画像補正量検出装置、電気光学装置用駆動回路、電気光学装置及び電子機器
【課題】 面内における最適LCコモン電圧を等価的に均一にする画像補正量を求める。
【解決手段】 表示部に対して、極性反転する前記画像信号を発生して供給する画像信号発生手段5と、前記表示部によって表示される画像の各画素位置の輝度を検出する輝度検出手段3,4と、前記表示部に設定する基準電圧を変更しながら、正極性及び負極性の前記画像信号同士の輝度差を各画素位置で求め、最小輝度差を与える基準電圧の前記表示部における分布を求めて、前記正極性及び負極性の画像信号の実効値を一致させる最適基準電圧を得るための画像補正量を出力する補正値演算手段9とを具備したことを特徴とする。
【解決手段】 表示部に対して、極性反転する前記画像信号を発生して供給する画像信号発生手段5と、前記表示部によって表示される画像の各画素位置の輝度を検出する輝度検出手段3,4と、前記表示部に設定する基準電圧を変更しながら、正極性及び負極性の前記画像信号同士の輝度差を各画素位置で求め、最小輝度差を与える基準電圧の前記表示部における分布を求めて、前記正極性及び負極性の画像信号の実効値を一致させる最適基準電圧を得るための画像補正量を出力する補正値演算手段9とを具備したことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示領域の全域にわたって、いわゆるフリッカ等を適切に低減させた画像補正量検出装置、電気光学装置用駆動回路、電気光学装置及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
電気光学装置、例えば、電気光学物質として液晶を用いた液晶表示装置は、陰極線管(CRT)に代わるディスプレイデバイスとして、各種情報処理機器の表示部や液晶テレビ等に広く用いられている。
【0003】
このような液晶表示装置は、例えば、マトリクス状に配列した画素電極と、この画素電極に接続されたTFT(Thin Film Transistor : 薄膜トランジスタ)のようなスイッチング素子等が設けられた素子基板と、画素電極に対向する対向電極が形成された対向基板と、これら両基板との間に充填された電気光学物質たる液晶とによって構成される。
【0004】
TFTは走査線(ゲート線)を介して供給される走査信号(ゲート信号)によって導通する。走査信号を印加してスイッチング素子を導通状態にした状態で、データ線(ソース線)を介して画素電極に、階調に応じた電圧の画像信号を印加する。そうすると、画素電極と対向電極に、画像信号の電圧に応じた電荷が蓄積される。電荷蓄積後、走査信号を取り去りTFTを非導通状態にしても、各電極における電荷の蓄積状態は、液晶層の容量性や蓄積容量等によって維持される。
【0005】
このように、各スイッチング素子を駆動させ、蓄積させる電荷量を階調に応じて制御すると、画素毎に液晶の配向状態が変化して光の透過率が変わり、画素毎に明るさを変化させることができる。こうして、階調表示することが可能となる。
【0006】
ところで、液晶装置では、印加信号の直流成分の印加などによって、例えば、液晶成分の分解、液晶セル中の不純物による汚染が発生し、表示画像の焼き付き等の現象が現れる。そこで、一般的には、各画素電極の駆動電圧の極性を、例えば画像信号におけるフレーム毎に反転させる反転駆動が行われる。フレーム反転駆動等の面反転駆動は、画像表示領域を構成する全画素電極の駆動電圧の極性を全て同じにして、一定周期で駆動電圧を反転させる方式である。
【0007】
液晶層及び蓄積容量の容量性を考慮すると、各画素の液晶層に電荷を印加するのは一部の期間のみでよい。従って、マトリクス状に配設された複数の画素を駆動する場合には、同一走査ラインに接続された画素に各走査線によって同時に走査信号を印加し、画像信号をデータ線を介して各画素に供給し、また画像信号を供給する走査線を順次切換えればよい。即ち、液晶表示装置では、走査線及びデータ線を複数の画素について共通化した時分割マルチプレックス駆動が可能となる。
【0008】
このように、液晶装置では、容量性を考慮して、画素には一部の期間にのみ駆動電圧が印加される。しかしながら、結合容量の影響及び電荷のリークによって、画素電極はTFTがオフの期間においてもソース線電位の影響を受ける。画素の印加電圧のこのような電位変動によって、画面内の表示が不均一となり、特に、中間調領域では画質の劣化が目立ってしまう。
【0009】
そこで、このような問題点を回避するために、液晶装置においては、1フレーム毎の反転駆動処理と共に、例えばライン毎に駆動電位の極性を異ならせるライン反転駆動等とを組み合わせた反転駆動が採用される。ソース線を介して転送される画像信号の極性を比較的短時間に切換えることで、結合容量の影響及び電荷のリークの影響を低減するのである。
ここで、画像信号の極性とは、基準電圧であるLCコモン電圧を基準とした相対的な極性のことを言う。
【特許文献1】特開2002−182622号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、ソース線を介して供給される画像信号は、TFTのソース・ドレイン路を経由して、画素電極に印加される。上述したように、TFTがオフになると、液晶層の容量性及び蓄積容量によって、画素電極に印加された画像信号は、次の書き込みまで次第にレベルが低下しながら保持される。ところが、TFTのオフの瞬間に、TFTのゲート・ソース間の寄生容量及び配線容量等に保持された電圧分だけ、画素電極の印加電圧が低下する、所謂プッシュダウンが生じる。更に、TFTのチャネル型の影響により、正極性の画像信号の書き込み直後のプッシュダウン量よりも、負極性の画像信号の書き込み直後のプッシュダウン量の方が大きい。
【0011】
このようなプッシュダウン量の相違によって、正極性画像信号と負極性画像信号との実効値が変化してしまう。一般的には、液晶層に直流成分を印加させないように、正極性画像信号と負極性画像信号の実効値が相互に一致するレベルに、対向電極に印加する電圧(以下、LCコモン電圧という)を設定する。即ち、プッシュダウン量が大きいほど、正極性画像信号と負極性画像信号との実効値を相互に一致させるLCコモン電圧(以下、最適LCコモン電圧という)が低下する。
【0012】
なお、プッシュダウンに起因して、液晶に直流成分が印加されることを防止するために、画像信号のレベルを制御する技術が特許文献1に記載されている。
【0013】
ところで、液晶装置においては、各走査線に走査信号を供給するYドライバは、画素領域の左右の一方又は両方に配置される。走査信号は配線抵抗等の影響によってYドライバからの距離が遠いほど波形が歪む。これにより、Yドライバからの距離が遠い画素ほど、プッシュダウン量も低下する。即ち、Yドライバからの距離が小さい画素ほど正極性と負極性のプッシュダウン量の差が大きく、距離が大きくなるとプッシュダウン量の差は小さくなる。即ち、画面位置に応じて、最適LCコモン電圧が変化することになる。
【0014】
また、一般的には、液晶装置を構成するTFT基板及び対向基板は積層構造を有し、液晶装置に斜めから入射された光は積層構造内で多重反射を起こして、TFT素子のチャネル領域やチャネル隣接領域に照射されてしまうことがある。そうすると、TFT素子のゲート側に流れる光リーク電流が発生する。リーク電流は、正極性画像信号のレベルを下げ、負極性画像信号のレベルをあげる。しかも、光リーク電流の影響は正極性駆動時の方が負極性駆動時よりも大きい。即ち、リーク電流の発生によって、最適LCコモン電圧は低くなる。
【0015】
ところが、開口領域の中央部と周辺部とでは、光リーク量が異なり、画面中央ほど光リーク量が大きい。即ち、画面位置に応じて、最適LCコモン電圧が変化することになる。
【0016】
LCコモン電圧は共通電極に印加する電圧であり、画面内で均一である。従って、画面位置によっては、プッシュダウンの影響及び光リークの影響等によって、実際に液晶容量に印加される電圧実効値が正極性書込と負極性書込とで異なってしまう。このため、交流駆動にも拘わらず、液晶容量には直流成分が印加されることになり、焼き付き現象が発生すると共に、正極性書込み時と負極性書込み時とで明滅(フリッカ)が発生して、表示品位が著しく低下する。
【0017】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、焼き付きやフリッカによる表示品位の低下を解消する電気光学装置を得るための画像信号の補正量を求めることができる画像補正量検出装置、電気光学装置用駆動回路、電気光学装置及び電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明に係る画像補正量検出装置は、格子状に配設された複数のソース線及び複数の走査線の各交差に対応して画素が構成され、前記走査線に供給される走査信号によって前記画素に設けられたスイッチング素子がオンされることによって前記ソース線に供給された画像信号が前記スイッチング素子を介して各画素の画素電極に与えられて画素表示が行われる表示部に対して、極性反転する前記画像信号を発生して供給する画像信号発生手段と、前記表示部によって表示される画像の各画素位置の輝度を検出する輝度検出手段と、前記表示部に設定する基準電圧を変更しながら、正極性及び負極性の前記画像信号同士の輝度差を各画素位置で求め、最小輝度差を与える基準電圧の前記表示部における分布を求めて、前記正極性及び負極性の画像信号の実効値を一致させる最適基準電圧を得るための画像補正量を出力する補正値演算手段とを具備したことを特徴とする。
【0019】
