説明

画像編集装置

【課題】ページ画像のプレビュー表示において、ページの並びの順序を容易に編集できる画像編集装置を提供する。
【解決手段】画像編集装置は、表示面を持つ表示装置と、画像データをスクロール可能に表示するプレビュー表示手段とを含む。プレビュー表示された画像からいずれかのページを選択すると、選択されたページは縮小画像500として表示される。縮小画像500をプレビュー画像の並びの中にドラッグアンドドロップすると、選択されたページは画像データ内でドラッグアンドドロップされた箇所へ移動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像編集装置に関し、特に、プレビュー表示を用いた画像データの編集が可能な画像編集装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、多くの事業所(会社、事務所等)において、画像編集装置の1種である複合機が導入されている。複合機はコピーモード、ファクシミリモード、ネットワーク対応のプリンタモード、及びスキャナモードのように、複数の基本的な動作モードを備える。こうした複合機ではタッチパネルディスプレイを備えていることが多く、ユーザはディスプレイ上で、画像データの確認及び編集を行なうことができる。ユーザは表示画面を見ながらタッチパネルを操作できる。複合機は他にも、画像データの蓄積及びプレビュー表示など、種々の機能を備えている。これらに関する指示も、ユーザは操作パネルを通じて行なうことが多い。そのため、画像編集装置のインターフェイス画面が果たす役割は、ますます重要なものとなっている。
【0003】
画像データの確認及び編集を行なう際には、プレビュー表示が頻繁に利用される。プレビュー表示によれば、画像データがどのような出力形態となるかを容易に確認できる。複数の画像データを並べるプレビュー表示の場合は、画像データのページの並びを容易に確認できる。
【0004】
このようなプレビュー表示機能の例として、後掲の特許文献1に開示される技術がある。この技術は、読込んだ画像をプレビュー表示するとともに、読込みが終了した画像についてはサムネイル表示する。この技術によると、画像データの並びをサムネイル表示によって容易に確認できる。読込みが全て終了した後にサムネイル表示のいずれかを選択すると、選択された画像はプレビュー表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−171780号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
プレビュー表示において、ページ画像の順番を変更したいときがある。通常用いられる方法は、移動させたいページ画像を選択して画面上でドラッグし、所望の位置でドロップすることである。必要に応じ、背景画像をスクロールさせる。こうした処理により、簡単にページ画像の順番を変更できる。
【0007】
しかし、上記した処理では、ページ画像が多数あるときには、スクロール量が多くなって作業がしにくいという問題がある。特許文献1に開示される技術のように、サムネイル表示を使用して作業しようとすると、ページ画像の内容を確認することが難しく、やはり作業が困難であるという問題がある。さらに、上記した処理では、例えば互いに離れた位置にある複数のページを同時に選択して、同じ位置に移動させるという処理は不可能であるという問題もある。
【0008】
それゆえに本発明の目的は、ページ画像をプレビュー表示する画像編集装置において、ページの並びの順序を容易に編集可能な画像編集装置を提供することである。
【0009】
本発明の他の目的は、ページ画像をプレビュー表示する画像編集装置において、任意の位置にある複数ページの位置を容易に変更可能な画像編集装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る画像編集装置は、表示面を持つ表示装置と、複数ページにわたる画像データを記憶するための記憶手段と、記憶手段により記憶された画像データのプレビュー画像を、表示面上にスクロール可能に表示するためのプレビュー表示手段と、ユーザによる操作に応答して、画像データのうちのいずれかのページを選択するためのページ選択手段と、プレビュー表示手段により表示されるプレビュー画像とは別に、かつプレビュー表示手段によるスクロールとは独立に、ページ選択手段により選択されたページを表す画像情報を、表示面上に表示するための選択ページ表示手段と、選択ページ表示手段により表示される画像情報に対するユーザ操作に応答して、画像データのページの並びを編集するための編集手段とを含む。
【0011】
選択されたページを表す画像情報はプレビュー表示とは別に独立して表示されるため、プレビュー表示がスクロールされたか否かにかかわらず、当該画像情報は表示を維持する。そのため、ユーザはプレビュー表示をスクロールしても、どのページを選択したかを容易に確認できる。当該画像情報に対してユーザからの指示が与えられると、画像データのページの並びが変化する。ユーザは選択したページの画像情報を確認しながら、ページの並びを変更できる。その結果、ページ画像をプレビュー表示する画像編集装置において、ページの並びの順序を容易に編集可能な画像編集装置を提供できる。
【0012】
好ましくは、選択ページ表示手段により表示される画像情報は、ページ選択手段により選択されたページの画像であって、かつプレビュー表示手段により表示される当該ページの画像より小さな画像である。
【0013】
画像情報が選択されたページの画像で、かつプレビュー表示より小さな画像として表示されることで、ユーザは選択したページがいずれのページであるかを一目で判別できる。当該画像はプレビュー画像より小さな画像であるため、プレビュー表示を妨げる恐れがなく、小さな表示パネルを持つ画像編集装置においても当該画像を表示できる。
【0014】
好ましくは、選択ページ表示手段は、表示面上の、プレビュー画像が表示される領域とは異なる領域に画像情報を表示する。
【0015】
画像情報はプレビュー画像とは別の領域に表示される。そのため、画像情報をプレビュー表示と区別でき、どのページが選択されているか判別しやすくなる。
【0016】
好ましくは、編集手段は、選択ページ表示手段により表示された画像情報をプレビュー表示手段により表示されたプレビュー画像の並びの中にドラッグするユーザの操作に応答して、当該画像情報に対応するページを、画像データ内で移動させるための移動手段を含む。
【0017】
当該画像情報をプレビュー画像にドラッグすると、ドラッグ操作が画像データに反映され、画像データのページの並びが変更される。ユーザは画像情報そのものを操作してページの並びを変更できるため、操作が簡単かつ明瞭なものとなる。
【0018】
さらに好ましくは、プレビュー表示手段は、表示面上に、画像データの削除を指示するボタンをさらに表示する。編集手段はさらに、選択ページ表示手段により表示された画像情報をプレビュー表示手段により表示されたボタンの上にドラッグアンドドロップするユーザの操作に応答して、当該画像情報に対応するページを、画像データ内から削除するための削除手段を含む。
