画像記録装置、方法およびプログラム
【課題】ユーザが撮影画像の縮小画像の中から多視点画像の縮小画像を容易かつ直感的に識別できる画像記録を簡易な構成で実現する。
【解決手段】多視点画像サムネイル画像に3次元CG処理を施すことで3次元サムネイル画像を作成するとともに、通常画像からサムネイル画像を作成し、本画像と対応づけて記録する。3次元CGサムネイル画像Xは、3次元CGグラフィック処理が施され立体的効果が付与さているから、2次元の通常サムネイルYとの違いが一見して明らかであり、写実的手法を実現する特殊な装置を用いなくとも、多視点画像の縮小画像であることを観者に容易に認識させることができる。
【解決手段】多視点画像サムネイル画像に3次元CG処理を施すことで3次元サムネイル画像を作成するとともに、通常画像からサムネイル画像を作成し、本画像と対応づけて記録する。3次元CGサムネイル画像Xは、3次元CGグラフィック処理が施され立体的効果が付与さているから、2次元の通常サムネイルYとの違いが一見して明らかであり、写実的手法を実現する特殊な装置を用いなくとも、多視点画像の縮小画像であることを観者に容易に認識させることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は多視点画像および単視点画像の縮小画像の記録に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な立体画像表示システムでは、右眼に対しては右眼を視点として描かれた画像が、左眼に対しては左眼を視点として描かれた画像が個別に提示される。通常、このような右眼および左眼を視点とした2つの画像(以下、多視点画像と表記する)において、視点から遠い位置にあるオブジェクトは、両眼からの視線がほぼ平行であって見え方がほぼ同じであるので、ほぼ同じ位置に描画される。一方、視点から近い位置にあるオブジェクトは、両眼からの視線が非平行であって見え方が異なるので、互いにずれた位置に描画される。このような視差のある画像(以下、視差画像と表記する)を右眼および左眼それぞれで見るとき、観測者はオブジェクトに対して遠近感を知覚する。
【0003】
視差画像の生成に関しては、左右2台のカメラを用いて被写体を撮影し、得られた視差画像を、眼の錯覚を利用して3次元的に見せる写実的手法と、コンピュータグラフィックス技術を用いて左右両眼を視点とするモデルデータの視野変換によって視差画像を生成する3次元コンピュータグラフィックス(3次元CG)表示がある。3次元コンピュータグラフィックス表示は、俗に仮想的3次元表示や擬似的3次元表示とも言われる。
【0004】
写実的手法では、パララックスバリア式、あるいはレンチキュラーレンズ式の3Dモニタを用いて視差画像の立体表示を行う。パララックスバリア式では、パララックスバリア表示層に光透過部と光遮蔽部とが交互に所定のピッチで並んだパターンからなるパララックスバリアを発生させるとともに、その下層の画像表示面に左右の像を示す短冊状の画像断片を交互に配列して表示することで視差画像の立体視を可能にする。
【0005】
あるいは、写実的手法では、レンチキュラーレンズシートを用いるレンチキュラー方式、マイクロレンズアレイシートを用いるインテグラルフォトグラフィ方式、干渉現象を用いるホログラフィー方式などが採用される。
【0006】
一般的なコンピュータグラフィックスでは、3次元空間内に定義されたオブジェクトを複数のポリゴン(多角形)の集合によって表現する。ポリゴンとしては通常、最も簡単な三角形が用いられることが多い。オブジェクトを構成している各ポリゴンは、ベクトルや行列などの数学的手法を用いて、それ自身が持つオブジェクト座標から、観測者の視点の位置を基準とした3次元座標、すなわち視野座標へと座標変換が行われる。さらにディスプレイ装置へ表示するために、視野座標で表現されたポリゴンを2次元平面へ透視投影するための座標変換(透視変換)が行われる。これら一連の座標変換が行われた後の最終的なポリゴンの位置データは、ディスプレイに対して垂直な方向(Z軸)への視点からの距離を表すZ値と、ディスプレイ面内での位置座標を表すX値およびY値となる。
【0007】
各ポリゴンを構成する画素の色値の決定方法に関しては、視野座標において仮想的な光源が配置され、この光源からポリゴンを構成する各頂点に照射される光の強度を物理的に計算し、さらにそれらの値からポリゴン内のラスタライズ過程において各画素位置における光の強度を線形補間によって求める方法がある。
【0008】
あるいは、特許文献1に示すように、ポリゴン表面にテクスチャと呼ばれる、物体表面の質感や特殊な模様などを表す画像を貼り付ける方法がある。この場合には、座標変換前のオブジェクト座標の段階で、オブジェクトを構成するポリゴンの各頂点に対して位置座標の他にテクスチャ座標が与えられる。そして前述の光強度の場合と同様に、ポリゴンのラスタライズ過程において各画素位置ごとにテクスチャ座標が線形補間され、求められたテクスチャ座標に応じて画素の色値が決定される。
【0009】
以上のような手続きによって、特定の視点から見たグラフィックス画像を生成することができるが、前述のような立体視のための視差画像を生成するためには、視点の位置を右眼および左眼のそれぞれの位置に置き換え、同一のオブジェクトを2回描画することによって、多視点画像を生成する。高価なシステムでは、上記のような写実的手法を実現可能な表示装置を備え、多視点画像を生成する。
【0010】
一方、従来、多視点画像と、視差のない通常の画像とが混在して記憶装置に格納されている場合、これらの縮小画像を区別可能に表示する技術がある。特許文献2の電子機器は、写実的手法を実現可能な表示装置を備えており、サムネイル画像の平面的な一覧表示の際、3次元画像に対応するサムネイル画像については「3D」の記号を加え、また、円形または楕円形で表記し、2次元画像に対応するサムネイル画像については「2D」の記号を加え、三角形で表記し、2次元画像から作成したサムネイルと3次元画像から作成したサムネイルとを区別可能にしている。
【0011】
また、従来、遠距離に被写体が存在する場合であっても、立体視効果を上げるような撮像方法が提案されている。例えば特許文献3によると、開いた筐体の両端にカメラ部を設け、遠距離でも立体画像の効果を上げている。
【特許文献1】特開2002−24850号公報
【特許文献2】特開2004−120165号公報
【特許文献3】特開2003−51872号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
特許文献2では、「3D」や「2D」という記号や、円形、楕円形、三角形という図形で2次元画像と3次元画像のサムネイルを表記しているが、これでは、両者が直感的に区別しにくい。
【0013】
また、特許文献2では、写実的手法による3次元画像の表示を実現可能な表示装置の配備が必須であり、かつ、2次元画像と3次元画像の表示切替が必須であるため、システム全体のコストが高くなってしまうという欠点がある。
【0014】
特に、デジタルカメラのような携帯型機器において、そのような特殊な表示装置の配置を強いることは、携帯性の確保や生産コスト抑制の点で非常に問題がある。
【0015】
また、特許文献3では、無限遠の被写体に対しては立体視効果を付与できないという問題がある。
【0016】
そこで本発明は、ユーザが撮影画像の縮小画像の中から多視点画像の縮小画像を容易かつ直感的に識別できる画像記録を簡易な構成で実現する。また本発明は、立体効果が生じないような無意味な多視点画像の記録を防止する。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明に係る画像記録装置は、2以上の視点から撮影された多視点画像および単一の視点から撮影された単視点画像を含む画像を撮影可能な撮影部と、撮影部の撮影した多視点画像または単視点画像である本画像を記憶する本画像記憶部と、本画像記憶部に記憶された本画像が多視点画像であるか単視点画像であるかを識別する画像識別部と、本画像を縮小した第1の縮小画像を作成した上、画像識別部が多視点画像であると識別した本画像から作成された第1の縮小画像に対し、3次元コンピュータグラフィック処理を施すことで、第2の縮小画像を作成する画像処理部と、画像識別部による多視点画像または単視点画像の識別に応じ、画像処理部の作成した第1の縮小画像または第2の縮小画像を記憶する縮小画像記憶部と、縮小画像記憶部に記憶された第1の縮小画像または第2の縮小画像と本画像記憶部に記憶された本画像とを対応づけて記録する記録部と、を備える。
【0018】
この発明によると、多視点画像の縮小画像として3次元コンピュータグラフィック処理の施された縮小画像が、単視点画像の縮小画像として単なる縮小画像が、それぞれ本画像と対応づけて記録される。多視点画像の縮小画像は3次元コンピュータグラフィック処理されているから、単なる縮小画像との違いが一目瞭然で分かる。また、多視点画像の縮小画像の表示のために特殊な写実的手法を使う必要がなく、装置構成が安価で済む。
【0019】
画像識別部が多視点画像であると識別した本画像から、被写体顔領域の有無を検出する顔検出部をさらに備え、画像処理部は、第1の縮小画像に対し、顔検出部が検出した被写体顔領域に対応する領域を設定した上、設定された領域に3次元コンピュータグラフィック処理を施すことで、第2の縮小画像を作成してもよい。
【0020】
ここでは、顔という重要部分に限って3次元コンピュータグラフィック処理を施しており、少ない処理で実質的な擬似立体縮小画像を記録できる。
【0021】
本発明に係る画像記録装置は、2以上の視点から撮影された多視点画像および単一の視点から撮影された単視点画像を含む画像を撮影可能な撮影部と、撮影部の撮影した多視点画像または単視点画像である本画像を記憶する本画像記憶部と、本画像記憶部に記憶された本画像が多視点画像であるか単視点画像であるかを識別する画像識別部と、画像識別部が多視点画像であると識別した画像について、撮影時のフラッシュ発光の有無を識別するフラッシュ発光識別部と、画像識別部が単視点画像であると識別したかまたはフラッシュ発光識別部が撮影時のフラッシュ発光がなかったと識別した本画像を縮小した第1の縮小画像を作成する画像処理部と、画像識別部が多視点画像と識別しかつフラッシュ発光識別部がフラッシュ発光があったと識別した本画像に対応する第2の縮小画像として3次元コンピュータグラフィックの施された所定のサンプル縮小画像を取得するサンプル縮小画像取得部と、画像識別部による多視点画像または単視点画像の識別とフラッシュ発光識別部による撮影時のフラッシュ発光の有無の識別とに応じ、画像処理部の作成した第1の縮小画像またはサンプル縮小画像取得部の取得した第2の縮小画像を記憶する縮小画像記憶部と、縮小画像記憶部に記憶された第1の縮小画像または第2の縮小画像と本画像記憶部に記憶された本画像とを対応づけて記録する記録部と、を備える。
【0022】
この発明によると、撮影時にフラッシュ発光があった多視点画像の縮小画像として3次元コンピュータグラフィック処理の施された所定のサンプル縮小画像が、単視点画像あるいは撮影時にフラッシュ発光がなかった多視点画像の縮小画像としては単なる通常の縮小画像が、本画像と対応づけて記録される。
【0023】
撮影時にフラッシュ発光があった多視点画像のサンプル縮小画像は3次元コンピュータグラフィック処理されているから、単なる縮小画像あるいは撮影時にフラッシュ発光がなかった多視点画像の縮小画像との違いが一目瞭然で分かる。また、多視点画像の縮小画像の表示のために特殊な写実的手法を使う必要も、撮影ごとに3次元コンピュータグラフィック処理を行う必要もなく、装置構成が安価で済む。
【0024】
本発明に係る画像記録装置は、2以上の視点から撮影された多視点画像および単一の視点から撮影された単視点画像を含む画像を撮影可能な撮影部と、撮影部の撮影した多視点画像または単視点画像である本画像を記憶する本画像記憶部と、本画像記憶部に記憶された本画像が多視点画像であるか単視点画像であるかを識別する画像識別部と、画像識別部が多視点画像であると識別した画像について、被写体顔領域の有無を検出する顔検出部と、画像識別部が単視点画像であると識別したかまたは顔検出部が被写体顔領域を検出しなかった本画像を縮小した第1の縮小画像を作成する画像処理部と、画像識別部が多視点画像と識別しかつ顔検出部が被写体顔領域を検出した本画像に対応する第2の縮小画像として3次元コンピュータグラフィックの施された所定のサンプル縮小画像を取得するサンプル縮小画像取得部と、画像識別部による多視点画像または単視点画像の識別と顔検出部による被写体顔領域の検出の有無とに応じ、画像処理部の作成した第1の縮小画像またはサンプル縮小画像取得部の取得した第2の縮小画像を記憶する縮小画像記憶部と、縮小画像記憶部に記憶された第1の縮小画像または第2の縮小画像と本画像記憶部に記憶された本画像とを対応づけて記録する記録部と、を備える。
【0025】
この発明によると、被写体顔領域があった多視点画像の縮小画像として3次元コンピュータグラフィック処理の施された所定のサンプル縮小画像が、単視点画像あるいは被写体顔領域がなかった多視点画像の縮小画像としては単なる通常の縮小画像が、本画像と対応づけて記録される。
【0026】
被写体顔領域があった多視点画像のサンプル縮小画像は3次元コンピュータグラフィック処理されているから、単なる縮小画像あるいは撮影時にフラッシュ発光がなかった多視点画像の縮小画像との違いが一目瞭然で分かる。また、多視点画像の縮小画像の表示のために特殊な写実的手法を使う必要も、撮影ごとに3次元コンピュータグラフィック処理を行う必要もなく、装置構成が安価で済む。
【0027】
本発明に係る画像記録装置は、2以上の視点から撮影された多視点画像および単一の視点から撮影された単視点画像を含む画像を撮影可能な撮影部と、撮影部の撮影した多視点画像または単視点画像である本画像を記憶する本画像記憶部と、本画像記憶部に記憶された本画像が多視点画像であるか単視点画像であるかを識別する画像識別部と、画像識別部が多視点画像と識別した画像中の被写体が遠距離または近距離にあるかを識別する距離識別部と、本画像を縮小した第1の縮小画像を作成した上、画像識別部が多視点画像であると識別しかつ距離識別部が被写体が近距離にあると識別した本画像から作成された第1の縮小画像に対し、3次元コンピュータグラフィック処理を施すことで、第2の縮小画像を作成する画像処理部と、画像識別部による多視点画像または単視点画像の識別と距離識別部による被写体の距離の識別とに応じ、画像処理部の作成した第1の縮小画像または第2の縮小画像を記憶する縮小画像記憶部と、縮小画像記憶部に記憶された第1の縮小画像または第2の縮小画像と本画像記憶部に記憶された本画像とを対応づけて記録する記録部と、を備える。
【0028】
この発明によると、近距離に被写体がある多視点画像に対してのみ3次元コンピュータグラフィック処理を施すから、被写体が遠距離にあり当該処理を施しても無意味な画像には当該処理を行わなくて済む。
【0029】
記録部は、画像識別部が多視点画像であると識別した本画像については、距離識別部が被写体が近距離にあると識別した本画像についてのみ記録するとよい。
【0030】
こうすると、被写体が所定距離以上の遠距離にあり、立体効果が生じにくい多視点画像、あるいは立体効果が全く生じない多視点画像を記録しなくて済み、無意味な画像記録を防止できる。
【0031】
画像識別部が多視点画像であると識別しかつ距離識別部が被写体が遠距離にあると識別した本画像は記録しない旨の警告を通知する通知部をさらに備えてもよい。
