説明

画像表示装置およびその製造方法

【課題】 カーボンナノチューブの受けるダメージが小さく、電子放出特性の良い画像表示装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 ガラス基板1の陰極電極2上にカーボンナノチューブ3と樹脂4と炭素成分5とを有する印刷膜6を形成し、この印刷膜6に紫外領域の短パルス・高出力レーザを照射することにより、樹脂4が加熱分解により蒸発し、このときの衝撃によって印刷膜6の表面近傍のカーボンナノチューブ3同士の結び付きが破壊されるとともに、カーボンナノチューブ3が印刷膜6の表面に起毛した状態となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空中への電子放出を利用した表示装置及びその製造方法に係わり、特にカーボンナノチューブを含む電子源を有する画像表示装置及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、多数の電子線で蛍光体を励起して表示を行なう薄型の画像表示装置の開発が盛んになっている。このような画像表示装置に用いる電子源として炭素原子の六員環ネットが円筒状となったカーボンナノチューブが注目されている。カーボンナノチューブを画像表示装置の電子源として用いるために、カーボンナノチュ一ブと有機バインダ類とを混合した粘性溶液を作り、これをスクリーン印刷法による印刷と、その後の乾燥と焼成とにより、カーボンナノチューブを含む電子源を所望の位置配置する方法が良く使われる。このとき、焼成後の電子源の表面はカーボンナノチューブ同士が有機バインダ類の硬化物などによって強固に結び付きあい、電界を印加したとしてもカーボンナノチューブ先端に電界が掛からず、カーボンナノチューブから電子が放出されない。
【0003】
そこで、下記非特許文献1に記載されているように、短パルス・高出力のレーザをスクリーン印刷法で形成したカーボンナノチューブの電子源の表面に照射してカーボンナノチューブ同士の結び付きを断ち切り、カーボンナノチューブに電界を掛けられるようにする方法が提案されている。
【0004】
図を用いてその方法について説明する。
図8は、従来における印刷および焼成後の電子源の要部拡大断面図である。図8において、ガラス基板1に形成された陰極電極2上に印刷及び焼成を行なって形成された印刷膜7は、カーボンナノチューブ3と有機バインダの加熱焼成により硬化された炭素成分5とを有している。カーボンナノチューブ3は、ファン・デア・ワールス力や炭素成分5などによって互いに強固に結び付き、カーボンナノチューブ3の先端に電界が集中しない形態となっている。このため、電界を印加してもカーボンナノチューブ3から電子が放出されない。
【0005】
これに短パルス・高出力のレーザを照射すると、図9に要部拡大断面図で示すように、カーボンナノチューブ3同士の結び付きが断ち切られ、さらにカーボンナノチューブ3が印刷膜7の表面に露出した状態となる。これは短パルス・高出力のレーザ光が照射されると、印刷膜7の表面の温度が瞬間的に上昇し、物質の蒸発温度に達するためである。これによって、図示したように、カーボンナノチューブ3同士の結び付きが切れるとともに、カーボンナノチューブ3が印刷膜7の表面に露出する。このため、カーボンナノチューブ3の先端に電界を集中させることができ、電子を放出させることができる。
【0006】
【非特許文献1】第50回応用物理学関係連合講演会講演予稿集第2分冊p1025(講演番号28p−W−8)」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように構成された電子源は、短パルス・高出力のレーザの照射によってカーボンナノチューブ同士の結び付きが断ち切られ、これによってエミッションサイトが増えているので、短パルス・高出力のレーザの照射前に比べてエミッション電流量が向上している。
【0008】
しかしながら、この場合、短パルス・高出力レーザの照射によってカーボンナノチューブ3同士の結び付きを断ち切る際にカーボンナノチューブ3自体にも損傷を与えていた。このため、レーザ照射を行なったカーボンナノチューブ3の電子源のエミッション特性及び寿命は、本来のカーボンナノチューブが持つ特性や寿命に比べて著しく劣ってしまうという課題があった。
【0009】