このような構成によれば、画像信号発生手段は、極性反転する前記画像信号を発生して、表示部に供給する。輝度検出手段は、表示部によって表示される画像の各画素位置の輝度を検出する。補正値演算手段は、表示部に設定する基準電圧を変更しながら、正極性及び負極性の前記画像信号同士の輝度差を各画素位置で求める。基準電圧を変化させることによって、表示部に供給する正極性及び負極性画像信号同士の実効値を一致させることができる。実効値を一致させると、輝度差が小さくなる。換言すると、輝度差を小さくする基準電圧は、表示部に供給する画像信号の直流分を0にするものである。補正値演算手段は、最小輝度差を与える基準電圧の表示部における分布を求めて、正極性及び負極性の画像信号の実効値を一致させる最適基準電圧を得るための画像補正量を出力する。この画像補正量を用いることで、表示部に供給される画像信号の直流分を抑制して、焼き付き現象及びフリッカが生じない高品位の画像表示を可能にすることができる。
【0020】
また、前記画像補正量は、前記表示部と同一構成の表示部に設定する設定基準電圧と前記最小輝度差を与える基準電圧との差を各画素毎に求めた値であることを特徴とする。
【0021】
このような構成によれば、画像補正量は、各画素の正極性及び負極性画像信号の輝度差を最小にするものであり、この画像補正量を用いることで、焼き付き現象及びフリッカが生じない高品位の画像表示を可能にすることができる。
【0022】
また、前記輝度検出手段は、前記画像の全画素位置のうちの一部の画素位置の輝度を検出し、前記補正値演算手段は、前記輝度検出手段の輝度の検出結果を補間処理して前記画像の全画素位置の輝度値を得ることを特徴とする。
【0023】
このような構成によれば、少ない画素位置の輝度検出結果に対する補間処理によって、全画素の輝度値を求めることができ、少ない演算量で高精度の補正を可能にする画像補正量を得ることができる。
【0024】
また、前記画像信号発生手段は、面内において、正極性駆動される画素に中間調表示及び黒表示のうちの一方を行う画像信号を供給し、負極性駆動される画素に中間調表示及び黒表示のうちの他方を行う画像信号を供給することを特徴とする。
【0025】
このような構成によれば、各画素を駆動する画像信号の極性の変化と画像信号の極性の変化とが一致するので、輝度検出手段の検出結果によって、容易にフリッカを判定することかできる。また、中間調表示においては、画像信号の変化に対する輝度変化が大きく、フリッカの判定を確実に行うことができる。
【0026】
本発明に係る電気光学装置用駆動回路は、上記画像補正量検出装置によって求められた画像補正量の情報であって、フリッカを最小にするための画像補正量の情報を記憶する記憶手段と、格子状に配設された複数のソース線及び複数の走査線の各交差に対応して画素が構成され、前記走査線に供給される走査信号によって前記画素に設けられたスイッチング素子がオンされることによって前記ソース線に供給された画像信号が前記スイッチング素子を介して各画素の画素電極に与えられて画素表示が行われる表示部に対して、前記記憶手段に記憶されている画像補正量の情報に基づいて補正された画像信号を供給する補正手段とを具備したことを特徴とする。
【0027】
このような構成によれば、記憶手段には、フリッカを最小にする画像補正量が記憶される。補正手段はこの画像補正量を用いて、入力された画像信号を補正した後、表示部に与える。これにより、表示部において表示される画像はフリッカが抑制されて、高品位の画像表示が可能である。
【0028】
本発明に係る電気光学装置は、格子状に配設された複数のソース線及び複数の走査線の各交差に対応して画素が構成され、前記走査線に供給される走査信号によって前記画素に設けられたスイッチング素子がオンされることによって前記ソース線に供給された画像信号が前記スイッチング素子を介して各画素の画素電極に与えられて画素表示が行われる表示部と、前記表示部に前記画像信号を供給する上記電気光学装置用駆動回路とを具備したことを特徴とする。
【0029】
このような構成によれば、表示部には、フリッカを抑制することができる画像信号が供給されるので、フリッカのない高品位の画像を表示することができる。
【0030】
また、本発明に係る電子機器は、上記電気光学装置を用いて表示装置を構成したことを特徴とする。
【0031】
このような構成によれば、表示部に供給される画像信号がフリッカを最小にするものになっているので、表示装置において、フリッカのない高品位の画像表示が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は本発明の一実施の形態に係る画像補正量検出装置を示すブロック図である。また、図2は本実施の形態によって求めた画像補正量を利用する電気光学装置を示す説明図である。本実施の形態は液晶パネルによる透過像を合成した後、拡大投射するプロジェクタにおける画像補正量の検出に適用したものである。
【0033】
<実施の形態>
先ず図2を参照して本実施の形態によって求めた画像補正量を利用するプロジェクタの光学系の構成について概略的に説明する。
【0034】
図2において、プロジェクタ1100内部には、ハロゲンランプ等の白色光源からなるランプユニット1102が設けられている。このランプユニット1102から射出された投射光は、内部に配置された3枚のミラー1106及び2枚のダイクロイックミラー1108によってR(赤)、G(緑)、B(青)の3原色に分離されて、各原色に対応する液晶パネル100R、100G、100Bにそれぞれ導かれる。
【0035】
ここで、液晶パネル100R、100B、100Gには、後述する処理回路300により処理されたR、G、Bの画像信号がそれぞれ供給される。これにより、液晶パネル100R、100G、100Bは、それぞれRGBの各原色画像を生成する光変調器として機能することになる。これらの液晶パネル100R、100B、100Gによって変調された光は、ダイクロイックプリズム1112に3方向から入射される。このダイクロイックプリズム1112においては、R及びBの光が90度に屈折する一方、Gの光が直進する。これにより、各原色画像の合成像が、投射レンズ1114を介して、スクリーン1120に投写されることとなる。なお、液晶パネル100R、100B、100Gには、ダイクロイックミラー1108によって、R、G、Bの各原色に対応する光が入射するので、直視型パネルのようなカラーフィルタは不要である。
【0036】
次に、このプロジェクタ1100の電気的な構成について説明する。
【0037】
図3はプロジェクタの電気的な構成を示すブロック図である。プロジェクタ1100は、3枚の液晶パネル100R、100G、100Bと、タイミング制御回路200と、処理回路300とを備える。このうち、タイミング制御回路200は、上位装置から供給される垂直走査信号Vs、水平走査信号Hs及びドットクロック信号DCLKにしたがって、各部を制御するためのタイミング信号やクロック信号などを生成するものである。
【0038】
一方、処理回路300は、ROM321、ガンマ補正回路310、補正回路320、S/P(シリアル−パラレル)変換回路330R、330G、330B及び反転増幅回路340R、340G、340Bから構成されている。このうち、ガンマ補正回路310は、R、G、Bに対応して供給されるディジタルの画像データDR、DG、DBに対し、液晶パネル100R、100G、100Bの各々の表示特性に対応するように、ガンマ補正を施して、画像データDR’、DG’、DB’として出力するものである。補正回路320は、画像データDR’、DG’、DB’に対し、フリッカ等を、色毎に、かつ、画素毎に防止する補正を施すとともに、補正されたデータをD/A変換して、画像信号VIDR、VIDG、VIDBとして出力するものである。
【0039】
ROM321には、図1の画像補正量検出装置によって求めた画像補正量、即ち、フリッカを最小にすると共に、焼き付き現象を防止するための画像補正量のデータが格納されている。補正回路320は、ROM321に記憶された画像補正量を用いて画像データを補正する。例えば、補正回路320は、各画素毎の入力画像データDR’、DG’、DB’に、画像補正量検出装置によって求めた各画素毎の画像補正量を加算することで、画像データを補正する。
【0040】
赤(R)に対応するS/P変換回路330Rは、1系統の画像信号VIDRを入力すると、これを6系統に分配するとともに、時間軸に対して6倍に伸長(シリアル−パラレル変換)して出力するものである(図5参照)。ここで、6系統の画像信号に変換する理由は、後述するサンプリングスイッチ151(図4参照)において、画像信号の印加時間を長くして、画像信号のサンプリング時間及び充放電時間を十分に確保するためである。Rに対応する反転増幅回路340Rは、画像信号を極性反転させた後、増幅して、画像信号VIDr1〜VIDr6として液晶パネル100Rに供給するものである。
【0041】
なお、補正回路320による緑(G)の画像信号VIDGについても、同様に、S/P変換回路330Gによって6系統に変換された後に、反転増幅回路340Gによって反転・増幅されて、画像信号VIDg1〜VIDg6として液晶パネル100Gに供給される。同様に、青(B)の画像信号VIDBについても、S/P変換回路330Bによって6系統に変換された後に、反転増幅回路340Bによって反転・増幅されて、画像信号VIDb1〜VIDb6として液晶パネル100Bに供給される。ここで、画像信号の極性とは、基準電圧であるLCコモン電圧を基準とした相対的な極性のことを言う。
【0042】
なお、反転・増幅回路340R、340G、340Bは、一定電位Vcを基準としてその電圧レベルを交互に反転させることで極性反転を行う。また反転するか否かについては、データ線への画像信号の印加方式が走査線単位の極性反転であるか、データ線単位の極性反転であるか、画素単位の極性反転であるかに応じて定められ、その反転周期は、1水平走査期間またはドットクロック周期に設定されるが、以下の説明では、便宜的に、走査線単位の極性反転であるとする。
【0043】
次に、液晶パネル100R、100G、100Bの構成について説明する。
【0044】
