画像表示装置、画像表示モニター、およびテレビジョン受像機
【課題】擬似インパルス駆動による動画ボケの抑制効果を効果的に得ると共に、擬似インパルス駆動に伴うフリッカの問題を軽減することのできる画像表示装置を実現する。
【解決手段】コントロールLSI(30)は、第1の表示モードでは1階調変換回路(34)および第2階調変換回路(35)により、入力画像信号の1フレーム期間を複数のサブフレーム期間に時分割して表示パネルに出力することにより、時分割駆動(擬似インパルス駆動)による画像表示を行う。また、コントロールLSI(30)は、第2の表示モードでは入力画像信号をそのままの信号として表示パネルに出力することにより、ホールド駆動による画像表示を行う。第1および第2の表示モードの切替は、出力データセレクタ(37)における出力をモード切替信号に応じて切り替えることによって行われる。
【解決手段】コントロールLSI(30)は、第1の表示モードでは1階調変換回路(34)および第2階調変換回路(35)により、入力画像信号の1フレーム期間を複数のサブフレーム期間に時分割して表示パネルに出力することにより、時分割駆動(擬似インパルス駆動)による画像表示を行う。また、コントロールLSI(30)は、第2の表示モードでは入力画像信号をそのままの信号として表示パネルに出力することにより、ホールド駆動による画像表示を行う。第1および第2の表示モードの切替は、出力データセレクタ(37)における出力をモード切替信号に応じて切り替えることによって行われる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示素子やEL(Electro Luminescence)表示素子などのホールド型表示素子を用いた画像表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年では、CRT(陰極線管)表示装置以外に、液晶表示装置、プラズマ表示装置、有機EL表示装置等、種々の表示が開発され商品化されている。
【0003】
ここで、CRT表示装置等のインパルス型表示(発光期間のみ表示がなされる表示)を行う表示装置では、非選択期間の画素は黒表示となる。これに対し、液晶表示装置や有機EL表示装置等のホールド型表示(新たな画像の書き込みが行われるまで前フレームの画像を保持し続ける表示)装置では、非選択期間の画素において前回書き込まれた表示内容が維持される(ホールド型表示装置における通常表示)。
【0004】
そして、このようなホールド型表示装置の通常表示では、動画表示を行う場合に動画ボケの問題が生じる。上記動画ボケの問題は、ホールド型表示装置の画素において、その非選択期間にも表示内容が保持されることに起因するものであり、画素の応答速度を向上させたとしても解決されるものではない。
【0005】
ホールド型表示装置において、動画ボケを防止する方法として、時分割駆動を行うものがある。尚、時分割駆動とは、1垂直期間(1フレーム)を複数のサブフレームに分割し、1画素に複数回信号書込みを行う駆動方法である。
【0006】
すなわち、ホールド型表示装置においても、時分割駆動を行ってサブフレームの少なくとも一つで低輝度の表示(黒表示に近い表示)を行えば、擬似的にインパルス型表示に近い表示を行うことができ、動画ボケの防止に効果がある。
【0007】
液晶表示装置における時分割駆動を開示するものとしては、例えば、特許文献1が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】日本国公開特許公報「特開2001−296841号公報(公開日;2001年10月26日)」
【特許文献2】日本国公開特許公報「特開2001−184034号公報(公開日;2001年7月6日)」
【特許文献3】日本国公開特許公報「特開2003−262846号公報(公開日;2003年9月19日)」
【発明の概要】
【0009】
しかしながら、ホールド型表示素子を用いた表示装置において、動画性能を向上させるために上述のような擬似インパルス駆動を行うと、近年の表示装置の高輝度大画面化にも伴い、フリッカを発生しやすくなるといった問題がある。このフリッカは、フレーム周波数が低い場合や輝度が高い場合等に特に顕著となり、ユーザの目を疲れさせる。
【0010】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、擬似インパルス駆動による動画ボケの抑制効果を効果的に得ると共に、擬似インパルス駆動に伴うフリッカの問題を軽減することのできる画像表示装置を実現することにある。
【0011】
本発明に係る画像表示装置は、上記課題を解決するために、1フレーム期間を複数のサブフレーム期間に分割し、最大輝度または最小輝度の表示を行う場合を除いて各サブフレーム間で輝度差を生じさせつつ、入力画像信号に基づく1フレーム期間内の輝度を再現するように各サブフレームへ輝度を配分して画像表示を行う第1の表示モードと、入力画像信号に基づく1フレーム期間内の輝度を再現するように1フレーム期間を単一の輝度で画像表示を行なう第2の表示モードとを有し、上記入力画像の内容が、動画であるか静止画であるかを判定して、上記第1の表示モードと上記第2の表示モードとを切り替えることを特徴としている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態を示すものであり、実施の形態1におけるコントロールLSIの概略構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1に係る画像表示装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】上記画像表示装置における第1の表示モードにおける輝度配分を示す図である。
【図4】上記画像表示装置における第2の表示モードにおける輝度配分を示す図である。
【図5】上記画像表示装置における第1の表示モードにおける動作を示す図である。
【図6】上記画像表示装置における第2の表示モードにおける動作を示す図である。
【図7】実施の形態2に係る画像表示装置の概略構成を示すブロック図である。
【図8】実施の形態2におけるコントロールLSIの概略構成を示すブロック図である。
【図9】実施の形態3におけるコントロールLSIの概略構成を示すブロック図である。
【図10】実施の形態4におけるコントロールLSIの概略構成を示すブロック図である。
【図11】実施の形態5に係る画像表示装置の概略構成を示すブロック図である。
【図12】実施の形態7におけるコントロールLSIの概略構成を示すブロック図である。
【図13】表示画面を複数のブロック領域に分割した例を示す図である。
【図14】実施の形態7における領域毎判定回路の概略構成を示すブロック図である。
【図15(a)】動画領域と判定されるブロック領域の例を示す図である。
【図15(b)】静止画領域と判定されるブロック領域の例を示す図である。
【図16】動画領域と静止画領域との判定方法の変形例を示す図である。
【図17】実施の形態7における領域毎判定回路の概略構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について図1ないし図6に基づいて説明すると以下の通りである。先ずは、本実施の形態1に係る画像表示装置の概略構成を、図2を参照して以下に説明する。図2において、画像表示装置1は、表示パネル10と、フレームメモリ20と、コントロールLSI30と、モード切替スイッチ50とを備えている。
【0014】
表示パネル10は、画像表示手段を構成し、表示素子アレイ11、TFT基板12、ソースドライバ13a〜13d、およびゲートドライバ14a〜14dを有している。また表示素子アレイ11には、液晶材料または有機EL部材を用いた複数の表示素子11a(画素部)がマトリクス状に配置されている。
【0015】
TFT基板12の表示領域には、これらの表示素子11aを駆動する画素電極12aと、画素電極12aへの電荷供給(表示電圧)をオン・オフするスイッチング素子としてのTFT12bとが各表示素子11aに対応してマトリクス状にそれぞれ配置されている。これらの表示素子アレイ11およびTFT基板12の表示領域の周辺部には、各TFT12bをそれぞれ介して画素電極12aおよび表示素子11aを表示駆動するためのソースドライバとゲートドライバとが配置されている。ソースドライバに関しては、第1〜第4ソースドライバ13a〜13dをカスケード接続した構成が例示されており、ゲートドライバに関しては、第1〜第4ゲートドライバ14a〜14dをカスケード接続した構成が例示されている。
【0016】
TFT基板12の表示領域において、ソースドライバに接続されてソース電圧(表示電圧)が供給される複数のソース電圧ラインと、ゲートドライバに接続されてゲート電圧(走査信号電圧)が供給される複数のゲート電圧ラインとが互いに交差して設けられている。その交差部近傍ごとに、画素電極12aおよびTFT12bが設けられている。
【0017】
TFT12bのゲート電極は、対応するゲート電圧ライン(その交差部のゲート電圧ライン)に接続され、TFT12bのソース電極は、対応するソース電圧ライン(その交差部のソース電圧ライン)に接続され、TFT12bのドレイン電極は画素電極12aに接続されている。
【0018】
フレームメモリ20は、表示パネル10に表示される画像信号を1フレーム分蓄積するものである。コントロールLSI30は、各部を制御する表示制御手段である。そして、モード切替スイッチ50は、ユーザの指示によって表示モードを切り替え可能とするために、ユーザの操作によってモード切替信号をコントロールLSI30に出力するものである。
【0019】
上記構成の画像表示装置1において、その基本的な画像表示方法について説明すれば以下の通りである。
【0020】
先ず、コントロールLSI30からは、1水平ライン分の各画素部に表示されるパネル画像信号(表示用画像信号)が、クロック信号に同期して順次、第1ソースドライバ13aに転送される。第1〜第4ソースドライバ13a〜13dは図2に示すようにカスケード接続されているので、1水平画素数分のクロック信号のパルスによって、第1〜第4ソースドライバ13a〜13dに1水平画素数分のパネル画像信号が一旦保持される。この状態で、コントロールLSI30から第1〜第4ソースドライバ13a〜13dにラッチパルス信号が出力されると、各ソースドライバ13a〜13dから各画素部の画像信号に対応した表示電圧レベルが1水平画素数分のソース電圧ラインに出力される。
【0021】
また、コントロールLSI30は、各ゲートドライバ14a〜14dのそれぞれへの制御信号として、イネーブル信号、スタートパルス信号、および垂直シフトクロック信号を出力する。イネーブル信号がローレベルの間は、ゲート電圧ラインはオフ状態となる。また、イネーブル信号がハイレベルであり、かつスタートパルス信号が入力されている時には、垂直シフトクロック信号の立ち上がりエッジのタイミングで、該当するゲートドライバの最初のゲート電圧ラインがオン状態となる。また、イネーブル信号がハイレベルであり、かつスタートパルス信号が入力されていない時には、垂直シフトクロック信号の立ち上がりエッジのタイミングで、前回オン状態となったゲート電圧ラインの次のゲート電圧ラインがオン状態となる。
【0022】
上記ソース電圧ラインに1水平画素数分の表示電圧が出力されている期間に、1本のゲート電圧ラインがオン状態となることによって、このゲート電圧ラインに接続されている1水平画素数分の各TFT12bがオン状態となる。これにより、1水平画素数分の各画素電極12aに各ソース電圧ラインからの電荷(表示電圧)がそれぞれ供給され、これによって、表示素子11aの状態が変化して画像表示が行われる。以上のような表示制御が各水平ラインについて繰り返し行われることによって、表示画面全体に画像表示が行われる。
【0023】
本実施の形態1に係る画像表示装置1は、擬似インパルス駆動による動画ボケの抑制効果を効果的に得ると共に、擬似インパルス駆動に伴うフリッカの問題を軽減することを目的としている。そして、この目的を達成するために、表示画像の内容に応じて表示モードの切替えを行う点に特徴を有している。以下に、この特徴点について詳細に説明する。
【0024】
画像表示装置1では、モード切替スイッチ50によって入力されるユーザ指示に基づいて、表示モードの切替えを行う構成を例示している。すなわち、ユーザが表示モードの切替えを行うためにモード切替スイッチ50を操作すると、モード切替信号がモード切替スイッチ50からコントロールLSI30に入力され、コントロールLSI30において表示モードの切替制御が行われる。
【0025】
画像表示装置1は、動画ボケを抑制する擬似インパルス表示を行うために、時分割駆動を行う第1の表示モードを有している。すなわち、第1の表示モードでは、1つのフレームを複数のサブフレームに分けて表示パネル10の駆動を行う構成となっている。さらに、画像表示装置1は、通常のホールド駆動を行う第2の表示モードを有している。
【0026】
先ずは、時分割駆動を行う第1の表示モードについて説明する。時分割駆動を行う第1の表示モードでは、各サブフレームの輝度の時間積分値が入力画像信号に基づく1フレーム期間内の輝度特性を再現するように、各サブフレームへ輝度が配分される。時分割駆動表示は、このような各サブフレームへの輝度の配分によって、高輝度のサブフレームと低輝度のサブフレームとが発生することで擬似インパルス表示となり、動画ボケに効果を発揮する。
【0027】
ここで、上記第1の表示モードにおける、サブ−フレームのへの輝度配分比率の例を以下の表1に示す。尚、以下の表1では、サブフレームの分割を前半サブフレームと後半サブフレームとの2つとし、さらにそのサブフレームの時間比率が1:1であると仮定している。また、上記表1の配分比率に基づいた輝度配分を図3に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
図3は、動画表示性能を重視した第1の表示モードを示すものであり、入力画像信号の階調レベルが0%(フレーム輝度0%)、53.3%(フレーム輝度25%)、73.0%(フレーム輝度50%)、87.7%(フレーム輝度75%)、100%(フレーム輝度100%)のそれぞれの場合を例として、サブフレームの輝度配分を図示している。尚、フレーム輝度と入力画像信号の階調レベルとの関係は、以下の(1)式を満たす。また、(1)式においては、γ(ガンマ特性)=2.2の時に、実際の表示と近い特性が得られることが知られている。
【0030】
【数1】
【0031】
表1および図3にて示される第1の表示モードでは、フレーム輝度が0〜50%の範囲においては、一方のサブフレーム(この例では前半サブフレーム)の輝度を最小輝度(0%)に固定し、他方のサブフレーム(この例では後半サブフレーム)の輝度を変化させる。また、フレーム輝度が50〜100%の範囲においては、一方のサブフレーム(この例では後半サブフレーム)の輝度を最大輝度(100%)に固定し、他方のサブフレーム(この例では前半サブフレーム)の輝度を変化させる。
【0032】
尚、上記表1および図3に示す第1の表示モードの輝度配分比率は、各階調レベルにおいてサブフレーム間の輝度差が最大となるように設定されており、動画ボケの防止効果が最も高い配分となっている。しかしながら、本発明において、時分割駆動を行う第1の表示モードにおけるサブフレームの輝度配分比率は、上記の配分比率に限定されるものではない。
【0033】
時分割駆動を行う第1の表示モードでは、動画ボケの抑制効果が得られる反面、同時にフリッカが生じやすいといった問題も生じる。このため、画像表示装置1では、動画ボケ効果を有する第1の表示モード以外に、フリッカの抑制を考慮して通常のホールド駆動を行う第2の表示モードを有する。第2の表示モードにおいてはサブフレームの輝度配分、すなわち時分割駆動が行われないため、以下の表2および図4に示すように、入力画像信号の各階調レベルに対して一定のフレーム輝度が与えられる。尚、第2の表示モードでは、フレーム輝度と入力画像信号の階調レベルとの関係は、以下の(2)式を満たす。また、(2)式においても、γ(ガンマ特性)=2.2の時に、実際の表示と近い特性が得られる。
【0034】
【表2】
【0035】
【数2】
【0036】
次に、上記第1および第2の表示モードの切替制御を行うための、コントロールLSI30の構成について図1を参照して説明する。
【0037】
コントロールLSI30は、図1に示すように、ラインバッファ31、タイミングコントローラ32、フレームメモリデータセレクタ33、第1階調変換回路34、第2階調変換回路35、階調変換データセレクタ36、および出力データセレクタ37を備えて構成されている。
【0038】
ラインバッファ31では、入力された入力画像信号が1水平ラインずつ受信されて一旦保持される。ラインバッファ31は、受信ポートと送信ポートとを独立して備えており、入力画像信号の受信および送信を同時に行うことができる。
【0039】
タイミングコントローラ32は、フレームメモリデータセレクタ33に対して、フレームメモリ20へのデータ転送と、フレームメモリ20からのデータ読出しとのタイミングを交互に切り替えて制御する。また、タイミングコントローラ32は、階調変換データセレクタ36に対して、第1階調変換回路34および第2階調変換回路35からの各出力タイミングを交互に選択制御する。すなわち、タイミングコントローラ32は、階調変換データセレクタ36に対して前半サブフレーム期間と後半サブフレーム期間との切替えを行う。さらに、タイミングコントローラ32は、入力同期信号に基づき生成したクロック信号、ラッチパルス信号、イネーブル信号、スタートパルス信号、および垂直シフトクロック信号を所定のタイミングで出力する。
【0040】
フレームメモリデータセレクタ33は、タイミングコントローラ32によって制御され、ラインバッファ31に保持された入力画像信号を1水平ライン分ずつフレームメモリ20にデータ転送する動作と、1フレーム前に入力されてフレームメモリ20に保存されている画像信号を1水平ライン分ずつ読み出す動作とを交互に選択する。また、フレームメモリデータセレクタ33は、フレームメモリ20から読み出した画像データを第2階調変換回路35に転送する。