【0019】
ページの削除も、ページの並びを変更する場合と同様に、画像情報をドラッグすることで実現できる。そのため操作が非常に分かりやすいものとなる。
【0020】
好ましくは、本発明に係る画像編集装置は、プレビュー表示手段により表示されたプレビュー画像を選択して、表示面上でドラッグアンドドロップするユーザの操作に応答して、複数ページにわたる画像データの並びの中で、当該ドラッグアンドドロップされた位置に対応する位置に、ユーザにより選択されドラッグアンドドロップされたページを移動させるための手段をさらに含む。
【0021】
プレビュー画像をドラッグアンドドロップする操作によっても、画像データのページの並びを変更できる。したがって、ユーザはプレビュー画像又は選択ページ表示手段によって表示される画像情報のいずれを操作しても、画像データのページの並びを変更できる。
【0022】
好ましくは、本発明に係る画像編集装置は、ユーザによる操作に応答して、ページ選択手段により選択されたページの選択を解除するための選択解除手段と、選択解除手段による解除に応答して、選択ページ表示手段により表示されている画像情報のうち、選択解除手段により選択が解除されたものに対応するものを消去するための手段とをさらに含む。
【0023】
画像情報の選択が解除されると、当該画像情報は消去される。そのため、選択されている状態の画像情報のみが表示され、ユーザはいずれのページを選択しているのかを、その都度容易に確認できる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によると、ユーザが選択したページ画像がプレビュー表示とは別の領域に表示される。プレビュー表示が変化しても選択したページ画像の表示は維持され、このページ画像を用いて画像データを編集することも可能である。そのためユーザはこのページ画像の表示を確認しながら、画像データの編集を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像編集装置の外観を示す斜視図である。
【図2】図1に示す画像編集装置の内部構成を示す図である。
【図3】図1に示す画像編集装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図4】タッチパネルディスプレイに表示される1Dフィット画面を示す図である。
【図5】タッチパネルディスプレイに表示される2D画面を示す図である。
【図6】タッチパネルディスプレイに表示されるページフロー画面を示す図である。
【図7】図4のプレビュー表示においてページ画像を選択したときの表示を示す図である。
【図8】ページ画像の縮小画像をドラッグしたときの表示を示す図である。
【図9】ページ画像の縮小表示をドラッグアンドドロップした後のプレビュー表示を示す図である。
【図10】プレビュー表示をドラッグアンドドロップするときのプレビュー表示を示す図である。
【図11】タッチされた箇所に応じた処理を行なうプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【図12】プレビュー表示が操作されたことに応じて処理を行なうプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【図13】全選択/解除キーが操作されたことに応じて処理を行なうプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【図14】縮小画像が操作されたことに応じて処理を行なうプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下の実施の形態では、同一の部品には同一の参照番号を付してある。それらの機能および名称も同一である。従って、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0027】
本発明の実施の形態に係る画像編集装置について、画像形成装置を例として説明する。しかし、本発明はそのような実施の形態には限定されない。本発明は、このような画像形成装置以外の画像編集装置にも適用できる。画像編集装置は、原稿を読込んでその画像をプレビュー表示し、画像をページ単位で編集する装置であればどのようなものでもよい。
【0028】
なお、本実施の形態に係る画像編集装置は、後述するように、ジェスチャー操作方法とジェスチャー操作によらないタッチ操作方法とにより操作が可能なタッチパネルディスプレイを含むが、タッチ操作のみが可能なタッチパネルディスプレイを含む装置であってもよい。
【0029】
この画像編集装置は、電子写真方式により記録用紙に画像を形成する。この画像編集装置は、動作モードとして、コピーモード、メールモード、FAXモード、i−FAXモード(インターネット経由のファクシミリ送信)、共有フォルダモード、データ入力モード、FTP(File Transfer Protocol)モード、デスクトップモードを備える。以下では、コピーモードでの動作を説明することで、本実施の形態に係る画像編集装置100の構成に関する説明とする。
【0030】
[機能]
図1〜図3を参照して、画像編集装置100は、原稿読取部102、画像形成部104、給紙部106、排紙処理装置108、および操作ユニット120を含む。操作ユニット120は、タッチパネルディスプレイ130と表示操作部140とを含む。タッチパネルディスプレイ130は、液晶パネル等で構成された表示パネル132と、表示パネル132に重ねて配置されたユーザの指で押圧された位置を検出するタッチパネル134とを含む。表示操作部140は、表示灯142と、電源キー144と、省エネルギキー(以下「省エネキー」と記載)146と、動作モードを選択するホーム画面へタッチパネルディスプレイ130の表示画面を戻すためのホームキー148とを含む。
【0031】
このように本実施の形態に係る画像編集装置100は、主たる操作デバイスとしてタッチパネルディスプレイ130を含むとともに、ハードウェアキーおよび表示灯を持つ表示操作部140を含む。表示操作部140のキー(電源キー144、省エネキー146、ホームキー148)は、タッチパネルディスプレイ130により実現されるソフトウェアボタンではなく、ハードウェアボタンにより実現される。このような画像編集装置100の動作モードについて説明する。
【0032】
−コピーモード−
以下において、コピーモードでの動作説明を行なう。このコピーモードにおいては、主として、原稿読取部(以下、スキャナ部と記載する場合がある。)102および画像形成部104が動作する。
【0033】
