なお、ある動作モードから他の動作モードへ遷移するためには、ホームキー148を押下して、ホーム画面において他の動作モードを選択する。このように、ホーム画面を経由して、動作モードが切り換えられる。
【0097】
(コピーモードの初期画面表示動作)
コピーモードが選択されると、ハードディスク302等から読出したコピー初期画面データを用いてタッチパネルディスプレイ130にコピーモードの初期画面が表示される。
このとき、例えば、タッチパネルディスプレイ130には、図5に示すように、コピーモード初期画面7100が表示される。コピーモード初期画面7100は、上述したレイアウト構成の5領域に分割されて情報が表示される。
【0098】
コピーモード初期画面7100のシステム領域1000には、図5に示すように、選択されている動作モード(ここではコピーモード)を示すエリア1102、選択された動作モードに付随するサブ情報を表示するエリア1104、ログインユーザ名を表示するエリア1106、ログアウトボタン(ソフトウェアボタン)が表示されるエリア1108、現在実行中のジョブ状況を表示するエリア1110、ジョブ状況に関係するボタン(ソフトウェアボタン)が表示されるエリア1112、通信状態が表示されるエリア1114、現在時刻が表示されるエリア1116が配置されている。
【0099】
エリア1102には、動作モードを示す名称または/およびアイコンが表示される。
このエリア1102をタッチ操作、タップ操作またはダブルタップ操作すると、動作モードを示すメニューがプルダウン表示されて動作モードを切り換えることができるようにすることも好ましい(他の動作モードにおいても同じ)。
【0100】
エリア1104には、サブ情報として、割り込みキー(ソフトウェアボタン)が表示される。この割り込みキーをタッチ操作、タップ操作またはダブルタップ操作すると、コピーモードにおいて割り込み処理を実行することができる。
【0101】
エリア1112には、現在実行中のジョブ状況がアイコンで表示される。このジョブ状況をタッチ操作、タップ操作またはダブルタップ操作すると、詳細なジョブ状況情報が表示される。さらに、エリア1112には、選択されたジョブを停止させるボタン等を表示することも好ましい。
【0102】
コピーモード初期画面7100の機能選択領域2000には、コピーモードにおいてユーザが選択できる機能選択メニュー2100および上述した変更ボタン群2010が表示されている。図5に示す画面では、レギュラーモードで機能選択メニューが表示されている。
【0103】
図5に示すように、レギュラーモードで表示される機能選択メニューは、アイコン群2100とテキスト群2120とで構成される。この機能選択領域2000に表示される機能選択メニューとして、コピー一部数を設定するアイコン2102および設定された内容を表示するテキス卜2122、カラーモードを設定するアイコン2104および設定された内容を表示するテキスト2124、コピー濃度を設定するアイコン2106および設定された内容を表示するテキスト2126、コピー倍率を設定するアイコン2108および設定された内容を表示するテキスト2128、原稿の種類を設定するアイコン2110および設定された内容を表示するテキスト2130、用紙の種類を設定するアイコン2112および設定された内容を表示するテキスト2132、画像を編集するアイコン2114および設定された内容を表示するテキスト2134、レイアウトを編集するアイコン2116および設定された内容を表示するテキスト2136が表示されている。
【0104】
なお、上述したように、これらの機能設定メニューにおけるさらなる項目は、変更ボタン群2010の表示位置を固定した状態で、上下方向にスクロール可能に表示することができる。そして、上下方向に隠れて表示されていない項目を含めて機能設定メニューの表示項目を切り換えることは、タッチ操作(スクロール操作)でもジェスチャー操作(上下方向へフリック操作)のいずれの操作でも可能である。
【0105】
ここで、画像編集とは、1ページの原稿に対する画像編集であって、さらに下位の階層メニューとして、枠消去、印字メニュー、ウォータマーク、ユーザスタンプ等があり、レイアウト編集とは、複数ページの原稿に対する画像編集であって、さらに下位の階層メニューとして、ページ集約、綴じしろ、ページ移動、センタリング等がある。これらのさらなる下位メニューは、アイコン2102〜アイコン2116またはテキスト2122〜テキス卜2136をタッチ操作、タップ操作またはダブルタップ操作すると、タッチパネルディスプレイ130に表示される。
