説明

画像表示装置

【課題】高精細な立体画像を見るときの左眼用画像と右眼用画像の明るさが同じに感じられるように正確に視感度調整をすることができる画像表示装置を提供する。
【解決手段】第1の平面11に平行な偏光面11aを有する第1のコヒーレント光12を出射する第1のレーザ光源12aと、第1の平面11に垂直な偏光面11bを有する第2のコヒーレント光13を出射する第2のレーザ光源13aと、第1の光変調素子12bと、第2の光変調素子13bと、第1のコヒーレント光12および第2のコヒーレント光13の一部を受光する受光部14とを備え、受光部18の検出信号に基づき、第1のコヒーレント光12により表示される右眼用画像12cと第2のコヒーレント光13により表示される左眼用画像13cから感じられる明るさの差が軽減するように視感度調整して立体画像を表示している構成からなっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低消費電力で高輝度の立体画像を表示することができる画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、家庭では大型でかつ高輝度のフラットパネルディスプレイが急激に普及し、移動時には解像度のよい高輝度のディスプレイ、例えば携帯電話用の画像表示装置が普及している。このように、画像表示装置は、様々な生活シーンで必要不可欠なものとなっており、今後は映画館やホームシアターなどで鑑賞できる高輝度の立体画像を表示するものの開発が期待されている。
【0003】
このような画像表示装置として、2組のレーザ光源、光変調器、光路変換素子および2次元光偏光器などを用いて左眼用の画像と右眼用の画像としてそれぞれ異なる偏光特性のレーザビームをスクリーン上に同時に投影表示を行うことにより、立体画像を表示した装置が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。また、複数のレーザ光源のそれぞれの波長を異ならせることによりカラー表示を可能としている。
【0004】
このようにして投影表示された画像は、偏光眼鏡を用いてスクリーンを観察することにより左眼用画像と右眼用画像とを分離することができるので立体画像を見ることができる。また、異なる波長のレーザビームで左眼用画像と右眼用画像とをスクリーンに投影表示した場合には、透過波長特性の異なるレンズからなる眼鏡を用いて立体画像を見ることができるとしている。
【0005】
また、同様の光学構成においてレーザビームを連続的に早い光パルスにして時間多重的に投影表示させて立体画像のカラーバランスを調節することも提案されている(特許文献3参照)。
【0006】
一方、1組の光源からの光を偏光ビームスプリッタで直交する2つの偏光成分に分離して、それぞれの偏光成分の光を2つの液晶パネルにより左眼用画像および右眼用画像として変調したのちに投影表示してカラー立体画像を表示することが提案されている(例えば、特許文献4)。このようにすると、カラーフィルタおよび1/2波長板を用いることなくフィールドシーケンシャル方式により立体画像を表示できるので、安価な構成の立体画像を表示する画像表示装置を実現できるとしている。
【特許文献1】特開昭61−144691号公報
【特許文献2】特開昭61−144692号公報
【特許文献3】特表平9−508476号公報
【特許文献4】特開2004−117676号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記で説明した従来技術においては、高精細な立体画像を見るときの左眼用画像と右眼用画像の明るさの微妙なアンバランスが発生し、このアンバランスを解消する構成が示されていないという課題があった。
【0008】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、高精細な立体画像を見るときの左眼用画像と右眼用画像の明るさを感じる度合い(視感度)のアンバランスを解消し、人が感じる明るさが左眼用画像と右眼用画像で同じになるように正確に視感度調整をすることができる画像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の画像表示装置は、第1の平面に平行な偏光面を有する第1のコヒーレント光を出射する第1のレーザ光源と、第1の平面に垂直な偏光面を有し、前記第1のコヒーレント光の波長と異なる波長を有する第2のコヒーレント光を出射する第2のレーザ光源と、上記第1のコヒーレント光を右眼用の画像信号に基づいて変調する第1の光変調素子と、上記第2のコヒーレント光を左眼用の画像信号に基づいて変調する第2の光変調素子と、上記第1のコヒーレント光および上記第2のコヒーレント光の一部を受光し、検出信号を出力する受光部と、前記第1のレーザ光源および前記第2のレーザ光源、前記第1の光変調素子および前記第2の光変調素子、前記受講部を制御する制御部とを備え、前記制御部は前記受光部により出力される検出信号に基づき、上記第1のコヒーレント光により表示される右眼用画像と、上記第2のコヒーレント光により表示される左眼用画像から感じる明るさの差を軽減する制御を行う構成からなる。このような構成とすることにより、高精細な立体画像を見るときの左眼用画像と右眼用画像の明るさが同じに感じられるように視感度調整をすることができる。これにより、左眼用画像と右眼用画像がバランスのよい明るさで高精細な立体画像を表示することができる。
【0010】
また、この制御は、制御部が受光部により出力される検出信号に基づき、第1のレーザ光源および/もしくは第2のレーザ光源を制御し、第1のコヒーレント光および/もしくは第2のコヒーレント光の光量を調整することにより行われる構成としてもよい。このような構成とすることにより、高精細な立体画像を見るときの左眼用画像と右眼用画像の明るさが同じに感じられるように正確に視感度調整をすることができ、左眼用画像と右眼用画像がバランスのよい明るさで高精細な立体画像を表示することができる。
