説明

画像形成装置

【課題】電圧印加回路を共通化した画像形成装置において、最小の回路構成で画質の低下を抑制する。
【解決手段】複数の感光ドラム41と、前記複数の感光ドラム41に対してそれぞれ設けられた各スコロトロン帯電器50と、前記各スコロトロン帯電器50が共通接続され、前記各スコロトロン帯電器50に電圧を印加する電圧印加回路200と、前記各スコロトロン帯電器50に設けられた各ワイヤ53と、前記各スコロトロン帯電器50に設けられた各グリッド電極55と、前記複数の帯電器50のグリッド電極に流れるグリッド電流Igの電流和Ig4を検出する電流検出部260と、前記電流検出部260により検出された電流和Ig4が基準値以上になるように前記電圧印加回路200を制御する制御装置110と備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カラーレーザプリンタ等の多色の画像形成装置は、各現像剤色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)ごとに帯電器を設けている。下記特許文献1には、この種の画像形成装置において、各帯電器に高電圧を印加する高圧電源ユニット(電圧印加回路)を共通化することで、部品点数の削減、装置の小型化を図ったものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平3−142483号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
帯電器の放電量は、帯電器の汚れが進むに連れ低下する。すると、感光体の帯電量が不足し画質を低下させる恐れがある。このような感光体の帯電量不足による画質の低下を防止するには、電圧印加回路側から各帯電器へ流れる電流をそれぞれ検出して、電流量をコントロールしてやればよいが、この場合、各帯電器ごとに電流検出部をそれぞれ設けることが必要となり、部品点数が増えてしまう。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、電圧印加回路を共通化した画像形成装置において、最小の回路構成で画質の低下を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第一の発明は、1又は複数の感光体と、前記1の感光体に対して複数設けられるか、前記複数の感光体に対してそれぞれ設けられ前記1又は複数の感光体を帯電させる各帯電器と、前記各帯電器が共通接続され、前記各帯電器に電圧を印加する電圧印加回路と、前記電圧印加回路から前記複数の帯電器へ流れる電流の電流和を検出する電流検出部と、前記電流検出部により検出された電流和が基準値以上になるように前記電圧印加回路を制御する制御装置と、を備える。
【0006】
電圧印加回路側から帯電器に流れる電流と感光体の帯電量(平均値)は概ね比例する。この発明では、各帯電器へ流れる電流の電流和が基準値以上に制御されるから、各感光体の帯電量(平均値)は目標レベル以上になる。従って、電圧印加回路を共通化する構成において、感光体の帯電量不足による画質の低下を防止できる。また、この構成では、電流検出部を各帯電器ごとに設ける必要がないので、少ない部品点数で回路を構成することが可能となる。
【0007】
第二の発明は、前記第一の発明に記載の画像形成装置であって、前記制御装置は、前記電流和が基準値以上の定電流になるように前記電圧印加回路の出力電圧を制御する。この発明では、電流和が基準値以上の定電流に制御されるから、感光体の帯電量(平均値)が概ね目標レベルになる。そのため、電圧印加回路を共通化する構成において、感光体の帯電量不足による画質の低下を防止できる。
【0008】
第三の発明は、前記第一の発明に記載の画像形成装置であって、前記電圧印加回路の出力電圧を検出する電圧検出回路を有し、前記制御装置は、前記電圧印加回路の出力電圧を、前記電流和が基準値以上になる電圧レベルにて定電圧制御する。この発明では、電圧印加回路の出力電圧が、電流和が基準値以上になる電圧レベルに定電圧制御されるから、感光体の帯電量(平均値)が概ね目標レベル以上になる。そのため、電圧印加回路を共通化する構成において、感光体の帯電量不足による画質の低下を防止できる。
【0009】
第四の発明は、前記第二の発明又は前記第三の発明に記載の画像形成装置であって、前記帯電器はワイヤとグリッド電極を有するスコロトロン帯電器であり、前記各スコロトロン帯電器の前記各グリッド電極は、定電圧素子を有する共通の接続ラインを介してグラウンドに接続されている。定電圧素子を共通化しているので、少ない部品点数で回路を構成することが可能となる。
【0010】
第五の発明は、前記第四の発明に記載の画像形成装置であって、前記電流検出部は前記共通の接続ライン上に設けられた第一抵抗からなり、前記電流和として前記各スコロトロン帯電器のグリッド電極に流れるグリッド電流の電流和を検出する。電流検出部(第一抵抗)を共通化しているので、少ない部品点数で回路を構成することが可能となる。
【0011】
第六の発明は、前記第二の発明ないし前記第四の発明のいずれかに記載の画像形成装置であって、前記各帯電器に設けられたワイヤを流れるワイヤ電流が共通の帰還路を通じて前記電圧印加回路に帰還する回路構成であり、前記電流検出部は、前記共通の帰還路上に設けられた第二抵抗からなり、前記電流和として前記各帯電器のワイヤに流れるワイヤ電流の電流和を検出する。電流検出部(第二抵抗)の共用化により、少ない部品点数で回路を構成することが可能となる。