【0032】
こうすると、被写体が遠距離にあり立体効果が生じにくい多視点画像が記録されないことをユーザが認識できる。
【0033】
本発明に係る画像記録方法は、2以上の視点から撮影された多視点画像および単一の視点から撮影された単視点画像を含む画像を撮影するステップと、撮影した多視点画像または単視点画像である本画像を記憶するステップと、記憶された本画像が多視点画像であるか単視点画像であるかを識別するステップと、本画像を縮小した第1の縮小画像を作成した上、多視点画像であると識別した本画像から作成された第1の縮小画像に対し、3次元コンピュータグラフィック処理を施すことで、第2の縮小画像を作成するステップと、多視点画像または単視点画像の識別に応じ、作成した第1の縮小画像または第2の縮小画像を記憶するステップと、記憶された第1の縮小画像または第2の縮小画像と記憶された本画像とを対応づけて記録するステップと、を含む。
【0034】
この画像記録方法は、多視点画像であると識別した本画像から、被写体顔領域の有無を検出するステップと、第1の縮小画像に対し、検出した被写体顔領域に対応する領域を設定した上、設定された領域に3次元コンピュータグラフィック処理を施すことで、第2の縮小画像を作成するステップと、をさらに含んでもよい。
【0035】
本発明に係る画像記録方法は、2以上の視点から撮影された多視点画像および単一の視点から撮影された単視点画像を含む画像を撮影するなステップと、撮影した多視点画像または単視点画像である本画像を記憶するステップと、記憶された本画像が多視点画像であるか単視点画像であるかを識別するステップと、多視点画像であると識別した画像について、撮影時のフラッシュ発光の有無を識別するステップと、単視点画像であると識別したかまたは撮影時のフラッシュ発光がなかったと識別した本画像を縮小した第1の縮小画像を作成するステップと、多視点画像と識別しかつフラッシュ発光があったと識別した本画像に対応する第2の縮小画像として3次元コンピュータグラフィックの施された所定のサンプル縮小画像を取得するステップと、多視点画像または単視点画像の識別と撮影時のフラッシュ発光の有無の識別とに応じ、第1の縮小画像または第2の縮小画像を記憶するステップと、記憶された第1の縮小画像または第2の縮小画像と記憶された本画像とを対応づけて記録するステップと、を含む。
【0036】
本発明に係る画像記録方法は、2以上の視点から撮影された多視点画像および単一の視点から撮影された単視点画像を含む画像を撮影するステップと、撮影した多視点画像または単視点画像である本画像を記憶するステップと、記憶された本画像が多視点画像であるか単視点画像であるかを識別するステップと、多視点画像であると識別した画像について、被写体顔領域の有無を検出するステップと、単視点画像であると識別したかまたは被写体顔領域を検出しなかった本画像を縮小した第1の縮小画像を作成するステップと、多視点画像と識別しかつ被写体顔領域を検出した本画像に対応する第2の縮小画像として3次元コンピュータグラフィックの施された所定のサンプル縮小画像を取得するステップと、多視点画像または単視点画像の識別と被写体顔領域の検出の有無とに応じ、第1の縮小画像または第2の縮小画像を記憶するステップと、記憶された第1の縮小画像または第2の縮小画像と記憶された本画像とを対応づけて記録するステップと、を含む。
【0037】
本発明に係る画像記録方法は、2以上の視点から撮影された多視点画像および単一の視点から撮影された単視点画像を含む画像を撮影するステップと、撮影した多視点画像または単視点画像である本画像を記憶するステップと、記憶された本画像が多視点画像であるか単視点画像であるかを識別するステップと、多視点画像と識別した画像中の被写体が遠距離または近距離にあるかを識別するステップと、本画像を縮小した第1の縮小画像を作成した上、多視点画像であると識別しかつ被写体が近距離にあると識別した本画像から作成された第1の縮小画像に対し、3次元コンピュータグラフィック処理を施すことで、第2の縮小画像を作成するステップと、多視点画像または単視点画像の識別と被写体の距離の識別とに応じ、第1の縮小画像または第2の縮小画像を記憶するステップと、記憶された第1の縮小画像または第2の縮小画像と記憶された本画像とを対応づけて記録するステップと、を含む。
【0038】
この画像記録方法は、多視点画像であると識別した本画像については、被写体が近距離にあると識別した本画像についてのみ記録することが好ましい。
【0039】
また、多視点画像であると識別しかつ被写体が遠距離にあると識別した本画像は記録しない旨の警告を表示するステップをさらに含むことが好ましい。
【0040】
上記の画像記録方法をコンピュータに実行させるプログラムも本発明に含まれる。
【発明の効果】
【0041】
本発明によると、多視点画像の縮小画像として、3次元コンピュータグラフィック処理の施された縮小画像、より好適には被写体顔領域に3次元コンピュータグラフィック処理の施された縮小画像が、本画像と対応づけて記録される。一方、単視点画像、顔の検出されない多視点画像、あるいは被写体が遠距離にある多視点画像の縮小画像として、単なる縮小画像が、本画像と対応づけて記録される。多視点画像の縮小画像は3次元コンピュータグラフィック処理されているから、多視点画像の縮小画像と単視点画像の縮小画像との違いが一目瞭然で分かる。また、多視点画像の縮小画像の表示のために特殊な写実的手法を使う必要がなく、装置構成が安価で済む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
<第1実施形態>
図1は、複眼カメラ1の電気的構成を示す。第1および第2撮像部2a、2bのレンズ光軸L1、L2は、平行となるように、あるいは所定角度をなすように並設されている。
【0043】
第1撮像部2aは、レンズ光軸L1に沿って配列された第1ズームレンズ11a、第1絞り12a、第1フォーカスレンズ13a、および第1イメージセンサ14aによって構成されている。第1絞り12aには絞り制御部16aが接続されており、また、第1イメージセンサ14aにはタイミングジェネレータ(TG)18aが接続されている。第1絞り12a、第1フォーカスレンズ13aの動作は測光測距CPU19aによって制御される。TG18aの動作はメインCPU62によって制御される。
【0044】
カメラ1にはユーザがこのカメラ1を使用するときに種々の操作を行うための操作部70が設けられている。この操作部70には、カメラ1を作動させるための電源投入用の電源スイッチ、立体(3D)撮影、平面(2D)撮影、オート撮影やマニュアル撮影等を選択するためのモードダイヤル、各種のメニューの設定や選択あるいはズームを行うための十字キー、閃光発光用スイッチ、および十字キーで選択されたメニューの実行やキャンセル等を行うための情報位置指定キーが備えられている。操作部70への適宜操作により、電源のオン/オフ、各種モード(撮影モード、再生モード等)の切り替え、ズーミングなどが行われる。
【0045】
また、カメラ1には、メインCPU62と、EEPROM146と、YC/RGB変換部147と、表示用のドライバ148とが備えられている。メインCPU62は、このカメラ1全体の制御を行う。EEPROM146には、このカメラ1固有の固体データやプログラム等が格納されている。
【0046】
YC/RGB変換部147は、YC処理部35a・35bで生成されたカラー映像信号YCを3色のRGB信号に変換して表示用のドライバ148を経由して画像表示LCD10に出力する。
【0047】
入力操作部9からのズーム操作に応じて、第1ズームレンズ11aは、レンズ光軸L1に沿ってNEAR側(繰り出し側)、あるいはINF側(繰り込み側)に移動し、ズーム倍率を変化させる。この移動は図示しないモータで駆動される。絞り12aは、AE(Auto Exposure)動作時に開口値(絞り値)を変化させて光束を制限し、露出調整を行う。フォーカスレンズ13aは、AF(Auto Focus)動作時にレンズ光軸L1に沿ってNEAR側、あるいはINF側に移動されて合焦位置を変え、ピント調整を行う。この移動は図示しないモータで駆動される。
【0048】
静止画用レリーズスイッチ5aの半押し状態が検出されたとき、メインCPU62は距離用撮像素子51a・51bからそれぞれ測距データを得る。メインCPU62は得られた測距データに基づいて、ピント、絞りなどの調整を行う。
【0049】
第1イメージセンサ14aは、第1ズームレンズ11a、第1絞り12a、および第1フォーカスレンズ13aによって結像された被写体光を受光し、受光素子に受光量に応じた光電荷を蓄積する。第1イメージセンサ14aの光電荷蓄積・転送動作は、TG18aによって制御され、TG18aから入力されるタイミング信号(クロックパルス)により、電子シャッタ速度(光電荷蓄積時間)が決定される。第1イメージセンサ14aは、撮影モード時には、1画面分の画像信号を所定周期ごとに取得する。
【0050】
第2撮像部2bは、第1撮像部2aと同一の構成であり、第2ズームレンズ11b、第2絞り12b、第2フォーカスレンズ13b、およびタイミングジェネレータ(TG)14bが接続された第2イメージセンサ14bによって構成されている。これらの動作はメインCPU62によって制御される。第1撮像部2aと第2撮像部2bとは、基本的に連動して動作を行うが、各々個別に動作させることも可能となっている。なお、第1および第2イメージセンサ14a・14bとして、CCD型やCMOS型のイメージセンサが用いられる。
【0051】
第1および第2イメージセンサ14a・14bから出力された撮像信号は、それぞれA/D変換器30a・30bに入力される。A/D変換器30a・30bは、入力された画像データをアナログからデジタルに変換する。A/D変換器30a・30bを通して、第1イメージセンサ14aの撮像信号は第1画像データ(右眼用画像データ)として、第2イメージセンサ14bの撮像信号は第2画像データ(左眼用画像データ)として出力される。
【0052】
画像信号処理回路31a・31bは、それぞれ、階調変換、ホワイトバランス補正、γ補正処理などの各種画像処理をA/D変換器30a・31bから入力された第1および第2画像データに施す。バッファメモリ32a・32bは、画像信号処理回路31a・31bで各種画像処理が施された第1および第2画像データを一時的に格納する。
【0053】
測光・測距CPU19a・19bは、それぞれ、バッファメモリ32a・32bに格納された第1および第2画像データの各々からAF評価値およびAE評価値を算出する。AF評価値は、各画像データの全領域または所定領域(例えば中央部)について輝度値の高周波成分を積算することにより算出され、画像の鮮鋭度を表す。輝度値の高周波成分とは、隣接する画素間の輝度差(コントラスト)を所定領域内について足し合わせたものである。また、AE評価値は、各画像データの全領域または所定領域(例えば中央部)について輝度値を積算することにより算出され、画像の明るさを表す。AF評価値およびAE評価値は、後述する撮影準備処理時に実行されるAF動作およびAE動作においてそれぞれ使用される。
【0054】
バッファメモリ32a・32bに記憶された画像データは、それぞれYC処理部35a・35bにより輝度信号(Y信号)及び色差信号(Cr,Cb 信号)に変換されるとともに、ガンマ補正等の所定の処理が施される。処理されたYC信号はそれぞれワークメモリ128a・128bに格納される。
【0055】
ワークメモリ128a・128bに記憶された第1および第2画像データのYC信号は、それぞれコントローラ34によってYC/RGB変換部147に読み出される。YC/RGB変換部147は、第1および第2画像データのYC信号を所定方式の映像信号(例えば、NTSC方式のカラー複合映像信号)に変換した上で、画像表示LCD10での立体表示を行うための立体画像データに合成する。撮影モード時にLCD10が電子ビューファインダとして使用される際には、YC/RGB変換部147によって合成された立体画像データが、LCDドライバ148を介してLCD10にスルー画として表示される。
【0056】
圧縮伸張処理回路36a・36bは、それぞれワークメモリ128a・128bに記憶された第1および第2画像データに対して、静止画ではJPEG、動画ではMPEG2、MPEG4、H.264方式等の所定の圧縮形式に従って圧縮処理を施す。メディアコントローラ37は、圧縮伸張処理回路36a・36によって圧縮処理された各画像データを、I/F39経由で接続されたメモリカード38その他の記録メディアに記録させる。
【0057】
このようにしてメモリカード38に記録された第1および第2画像データをLCD10に再生表示する場合、メモリカード38の各画像データは、メディアコントローラ37によって読み出され、圧縮伸張処理回路36a・36によって伸張処理が行われ、YC/RGB変換部147によって立体画像データに変換された後、LCDドライバ148を介してLCD10に再生画像として表示される。
【0058】
LCD10は、写実的手法を採用していない通常の平面モニタであり、画像撮影時には電子ビューファインダとして使用され、画像再生時には撮影によって得られた画像データの表示を行う。
【0059】
メインCPU62は、複眼カメラ1の全体の動作を統括的に制御する。メインCPU62には、レリーズスイッチ5a・5b、操作部70のほか、不揮発性メモリであるEEPROM146が接続されている。EEPROM146は、各種制御用のプログラムや設定情報などを格納している。メインCPU62は、このプログラムや設定情報に基づいて各種処理を実行する。
【0060】
また、メインCPU62には、光学系制御指示部127が接続されており、光学系制御指示部127へのズーム操作に応じて第1撮像部2a・第2撮像部2bの撮影倍率が変更される。
【0061】
レリーズスイッチ5a・5bは2段押しのスイッチ構造となっている。撮影モード中に、レリーズスイッチ5a・5bが軽く押圧(半押し)されると、AF動作およびAE動作が行われ撮影準備処理がなされる。この状態でさらにレリーズスイッチ5a・5bが強く押圧(全押し)されると、撮影処理が行われ、1画面分の第1および第2画像データがフレームメモリ32からメモリカード38に転送されて記録される。
【0062】
AF動作は、メインCPU62が第1および第2フォーカスレンズ13a・13bを制御してそれぞれ所定方向に移動させながら、順次に得られる第1および第2画像データの各々から算出されたAF評価値の最大値を求めることによりなされる。AE動作は、AF動作が完了した後、算出されたAE評価値に基づいて、第1および第2絞り12a・12bの開口値、および第1および第2イメージセンサ14a・14bの電子シャッタ速度を設定することによりなされる。
【0063】
また、カメラ1には、操作の手助けを行うための操作LCD表示103が備えられている。
【0064】
また、カメラ1は、電源電池68が着脱可能な構成となっている。電源電池68は充電可能な二次電池、例えばニカド電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池で構成される。電源電池68は使い切り型の一次電池、例えばリチウム電池、アルカリ電池で構成してもよい。電源電池68は図示しない電池収納室に装填することにより、カメラ1の各回路と電気的に接続される。
【0065】