したがって、本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、寿命が長く、良好なエミッション特性を有する電子源を実現可能とする画像表示装置及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的を達成するために、本発明による画像表示装置は、カーボンナノチューブを含む電子源に芳香族環とカルボニル基と窒素を少なくとも主鎖に含む高分子を内包させることにより、短パルスのレーザを電子源に照射すると、優先的に高分子ヘレーザ光を吸収させることができるとともに、高分子を瞬間的に分解・蒸発させることができる。この際、一種の爆発現象が生じ、カーボンナノチューブ同士の結び付きを切ることができる。この結果、エミッションサイトを増やすことができ、エミッション特性を向上させることができる。高分子が分解・蒸発する際の衝撃によって、カーボンナノチューブは電子源の表面に起毛した状態となり、より電界が掛かりやすい形状とすることができる。
【0011】
また、芳香族環とカルボニル基と窒素を少なくとも含む高分子としては、フェニルカルバミン酸エステル構造またはベンゾマレイミド構造を含む高分子が適している。フェニルカルバミン酸エステル構造を含むポリウレタンまたはベンゾマレイミド構造を含むポリイミドは安価で入手し易く、また、種々の形状にも加工しやすい上に耐熱性も確保できることから、カーボンナノチューブを含む電子源に内包させるのに適している。また、芳香族環の光の吸収率が紫外領域で高いことから、レーザの波長を紫外光とすることにより、より効率的に高分子の分解・蒸発をさせることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、電子源が主鎖に芳香族環とカルボニル基と窒素を少なくとも含む高分子とカーボンナノチューブ群を有し、このカーボンナノチューブ群の少なくとも一部は電子源の表面に起毛した状態で形成されるので、カーボンナノチューブ群の先端部により電界が掛かり易い状態となり、電子放出特性を増大させることができるという極めて優れた効果が得られる。
【0013】
また、本発明によれば、カーボンナノチューブ印刷膜にフェニルカルバミン酸エステル構造を持つポリウレタン、または、ベンゾマレイミド構造を持つポリイミドを混合することで、紫外領域の短パルス・高出力レーザを用いてカーボンナノチューブ同士の結び付きを破壊する際に、カーボンナノチューブ自体が受けるダメージが小さくすることができるので、電子放出特性の良い画像表示装置が得られるという極めて優れた効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して更に詳細に説明する。なお、図中における同一の符号は、同一部材または類似部材を表示するものとする。また、以下の実施例の説明における具体的な寸法はあくまでも一例である。
【実施例1】
【0015】
図1は、本発明の画像表示装置の実施例1による電子源の構成を模式的に示す要部拡大断面図であり、印刷及び焼成後の印刷膜の断面を示している。図1において、印刷膜6は、ガラス基板1及び陰極電極2上に形成され、カーボンナノチューブ3と、樹脂4と、炭素成分5とを有している。樹脂4は、下記化1に示すようなフェニルカルバミン酸エステル構造または下記化2に示すようなベンゾマレイミド構造を持つ高分子である。
【0016】
【化1】

【0017】
【化2】

【0018】
化1に示すフェニルカルバミン酸エステル構造及び化2に示すベンゾマレイミド構造は、紫外領域の光を吸収しやすい性質を持つ。したがって、樹脂4に紫外領域の短パルス・高出力レーザを照射すると、紫外光が樹脂4に吸収されて熱に変わり、樹脂4が瞬間的に分解して蒸発する。
【0019】
図2は、印刷膜6に紫外領域の短パルス・高出力レーザを照射した後の様子を模式的に示した要部拡大断面図である。図2において、紫外領域の短パルス・高出力レーザの照射によって表面近傍の樹脂4の瞬間的な蒸発が生じ、このときの衝撃によって印刷膜6の表面近傍のカーボンナノチューブ3同士の結び付きが壊れるとともに、カーボンナノチューブ3が印刷膜6の表面に起毛した状態となる。
【0020】
図3は、印刷膜6の短パルス・高出力レーザの照射前後における電子放出特性の変化の様子を示したものである。図3中の特性曲線Aは短パルス・高出力レーザを照射する前の電子源の電子放出特性である。これは高分子4を含有しない従来における図8及び図9に示す印刷膜7でも、樹脂4を含有する本発明による印刷膜6においても、その特性の差はほとんどない。
【0021】