【0012】
第七の発明は、前記第二の発明に記載の画像形成装置であって、前記電圧印加回路の出力電圧を検出する電圧検出回路を有し、前記制御装置は、前記電圧検出回路にて検出された出力電圧が前回検出時の出力電圧から低下した場合に、各ワイヤのクリーニングを促すワイヤクリーニングを報知する。一部のワイヤが汚れたままになることを防ぐことが可能である。そのため、画質の低下を防止できる。
【0013】
第八の発明は、前記第三に記載の画像形成装置であって、前記制御装置は、前記電流検出部にて検出された電流和と前回検出時の電流和の差が許容値を超えた場合に、前記各帯電器に設けられたワイヤのクリーニングを促すワイヤクリーニングを報知する。一部のワイヤが汚れたままになることを防ぐことが可能である。そのため、画質の低下を防止できる。
【0014】
第九の発明は、前記第一の発明ないし第六の発明いずか一項に記載の画像形成装置であって、前記各帯電器に対してワイヤがそれぞれ設けられ、前記ワイヤに対してクリーニング部がそれぞれ備えられ、前記制御装置は、所定期間ごとに、各前記クリーニング部を作動させて前記各ワイヤをクリーニングする処理を行う。所定期間ごとに各ワイヤがクリーニングされるので、一部のワイヤが汚れたままになることがなく、画質の低下を防止できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の画像形成装置によれば、電圧印加回路を共通化した画像形成装置において、最小の回路構成で画質の低下を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態1に係るプリンタの内部構成を表す概略断面図
【図2】プロセスユニットの構造を模式的に示した図
【図3】帯電器の構造を模式的に示した図
【図4】高圧電源装置の電気的構成を示すブロック図
【図5】電圧印加回路の出力制御フローを示す図
【図6】プリンタの電気的構成を示すブロック図
【図7】実施形態2における高圧電源装置の電気的構成を示すブロック図
【図8】図7の一部を拡大した図
【図9】電圧印加回路の出力制御フローの変形例を示す図
【図10】実施形態3における高圧電源装置の電気的構成を示すブロック図
【図11】プリンタの他の構成例を示す図
【図12】高圧電源装置を2系統に分けた時の電気的構成を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0017】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図6によって説明する。
【0018】
1.プリンタの全体構成
図1は、本実施形態のプリンタ1(本発明の「画像形成装置」の一例)の内部構成を表す概略断面図である。以下の説明では、各構成要素について、色毎に区別する場合は各部の符号にB(ブラック)、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)の添え字を付し、区別しない場合は添え字を省略する。
【0019】
プリンタ1は、給紙部3、画像形成部5、搬送機構7、定着部9、ベルトクリーニング機構20および高圧電源装置100を含む構成である。
【0020】
給紙部3は、プリンタ1の最下部に設けられており、シート(用紙、OHPシートなど)15を収容するトレイ17と、ピックアップローラ19とを備える。トレイ17に収容されたシート15は、ピックアップローラ19により1枚ずつ取り出され、搬送ローラ11,レジストレーションローラ12を介して搬送機構7に送られる。
【0021】
搬送機構7は、シート15を搬送するものであり、プリンタ1内において給紙部3の上側に設置されている。搬送機構7は、駆動ローラ31、従動ローラ32、およびベルト34を含み、ベルト34は、駆動ローラ31と従動ローラ32との間に架け渡されている。駆動ローラ31が回動すると、ベルト34は、感光ドラム41と対向する側の表面が、図1中の右方向から左方向へ移動する。これにより、レジストレーションローラ12から送られてきたシート15が、画像形成部5下へと搬送される。
【0022】
また、ベルト34には、4つの感光ドラム41B、41Y、41M、41Cに対応して、4つの転写ローラ33B、33Y、33M、33Cが設けられている。各転写ローラ33は、ベルト34を間に挟みつつ各感光ドラム41B、41Y、41M、41Cに対して向かい合う位置に配置されている。
【0023】
画像形成部5は4個のプロセスユニット40B、40Y、40M、40Cおよび4個の露光装置49B、49Y、49M、49Cを含む。各プロセスユニット40B、40Y、40M、40Cは、シート15の搬送方向(図1の左右方向)に一列状に配置されている。
【0024】
各プロセスユニット40は同一構造であり、各色の感光ドラム(本発明の「感光体」の一例)41B、41Y、41M、41C、各色のトナー(例えば正帯電性の非磁性1成分トナー)を収容するトナーケース43、現像ローラ45及び帯電器50B、50Y、50M、50Cを含む構造となっている。
【0025】