第1撮像部2a、第2撮像部2bには、それぞれ、第1撮像部2aと第2撮像部2bのなす間隔/輻輳角を検出する間隔/輻輳角検出回路4a・4bと、間隔/輻輳角検出回路4a・4bの検出した輻輳角を記憶するレンズ間隔/輻輳角記憶回路6、基線長の伸縮と光軸を駆動モータなどで回転させ輻輳を変化させる間隔/輻輳角駆動回路3a・3bとが備えられている。
【0066】
また、カメラ1には、間隔/輻輳角検出回路4a・4bの検出した間隔/輻輳角に基づいて間隔/輻輳角駆動回路3a・3bの輻輳角の変化を制御する間隔/輻輳角制御回路5が備えられている。
【0067】
充電・発光制御部138a・138bは、それぞれストロボ44a・44bを発光させるために電源電池68からの電力の供給を受けて図示しない閃光発光用のコンデンサを充電したり、ストロボ44a・44bの発光を制御する。
【0068】
充電・発光制御部138a・138bは、レリーズスイッチ5a・5bの半押し・全押し操作信号等の各種の信号や、発光量、発光タイミングを示す信号をメインCPU62や測光・測距CPU19a・19bから取り込んだことに応じ、ストロボ44a・44bへの電流供給制御を行い、所望の発光量が所望のタイミングで得られるように制御する。
【0069】
縦撮り/横撮り切替ボタン40は、縦撮りまたは横撮りのいずれで撮影を行うかを指示するためのボタンである。縦撮り/横撮り検出回路166は、このボタンの状態により、縦撮りまたは横撮りのいずれで撮影を行うかを検出する。
【0070】
2D/3Dモード切替フラグ168には、3D撮影モード/2D撮影モードの設定操作に応じて、2Dモードであることまたは3Dモードであることを表すフラグが設定される。
【0071】
距離用発光素子52a、52bは、それぞれ、第1撮像部2aおよび第2撮像部2bの捉えた同一被写体へ投光スポットを照射するための発光ダイオード(LED)からなる。
【0072】
距離用撮像素子51a、51bは、それぞれ、距離用発光素子52a、52bにより投光スポットの照射された被写体像を取得する測距専用の撮像素子である。
【0073】
距離用駆動/制御回路54は、距離用発光素子52a、52bの発光タイミングと距離用撮像素子53a、53bとを同期させる制御を行う。
【0074】
距離用撮像素子53a、53bの撮像動作で得られたアナログ画像信号はそれぞれ測距用A/D変換部55a、55bでデジタル画像データに変換され、距離情報処理回路57に出力される。
【0075】
距離情報処理回路57は、入力されたデジタル画像データから、第1撮像部2aおよび第2撮像部2bの捉えた被写体までの距離を算出する。これはいわゆる三角測距の原理に基づく。距離情報処理回路57が算出した距離情報は距離情報記憶回路58に記憶される。
【0076】
顔検出部150は、バッファメモリ32aあるいはバッファメモリ32bに格納された画像データや、バッファメモリ42に格納された画像データから被写体となった人物の顔部分を含む領域である顔領域を検出する。
【0077】
顔領域の検出方法は特に限定されず、各種のものを採用できるが、例えば本出願人による特開平9−101579号公報において開示された技術を適用することができる。この技術は、撮影した画像の各画素の色相が肌色の範囲に含まれるか否かを判定して肌色領域と非肌色領域とに分割すると共に、画像中のエッジを検出して画像中の各箇所をエッジ部分又は非エッジ部分に分類する。そして、肌色領域内に位置し非エッジ部分に分類された画素からなり、かつエッジ部分と判定された画素で囲まれた領域を顔候補領域として抽出し、抽出した顔候補領域が人物の顔に相当する領域かを判定し、この判定結果に基づき顔領域として検出するものである。また、この他に、特開2003−209683号公報や特開2002−199221号公報に記載される方法で顔領域を検出することもできる。
【0078】
なお、多視点画像は、上述のような複眼カメラ1で取得する必然性はなく、単眼カメラを用いたモーションステレオ法による連続撮影で取得してもよい。
【0079】
以下、図2のフローチャートを参照し、カメラ1で実行される画像記録処理の流れを説明する。この処理を規定するプログラムはEEPROM146に格納されており、メインCPU62がこのプログラムを実行する。操作部70からの「サムネイル画像一覧表示」の指示に応じ、メモリカード38に格納されている全ての多視点画像に対して一括して行われる。
【0080】
S1では、静止画用レリーズスイッチ5aが全押しされたか否かを判断する。静止画用レリーズスイッチ5aが全押しされた場合はS2に進む。
【0081】
S2では、記録用静止画データの取り込みを開始する。取り込まれた画像データ(本画像)はバッファメモリ42に確保された本画像バッファに一旦格納される。
【0082】
S3では、2D/3Dモード切替フラグ168のフラグを判断する。3Dモードのフラグが立っている場合はS4に進む。2Dモードのフラグが立っている場合はS7に進む。
【0083】
S4では、本画像バッファに格納されている多視点画像から、サムネイル画像を作成する。その具体的手法は特許文献2の段落0040と同様、左目用画像のみ、右目用画像のみ、あるいはその両方を間引いて作成すればよい。
【0084】
S5では、作成されたサムネイル画像に3次元CG処理を施すことで3次元サムネイル画像を作成する。例えば図3に示すように、画像中に存在する主要被写体その他の各種の物体(図3はマグカップを示しているが、人物などでもよい)に対応した3次元形状モデルのポリゴンPGに、サムネイル画像thの対応領域を貼り付けるテクスチャマッピングを行い、3次元CGサムネイル画像Xを得る。この具体的手法は特許文献1と同様である。あるいは、元の多視点画像について3次元CG処理を施し、それを間引くことで3次元CGサムネイル画像を作成してもよいが、処理の負荷の点では、先にサムネイルを作成する方が優れている。
【0085】
なお、その他の3Dコンピュータグラフィック手法をサムネイル画像に適用し3次元CGサムネイル画像を作成してもよい。
【0086】
S6では、作成した3次元CGサムネイル画像を、バッファメモリ41に確保されたサムネイルバッファに格納する。
【0087】
S7では、画像ファイルに格納されている単視点の通常画像から、サムネイル画像を作成する。その具体的手法は通常のサムネイル画像と同様、単視点画像を間引いて作成すればよい。このサムネイルを通常サムネイル画像と呼ぶ。
【0088】
S8では、作成した通常サムネイル画像を、バッファメモリ42に確保されたサムネイルバッファに格納する。
【0089】
S9では、バッファメモリ42のサムネイルバッファに格納されたサムネイル画像と、本画像バッファに格納された本画像とを関連付けてメモリカード38に記録する。両画像の関連付けは、例えば、両者を同一のExif(Exchangeable image file format)ファイルに格納し、メモリカード38に記録することで行うことができる。
【0090】
なお、S3〜S9の処理は、記録用静止画が新たに取得されるごとに行ってもよいし、静止画を一定数撮り溜めてから行ってもよい。要するに、本画像と縮小画像とを関連付けて記録できれば、3次元CGサムネイル画像の作成のタイミングはいつでもよい。
【0091】
図4は、上記処理によりメモリカード38に記録された画像ファイルから取り込まれLCD10その他の表示装置に一覧表示された3次元CGサムネイル画像Xおよび通常サムネイル画像Yの一例を示す。3次元CGサムネイル画像Xは、上記ステップS4〜6で作成されたものであり、3次元CGグラフィック処理が施され立体的効果が付与さているから、上記ステップS7〜8で作成された通常サムネイルYとの違いが一見して明らかであり、写実的手法を実現する特殊な表示装置を用いなくとも、多視点画像の縮小画像であることを観者に容易に認識させることができる。
【0092】
<第2実施形態>
図5は、画像記録処理の他の例を示す。ここでは、顔の写っている多視点画像のサムネイル画像を、当該多視点画像の顔領域についてのみ3次元CG処理を施したサムネイル画像に置き換える。
【0093】
S11〜S13は、S1〜S3と同様である。
【0094】
S14では、顔検出部150に対し、多視点画像の一方または双方から顔を抽出するよう指令する。顔検出部150はメインCPU62からの指令に応じ、画像ファイルに格納された左目用画像あるいは右目用画像から、顔領域の検出を試みる。
【0095】
S15では、顔検出部150が顔領域を検出できたか否かを判断する。顔領域を検出できた場合はS16、検出できなかった場合はS18に進む。
【0096】
S16では、顔が写っている多視点画像から、顔領域を抽出し、その顔領域に3次元CG処理を施す。これは例えば、顔が写っている多視点画像から顔領域を抽出するとともに、当該多視点画像を所定の間引き率で間引く。間引き後の縮小画像に、元多視点画像から抽出された顔領域に相当する領域を設定する。両視点画像から顔検出を試みた場合、検出精度の高い方の視点画像に顔領域を設定するとさらによい。そして、その設定領域中の顔に特有のポリゴンを作成し、当該ポリゴンに間引き後顔領域を貼り付けるテクスチャマッピングを行い、顔領域のみに3次元CG処理の施されたサムネイル画像を得る。この方式は、間引き画像の作成後に3次元CG処理を行う。
【0097】
あるいは、その検出した顔自体から、その人物の顔に特有のポリゴンを作成し、当該ポリゴンに顔領域を貼り付けるテクスチャマッピングを行い、多視点画像に顔領域のみに3次元CG処理を施した仮のCG画像を作る。そして、この仮のCG画像を所定の間引き率で間引き、顔領域のみに3次元CG処理の施されたサムネイル画像を得る。この方式は、3次元CG処理の後に間引き画像を作成する。
【0098】
上記のテクスチャマッピング方式はポリゴンの作成から始める必要があり、精密なポリゴンを作成すると処理負荷が大きい。ポリゴンの簡易な作成方法としては、次のようなものが挙げられる。まず、検出された顔領域から、顔の輪郭、目、鼻、口などの顔の構成部分を検出し、検出された顔の構成部分の位置に応じてポリゴン分割線を決める。例えば、両目の中央部分(眉間)から出発し鼻筋に沿って鼻先端に達する線と、両目を周回する線と、口を周回する線と、顔の輪郭とをポリゴン分割線とする。このポリゴンにテクスチャマッピングすると、口と鼻の部分が隆起し、目の周囲が窪んだような簡易な3次元CGサムネイル画像が得られる。
【0099】
S17では、作成した3次元CGサムネイル画像をサムネイルバッファに格納する。
【0100】
S18では、本画像バッファに格納されている多視点画像から、サムネイル画像を作成する。その具体的手法は特許文献2の段落0040と同様、左目用画像のみ、右目用画像のみ、あるいはその両方を間引いて作成すればよい。
【0101】
S20〜S22は、上述のS7〜S9と同様である。
【0102】
図6は、LCD10に一覧表示された、顔の検出された多視点画像に対応する3次元サムネイル画像S、通常サムネイル画像Y、顔の検出されなかった多視点画像に対応するサムネイル画像Zの一例を示す。
【0103】
サンプルサムネイル画像Uは、ステップS4〜S6で作成されたものであり、顔領域についてのみ3次元CGグラフィック処理が施されているから、ステップS20〜S21で作成された通常サムネイルYや、ステップS18〜S19で作成された単なる視点画像の縮小画像Zとの違いが一見して明らかであり、写実的手法を実現する特殊な装置を用いなくとも、顔を被写体とする立体画像の識別が容易である。しかも、元画像を用いて顔領域に3次元CGグラフィック処理が施されているから、元画像の顔の概要も立体的に分かる。
【0104】
<第3実施形態>
図7は、メインCPU62で実行される画像記録処理の他の例を示す。ここでは、フラッシュ撮影された多視点画像のサムネイル画像を、特別なサンプルに置き換える。
【0105】
S31〜S33は、S1〜S3と同様である。
【0106】
S34では、測光測距CPU19a・19bからフラッシュ発光情報を取得し、画像記録時のストロボ44a・44bのオンまたはオフの状況を識別する。なお、フラッシュ発光情報は、例えば、Exifファイルの「Flash」タグに格納される。
【0107】
S35では、フラッシュ発光情報に基づき、撮影時におけるストロボ44a・44bのオンまたはオフを判断する。撮影時にストロボ44a・44bがオンであった場合はS36、オフであった場合はS38に進む。
【0108】
S36では、多視点画像であることを表象するサンプルの3次元サムネイル画像をEEPROM146から取り出す。このサンプルは第2実施形態と同様3次元CG処理により立体効果が付与されており、EEPROM146に予め格納されている。なおこのサンプルは実際の被写体である必要はない。
【0109】
S37では、取り出したサンプルの3次元サムネイル画像をサムネイルバッファに格納する。サンプルの3次元サムネイル画像は、実際の被写体と同一である必要はなく、ただ、多視点画像であることを3Dグラフィックで示すためのサムネイル画像である。
【0110】
S38〜S42は、上述のS18〜S22と同様である。
【0111】
図8は、LCD10に一覧表示されたサンプルの3次元サムネイル画像W、通常サムネイル画像Y、立体画像の縮小画像Zの一例を示す。
【0112】
ステップS37でEEPROM146から取り出されたサンプルサムネイル画像Wは、3次元CG処理が施されているから、通常サムネイルYや単なる立体画像の縮小画像Zとの違いが一見して明らかであり、写実的手法を実現する特殊な装置を用いなくとも、顔を被写体とする立体画像の識別が容易である。
【0113】
しかも、多視点画像としての有効利用が困難な、フラッシュ非発光条件下での暗い多視点画像にまで一律にサンプルを対応づけて記録しなくて済み、処理が効率化する。
【0114】
<第4実施形態>
図9は、画像記録処理の他の例を示す。ここでは、顔の写っている多視点画像のサムネイル画像を、特別なサンプルに置き換える。
【0115】
S51〜S53は、S1〜S3と同様である。
【0116】
S54〜S55は、S14〜S15と同様である。ただし、S55では、顔があると判断した場合はS56、顔がないと判断した場合はS58に進む。
【0117】
S56では、顔が写っている多視点画像であることを表象するサンプルの3次元サムネイル画像をEEPROM146から取り出す。
【0118】
S57では、取り出したサンプルをサムネイルバッファに格納する。サンプルの3次元サムネイル画像は、実際の被写体の顔と同一である必要はなく、サンプルの人物の顔であればよく、かつその顔や身体などには、3Dグラフィックによる立体効果が予め付与されている。
【0119】
S58〜S62は、上述のS18〜S22と同様である。
【0120】
図10は、LCD10に一覧表示されたサンプルの3次元サムネイル画像U、通常サムネイル画像Y、立体画像の縮小画像Zの一例を示す。
【0121】
サンプルサムネイル画像Uは、3次元CGグラフィック処理が施されているから、通常サムネイルYや立体画像縮小画像Zとの違いが一見して明らかであり、写実的手法を実現する特殊な装置を用いなくとも、顔を被写体とする立体画像の識別が容易である。
【0122】
<第5実施形態>
図11は、画像記録処理の他の例を示す。ここでは、近距離の被写体を撮影した多視点画像のサムネイル画像のみを、3次元CG処理する。
【0123】
S71〜S73は、S1〜S3と同様である。
【0124】