【0041】
第1階調変換回路34は、ラインバッファ31から入力画像信号の供給を受け、その入力画像信号の階調レベルを、時分割駆動を行うための前半サブフレームの階調レベルに変換して出力する。第1階調変換回路34がこのような階調レベルの変換を行うにあたっては、入力画像信号の階調レベルと前半サブフレームの階調レベルとを対応付けて記憶するLUT(Look-Up Table)が参照される。図1では、このLUTは第1階調変換回路34内に格納されているものとする。
【0042】
第2階調変換回路35は、フレームメモリデータセレクタ33を介してフレームメモリ20から入力画像信号の供給を受け、その入力画像信号の階調レベルを、時分割駆動を行うための後半サブフレームの階調レベルに変換して出力する。第2階調変換回路35がこの階調レベルの変換を行うにあたっては、入力画像信号の階調レベルと後半サブフレームの階調レベルとを対応付けて記憶するLUT(Look-Up Table)が参照される。図1では、このLUTは第2階調変換回路35内に格納されているものとする。
【0043】
尚、第1階調変換回路34および第2階調変換回路35は、入力画像信号の階調レベルに対応する各サブフレームの階調レベルをLUTから読み出すことによって階調レベルの変換を行うものに限定されない。例えば、第1階調変換回路34および第2階調変換回路35は、入力画像信号の階調レベルに対応する各サブフレームの階調レベルを計算式から演算することで求めるものであっても良い。
【0044】
階調変換データセレクタ36は、タイミングコントローラ32によって制御され、第1階調変換回路34から出力される画像信号と、第2階調変換回路35から出力される画像信号とを切り替え、出力データセレクタ37へと出力する。すなわち、階調変換データセレクタ36は、前半サブフレーム期間には第1階調変換回路34から出力される画像信号を出力データセレクタ37へ出力し、後半サブフレーム期間には第2階調変換回路35から出力される画像信号を出力データセレクタ37へ出力する。
【0045】
また、出力データセレクタ37には、コントロールLSI30に入力される入力画像信号およびモード切替信号が直接入力されると共に、階調変換データセレクタ36の出力信号が入力される。出力データセレクタ37は、上記モード切替信号に応じて、入力画像信号および階調変換データセレクタ36からの入力信号の一方をパネル画像信号として出力する。すなわち、上記モード切替信号が第1の表示モード(時分割駆動)を示す場合には、出力データセレクタ37は階調変換データセレクタ36からの入力信号をパネル画像信号として出力する。そして、上記モード切替信号が第2の表示モード(ホールド駆動)を示す場合には、出力データセレクタ37は入力画像信号をそのままパネル画像信号として出力する。
【0046】
ここで、上記構成のコントロールLSI30を用いた画像表示装置1の動作について図5および図6を参照して説明する。図5は、上記画像表示装置の第1表示モード時、すなわち時分割駆動時における水平期間毎の画像信号の流れを示す図である。また、図6は、上記画像表示装置の第2表示モード時、すなわちホールド駆動時における水平期間毎の画像信号の流れを示す図である。
【0047】
尚、図5および図6では、括弧[]内は、それぞれ1水平ライン分の画像信号の転送期間を示している。例えば、[N,1]は、第Nフレームの水平第1ラインに入力された入力画像信号が転送されていることを示している。また、Mライン目は画面の中間ラインを示しており、本実施の形態1では第3ゲートドライバ14cの第1ゲート電圧ラインによって駆動される水平ラインである。
【0048】
また、図5において、C1はその後の[]内に示すフレームおよび水平ラインの入力画像信号をソースとして第1階調変換回路34にて変換された画像信号が転送されることを示している。C2はその後の[]内に示すフレームおよび水平ラインの入力画像信号をソースとして第2階調変換回路35にて変換された画像信号が転送されることを示している。
【0049】
先ず、画像表示装置1の第1表示モード時の動作について図5を参照して説明すると以下の通りである。尚、図5では、第N番目のフレームの1ライン目から3ライン目の画像入力信号が入力される期間を示している。
【0050】
図5の矢印D1に示すように、入力された入力画像信号は、ラインバッファ31で受信される。次に、矢印D2に示すように、1ライン分の画像信号が受信されている途中から、ラインバッファ31からフレームメモリデータセレクタ33を介してフレームメモリ20への書き込みと、ラインバッファ31から第1階調変換回路34への転送が行われる。第1階調変換回路34からは変換された画像信号がパネル画像信号として出力される。
【0051】
また、矢印D3に示すように、フレームメモリ20への書き込みと交互に、書込まれる画像信号のラインから半フレーム分だけ過去の水平ラインの画像信号が、フレームメモリ20から1ラインずつ読み出される。フレームメモリ20から読み出された画像信号は、フレームメモリデータセレクタ33を介して第2階調変換回路35へ転送され、第2階調変換回路35からは変換された画像信号が階調変換データセレクタ36および出力データセレクタ37を介してパネル画像信号として出力される。
【0052】
さらに、コントロールLSI30から出力された1水平ライン分のパネル画像信号がクロック信号によって第1〜第4のソースドライバへ転送された後、ラッチパルス信号を与えると、各ソース電圧ラインから各画素部の輝度に対応して表示電圧が出力される。この時、ソース電圧ライン上の電荷(表示電圧)を供給して画像表示させたいラインに該当するゲートドライバには、必要に応じて垂直シフトクロック信号やゲートスタートパルス信号が与えられて、該当するゲート電圧ラインの走査信号がオン状態とされる。一方、画像表示させないゲートドライバでは、イネーブル信号がローレベルとされて、ゲート電圧ラインの走査信号がオフ状態とされている。
【0053】
図5の例では、矢印D4に示すように、第N−1フレームの第Mラインの1水平ライン分の画像信号がソースドライバへ転送された後、コントロールLSI30から、矢印D5に示すように、第3ゲートドライバ14cへのイネーブル信号がハイレベルとされ、矢印D6およびD7に示すように、第3ゲートドライバ14cへのスタートパルス信号と垂直シフトクロック信号とが供給される。これにより、矢印D8に示すように、表示位置が画面の第Mラインに該当する第3ゲートドライバ14cの第1ゲート電圧ラインに接続されたTFT12bがオン状態とされ、画像が表示される。この時、表示位置に該当しない第1、第2および第4ゲートドライバ14a,14b,14cへのイネーブル信号はローレベルとされており、これらのゲートドライバのゲート電圧ラインに接続されたTFT12bはオフ状態とされている。
【0054】
次に、矢印D9に示すように、第Nフレームの第1ラインの1水平ライン分の画像信号がソースドライバに転送された後、コントロールLSI30から、矢印D10に示すように、第1ゲートドライバ14aへのイネーブル信号がハイレベルとされ、矢印D11およびD12に示すように、第1ゲートドライバ14aへのスタートパルス信号と垂直シフトクロック信号とが供給される。これにより、矢印D13に示すように、表示位置が画面の第1ラインに該当する第1ゲートドライバ14aの第1ゲート電圧ラインに接続されたTFT12bがオン状態とされ、画像が表示される。この時、表示位置に該当しない第2〜第4ゲートドライバ14b〜14cへのイネーブル信号はローレベルとされ、これらのゲートドライバのゲート電圧ラインに接続されたTFT12bはオフ状態とされている。
【0055】
尚、図5に基づく上記説明の動作は、画像表示装置1において時分割駆動を行うための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。
【0056】
例えば、上記の説明では、サブフレームへの分割数を2つとした場合を例示しているが、フレームの分割数はこれに限らず、フレームを3つ以上のサブフレームに分割してもよい。また、サブフレームの分割比も1:1などの等分割である必要は無く、任意の分割比(例えば2:1や3:2)でフレーム分割を行うこともできる。これらのことは、後述する実施の形態2ないし6においても同様である。
【0057】
次に、画像表示装置1の第2表示モード時の動作について図6を参照して説明すると以下の通りである。尚、図6では、第N番目のフレームの1ライン目から6ライン目の画像入力信号が入力される期間を示している。
【0058】
図6の矢印D21に示すように、第2表示モードでの動作時には、コントロールLSI30に入力された入力画像信号は、出力データセレクタ37のみを介して直接パネル画像信号としてコントロールLSI30から出力される。
【0059】
コントロールLSI30から出力された1水平ライン分のパネル画像信号は、クロック信号によって第1〜第4のソースドライバへ転送された後、ラッチパルス信号を与えると、各ソース電圧ラインから各画素部の輝度に対応して表示電圧が出力される。
【0060】
図6の例では、矢印D22に示すように、第Nフレームの第1ラインの1水平ライン分の画像信号がソースドライバへ転送された後、コントロールLSI30から、矢印D23に示すように、第1ゲートドライバ14aへのイネーブル信号がハイレベルとされる。そして、矢印D24およびD25に示すように、第1ゲートドライバ14aへのスタートパルス信号と垂直シフトクロック信号とが供給される。これにより、矢印D26に示すように、第1ゲートドライバ14aの第1ゲート電圧ラインに接続されたTFT12bがオン状態とされ、画像が表示される。この時、表示位置に該当しない第2ないし第4ゲートドライバ14b〜14dへのイネーブル信号はローレベルとされており、これらのゲートドライバのゲート電圧ラインに接続されたTFT12bはオフ状態とされている。
【0061】
その後、第Nフレームの第2ライン以降の各ゲートラインへのデータ転送は、矢印D27〜D30に示すように、1水平ライン分の画像信号がソースドライバに転送された後、ラッチパルス信号を与えると、各ソース電圧ラインから各画素部の輝度に対応して表示電圧が出力される。
【0062】
第1ゲートドライバ14aの最終ゲート電圧ラインに接続された画素に書き込みが終了すると、続いて、第2ゲートドライバ14bへのイネーブル信号がハイレベルとされ、第2ゲートドライバ14bへのスタートパルス信号と垂直シフトクロック信号とが供給される。これにより、第2ゲートドライバ14bにて駆動されるゲート電圧ラインの領域に画像が表示される。第3ゲートドライバ14cおよび第4ゲートドライバ14dにて駆動されるゲート電圧ラインの領域にも、同様の動作にて画像が表示される。
【0063】
尚、本実施の形態1に係る画像表示装置1では、表示モードの切替えは、モード切替スイッチ50から入力されるユーザ指示によって行われる構成となっている。しかしながら、本発明に係る画像表示装置では、装置自身が表示画像の内容を判定し、その判定結果に応じて適切な表示モードが自動的に選択される構成とすることも可能である。このような構成の画像表示装置について、以下の実施の形態2ないし4において説明する。
【0064】
〔実施の形態2〕
本実施の形態2に係る画像表示装置は、図7に示すようなものとなる。図7に示す画像表示装置2が、図2に示す画像表示装置1と異なる点は、モード切替スイッチ50を備えていない点と、コントロールLSI30に代えてコントロールLSI60を備えている点である。それ以外の構成は、画像表示装置1と同じであるので、画像表示装置1と同様の構成および作用を有する部材について、図2と同じ部材番号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0065】
画像表示装置2では、コントロールLSI60が入力画像信号に基づいて表示画像が動画であるか静止画であるかを判定し、その判定結果に応じて適切な表示モードを選択する。すなわち、本発明の画像表示装置における時分割駆動は、動画ボケの抑制に効果を生じるものであるため、静止画(もしくは静止画に近い動きの少ない動画)を表示する場合にはその効果は無い(もしくは小さい)。したがって、表示画像が動画である場合には、動画ボケ効果を優先して時分割駆動による第1の表示モードにて表示を行い、表示画像が静止画である場合には、フリッカの抑制を考慮してホールド駆動による第2の表示モードにて表示を行うことが好ましい。
【0066】
このような表示モード切替動作を行うコントロールLSI60の構成について、図8を参照して説明する。コントロールLSI60は、図1に示すコントロールLSI30に対し、さらに動画/静止画判定回路61を備えた構成である。その他、コントロールLSI30と同様の構成および作用を有する部材について、図1と同じ部材番号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0067】
動画/静止画判定回路61は、入力画像信号および入力同期信号の供給を受け、これらの信号に基づいて表示画像が動画であるか静止画であるかを判定し、その判定結果に基づいてモード切替信号を出力する。動画/静止画判定回路61が出力するモード切替信号は、タイミングコントローラ32および出力データセレクタ37に入力される。すなわち、図7に示す画像表示装置2では、モード切替信号は、ユーザの入力によって発生するものではなく、動画/静止画判定回路61が表示画像の内容に基づいて生成するものである。
【0068】
ここで、動画/静止画判定回路61における動画/静止画判定方法については、例えば、連続する複数のフレーム間での対応画素毎のデータを比較し、これらのフレーム間に変化があるか否かを調べる方法や、連続する複数のフレームから表示画像中の動きベクトルを抽出し、その動きベクトルの大きさによって動画と静止画とを判定する方法等が使用可能である。尚、動画/静止画判定方法は、画像圧縮を行う場合の処理等に既に応用されている技術であり、動画/静止画判定方法に関してそのような何れの周知方法をも利用し得る。このため、本発明において、動画/静止画判定にかかる具体的方法は特に限定されるものではない。
【0069】
また、動画/静止画判定回路61は、表示画像が動画であるか静止画であるかを判定するものであるが、ここでいう静止画とは、一切の動きが無いような完全な静止画像のみを意味するものではない。つまり、ここでいう静止画とは、ここでいう動画に対して、相対的に動きの少ない画像をも含むものとして記載されている。
【0070】
例えば、動画/静止画判定回路61では、連続するフレーム間での対応画素毎のデータを比較して、フレーム間で表示変化のあった画素数をカウントし、その画像数を所定の閾値と比較するようにすれば、(動画と見なされる)動きの多い画像と(静止画と見なされる)動きの少ない画像との判定を行うことができる。
【0071】
〔実施の形態3〕
本実施の形態3に係る画像表示装置は、図7に示す画像表示装置2とほぼ同様の構成となるが、コントロールLSI60に代えて、図9に示すコントロールLSI70を備えた構成となる。コントロールLSI70は、図8に示すコントロールLSI60に対し、動画/静止画判定回路61に代えて輝度測定回路71を備えた構成である。
【0072】
本実施の形態3に係る画像表示装置では、コントロールLSI70が入力画像信号の平均輝度を測定(算出)し、その結果に応じて適切な表示モードを選択する。すなわち、本発明の画像表示装置における時分割駆動では、一般に表示画像の輝度が高い時にフリッカが判定されやすく、表示画像の輝度が低い時にはフリッカは判定されにくい。したがって、表示画像の輝度が低い場合には、動画ボケ効果を優先して時分割駆動による第1の表示モードにて表示を行い、表示画像の輝度が高い場合には、フリッカの抑制を考慮してホールド駆動による第2の表示モードにて表示を行うことが好ましい。
【0073】
輝度測定回路71は、図9に示すように、入力画像信号および入力同期信号の供給を受け、これらの信号に基づいて表示画像の平均輝度を測定(算出)し、その結果に基づいてモード切替信号を出力する。輝度測定回路71が出力するモード切替信号は、タイミングコントローラ32および出力データセレクタ37に入力される。尚、上記平均輝度の算出にあたっては、実際には、入力画像信号における階調値データが利用される。
【0074】
ここで、輝度測定回路71における輝度測定方法としては、例えば、フレーム中の複数の画素の輝度データ平均値(すなわち平均輝度)を算出する方法などが考えられる。尚、上記平均輝度の算出は、単一のフレームに対して求めても良いし、あるいは連続する複数のフレームに対して求めても良い。また、上記平均輝度の算出は、フレーム中の全ての画素を用いて算出しても良いし、あるいはフレーム中から抽出される一部の画素を用いて算出しても良い。尚、輝度測定方法は、例えば液晶表示装置のバックライトを表示画像の輝度に応じて制御するような場合の処理等に既に応用されている技術であり、輝度測定方法に関しては何れの周知方法をも利用し得る。このため、本発明において、輝度測定にかかる具体的方法は特に限定されるものではない。
【0075】
〔実施の形態4〕
本実施の形態4に係る画像表示装置は、図7に示す画像表示装置2とほぼ同様の構成となるが、コントロールLSI60に代えて、図10に示すコントロールLSI80を備えた構成となる。コントロールLSI80は、図8に示すコントロールLSI60に対し、動画/静止画判定回路61に代えてフレーム周波数測定回路81を備えた構成である。
【0076】
本実施の形態4に係る画像表示装置では、コントロールLSI80が入力画像信号のフレーム周波数を測定し、その結果に応じて適切な表示モードを選択する。すなわち、本発明の画像表示装置における時分割駆動では、一般にフレーム周波数が高い時にはフリッカが判定されにくく、フレーム周波数が低い時にフリッカが判定されやすい。したがって、表示画像のフレーム周波数が高い場合には、動画ボケ効果を優先して時分割駆動による第1の表示モードにて表示を行い、表示画像のフレーム周波数が低い場合には、フリッカの抑制を考慮してホールド駆動による第2の表示モードにて表示を行うことが好ましい。
