説明

画像形成装置

【課題】オプションフィーダの連結時に画像形成装置本体側のカバー部材等を取り外す必要がなく、連結部のジャム処理操作も容易である画像形成装置を提供する。
【解決手段】カラープリンタ100の本体側面には支点22aを軸として上下に開閉可能な第2開閉カバー22が設けられている。第2開閉カバー22には従動ローラ23が支持されており、オプションフィーダ30側の駆動ローラ25が挿入されるローラ挿入部24が第2開閉カバー22に隣接して形成されている。従動ローラ23は、ローラ挿入部24に挿入された駆動ローラ25と共に、カラープリンタ100とオプションフィーダ30との連結部で用紙Pの受け渡しを行う中継ローラ対27を構成する。第2開閉カバー22を開放することにより、中継ローラ対27を構成する従動ローラ23と駆動ローラ25とが離間する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体を供給するオプションフィーダが着脱可能に連結される画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置においては、装置内部に搭載された給紙トレイと異なるサイズの用紙を供給するための給紙ユニット(オプションフィーダ)が装置本体下部に着脱可能に連結されるものがあった。
【0003】
例えば特許文献1には、画像形成装置本体の基台を兼ねた給紙ユニットと消耗品収納ユニットとが取り替え可能に積層され、画像形成装置本体の底面に給紙ユニットから搬送されてきた用紙を取り入れる開口が設けられ、給紙ユニットの内部に用紙の搬送を案内するガイド手段と垂直方向に延びた垂直搬送路が形成され、垂直搬送路出口が画像形成装置本体の底面に形成された開口と連通する画像形成装置が開示されている。
【0004】
従来のオプションフィーダは、特許文献1の図1に記載されているように、画像形成装置本体との連結部での用紙受け渡しに使用する中継ローラ対(中継ローラ13)が画像形成装置本体側に配置されていた。そのため、ユーザがオプションフィーダを使用しない場合に不要な中継ローラ対が取り付けられることになり、コストアップに繋がるという問題点があった。
【0005】
そこで、特許文献2では、連結部での用紙受け渡しに使用する中継ローラ対(パスユニット)をオプションフィーダ側に配置する方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開平5−22427号公報
【特許文献2】特開平10−236693号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献2の方法では、画像形成装置本体のコストアップは避けられるものの、画像形成装置本体側に中継ローラ対が入りこんでくる空間が形成されるため、オプションフィーダを使用しないときは、画像形成装置本体の外観保持のために空間をカバー部材等で覆う必要がある。従って、ユーザが画像形成装置本体にオプションフィーダをセットする場合はカバー部材を外し、外したカバー部材をユーザが廃棄する必要があり、セットアップ作業が煩雑となる。また、廃棄されるカバー部材の分だけコストアップにも繋がる。
【0008】
また、特許文献2の図1に示すように、画像形成装置本体の中継ローラ対が入りこんでくる部分を覆うカバーを取り外し不可とした場合、中継ローラ対付近にジャムした用紙を除去するために、カバーを開閉可能な構成とし、さらに中継ローラ対のニップを解除できるようにしなければならず、オプションフィーダと画像形成装置本体との連結部の構成が複雑になるという問題点があった。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑み、オプションフィーダの連結時に画像形成装置本体側のカバー部材等を取り外す必要がなく、連結部のジャム処理操作も容易である画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために本発明は、記録媒体を積載する記録媒体積載板と、該記録媒体積載板に積載された記録媒体を1枚ずつ分離して搬送する分離搬送機構と、を有するオプションフィーダが本体下部に着脱可能に連結される画像形成装置であって、オプションフィーダ側の駆動ローラが挿入されるローラ挿入部と、該ローラ挿入部に隣接して配置され前記駆動ローラと共に前記オプションフィーダと画像形成装置本体との連結部における中継ローラ対を構成する従動ローラと、を有し、前記従動ローラは、前記オプションフィーダを連結した状態で前記駆動ローラに対し接離可能であることを特徴としている。