【0106】
コピーモード初期画面7100のプレビュー領域3000には、原稿の出力(仕上がり)イメージ3100および上述したプレビュー変更ボタン群3010が配置されている。このとき、ダミーデータまたはスキャンデータを用いてイメージ3100が表示され、ユーザが機能選択領域2000の機能設定メニューを変更する毎に、イメージ3100が変更されてプレビュー領域3000に表示される(プレビューの表示が変更)。
【0107】
コピーモード初期画面7100のアクションパネル領域4000には、コピー操作についての補助・助言・提案についての情報が表示されている。ここでは、図5に示すように、このユーザが選択したコピーモードにおけるおすすめ機能が表示される。このとき、アクションパネル領域4000は、表示されている情報の内容を示すエリア4100、それ自体がソフトウェアボタンとしておすすめ機能をテキスト表示するエリア4102〜エリア4106が配置されている。
【0108】
エリア4102をタッチ操作、タップ操作またはダブルタップ操作すると、省エネコピーについてのさらに詳細な情報がプルダウン表示される。例えば、このとき、「両面印刷すると用紙を節約できます」というテキストとともに両面コピーの機能設定画面へ遷移するソフトウェアボタンと、「複数の原稿を集約して印刷すると用紙を節約できます」というテキストとともにページ集約の機能設定画面へ遷移するソフトウェアボタンと、「本のように綴じられるように印刷することができます」というテキストとともに中綴じの機能設定画面へ遷移するソフトウェアボタンとが、表示される。
【0109】
コピーモード初期画面7100のタスクトリガー領域5000には、実行ボタン群5100が表示される。この実行ボタン群5100として、原稿をスキャンして画像データを取得するように画像形成装置100を作動させるスキャンインキー(ソフトウェアボタン)5102、設定した機能をクリアするクリアオールキー(ソフトウェアボタン)5104、原稿をスキャンしてモノクロコピーを実行するように画像形成装置100を作動させるモノクロスタートキー(ソフトウェアボタン)5106、原稿をスキャンしてカラーコピーを実行するように画像形成装置100を作動させる力ラースタートキー(ソフトウェアボタン)5108が配置されている。
【0110】
このように、5つの領域に分割して情報が表示されたコピーモード初期画面7100において、ユーザが要求を入力すると、その要求に従ってコピー処理が実行される。
【0111】
次に、機能選択領域2000をアイコンモードで表示してプレビュー領域3000を広げた場合の、プレビューページの変更動作について説明する。
【0112】
図6に示すように、プレビューのイメージ3118が表示されている場合において、ユーザが、プレビュー表示された画面をユーザが左へフリックすると、入力軌跡が分析される。このとき、このユーザによるジェスチャー操作はページをめくる要求であると分析されて、フリックした方向に応じた表示されていない別のページを含むプレビューイメージが表示される。
【0113】
また、このようにプレビューイメージが表示されるページを移動させるには、ページ送りボタン3118G、ページ早送りボタン3118H、ページ戻しボタン3118E、ページ早戻しボタン3118Dをタッチ操作しでも可能である。さらに、ページ直接指定ボタン3118Fをタッチして直接移動させたいページを入力することにより、プレビューイメージが表示されるページを移動させることも可能である。
【0114】
このように、機能選択領域2000がアイコンモードで表示されると、プレビュー領域3000が広がり、図6に示すように、ユーザの視認性およびユーザの操作性が高まるように、プレビューイメージを表示することができる。特に、タッチ操作またはジェスチャー操作により、表示させたいプレビューイメージまで移動して、所望のプレビューを表示させることができる。
【0115】
なお、図6に示すごみ箱アイコン3118Aは、選択したページをごみ箱アイコン3118Aまでドラッグすることによりそのページを削除することができる。
【0116】
また、1ページ表示アイコン3118Bを押下することにより、例えば3ページ表示していたプレビューが1ページ表示になり(このとき1ページ分を大きく表示)、複数ページ表示アイコン3118Cを押下することにより、例えば、1ページ表示していたプレビューが3ページ表示になる。