【0011】
また、第1のレーザ光源および第2のレーザ光源は、赤色レーザ光源、緑色レーザ光源および青色レーザ光源からなるRGB光源である構成としてもよい。このような構成とすることにより、色再現性がよく小型で低消費電力の画像表示装置を実現することができる。
【0012】
また、第1のコヒーレント光および第2のコヒーレント光は、時間分割された光パルスからなる光パルス列として出射され、前記光パルス列は第1の光パルス列と第2の光パルス列からなり、第1の光パルス列と第2の光パルス列は、同じ時間帯に赤色、緑色および青色のうちいずれか一色の同じ色の光パルスからなる構成としてもよい。このような構成とすることにより、同じ色の光パルスを左眼用画像および右眼用画像として同じ時間帯に交互に出射することができるのでコヒーレント光の光量を半分にすることができ、効率のよい低消費電力の画像表示装置を実現することができる。
【0013】
また、第1のコヒーレント光および第2のコヒーレント光は、時間分割された光パルスからなる光パルス列として出射され、前記光パルス列は第1の光パルス列と第2の光パルス列からなり、第1の光パルス列と第2の光パルス列は、同じ時間帯に赤色、緑色および青色のうちいずれか一色の異なる色の光パルスからなる構成としてもよい。このような構成とすることにより、受光部に簡単な構成の波長選択フィルタを使用するだけで赤色、緑色および青色のレーザ光の出力を容易に測定することができる。
【0014】
また、第1の光変調素子および第2の光変調素子により変調されたのちに入射した第1のコヒーレント光および第2のコヒーレント光を同じ方向に出射する偏光ビームスプリッタと、前記偏光ビームスプリッタから出射される第1のコヒーレント光および第2のコヒーレント光を拡大投射する光学系とをさらに備えた構成としてもよい。このような構成とすることにより、高精細な立体画像を見るときの左眼用画像と右眼用画像の明るさが同じに感じられるように正確に視感度調整をすることができる。これにより、左眼用画像と右眼用画像がバランスのよい明るさで高精細な立体画像を表示する投射型の画像表示装置を実現することができる。
【0015】
また、第1の光変調素子および第2の光変調素子により変調された第1のコヒーレント光および第2のコヒーレント光それぞれを走査する第1の走査部および第2の走査部をさらに備える構成としてもよい。このような構成とすることにより、高精細な立体画像を見るときの左眼用画像と右眼用画像の明るさが同じに感じられるように正確に視感度調整をすることができる。これにより、左眼用画像と右眼用画像がバランスのよい明るさで高精細な立体画像を表示する走査型の画像表示装置を実現することができる。
【0016】
また、第1のコヒーレント光および第2のコヒーレント光により画像を表示するスクリーンをさらに備え、前記スクリーンは立体画像を表示する構成としてもよい。このような構成とすることにより、スクリーンに投射または走査された高精細な立体画像を3次元視覚ができる簡単な低コストの3D眼鏡によりバランスのよい明るさで見ることができる。
【0017】
また、本発明の画像表示装置は、第1の平面に平行な偏光面を有する第1のコヒーレント光を出射する赤色レーザ光源、緑色レーザ光源および青色レーザ光源からなるRGB光源である第1のレーザ光源と、第1の平面に垂直な偏光面を有し、前記第1のコヒーレント光の波長と異なる波長を有する第2のコヒーレント光を出射する赤色レーザ光源、緑色レーザ光源および青色レーザ光源からなるRGB光源である第2のレーザ光源と、第1のコヒーレント光を右眼用の画像信号に基づいて変調する第1の光変調素子と、第2のコヒーレント光を左眼用の画像信号に基づいて変調する第2の光変調素子と、第1のコヒーレント光および第2のコヒーレント光の一部を受光し、検出信号を出力する受光部と、第1のコヒーレント光および第2のコヒーレント光が入射される、出力側に偏光板が配置された液晶パネルと、第1のレーザ光源および第2のレーザ光源、第1の光変調素子および第2の光変調素子、受光部および液晶パネルを制御する制御部とを備え、制御部は受光部により出力される検出信号に基づき、第1のコヒーレント光により表示される右眼用画像と、第2のコヒーレント光より表示される左眼用画像から感じる明るさの差を軽減する制御を行い、前記液晶パネルはフィールドシーケンシャル方式により立体画像を表示する構成からなる。このような構成とすることにより、スクリーンの代わりに液晶パネルを用いても高精細な立体画像を見るときの左眼用画像と右眼用画像明るさが同じに感じられるように正確に視感度調整をすることができる。これにより、左眼用画像と右眼用画像がバランスのよい明るさで高精細な立体画像を表示する投射型の画像表示装置を実現することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、高精細な立体画像を見るときに左眼用画像と右眼用画像から感じる明るさの差を軽減するようコヒーレント光の光量を調整することにより正確に視感度調整をすることができる。その結果、左眼用画像と右眼用画像がバランスのよい明るさで色再現性のよい高精細な立体画像を表示する画像表示装置を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、同じ要素には同じ符号を付しており、説明を省略する場合もある。
【0020】
(実施の形態1)
図1に本発明の実施の形態1にかかる画像表示装置10の概略構成図を示す。まず、図1を用いて、画像表示装置10の主要な構成について説明する。
【0021】