【0011】
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記従動ローラは画像形成装置本体の外装カバーの一部を構成する開閉カバーの内側に設けられ、前記開閉カバーの開放動作に伴い前記従動ローラが前記駆動ローラに対し離間することを特徴としている。
【0012】
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記開閉カバーの回動支点は、前記開閉カバーの下部であって、画像形成装置本体の内側寄りに設けられることを特徴としている。
【0013】
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記オプションフィーダ内の用紙搬送路を開閉するサイドカバーが前記開閉カバーの下方に隣接して配置され、前記サイドカバーの開放動作に伴い前記開閉カバーの下方向への回動が許容されることを特徴としている。
【0014】
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記開閉カバーを回動するための取手部が、前記開閉カバーの上部から下部に向かうにつれて連続的に深くなる断面略三角形状の窪みであることを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
本発明の第1の構成によれば、ユーザがオプションフィーダを使用する場合にのみ必要となる、中継ローラ対を構成する駆動ローラがオプションフィーダ側に設けられるため、画像形成装置本体のコストを低減することができる。また、オプションフィーダを連結した状態で従動ローラを駆動ローラに対し接離可能とすることにより、中継ローラ対に挟まれた記録媒体を容易に除去することができるため、ジャム処理作業性が向上する。
【0016】
また、本発明の第2の構成によれば、上記第1の構成の画像形成装置において、従動ローラを開閉カバーの内側に設け、開閉カバーの開放と共に従動ローラと駆動ローラとを離間させることにより、従動ローラの接離機構が簡単なものとなる。
【0017】
また、本発明の第3の構成によれば、上記第2の構成の画像形成装置において、開閉カバーの回動支点を、開閉カバーの下部であって、画像形成装置本体の内側寄りに設けることにより、オプションフィーダを連結せずに画像形成装置を設置面へ直接設置した場合に開閉カバーが開くのを確実に防止できる。また、開閉カバーが下方向への回動で開放されるため、開閉カバーが開放状態で保持し易くなりジャム処理作業性も向上する。
【0018】
また、本発明の第4の構成によれば、上記第3の構成の画像形成装置において、開閉カバーの下方に隣接して配置されるオプションフィーダのサイドカバーが開放されたときのみ開閉カバーが開放可能となるため、連結部のジャム処理時以外に開閉カバーが不必要に開くのを確実に防止できる。
【0019】
また、本発明の第5の構成によれば、上記第3又は第4の構成の画像形成装置において、開閉カバーを回動するための取手部を、開閉カバーの上部から下部に向かうにつれて連続的に深くなる断面略三角形状の窪みとすることにより、窪みの底面に指を掛けて開閉カバーを下方向に簡単に回動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】オプションフィーダが連結される本発明の画像形成装置の内部構造を示す側面断面図
【図2】オプションフィーダの側面断面図
【図3】オプションフィーダの外観斜視図
【図4】オプションフィーダ30をカラープリンタ100に連結する途中の状態を示す斜視図
【図5】オプションフィーダ30をカラープリンタ100に連結した状態を示す斜視図
【図6】図5においてオプションフィーダ30とカラープリンタ100の第2開閉カバー22のみを図示した斜視図
【図7】図5の状態からオプションフィーダ30のサイドカバー50とカラープリンタ100の第2開閉カバー22とを開放した状態を示す斜視図
【図8】カラープリンタ100を直接設置面に載置したときの第2開閉カバー22周辺の断面拡大図
【図9】第2開閉カバー22を取手部22cの部分で切断した断面図