S74では、距離情報記憶回路58から距離情報を取得し、撮影時のカメラ1から被写体までの距離を識別する。なお、距離情報は、例えば、Exifファイルの「SubjectDistance」タグに格納される。距離情報記憶回路58の距離情報は、距離用撮像素子51aから得られたものあるいは距離用撮像素子51bから得られたものの2種類が存在するが、どちらを用いてもよく、例えば、距離の短い方の距離情報を用いる。
【0125】
S75では、距離情報Dに基づき、被写体が所定の距離よりも遠い位置(例えばD>10m)にあったか否かを判断する。被写体が遠距離でない場合すなわち近距離にいる場合はS76に進み、被写体が遠距離であった場合はS78に進む。
【0126】
S76では、S5と同様、3次元CGサムネイル画像を作成する。
【0127】
S77では、作成した3次元CGサムネイル画像を、バッファメモリ42に確保されたサムネイルバッファに格納する。
【0128】
S78〜S82は、上述のS18〜S22と同様である。
【0129】
図12は、LCD10に一覧表示された3次元サムネイル画像T、通常サムネイル画像Y、3次元CG処理の施されなかった被写体が遠いサムネイル画像Vの一例を示す。
【0130】
被写体が近距離にあるサンプルサムネイル画像Tは、3次元CG処理が施されているから、写実的手法を実現する特殊な装置を用いなくとも、通常サムネイルYや被写体が遠い画像のサムネイル画像Vとの違いが一見して明らかである。
【0131】
しかも、撮影時に被写体が近距離にいた多視点画像についてのみ3次元CG処理を施すから、当該処理を施しても無意味な、被写体が遠い画像にまで一律に3次元CG処理をしなくて済み、処理が効率化する。
【0132】
<第6実施形態>
図13は、画像記録処理の他の例を示す。ここでは、多視点画像として遠距離の被写体を撮影した場合、警告を発し、多視点画像の記録そのものを行わない。一方、近距離で撮影された多視点画像のサムネイル画像のみを、3次元CG処理し、本画像と対応づけて記録する。
【0133】
S91〜S95は、S71〜S75と同様である。ただし、S95では、被写体が遠距離と判断した場合はS96、被写体が近距離と判断した場合はS97に進む。
【0134】
S96では、被写体が遠距離であり多視点画像を記録しない旨の警告をLCD10に表示する。そしてS101の画像記録には進まず、処理を終える。
【0135】
S97〜S98は、S76〜S77と同様である。また、S99〜S101は、S80〜S82と同様である。
【0136】
この処理では、撮影時に被写体が近距離にいた多視点画像についてのみ3次元CG処理を施し、本画像と対応づけて記録するから、当該処理を施しても無意味な、被写体が遠い画像にまで一律に3次元CG処理をしなくて済み、処理が効率化する。
【0137】
また、この処理では、撮影時に被写体が遠距離にいた多視点画像については、警告表示を行い、本画像の記録は行わない。つまり、被写体が遠く、立体視効果の生じない多視点画像を記録しなくて済み、処理が効率化する。
【0138】
<その他の実施形態>
上記第1〜6実施形態の一部または全部の組み合わせも可能である。例えば、顔が検出され、かつ撮影時のフラッシュ発光がオンである場合に限り、3次元CG処理を施した縮小画像を本画像と関連づけて記録することもできる。あるいは、顔が検出され、かつ撮影時のフラッシュ発光がオンである場合に限り、3次元CG処理を施したサンプル縮小画像を本画像と関連づけて記録することもできる。
【0139】
あるいは、被写体距離が近距離であり、かつ撮影時のフラッシュ発光がオンである場合に限り、3次元CG処理を施した縮小画像を本画像と関連づけて記録することもできる。あるいは、被写体距離が近距離であり、かつ撮影時のフラッシュ発光がオンである場合に限り、3次元CG処理を施したサンプル縮小画像を本画像と関連づけて記録することもできる。
【0140】
なお、顔検出があった場合は、被写体距離は近距離と想定されるため、顔検出があった場合、被写体距離が近距離または遠距離にある判定を省略してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0141】
【図1】カメラのブロック図
【図2】第1実施形態に係る画像記録処理のフローチャート
【図3】テクスチャマッピングの一例を示す図
【図4】第1実施形態に係る画像記録処理により記録されたサムネイルの一例を示す図
【図5】第2実施形態に係る画像記録処理のフローチャート
【図6】第2実施形態に係る画像記録処理により記録されたサムネイルの一例を示す図
【図7】第3実施形態に係る画像記録処理のフローチャート
【図8】第3実施形態に係る画像記録処理により記録されたサムネイルの一例を示す図
【図9】第4実施形態に係る画像記録処理のフローチャート
【図10】第4実施形態に係る画像記録処理により記録されたサムネイルの一例を示す図
【図11】第5実施形態に係る画像記録処理のフローチャート
【図12】第5実施形態に係る画像記録処理により記録されたサムネイルの一例を示す図
【図13】第6実施形態に係る画像記録処理のフローチャート
【符号の説明】
【0142】
1:カメラ、2a:第1撮像部、2b:第2撮像部、10:LCD、62:メインCPU、38:メモリカード
【技術分野】
【0001】
本発明は多視点画像および単視点画像の縮小画像の記録に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な立体画像表示システムでは、右眼に対しては右眼を視点として描かれた画像が、左眼に対しては左眼を視点として描かれた画像が個別に提示される。通常、このような右眼および左眼を視点とした2つの画像(以下、多視点画像と表記する)において、視点から遠い位置にあるオブジェクトは、両眼からの視線がほぼ平行であって見え方がほぼ同じであるので、ほぼ同じ位置に描画される。一方、視点から近い位置にあるオブジェクトは、両眼からの視線が非平行であって見え方が異なるので、互いにずれた位置に描画される。このような視差のある画像(以下、視差画像と表記する)を右眼および左眼それぞれで見るとき、観測者はオブジェクトに対して遠近感を知覚する。
【0003】
視差画像の生成に関しては、左右2台のカメラを用いて被写体を撮影し、得られた視差画像を、眼の錯覚を利用して3次元的に見せる写実的手法と、コンピュータグラフィックス技術を用いて左右両眼を視点とするモデルデータの視野変換によって視差画像を生成する3次元コンピュータグラフィックス(3次元CG)表示がある。3次元コンピュータグラフィックス表示は、俗に仮想的3次元表示や擬似的3次元表示とも言われる。
【0004】
写実的手法では、パララックスバリア式、あるいはレンチキュラーレンズ式の3Dモニタを用いて視差画像の立体表示を行う。パララックスバリア式では、パララックスバリア表示層に光透過部と光遮蔽部とが交互に所定のピッチで並んだパターンからなるパララックスバリアを発生させるとともに、その下層の画像表示面に左右の像を示す短冊状の画像断片を交互に配列して表示することで視差画像の立体視を可能にする。
【0005】
あるいは、写実的手法では、レンチキュラーレンズシートを用いるレンチキュラー方式、マイクロレンズアレイシートを用いるインテグラルフォトグラフィ方式、干渉現象を用いるホログラフィー方式などが採用される。
【0006】
一般的なコンピュータグラフィックスでは、3次元空間内に定義されたオブジェクトを複数のポリゴン(多角形)の集合によって表現する。ポリゴンとしては通常、最も簡単な三角形が用いられることが多い。オブジェクトを構成している各ポリゴンは、ベクトルや行列などの数学的手法を用いて、それ自身が持つオブジェクト座標から、観測者の視点の位置を基準とした3次元座標、すなわち視野座標へと座標変換が行われる。さらにディスプレイ装置へ表示するために、視野座標で表現されたポリゴンを2次元平面へ透視投影するための座標変換(透視変換)が行われる。これら一連の座標変換が行われた後の最終的なポリゴンの位置データは、ディスプレイに対して垂直な方向(Z軸)への視点からの距離を表すZ値と、ディスプレイ面内での位置座標を表すX値およびY値となる。
【0007】
各ポリゴンを構成する画素の色値の決定方法に関しては、視野座標において仮想的な光源が配置され、この光源からポリゴンを構成する各頂点に照射される光の強度を物理的に計算し、さらにそれらの値からポリゴン内のラスタライズ過程において各画素位置における光の強度を線形補間によって求める方法がある。
【0008】
あるいは、特許文献1に示すように、ポリゴン表面にテクスチャと呼ばれる、物体表面の質感や特殊な模様などを表す画像を貼り付ける方法がある。この場合には、座標変換前のオブジェクト座標の段階で、オブジェクトを構成するポリゴンの各頂点に対して位置座標の他にテクスチャ座標が与えられる。そして前述の光強度の場合と同様に、ポリゴンのラスタライズ過程において各画素位置ごとにテクスチャ座標が線形補間され、求められたテクスチャ座標に応じて画素の色値が決定される。
【0009】
以上のような手続きによって、特定の視点から見たグラフィックス画像を生成することができるが、前述のような立体視のための視差画像を生成するためには、視点の位置を右眼および左眼のそれぞれの位置に置き換え、同一のオブジェクトを2回描画することによって、多視点画像を生成する。高価なシステムでは、上記のような写実的手法を実現可能な表示装置を備え、多視点画像を生成する。
【0010】
一方、従来、多視点画像と、視差のない通常の画像とが混在して記憶装置に格納されている場合、これらの縮小画像を区別可能に表示する技術がある。特許文献2の電子機器は、写実的手法を実現可能な表示装置を備えており、サムネイル画像の平面的な一覧表示の際、3次元画像に対応するサムネイル画像については「3D」の記号を加え、また、円形または楕円形で表記し、2次元画像に対応するサムネイル画像については「2D」の記号を加え、三角形で表記し、2次元画像から作成したサムネイルと3次元画像から作成したサムネイルとを区別可能にしている。
【0011】
また、従来、遠距離に被写体が存在する場合であっても、立体視効果を上げるような撮像方法が提案されている。例えば特許文献3によると、開いた筐体の両端にカメラ部を設け、遠距離でも立体画像の効果を上げている。
【特許文献1】特開2002−24850号公報
【特許文献2】特開2004−120165号公報
【特許文献3】特開2003−51872号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
特許文献2では、「3D」や「2D」という記号や、円形、楕円形、三角形という図形で2次元画像と3次元画像のサムネイルを表記しているが、これでは、両者が直感的に区別しにくい。
【0013】
また、特許文献2では、写実的手法による3次元画像の表示を実現可能な表示装置の配備が必須であり、かつ、2次元画像と3次元画像の表示切替が必須であるため、システム全体のコストが高くなってしまうという欠点がある。
【0014】
特に、デジタルカメラのような携帯型機器において、そのような特殊な表示装置の配置を強いることは、携帯性の確保や生産コスト抑制の点で非常に問題がある。
【0015】
また、特許文献3では、無限遠の被写体に対しては立体視効果を付与できないという問題がある。
【0016】
そこで本発明は、ユーザが撮影画像の縮小画像の中から多視点画像の縮小画像を容易かつ直感的に識別できる画像記録を簡易な構成で実現する。また本発明は、立体効果が生じないような無意味な多視点画像の記録を防止する。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明に係る画像記録装置は、2以上の視点から撮影された多視点画像および単一の視点から撮影された単視点画像を含む画像を撮影可能な撮影部と、撮影部の撮影した多視点画像または単視点画像である本画像を記憶する本画像記憶部と、本画像記憶部に記憶された本画像が多視点画像であるか単視点画像であるかを識別する画像識別部と、本画像を縮小した第1の縮小画像を作成した上、画像識別部が多視点画像であると識別した本画像から作成された第1の縮小画像に対し、3次元コンピュータグラフィック処理を施すことで、第2の縮小画像を作成する画像処理部と、画像識別部による多視点画像または単視点画像の識別に応じ、画像処理部の作成した第1の縮小画像または第2の縮小画像を記憶する縮小画像記憶部と、縮小画像記憶部に記憶された第1の縮小画像または第2の縮小画像と本画像記憶部に記憶された本画像とを対応づけて記録する記録部と、を備える。
【0018】
この発明によると、多視点画像の縮小画像として3次元コンピュータグラフィック処理の施された縮小画像が、単視点画像の縮小画像として単なる縮小画像が、それぞれ本画像と対応づけて記録される。多視点画像の縮小画像は3次元コンピュータグラフィック処理されているから、単なる縮小画像との違いが一目瞭然で分かる。また、多視点画像の縮小画像の表示のために特殊な写実的手法を使う必要がなく、装置構成が安価で済む。
【0019】
画像識別部が多視点画像であると識別した本画像から、被写体顔領域の有無を検出する顔検出部をさらに備え、画像処理部は、第1の縮小画像に対し、顔検出部が検出した被写体顔領域に対応する領域を設定した上、設定された領域に3次元コンピュータグラフィック処理を施すことで、第2の縮小画像を作成してもよい。
【0020】
ここでは、顔という重要部分に限って3次元コンピュータグラフィック処理を施しており、少ない処理で実質的な擬似立体縮小画像を記録できる。
【0021】
本発明に係る画像記録装置は、2以上の視点から撮影された多視点画像および単一の視点から撮影された単視点画像を含む画像を撮影可能な撮影部と、撮影部の撮影した多視点画像または単視点画像である本画像を記憶する本画像記憶部と、本画像記憶部に記憶された本画像が多視点画像であるか単視点画像であるかを識別する画像識別部と、画像識別部が多視点画像であると識別した画像について、撮影時のフラッシュ発光の有無を識別するフラッシュ発光識別部と、画像識別部が単視点画像であると識別したかまたはフラッシュ発光識別部が撮影時のフラッシュ発光がなかったと識別した本画像を縮小した第1の縮小画像を作成する画像処理部と、画像識別部が多視点画像と識別しかつフラッシュ発光識別部がフラッシュ発光があったと識別した本画像に対応する第2の縮小画像として3次元コンピュータグラフィックの施された所定のサンプル縮小画像を取得するサンプル縮小画像取得部と、画像識別部による多視点画像または単視点画像の識別とフラッシュ発光識別部による撮影時のフラッシュ発光の有無の識別とに応じ、画像処理部の作成した第1の縮小画像またはサンプル縮小画像取得部の取得した第2の縮小画像を記憶する縮小画像記憶部と、縮小画像記憶部に記憶された第1の縮小画像または第2の縮小画像と本画像記憶部に記憶された本画像とを対応づけて記録する記録部と、を備える。
【0022】
この発明によると、撮影時にフラッシュ発光があった多視点画像の縮小画像として3次元コンピュータグラフィック処理の施された所定のサンプル縮小画像が、単視点画像あるいは撮影時にフラッシュ発光がなかった多視点画像の縮小画像としては単なる通常の縮小画像が、本画像と対応づけて記録される。
【0023】
撮影時にフラッシュ発光があった多視点画像のサンプル縮小画像は3次元コンピュータグラフィック処理されているから、単なる縮小画像あるいは撮影時にフラッシュ発光がなかった多視点画像の縮小画像との違いが一目瞭然で分かる。また、多視点画像の縮小画像の表示のために特殊な写実的手法を使う必要も、撮影ごとに3次元コンピュータグラフィック処理を行う必要もなく、装置構成が安価で済む。
【0024】