画像表示装置10は、第1の平面11に平行な偏光面11aを有する第1のコヒーレント光12を出射する第1のレーザ光源12aと、第1の平面11に垂直な偏光面11bを有する第2のコヒーレント光13を出射する第2のレーザ光源13aとを備えている。また、第1のコヒーレント光12を右眼用の画像信号に基づいて変調する第1の光変調素子12mと、第2のコヒーレント光13を左眼用の画像信号に基づいて変調する第2の光変調素子13mとを備えている。さらに、画像表示装置10は、第1のコヒーレント光12および第2のコヒーレント光13の一部を受光する受光部18を備えている。この受光部18の検出信号に基づき、第1のコヒーレント光12により表示される右眼用画像12cの明るさと第2のコヒーレント光13により表示される左眼用画像13cの明るさとが同じに感じられるように視感度調整する制御部21を備えている。画像表示装置10は、これらの主要構成要素を備え、立体画像を表示する構成からなる。
【0022】
このような構成とすることにより、高精細な立体画像を見るときの右眼用画像12cと左眼用画像13cの明るさが同じに感じられるように正確に視感度調整をすることができ、右眼用画像12cと左眼用画像13cがバランスのよい明るさで高精細な立体画像を表示することができる。
【0023】
次に、図1を用いて、画像表示装置10の構成要素である各部分を示しながら、画像表示装置10の基本的な動作の仕組みについて説明する。第1のレーザ光源12aおよび第2のレーザ光源13aは、それぞれ赤色レーザ光源(以下、「R光源」とする)12R、13R、緑色レーザ光源(以下、「G光源」とする)12G、13G、および青色レーザ光源(以下、「B光源」とする)12B、13BからなるRGB光源である構成としている。ここで、R光源12R、13RおよびB光源12B、13Bには、例えば波長630nmから660nmおよび波長440nmから470nmのレーザ光を出射する半導体レーザを用い、G光源12G,13Gには、波長520nmから550nmのレーザ光を出射する半導体レーザ励起のSHGレーザを用いることができる。また、レーザ光源12aと、レーザ光源13aは、同じ色の波長帯の光源から出射されるレーザ光の波長が、赤、緑、青のそれぞれの色において10nm程度互いに異なるように構成されている。このように小型で高効率の半導体レーザおよびSHGレーザを使用する構成とすることにより、色再現性がよく小型で低消費電力の画像表示装置10を実現することができる。
【0024】
第1のレーザ光源12aまたは第2のレーザ光源13aから出射されるそれぞれのレーザ光は、ファイバ12d、13dにより一つにまとめられている。前述したRGB光源により、第1のコヒーレント光12および第2のコヒーレント光13は、それぞれ赤色レーザ光(以下、「R光」とする)12r、13r、緑色レーザ光(以下、「G光」とする)12g、13g、および青色レーザ光(以下、「B光」とする)12b、13bからなるRGB光から構成される。そして、ファイバ12dからはRGB光からなる第1のコヒーレント光12が、ファイバ13dからはRGB光からなる第2のコヒーレント光13が、それぞれ出射される。第1のコヒーレント光12と、第2のコヒーレント光13は、それぞれコリメートレンズ12e、13eを介して平行光線に変換されて、第1の光変調素子12mまたは第2の光変調素子13mに入射する。
【0025】
第1のコヒーレント光12および第2のコヒーレント光13は、第1の光変調素子12mおよび第2の光変調素子13mにより、それぞれ右眼用および左眼用の画像信号に基づいて変調される。変調された第1のコヒーレント光12および第2のコヒーレント光13は、それぞれを合波する偏光ビームスプリッタ14に入射して矢印12f、13fに示すように同じ方向に出射される。
【0026】
そして、偏光ビームスプリッタ14から同じ方向に出射された第1のコヒーレント光12および第2のコヒーレント光13の一部は、部分反射板16により反射され、集光レンズ17により集光され、受光部18により受光される。この受光部18の検出信号に基づき、制御部21が視感度を調整するように制御をする。この視感度調整の詳細は、後述するが、第1のコヒーレント光12により表示される右眼用画像12cの明るさと第2のコヒーレント光13により表示される左眼用画像13cの明るさとが同じに感じられるように行う。
【0027】
また、第1のコヒーレント光12および第2のコヒーレント光13の部分反射板16を透過した大部分の光は、光学系15により矢印15aの方向に拡大投射され、スクリーン19上に画像を表示する。人は、このスクリーン19から等方的に反射された右眼用画像12cと左眼用画像13cの一部を、矢印19aの方向の右眼と左眼に透過する偏光の方向が直交する偏光板を配置した3D眼鏡19bをかけ、見ることとなる。そうすると、3D眼鏡19bにより右眼用画像12cと左眼用画像13cとがそれぞれ分離して右眼と左眼とに入射するので3D眼鏡19bをかけた人は立体画像を見ることができる。なお、立体画像を見るための3D眼鏡として、時間的に右眼と左眼のシャッタを切り替えるもの、右眼と左眼で異なるカラーフィルタを用いるもの、偏光フィルタを用いるもの、と大きく三種類ある。本発明にかかる画像表示装置10では最も簡単な仕組みで安価な偏光板を用いた3D眼鏡を使用することができる。このように画像表示装置10により、スクリーン19に投射された高精細な立体画像を、偏光板を用いた簡単な低コストの3D眼鏡19bなどにより3次元の視覚として見ることができる。
【0028】
このような構成により、高精細な立体画像を後述するように正確に視感度調整をすることができ、人は高精細な立体画像を見ることができる。
【0029】
次に、画像表示装置10における視感度調整のための構成について詳細を説明する。視感度調整は、受光部18の検出信号に基づき第1のコヒーレント光12および第2のコヒーレント光13のうち少なくともいずれかの波長または光量を調整することにより行う構成としている。まず、受光部18は、部分反射板16により反射された第1のコヒーレント光12および第2のコヒーレント光13の一部を検出する。受光部18は、第1のコヒーレント光12を構成するR光12r、G光12g、B光12b、第2のコヒーレント光13を構成するR光13r、G光13g、B光13bの光量および波長を検出し、その光量と波長を関連付けて検出信号にする。これらの光量および波長に関する検出信号は、配線21aを介して制御部21に取り込まれる。この検出信号の取り込みは、制御部21が受光部18を制御することで行ってもよいし、所定のタイミングで受光部18から制御部21に送信することで行ってもよい。制御部21はこの検出信号に基づいて、第1の光源制御部21bおよび第2の光源制御部21cにより第1のレーザ光源12aおよび第2のレーザ光源13aを制御する。この制御は、右眼用画像12cと左眼用画像13cの明るさが同じに感じられるように行われる。このような構成により、正確に視感度調整をして左眼用画像13cと右眼用画像12cがバランスのよい明るさで高精細な立体画像を表示することができる。