なお、液晶パネル100R、100G、100Bについては、電気的にみれば互いに同一構成であるので、ここでは、Rに対応する液晶パネル100Rを例にとって説明する。図4は、液晶パネル100Rの構成を示すブロック図である。この図に示すように、液晶パネル100の表示領域100aにあっては、複数本の走査線112が行(X)方向に沿って平行に形成され、また、複数本のデータ線114が列(Y)方向に沿って平行に形成されている。そして、これらの走査線112とデータ線114とが交差する部分においては、スイッチング素子たるTFT116のゲートが走査線112に接続される一方、TFT116のソースがデータ線114に接続されるとともに、TFT116のドレインが矩形状の透明な画素電極118に接続されている。ここで、画素電極118は、対向電極108と対向し、さらに両電極間において液晶105が挟持された構成となっている。すなわち、液晶容量は、画素電極と対向電極との間に液晶が挟持されることにより形成される。
【0045】
表示領域100aの周辺には、走査線駆動回路130や、データ線駆動回路140、サンプリングスイッチ151等からなる周辺回路120が設けられる。このうち、走査線駆動回路130は、図5に示すように、垂直走査期間の開始に供給される転送パルスDYを、クロック信号CLYの論理レベルが遷移する毎に(立ち上がり及び立ち下がり)順次シフトして、1水平走査期間1H毎に排他的にオン電位となるような走査信号G1、G2、G3、…、Gyを、各走査線112に供給するものである。
【0046】
データ線駆動回路140は、順次オン電位となるサンプリング制御信号S1、S2、…、Sxを、1水平走査期間内に出力するものである。詳細には、データ線駆動回路140は、図5に示すように、水平走査期間のはじまりに供給される転送パルスDXを、クロック信号CLXの論理レベルが遷移する毎に順次シフトして、排他的にオン電位となるように、サンプリング制御信号S1、S2、S3、…、Sxを出力するものである。
【0047】
画像信号VIDr1〜VIDr6は、6本の画像信号線171を介して供給され、サンプリング制御信号S1、S2、S3、…、Sxにしたがって各データ線114にサンプリングされる構成となっている。詳細には、データ線114は6本毎にブロック化されており、図4において左から数えてi(iは、1、2、…、n)番目のブロックに属するデータ線114の6本のうち、最も左に位置するデータ線114の一端に接続されるサンプリングスイッチ151は、サンプリング信号Siがオン電位になると、画像信号線171を介して供給された画像信号VIDr1をサンプリングして、当該データ線114に供給する構成となっている。
【0048】
また、同じくi番目のブロックに属するデータ線114の6本のうち、2番目に位置するデータ線114の一端に接続されるサンプリングスイッチ151は、サンプリング信号Siがオン電位になると、画像信号VIDr2をサンプリングして、当該データ線114に供給する構成となっている。以下、同様に、i番目のブロックに属するデータ線114の6本のうち、3、4、5、6番目に位置するデータ線114の一端に接続されるサンプリングスイッチ151の各々は、サンプリング信号Siがオン電位になると、画像信号VIDr3、VIDr4、VIDr5、VIDr6の各々をそれぞれサンプリングして、対応するデータ線114に供給する構成となっている。
【0049】
また、表示領域100aには、このほかに、液晶容量の電荷蓄積を補助するための蓄積容量109が各液晶容量に対して並列に形成されている。詳細には、蓄積容量109の一端は、画素電極118(TFT116のドレイン)に接続される一方、その他端は、容量線175により共通接続されている。なお、この容量線175には、一定の電位(例えば電位LCcomや、オン電位Vdd、オフ電位Vssなど)に共通接地されている。
【0050】
図1において、画像補正量検出装置1は図2と同様の構成のプロジェクタ2を備えている。なお、プロジェクタ2は、図2と同様に3板式で構成されていてもよく、また、1つの液晶パネルを用いたモノクロの単板式で構成されていてもよい。プロジェクタ2は、上述した画像補正量の検出対象となる液晶パネル100と同一構成の図示しない液晶パネルを有して構成されているものとする。また、プロジェクタ2は、単板式であるか3板式であるかを除き、図3から補正回路320を省略した構成を有している。プロジェクタ2は、液晶パネル100を構成する図示しない対向基板上の共通電極に供給する基準電圧であるLCコモン電圧を、外部の制御によって変更可能となっている。
【0051】
基準電圧変更部6は、プロジェクタ2のLCコモン電圧を適宜変更可能である。画像信号発生部5は、所定のテスト画像の画像信号を発生してプロジェクタ2に供給することができるようになっている。プロジェクタ2は、基準電圧変更部6によって設定されたLCコモン電圧及び入力されたテスト画像の画像信号に基づいて液晶パネル100が駆動され、テスト画像をスクリーン3上に拡大投射するようになっている。
【0052】
なお、プロジェクタ2のLCコモン電圧を固定し、基準電圧変更部6の基準電圧の設定値を画像信号発生部5に与え、画像信号発生部5においてテスト画像の画像信号の基準電圧を変更しながらプロジェクタ2に供給するようにしてもよい。
【0053】
図6は図5中のスクリーン3の構成を示す説明図である。
【0054】
スクリーン3は、表面に複数の輝度計が取り付けられている。例えば、液晶パネル100の解像度が1024×768である場合において、スクリーン3には、液晶パネル100の128×128画素に対応する9×7カ所の表示位置毎に黒丸で示す輝度計が配設されている。
【0055】
スクリーン3の各輝度計は、輝度計駆動部4によって駆動されて、輝度計駆動部4は、各輝度計によって求めたスクリーン3上の各点の輝度値を輝度値収集部7に出力する。
【0056】
輝度値収集部7は、輝度計駆動部4からの輝度値を、テスト画像の種類毎に、正極性画像信号と負極性画像信号とについて、基準電圧の値と共に、メモリ8に格納する。輝度値収集部7は、輝度値の収集結果を補正値演算部9に出力する。
【0057】
補正値演算部9は、補正値演算部9はスクリーン3上の輝度計の配設位置と各配置位置における輝度値の収集結果とに基づいて、輝度計の配置位置に対応する液晶パネル100の画素以外の各画素についての各設定状態における輝度値を補間処理によって夫々算出する。
【0058】
そして、補正値演算部9は、求めた各画素位置に対応する輝度値に基づいて、液晶パネル100の各画素毎に、正極性画像信号に基づく輝度と負極性画像信号に基づく輝度とを比較し、両者の輝度値の差を最小とする基準電圧を求める。補正値演算部9は、液晶パネル100の画素単位で、輝度値の差を最小とする基準電圧の分布を求める。
【0059】
補正値演算部9は、図2のプロジェクタのLCコモン電圧として設定される基準電圧(以下、設定基準電圧という)を基準として、輝度値の差を最小とすることによって求めた基準電圧との差を各画素毎に求め、各画素位置における画像補正量とする。補正値演算部9が求めた画像補正量は、補正データとして、図3の補正回路320に供給される。
【0060】
なお、補正値演算部9は、液晶パネル100の各画素毎に画像補正量を求めたが、所定の領域毎に画像補正量を求めてもよく、この場合でも、表示領域100a内の最適LCコモン電圧の変化をある程度補正することが可能である。
【0061】
次に、図7乃至図9を参照して画像補正量算出の動作について説明する。図7は横軸に液晶の駆動電圧を示し縦軸に液晶の透過率をとって、電圧透過率特性を示すグラフである。図8はテスト画像を示す説明図である。また、図9は画像補正量算出処理を示すフローチャートである。
【0062】
上述したように、光リーク及びプッシュダウン等に起因して、表示領域100a内の各位置毎に最適LCコモン電圧は相違する。図3の装置においては、LCコモン電圧を固定の設定基準電圧に設定すると共に、表示領域100a内の各部毎に、図1の装置によって求めた画像補正量を画像信号に加算することによって、等価的に、表示領域100aの全領域において、最適LCコモン電圧を得るようになっている。
【0063】
画像信号発生部5は、図8(a)又は図8(b)に示すテスト画像の画像信号をプロジェクタ2に供給する。図8(a)は1ライン毎に中間調表示と黒表示とが変化するテストパターンを示し、図8(b)は中間調の全域が均一なレベルのテストパターンを示している。
【0064】
図7に示すように、液晶の駆動電圧(画像信号)の有効な範囲V1 〜V3 のうち、駆動電圧V2 の近辺、即ち、中間調に対応する電圧範囲では、その変化に対して透過率の変化が比較的大きい。このため、中間調のテスト画像を採用することで、輝度の変化を確認しやすくすることができる。
【0065】
1H反転駆動の場合には、1ラインおきに正極性画像信号と負極性画像信号とが交互に書き込まれる。従って、図8(a)に示すテスト画像を採用すると、画像の変化と画像信号の極性の変化とが一致しているので、フリッカを確認しやすくなる。本実施の形態においては、輝度計によってフリッカを検出するようになっているが、図8(a)のパターンを採用することで、輝度計が複数の画素を含む領域の輝度の測定を行う場合でも、輝度計の検出結果によってフリッカの数値化が容易である。また、図8(b)のラスタパターンを採用することで、1V反転駆動の場合におけるフリッカを確認しやすくすることができる。
【0066】
なお、図8(a)では、1ライン毎に正極性駆動と負極性駆動とが切換る1H反転駆動の場合のテストパターンの例を示したが、反転駆動としては2H反転駆動や、ドット反転駆動等の種々の面内反転駆動が考えられる。これらの場合には、面内で正極性駆動される画素と負極性駆動される画素とに夫々中間調表示又は黒表示を表示させればよい。
【0067】
例えば、正極性駆動する画素に中間調表示を行い、負極性駆動する画素に黒表示を行う。そうすると、輝度計により所定の領域毎に輝度を測定する場合でも、輝度計の測定結果によって、正極性駆動する画素の中間調表示に基づく輝度レベルが得られる。なお、逆に、正極性駆動する画素に黒表示を行い、負極性駆動する画素に中間調表示を行うと、負極性駆動する画素の中間調表示に基づく輝度レベルが得られる。
【0068】