画像編集装置100においては、原稿載置台に置かれた原稿が原稿読取部102により画像データとして読取られ、読取られた画像データが図3に示すマイクロコンピュータ等から構成されるCPU(Central Processing Unit)300に入力され、ここで画像データに各種の画像処理が施され、この画像データが画像形成部104へと出力される。なお、この画像編集装置100では、このように直ちにコピー出力するのではなく、一旦データを読み込んで画像をプレビュー表示し、種々のデータ編集を行なった後に画像を出力することもできる。そのために、タッチパネルディスプレイ130には、コピー開始キーとともに、スキャン開始キー(図1〜図3には図示せず)が表示される。コピー開始キーが押された場合には、原稿の読込後、すぐに記録媒体(多くの場合、記録用紙)上への画像の出力が行なわれる。画像読込キーが押された場合には、画像データを一旦記憶装置に記憶し、プレビュー画像を生成した上で、タッチパネル130上に表示する。タッチパネル130上にプレビュー画像を表示した後、種々の編集処理を行なうことができる。この編集処理については後述する。ここでは、原稿の読込後、すぐに記録紙上に画像を形成する処理について説明する。
【0034】
画像形成部104は、画像データによって示される原稿の画像を記録媒体に印刷するものであって、感光体ドラム222、帯電装置224、レーザスキャンユニット(以下、「LSU」と称する。)226、現像装置228、転写装置230、クリーニング装置232、定着装置234、および図示しない除電装置等を備えている。
【0035】
画像形成部104には、主搬送路236および反転搬送路238が設けられており、給紙部106から給紙されてきた記録用紙が主搬送路236に沿って搬送される。給紙部106は、用紙カセット240に収納された記録用紙、または手差しトレイ242に載置された記録用紙を1枚ずつ引出して記録用紙を画像形成部104の主搬送路236へと送り出す。
【0036】
画像形成部104の主搬送路236に沿って記録用紙が搬送されている途中で、記録用紙が感光体ドラム222と転写装置230との間を通過し、さらに定着装置234を通過して、記録用紙に対する印刷が行なわれる。
【0037】
感光体ドラム222は、一方向に回転し、その表面は、クリーニング装置232と除電装置によりクリーニングされた後、帯電装置224により均一に帯電される。
【0038】
LSU226は、印刷対象の画像データに基づいてレーザ光を変調し、このレーザ光によって感光体ドラム222の表面を主走査方向に繰返し走査して、静電潜像を感光体ドラム222の表面に形成する。
【0039】
現像装置228は、トナーを感光体ドラム222の表面に供給して静電潜像を現像し、トナー像を感光体ドラム222の表面に形成する。
【0040】
転写装置230は、当該転写装置230と感光体ドラム222との間を通過していく記録用紙に感光体ドラム222の表面のトナー像を転写する。
【0041】
定着装置234は、記録用紙を加熱するための加熱ローラ248と、記録用紙を加圧するための加圧ローラ250とを含む。記録用紙は、加熱ローラ248によって加熱され、かつ、加圧ローラ250によって加圧されることによって、記録用紙上に転写されたトナー像が記録用紙に定着される。この定着装置234へ供給される電力によりヒータを温めて加熱ローラ248の温度が定着に適した温度になるように制御されている。なお、省エネモードに移行すると、たとえば、このヒータへ供給される電力が停止されたり削減されたりする。
【0042】
主搬送路236と反転搬送路238との接続位置には、分岐爪244が配設されている。記録用紙の片面のみに印刷が行なわれる場合は、分岐爪244が位置決めされ、この分岐爪244により定着装置234からの記録用紙が排紙トレイ246または排紙処理装置108の方へと導かれる。
【0043】
記録用紙の両面に印刷が行なわれる場合は、分岐爪244が所定方向に回動されて記録用紙が反転搬送路238の方へと導かれる。記録用紙は、反転搬送路238を通過して、その表裏を反転されて主搬送路236へと再び搬送され、主搬送路236の再度の搬送途中で、その裏面への印刷が行なわれて排紙トレイ246または排紙処理装置108の方へと導かれる。
【0044】
上述のようにして印刷された記録用紙は、排紙トレイ246または排紙処理装置108の方へと導かれて排紙トレイ246に排出され、または排紙処理装置108の各排紙トレイ110のいずれかに排出される。
【0045】
排紙処理装置108では、複数の記録用紙を各排紙トレイ110に仕分けして排出する処理、各記録用紙にパンチングする処理、および各記録用紙にステープルする処理を施す。たとえば、複数部の印刷物を作成する場合は、各排紙トレイ110に印刷物の一部ずつが割り当てられるように、各記録用紙を各排紙トレイ110に仕分けして排出し、排紙トレイ110毎に、排紙トレイ110上の各記録用紙にパンチング処理またはステープル処理を施して印刷物を作成する。
【0046】
−ファクシミリモード−
以下において、ファクシミリモードでの動作説明を行なう。このファクシミリモードにおいては、主として、送信動作は原稿読取部(スキャナ部)102およびFAX通信部160が動作することにより、受信動作はFAX通信部160および画像形成部104が動作する。
【0047】
・送信動作
画像編集装置100においては、ファクシミリモードを指定して、原稿載置台に置かれた原稿が原稿読取部102により画像データとして読取られ、読取られた画像データが図3に示すマイクロコンピュータ等から構成されるCPU300に入力され、ここで画像データに各種の画像処理が施され、この画像データがFAX通信部(図3のFAX通信部160)へと出力される。
【0048】
送信側の画像編集装置100のFAX通信部160は、指定された送信側の回線を指定された送信先に接続して、画像データをファクシミリ通信規格に合致した通信データへ変換して、受信側のファクシミリ装置(たとえばファクシミリモードを備えた画像編集装置100)へ送信する。
【0049】
・通信動作
回線が接続されると、受信側の画像編集装置100のFAX通信部160は、送信側の画像編集装置100のFAX通信部160からの通信要求信号を検出して、応答信号を送信する。その後、たとえば、FAX通信部160は、送信側および受信側で互いに実装されている能力情報の受渡しを行ない利用可能な最大能力での通信速度および画像データの符号化・符号訂正方式などを決定してモデムの通信方式を設定する。この通信方式にあわせた画像信号形式を用いて、送信側の画像編集装置100のFAX通信部160から受信側の画像編集装置100のFAX通信部160へデータを送信する。送信が終了すると回線が切断される。
【0050】
・受信動作
受信側の画像編集装置100のFAX通信部160は、受信したデータを画像データに変換して、画像形成部104へ送る。なお、受信したデータを画像データへ変換するのは画像形成部104であっても構わない。画像形成部104は、上述したコピーモードにおける動作と同じように、受信したデータから変換された画像データによって示される原稿の画像を記録用紙に印刷する。