各感光ドラム41B、41Y、41M、41Cは、例えばアルミニウム製の基材上に、正帯電性の感光層が形成されたものであり、アルミニウム製の基材がプリンタ1のグラウンドに接続されている。
【0026】
現像ローラ45は、トナーケース43の下部にて供給ローラ46と対向配置されており、両間をトナーが通過するときに回転に伴う摩擦によりトナーを正極性に摩擦帯電させ、均一な薄層として感光ドラム41B、41Y、41M、41C上へ供給する機能を果たす。
【0027】
各帯電器50B、50Y、50M、50Cは、スコロトロン型の帯電器であり、図2、図3に示すように、シールドケース51、ワイヤ53及び金属製のグリッド電極55を有する。シールドケース51は、感光ドラム41の回転軸方向に長い角筒型をしている。シールドケース51のうち、感光ドラム41との対向面は放電口52として開口している。
【0028】
ワイヤ53は例えばタングステン線からなる。ワイヤ53は、シールドケース51内において回転軸方向(図3の左右方向)に張り渡されており、後述する電圧印加回路200により高電圧が印加される。ワイヤ53は高電圧の印加により、シールドケース51内においてコロナ放電を生じさせる。そして、コロナ放電により生じたイオンが放電口52から感光ドラム41側に放電電流として流れることで、感光ドラム41の表面を一様に正極性に帯電させる。
【0029】
そして、シールドケース51の放電口52には、スリットや透孔を有する板状のグリッド電極55が取り付けられている。このグリッド電極55に電圧を加え、その加えた電圧を制御することで、感光ドラム41の帯電電圧を制御することが可能となっている。
【0030】
また、帯電器50B、50Y、50M、50Cにはワイヤクリーナ(本発明の「クリーニング部」の一例)57が設けられている。ワイヤクリーナ57はワイヤ53に沿って摺動自在な構成となっている。このワイヤクリーナ57を、オペレータがワイヤ53に沿って往復させることで、ワイヤ53の汚れを落とすことが出来る。
【0031】
各露光装置49B、49Y、49M、49Cは、例えば、感光ドラム41B、41Y、41M、41Cの回転軸方向に沿って一列状に並んだ複数の発光素子(例えばLEDやレーザ光源)を有し、外部より入力される画像データに応じて発光することにより、各感光ドラム41B、41Y、41M、41Cの表面に静電潜像を形成する機能を果たす。
【0032】
上記のように構成されたレーザプリンタ1による一連の画像形成処理について簡単に説明すると、プリンタ1は印刷データDを受信すると(図6参照)、印刷処理を開始する。これにより、各感光ドラム41B、41Y、41M、41Cの表面は、その回転に伴って、各帯電器50B、50Y、50M、50Cにより一様に正帯電される。そして、各露光装置49から各感光ドラム41B、41Y、41M、41Cに向けてレーザ光がそれぞれ照射される。これにより、各感光ドラム41B、41Y、41M、41Cの表面には、印刷データに応じた所定の静電潜像が形成、すなわち一様に正帯電された感光ドラム41B、41Y、41M、41Cの表面のうち、レーザ光が照射された部分は電位が下がる。
【0033】
次いで、現像ローラ45の回転により、現像ローラ45上に担持されかつ正帯電されているトナーが、各感光ドラム41B、41Y、41M、41Cの表面上に形成される静電潜像に供給される。これにより、各感光ドラム41B、41Y、41M、41Cの静電潜像は、可視像化され、感光ドラム41B、41Y、41M、41Cの表面には、反転現像によるトナー像が担持される。
【0034】
また、上記したトナー像を形成するための処理と並行して、シート15を搬送する処理が行われる。すなわち、ピックアップローラ19の回動により、トレイ17からシート15が一枚ずつ用紙搬送経路Yへと送り出される。用紙搬送経路Yに送り出されたシート15は、搬送ローラ11、ベルト34により、転写位置(感光ドラム41と転写ローラ33とが接触する点)に運ばれる。
【0035】
すると、この転写位置を通るときに、各転写ローラ33に印加される転写バイアスによって、各感光ドラム41の表面上に担持された各色のトナー像(現像剤像)がシート15の表面に順次、重畳転写される。かくして、シート15上には、カラーのトナー像(現像剤像)が形成される。その後、ベルト34の後方に設けられた定着部9を通過するときに、転写されたトナー像(現像剤像)は熱定着され、シート15は排紙トレイ60上に排紙される。
【0036】
2.高圧電源装置100の構成
高圧電源装置100は、電圧印加回路200、定電圧回路250、電流検出部260及び制御装置110を備えている。
【0037】
電圧印加回路200はPWM信号平滑回路210と、トランスドライブ回路220と、出力回路230と、電圧検出回路240とを備えた構成であり、各帯電器50に6kV〜7kV程度の高電圧を印加する機能を果たす。PWM信号平滑回路210は、制御装置110のPWMポートAから出力されるPWM信号S1を平滑して、トランスドライブ回路220に出力するものである。トランスドライブ回路220は例えばトランジスタなどの増幅素子から構成され、トランスTrの一次巻線にPWM信号S1のデューティー比に応じたレベルの一次電圧を印加する。
【0038】