従って、図8(a)のテストパターンを用いることで、正極性駆動時と負極性駆動時における輝度レベルを夫々得ることができる。なお、フィールド反転駆動では、所定のフィールドにおいて正極性駆動された画素は次のフィールドにおいて負極性駆動され、所定のフィールドにおいて負極性駆動された画素は次のフィールドにおいて正極性駆動される。従って、この場合には、2つのフィールドの測定結果によって、正極性駆動時の輝度レベルと負極性駆動時の輝度レベルとを得ることができる。
【0069】
なお、図8(a)では、中間調表示又は黒表示を行う例について説明したが、必ずしも黒表示でなくてもよく、駆動信号に対する輝度の変化が比較的小さい黒に近い表示を行うものでもよい。
【0070】
画像信号発生部5は、図8(a)又は(b)のテスト画像を、例えば、1H反転させながら出力することができ、更に、1H及び1V反転させながら出力することもできる。
【0071】
基準電圧変更部6は、プロジェクタ2の共通電極に設定する基準電圧を所定の範囲で、所定の制御単位毎に変化させる。例えば、基準電圧変更部6は、画像信号をデジタル処理する場合において、プロジェクタに入力される画像信号のLSB(最小重みビット(least significant bit))の1ビット単位で、基準電圧を変化させる。
【0072】
図9のステップS1 において、基準電圧変更部6は、基準電圧を所定の初期値に設定する。画像信号発生部5は、図8(a)又は(b)に示すテスト画像を発生してプロジェクタ2に供給する(ステップS2 )。プロジェクタ2は、設定された基準電圧をLCコモン電圧とし、入力されたテスト画像で液晶パネル100の各画素を駆動して、投射画像をスクリーン3に出射する(ステップS3 )。
【0073】
ステップS4 において、スクリーン3に配設された各輝度計は、正極性画像信号の駆動期間と負極性画像信号の駆動期間とにおいて、投射画像の各点の輝度を夫々検出する。輝度計駆動部4は、各輝度計によって求めた輝度値を輝度値収集部7に出力する。輝度値収集部7は、各輝度計によって求めた輝度値を、テスト画像の種類と基準電圧毎に、各輝度計の設置位置の情報と共にメモリ8に格納する(ステップS5 )。
【0074】
基準電圧変更部6は、ステップS6 において設定すべき全ての基準電圧を設定していない場合には、ステップS7 において基準電圧を更新する。この場合には、更新された基準電圧に対するステップS2 乃至S5 の処理が繰返され、求められた輝度値が、テスト画像の種類と基準電圧毎に、各輝度計の設置位置の情報と共にメモリ8に格納される。
【0075】
設定すべき全ての基準電圧に対するステップS2 乃至S5 の処理が終了すると、輝度値収集部7は輝度値の収集結果を補正値演算部9に供給する。補正値演算部9は、ステップS8 において、各画素位置毎に正極性画像信号に基づく輝度値と負極性の画像信号に基づく画素値とが最小(フリッカが最小)となる基準電圧を求める。
【0076】
なお、上述したように、補正値演算部9は、輝度計の配置位置の各輝度値を用いて、輝度計の配置位置に対応する液晶パネル100の画素以外の全ての画素に基づく輝度値を補間処理によって求めてもよい。この場合には、液晶パネル100の全画素について、フリッカが最小となる基準電圧を求めることができる。
【0077】
次に、補正値演算部9は、ステップS9 において、フリッカを最小とする基準電圧の表示領域内の分布を求める。補正値演算部9は、フリッカを最小とする基準電圧と所定の設定基準電圧との差を各画素毎に求め、各画素位置の補正値(画像補正量)とする。
【0078】
補正値演算部9は、この画像補正量を図3の補正回路320に供給する。補正回路320は、入力された画像信号に画像補正量を加算する。これにより、LCコモン電圧を最適LCコモン電圧にしたことと等価となり、液晶に直流分が加えられることが防止される。
【0079】
このように、本実施の形態によれば、正極性画像信号に基づく輝度と負極性画像信号に基づく輝度とを各画素位置毎に求めることで、各画素位置における最適LCコモン電圧の面内変化に基づく画像補正量を求めている。本実施の形態において求めた画像補正量を、例えば正極性画像信号及び負極性画像信号に加算することで、正負の実効値を等しくして、等価的に設定LCコモン電圧が全画素について最適LCコモン電圧となるようにしている。これにより、焼き付き現象やフリッカ等による表示品位の低下を抑制することができる。
【0080】
<電子機器>
次に、上述した処理回路をプロジェクタ以外の電子機器に用いた例について説明する。
【0081】
まず、上述した処理回路を、モバイル型のコンピュータの表示部に適用した例について説明する。図10はこのコンピュータの構成を示す斜視図である。図において、コンピュータ2100は、キーボード2102を備えた本体部2104と、液晶パネル100とから構成されている。また、液晶パネル100の背面には、視認性を高めるためのバックライトユニット(図示省略)が設けられる。
【0082】
ここで、上述したプロジェクタ1100は、RGBの各色にそれぞれ対応する液晶パネル100R、100G、100Bの3板構成であったが、この液晶パネル100は、カラーフィルタにより1枚でRGBの各色を表示するものである。したがって、このような液晶パネル100に対しては、画像信号VIDr1〜VIDr6、VIDg1〜VIDg6、VIDb1〜VIDb6は、並列的に供給されるのではなく、時分割で供給されることになる。この場合でも、上述した補正回路320と同様に、表示領域の中央からの距離に従って、正極性画像信号と負極性画像信号に対して同様の補正を施すことで、表示領域の全域にわたって適切に焼き付き現象やフリッカ等を低減することができる。
【0083】
次に、上述した処理回路を携帯電話の表示部に適用した例について説明する。図11はこの携帯電話の構成を示す斜視図である。図において、携帯電話2200は、複数の操作ボタン2202のほか、受話口2204、送話口2206とともに、表示部として用いられる液晶パネル100を備えるものである。この液晶パネル100も、カラーフィルタにより1枚でRGB各色を表示するものであるが、単に白黒の階調表示を行うものとしても良い。白黒の階調表示を行う場合には、画像処理回路は、3原色分ではなく、単色分の構成で済む。
【0084】
なお、図10、図11を参照して説明した電子機器の他にも、液晶テレビや、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた装置等などが挙げられる。そして、これらの各種電子機器に適用可能なのは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の一実施の形態に係る画像補正量検出装置を示すブロック図。
【図2】電気光学装置を示す説明図。
【図3】プロジェクタの電気的な構成を示すブロック図。
【図4】液晶パネル100Rの構成を示すブロック図。
【図5】プロジェクタの動作を示すタイミングチャート。
【図6】スクリーンの配置した輝度計を示す説明図。
【図7】液晶パネルの透過率特性を示すグラフ。
【図8】輝度検出用の画像信号を説明するための説明図。
【図9】補正値算出動作を示すフローチャート。
【図10】コンピュータの構成を示す斜視図。
【図11】携帯電話の構成を示す斜視図。
【符号の説明】
【0086】
2…プロジェクタ、3…スクリーン、4…輝度計駆動部、5…画像信号発生部、6…基準電圧変更部、7…輝度値収集部、8…メモリ、9…補正値演算部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示領域の全域にわたって、いわゆるフリッカ等を適切に低減させた画像補正量検出装置、電気光学装置用駆動回路、電気光学装置及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
電気光学装置、例えば、電気光学物質として液晶を用いた液晶表示装置は、陰極線管(CRT)に代わるディスプレイデバイスとして、各種情報処理機器の表示部や液晶テレビ等に広く用いられている。
【0003】
このような液晶表示装置は、例えば、マトリクス状に配列した画素電極と、この画素電極に接続されたTFT(Thin Film Transistor : 薄膜トランジスタ)のようなスイッチング素子等が設けられた素子基板と、画素電極に対向する対向電極が形成された対向基板と、これら両基板との間に充填された電気光学物質たる液晶とによって構成される。
【0004】
TFTは走査線(ゲート線)を介して供給される走査信号(ゲート信号)によって導通する。走査信号を印加してスイッチング素子を導通状態にした状態で、データ線(ソース線)を介して画素電極に、階調に応じた電圧の画像信号を印加する。そうすると、画素電極と対向電極に、画像信号の電圧に応じた電荷が蓄積される。電荷蓄積後、走査信号を取り去りTFTを非導通状態にしても、各電極における電荷の蓄積状態は、液晶層の容量性や蓄積容量等によって維持される。
【0005】
このように、各スイッチング素子を駆動させ、蓄積させる電荷量を階調に応じて制御すると、画素毎に液晶の配向状態が変化して光の透過率が変わり、画素毎に明るさを変化させることができる。こうして、階調表示することが可能となる。
【0006】
ところで、液晶装置では、印加信号の直流成分の印加などによって、例えば、液晶成分の分解、液晶セル中の不純物による汚染が発生し、表示画像の焼き付き等の現象が現れる。そこで、一般的には、各画素電極の駆動電圧の極性を、例えば画像信号におけるフレーム毎に反転させる反転駆動が行われる。フレーム反転駆動等の面反転駆動は、画像表示領域を構成する全画素電極の駆動電圧の極性を全て同じにして、一定周期で駆動電圧を反転させる方式である。
【0007】
液晶層及び蓄積容量の容量性を考慮すると、各画素の液晶層に電荷を印加するのは一部の期間のみでよい。従って、マトリクス状に配設された複数の画素を駆動する場合には、同一走査ラインに接続された画素に各走査線によって同時に走査信号を印加し、画像信号をデータ線を介して各画素に供給し、また画像信号を供給する走査線を順次切換えればよい。即ち、液晶表示装置では、走査線及びデータ線を複数の画素について共通化した時分割マルチプレックス駆動が可能となる。
【0008】