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。先ず、オプションフィーダが連結される本発明の画像形成装置の構成及び動作について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の概略断面図であり、ここではタンデム方式のカラープリンタについて示している。カラープリンタ100本体内には4つの画像形成部Pa、Pb、Pc及びPdが、搬送方向上流側(図1では左側)から順に配設されている。これらの画像形成部Pa〜Pdは、異なる4色(シアン、マゼンタ、イエロー及びブラック)の画像に対応して設けられており、それぞれ帯電、露光、現像及び転写の各工程によりシアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの画像を順次形成する。
【0022】
この画像形成部Pa〜Pdには、各色の可視像(トナー像)を担持する感光体ドラム1a、1b、1c及び1dが配設されており、さらに駆動手段(図示せず)により図1において反時計回りに回転する中間転写ベルト8が各画像形成部Pa〜Pdに隣接して設けられている。これらの感光体ドラム1a〜1d上に形成されたトナー像が、各感光体ドラム1a〜1dに当接しながら移動する中間転写ベルト8上に順次一次転写されて重畳された後、二次転写ローラ9の作用によって記録媒体の一例としての用紙P上に二次転写され、さらに、定着ユニット13において用紙P上に定着された後、装置本体より排出される。感光体ドラム1a〜1dを図1において時計回りに回転させながら、各感光体ドラム1a〜1dに対する画像形成プロセスが実行される。
【0023】
トナー像が転写される用紙Pは、装置下部の用紙カセット16内に収容されており、給紙ローラ12a及びレジストローラ対12bを介して二次転写ローラ9と後述する中間転写ベルト8の駆動ローラ11とのニップ部へと搬送される。中間転写ベルト8には誘電体樹脂製のシートが用いられ、継ぎ目を有しない(シームレス)ベルトが主に用いられる。また、二次転写ローラ9の下流側には中間転写ベルト8表面に残存するトナー等を除去するためのブレード状のベルトクリーナ19が配置されている。
【0024】
次に、画像形成部Pa〜Pdについて説明する。回転自在に配設された感光体ドラム1a〜1dの周囲及び下方には、感光体ドラム1a〜1dを帯電させる帯電器2a、2b、2c及び2dと、各感光体ドラム1a〜1dに画像情報を露光する露光装置5と、感光体ドラム1a〜1d上にトナー像を形成する現像装置3a、3b、3c及び3dと、感光体ドラム1a〜1d上に残留した現像剤(トナー)等を除去するクリーニング部7a、7b、7c及び7dが設けられている。
【0025】
パソコン等の上位装置から画像データが入力されると、先ず、帯電器2a〜2dによって感光体ドラム1a〜1dの表面を一様に帯電させ、次いで露光装置5によって画像データに応じて光照射し、各感光体ドラム1a〜1d上に画像データに応じた静電潜像を形成する。現像装置3a〜3dには、それぞれシアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの各色のトナーを含む二成分現像剤が所定量充填されている。なお、後述のトナー像の形成によって各現像装置3a〜3d内に充填された二成分現像剤中のトナーの割合が規定値を下回った場合にはトナーコンテナ4a〜4dから各現像装置3a〜3dにトナーが補給される。この現像剤中のトナーは、現像装置3a〜3dにより感光体ドラム1a〜1d上に供給され、静電的に付着することにより、露光装置5からの露光により形成された静電潜像に応じたトナー像が形成される。
【0026】
そして、一次転写ローラ6a〜6dに所定の転写電圧を付与することにより、感光体ドラム1a〜1d上のシアン、マゼンタ、イエロー及びブラックのトナー像が中間転写ベルト8上に一次転写される。これらの4色の画像は、所定のフルカラー画像形成のために予め定められた所定の位置関係をもって形成される。その後、引き続き行われる新たな静電潜像の形成に備え、感光体ドラム1a〜1dの表面に残留したトナー等がクリーニング部7a〜7dにより除去される。
【0027】
中間転写ベルト8は、上流側のテンションローラ10と、下流側の駆動ローラ11とに掛け渡されており、駆動モータ(図示せず)による駆動ローラ11の回転に伴い中間転写ベルト8が反時計回りに回転を開始すると、用紙Pがレジストローラ12bから所定のタイミングで駆動ローラ11とこれに隣接して設けられた二次転写ローラ9とのニップ部(二次転写ニップ部)へ搬送され、中間転写ベルト8上のフルカラー画像が用紙P上に転写される。トナー像が転写された用紙Pは用紙搬送路18を通過して定着ユニット13へと搬送される。
【0028】
