画像表示装置、画像表示制御方法、プログラム及び情報記録媒体
【課題】例えばパチンコその他の遊技機において、利用者の興を削ぐことなく利用者の目の疲労の軽減を図るため、利用者の関心度合に応じて表示する画像を切り替える。
【解決手段】関心度合認識部103は、利用者の視線の移動量、脈拍数あるいは特定の操作ボタンの操作状態などから、利用者の関心度合の高低を認識する。表示画像選択部101は、関心度合認識部103により認識された関心度合の高低に応じて、画像入力部100より入力される2以上の画像の中から画像表示部102に表示させる画像を選択する。例えば、関心度合が高い時には3次元画像や動きの激しい動画像を表示させ、関心度合が低い時に2次元画像や動きの遅い動画像を表示させる。
【解決手段】関心度合認識部103は、利用者の視線の移動量、脈拍数あるいは特定の操作ボタンの操作状態などから、利用者の関心度合の高低を認識する。表示画像選択部101は、関心度合認識部103により認識された関心度合の高低に応じて、画像入力部100より入力される2以上の画像の中から画像表示部102に表示させる画像を選択する。例えば、関心度合が高い時には3次元画像や動きの激しい動画像を表示させ、関心度合が低い時に2次元画像や動きの遅い動画像を表示させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示機能を有する様々な機器(本明細書において画像表示装置と総称する)の分野に係り、より詳細には、そのような画像表示装置において利用者の状態を考慮して表示画像を切り替える技術に関する。
【背景技術】
【0002】
撮影者の視線を検知し、動画像又は連写静止画像の視線位置を含む領域について、それ以外の領域より圧縮率を下げて符号化を行うデジタルビデオカメラ等の画像処理装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
自動車の運転席前方に設けられた撮影手段により運転者の顔面を撮影し、撮影画像から運転者の顔の向き及び視線の方向を求め、運転者の顔の向き及び視線の方向に基づいて運転補助装置の作動を制御する運転操作補助装置が知られている(例えば特許文献2参照)。同種の視線検出については例えば特許文献3にも記載されている。
【0004】
脈拍数については様々な検出方法が実用化されているが、その1つが反射型又は透過型の光学式脈拍センサを用いる方法である(例えば特許文献4,5参照)。また、感圧センサを用いて脈圧を検出することにより脈拍数を測定する方法もある(例えば特許文献6参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2001-333430号公報
【特許文献2】特許第32280886号公報
【特許文献3】特開平5-298015号公報
【特許文献4】特開平7-124131号公報
【特許文献5】特開平9-253062号公報
【特許文献6】特開平5-31085号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、高度な画像表示機能を有する機器の普及がめざましい。例えば、近年のパチンコやリズム系ゲーム機などは、まるで画像表示性能を競い合うかのように、ダイナミックな3次元画像や動きの激しい動画像を表示するものが多い。このような画像は利用者を興奮させ、ゲームの面白さを増すものではあるが、それを見続けると利用者の目の疲労が激しいという問題がある。
【0007】
このことに鑑み、本発明は、利用者の関心度合に応じて表示する画像を切り替えることにより、利用者の興を削ぐことなく利用者の目の負担の軽減を図ったパチンコ、リズム系ゲーム機などの遊技機、その他の画像表示機能を有する各種機器(前述のように画像表示装置と総称する)及びその画像表示制御方法を提供することを目的とする。
【0008】
ここで、表示画像の切換とは、用意された複数の画像の中から表示させる画像を選択することであり、例えば、3次元画像から2次元画像への切り替えもしくは逆の切り替え、動画像から静止画像への切り替えもしくはは逆の切り替え、又は、動きの速い動画像から動きの遅い動画像への切り替えもしくは逆の切り替えなどである。利用者の関心度合とは、利用者の関心の強弱のことであるが、これは時々刻々と変化するのが通常である。本発明は、このような利用者の関心度合の高低を認識することにより、表示させる画像の選択を制御する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1記載の発明は、複数の画像を入力する画像入力手段と、この画像入力手段により入力される複数の画像の中から表示させる画像を選択する表示画像選択手段と、この表示画像選択手段により選択された画像を表示する画像表示手段と、利用者の関心度合が低いか高いかを認識する関心度合認識手段とを有し、前記表示画像選択手段は、前記関心度合認識手段による認識結果に基づいて選択する画像を決定することを特徴とする画像表示装置である。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明による画像表示装置であって、前記複数の画像には2次元画像と3次元画像が含まれ、前記表示画像選択手段は、前記関心度合認識手段により関心度合が低いと認識された時には前記複数の画像中の2次元画像を選択し、前記関心度合認識手段により関心度合が高いと認識された時には前記複数の画像中の3次元画像を選択することを特徴とする画像表示装置である。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明による画像表示装置であって、前記複数の画像には静止画像と動画像が含まれ、前記表示画像選択手段は、前記関心度合認識手段により関心度合が低いと認識された時には前記複数の画像中の静止画像を選択し、前記関心度合認識手段により関心度合が高いと認識された時には前記複数の画像中の動画像を選択することを特徴とする画像表示装置である。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明による画像表示装置であって、前記複数の画像には動き量の小さな動画像と動き量の大きな動画像が含まれ、前記表示画像選択手段は、前記関心度合認識手段により関心度合が低いと認識された時には前記複数の画像中の動き量の小さな動画像を選択し、前記関心度合認識手段により関心度合が高いと認識された時には前記複数の画像中の動き量の大きな動画像を選択することを特徴とする画像表示装置である。
【0013】
請求項5記載の発明は、複数の動画像を入力する画像入力手段と、この前記画像入力手段により入力される複数の動画像の中から表示させる動画像を選択する表示画像選択手段と、この表示画像選択手段により選択された動画像を表示する画像表示手段と、利用者の関心度合が低いか高いかを認識する関心度合認識手段と、前記複数の動画像のそれぞれの動き量を推定する動き量推定手段とを有し、前記表示画像選択手段は、前記関心度合認識手段により関心度合が低いと認識された時には前記複数の動画像中の前記動き量推定手段により推定された動き量が最小の動画像を選択し、前記関心度合認識手段により関心度合が高いと認識された時には前記複数の動画像中の前記動き量推定手段により推定された動き量が最大の動画像を選択することを特徴とする画像表示装置である。
【0014】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の画像表示装置であって、前記画像入力手段はネットワーク経由で画像を受信する手段からなることを特徴とする画像表示装置である。
【0015】
請求項7記載の発明は、請求項6記載の発明による画像表示装置であって、前記複数の動画像に対する前記動き量推定手段による動き量推定及び前記表示画像選択手段による動画像選択が、前記画像入力手段による前記複数の動画像の受信と並行して行われることを特徴とする画像表示装置である。
【0016】
請求項8記載の発明は、請求項5記載の発明による画像表示装置であって、前記複数の動画像はそれぞれ2次元ウェーブレット変換を用いる符号化方式により符号されたインターレース動画像であり、前記動き量推定手段は動画像の特定のサブバンドについての符号量に基づいて動き量を推定することを特徴とする画像表示装置である。
【0017】
請求項9記載の発明は、請求項1乃至8のいずれか1項記載の発明による画像表示装置であって、前記関心度合認識手段は利用者の視線の移動量から関心度合が低いか高いかを認識する手段であることを特徴する画像表示装置である。
【0018】
請求項10記載の発明は、請求項1乃至8のいずれか1項記載の発明による画像表示装置であって、前記関心度合認識手段は利用者の脈拍数から関心度合が低いか高いかを認識する手段であることを特徴する画像表示装置である。
【0019】
請求項11記載の発明は、請求項1乃至8のいずれか1項記載の発明による画像表示装置であって、利用者により操作される特定の操作手段を有し、前記関心度合認識手段は前記特定の操作手段の操作状態から関心度合が低いか高いかを認識する手段であることを特徴とする画像表示装置である。
【0020】
請求項12記載の発明は、画像を表示する機能を有する画像表示装置の画像表示制御方法であって、複数の画像より表示させる画像を選択する表示画像選択工程と、
利用者の関心度合が低いか高いかを認識する関心度合認識工程とを有し、
前記表示画像選択工程は前記関心度合認識工程による認識結果に基づいて選択する画像を決定することを特徴とする画像表示制御方法である。
【0021】
請求項13記載の発明は、画像を表示する機能を有する画像表示装置の画像表示制御方法であって、複数の動画像より表示させる動画像を選択する表示画像選択工程と、前記複数の動画像のそれぞれについて動き量を推定する動き量推定工程と、利用者の関心度合が低いか高いかを認識する関心度合認識工程とを有し、前記表示画像選択工程は、前記関心度合認識工程により関心度合が低いと認識された時には前記複数の動画像中の前記動き量推定工程で推定された動き量が最小の動画像を選択し、前記関心度合認識工程により関心度合が高いと認識された時には前記複数の動画像中の前記動き量推定工程で推定された動き量が最大の動画像を選択することを特徴とする画像表示制御方法である。
【0022】
請求項14記載の発明は、請求項1乃至11のいずれか1項記載の発明による画像表示装置の各手段としてコンピュータを機能させるプログラムである。
【0023】
請求項15記載の発明は、請求項1乃至11のいずれか1項記載の発明による画像表示装置の各手段としてコンピュータを機能させるプログラムが記録された、コンピュータが読み取り可能な情報記録媒体である。
【発明の効果】
【0024】
請求項1〜13に記載の発明によれば、パチンコ、リズム系ゲーム機などの遊技機、その他の画像表示機能を備える各種の機器において、利用者の関心度合が高い時には、例えばゲームなどを盛り上げる効果の高い3次元画像や動きの激しい動画像を表示させる一方、利用者の関心度合が低い時は、例えば利用者の目に負担の少ない2次元画像や静止画像もしくは動きの遅い動画像を表示させることにより、利用者の興を削ぐことなく、利用者の目の疲労を軽減することができる。請求項5に記載の発明によれば、2以上の動画像の中から、その時々の動き量が最大の動画像又は最小の動画像を利用者の関心度合に応じて表示させることができる。請求項14,15に記載の発明によれば、請求項1〜11に記載の発明に係る画像表示装置を、コンピュータを利用し容易に実現することができる等々の効果を得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用い説明する。
【0026】
<実施形態1>