【0077】
より具体的な例としては、フレーム周波数が約60Hzと判定された場合は第1の表示モードにて表示を行い、フレーム周波数が約50Hzと判定された場合は第2の表示モードにて表示を行うことが好ましい。このような場合は、表示モードを切り替えるための基準となるフレーム周波数の閾値を、50Hzと60Hzとの間に設定すればよい。尚、フレーム周波数の閾値を50Hzと60Hzとの間に設定することが好適となるのは、テレビ画像の信号として50Hzのもの(PAL方式)と60Hzのもの(NTSC方式)とが一般的に使用されているためである。
【0078】
フレーム周波数測定回路81は、図10に示すように、入力同期信号の供給を受け、この入力同期信号に基づいて表示画像のフレーム周波数を測定し、その結果に基づいてモード切替信号を出力する。フレーム周波数測定回路81が出力するモード切替信号は、タイミングコントローラ32および出力データセレクタ37に入力される。
【0079】
ここで、フレーム周波数測定回路81におけるフレーム周波数方法としては、例えば、フレーム周波数測定回路81内に、周波数が一定に固定されたクロック(たとえば、水晶発振器の出力)で動作する同期式カウンタを設け、上記入力同期信号の垂直周期をカウントすることで、上記入力同期信号からフレーム周波数を抽出する方法などが考えられるが、本発明において、フレーム周波数測定にかかる具体的方法は特に限定されるものではない。
【0080】
尚、上記実施の形態2ないし4で説明した各構成は、本発明に係る画像表示装置において、任意の2つの構成、あるいは3つ全ての構成を組み合わせて用いることも可能である。また、これらに実施の形態1にて説明したモード切替スイッチ50の構成を組み合わせて用いることも可能である。
【0081】
さらに、実施の形態2における動画/静止画判定処理、実施の形態3における輝度測定処理、あるいは実施の形態4におけるフレーム周波数測定処理は、画像信号の入力期間中、継続して実施することも可能である。しかしながら、動画/静止画判定回路61、輝度測定回路71、あるいはフレーム周波数測定回路81での処理にかかる負担軽減のため、例えば一定期間の経過毎に間欠的に判定あるいは計測を行う構成であってもよい。
【0082】
〔実施の形態5〕
本実施の形態5に係る画像表示装置は、表示パネル10に表示される画像の供給源(画像ソース)に応じて適切な表示モードを選択することを特徴とする。すなわち、近年の画像表示装置は、パソコン、テレビジョンチューナ、ビデオ、あるいはゲーム等、様々な画像ソースから画像信号を供給可能な構成となっているものが多い。そして、画像ソースによって、供給される画像信号の特性(特に動画特性)はある程度特徴付けられる。例えば、パソコンから供給される画像信号は、他の映像ソースからの画像信号に比べて、通常、動画特性の低い画像(動きの少ない静止画に近い画像)である。
【0083】
このため、本実施の形態5に係る画像表示装置では、画像ソースを判定し、例えば、画像ソースがパソコン以外のものである場合には、動画ボケ効果を優先して時分割駆動を行う第1の表示モードにて表示を行い、画像ソースがパソコンである場合には、フリッカの抑制を考慮してホールド駆動を行う第2の表示モードにて表示を行うといったことが考えられる。
【0084】
このような制御を行う画像表示装置は、例えば図11に示すような構成となる。図11に示す画像表示装置3が、図1に示す画像表示装置1と異なる点は、モード切替スイッチ50に代えて、画像ソース切替スイッチ51を備えている点である。それ以外の構成は、画像表示装置1と同じであるので、画像表示装置1と同様の構成および作用を有する部材について、図1と同じ部材番号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0085】
画像表示装置3では、画像ソース切替スイッチ51によって入力されるユーザ指示に基づいて、画像ソースの切替えを行うと共に、選択された画像ソースに基づいてモード切替信号を出力する。このモード切替信号はコントロールLSI30に入力され、それ以降の動作は実施の形態1に示す画像表示装置1と同様のものとなる。尚、画像ソースの切替え制御は、複数の画像ソースからの画像信号を表示可能な画像表示装置において一般的なものであるので詳細な説明は省略する。
【0086】
また、本実施の形態5で説明した構成は、実施の形態1ないし4で説明した各構成と任意に組み合わせて用いることが可能である。
【0087】
〔実施の形態6〕
本実施の形態6に係る画像表示装置は、上述した実施の形態2および3に係る画像表示装置と同様に、装置自身が表示画像の内容を判定し、その判定結果に応じて適切な表示モードが自動的に選択される構成である。但し、実施の形態2および3に係る画像表示装置では、表示モードの切替えは、フレーム画像の全体に対して切替えが行われる構成となっているのに対し、本実施の形態6に係る画像表示装置では、フレーム画像の各画素に対して判定を行い、判定された画素毎に表示モードの切替えを行うことを特徴とする。
【0088】
例えば、本実施の形態6に係る画像表示装置では、入力画像において動画が表示される画素と静止画が表示される画素とを判定し、動画が表示される画素では、動画ボケ効果を優先して時分割駆動にて第1の表示モードにて表示を行い、静止画が表示される画素では、フリッカの抑制を考慮してホールド駆動による第2の表示モードにて表示を行うといった表示制御を行うことができる。
【0089】
このような表示制御を行う画像表示装置は、基本的には、実施の形態2における画像表示装置と同様の構成にて実現が可能である。すなわち、実施の形態2では、コントロールLSI60における動画/静止画判定回路61は、フレーム全体の画像について動画/静止画の判定を行っていたが、本実施の形態6では、動画/静止画判定回路61は画素毎に動画/静止画の判定を行い、動画/静止画の判定を受けた画素毎にモード切替信号を切り替えて出力するようにすればよい。
【0090】
また、実施の形態3における画像表示装置と同様の構成の画像表示装置において、輝度測定回路71が画素毎に輝度の測定を行い、輝度の測定を受けた画素毎にモード切替信号を切り替えて出力するようにしてもよい。この場合は、入力画像において表示画像の輝度が低い画素と表示画像の輝度が高い画素とを判定し、低輝度の画素では、動画ボケ効果を優先して第1の表示モードにて表示を行い、高輝度の画素では、フリッカの抑制を考慮して第2の表示モードにて表示を行うといった表示制御を行うことができる。
【0091】
〔実施の形態7〕
本実施の形態7に係る画像表示装置は、上述した実施の形態2および3に係る画像表示装置と同様に、装置自身が表示画像の内容を判定し、その判定結果に応じて適切な表示モードが自動的に選択される構成である。但し、実施の形態2および3に係る画像表示装置では、表示モードの切替えは、フレーム画像の全体に対して切替えが行われる構成となっているのに対し、本実施の形態7に係る画像表示装置では、フレーム画像に対して領域判定を行い、判定された領域毎に表示モードの切替えを行うことを特徴とする。
【0092】
例えば、本実施の形態7に係る画像表示装置では、入力画像において動画が表示される領域(動画領域)と静止画が表示される領域(静止画領域)とを判定し、動画領域では、動画ボケ効果を優先して時分割駆動にて第1の表示モードにて表示を行い、静止画領域では、フリッカの抑制を考慮してホールド駆動による第2の表示モードにて表示を行うといった表示制御を行うことができる。
【0093】
あるいは、入力画像において表示画像の輝度が低い領域(低輝度領域)と表示画像の輝度が高い領域(高輝度領域)とを判定し、低輝度領域では、動画ボケ効果を優先して第1の表示モードにて表示を行い、高輝度領域では、フリッカの抑制を考慮して第2の表示モードにて表示を行うといった表示制御を行うこともできる。
【0094】
本実施の形態7に係る画像表示装置は、図7に示す画像表示装置2とほぼ同様の構成となるが、コントロールLSI60に代えて、図12に示すコントロールLSI90を備えた構成となる。コントロールLSI90は、図1に示すコントロールLSI30に対し、さらに領域毎判定回路91および遅延用バッファ92を備えた構成である。
【0095】
領域毎判定回路91には入力画像信号および入力同期信号が入力され、該領域毎判定回路91は、これらの入力信号に基づいて所定のブロック領域毎に入力画像信号の内容を判定し、その判定結果に基づいたモード切替信号を出力する。領域毎判定回路91は、例えば、図13に示すように、表示画面を複数のブロック領域に分割し、入力画像の内容判定およびモード切替信号の切り替えを、このブロック領域毎に実行する、図13では、表示画面を、8×8画素単位でY行X列のブロック領域に分割した場合を例示している。
【0096】
また、領域毎判定回路91では、ブロック領域内の全画素の情報がすべて収集された後に、そのブロック領域の内容判定結果が導かれるため、モード切替信号を出力するまでに遅延時間が発生する。遅延用バッファ92は、この遅延時間を考慮し、領域毎判定回路91が出力するモード切替信号とパネル画像信号として出力される映像信号との時間タイミングを同期させるために、ラインバッファ31の前段に導入されている。
【0097】
ここで、領域毎判定回路91の一構成例を図14を参照して説明する。図14に示す領域毎判定回路91は、入力画像において動画が表示される領域(動画領域)と静止画が表示される領域(静止画領域)とを判定する場合の構成を例示するものである。
【0098】
この領域毎判定回路91は、動画/静止画判定回路911、画素位置算出回路912、判定情報記録回路913、および領域内モード判定回路914を備えて構成されている。
【0099】
動画/静止画判定回路911は、実施の形態2に示す動画/静止画判定回路61と基本的に同一の機能を有するものであり、入力画像信号に基づいて、動画か静止画かの判定を画素毎に行うことができる。動画/静止画判定回路911は、例えば、動画と判定された場合は1を、静止画と判定された場合は0を判定情報記録回路913に出力する。
【0100】
画素位置算出回路912は、入力同期信号に基づいて入力画素の画面位置および出力画素の画面位置を算出する。
【0101】
判定情報記録回路913は、動画/静止画判定回路911での判定結果を、画素位置算出回路912から入力される入力画素の画面位置に基づいて記録する。すなわち、判定情報記録回路913は、画素位置算出回路912が出力する入力画素位置(現在入力している画素の画面上での位置)をアドレスとして、動画/静止画判定回路911での判定結果(1または0)を順次記録する。例えば、縦480×横640画素の表示解像度の場合で、現在入力している画素の位置が縦50、横100の位置とすると、アドレス(50,100)として動画/静止画の判定結果1ビット(1または0)を記録する。
【0102】
領域内モード判定回路914は、画素位置算出回路912から入力される出力画素の画面位置に基づいて、判定情報記録回路913から出力画素が属するブロック領域内の判定結果を読出し、それらを演算してブロック領域内のモードを判定しモード切替信号を出力する。
【0103】
領域内モード判定回路914は、画素位置算出回路913より出力画素位置(これからモード切替信号を出力しようとする画素の画面上での位置)が入力されると、この画素が分割されたどのブロック領域に含まれるかを算出する。図13における画素Pである場合を例に取れば、該画素Pはブロック領域Area(j,i)に含まれることが求められる。この算出式は、ブロック領域の大きさに依存する。すなわち、表示画面がM×N画素(M,Nは整数)サイズのブロックで領域分割される場合、画素Pの画面上のY座標(縦座標)をPy、X座標(横座標)をPxとすれば、該画素Pが含まれるブロック領域Area(j,i)は次式によって導かれる。
【0104】
j=int(Py ÷ M)
i=int(Px ÷ N)
ここでint()は()内の数値の小数点以下を切り捨てて整数に変換する関数である。
【0105】
例えば、8×8画素のブロックで領域分割される場合は、出力画素位置が縦50(Py)、横100(Px)の位置とすると、
i=int(50÷8)=int(6.25)=6
j=int(100÷8)=int(12.5)=12
となり、画素Pは図13でのArea(6,12)のブロック領域に含まれていると算出できる。
【0106】
次に、領域内モード判定回路914は、判定情報記録回路913より、出力画素位置から算出したブロック内の全ての画素についての判定結果を同時に読み出し、動画素と静止画素とのどちらが多いかを判定する(すなわち、1および0のどちらのカウント数が多いかを判定する)。
【0107】
例えば、図15(a)は、8×8画素サイズのブロック領域内において、静止画素(0)のカウント数が20画素、動画素(1)のカウント数が44画素であった結果を示している。この場合、このブロック領域では動画素(1)のカウント数の方が多いため、領域内モード判定回路914はこのブロック領域に対して動画領域であるとの判定を行い、動画性能が良くなるように第1の表示モードの表示を行うようにモード切替信号を出力する。
【0108】
また、図15(b)の例では、静止画素数の方が多いので、領域内モード判定回路914はこのブロック領域に対して静止画領域であるとの判定を行い、フリッカを抑制するように第2の表示モードの表示を行うようにモード切替信号を出力する。
【0109】
また、ブロック領域の内容判定を行う方法としては、上述のように動画素と静止画素とのどちらが多いかによって判定を行う方法に限定されるものでない。他の方法によって、より回路を簡便にしたり、判定結果を記録する容量を少なくしたりする方法等も考えられる。
【0110】
ブロック領域の内容判定方法についての他の例を、図16を参照して説明すれば以下のとおりである。
【0111】
図16の手順(i)では、判定情報記録回路913において、動画素または静止画素の判定結果(1または0)をブロック領域1行単位であらかじめすべて加算し、手順(ii)に示すように各行ごとの加算値を記録しておく。図16では、図15(a)に示す例の動画素数の加算値を記録している。こうすることによって、判定情報記録回路913で記録される情報は、上記の方法(動画素と静止画素とのどちらが多いかによって判定を行う方法)では1ブロック領域の行8bit×列8bitで64bit必要であったが、判定結果をブロックの1行単位であらかじめ加算することによって1ブロックの1行については4bitとなり、1ブロック領域の記録情報は半分の32bitで済むようなる。
【0112】
また、領域内モード判定回路914が判定情報記録回路913から記録情報を読み出す時には、ブロック内の1および0の数をカウントしなくとも、手順(ii)から(iii)に示すように、4bitデータを8行分読み出して加算すればそのブロック領域の動画素数を求めることができる。この求まったブロック領域の動画素数を、ブロック領域内の全画素の50%の数の32と比較すれば、このブロック領域が動画領域か静止画領域かを判定することができる。
【0113】
モード切替信号に基づいてパネル画像信号へ信号生成手段を切り替える方法は、上記各実施の形態と同様であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0114】
また、図12に示す構成のコントロールLSI90において、領域毎判定回路91に代えて図17に示す領域毎判定回路91’を用いれば、入力画像における表示画像の輝度が低い領域(低輝度領域)と表示画像の輝度が高い領域(高輝度領域)とを判定し、その判定結果に基づいて表示制御を行うことができる。
【0115】
この領域毎判定回路91’は、動画/静止画判定回路911に代えて輝度測定回路915を有し、その他の構成は図14に示す領域毎判定回路91と同様の構成とすることができる。輝度測定回路915は、実施の形態3に示す輝度測定回路71と基本的に同一の機能を有するものであり、入力画像信号に基づいて、高輝度か低輝度かの判定を画素毎に行うことができる。動画/静止画判定回路911は、例えば、高輝度と判定された場合は1を、低輝度と判定された場合は0を判定情報記録回路913に出力する。以降の動作は、上記領域毎判定回路91と同様の動作とすることが可能であるので、詳細な説明は省略する。
【0116】
尚、上記の説明では、表示画像を8×8画素ブロック毎のブロック領域に分割する例を示したが、分割されるブロック領域のサイズは8×8画素サイズに限定されるものでなく、任意のN×M画素(N,Mは自然数)サイズで分割することもできる。
【0117】
また、表示画像を分割する領域は、上記例のような矩形ブロック毎でなくてもよく任意の形状で分割できる。さらには、表示画像を分割する領域は、すべて同じ大きさの領域でなくてもよく、入力画像信号によって分割領域の大きさを変えてもよい。例えば、入力画像の絵柄が細かいところは分割領域を小さくし、滑らかなところは分割領域を大きく取るようにすれば、より映像にマッチングした処理を行うことが可能となる。
【0118】
また、上記例では、分割領域内のモード判定は、その領域内に占める画素数の多数決で判定しているが、この判定ラインを50%だけではなく、30%と小さくしてもよいし、70%と大きくしてもよい。この判定ラインを外部操作によって可変にすれば、動画質をユーザの好みに調整することができる。
【0119】
上記の各実施の形態1〜7における画像表示装置は、液晶モニター等の画像表示モニターとして機能させることも可能であり、テレビジョン受像機として機能させることも可能である。
【0120】