【0117】
次に、本実施形態の画像形成装置100の特徴的な構成について図面を参照して説明する。
図7は本実施形態の画像形成装置のタッチパネルディスプレイを構成する表示パネルの表示態様を示す説明図、図8は前記タッチパネルディスプレイのプレビュー表示領域の表示態様の一例を示す説明図である。
【0118】
本実施形態の画像形成装置100は、図7に示すように、タッチパネルディスプレイ130において、プレビュー領域3000が画面中央部に配置され、そのプレビュー領域3000の左側に機能選択領域2000が配置される。また、プレビュー領域3000の右上部にアクションパネル領域4000が配置され、そのアクションパネル領域4000の下部にタスクトリガー領域5000が配置される。
【0119】
タッチパネルディスプレイ130は、図8に示すように、プレビュー領域3000が拡大された状態で、アクションパネル領域4000に相当する位置に第1の表示領域151が形成され、プレビュー領域3000内の略中央部に第1の表示領域151よりも広い範囲で第2の表示領域152が形成されている。
【0120】
第1の表示領域151には、入力された画像データに基づき生成された表示画像が表示される。第2の表示領域152には、第1の表示領域151に表示された表示画像を第1の表示領域151に表示した後に表示される。
【0121】
第1の表示領域151と第2の表示領域152とは隣接して配置されている。
第1の表示領域151と第2の表示領域152との間には、それらの領域の境界を示す境界ライン161が表示されている。
【0122】
境界ライン161は、原稿読込時における「画面表示案内」を行う時に、第1の表示領域151に表示される原稿画像が読込まれる動作を行う読み取りラインであって、原稿読取部102により原稿が読込まれる状況をタッチパネルディスプレイ130上で簡易的に表現するものである。本実施形態では、境界ライン161は、タッチパネルディスプレイ130の上下方向に直線的に緑色のラインで表示される。
【0123】
タスクトリガー領域5000は、プレビュー領域3000を拡大して表示される時には、縮小化されることなく、プレビュー領域3000の右下部で境界ライン161付近に常に表示される。
【0124】
タスクトリガー領域5000には、実行ボタン群5100が表示される。
実行ボタン群5100として、スキャンインキー5102、クリアオールキー5104、モノクロスタートキー5106、力ラースタートキー5108が配置されている。
【0125】
スキャンインキー5102は、図8に示すように、スキャンインの指示により原稿をスキャンして画像データの取得が開始されると、装置の動作を中断する(読込を中止する)中断キー(操作キー)5109に変更されて表示される。
【0126】
次に、本実施形態の画像形成装置100における操作ユニット120の特徴的な画面表示に係る電気的構成について図面を参照して説明する。
図9は本実施形態の画像形成装置における操作ユニットの電気的構成を示すブロック図、図10は前記操作ユニットを構成するタッチパネルディスプレイの構成を示すブロック図である。
【0127】
本実施形態に係る操作ユニット120は、図9に示すように、表示パネル132、タッチパネル134に加えて、操作位置検出手段135、画面表示手段136、表示画像生成手段137および操作ユニット120における処理・動作を制御する操作ユニット側制御部(表示制御手段)131を備えている。
【0128】
画像形成装置100は、画像データを入力する原稿読取部102、画像処理手段103、原稿読取部102から入力される画像データを蓄積する蓄積手段105、プリンタや送信部などの画像を出力する画像出力手段107を備えて、主制御部101により動作制御される。
【0129】
操作位置検出手段135は、タッチパネル134上で行われる操作位置を検出する。
画面表示手段136は、表示画像生成手段137により形成された画像を表示パネル132上に表示する。
表示画像生成手段137は、画像形成装置100本体に入力された画像データに基づき操作ユニット側制御部131からの指示により所定の画像を形成する。
操作ユニット側制御部131は、画像形成装置100本体の主制御部101に接続され、タッチパネルディスプレイ130における制御部として機能する。
【0130】
ここで、操作ユニット側制御部131について詳細に説明する。