図1は本発明の実施形態1を説明するためのブロック図である。この実施形態に係る画像表示装置は、例えばパチンコやリズム系ゲーム機のような遊技機であり、予め用意された2以上の画像を入力する画像入力部100と、この画像入力部100により入力される2以上の画像から表示させる画像を選択する(表示画像を切り替える)表示画像選択部101と、この表示画像選択部101により選択された画像を画面表示する画像表示部102と、当該画像表示装置の利用者の関心度合が低いか高いかを認識する関心度合認識部103とから構成される。関心度合認識部103からは関心度合の高低を示す信号が出力され、この信号は表示画像選択部101に入力される。この信号から表示画像選択部101は関心度合の高低を知ることができる。
【0027】
本実施形態においては、画像入力部100により入力される画像は、直ちに表示可能な画素データである。一実施例によれば、画像入力部100は、このような複数の画像を例えば大容量記憶装置や大容量記録媒体から読み出し入力する構成とされる。別の実施例によれば、画像入力部100は、大容量記憶装置や大容量記録媒体に圧縮された符号データの形で蓄積されている画像を読み出し、それを復号してから入力する構成とされる。別の実施例によれば、画像入力部100は、ネットワークを通じて画像の符号データを受信し、それを復号して入力する構成とされる。
【0028】
図2に、表示画像選択部101における画像選択制御の処理フローを示す。表示画像選択部101は、例えば一定の時間間隔で、関心度合認識部103の出力信号を調べることにより、関心度合認識部103により認識された利用者の関心度合が高いか否かを判定し(ステップ110)、関心度合が高いときには(ステップ110,Yes)、画像入力部100より入力された2以上の画像の中からゲームを盛り上げる効果の高い画像を選択する(ステップ111)。関心度合が低いときには(ステップ110,No)、入力された2以上の画像の中から利用者の目に負担の少ない画像を選択する(ステップ112)。このような画像選択の具体例を次に示す。
【0029】
一実施例によれば、入力される2以上の画像に、インパクトのある3次元画像と、目の疲労の少ない2次元画像が含まれ、ステップ111ではその3次元画像が選択され、ステップ112ではその2次元画像が選択される。すなわち、3次元画像と2次元画像が用意されている場合に、利用者がゲームに強い関心を抱いた時にはインパクトのある3次元画像を表示させるが、利用者の関心が低い時には目の疲労の少ない2次元画像を表示させるわけである。
【0030】
別の実施例によれば、入力される2以上の画像に動画像と静止画像が含まれ、ステップ111では動画像が選択され、ステップ112では静止画像が選択される。すなわち、動画像と静止画像が用意されている場合に、利用者の関心度合が高い時にはダイナミックな動画像を表示させるが、関心度合が低い時には目の疲労を軽減するために静止画像を表示させる。
【0031】
別の実施例によれば、入力される2以上の画像に、動き量の大きいことが既知の動画像と、動き量の小さいことが既知の動画像が含まれ、ステップ111ではその動き量の大きな動画像が選択され、ステップ112では動き量の小さな動画像が選択される。すなわち、動き量の大きな動画像と動き量の小さな動画像が用意されている場合に、利用者の関心度合が高い時には動き量の大きな動画像を表示させるが、関心度合が低い時には動き量の小さな動画像を表示させる。
【0032】
なお、このような動画像の切り替えは、図3に示すように、フレーム周期に合わせて行う必要がある。図3において、Aは動き量の小さな動画像のフレーム、Bは動き量の大きな動画像のフレームであり、関心度合が高くなると動き量の大きな動画像のフレームBが表示され、その後、関心度合が低くなると動き量の小さな動画像のフレームAが表示される様子が模式的に示されている。ただし、このような動画像の切り替えが余りにも短周期で起きると、表示画像を見ている者に違和感を感じさせる場合があり得る。このような不都合を避けるために、所定の複数フレーム(例えば150フレーム)の間隔で図2のような手順を実行するのが好ましいであろう。同様の不都合は、3次元画像と2次元画像の間での切り替えの場合でも動画像と静止画像の間での切り替えの場合でも起こり得るので、ある程度の長さの時間間隔で図2の手順を実行するのが好ましいであろう。
【0033】
関心度合認識部103は、利用者の生理的反応や特定の行動などから関心度合が低いか高いかを認識する手段であり、様々な構成をとり得る。例えば、利用者がゲームの展開などに強い関心を持っている時には、通常、画像表示部102の表示画面を凝視し視線移動が少ない。したがって、利用者の視線の移動量から関心度合の高低を認識可能である。また、利用者のゲームの展開への関心が高まると利用者の脈拍数(もしくは心拍数)が増加する傾向があることから、利用者の脈拍数から関心度合の高低を認識可能である。また、パチンコなどでは、いわゆる連打ボタンもしくは連射ボタンといった、それが操作される時には利用者の関心度合が高いと推定される特定の操作手段を備えることが多いため、そのような特定の操作手段の操作状態(スイッチのオン、オフなど)から利用者の関心度合の高低を認識することも可能である。
【0034】
図4は、関心度合認識部103の一実施例を示すブロック図である。本実施例に係る関心度合認識部103は、利用者の視線の移動量から関心度合の高低を認識するものであり、撮像手段120、視線方向認識処理手段121及び視線移動量判定手段122から構成される。
【0035】
撮像手段120は利用者の顔を撮影する手段であり、例えば画像表示装置に装備されたCCDカメラである。視線方向認識処理手段121は、撮像手段120より入力される画像データから利用者の視線方向を認識する手段である。視線移動量判定手段122は、視線方向認識処理手段121により認識された視線方向から所定時間内の視線の移動量を算出し、その移動量が所定の値を越えるか否かを判定する手段であり、その判定結果が関心度合認識部103の認識結果である。すなわち、視線の移動量が所定値を越えないときに関心度合は高いと認識され、視線の移動量が所定値を越えたときに関心度合は低いと認識されたことになり、このような判定結果つまり関心度合が高いか低いかを示す信号が視線移動量判定手段122より出力される。この信号が、関心度合認識部103の出力信号となる。
【0036】
図5は視線方向認識処理手段121の視線方向算出アルゴリズムの一例を説明するためのフローチャートである。図6は利用者の視線方向の算出方法を説明するための模式図であり、140は真上から見た利用者の頭部を表し、141,142は利用者の目を表す。143は利用者が画像表示装置の表示画面を真正面から見た時の視線の方向を表し、144は利用者の顔の正面方向を表し、145はその時の利用者の視線方向を表す。
【0037】
図5を参照する。撮像手段120により撮影された画像データより肌色領域を検出する(ステップ130)。次に、検出した肌色領域の中で一番面積の大きな領域を顔領域として検出する(ステップ131)。次に、検出した顔領域の中から目の色の領域を検出する(ステップ132)。次に、その目の色の領域の中で面積の大きな2つの領域を目の領域として検出するとともに、それぞれの目の領域の中心位置と、瞳もしくは黒目の位置を検出する(ステップ133)。なお、黒目の中心を瞳の位置として検出してよい。次に顔領域と両目の領域の位置から、左目と右目の中心から顔面に垂直にのばした線の方向すなわち顔の正面方向144と方向143のなす角度α(図6参照)を算出する(ステップ134)。次に、目の領域の中心からの瞳(又は黒目)の位置のずれから、顔の正面方向144と視線方向145のなす角度β(図6参照)を算出する(ステップ135)。最後に、αとβを加算することにより、方向143に対する視線方向145の角度θを算出する(ステップ136)。
【0038】
視線移動量判定手段122は、ある時点でのθと、それから所定時間を経過した時点でのθの差(絶対値)を視線移動量として求め、これと所定値との大小判定を行うことになる。なお、視線移動量を水平方向及び垂直方向それぞれについて求め、その合計を視線移動量とするのが精度的には好ましいが、ここでは関心度合の高低を認識するための目安として利用できる程度の精度で視線移動量を検出できれば十分であるため、簡便には水平方向又は垂直方向についてのみ視線移動量を算出することも可能である。
【0039】
ステップ130における肌色領域検出のアルゴリズム例を、図16及び図17に示すフローチャートを参照し説明する。図16のステップ401で、撮像手段120より入力された画像データの全画素を対象として肌色画素を検出する。画像データがR,G,Bの3コンポーネントからなり、各コンポーネントの値r,g,bが8ビットで表され0から255までの値をとるものとすると、例えば図17に示すような条件判定によって肌色画素と非肌色画素が識別される。ただし、ここに例示した判定条件は、日本人の平均的な肌色を想定したものであり、想定する人種の違い等によって判定条件を適宜変更する必要がある。
【0040】
図17のステップ411で、注目した画素のr,g,b値について”r<g<b”の条件が満たされるか調べる。この条件が満たされるならば、ステップ412で”30<b<150”の条件が満たされるか調べる。この条件が満たされるならば、次のステップ413で”b×1.1<g<b×1.4”の条件が満たされるか調べる。この条件が満たされるならば、ステップ414で”g+b×1.1<r<g+b×1.4+15”の条件が満たされるか調べる。この条件が満たされたとき、つまりステップ411〜414の全てで条件が満たされたときに、ステップ415で注目した画素が肌色画素と判定される。ステップ411〜414のいずれかで条件が満たされないときには、ステップ416で注目した画素が非肌色画素と判定される。
【0041】
図16に戻る。ステップ402で、連続した(相互に接続した、もしくは、相互の距離が一定値以下の)肌色画素の塊に外接する矩形を作成する。ここで作成された外接矩形の中で最大の外接矩形の内部の領域が、図5のステップ131で顔領域として検出されることになる。
【0042】
図5のステップ132における目の色検出のアルゴリズム例を図18及び図19に示すフローチャートを参照して説明する。ステップ132では、直前のステップ131で検出された顔領域より、黒目に相当する色の画素(黒目画素)と、白目に相当する色の画素(白目画素)を検出する。図18は黒目画素の検出アルゴリズム例を示し、図19は白目画素の検出アルゴリズム例を示す。ただし、各画素のR,G,Bコンポーネントの値r,g,bは8ビットで表され、0から255までの値をとるものとしている。
【0043】
まず、図18を参照し、黒目画素の検出について説明する。ステップ501で、注目した画素について”0<r<60かつ0<b<50かつ0<g<50”の条件が満たされるか調べる。この条件が満たされるならば、ステップ504で注目した画素は黒目画素と判定される。ステップ501での条件が満たされないならば、ステップ502で”−20<r×2−g−b<20”の条件が満たされるか調べ、その条件が満たされないならばステップ504で注目した画素は黒目画素と判定される。ステップ502での条件が満たされるならば、ステップ503で”60≦r<150”の条件が満たされるか調べ、この条件が満たされるならばステップ504で注目した画素は黒目画素と判定されるが、条件が満たされないならばステップ505で注目した画素は非黒目画素と判定される。
【0044】