【0030】
次に、画像表示装置10における視感度調整のための制御方法を説明する。まず、図2を用いて、波長に対する人の眼の視感度について説明する。図2は、波長に対する人の眼の視感度曲線を示す図である。縦軸は視感度を任意強度で示している。例えば、図1の第1のレーザ光源12aのR光源12Rから出射されるR光12rの波長が630nmで、第2のレーザ光源13aのR光源13Rから出射されるR光13rの波長が650nmであった場合には、図2の視感度曲線により視感度において2.5倍の差が生じている。また、同様に第1のレーザ光源12aのB光源12Bから出射されるB光12bの波長が440nmで、第2のレーザ光源13aのB光源13Bから出射されるB光13bの波長が470nmであった場合には、図2の視感度曲線により視感度において4倍の差が生じている。
【0031】
このような波長に対する人の眼の視感度の差は、波長によって光量を変更することにより、軽減させることができる。光量の変更は、光源の出射時の電流値を変化させることや、光源をパルス発光させたときのパルス幅および周期を変えることにより、行うことができる。例えば、上記の波長が630nmのR光12r、波長が650nmのR光13rの場合、R光12rに比べてR光13rの光量を増加することで、視感度の差を軽減させることができる。また、R光源12R、R光源13Rをパルス発光させたときのパルス幅および周期について、R光源12Rに比べてR光源13Rのパルス幅を大きくしたり、周期を細かくしたりすることで軽減させることができる。上記で例示した波長が440nmのB光12b、波長が470nmのB光13bにおいても同様にして、視感度の差を軽減させることができる。このようにRGB光源それぞれから出射されるRGB光それぞれの光量やパルス幅、周期を変えるよう第1のレーザ光源12aおよび第2のレーザ光源13aを制御することにより、右眼用画像12cと左眼用画像13cの明るさを同じにすることができる。このようにして、制御部21は右眼用画像12cと左眼用画像13cをバランスのよい明るさに調整し、高精細な立体画像を表示させる。
【0032】
次に、第1のコヒーレント光12および第2のコヒーレント光13の一部を受光し、測定する受光部18の構成と受光した光の検出方法について説明する。図3は受光部18の光学構成の1例を示す模式図である。受光部18は、例えばSi半導体からなる受光素子18a、部分反射板18b、スペクトラムアナライザ18c、および受光制御部18dを備えている。図1に示す部分反射板16で反射された反射光16aは、集光レンズ17により集光され、受光部18に入射する。受光部18に入射した反射光16aは、受光素子18aにより、その光量が検出される。また、反射光16aの一部は部分反射板18bで反射されて、スペクトラムアナライザ18cに入射し、その波長が検出される。受光制御部18dは、この検出された光量および波長の情報を検出信号とし、配線21aを介して制御部21に伝達する。この伝達は、制御部21が受光制御部18dを制御することで行ってもよいし、受光制御部18dが所定のタイミングで制御部21に送信することで行ってもよい。
【0033】
図4は受光部18の光学構成におけるその他の1例を示す模式図である。受光部18は、特定の波長の光を反射し、その他の波長の光を透過するダイクロイックミラー18e、18jを備えている。また、受光部18は、回折格子であるグレーティング18fと、受光素子18g、18h、18k、18m、18n、18pを備えている。さらに受光部18は、受光制御部18sを備えている。
【0034】
図1に示す部分反射板16で反射された反射光16aは受光部18に入射する。受光部18に入射した反射光16aのうち、ダイクロイックミラー18eによりR光12r、13rのみが反射され、G光12g、13gおよびB光12b、13bはダイクロイックミラー18eを透過する。R光12r、13rは、例えば互いに10nm程度波長が異なる場合、グレーティング18fにより異なった回折角により回折されて、それぞれ受光素子18gまたは18hにより光量を受光される。このようにして互いにわずか10nm程度しか異ならない波長のR光12r、13rが同時に出射されても、それぞれの光量を正確に検出することができる。同様にG光12g、13gはダイクロイックミラー18jにより反射され、グレーティング18fにより異なった回折角により回折され、受光素子18kまたは18mにより光量を受光される。そして、B光12b、13bはダイクロイックミラー18jを透過し、グレーティング18fにより異なった回折角により回折され、受光素子18nまたは18pにより光量を受光される。このようにして、G光12g、13g、およびB光12b、13bについても、それぞれの光量を正確に検出することができる。
【0035】
ここでは、ダイクロイックミラー18eは、R光の波長の光を反射し、その他の光を透過させるものとし、ダイクロイックミラー18jは、G光の波長の光を反射し、その他の光を透過させるものとしたが、この構成に限られない。例えば、ダイクロイックミラー18eをG光の波長の光を反射させ、ダイクロイックミラー18jがB光の波長の光を反射させるものとしてもよい。つまり、ダイクロイックミラー18eと、ダイクロイックミラー18jにより、RGB光をそれぞれ分離できるような構成であればよい。