本発明に係る画像記録装置は、2以上の視点から撮影された多視点画像および単一の視点から撮影された単視点画像を含む画像を撮影可能な撮影部と、撮影部の撮影した多視点画像または単視点画像である本画像を記憶する本画像記憶部と、本画像記憶部に記憶された本画像が多視点画像であるか単視点画像であるかを識別する画像識別部と、画像識別部が多視点画像であると識別した画像について、被写体顔領域の有無を検出する顔検出部と、画像識別部が単視点画像であると識別したかまたは顔検出部が被写体顔領域を検出しなかった本画像を縮小した第1の縮小画像を作成する画像処理部と、画像識別部が多視点画像と識別しかつ顔検出部が被写体顔領域を検出した本画像に対応する第2の縮小画像として3次元コンピュータグラフィックの施された所定のサンプル縮小画像を取得するサンプル縮小画像取得部と、画像識別部による多視点画像または単視点画像の識別と顔検出部による被写体顔領域の検出の有無とに応じ、画像処理部の作成した第1の縮小画像またはサンプル縮小画像取得部の取得した第2の縮小画像を記憶する縮小画像記憶部と、縮小画像記憶部に記憶された第1の縮小画像または第2の縮小画像と本画像記憶部に記憶された本画像とを対応づけて記録する記録部と、を備える。
【0025】
この発明によると、被写体顔領域があった多視点画像の縮小画像として3次元コンピュータグラフィック処理の施された所定のサンプル縮小画像が、単視点画像あるいは被写体顔領域がなかった多視点画像の縮小画像としては単なる通常の縮小画像が、本画像と対応づけて記録される。
【0026】
被写体顔領域があった多視点画像のサンプル縮小画像は3次元コンピュータグラフィック処理されているから、単なる縮小画像あるいは撮影時にフラッシュ発光がなかった多視点画像の縮小画像との違いが一目瞭然で分かる。また、多視点画像の縮小画像の表示のために特殊な写実的手法を使う必要も、撮影ごとに3次元コンピュータグラフィック処理を行う必要もなく、装置構成が安価で済む。
【0027】
本発明に係る画像記録装置は、2以上の視点から撮影された多視点画像および単一の視点から撮影された単視点画像を含む画像を撮影可能な撮影部と、撮影部の撮影した多視点画像または単視点画像である本画像を記憶する本画像記憶部と、本画像記憶部に記憶された本画像が多視点画像であるか単視点画像であるかを識別する画像識別部と、画像識別部が多視点画像と識別した画像中の被写体が遠距離または近距離にあるかを識別する距離識別部と、本画像を縮小した第1の縮小画像を作成した上、画像識別部が多視点画像であると識別しかつ距離識別部が被写体が近距離にあると識別した本画像から作成された第1の縮小画像に対し、3次元コンピュータグラフィック処理を施すことで、第2の縮小画像を作成する画像処理部と、画像識別部による多視点画像または単視点画像の識別と距離識別部による被写体の距離の識別とに応じ、画像処理部の作成した第1の縮小画像または第2の縮小画像を記憶する縮小画像記憶部と、縮小画像記憶部に記憶された第1の縮小画像または第2の縮小画像と本画像記憶部に記憶された本画像とを対応づけて記録する記録部と、を備える。
【0028】
この発明によると、近距離に被写体がある多視点画像に対してのみ3次元コンピュータグラフィック処理を施すから、被写体が遠距離にあり当該処理を施しても無意味な画像には当該処理を行わなくて済む。
【0029】
記録部は、画像識別部が多視点画像であると識別した本画像については、距離識別部が被写体が近距離にあると識別した本画像についてのみ記録するとよい。
【0030】
こうすると、被写体が所定距離以上の遠距離にあり、立体効果が生じにくい多視点画像、あるいは立体効果が全く生じない多視点画像を記録しなくて済み、無意味な画像記録を防止できる。
【0031】
画像識別部が多視点画像であると識別しかつ距離識別部が被写体が遠距離にあると識別した本画像は記録しない旨の警告を通知する通知部をさらに備えてもよい。
【0032】
こうすると、被写体が遠距離にあり立体効果が生じにくい多視点画像が記録されないことをユーザが認識できる。
【0033】
本発明に係る画像記録方法は、2以上の視点から撮影された多視点画像および単一の視点から撮影された単視点画像を含む画像を撮影するステップと、撮影した多視点画像または単視点画像である本画像を記憶するステップと、記憶された本画像が多視点画像であるか単視点画像であるかを識別するステップと、本画像を縮小した第1の縮小画像を作成した上、多視点画像であると識別した本画像から作成された第1の縮小画像に対し、3次元コンピュータグラフィック処理を施すことで、第2の縮小画像を作成するステップと、多視点画像または単視点画像の識別に応じ、作成した第1の縮小画像または第2の縮小画像を記憶するステップと、記憶された第1の縮小画像または第2の縮小画像と記憶された本画像とを対応づけて記録するステップと、を含む。
【0034】
この画像記録方法は、多視点画像であると識別した本画像から、被写体顔領域の有無を検出するステップと、第1の縮小画像に対し、検出した被写体顔領域に対応する領域を設定した上、設定された領域に3次元コンピュータグラフィック処理を施すことで、第2の縮小画像を作成するステップと、をさらに含んでもよい。
【0035】
本発明に係る画像記録方法は、2以上の視点から撮影された多視点画像および単一の視点から撮影された単視点画像を含む画像を撮影するなステップと、撮影した多視点画像または単視点画像である本画像を記憶するステップと、記憶された本画像が多視点画像であるか単視点画像であるかを識別するステップと、多視点画像であると識別した画像について、撮影時のフラッシュ発光の有無を識別するステップと、単視点画像であると識別したかまたは撮影時のフラッシュ発光がなかったと識別した本画像を縮小した第1の縮小画像を作成するステップと、多視点画像と識別しかつフラッシュ発光があったと識別した本画像に対応する第2の縮小画像として3次元コンピュータグラフィックの施された所定のサンプル縮小画像を取得するステップと、多視点画像または単視点画像の識別と撮影時のフラッシュ発光の有無の識別とに応じ、第1の縮小画像または第2の縮小画像を記憶するステップと、記憶された第1の縮小画像または第2の縮小画像と記憶された本画像とを対応づけて記録するステップと、を含む。
【0036】
本発明に係る画像記録方法は、2以上の視点から撮影された多視点画像および単一の視点から撮影された単視点画像を含む画像を撮影するステップと、撮影した多視点画像または単視点画像である本画像を記憶するステップと、記憶された本画像が多視点画像であるか単視点画像であるかを識別するステップと、多視点画像であると識別した画像について、被写体顔領域の有無を検出するステップと、単視点画像であると識別したかまたは被写体顔領域を検出しなかった本画像を縮小した第1の縮小画像を作成するステップと、多視点画像と識別しかつ被写体顔領域を検出した本画像に対応する第2の縮小画像として3次元コンピュータグラフィックの施された所定のサンプル縮小画像を取得するステップと、多視点画像または単視点画像の識別と被写体顔領域の検出の有無とに応じ、第1の縮小画像または第2の縮小画像を記憶するステップと、記憶された第1の縮小画像または第2の縮小画像と記憶された本画像とを対応づけて記録するステップと、を含む。
【0037】
本発明に係る画像記録方法は、2以上の視点から撮影された多視点画像および単一の視点から撮影された単視点画像を含む画像を撮影するステップと、撮影した多視点画像または単視点画像である本画像を記憶するステップと、記憶された本画像が多視点画像であるか単視点画像であるかを識別するステップと、多視点画像と識別した画像中の被写体が遠距離または近距離にあるかを識別するステップと、本画像を縮小した第1の縮小画像を作成した上、多視点画像であると識別しかつ被写体が近距離にあると識別した本画像から作成された第1の縮小画像に対し、3次元コンピュータグラフィック処理を施すことで、第2の縮小画像を作成するステップと、多視点画像または単視点画像の識別と被写体の距離の識別とに応じ、第1の縮小画像または第2の縮小画像を記憶するステップと、記憶された第1の縮小画像または第2の縮小画像と記憶された本画像とを対応づけて記録するステップと、を含む。
【0038】
この画像記録方法は、多視点画像であると識別した本画像については、被写体が近距離にあると識別した本画像についてのみ記録することが好ましい。
【0039】
また、多視点画像であると識別しかつ被写体が遠距離にあると識別した本画像は記録しない旨の警告を表示するステップをさらに含むことが好ましい。
【0040】
上記の画像記録方法をコンピュータに実行させるプログラムも本発明に含まれる。
【発明の効果】
【0041】
本発明によると、多視点画像の縮小画像として、3次元コンピュータグラフィック処理の施された縮小画像、より好適には被写体顔領域に3次元コンピュータグラフィック処理の施された縮小画像が、本画像と対応づけて記録される。一方、単視点画像、顔の検出されない多視点画像、あるいは被写体が遠距離にある多視点画像の縮小画像として、単なる縮小画像が、本画像と対応づけて記録される。多視点画像の縮小画像は3次元コンピュータグラフィック処理されているから、多視点画像の縮小画像と単視点画像の縮小画像との違いが一目瞭然で分かる。また、多視点画像の縮小画像の表示のために特殊な写実的手法を使う必要がなく、装置構成が安価で済む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
<第1実施形態>
図1は、複眼カメラ1の電気的構成を示す。第1および第2撮像部2a、2bのレンズ光軸L1、L2は、平行となるように、あるいは所定角度をなすように並設されている。
【0043】
第1撮像部2aは、レンズ光軸L1に沿って配列された第1ズームレンズ11a、第1絞り12a、第1フォーカスレンズ13a、および第1イメージセンサ14aによって構成されている。第1絞り12aには絞り制御部16aが接続されており、また、第1イメージセンサ14aにはタイミングジェネレータ(TG)18aが接続されている。第1絞り12a、第1フォーカスレンズ13aの動作は測光測距CPU19aによって制御される。TG18aの動作はメインCPU62によって制御される。
【0044】
カメラ1にはユーザがこのカメラ1を使用するときに種々の操作を行うための操作部70が設けられている。この操作部70には、カメラ1を作動させるための電源投入用の電源スイッチ、立体(3D)撮影、平面(2D)撮影、オート撮影やマニュアル撮影等を選択するためのモードダイヤル、各種のメニューの設定や選択あるいはズームを行うための十字キー、閃光発光用スイッチ、および十字キーで選択されたメニューの実行やキャンセル等を行うための情報位置指定キーが備えられている。操作部70への適宜操作により、電源のオン/オフ、各種モード(撮影モード、再生モード等)の切り替え、ズーミングなどが行われる。
【0045】
また、カメラ1には、メインCPU62と、EEPROM146と、YC/RGB変換部147と、表示用のドライバ148とが備えられている。メインCPU62は、このカメラ1全体の制御を行う。EEPROM146には、このカメラ1固有の固体データやプログラム等が格納されている。
【0046】
YC/RGB変換部147は、YC処理部35a・35bで生成されたカラー映像信号YCを3色のRGB信号に変換して表示用のドライバ148を経由して画像表示LCD10に出力する。
【0047】
入力操作部9からのズーム操作に応じて、第1ズームレンズ11aは、レンズ光軸L1に沿ってNEAR側(繰り出し側)、あるいはINF側(繰り込み側)に移動し、ズーム倍率を変化させる。この移動は図示しないモータで駆動される。絞り12aは、AE(Auto Exposure)動作時に開口値(絞り値)を変化させて光束を制限し、露出調整を行う。フォーカスレンズ13aは、AF(Auto Focus)動作時にレンズ光軸L1に沿ってNEAR側、あるいはINF側に移動されて合焦位置を変え、ピント調整を行う。この移動は図示しないモータで駆動される。
【0048】
静止画用レリーズスイッチ5aの半押し状態が検出されたとき、メインCPU62は距離用撮像素子51a・51bからそれぞれ測距データを得る。メインCPU62は得られた測距データに基づいて、ピント、絞りなどの調整を行う。
【0049】
第1イメージセンサ14aは、第1ズームレンズ11a、第1絞り12a、および第1フォーカスレンズ13aによって結像された被写体光を受光し、受光素子に受光量に応じた光電荷を蓄積する。第1イメージセンサ14aの光電荷蓄積・転送動作は、TG18aによって制御され、TG18aから入力されるタイミング信号(クロックパルス)により、電子シャッタ速度(光電荷蓄積時間)が決定される。第1イメージセンサ14aは、撮影モード時には、1画面分の画像信号を所定周期ごとに取得する。
【0050】
第2撮像部2bは、第1撮像部2aと同一の構成であり、第2ズームレンズ11b、第2絞り12b、第2フォーカスレンズ13b、およびタイミングジェネレータ(TG)14bが接続された第2イメージセンサ14bによって構成されている。これらの動作はメインCPU62によって制御される。第1撮像部2aと第2撮像部2bとは、基本的に連動して動作を行うが、各々個別に動作させることも可能となっている。なお、第1および第2イメージセンサ14a・14bとして、CCD型やCMOS型のイメージセンサが用いられる。
【0051】
第1および第2イメージセンサ14a・14bから出力された撮像信号は、それぞれA/D変換器30a・30bに入力される。A/D変換器30a・30bは、入力された画像データをアナログからデジタルに変換する。A/D変換器30a・30bを通して、第1イメージセンサ14aの撮像信号は第1画像データ(右眼用画像データ)として、第2イメージセンサ14bの撮像信号は第2画像データ(左眼用画像データ)として出力される。
【0052】
画像信号処理回路31a・31bは、それぞれ、階調変換、ホワイトバランス補正、γ補正処理などの各種画像処理をA/D変換器30a・31bから入力された第1および第2画像データに施す。バッファメモリ32a・32bは、画像信号処理回路31a・31bで各種画像処理が施された第1および第2画像データを一時的に格納する。
【0053】
測光・測距CPU19a・19bは、それぞれ、バッファメモリ32a・32bに格納された第1および第2画像データの各々からAF評価値およびAE評価値を算出する。AF評価値は、各画像データの全領域または所定領域(例えば中央部)について輝度値の高周波成分を積算することにより算出され、画像の鮮鋭度を表す。輝度値の高周波成分とは、隣接する画素間の輝度差(コントラスト)を所定領域内について足し合わせたものである。また、AE評価値は、各画像データの全領域または所定領域(例えば中央部)について輝度値を積算することにより算出され、画像の明るさを表す。AF評価値およびAE評価値は、後述する撮影準備処理時に実行されるAF動作およびAE動作においてそれぞれ使用される。
【0054】
バッファメモリ32a・32bに記憶された画像データは、それぞれYC処理部35a・35bにより輝度信号(Y信号)及び色差信号(Cr,Cb 信号)に変換されるとともに、ガンマ補正等の所定の処理が施される。処理されたYC信号はそれぞれワークメモリ128a・128bに格納される。
【0055】