次に、図19を参照し、白目画素の検出について説明する。ステップ511で注目した画素について”r>200”の条件が満たされるか調べる。この条件が満たされるならば、ステップ512で”g>190”の条件が満たされるか調べる。この条件が満たされるならば、ステップ513で”b>190”の条件が満たされるか調べ、条件が満たされるならばステップ514で注目した画素は白目画素と判定される。ステップ511,512,513のいずれかの条件が満たされないならば、ステップ515で注目した画素は非白目画素と判定される。
【0045】
なお、ここに例示した判定条件は、日本人の平均的な黒目と白目の色を想定したものであり、想定する人種の違い等によって判定条件を適宜変更する必要がある。
【0046】
図5のステップ133の検出のアルゴリズム例を図20及び図21を参照して説明する。図20のステップ601で、連続した(相互に接続した、もしくは、相互の距離が一定値以下の)目の色の画素(黒目画素及び白目画素)の塊に外接する矩形を作成する。次のステップ602で、それら外接矩形の中で面積が最大の外接矩形と、その次に面積が大きな外接矩形を、それぞれ目の領域として検出する。すなわち、図21に模式的に示すような目に外接する矩形領域610が、目の領域として検出される(左右の目の領域が検出されるが、その一方のみ図21に示されている)。そしてステップ603で、それぞれの目の領域の中心位置と、目の領域内部の黒目画素群の中心位置が瞳612(又は黒目612)の位置として検出される。
【0047】
この実施例に係る関心度合認識部103は、以上に説明したように構成はやや複雑であるが、次に説明する脈拍数や特定操作部の状態に基づいて関心度合を認識するものと違い、利用者の手指が常時触れるような操作部や関心度合を推定できるような特定の操作部を備えない画像表示装置にも適用できるという利点を有する。
【0048】
図7は、関心度合認識部103の別の実施例を示すブロック図である。本実施例に係る関心度合認識部103は、利用者の脈拍数から関心度合の高低を認識するものであり、脈拍検知手段150、脈拍数検出手段151及び脈拍数判定手段152からなる。
【0049】
脈拍検知手段150は、例えば光学式脈拍センサであり、発光ダイオードなどの発光素子により利用者の手指などに光を照射し、その反射光又は透過光をフォトトランジスタなどの受光素子により受光し、血中のヘモグロビンの濃淡に応じた信号を出力する。脈拍数検出手段151は、脈拍検知手段150からの信号から脈波を検出し、脈波の時間間隔から利用者の脈拍数を算出する手段である。脈拍数判定手段152は、脈拍数検出手段151により検出された脈拍数と所定値とを比較判定する手段であり、その判定結果が関心度合認識部103の認識結果である。すなわち、脈拍数が所定値を越えないときに関心度合は低いと認識され、脈拍数が所定値を越えたときに関心度合は高いと認識され、その認識結果を示す信号が脈拍数判定手段152より出力される。この信号が関心度合認識部103の出力信号として表示画像選択部101に入力される。
【0050】
遊技機のような画像表示装置の場合には、装置本体又は装置本体から分離したコントローラユニットに、利用者が常に指又は手を触れている操作部を備えていることが多い。例えば、パチンコの場合には、玉の打ち出しを調節するためのダイヤル状の操作部がある。携帯型遊技機には、いわゆる十字キーのような、ほぼ常時、利用者の手指が接触する操作部が設けられる。このような操作部に脈拍検知手段150としての脈拍センサなどを組み込むと効果的である。
【0051】
パチンコを例に説明する。図8はパチンコの模式的な正面図であり、160は装置本体、161は画像表示部分、162は玉の打ち出しを調節するために利用者が通常右手で操作するダイヤル状の操作部である。163はいわゆる連打ボタンであり、操作部162又は装置本体160に設けられる。図示しないが、脈拍検知手段150としての脈拍センサを操作部162の例えば利用者の手指が触れる外周部分に組み込むことにより、利用者の脈拍数を検出して関心度合の高低を認識することができる。
なお、装置本体やコントローラユニットの一部を手で握って操作するような遊技機などの場合には、その手で握られる部分に脈拍センサを設けるようにしてもよい。また、イヤホンを使用する画像表示装置の場合には、イヤホンの内部に脈拍センサを組み込むこともできる。多少の煩わしさを厭わないのであれば、脈拍センサを手指や手首に装着することも可能であり、この場合には感圧式の脈拍センサを用いることもできる。
【0052】
図9は、関心度合認識部103の別の実施例を示すブロック図である。本実施例に係る関心度合認識部103は、利用者によって操作される特定の操作手段の操作状態から利用者の関心度合の高低を認識するものであり、操作手段170と状態判定手段171からなる。
【0053】
操作手段170は、例えば図8に示す連打ボタン163のように、それが操作されている時には利用者の関心度合が高いと推定されるような特殊な操作ボタンなどである。状態判定手段171は、操作手段170の状態(例えばオン、オフ)を判定する手段であり、その判定結果が関心度合認識部103の認識結果である。すなわち、操作手段170が操作されている状態と判定された時には関心度合は高いと認識され、操作されていない状態と判定された時には関心度合は低いと認識されることになる。この認識結果を示す信号が状態判定手段171より出力され、この信号は関心度合認識部103の出力信号として表示画像選択部101に入力される。
【0054】
<実施形態2>
図10は本発明の実施形態2を説明するためのブロック図である。この実施形態に係る画像表示装置は、2以上の動画像を入力する画像入力部200と、この画像入力部200により入力される2以上の動画像から表示させる動画像を選択する(表示画像を切り替える)表示画像選択部201と、この表示画像選択部201により選択された動画像を画面表示する画像表示部202と、当該画像表示装置の利用者の関心度合が低いか高いかを認識する関心度合認識部203とから構成される。関心度合認識部203から、関心度合の高低を示す信号が表示画像選択部201に入力される。
【0055】
本実施形態においては、画像入力部200により入力される動画像は、圧縮された符号データであるため、入力される2以上の動画像を復号するための2以上の復号部204_1〜204_nが設けられている。ただし、復号部204の数を動画像数より少なくし、1つの復号部204で時分割処理によって複数の動画像の復号を行うようにすることも可能である。表示画像選択部201には、復号部204で復号された動画像の画素データが入力される。
【0056】
一実施例によれば、画像入力部200は、このような複数の動画像を例えば大容量記憶装置や大容量記録媒体から読み出し入力する構成とされる。
【0057】
別の実施例によれば、画像入力部200は、ネットワークを通じて動画像の符号データを受信し入力する構成とされる。この場合に、受信した複数の動画像の符号データを記憶装置に一旦蓄積した後、その記憶装置より読み出して入力する形態と、受信した動画像をそのまま入力する形態のいずれもとり得る。後者の形態の場合には、動画像の受信動作と並行して、復号動作、表示画像選択動作及び画像表示動作が実行されることになる。
【0058】
本実施形態においては、入力される2以上の動画像のそれぞれについてフレーム毎の動き量を推定するための動き量推定部205_1〜205_nが設けられている(動き量推定の方法については後述)。表示画像選択部201には、各動き量推定部205より推定された動き量を示す信号が入力される。
【0059】
関心度合認識部203は、前記実施形態1における関心度合認識部103(図1)と同様の構成であるので、その説明は繰り返さない。
【0060】
図11に、表示画像選択部201における画像選択制御の処理フローを示す。表示画像選択部201は、例えば一定の時間間隔で、関心度合認識部203から入力される信号によって認識された利用者の関心度合が高いか否かを調べ(ステップ210)、関心度合が高いときには(ステップ210,Yes)、画像入力部100より入力された2以上の動画像の中から、推定された動き量が最大の動画像を選択する(ステップ211)。すなわち、利用者の関心度合が高い時には、利用者の目の負担は大きいがゲームなどを盛り上げる効果の高い動きの激しい動画像を表示させる。関心度合が低いときには(ステップ210,No)、入力された2以上の動画像の中から、推定された動き量が最小の動画像を選択する(ステップ212)。すなわち、利用者の関心度合が低い時には、利用者の目の疲労の軽減を優先し、目の負担の少ない動きの遅い動画像を表示させるわけである。このような画像選択を行うために、当然のことながら、表示画像選択部201は、動き量推定部205_1〜205_nより入力される信号で示される推定動き量の中から、最大の動き量と最小の動き量を検出する手段を含んでおり、ステップ211では検出された最大の動き量に対応した動画像を選択し、ステップ212では検出された最小の動き量に対応した動画像を選択する。
【0061】
このように、基本的には図3に関連して説明したと同様の動画像の選択を行う。ただし、本実施形態においては、特定の2つの動画像のいずれかが表示されるわけではなく、入力される2以上の動画像中で、その時々の推定動き量が最大又は最小の動画像が選択されて表示される。なお、前記実施形態1に関連して述べたように、表示画像の切り替えが余りにも短周期で起きると、表示画像を見ている者に違和感を感じさせる場合があり得る。このような不都合を避けるために、所定の複数フレーム(例えば150フレーム)の間隔で動き量の推定と図11に示す手順を実行するのが好ましいであろう。
【0062】
なお、復号器204を設けず、画像表示部202に復号機能を持たせ、表示画像選択部201より選択した動画像の符号データを画像表示部202に入力する構成とすることも可能であり、かかる態様も本発明に含まれる。あるいは、復号部204を設けず、表示画像選択部201に復号機能を持たせ、表示画像選択部201において選択した動画像の符号データを復号してから画像表示部202へ送るように構成することも可能であり、かかる態様も本発明に含まれる。
【0063】
次に、動き量推定部205について説明する。ここでは、入力される動画像として、Motion−JPEG2000のインターレース動画像を想定する。Motion−JPEG2000の動画像は、各フレームがJPEG2000のアルゴリズムによりフレーム内符号化されたものである。動き量推定の説明に必要な限度で、JPG2000の圧縮アルゴリズムの概要について説明する。
【0064】
図12は、JPEG2000の圧縮アルゴリズムを説明するためのブロック図である。JPEG2000では、画像を重複しない矩形領域(タイル)に分割し、タイル単位で処理が行われる。例えばRGBカラー画像の場合、各タイルの画像データは、色空間変換部300でYCbCrもしくはYUVへの色空間変換を施される。そして、2次元ウェーブレット変換部301でコンポーネント毎に2次元のウェーブレット変換(離散ウェーブレット変換)を適用され、複数のサブバンドに分解される。
【0065】
図13は2次元ウェーブレット変換の説明図である。(a)に示すタイル画像に2次元ウェーブレット変換を1回適用することにより、(b)に示す1LL,1HL,1LH,1HHの各サブバンドに分解される。1LLサブバンドに対し2次元ウェーブレット変換が適用されることにより、1LLサブバンドは(c)に示す2LL,2HL,2LH,1HHの各サブバンドに分解される。2LLサブバンドに2次元ウェーブレット変換を適用することにより、2LLサブバンドは(d)に示す3LL,3HL,3LH,3HHの各サブバンドに分解される。ここで、LL,HL,LH,HHの接頭の数字は、そのサブバンドの係数が何回のウェーブレット変換により得られたかを示すもので、デコンポジション(分解)レベルと呼ばれる。
【0066】