【0036】
このように各受光素子により、正確に検出されたそれぞれの光量の情報と、その検出をした受光素子の情報は、配線18qを介して電気的に接続される受光制御部18sにより関連付けられ、検出信号とされ、配線21aを介して制御部21に伝達する。この伝達は、制御部21が受光制御部18sを制御することで行ってもよいし、受光制御部18sが所定のタイミングで制御部21に送信することで行ってもよい。
【0037】
上記のように、図4に示すような受光部18の構成であれば、アナライザを備えなくとも、光量と、その光量を検出した受光素子の情報も制御部21に伝達されることで、検出された光量は、どの波長帯のレーザ光の光量であるかを判断することができる。
【0038】
このように、図3および図4に示す構成からなる受光部18により、RGB光からなる第1コヒーレンス光12、および第2コヒーレンス光13は測定され、検出信号として光量や波長に関する情報が制御部21に送られる。この検出信号に基づき、制御部21は、右眼用画像12cと左眼用画像13cの赤色、緑色、および青色の明るさが同じになるようにしてバランスのよい明るさに調整することができる。
【0039】
次に、第1のコヒーレント光12および第2のコヒーレント光13について詳細に説明する。図5は画像表示装置10において、第1のコヒーレント光12および第2のコヒーレント光13として出射される、時間分割された光パルス列を模式的に示す図である。ここで、R光12r、G光12g、およびB光12bの光パルスからなる第1のコヒーレント光12と、R光13r、G光13g、およびB光13bの光パルスからなる第2のコヒーレント光13は、矢印28の方向に進行している。また、第1のコヒーレント光12および第2のコヒーレント光13は、時間分割された光パルスからなる光パルス列として出射される。この光パルス列は第1のコヒーレント光12に対応する第1の光パルス列25と、第2のコヒーレント光13に対応する第2の光パルス列26からなる。第1の光パルス列25と第2の光パルス列26は、同じ時間帯27r、27g、27bにおいて、赤色、緑色および青色のうちいずれか一色の同じ色の光パルスからなる構成としている。したがって、例えば、図5に示すように時間帯27rでは、R光12rとR光13rとが時間帯27rを前半と後半とに分けていずれかが出射されている。同様に時間帯27gでは、G光12gとG光13gとが、時間帯27bでは、B光12bとB光13bとが、時間帯を前半と後半とに分けていずれかが出射されている。このように同じ色の光パルスを、右眼用画像12cと、左眼用画像13cとして、同じ時間帯に交互に出射し、コヒーレント光の光量を半分にすることにより、効率のよい低消費電力の画像表示装置を実現することができる。
【0040】
図6はこのような光パルス列を用いた本発明の実施の形態1にかかる他の画像表示装置20の概略構成図を示す。図6において第1の光パルス列25と第2の光パルス列26は、同じ時間帯27b、27g、27rに赤色、緑色および青色のうちいずれか一色の同じ色の光パルスからなる構成としていることがわかる。
【0041】
また、図6に示すようにスクリーン19から等方的に反射された右眼用画像12cと左眼用画像13cの一部は、右眼と左眼に透過する偏光の方向が直交する偏光板を配置した3D眼鏡19bをかけて見ることとなる。そうすると、3D眼鏡19bにより右眼用画像12cと左眼用画像13cとがそれぞれ分離して右眼と左眼とに入射するので3D眼鏡19bをかけた人は立体画像を見ることができる。また、このようにするとスクリーン19に投射された高精細な立体画像を簡単な低コストの3D眼鏡19bなどにより3次元の視覚として見ることができる。
【0042】
図7は本発明の実施の形態1にかかるさらに他の画像表示装置30の概略構成図を示す。図6に示す画像表示装置20と同様に第1のコヒーレント光32および第2のコヒーレント光33は、時間分割された光パルスからなる光パルス列として出射され、この光パルス列は第1の光パルス列34と第2の光パルス列35からなる。そして、図6に示す画像表示装置20と異なり、図7に示す画像表示装置30において第1の光パルス列34と第2の光パルス列35は、同じ時間帯に赤色、緑色および青色のうちいずれか一色の異なる色の光パルスからなる構成としている。すなわち、図7に示す第1のコヒーレント光32および第2のコヒーレント光33は、同じ時間帯にR光32rとG光33g、G光32gとB光33bおよびB光32bとR光33rの異なる色の光パルスからなる第1の光パルス列34と第2の光パルス列35とから構成されている。
【0043】
このような構成とすることにより、図7に示すようにスクリーン19から等方的に反射された右眼用画像32cと左眼用画像33cの一部は、右眼と左眼に透過する偏光の方向が直交する偏光板を配置した3D眼鏡19bをかけて見ることとなる。そうすると、3D眼鏡19bにより右眼用画像32cと左眼用画像33cとがそれぞれ分離して右眼と左眼とに入射するので3D眼鏡19bをかけた人は立体画像を見ることができる。また、このようにするとスクリーン19に投射された高精細な立体画像を簡単な低コストの3D眼鏡19bなどにより3次元の視覚として見ることができる。
【0044】
図8は第1の光パルス列34および第2の光パルス列35の波長と光量とを測定する受光部18の光学構成の1例を示す模式図である。図4に比べて、同じ時間帯において異なる色の光パルスを検出するだけでよいので光学構成が簡単で部品点数も少なくすることができる。反射光16aは受光部18に入射して、ダイクロイックミラー18eによりR光32r、33rのみが反射され、G光32g、33gおよびB光32b、33bはダイクロイックミラー18eを透過する。R光32r、33rは、受光素子18gにより光量を受光される。このときにR光32r、33rは、同じ時間帯に同時に入射することがないのでそれぞれの光量を受光することができる。同様にG光32g、33gはダイクロイックミラー18jにより反射されて受光素子18kにより光量を受光される。そして、同じくB光32b、33bはダイクロイックミラー18jを透過して受光素子18nにより光量を受光される。このようにして、G光12g、13gおよびB光12b、13bも受光部18によりそれぞれの光量を正確に検出することができる。したがって、右眼用画像32cと左眼用画像33cの赤色、緑色および青色の明るさが同じになるようにしてバランスのよい明るさに調整することができる。