また、図3中の特性曲線Bは、樹脂4を含有しない従来における印刷膜7に短パルス・高出力レーザを照射した後の電子放出特性であり、照射前の特性曲線Aに比べると、電子放出特性が向上しているのが分かる。図3中の特性曲線Cは、樹脂4を含有する本発明による印刷膜6に短パルス・高出力レーザを照射した後の電子放出特性であり、照射前の特性曲線Aに比べると電子放出特性が大幅に向上したことが、また、特性曲線Bの場合よりも特性が良いことが分かる。
【0022】
また、図3において、樹脂4を含有しない印刷膜7の特性曲線Bよりも、樹脂4を含有する印刷膜6の特性曲線Cの方が電子放出特性が良い理由は、レーザ照射によってカーボンナノチューブ3が受けるダメージが両者において異なるためである。樹脂4を含有しない印刷膜7の場合は、カーボンナノチューブ3の結び付きを断ち切るために照射されたレーザ光がカーボンナノチューブ3及びその近傍に吸収されて熱に変わり、カーボンナノチューブ3及びカーボンナノチューブ3近傍の炭素成分5の蒸発作用を引き起こす。
【0023】
この場合、吸収されたレーザ光の熱エネルギーがカーボンナノチューブ3同士の結び付きを断ち切るのみに使われるのでは無く、カーボンナノチューブ3自体の劣化も引き起こす。それに比べて樹脂4を含有した印刷膜6の場合は、照射されたレーザ光を樹脂4が効率よく吸収した後に樹脂4が蒸発してカーボンナノチューブ3同士の結び付きを断ち切る。このため、カーボンナノチューブ3が受けるダメージが極めて小さく、図3中の特性曲線Cのように良好な電子放出特性が得られる。
【0024】
化1に示すフェニルカルバミン酸エステル構造を持つ樹脂としては、化3に示すようなポリウレタンがある。また、化2に示すベンゾマレイミド構造を持つ樹脂としては、下記化4に示すようなポリイミドがある。これらの化3に示すポリウレタン及び化4に示すポリイミドは、いずれも安価で加工し易く、非酸化性雰囲気において、各々約240℃、約350℃までの耐熱性がある。
【0025】
【化3】

【0026】
【化4】

【0027】
電子源となる図1の印刷膜6の元となる印刷ペーストの作製方法と、印刷膜6の形成方法は次の通りである。まず、カーボンナノチューブをボールミルにより粉砕した後、α−テルピネオールを含む分散剤に分散させ、さらにエチルセルロースを添加した。これに化1に示すフェニルカルバミン酸エステル構造を持つ直径約3μmのポリウレタン粒子または化2に示すベンゾマレイミド構造を持つ直径約3μmのポリイミド粒子を加えて十分に混合した。このとき、ポリウレタン粒子またはポリイミド粒子とカーボンナノチューブとの重量比は1/5〜1/10程度が適当であった。さらに粘度調整剤を混合してスクリーン印刷に適した粘度に調整を行なった。
【0028】
このようにして作製した印刷ペーストを#325メッシュのスクリーンを用いてガラス基板1上に予め形成した陰極電極2の上に印刷し、約140℃で約15分間の乾燥を行なった。その後、非酸化性雰囲気において、樹脂4にフェニルカルバミン酸エステル構造を持つポリウレタンを用いた場合は焼成温度を約240℃に、また、樹脂4にベンゾマレイミド構造を持つポリイミドを用いた場合は焼成温度を約350℃に設定して約30分間の焼成を行なった。
【0029】
このようにして得られた印刷膜6にKrFエキシマレーザ(波長約248nm、パルス発振約20ns)を50〜250mJ/cm2程度のエネルギー密度で照射すると、樹脂4が瞬間的に蒸発し、一種の爆発現象が生じた。これによって、カーボンナノチューブ3同士の結び付きが断ち切られ、図2に示す印刷膜6のようにカーボンナノチューブ3の先端に電界を集中させられる形態にすることができた。このとき、KrFエキシマレーザ光はカーボンナノチューブ3よりも樹脂4に吸収されやすいためにカーボンナノチューブ3がレーザ光から受けるダメージが小さかった。このため、樹脂4を用いない場合に比べて優れた電子放出特性を得ることができた。
【0030】
図4は、本発明による画像表示装置の基本構成を示す要部斜視図である。図4において、陽極パネル200と陰極パネル100とは両者の距離が略一定になるように複数の絶縁性のスペーサ301を介して接合される。陽極パネル200は、少なくともガラス基板201と、蛍光層202と、アノード203とから構成されている。蛍光層202は、カラー表示を行なうために赤(R)、緑(G)、青(B)の三色の領域に分けられており、その間はブラックマトリックスで仕切られている(図示せず)。
【0031】
また、陰極パネル100は、少なくとも基板101上にカソードライン102と、制御ライン106と、絶縁層105とを備え、カソードライン102と制御ライン106とは絶縁層105を介して直交している。カソードライン102と制御ライン106との直交部分に画素領域108を設けている。