ワークメモリ128a・128bに記憶された第1および第2画像データのYC信号は、それぞれコントローラ34によってYC/RGB変換部147に読み出される。YC/RGB変換部147は、第1および第2画像データのYC信号を所定方式の映像信号(例えば、NTSC方式のカラー複合映像信号)に変換した上で、画像表示LCD10での立体表示を行うための立体画像データに合成する。撮影モード時にLCD10が電子ビューファインダとして使用される際には、YC/RGB変換部147によって合成された立体画像データが、LCDドライバ148を介してLCD10にスルー画として表示される。
【0056】
圧縮伸張処理回路36a・36bは、それぞれワークメモリ128a・128bに記憶された第1および第2画像データに対して、静止画ではJPEG、動画ではMPEG2、MPEG4、H.264方式等の所定の圧縮形式に従って圧縮処理を施す。メディアコントローラ37は、圧縮伸張処理回路36a・36によって圧縮処理された各画像データを、I/F39経由で接続されたメモリカード38その他の記録メディアに記録させる。
【0057】
このようにしてメモリカード38に記録された第1および第2画像データをLCD10に再生表示する場合、メモリカード38の各画像データは、メディアコントローラ37によって読み出され、圧縮伸張処理回路36a・36によって伸張処理が行われ、YC/RGB変換部147によって立体画像データに変換された後、LCDドライバ148を介してLCD10に再生画像として表示される。
【0058】
LCD10は、写実的手法を採用していない通常の平面モニタであり、画像撮影時には電子ビューファインダとして使用され、画像再生時には撮影によって得られた画像データの表示を行う。
【0059】
メインCPU62は、複眼カメラ1の全体の動作を統括的に制御する。メインCPU62には、レリーズスイッチ5a・5b、操作部70のほか、不揮発性メモリであるEEPROM146が接続されている。EEPROM146は、各種制御用のプログラムや設定情報などを格納している。メインCPU62は、このプログラムや設定情報に基づいて各種処理を実行する。
【0060】
また、メインCPU62には、光学系制御指示部127が接続されており、光学系制御指示部127へのズーム操作に応じて第1撮像部2a・第2撮像部2bの撮影倍率が変更される。
【0061】
レリーズスイッチ5a・5bは2段押しのスイッチ構造となっている。撮影モード中に、レリーズスイッチ5a・5bが軽く押圧(半押し)されると、AF動作およびAE動作が行われ撮影準備処理がなされる。この状態でさらにレリーズスイッチ5a・5bが強く押圧(全押し)されると、撮影処理が行われ、1画面分の第1および第2画像データがフレームメモリ32からメモリカード38に転送されて記録される。
【0062】
AF動作は、メインCPU62が第1および第2フォーカスレンズ13a・13bを制御してそれぞれ所定方向に移動させながら、順次に得られる第1および第2画像データの各々から算出されたAF評価値の最大値を求めることによりなされる。AE動作は、AF動作が完了した後、算出されたAE評価値に基づいて、第1および第2絞り12a・12bの開口値、および第1および第2イメージセンサ14a・14bの電子シャッタ速度を設定することによりなされる。
【0063】
また、カメラ1には、操作の手助けを行うための操作LCD表示103が備えられている。
【0064】
また、カメラ1は、電源電池68が着脱可能な構成となっている。電源電池68は充電可能な二次電池、例えばニカド電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池で構成される。電源電池68は使い切り型の一次電池、例えばリチウム電池、アルカリ電池で構成してもよい。電源電池68は図示しない電池収納室に装填することにより、カメラ1の各回路と電気的に接続される。
【0065】
第1撮像部2a、第2撮像部2bには、それぞれ、第1撮像部2aと第2撮像部2bのなす間隔/輻輳角を検出する間隔/輻輳角検出回路4a・4bと、間隔/輻輳角検出回路4a・4bの検出した輻輳角を記憶するレンズ間隔/輻輳角記憶回路6、基線長の伸縮と光軸を駆動モータなどで回転させ輻輳を変化させる間隔/輻輳角駆動回路3a・3bとが備えられている。
【0066】
また、カメラ1には、間隔/輻輳角検出回路4a・4bの検出した間隔/輻輳角に基づいて間隔/輻輳角駆動回路3a・3bの輻輳角の変化を制御する間隔/輻輳角制御回路5が備えられている。
【0067】
充電・発光制御部138a・138bは、それぞれストロボ44a・44bを発光させるために電源電池68からの電力の供給を受けて図示しない閃光発光用のコンデンサを充電したり、ストロボ44a・44bの発光を制御する。
【0068】
充電・発光制御部138a・138bは、レリーズスイッチ5a・5bの半押し・全押し操作信号等の各種の信号や、発光量、発光タイミングを示す信号をメインCPU62や測光・測距CPU19a・19bから取り込んだことに応じ、ストロボ44a・44bへの電流供給制御を行い、所望の発光量が所望のタイミングで得られるように制御する。
【0069】
縦撮り/横撮り切替ボタン40は、縦撮りまたは横撮りのいずれで撮影を行うかを指示するためのボタンである。縦撮り/横撮り検出回路166は、このボタンの状態により、縦撮りまたは横撮りのいずれで撮影を行うかを検出する。
【0070】
2D/3Dモード切替フラグ168には、3D撮影モード/2D撮影モードの設定操作に応じて、2Dモードであることまたは3Dモードであることを表すフラグが設定される。
【0071】
距離用発光素子52a、52bは、それぞれ、第1撮像部2aおよび第2撮像部2bの捉えた同一被写体へ投光スポットを照射するための発光ダイオード(LED)からなる。
【0072】
距離用撮像素子51a、51bは、それぞれ、距離用発光素子52a、52bにより投光スポットの照射された被写体像を取得する測距専用の撮像素子である。
【0073】
距離用駆動/制御回路54は、距離用発光素子52a、52bの発光タイミングと距離用撮像素子53a、53bとを同期させる制御を行う。
【0074】
距離用撮像素子53a、53bの撮像動作で得られたアナログ画像信号はそれぞれ測距用A/D変換部55a、55bでデジタル画像データに変換され、距離情報処理回路57に出力される。
【0075】
距離情報処理回路57は、入力されたデジタル画像データから、第1撮像部2aおよび第2撮像部2bの捉えた被写体までの距離を算出する。これはいわゆる三角測距の原理に基づく。距離情報処理回路57が算出した距離情報は距離情報記憶回路58に記憶される。
【0076】
顔検出部150は、バッファメモリ32aあるいはバッファメモリ32bに格納された画像データや、バッファメモリ42に格納された画像データから被写体となった人物の顔部分を含む領域である顔領域を検出する。
【0077】
顔領域の検出方法は特に限定されず、各種のものを採用できるが、例えば本出願人による特開平9−101579号公報において開示された技術を適用することができる。この技術は、撮影した画像の各画素の色相が肌色の範囲に含まれるか否かを判定して肌色領域と非肌色領域とに分割すると共に、画像中のエッジを検出して画像中の各箇所をエッジ部分又は非エッジ部分に分類する。そして、肌色領域内に位置し非エッジ部分に分類された画素からなり、かつエッジ部分と判定された画素で囲まれた領域を顔候補領域として抽出し、抽出した顔候補領域が人物の顔に相当する領域かを判定し、この判定結果に基づき顔領域として検出するものである。また、この他に、特開2003−209683号公報や特開2002−199221号公報に記載される方法で顔領域を検出することもできる。
【0078】
なお、多視点画像は、上述のような複眼カメラ1で取得する必然性はなく、単眼カメラを用いたモーションステレオ法による連続撮影で取得してもよい。
【0079】
以下、図2のフローチャートを参照し、カメラ1で実行される画像記録処理の流れを説明する。この処理を規定するプログラムはEEPROM146に格納されており、メインCPU62がこのプログラムを実行する。操作部70からの「サムネイル画像一覧表示」の指示に応じ、メモリカード38に格納されている全ての多視点画像に対して一括して行われる。
【0080】
S1では、静止画用レリーズスイッチ5aが全押しされたか否かを判断する。静止画用レリーズスイッチ5aが全押しされた場合はS2に進む。
【0081】
S2では、記録用静止画データの取り込みを開始する。取り込まれた画像データ(本画像)はバッファメモリ42に確保された本画像バッファに一旦格納される。
【0082】
S3では、2D/3Dモード切替フラグ168のフラグを判断する。3Dモードのフラグが立っている場合はS4に進む。2Dモードのフラグが立っている場合はS7に進む。
【0083】
S4では、本画像バッファに格納されている多視点画像から、サムネイル画像を作成する。その具体的手法は特許文献2の段落0040と同様、左目用画像のみ、右目用画像のみ、あるいはその両方を間引いて作成すればよい。
【0084】
S5では、作成されたサムネイル画像に3次元CG処理を施すことで3次元サムネイル画像を作成する。例えば図3に示すように、画像中に存在する主要被写体その他の各種の物体(図3はマグカップを示しているが、人物などでもよい)に対応した3次元形状モデルのポリゴンPGに、サムネイル画像thの対応領域を貼り付けるテクスチャマッピングを行い、3次元CGサムネイル画像Xを得る。この具体的手法は特許文献1と同様である。あるいは、元の多視点画像について3次元CG処理を施し、それを間引くことで3次元CGサムネイル画像を作成してもよいが、処理の負荷の点では、先にサムネイルを作成する方が優れている。
【0085】
なお、その他の3Dコンピュータグラフィック手法をサムネイル画像に適用し3次元CGサムネイル画像を作成してもよい。
【0086】
S6では、作成した3次元CGサムネイル画像を、バッファメモリ41に確保されたサムネイルバッファに格納する。
【0087】
S7では、画像ファイルに格納されている単視点の通常画像から、サムネイル画像を作成する。その具体的手法は通常のサムネイル画像と同様、単視点画像を間引いて作成すればよい。このサムネイルを通常サムネイル画像と呼ぶ。
【0088】
S8では、作成した通常サムネイル画像を、バッファメモリ42に確保されたサムネイルバッファに格納する。
【0089】
S9では、バッファメモリ42のサムネイルバッファに格納されたサムネイル画像と、本画像バッファに格納された本画像とを関連付けてメモリカード38に記録する。両画像の関連付けは、例えば、両者を同一のExif(Exchangeable image file format)ファイルに格納し、メモリカード38に記録することで行うことができる。
【0090】
なお、S3〜S9の処理は、記録用静止画が新たに取得されるごとに行ってもよいし、静止画を一定数撮り溜めてから行ってもよい。要するに、本画像と縮小画像とを関連付けて記録できれば、3次元CGサムネイル画像の作成のタイミングはいつでもよい。
【0091】
図4は、上記処理によりメモリカード38に記録された画像ファイルから取り込まれLCD10その他の表示装置に一覧表示された3次元CGサムネイル画像Xおよび通常サムネイル画像Yの一例を示す。3次元CGサムネイル画像Xは、上記ステップS4〜6で作成されたものであり、3次元CGグラフィック処理が施され立体的効果が付与さているから、上記ステップS7〜8で作成された通常サムネイルYとの違いが一見して明らかであり、写実的手法を実現する特殊な表示装置を用いなくとも、多視点画像の縮小画像であることを観者に容易に認識させることができる。
【0092】
<第2実施形態>
図5は、画像記録処理の他の例を示す。ここでは、顔の写っている多視点画像のサムネイル画像を、当該多視点画像の顔領域についてのみ3次元CG処理を施したサムネイル画像に置き換える。
【0093】
S11〜S13は、S1〜S3と同様である。
【0094】
S14では、顔検出部150に対し、多視点画像の一方または双方から顔を抽出するよう指令する。顔検出部150はメインCPU62からの指令に応じ、画像ファイルに格納された左目用画像あるいは右目用画像から、顔領域の検出を試みる。
【0095】
S15では、顔検出部150が顔領域を検出できたか否かを判断する。顔領域を検出できた場合はS16、検出できなかった場合はS18に進む。
【0096】
S16では、顔が写っている多視点画像から、顔領域を抽出し、その顔領域に3次元CG処理を施す。これは例えば、顔が写っている多視点画像から顔領域を抽出するとともに、当該多視点画像を所定の間引き率で間引く。間引き後の縮小画像に、元多視点画像から抽出された顔領域に相当する領域を設定する。両視点画像から顔検出を試みた場合、検出精度の高い方の視点画像に顔領域を設定するとさらによい。そして、その設定領域中の顔に特有のポリゴンを作成し、当該ポリゴンに間引き後顔領域を貼り付けるテクスチャマッピングを行い、顔領域のみに3次元CG処理の施されたサムネイル画像を得る。この方式は、間引き画像の作成後に3次元CG処理を行う。
【0097】
あるいは、その検出した顔自体から、その人物の顔に特有のポリゴンを作成し、当該ポリゴンに顔領域を貼り付けるテクスチャマッピングを行い、多視点画像に顔領域のみに3次元CG処理を施した仮のCG画像を作る。そして、この仮のCG画像を所定の間引き率で間引き、顔領域のみに3次元CG処理の施されたサムネイル画像を得る。この方式は、3次元CG処理の後に間引き画像を作成する。
【0098】
上記のテクスチャマッピング方式はポリゴンの作成から始める必要があり、精密なポリゴンを作成すると処理負荷が大きい。ポリゴンの簡易な作成方法としては、次のようなものが挙げられる。まず、検出された顔領域から、顔の輪郭、目、鼻、口などの顔の構成部分を検出し、検出された顔の構成部分の位置に応じてポリゴン分割線を決める。例えば、両目の中央部分(眉間)から出発し鼻筋に沿って鼻先端に達する線と、両目を周回する線と、口を周回する線と、顔の輪郭とをポリゴン分割線とする。このポリゴンにテクスチャマッピングすると、口と鼻の部分が隆起し、目の周囲が窪んだような簡易な3次元CGサムネイル画像が得られる。
【0099】
S17では、作成した3次元CGサムネイル画像をサムネイルバッファに格納する。
【0100】
S18では、本画像バッファに格納されている多視点画像から、サムネイル画像を作成する。その具体的手法は特許文献2の段落0040と同様、左目用画像のみ、右目用画像のみ、あるいはその両方を間引いて作成すればよい。
【0101】
S20〜S22は、上述のS7〜S9と同様である。
【0102】
図6は、LCD10に一覧表示された、顔の検出された多視点画像に対応する3次元サムネイル画像S、通常サムネイル画像Y、顔の検出されなかった多視点画像に対応するサムネイル画像Zの一例を示す。
【0103】
サンプルサムネイル画像Uは、ステップS4〜S6で作成されたものであり、顔領域についてのみ3次元CGグラフィック処理が施されているから、ステップS20〜S21で作成された通常サムネイルYや、ステップS18〜S19で作成された単なる視点画像の縮小画像Zとの違いが一見して明らかであり、写実的手法を実現する特殊な装置を用いなくとも、顔を被写体とする立体画像の識別が容易である。しかも、元画像を用いて顔領域に3次元CGグラフィック処理が施されているから、元画像の顔の概要も立体的に分かる。
【0104】
<第3実施形態>
図7は、メインCPU62で実行される画像記録処理の他の例を示す。ここでは、フラッシュ撮影された多視点画像のサムネイル画像を、特別なサンプルに置き換える。
【0105】