【0045】
このような構成とすることにより、受光部に簡単な構成の波長選択フィルタを使用するだけで赤色、緑色および青色のレーザ光の出力を容易に測定することができる。
【0046】
(実施の形態2)
図9に本発明の実施の形態2にかかる画像表示装置40の概略構成図を示す。まず、図9を用いて、画像表示装置40の構成について説明する。なお、実施の形態1において説明した構成要素については同じ符号で記載し、説明を省略する場合がある。
【0047】
画像表示装置40は、実施の形態1にかかる、例えば画像表示装置10と異なり、第1のコヒーレント光12および第2のコヒーレント光13を合波する偏光ビームスプリッタ、および拡大投射する光学系15に代えて、走査部41a、41bを備えている。さらに、画像表示装置40は、左右に配置された一対の受光部42a、42bを備えている。
【0048】
制御部21は、画像表示装置10と同様に、第1の光源制御部21b、第2の光源制御部21c、および第1の光変調素子12m、第2の光変調素子13mを制御する。画像表示装置40において、制御部21はさらに、第1の走査部41a、第2の走査部41bも制御する。また、画像表示装置40において、制御部21は、受光部42の検出信号に基づいて、第1の光源制御部21b、および第2の光源制御部21cを制御することで、第1のレーザ光源12aおよび第2のレーザ光源13aを制御する。なお、受光部42a、42bの具体的な光学構成については、実施の形態1にかかる受光部18と同様に、図3、図4、または図8に示す光学構成を必要に応じて使用すればよい。なお、受光部は受光部42a、42bのように左右に配置される構成に限らず、走査部41a、41bの走査外となる中央付近に、受光部を一つ配置する構成であってもよい。
【0049】
このような構成とすることにより、高精細な立体画像を見るときの右眼用画像12cと左眼用画像13cの明るさが同じに感じられるように正確に視感度調整をすることができ、右眼用画像12cと左眼用画像13cがバランスのよい明るさで高精細な立体画像を表示することができる。
【0050】
次に、図9を用いて、画像表示装置40の基本的な動作の仕組みについて説明する。実施の形態1にかかる、例えば画像表示装置10と同様にして、RGB光からなる第1コヒーレント光12と、第2コヒーレント光13は、それぞれ第1の光変調素子12m、第2の光変調素子13mに入射する。変調された第1のコヒーレント光12および第2のコヒーレント光13は、それぞれ第1の走査部41a、または第2の走査部41bにより走査される。走査された第1のコヒーレント光12と、第2のコヒーレント光13が、スクリーン19上のほぼ同じ位置19cに到達するように、制御部21は第1の走査部41a、および第2の走査部41bを制御する。そして、このようにほぼ同じ位置19cに到達した状態から、第1のコヒーレント光12および第2のコヒーレント光13は、スクリーン19上を、例えば矢印19dの方向に、第1の走査部41a、第2の走査部41bにより、走査される。また、スクリーン19の表示面19eにおける矢印19dに垂直な方向にも、第1のコヒーレント光12および第2のコヒーレント光13は、第1の走査部41a、第2の走査部41bにより走査される。このように第1コヒーレント光12と、第2コヒーレント光13を別々の走査部により左右からスクリーン19に投影する構成とすることにより、例えば画像表示装置10の偏光ビームスプリッタ14、光学系15を省くことができる。このため、画像表示装置40は、例えば画像表示装置10と比べ、薄型化を図れ、軽量で安価な構成とすることができる。
【0051】
このような構成により、視感度調整され、スクリーン19に走査された高精細な立体画像を3次元視覚ができる簡単な低コストの3D眼鏡19bによりバランスのよい明るさで見ることができる。
【0052】
(実施の形態3)
図10に本発明の実施の形態3にかかる画像表示装置50の概略構成図を示す。まず、図10を用いて、画像表示装置50の構成について説明する。なお、実施の形態1および実施の形態2において説明した構成要素については同じ符号で記載し、説明を省略する場合がある。
【0053】
画像表示装置50は、実施の形態1にかかる、例えば画像表示装置10や、実施の形態2にかかる画像表示装置40と異なり、スクリーン19に代えて液晶パネル101を備えている。
【0054】
液晶パネル101は、ガラス基板102、104と、液晶層103、画素105、出射側偏光板106、入射偏光板107、拡散板108、裏面109から構成されている。ガラス基板102、104には画素電極や、薄膜トランジスタ(TFT)素子などが(図示せず)配置されている。画素105は、Rサブピクセル105R、Gサブピクセル105G、およびBサブピクセル105Bを含んでいる。なお、入射側偏光板107が不要な場合は取り除いた構成としてもよい。なお、液晶パネル101は、制御部111に制御されることにより、50aから入力されるビデオ信号を表示する。
【0055】