ウェーブレット変換として非可逆の9×7変換が用いられた場合には、量子化部302でウェーブレット変換係数はサブバンド毎に線形量子化される。その後、ウェーブレット未変換係数は、エントロピー符号化部303によりサブバンド毎にビットプレーン符号化される(詳しくは各ビットプレーンは3つのサブビットプレーンに分割されて符号化される)。そして、タグ処理部304において、得られた符号の中から不要な符号がトランケートされ、必要な符号がまとめられてパケットが生成され、パケットを必要な順番に並べるとともにタグ又はタグ情報が付加されることにより符号データ(コードストリーム)が形成される。このようなJPEG2000の符号データは、それを復号することなく、サブバンド毎の符号量を容易に計算することができる。
【0067】
さて、各フレームが飛び越し走査により偶数フィールドと奇数フィールドとに分けて撮像されたインターレース動画像の場合、各フレームの偶数フィールドと奇数フィールドの間で被写体が水平方向に移動すると、被写体の縦エッジ部に、櫛型状の1ラインおきの水平方向エッジが生じ、この水平方向エッジの長さは被写体の移動速度に比例する。この様子を図14に模式的に示す。ビデオカメラで撮影した動画像などにおける被写体の動きとしては水平方向の動きが圧倒的に多いため、上記櫛型の水平方向エッジの長さを、動画像の各フレームにおける動き量の尺度として用いることができる。
【0068】
上記櫛型の水平方向エッジの長さは、各フレームの符号データにおける1LHサブバンドの符号量に敏感に反映されるが、それ以外のサブバンドの符号量にはほとんど影響を及ぼさない。このことに着目し、各フレームの特定のサブバンドの符号量に基づいて動き量(被写体の移動速度)を推定することができる。
【0069】
一実施例によれば、動き量推定部205は、図15に示すアルゴリズムによって各フレームの動き量を推定する。まず、動画像の各フレームの符号データより、1LHサブバンドについての符号量sum1LHを算出し(ステップ220)、次に1HLサブバンドについての符号量sum1HLを算出する(ステップ221)。そして、符号量sum1LHを符号量sum1HLで除算することにより動き量speedを算出する(ステップ222)。
この動き量推定にはYコンポーネント(輝度成分)を用いる。色差成分は間引かれることが多く、被写体が移動しても櫛型が現れにくいためである。
【0070】
別の実施例によれば、図示しないが、動き量推定部205において、1LH,1HL,2LH,2HLの各サブバンドの符号量sum1LH,sum1HL,sum2LH,sum2HLが算出され、動き量として
speed=(sum1LH/sum1HL)/(sum2LH/sum2HL)
が算出される。かかる態様も本発明に含まれる。
【0071】
なお、2次元ウェーブレット変換を用いるJPEG2000以外の符号化方式によりフレーム内符号化されたインターレース動画像についても、同様の特定のサブバンドの符号量を用いた動き量推定が可能である。
【0072】
また、本実施形態において、動き量推定方法は適宜変更する必要があるが、基本的には動画像の符号化方式は任意であり、インターレース動画像でもノンインターレース動画像でもよい。
【0073】
以上、主としてパチンコなどの遊技機を例に本発明に係る画像表示装置について説明したが、本発明は遊技機以外の画像表示機能を備える各種機器にも広く適用可能であることは明らかである。
【0074】
また、図示しないが、本発明に係る画像表示装置を構成する各手段として、パソコンなどの汎用コンピュータやマイクロコンピュータのようなコンピュータを機能させるための1以上のプログラムをコンピュータにロードし実行させることにより、そのコンピュータを本発明に係る画像表示装置として動作させることができる。このような1以上のプログラム、及び、それが記録された磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体記憶素子などの各種情報記録(記憶)媒体も、本発明に包含される。
【0075】
また、本発明に係る画像表示装置の処理手順についての以上の説明は、本発明に係る画像表示制御方法の説明でもあることは明らかである。よって、本発明に係る画像表示制御方法についての説明は繰り返さない。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の実施形態1に係る画像表示装置のブロック図である。
【図2】図1中の表示画像選択部における画像選択制御を説明するためのフローチャートである。
【図3】関心度合の変化に応じた動画像の切り替えの説明図である。
【図4】関心度合認識部の一実施例を示すブロック図である。
【図5】図4中の視線方向認識処理手段の認識アルゴリズムを説明するためのフローチャートである。
【図6】視線方向検出の説明図である。
【図7】関心度合認識部の別の実施例を示すブロック図である。
【図8】画像表示装置の平面形態の一例を示す模式的平面図である。
【図9】関心度合認識部の別の実施例を示すブロック図である。
【図10】本発明の実施形態2に係る画像表示装置のブロック図である。
【図11】図10中の表示画像選択部における画像選択制御を説明するためのフローチャートである。
【図12】JPEG2000の符号化アルゴリズムを説明するためのブロック図である。
【図13】2次元ウェーブレット変換の説明図である。
【図14】インターレース動画像の櫛型についての説明図である。
【図15】図10中の動き量推定部の推定アルゴリズムを説明するためのフローチャートである。
【図16】肌色領域検出アルゴリズムを説明するためのフローチャートである。
【図17】肌色画素検出アルゴリズムを説明するためのフローチャートである。
【図18】黒目画素検出アルゴリズムを説明するためのフローチャートである。
【図19】白目画素検出アルゴリズムを説明するためのフローチャートである。
【図20】目の領域検出アルゴリズムを説明するためのフローチャートである。
【図21】目の領域、瞳及び黒目を示す模式図である。
【符号の説明】
【0077】
100 画像入力部
101 表示画像選択部
102 画像表示部
103 関心度合認識部
200 画像入力部
201 表示画像選択部
202 画像表示部
203 関心度合認識部
204 復号部
205 動き量推定部
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示機能を有する様々な機器(本明細書において画像表示装置と総称する)の分野に係り、より詳細には、そのような画像表示装置において利用者の状態を考慮して表示画像を切り替える技術に関する。
【背景技術】
【0002】
撮影者の視線を検知し、動画像又は連写静止画像の視線位置を含む領域について、それ以外の領域より圧縮率を下げて符号化を行うデジタルビデオカメラ等の画像処理装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
自動車の運転席前方に設けられた撮影手段により運転者の顔面を撮影し、撮影画像から運転者の顔の向き及び視線の方向を求め、運転者の顔の向き及び視線の方向に基づいて運転補助装置の作動を制御する運転操作補助装置が知られている(例えば特許文献2参照)。同種の視線検出については例えば特許文献3にも記載されている。
【0004】
脈拍数については様々な検出方法が実用化されているが、その1つが反射型又は透過型の光学式脈拍センサを用いる方法である(例えば特許文献4,5参照)。また、感圧センサを用いて脈圧を検出することにより脈拍数を測定する方法もある(例えば特許文献6参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2001-333430号公報
【特許文献2】特許第32280886号公報
【特許文献3】特開平5-298015号公報
【特許文献4】特開平7-124131号公報
【特許文献5】特開平9-253062号公報
【特許文献6】特開平5-31085号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、高度な画像表示機能を有する機器の普及がめざましい。例えば、近年のパチンコやリズム系ゲーム機などは、まるで画像表示性能を競い合うかのように、ダイナミックな3次元画像や動きの激しい動画像を表示するものが多い。このような画像は利用者を興奮させ、ゲームの面白さを増すものではあるが、それを見続けると利用者の目の疲労が激しいという問題がある。
【0007】
このことに鑑み、本発明は、利用者の関心度合に応じて表示する画像を切り替えることにより、利用者の興を削ぐことなく利用者の目の負担の軽減を図ったパチンコ、リズム系ゲーム機などの遊技機、その他の画像表示機能を有する各種機器(前述のように画像表示装置と総称する)及びその画像表示制御方法を提供することを目的とする。
【0008】
ここで、表示画像の切換とは、用意された複数の画像の中から表示させる画像を選択することであり、例えば、3次元画像から2次元画像への切り替えもしくは逆の切り替え、動画像から静止画像への切り替えもしくはは逆の切り替え、又は、動きの速い動画像から動きの遅い動画像への切り替えもしくは逆の切り替えなどである。利用者の関心度合とは、利用者の関心の強弱のことであるが、これは時々刻々と変化するのが通常である。本発明は、このような利用者の関心度合の高低を認識することにより、表示させる画像の選択を制御する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1記載の発明は、複数の画像を入力する画像入力手段と、この画像入力手段により入力される複数の画像の中から表示させる画像を選択する表示画像選択手段と、この表示画像選択手段により選択された画像を表示する画像表示手段と、利用者の関心度合が低いか高いかを認識する関心度合認識手段とを有し、前記表示画像選択手段は、前記関心度合認識手段による認識結果に基づいて選択する画像を決定することを特徴とする画像表示装置である。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明による画像表示装置であって、前記複数の画像には2次元画像と3次元画像が含まれ、前記表示画像選択手段は、前記関心度合認識手段により関心度合が低いと認識された時には前記複数の画像中の2次元画像を選択し、前記関心度合認識手段により関心度合が高いと認識された時には前記複数の画像中の3次元画像を選択することを特徴とする画像表示装置である。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明による画像表示装置であって、前記複数の画像には静止画像と動画像が含まれ、前記表示画像選択手段は、前記関心度合認識手段により関心度合が低いと認識された時には前記複数の画像中の静止画像を選択し、前記関心度合認識手段により関心度合が高いと認識された時には前記複数の画像中の動画像を選択することを特徴とする画像表示装置である。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明による画像表示装置であって、前記複数の画像には動き量の小さな動画像と動き量の大きな動画像が含まれ、前記表示画像選択手段は、前記関心度合認識手段により関心度合が低いと認識された時には前記複数の画像中の動き量の小さな動画像を選択し、前記関心度合認識手段により関心度合が高いと認識された時には前記複数の画像中の動き量の大きな動画像を選択することを特徴とする画像表示装置である。
【0013】