【0051】
−その他の画像送信モード−
以下において、ファクシミリモード以外の画像送信モードである、メールモード、i−FAXモード、共有フォルダモード、データ入力モード、FTPモード、デスクトップモードでの動作説明を行なう。これらの画像送信モードについては、i−FAXモードの概要を説明する。これらの画像送信モードにおいては、主として、原稿読取部(スキャナ部)102および画像形成部104ならびにネットワークインターフェイス304が動作する。
【0052】
画像編集装置100においては、原稿載置台に置かれた原稿が原稿読取部102により画像データとして読取られ、読取られた画像データがCPU300に入力され、ここで画像データに各種の画像処理が施される。この画像データが、この画像編集装置100が備える記憶装置(後述するハードディスク302)に記憶される。画像データがi−FAXで使用可能なフォーマット(たとえば、TIFF−Fフォーマット)へ変換されて、変換されたデータファイルが電子メールに添付される。このような電子メールがネットワークインターフェイス304およびインターネットを経由して、他の画像編集装置またはコンピュータへ送信される。
【0053】
i−FAXを受信する他の画像編集装置においては、予め定められた時間の間隔でメールサーバに接続して、メールサーバに蓄積された自機宛のメールを受信する。
【0054】
ファクシミリモードでは、送信先の電話番号が指定されるのに対して、これらの画像送信モードでは、送信先のメールアドレス、IPアドレス、サーバコンピュータ名、コンピュータ名、フォルダ名等が指定される点が異なる。
【0055】
[制御ブロック構成]
図3を参照して、画像編集装置100はさらに、コピーモード、ファクシミリモード、ドキュメントファイリングモード、およびメールモードに関する機能の設定が可能な操作ユニット120と、プログラム等を記憶するためのROM(Read−Only Memory)306と、通電が遮断された場合であってもプログラムおよびデータ等を記憶可能な不揮発性記憶装置であるハードディスク302と、プログラムを実行する際の記憶領域を提供するためのRAM(Random Access Memory)308とを含む。
【0056】
画像編集装置100はさらに、原稿読取部102、画像形成部104、FAX通信部160、操作ユニット120、ROM306、ハードディスク302、およびRAM308に接続されるバス310と、バス310に接続された、画像編集装置としての一般的機能を実現するためのプログラムを実行するCPU300とを含む。
【0057】
ハードディスク302には、画像編集装置100でスキャンした原稿の画像データのファイルが、フォルダ別に、保存日時およびユーザ名ととともに記憶されている。また、ハードディスク302には、各動作モードの初期画面データが記憶されている。
【0058】
ROM306には、画像編集装置100の動作を制御するのに必要なプログラムおよびデータ等が記憶されている。このROM306に各動作モードの初期画面データを記憶してもよい。CPU300は、ROM306に格納されているプログラムおよびデータに従って画像編集装置100の各機能に関する制御を実行する。
【0059】
図3に示すように、画像編集装置100のFAX通信部160には、画像データの送受信用に公衆回線が接続され、ネットワークインターフェイス304にはネットワーク回線が接続されている。このネットワーク回線には、この画像編集装置100をネットワーク対応のプリンタとして使用するコンピュータ等が接続されたり、他のコンピュータ等が接続されたり、他の画像編集装置が接続されたりする。ネットワーク回線がインターネットに接続されると、画像編集装置100は、インターネットを介して、必要な情報を取得したり、画像データを通信したりすることができる。
【0060】
RAM308は、CPU300による演算および処理の結果を一時的に記憶するワーキングメモリとしての機能と、画像データを記憶するフレームメモリとしての機能とを提供する。
【0061】
原稿読取部102、画像形成部104、操作ユニット120を構成するタッチパネルディスプレイ130および表示操作部140、ならびにROM306、ハードディスク302、およびRAM308に対する制御は、CPU300が所定のプログラムを実行することにより行なわれる。なお、操作ユニット120は、入出力インターフェイスを介してCPU300と通信する。
【0062】
操作ユニット120は、ユーザが目視しやすいように傾斜して設けられた板状のパネルである。操作ユニット120の表面には、その左側の領域にタッチパネルディスプレイ130が、右側の領域に表示操作部140(表示灯142ならびにハードウェアボタンである電源キー144、省エネキー146およびホームキー148)が、それぞれ配置されている。タッチパネルディスプレイ130および表示操作部140は互いに一体となり、操作ユニット120を形成する。
【0063】
上述したように、タッチパネルディスプレイ130は、表示パネル132と、表示パネル132に重ねて配置されたタッチパネル134とを含む。タッチパネルディスプレイ130の表示パネル132には、画像編集装置100における動作モードを選択するホーム画面、画像編集装置100の現在の状態、宛先指定状況、及びジョブの処理状況等が表示される。表示パネル132の表示領域上にはソフトウェアボタンである選択ボタンが表示され、この選択ボタンの表示されている領域を指で押すと、タッチパネル134がその押された位置を検出する。プログラム上で、選択ボタンの表示位置とタッチパネル134が押された位置とを照合することにより、画像編集装置100の動作モード選択、機能設定及び動作指示等が行なわれる。画像編集装置100は、このようなタッチ操作(ユーザによる押圧位置に基づくコマンド入力操作)に加えて、ジェスチャー操作(ユーザによる操作軌跡に基づくコマンド入力操作)にも対応している。
【0064】
表示操作部140の表示灯142は、たとえばLED(Light Emitting Diode)を含み、CPU300により点灯/消灯(/点滅)が制御される。主電源スイッチとは別に設けられた電源キー144をユーザが押下すると、画像編集装置100が待機モード(たとえば主電源がオンの状態でFAX受信動作のみ可能)から通常モードへ移行して、画像編集装置100の全ての動作モードが使用できるようになる。この状態に連動して表示灯142が点灯する。さらに、ユーザが操作しない時間が予め定められた時間を経過したり、省エネキー146をユーザが押下したりすると、画像編集装置100が通常モードから省エネモードへ移行して、画像編集装置100の一部の動作モードしか使用できないようになる。このとき、表示灯142が点滅する。さらに、この省エネモードのときに、省エネキー146をユーザが押下すると、画像編集装置100が省エネモードから通常モードへ移行する。ホームキー148は、タッチパネルディスプレイ130の表示を初期状態(ホーム画面)へ戻すためのハードウェアキーである。