制御部21は、画像表示装置10と同様に、第1の光源制御部21b、第2の光源制御部21c、および第1の光変調素子12m、第2の光変調素子13mを制御する。画像表示装置50において、制御部21はさらに、制御部111が液晶パネル101を制御するための情報を送る。これにより、制御部111は、R、G、B各色のレーザ光源の発光タイミングに合わせて50aから入力されるビデオ信号のR、G、B成分を表示するように液晶パネル101を制御することができる。また、制御部21は、受光部18の検出信号に基づき、第1の光源制御部21b、および第2の光源制御部21cを制御することで、第1のレーザ光源12a、および第2のレーザ光源13aを制御する。なお、受光部18の具体的な光学構成については、実施の形態1で示した図3、図4、または図8の光学構成を必要に応じて使用すればよい。なお制御部21は、検出信号を、制御部21が受光部18を制御することで取得してもよいし、受光部18が所定のタイミングで制御部21に送信することで取得してもよい。
【0056】
次に、図10を用いて、画像表示装置50の基本的な動作の仕組みについて説明する。実施の形態1にかかる、例えば画像表示装置10と同様にして、RGB光からなる第1コヒーレント光12と、第2コヒーレント光13のうち、部分反射板16を透過した大部分の光は、光学系15により矢印15aの方向に拡大投射される。このように光学系15により、第1のコヒーレント光12と、第2のコヒーレント光13は、液晶パネル101の裏面109の全体に対して高速で照射されることになる。裏面109に入射した第1のコヒーレント光12と、第2のコヒーレント光13は、入射側偏光板107により、分離される。分離された第1のコヒーレント光12と、第2のコヒーレント光13は、液晶パネル101を制御する制御部111の制御にしたがって、さらに変調され、ガラス基板102、104で挟まれた液晶層103を透過する。この液晶層103を透過した光は、画素105の各サブピクセルを透過し、立体画像の表示に寄与する。なお、画素105を従来技術よりも高透過率、高解像度を実現するフィールドシーケンシャル方式により駆動する構成としてもよい。この場合、画素105は、各色のサブピクセルを必要としない。また、サブピクセルを用いて、面分割でカラー表示をするよりも高解像度、高画質な映像を実現することができる。
【0057】
以上のようにしてガラス基板102、104で挟まれた液晶層103を透過した光は、出射側偏光板106により偏光され、右眼用画像12cを表示する光と、左眼用画像13cを表示する光に分離され、拡散板108を透過し、拡散される。そして、3D眼鏡19bにより右眼用画像12cと左眼用画像13cとがそれぞれ分離して右眼と左眼とに入射するので、3D眼鏡19bをかけた人は立体画像を見ることができる。
【0058】
このような構成により、スクリーン19の代わりに液晶パネル101を用いても高精細な立体画像を見るときの右眼用画像12cと左眼用画像13cの明るさが同じに感じられるように正確に視感度調整をすることができ、右眼用画像12cと左眼用画像13cがバランスのよい明るさで高精細な立体画像を表示する投射型の画像表示装置を実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明の画像表示装置は、高精細な立体画像を見るときに左眼用画像と右眼用画像の明るさが同じに感じられるように、コヒーレント光の波長や光量などを調整することにより正確に視感度調整をすることができる。その結果、左眼用画像と右眼用画像がバランスのよい明るさで色再現性のよい高精細な立体画像を表示する画像表示装置を実現することができ有用である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる画像表示装置の概略構成図
【図2】波長に対する人の眼の視感度曲線を示す図
【図3】本発明の実施の形態1にかかる画像表示装置において第1のコヒーレント光および第2のコヒーレント光の波長と光量とを測定する受光部の光学構成の1例を示す模式図
【図4】本発明の実施の形態1にかかる画像表示装置において第1のコヒーレント光および第2のコヒーレント光の波長と光量とを測定する受光部の光学構成の他の1例を示す模式図
【図5】本発明の実施の形態1にかかる画像表示装置において第1のコヒーレント光および第2のコヒーレント光として出射される時間分割された光パルス列を模式的に示す図
【図6】本発明の実施の形態1にかかる他の画像表示装置の概略構成図
【図7】本発明の実施の形態1にかかるさらに他の画像表示装置の概略構成図
【図8】図7の画像表示装置において第1の光パルス列および第2の光パルス列の波長と光量とを測定する受光部の光学構成の1例を示す模式図
【図9】本発明の実施の形態2にかかる画像表示装置の概略構成図
【図10】本発明の実施の形態3にかかる画像表示装置の概略構成図
【符号の説明】
【0061】
10,20,30,40,50 画像表示装置
11 第1の平面
11a,11b 偏光面
12,32 第1のコヒーレント光
12a 第1のレーザ光源
12b,13b,32b,33b 青色レーザ光(B光)
12c,32c 右眼用画像
12d,13d ファイバ
12e,13e コリメートレンズ
12f,13f,15a,19a,19d,28 矢印
12g,13g,32g,33g 緑色レーザ光(G光)
12m 第1の光変調素子
12r,13r,32r,33r 赤色レーザ光(R光)
12R,13R 赤色レーザ光源(R光源)
12G,13G 緑色レーザ光源(G光源)
12B,13B 青色レーザ光源(B光源)
13,33 第2のコヒーレント光
13a 第2のレーザ光源
13c,33c 左眼用画像
13m 第2の光変調素子
14 偏光ビームスプリッタ
15 光学系
16,18b 部分反射板
16a 反射光
17 集光レンズ
18,42(42a,42b) 受光部
18a,18g,18h,18k,18m,18n,18p 受光素子
18c スペクトラムアナライザ
18d,18s 受光制御部
18e,18j ダイクロイックミラー
18f グレーティング
18q,21a 配線
19 スクリーン
19b 3D眼鏡
19c 位置
19e 表示面
21,111 制御部
21b 第1の光源制御部
21c 第2の光源制御部
25,34 第1の光パルス列
26,35 第2の光パルス列
27b,27g,27r 時間帯
41 走査部
41a 第1の走査部
41b 第2の走査部
101 液晶パネル
102,104 ガラス基板