上記画像表示装置を画像表示モニターとして機能させる場合には、外部から入力された画像信号をコントロールLSIに入力する信号入力部(例えば、入力用ポート)を備えることで実現できる。一方、上記画像表示装置をテレビジョン受像機として機能させる場合は、本画像表示装置に、チューナ部を備えることで実現できる。このチューナ部は、テレビ放送信号のチャネルを選択し、選択されたチャネルのテレビ画像信号を、入力画像信号としてコントロールLSIに入力する。
【0121】
本発明に係る画像表示装置は、上記課題を解決するために、1フレーム期間を複数のサブフレーム期間に分割し、入力画像信号に基づく1フレーム期間内の輝度を再現するように各サブフレームへ輝度を配分して画像表示を行う第1の表示モードと、入力画像信号に基づく1フレーム期間内の輝度を再現するように1フレーム期間を単一の輝度で画像表示を行なう第2の表示モードとを有し、上記第1の表示モードと上記第2の表示モードとを切り替えて、画像表示を行なうことを特徴としている。
【0122】
上記の構成によれば、上記画像表示装置は、第1の表示モードと第2の表示モードとを有している。そして、上記第1の表示モードでは、1フレーム期間を複数のサブフレーム期間に分割し、入力画像信号に基づく1フレーム期間内の輝度を再現するように各サブフレームへ輝度を配分して画像表示(いわゆる、時分割駆動表示)を行う。また、上記第2の表示モードでは、入力画像信号に基づく1フレーム期間内の輝度を再現するように1フレーム期間を単一の輝度で画像表示(いわゆる、ホールド駆動表示)を行う。そして、上記第1の表示モードと、上記第2の表示モードとが切り替え可能となっている。
【0123】
このため、動画ボケを抑制したい場合には動画ボケの抑制効果が高い時分割駆動によって表示用画像信号を生成し(第1の表示モードにて表示を行い)、フリッカを抑制したい場合には、フリッカの生じにくいホールド駆動によって表示用画像信号を生成する(第2の表示モードにて表示を行う)ことができる。これにより、擬似インパルス駆動による動画ボケの抑制効果を効果的に得ると共に、擬似インパルス駆動に伴うフリッカの問題を軽減することができる。
【0124】
また、上記画像表示装置では、上記第2の表示モードは、1フレーム期間を単一のフレーム期間として所定の輝度を再現する構成とすることができる。
【0125】
また、上記画像表示装置では、上記第2の表示モードは、1フレーム期間を複数のサブフレーム期間に分割し、各サブフレームに入力される輝度が等しい構成とすることができる。
【0126】
また、上記画像表示装置では、上記第1の表示モードと上記第2の表示モードとを切り替える切替手段を有する構成とすることができる。
【0127】
また、上記画像表示装置では、外部からの入力操作によって、上記第1の表示モードと上記第2の表示モードとを切り替える構成とすることができる。
【0128】
また、上記画像表示装置では、入力画像の内容に基づいて、上記第1の表示モードと上記第2の表示モードとを切り替える構成とすることができる。
【0129】
また、上記画像表示装置では、上記入力画像の内容が、動画であるか静止画であるかを判定して上記第1の表示モードと上記第2の表示モードとを切り替える構成とすることができる。
【0130】
また、上記画像表示装置では、入力画像が動画であると判定された場合は上記第1の表示モードを選択し、入力画像が静止画であると判定された場合は上記第2の表示モードを選択する構成とすることができる。
【0131】
また、上記画像表示装置では、上記入力画像の平均輝度に基づいて、上記第1の表示モードと上記第2の表示モードとを切り替える構成とすることができる。
【0132】
また、上記画像表示装置では、入力画像の平均輝度が低いと判定された場合に、上記第1の表示モードを選択し、入力画像の平均輝度が高いと判定された場合に、上記第2の表示モードを選択する構成とすることができる。
【0133】
また、上記画像表示装置では、入力画像のフレーム周波数に基づいて、上記第1の表示モードと上記第2の表示モードとを切り替える構成とすることができる。
【0134】
また、上記画像表示装置では、入力画像のフレーム周波数が高いと判定された場合に、上記第1の表示モードを選択し、入力画像のフレーム周波数が低いと判定された場合に、上記第2の表示モードを選択構成とすることができる。
【0135】
また、上記画像表示装置では、上記第1の表示モードと上記第2の表示モードとの切り替えを行うための基準となるフレーム周波数の閾値は、50Hz以上と60Hzとの間に設定される構成とすることができる。
【0136】
また、上記画像表示装置では、入力画像の入力源を判定する画像ソース判定の結果に基づいて上記第1の表示モードと上記第2の表示モードとを切り替える構成とすることができる。
【0137】
また、上記画像表示装置では、入力画像信号に基づいて入力画像の内容を画素毎に判定し、判定結果に基づいて上記第1の表示モードと上記第2の表示モードとを切り替える構成とすることができる。
【0138】
また、上記画像表示装置では、入力画像信号に基づいて入力画像の内容を複数に分割された領域毎に判定し、判定結果に基づいて、上記第1の表示モードと上記第2の表示モードとを切り替える構成とすることができる。
【0139】
本発明に係る他の画像表示装置は、上記課題を解決するために、1フレーム期間を複数のサブフレーム期間に分割し、各サブフレームの輝度の時間積分値の総和が、入力画像信号に基づく1フレーム期間の輝度を再現するように、各サブフレームへ輝度を配分させた表示用画像信号を生成する第1の信号生成手段と、1フレーム期間を単一のフレーム期間として所定の輝度を再現するように、表示用画像信号を生成する第2の信号生成手段と、上記第1の信号生成手段および上記第2の信号生成手段の出力を切り替えて、表示用画像信号を表示部へ出力することを特徴としている。
【0140】
また、上記画像表示装置では、上記第1の信号生成手段および上記第2の信号生成手段の出力を切り替えて、表示用画像信号を表示部へ出力する切替手段を備えている構成とすることができる。
【0141】
上述のような時分割駆動を行う画像表示装置では、各サブフレームの輝度の時間積分値が入力画像信号に基づく1フレーム期間内の輝度特性を再現するように、各サブフレームへ輝度が配分される。時分割駆動表示は、このような各サブフレームへの輝度の配分によって、高輝度のサブフレームと低輝度のサブフレームとが発生することで擬似インパルス表示となり、動画ボケに効果を発揮する。一方で、時分割駆動を行う場合には、動画ボケの抑制効果が得られる反面、同時にフリッカが生じやすいといった問題も生じる。
【0142】
上記の構成によれば、上記画像表示装置は、時分割駆動により画像表示を行う第1の表示モードと、ホールド駆動により画像表示を行う第2の表示モードとを有している。そして、上記画像表示装置は、上記第1の表示モードにて画像表示を行う時に表示用画像信号を生成する第1の信号生成手段と、上記第2の表示モードにて画像表示を行う時に表示用画像信号を生成する第2の信号生成手段とを切り替えて使用可能となっている。すなわち、時分割駆動により画像表示を行う第1の表示モードと、ホールド駆動により画像表示を行う第2の表示モードとが切り替えられる。
【0143】
このため、動画ボケを抑制したい場合には動画ボケの抑制効果が高い時分割駆動によって表示用画像信号を生成し(第1の表示モードにて表示を行い)、フリッカを抑制したい場合には、フリッカの生じにくいホールド駆動によって表示用画像信号を生成する(第2の表示モードにて表示を行う)ことができる。これにより、擬似インパルス駆動による動画ボケの抑制効果を効果的に得ると共に、擬似インパルス駆動に伴うフリッカの問題を軽減することができる。
【0144】
また、上記画像表示装置は、外部からの入力操作によって、上記第1の信号生成手段および上記第2の信号生成手段の出力を切替可能である構成とすることができる。
【0145】
上記の構成によれば、ユーザ自身が表示モードの切替え操作を行うことが可能となり、ユーザの好みに応じて動画ボケおよびフリッカの調整がなされた表示画像を得ることができる。
【0146】
また、上記画像表示装置は、入力画像信号に基づいて入力画像の内容を判定する判定手段を有し、上記判定手段の判定結果に基づいて、上記第1の信号生成手段および上記第2の信号生成手段の出力を切り替える構成とすることができる。
【0147】
上記の構成によれば、上記表示モードの切替えが、上記判定手段による入力画像の内容判定結果に基づいて実施されるため、ユーザに繁雑な手間を要求することなく、適切に表示モードの切替えが行われる。
【0148】
また、上記画像表示装置では、上記判定手段は、入力画像が動画であるか静止画であるかを判定する動画/静止画判定手段である構成とすることができる。この時、入力画像が動画であると判定された場合に、上記第1の信号生成手段の出力を表示用画像信号として表示部へ出力させ、入力画像が静止画であると判定された場合に、上記第2の信号生成手段の出力を表示用画像信号として表示部へ出力させることが好ましい。
【0149】
上記の構成によれば、上記動画/静止画判定手段が、入力画像が動画であるか静止画であるかを判定し、その判定結果に応じて適切な表示モードを選択する。すなわち、上記画像表示装置における時分割駆動は、動画ボケの抑制に効果を生じるものであるため、静止画(もしくは静止画に近い動きの少ない動画)を表示する場合にはその効果は無い(もしくは小さい)。したがって、表示画像が動画である場合には、動画ボケ効果を優先して第1の表示モードで表示を行い、表示画像が静止画である場合には、フリッカの抑制を考慮して第2の表示モードにて表示を行うことができる。
【0150】
また、上記画像表示装置では、上記判定手段は、入力画像の平均輝度を測定する輝度測定手段である構成とすることができる。この時、入力画像の平均輝度が低いと判定された場合に、上記第1の信号生成手段の出力を表示用画像信号として表示部へ出力させ、入力画像の平均輝度が高いと判定された場合に、上記第2の信号生成手段の出力を表示用画像信号として表示部へ出力させることが好ましい。
【0151】
上記の構成によれば、上記輝度測定手段が、入力画像の平均輝度を測定し、その結果に応じて適切な表示モードを選択する。すなわち、上記画像表示装置における時分割駆動では、一般に表示画像の輝度が高い時にフリッカが判定されやすく、表示画像の輝度が低い時にはフリッカは判定されにくい。したがって、表示画像の輝度が低い場合には、動画ボケ効果を優先して第1の表示モードで表示を行い、表示画像の輝度が高い場合には、フリッカの抑制を考慮して第2の表示モードにて表示を行うことができる。
【0152】
また、上記画像表示装置では、上記判定手段は、入力画像のフレーム周波数を測定するフレーム周波数測定手段である構成とすることができる。この時、入力画像のフレーム周波数が高いと判定された場合に、上記第1の信号生成手段の出力を表示用画像信号として表示部へ出力させ、入力画像のフレーム周波数が低いと判定された場合に、上記第2の信号生成手段の出力を表示用画像信号として表示部へ出力させることが好ましい。
【0153】
上記の構成によれば、上記フレーム周波数測定手段が、入力画像のフレーム周波数を測定し、その結果に応じて適切な表示モードを選択する。すなわち、上記画像表示装置における時分割駆動では、一般にフレーム周波数が高い時にはフリッカが判定されにくく、フレーム周波数が低い時にフリッカが判定されやすい。したがって、表示画像のフレーム周波数が高い場合には、動画ボケ効果を優先して第1の表示モードで表示を行い、表示画像のフレーム周波数が低い場合には、フリッカの抑制を考慮して第2の表示モードにて表示を行うことができる。
【0154】
また、上記画像表示装置では、上記表示モードの切替えを行うための基準となるフレーム周波数の閾値として、50Hzと60Hzとの間に設定された閾値を有することが好ましい。
【0155】
上記の構成によれば、テレビ画像の信号として一般的に使用されている50Hzのフレーム周波数(PAL方式)と60Hzのフレーム周波数(NTSC方式)との間で、表示モードの切替えを行うことができる。
【0156】
また、上記画像表示装置は、入力画像の入力源を判定する画像ソース判定手段を有し、上記画像ソース判定手段の判定結果に基づいて上記第1の信号生成手段および上記第2の信号生成手段の出力を切り替える構成とすることができる。
【0157】
上記の構成によれば、上記画像ソース判定手段が入力画像の入力源を判定し、その結果に応じて適切な表示モードを選択する。すなわち、近年の画像表示装置は、パソコン、テレビジョンチューナ、ビデオ、あるいはゲーム等、様々な画像ソースから画像信号を供給可能な構成となっているものが多い。そして、画像ソースによって、供給される画像信号の特性(特に動画特性)はある程度特徴付けられる。
【0158】
このため、上記画像表示装置では、画像ソースを判定し、例えば、画像ソースが動画特性の低い画像を供給するもの(例えば、パソコン)である場合には、フリッカの抑制を考慮して第2の表示モードにて表示を行い、画像ソースが動画特性の高い画像を供給するものである場合には、動画ボケ効果を優先して第1の表示モードにて表示を行うことができる。
【0159】
また、上記画像表示装置では、上記判定手段は、入力画像信号に基づいて入力画像の内容を画素毎に判定し、上記判定手段の判定結果に基づいて、上記第1の信号生成手段および上記第2の信号生成手段の出力を画素毎に切り替える構成とすることができる。
【0160】
また、上記画像表示装置では、上記判定手段は、入力画像が静止画であるか動画であるかを画素毎に判定する動画/静止画判定手段であり、入力画像が動画であると判定された画素に対しては、上記第1の信号生成手段の出力を表示用画像信号として表示部へ出力させ、入力画像が静止画であると判定された画素に対しては、上記第2の信号生成手段の出力を表示用画像信号として表示部へ出力させる構成とすることができる。
【0161】
あるいは、上記判定手段は、入力画像の輝度を画素毎に測定する輝度測定手段であり、入力画像の輝度が低いと判定された画素に対しては、上記第1の信号生成手段の出力を表示用画像信号として表示部へ出力させ、入力画像の輝度が高いと判定された画素に対しては、上記第2の信号生成手段の出力を表示用画像信号として表示部へ出力させる構成とすることができる。
【0162】
上記の構成によれば、例えば、入力画像において動画が表示される領域(動画領域)と静止画が表示される領域(静止画領域)とを動画/静止画判定手段によって判定し、動画領域では、動画ボケ効果を優先して第1の表示モードにて表示を行い、静止画領域では、フリッカの抑制を考慮して第2の表示モードにて表示を行うといった表示制御を行うことができる。
【0163】
あるいは、入力画像において表示画像の輝度が低い領域(低輝度領域)と表示画像の輝度が高い領域(高輝度領域)とを輝度測定手段によって判定し、低輝度領域では、動画ボケ効果を優先して第1の表示モードにて表示を行い、高輝度領域では、フリッカの抑制を考慮して第2の表示モードにて表示を行うといった表示制御を行うことができる。
【0164】
また、上記画像表示装置では、上記判定手段は、入力画像信号に基づいて入力画像の内容を複数に分割された領域毎に判定し、上記判定手段の判定結果に基づいて、上記第1の信号生成手段および上記第2の信号生成手段の出力を領域毎に切り替える構成とすることができる。
【0165】
また、上記画像表示装置では、上記判定手段は、入力画像が静止画であるか動画であるかを複数に分割された領域毎に判定する動画/静止画判定手段であり、入力画像が動画であると判定された領域に対しては、上記第1の信号生成手段の出力を表示用画像信号として表示部へ出力させ、入力画像が静止画であると判定された領域に対しては、上記第2の信号生成手段の出力を表示用画像信号として表示部へ出力させる構成とすることができる。
【0166】
また、上記画像表示装置では、上記判定手段は、入力画像の輝度を複数に分割された領域毎に測定する輝度測定手段であり、入力画像の平均輝度が低いと判定された領域に対しては、上記第1の信号生成手段の出力を表示用画像信号として表示部へ出力させ、入力画像の平均輝度が高いと判定された領域に対しては、上記第2の信号生成手段の出力を表示用画像信号として表示部へ出力させる構成とすることができる。
【0167】
また、上記画像表示装置と、外部から入力された画像信号を該画像表示装置に伝達するための信号入力部とを組み合わせることで、パーソナルコンピューターなどに使用される液晶モニターを構成することが可能である。
【0168】
また、上記画像表示装置と、チューナ部とを組み合わせることで、液晶テレビジョン受像機を構成することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0169】
動画ボケを抑制するために時分割駆動を行う画像表示装置において、フリッカの軽減を図ることができ、液晶表示素子やEL表示素子などのホールド型表示素子を用いた画像表示装置に適用できる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示素子やEL(Electro Luminescence)表示素子などのホールド型表示素子を用いた画像表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年では、CRT(陰極線管)表示装置以外に、液晶表示装置、プラズマ表示装置、有機EL表示装置等、種々の表示が開発され商品化されている。
【0003】
ここで、CRT表示装置等のインパルス型表示(発光期間のみ表示がなされる表示)を行う表示装置では、非選択期間の画素は黒表示となる。これに対し、液晶表示装置や有機EL表示装置等のホールド型表示(新たな画像の書き込みが行われるまで前フレームの画像を保持し続ける表示)装置では、非選択期間の画素において前回書き込まれた表示内容が維持される(ホールド型表示装置における通常表示)。
【0004】
そして、このようなホールド型表示装置の通常表示では、動画表示を行う場合に動画ボケの問題が生じる。上記動画ボケの問題は、ホールド型表示装置の画素において、その非選択期間にも表示内容が保持されることに起因するものであり、画素の応答速度を向上させたとしても解決されるものではない。