【0065】
表示操作部140のハードウェアボタン(電源キー144、省エネキー146およびホームキー148)には、CPU300により点灯/消灯(/点滅)が制御されるキーランプを埋め込むようにしてもよい。たとえば、このキーランプは、円型のキーの周囲をリング状に光らせたり、キーの中央部を光らせたりする。操作デバイスとしてハードウェアボタンを使用することが許可されているタイミングで(ハードウェアボタンを使用すると処理が実行されるタイミングで)、このキーランプが点灯する。
【0066】
[プレビュー表示における画像編集モード]
画像編集装置100は、プレビュー表示における表示モードとして、1Dフィット表示(図4)、2D表示(図5)、及びページフロー表示(図6)の3つの表示モードを持つ。図4〜図6を参照して、以下に各表示モードに伴う表示画面について説明する。
【0067】
図4〜図6を参照して、これら画面の右下部には、読込及び印刷に関する機能キーが表示されている。これら機能キーが表示されている領域は、本実施の形態では「タスクトリガー領域」と呼ばれる。タスクトリガー領域には、前述したコピー開始キー、スキャン開始キー、キャンセルキーなどが表示される。タスクトリガー領域は、本実施の形態では、1Dフィット表示を除きいずれの表示モードでも同じ位置に表示される。なお、以下の説明の内、1Dフィット表示に関する図では、図面を見やすくするためにタスクトリガー領域については図示していない。
【0068】
図4〜図6を参照して、図示しない原稿載置台に原稿がセットされ、スキャン開始キー442をユーザがタッチすると、原稿読取部102が原稿を読取り、原稿の画像データがプレビュー表示される。プレビューが表示された状態でモノクロ印刷キー446をタッチすると、画像データのモノクロ印刷が開始される。カラー印刷キー448をタッチすると、画像データのカラー印刷が開始される。これら読込及び印刷を実行中にキャンセルキー444をタッチすると、実行中の処理は中断される。
【0069】
プレビュー表示により、ユーザは画像データがどのような形態で出力されるかを確認できる。特に、図4に示す1Dフィット画面では、削除、移動、及びコピーなど、画像データのページ単位での編集が可能である。
【0070】
図4を参照して、1Dフィット画面400上には、画像データのプレビュー表示420の他にも、種々の機能キーが表示されている。ユーザはこれらの機能キーを操作することで、プレビュー表示されている画像データをページ単位で編集できる。全選択/解除キー402をタッチすると、表示されている画像データのプレビュー表示画面を全ページ選択できる。この全ページの選択を解除する場合は、もう1度、全選択/解除キー402をタッチすればよい。削除したいページのページ画像をページ削除キー404までドラッグアンドドロップすると、ユーザはそのページを削除できる。削除を希望するいずれかのページ画像を選択し、さらにページ削除キー404をタッチすることによっても、ユーザは当該ページを削除できる。倍率変更キー406をタッチすると、ユーザはプレビュー表示420の表示倍率を変更できる。スクロールバー410内のスクロールボタン412を操作すると、ユーザはページ画像をスクロールできる。プレビュー表示420をフリックすると、フリックの方向、軌跡、及びその速さに応じたスクロール方向、スクロール量及びスクロール速度でプレビュー表示420がスクロール表示される。プレビュー表示420が画像データ全体のどの辺りのページを表示しているかは、スクロールバー410内のスクロールボタン412の位置により確認できる。表示モード切替キー408をタッチすると、表示画面は図5に示す2D画面、又は、図6に示すページフロー画面に遷移する。そのためユーザは表示モード切替キー408により表示画面をすばやく切替えることができる。
【0071】
図5を参照して、2D画面440では画像データの各ページが行列形式に配置される。この各ページのプレビュー表示により、ユーザはページがどのような順で並んでいるかを全体的に確認できる。スクロールバー450内のスクロールボタン452を操作すると、ユーザはプレビュー表示の全体をスクロールできる。2D画面では画像データの仕上がりを確認するのみなので、画像データの編集はできない。
【0072】
図6を参照して、ページフロー画面460上には、画像データを立体的に示したプレビュー表示が表示される。このプレビュー表示は出力原稿を実際の印刷物の状態に即して表示する。例えば両面印刷の場合、背面にも画像が形成された状態でページ画像がプレビュー表示され、いわゆる2in1、4in1などの集約の場合にも集約後の画像が形成された状態でページ画像がプレビュー表示される。したがってユーザは出力原稿の仕上がりを具体的に確認できる。プレビュー表示をフリックすると、ユーザは中央部に表示されるページ画像を、他のページ画像に変更できる。ページフロー画面では出力原稿の仕上がりを確認するのみなので、画像データの編集はできない。
【0073】
[画像データの編集]
図4及び図7〜図10を参照して、編集モードにおける画像データの編集について説明する。図4を参照して、ページ画像の選択は、プレビュー表示420又は全選択/解除キー402をタッチすることで実現できる。全てのページ画像を選択する場合は全選択/解除キー402をタッチし、一部のページ画像を選択する場合は所望のページ画像のプレビュー表示420をタッチする。図7を参照して、ページ画像を選択すると、選択されたページ画像は、選択強調画像480に変化する。選択強調画像480では各ページ画像が枠線で囲まれ、中心には編集のための強調表示マーク482が表示される。強調表示マーク482をドラッグすることで、ページを移動させることができる。選択強調画像480の四隅には強調表示ハンドル484が表示され、ユーザはこの強調表示ハンドル484を用いてページ画像を回転できる。強調表示ハンドル484以外の箇所を指で押さえることで、選択されたページ画像をドラッグできる。さらに、本実施の形態では、ページ画像が選択されると、それに応答して、選択されたページ画像の縮小画像500が画面上の右上部の固定した領域に表示される。複数のページ画像を選択すると、それら複数ページの縮小画像500が表示される。縮小画像500の各ページ画像は、ページ番号の若い順番に前から並べて表示される。選択されたページ画像が多数ある場合は、縮小画像500には前の数ページの画像のみが表示され、それ以降のページはまとめて「影」のように表示される。
【0074】
図8を参照して、縮小画像500が表示された状態でスクロールバー410内のスクロールボタン412をドラッグまたはフリックすると、ページ画像のプレビュー表示をスクロールできる。スクロールバー410内のスクロールボタン412以外の箇所をタッチすることによっても、タッチした箇所に対応したページが表示されるまで、プレビュー表示をスクロールできる。縮小画像500の表示される位置は固定されており、プレビュー表示がスクロールしても変化しない。