定着ユニット13に搬送された用紙Pは、定着ローラ対13aにより加熱及び加圧されてトナー像が用紙Pの表面に定着され、所定のフルカラー画像が形成される。フルカラー画像が形成された用紙Pは、複数方向に分岐した分岐部14によって搬送方向が振り分けられる。用紙Pの片面のみに画像を形成する場合は、そのまま排出ローラ15によって排出トレイ17に排出される。
【0029】
一方、用紙Pの両面に画像を形成する場合は、定着ユニット13を通過した用紙Pは一旦排出ローラ15方向に搬送され、用紙Pの後端が分岐部14を通過した後に排出ローラ15を逆回転させるとともに分岐部14の搬送方向を切り換えることで、用紙Pの後端から両面搬送路20に振り分けられ、画像面を反転させた状態で二次転写ニップ部に再搬送される。そして、中間転写ベルト8上に形成された次の画像が二次転写ローラ9により用紙Pの画像が形成されていない面に転写され、定着ユニット13に搬送されてトナー像が定着された後、排出トレイ17に排出される。
【0030】
また、カラープリンタ100の本体側面には第1開閉カバー21、第2開閉カバー22が設けられており、第1開閉カバー21、第2開閉カバー22はそれぞれ支点21a、22aを軸として開閉可能となっている。第1開閉カバー21を開放することにより、給紙ローラ12aから定着ユニット13までの用紙搬送路18が開放される。
【0031】
第2開閉カバー22の内側には従動ローラ23が支持されており、オプションフィーダ30(図2参照)側の駆動ローラ25が挿入されるローラ挿入部24が第2開閉カバー22に隣接して形成されている。従動ローラ23は、ローラ挿入部24に挿入された駆動ローラ25と共に、カラープリンタ100とオプションフィーダ30との連結部で用紙Pの受け渡しを行う中継ローラ対27を構成する。
【0032】
次に、図1のカラープリンタ100に連結されるオプションフィーダの構成及び動作について説明する。図2は、オプションフィーダの側面断面図であり、図3は、オプションフィーダの外観斜視図である。オプションフィーダ30は、カラープリンタ100の本体ハウジング内に設けられた用紙カセット16(図1参照)とはサイズの異なる用紙が収納されており、ユーザの使用する用紙サイズに応じてカラープリンタ100の下部に着脱可能に構成されている。
【0033】
図2及び図3に示すように、本実施形態のオプションフィーダ30は上下2段構造であり、上半分が第1給紙部31、下半分が第2給紙部33となっている。第2給紙部33は、例えば第1給紙部31とは異なる種類(サイズ、或いは厚み等)の用紙をカラープリンタ100(図1参照)へ給送するために用いられる。
【0034】
オプションフィーダ30の上面には、駆動ローラ25を支持するローラ支持部35と、オプションフィーダ30とカラープリンタ100の水平方向の位置決めを行う位置決めピン36が突設されており、オプションフィーダ30をカラープリンタ100の下部に連結したときローラ支持部35がローラ挿入部24(図1参照)内に挿入され、駆動ローラ25と従動ローラ23(図1参照)とが当接する。なお、図3及び後述する図4、図6では位置決めピン36は記載を省略している。
【0035】
第1給紙部31、第2給紙部33内には用紙を収容する用紙カセット37が配置されており、用紙カセット37の前面には樹脂製のカセットカバー37aが装着されている。カセットカバー37aは、外部に露出してオプションフィーダ30本体の外装面の一部を構成する。また、用紙カセット37はオプションフィーダ30本体に対し引き出し及び挿入可能となっており、カセットカバー37aの中央部には引き出し、及び挿入操作時に把持するグリップ38が形成されている。また、オプションフィーダ30の側面には第2給紙部33の給紙ユニット41から駆動ローラ25までのオプションフィーダ内搬送路47を開放するサイドカバー50が支点50aを軸として開閉可能に支持されている。
【0036】
次に、第1給紙部31の構成及び給紙動作について説明する。なお、第2給紙部33の構成及び給紙動作についても第1給紙部31と同様であるため説明を省略する。用紙カセット37内には複数枚の用紙が積載される用紙積載板39、用紙積載板39を昇降させるリフト板40、給紙ユニット41が配置されている。給紙ユニット41は、ピックアップローラ43、給紙ローラ対45を備え、用紙積載板39上の用紙を分離して給送する。
【0037】