【0005】
ホールド型表示装置において、動画ボケを防止する方法として、時分割駆動を行うものがある。尚、時分割駆動とは、1垂直期間(1フレーム)を複数のサブフレームに分割し、1画素に複数回信号書込みを行う駆動方法である。
【0006】
すなわち、ホールド型表示装置においても、時分割駆動を行ってサブフレームの少なくとも一つで低輝度の表示(黒表示に近い表示)を行えば、擬似的にインパルス型表示に近い表示を行うことができ、動画ボケの防止に効果がある。
【0007】
液晶表示装置における時分割駆動を開示するものとしては、例えば、特許文献1が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】日本国公開特許公報「特開2001−296841号公報(公開日;2001年10月26日)」
【特許文献2】日本国公開特許公報「特開2001−184034号公報(公開日;2001年7月6日)」
【特許文献3】日本国公開特許公報「特開2003−262846号公報(公開日;2003年9月19日)」
【発明の概要】
【0009】
しかしながら、ホールド型表示素子を用いた表示装置において、動画性能を向上させるために上述のような擬似インパルス駆動を行うと、近年の表示装置の高輝度大画面化にも伴い、フリッカを発生しやすくなるといった問題がある。このフリッカは、フレーム周波数が低い場合や輝度が高い場合等に特に顕著となり、ユーザの目を疲れさせる。
【0010】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、擬似インパルス駆動による動画ボケの抑制効果を効果的に得ると共に、擬似インパルス駆動に伴うフリッカの問題を軽減することのできる画像表示装置を実現することにある。
【0011】
本発明に係る画像表示装置は、上記課題を解決するために、1フレーム期間を複数のサブフレーム期間に分割し、最大輝度または最小輝度の表示を行う場合を除いて各サブフレーム間で輝度差を生じさせつつ、入力画像信号に基づく1フレーム期間内の輝度を再現するように各サブフレームへ輝度を配分して画像表示を行う第1の表示モードと、入力画像信号に基づく1フレーム期間内の輝度を再現するように1フレーム期間を単一の輝度で画像表示を行なう第2の表示モードとを有し、上記入力画像の内容が、動画であるか静止画であるかを判定して、上記第1の表示モードと上記第2の表示モードとを切り替えることを特徴としている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態を示すものであり、実施の形態1におけるコントロールLSIの概略構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1に係る画像表示装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】上記画像表示装置における第1の表示モードにおける輝度配分を示す図である。
【図4】上記画像表示装置における第2の表示モードにおける輝度配分を示す図である。
【図5】上記画像表示装置における第1の表示モードにおける動作を示す図である。
【図6】上記画像表示装置における第2の表示モードにおける動作を示す図である。
【図7】実施の形態2に係る画像表示装置の概略構成を示すブロック図である。
【図8】実施の形態2におけるコントロールLSIの概略構成を示すブロック図である。
【図9】実施の形態3におけるコントロールLSIの概略構成を示すブロック図である。
【図10】実施の形態4におけるコントロールLSIの概略構成を示すブロック図である。
【図11】実施の形態5に係る画像表示装置の概略構成を示すブロック図である。
【図12】実施の形態7におけるコントロールLSIの概略構成を示すブロック図である。
【図13】表示画面を複数のブロック領域に分割した例を示す図である。
【図14】実施の形態7における領域毎判定回路の概略構成を示すブロック図である。
【図15(a)】動画領域と判定されるブロック領域の例を示す図である。
【図15(b)】静止画領域と判定されるブロック領域の例を示す図である。
【図16】動画領域と静止画領域との判定方法の変形例を示す図である。
【図17】実施の形態7における領域毎判定回路の概略構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について図1ないし図6に基づいて説明すると以下の通りである。先ずは、本実施の形態1に係る画像表示装置の概略構成を、図2を参照して以下に説明する。図2において、画像表示装置1は、表示パネル10と、フレームメモリ20と、コントロールLSI30と、モード切替スイッチ50とを備えている。
【0014】
表示パネル10は、画像表示手段を構成し、表示素子アレイ11、TFT基板12、ソースドライバ13a〜13d、およびゲートドライバ14a〜14dを有している。また表示素子アレイ11には、液晶材料または有機EL部材を用いた複数の表示素子11a(画素部)がマトリクス状に配置されている。
【0015】
TFT基板12の表示領域には、これらの表示素子11aを駆動する画素電極12aと、画素電極12aへの電荷供給(表示電圧)をオン・オフするスイッチング素子としてのTFT12bとが各表示素子11aに対応してマトリクス状にそれぞれ配置されている。これらの表示素子アレイ11およびTFT基板12の表示領域の周辺部には、各TFT12bをそれぞれ介して画素電極12aおよび表示素子11aを表示駆動するためのソースドライバとゲートドライバとが配置されている。ソースドライバに関しては、第1〜第4ソースドライバ13a〜13dをカスケード接続した構成が例示されており、ゲートドライバに関しては、第1〜第4ゲートドライバ14a〜14dをカスケード接続した構成が例示されている。
【0016】
TFT基板12の表示領域において、ソースドライバに接続されてソース電圧(表示電圧)が供給される複数のソース電圧ラインと、ゲートドライバに接続されてゲート電圧(走査信号電圧)が供給される複数のゲート電圧ラインとが互いに交差して設けられている。その交差部近傍ごとに、画素電極12aおよびTFT12bが設けられている。
【0017】
TFT12bのゲート電極は、対応するゲート電圧ライン(その交差部のゲート電圧ライン)に接続され、TFT12bのソース電極は、対応するソース電圧ライン(その交差部のソース電圧ライン)に接続され、TFT12bのドレイン電極は画素電極12aに接続されている。
【0018】
フレームメモリ20は、表示パネル10に表示される画像信号を1フレーム分蓄積するものである。コントロールLSI30は、各部を制御する表示制御手段である。そして、モード切替スイッチ50は、ユーザの指示によって表示モードを切り替え可能とするために、ユーザの操作によってモード切替信号をコントロールLSI30に出力するものである。
【0019】
上記構成の画像表示装置1において、その基本的な画像表示方法について説明すれば以下の通りである。
【0020】
先ず、コントロールLSI30からは、1水平ライン分の各画素部に表示されるパネル画像信号(表示用画像信号)が、クロック信号に同期して順次、第1ソースドライバ13aに転送される。第1〜第4ソースドライバ13a〜13dは図2に示すようにカスケード接続されているので、1水平画素数分のクロック信号のパルスによって、第1〜第4ソースドライバ13a〜13dに1水平画素数分のパネル画像信号が一旦保持される。この状態で、コントロールLSI30から第1〜第4ソースドライバ13a〜13dにラッチパルス信号が出力されると、各ソースドライバ13a〜13dから各画素部の画像信号に対応した表示電圧レベルが1水平画素数分のソース電圧ラインに出力される。
【0021】
また、コントロールLSI30は、各ゲートドライバ14a〜14dのそれぞれへの制御信号として、イネーブル信号、スタートパルス信号、および垂直シフトクロック信号を出力する。イネーブル信号がローレベルの間は、ゲート電圧ラインはオフ状態となる。また、イネーブル信号がハイレベルであり、かつスタートパルス信号が入力されている時には、垂直シフトクロック信号の立ち上がりエッジのタイミングで、該当するゲートドライバの最初のゲート電圧ラインがオン状態となる。また、イネーブル信号がハイレベルであり、かつスタートパルス信号が入力されていない時には、垂直シフトクロック信号の立ち上がりエッジのタイミングで、前回オン状態となったゲート電圧ラインの次のゲート電圧ラインがオン状態となる。
【0022】
上記ソース電圧ラインに1水平画素数分の表示電圧が出力されている期間に、1本のゲート電圧ラインがオン状態となることによって、このゲート電圧ラインに接続されている1水平画素数分の各TFT12bがオン状態となる。これにより、1水平画素数分の各画素電極12aに各ソース電圧ラインからの電荷(表示電圧)がそれぞれ供給され、これによって、表示素子11aの状態が変化して画像表示が行われる。以上のような表示制御が各水平ラインについて繰り返し行われることによって、表示画面全体に画像表示が行われる。
【0023】
本実施の形態1に係る画像表示装置1は、擬似インパルス駆動による動画ボケの抑制効果を効果的に得ると共に、擬似インパルス駆動に伴うフリッカの問題を軽減することを目的としている。そして、この目的を達成するために、表示画像の内容に応じて表示モードの切替えを行う点に特徴を有している。以下に、この特徴点について詳細に説明する。
【0024】
画像表示装置1では、モード切替スイッチ50によって入力されるユーザ指示に基づいて、表示モードの切替えを行う構成を例示している。すなわち、ユーザが表示モードの切替えを行うためにモード切替スイッチ50を操作すると、モード切替信号がモード切替スイッチ50からコントロールLSI30に入力され、コントロールLSI30において表示モードの切替制御が行われる。
【0025】
画像表示装置1は、動画ボケを抑制する擬似インパルス表示を行うために、時分割駆動を行う第1の表示モードを有している。すなわち、第1の表示モードでは、1つのフレームを複数のサブフレームに分けて表示パネル10の駆動を行う構成となっている。さらに、画像表示装置1は、通常のホールド駆動を行う第2の表示モードを有している。
【0026】
先ずは、時分割駆動を行う第1の表示モードについて説明する。時分割駆動を行う第1の表示モードでは、各サブフレームの輝度の時間積分値が入力画像信号に基づく1フレーム期間内の輝度特性を再現するように、各サブフレームへ輝度が配分される。時分割駆動表示は、このような各サブフレームへの輝度の配分によって、高輝度のサブフレームと低輝度のサブフレームとが発生することで擬似インパルス表示となり、動画ボケに効果を発揮する。
【0027】
ここで、上記第1の表示モードにおける、サブ−フレームのへの輝度配分比率の例を以下の表1に示す。尚、以下の表1では、サブフレームの分割を前半サブフレームと後半サブフレームとの2つとし、さらにそのサブフレームの時間比率が1:1であると仮定している。また、上記表1の配分比率に基づいた輝度配分を図3に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
図3は、動画表示性能を重視した第1の表示モードを示すものであり、入力画像信号の階調レベルが0%(フレーム輝度0%)、53.3%(フレーム輝度25%)、73.0%(フレーム輝度50%)、87.7%(フレーム輝度75%)、100%(フレーム輝度100%)のそれぞれの場合を例として、サブフレームの輝度配分を図示している。尚、フレーム輝度と入力画像信号の階調レベルとの関係は、以下の(1)式を満たす。また、(1)式においては、γ(ガンマ特性)=2.2の時に、実際の表示と近い特性が得られることが知られている。
【0030】
【数1】
【0031】
表1および図3にて示される第1の表示モードでは、フレーム輝度が0〜50%の範囲においては、一方のサブフレーム(この例では前半サブフレーム)の輝度を最小輝度(0%)に固定し、他方のサブフレーム(この例では後半サブフレーム)の輝度を変化させる。また、フレーム輝度が50〜100%の範囲においては、一方のサブフレーム(この例では後半サブフレーム)の輝度を最大輝度(100%)に固定し、他方のサブフレーム(この例では前半サブフレーム)の輝度を変化させる。
【0032】
尚、上記表1および図3に示す第1の表示モードの輝度配分比率は、各階調レベルにおいてサブフレーム間の輝度差が最大となるように設定されており、動画ボケの防止効果が最も高い配分となっている。しかしながら、本発明において、時分割駆動を行う第1の表示モードにおけるサブフレームの輝度配分比率は、上記の配分比率に限定されるものではない。
【0033】
時分割駆動を行う第1の表示モードでは、動画ボケの抑制効果が得られる反面、同時にフリッカが生じやすいといった問題も生じる。このため、画像表示装置1では、動画ボケ効果を有する第1の表示モード以外に、フリッカの抑制を考慮して通常のホールド駆動を行う第2の表示モードを有する。第2の表示モードにおいてはサブフレームの輝度配分、すなわち時分割駆動が行われないため、以下の表2および図4に示すように、入力画像信号の各階調レベルに対して一定のフレーム輝度が与えられる。尚、第2の表示モードでは、フレーム輝度と入力画像信号の階調レベルとの関係は、以下の(2)式を満たす。また、(2)式においても、γ(ガンマ特性)=2.2の時に、実際の表示と近い特性が得られる。
【0034】
【表2】
【0035】
【数2】
【0036】
次に、上記第1および第2の表示モードの切替制御を行うための、コントロールLSI30の構成について図1を参照して説明する。
【0037】
コントロールLSI30は、図1に示すように、ラインバッファ31、タイミングコントローラ32、フレームメモリデータセレクタ33、第1階調変換回路34、第2階調変換回路35、階調変換データセレクタ36、および出力データセレクタ37を備えて構成されている。
【0038】
ラインバッファ31では、入力された入力画像信号が1水平ラインずつ受信されて一旦保持される。ラインバッファ31は、受信ポートと送信ポートとを独立して備えており、入力画像信号の受信および送信を同時に行うことができる。
【0039】
タイミングコントローラ32は、フレームメモリデータセレクタ33に対して、フレームメモリ20へのデータ転送と、フレームメモリ20からのデータ読出しとのタイミングを交互に切り替えて制御する。また、タイミングコントローラ32は、階調変換データセレクタ36に対して、第1階調変換回路34および第2階調変換回路35からの各出力タイミングを交互に選択制御する。すなわち、タイミングコントローラ32は、階調変換データセレクタ36に対して前半サブフレーム期間と後半サブフレーム期間との切替えを行う。さらに、タイミングコントローラ32は、入力同期信号に基づき生成したクロック信号、ラッチパルス信号、イネーブル信号、スタートパルス信号、および垂直シフトクロック信号を所定のタイミングで出力する。
【0040】
フレームメモリデータセレクタ33は、タイミングコントローラ32によって制御され、ラインバッファ31に保持された入力画像信号を1水平ライン分ずつフレームメモリ20にデータ転送する動作と、1フレーム前に入力されてフレームメモリ20に保存されている画像信号を1水平ライン分ずつ読み出す動作とを交互に選択する。また、フレームメモリデータセレクタ33は、フレームメモリ20から読み出した画像データを第2階調変換回路35に転送する。
【0041】
第1階調変換回路34は、ラインバッファ31から入力画像信号の供給を受け、その入力画像信号の階調レベルを、時分割駆動を行うための前半サブフレームの階調レベルに変換して出力する。第1階調変換回路34がこのような階調レベルの変換を行うにあたっては、入力画像信号の階調レベルと前半サブフレームの階調レベルとを対応付けて記憶するLUT(Look-Up Table)が参照される。図1では、このLUTは第1階調変換回路34内に格納されているものとする。
【0042】
第2階調変換回路35は、フレームメモリデータセレクタ33を介してフレームメモリ20から入力画像信号の供給を受け、その入力画像信号の階調レベルを、時分割駆動を行うための後半サブフレームの階調レベルに変換して出力する。第2階調変換回路35がこの階調レベルの変換を行うにあたっては、入力画像信号の階調レベルと後半サブフレームの階調レベルとを対応付けて記憶するLUT(Look-Up Table)が参照される。図1では、このLUTは第2階調変換回路35内に格納されているものとする。
【0043】
尚、第1階調変換回路34および第2階調変換回路35は、入力画像信号の階調レベルに対応する各サブフレームの階調レベルをLUTから読み出すことによって階調レベルの変換を行うものに限定されない。例えば、第1階調変換回路34および第2階調変換回路35は、入力画像信号の階調レベルに対応する各サブフレームの階調レベルを計算式から演算することで求めるものであっても良い。
【0044】
階調変換データセレクタ36は、タイミングコントローラ32によって制御され、第1階調変換回路34から出力される画像信号と、第2階調変換回路35から出力される画像信号とを切り替え、出力データセレクタ37へと出力する。すなわち、階調変換データセレクタ36は、前半サブフレーム期間には第1階調変換回路34から出力される画像信号を出力データセレクタ37へ出力し、後半サブフレーム期間には第2階調変換回路35から出力される画像信号を出力データセレクタ37へ出力する。
【0045】
また、出力データセレクタ37には、コントロールLSI30に入力される入力画像信号およびモード切替信号が直接入力されると共に、階調変換データセレクタ36の出力信号が入力される。出力データセレクタ37は、上記モード切替信号に応じて、入力画像信号および階調変換データセレクタ36からの入力信号の一方をパネル画像信号として出力する。すなわち、上記モード切替信号が第1の表示モード(時分割駆動)を示す場合には、出力データセレクタ37は階調変換データセレクタ36からの入力信号をパネル画像信号として出力する。そして、上記モード切替信号が第2の表示モード(ホールド駆動)を示す場合には、出力データセレクタ37は入力画像信号をそのままパネル画像信号として出力する。