出力回路230は、トランスTrからなる昇圧回路と、ダイオードDとコンデンサCからなる平滑回路235から構成されており、トランストライブ回路220から入力される一次電圧を昇圧した後、整流して出力する。そして、出力回路230の出力ラインLoには、各帯電器50B、50Y、50M、50Cのワイヤ53が共通接続されている。これにより、出力回路230の出力電圧Voが各帯電器50B、50Y、50M、50Cのワイヤ53に印加される構成となっている。
【0039】
また、出力回路230のトランスTrには補助巻線231が設けられている。補助巻線231にはトランスTrの2次電圧に応じたレベルの電圧が発生する構成となっている。
【0040】
電圧検出回路240は補助巻線231に発生する電圧を検出して、制御装置110のA/DポートP1に入力する。これにより制御装置110に対してトランスTrの二次電圧のデータが取り込まれる構成となっている。
【0041】
また、図4に示すように、この実施形態では各帯電器50B、50Y、50M、50Cのグリッド電極55が、共通の接続ラインL1を通じてグラウンドGNDに接続されている。そして、共通の接続ラインL1には定電圧回路250と電流検出部260がそれぞれ設けられている。
【0042】
定電圧回路250は直列接続された3つの定電圧素子(具体的には、ツェナーダイオード)251から構成されており、各帯電器50B、50Y、50M、50Cのグリッド電極55の電圧を、ツェナーダイオード1個あたりの降伏電圧を3倍した電圧値(例えば、250V×3)に定電圧化する。
【0043】
電流検出部260は、定電圧回路250と直列接続された第一抵抗R1からなり、グランドGNDに接続されている。第一抵抗R1のうち定電圧回路250との接続点は、制御装置110に設けられた各A/DポートP2に信号線を介して接続されている。以上のことから、接続ラインL1に流れる電流(4つの帯電器50のグリッド電流Igの電流和Ig4)の大きさに比例した電圧が各A/DポートP2に入力される。そのため、入力電圧のレベルを読み取ることで、制御装置110において、4つの帯電器50のグリッド電流Igの電流和Ig4の大きさを検出できる構成となっている。
【0044】
制御装置110は電圧印加回路200の出力を制御するものであり、PWMポートAと、2つのA/DポートP1、P2を備える。制御装置110はCPUを内蔵して構成すること、特定用途向け集積回路(ASIC)により構成することが可能である。制御装置110は、不揮発性の記憶部(図略)を内蔵しており、そこに、次に説明する出力制御フローを実行するための各種データ(例えば、以下(a)〜(c)のデータ)を記憶させている。
【0045】
(a)4つの帯電器50のグリッド電流Igの電流和Ig4の基準値のデータ(1mA)
(b)電圧印加回路200の出力電圧Voの目標値のデータ(6kV)
(c)電圧印加回路200の出力電圧Voの上限値のデータ(7.5kV)
【0046】
尚、グリッド電流Igは、帯電器50から感光ドラム41に流れる放電電流If(実施形態2の図8参照)と概ね比例関係にあることが知られており、感光ドラム41に流れる放電電流Ifのレベルを図る指標となる。すなわち、グリッド電流Igが基準値250μA流れていれば、感光ドラム41に流れる放電電流Ifが目標レベルを超える関係となっている。この実施形態では、グリッド電流Igの基準値250μAを4倍した値、すなわち1mAを電流和Ig4の基準値としている。
【0047】
次に、図5を参照して制御装置110により実行される電圧印加回路200の出力制御フローについて説明を行う。本電圧印加回路200の出力制御フローは、印刷処理開始直後に実行される初期制御(定電圧制御:S10〜S50)と、初期制御以降の印刷処理終了時まで実行される実制御(定電流制御:S60〜S120)の2段階制御となっている。
【0048】
(初期制御・・定電圧制御)
図6に示すように、ホストコンピュータなどの上位装置から印刷データDが出力されると、その印刷データDはインターフェースIFを通じてプリンタ1にて受信される。すると、プリンタ1の全体を制御統括する主制御部80から高圧電源装置100の制御装置110に対して、印刷処理開始指令が与えられる。これにより、制御装置110は、図5の出力制御フローをスタートさせ、電圧印加回路200の出力電圧Vo、すなわち各帯電器50B、50Y、50M、50Cのワイヤ53に印加する印加電圧の目標値を「6kV」に設定する(S10)。
【0049】
次に、制御装置110は、A/DポートP1の入力電圧(電圧検出回路240にて検出される電圧値)に基づいて、PWM信号S1のデューティー比を調整する。これにて、トランスTrの一次電圧がトランスドライブ回路220により制御され、電圧印加回路200の出力電圧Voが目標値の「6kV」に調整される(S20、定電圧制御)。
【0050】
出力電圧Voが目標値である「6kV」に安定すると、次に、制御装置110はA/DポートP2の入力電圧からグリッド電流Igの電流和Ig4を算出する。そして、グリッド電流Igの電流和Ig4を基準値と比較し、電流和Ig4が基準値を上回っているか判定する処理を行う(S30)。この例では、基準値は1mAに設定されているから、S30では、グリッド電流Igの電流和Ig4が1mA以上かどうか、判定されることになる。
【0051】