このように、液晶装置では、容量性を考慮して、画素には一部の期間にのみ駆動電圧が印加される。しかしながら、結合容量の影響及び電荷のリークによって、画素電極はTFTがオフの期間においてもソース線電位の影響を受ける。画素の印加電圧のこのような電位変動によって、画面内の表示が不均一となり、特に、中間調領域では画質の劣化が目立ってしまう。
【0009】
そこで、このような問題点を回避するために、液晶装置においては、1フレーム毎の反転駆動処理と共に、例えばライン毎に駆動電位の極性を異ならせるライン反転駆動等とを組み合わせた反転駆動が採用される。ソース線を介して転送される画像信号の極性を比較的短時間に切換えることで、結合容量の影響及び電荷のリークの影響を低減するのである。
ここで、画像信号の極性とは、基準電圧であるLCコモン電圧を基準とした相対的な極性のことを言う。
【特許文献1】特開2002−182622号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、ソース線を介して供給される画像信号は、TFTのソース・ドレイン路を経由して、画素電極に印加される。上述したように、TFTがオフになると、液晶層の容量性及び蓄積容量によって、画素電極に印加された画像信号は、次の書き込みまで次第にレベルが低下しながら保持される。ところが、TFTのオフの瞬間に、TFTのゲート・ソース間の寄生容量及び配線容量等に保持された電圧分だけ、画素電極の印加電圧が低下する、所謂プッシュダウンが生じる。更に、TFTのチャネル型の影響により、正極性の画像信号の書き込み直後のプッシュダウン量よりも、負極性の画像信号の書き込み直後のプッシュダウン量の方が大きい。
【0011】
このようなプッシュダウン量の相違によって、正極性画像信号と負極性画像信号との実効値が変化してしまう。一般的には、液晶層に直流成分を印加させないように、正極性画像信号と負極性画像信号の実効値が相互に一致するレベルに、対向電極に印加する電圧(以下、LCコモン電圧という)を設定する。即ち、プッシュダウン量が大きいほど、正極性画像信号と負極性画像信号との実効値を相互に一致させるLCコモン電圧(以下、最適LCコモン電圧という)が低下する。
【0012】
なお、プッシュダウンに起因して、液晶に直流成分が印加されることを防止するために、画像信号のレベルを制御する技術が特許文献1に記載されている。
【0013】
ところで、液晶装置においては、各走査線に走査信号を供給するYドライバは、画素領域の左右の一方又は両方に配置される。走査信号は配線抵抗等の影響によってYドライバからの距離が遠いほど波形が歪む。これにより、Yドライバからの距離が遠い画素ほど、プッシュダウン量も低下する。即ち、Yドライバからの距離が小さい画素ほど正極性と負極性のプッシュダウン量の差が大きく、距離が大きくなるとプッシュダウン量の差は小さくなる。即ち、画面位置に応じて、最適LCコモン電圧が変化することになる。
【0014】
また、一般的には、液晶装置を構成するTFT基板及び対向基板は積層構造を有し、液晶装置に斜めから入射された光は積層構造内で多重反射を起こして、TFT素子のチャネル領域やチャネル隣接領域に照射されてしまうことがある。そうすると、TFT素子のゲート側に流れる光リーク電流が発生する。リーク電流は、正極性画像信号のレベルを下げ、負極性画像信号のレベルをあげる。しかも、光リーク電流の影響は正極性駆動時の方が負極性駆動時よりも大きい。即ち、リーク電流の発生によって、最適LCコモン電圧は低くなる。
【0015】
ところが、開口領域の中央部と周辺部とでは、光リーク量が異なり、画面中央ほど光リーク量が大きい。即ち、画面位置に応じて、最適LCコモン電圧が変化することになる。
【0016】
LCコモン電圧は共通電極に印加する電圧であり、画面内で均一である。従って、画面位置によっては、プッシュダウンの影響及び光リークの影響等によって、実際に液晶容量に印加される電圧実効値が正極性書込と負極性書込とで異なってしまう。このため、交流駆動にも拘わらず、液晶容量には直流成分が印加されることになり、焼き付き現象が発生すると共に、正極性書込み時と負極性書込み時とで明滅(フリッカ)が発生して、表示品位が著しく低下する。
【0017】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、焼き付きやフリッカによる表示品位の低下を解消する電気光学装置を得るための画像信号の補正量を求めることができる画像補正量検出装置、電気光学装置用駆動回路、電気光学装置及び電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明に係る画像補正量検出装置は、格子状に配設された複数のソース線及び複数の走査線の各交差に対応して画素が構成され、前記走査線に供給される走査信号によって前記画素に設けられたスイッチング素子がオンされることによって前記ソース線に供給された画像信号が前記スイッチング素子を介して各画素の画素電極に与えられて画素表示が行われる表示部に対して、極性反転する前記画像信号を発生して供給する画像信号発生手段と、前記表示部によって表示される画像の各画素位置の輝度を検出する輝度検出手段と、前記表示部に設定する基準電圧を変更しながら、正極性及び負極性の前記画像信号同士の輝度差を各画素位置で求め、最小輝度差を与える基準電圧の前記表示部における分布を求めて、前記正極性及び負極性の画像信号の実効値を一致させる最適基準電圧を得るための画像補正量を出力する補正値演算手段とを具備したことを特徴とする。
【0019】
このような構成によれば、画像信号発生手段は、極性反転する前記画像信号を発生して、表示部に供給する。輝度検出手段は、表示部によって表示される画像の各画素位置の輝度を検出する。補正値演算手段は、表示部に設定する基準電圧を変更しながら、正極性及び負極性の前記画像信号同士の輝度差を各画素位置で求める。基準電圧を変化させることによって、表示部に供給する正極性及び負極性画像信号同士の実効値を一致させることができる。実効値を一致させると、輝度差が小さくなる。換言すると、輝度差を小さくする基準電圧は、表示部に供給する画像信号の直流分を0にするものである。補正値演算手段は、最小輝度差を与える基準電圧の表示部における分布を求めて、正極性及び負極性の画像信号の実効値を一致させる最適基準電圧を得るための画像補正量を出力する。この画像補正量を用いることで、表示部に供給される画像信号の直流分を抑制して、焼き付き現象及びフリッカが生じない高品位の画像表示を可能にすることができる。
【0020】
また、前記画像補正量は、前記表示部と同一構成の表示部に設定する設定基準電圧と前記最小輝度差を与える基準電圧との差を各画素毎に求めた値であることを特徴とする。
【0021】
このような構成によれば、画像補正量は、各画素の正極性及び負極性画像信号の輝度差を最小にするものであり、この画像補正量を用いることで、焼き付き現象及びフリッカが生じない高品位の画像表示を可能にすることができる。
【0022】
また、前記輝度検出手段は、前記画像の全画素位置のうちの一部の画素位置の輝度を検出し、前記補正値演算手段は、前記輝度検出手段の輝度の検出結果を補間処理して前記画像の全画素位置の輝度値を得ることを特徴とする。
【0023】
このような構成によれば、少ない画素位置の輝度検出結果に対する補間処理によって、全画素の輝度値を求めることができ、少ない演算量で高精度の補正を可能にする画像補正量を得ることができる。
【0024】
また、前記画像信号発生手段は、面内において、正極性駆動される画素に中間調表示及び黒表示のうちの一方を行う画像信号を供給し、負極性駆動される画素に中間調表示及び黒表示のうちの他方を行う画像信号を供給することを特徴とする。
【0025】
このような構成によれば、各画素を駆動する画像信号の極性の変化と画像信号の極性の変化とが一致するので、輝度検出手段の検出結果によって、容易にフリッカを判定することかできる。また、中間調表示においては、画像信号の変化に対する輝度変化が大きく、フリッカの判定を確実に行うことができる。
【0026】
本発明に係る電気光学装置用駆動回路は、上記画像補正量検出装置によって求められた画像補正量の情報であって、フリッカを最小にするための画像補正量の情報を記憶する記憶手段と、格子状に配設された複数のソース線及び複数の走査線の各交差に対応して画素が構成され、前記走査線に供給される走査信号によって前記画素に設けられたスイッチング素子がオンされることによって前記ソース線に供給された画像信号が前記スイッチング素子を介して各画素の画素電極に与えられて画素表示が行われる表示部に対して、前記記憶手段に記憶されている画像補正量の情報に基づいて補正された画像信号を供給する補正手段とを具備したことを特徴とする。
【0027】
このような構成によれば、記憶手段には、フリッカを最小にする画像補正量が記憶される。補正手段はこの画像補正量を用いて、入力された画像信号を補正した後、表示部に与える。これにより、表示部において表示される画像はフリッカが抑制されて、高品位の画像表示が可能である。
【0028】
本発明に係る電気光学装置は、格子状に配設された複数のソース線及び複数の走査線の各交差に対応して画素が構成され、前記走査線に供給される走査信号によって前記画素に設けられたスイッチング素子がオンされることによって前記ソース線に供給された画像信号が前記スイッチング素子を介して各画素の画素電極に与えられて画素表示が行われる表示部と、前記表示部に前記画像信号を供給する上記電気光学装置用駆動回路とを具備したことを特徴とする。
【0029】
このような構成によれば、表示部には、フリッカを抑制することができる画像信号が供給されるので、フリッカのない高品位の画像を表示することができる。
【0030】
また、本発明に係る電子機器は、上記電気光学装置を用いて表示装置を構成したことを特徴とする。
【0031】