【0032】
図5は、図4中の画素領域108部分を含むA−A´線に沿って切断した拡大断面図である。図5において、画素領域108には、複数の開口部104が設けられており、この開口部104内には電子源103が設けられている。この電子源103は、図2で説明したようにフェニルカルバミン酸エステル構造を持つポリウレタン粒子またはベンゾマレイミド構造を持つポリイミド粒子を含有したカーボンナノチューブペーストの印刷膜に、紫外領域の波長を持つ短パルス・高出カレーザを照射して形成する。
【0033】
図6は、画像表示装置の全体の構造を示す要部斜視図であり、図7はその断面図である。陽極パネル200と陰極パネル100とは両者の距離が略一定となるように複数の絶縁性のスペーサ301を介して接合されている。さらに陽極パネル200と陰極パネル100との間を真空に保つために枠ガラス302で周辺を覆い、内部の大気を排気するために排気管303を取り付けている。
【0034】
次に図4〜図7で説明した本発明による画像表示装置の作製方法について説明する。ガラスの基板101上に銀ペーストを幅約1200μm、ピッチ約1270μmで印刷し、大気中において約550℃で約20分間焼成し、カソードライン102を形成した。この後、これにフェニルカルバミン酸エステル構造を持つ直径約3μmのポリウレタン粒子またはベンゾマレイミド構造を持つ直径約3μmのポリイミド粒子とカーボンナノチューブとを含むペーストをカソードライン102上の電子放出させる所定の位置に印刷し、大気中において約150℃で約30分間乾燥した後、アルゴン雰囲気中において、フェニルカルバミン酸エステル構造を持つ直径約3μmのポリウレタン粒子を用いた場合は、約240℃で約30分間、また、ベンゾマレイミド構造を持つ直径約3μmのポリイミド粒子を用いた場合は約350℃で約30分間の焼成を行ない、厚さ約15μmの電子源103を形成した。
【0035】
次に、電子源103が配設されている領域以外のカソードライン102上の所定の領域に絶縁性ペーストを印刷し、これをアルゴン中において約450℃で約20分間焼成して厚さ約30μmの絶縁層105を形成した。形成した絶縁層105の上にカソードライン102と直交する方向に銀ペーストを幅約400μm、ピッチ約423μmで印刷し、酸素を約0.2%混合したアルゴン雰囲気中において約450℃で約15分間焼成し、制御ライン106を形成した。その後、開口部104の底部にある電子源103に焦点を合わせ、KrFエキシマレーザ(波長約248nm、パルス発振約20ns)を約150mJ/cm2程度のエネルギー密度で照射を行ない、電子源103表面近傍の樹脂4を瞬間的に蒸発させ、それによって電子源103表面近傍のカーボンナノチューブ3の結び付きを破壊し、カーボンナノチューブ3からの電子放出を可能な状態にした。以上の方法により陰極パネル100を作製できる。
【0036】
次に、陽極パネル200はガラス基板201上にブラウン管と同様の製造工程によりブラツクマトリクス(図示せず),蛍光層202及びアノード203を形成した。次に、陰極パネル100上の所定の位置にスペーサ301を立て、陽極パネル200と、陰極パネル100と、枠ガラス302とを適切な位置に合わせた上で低融点ガラスを用いて接合した。その後、枠ガラス302に予め取り付けておいた排気管303から油拡散ポンプを用いて約200℃に加熱しながら、約100μPa程度まで排気した後、排気管303を封じ切った。以上の工程により発光表示装置を作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明による画像表示装置の実施例1によるカーボンナノチューブ材料を用いて印刷及び焼成により作製した背面基板におけるカーボンナノチューブ電子源の要部拡大断面図である。
【図2】図1に示すカーボンナノチューブ材料の印刷及び焼成後に紫外線領域の短パルス・高出力レーザを照射して作製した背面基板におけるカーボンナノチューブ電子源の要部拡大断面図である。
【図3】本発明の実施例1によるカーボンナノチューブ電子源の電子放出特性を説明する図である。
【図4】本発明による画像表示装置の概略構成の一例を示す要部拡大斜視図である。
【図5】図4のA−A´線に沿って切断した断面図である。
【図6】本発明による画像表示装置に全体構造の一例を示す一部破断斜視図である。
【図7】図6のA−A´線に沿って切断した断面図である。