【0046】
ここで、上記構成のコントロールLSI30を用いた画像表示装置1の動作について図5および図6を参照して説明する。図5は、上記画像表示装置の第1表示モード時、すなわち時分割駆動時における水平期間毎の画像信号の流れを示す図である。また、図6は、上記画像表示装置の第2表示モード時、すなわちホールド駆動時における水平期間毎の画像信号の流れを示す図である。
【0047】
尚、図5および図6では、括弧[]内は、それぞれ1水平ライン分の画像信号の転送期間を示している。例えば、[N,1]は、第Nフレームの水平第1ラインに入力された入力画像信号が転送されていることを示している。また、Mライン目は画面の中間ラインを示しており、本実施の形態1では第3ゲートドライバ14cの第1ゲート電圧ラインによって駆動される水平ラインである。
【0048】
また、図5において、C1はその後の[]内に示すフレームおよび水平ラインの入力画像信号をソースとして第1階調変換回路34にて変換された画像信号が転送されることを示している。C2はその後の[]内に示すフレームおよび水平ラインの入力画像信号をソースとして第2階調変換回路35にて変換された画像信号が転送されることを示している。
【0049】
先ず、画像表示装置1の第1表示モード時の動作について図5を参照して説明すると以下の通りである。尚、図5では、第N番目のフレームの1ライン目から3ライン目の画像入力信号が入力される期間を示している。
【0050】
図5の矢印D1に示すように、入力された入力画像信号は、ラインバッファ31で受信される。次に、矢印D2に示すように、1ライン分の画像信号が受信されている途中から、ラインバッファ31からフレームメモリデータセレクタ33を介してフレームメモリ20への書き込みと、ラインバッファ31から第1階調変換回路34への転送が行われる。第1階調変換回路34からは変換された画像信号がパネル画像信号として出力される。
【0051】
また、矢印D3に示すように、フレームメモリ20への書き込みと交互に、書込まれる画像信号のラインから半フレーム分だけ過去の水平ラインの画像信号が、フレームメモリ20から1ラインずつ読み出される。フレームメモリ20から読み出された画像信号は、フレームメモリデータセレクタ33を介して第2階調変換回路35へ転送され、第2階調変換回路35からは変換された画像信号が階調変換データセレクタ36および出力データセレクタ37を介してパネル画像信号として出力される。
【0052】
さらに、コントロールLSI30から出力された1水平ライン分のパネル画像信号がクロック信号によって第1〜第4のソースドライバへ転送された後、ラッチパルス信号を与えると、各ソース電圧ラインから各画素部の輝度に対応して表示電圧が出力される。この時、ソース電圧ライン上の電荷(表示電圧)を供給して画像表示させたいラインに該当するゲートドライバには、必要に応じて垂直シフトクロック信号やゲートスタートパルス信号が与えられて、該当するゲート電圧ラインの走査信号がオン状態とされる。一方、画像表示させないゲートドライバでは、イネーブル信号がローレベルとされて、ゲート電圧ラインの走査信号がオフ状態とされている。
【0053】
図5の例では、矢印D4に示すように、第N−1フレームの第Mラインの1水平ライン分の画像信号がソースドライバへ転送された後、コントロールLSI30から、矢印D5に示すように、第3ゲートドライバ14cへのイネーブル信号がハイレベルとされ、矢印D6およびD7に示すように、第3ゲートドライバ14cへのスタートパルス信号と垂直シフトクロック信号とが供給される。これにより、矢印D8に示すように、表示位置が画面の第Mラインに該当する第3ゲートドライバ14cの第1ゲート電圧ラインに接続されたTFT12bがオン状態とされ、画像が表示される。この時、表示位置に該当しない第1、第2および第4ゲートドライバ14a,14b,14cへのイネーブル信号はローレベルとされており、これらのゲートドライバのゲート電圧ラインに接続されたTFT12bはオフ状態とされている。
【0054】
次に、矢印D9に示すように、第Nフレームの第1ラインの1水平ライン分の画像信号がソースドライバに転送された後、コントロールLSI30から、矢印D10に示すように、第1ゲートドライバ14aへのイネーブル信号がハイレベルとされ、矢印D11およびD12に示すように、第1ゲートドライバ14aへのスタートパルス信号と垂直シフトクロック信号とが供給される。これにより、矢印D13に示すように、表示位置が画面の第1ラインに該当する第1ゲートドライバ14aの第1ゲート電圧ラインに接続されたTFT12bがオン状態とされ、画像が表示される。この時、表示位置に該当しない第2〜第4ゲートドライバ14b〜14cへのイネーブル信号はローレベルとされ、これらのゲートドライバのゲート電圧ラインに接続されたTFT12bはオフ状態とされている。
【0055】
尚、図5に基づく上記説明の動作は、画像表示装置1において時分割駆動を行うための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。
【0056】
例えば、上記の説明では、サブフレームへの分割数を2つとした場合を例示しているが、フレームの分割数はこれに限らず、フレームを3つ以上のサブフレームに分割してもよい。また、サブフレームの分割比も1:1などの等分割である必要は無く、任意の分割比(例えば2:1や3:2)でフレーム分割を行うこともできる。これらのことは、後述する実施の形態2ないし6においても同様である。
【0057】
次に、画像表示装置1の第2表示モード時の動作について図6を参照して説明すると以下の通りである。尚、図6では、第N番目のフレームの1ライン目から6ライン目の画像入力信号が入力される期間を示している。
【0058】
図6の矢印D21に示すように、第2表示モードでの動作時には、コントロールLSI30に入力された入力画像信号は、出力データセレクタ37のみを介して直接パネル画像信号としてコントロールLSI30から出力される。
【0059】
コントロールLSI30から出力された1水平ライン分のパネル画像信号は、クロック信号によって第1〜第4のソースドライバへ転送された後、ラッチパルス信号を与えると、各ソース電圧ラインから各画素部の輝度に対応して表示電圧が出力される。
【0060】
図6の例では、矢印D22に示すように、第Nフレームの第1ラインの1水平ライン分の画像信号がソースドライバへ転送された後、コントロールLSI30から、矢印D23に示すように、第1ゲートドライバ14aへのイネーブル信号がハイレベルとされる。そして、矢印D24およびD25に示すように、第1ゲートドライバ14aへのスタートパルス信号と垂直シフトクロック信号とが供給される。これにより、矢印D26に示すように、第1ゲートドライバ14aの第1ゲート電圧ラインに接続されたTFT12bがオン状態とされ、画像が表示される。この時、表示位置に該当しない第2ないし第4ゲートドライバ14b〜14dへのイネーブル信号はローレベルとされており、これらのゲートドライバのゲート電圧ラインに接続されたTFT12bはオフ状態とされている。
【0061】
その後、第Nフレームの第2ライン以降の各ゲートラインへのデータ転送は、矢印D27〜D30に示すように、1水平ライン分の画像信号がソースドライバに転送された後、ラッチパルス信号を与えると、各ソース電圧ラインから各画素部の輝度に対応して表示電圧が出力される。
【0062】
第1ゲートドライバ14aの最終ゲート電圧ラインに接続された画素に書き込みが終了すると、続いて、第2ゲートドライバ14bへのイネーブル信号がハイレベルとされ、第2ゲートドライバ14bへのスタートパルス信号と垂直シフトクロック信号とが供給される。これにより、第2ゲートドライバ14bにて駆動されるゲート電圧ラインの領域に画像が表示される。第3ゲートドライバ14cおよび第4ゲートドライバ14dにて駆動されるゲート電圧ラインの領域にも、同様の動作にて画像が表示される。
【0063】
尚、本実施の形態1に係る画像表示装置1では、表示モードの切替えは、モード切替スイッチ50から入力されるユーザ指示によって行われる構成となっている。しかしながら、本発明に係る画像表示装置では、装置自身が表示画像の内容を判定し、その判定結果に応じて適切な表示モードが自動的に選択される構成とすることも可能である。このような構成の画像表示装置について、以下の実施の形態2ないし4において説明する。
【0064】
〔実施の形態2〕
本実施の形態2に係る画像表示装置は、図7に示すようなものとなる。図7に示す画像表示装置2が、図2に示す画像表示装置1と異なる点は、モード切替スイッチ50を備えていない点と、コントロールLSI30に代えてコントロールLSI60を備えている点である。それ以外の構成は、画像表示装置1と同じであるので、画像表示装置1と同様の構成および作用を有する部材について、図2と同じ部材番号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0065】
画像表示装置2では、コントロールLSI60が入力画像信号に基づいて表示画像が動画であるか静止画であるかを判定し、その判定結果に応じて適切な表示モードを選択する。すなわち、本発明の画像表示装置における時分割駆動は、動画ボケの抑制に効果を生じるものであるため、静止画(もしくは静止画に近い動きの少ない動画)を表示する場合にはその効果は無い(もしくは小さい)。したがって、表示画像が動画である場合には、動画ボケ効果を優先して時分割駆動による第1の表示モードにて表示を行い、表示画像が静止画である場合には、フリッカの抑制を考慮してホールド駆動による第2の表示モードにて表示を行うことが好ましい。
【0066】
このような表示モード切替動作を行うコントロールLSI60の構成について、図8を参照して説明する。コントロールLSI60は、図1に示すコントロールLSI30に対し、さらに動画/静止画判定回路61を備えた構成である。その他、コントロールLSI30と同様の構成および作用を有する部材について、図1と同じ部材番号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0067】
動画/静止画判定回路61は、入力画像信号および入力同期信号の供給を受け、これらの信号に基づいて表示画像が動画であるか静止画であるかを判定し、その判定結果に基づいてモード切替信号を出力する。動画/静止画判定回路61が出力するモード切替信号は、タイミングコントローラ32および出力データセレクタ37に入力される。すなわち、図7に示す画像表示装置2では、モード切替信号は、ユーザの入力によって発生するものではなく、動画/静止画判定回路61が表示画像の内容に基づいて生成するものである。
【0068】
ここで、動画/静止画判定回路61における動画/静止画判定方法については、例えば、連続する複数のフレーム間での対応画素毎のデータを比較し、これらのフレーム間に変化があるか否かを調べる方法や、連続する複数のフレームから表示画像中の動きベクトルを抽出し、その動きベクトルの大きさによって動画と静止画とを判定する方法等が使用可能である。尚、動画/静止画判定方法は、画像圧縮を行う場合の処理等に既に応用されている技術であり、動画/静止画判定方法に関してそのような何れの周知方法をも利用し得る。このため、本発明において、動画/静止画判定にかかる具体的方法は特に限定されるものではない。
【0069】
また、動画/静止画判定回路61は、表示画像が動画であるか静止画であるかを判定するものであるが、ここでいう静止画とは、一切の動きが無いような完全な静止画像のみを意味するものではない。つまり、ここでいう静止画とは、ここでいう動画に対して、相対的に動きの少ない画像をも含むものとして記載されている。
【0070】
例えば、動画/静止画判定回路61では、連続するフレーム間での対応画素毎のデータを比較して、フレーム間で表示変化のあった画素数をカウントし、その画像数を所定の閾値と比較するようにすれば、(動画と見なされる)動きの多い画像と(静止画と見なされる)動きの少ない画像との判定を行うことができる。
【0071】
〔実施の形態3〕
本実施の形態3に係る画像表示装置は、図7に示す画像表示装置2とほぼ同様の構成となるが、コントロールLSI60に代えて、図9に示すコントロールLSI70を備えた構成となる。コントロールLSI70は、図8に示すコントロールLSI60に対し、動画/静止画判定回路61に代えて輝度測定回路71を備えた構成である。
【0072】
本実施の形態3に係る画像表示装置では、コントロールLSI70が入力画像信号の平均輝度を測定(算出)し、その結果に応じて適切な表示モードを選択する。すなわち、本発明の画像表示装置における時分割駆動では、一般に表示画像の輝度が高い時にフリッカが判定されやすく、表示画像の輝度が低い時にはフリッカは判定されにくい。したがって、表示画像の輝度が低い場合には、動画ボケ効果を優先して時分割駆動による第1の表示モードにて表示を行い、表示画像の輝度が高い場合には、フリッカの抑制を考慮してホールド駆動による第2の表示モードにて表示を行うことが好ましい。
【0073】
輝度測定回路71は、図9に示すように、入力画像信号および入力同期信号の供給を受け、これらの信号に基づいて表示画像の平均輝度を測定(算出)し、その結果に基づいてモード切替信号を出力する。輝度測定回路71が出力するモード切替信号は、タイミングコントローラ32および出力データセレクタ37に入力される。尚、上記平均輝度の算出にあたっては、実際には、入力画像信号における階調値データが利用される。
【0074】
ここで、輝度測定回路71における輝度測定方法としては、例えば、フレーム中の複数の画素の輝度データ平均値(すなわち平均輝度)を算出する方法などが考えられる。尚、上記平均輝度の算出は、単一のフレームに対して求めても良いし、あるいは連続する複数のフレームに対して求めても良い。また、上記平均輝度の算出は、フレーム中の全ての画素を用いて算出しても良いし、あるいはフレーム中から抽出される一部の画素を用いて算出しても良い。尚、輝度測定方法は、例えば液晶表示装置のバックライトを表示画像の輝度に応じて制御するような場合の処理等に既に応用されている技術であり、輝度測定方法に関しては何れの周知方法をも利用し得る。このため、本発明において、輝度測定にかかる具体的方法は特に限定されるものではない。
【0075】
〔実施の形態4〕
本実施の形態4に係る画像表示装置は、図7に示す画像表示装置2とほぼ同様の構成となるが、コントロールLSI60に代えて、図10に示すコントロールLSI80を備えた構成となる。コントロールLSI80は、図8に示すコントロールLSI60に対し、動画/静止画判定回路61に代えてフレーム周波数測定回路81を備えた構成である。
【0076】
本実施の形態4に係る画像表示装置では、コントロールLSI80が入力画像信号のフレーム周波数を測定し、その結果に応じて適切な表示モードを選択する。すなわち、本発明の画像表示装置における時分割駆動では、一般にフレーム周波数が高い時にはフリッカが判定されにくく、フレーム周波数が低い時にフリッカが判定されやすい。したがって、表示画像のフレーム周波数が高い場合には、動画ボケ効果を優先して時分割駆動による第1の表示モードにて表示を行い、表示画像のフレーム周波数が低い場合には、フリッカの抑制を考慮してホールド駆動による第2の表示モードにて表示を行うことが好ましい。
【0077】
より具体的な例としては、フレーム周波数が約60Hzと判定された場合は第1の表示モードにて表示を行い、フレーム周波数が約50Hzと判定された場合は第2の表示モードにて表示を行うことが好ましい。このような場合は、表示モードを切り替えるための基準となるフレーム周波数の閾値を、50Hzと60Hzとの間に設定すればよい。尚、フレーム周波数の閾値を50Hzと60Hzとの間に設定することが好適となるのは、テレビ画像の信号として50Hzのもの(PAL方式)と60Hzのもの(NTSC方式)とが一般的に使用されているためである。
【0078】
フレーム周波数測定回路81は、図10に示すように、入力同期信号の供給を受け、この入力同期信号に基づいて表示画像のフレーム周波数を測定し、その結果に基づいてモード切替信号を出力する。フレーム周波数測定回路81が出力するモード切替信号は、タイミングコントローラ32および出力データセレクタ37に入力される。
【0079】
ここで、フレーム周波数測定回路81におけるフレーム周波数方法としては、例えば、フレーム周波数測定回路81内に、周波数が一定に固定されたクロック(たとえば、水晶発振器の出力)で動作する同期式カウンタを設け、上記入力同期信号の垂直周期をカウントすることで、上記入力同期信号からフレーム周波数を抽出する方法などが考えられるが、本発明において、フレーム周波数測定にかかる具体的方法は特に限定されるものではない。
【0080】
尚、上記実施の形態2ないし4で説明した各構成は、本発明に係る画像表示装置において、任意の2つの構成、あるいは3つ全ての構成を組み合わせて用いることも可能である。また、これらに実施の形態1にて説明したモード切替スイッチ50の構成を組み合わせて用いることも可能である。
【0081】
さらに、実施の形態2における動画/静止画判定処理、実施の形態3における輝度測定処理、あるいは実施の形態4におけるフレーム周波数測定処理は、画像信号の入力期間中、継続して実施することも可能である。しかしながら、動画/静止画判定回路61、輝度測定回路71、あるいはフレーム周波数測定回路81での処理にかかる負担軽減のため、例えば一定期間の経過毎に間欠的に判定あるいは計測を行う構成であってもよい。
【0082】
〔実施の形態5〕