用紙積載板39に複数枚の用紙をセットした後、パソコン等の上位機器からカラープリンタ100に印字命令が入力され、第1給紙部31に収容された用紙への印字が指定されると、リフト板40が用紙積載板39及び用紙を介してピックアップローラ43を押し上げ、ピックアップローラ43を含む給紙ユニット41の重さが用紙に加わることにより、用紙の上面が所定の圧力(給紙圧)でピックアップローラ43に押しつけられる。
【0038】
続いて、ローラ駆動モータ(図示せず)によりピックアップローラ43及び給紙ローラ対45が回転駆動される。用紙積載板39にセットされた用紙は、ピックアップローラ43によって通常上段の複数枚が給紙ローラ対45のニップ部に送られる。そして、給紙ローラ対45により最上の1枚のみが分離され、中継ローラ対27及び用紙搬送路18(図1参照)に向けて搬送される。
【0039】
図4は、オプションフィーダ30をカラープリンタ100に連結する途中の状態を示す斜視図、図5は、オプションフィーダ30をカラープリンタ100に連結した状態を示す斜視図、図6は、図5においてオプションフィーダ30とカラープリンタ100の第2開閉カバー22のみを図示した斜視図である。
【0040】
図4に示すように、オプションフィーダ30の上面に突設された位置決めピン36(図2参照)をカラープリンタ100の裏面に形成された位置決め孔(図示せず)に合わせてカラープリンタ100を重ねることにより、図5に示すようにオプションフィーダ30がカラープリンタ100の下部に連結される。
【0041】
このとき、オプションフィーダ30側のローラ支持部35がカラープリンタ100のローラ挿入部24(図1参照)内に挿入され、ローラ支持部35に支持された駆動ローラ25がカラープリンタ100側の第2開閉カバー22に支持された従動ローラ23(図1参照)と当接し、中継ローラ対27(図1参照)を形成する。第2開閉カバー22の左右2箇所には、カラープリンタ100を持ち上げるための把持部となる貫き穴22bが形成されており、貫き穴22bの間には第2開閉カバー22を開放するための取手部22cが形成されている。
【0042】
この構成によれば、オプションフィーダ30を使用しない場合でもローラ挿入部24は見えないため、ローラ挿入部24を覆うカバー部材が不要となり、部品点数を削減できる。また、オプションフィーダ30を連結する際にカバー部材を取り外したり、取り外したカバー部材を廃棄したりする必要がないため、オプションフィーダ連結時の作業性も向上する。
【0043】
さらに、オプションフィーダ30とカラープリンタ100との連結部で用紙がジャムした場合は、図7に示すように、オプションフィーダ30のサイドカバー50を開放し、さらにカラープリンタ100の第2開閉カバー22を開放する。これにより、中継ローラ対27を構成する従動ローラ23と駆動ローラ25とが離間するため、中継ローラ対27に挟まれた用紙を下方へ容易に引き出すことができる。
【0044】
ここで、第2開閉カバー22はオプションフィーダ30のサイドカバー50の上端に隣接して配置されているため、サイドカバー50を開放したときのみ第2開閉カバー22の開放が許容される。従って、ジャム処理を行うためにサイドカバー50を開放しない限り第2開閉カバー22が開かないため、ジャム処理時以外に第2開閉カバー22が不必要に開くのを確実に防止できる。
【0045】
また、中継ローラ対27から定着ユニット13までの間に用紙がジャムした場合は、サイドカバー50、第2開閉カバー22と共に第1開閉カバー21を開放することにより、中継ローラ対27に挟まれた用紙を上方へ容易に引き出すことができる。
【0046】
図8は、カラープリンタ100を直接設置面に載置したときの第2開閉カバー22周辺の断面拡大図である。図8に示すように、第2開閉カバー22の支点22aは第2開閉カバー22の下方の、装置内側(図の左側)寄りに配置されているため、オプションフィーダ30を連結せずにカラープリンタ100を設置面60に直接載置した場合は第2開閉カバー22が下方向に回動して開くおそれがない。上述したように、第2開閉カバー22は中継ローラ対27にジャムした用紙を除去するときに開放されるため、オプションフィーダ30を連結しない場合は開放する必要がない。従って、第2開閉カバー22が不必要に開くのを確実に防止できる。また、第2開閉カバー22が下方向への回動で開放されるため、第2開閉カバーを開放状態で保持し易くなりジャム処理作業性も向上する。
【0047】