【図8】従来例におけるカーボンナノチューブ材料の印刷膜を示す要部拡大断面図である。
【図9】従来例におけるカーボンナノチューブ材料の印刷膜を示す要部拡大断面図である。
【符号の説明】
【0038】
1・・・ガラス基板、2・・・陰極電極、3・・・カーボンナノチューブ、4・・・樹脂、5・・・炭素成分、6・・・印刷膜、7・・・印刷膜、100・・・陰極パネル、101・・・基板、102・・・カソードライン、103・・・電子源、104・・・開口部、105・・・絶縁層、106・・・制御ライン、108・・・画素領域、200・・・陽極パネル、201・・・ガラス基板、202・・・蛍光層、203・・・アノード、301・・・スペーサ、302・・・枠ガラス、303・・・排気管。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子源と、
前記電子源に電子を供給するカソード電極と、
前記電子源から放出される電子の量を制御する制御電極と、
前記電子源から放出された電子を加速させるアノード電極と、
前記電子源から放出された電子により励起されて発光する蛍光体と、
を少なくとも有する画像表示装置であって、
前記電子源が主鎖に芳香族環とカルボニル基と窒素を少なくとも含む高分子とカーボンナノチューブ群を有し、前記カーボンナノチューブ群の少なくとも一部は前記電子源の表面に起毛した状態となっていることを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
前記高分子がフェニルカルバミン酸エステル構造を含む高分子であることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記高分子がフェニルカルバミン酸エステル構造を含むポリウレタンであることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記高分子がベンゾマレイミド構造を含む高分子であることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記高分子がベンゾマレイミド構造を含むポリイミドであることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項6】
主鎖に芳香族環とカルボニル基と窒素を少なくとも含む高分子とカーボンナノチューブ群を有する電子源と、
前記電子源に電子を供給するカソード電極と、
前記電子源から放出される電子の量を制御する制御電極と、
前記電子源から放出された電子を加速させるアノード電極と、
前記電子源から放出された電子により励起されて発光する蛍光体と、
を少なくとも有する画像表示装置の製造方法であって、
前記電子源の表面にレーザを照射することによって前記高分子の少なくとも一部を瞬間的に蒸発させ、前記カーボンナノチューブ群の少なくとも一部を前記電子源の表面に起毛させる工程を備えたことを特徴とする画像表示装置の製造方法。
【請求項7】
前記レーザは、紫外領域のレーザであることを特徴とする請求項6に記載の画像表示装置の製造方法。
【請求項8】
前記高分子がフェニルカルバミン酸エステル構造を含む高分子であることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の画像表示装置の製造方法。
【請求項9】
前記高分子がフェニルカルバミン酸エステル構造を含むポリウレタンであることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の画像表示装置の製造方法。
【請求項10】
前記高分子がベンゾマレイミド構造を含む高分子であることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の画像表示装置の製造方法。
【請求項11】
前記高分子がベンゾマレイミド構造を含むポリイミドであることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の画像表示装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−260946(P2006−260946A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−76876(P2005−76876)
【出願日】平成17年3月17日(2005.3.17)
【出願人】(502356528)株式会社 日立ディスプレイズ (2,552)
【Fターム(参考)】