【0075】
このようにしてプレビュー表示を、所望の位置まで移動させた後、縮小画像500を所望の移動位置にドラッグアンドドロップすることで、選択されたページ画像の位置をユーザは変更(移動)できる。このとき、2つのページ画像の間の間隙に縮小画像500をドラッグすると、これらのページ画像の間に、ページ画像が挿入できることを示す強調表示522が表示される。縮小画像500を強調表示522上にドロップすると、図9に示すように、その前後のページ画像の間に、選択されたページ画像が挿入される。本実施の形態では、選択されていたページ画像は、もともとの位置からこの位置に移動する。挿入操作が完了すると、縮小画像500の表示が消える。すなわち、ドラッグアンドドロップされた画像の選択が解除される。
【0076】
一方、プレビュー表示内のページ画像を直接ドラッグアンドドロップすることによってもページ画像の位置を変更できる。図7を参照して、移動させようとするページ画像を選択し、ドラッグすると、そのページの画像480が、図10に示すように、プレビュー表示に重ねて、半透明で表示される。移動させようとする位置が表示されていないときには、画像480を画面の左端または右端側に持っていくことで、プレビュー表示がスクロールされる。所望の箇所(強調表示522により示されるように挿入可能な箇所)に画像480をドロップすることで、図9に示すように、選択された画像がその位置に挿入される。
【0077】
ページ画像の選択及び選択の解除は、通常はページ画像のタッチ及び再タッチで実現される。全選択/解除キー402(図4参照)を操作することによっても可能である。選択されていないページ画像がある場合に全選択/解除キー402を押下すると、既に選択されているページ画像も含め、全てのページ画像が選択される。もう1度全選択/解除キーをタッチすると、ページ画像の選択は全て解除される。
【0078】
[ソフトウェア構成]
主に図11〜図14を参照して、上記したようなプレビュー表示と、縮小画像500によるページ画像位置の移動を実現するために、CPU300で実行されるプログラムの制御構造について説明する。なお、CPU300は、このようなプログラムと並行して、画像編集装置としての一般的機能を実現するプログラムを実行する。しかし、そのプログラムは本発明の本質的部分とは直接関係するものではないので、その詳細についてここでは説明しない。
【0079】
図4及び図11を参照して、このプログラムの実行時、CPU300は、画面上のどの箇所がタッチされたかを判定する(ステップ542)。この判定の結果に応じて、次の処理が決まる。
【0080】
スクロールバー410及びスクロールボタン412が操作されると、CPU300はプレビュー表示420をスクロールさせる(ステップ544)。ステップ544が終了すると、制御はステップ542に戻る。
【0081】
プレビュー表示420がタッチされると、CPU300は画面上の表示を変化させる(ステップ546)。ステップ546については、後に詳述する。ステップ546が終了すると、制御はステップ542に戻る。
【0082】
ページ削除キー404がタッチされると、CPU300は、ページ画像が選択されているか否かを判定する(ステップ548)。この判定が肯定ならばCPU300は選択されたページを削除し(ステップ550)、制御はステップ542に戻る。ステップ548の判定が否定ならば制御はステップ542に戻る。
【0083】
倍率変更キー406がタッチされると、CPU300はプレビュー表示420の表示倍率を変更する(ステップ552)。倍率の変更に応じて、プレビュー表示420は拡大または縮小される。ステップ552が終了すると、制御はステップ542に戻る。
【0084】
全選択/解除キー402がタッチされると、CPU300は画面上の表示を変化させる(ステップ554)。ステップ554については、後に詳述する。ステップ554が終了すると、制御はステップ542に戻る。
【0085】
図7に示す縮小画像500がタッチされると、CPU300は縮小画像を用いた画像編集を行なう(ステップ556)。ステップ556については、後に詳述する。ステップ556が終了すると、制御はステップ542に戻る。
【0086】
表示モード切替キー408がタッチされると、表示モードが切り替わり、図4に示す1Dフィット画面が、図5に示す2D画面、又は図6に示すページフロー画面に遷移する(ステップ558)。以後は移動先の画面プログラムに制御が移り、ステップ558が終了するとこのプログラムの制御は終了する。
【0087】
図4、図7、及び図12を参照して、図11のステップ546での制御を説明する。プレビュー表示に対しどのような操作がなされたかによって、処理は異なる。プレビュー表示がタッチされると、CPU300は、タッチしたプレビュー表示の画像が既に選択されている画像か否かを判定する(ステップ582)。この判定が肯定ならばCPU300は当該ページを非選択とし、図7に示す選択強調画像480及び縮小画像500の表示を解消する(ステップ586)。ステップ582の判定が否定ならば、CPU300はタッチした画像を選択対象とし、当該ページ画像の選択強調画像及び縮小画像の表示を行なう(ステップ584)。ステップ584又はステップ586が終了すると制御は図11のステップ542に戻る。
【0088】
プレビュー表示のページ画像がドラッグされると、CPU300はドラッグされた箇所が強調表示ハンドル484か否かを判定する(ステップ588)。この判定が肯定ならばCPU300はドラッグの動きに応じて当該ページを回転させる(ステップ590)。ステップ588の判定が否定ならばCPU300は当該ページの編集を行なう(ステップ592)。すなわち、画像をページ削除キー404上でドラッグアンドドロップすると、当該ページは削除される。画像をプレビュー表示のページ画像のいずれかの位置にドラッグアンドドロップすると、CPU300は選択された画像をドラッグした箇所へ移動、挿入する。ステップ590及び592が終了すると、制御は親ルーチンのステップ542に戻る。
【0089】
プレビュー表示がフリックされると、CPU300は、フリックによる軌跡の長さ及びその速さに応じて、プレビュー表示をスクロールする(ステップ594)。ステップ594が終了すると、制御は親ルーチンのステップ542に戻る。
【0090】
図4、図7、及び図13を参照して、図11のステップ554での制御を説明する。全選択/解除キー402がタッチされると、CPU300は、ページ画像が既に全て選択されているか否かを判定する(ステップ612)。この判定が肯定ならば制御はステップ614に進み、CPU300は全ページの選択を解除する(ステップ614)。すなわち、これらページ全てを非選択とし、図7に示す選択強調画像480及び縮小画像500の表示を解消する。ステップ612の判定が否定ならば、制御はステップ616へ進み、CPU300は全ページを選択する(ステップ616)。すなわち、全ページ画像選択済とし、これら画像を強調表示し、縮小画像500を表示させる。ステップ614及び616が終了すると、制御は親ルーチンのステップ542に戻る。