請求項5記載の発明は、複数の動画像を入力する画像入力手段と、この前記画像入力手段により入力される複数の動画像の中から表示させる動画像を選択する表示画像選択手段と、この表示画像選択手段により選択された動画像を表示する画像表示手段と、利用者の関心度合が低いか高いかを認識する関心度合認識手段と、前記複数の動画像のそれぞれの動き量を推定する動き量推定手段とを有し、前記表示画像選択手段は、前記関心度合認識手段により関心度合が低いと認識された時には前記複数の動画像中の前記動き量推定手段により推定された動き量が最小の動画像を選択し、前記関心度合認識手段により関心度合が高いと認識された時には前記複数の動画像中の前記動き量推定手段により推定された動き量が最大の動画像を選択することを特徴とする画像表示装置である。
【0014】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の画像表示装置であって、前記画像入力手段はネットワーク経由で画像を受信する手段からなることを特徴とする画像表示装置である。
【0015】
請求項7記載の発明は、請求項6記載の発明による画像表示装置であって、前記複数の動画像に対する前記動き量推定手段による動き量推定及び前記表示画像選択手段による動画像選択が、前記画像入力手段による前記複数の動画像の受信と並行して行われることを特徴とする画像表示装置である。
【0016】
請求項8記載の発明は、請求項5記載の発明による画像表示装置であって、前記複数の動画像はそれぞれ2次元ウェーブレット変換を用いる符号化方式により符号されたインターレース動画像であり、前記動き量推定手段は動画像の特定のサブバンドについての符号量に基づいて動き量を推定することを特徴とする画像表示装置である。
【0017】
請求項9記載の発明は、請求項1乃至8のいずれか1項記載の発明による画像表示装置であって、前記関心度合認識手段は利用者の視線の移動量から関心度合が低いか高いかを認識する手段であることを特徴する画像表示装置である。
【0018】
請求項10記載の発明は、請求項1乃至8のいずれか1項記載の発明による画像表示装置であって、前記関心度合認識手段は利用者の脈拍数から関心度合が低いか高いかを認識する手段であることを特徴する画像表示装置である。
【0019】
請求項11記載の発明は、請求項1乃至8のいずれか1項記載の発明による画像表示装置であって、利用者により操作される特定の操作手段を有し、前記関心度合認識手段は前記特定の操作手段の操作状態から関心度合が低いか高いかを認識する手段であることを特徴とする画像表示装置である。
【0020】
請求項12記載の発明は、画像を表示する機能を有する画像表示装置の画像表示制御方法であって、複数の画像より表示させる画像を選択する表示画像選択工程と、
利用者の関心度合が低いか高いかを認識する関心度合認識工程とを有し、
前記表示画像選択工程は前記関心度合認識工程による認識結果に基づいて選択する画像を決定することを特徴とする画像表示制御方法である。
【0021】
請求項13記載の発明は、画像を表示する機能を有する画像表示装置の画像表示制御方法であって、複数の動画像より表示させる動画像を選択する表示画像選択工程と、前記複数の動画像のそれぞれについて動き量を推定する動き量推定工程と、利用者の関心度合が低いか高いかを認識する関心度合認識工程とを有し、前記表示画像選択工程は、前記関心度合認識工程により関心度合が低いと認識された時には前記複数の動画像中の前記動き量推定工程で推定された動き量が最小の動画像を選択し、前記関心度合認識工程により関心度合が高いと認識された時には前記複数の動画像中の前記動き量推定工程で推定された動き量が最大の動画像を選択することを特徴とする画像表示制御方法である。
【0022】
請求項14記載の発明は、請求項1乃至11のいずれか1項記載の発明による画像表示装置の各手段としてコンピュータを機能させるプログラムである。
【0023】
請求項15記載の発明は、請求項1乃至11のいずれか1項記載の発明による画像表示装置の各手段としてコンピュータを機能させるプログラムが記録された、コンピュータが読み取り可能な情報記録媒体である。
【発明の効果】
【0024】
請求項1〜13に記載の発明によれば、パチンコ、リズム系ゲーム機などの遊技機、その他の画像表示機能を備える各種の機器において、利用者の関心度合が高い時には、例えばゲームなどを盛り上げる効果の高い3次元画像や動きの激しい動画像を表示させる一方、利用者の関心度合が低い時は、例えば利用者の目に負担の少ない2次元画像や静止画像もしくは動きの遅い動画像を表示させることにより、利用者の興を削ぐことなく、利用者の目の疲労を軽減することができる。請求項5に記載の発明によれば、2以上の動画像の中から、その時々の動き量が最大の動画像又は最小の動画像を利用者の関心度合に応じて表示させることができる。請求項14,15に記載の発明によれば、請求項1〜11に記載の発明に係る画像表示装置を、コンピュータを利用し容易に実現することができる等々の効果を得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用い説明する。
【0026】
<実施形態1>
図1は本発明の実施形態1を説明するためのブロック図である。この実施形態に係る画像表示装置は、例えばパチンコやリズム系ゲーム機のような遊技機であり、予め用意された2以上の画像を入力する画像入力部100と、この画像入力部100により入力される2以上の画像から表示させる画像を選択する(表示画像を切り替える)表示画像選択部101と、この表示画像選択部101により選択された画像を画面表示する画像表示部102と、当該画像表示装置の利用者の関心度合が低いか高いかを認識する関心度合認識部103とから構成される。関心度合認識部103からは関心度合の高低を示す信号が出力され、この信号は表示画像選択部101に入力される。この信号から表示画像選択部101は関心度合の高低を知ることができる。
【0027】
本実施形態においては、画像入力部100により入力される画像は、直ちに表示可能な画素データである。一実施例によれば、画像入力部100は、このような複数の画像を例えば大容量記憶装置や大容量記録媒体から読み出し入力する構成とされる。別の実施例によれば、画像入力部100は、大容量記憶装置や大容量記録媒体に圧縮された符号データの形で蓄積されている画像を読み出し、それを復号してから入力する構成とされる。別の実施例によれば、画像入力部100は、ネットワークを通じて画像の符号データを受信し、それを復号して入力する構成とされる。
【0028】
図2に、表示画像選択部101における画像選択制御の処理フローを示す。表示画像選択部101は、例えば一定の時間間隔で、関心度合認識部103の出力信号を調べることにより、関心度合認識部103により認識された利用者の関心度合が高いか否かを判定し(ステップ110)、関心度合が高いときには(ステップ110,Yes)、画像入力部100より入力された2以上の画像の中からゲームを盛り上げる効果の高い画像を選択する(ステップ111)。関心度合が低いときには(ステップ110,No)、入力された2以上の画像の中から利用者の目に負担の少ない画像を選択する(ステップ112)。このような画像選択の具体例を次に示す。
【0029】
一実施例によれば、入力される2以上の画像に、インパクトのある3次元画像と、目の疲労の少ない2次元画像が含まれ、ステップ111ではその3次元画像が選択され、ステップ112ではその2次元画像が選択される。すなわち、3次元画像と2次元画像が用意されている場合に、利用者がゲームに強い関心を抱いた時にはインパクトのある3次元画像を表示させるが、利用者の関心が低い時には目の疲労の少ない2次元画像を表示させるわけである。
【0030】
別の実施例によれば、入力される2以上の画像に動画像と静止画像が含まれ、ステップ111では動画像が選択され、ステップ112では静止画像が選択される。すなわち、動画像と静止画像が用意されている場合に、利用者の関心度合が高い時にはダイナミックな動画像を表示させるが、関心度合が低い時には目の疲労を軽減するために静止画像を表示させる。
【0031】
別の実施例によれば、入力される2以上の画像に、動き量の大きいことが既知の動画像と、動き量の小さいことが既知の動画像が含まれ、ステップ111ではその動き量の大きな動画像が選択され、ステップ112では動き量の小さな動画像が選択される。すなわち、動き量の大きな動画像と動き量の小さな動画像が用意されている場合に、利用者の関心度合が高い時には動き量の大きな動画像を表示させるが、関心度合が低い時には動き量の小さな動画像を表示させる。
【0032】
なお、このような動画像の切り替えは、図3に示すように、フレーム周期に合わせて行う必要がある。図3において、Aは動き量の小さな動画像のフレーム、Bは動き量の大きな動画像のフレームであり、関心度合が高くなると動き量の大きな動画像のフレームBが表示され、その後、関心度合が低くなると動き量の小さな動画像のフレームAが表示される様子が模式的に示されている。ただし、このような動画像の切り替えが余りにも短周期で起きると、表示画像を見ている者に違和感を感じさせる場合があり得る。このような不都合を避けるために、所定の複数フレーム(例えば150フレーム)の間隔で図2のような手順を実行するのが好ましいであろう。同様の不都合は、3次元画像と2次元画像の間での切り替えの場合でも動画像と静止画像の間での切り替えの場合でも起こり得るので、ある程度の長さの時間間隔で図2の手順を実行するのが好ましいであろう。
【0033】
関心度合認識部103は、利用者の生理的反応や特定の行動などから関心度合が低いか高いかを認識する手段であり、様々な構成をとり得る。例えば、利用者がゲームの展開などに強い関心を持っている時には、通常、画像表示部102の表示画面を凝視し視線移動が少ない。したがって、利用者の視線の移動量から関心度合の高低を認識可能である。また、利用者のゲームの展開への関心が高まると利用者の脈拍数(もしくは心拍数)が増加する傾向があることから、利用者の脈拍数から関心度合の高低を認識可能である。また、パチンコなどでは、いわゆる連打ボタンもしくは連射ボタンといった、それが操作される時には利用者の関心度合が高いと推定される特定の操作手段を備えることが多いため、そのような特定の操作手段の操作状態(スイッチのオン、オフなど)から利用者の関心度合の高低を認識することも可能である。
【0034】
図4は、関心度合認識部103の一実施例を示すブロック図である。本実施例に係る関心度合認識部103は、利用者の視線の移動量から関心度合の高低を認識するものであり、撮像手段120、視線方向認識処理手段121及び視線移動量判定手段122から構成される。
【0035】
撮像手段120は利用者の顔を撮影する手段であり、例えば画像表示装置に装備されたCCDカメラである。視線方向認識処理手段121は、撮像手段120より入力される画像データから利用者の視線方向を認識する手段である。視線移動量判定手段122は、視線方向認識処理手段121により認識された視線方向から所定時間内の視線の移動量を算出し、その移動量が所定の値を越えるか否かを判定する手段であり、その判定結果が関心度合認識部103の認識結果である。すなわち、視線の移動量が所定値を越えないときに関心度合は高いと認識され、視線の移動量が所定値を越えたときに関心度合は低いと認識されたことになり、このような判定結果つまり関心度合が高いか低いかを示す信号が視線移動量判定手段122より出力される。この信号が、関心度合認識部103の出力信号となる。
【0036】
図5は視線方向認識処理手段121の視線方向算出アルゴリズムの一例を説明するためのフローチャートである。図6は利用者の視線方向の算出方法を説明するための模式図であり、140は真上から見た利用者の頭部を表し、141,142は利用者の目を表す。143は利用者が画像表示装置の表示画面を真正面から見た時の視線の方向を表し、144は利用者の顔の正面方向を表し、145はその時の利用者の視線方向を表す。