操作ユニット側制御部131は、図10に示すように、表示パネル132に複数ページの原稿画像をプレビュー表示するプレビュー表示機能と、プレビュー表示された複数ページの原稿画像を移動表示する移動表示機能と、原稿読取部102から入力される画像データの入力状況を表示パネル132上に表示して案内する入力状況案内機能とを備えている。
【0131】
さらに、操作ユニット側制御部131は、表示画像生成手段137により生成された表示画像を第1の表示領域151に表示する第1の表示領域表示手段1311と、第1の表示領域151に表示された表示画像を第2の表示領域152に向かって移動させた後に第2の表示領域152に表示する第2の表示領域表示手段1312とを備えている。
【0132】
また、操作ユニット側制御部131は、原稿読取部102に画像データが入力される前の表示領域(第1の表示領域151)と原稿読取部102に画像データが入力された後の表示領域(第2の表示領域152)との境界を示す境界ライン161を表示する境界ライン表示手段1313を備えている。
【0133】
第1の表示領域表示手段1311は、表示画像を第1の表示領域151に表示する時に表示画像が第2の表示領域152に向って徐々に明確となるように表示する機能を備えている。
【0134】
第2の表示領域表示手段1312は、第1の表示領域151に表示された表示画像を第2の表示領域152に移動表示する時に、明確となった状態の表示画像を移動表示する機能を備えている。
【0135】
また、第2の表示領域表示手段1312は、第1の表示領域151に表示された表示画像を第2の表示領域152に向かって移動表示する時に、境界ライン161を越えて表示画像を移動表示させる機能を備えている。
【0136】
次に、本実施形態の画像形成装置100において、原稿読取部102による原稿読取状況をタッチパネルディスプレイ130上で表示案内を行うプレビュー表示について図面を参照して説明する。
図11〜図20は本実施形態の画像形成装置における原稿読取時のタッチパネルディスプレイ上に表示されるプレビュー画像の変移を示す説明図である。
【0137】
画像形成装置100において、コピー原稿を読み取る場合は、タッチパネルディスプレイ130に表示されたホーム画面においてユーザがコピーモードを選択して、図11に示すように、スキャンインキー5102をタッチして原稿の読込みを開始する。
原稿は、例えば、原稿読取部102にA4横送りにセットされている。
【0138】
スキャンインキー5102により原稿の読み取りが指示されると、図12に示すように、タッチパネルディスプレイ130の機能設定領域2000とアクションパネル領域4000の表示情報が左右両サイドに矢印方向にそれぞれ引き込まれて、プレビュー領域3000が拡張され、プレビュー領域3000内に設定される第1の表示領域151と第2の表示領域152との境界を示す境界ライン161が表示される。この境界ライン161は、原稿読取部102により原稿が読込まれる状況をタッチパネルディスプレイ130上で簡易的に表現するものであるため、以下「読み取りライン」と称する。
【0139】
原稿が原稿読取部102に読み取られると、読み取られた1枚目の原稿の画像データから表示画像生成手段137により縮小された表示画像が生成されて、図13に示すように、読み取りライン161の右側の第1の表示領域151に1枚目の画像P1が表示される。
【0140】
1枚目の画像P1は、第2の表示領域152に向って、すなわち読み取りライン161に向って(右側から左側に向って)徐々に画像が明瞭となるように表示されている。
【0141】
第1の表示領域151に表示された1枚目の画像P1は、図14に示すように、読み取りライン161に向って移動して、図15に示すように、読み取りライン161を通って読み取りライン161の左側の第2の表示領域152に移動して表示される。
この時、第1の表示領域151には、原稿読取部102に読み取られた2枚目の原稿の画像データから表示画像生成手段137により生成された2枚目の画像P2が縮小されて表示される。
【0142】
第1の表示領域151に表示される2枚目の画像P2は、第2の表示領域152に向って、すなわち読み取りライン161に向って(右側から左側に向って)徐々に画像が明瞭となるように表示されている。
【0143】
そして、第1の表示領域151に表示された2枚目の画像P2は、図16に示すように、読み取りライン161に向って移動して、図17に示すように、読み取りライン161を通って読み取りライン161の左側の第2の表示領域152に移動して表示される。