このような構成によれば、表示部に供給される画像信号がフリッカを最小にするものになっているので、表示装置において、フリッカのない高品位の画像表示が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は本発明の一実施の形態に係る画像補正量検出装置を示すブロック図である。また、図2は本実施の形態によって求めた画像補正量を利用する電気光学装置を示す説明図である。本実施の形態は液晶パネルによる透過像を合成した後、拡大投射するプロジェクタにおける画像補正量の検出に適用したものである。
【0033】
<実施の形態>
先ず図2を参照して本実施の形態によって求めた画像補正量を利用するプロジェクタの光学系の構成について概略的に説明する。
【0034】
図2において、プロジェクタ1100内部には、ハロゲンランプ等の白色光源からなるランプユニット1102が設けられている。このランプユニット1102から射出された投射光は、内部に配置された3枚のミラー1106及び2枚のダイクロイックミラー1108によってR(赤)、G(緑)、B(青)の3原色に分離されて、各原色に対応する液晶パネル100R、100G、100Bにそれぞれ導かれる。
【0035】
ここで、液晶パネル100R、100B、100Gには、後述する処理回路300により処理されたR、G、Bの画像信号がそれぞれ供給される。これにより、液晶パネル100R、100G、100Bは、それぞれRGBの各原色画像を生成する光変調器として機能することになる。これらの液晶パネル100R、100B、100Gによって変調された光は、ダイクロイックプリズム1112に3方向から入射される。このダイクロイックプリズム1112においては、R及びBの光が90度に屈折する一方、Gの光が直進する。これにより、各原色画像の合成像が、投射レンズ1114を介して、スクリーン1120に投写されることとなる。なお、液晶パネル100R、100B、100Gには、ダイクロイックミラー1108によって、R、G、Bの各原色に対応する光が入射するので、直視型パネルのようなカラーフィルタは不要である。
【0036】
次に、このプロジェクタ1100の電気的な構成について説明する。
【0037】
図3はプロジェクタの電気的な構成を示すブロック図である。プロジェクタ1100は、3枚の液晶パネル100R、100G、100Bと、タイミング制御回路200と、処理回路300とを備える。このうち、タイミング制御回路200は、上位装置から供給される垂直走査信号Vs、水平走査信号Hs及びドットクロック信号DCLKにしたがって、各部を制御するためのタイミング信号やクロック信号などを生成するものである。
【0038】
一方、処理回路300は、ROM321、ガンマ補正回路310、補正回路320、S/P(シリアル−パラレル)変換回路330R、330G、330B及び反転増幅回路340R、340G、340Bから構成されている。このうち、ガンマ補正回路310は、R、G、Bに対応して供給されるディジタルの画像データDR、DG、DBに対し、液晶パネル100R、100G、100Bの各々の表示特性に対応するように、ガンマ補正を施して、画像データDR’、DG’、DB’として出力するものである。補正回路320は、画像データDR’、DG’、DB’に対し、フリッカ等を、色毎に、かつ、画素毎に防止する補正を施すとともに、補正されたデータをD/A変換して、画像信号VIDR、VIDG、VIDBとして出力するものである。
【0039】
ROM321には、図1の画像補正量検出装置によって求めた画像補正量、即ち、フリッカを最小にすると共に、焼き付き現象を防止するための画像補正量のデータが格納されている。補正回路320は、ROM321に記憶された画像補正量を用いて画像データを補正する。例えば、補正回路320は、各画素毎の入力画像データDR’、DG’、DB’に、画像補正量検出装置によって求めた各画素毎の画像補正量を加算することで、画像データを補正する。
【0040】
赤(R)に対応するS/P変換回路330Rは、1系統の画像信号VIDRを入力すると、これを6系統に分配するとともに、時間軸に対して6倍に伸長(シリアル−パラレル変換)して出力するものである(図5参照)。ここで、6系統の画像信号に変換する理由は、後述するサンプリングスイッチ151(図4参照)において、画像信号の印加時間を長くして、画像信号のサンプリング時間及び充放電時間を十分に確保するためである。Rに対応する反転増幅回路340Rは、画像信号を極性反転させた後、増幅して、画像信号VIDr1〜VIDr6として液晶パネル100Rに供給するものである。
【0041】
なお、補正回路320による緑(G)の画像信号VIDGについても、同様に、S/P変換回路330Gによって6系統に変換された後に、反転増幅回路340Gによって反転・増幅されて、画像信号VIDg1〜VIDg6として液晶パネル100Gに供給される。同様に、青(B)の画像信号VIDBについても、S/P変換回路330Bによって6系統に変換された後に、反転増幅回路340Bによって反転・増幅されて、画像信号VIDb1〜VIDb6として液晶パネル100Bに供給される。ここで、画像信号の極性とは、基準電圧であるLCコモン電圧を基準とした相対的な極性のことを言う。
【0042】
なお、反転・増幅回路340R、340G、340Bは、一定電位Vcを基準としてその電圧レベルを交互に反転させることで極性反転を行う。また反転するか否かについては、データ線への画像信号の印加方式が走査線単位の極性反転であるか、データ線単位の極性反転であるか、画素単位の極性反転であるかに応じて定められ、その反転周期は、1水平走査期間またはドットクロック周期に設定されるが、以下の説明では、便宜的に、走査線単位の極性反転であるとする。
【0043】
次に、液晶パネル100R、100G、100Bの構成について説明する。
【0044】
なお、液晶パネル100R、100G、100Bについては、電気的にみれば互いに同一構成であるので、ここでは、Rに対応する液晶パネル100Rを例にとって説明する。図4は、液晶パネル100Rの構成を示すブロック図である。この図に示すように、液晶パネル100の表示領域100aにあっては、複数本の走査線112が行(X)方向に沿って平行に形成され、また、複数本のデータ線114が列(Y)方向に沿って平行に形成されている。そして、これらの走査線112とデータ線114とが交差する部分においては、スイッチング素子たるTFT116のゲートが走査線112に接続される一方、TFT116のソースがデータ線114に接続されるとともに、TFT116のドレインが矩形状の透明な画素電極118に接続されている。ここで、画素電極118は、対向電極108と対向し、さらに両電極間において液晶105が挟持された構成となっている。すなわち、液晶容量は、画素電極と対向電極との間に液晶が挟持されることにより形成される。
【0045】
表示領域100aの周辺には、走査線駆動回路130や、データ線駆動回路140、サンプリングスイッチ151等からなる周辺回路120が設けられる。このうち、走査線駆動回路130は、図5に示すように、垂直走査期間の開始に供給される転送パルスDYを、クロック信号CLYの論理レベルが遷移する毎に(立ち上がり及び立ち下がり)順次シフトして、1水平走査期間1H毎に排他的にオン電位となるような走査信号G1、G2、G3、…、Gyを、各走査線112に供給するものである。
【0046】
データ線駆動回路140は、順次オン電位となるサンプリング制御信号S1、S2、…、Sxを、1水平走査期間内に出力するものである。詳細には、データ線駆動回路140は、図5に示すように、水平走査期間のはじまりに供給される転送パルスDXを、クロック信号CLXの論理レベルが遷移する毎に順次シフトして、排他的にオン電位となるように、サンプリング制御信号S1、S2、S3、…、Sxを出力するものである。
【0047】
画像信号VIDr1〜VIDr6は、6本の画像信号線171を介して供給され、サンプリング制御信号S1、S2、S3、…、Sxにしたがって各データ線114にサンプリングされる構成となっている。詳細には、データ線114は6本毎にブロック化されており、図4において左から数えてi(iは、1、2、…、n)番目のブロックに属するデータ線114の6本のうち、最も左に位置するデータ線114の一端に接続されるサンプリングスイッチ151は、サンプリング信号Siがオン電位になると、画像信号線171を介して供給された画像信号VIDr1をサンプリングして、当該データ線114に供給する構成となっている。
【0048】
また、同じくi番目のブロックに属するデータ線114の6本のうち、2番目に位置するデータ線114の一端に接続されるサンプリングスイッチ151は、サンプリング信号Siがオン電位になると、画像信号VIDr2をサンプリングして、当該データ線114に供給する構成となっている。以下、同様に、i番目のブロックに属するデータ線114の6本のうち、3、4、5、6番目に位置するデータ線114の一端に接続されるサンプリングスイッチ151の各々は、サンプリング信号Siがオン電位になると、画像信号VIDr3、VIDr4、VIDr5、VIDr6の各々をそれぞれサンプリングして、対応するデータ線114に供給する構成となっている。
【0049】
また、表示領域100aには、このほかに、液晶容量の電荷蓄積を補助するための蓄積容量109が各液晶容量に対して並列に形成されている。詳細には、蓄積容量109の一端は、画素電極118(TFT116のドレイン)に接続される一方、その他端は、容量線175により共通接続されている。なお、この容量線175には、一定の電位(例えば電位LCcomや、オン電位Vdd、オフ電位Vssなど)に共通接地されている。
【0050】
図1において、画像補正量検出装置1は図2と同様の構成のプロジェクタ2を備えている。なお、プロジェクタ2は、図2と同様に3板式で構成されていてもよく、また、1つの液晶パネルを用いたモノクロの単板式で構成されていてもよい。プロジェクタ2は、上述した画像補正量の検出対象となる液晶パネル100と同一構成の図示しない液晶パネルを有して構成されているものとする。また、プロジェクタ2は、単板式であるか3板式であるかを除き、図3から補正回路320を省略した構成を有している。プロジェクタ2は、液晶パネル100を構成する図示しない対向基板上の共通電極に供給する基準電圧であるLCコモン電圧を、外部の制御によって変更可能となっている。