【0037】
図5を参照する。撮像手段120により撮影された画像データより肌色領域を検出する(ステップ130)。次に、検出した肌色領域の中で一番面積の大きな領域を顔領域として検出する(ステップ131)。次に、検出した顔領域の中から目の色の領域を検出する(ステップ132)。次に、その目の色の領域の中で面積の大きな2つの領域を目の領域として検出するとともに、それぞれの目の領域の中心位置と、瞳もしくは黒目の位置を検出する(ステップ133)。なお、黒目の中心を瞳の位置として検出してよい。次に顔領域と両目の領域の位置から、左目と右目の中心から顔面に垂直にのばした線の方向すなわち顔の正面方向144と方向143のなす角度α(図6参照)を算出する(ステップ134)。次に、目の領域の中心からの瞳(又は黒目)の位置のずれから、顔の正面方向144と視線方向145のなす角度β(図6参照)を算出する(ステップ135)。最後に、αとβを加算することにより、方向143に対する視線方向145の角度θを算出する(ステップ136)。
【0038】
視線移動量判定手段122は、ある時点でのθと、それから所定時間を経過した時点でのθの差(絶対値)を視線移動量として求め、これと所定値との大小判定を行うことになる。なお、視線移動量を水平方向及び垂直方向それぞれについて求め、その合計を視線移動量とするのが精度的には好ましいが、ここでは関心度合の高低を認識するための目安として利用できる程度の精度で視線移動量を検出できれば十分であるため、簡便には水平方向又は垂直方向についてのみ視線移動量を算出することも可能である。
【0039】
ステップ130における肌色領域検出のアルゴリズム例を、図16及び図17に示すフローチャートを参照し説明する。図16のステップ401で、撮像手段120より入力された画像データの全画素を対象として肌色画素を検出する。画像データがR,G,Bの3コンポーネントからなり、各コンポーネントの値r,g,bが8ビットで表され0から255までの値をとるものとすると、例えば図17に示すような条件判定によって肌色画素と非肌色画素が識別される。ただし、ここに例示した判定条件は、日本人の平均的な肌色を想定したものであり、想定する人種の違い等によって判定条件を適宜変更する必要がある。
【0040】
図17のステップ411で、注目した画素のr,g,b値について”r<g<b”の条件が満たされるか調べる。この条件が満たされるならば、ステップ412で”30<b<150”の条件が満たされるか調べる。この条件が満たされるならば、次のステップ413で”b×1.1<g<b×1.4”の条件が満たされるか調べる。この条件が満たされるならば、ステップ414で”g+b×1.1<r<g+b×1.4+15”の条件が満たされるか調べる。この条件が満たされたとき、つまりステップ411〜414の全てで条件が満たされたときに、ステップ415で注目した画素が肌色画素と判定される。ステップ411〜414のいずれかで条件が満たされないときには、ステップ416で注目した画素が非肌色画素と判定される。
【0041】
図16に戻る。ステップ402で、連続した(相互に接続した、もしくは、相互の距離が一定値以下の)肌色画素の塊に外接する矩形を作成する。ここで作成された外接矩形の中で最大の外接矩形の内部の領域が、図5のステップ131で顔領域として検出されることになる。
【0042】
図5のステップ132における目の色検出のアルゴリズム例を図18及び図19に示すフローチャートを参照して説明する。ステップ132では、直前のステップ131で検出された顔領域より、黒目に相当する色の画素(黒目画素)と、白目に相当する色の画素(白目画素)を検出する。図18は黒目画素の検出アルゴリズム例を示し、図19は白目画素の検出アルゴリズム例を示す。ただし、各画素のR,G,Bコンポーネントの値r,g,bは8ビットで表され、0から255までの値をとるものとしている。
【0043】
まず、図18を参照し、黒目画素の検出について説明する。ステップ501で、注目した画素について”0<r<60かつ0<b<50かつ0<g<50”の条件が満たされるか調べる。この条件が満たされるならば、ステップ504で注目した画素は黒目画素と判定される。ステップ501での条件が満たされないならば、ステップ502で”−20<r×2−g−b<20”の条件が満たされるか調べ、その条件が満たされないならばステップ504で注目した画素は黒目画素と判定される。ステップ502での条件が満たされるならば、ステップ503で”60≦r<150”の条件が満たされるか調べ、この条件が満たされるならばステップ504で注目した画素は黒目画素と判定されるが、条件が満たされないならばステップ505で注目した画素は非黒目画素と判定される。
【0044】
次に、図19を参照し、白目画素の検出について説明する。ステップ511で注目した画素について”r>200”の条件が満たされるか調べる。この条件が満たされるならば、ステップ512で”g>190”の条件が満たされるか調べる。この条件が満たされるならば、ステップ513で”b>190”の条件が満たされるか調べ、条件が満たされるならばステップ514で注目した画素は白目画素と判定される。ステップ511,512,513のいずれかの条件が満たされないならば、ステップ515で注目した画素は非白目画素と判定される。
【0045】
なお、ここに例示した判定条件は、日本人の平均的な黒目と白目の色を想定したものであり、想定する人種の違い等によって判定条件を適宜変更する必要がある。
【0046】
図5のステップ133の検出のアルゴリズム例を図20及び図21を参照して説明する。図20のステップ601で、連続した(相互に接続した、もしくは、相互の距離が一定値以下の)目の色の画素(黒目画素及び白目画素)の塊に外接する矩形を作成する。次のステップ602で、それら外接矩形の中で面積が最大の外接矩形と、その次に面積が大きな外接矩形を、それぞれ目の領域として検出する。すなわち、図21に模式的に示すような目に外接する矩形領域610が、目の領域として検出される(左右の目の領域が検出されるが、その一方のみ図21に示されている)。そしてステップ603で、それぞれの目の領域の中心位置と、目の領域内部の黒目画素群の中心位置が瞳612(又は黒目612)の位置として検出される。
【0047】
この実施例に係る関心度合認識部103は、以上に説明したように構成はやや複雑であるが、次に説明する脈拍数や特定操作部の状態に基づいて関心度合を認識するものと違い、利用者の手指が常時触れるような操作部や関心度合を推定できるような特定の操作部を備えない画像表示装置にも適用できるという利点を有する。
【0048】
図7は、関心度合認識部103の別の実施例を示すブロック図である。本実施例に係る関心度合認識部103は、利用者の脈拍数から関心度合の高低を認識するものであり、脈拍検知手段150、脈拍数検出手段151及び脈拍数判定手段152からなる。
【0049】
脈拍検知手段150は、例えば光学式脈拍センサであり、発光ダイオードなどの発光素子により利用者の手指などに光を照射し、その反射光又は透過光をフォトトランジスタなどの受光素子により受光し、血中のヘモグロビンの濃淡に応じた信号を出力する。脈拍数検出手段151は、脈拍検知手段150からの信号から脈波を検出し、脈波の時間間隔から利用者の脈拍数を算出する手段である。脈拍数判定手段152は、脈拍数検出手段151により検出された脈拍数と所定値とを比較判定する手段であり、その判定結果が関心度合認識部103の認識結果である。すなわち、脈拍数が所定値を越えないときに関心度合は低いと認識され、脈拍数が所定値を越えたときに関心度合は高いと認識され、その認識結果を示す信号が脈拍数判定手段152より出力される。この信号が関心度合認識部103の出力信号として表示画像選択部101に入力される。
【0050】
遊技機のような画像表示装置の場合には、装置本体又は装置本体から分離したコントローラユニットに、利用者が常に指又は手を触れている操作部を備えていることが多い。例えば、パチンコの場合には、玉の打ち出しを調節するためのダイヤル状の操作部がある。携帯型遊技機には、いわゆる十字キーのような、ほぼ常時、利用者の手指が接触する操作部が設けられる。このような操作部に脈拍検知手段150としての脈拍センサなどを組み込むと効果的である。
【0051】
パチンコを例に説明する。図8はパチンコの模式的な正面図であり、160は装置本体、161は画像表示部分、162は玉の打ち出しを調節するために利用者が通常右手で操作するダイヤル状の操作部である。163はいわゆる連打ボタンであり、操作部162又は装置本体160に設けられる。図示しないが、脈拍検知手段150としての脈拍センサを操作部162の例えば利用者の手指が触れる外周部分に組み込むことにより、利用者の脈拍数を検出して関心度合の高低を認識することができる。
なお、装置本体やコントローラユニットの一部を手で握って操作するような遊技機などの場合には、その手で握られる部分に脈拍センサを設けるようにしてもよい。また、イヤホンを使用する画像表示装置の場合には、イヤホンの内部に脈拍センサを組み込むこともできる。多少の煩わしさを厭わないのであれば、脈拍センサを手指や手首に装着することも可能であり、この場合には感圧式の脈拍センサを用いることもできる。
【0052】
図9は、関心度合認識部103の別の実施例を示すブロック図である。本実施例に係る関心度合認識部103は、利用者によって操作される特定の操作手段の操作状態から利用者の関心度合の高低を認識するものであり、操作手段170と状態判定手段171からなる。
【0053】
操作手段170は、例えば図8に示す連打ボタン163のように、それが操作されている時には利用者の関心度合が高いと推定されるような特殊な操作ボタンなどである。状態判定手段171は、操作手段170の状態(例えばオン、オフ)を判定する手段であり、その判定結果が関心度合認識部103の認識結果である。すなわち、操作手段170が操作されている状態と判定された時には関心度合は高いと認識され、操作されていない状態と判定された時には関心度合は低いと認識されることになる。この認識結果を示す信号が状態判定手段171より出力され、この信号は関心度合認識部103の出力信号として表示画像選択部101に入力される。
【0054】
<実施形態2>
図10は本発明の実施形態2を説明するためのブロック図である。この実施形態に係る画像表示装置は、2以上の動画像を入力する画像入力部200と、この画像入力部200により入力される2以上の動画像から表示させる動画像を選択する(表示画像を切り替える)表示画像選択部201と、この表示画像選択部201により選択された動画像を画面表示する画像表示部202と、当該画像表示装置の利用者の関心度合が低いか高いかを認識する関心度合認識部203とから構成される。関心度合認識部203から、関心度合の高低を示す信号が表示画像選択部201に入力される。
【0055】
本実施形態においては、画像入力部200により入力される動画像は、圧縮された符号データであるため、入力される2以上の動画像を復号するための2以上の復号部204_1〜204_nが設けられている。ただし、復号部204の数を動画像数より少なくし、1つの復号部204で時分割処理によって複数の動画像の復号を行うようにすることも可能である。表示画像選択部201には、復号部204で復号された動画像の画素データが入力される。
【0056】
一実施例によれば、画像入力部200は、このような複数の動画像を例えば大容量記憶装置や大容量記録媒体から読み出し入力する構成とされる。
【0057】