そして、S30の判定処理では、グリッド電流Igの電流和Ig4が基準値を下回っていれば、NO判定される。NO判定された場合、制御装置110にてS40、S50の処理が順に行われる。まず、S40では、電圧印加回路200の出力電圧Voが上限値以上か、判定する処理が行われる。
【0052】
このような判定を設けるのは、出力電圧Voが高くなり過ぎることを防止するためである。この例では、出力電圧Voの上限値を「7.5kV」に設定してあり、出力電圧Voが上限値より小さい場合にはS40ではNO判定され、次にS50の処理が制御装置110により行われる。
【0053】
S50では、出力電圧Voの目標値を変更して200Vアップする処理が行われる。これにより、印加電圧の目標値が「6kV」から「6.2kV」に変更されることとなる。
【0054】
その後は、先に説明したようにS20で、電圧印加回路200の出力電圧Voの調整が行われ、S30にて、グリッド電流Igの電流和Ig4が基準値1mAを上回っているかどうかが、再判定される。そして、S30の判定処理でNO判定された場合、S40の判定処理の後、S50で印加電圧の目標値を再度変更して、200Vアップする処理が行われる。
【0055】
そして、グリッド電流Igの電流和Ig4が基準値1mAを上回る状態になると、S30にて判定を行ったときにYES判定される。S30にてYES判定されると、初期制御は終了し、S60以降の実制御に移る。
【0056】
(実制御・・定電流制御)
制御装置110は実制御に移行すると、グリッド電流Igの電流和Ig4が基準値1mAの定電流になるように、電圧印加回路200の出力電圧Voを制御する。具体的には、A/DポートP2の入力電圧のレベルに基づいてPWMポートAから出力されるPWM信号S1のデューティー比を調整することにより制御する。尚、この例では、電流和Ig4を基準値1mAに定電流制御しているが、基準値以上であればよく、例えば1.2mAに定電流制御してもよい。
【0057】
そして、S60に続いて、S70にて電圧印加回路200の出力電圧Voが上限値「7.5kV」以上か、判定する処理が行われる。出力電圧Voが上限値を下回っていれば、S80処理(後に説明する)が実行され、その後、S90にて、現在の出力電圧Voを記憶させる処理が制御装置110にて実行される。
【0058】
その後、処理はS100に移行し、制御装置110により、帯電器50に対する高電圧の印加処理は終了したか、どうかが判定されることとなる。高電圧の印加処理は、プリンタ1が印刷処理を終了すると、終了したと判断されるので、印刷処理中の場合には、S100でNO判定されることとなり、処理はS60に戻る。
【0059】
以上のことから、高電圧の印加処理が終了するまでの間は、S70、S80でNO判定される場合を除いて、S60〜S100の処理を繰り返す状態になり、グリッド電流Igの電流和Ig4が、基準値1mAに定電流制御される制御状態が継続されることとなる。
【0060】
このように、グリッド電流Igの電流和Ig4を基準値1mAに定電流制御すれば、多少のバラツキはあるにしても、各帯電器50B、50Y、50M、50Cのグリッド電流Igは概ね250μA程度の電流値となる。そのため、各帯電器50側から各感光ドラム41に対して、画質を低下させないだけの適量の放電電流If(実施形態2の図8参照)が流れる状態となり、各感光ドラム41の帯電量を目標レベル以上にできる。
【0061】
そして、プリンタ1が印刷処理を終了すると、制御装置110は、各帯電器50B、50Y、50M、50Cに対する高電圧の印加処理は終了したと判断する。これにより、S100の判定処理を行ったときに、YES判定されることとなり一連の処理は一旦終了する。そして、上位装置から出力された印刷データDがプリンタ1にて再受信されると、主制御部80から高圧電源装置100の制御装置110に対して、印刷処理開始指令が与えられる。これにより、再び、S10から順に処理が実行され、実制御段階では、グリッド電流Igの電流和Ig4が、基準値1mAの定電流になるように、電圧印加回路200の出力電圧Voが制御される。
【0062】
一方、定電流制御中、電圧印加回路200の出力電圧Voは、上昇する傾向となる。これは、使用によりワイヤ53が汚れるとグリッド電流Igは低下するから、その低下分を補うため、制御装置110が、電圧印加回路200の出力電圧Voのレベルを上げるように制御するからである。仮に、出力電圧Voが高くなり過ぎると、帯電器50のワイヤ53が異常放電を起こす恐れがある。
【0063】
この点、本実施形態ではS70にて、電圧印加回路200の出力電圧Voが上限値以上か判定する処理を行うこととしている。そして、出力電圧Voが上限値を超える場合にはS70にてYES判定され、その後、処理はS110に移行する(S40でYES判定される場合、すなわち初期制御の段階で出力電圧Voが上限値を超える場合も同様にS110に移行する)。S110では、各帯電器50のワイヤ53のクリーニングを促すワイヤクリーニングを報知するようにしている。具体的には、制御装置110がプリンタ1に設けられたモニタ(図略)に、クリーニングを促すメッセージを表示させる。
【0064】
クリーニングを促すメッセージを表示させるようにしておけば、それを見たオペレータが、ワイヤクリーナ57を使って、各帯電器50のワイヤ53の汚れを落とす。そのため、以降、各帯電器50のワイヤ53は放電し易くなるので、電圧印加回路200の出力電圧Voを下げることが可能となり、各帯電器50のワイヤ53が異常放電を起こすことを未然に防止できる。