103 液晶層
105 画素
105R 赤色画素部(Rサブピクセル)
105G 緑色画素部(Gサブピクセル)
105B 青色画素部(Bサブピクセル)
106 出射側偏光板
107 入射側偏光板
108 拡散板
109 裏面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の平面に平行な偏光面を有する第1のコヒーレント光を出射する第1のレーザ光源と、
第1の平面に垂直な偏光面を有し、前記第1のコヒーレント光の波長と異なる波長を有する第2のコヒーレント光を出射する第2のレーザ光源と、
前記第1のコヒーレント光を右眼用の画像信号に基づいて変調する第1の光変調素子と、
前記第2のコヒーレント光を左眼用の画像信号に基づいて変調する第2の光変調素子と、
前記第1のコヒーレント光および前記第2のコヒーレント光の一部を受光し、検出信号を出力する受光部と、
前記第1のレーザ光源および前記第2のレーザ光源、前記第1の光変調素子および前記第2の光変調素子、前記受光部を制御する制御部とを備え、
前記制御部は前記受光部により出力される検出信号に基づき、前記第1のコヒーレント光により表示される右眼用画像と、前記第2のコヒーレント光により表示される左眼用画像から感じる明るさの差を軽減する制御を行うことを特徴とする、画像表示装置。
【請求項2】
前記制御は、前記制御部が前記受光部により出力される検出信号に基づき、前記第1のレーザ光源および/もしくは前記第2のレーザ光源を制御し、前記第1のコヒーレント光および/もしくは前記第2のコヒーレント光の光量を調整することにより行われることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記第1のレーザ光源および前記第2のレーザ光源は、赤色レーザ光源、緑色レーザ光源および青色レーザ光源からなるRGB光源であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記第1のコヒーレント光および前記第2のコヒーレント光は、時間分割された光パルスからなる光パルス列として出射され、前記光パルス列は第1の光パルス列と第2の光パルス列からなり、前記第1の光パルス列と前記第2の光パルス列は、同じ時間帯に赤色、緑色および青色のうちいずれか一色の同じ色の光パルスからなることを特徴とする請求項3に記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記第1のコヒーレント光および前記第2のコヒーレント光は、時間分割された光パルスからなる光パルス列として出射され、前記光パルス列は第1の光パルス列と第2の光パルス列からなり、前記第1の光パルス列と前記第2の光パルス列は、同じ時間帯に赤色、緑色および青色のうちいずれか一色の異なる色の光パルスからなることを特徴とする請求項3に記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記第1の光変調素子および前記第2の光変調素子により変調されたのちに入射した前記第1のコヒーレント光および前記第2のコヒーレント光を同じ方向に出射する偏光ビームスプリッタと、
前記偏光ビームスプリッタから出射される前記第1のコヒーレント光および前記第2のコヒーレント光を拡大投射する光学系と、
をさらに備える、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項7】
前記第1の光変調素子および前記第2の光変調素子により変調された前記第1のコヒーレント光および前記第2のコヒーレント光それぞれを走査する第1の走査部および第2の走査部をさらに備える、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項8】
前記第1のコヒーレント光および前記第2のコヒーレント光により画像を表示するスクリーンをさらに備え、
前記スクリーンは立体画像を表示することを特徴とする、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項9】
第1の平面に平行な偏光面を有する第1のコヒーレント光を出射する赤色レーザ光源、緑色レーザ光源および青色レーザ光源からなるRGB光源である第1のレーザ光源と、
第1の平面に垂直な偏光面を有し、前記第1のコヒーレント光の波長と異なる波長を有する第2のコヒーレント光を出射する赤色レーザ光源、緑色レーザ光源および青色レーザ光源からなるRGB光源である第2のレーザ光源と、
前記第1のコヒーレント光を右眼用の画像信号に基づいて変調する第1の光変調素子と、
前記第2のコヒーレント光を左眼用の画像信号に基づいて変調する第2の光変調素子と、
前記第1のコヒーレント光および前記第2のコヒーレント光の一部を受光し、検出信号を出力する受光部と、
前記第1のコヒーレント光および前記第2のコヒーレント光が入射される、出力側に偏光板が配置された液晶パネルと、
前記第1のレーザ光源および前記第2のレーザ光源、前記第1の光変調素子および前記第2の光変調素子、前記受光部および前記液晶パネルを制御する制御部とを備え、
前記制御部は前記受光部により出力される検出信号に基づき、前記第1のコヒーレント光により表示される右眼用画像と、前記第2のコヒーレント光より表示される左眼用画像から感じる明るさの差を軽減する制御を行い、
前記液晶パネルはフィールドシーケンシャル方式により立体画像を表示することを特徴とする、画像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−128414(P2010−128414A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−305985(P2008−305985)
【出願日】平成20年12月1日(2008.12.1)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】