【0051】
基準電圧変更部6は、プロジェクタ2のLCコモン電圧を適宜変更可能である。画像信号発生部5は、所定のテスト画像の画像信号を発生してプロジェクタ2に供給することができるようになっている。プロジェクタ2は、基準電圧変更部6によって設定されたLCコモン電圧及び入力されたテスト画像の画像信号に基づいて液晶パネル100が駆動され、テスト画像をスクリーン3上に拡大投射するようになっている。
【0052】
なお、プロジェクタ2のLCコモン電圧を固定し、基準電圧変更部6の基準電圧の設定値を画像信号発生部5に与え、画像信号発生部5においてテスト画像の画像信号の基準電圧を変更しながらプロジェクタ2に供給するようにしてもよい。
【0053】
図6は図5中のスクリーン3の構成を示す説明図である。
【0054】
スクリーン3は、表面に複数の輝度計が取り付けられている。例えば、液晶パネル100の解像度が1024×768である場合において、スクリーン3には、液晶パネル100の128×128画素に対応する9×7カ所の表示位置毎に黒丸で示す輝度計が配設されている。
【0055】
スクリーン3の各輝度計は、輝度計駆動部4によって駆動されて、輝度計駆動部4は、各輝度計によって求めたスクリーン3上の各点の輝度値を輝度値収集部7に出力する。
【0056】
輝度値収集部7は、輝度計駆動部4からの輝度値を、テスト画像の種類毎に、正極性画像信号と負極性画像信号とについて、基準電圧の値と共に、メモリ8に格納する。輝度値収集部7は、輝度値の収集結果を補正値演算部9に出力する。
【0057】
補正値演算部9は、補正値演算部9はスクリーン3上の輝度計の配設位置と各配置位置における輝度値の収集結果とに基づいて、輝度計の配置位置に対応する液晶パネル100の画素以外の各画素についての各設定状態における輝度値を補間処理によって夫々算出する。
【0058】
そして、補正値演算部9は、求めた各画素位置に対応する輝度値に基づいて、液晶パネル100の各画素毎に、正極性画像信号に基づく輝度と負極性画像信号に基づく輝度とを比較し、両者の輝度値の差を最小とする基準電圧を求める。補正値演算部9は、液晶パネル100の画素単位で、輝度値の差を最小とする基準電圧の分布を求める。
【0059】
補正値演算部9は、図2のプロジェクタのLCコモン電圧として設定される基準電圧(以下、設定基準電圧という)を基準として、輝度値の差を最小とすることによって求めた基準電圧との差を各画素毎に求め、各画素位置における画像補正量とする。補正値演算部9が求めた画像補正量は、補正データとして、図3の補正回路320に供給される。
【0060】
なお、補正値演算部9は、液晶パネル100の各画素毎に画像補正量を求めたが、所定の領域毎に画像補正量を求めてもよく、この場合でも、表示領域100a内の最適LCコモン電圧の変化をある程度補正することが可能である。
【0061】
次に、図7乃至図9を参照して画像補正量算出の動作について説明する。図7は横軸に液晶の駆動電圧を示し縦軸に液晶の透過率をとって、電圧透過率特性を示すグラフである。図8はテスト画像を示す説明図である。また、図9は画像補正量算出処理を示すフローチャートである。
【0062】
上述したように、光リーク及びプッシュダウン等に起因して、表示領域100a内の各位置毎に最適LCコモン電圧は相違する。図3の装置においては、LCコモン電圧を固定の設定基準電圧に設定すると共に、表示領域100a内の各部毎に、図1の装置によって求めた画像補正量を画像信号に加算することによって、等価的に、表示領域100aの全領域において、最適LCコモン電圧を得るようになっている。
【0063】
画像信号発生部5は、図8(a)又は図8(b)に示すテスト画像の画像信号をプロジェクタ2に供給する。図8(a)は1ライン毎に中間調表示と黒表示とが変化するテストパターンを示し、図8(b)は中間調の全域が均一なレベルのテストパターンを示している。
【0064】
図7に示すように、液晶の駆動電圧(画像信号)の有効な範囲V1 〜V3 のうち、駆動電圧V2 の近辺、即ち、中間調に対応する電圧範囲では、その変化に対して透過率の変化が比較的大きい。このため、中間調のテスト画像を採用することで、輝度の変化を確認しやすくすることができる。
【0065】
1H反転駆動の場合には、1ラインおきに正極性画像信号と負極性画像信号とが交互に書き込まれる。従って、図8(a)に示すテスト画像を採用すると、画像の変化と画像信号の極性の変化とが一致しているので、フリッカを確認しやすくなる。本実施の形態においては、輝度計によってフリッカを検出するようになっているが、図8(a)のパターンを採用することで、輝度計が複数の画素を含む領域の輝度の測定を行う場合でも、輝度計の検出結果によってフリッカの数値化が容易である。また、図8(b)のラスタパターンを採用することで、1V反転駆動の場合におけるフリッカを確認しやすくすることができる。
【0066】
なお、図8(a)では、1ライン毎に正極性駆動と負極性駆動とが切換る1H反転駆動の場合のテストパターンの例を示したが、反転駆動としては2H反転駆動や、ドット反転駆動等の種々の面内反転駆動が考えられる。これらの場合には、面内で正極性駆動される画素と負極性駆動される画素とに夫々中間調表示又は黒表示を表示させればよい。
【0067】
例えば、正極性駆動する画素に中間調表示を行い、負極性駆動する画素に黒表示を行う。そうすると、輝度計により所定の領域毎に輝度を測定する場合でも、輝度計の測定結果によって、正極性駆動する画素の中間調表示に基づく輝度レベルが得られる。なお、逆に、正極性駆動する画素に黒表示を行い、負極性駆動する画素に中間調表示を行うと、負極性駆動する画素の中間調表示に基づく輝度レベルが得られる。
【0068】
従って、図8(a)のテストパターンを用いることで、正極性駆動時と負極性駆動時における輝度レベルを夫々得ることができる。なお、フィールド反転駆動では、所定のフィールドにおいて正極性駆動された画素は次のフィールドにおいて負極性駆動され、所定のフィールドにおいて負極性駆動された画素は次のフィールドにおいて正極性駆動される。従って、この場合には、2つのフィールドの測定結果によって、正極性駆動時の輝度レベルと負極性駆動時の輝度レベルとを得ることができる。
【0069】
なお、図8(a)では、中間調表示又は黒表示を行う例について説明したが、必ずしも黒表示でなくてもよく、駆動信号に対する輝度の変化が比較的小さい黒に近い表示を行うものでもよい。
【0070】
画像信号発生部5は、図8(a)又は(b)のテスト画像を、例えば、1H反転させながら出力することができ、更に、1H及び1V反転させながら出力することもできる。
【0071】
基準電圧変更部6は、プロジェクタ2の共通電極に設定する基準電圧を所定の範囲で、所定の制御単位毎に変化させる。例えば、基準電圧変更部6は、画像信号をデジタル処理する場合において、プロジェクタに入力される画像信号のLSB(最小重みビット(least significant bit))の1ビット単位で、基準電圧を変化させる。
【0072】
図9のステップS1 において、基準電圧変更部6は、基準電圧を所定の初期値に設定する。画像信号発生部5は、図8(a)又は(b)に示すテスト画像を発生してプロジェクタ2に供給する(ステップS2 )。プロジェクタ2は、設定された基準電圧をLCコモン電圧とし、入力されたテスト画像で液晶パネル100の各画素を駆動して、投射画像をスクリーン3に出射する(ステップS3 )。
【0073】
ステップS4 において、スクリーン3に配設された各輝度計は、正極性画像信号の駆動期間と負極性画像信号の駆動期間とにおいて、投射画像の各点の輝度を夫々検出する。輝度計駆動部4は、各輝度計によって求めた輝度値を輝度値収集部7に出力する。輝度値収集部7は、各輝度計によって求めた輝度値を、テスト画像の種類と基準電圧毎に、各輝度計の設置位置の情報と共にメモリ8に格納する(ステップS5 )。
【0074】
基準電圧変更部6は、ステップS6 において設定すべき全ての基準電圧を設定していない場合には、ステップS7 において基準電圧を更新する。この場合には、更新された基準電圧に対するステップS2 乃至S5 の処理が繰返され、求められた輝度値が、テスト画像の種類と基準電圧毎に、各輝度計の設置位置の情報と共にメモリ8に格納される。
【0075】
設定すべき全ての基準電圧に対するステップS2 乃至S5 の処理が終了すると、輝度値収集部7は輝度値の収集結果を補正値演算部9に供給する。補正値演算部9は、ステップS8 において、各画素位置毎に正極性画像信号に基づく輝度値と負極性の画像信号に基づく画素値とが最小(フリッカが最小)となる基準電圧を求める。
【0076】
なお、上述したように、補正値演算部9は、輝度計の配置位置の各輝度値を用いて、輝度計の配置位置に対応する液晶パネル100の画素以外の全ての画素に基づく輝度値を補間処理によって求めてもよい。この場合には、液晶パネル100の全画素について、フリッカが最小となる基準電圧を求めることができる。
【0077】
次に、補正値演算部9は、ステップS9 において、フリッカを最小とする基準電圧の表示領域内の分布を求める。補正値演算部9は、フリッカを最小とする基準電圧と所定の設定基準電圧との差を各画素毎に求め、各画素位置の補正値(画像補正量)とする。
【0078】
補正値演算部9は、この画像補正量を図3の補正回路320に供給する。補正回路320は、入力された画像信号に画像補正量を加算する。これにより、LCコモン電圧を最適LCコモン電圧にしたことと等価となり、液晶に直流分が加えられることが防止される。
【0079】
このように、本実施の形態によれば、正極性画像信号に基づく輝度と負極性画像信号に基づく輝度とを各画素位置毎に求めることで、各画素位置における最適LCコモン電圧の面内変化に基づく画像補正量を求めている。本実施の形態において求めた画像補正量を、例えば正極性画像信号及び負極性画像信号に加算することで、正負の実効値を等しくして、等価的に設定LCコモン電圧が全画素について最適LCコモン電圧となるようにしている。これにより、焼き付き現象やフリッカ等による表示品位の低下を抑制することができる。