図9は、第2開閉カバー22を取手部22cの部分で切断した断面図である。図9に示すように、取手部22cは、第2開閉カバー22の上部から下部に向かって連続的に深くなる断面三角形状の窪みである。第2開閉カバー22は支点22aを中心として上下に回動するため、例えば貫き穴22bを取手部とした場合は、第2開閉カバー22の回動に伴い貫き穴22bが傾斜していくため貫き穴22bの上下の開口縁で指を挟まれてしまう。また、取手部として第2開閉カバー22の上部が深くなるような窪みを設けた場合は、窪みの上面に指を掛けて第2開閉カバー22を引き下げる動作が必要となり、第2開閉カバー22の開閉操作を行いにくい。
【0048】
そこで、取手部22cを、第2開閉カバー22の上部から下部に向かって連続的に深くなる断面三角形状の窪みとすることにより、窪みの底面22caに指を掛けて下方向に押し下げるだけで第2開閉カバー22を容易に回動させることができる。
【0049】
その他、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態ではオプションフィーダ30が連結される本発明の画像形成装置としてカラープリンタ100を例に挙げて説明したが、図1に示したようなカラープリンタ100に限らず、モノクロプリンタ、カラー及びモノクロ複写機等の、オプションフィーダが連結される種々の画像形成装置に連結することができる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、オプションフィーダが着脱可能に連結される画像形成装置に利用可能であり、オプションフィーダと画像形成装置本体との連結部における中継ローラ対を、画像形成装置本体側の従動ローラとオプションフィーダ側の駆動ローラとで構成するものである。本発明の利用により、ローラ挿入部を覆うカバーが不要となり、部品点数を削減できるとともにオプションフィーダ連結時の作業性も向上する。
【符号の説明】
【0051】
21 第1開閉カバー
22 第2開閉カバー
22a 支点
22c 取手部
23 従動ローラ
24 ローラ挿入部
25 駆動ローラ
27 中継ローラ対
30 オプションフィーダ
31 第1給紙部
33 第2給紙部
35 ローラ支持部
39 用紙積載板(記録媒体積載板)
41 給紙ユニット(分離搬送機構)
50 サイドカバー
100 カラープリンタ(画像形成装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体を積載する記録媒体積載板と、
該記録媒体積載板に積載された記録媒体を1枚ずつ分離して搬送する分離搬送機構と、を有するオプションフィーダが本体下部に着脱可能に連結される画像形成装置であって、
オプションフィーダ側の駆動ローラが挿入されるローラ挿入部と、該ローラ挿入部に隣接して配置され前記駆動ローラと共に前記オプションフィーダと画像形成装置本体との連結部における中継ローラ対を構成する従動ローラと、を有し、前記従動ローラは、前記オプションフィーダを連結した状態で前記駆動ローラに対し接離可能であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記従動ローラは画像形成装置本体の外装カバーの一部を構成する開閉カバーの内側に設けられ、前記開閉カバーの開放動作に伴い前記従動ローラが前記駆動ローラに対し離間することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記開閉カバーの回動支点は、前記開閉カバーの下部であって、画像形成装置本体の内側寄りに設けられることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記オプションフィーダ内の用紙搬送路を開閉するサイドカバーが前記開閉カバーの下方に隣接して配置され、前記サイドカバーの開放動作に伴い前記開閉カバーの下方向への回動が許容されることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記開閉カバーを回動するための取手部が、前記開閉カバーの上部から下部に向かうにつれて連続的に深くなる断面略三角形状の窪みであることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−6684(P2012−6684A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−142246(P2010−142246)
【出願日】平成22年6月23日(2010.6.23)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】