この時、2枚目の画像P2は、1枚目の画像P1の背後に重ねて配置され、2枚目の画像P2の存在が確認できるように一部を1枚目の画像P1の下から露出した状態で配置される。
【0144】
そして、この時、第1の表示領域151には、原稿読取部102に読み取られた3枚目の原稿の画像データから表示画像生成手段137により生成された3枚目の画像P3が縮小されて表示される。
【0145】
第1の表示領域151に表示される3枚目の画像P3は、第2の表示領域152に向って、すなわち読み取りライン161に向って(右側から左側に向って)徐々に画像が明瞭となるように表示されている。
【0146】
そして、第1の表示領域151に表示された3枚目の画像P3は、読み取りライン161に向って移動して、図18に示すように、読み取りライン161を通って読み取りライン161の左側の第2の表示領域152に移動して表示される。
この時、3枚目の画像P3は、2枚目の画像P2の背後にさらに重ねて配置され、3枚目の画像P3の存在が確認できるように一部を2枚目の画像P2の下から露出した状態で配置される。
【0147】
以上のように、原稿読取部102により読み取られた原稿の表示画像の表示と移動が繰り返されて、図19に示すように、全ての原稿のスキャンインによる事前読込が完了すると、図20に示すように、機能設定領域2000とアクションパネル領域4000の表示がもとの状態に戻されるとともに、読み取りライン161が消去される。
【0148】
このようにして、タッチパネルディスプレイ130上で原稿読取部102による原稿読み取り状況を容易に確認することができる。そして、プレビュー領域3000に表示された画像束Pnを確認して、機能の設定を容易に行うことができる。そして、必要に応じて追加読込の指示、さらにはコピーの開始指示を容易に行うことができる。
【0149】
以上のように構成したので、本実施形態によれば、画像形成装置100において、操作ユニット120のタッチパネルディスプレイ130に、入力された画像データに基づき生成された表示画像を表示する第1の表示領域151と、第1の表示領域151に表示された表示画像を第1の表示領域151に表示した後に表示する第2の表示領域152を設けて、原稿読取部102により読み取られて原稿画像を第1の表示領域151に表示した後に、順次第2の表示領域152に移動して表示するようにしたので、原稿読取部102による原稿読み取り状況(経過)をタッチパネルディスプレイ130上で容易に確認することができる。さらに、表示パネル132が高精細になると、ユーザが原稿読み取り状況(経過)を詳細に把握できるので、タッチパネルディスプレイの利便性の向上を図ることができる。
【0150】
尚、本実施形態では、タッチパネルディスプレイ130上の表示画像の表示態様として、第1の表示領域151と第2の表示領域152とを左右方向に並設しているが、本発明は第1の表示領域151と第2の表示領域152との位置関係を限定するものではない。
【0151】
以下に、本実施形態のタッチパネルディスプレイ130の表示態様の変形例を示す。
図21は本実施形態の画像形成装置におけるタッチパネルディスプレイの表示態様の変形例1を示す説明図、図22は前記タッチパネルディスプレイの表示態様の変形例2を示す説明図、図23は前記タッチパネルディスプレイの表示態様の変形例3を示す説明図である。
【0152】
(変形例1)
変形例1のタッチパネルディスプレイ1301は、図21に示すように、本実施形態のタッチパネルディスプレイ130と同様な構成を備えて、第1の表示領域1511をプレビュー領域3000の中央下部に形成して、第2の表示領域1521をプレビュー領域3000の略中央部に形成したものである。
【0153】
第1の表示領域1511と第2の表示領域1521との間には、それらの領域の境界を示す読み取りライン1611が左右方向に直線的に表示される。
【0154】
原稿読取部102により読み取られた原稿の画像P11は、第1の表示領域1511から第2の表示領域1521に向って上方に移動して表示される。この時、第1の表示領域1511には、原稿読取部102に読み取られた次の原稿の画像P12が表示される。
以上のような構成により、上述した実施形態と同様な効果を奏し得る。
【0155】
(変形例2)