【0080】
<電子機器>
次に、上述した処理回路をプロジェクタ以外の電子機器に用いた例について説明する。
【0081】
まず、上述した処理回路を、モバイル型のコンピュータの表示部に適用した例について説明する。図10はこのコンピュータの構成を示す斜視図である。図において、コンピュータ2100は、キーボード2102を備えた本体部2104と、液晶パネル100とから構成されている。また、液晶パネル100の背面には、視認性を高めるためのバックライトユニット(図示省略)が設けられる。
【0082】
ここで、上述したプロジェクタ1100は、RGBの各色にそれぞれ対応する液晶パネル100R、100G、100Bの3板構成であったが、この液晶パネル100は、カラーフィルタにより1枚でRGBの各色を表示するものである。したがって、このような液晶パネル100に対しては、画像信号VIDr1〜VIDr6、VIDg1〜VIDg6、VIDb1〜VIDb6は、並列的に供給されるのではなく、時分割で供給されることになる。この場合でも、上述した補正回路320と同様に、表示領域の中央からの距離に従って、正極性画像信号と負極性画像信号に対して同様の補正を施すことで、表示領域の全域にわたって適切に焼き付き現象やフリッカ等を低減することができる。
【0083】
次に、上述した処理回路を携帯電話の表示部に適用した例について説明する。図11はこの携帯電話の構成を示す斜視図である。図において、携帯電話2200は、複数の操作ボタン2202のほか、受話口2204、送話口2206とともに、表示部として用いられる液晶パネル100を備えるものである。この液晶パネル100も、カラーフィルタにより1枚でRGB各色を表示するものであるが、単に白黒の階調表示を行うものとしても良い。白黒の階調表示を行う場合には、画像処理回路は、3原色分ではなく、単色分の構成で済む。
【0084】
なお、図10、図11を参照して説明した電子機器の他にも、液晶テレビや、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた装置等などが挙げられる。そして、これらの各種電子機器に適用可能なのは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の一実施の形態に係る画像補正量検出装置を示すブロック図。
【図2】電気光学装置を示す説明図。
【図3】プロジェクタの電気的な構成を示すブロック図。
【図4】液晶パネル100Rの構成を示すブロック図。
【図5】プロジェクタの動作を示すタイミングチャート。
【図6】スクリーンの配置した輝度計を示す説明図。
【図7】液晶パネルの透過率特性を示すグラフ。
【図8】輝度検出用の画像信号を説明するための説明図。
【図9】補正値算出動作を示すフローチャート。
【図10】コンピュータの構成を示す斜視図。
【図11】携帯電話の構成を示す斜視図。
【符号の説明】
【0086】
2…プロジェクタ、3…スクリーン、4…輝度計駆動部、5…画像信号発生部、6…基準電圧変更部、7…輝度値収集部、8…メモリ、9…補正値演算部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
格子状に配設された複数のソース線及び複数の走査線の各交差に対応して画素が構成され、前記走査線に供給される走査信号によって前記画素に設けられたスイッチング素子がオンされることによって前記ソース線に供給された画像信号が前記スイッチング素子を介して各画素の画素電極に与えられて画素表示が行われる表示部に対して、極性反転する前記画像信号を発生して供給する画像信号発生手段と、
前記表示部によって表示される画像の各画素位置の輝度を検出する輝度検出手段と、
前記表示部に設定する基準電圧を変更しながら、正極性及び負極性の前記画像信号同士の輝度差を各画素位置で求め、最小輝度差を与える基準電圧の前記表示部における分布を求めて、前記正極性及び負極性の画像信号の実効値を一致させる最適基準電圧を得るための画像補正量を出力する補正値演算手段とを具備したことを特徴とする画像補正量検出装置。
【請求項2】
前記画像補正量は、前記表示部と同一構成の表示部に設定する設定基準電圧と前記最小輝度差を与える基準電圧との差を各画素毎に求めた値であることを特徴とする請求項1に記載の画像補正量検出装置。
【請求項3】
前記輝度検出手段は、前記画像の全画素位置のうちの一部の画素位置の輝度を検出し、
前記補正値演算手段は、前記輝度検出手段の輝度の検出結果を補間処理して前記画像の全画素位置の輝度値を得ることを特徴とする請求項1に記載の画像補正量検出装置。
【請求項4】
前記画像信号発生手段は、面内において、正極性駆動される画素に中間調表示及び黒表示のうちの一方を行う画像信号を供給し、負極性駆動される画素に中間調表示及び黒表示のうちの他方を行う画像信号を供給することを特徴とする請求項1に記載の画像補正量検出装置。
【請求項5】
請求項1に記載の画像補正量検出装置によって求められた画像補正量の情報であって、フリッカを最小にするための画像補正量の情報を記憶する記憶手段と、
格子状に配設された複数のソース線及び複数の走査線の各交差に対応して画素が構成され、前記走査線に供給される走査信号によって前記画素に設けられたスイッチング素子がオンされることによって前記ソース線に供給された画像信号が前記スイッチング素子を介して各画素の画素電極に与えられて画素表示が行われる表示部に対して、前記記憶手段に記憶されている画像補正量の情報に基づいて補正された画像信号を供給する補正手段とを具備したことを特徴とする電気光学装置用駆動回路。
【請求項6】
格子状に配設された複数のソース線及び複数の走査線の各交差に対応して画素が構成され、前記走査線に供給される走査信号によって前記画素に設けられたスイッチング素子がオンされることによって前記ソース線に供給された画像信号が前記スイッチング素子を介して各画素の画素電極に与えられて画素表示が行われる表示部と、
前記表示部に前記画像信号を供給する請求項5に記載の電気光学装置用駆動回路とを具備したことを特徴とする電気光学装置。
【請求項7】
請求項6に記載の電気光学装置を用いて表示装置を構成したことを特徴とする電子機器。
【請求項1】
格子状に配設された複数のソース線及び複数の走査線の各交差に対応して画素が構成され、前記走査線に供給される走査信号によって前記画素に設けられたスイッチング素子がオンされることによって前記ソース線に供給された画像信号が前記スイッチング素子を介して各画素の画素電極に与えられて画素表示が行われる表示部に対して、極性反転する前記画像信号を発生して供給する画像信号発生手段と、
前記表示部によって表示される画像の各画素位置の輝度を検出する輝度検出手段と、
前記表示部に設定する基準電圧を変更しながら、正極性及び負極性の前記画像信号同士の輝度差を各画素位置で求め、最小輝度差を与える基準電圧の前記表示部における分布を求めて、前記正極性及び負極性の画像信号の実効値を一致させる最適基準電圧を得るための画像補正量を出力する補正値演算手段とを具備したことを特徴とする画像補正量検出装置。
【請求項2】
前記画像補正量は、前記表示部と同一構成の表示部に設定する設定基準電圧と前記最小輝度差を与える基準電圧との差を各画素毎に求めた値であることを特徴とする請求項1に記載の画像補正量検出装置。
【請求項3】
前記輝度検出手段は、前記画像の全画素位置のうちの一部の画素位置の輝度を検出し、
前記補正値演算手段は、前記輝度検出手段の輝度の検出結果を補間処理して前記画像の全画素位置の輝度値を得ることを特徴とする請求項1に記載の画像補正量検出装置。
【請求項4】
前記画像信号発生手段は、面内において、正極性駆動される画素に中間調表示及び黒表示のうちの一方を行う画像信号を供給し、負極性駆動される画素に中間調表示及び黒表示のうちの他方を行う画像信号を供給することを特徴とする請求項1に記載の画像補正量検出装置。
【請求項5】
請求項1に記載の画像補正量検出装置によって求められた画像補正量の情報であって、フリッカを最小にするための画像補正量の情報を記憶する記憶手段と、
格子状に配設された複数のソース線及び複数の走査線の各交差に対応して画素が構成され、前記走査線に供給される走査信号によって前記画素に設けられたスイッチング素子がオンされることによって前記ソース線に供給された画像信号が前記スイッチング素子を介して各画素の画素電極に与えられて画素表示が行われる表示部に対して、前記記憶手段に記憶されている画像補正量の情報に基づいて補正された画像信号を供給する補正手段とを具備したことを特徴とする電気光学装置用駆動回路。
【請求項6】
格子状に配設された複数のソース線及び複数の走査線の各交差に対応して画素が構成され、前記走査線に供給される走査信号によって前記画素に設けられたスイッチング素子がオンされることによって前記ソース線に供給された画像信号が前記スイッチング素子を介して各画素の画素電極に与えられて画素表示が行われる表示部と、
前記表示部に前記画像信号を供給する請求項5に記載の電気光学装置用駆動回路とを具備したことを特徴とする電気光学装置。
【請求項7】
請求項6に記載の電気光学装置を用いて表示装置を構成したことを特徴とする電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−3867(P2006−3867A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−63477(P2005−63477)
【出願日】平成17年3月8日(2005.3.8)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年3月8日(2005.3.8)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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