S31〜S33は、S1〜S3と同様である。
【0106】
S34では、測光測距CPU19a・19bからフラッシュ発光情報を取得し、画像記録時のストロボ44a・44bのオンまたはオフの状況を識別する。なお、フラッシュ発光情報は、例えば、Exifファイルの「Flash」タグに格納される。
【0107】
S35では、フラッシュ発光情報に基づき、撮影時におけるストロボ44a・44bのオンまたはオフを判断する。撮影時にストロボ44a・44bがオンであった場合はS36、オフであった場合はS38に進む。
【0108】
S36では、多視点画像であることを表象するサンプルの3次元サムネイル画像をEEPROM146から取り出す。このサンプルは第2実施形態と同様3次元CG処理により立体効果が付与されており、EEPROM146に予め格納されている。なおこのサンプルは実際の被写体である必要はない。
【0109】
S37では、取り出したサンプルの3次元サムネイル画像をサムネイルバッファに格納する。サンプルの3次元サムネイル画像は、実際の被写体と同一である必要はなく、ただ、多視点画像であることを3Dグラフィックで示すためのサムネイル画像である。
【0110】
S38〜S42は、上述のS18〜S22と同様である。
【0111】
図8は、LCD10に一覧表示されたサンプルの3次元サムネイル画像W、通常サムネイル画像Y、立体画像の縮小画像Zの一例を示す。
【0112】
ステップS37でEEPROM146から取り出されたサンプルサムネイル画像Wは、3次元CG処理が施されているから、通常サムネイルYや単なる立体画像の縮小画像Zとの違いが一見して明らかであり、写実的手法を実現する特殊な装置を用いなくとも、顔を被写体とする立体画像の識別が容易である。
【0113】
しかも、多視点画像としての有効利用が困難な、フラッシュ非発光条件下での暗い多視点画像にまで一律にサンプルを対応づけて記録しなくて済み、処理が効率化する。
【0114】
<第4実施形態>
図9は、画像記録処理の他の例を示す。ここでは、顔の写っている多視点画像のサムネイル画像を、特別なサンプルに置き換える。
【0115】
S51〜S53は、S1〜S3と同様である。
【0116】
S54〜S55は、S14〜S15と同様である。ただし、S55では、顔があると判断した場合はS56、顔がないと判断した場合はS58に進む。
【0117】
S56では、顔が写っている多視点画像であることを表象するサンプルの3次元サムネイル画像をEEPROM146から取り出す。
【0118】
S57では、取り出したサンプルをサムネイルバッファに格納する。サンプルの3次元サムネイル画像は、実際の被写体の顔と同一である必要はなく、サンプルの人物の顔であればよく、かつその顔や身体などには、3Dグラフィックによる立体効果が予め付与されている。
【0119】
S58〜S62は、上述のS18〜S22と同様である。
【0120】
図10は、LCD10に一覧表示されたサンプルの3次元サムネイル画像U、通常サムネイル画像Y、立体画像の縮小画像Zの一例を示す。
【0121】
サンプルサムネイル画像Uは、3次元CGグラフィック処理が施されているから、通常サムネイルYや立体画像縮小画像Zとの違いが一見して明らかであり、写実的手法を実現する特殊な装置を用いなくとも、顔を被写体とする立体画像の識別が容易である。
【0122】
<第5実施形態>
図11は、画像記録処理の他の例を示す。ここでは、近距離の被写体を撮影した多視点画像のサムネイル画像のみを、3次元CG処理する。
【0123】
S71〜S73は、S1〜S3と同様である。
【0124】
S74では、距離情報記憶回路58から距離情報を取得し、撮影時のカメラ1から被写体までの距離を識別する。なお、距離情報は、例えば、Exifファイルの「SubjectDistance」タグに格納される。距離情報記憶回路58の距離情報は、距離用撮像素子51aから得られたものあるいは距離用撮像素子51bから得られたものの2種類が存在するが、どちらを用いてもよく、例えば、距離の短い方の距離情報を用いる。
【0125】
S75では、距離情報Dに基づき、被写体が所定の距離よりも遠い位置(例えばD>10m)にあったか否かを判断する。被写体が遠距離でない場合すなわち近距離にいる場合はS76に進み、被写体が遠距離であった場合はS78に進む。
【0126】
S76では、S5と同様、3次元CGサムネイル画像を作成する。
【0127】
S77では、作成した3次元CGサムネイル画像を、バッファメモリ42に確保されたサムネイルバッファに格納する。
【0128】
S78〜S82は、上述のS18〜S22と同様である。
【0129】
図12は、LCD10に一覧表示された3次元サムネイル画像T、通常サムネイル画像Y、3次元CG処理の施されなかった被写体が遠いサムネイル画像Vの一例を示す。
【0130】
被写体が近距離にあるサンプルサムネイル画像Tは、3次元CG処理が施されているから、写実的手法を実現する特殊な装置を用いなくとも、通常サムネイルYや被写体が遠い画像のサムネイル画像Vとの違いが一見して明らかである。
【0131】
しかも、撮影時に被写体が近距離にいた多視点画像についてのみ3次元CG処理を施すから、当該処理を施しても無意味な、被写体が遠い画像にまで一律に3次元CG処理をしなくて済み、処理が効率化する。
【0132】
<第6実施形態>
図13は、画像記録処理の他の例を示す。ここでは、多視点画像として遠距離の被写体を撮影した場合、警告を発し、多視点画像の記録そのものを行わない。一方、近距離で撮影された多視点画像のサムネイル画像のみを、3次元CG処理し、本画像と対応づけて記録する。
【0133】
S91〜S95は、S71〜S75と同様である。ただし、S95では、被写体が遠距離と判断した場合はS96、被写体が近距離と判断した場合はS97に進む。
【0134】
S96では、被写体が遠距離であり多視点画像を記録しない旨の警告をLCD10に表示する。そしてS101の画像記録には進まず、処理を終える。
【0135】
S97〜S98は、S76〜S77と同様である。また、S99〜S101は、S80〜S82と同様である。
【0136】
この処理では、撮影時に被写体が近距離にいた多視点画像についてのみ3次元CG処理を施し、本画像と対応づけて記録するから、当該処理を施しても無意味な、被写体が遠い画像にまで一律に3次元CG処理をしなくて済み、処理が効率化する。
【0137】
また、この処理では、撮影時に被写体が遠距離にいた多視点画像については、警告表示を行い、本画像の記録は行わない。つまり、被写体が遠く、立体視効果の生じない多視点画像を記録しなくて済み、処理が効率化する。
【0138】
<その他の実施形態>
上記第1〜6実施形態の一部または全部の組み合わせも可能である。例えば、顔が検出され、かつ撮影時のフラッシュ発光がオンである場合に限り、3次元CG処理を施した縮小画像を本画像と関連づけて記録することもできる。あるいは、顔が検出され、かつ撮影時のフラッシュ発光がオンである場合に限り、3次元CG処理を施したサンプル縮小画像を本画像と関連づけて記録することもできる。
【0139】
あるいは、被写体距離が近距離であり、かつ撮影時のフラッシュ発光がオンである場合に限り、3次元CG処理を施した縮小画像を本画像と関連づけて記録することもできる。あるいは、被写体距離が近距離であり、かつ撮影時のフラッシュ発光がオンである場合に限り、3次元CG処理を施したサンプル縮小画像を本画像と関連づけて記録することもできる。
【0140】
なお、顔検出があった場合は、被写体距離は近距離と想定されるため、顔検出があった場合、被写体距離が近距離または遠距離にある判定を省略してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0141】
【図1】カメラのブロック図
【図2】第1実施形態に係る画像記録処理のフローチャート
【図3】テクスチャマッピングの一例を示す図
【図4】第1実施形態に係る画像記録処理により記録されたサムネイルの一例を示す図
【図5】第2実施形態に係る画像記録処理のフローチャート
【図6】第2実施形態に係る画像記録処理により記録されたサムネイルの一例を示す図
【図7】第3実施形態に係る画像記録処理のフローチャート
【図8】第3実施形態に係る画像記録処理により記録されたサムネイルの一例を示す図
【図9】第4実施形態に係る画像記録処理のフローチャート
【図10】第4実施形態に係る画像記録処理により記録されたサムネイルの一例を示す図
【図11】第5実施形態に係る画像記録処理のフローチャート
【図12】第5実施形態に係る画像記録処理により記録されたサムネイルの一例を示す図
【図13】第6実施形態に係る画像記録処理のフローチャート
【符号の説明】
【0142】
1:カメラ、2a:第1撮像部、2b:第2撮像部、10:LCD、62:メインCPU、38:メモリカード
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2以上の視点から撮影された多視点画像および単一の視点から撮影された単視点画像を含む画像を撮影可能な撮影部と、
前記撮影部の撮影した多視点画像または単視点画像である本画像を記憶する本画像記憶部と、
前記本画像記憶部に記憶された本画像が多視点画像であるか単視点画像であるかを識別する画像識別部と、
前記本画像を縮小した第1の縮小画像を作成した上、前記画像識別部が多視点画像であると識別した本画像から作成された第1の縮小画像に対し、3次元コンピュータグラフィック処理を施すことで、第2の縮小画像を作成する画像処理部と、
前記画像識別部による前記多視点画像または前記単視点画像の識別に応じ、前記画像処理部の作成した第1の縮小画像または第2の縮小画像を記憶する縮小画像記憶部と、
前記縮小画像記憶部に記憶された第1の縮小画像または第2の縮小画像と前記本画像記憶部に記憶された本画像とを対応づけて記録する記録部と、
を備える画像記録装置。
【請求項2】
前記画像識別部が多視点画像であると識別した本画像から、被写体顔領域の有無を検出する顔検出部をさらに備え、
前記画像処理部は、前記第1の縮小画像に対し、前記顔検出部が検出した被写体顔領域に対応する領域を設定した上、前記設定された領域に3次元コンピュータグラフィック処理を施すことで、前記第2の縮小画像を作成する請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項3】
2以上の視点から撮影された多視点画像および単一の視点から撮影された単視点画像を含む画像を撮影可能な撮影部と、
前記撮影部の撮影した多視点画像または単視点画像である本画像を記憶する本画像記憶部と、
前記本画像記憶部に記憶された本画像が多視点画像であるか単視点画像であるかを識別する画像識別部と、
前記画像識別部が多視点画像であると識別した画像について、撮影時のフラッシュ発光の有無を識別するフラッシュ発光識別部と、
前記画像識別部が単視点画像であると識別したかまたは前記フラッシュ発光識別部が撮影時のフラッシュ発光がなかったと識別した本画像を縮小した第1の縮小画像を作成する画像処理部と、
前記画像識別部が多視点画像と識別しかつ前記フラッシュ発光識別部がフラッシュ発光があったと識別した本画像に対応する第2の縮小画像として3次元コンピュータグラフィックの施された所定のサンプル縮小画像を取得するサンプル縮小画像取得部と、
前記画像識別部による前記多視点画像または前記単視点画像の識別と前記フラッシュ発光識別部による前記撮影時のフラッシュ発光の有無の識別とに応じ、前記画像処理部の作成した第1の縮小画像または前記サンプル縮小画像取得部の取得した第2の縮小画像を記憶する縮小画像記憶部と、
前記縮小画像記憶部に記憶された第1の縮小画像または第2の縮小画像と前記本画像記憶部に記憶された本画像とを対応づけて記録する記録部と、
を備える画像記録装置。
【請求項4】
2以上の視点から撮影された多視点画像および単一の視点から撮影された単視点画像を含む画像を撮影可能な撮影部と、
前記撮影部の撮影した多視点画像または単視点画像である本画像を記憶する本画像記憶部と、
前記本画像記憶部に記憶された本画像が多視点画像であるか単視点画像であるかを識別する画像識別部と、
前記画像識別部が多視点画像であると識別した画像について、被写体顔領域の有無を検出する顔検出部と、
前記画像識別部が単視点画像であると識別したかまたは前記顔検出部が被写体顔領域を検出しなかった本画像を縮小した第1の縮小画像を作成する画像処理部と、
前記画像識別部が多視点画像と識別しかつ前記顔検出部が被写体顔領域を検出した本画像に対応する第2の縮小画像として3次元コンピュータグラフィックの施された所定のサンプル縮小画像を取得するサンプル縮小画像取得部と、
前記画像識別部による前記多視点画像または前記単視点画像の識別と前記顔検出部による前記被写体顔領域の検出の有無とに応じ、前記画像処理部の作成した第1の縮小画像または前記サンプル縮小画像取得部の取得した第2の縮小画像を記憶する縮小画像記憶部と、
前記縮小画像記憶部に記憶された第1の縮小画像または第2の縮小画像と前記本画像記憶部に記憶された本画像とを対応づけて記録する記録部と、
を備える画像記録装置。
【請求項5】
2以上の視点から撮影された多視点画像および単一の視点から撮影された単視点画像を含む画像を撮影可能な撮影部と、
前記撮影部の撮影した多視点画像または単視点画像である本画像を記憶する本画像記憶部と、
前記本画像記憶部に記憶された本画像が多視点画像であるか単視点画像であるかを識別する画像識別部と、
前記画像識別部が多視点画像と識別した画像中の被写体が遠距離または近距離にあるかを識別する距離識別部と、
前記本画像を縮小した第1の縮小画像を作成した上、前記画像識別部が多視点画像であると識別しかつ前記距離識別部が被写体が近距離にあると識別した本画像から作成された第1の縮小画像に対し、3次元コンピュータグラフィック処理を施すことで、第2の縮小画像を作成する画像処理部と、
前記画像識別部による前記多視点画像または前記単視点画像の識別と前記距離識別部による前記被写体の距離の識別とに応じ、前記画像処理部の作成した第1の縮小画像または第2の縮小画像を記憶する縮小画像記憶部と、
前記縮小画像記憶部に記憶された第1の縮小画像または第2の縮小画像と前記本画像記憶部に記憶された本画像とを対応づけて記録する記録部と、
を備える画像記録装置。
【請求項6】
前記記録部は、前記画像識別部が多視点画像であると識別した本画像については、前記距離識別部が被写体が近距離にあると識別した本画像についてのみ記録する請求項5に記載の画像記録装置。
【請求項7】
前記画像識別部が多視点画像であると識別しかつ前記距離識別部が被写体が遠距離にあると識別した本画像は記録しない旨の警告を通知する通知部をさらに備える請求項6に記載の画像記録装置。
【請求項8】
2以上の視点から撮影された多視点画像および単一の視点から撮影された単視点画像を含む画像を撮影するステップと、
撮影した多視点画像または単視点画像である本画像を記憶するステップと、
記憶された本画像が多視点画像であるか単視点画像であるかを識別するステップと、
前記本画像を縮小した第1の縮小画像を作成した上、前記多視点画像であると識別した本画像から作成された第1の縮小画像に対し、3次元コンピュータグラフィック処理を施すことで、第2の縮小画像を作成するステップと、
前記多視点画像または前記単視点画像の識別に応じ、作成した第1の縮小画像または第2の縮小画像を記憶するステップと、
前記記憶された第1の縮小画像または第2の縮小画像と前記記憶された本画像とを対応づけて記録するステップと、