変形例2のタッチパネルディスプレイ1302は、図22に示すように、本実施形態のタッチパネルディスプレイ130と同様な構成を備えて、第1の表示領域1512をプレビュー領域3000の右下部に形成して、第2の表示領域1522をプレビュー領域3000の左上に形成したものである。
【0156】
第1の表示領域1512と第2の表示領域1522との間には、それらの領域の境界を示す読み取りライン1612が右上がりで傾斜して直線的に表示される。
【0157】
原稿読取部102により読み取られた原稿の画像P21は、第1の表示領域1512から第2の表示領域1522に向って左斜め上方に拡大して移動して表示される。この時、第1の表示領域1512には、原稿読取部102に読み取られた次の原稿の画像P22が表示される。
以上のような構成により、上述した実施形態と同様な効果を奏し得る。
【0158】
(変形例3)
変形例3のタッチパネルディスプレイ1303は、図23に示すように、本実施形態のタッチパネルディスプレイ130と同様な構成を備えて、第1の表示領域1513をプレビュー領域3000の右上部に形成して、第2の表示領域1523をプレビュー領域3000の左下に形成したものである。
【0159】
第1の表示領域1513と第2の表示領域1523との間には、それらの領域の境界を示す読み取りライン1613が右下がりで傾斜して直線的に表示される。
【0160】
原稿読取部102により読み取られた原稿の画像P31は、第1の表示領域1513から第2の表示領域1523に向って左斜め下方に拡大して移動して表示される。この時、第1の表示領域1513には、原稿読取部102に読み取られた次の原稿の画像P32が表示される。
以上のような構成により、上述した実施形態と同様な効果を奏し得る。
【0161】
尚、上記変形例では表示画像を下側から上側へまたは右側から左側へ移動するようにしているが、原稿読取部(自動原稿送り装置を含む)の構成によって、右側に原稿をセットするものや左側に原稿をセットするものなどあるため、本発明の第1の表示領域と第2の表示領域との位置関係は如何様にも展開が可能である。
【0162】
また、上述した実施形態では、本発明に係る操作ユニット120を図1に示すような画像形成装置100に適用した例について説明したが、印刷する前に表示パネル等に原稿画像をプレビュー表示が可能な操作ユニットを備える画像形成装置であれば、上述したような構成の画像形成装置や複写機に限定されるものではなく、その他の画像形成装置等に展開が可能である。
【0163】
以上のように、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、すなわち、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0164】
100 画像形成装置
101 主制御部
102 原稿読取部(入力手段)
103 画像処理手段
104 画像形成部(画像形成手段)
105 蓄積手段
107 画像出力手段
120 操作ユニット(画像表示操作装置)
130,1301,1302,1303 タッチパネルディスプレイ(表示制御手段)
131 操作ユニット側制御部
132 表示パネル(表示手段)
134 タッチパネル
135 操作位置検出手段
136 画面表示手段
137 表示画像生成手段
151,1511,1512,1513 第1の表示領域
152,1521,1522,1523 第2の表示領域
161,1611,1612,1613 読み取りライン(境界ライン)
1000 システム領域
1311 第1の表示領域表示手段
1312 第2の表示領域表示手段
1313 境界ライン表示手段
2000 機能選択領域
3000 プレビュー領域
4000 アクションパネル領域
5000 タスクトリガー領域
5100 実行ボタン群
5102 スキャンインキー(操作キー)
5104 クリアオールキー(操作キー)
5106 モノクロスタートキー(操作キー)
5108 カラースタートキー(操作キー)
5109 中断キー(操作キー)
P1,P11,P21,P31 1枚目の画像
P2,P12,P22,P32 2枚目の画像
P3 3枚目の画像
Pn 画像束

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを入力する入力手段と、前記入力手段から入力される画像データを蓄積する蓄積手段とを備えるとともに、前記蓄積手段に蓄積された画像データに基づいて表示画像を生成する表示画像生成手段と、前記表示画像生成手段により生成された表示画像を表示する表示手段と、前記入力手段から入力される画像データの入力状況を前記表示手段上で案内する表示制御手段とを具備する画像表示操作装置を備える画像形成装置において、