【0065】
また、場合によっては、オペレータが一部の帯電器50のワイヤ53だけを自発的にクリーニングすることがある。この場合、グリッド電流Igの電流和Ig4を定電流化しているので、ワイヤ間で汚れの程度に差が出ると、グリッド電流Igの電流値に大きなバラツキが出来ることになり、好ましくない。
【0066】
この点、この実施形態では、S80にて、前回の出力電圧Voと現在の出力電圧Voを比較して、出力電圧Voが低下傾向にあるか、制御装置110が判定するようになっている。オペレータが帯電器50のワイヤ53を自発的にクリーニングした場合、そのワイヤ53は放電し易くなる結果、現在の出力電圧Voが前回の出力電圧Voから低下するので、S80の判定処理でYES判定され、処理はS110に移行することとなる。
【0067】
そのため、上記した場合と同様に、各帯電器50のワイヤ53のクリーニングを促すワイヤクリーニングが報知される。これにより、オペレータが、一部の帯電器50のワイヤ53だけを自発的にクリーニングした場合であっても、ワイヤクリーナ57を使って、残りのワイヤ53をクリーニングするので、一部のワイヤ53だけがクリーニングされた状態が解消される。
【0068】
以上説明したように、プリンタ1は、電圧印加回路200を各帯電器50B、50Y、50M、50C間で共通使用している。そのため、各帯電器50B、50Y、50M、50Cに対してそれぞれ専用の電圧印加回路200を設ける場合に比べて、部品点数を削減することが可能である。
【0069】
しかも、実制御段階では、グリッド電流Igの電流和Ig4を、基準値1mAに定電流制御しているので、各グリッド電流Igが、多少のバラツキはあるにしても、概ね250μA程度の電流値となる。そのため、各帯電器50側から各感光ドラム41に対して、画質を低下させないだけの適量の放電電流Ifが流れる状態となり、各感光ドラム41の帯電量を目標レベル以上にできる。従って、帯電量不足による画質の低下を防止することが可能となる。また、例えば、グリッド電流Igをそれぞれ電流検出する場合には、各グリッド電極55ごとに電流検出部が必要となるが、この例では、グリッド電流Igの電流和Ig4を検出するようにしているので、電流検出部260が1つだけで済む。従って、少ない部品点数で回路を構成することが可能となる。
【0070】
また、この実施形態では、1つの定電圧回路250で全帯電器50B、50Y、50M、50Cのグリッド電圧を定電圧化しているので、定電圧回路250を各帯電器50B、50Y、50M、50Cごとに設ける場合に比べて、少ない部品点数で回路を構成することが可能となる。また、定電圧回路250を共通にしておけば、各帯電器50のグリッド電極55の電圧レベルが同じレベルになるので、各感光ドラム41の帯電電圧を概ね同じ帯電電圧に制御できる。
【0071】
<実施形態2>
本発明の実施形態2を図7〜図9によって説明する。
実施形態1では、グリッド電流Igの電流和Ig4を基準値(一例として、1mA)に定電流制御するものを例示した。実施形態2は、各帯電器50のワイヤ53に流れるワイヤ電流Iwの電流和Iw4を基準値(一例として、1.1mA)に定電流制御するものである。
【0072】
ワイヤ電流Iwの電流和Iw4を検出するには、電圧印加回路200に対する電流の帰還路Lrに電流検出用の抵抗を設けてやればよい。図7を参照して、具体的に説明すると、電圧印加回路200の出力回路230のトランスTrの二次巻線の一端側は、出力端子Uとなっており、そこから引き出された出力ラインLoには、各帯電器50B、50Y、50M、50Cのワイヤ53が共通接続されている。各帯電器50B、50Y、50M、50Cのグリッド電極53は、接続ラインL1を介してグラウンドGNDに接続されている。そして、接続ラインL1上には、直列接続された3つの定電圧素子(具体的には、ツェナーダイオード)から構成された定電圧回路250が設けられている。
【0073】
一方、トランスTrの二次巻線の他端側は、接続ラインLrを介して低圧電源回路280の出力端子(5V)に接続されている。
【0074】
以上のことから、電圧印加回路200の出力端子Uから帯電器50側に流れ出した電流、すなわちワイヤ電流Iwの電流和Iw4は、接続ラインLrを介して電圧印加回路200に全て帰還する。すなわち、接続ラインLrは、各帯電器50のワイヤ電流Iwを電圧印加回路200に帰還させる共通の帰還路となっている。
【0075】
ここで補足しておくと、ワイヤ電流Iwは、図7、図8に示すように、グリッド電極側に流れるグリッド電流Igと、感光ドラム41側に流れる放電電流Ifに、概ね9対1の比率で分流して流れる。しかし、両電流Ig、IfはいずれもグラウンドGNDへ流れ込むので、結局、低圧電源回路280の出力端子から引き出された共通の帰還路Lrには、これら両電流Ig、Ifが合流したワイヤ電流Iwが流れる。
【0076】
そして、この共通の帰還路Lrには、電流検出部260として機能する第二抵抗R2が設けられている。第二抵抗R2は、制御装置110に設けられた各A/DポートP2に信号線を介して接続されている。以上のことから、共通の帰還路Lrに流れる電流(ワイヤ電流Iwの電流和Iw4)の大きさに比例した電圧が、A/DポートP2に入力される。そのため、ポートP2の入力電圧を参照することで、制御装置110において、ワイヤ電流Iwの電流和Iw4の大きさを検出できる。