【0091】
図7及び図14を参照して、縮小画像500がドラッグされると、CPU300はドラッグが終了したか否かを判定する(ステップ632)。この判定が肯定ならば制御はステップ634へ進み、CPU300は、縮小画像500がドロップされた位置を検出する。ステップ632の判定が否定ならば制御はステップ636へ進み、CPU300はドラッグの動きに応じて画面を更新する。すなわち、ユーザの指のドラッグ位置に応じた位置に縮小画像500を移動表示する。このとき、縮小画像500は半透明表示となり、重ねて表示されるプレビュー表示の内容を確認できる。縮小画像500がプレビュー表示のページ画像間にドラッグされると、CPU300は当該ページ間に、図8に示す強調表示522を表示させる。縮小画像500が画面端部までドラッグされると、CPU300は、縮小画像がドラッグされた向きとは逆向きに、プレビュー表示をスクロールさせる。そのためユーザは縮小画像500を操作することで、プレビュー表示をスクロールできる。ステップ636が終了すると、制御はステップ632に戻る。
【0092】
ステップ638においてCPU300は、ステップ634で検出された位置がページ削除キー404の位置か否かを判定する。この判定が肯定ならばCPU300はドラッグされたページ画像の画像データを削除し(ステップ640)、その結果に応じて表示を更新し(ステップ648)、処理を終了する。ステップ638の判定が否定ならば、制御はステップ642へ進む。ステップ642において、CPU300は、当該位置でのドロップが可能か否かを判定する。この判定が肯定ならば制御はステップ644へ進み、否定ならば制御は親ルーチンのステップ542に戻る。ステップ644においてCPU300は、ドラッグされたページ画像をドロップ位置まで移動、挿入する。ステップ646においてCPU300は、当該ページの選択を解除する。すなわち、これらページを非選択とし、強調表示を通常表示に戻し、縮小表示を解消する。ステップ648においてCPU300は、直前に行なった操作に応じてプレビュー表示を更新させ、制御は親ルーチンのステップ542に戻る。
【0093】
[動作]
プレビュー表示を利用する画像編集が行なわれる場合、画像編集装置100は以下のように動作する。なお以下の説明では、主として図11〜図14を参照する。
【0094】
原稿載置台に置かれた原稿が原稿読取部102により画像データとして読取られると、これら画像データはハードディスク302に一旦記憶される。この画像データから、プレビュー表示用の画像が生成される。このプレビュー表示用の画像を用いて、タッチパネルディスプレイ130上には読取った画像データのプレビュー表示が表示される。ユーザは表示モード切替キー408により、表示モードを切替えることができる。表示モード切替キー408がタッチされると、画像編集装置100は、表示画面を図4に示す1Dフィット画面400、図5に示す2D画面440、図6に示すページフロー画面460のいずれかに遷移させる。
【0095】
編集モードでの表示画面である1Dフィット画面400上には、編集に係る種々の機能キーが表示される。画像編集装置100は、これら機能キーがどのように操作されたかに応じて、画像データを編集する。ここでは、プレビュー表示及び縮小画像を用いる編集操作が行なわれる場合の画像編集装置100の動作について説明する。
【0096】
図12を参照して、図4に示すプレビュー表示420がタッチされ、タッチされた画像が未選択であれば、画像編集装置100は当該画像を選択する(ステップ584)。すなわち、タッチされた画像を選択対象とし、当該画像を図7に示す選択強調画像480に変化させる。表示画面の右上部には当該画像の縮小画像500を表示する。タッチされた画像が既に選択済ならば、画像編集装置100は当該画像の選択を解除する(ステップ586)。すなわち、タッチされた画像を非選択とし、選択強調画像480を元のプレビュー表示に戻し、縮小画像500の表示を解消する。
【0097】
このように、選択されたページ画像が強調画像及び縮小画像として表示されると、プレビュー表示がスクロールされても、ユーザはどの画像が選択されているかを容易に確認できる。そのため他の操作を行ないながら選択したページがいずれのページであるかを確認でき、編集作業を効率よく行なうことができる。画像が多数ある場合、及び、選択した画像が不連続の場合、強調画像及び縮小画像の表示は特に役立つ。
【0098】
強調表示ハンドル484がドラッグされると、画像編集装置100はドラッグ位置に応じてページ画像を回転させる(ステップ590)。ページ画像上の強調表示ハンドル484以外の箇所がドラッグされると、画像編集装置100はドラッグされたページ画像の編集を行なう(ステップ592)。すなわち、画像がページ削除キー404上でドラッグアンドドロップされると、画像編集装置100は当該ページを削除する。画像がプレビュー表示のページ画像のいずれかの位置にドラッグアンドドロップされると、画像編集装置100は画像をドラッグした箇所へ挿入する。
【0099】
プレビュー表示がフリックされると、フリックによる軌跡の長さ及びその速さに応じて、画像編集装置100はプレビュー表示をスクロールする(ステップ594)。
【0100】
図14を参照して、縮小画像500がドラッグされると、画像編集装置100はドラッグの動きに応じて画面の表示を更新する(ステップ636)。すなわち、画像編集装置100は、縮小画像500をドラッグ位置まで移動させ、半透明で表示する。縮小画像500がプレビュー表示のページ間にドラッグされると、画像編集装置100は当該ページ間に強調表示522を表示する。強調表示522上で縮小画像500がドロップされると、画像編集装置100はドラッグされたページ画像をドロップ位置まで移動させ(ステップ644)、当該ページ画像の選択を解除する(ステップ646)。縮小画像500が画面端部までドラッグされると、画像編集装置100は、ドラッグの向きとは逆向きに、プレビュー表示をスクロールする。
【0101】
このように、画像の編集を行なうと、編集操作は選択した全ての画像に反映される。そのためユーザは、複数ページの編集を一括して行なうことができる。編集したいページが複数ある場合は、予め当該ページを全て選択しておくと、一度にまとめて編集できる。挿入可能なページ間に画像をドラッグすると、当該ページ間には強調表示522が表示される。そのため、ユーザはドラッグした画像がどの箇所に挿入されるかを容易に確認できる。
【0102】
全選択/解除キー402がタッチされると、全画像が既に選択済の場合は、画像編集装置100は選択を解除する(ステップ614)。すなわち、全ページを非選択とし、図7に示す選択強調画像480及び縮小画像500の表示を解消する。選択されていない画像がある場合は、画像編集装置100は全ページを選択する(ステップ616)。すなわち、全ページを選択の対象とし、これら画像を強調表示し、縮小画像を表示させる。