前記表示手段は、前記表示画像生成手段により生成された表示画像を表示する第1の表示領域と、前記第1の表示領域に表示された表示画像を前記第1の表示領域に表示した後に表示する第2の表示領域とを備え、
前記表示制御手段は、前記表示画像生成手段により表示画像が生成された段階で、前記表示画像を前記第1の表示領域に表示する機能と、前記第1の表示領域に表示された表示画像を前記第2の表示領域に向かって移動表示させた後に前記第2の表示領域に表示する機能とを備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記表示手段は、画像データによる画像の仕上がり状態を表示画像としてプレビュー表示させるプレビュー表示領域を備え、
前記第2の表示領域は、前記プレビュー表示領域内に設けられることを特徴する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記表示画像を前記第1の表示領域に表示する時に、前記表示画像が前記第2の表示領域に向って徐々に明確となるように表示する機能と、前記第1の表示領域に表示された表示画像を前記第2の表示領域に移動表示する時に、明確となった状態の表示画像を移動表示する機能とを備えることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記表示手段における前記入力手段に画像データが入力される前の表示領域と前記入力手段に画像データが入力された後の表示領域との境界を示す境界ラインを表示する機能と、前記境界ラインを前記第1の表示領域と前記第2の表示領域との境界部に表示して、前記第1の表示領域に表示された表示画像を前記第2の表示領域に向かって移動表示する時に、前記境界ラインを越えて前記表示画像を移動表示させる機能とを備えることを特徴とする請求項1から3のうちの何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記入力手段は、原稿の画像を読み取り画像データとするスキャナ手段であり、
前記表示制御手段は、前記スキャナ手段により読み取られた原稿の読み取り画像データに基づいて前記表示画像生成手段により表示画像が生成された段階で、前記原稿画像の読み取り入力状態を前記表示手段上で案内することを特徴とする請求項1から4のうちの何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記表示手段は、該表示手段に表示されている表示画像に対する画像形成の機能設定の指示を可能にする指示手段を備え、前記表示制御手段による画像データの入力状況の表示が完了した段階で、前記指示手段を表示画像の近傍に表示させることを特徴とする請求項1から5のうちの何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記表示手段は、画像データの入力指示が行われた時に、前記プレビュー表示領域を拡大して表示することを特徴とする請求項2から6のうちの何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記表示手段は、装置の動作に係る操作キーを含む操作キー領域を備え、前記プレビュー表示領域を拡大して表示する時に、前記操作キー領域を縮小化することなく表示することを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記表示手段は、前記境界ラインと前記操作キー領域とを近くに配置することを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記表示手段は、前記操作キー領域には装置の動作を中断する中断キーを設けることを特徴とする請求項8または9に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2012−22188(P2012−22188A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−160786(P2010−160786)
【出願日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】