【0077】
尚、共通の帰還路Lrを、低圧電源回路280の出力端子から引き出しているのは、制御装置110が負の電圧を読めないからであり、電圧引出点Prの電圧がマイナスにならないように、電圧レベルを持ち上げるためである。
【0078】
実施形態2において、制御装置110により実行される電圧印加回路200の出力制御フローは、グリッド電流Igの電流和Ig4がワイヤ電流Iwの電流和Iw4に置き換わった点を除けば、実施形態1の出力制御フローと同一であり、図9に示すように、印刷処理開始直後に実行される初期制御(定電圧制御:S10〜S50)と、初期制御以降に印刷処理終了時までに実行される実制御(定電流制御:S60〜S120)の2段階制御となっている。そして、実制御段階にて、制御装置110により、ワイヤ電流Iwの電流和Iw4が、基準値1.1mAに定電流制御される。
【0079】
このようにワイヤ電流Iwの電流和Iw4を、基準値1.1mAに定電流制御しておけば、多少のバラツキはあるにしても、各ワイヤ電流Iwは概ね270〜280μA程度の電流値となる。そのため、各帯電器50側から各感光ドラム41に対して、画質を低下させないだけの適量の放電電流Ifが流れる状態となり、各感光ドラム41の帯電量を目標レベル以上にできる。従って、帯電量不足による画質の低下を防止することが可能となる。
【0080】
<実施形態3>
本発明の実施形態3を図10によって説明する。実施形態3は、ワイヤ53のクリーニングを自動化したものであり、電気的な構成としては、実施形態1の構成に対して、モータドライブ回路291、モータ295を追加している。モータ295は、ワイヤクリーナ(本発明の「クリーニング部」の一例)57をワイヤ53に沿って往復移動させる往復移動装置(図略)の駆動源となっている。
【0081】
モータドライブ回路291は、制御装置110から出力される制御信号S2に基づいて、モータ295を通電制御するものである。そして、制御装置110は、例えば、印字枚数200枚ごとに、モータドライブ回路291に制御信号S2を与えて、モータ295を駆動させる。これにより、往復移動装置が作動して、ワイヤクリーナ57が帯電器50のワイヤ53を自動クリーニングする。
【0082】
このようにしておけば、各帯電器50のワイヤ53を常に清潔な状態に保つことが可能であり、使用により印字枚数が増えても、画質が低下しない。尚、図10中はモータドライブ回路291、モータ295は1つだけ示してあるが、ワイヤ53は各帯電器50ごとに設けられているので、モータドライブ回路291、モータ295についても各帯電器50ごとに設ける必要がある。そして、例えば、印字枚数200枚ごとに、制御装置110は各モータドライブ回路291に制御信号S2を与えて、各モータ295を駆動させ、各ワイヤクリーナ57によって各帯電器50の各ワイヤ53を一斉に自動クリーニングする。尚、各ワイヤ53の自動クリーニングタイミングは全く同タイミングでなくともよい。
【0083】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0084】
(1)実施形態1〜3では、プリンタ1の構成例として、1つの感光ドラム41に1つの帯電器50を対応させたもの(言い換えれば、各色ごとに感光ドラム41を有するもの)を例示した。本発明は、実施形態1〜3で挙げた構成のプリンタ1の他にも、例えば、図11に示すように1つの感光ドラム300に対して複数の帯電器310、320を対応させて配置したもの(感光ドラム300上に各色のトナー像を重ねた後、シートに一括転写するもの)にも適用することが可能である。尚、図11中の符号315は帯電器310と組をなすプロセスユニット(現像器)、符号325は帯電器320と組をなすプロセスユニットである。
【0085】
(2)実施形態1では、グリッド電流Igの電流和Ig4を基準値1mAにて定電流制御した。これは、各帯電器50のグリッド電流Igを概ね基準値250μAにすることを目的としたものであった。各帯電器50のグリッド電流Igを基準値以上にするには、上記の定電流制御の他にも、電圧印加回路200の出力電圧Voを定電圧制御することでも可能である。すなわち、グリッド電流Igの電流和Ig4(Iw4も同様)が基準値1mAを超える数値となるような電圧値にて出力電圧Voを定電圧制御してやればよい。
【0086】
また、出力電圧Voを定電圧制御する場合、ワイヤ汚れに変化があると、それは電流和Ig4(Iw4も同様)の変化として現れる。例えば、ワイヤ汚れが進めば、それに連れ電流和Ig4は下がる推移になり、電流和Ig4の減少度合は、ワイヤ汚れの進展度合に概ね比例する。従って、電流和Ig4について検出を行うときに、そのデータ(A/DポートP2の入力値)を記憶しておき、次に電流和Ig4を検出する時に、前回検出時の電流和Ig4に対する差分を求めるようにする。そして、電流和Ig4の差分が許容値を超えた場合に、制御装置110にて、各ワイヤ53のクリーニングを促すワイヤクリーニングを報知するようにしておけば、ワイヤ汚れが急激に進展したときに、クリーニングをかけることが可能となる。