別の実施例によれば、画像入力部200は、ネットワークを通じて動画像の符号データを受信し入力する構成とされる。この場合に、受信した複数の動画像の符号データを記憶装置に一旦蓄積した後、その記憶装置より読み出して入力する形態と、受信した動画像をそのまま入力する形態のいずれもとり得る。後者の形態の場合には、動画像の受信動作と並行して、復号動作、表示画像選択動作及び画像表示動作が実行されることになる。
【0058】
本実施形態においては、入力される2以上の動画像のそれぞれについてフレーム毎の動き量を推定するための動き量推定部205_1〜205_nが設けられている(動き量推定の方法については後述)。表示画像選択部201には、各動き量推定部205より推定された動き量を示す信号が入力される。
【0059】
関心度合認識部203は、前記実施形態1における関心度合認識部103(図1)と同様の構成であるので、その説明は繰り返さない。
【0060】
図11に、表示画像選択部201における画像選択制御の処理フローを示す。表示画像選択部201は、例えば一定の時間間隔で、関心度合認識部203から入力される信号によって認識された利用者の関心度合が高いか否かを調べ(ステップ210)、関心度合が高いときには(ステップ210,Yes)、画像入力部100より入力された2以上の動画像の中から、推定された動き量が最大の動画像を選択する(ステップ211)。すなわち、利用者の関心度合が高い時には、利用者の目の負担は大きいがゲームなどを盛り上げる効果の高い動きの激しい動画像を表示させる。関心度合が低いときには(ステップ210,No)、入力された2以上の動画像の中から、推定された動き量が最小の動画像を選択する(ステップ212)。すなわち、利用者の関心度合が低い時には、利用者の目の疲労の軽減を優先し、目の負担の少ない動きの遅い動画像を表示させるわけである。このような画像選択を行うために、当然のことながら、表示画像選択部201は、動き量推定部205_1〜205_nより入力される信号で示される推定動き量の中から、最大の動き量と最小の動き量を検出する手段を含んでおり、ステップ211では検出された最大の動き量に対応した動画像を選択し、ステップ212では検出された最小の動き量に対応した動画像を選択する。
【0061】
このように、基本的には図3に関連して説明したと同様の動画像の選択を行う。ただし、本実施形態においては、特定の2つの動画像のいずれかが表示されるわけではなく、入力される2以上の動画像中で、その時々の推定動き量が最大又は最小の動画像が選択されて表示される。なお、前記実施形態1に関連して述べたように、表示画像の切り替えが余りにも短周期で起きると、表示画像を見ている者に違和感を感じさせる場合があり得る。このような不都合を避けるために、所定の複数フレーム(例えば150フレーム)の間隔で動き量の推定と図11に示す手順を実行するのが好ましいであろう。
【0062】
なお、復号器204を設けず、画像表示部202に復号機能を持たせ、表示画像選択部201より選択した動画像の符号データを画像表示部202に入力する構成とすることも可能であり、かかる態様も本発明に含まれる。あるいは、復号部204を設けず、表示画像選択部201に復号機能を持たせ、表示画像選択部201において選択した動画像の符号データを復号してから画像表示部202へ送るように構成することも可能であり、かかる態様も本発明に含まれる。
【0063】
次に、動き量推定部205について説明する。ここでは、入力される動画像として、Motion−JPEG2000のインターレース動画像を想定する。Motion−JPEG2000の動画像は、各フレームがJPEG2000のアルゴリズムによりフレーム内符号化されたものである。動き量推定の説明に必要な限度で、JPG2000の圧縮アルゴリズムの概要について説明する。
【0064】
図12は、JPEG2000の圧縮アルゴリズムを説明するためのブロック図である。JPEG2000では、画像を重複しない矩形領域(タイル)に分割し、タイル単位で処理が行われる。例えばRGBカラー画像の場合、各タイルの画像データは、色空間変換部300でYCbCrもしくはYUVへの色空間変換を施される。そして、2次元ウェーブレット変換部301でコンポーネント毎に2次元のウェーブレット変換(離散ウェーブレット変換)を適用され、複数のサブバンドに分解される。
【0065】
図13は2次元ウェーブレット変換の説明図である。(a)に示すタイル画像に2次元ウェーブレット変換を1回適用することにより、(b)に示す1LL,1HL,1LH,1HHの各サブバンドに分解される。1LLサブバンドに対し2次元ウェーブレット変換が適用されることにより、1LLサブバンドは(c)に示す2LL,2HL,2LH,1HHの各サブバンドに分解される。2LLサブバンドに2次元ウェーブレット変換を適用することにより、2LLサブバンドは(d)に示す3LL,3HL,3LH,3HHの各サブバンドに分解される。ここで、LL,HL,LH,HHの接頭の数字は、そのサブバンドの係数が何回のウェーブレット変換により得られたかを示すもので、デコンポジション(分解)レベルと呼ばれる。
【0066】
ウェーブレット変換として非可逆の9×7変換が用いられた場合には、量子化部302でウェーブレット変換係数はサブバンド毎に線形量子化される。その後、ウェーブレット未変換係数は、エントロピー符号化部303によりサブバンド毎にビットプレーン符号化される(詳しくは各ビットプレーンは3つのサブビットプレーンに分割されて符号化される)。そして、タグ処理部304において、得られた符号の中から不要な符号がトランケートされ、必要な符号がまとめられてパケットが生成され、パケットを必要な順番に並べるとともにタグ又はタグ情報が付加されることにより符号データ(コードストリーム)が形成される。このようなJPEG2000の符号データは、それを復号することなく、サブバンド毎の符号量を容易に計算することができる。
【0067】
さて、各フレームが飛び越し走査により偶数フィールドと奇数フィールドとに分けて撮像されたインターレース動画像の場合、各フレームの偶数フィールドと奇数フィールドの間で被写体が水平方向に移動すると、被写体の縦エッジ部に、櫛型状の1ラインおきの水平方向エッジが生じ、この水平方向エッジの長さは被写体の移動速度に比例する。この様子を図14に模式的に示す。ビデオカメラで撮影した動画像などにおける被写体の動きとしては水平方向の動きが圧倒的に多いため、上記櫛型の水平方向エッジの長さを、動画像の各フレームにおける動き量の尺度として用いることができる。
【0068】
上記櫛型の水平方向エッジの長さは、各フレームの符号データにおける1LHサブバンドの符号量に敏感に反映されるが、それ以外のサブバンドの符号量にはほとんど影響を及ぼさない。このことに着目し、各フレームの特定のサブバンドの符号量に基づいて動き量(被写体の移動速度)を推定することができる。
【0069】
一実施例によれば、動き量推定部205は、図15に示すアルゴリズムによって各フレームの動き量を推定する。まず、動画像の各フレームの符号データより、1LHサブバンドについての符号量sum1LHを算出し(ステップ220)、次に1HLサブバンドについての符号量sum1HLを算出する(ステップ221)。そして、符号量sum1LHを符号量sum1HLで除算することにより動き量speedを算出する(ステップ222)。
この動き量推定にはYコンポーネント(輝度成分)を用いる。色差成分は間引かれることが多く、被写体が移動しても櫛型が現れにくいためである。
【0070】
別の実施例によれば、図示しないが、動き量推定部205において、1LH,1HL,2LH,2HLの各サブバンドの符号量sum1LH,sum1HL,sum2LH,sum2HLが算出され、動き量として
speed=(sum1LH/sum1HL)/(sum2LH/sum2HL)
が算出される。かかる態様も本発明に含まれる。
【0071】
なお、2次元ウェーブレット変換を用いるJPEG2000以外の符号化方式によりフレーム内符号化されたインターレース動画像についても、同様の特定のサブバンドの符号量を用いた動き量推定が可能である。
【0072】
また、本実施形態において、動き量推定方法は適宜変更する必要があるが、基本的には動画像の符号化方式は任意であり、インターレース動画像でもノンインターレース動画像でもよい。
【0073】
以上、主としてパチンコなどの遊技機を例に本発明に係る画像表示装置について説明したが、本発明は遊技機以外の画像表示機能を備える各種機器にも広く適用可能であることは明らかである。
【0074】
また、図示しないが、本発明に係る画像表示装置を構成する各手段として、パソコンなどの汎用コンピュータやマイクロコンピュータのようなコンピュータを機能させるための1以上のプログラムをコンピュータにロードし実行させることにより、そのコンピュータを本発明に係る画像表示装置として動作させることができる。このような1以上のプログラム、及び、それが記録された磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体記憶素子などの各種情報記録(記憶)媒体も、本発明に包含される。
【0075】
また、本発明に係る画像表示装置の処理手順についての以上の説明は、本発明に係る画像表示制御方法の説明でもあることは明らかである。よって、本発明に係る画像表示制御方法についての説明は繰り返さない。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の実施形態1に係る画像表示装置のブロック図である。
【図2】図1中の表示画像選択部における画像選択制御を説明するためのフローチャートである。
【図3】関心度合の変化に応じた動画像の切り替えの説明図である。
【図4】関心度合認識部の一実施例を示すブロック図である。
【図5】図4中の視線方向認識処理手段の認識アルゴリズムを説明するためのフローチャートである。
【図6】視線方向検出の説明図である。
【図7】関心度合認識部の別の実施例を示すブロック図である。
【図8】画像表示装置の平面形態の一例を示す模式的平面図である。
【図9】関心度合認識部の別の実施例を示すブロック図である。
【図10】本発明の実施形態2に係る画像表示装置のブロック図である。
【図11】図10中の表示画像選択部における画像選択制御を説明するためのフローチャートである。
【図12】JPEG2000の符号化アルゴリズムを説明するためのブロック図である。
【図13】2次元ウェーブレット変換の説明図である。
【図14】インターレース動画像の櫛型についての説明図である。
【図15】図10中の動き量推定部の推定アルゴリズムを説明するためのフローチャートである。
【図16】肌色領域検出アルゴリズムを説明するためのフローチャートである。
【図17】肌色画素検出アルゴリズムを説明するためのフローチャートである。
【図18】黒目画素検出アルゴリズムを説明するためのフローチャートである。
【図19】白目画素検出アルゴリズムを説明するためのフローチャートである。
【図20】目の領域検出アルゴリズムを説明するためのフローチャートである。
【図21】目の領域、瞳及び黒目を示す模式図である。
【符号の説明】
【0077】
100 画像入力部
101 表示画像選択部
102 画像表示部
103 関心度合認識部
200 画像入力部
201 表示画像選択部
202 画像表示部
203 関心度合認識部
204 復号部
205 動き量推定部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像を入力する画像入力手段と、
前記画像入力手段により入力される複数の画像の中から表示させる画像を選択する表示画像選択手段と、
前記表示画像選択手段により選択された画像を表示する画像表示手段と、
利用者の関心度合が低いか高いかを認識する関心度合認識手段とを有し、