本実施の形態5に係る画像表示装置は、表示パネル10に表示される画像の供給源(画像ソース)に応じて適切な表示モードを選択することを特徴とする。すなわち、近年の画像表示装置は、パソコン、テレビジョンチューナ、ビデオ、あるいはゲーム等、様々な画像ソースから画像信号を供給可能な構成となっているものが多い。そして、画像ソースによって、供給される画像信号の特性(特に動画特性)はある程度特徴付けられる。例えば、パソコンから供給される画像信号は、他の映像ソースからの画像信号に比べて、通常、動画特性の低い画像(動きの少ない静止画に近い画像)である。
【0083】
このため、本実施の形態5に係る画像表示装置では、画像ソースを判定し、例えば、画像ソースがパソコン以外のものである場合には、動画ボケ効果を優先して時分割駆動を行う第1の表示モードにて表示を行い、画像ソースがパソコンである場合には、フリッカの抑制を考慮してホールド駆動を行う第2の表示モードにて表示を行うといったことが考えられる。
【0084】
このような制御を行う画像表示装置は、例えば図11に示すような構成となる。図11に示す画像表示装置3が、図1に示す画像表示装置1と異なる点は、モード切替スイッチ50に代えて、画像ソース切替スイッチ51を備えている点である。それ以外の構成は、画像表示装置1と同じであるので、画像表示装置1と同様の構成および作用を有する部材について、図1と同じ部材番号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0085】
画像表示装置3では、画像ソース切替スイッチ51によって入力されるユーザ指示に基づいて、画像ソースの切替えを行うと共に、選択された画像ソースに基づいてモード切替信号を出力する。このモード切替信号はコントロールLSI30に入力され、それ以降の動作は実施の形態1に示す画像表示装置1と同様のものとなる。尚、画像ソースの切替え制御は、複数の画像ソースからの画像信号を表示可能な画像表示装置において一般的なものであるので詳細な説明は省略する。
【0086】
また、本実施の形態5で説明した構成は、実施の形態1ないし4で説明した各構成と任意に組み合わせて用いることが可能である。
【0087】
〔実施の形態6〕
本実施の形態6に係る画像表示装置は、上述した実施の形態2および3に係る画像表示装置と同様に、装置自身が表示画像の内容を判定し、その判定結果に応じて適切な表示モードが自動的に選択される構成である。但し、実施の形態2および3に係る画像表示装置では、表示モードの切替えは、フレーム画像の全体に対して切替えが行われる構成となっているのに対し、本実施の形態6に係る画像表示装置では、フレーム画像の各画素に対して判定を行い、判定された画素毎に表示モードの切替えを行うことを特徴とする。
【0088】
例えば、本実施の形態6に係る画像表示装置では、入力画像において動画が表示される画素と静止画が表示される画素とを判定し、動画が表示される画素では、動画ボケ効果を優先して時分割駆動にて第1の表示モードにて表示を行い、静止画が表示される画素では、フリッカの抑制を考慮してホールド駆動による第2の表示モードにて表示を行うといった表示制御を行うことができる。
【0089】
このような表示制御を行う画像表示装置は、基本的には、実施の形態2における画像表示装置と同様の構成にて実現が可能である。すなわち、実施の形態2では、コントロールLSI60における動画/静止画判定回路61は、フレーム全体の画像について動画/静止画の判定を行っていたが、本実施の形態6では、動画/静止画判定回路61は画素毎に動画/静止画の判定を行い、動画/静止画の判定を受けた画素毎にモード切替信号を切り替えて出力するようにすればよい。
【0090】
また、実施の形態3における画像表示装置と同様の構成の画像表示装置において、輝度測定回路71が画素毎に輝度の測定を行い、輝度の測定を受けた画素毎にモード切替信号を切り替えて出力するようにしてもよい。この場合は、入力画像において表示画像の輝度が低い画素と表示画像の輝度が高い画素とを判定し、低輝度の画素では、動画ボケ効果を優先して第1の表示モードにて表示を行い、高輝度の画素では、フリッカの抑制を考慮して第2の表示モードにて表示を行うといった表示制御を行うことができる。
【0091】
〔実施の形態7〕
本実施の形態7に係る画像表示装置は、上述した実施の形態2および3に係る画像表示装置と同様に、装置自身が表示画像の内容を判定し、その判定結果に応じて適切な表示モードが自動的に選択される構成である。但し、実施の形態2および3に係る画像表示装置では、表示モードの切替えは、フレーム画像の全体に対して切替えが行われる構成となっているのに対し、本実施の形態7に係る画像表示装置では、フレーム画像に対して領域判定を行い、判定された領域毎に表示モードの切替えを行うことを特徴とする。
【0092】
例えば、本実施の形態7に係る画像表示装置では、入力画像において動画が表示される領域(動画領域)と静止画が表示される領域(静止画領域)とを判定し、動画領域では、動画ボケ効果を優先して時分割駆動にて第1の表示モードにて表示を行い、静止画領域では、フリッカの抑制を考慮してホールド駆動による第2の表示モードにて表示を行うといった表示制御を行うことができる。
【0093】
あるいは、入力画像において表示画像の輝度が低い領域(低輝度領域)と表示画像の輝度が高い領域(高輝度領域)とを判定し、低輝度領域では、動画ボケ効果を優先して第1の表示モードにて表示を行い、高輝度領域では、フリッカの抑制を考慮して第2の表示モードにて表示を行うといった表示制御を行うこともできる。
【0094】
本実施の形態7に係る画像表示装置は、図7に示す画像表示装置2とほぼ同様の構成となるが、コントロールLSI60に代えて、図12に示すコントロールLSI90を備えた構成となる。コントロールLSI90は、図1に示すコントロールLSI30に対し、さらに領域毎判定回路91および遅延用バッファ92を備えた構成である。
【0095】
領域毎判定回路91には入力画像信号および入力同期信号が入力され、該領域毎判定回路91は、これらの入力信号に基づいて所定のブロック領域毎に入力画像信号の内容を判定し、その判定結果に基づいたモード切替信号を出力する。領域毎判定回路91は、例えば、図13に示すように、表示画面を複数のブロック領域に分割し、入力画像の内容判定およびモード切替信号の切り替えを、このブロック領域毎に実行する、図13では、表示画面を、8×8画素単位でY行X列のブロック領域に分割した場合を例示している。
【0096】
また、領域毎判定回路91では、ブロック領域内の全画素の情報がすべて収集された後に、そのブロック領域の内容判定結果が導かれるため、モード切替信号を出力するまでに遅延時間が発生する。遅延用バッファ92は、この遅延時間を考慮し、領域毎判定回路91が出力するモード切替信号とパネル画像信号として出力される映像信号との時間タイミングを同期させるために、ラインバッファ31の前段に導入されている。
【0097】
ここで、領域毎判定回路91の一構成例を図14を参照して説明する。図14に示す領域毎判定回路91は、入力画像において動画が表示される領域(動画領域)と静止画が表示される領域(静止画領域)とを判定する場合の構成を例示するものである。
【0098】
この領域毎判定回路91は、動画/静止画判定回路911、画素位置算出回路912、判定情報記録回路913、および領域内モード判定回路914を備えて構成されている。
【0099】
動画/静止画判定回路911は、実施の形態2に示す動画/静止画判定回路61と基本的に同一の機能を有するものであり、入力画像信号に基づいて、動画か静止画かの判定を画素毎に行うことができる。動画/静止画判定回路911は、例えば、動画と判定された場合は1を、静止画と判定された場合は0を判定情報記録回路913に出力する。
【0100】
画素位置算出回路912は、入力同期信号に基づいて入力画素の画面位置および出力画素の画面位置を算出する。
【0101】
判定情報記録回路913は、動画/静止画判定回路911での判定結果を、画素位置算出回路912から入力される入力画素の画面位置に基づいて記録する。すなわち、判定情報記録回路913は、画素位置算出回路912が出力する入力画素位置(現在入力している画素の画面上での位置)をアドレスとして、動画/静止画判定回路911での判定結果(1または0)を順次記録する。例えば、縦480×横640画素の表示解像度の場合で、現在入力している画素の位置が縦50、横100の位置とすると、アドレス(50,100)として動画/静止画の判定結果1ビット(1または0)を記録する。
【0102】
領域内モード判定回路914は、画素位置算出回路912から入力される出力画素の画面位置に基づいて、判定情報記録回路913から出力画素が属するブロック領域内の判定結果を読出し、それらを演算してブロック領域内のモードを判定しモード切替信号を出力する。
【0103】
領域内モード判定回路914は、画素位置算出回路913より出力画素位置(これからモード切替信号を出力しようとする画素の画面上での位置)が入力されると、この画素が分割されたどのブロック領域に含まれるかを算出する。図13における画素Pである場合を例に取れば、該画素Pはブロック領域Area(j,i)に含まれることが求められる。この算出式は、ブロック領域の大きさに依存する。すなわち、表示画面がM×N画素(M,Nは整数)サイズのブロックで領域分割される場合、画素Pの画面上のY座標(縦座標)をPy、X座標(横座標)をPxとすれば、該画素Pが含まれるブロック領域Area(j,i)は次式によって導かれる。
【0104】
j=int(Py ÷ M)
i=int(Px ÷ N)
ここでint()は()内の数値の小数点以下を切り捨てて整数に変換する関数である。
【0105】
例えば、8×8画素のブロックで領域分割される場合は、出力画素位置が縦50(Py)、横100(Px)の位置とすると、
i=int(50÷8)=int(6.25)=6
j=int(100÷8)=int(12.5)=12
となり、画素Pは図13でのArea(6,12)のブロック領域に含まれていると算出できる。
【0106】
次に、領域内モード判定回路914は、判定情報記録回路913より、出力画素位置から算出したブロック内の全ての画素についての判定結果を同時に読み出し、動画素と静止画素とのどちらが多いかを判定する(すなわち、1および0のどちらのカウント数が多いかを判定する)。
【0107】
例えば、図15(a)は、8×8画素サイズのブロック領域内において、静止画素(0)のカウント数が20画素、動画素(1)のカウント数が44画素であった結果を示している。この場合、このブロック領域では動画素(1)のカウント数の方が多いため、領域内モード判定回路914はこのブロック領域に対して動画領域であるとの判定を行い、動画性能が良くなるように第1の表示モードの表示を行うようにモード切替信号を出力する。
【0108】
また、図15(b)の例では、静止画素数の方が多いので、領域内モード判定回路914はこのブロック領域に対して静止画領域であるとの判定を行い、フリッカを抑制するように第2の表示モードの表示を行うようにモード切替信号を出力する。
【0109】
また、ブロック領域の内容判定を行う方法としては、上述のように動画素と静止画素とのどちらが多いかによって判定を行う方法に限定されるものでない。他の方法によって、より回路を簡便にしたり、判定結果を記録する容量を少なくしたりする方法等も考えられる。
【0110】
ブロック領域の内容判定方法についての他の例を、図16を参照して説明すれば以下のとおりである。
【0111】
図16の手順(i)では、判定情報記録回路913において、動画素または静止画素の判定結果(1または0)をブロック領域1行単位であらかじめすべて加算し、手順(ii)に示すように各行ごとの加算値を記録しておく。図16では、図15(a)に示す例の動画素数の加算値を記録している。こうすることによって、判定情報記録回路913で記録される情報は、上記の方法(動画素と静止画素とのどちらが多いかによって判定を行う方法)では1ブロック領域の行8bit×列8bitで64bit必要であったが、判定結果をブロックの1行単位であらかじめ加算することによって1ブロックの1行については4bitとなり、1ブロック領域の記録情報は半分の32bitで済むようなる。
【0112】
また、領域内モード判定回路914が判定情報記録回路913から記録情報を読み出す時には、ブロック内の1および0の数をカウントしなくとも、手順(ii)から(iii)に示すように、4bitデータを8行分読み出して加算すればそのブロック領域の動画素数を求めることができる。この求まったブロック領域の動画素数を、ブロック領域内の全画素の50%の数の32と比較すれば、このブロック領域が動画領域か静止画領域かを判定することができる。
【0113】
モード切替信号に基づいてパネル画像信号へ信号生成手段を切り替える方法は、上記各実施の形態と同様であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0114】
また、図12に示す構成のコントロールLSI90において、領域毎判定回路91に代えて図17に示す領域毎判定回路91’を用いれば、入力画像における表示画像の輝度が低い領域(低輝度領域)と表示画像の輝度が高い領域(高輝度領域)とを判定し、その判定結果に基づいて表示制御を行うことができる。
【0115】
この領域毎判定回路91’は、動画/静止画判定回路911に代えて輝度測定回路915を有し、その他の構成は図14に示す領域毎判定回路91と同様の構成とすることができる。輝度測定回路915は、実施の形態3に示す輝度測定回路71と基本的に同一の機能を有するものであり、入力画像信号に基づいて、高輝度か低輝度かの判定を画素毎に行うことができる。動画/静止画判定回路911は、例えば、高輝度と判定された場合は1を、低輝度と判定された場合は0を判定情報記録回路913に出力する。以降の動作は、上記領域毎判定回路91と同様の動作とすることが可能であるので、詳細な説明は省略する。
【0116】
尚、上記の説明では、表示画像を8×8画素ブロック毎のブロック領域に分割する例を示したが、分割されるブロック領域のサイズは8×8画素サイズに限定されるものでなく、任意のN×M画素(N,Mは自然数)サイズで分割することもできる。
【0117】
また、表示画像を分割する領域は、上記例のような矩形ブロック毎でなくてもよく任意の形状で分割できる。さらには、表示画像を分割する領域は、すべて同じ大きさの領域でなくてもよく、入力画像信号によって分割領域の大きさを変えてもよい。例えば、入力画像の絵柄が細かいところは分割領域を小さくし、滑らかなところは分割領域を大きく取るようにすれば、より映像にマッチングした処理を行うことが可能となる。
【0118】
また、上記例では、分割領域内のモード判定は、その領域内に占める画素数の多数決で判定しているが、この判定ラインを50%だけではなく、30%と小さくしてもよいし、70%と大きくしてもよい。この判定ラインを外部操作によって可変にすれば、動画質をユーザの好みに調整することができる。
【0119】
上記の各実施の形態1〜7における画像表示装置は、液晶モニター等の画像表示モニターとして機能させることも可能であり、テレビジョン受像機として機能させることも可能である。
【0120】
上記画像表示装置を画像表示モニターとして機能させる場合には、外部から入力された画像信号をコントロールLSIに入力する信号入力部(例えば、入力用ポート)を備えることで実現できる。一方、上記画像表示装置をテレビジョン受像機として機能させる場合は、本画像表示装置に、チューナ部を備えることで実現できる。このチューナ部は、テレビ放送信号のチャネルを選択し、選択されたチャネルのテレビ画像信号を、入力画像信号としてコントロールLSIに入力する。
【0121】
本発明に係る画像表示装置は、上記課題を解決するために、1フレーム期間を複数のサブフレーム期間に分割し、入力画像信号に基づく1フレーム期間内の輝度を再現するように各サブフレームへ輝度を配分して画像表示を行う第1の表示モードと、入力画像信号に基づく1フレーム期間内の輝度を再現するように1フレーム期間を単一の輝度で画像表示を行なう第2の表示モードとを有し、上記第1の表示モードと上記第2の表示モードとを切り替えて、画像表示を行なうことを特徴としている。
【0122】
上記の構成によれば、上記画像表示装置は、第1の表示モードと第2の表示モードとを有している。そして、上記第1の表示モードでは、1フレーム期間を複数のサブフレーム期間に分割し、入力画像信号に基づく1フレーム期間内の輝度を再現するように各サブフレームへ輝度を配分して画像表示(いわゆる、時分割駆動表示)を行う。また、上記第2の表示モードでは、入力画像信号に基づく1フレーム期間内の輝度を再現するように1フレーム期間を単一の輝度で画像表示(いわゆる、ホールド駆動表示)を行う。そして、上記第1の表示モードと、上記第2の表示モードとが切り替え可能となっている。
【0123】
このため、動画ボケを抑制したい場合には動画ボケの抑制効果が高い時分割駆動によって表示用画像信号を生成し(第1の表示モードにて表示を行い)、フリッカを抑制したい場合には、フリッカの生じにくいホールド駆動によって表示用画像信号を生成する(第2の表示モードにて表示を行う)ことができる。これにより、擬似インパルス駆動による動画ボケの抑制効果を効果的に得ると共に、擬似インパルス駆動に伴うフリッカの問題を軽減することができる。
【0124】
また、上記画像表示装置では、上記第2の表示モードは、1フレーム期間を単一のフレーム期間として所定の輝度を再現する構成とすることができる。
【0125】
また、上記画像表示装置では、上記第2の表示モードは、1フレーム期間を複数のサブフレーム期間に分割し、各サブフレームに入力される輝度が等しい構成とすることができる。
【0126】
また、上記画像表示装置では、上記第1の表示モードと上記第2の表示モードとを切り替える切替手段を有する構成とすることができる。
【0127】
また、上記画像表示装置では、外部からの入力操作によって、上記第1の表示モードと上記第2の表示モードとを切り替える構成とすることができる。
【0128】
また、上記画像表示装置では、入力画像の内容に基づいて、上記第1の表示モードと上記第2の表示モードとを切り替える構成とすることができる。