【0087】
(3)実施形態1〜3では、電圧印加回路200の出力ラインLoに4つの帯電器50を共通接続する構成例を挙げた。電圧印加回路200は必ずしも4つの帯電器全てを共通接続する必要はなく、図12に示すような2系統に分けて、各電圧印加回路に対して帯電器を2組づつ共通接続することも無論可能である。そして、図12のように2系統に分けた場合には、各系統について、それぞれグリッド電流Igの電流和Ig2を検出して、各電流和Ig2のそれぞれを別個に定電流制御するようにしてやればよい。
【0088】
(4)実施形態2では、帯電器50の一例として、グリッド電極55を備えたスコロトロン帯電器を例示したが、コロナ放電式の帯電器であれば適用可能であり、グリッド電極を持たないコロトロン帯電器としてもよい。
【0089】
(5)実施形態1〜3では、定電圧素子の一例としてツェナーダイオードを例示したが、この他にも、バリスタ (varistor) を使用することが可能である。また、電流検出部260の一例として抵抗検出式のもの例示したが、この他にもホール素子を用いた電流センサを使用することが可能である。
【符号の説明】
【0090】
1…プリンタ
41B、41Y、41M、41C…感光ドラム(本発明の「感光体」の一例)
50B、50Y、50M、50C…スコロトロン帯電器
53…ワイヤ
55…グリッド電極
57…ワイヤクリーナ(本発明の「クリーニング部」の一例)
110…制御装置
200…電圧印加回路
240…電圧検出回路
260…電流検出部
Ig…グリッド電流
Ig4…グリッド電流の電流和
Iw…ワイヤ電流
Iw4…ワイヤ電流の電流和
R1…第一抵抗
R2…第二抵抗
L1…共通の接続ライン
Lo…出力ライン
Lr…共通の帰還路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1又は複数の感光体と、
前記1の感光体に対して複数設けられるか、前記複数の感光体に対してそれぞれ設けられ、前記1又は複数の感光体を帯電させる各帯電器と、
前記各帯電器が共通接続され、前記各帯電器に電圧を印加する電圧印加回路と、
前記電圧印加回路から前記複数の帯電器へ流れる電流の電流和を検出する電流検出部と、
前記電流検出部により検出された電流和が基準値以上になるように前記電圧印加回路を制御する制御装置と、を備えた画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置であって、
前記制御装置は、前記電流和が基準値以上の定電流になるように前記電圧印加回路の出力電圧を制御する画像形成装置。
【請求項3】
請求項1に記載の画像形成装置であって、
前記電圧印加回路の出力電圧を検出する電圧検出回路を有し、
前記制御装置は、前記電圧印加回路の出力電圧を、前記電流和が基準値以上になる電圧レベルにて定電圧制御する画像形成装置。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載の画像形成装置であって、
前記帯電器はワイヤとグリッド電極を有するスコロトロン帯電器であり、
前記各スコロトロン帯電器の前記各グリッド電極は、定電圧素子を有する共通の接続ラインを介してグラウンドに接続されている画像形成装置。
【請求項5】
請求項4に記載の画像形成装置であって、
前記電流検出部は前記共通の接続ライン上に設けられた第一抵抗からなり、前記電流和として前記各スコロトロン帯電器のグリッド電極に流れるグリッド電流の電流和を検出する画像形成装置。
【請求項6】
請求項2ないし請求項4のいずれか一項に記載の画像形成装置であって、
前記各帯電器に設けられたワイヤを流れるワイヤ電流が共通の帰還路を通じて前記電圧印加回路に帰還する回路構成であり、
前記電流検出部は、前記共通の帰還路上に設けられた第二抵抗からなり、前記電流和として前記各帯電器のワイヤに流れるワイヤ電流の電流和を検出する画像形成装置。
【請求項7】
請求項2に記載の画像形成装置であって、
前記電圧印加回路の出力電圧を検出する電圧検出回路を有し、
前記制御装置は、前記電圧検出回路にて検出された出力電圧が前回検出時の出力電圧から低下した場合に、各ワイヤのクリーニングを促すワイヤクリーニングを報知する画像形成装置。
【請求項8】
請求項3に記載の画像形成装置であって、
前記制御装置は、前記電流検出部にて検出された電流和と前回検出時の電流和の差が許容値を超えた場合に、前記各帯電器に設けられたワイヤのクリーニングを促すワイヤクリーニングを報知する画像形成装置。
【請求項9】
請求項1ないし請求項6のいずか一項に記載の画像形成装置であって、
前記各帯電器に対してワイヤがそれぞれ設けられ、
前記ワイヤに対してクリーニング部がそれぞれ備えられ、
前記制御装置は、所定期間ごとに、各前記クリーニング部を作動させて前記各ワイヤをクリーニングする処理を行う画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−32532(P2012−32532A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−170941(P2010−170941)
【出願日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】