を含む画像記録方法。
【請求項9】
前記多視点画像であると識別した本画像から、被写体顔領域の有無を検出するステップと、
前記第1の縮小画像に対し、前記検出した被写体顔領域に対応する領域を設定した上、前記設定された領域に3次元コンピュータグラフィック処理を施すことで、前記第2の縮小画像を作成するステップと、
をさらに含む請求項8に記載の画像記録方法。
【請求項10】
2以上の視点から撮影された多視点画像および単一の視点から撮影された単視点画像を含む画像を撮影するなステップと、
撮影した多視点画像または単視点画像である本画像を記憶するステップと、
記憶された本画像が多視点画像であるか単視点画像であるかを識別するステップと、
多視点画像であると識別した画像について、撮影時のフラッシュ発光の有無を識別するステップと、
前記単視点画像であると識別したかまたは前記撮影時のフラッシュ発光がなかったと識別した本画像を縮小した第1の縮小画像を作成するステップと、
前記多視点画像と識別しかつ前記フラッシュ発光があったと識別した本画像に対応する第2の縮小画像として3次元コンピュータグラフィックの施された所定のサンプル縮小画像を取得するステップと、
前記多視点画像または前記単視点画像の識別と前記撮影時のフラッシュ発光の有無の識別とに応じ、前記第1の縮小画像または前記第2の縮小画像を記憶するステップと、
前記記憶された第1の縮小画像または第2の縮小画像と前記記憶された本画像とを対応づけて記録するステップと、
を含む画像記録方法。
【請求項11】
2以上の視点から撮影された多視点画像および単一の視点から撮影された単視点画像を含む画像を撮影するステップと、
撮影した多視点画像または単視点画像である本画像を記憶するステップと、
記憶された本画像が多視点画像であるか単視点画像であるかを識別するステップと、
前記多視点画像であると識別した画像について、被写体顔領域の有無を検出するステップと、
前記単視点画像であると識別したかまたは前記被写体顔領域を検出しなかった本画像を縮小した第1の縮小画像を作成するステップと、
前記多視点画像と識別しかつ前記被写体顔領域を検出した本画像に対応する第2の縮小画像として3次元コンピュータグラフィックの施された所定のサンプル縮小画像を取得するステップと、
前記多視点画像または前記単視点画像の識別と前記被写体顔領域の検出の有無とに応じ、前記第1の縮小画像または前記第2の縮小画像を記憶するステップと、
前記記憶された第1の縮小画像または第2の縮小画像と前記記憶された本画像とを対応づけて記録するステップと、
を含む画像記録方法。
【請求項12】
2以上の視点から撮影された多視点画像および単一の視点から撮影された単視点画像を含む画像を撮影するステップと、
撮影した多視点画像または単視点画像である本画像を記憶するステップと、
記憶された本画像が多視点画像であるか単視点画像であるかを識別するステップと、
前記多視点画像と識別した画像中の被写体が遠距離または近距離にあるかを識別するステップと、
前記本画像を縮小した第1の縮小画像を作成した上、前記多視点画像であると識別しかつ前記被写体が近距離にあると識別した本画像から作成された第1の縮小画像に対し、3次元コンピュータグラフィック処理を施すことで、第2の縮小画像を作成するステップと、
前記多視点画像または前記単視点画像の識別と前記被写体の距離の識別とに応じ、前記第1の縮小画像または第2の縮小画像を記憶するステップと、
前記記憶された第1の縮小画像または第2の縮小画像と前記記憶された本画像とを対応づけて記録するステップと、
を含む画像記録方法。
【請求項13】
前記多視点画像であると識別した本画像については、前記被写体が近距離にあると識別した本画像についてのみ記録する請求項12に記載の画像記録方法。
【請求項14】
前記多視点画像であると識別しかつ前記被写体が遠距離にあると識別した本画像は記録しない旨の警告を通知するステップをさらに含む請求項13に記載の画像記録方法。
【請求項15】
請求項8〜14のいずれかに記載の画像記録方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項1】
2以上の視点から撮影された多視点画像および単一の視点から撮影された単視点画像を含む画像を撮影可能な撮影部と、
前記撮影部の撮影した多視点画像または単視点画像である本画像を記憶する本画像記憶部と、
前記本画像記憶部に記憶された本画像が多視点画像であるか単視点画像であるかを識別する画像識別部と、
前記本画像を縮小した第1の縮小画像を作成した上、前記画像識別部が多視点画像であると識別した本画像から作成された第1の縮小画像に対し、3次元コンピュータグラフィック処理を施すことで、第2の縮小画像を作成する画像処理部と、
前記画像識別部による前記多視点画像または前記単視点画像の識別に応じ、前記画像処理部の作成した第1の縮小画像または第2の縮小画像を記憶する縮小画像記憶部と、
前記縮小画像記憶部に記憶された第1の縮小画像または第2の縮小画像と前記本画像記憶部に記憶された本画像とを対応づけて記録する記録部と、
を備える画像記録装置。
【請求項2】
前記画像識別部が多視点画像であると識別した本画像から、被写体顔領域の有無を検出する顔検出部をさらに備え、
前記画像処理部は、前記第1の縮小画像に対し、前記顔検出部が検出した被写体顔領域に対応する領域を設定した上、前記設定された領域に3次元コンピュータグラフィック処理を施すことで、前記第2の縮小画像を作成する請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項3】
2以上の視点から撮影された多視点画像および単一の視点から撮影された単視点画像を含む画像を撮影可能な撮影部と、
前記撮影部の撮影した多視点画像または単視点画像である本画像を記憶する本画像記憶部と、
前記本画像記憶部に記憶された本画像が多視点画像であるか単視点画像であるかを識別する画像識別部と、
前記画像識別部が多視点画像であると識別した画像について、撮影時のフラッシュ発光の有無を識別するフラッシュ発光識別部と、
前記画像識別部が単視点画像であると識別したかまたは前記フラッシュ発光識別部が撮影時のフラッシュ発光がなかったと識別した本画像を縮小した第1の縮小画像を作成する画像処理部と、
前記画像識別部が多視点画像と識別しかつ前記フラッシュ発光識別部がフラッシュ発光があったと識別した本画像に対応する第2の縮小画像として3次元コンピュータグラフィックの施された所定のサンプル縮小画像を取得するサンプル縮小画像取得部と、
前記画像識別部による前記多視点画像または前記単視点画像の識別と前記フラッシュ発光識別部による前記撮影時のフラッシュ発光の有無の識別とに応じ、前記画像処理部の作成した第1の縮小画像または前記サンプル縮小画像取得部の取得した第2の縮小画像を記憶する縮小画像記憶部と、
前記縮小画像記憶部に記憶された第1の縮小画像または第2の縮小画像と前記本画像記憶部に記憶された本画像とを対応づけて記録する記録部と、
を備える画像記録装置。
【請求項4】
2以上の視点から撮影された多視点画像および単一の視点から撮影された単視点画像を含む画像を撮影可能な撮影部と、
前記撮影部の撮影した多視点画像または単視点画像である本画像を記憶する本画像記憶部と、
前記本画像記憶部に記憶された本画像が多視点画像であるか単視点画像であるかを識別する画像識別部と、
前記画像識別部が多視点画像であると識別した画像について、被写体顔領域の有無を検出する顔検出部と、
前記画像識別部が単視点画像であると識別したかまたは前記顔検出部が被写体顔領域を検出しなかった本画像を縮小した第1の縮小画像を作成する画像処理部と、
前記画像識別部が多視点画像と識別しかつ前記顔検出部が被写体顔領域を検出した本画像に対応する第2の縮小画像として3次元コンピュータグラフィックの施された所定のサンプル縮小画像を取得するサンプル縮小画像取得部と、
前記画像識別部による前記多視点画像または前記単視点画像の識別と前記顔検出部による前記被写体顔領域の検出の有無とに応じ、前記画像処理部の作成した第1の縮小画像または前記サンプル縮小画像取得部の取得した第2の縮小画像を記憶する縮小画像記憶部と、
前記縮小画像記憶部に記憶された第1の縮小画像または第2の縮小画像と前記本画像記憶部に記憶された本画像とを対応づけて記録する記録部と、
を備える画像記録装置。
【請求項5】
2以上の視点から撮影された多視点画像および単一の視点から撮影された単視点画像を含む画像を撮影可能な撮影部と、
前記撮影部の撮影した多視点画像または単視点画像である本画像を記憶する本画像記憶部と、
前記本画像記憶部に記憶された本画像が多視点画像であるか単視点画像であるかを識別する画像識別部と、
前記画像識別部が多視点画像と識別した画像中の被写体が遠距離または近距離にあるかを識別する距離識別部と、
前記本画像を縮小した第1の縮小画像を作成した上、前記画像識別部が多視点画像であると識別しかつ前記距離識別部が被写体が近距離にあると識別した本画像から作成された第1の縮小画像に対し、3次元コンピュータグラフィック処理を施すことで、第2の縮小画像を作成する画像処理部と、
前記画像識別部による前記多視点画像または前記単視点画像の識別と前記距離識別部による前記被写体の距離の識別とに応じ、前記画像処理部の作成した第1の縮小画像または第2の縮小画像を記憶する縮小画像記憶部と、
前記縮小画像記憶部に記憶された第1の縮小画像または第2の縮小画像と前記本画像記憶部に記憶された本画像とを対応づけて記録する記録部と、
を備える画像記録装置。
【請求項6】
前記記録部は、前記画像識別部が多視点画像であると識別した本画像については、前記距離識別部が被写体が近距離にあると識別した本画像についてのみ記録する請求項5に記載の画像記録装置。
【請求項7】
前記画像識別部が多視点画像であると識別しかつ前記距離識別部が被写体が遠距離にあると識別した本画像は記録しない旨の警告を通知する通知部をさらに備える請求項6に記載の画像記録装置。
【請求項8】
2以上の視点から撮影された多視点画像および単一の視点から撮影された単視点画像を含む画像を撮影するステップと、
撮影した多視点画像または単視点画像である本画像を記憶するステップと、
記憶された本画像が多視点画像であるか単視点画像であるかを識別するステップと、
前記本画像を縮小した第1の縮小画像を作成した上、前記多視点画像であると識別した本画像から作成された第1の縮小画像に対し、3次元コンピュータグラフィック処理を施すことで、第2の縮小画像を作成するステップと、
前記多視点画像または前記単視点画像の識別に応じ、作成した第1の縮小画像または第2の縮小画像を記憶するステップと、
前記記憶された第1の縮小画像または第2の縮小画像と前記記憶された本画像とを対応づけて記録するステップと、
を含む画像記録方法。
【請求項9】
前記多視点画像であると識別した本画像から、被写体顔領域の有無を検出するステップと、
前記第1の縮小画像に対し、前記検出した被写体顔領域に対応する領域を設定した上、前記設定された領域に3次元コンピュータグラフィック処理を施すことで、前記第2の縮小画像を作成するステップと、
をさらに含む請求項8に記載の画像記録方法。
【請求項10】
2以上の視点から撮影された多視点画像および単一の視点から撮影された単視点画像を含む画像を撮影するなステップと、
撮影した多視点画像または単視点画像である本画像を記憶するステップと、
記憶された本画像が多視点画像であるか単視点画像であるかを識別するステップと、
多視点画像であると識別した画像について、撮影時のフラッシュ発光の有無を識別するステップと、
前記単視点画像であると識別したかまたは前記撮影時のフラッシュ発光がなかったと識別した本画像を縮小した第1の縮小画像を作成するステップと、
前記多視点画像と識別しかつ前記フラッシュ発光があったと識別した本画像に対応する第2の縮小画像として3次元コンピュータグラフィックの施された所定のサンプル縮小画像を取得するステップと、
前記多視点画像または前記単視点画像の識別と前記撮影時のフラッシュ発光の有無の識別とに応じ、前記第1の縮小画像または前記第2の縮小画像を記憶するステップと、
前記記憶された第1の縮小画像または第2の縮小画像と前記記憶された本画像とを対応づけて記録するステップと、
を含む画像記録方法。
【請求項11】
2以上の視点から撮影された多視点画像および単一の視点から撮影された単視点画像を含む画像を撮影するステップと、
撮影した多視点画像または単視点画像である本画像を記憶するステップと、
記憶された本画像が多視点画像であるか単視点画像であるかを識別するステップと、
前記多視点画像であると識別した画像について、被写体顔領域の有無を検出するステップと、
前記単視点画像であると識別したかまたは前記被写体顔領域を検出しなかった本画像を縮小した第1の縮小画像を作成するステップと、
前記多視点画像と識別しかつ前記被写体顔領域を検出した本画像に対応する第2の縮小画像として3次元コンピュータグラフィックの施された所定のサンプル縮小画像を取得するステップと、
前記多視点画像または前記単視点画像の識別と前記被写体顔領域の検出の有無とに応じ、前記第1の縮小画像または前記第2の縮小画像を記憶するステップと、
前記記憶された第1の縮小画像または第2の縮小画像と前記記憶された本画像とを対応づけて記録するステップと、
を含む画像記録方法。
【請求項12】
2以上の視点から撮影された多視点画像および単一の視点から撮影された単視点画像を含む画像を撮影するステップと、
撮影した多視点画像または単視点画像である本画像を記憶するステップと、
記憶された本画像が多視点画像であるか単視点画像であるかを識別するステップと、
前記多視点画像と識別した画像中の被写体が遠距離または近距離にあるかを識別するステップと、
前記本画像を縮小した第1の縮小画像を作成した上、前記多視点画像であると識別しかつ前記被写体が近距離にあると識別した本画像から作成された第1の縮小画像に対し、3次元コンピュータグラフィック処理を施すことで、第2の縮小画像を作成するステップと、
前記多視点画像または前記単視点画像の識別と前記被写体の距離の識別とに応じ、前記第1の縮小画像または第2の縮小画像を記憶するステップと、
前記記憶された第1の縮小画像または第2の縮小画像と前記記憶された本画像とを対応づけて記録するステップと、
を含む画像記録方法。
【請求項13】
前記多視点画像であると識別した本画像については、前記被写体が近距離にあると識別した本画像についてのみ記録する請求項12に記載の画像記録方法。
【請求項14】
前記多視点画像であると識別しかつ前記被写体が遠距離にあると識別した本画像は記録しない旨の警告を通知するステップをさらに含む請求項13に記載の画像記録方法。
【請求項15】
請求項8〜14のいずれかに記載の画像記録方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−278425(P2008−278425A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−122642(P2007−122642)
【出願日】平成19年5月7日(2007.5.7)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月7日(2007.5.7)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
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