【0129】
また、上記画像表示装置では、上記入力画像の内容が、動画であるか静止画であるかを判定して上記第1の表示モードと上記第2の表示モードとを切り替える構成とすることができる。
【0130】
また、上記画像表示装置では、入力画像が動画であると判定された場合は上記第1の表示モードを選択し、入力画像が静止画であると判定された場合は上記第2の表示モードを選択する構成とすることができる。
【0131】
また、上記画像表示装置では、上記入力画像の平均輝度に基づいて、上記第1の表示モードと上記第2の表示モードとを切り替える構成とすることができる。
【0132】
また、上記画像表示装置では、入力画像の平均輝度が低いと判定された場合に、上記第1の表示モードを選択し、入力画像の平均輝度が高いと判定された場合に、上記第2の表示モードを選択する構成とすることができる。
【0133】
また、上記画像表示装置では、入力画像のフレーム周波数に基づいて、上記第1の表示モードと上記第2の表示モードとを切り替える構成とすることができる。
【0134】
また、上記画像表示装置では、入力画像のフレーム周波数が高いと判定された場合に、上記第1の表示モードを選択し、入力画像のフレーム周波数が低いと判定された場合に、上記第2の表示モードを選択構成とすることができる。
【0135】
また、上記画像表示装置では、上記第1の表示モードと上記第2の表示モードとの切り替えを行うための基準となるフレーム周波数の閾値は、50Hz以上と60Hzとの間に設定される構成とすることができる。
【0136】
また、上記画像表示装置では、入力画像の入力源を判定する画像ソース判定の結果に基づいて上記第1の表示モードと上記第2の表示モードとを切り替える構成とすることができる。
【0137】
また、上記画像表示装置では、入力画像信号に基づいて入力画像の内容を画素毎に判定し、判定結果に基づいて上記第1の表示モードと上記第2の表示モードとを切り替える構成とすることができる。
【0138】
また、上記画像表示装置では、入力画像信号に基づいて入力画像の内容を複数に分割された領域毎に判定し、判定結果に基づいて、上記第1の表示モードと上記第2の表示モードとを切り替える構成とすることができる。
【0139】
本発明に係る他の画像表示装置は、上記課題を解決するために、1フレーム期間を複数のサブフレーム期間に分割し、各サブフレームの輝度の時間積分値の総和が、入力画像信号に基づく1フレーム期間の輝度を再現するように、各サブフレームへ輝度を配分させた表示用画像信号を生成する第1の信号生成手段と、1フレーム期間を単一のフレーム期間として所定の輝度を再現するように、表示用画像信号を生成する第2の信号生成手段と、上記第1の信号生成手段および上記第2の信号生成手段の出力を切り替えて、表示用画像信号を表示部へ出力することを特徴としている。
【0140】
また、上記画像表示装置では、上記第1の信号生成手段および上記第2の信号生成手段の出力を切り替えて、表示用画像信号を表示部へ出力する切替手段を備えている構成とすることができる。
【0141】
上述のような時分割駆動を行う画像表示装置では、各サブフレームの輝度の時間積分値が入力画像信号に基づく1フレーム期間内の輝度特性を再現するように、各サブフレームへ輝度が配分される。時分割駆動表示は、このような各サブフレームへの輝度の配分によって、高輝度のサブフレームと低輝度のサブフレームとが発生することで擬似インパルス表示となり、動画ボケに効果を発揮する。一方で、時分割駆動を行う場合には、動画ボケの抑制効果が得られる反面、同時にフリッカが生じやすいといった問題も生じる。
【0142】
上記の構成によれば、上記画像表示装置は、時分割駆動により画像表示を行う第1の表示モードと、ホールド駆動により画像表示を行う第2の表示モードとを有している。そして、上記画像表示装置は、上記第1の表示モードにて画像表示を行う時に表示用画像信号を生成する第1の信号生成手段と、上記第2の表示モードにて画像表示を行う時に表示用画像信号を生成する第2の信号生成手段とを切り替えて使用可能となっている。すなわち、時分割駆動により画像表示を行う第1の表示モードと、ホールド駆動により画像表示を行う第2の表示モードとが切り替えられる。
【0143】
このため、動画ボケを抑制したい場合には動画ボケの抑制効果が高い時分割駆動によって表示用画像信号を生成し(第1の表示モードにて表示を行い)、フリッカを抑制したい場合には、フリッカの生じにくいホールド駆動によって表示用画像信号を生成する(第2の表示モードにて表示を行う)ことができる。これにより、擬似インパルス駆動による動画ボケの抑制効果を効果的に得ると共に、擬似インパルス駆動に伴うフリッカの問題を軽減することができる。
【0144】
また、上記画像表示装置は、外部からの入力操作によって、上記第1の信号生成手段および上記第2の信号生成手段の出力を切替可能である構成とすることができる。
【0145】
上記の構成によれば、ユーザ自身が表示モードの切替え操作を行うことが可能となり、ユーザの好みに応じて動画ボケおよびフリッカの調整がなされた表示画像を得ることができる。
【0146】
また、上記画像表示装置は、入力画像信号に基づいて入力画像の内容を判定する判定手段を有し、上記判定手段の判定結果に基づいて、上記第1の信号生成手段および上記第2の信号生成手段の出力を切り替える構成とすることができる。
【0147】
上記の構成によれば、上記表示モードの切替えが、上記判定手段による入力画像の内容判定結果に基づいて実施されるため、ユーザに繁雑な手間を要求することなく、適切に表示モードの切替えが行われる。
【0148】
また、上記画像表示装置では、上記判定手段は、入力画像が動画であるか静止画であるかを判定する動画/静止画判定手段である構成とすることができる。この時、入力画像が動画であると判定された場合に、上記第1の信号生成手段の出力を表示用画像信号として表示部へ出力させ、入力画像が静止画であると判定された場合に、上記第2の信号生成手段の出力を表示用画像信号として表示部へ出力させることが好ましい。
【0149】
上記の構成によれば、上記動画/静止画判定手段が、入力画像が動画であるか静止画であるかを判定し、その判定結果に応じて適切な表示モードを選択する。すなわち、上記画像表示装置における時分割駆動は、動画ボケの抑制に効果を生じるものであるため、静止画(もしくは静止画に近い動きの少ない動画)を表示する場合にはその効果は無い(もしくは小さい)。したがって、表示画像が動画である場合には、動画ボケ効果を優先して第1の表示モードで表示を行い、表示画像が静止画である場合には、フリッカの抑制を考慮して第2の表示モードにて表示を行うことができる。
【0150】
また、上記画像表示装置では、上記判定手段は、入力画像の平均輝度を測定する輝度測定手段である構成とすることができる。この時、入力画像の平均輝度が低いと判定された場合に、上記第1の信号生成手段の出力を表示用画像信号として表示部へ出力させ、入力画像の平均輝度が高いと判定された場合に、上記第2の信号生成手段の出力を表示用画像信号として表示部へ出力させることが好ましい。
【0151】
上記の構成によれば、上記輝度測定手段が、入力画像の平均輝度を測定し、その結果に応じて適切な表示モードを選択する。すなわち、上記画像表示装置における時分割駆動では、一般に表示画像の輝度が高い時にフリッカが判定されやすく、表示画像の輝度が低い時にはフリッカは判定されにくい。したがって、表示画像の輝度が低い場合には、動画ボケ効果を優先して第1の表示モードで表示を行い、表示画像の輝度が高い場合には、フリッカの抑制を考慮して第2の表示モードにて表示を行うことができる。
【0152】
また、上記画像表示装置では、上記判定手段は、入力画像のフレーム周波数を測定するフレーム周波数測定手段である構成とすることができる。この時、入力画像のフレーム周波数が高いと判定された場合に、上記第1の信号生成手段の出力を表示用画像信号として表示部へ出力させ、入力画像のフレーム周波数が低いと判定された場合に、上記第2の信号生成手段の出力を表示用画像信号として表示部へ出力させることが好ましい。
【0153】
上記の構成によれば、上記フレーム周波数測定手段が、入力画像のフレーム周波数を測定し、その結果に応じて適切な表示モードを選択する。すなわち、上記画像表示装置における時分割駆動では、一般にフレーム周波数が高い時にはフリッカが判定されにくく、フレーム周波数が低い時にフリッカが判定されやすい。したがって、表示画像のフレーム周波数が高い場合には、動画ボケ効果を優先して第1の表示モードで表示を行い、表示画像のフレーム周波数が低い場合には、フリッカの抑制を考慮して第2の表示モードにて表示を行うことができる。
【0154】
また、上記画像表示装置では、上記表示モードの切替えを行うための基準となるフレーム周波数の閾値として、50Hzと60Hzとの間に設定された閾値を有することが好ましい。
【0155】
上記の構成によれば、テレビ画像の信号として一般的に使用されている50Hzのフレーム周波数(PAL方式)と60Hzのフレーム周波数(NTSC方式)との間で、表示モードの切替えを行うことができる。
【0156】
また、上記画像表示装置は、入力画像の入力源を判定する画像ソース判定手段を有し、上記画像ソース判定手段の判定結果に基づいて上記第1の信号生成手段および上記第2の信号生成手段の出力を切り替える構成とすることができる。
【0157】
上記の構成によれば、上記画像ソース判定手段が入力画像の入力源を判定し、その結果に応じて適切な表示モードを選択する。すなわち、近年の画像表示装置は、パソコン、テレビジョンチューナ、ビデオ、あるいはゲーム等、様々な画像ソースから画像信号を供給可能な構成となっているものが多い。そして、画像ソースによって、供給される画像信号の特性(特に動画特性)はある程度特徴付けられる。
【0158】
このため、上記画像表示装置では、画像ソースを判定し、例えば、画像ソースが動画特性の低い画像を供給するもの(例えば、パソコン)である場合には、フリッカの抑制を考慮して第2の表示モードにて表示を行い、画像ソースが動画特性の高い画像を供給するものである場合には、動画ボケ効果を優先して第1の表示モードにて表示を行うことができる。
【0159】
また、上記画像表示装置では、上記判定手段は、入力画像信号に基づいて入力画像の内容を画素毎に判定し、上記判定手段の判定結果に基づいて、上記第1の信号生成手段および上記第2の信号生成手段の出力を画素毎に切り替える構成とすることができる。
【0160】
また、上記画像表示装置では、上記判定手段は、入力画像が静止画であるか動画であるかを画素毎に判定する動画/静止画判定手段であり、入力画像が動画であると判定された画素に対しては、上記第1の信号生成手段の出力を表示用画像信号として表示部へ出力させ、入力画像が静止画であると判定された画素に対しては、上記第2の信号生成手段の出力を表示用画像信号として表示部へ出力させる構成とすることができる。
【0161】
あるいは、上記判定手段は、入力画像の輝度を画素毎に測定する輝度測定手段であり、入力画像の輝度が低いと判定された画素に対しては、上記第1の信号生成手段の出力を表示用画像信号として表示部へ出力させ、入力画像の輝度が高いと判定された画素に対しては、上記第2の信号生成手段の出力を表示用画像信号として表示部へ出力させる構成とすることができる。
【0162】
上記の構成によれば、例えば、入力画像において動画が表示される領域(動画領域)と静止画が表示される領域(静止画領域)とを動画/静止画判定手段によって判定し、動画領域では、動画ボケ効果を優先して第1の表示モードにて表示を行い、静止画領域では、フリッカの抑制を考慮して第2の表示モードにて表示を行うといった表示制御を行うことができる。
【0163】
あるいは、入力画像において表示画像の輝度が低い領域(低輝度領域)と表示画像の輝度が高い領域(高輝度領域)とを輝度測定手段によって判定し、低輝度領域では、動画ボケ効果を優先して第1の表示モードにて表示を行い、高輝度領域では、フリッカの抑制を考慮して第2の表示モードにて表示を行うといった表示制御を行うことができる。
【0164】
また、上記画像表示装置では、上記判定手段は、入力画像信号に基づいて入力画像の内容を複数に分割された領域毎に判定し、上記判定手段の判定結果に基づいて、上記第1の信号生成手段および上記第2の信号生成手段の出力を領域毎に切り替える構成とすることができる。
【0165】
また、上記画像表示装置では、上記判定手段は、入力画像が静止画であるか動画であるかを複数に分割された領域毎に判定する動画/静止画判定手段であり、入力画像が動画であると判定された領域に対しては、上記第1の信号生成手段の出力を表示用画像信号として表示部へ出力させ、入力画像が静止画であると判定された領域に対しては、上記第2の信号生成手段の出力を表示用画像信号として表示部へ出力させる構成とすることができる。
【0166】
また、上記画像表示装置では、上記判定手段は、入力画像の輝度を複数に分割された領域毎に測定する輝度測定手段であり、入力画像の平均輝度が低いと判定された領域に対しては、上記第1の信号生成手段の出力を表示用画像信号として表示部へ出力させ、入力画像の平均輝度が高いと判定された領域に対しては、上記第2の信号生成手段の出力を表示用画像信号として表示部へ出力させる構成とすることができる。
【0167】
また、上記画像表示装置と、外部から入力された画像信号を該画像表示装置に伝達するための信号入力部とを組み合わせることで、パーソナルコンピューターなどに使用される液晶モニターを構成することが可能である。
【0168】
また、上記画像表示装置と、チューナ部とを組み合わせることで、液晶テレビジョン受像機を構成することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0169】
動画ボケを抑制するために時分割駆動を行う画像表示装置において、フリッカの軽減を図ることができ、液晶表示素子やEL表示素子などのホールド型表示素子を用いた画像表示装置に適用できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1フレーム期間を複数のサブフレーム期間に分割し、最大輝度または最小輝度の表示を行う場合を除いて各サブフレーム間で輝度差を生じさせつつ、入力画像信号に基づく1フレーム期間内の輝度を再現するように各サブフレームへ輝度を配分して画像表示を行う第1の表示モードと、
入力画像信号に基づく1フレーム期間内の輝度を再現するように1フレーム期間を単一の輝度で画像表示を行なう第2の表示モードとを有し、
上記入力画像の内容が、動画であるか静止画であるかを判定して、上記第1の表示モードと上記第2の表示モードとを切り替えることを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
入力画像が動画であると判定された場合は上記第1の表示モードを選択し、
入力画像が静止画であると判定された場合は上記第2の表示モードを選択することを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の画像表示装置と、
外部から入力された画像信号を上記画像表示装置に伝達するための信号入力部とを備えていることを特徴とする画像表示モニター。
【請求項4】
請求項1または2に記載の画像表示装置を備えていることを特徴とするテレビジョン受像機。
【請求項1】
1フレーム期間を複数のサブフレーム期間に分割し、最大輝度または最小輝度の表示を行う場合を除いて各サブフレーム間で輝度差を生じさせつつ、入力画像信号に基づく1フレーム期間内の輝度を再現するように各サブフレームへ輝度を配分して画像表示を行う第1の表示モードと、
入力画像信号に基づく1フレーム期間内の輝度を再現するように1フレーム期間を単一の輝度で画像表示を行なう第2の表示モードとを有し、
上記入力画像の内容が、動画であるか静止画であるかを判定して、上記第1の表示モードと上記第2の表示モードとを切り替えることを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
入力画像が動画であると判定された場合は上記第1の表示モードを選択し、
入力画像が静止画であると判定された場合は上記第2の表示モードを選択することを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の画像表示装置と、
外部から入力された画像信号を上記画像表示装置に伝達するための信号入力部とを備えていることを特徴とする画像表示モニター。
【請求項4】
請求項1または2に記載の画像表示装置を備えていることを特徴とするテレビジョン受像機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15(a)】
【図15(b)】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15(a)】
【図15(b)】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2011−28278(P2011−28278A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−192830(P2010−192830)
【出願日】平成22年8月30日(2010.8.30)
【分割の表示】特願2007−509223(P2007−509223)の分割
【原出願日】平成18年3月15日(2006.3.15)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月30日(2010.8.30)
【分割の表示】特願2007−509223(P2007−509223)の分割
【原出願日】平成18年3月15日(2006.3.15)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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