【0103】
このように、全選択/解除キーの押下により、ユーザはページの選択及び解除を容易に行なうことができる。そのため画像の選択を一旦リセットする場合、ユーザは選択した画像が表示されるまでプレビュー表示をスクロールせずとも、選択を解除できる。
【0104】
図7に示す縮小画像500は連続するページ画像を示しているが、本実施の形態に係る縮小画像は、不連続のページ画像も表示できる。不連続のページ画像を表示する場合は、連続するページ画像を表示する場合と同じく、縮小画像500でのページ画像はページ順に並べられる。ページ並びが最も前のページ画像は、縮小画像500の1番手前側に表示される。選択されたページ画像が多数ある場合、前の数ページの画像のみが表示される。
【0105】
図10に示す選択強調画像480はプレビュー表示と同一の大きさで表示されているが、この大きさはプレビュー表示と異なるサイズでもよい。例えば、プレビュー表示より小さく、縮小画像よりは大きいサイズで表示すると、プレビュー表示と同じ大きさで表示される場合に比べ、プレビュー表示と重なる部分が少なくなる。そのためユーザはプレビュー表示を確認しやすくなる。
【0106】
本実施の形態に係る縮小画像はプレビュー表示より小さいため、小さい表示パネルにも表示することができる。そのため、本発明は表示パネルを含む種々の画像編集装置に応用可能である。例えば、複合機以外にも、プリンタ、ファクシミリ、デジタルカメラ、及びスマートフォン等への応用が考えられる。もちろん本発明は、一般的な複合機の表示パネルよりも大きな表示パネルを含む画像編集装置に応用することも可能である。
【0107】
以上のように本実施の形態に係る画像編集装置によれば、プレビュー表示内のページ画像を選択すると、その縮小画像が、画面上の固定した位置に表示される。複数ページを選択したときにも、同じ位置にそれらのページ画像の縮小画像が表示される。この縮小画像を所望の位置にドラッグアンドドロップすることにより、選択された画像に対する削除及び移動などの編集を行なうことができる。ページ画像をスクロールしても縮小画像が表示されているので、ページ画像を遠く離れた位置に移動させるときにも、高速にスクロールして簡単に移動を行なうことができる。スクロールにフリックを使用できるため、スクロール自体を高速に行なうこともできる。移動すべきページ画像をドラッグしながら、プレビュー表示をスクロールさせるような従来技術と比較して、ページ画像の移動を、簡単、確実、かつ高速に行なうことができる。
【0108】
今回開示された実施の形態は単に例示であって、本発明が上述した実施の形態のみに限定されるわけではない。本発明の範囲は、発明の詳細な説明の記載を参酌した上で、特許請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含む。
【符号の説明】
【0109】
100 画像編集装置
130 タッチパネルディスプレイ
300 CPU
400 1Dフィット画面
402 全選択/解除キー
404 ページ削除キー
406 倍率変更キー
408 表示モード切替キー
410、450 スクロールバー
412、452 スクロールボタン
420、520、540 プレビュー表示
440 2D画面
460 ページフロー画面
480 選択強調画像
482 強調表示マーク
484 強調表示ハンドル
500 縮小画像
522 強調表示

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示面を持つ表示装置と、
複数ページにわたる画像データを記憶するための記憶手段と、
前記記憶手段により記憶された画像データのプレビュー画像を、前記表示面上にスクロール可能に表示するためのプレビュー表示手段と、
ユーザによる操作に応答して、前記画像データのうちのいずれかのページを選択するためのページ選択手段と、
前記プレビュー表示手段により表示されるプレビュー画像とは別に、かつ前記プレビュー表示手段によるスクロールとは独立に、前記ページ選択手段により選択されたページを表す画像情報を、前記表示面上に表示するための選択ページ表示手段と、
前記選択ページ表示手段により表示される画像情報に対するユーザ操作に応答して、前記画像データのページの並びを編集するための編集手段とを含む、画像編集装置。
【請求項2】
前記選択ページ表示手段により表示される前記画像情報は、前記ページ選択手段により選択されたページの画像であって、かつ前記プレビュー表示手段により表示される当該ページの画像より小さな画像である、請求項1に記載の画像編集装置。
【請求項3】
前記選択ページ表示手段は、前記表示面上の、前記プレビュー画像が表示される領域とは異なる領域に前記画像情報を表示する、請求項1または請求項2に記載の画像編集装置。
【請求項4】
前記編集手段は、前記選択ページ表示手段により表示された前記画像情報を前記プレビュー表示手段により表示されたプレビュー画像の並びの中にドラッグするユーザの操作に応答して、当該画像情報に対応するページを、前記画像データ内で移動させるための移動手段を含む、請求項1から請求項3のいずれかに記載の画像編集装置。
【請求項5】
前記プレビュー表示手段は、前記表示面上に、前記画像データの削除を指示するボタンをさらに表示し、
前記編集手段はさらに、前記選択ページ表示手段により表示された前記画像情報を前記プレビュー表示手段により表示された前記ボタンの上にドラッグアンドドロップするユーザの操作に応答して、当該画像情報に対応するページを、前記画像データ内から削除するための削除手段を含む、請求項4に記載の画像編集装置。
【請求項6】
さらに、前記プレビュー表示手段により表示された前記プレビュー画像を選択して、前記表示面上でドラッグアンドドロップするユーザの操作に応答して、前記複数ページにわたる画像データの並びの中で、当該ドラッグアンドドロップされた位置に対応する位置に、前記ユーザにより選択されドラッグアンドドロップされたページを移動させるための手段を含む、請求項1から請求項5のいずれかに記載の画像編集装置。
【請求項7】
さらに、
ユーザによる操作に応答して、前記ページ選択手段により選択されたページの選択を解除するための選択解除手段と、
前記選択解除手段による解除に応答して、前記選択ページ表示手段により表示されている画像情報のうち、前記選択解除手段により選択が解除されたものに対応するものを消去するための手段とを含む、請求項1から請求項6のいずれかに記載の画像編集装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−74810(P2012−74810A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−216586(P2010−216586)
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】