前記表示画像選択手段は、前記関心度合認識手段による認識結果に基づいて選択する画像を決定することを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
前記複数の画像には2次元画像と3次元画像が含まれ、
前記表示画像選択手段は、前記関心度合認識手段により関心度合が低いと認識された時には前記複数の画像中の2次元画像を選択し、前記関心度合認識手段により関心度合が高いと認識された時には前記複数の画像中の3次元画像を選択することを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記複数の画像には静止画像と動画像が含まれ、
前記表示画像選択手段は、前記関心度合認識手段により関心度合が低いと認識された時には前記複数の画像中の静止画像を選択し、前記関心度合認識手段により関心度合が高いと認識された時には前記複数の画像中の動画像を選択することを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記複数の画像には動き量の小さな動画像と動き量の大きな動画像が含まれ、
前記表示画像選択手段は、前記関心度合認識手段により関心度合が低いと認識された時には前記複数の画像中の動き量の小さな動画像を選択し、前記関心度合認識手段により関心度合が高いと認識された時には前記複数の画像中の動き量の大きな動画像を選択することを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項5】
複数の動画像を入力する画像入力手段と、
前記画像入力手段により入力される複数の動画像の中から表示させる動画像を選択する表示画像選択手段と、
前記表示画像選択手段により選択された動画像を表示する画像表示手段と、
利用者の関心度合が低いか高いかを認識する関心度合認識手段と、
前記複数の動画像のそれぞれの動き量を推定する動き量推定手段とを有し、
前記表示画像選択手段は、前記関心度合認識手段により関心度合が低いと認識された時には前記複数の動画像中の前記動き量推定手段により推定された動き量が最小の動画像を選択し、前記関心度合認識手段により関心度合が高いと認識された時には前記複数の動画像中の前記動き量推定手段により推定された動き量が最大の動画像を選択することを特徴とする画像表示装置。
【請求項6】
前記画像入力手段はネットワーク経由で画像を受信する手段からなることを特徴とする請求項5に記載の画像表示装置。
【請求項7】
前記複数の動画像に対する前記動き量推定手段による動き量推定及び前記表示画像選択手段による動画像選択が、前記画像入力手段による前記複数の動画像の受信と並行して行われることを特徴とする請求項6に記載の画像表示装置。
【請求項8】
前記複数の動画像はそれぞれ2次元ウェーブレット変換を用いる符号化方式により符号されたインターレース動画像であり、
前記動き量推定手段は動画像の特定のサブバンドについての符号量に基づいて動き量を推定することを特徴とする請求項5に記載の画像表示装置。
【請求項9】
前記関心度合認識手段は利用者の視線の移動量から関心度合が低いか高いかを認識する手段であることを特徴する請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項10】
前記関心度合認識手段は利用者の脈拍数から関心度合が低いか高いかを認識する手段であることを特徴する請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項11】
利用者により操作される特定の操作手段を有し、
前記関心度合認識手段は前記特定の操作手段の操作状態から関心度合が低いか高いかを認識する手段であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項12】
画像を表示する機能を有する画像表示装置の画像表示制御方法であって、
複数の画像より表示させる画像を選択する表示画像選択工程と、
利用者の関心度合が低いか高いかを認識する関心度合認識工程とを有し、
前記表示画像選択工程は前記関心度合認識工程による認識結果に基づいて選択する画像を決定することを特徴とする画像表示制御方法。
【請求項13】
画像を表示する機能を有する画像表示装置の画像表示制御方法であって、
複数の動画像より表示させる動画像を選択する表示画像選択工程と、
前記複数の動画像のそれぞれについて動き量を推定する動き量推定工程と、
利用者の関心度合が低いか高いかを認識する関心度合認識工程とを有し、
前記表示画像選択工程は、前記関心度合認識工程により関心度合が低いと認識された時には前記複数の動画像中の前記動き量推定工程で推定された動き量が最小の動画像を選択し、前記関心度合認識工程により関心度合が高いと認識された時には前記複数の動画像中の前記動き量推定工程で推定された動き量が最大の動画像を選択することを特徴とする画像表示制御方法。
【請求項14】
請求項1乃至11のいずれか1項に記載の画像表示装置の各手段としてコンピュータを機能させるプログラム。
【請求項15】
請求項1乃至11のいずれか1項に記載の画像表示装置の各手段としてコンピュータを機能させるプログラムが記録された、コンピュータが読み取り可能な情報記録媒体。
【請求項1】
複数の画像を入力する画像入力手段と、
前記画像入力手段により入力される複数の画像の中から表示させる画像を選択する表示画像選択手段と、
前記表示画像選択手段により選択された画像を表示する画像表示手段と、
利用者の関心度合が低いか高いかを認識する関心度合認識手段とを有し、
前記表示画像選択手段は、前記関心度合認識手段による認識結果に基づいて選択する画像を決定することを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
前記複数の画像には2次元画像と3次元画像が含まれ、
前記表示画像選択手段は、前記関心度合認識手段により関心度合が低いと認識された時には前記複数の画像中の2次元画像を選択し、前記関心度合認識手段により関心度合が高いと認識された時には前記複数の画像中の3次元画像を選択することを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記複数の画像には静止画像と動画像が含まれ、
前記表示画像選択手段は、前記関心度合認識手段により関心度合が低いと認識された時には前記複数の画像中の静止画像を選択し、前記関心度合認識手段により関心度合が高いと認識された時には前記複数の画像中の動画像を選択することを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記複数の画像には動き量の小さな動画像と動き量の大きな動画像が含まれ、
前記表示画像選択手段は、前記関心度合認識手段により関心度合が低いと認識された時には前記複数の画像中の動き量の小さな動画像を選択し、前記関心度合認識手段により関心度合が高いと認識された時には前記複数の画像中の動き量の大きな動画像を選択することを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項5】
複数の動画像を入力する画像入力手段と、
前記画像入力手段により入力される複数の動画像の中から表示させる動画像を選択する表示画像選択手段と、
前記表示画像選択手段により選択された動画像を表示する画像表示手段と、
利用者の関心度合が低いか高いかを認識する関心度合認識手段と、
前記複数の動画像のそれぞれの動き量を推定する動き量推定手段とを有し、
前記表示画像選択手段は、前記関心度合認識手段により関心度合が低いと認識された時には前記複数の動画像中の前記動き量推定手段により推定された動き量が最小の動画像を選択し、前記関心度合認識手段により関心度合が高いと認識された時には前記複数の動画像中の前記動き量推定手段により推定された動き量が最大の動画像を選択することを特徴とする画像表示装置。
【請求項6】
前記画像入力手段はネットワーク経由で画像を受信する手段からなることを特徴とする請求項5に記載の画像表示装置。
【請求項7】
前記複数の動画像に対する前記動き量推定手段による動き量推定及び前記表示画像選択手段による動画像選択が、前記画像入力手段による前記複数の動画像の受信と並行して行われることを特徴とする請求項6に記載の画像表示装置。
【請求項8】
前記複数の動画像はそれぞれ2次元ウェーブレット変換を用いる符号化方式により符号されたインターレース動画像であり、
前記動き量推定手段は動画像の特定のサブバンドについての符号量に基づいて動き量を推定することを特徴とする請求項5に記載の画像表示装置。
【請求項9】
前記関心度合認識手段は利用者の視線の移動量から関心度合が低いか高いかを認識する手段であることを特徴する請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項10】
前記関心度合認識手段は利用者の脈拍数から関心度合が低いか高いかを認識する手段であることを特徴する請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項11】
利用者により操作される特定の操作手段を有し、
前記関心度合認識手段は前記特定の操作手段の操作状態から関心度合が低いか高いかを認識する手段であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項12】
画像を表示する機能を有する画像表示装置の画像表示制御方法であって、
複数の画像より表示させる画像を選択する表示画像選択工程と、
利用者の関心度合が低いか高いかを認識する関心度合認識工程とを有し、
前記表示画像選択工程は前記関心度合認識工程による認識結果に基づいて選択する画像を決定することを特徴とする画像表示制御方法。
【請求項13】
画像を表示する機能を有する画像表示装置の画像表示制御方法であって、
複数の動画像より表示させる動画像を選択する表示画像選択工程と、
前記複数の動画像のそれぞれについて動き量を推定する動き量推定工程と、
利用者の関心度合が低いか高いかを認識する関心度合認識工程とを有し、
前記表示画像選択工程は、前記関心度合認識工程により関心度合が低いと認識された時には前記複数の動画像中の前記動き量推定工程で推定された動き量が最小の動画像を選択し、前記関心度合認識工程により関心度合が高いと認識された時には前記複数の動画像中の前記動き量推定工程で推定された動き量が最大の動画像を選択することを特徴とする画像表示制御方法。
【請求項14】
請求項1乃至11のいずれか1項に記載の画像表示装置の各手段としてコンピュータを機能させるプログラム。
【請求項15】
請求項1乃至11のいずれか1項に記載の画像表示装置の各手段としてコンピュータを機能させるプログラムが記録された、コンピュータが読み取り可能な情報記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
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【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2006−113534(P2006−113534A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−142940(P2005−142940)
【出願日】平成17年5月16日(2005.5.16)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年5月16日(2005.5.16)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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